JP7278917B2 - 電力変換システム、および電力変換システムにおける電流制御方法 - Google Patents

電力変換システム、および電力変換システムにおける電流制御方法 Download PDF

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本発明は、電力変換システム、および電力変換システムにおける電流制御方法に関する。
鉄道車両駆動用の電機品である電力変換装置やリアクトルは車両の床下に搭載されている。近年では、車両のメンテナンス性を向上するために、レールや架線の劣化・故障を把握するためのモニタリング装置の搭載が検討されている。
車両の床下スペースは有限であることから、これらのモニタリング装置を車両に搭載するためには、駆動電機品を小型化する必要がある。電力変換装置では、電圧駆動型のパワー半導体であるIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)やMOSFET(Metal‐Oxide‐Semiconductor Field‐Effect Transistor)が適用されている。IGBTやMOSFETをはじめとするパワー半導体は高速なスイッチング動作によりスイッチング損失を低減できることから、電力変換装置の冷却器を小型化することができる。
また、電力変換装置の直流側にはキャパシタが搭載されている。キャパシタの電圧が過電圧になると電力変換装置などの各機器の故障を引き起こすことが懸念されるため、放電装置を用いて速やかに放電される。この放電装置がオン状態になると架線と放電装置が直結されるため、架線から大電流が流れることによる遮断器等の機器の焼損を引き起こす。さらに、リアクトルとキャパシタが共振することで共振電流が発生する。特に、リアクトルの小型化のためにインダクタンスを低減すると、共振電流の周波数が信号機器の帯域と重なるため信号機器の誤動作を引き起こす恐れがある。そこで、放電装置の制御技術が開発されている。
例えば下記特許文献1には、「電力変換装置は直流電力と交流電力の変換を行う電力変換部と、回生動作時に電力変換部により変換された発電電力のうち余分な電力を消費又は逐電する回生電力制御装置と、電力変換部の直流側に接続されたフィルタコンデンサと、回生電力制御装置の通流率を発電電力、フィルタコンデンサに印加された電圧、及び電力変換部から電源へ流れる回生電流に基づいて決定する通流率決定部と、を備える」と開示されている(特許文献1の要約書参照)。
特開平2018-126039号公報
しかしながら上述の従来技術では、架線から流れる大電流は低減できるが,共振電流は低減できないという問題がある。
本発明の目的は、上述の点を考慮してなされたものであり、入力側から流れる大電流と、共振電流を共に低減できる電力変換システム、および電力変換システムにおける電流制御方法を提供することを1つの目的とする。
かかる課題を解決するため本発明においては、一態様として、電力変換システムは、架線から供給される直流電力を遮断する第一の遮断器と、前記第一の遮断器を介して前記架線に接続され、第二の遮断器および前記第二の遮断器に並列接続された第一の抵抗器を有する減流装置と、前記減流装置を介して前記第一の遮断器に接続されたリアクトルと、前記リアクトルを介して前記減流装置に接続され、前記直流電力を交流電力へ変換して電動機へ供給する第一の電力変換装置と、前記第一の電力変換装置の直流側に接続されたキャパシタと、前記キャパシタの電圧を検出する電圧検出手段と、前記キャパシタに並列接続され、半導体素子および前記半導体素子に直列接続された第二の抵抗器を有するチョッパ回路と、前記電圧検出手段により検出された前記キャパシタの電圧が所定値を超えた場合に、前記半導体素子をオン状態にして前記チョッパ回路を動作させるとともに、前記第二の遮断器をオフ状態にして前記減流装置を動作させる制御部とを有するようにした。
本発明によれば、例えば、入力側から流れる大電流と、共振電流を共に低減できる電力変換システム、および電力変換システムにおける電流制御方法を提供することができる。
