JP7278033B2 - 計量装置 - Google Patents

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Description

本発明は、計量装置に関する。
従来より、車両の重量を測定する計量装置が知られている。特許文献1に記載されたトラックスケールは、矩形平板状の計量台を備える。計量台は、当該計量台の四隅の近傍に設けられた4つのロードセルによって支持される。ロードセルは、基礎面の上に設置されている。ロードセルの上下の端部は、球面状に形成されている。そして、ロードセルの上方の端部は、計量台の受け金具の下面に可動的に接触し、ロードセルの下方の端部は、基礎面の受け金具の上面に可動的に接触する。
特開2016-109640号公報
計量台の上面に車両が載置されると、その車両の重量に応じた大きさの撓みが計量台に生じる。この撓みによって、計量台の受け金具の下面は傾斜し、これに伴いロードセル自体も傾斜する。そうすると、ロードセルの出力信号に、ロードセルの傾斜に起因する誤差が現れる。
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、計量台の撓みに起因する計量精度の悪化を抑制した計量装置を実現する手段を提供することにある。
(1) 本発明に係る計量装置は、基礎面上に設備されるものである。本発明に係る計量装置は、矩形平板状を呈し、上面に荷重が印加される計量台と、上記計量台の長手方向または短手方向の一方である第1方向に延び、上記計量台を支持する第1部材と、上記基礎面に配置され、上記第1部材を支持することで上記計量台に印加される荷重を計量するロードセルと、を備える。上記第1部材は、上記計量台を支持する第1部分と、上記ロードセルによって支持される第2部分と、上記第1部分及び上記第2部分を連結する第3部分と、を備える。
上記構成によれば、第1部材と計量台とが別の部材、すなわち分割構造となっている。そのため、計量台に荷重が印加されて計量台が撓んだ場合でも、第1部材は計量台の撓みの影響を受けにくい。よって、第1部材を支持するロードセルの傾斜が抑制される。
また、上記構成によれば、第1部材は、第1部分と第2部分と第3部分とを備えている。そして、ロードセルによって支持される第2部分は、第3部分によって第1部分と連結されている。第1部材がこのような構造であるため、計量台に荷重が印加されて計量台が撓んだ場合、計量台の撓みの影響は、第1部分から第3部分を介して第2部分に及ぶ。そのため、計量台の撓みの影響が第2部分に及びにくい。よって、第2部分を支持するロードセルの傾斜が抑制される。
以上より、計量台の撓みに起因する計量精度の悪化を抑制することができる。
(2) 上記第1部分及び上記第2部分は、上記計量台の上記長手方向または上記短手方向の他方である第2方向に沿って、上記第3部分から上記計量台の中央へ向けて延びている。上記第1部分における上記計量台の上記第2方向の中央側端縁は、上記第2方向における上記ロードセルの中心軸と同じ位置、または、上記ロードセルの中心軸よりも上記第3部分側にある。
計量台に荷重が印加されて計量台が撓むとき、計量台は、計量台の端部から中央へ向かうにしたがって下方に向かうように傾斜する。そうすると、計量台は、第1部分における計量台の第2方向の中央側端縁において、第1部分と当接する。従って、計量台から第1部分に作用する力の作用点は、当該中央側端縁となる。上記構成では、当該中央側端縁がロードセルの中心軸よりも第3部分側にある。これにより、計量台に荷重が印加されたときの計量台の撓みを抑制することができる。
(3) 本発明に係る計量装置は、上記第1部分と上記計量台との間に介在され、上記第1方向に延びる第2部材を更に備える。
上記構成によれば、計量台に荷重が印加されて計量台が撓むとき、計量台は第2部材と当接する。計量台に印加された荷重は、第2部材を介して第1部分へ作用する。従って、計量台から第1部分に作用する力の作用点は、計量台と第2部材との当接位置である。上記構成によれば、第2部材の配置位置に基づいて、当該作用点を明確にすることができる。
(4) 上記第2部材と上記計量台との接触位置は、上記計量台の上記長手方向または上記短手方向の他方である第2方向において、上記ロードセルの中心軸よりも上記第3部分側にある。
上記構成では、第2部材と上記計量台との接触位置がロードセルの中心軸よりも第3部分側にある。これにより、計量台に荷重が印加されたときの計量台の撓みを抑制することができる。
(5) 好ましくは、上記計量台は、上記第1部分によって支持される被支持部を備え、上記第2部材は、上記被支持部のうち上記第2方向において上記第3部分に最も近い部分と、上記第1部分との間に介在されている。
