JP7278582B2 - 光触媒による流体清浄化構造、および該流体清浄化構造に用いる光触媒ユニット - Google Patents

光触媒による流体清浄化構造、および該流体清浄化構造に用いる光触媒ユニット Download PDF

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Description

本発明は、光触媒により空気等の流体を清浄化する流体清浄化構造、および該流体清浄化構造に用いる光触媒ユニットに関する。
従来、光触媒を利用してウイルス等を分解する空気清浄化構造を有する空気清浄機が提案されている(例えば、特許文献1、2参照。)。これら従来の光触媒による空気清浄化構造は、厚み方向に貫通する多数の空気通過孔を有する板状基材(フィルタ基材)の表裏面の一方の面に、酸化チタンなどの光触媒を担持させて光触媒フィルタを構成し、当該光触媒フィルタの光触媒担持面に対面する位置に紫外線ランプを複数本間隔をあけて配置した光触媒ユニットを設け、該ユニットに対し、表裏一方の側からフィルタ厚み方向に空気を供給して、フィルタの空気通過孔、光触媒層及び複数本の紫外線ランプの間の隙間に空気を流通させる構造である。そして、光触媒層を通過する過程で、紫外線で励起した光触媒により空気中の有害物を分解・除去する。
このような従来の光触媒ユニットを用いた空気清浄化構造は、光触媒フィルタと紫外線ランプをフィルタ厚み方向に互いに対面させて配置していることからユニットの厚みが大きくなり、薄型コンパクト化に限界がある。また、紫外線ランプの間を空気が流通する構造であるため、空気の抵抗になる紫外線ランプの本数を増やすにも限界があり、光触媒フィルタへの紫外線の照射量、照射効率の向上にも一定の限界がある。例えば、板状基材の空気通過孔の内面奥側まで光触媒を担持させたとしても、当該奥まで効率よく紫外線を照射させることが難しい。
これに対し、表裏面に光触媒が担持される複数の板状部を、隣接する板状部の表裏面が隙間をあけて対向するように配置し、前記隙間を空気の流通路とする光触媒フィルタを構成し、前記光触媒フィルタの各板状部の端面のうち、前記隙間への空気の入口側の端面及び前記隙間からの空気の出口側の端面の少なくとも一方の側の端面に対向する位置であって、該端面から所定距離離れた位置に、前記隙間に向けて紫外線を照射する紫外線照射部を配置し、該紫外線照射部と各板状部の端面との間に、該端面に略平行な側方より空気を取り込み、前記板状部の間の隙間よりなる前記流通路に供給する空気供給路、又は前記流通路から出た空気を、前記端面に略平行な側方に排出する空気排出路を形成してなる空気清浄化構造が提案されている(特許文献3参照)。
このような空気清浄化構造では、光触媒フィルタの各板状部の端面のうち空気の入口側又は出口側の端面から所定距離離れた位置に紫外線照射部を配置し、該紫外線照射部と各板状部の端面との間に、該端面に略平行な側方より空気を取り込む空気供給路、又は空気を前記端面に略平行な側方に排出する空気排出路を形成しており、紫外線ランプの隙間を通じて空気を供給又は排出するものではないので、紫外線照射部の設計の自由度が著しく向上し、各板状部の光触媒により効率よく紫外線を照射して光触媒による空気清浄化作用を著しく向上させることが容易となる。
しかし、このような空気清浄化構造は、紫外線照射部と光触媒フィルタとの間の側方から空気をL字状に供給又は排出する構造であるため、空気の供給/排出の形態(流路)が限定されるとともに、ユニット全体として大型化してしまうし、また、このようなL字状ではなくフィルタ厚み方向にまっすぐに流体を通したい場合には採用できず、流路構造が限定されてしまうという問題があった。
実用新案登録第3150894号公報 特表2011-114894号公報 特開2017-148484号公報