本発明の実施形態1における鉄道車両の概略図である。 本発明の実施形態1における電力変換システムの回路図である。 本発明の実施形態1における電力変換システムの処理を示すフローチャートである。 本発明の実施形態1における電力変換システムの動作波形である。 本発明の実施形態2における電力変換システムの回路図である。 本発明の実施形態3における電力変換システムの回路図である。 本発明の実施形態4における電力変換システムの回路図である。 本発明の実施形態5における電力変換システムの回路図である。 本発明の実施形態6における減流装置の回路図である。
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。以下の説明において、同一または類似の要素および処理に同一の符号を付し、重複説明を省略する。また、後出の実施形態では、既出の実施形態との差異のみを説明し、重複説明を省略する。
以下の実施形態の説明および各図で示す構成および処理は、本発明の理解および実施に必要な程度で実施形態の概要の一例を示すものであり、本発明に係る実施の態様を限定することを意図する趣旨ではない。また、各実施形態および各変形例は、本発明の趣旨を逸脱せず、互いに整合する範囲内で、一部または全部を組合せることができる。
[実施形態1]
(鉄道車両8の概略)
図1は、本発明の実施形態1における鉄道車両8の概略図である。図1において、レール2上を走行する鉄道車両8を加速するための力行動作では、電力源の架線1から集電装置7を介して鉄道車両8に電力が供給される。鉄道車両8を駆動するための電機品は、遮断器11a、減流装置10、リアクトル9、電力変換装置6、および抵抗器12である。なお、図1は、各電機品を別箱に格納されるように記載しているが、電機品の一部もしくはすべてが一体の箱に格納されてもよい。
(実施形態1の電力変換システム1Sの回路)
図2は、本発明の実施形態1における電力変換システム1Sの回路図である。電力変換システム1Sにおいて、架線1から集電装置7を介して供給された直流電力は、遮断器11a、減流装置10、リアクトル9、電力変換装置6を介して交流電力に変換され電動機5を駆動する。電動機5の駆動により、図1に記載の車輪3が回転し鉄道車両8が前進する。電動機5は、誘導電動機または永久磁石同期電動機のどちらでもよい。また、電動機5が誘導電動機の場合は、1台の電力変換装置6によって複数の電動機5が駆動されてもよい。
鉄道車両8を減速するための回生動作では、電力の流れが力行動作の逆になる。すなわち、電動機5が発電機として動作し、電力変換装置6により電動機5で発電された交流電力が直流電力変換されたのちにリアクトル9、減流装置10、遮断器11a、および集電装置7を介して架線1に回生される。
電気的なグラウンドとして、電力変換装置6の負電圧側が、車輪3を介してレール2に接続されている。電動機5は、鉄道車両8を支えている台車4に搭載されている。以下では架線1の電圧は一例として直流750Vとして説明するが、他の直流電圧の鉄道システムにも適用可能である。
電力変換装置6は、キャパシタ105、スイッチング素子Q1~Q7、およびダイオードD1~D7、D10を備えている。スイッチング素子Q1,Q2は直列接続されてU相を構成し、スイッチング素子Q3,Q4は直列接続されてV相を構成し、スイッチング素子Q5,Q6は直列接続されてW相を構成して、3相のインバータ回路が構成される。また、スイッチング素子Q7とダイオードD10が直列接続され、ダイオードD10に抵抗器12が並列接続されてチョッパ回路C1が構成される。ダイオードD10は省略可能である。
各スイッチング素子Q1~Q7には、ダイオードD1~D7が逆並列接続される。ここで、スイッチング素子Q1~Q7がIGBTの場合にはダイオードD1~D7を接続する必要があるが、スイッチング素子Q1~Q7がMOSFETなどボディダイオードを有する素子である場合には、ダイオードD1~D7を接続せずにMOSFETのボディダイオードを利用することができる。また、直列接続されたスイッチング素子もしくはダイオードが同一のパッケージに搭載された2in1素子を用いてもよい。
スイッチング素子Q1~Q7はMOSFETやIGBTなどの電圧制御型スイッチング素子や、サイリスタなどの電流制御型スイッチング素子でよい。ダイオードD1~D7はPNダイオードやSBD(Schottky Barrier Diode)などでよい。スイッチング素子Q1~Q7およびダイオードD1~D7、D10の半導体は、Si(シリコン)やSiよりもバンドギャップが広い半導体であるSiC(炭化ケイ素)やGaN(窒化ガリウム)でもよい。