(6) 上記第2部材の上面が曲面である。
上記構成によれば、計量台と当接する第2部材の上面が曲面である。そのため、計量台に荷重が印加されて計量台が撓んだときに、計量台と第2部材との接点が当該曲面に沿って連続的に移動する。これにより、第1部材に支持された計量台が不安定になることを抑制することができる。
(7) 上記第1部材は、上記第3部分から上下方向と交差する方向へ延びた第4部分を更に備える。
上記構成によれば、第1部材の強度を高めることができる。
(8) 好ましくは、上記第4部分は、上記第3部分の上端部から延びた上部分、または、上記第3部分の下端部から延びた下部分の少なくとも一方を備える。
(9) 本発明に係る計量装置は、上記計量台と上記第1部材とを結合する結合部材を更に備える。
上記構成によれば、計量台と第1部材との位置ずれを抑制することができる。
(10) 上記結合部材は、上記計量台と上記第3部分とを結合するものである。
第3部分は上下方向に延びている。そのため、計量台に荷重が印加されて計量台が撓んだとき、計量台は、上下方向と交差する方向において第3部分から離れようとする。このとき、第3部分及び結合部材には、当該方向の力が作用する。大きな力が結合部材に作用されると、結合部材は上下方向と交差する方向に延び得る。結合部材が延びることによって、計量台と第3部分との連結が解除される可能性を低くすることができる。
(11) 上記結合部材は、上記第3部分のうち上記第1部分よりも上記第2部分に近い位置で、上記計量台と上記第3部分とを結合するものである。
上記構成では、計量台は、第3部分の上部において計量台と第3部分とを結合している。そして、上記構成では、第3部分の下部において計量台と第3部分とを結合している構成よりも、計量台が第3部分から離れることを少ない力で抑制することができる。
本発明によれば、計量台の撓みに起因する計量精度の悪化を抑制した計量装置を実現することができる。
トラックスケール100の右側面図である。 トラックスケール100の上面図である。 トラックスケール100の正面図である。 ロードセル50の側面図である。 ロードセル50の正面図である。 計量台10の前方端部の上面図である。 支持機構5の構造を示す部分断面図である。 トラックスケール100において、計量台10に撓みが生じた状態を示す図である。 上面72が曲面の撓み影響防止板70を縦板29近傍に備えるトラックスケール100において、計量台10に撓みが生じた状態を示す図である。 上面72が曲面の撓み影響防止板70を縦板29から離れた位置に備えるトラックスケール100において、計量台10に撓みが生じた状態を示す図である。 上面72が平面の撓み影響防止板70を縦板29近傍に備えるトラックスケール100において、計量台10に撓みが生じた状態を示す図である。
以下、本発明の好ましい実施形態が、適宜図面が参照されつつ説明される。なお、本実施形態は、本発明の一態様にすぎず、本発明の要旨を変更しない範囲で実施態様が変更されてもよいことは言うまでもない。
[概略構成]
本実施形態では、図1に示されるトラックスケール100が説明される。トラックスケール100は、基礎面1上に設備される。トラックスケール100は、計量台10と、一対の支持部30と、4つのロードセル50と、を備える。計量台10は、矩形平板状を呈し、上面11に荷重が印加される。支持部30は、左右方向9に延び、計量台10に下方から当接して計量台10を支持する。ロードセル50は、基礎面1と支持部30との間に配置され、支持部30に下方から当接して支持部30を支持する。トラックスケール100は、特許請求の範囲に記載された計量装置の一例である。支持部30は、特許請求の範囲に記載された第1部材の一例である。
以下の説明では、図1における左右方向がトラックスケール100の前後方向8であり、図1における上下方向がトラックスケール100の上下方向7である。トラックスケール100の左右方向9(図2参照)は、トラックスケール100を前方から視たときの左右方向である。
[計量台10]
図1に示されるように、計量台10は、その上面11が水平面となる姿勢で配置される。計量台10の上面11に、被計量物としての車両(図示なし)が載置される。計量台10は、上面視で長方形である。計量台10は、長手方向が前後方向8と一致し、短手方向が左右方向9と一致する姿勢で配置される。計量台10の長手方向の寸法(長さ)は、計量台10の短手方向の寸法(幅)よりも大きい。例えば、計量台10の長さは約8mであり、幅は約3mである。前後方向8は、計量台の長手方向の一例であって、特許請求の範囲に記載された第2方向の一例である。左右方向9は、計量台の短手方向の一例であって、特許請求の範囲に記載された第1方向の一例である。