そこで、本発明が前述の状況に鑑み、解決しようとするところは、光触媒に効率よく紫外線を照射して光触媒による流体清浄化作用を向上できると同時に、光触媒フィルタと光照射部とからなる光触媒ユニットとして、薄型、小型化が可能であり、流路構造の設計自由度も高い、光触媒による流体清浄化構造、及び該構造に用いる光触媒ユニットを提供する点にある。
本発明は、以下の発明を包含する。
(1) 山部と谷部が交互に複数形成された波型の部材よりなり、前記山部の頂部および谷部の底部の一方又は双方に、流体を通過させるための流体通過穴が形成され、表裏面に光触媒が担持された光触媒フィルタと、前記光触媒フィルタの前記山部および谷部が延びている方向の一端側と他端側の一方又は双方に設けられ、前記山部および谷部が延びている内方に向けて紫外線又は可視光の光を照射する光照射部と、前記光触媒フィルタの前記表裏面のうち一方の面の側に設けられ、前記一方の面に向けて流体を供給する流体供給路と、前記光触媒フィルタの前記表裏面のうち他方の面の側に設けられ、前記流体供給路から供給されて前記流体通過穴を通過し、前記他方の面から出た流体を排出する流体排出路と、前記流体供給路及び前記流体排出路の一方又は双方に内装され、前記一方の面又は他方の面に対面して設けられる集塵フィルタと、を備えることを特徴とする光触媒による流体清浄化構造。
(2) 前記集塵フィルタにおける前記光触媒フィルタの前記一方の面又は他方の面に対面する側の面が、白色系のフィルタ面である(1)記載の流体清浄化構造。
(3) 前記白色系のフィルタ面に光触媒が担持されている、(2)記載の流体清浄化構造。
(4) 前記集塵フィルタが、活性炭を含有する暗色系のフィルタ層を備える、(1)~(3)の何れかに記載の流体清浄化構造。
(5) (1)~(4)の何れかに記載の流体清浄化構造に用いる光触媒ユニットであって、前記光触媒フィルタ、前記光照射部、及び前記集塵フィルタを備える光触媒ユニット。
(6) 前記光触媒フィルタの前記表裏面を除く端面、及び該端面に隣接した前記集塵フィルタの端面を覆い、前記流体供給路及び流体排出路の流路壁を構成する有色の光遮蔽壁を設けてなる、(5)記載の光触媒ユニット。
(7) 前記光触媒フィルタの流体通過穴が、前記山部および谷部が延びている方向に長い貫通溝であり、該貫通溝の長手方向に沿った一対の互いに対向する開口縁部には、該貫通溝を形成するために切り起こされ、当該山部又は谷部の凸面側に起立する起立片がそれぞれ設けられている、(5)又は(6)記載の光触媒ユニット。
以上にしてなる本願発明によれば、波型で十分な表面積を有する光触媒フィルタのフィルタ両面に、一端側又は両端側に設けた光照射部から山部又は谷部の延びる方向に沿って内側に光照射しながら、前記流体供給路および流体排出路を通じて当該フィルタの厚み方向に流体を通過させることで、流体中の有害物質や悪臭等をフィルタ表裏面および流体通過孔の内面に担持されている光触媒によって効率よく分解・除去することができる。
また、光照射部は、従来のようにフィルタ面に対面した位置に設けるのではなく、光触媒フィルタの前記山部および谷部が延びている方向の一端側と他端側の一方又は双方に設けられ、その位置から前記山部および谷部が延びている内方に向けて紫外線又は可視光の光を照射するように構成しているため、光照射部に邪魔されることなく流体をフィルタ厚み方向にまっすぐに流通させることが可能となり、流路設計上の自由度が向上するとともに、フィルタ及び光照射部からなるユニットを著しく薄型化、コンパクト化することができる。
また、前記集塵フィルタにおける前記光触媒フィルタの前記一方の面又は他方の面に対面する側の面が、白色系のフィルタ面であるものでは、光照射部から照射された光を反射させ、光触媒フィルタの各部に光を当てることができ、光触媒による上記分解・除去作用をより高めることができる。
また、前記白色系のフィルタ面に光触媒が担持されているものでは、当該フィルタ面も光触媒機能を持ち、該集塵フィルタに付着する有害物質や悪臭等を光触媒によって分解・除去できる。