電力変換装置6のインバータ回路のスイッチング素子Q1~Q6が例えばPWM(Pulse Width Modulation)制御されることで、キャパシタ105から交流電力が出力される。交流電力は電動機5に供給され、機械エネルギーに変換される。PWM制御の指令は論理部(図示せず)で生成される。ここで、リアクトル9とキャパシタ105はフィルタ回路としての機能を有しており、架線1へ流れ出るノイズ電流の低減などの機能がある。
電力変換装置6のチョッパ回路C1のスイッチング素子Q7の状態は、キャパシタ105の電圧に応じて制御される。キャパシタ105の電圧は電圧検出手段13を用いて検出され、制御部15へ入力される。制御部15は、キャパシタ105の電圧に基づいて遮断器11a、11b、およびスイッチング素子Q7に制御信号を出力する。
例えば、鉄道車両がブレーキをかけると電動機5は発電機として動作し、架線1に向かって電力を回生する。このとき、架線1に力行中の他の鉄道車両8(図示せず)が存在すると、回生電力はこの他の鉄道車両8で消費される。一方、架線1に力行中の他の鉄道車両が存在しない場合、回生電力は架線1に戻ることができず行き場をなくすため、キャパシタ105を充電し、キャパシタ105の電圧が上昇する。キャパシタ105が過電圧になると電力変換装置6の各機器の故障を引き起こすため、放電する必要がある。よって、電力変換装置6のチョッパ回路C1は、キャパシタ105の放電装置として動作する。
(実施形態1の電力変換システム1Sの処理)
図3は、本発明の実施形態1における電力変換システム1Sの処理を示すフローチャートである。電力変換システム1Sにおける処理は、制御部15によって周期的に実行される。制御部15は、電力変換システム1Sにおける処理において、スイッチング素子Q7、遮断器11a,11bへ、これらを制御する制御信号を出力する。
先ずステップS11では、制御部15は、電圧検出手段13を用いてキャパシタ105の電圧を検出する。次にステップS12では、制御部15は、ステップS11で検出された電圧が過電圧、例えば900Vを超えたか否かを判定する。
制御部15は、ステップS11で検出された電圧が所定値を超えた場合(ステップS11Yes)、スイッチング素子Q7をオフ状態からオン状態にするとともに、遮断器11bを釈放する(ステップS13)。制御部15は、ステップS11で検出された電圧が所定値以下の場合(ステップS12No)、ステップS11へ処理を戻す。ステップS13に続いてステップS14では、制御部15は、遮断器11bがオフ状態になると遮断器11aを釈放する。
(実施形態1の電力変換システム1Sの動作波形)
図4は、本発明の実施形態1における電力変換システム1Sの動作波形である。時刻t=t0~t1において、ブレーキ動作により電動機5からキャパシタ105にエネルギーが充電されキャパシタ105の電圧Vc(図4(b)参照)が上昇する。このとき、架線1での他の力行車両の出現あるいは電力変換装置6が再力行する動作に備えて、遮断器11bはオン(導通)状態である。
時刻t=t1において、キャパシタ105の電圧Vcが所定値に達すると、キャパシタ105を放電するためにスイッチング素子Q7をオン状態にする。ここで、遮断器11bがオン状態のままスイッチング素子Q7をオン状態にすると、架線1と抵抗器12が直結されるため大電流が流れ、遮断器11bや抵抗器12が焼損する。例えば架線1の電圧が750V、抵抗器12の抵抗値は例えば0.3Ωの場合、架線を流れる電流は2500A(=750/0.3)となる。
そこで、従来技術では、遮断器11bをオン状態のままスイッチング素子Q7のオンデューティを低くしてスイッチング動作することで、架線1から抵抗器12に流入する電流を抑制している。しかし、スイッチング素子Q7をオンにすることでキャパシタ105の電圧は低下し、架線1と電位差が生じる。
ここで、リアクトル9とキャパシタ105は直列接続されているため、LC共振電流が発生する(図4(a)の破線で示す曲線を参照)。特にリアクトル9のインダクタンスやキャパシタ105のキャパシタンスを小さくすると共振電流の周波数が高くなる。共振電流の周波数が鉄道信号機器の帯域に重なると信号機器の誤動作を引き起こすため、共振電流を抑制する必要がある。