図1~図3に示されるように、計量台10は、8本の主桁12と、6本の横桁13と、床盤14と、一対の側板15と、を備える。
図3に示されるように、主桁12は、例えばH形綱(又はI形綱)である。図2及び図3に示されるように、8本の主桁12は、フランジ部が上下に配置される姿勢にて、且つ、前後方向8に沿って延びる姿勢にて、互いに平行に配置される。
図1に示されるように、横桁13は、例えば上面視で長方形の板である。図1及び図2に示されるように、横桁13は、左右方向9に沿って伸びる姿勢にて、互いに平行に配置される。図2に示されるように、1本の横桁13は、4本の主桁12の下側フランジの下方に配置されており、4本の主桁12と接合されている。そして、右方の4本の主桁12、及び左方の4本の主桁12が、それぞれ、3本の横桁13により互いに接合されている。
主桁12の上に、2枚の床盤14が載置される。各床盤14は、上面視で長方形の板である。2枚の床盤14の一方は、右方の4本の主桁12の上に載置される。2枚の床盤14の他方は、左方の4本の主桁12の上に載置される。各床盤14の上面が、計量台10の上面11である。主桁12の下面、すなわち、主桁12の下方のフランジ部の下面が、計量台10の下面18である。
図1、図2、及び図4に示される一対の側板15は、長方形の板状の部材であって、その長手方向が左右方向9に一致し、その短手方向が上下方向7に一致する姿勢にて配置される。一対の側板15のうち前方の側板15は、2枚で構成されている。図4に示される前方の側板15の一方は、右方の4本の主桁12における前方の端部に接合されている。前方の側板15の他方は、左方の4本の主桁12における前方の端部に接合されている。また、一対の側板15のうち後方の側板15は、前方の側板15と同様に、2枚で構成されている。そして、後方の側板15の一方は、右方の4本の主桁12における後方の端部に接合されており、後方の側板15の他方は、左方の4本の主桁12における後方の端部に接合されている。
一対の側板15の上面は、主桁12の上面(詳細には、主桁12の上方のフランジ部の上面)と面一となっている。一対の側板15の下面は、主桁12の下面と面一となっている。一対の側板15の上部(詳細には、側板15における主桁12の下面よりも主桁12の上面に近い部分)には、後述する結合部材6のボルト81が挿入される貫通孔20が形成されている。本実施形態において、貫通孔20は、左右方向9に間隔を空けて、各側面15に8箇所ずつ形成されているが、各側面15に形成される貫通孔20の数は8つに限らない。
計量台10が以上のように構成されていることにより、計量台10は左右2つに分割した状態で搬送することができる。つまり、計量台10の搬送が容易である。
[支持部30]
図1~図3に示されるように、一対の支持部30は、概ね角柱状の部材である。一対の支持部30は、左右方向9に延びる姿勢にて(図2及び図3参照)、計量台10の前方の端部と後方の端部とに配置される(図1及び図2参照)。各支持部30は、計量台10を支持する。
一対の支持部30の各々は、同構成である。よって、以下の説明では、計量台10の前方の端部に配置された支持部30の構成が説明され、計量台10の後方の端部に配置された支持部30の構成については、原則としてその説明が省略され、必要に応じて言及される。
図2~図6に示されるように、支持部30は、主部材31と、2つの側板32と、2つの上板33と、2つの補強板34と、2つの受け金具45とを備える。
図4に示されるように、主部材31は、変則的な形状のH形鋼(又はI形鋼)であり、下板27と、縦板28と、上板29とを備える。縦板28がH形鋼のウェブ部を構成しており、下板27及び上板29がH形鋼のフランジ部を構成している。つまり、縦板28は、下板27及び上板29を連結している。
下板27は、概ね長方形の板状の部材である。図3及び図5に示されるように、下板27は左右方向9に延びている。図4に示されるように、下板27は前後方向8に延びている。つまり、下板27は、その一辺が左右方向9に一致し、他の一辺が前後方向8に一致する姿勢にて配置される。
