JP7278021B2 - 自発光マーカを使用した掘削システム - Google Patents
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前記トンネル工事装置は、一般にドリルジャンボマシンと称されているが、トンネルの切羽面に対し、正確できれいな発破が行える様、装藥孔の削孔を行うには、前記トンネルの切羽面における地盤粘度や地質などを考慮して、ドリルジャンボマシンが複数箇所における装薬孔の削孔を行う必要がある。
車両本体から複数本揺動可能に突設され、軸方向に揺動する棒状の切削刃つき削岩機をガイドするガイドセルと、
複数本設けられたガイドセルの長手方向で、前記切削刃つき削岩機の設置位置の近傍位置に間隔をあけて2個取り付けられた目に見えない波長の近赤外線光で構成された自発光マーカと、
前記自発光マーカからの光を取得する複数の近赤外線カメラと、
前記複数の近赤外線カメラが取得した光から前記2つの自発光マーカの座標位置を計測する手段と、
取り付けられた自発光マーカの取付位置と前記削岩機の軸芯位置及び切削刃の中心位置間の距離が補正係数として入力され、該入力された補正係数の値と前記計測する手段で求められた前記2つの自発光マーカの座標位置の値が用いられて演算され、前記自発光マーカの座標位置を削岩機の軸芯位置及び切削刃の中心位置に補正する補正手段とを有し、
前記補正手段の演算によって生ずる2つの自発光マーカをつなぐ延長線上を回転軸として前記補正係数の距離を半径にした円周上のいずれかの位置に切削刃が位置するとの切削刃の位置座標認識のずれを許容できる削岩機及び切削刃の軸方向中心軸線に近接する位置に2つの自発光マーカを設置した、
ことを特徴とし、
または、
車両本体から複数本揺動可能に突設され、軸方向に揺動する棒状の切削刃つき削岩機をガイドするガイドセルと、
該複数本設けられたガイドセルの長手方向で、前記切削刃つき削岩機の設置位置の近傍位置に間隔をあけて前記ガイドセルの長手方向に向かい3個以上設けられ、該3個以上設けられたもののうち、前記長手方向両端の内側に設けられたものの取付位置は両端に設けられたものの取付位置と異なる位置に配置させ、かつ両端に設けられたものの取り付け高さと両端の内部に設けられたものの取り付け高さを異ならせて取り付けた複数個の自発光マーカと、
前記複数の自発光マーカからの光を取得する複数の近赤外線カメラと、
前記複数の近赤外線カメラが取得した光から前記3個以上取り付けられた自発光マーカの座標位置を計測する手段と、
3個以上取り付けられた自発光マーカの取付位置と削岩機の軸芯位置及び切削刃の中心位置間の距離が補正係数として入力され、該入力された補正係数の値と前記計測する手段で求められた前記3個以上取り付けられた自発光マーカの座標位置の値が用いられて演算され、前記3個以上の自発光マーカの座標位置を削岩機の軸芯位置及び切削刃の中心位置に補正する補正手段と、を有する
ことを特徴とし、
または、
前記自発光マーカは、点滅型の自発光マーカとして構成され、
前記点滅型の自発光マーカの点滅する光から前記複数個取り付けられた点滅型の自発光マーカの座標位置が計測され、
複数の点滅型の自発光マーカからの点滅する光は、異なる信号周期による点滅周期が与えられ、該信号周期の違いによりいずれのブームのガイドセルに取りつけられた点滅型の自発光マーカかが各々認識できる、
ことを特徴とし、
または、
前記点滅型の自発光マーカからの点滅する光は、増幅回路により光の輝度を増幅出来る、
ことを特徴とするものである。
図1に本発明の削孔システムに使用するドリルジャンボマシン1の構成を示す。
該ドリルジャンボマシン1は、車両本体2と、この車両本体2の前方から突設された複数本のブーム3と該ブーム3に接続された棒状をなすガイドセル5を有して構成されている。
すなわち、稼働制御された削岩機6の切削刃25によりトンネルの切羽面に対し、所定の位置、所定の角度、かつ所定の深さ(奥行き)、所定の削孔距離で装藥孔の削孔が行えるよう構成されている。
モーションキャプチャ用の近赤外線カメラ7は、ドリルジャンボマシン1の例えば、操縦席上部に間隔をあけて複数個設置されており、ガイドセル5先端の稼働範囲を撮影範囲として撮影できるものとなっている。