従来技術はキャパシタ105と抵抗器12が並列接続されるため共振電流のダンピング効果が小さく、スイッチング素子Q7のオンデューティを変更しても共振電流は十分に抑制できない。
そこで、本実施形態では、時刻t=t1においてスイッチング素子Q7をオン状態にすると同時に遮断器11bをオフ状態にする。このとき、抵抗器101は架線1に対して直列に接続される。抵抗器101はキャパシタ105の初期充電でも用いられるため、抵抗値は抵抗器12の0.3Ωよりも大きく例えば11Ωである。
遮断器11bをオフ状態かつスイッチング素子Q7をオン状態にすると、減流装置10の減流抵抗が11Ωであり抵抗器101と抵抗器12が直列接続されることから、架線1から流入する電流は66A(750/(11+0.3))となり、架線1から流入する電流を抑制できる。さらに、抵抗器101はリアクトル9とキャパシタ105とともにRLC直列回路を構成するため、架線1の電流は非振動となる。すなわち、本実施形態によれば、図4(a)に示すように、架線1から流入する電流Isを抑制するとともに、電流Isの共振も抑制することができる。
時刻t=t2において、遮断器11aがオフにされ架線1に流れる電流I(1)は0Aまで遮断される。遮断器11aの動作は、従来技術と同様である。遮断器11aがオフ状態になるとキャパシタ105のエネルギーは抵抗器12で放電され、キャパシタ105の電圧は低下する。
本実施形態では、スイッチング素子Q7のオン動作と、遮断器11bのオフ動作は、時刻t=t1の同時であることが望ましい。遮断器11bは、スイッチング素子Q7のオン動作と同時にオフ動作されてから所定時間ΔTで実際にオフ状態となる所定速度以上で動作する必要がある。所定時間ΔTとは、例えば、リアクトル9とキャパシタ105のLC共振の影響による信号機器等の誤動作が発生せず、かつ、遮断器11a,11bが架線から流入する電流で溶断しない時間である。
遮断器11bのオフ動作にする時刻が、遮断器11bがオフ動作後に時刻t=t1+ΔTまでに実際にオフ状態になることができる時刻であれば、スイッチング素子Q7のオン動作の時刻t=t1以前、および、時刻t=t1以後の所定時間ΔT以内の所定時刻であっても、抵抗器101が機能するため、本実施形態の効果を得ることができる。
これに対し、遮断器11bのオフ動作の時刻が、遮断器11bがオフ動作後に時刻t=t1+ΔTまでに実際にオフ状態になることができない時刻であれば、スイッチング素子Q7のオン時に架線から流入する電流が大きくなり、本実施形態の効果を得ることができない。
なお、遮断器11aは、スイッチング素子Q7がオン状態になった後にオフ状態となればよいので、遮断器11bよりも動作速度は遅くてもよい。
(実施形態1の効果)
ブレーキチョッパを備え、減流装置を備えない従来技術の電力変換システムでは、チョッピングによって事故電流を減流し、キャパシタの過電圧を防止できるものの、リアクトルとキャパシタのLC共振を抑制できない。一方、本実施形態では、電力変換システム1Sが、チョッパ回路C1と減流装置10を共に備え、事故電流を減流することでキャパシタ105を高速に放電させて過電圧を防止しつつ、リアクトル9とキャパシタ105のLC共振を抑制することができる。また、事故電流を高速に減流するので、事故電流が変電所の許容電流を超過することを抑止できる。よって、事故電流の変動を抑制するためにリアクトルを大型化する必要がなく、リアクトル9を小型化し、そのインダクタンス値を小さくすることができる。
[実施形態2]
図5は、本発明の実施形態2における電力変換システム2Sの回路図である。本実施形態の減流装置10Bは、実施形態1の減流装置10(図2参照)と比較して、遮断器として、機械式の遮断器の代わりに、スイッチング素子Q8と、スイッチング素子Q8に逆並列接続されたダイオードD8を搭載している点が異なり、その他の点は実施形態1と同様である。
実施形態1で述べたように、遮断器11bが、所定速度以上で動作する必要がある。しかし、一般的に、機械式の遮断器は、半導体素子に比べて動作の遅延時間が長い。そこで、実施形態2の減流装置10Bは、遮断器として、機械式の遮断器11bに代えて、機械式の遮断器よりも動作の遅延時間が短いスイッチング素子Q8と、ダイオードD8を搭載している。スイッチング素子Q8が、実施形態1で述べた所定速度以上で動作することで、実施形態1と同様の効果を得ることができる。