縦板28は、概ね長方形の板状の部材である。図3及び図5に示されるように、縦板28は左右方向9に延びている。図4に示されるように、縦板28は上下方向7に延びている。つまり、縦板28は、その一辺が左右方向9に一致し、他の一辺が上下方向7に一致する姿勢にて配置される。縦板28は、下板27の前端及び後端の間から上方へ延びている。換言すると、下板27は、縦板28の下端部から前方及び後方へ延びている。つまり、下板27は、縦板28の下端部から計量台10の前後方向8の中央へ向けて延びた内部分27Aと、縦板28の下端部から計量台10の前後方向8の中央とは反対側へ向けて延びた外部分27Bとを備えている。縦板28の上部には、貫通孔21が形成されている。貫通孔21は、計量台10の側板15の貫通孔20に対応して形成されている。つまり、本実施形態において、貫通孔21は、左右方向9に間隔を空けて8箇所に形成されている。
上板29は、概ね長方形の板状の部材である。図3及び図5に示されるように、上板29は左右方向9に延びている。図4に示されるように、上板29は前後方向8に延びている。つまり、上板29は、その一辺が左右方向9に一致し、他の一辺が前後方向8に一致する姿勢にて配置される。上板29は、縦板28の上端から計量台10の前後方向8の中央とは反対側へ向けて延びている。
図3に示される2つの側板32は、板状の部材である。図4に示されるように、側板32は、上下方向7及び前後方向8に拡がっている。図3に示されるように、右方の側板32は、主部材31の右端部に接合されている。左方の側板32は、主部材31の左端部に接合されている。図4に示されるように、側板32の上端は、主部材31の上端(上板29の上端)より下方となっている。側板32の下端は、主部材31の下端(下板27の下端)より上方となっている。
図2及び図6に示されるように、2つの上板33は、概ね長方形の板状の部材である。図4に示されるように、各上板33は前後方向8に延びている。図5に示されるように、各上板33は左右方向9に延びている。つまり、各上板33は、その一辺が前後方向8に一致し、他の一辺が左右方向9に一致する姿勢にて配置される。
図3に示されるように、右方の上板33は、右方の側板32の右面の上部に接合されている。左方の上板33は、左方の側板32の左面の上部に接合されている。図4及び図5に示されるように、上板33は、主部材31の下板27より上方にある。また、図5に示されるように、上板33の上端は、側板32の上端より下方となっている。
図5に示されるように、2つの補強板34は、板状の部材であって、その一辺が上板33の下面に接合され、他の一辺が側板32の側面に接合される。図3に示されるように、右方の補強板34は、右方の上板33及び右方の側板32に接合され、左方の補強板34は、左方の上板33及び左方の側板32に接合される。
図4及び図5に示される2つの受け金具45は、概ね円柱状の部材であって、その中心軸が上下方向7に一致する姿勢にて、上板33の下面に配置されている。図3に示されるように、右方の受け金具45は、後述する支持機構5(図4参照)を介して、右方の上板33に取り付けられている。左方の受け金具45は、支持機構5を介して、左方の上板33に取り付けられている。受け金具45の下面47が、ロードセル50の上面と当接する。
図4に示されるように、下板27のうち、縦板28の下端部から計量台10の前後方向8の中央へ向けて延びた内部分27Aは、計量台10の主桁12の下面と側板15の下面とに下方から当接して、計量台10を支持している。内部分27Aにおける計量台10の前後方向8の中央側端縁27Cは、前後方向8において、後述するロードセル50の中心軸51よりも、計量台10の前後方向8の中央側にある。下板27の内部分27Aは、特許請求の範囲に記載された第1部分の一例である。計量台10の主桁12と側板15とは、特許請求の範囲に記載された被支持部の一例である。
縦板28の下端部から計量台10の前後方向8の中央とは反対側へ向けて延びた下板27の外部分27Bと、縦板28の上端部から後方へ延びた上板29とは、特許請求の範囲に記載された第4部分の一例である。また、下板27の外部分27Bは、特許請求の範囲に記載された第4部分の下部分の一例である。また、上板29は、特許請求の範囲に記載された第4部分の上部分の一例である。
上板29は、計量台10の床盤14の下面に下方から当接可能である。これにより、上板29は、計量台10を支持可能である。
2つの上板33は、ロードセル50によって支持されている。2つの上板33は、特許請求の範囲に記載された第2部分の一例である。
縦板28は、側板32を介して上板33に連結されている。また、縦板28は、上述したように、下板27に連結されている。つまり、縦板28は、上板33と下板27とを連結している。縦板28は、特許請求の範囲に記載された第3部分の一例である。
[ロードセル50]