また、前記集塵フィルタが、活性炭を含有する暗色系のフィルタ層を備えるものでは、光照射部からの光の外部への洩れを防ぐことができる。
また、前記光触媒フィルタの前記表裏面を除く端面、及び該端面に隣接した前記集塵フィルタの端面を覆い、前記流体供給路及び流体排出路の流路壁を構成する有色の光遮蔽壁を設けたものでは、該流路壁によって光触媒ユニットの各端面を囲い、光の外部への洩れをより確実に防止できる。
本発明の代表的実施形態に係る光触媒ユニットを示す斜視図。 同じく図1のA-A縦断面図。 同じく図1のB-B横断面図。 同じく光触媒ユニットを構成する光触媒フィルタ、光照射部及び集塵フィルタを示す分解斜視図。 同じく光触媒フィルタの要部を示す斜視図。 同じく光触媒フィルタの要部の断面図。 光触媒フィルタを複数の分割構成とした変形例を示す説明図。 本発明の光触媒ユニットの他の実施形態を示す分解斜視図。 同じく他の実施形態の光触媒ユニットを示す縦断面図。 本発明の光触媒ユニットの更に他の実施形態を示す説明図。
次に、本発明の実施形態を添付図面に基づき詳細に説明する。
本発明の光触媒による流体清浄化構造1は、図1~図3に示すように、山部31と谷部32が交互に複数形成された波型の部材よりなる光触媒フィルタ3と、光触媒フィルタ3の前記山部31および谷部32が延びている方向の一端側と他端側の一方又は双方に設けられた光照射部5と、光触媒フィルタ3の表裏面のうち一方の面に流体を供給する流体供給路70と、光触媒フィルタ3の表裏面のうち他方の面から出た流体を排出する流体排出路71と、流体供給路70及び流体排出路71に内装され、光触媒フィルタ3の表裏面に対面して設けられる集塵フィルタ4A、4Bとを備えている。本発明において流体は空気その他の気体以外に、液体も含まれる。
本例によれば、光触媒フィルタ3のフィルタ両面に、光照射部5から山部31又は谷部32の延びる方向に沿って内側に光照射しながら、流体供給路70および流体排出路71を通じて当該フィルタ3の厚み方向に流体を通過させ、流体中の有害物質や悪臭等をフィルタ表裏面および流体通過孔の内面に担持されている光触媒によって効率よく分解・除去することができる。
光触媒フィルタ3は、図4~図6に示すように、山部31と谷部32が交互に複数形成された波型の部材よりなり、山部31の頂部および谷部32の底部の一方又は双方に、流体を通過させるための流体通過穴33が形成され、表裏面に光触媒が担持されている。本例では、金属板をプレス加工することにより、複数の山部31の頂部のすべて、複数の谷部32の底部のすべてが各々、同一平面上に位置する平坦な波板形状に加工され、表面に光触媒層が被覆形成されたものである。金属以外の素材のものでもよい。
また、本例の光触媒フィルタ3は、山部31及び谷部32を角張った方形状して全体として凹凸形状の波型に構成されているが、山部及び谷部がなだらかな連続した曲面形状にされた波型に構成したものでも勿論よい。「山部」及び「谷部」は、凹凸形状(波型)の凹凸面の一方の面を上面、他方の面を下面として、上面側に突出した部位を「山部」、下面側に突出した部位を「谷部」とする。部材の素材としては、アルミニウムやステンレスその他、種々の金属素材を用いることができるが、これに限定されない。
流体通過穴33は、すべての山部31又はすべての谷部32に設ける必要はなく、たとえば一つ又は二つ以上の山部31又は谷部32を飛ばして形成してもよい。流体通過穴33の寸法や数、配置なども、本装置の用途や大きさ等に応じた適した保形性が得られるように、適宜決めることができる。本例では、一つの山部31又は谷部32に対して、山部31又は谷部32が延びている方向に長い貫通溝よりなる流体通過穴33を二つ、間隔をあけて連設し、間に形成される橋渡し部34(当該山部31又は谷部32における流体通過穴33間の残部)によって全体として保形性を維持できる構造とされている。ただし、板厚やその他の寸法、求められる保形性の程度に応じて、流体通過穴33の長さや間隔を適宜決めることができ、例えば、列方向に流体通過穴33を三つ以上連設してもよいし、一つのみ構成したものでもよい。