[実施形態3]
図6は、本発明の実施形態3における電力変換システム3Sの回路図である。実施形態3の減流装置10Cは、実施形態2の減流装置10B(図5参照)と比較して、スイッチング素子Q9およびその逆並列ダイオードD9と、抵抗器102が追加されている点が異なり、その他の点は実施形態2と同様である。
減流装置10Cは、キャパシタ105の初期充電と、電力変換装置6やリアクトル9の故障などによる事故電流の減流の二つの機能を有する。
電力変換装置6を駆動するためには、キャパシタ105を初期充電する必要がある。実施形態3において、キャパシタ105の初期充電時にはスイッチング素子Q7,Q8,Q9はオフ状態とし、キャパシタ105の充電電流は架線1、遮断器11a、抵抗器101、およびリアクトル9を介して流れる。すなわち、抵抗器101は、キャパシタ105の充電抵抗として動作する。架線1の上流にある変電所(図示せず)をトリップさせないように、充電電流のピーク値を低減する必要があるため、抵抗器101の充電抵抗は10Ω前後となる。
電力変換装置6やリアクトル9の故障により事故電流が流れると、減流装置10Cのスイッチング素子Q8はオフ状態となる。スイッチング素子Q8がオフ状態のときにスイッチング素子Q8に発生するサージ電圧は、減流装置10Cの抵抗値と事故電流のピーク値に依存している。すなわち、減流装置10Cの抵抗値が大きいほどサージ電圧が高くなるため、スイッチング素子Q8の高耐圧化が必要である。高耐圧のスイッチング素子は導通損失が高いため冷却器が大型化する。このサージ電圧を抑制するためには、抵抗値は数Ω程度が望ましい。
そこで、減流装置10Cは、抵抗値を切り替える機能を有する。キャパシタ105を初期充電する際には、スイッチング素子Q7,Q8,Q9をオフ状態とすることで、抵抗器101を用いる。キャパシタ105の初期充電を終えるとスイッチング素子Q8,Q9はオン状態、スイッチング素子Q7はオフ状態とする。
この状態で事故電流を減流するためにスイッチング素子Q8をオフ状態にすると、減流装置10Cは、並列接続した抵抗器101,102が減流抵抗として動作する。減流装置10Cの減流時の抵抗値は、抵抗器12の抵抗値より大きいが、抵抗器101,102の合成抵抗である数Ω程度の抵抗値となる。すなわち、キャパシタ105の初期充電時の抵抗値は、事故電流を減流するときの抵抗値に比べて大きくなる。この結果、キャパシタ105の充電電流を抑制しつつ、事故電流の減流時のサージ電圧を抑制することができる。
[実施形態4]
図7は、本発明の実施形態4における電力変換システム4Sの回路図である。電力変換システム4Sは、実施形態3の電力変換システム3S(図6参照)と比較して、リアクトル9が二次側巻線を有して、第二の電力変換装置14が接続されている点が異なり、その他の点は実施形態3と同様である。
第二の電力変換装置14は、架線1を流れるノイズ電流を抑制する機能を有する。このノイズ電流は数A程度であるのに対して、図4(b)に示す架線1の電流I(1)は数十A程度となる場合がある。この時、架線1には抵抗器101,102が接続されるため、架線1を流れるノイズ電流は十分に抑制される。すなわち、キャパシタ105を放電する一連の動作の最中は、第二の電力変換装置14は動作を停止していてよい。
[実施形態5]
図8は、本発明の実施形態5における電力変換システム5Sの回路図である。電力変換システム5Sは、実施形態1の電力変換システム1S(図2参照)と比較して、抵抗器12と、スイッチング素子Q7およびダイオードD7との位置が相互に入れ替わっている点が異なり、その他の点は実施形態1と同様である。このような構成の電力変換システム5Sも、実施形態1の電力変換システム1Sと同様の効果を得ることができる。
また、実施形態2~4の何れの電力変換システムにおいても、抵抗器12と、スイッチング素子Q7およびダイオードD7との位置が相互に入れ替え可能であり、何れの電力変換システムも同様の効果を得ることができる。
[実施形態6]