本実施形態では、ロードセル50は、図4に示される円筒形状の筐体の内部に、上下方向7の両端が凸面状且つ球面状に形成された起歪体(図示なし)を有する、ダブルコンベックス型のロードセルである。ロードセル50は、図4に示されるように、支持部30の受け金具45と、基礎面1に固定された受け金具60との間に、ロードセル50の上面(起歪体の上方の端面)と受け金具45の下面47とが当接し、且つ、ロードセル50の下面(起歪体の下方の端面)と受け金具60の上面とが当接した状態で、配置される。本実施形態では、起歪体の上下方向7の両端の、球面形状の中心を通る直線を、ロードセル50の中心軸51とする。
受け金具45の下面47、及び、受け金具60の上面は、共に平坦な面である。受け金具45は、その下面が水平面となるように、配置される。受け金具60は、その上面が水平面となるように、配置される。そして、ロードセル50の上下の端面は、受け金具45の下面47、及び受け金具60の上面に、可動的に接触する。
4つのロードセル50は、前方の支持部30の左右方向9の両端に配置された受け金具45、及び、後方の支持部30の左右方向9の両端に配置された受け金具45の下方に配置される。すなわち、4つのロードセル50は、計量台10の前方の上板16の左右方向9の両端、及び、後方の上板16の左右方向9の両端の下方に配置される。4つのロードセル50の下方には、4つの受け金具60が、基礎面1に固定された状態で配置される。
ロードセル50の起歪体には、起歪体に印加される荷重に応じた歪みが発生する。ロードセル50は、起歪体に発生する歪みに応じた荷重信号を出力する。そのために、起歪体には、複数の歪みゲージが貼着されている。そして、この歪みゲージは、図示しない荷重検出回路(例えば、ホイートストンブリッジ回路)を構成している。当該回路が、荷重信号を出力する。出力された荷重信号は、図示しないデータプロセッサに入力される。当該データプロセッサは、4つのロードセル50から受信した荷重信号に基づいて、被計量物の重量を算出する。
[支持機構5]
図7を参照して、支持機構5について説明する。支持機構5は、受け金具45の上下方向7の位置を調節可能な状態で、受け金具45を支持する機構である。支持機構5は、支持部30の上板33に形成された雌ネジ36と、受け金具45の外面に形成された雄ネジ46とにより構成される。雌ネジ36は、上板33の下面に設けられた穴37の内部に形成されている。上板33の雌ネジ36に、受け金具45の雄ネジ46が螺合して、受け金具45が上板33の穴37に取り付けられる。受け金具45を回転させると、受け金具45は上板33に対して上下方向7に移動する。これにより、受け金具45の上下方向7の位置が調節されて、計量台10の水平調整が行われる。
支持機構5は、更に、ロックナット55と止めネジ56とを備えている。ロックナット55は、受け金具45の雄ネジ46と螺合している。受け金具45の位置が決定されると、ロックナット55が上板33に向けて締め込まれる。これにより、受け金具45の位置が固定される。止めネジ56は、ロックナット55に設けられたネジ穴57に取り付けられている。ロックナット55が締め込まれると、止めネジ56が締め込まれて上板33の下面と当接する。これにより、ロックナット55の緩みが抑制される。
[結合部材6]
図4を参照して、結合部材6について説明する。結合部材6は、計量台10と支持部30とを結合する機構である。本実施形態では、8つの結合部材6が、前方の側板15及び前方の支持部30の縦板28に取り付けられる。8つの結合部材6が、後方の側板15及び後方の支持部30の縦板28に取り付けられる。
結合部材6は、ボルト81とナット83とを備える。ボルト81は、支持部30の主部材31の縦板28の貫通孔21、及び計量台10の側板15の貫通孔20を貫通しており、ナット83と螺合している。これにより、支持部30の主部材31の縦板28と、計量台10の側板15とが、ボルト81及びナット83によって結合される。例えば、計量台10が上方に持ち上げられると、計量台10と共に支持部30が上方に持ち上げられる。
上述したように、貫通孔21は、縦板28の上部に形成されている。つまり、貫通孔21は、縦板28のうち下板27よりも上板33に近い位置に形成されている。すなわち、結合部材6は、縦板28のうち下板27よりも上板33に近い位置で、計量台10と支持部30とを結合する。
[計量台10に被計量物が載置された状態での各部に作用する力]
計量台10は、その前端部及び後端部において、支持部30の主部材31の下板27の内部分27Aによって支持されている。このとき、計量台10の主桁12の下面と内部分27Aとは、面接触である。計量台10に被計量物が載置されると、計量台10は、前後方向8の中央部が前端部及び後端部より下方となるように撓む。図8には、図4に示される部分において計量台10が撓んだ状態が示されている。