流体通過穴33の長手方向に沿った一対の互いに対向する開口縁部には、該流体通過穴33を形成するために切り起こされた、当該山部31又は谷部32の凸面側に起立する起立片35がそれぞれ設けられている。このように起立片35が形成された光触媒フィルタ3は、山部31と谷部32による波型の凹凸表面によって気体に接触する大きな表面積を備えると同時に、その山部31又は谷部32に形成される流体通過穴33の内面、開口縁部の起立片35の分も、気体及び光との接触面積が増えている。したがって、触媒反応が効率よく行われることになる。
起立片35は、凹凸形状のプレス加工と同時、または直後に、打ち抜きによる切り起こし加工により効率良く形成することができる。開口縁部の双方に設けられる起立片35は、各開口縁部のほぼ全長にわたって延びる長片とされているが、間隔をあけて複数の起立片を設けることも勿論できる。この場合、両開口縁部に交互に(千鳥状に)突出長さの長い起立片を切り起こしにより形成することもできる。中央から両側に切り起こすことにより、開口縁部の双方に設けられる起立片の高さ寸法は、同じ寸法となり、具体的には当該貫通溝の列方向に直交する幅方向の寸法の略半分の寸法となる。起立片35を切り起こし加工により形成することで母材を無駄なく用いて形成することができ、接触面積を最大限に高めることが可能となる。
光触媒層は、酸化チタン等の紫外線励起型の光触媒粒子や、三酸化タングステンを主成分とした可視光励起型の光触媒粒子などの光触媒粒子を、部材の表面に担持させた層である。山部31と谷部32よりなる凹凸形状をプレス加工で成形する場合においては、あらかじめ表面に光触媒層を形成していると該層が剥がれてしまったり形状精度を狂わせる原因になることもある。これを避けるためには、凹凸形状に加工した後に上記層を形成すればよい。光触媒粒子の担持(光触媒層の形成)の方法は特に限定されないが、比較的コストの掛からないスラリー浸漬含浸法が好ましい。その他の浸漬含浸法、真空含浸法、ゾルゲル法などの手段を用いることもできる。
光照射部5は、光触媒フィルタ3の山部31および谷部32が延びている方向の両端側に設けられ、それぞれ山部31および谷部32が延びている内方に向けて、紫外線又は可視光の光を照射する。光照射部5は、光触媒フィルタ3の全面にほぼ均等に光を照射するべく、光触媒フィルタ3の両端に沿って略同じ長さの領域にわたって設けられている。このような光照射部5としては、前記内方に向けて外周面から発光する柱状の導光部材50を設けるとともに、該導光部材50の両端部に光源51を設け、これにより光源51の光が導光部材50の内部に取り込まれ、前記発光表面(外周面)から内方の金属フィルタ表面に光を照射するものとされている。発光表面には光を出す凹凸が設けられている。
なお、このような導光部材50を用いるのではなく、光源としてのLED素子が軸方向に沿って所定間隔おきに設けられた前記長さのLED基板を配置するとともに、前記内方を除く位置に反射部材を設け、前記内方に光を照射するように構成したものも好ましい。光源51としては、光触媒フィルタ3の光触媒に適した波長の紫外線又は可視光の光を発するLED素子が用いられ、該LED素子を有するLED基板52が導光部材50の両端に対面するように配置されている。導光部材50の一端にのみLED基板52を設け、他端は反射板のみ設けるようにしてもよい。