図9は、本発明の実施形態6における減流装置10Fの回路図である。実施形態1~5の電力変換システムが有する減流装置は、減流装置10Fで置き換え可能である。それぞれの減流装置を減流装置10Fで置き換えた何れの電力変換システムも、同様の効果を得ることができる。減流装置10Fは、二つの半導体素子Q8,Q9と、二つの抵抗器101,102を備えて構成される。
減流装置10Fは、キャパシタ105の初期充電時にはスイッチング素子Q8,Q9をオフ状態とし、直列接続された抵抗器101,102がキャパシタ105の充電抵抗として動作する。キャパシタ105の初期充電を終えるとスイッチング素子Q8,Q9はオン状態とされる。また、キャパシタ105の過電圧が検知された際、減流装置10Fのスイッチング素子Q8がオフ状態にされ、スイッチング素子Q9がオン状態とされると、抵抗器102が減流抵抗として動作する。よって、キャパシタ105の初期充電時の抵抗値は、事故電流を減流するときの数Ω程度の抵抗値に比べて大きくなる。この結果、キャパシタ105の充電電流を抑制しつつ、事故電流の減流時のサージ電圧を抑制することができる。
[他の実施形態]
上述した実施形態1~6において、キャパシタ105の過電圧検知後、スイッチング素子Q7をオン状態にする際、スイッチング素子Q7のチョッピング動作を行ってもよい。これにより、リアクトル9とキャパシタ105のLC共振の抑制が速まるという効果が得られる。
また、減流装置は、3つの半導体素子と、3つの抵抗器とで構成されてもよい。
上記の実施形態1~6および他の実施形態の電力変換システムを電気車に適用することで、電気車における事故電流や共振電流を抑制することが可能となる。また、上記の実施形態1~6および他の実施形態の電力変換システムを自動車や建機などの車両、エレベータ装置、産業用電力変換素子テムに適用した場合にも、同様の効果を得ることができる。
なお、本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、様々な変形例を含む。例えば、上記した実施形態は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、矛盾しない限りにおいて、ある実施形態の構成の一部を他の実施形態の構成で置き換え、ある実施形態の構成に他の実施形態の構成を加えることも可能である。また、各実施形態の構成の一部について、構成の追加、削除、置換、統合、または分散をすることが可能である。また実施形態で示した構成および処理は、処理効率または実装効率に基づいて適宜分散または統合することも可能である。
1S,2S,3S,4S,5S:電力変換システム、1:架線、2:レール、5:電動機、6:電力変換装置、7:集電装置、8:鉄道車両、9:リアクトル、10,10B,10C,10F:減流装置、11a,11b:遮断器、12,101,102:抵抗器、13:電圧検出手段、14:第二の電力変換装置、15:制御部、105:キャパシタ、D1~D10:ダイオード、Q1~Q9:スイッチング素子、C1:チョッパ回路

Claims (12)

  1. 架線から供給される直流電力を遮断する第一の遮断器と、
    前記第一の遮断器を介して前記架線に接続され、第二の遮断器および前記第二の遮断器に並列接続された第一の抵抗器を有する減流装置と、
    前記減流装置を介して前記第一の遮断器に接続されたリアクトルと、
    前記リアクトルを介して前記減流装置に接続され、前記直流電力を交流電力へ変換して電動機へ供給する第一の電力変換装置と、
    前記第一の電力変換装置の直流側に接続されたキャパシタと、
    前記キャパシタの電圧を検出する電圧検出手段と、
    前記キャパシタに並列接続され、第一の半導体素子および前記第一の半導体素子に直列接続された第二の抵抗器を有するチョッパ回路と、
    御部と
    を有し、
    前記制御部は、
    前記電圧検出手段により検出された前記キャパシタの電圧が所定値を超えた場合に、前記第一の半導体素子をオン状態にして前記チョッパ回路を動作させると同時に、前記第二の遮断器をオフ状態にして前記減流装置を動作させることで、前記第一の抵抗器と前記第二の抵抗器とが直列に接続された直列回路と、前記第一の抵抗器と前記リアクトルと前記キャパシタとが直列に接続されたRLC直列回路と、を構成し、
    前記RLC直列回路によって前記架線からの電流の共振を抑制しつつ、前記直列回路によって該電流を減流させ