支持部30は、上板33においてロードセル50によって支持されている。よって、計量台10の撓みの影響は、下板27から縦板28を介して上板33に及ぶことによって、ロードセル50に及ぶ。このように計量台10の撓みの影響は、直接的ではなく間接的にロードセル50に及ぶ。そのため、ロードセル50に及ぶ計量台10の撓みの影響が抑制されている。
また、計量台10に被計量物が載置されて撓んだとき、計量台10には回転モーメントが作用する。例えば、計量台10の前端部(図8に示されている部分)には、図8における時計回りの回転モーメントM1が作用する。また、計量台10が撓むと、支持部30の上板33には、ロードセル50からの上向きの反力が作用する。これにより、支持部30には回転モーメントが作用する。例えば、計量台10の前方の端部に配置された支持部30(図8に示されている支持部30)には、図8における反時計回りの回転モーメントM2が作用する。
計量台10に作用する回転モーメントM1と、支持部30に作用する回転モーメントM2とにより、計量台10の側板15と支持部30の縦板28とは互いに離れようとする。このとき、縦板28の下部よりも縦板28の上部の方が、計量台10からより多く離れようとする。ここで、上述したように、結合部材6は、縦板28の上部で、計量台10と支持部30とを結合している。そのため、結合部材6が縦板28の下部で計量台10と支持部30とを結合している構成よりも、計量台10が縦板28から離れることを少ない力で抑制することができる。
支持部30の主部材31の上板29が床盤14の下面に当接している場合、計量台10は下板27の内部分27A及び上板29によって支持される。但し、床盤14は薄いため、計量台10に被計量物が載置されて計量台10が上記のように撓むと、床盤14は上板29から離れるように上方へ撓む。そのため、実質的に、計量台10は下板27の内部分27Aによって支持されることになる。
[変形例1]
上記実施形態では、支持部30の主部材31の下板27の内部分27Aが、計量台10の主桁12の下面及び側板15の下面に下方から当接して、計量台10を支持していた。しかし、図9に示されるように、内部分27Aと主桁12の下面との間に、撓み影響防止板70が介在されていてもよい。撓み影響防止板70は、特許請求の範囲に記載された第2部材の一例である。なお、図9~図11において、撓み影響防止板70は、実際よりも上下方向7の厚みが大きく描かれている。撓み影響防止板70の厚みは、図9~図11に示された厚みに限らない。
撓み影響防止板70は、長方形の平板状の部材であって、その長手方向が左右方向9に一致し、その短手方向が前後方向8に一致する姿勢にて、支持部30の内部分27Aに配置されている。撓み影響防止板70の上面72は、円弧状に形成されている。
撓み影響防止板70は、内部分27Aにおける計量台10の前後方向8の中央から離れた側に配置されている。詳細には、撓み影響防止板70は、縦板28の近傍に配置されている。撓み影響防止板70の一端(計量台10の前後方向8の中央から離れた側の端)は、縦板28に当接している。撓み影響防止板70の他端(計量台10の前後方向8の中央側の端)は、ロードセル50の中心軸51より縦板28側である。つまり、撓み影響防止板70は、計量台10の主桁12及び側板15のうち前後方向8において支持部30の主部材31の縦板28に最も近い部分(側板15)に当接して、これを支持している。すなわち、撓み影響防止板70は、当該部分(側板15)と内部分27Aとの間に介在されている。
図9には、計量台10に被計量物が載置され、計量台10に撓みが生じた状態が示されている。計量台10が撓んだことにより、計量台10の床盤14及び主桁12が傾斜する。これにより、計量台10の主桁12の下面と、撓み影響防止板70とは、撓み影響防止板70における端縁71と頂点73との間に位置する点74にて接触することになる。そうすると、計量台10から撓み影響防止板70を介して支持部30の下板27へ作用する力F1の作用点、つまり計量台10の撓みの起点は、点74となる。このとき、主部材31の上板29と計量台10の床盤14との上下方向7の最大距離は、D1である。