導光部材50の発光表面(外周面)からフィルタ面に照射された光は、該面上の光触媒を活性化させるとともに、該フィルタ3の流体通過穴33から他方の面側にも抜け、集塵フィルタ4A,4Bの表面に反射され、光触媒フィルタ3の他方の面の全体に照射され、該面上の光触媒を同じく活性化させる。本例では、光触媒フィルタ3の両端側に光源51を有する光照射部5を設けたが、一方にのみ設け、他方は内方に光を反射する反射部材のみ設けたものでもよい。
集塵フィルタ4A、4Bは、コルゲート型であり、ガラス繊維や合成繊維等のろ材からなるHEPA(High Efficiency Particulate Air)フィルタが好適であるが、他の集塵フィルタでもよい。大きさは光触媒フィルタ3の表/裏面全体を覆う大きさとされている。本例では表裏双方に設けているが、一方にのみ設けてもよい。
集塵フィルタ4A,4Bは、多層構造とされており、光触媒フィルタ3に対面する側には、白色系のフィルタ層が形成され、光照射部5から光触媒フィルタ3の表裏面に照射された光を当該対向面で反射させて該表裏面に効率よく照射されるように構成されている。この白色系のフィルタ層には、光触媒フィルタ3と同様、光触媒が担持されていることが好ましい。これにより、集塵・反射だけでなく触媒機能を持たせ、当該フィルタ層に捕捉された埃等や通過する空気を光触媒作用で清浄化することができる。対向面側のフィルタ層の光触媒作用は、外側の他のフィルタ層に捕捉されたウイルス等も分解することができる。
集塵フィルタ4A,4Bの中間又は前記対向面と反対側の外側には、活性炭を含有する暗色系のフィルタ層が形成され、空気中の埃や臭い成分を効率よく捕捉するとともに、光の外部への洩れを防ぐように構成されている。このようなフィルタ層は、活性炭粒子を塗り込み等で担持させた層より構成され、これにより暗色系の層とすることができる。
以上説明した光触媒フィルタ3、光照射部5、及び集塵フィルタ4A,4Bを備える光触媒ユニット2は、流体供給路70及び流体排出路71の流路壁を構成する有色の光遮蔽壁7に囲まれた状態にセットされている。光遮蔽壁7は、光触媒フィルタ3の表裏面を除く端面36(光照射部5が存在する側)、及び該端面36に隣接した集塵フィルタ4A,4Bの端面40を覆って光照射部5からの光が外部に漏れないように構成されている。
光触媒フィルタ3は、図7に示すように、分割構成された複数を組み合わせて構成してもよい。この場合、図示しているように間に光照射部5をさらに介装することや、反射板を介装すること等も好ましい実施例である。とくに面積が大きくなると端部からの光照射が十分でなくなる場合も有り得、そのような場合には図示したように分割構成して間に光照射部を設けることが好ましい。光触媒フィルタ3や集塵フィルタ4A,4Bの形態は、図1~図7で示した板状のものに限らず、筒状や円板状なども含まれる。
図8及び図9は、筒状に構成した実施形態を示している。これは、光触媒フィルタ3を表裏面のうち一方の面を内側に向けて山部31および谷部32が各々延びている方向に平行な軸を中心に筒状に丸め、両端の山部31または谷部32を互いに重ね合わせて接合することで、図8に示すように筒状形状に構成されたものである。山部31および谷部32が延びている方向の上端側と下端側の一方又は双方に、光触媒フィルタ3に向けて光を発するリング状の光照射部5が設けられている。
さらに、光触媒フィルタ3の内側の面に流体を供給する流体供給路70と、光触媒フィルタ3の外側の面から出た流体を排出する流体排出路71と、流体供給路70及び流体排出路71に内装され、光触媒フィルタ3の表裏面に対面して設けられる同じく筒状の集塵フィルタ4A、4Bとを備えている。
本例によっても、筒状の光触媒フィルタ3の内外両面に対して、上下の光照射部5から山部31又は谷部32の延びる方向に沿って内側に光照射しながら、流体供給路70および流体排出路71を通じて当該フィルタ3の厚み方向、たとえば内側から外側に流体を通過させ、流体中の有害物質や悪臭等をフィルタ表裏面および流体通過孔の内面に担持されている光触媒によって効率よく分解・除去することができる。