    ことを特徴とする電力変換システム。
  2. 前記第二の遮断器は、第二の半導体素子である
    ことを特徴とする請求項1に記載の電力変換システム。
  3. 前記制御部は、
    前記第二の遮断器をオフ状態にした後に、前記第一の遮断器をオフ状態にする
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の電力変換システム。
  4. 前記制御部は、
    前記第一の半導体素子をオン状態にする以前、および、前記第一の半導体素子をオン状態にした以後の所定時間以内の所定時刻で前記第二の遮断器をオフ状態にして前記減流装置を動作させる
    ことを特徴とする請求項1~3の何れか1項に記載の電力変換システム。
  5. 前記減流装置の抵抗値は、前記第二の抵抗器の抵抗値よりも大きい
    ことを特徴とする請求項1~4の何れか1項に記載の電力変換システム。
  6. 前記減流装置は少なくとも二つの半導体素子と少なくとも二つの抵抗器で構成される
    ことを特徴とする請求項1~5の何れか1項に記載の電力変換システム。
  7. 前記減流装置は、
    前記第一の抵抗器と並列接続された第三の抵抗器をさらに有し、
    前記制御部は、
    前記キャパシタの充電の際には、前記第一の抵抗器を充電抵抗として前記減流装置を動作させ、
    前記キャパシタの電圧が所定値を超えた場合には、前記第一の抵抗器および前記第三の抵抗器を減流抵抗として前記減流装置を動作させる
    ことを特徴とする請求項6に記載の電力変換システム。
  8. 前記減流装置は、
    前記第一の抵抗器と直列接続された第三の抵抗器をさらに有し、
    前記制御部は、
    前記キャパシタの充電の際には、前記第一の抵抗器および前記第三の抵抗器を充電抵抗として前記減流装置を動作させ、
    前記キャパシタの電圧が所定値を超えた場合には、前記第三の抵抗器を減流抵抗として前記減流装置を動作させる
    ことを特徴とする請求項6に記載の電力変換システム。
  9. 前記制御部は、
    前記第一の半導体素子をオン状態にする際、チョッピング動作させる
    ことを特徴とする請求項1~8の何れか1項に記載の電力変換システム。
  10. 前記リアクトルは二次側巻線を有しており、前記二次側巻線に第二の電力変換装置が搭載される
    ことを特徴とする請求項1~9の何れか1項に記載の電力変換システム。
  11. 前記チョッパ回路が動作中は前記第二の電力変換装置は動作を停止する
    ことを特徴とする請求項10に記載の電力変換システム。
  12. 電力変換システムにおける電流制御方法であって、
    前記電力変換システムは、
    架線から供給される直流電力を遮断する第一の遮断器と、
    前記第一の遮断器を介して前記架線に接続され、第二の遮断器および前記第二の遮断器に並列接続された第一の抵抗器を有する減流装置と、
    前記減流装置を介して前記第一の遮断器に接続されたリアクトルと、
    前記リアクトルを介して前記減流装置に接続され、前記直流電力を交流電力へ変換して電動機へ供給する第一の電力変換装置と、
    前記第一の電力変換装置の直流側に接続されたキャパシタと、
    前記キャパシタの電圧を検出する電圧検出手段と、
    前記キャパシタに並列接続され、第一の半導体素子および前記第一の半導体素子に直列接続された第二の抵抗器を有するチョッパ回路と、
    制御部と、を有し、
    前記制御部が、
    前記電圧検出手段により検出された前記キャパシタの電圧が所定値を超えた場合に、前記第一の半導体素子をオン状態にして前記チョッパ回路を動作させると同時に、前記第二の遮断器をオフ状態にして前記減流装置を動作させることで、前記第一の抵抗器と前記第二の抵抗器とが直列に接続された直列回路と、前記第一の抵抗器と前記リアクトルと前記キャパシタとが直列に接続されたRLC直列回路と、を構成し、
    前記RLC直列回路によって前記架線からの電流の共振を抑制しつつ、前記直列回路によって該電流を減流させ
    ことを特徴とする電流制御方法。
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