ここで、撓み影響防止板70が、図9に示された位置よりもロードセル50の中心軸51に近い位置に配置された場合について検討する。この場合の、計量台10に被計量物が載置され、計量台10に撓みが生じた状態が、図10に示されている。この場合も、計量台10が撓んだことにより、計量台10の床盤14及び主桁12が傾斜する。これにより、計量台10の主桁12の下面と、撓み影響防止板70とは、撓み影響防止板70における端縁71と頂点73との間に位置する点75にて接触することになる。そうすると、計量台10から撓み影響防止板70を介して支持部30の下板27へ作用する力F2の作用点、つまり計量台10の撓みの起点は、点75となる。点75の前後方向8の位置は、図9に示された構成の点74に比べて、計量台10の中央に近い。このとき、主部材31の上板29と計量台10の床盤14との上下方向7の最大距離は、D1(図9参照)よりも長いD2となる。
図9の構成の場合と図10の構成の場合とでは、計量台10の撓みが同一であるが、図10の構成の場合のD2は、図9の構成の場合のD1よりも長くなる。ここで、D1及びD2は、計量台10の前後方向8の端部(ロードセル50周辺)における計量台10の撓みに対する床盤14の上への移動量である。よって、図9の構成は、図10の構成と比べて、計量台10の撓みがロードセル50に及ぼす影響を小さくすることができる。
なお、図9では、計量台10の中央よりも前方に位置する撓み影響防止板70について説明したが、計量台10の中央よりも後方に位置する撓み影響防止板70についても同様である。
また、図9では、撓み影響防止板70は縦板28の近傍に配置されていたが、撓み影響防止板70の配置位置は縦板28の近傍に限らない。例えば、撓み影響防止板70は、図10に示されるように、ロードセル50の中心軸51に近い位置に配置されていてもよい。但し、撓み影響防止板70の配置位置は、計量台10の前後方向8の中央から離れている程よい。つまり、撓み影響防止板70の配置位置は、内部分27Aにおいて撓み影響防止板70を配置可能な位置のうち、計量台10の前後方向8の中央から最も離れた位置、つまり縦板28の近傍である図9に示される位置が好ましい。
また、変形例1では、撓み影響防止板70の上面72が円弧状に形成されていたが、上面72は円弧以外の曲面であってもよい。
また、上面72は、曲面でなく、図11に示されるように、平面に形成されていてもよい。この場合、計量台10に被計量物が載置され、計量台10に撓みが生じた状態において、計量台10から撓み影響防止板70を介して支持部30の下板27へ作用する力F3の作用点、つまり計量台10の撓みの起点は、撓み影響防止板70における計量台10の前後方向8の中央側の端縁71となる。
また、変形例1では、撓み影響防止板70の上面72の全体が曲面に形成されている例が説明されたが、上面72の一部が曲面に形成されていてもよい。例えば、上面72の一部が曲面に形成されており、上面72の残りが平面に形成されていてもよい。
また、変形例1では、撓み影響防止板70は、計量台10及び支持部30とは別部材であったが、撓み影響防止板70は、計量台10と一体に構成されていてもよいし、支持部30と一体に構成されていてもよい。
また、撓み影響防止板70は、支持部30の左方の端から右方の端まで一繋がりの部材であってもよいし、左右方向9に複数に分割された部材であってもよい。
[他の変形例]
上記実施形態では、図4に示されるように、支持部30の主部材31の下板27の内部分27Aにおける計量台10の前後方向8の中央側端縁27Cは、前後方向8において、ロードセル50の中心軸51よりも、計量台10の前後方向8の中央側にあった。しかし、内部分27Aの中央側端縁は、前後方向8において、ロードセル50の中心軸51と同じ位置であってもよいし(この場合の中央側端縁を図4において符号27C’で示す。)、ロードセル50の中心軸51よりも縦板28側であってもよい(この場合の中央側端縁の一例を図4において符号27C’’で示す。
上記実施形態では、支持部30の主部材31は、縦板28から前後方向8へ延びる部分として、下板27の外部分27Bと上板29とを備えていた。しかし、主部材31は、下板27の外部分27Bまたは上板29の一方のみを備えていてもよいし、下板27の外部分27B及び上板29の双方を備えていなくてもよい。
また、支持部30の主部材31は、縦板28から前後方向8へ延びる部分として、下板27の外部分27B及び上板29の代わりに、または、下板27の外部分27B及び上板29に加えて、縦板28の上端部及び下端部の間(例えば縦板28の上下方向7の中央部)から前後方向8へ延びる板を少なくとも一つ備えていてもよい。
また、下板27の外部分27B、上板29、及び上述した板は、計量台10の前後方向8に沿って中央から離れるように延びるものに限らず、計量台10の前後方向8に沿って中央へ向けて延びていてもよい。また、下板27の外部分27B、上板29、及び上述した板の延びる方向は、前後方向8に限らず、例えば前後方向8に対して傾斜した方向であってもよい。