図10は、光触媒フィルタ3や集塵フィルタ4A,4Bを円板状に構成した実施形態を示している。これは、光触媒フィルタ3を平板状に維持されつつ山部31および谷部32が延びる方向の端部の一方を内側に他方を外側に円環状に変形させ、両端の山部31または谷部32を互いに重ね合わせて接合することで、図10(a)に示すように円板形状に構成されたものである。山部31および谷部32が延びている方向の内側と外側の端部の一方又は双方に、光触媒フィルタ3に向けて光を発する筒状の光照射部5が設けられている。
さらに、光触媒フィルタ3の上側の面に流体を供給する流体供給路70と、光触媒フィルタ3の下側の面から出た流体を排出する流体排出路71と、流体供給路70及び流体排出路71に内装され、光触媒フィルタ3の表裏面に対面して設けられる同じく円板状の集塵フィルタ4A、4Bとを備えている。
本例によっても、円板状の光触媒フィルタ3の上下両面に対して、内外の光照射部5から山部31又は谷部32の延びる方向に沿って内側に光照射しながら、流体供給路70および流体排出路71を通じて当該フィルタ3の厚み方向、たとえば上側から下側に流体を通過させ、流体中の有害物質や悪臭等をフィルタ表裏面および流体通過孔の内面に担持されている光触媒によって効率よく分解・除去することができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこうした実施例に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々なる形態で実施し得ることは勿論である。
1 流体清浄化構造
2 光触媒ユニット
3 光触媒フィルタ
4A,4B 集塵フィルタ
5 光照射部
6 筐体
7 光遮蔽壁
31 山部
32 谷部
33 流体通過穴
34 橋渡し部
35 起立片
36 端面
40 端面
50 導光部材
51 光源
52 基板
70 流体供給路
71 流体排出路

Claims (5)

  1. 山部と谷部が交互に複数形成された波型の部材よりなり、前記山部の頂部および谷部の底部の双方に、流体を通過させるための流体通過穴が形成され、表裏面に光触媒が担持された光触媒フィルタと、
    前記光触媒フィルタの前記山部および谷部が延びている方向の一端側と他端側の一方又は双方に設けられ、前記山部および谷部が延びている内方に向けて紫外線又は可視光の光を照射する光照射部と、
    前記光触媒フィルタの前記表裏面のうち一方の面の側に設けられ、前記一方の面に向けて流体を供給する流体供給路と、
    前記光触媒フィルタの前記表裏面のうち他方の面の側に設けられ、前記流体供給路から供給されて前記流体通過穴を通過し、前記他方の面から出た流体を排出する流体排出路と、
    前記流体供給路及び前記流体排出路の双方に、前記光触媒フィルタの前記表裏面にそれぞれ対面した状態に内装され、前記表裏面を覆う一対の集塵フィルタと、
    を備え、前記集塵フィルタにおける前記光触媒フィルタの前記表裏面に対面する側の面が白色系のフィルタ面であることを特徴とする光触媒による流体清浄化構造。
  2. 前記白色系のフィルタ面に光触媒が担持されている、請求項記載の流体清浄化構造。
  3. 前記集塵フィルタが、活性炭を含有する暗色系のフィルタ層を備える、請求項1又は2記載の流体清浄化構造。
  4. 請求項1~の何れか1項に記載の流体清浄化構造に用いる光触媒ユニットであって、前記光触媒フィルタ、前記光照射部、及び前記一対の集塵フィルタを備える光触媒ユニット。
  5. 前記光触媒フィルタの前記表裏面を除く端面、及び該端面に隣接した前記集塵フィルタの端面を覆い、前記流体供給路及び流体排出路の流路壁を構成する有色の光遮蔽壁を設けてなる、請求項記載の光触媒ユニット。


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