また、上記実施形態では、主部材31におけるロードセル50によって支持される部分(上記実施形態では上板33)は、主部材31における計量台10を支持する部分(上記実施形態では下板27)より上方に位置していた。しかし、主部材31におけるロードセル50によって支持される部分は、主部材31における計量台10を支持する部分と同じ高さ、または当該部分より下方に位置していてもよい。
上記実施形態では、支持部30の主部材31は、下板27と、縦板28と、上板29とを備えていたが、下板27を備えていなくてもよい。この場合、下板27の代わりに計量台10を備えるものとしては、例えば結合部材6のボルト81が挙げられる。ボルト81が計量台10を備える構成である場合、ボルト81が特許請求の範囲に記載された第1部分に相当する。
上記実施形態では、支持部30は、左右方向9に延びる姿勢にて(図2及び図3参照)、計量台10の前方の端部と後方の端部とに配置されていた(図1及び図2参照)が、支持部30は、前後方向8に延びる姿勢にて、計量台10の右方の端部と左方の端部とに配置されていてもよい。この場合、上記実施形態とは逆に、前後方向8が特許請求の範囲に記載された第1方向に相当し、左右方向9が特許請求の範囲に記載された第2方向に相当する。
上記実施形態では、図4に示されるように、結合部材6は、縦板28のうち下板27よりも上板33に近い位置で、計量台10と支持部30とを結合していたが、当該位置以外の位置、例えば縦板28のうち上板33よりも下板27に近い位置で、計量台10と支持部30とを結合していてもよい。
上記実施形態では、図4に示されるように、結合部材6が、計量台10の側板15と支持部30の主部材31の縦板28とを結合することによって、計量台10と支持部30とを結合する例が説明されたが、これに限らない。例えば、結合部材6は、計量台10の床盤14と支持部30の主部材31の上板29とを結合することによって、計量台10と支持部30とを結合してもよい。
1・・・基礎面
6・・・結合部材
10・・・計量台
12・・・主桁(被支持部)
15・・・側板(被支持部)
27・・・下板
27A・・・下板の内部分(第1部分)
27B・・・下板の外部分(第4部分、下部分)
28・・・縦板(第3部分)
29・・・上板(第4部分、上部分)
30・・・支持部(第1部材)
33・・・上板(第2部分)
50・・・ロードセル
51・・・中心軸
70・・・撓み影響防止板(第2部材)
100・・・トラックスケール(計量装置)

Claims (8)

  1. 基礎面上に設備される計量装置であって、
    矩形平板状を呈し、上面に荷重が印加される計量台と、
    上記計量台の長手方向または短手方向の一方である第1方向に延び、上記計量台を支持する第1部材と、
    上記基礎面に配置され、上記第1部材を支持することで上記計量台に印加される荷重を計量するロードセルと、を備え、
    上記第1部材は、
    上記計量台を支持する第1部分と、
    上記ロードセルによって支持される第2部分と、
    上記第1部分及び上記第2部分を連結する第3部分と、を備え
    上記第1部分と上記計量台との間に介在され、上記第1方向に延びる第2部材を更に備え、
    上記第2部材と上記計量台との接触位置は、上記計量台の上記長手方向または上記短手方向の他方である第2方向において、上記ロードセルの中心軸よりも上記第3部分側にある計量装置。
  2. 上記計量台は、上記第1部分によって支持される被支持部を備え、
    上記第2部材は、上記被支持部のうち上記第2方向において上記第3部分に最も近い部分と、上記第1部分との間に介在されている請求項1に記載の計量装置。
  3. 上記第2部材の上面が曲面である請求項1又は2に記載の計量装置。
  4. 上記第1部材は、上記第3部分から上下方向と交差する方向へ延びた第4部分を更に備える請求項1から3のいずれかに記載の計量装置。
  5. 上記第4部分は、上記第3部分の上端部から延びた上部分、または、上記第3部分の下端部から延びた下部分の少なくとも一方を備える請求項4に記載の計量装置。
  6. 上記計量台と上記第1部材とを結合する結合部材を更に備える請求項1から5のいずれかに記載の計量装置。
  7. 上記結合部材は、上記計量台と上記第3部分とを結合するものである請求項6に記載の計量装置。
  8. 上記結合部材は、上記第3部分のうち上記第1部分よりも上記第2部分に近い位置で、上記計量台と上記第3部分とを結合するものである請求項7に記載の計量装置。

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