すなわち、近赤外線カメラ7は、前記自発光マーカ9が発光する近赤外線光を捉え、これにより、例えば、各ガイドセル5に取り付けた複数の自発光マーカ9の座標を認識することが出来、該座標認識のデータをPC11に送出し、PC11では、前記演算制御部20において、前記モーションキャプチャ技術を応用したソフトウェアを用いて認識した自発光マーカ9の位置から相対的にガイドセル5先端にある切削刃25の座標位置などを計算していくのである。
図2に示す様な切羽面の例えば発破計画図などの発破計画図データを予め用意しておく。図2において黒丸部分28は削孔する位置を表しており、そこから延びる直線部分は削孔の傾きと削孔距離26を示したものである。次いで、前記データをPC11の演算制御部20で読み込み、これをディスプレイ14上に平面図として表示できる様に制御する。さらに、表示された平面状の発破計画図上には、リアルタイムに稼働するガイドセル5先端に有する切削刃25の稼働位置をあわせて描画する様制御される。この表示をディスプレイ14上で確認し、操作者は、ガイドセル5を稼働させ、削岩機6の先端に有する切削刃25を操作して装薬孔の掘削作業を行っていく。
尚、本発明では、特に、装薬孔の傾きや装薬孔の削孔距離26の平面的な描画方法にも工夫が施されている。削孔長27すなわち装薬孔の奥行きが同じであっても傾きが異なれば装薬孔の削孔距離26が異なるからである(図3参照)。
装薬孔の削孔距離26の平面的な描画の方法は、直線の長さによって表すこととし、この直線の長さが削孔距離26の長さとなっているのである。
本発明では自ら光る自発光マーカ9を用い、複数のガイドセル5先端に位置する各々の切削刃25位置の常時検出ができる構成としたものである。
また反射型マーカの反射光は、近赤外線カメラ7で捉える時点で、輝度が低下して充分な精度が得られない。
本発明での自発光マーカ9は、反射型と比べ光の経路が半分で済むため、輝度の低下を抑えられる。特に、空間内に水滴などが存在して乱反射が起こる場合、近赤外線カメラ7にはマーカが中心にぼやけて見えるため、半径が少し大きく検出されるが、依然マーカ中心位置を正確に検出することが可能なのである。なお、自発光マーカ9は取付位置付近に電源(例えば、充電式モバイルバッテリを使用する)があることが必要とされる。
従って、自発光マーカ9の近傍位置には、バッテリー39などが納められたベースステーション43が設けられる。そして、自発光マーカ9とバッテリー39とは例えば有線で接続される(図12参照)。
すなわち、掘削作業時において、複数の近赤外線カメラ7によって少なくとも2カ所に取り付けられた自発光マーカ9の光を受光し、この受光した自発光マーカ9の相対位置からPC11にて前記自発光マーカ9の座標位置2点を計算する。
この光学式キャプチャ技術の基本的な仕組みとしては、対象物(ここでは切削刃25近傍位置のガイドセル5上)に自発光マーカ9につき間隔をあけて2カ所に設置し、前記自発光マーカ9により、例えば目に見えない近赤外線光(波長850nm程度)を発光させ、該光を複数の近赤外線カメラ7により撮影するものである。
そして、PC11に取り込まれた画像において、例えば、画面上の左上隅を原点として、各自発光マーカ9の重心座標をピクセル単位で各々測定する。これにより各々の自発光マーカ9の座標位置がほぼ認識できる。
各々の自発光マーカ9の座標位置に前述のオフセット補正をすることにより、切削刃25の先端位置の座標位置が認識できるものとなる。
尚、演算制御部20は、発破計画図読み込み部31、発破計画図形成部32、削孔位置等読み込み部33、削孔位置等描画部34を有している(図5参照)。
操作者は、ガイドセル5を稼働操作し、ディスプレイ14に表示された削孔位置等に基づいて削孔していく。すると、その削孔作業を削孔位置等読み込み部33がリアルタイムに読み取って、削孔位置等描画部34によって前記発破計画図上に異なる色で描画し表示していくのである。
しかしながら、2カ所の設置であると、切削刃25が2つの自発光マーカ9の中心を結ぶ延長線を回転軸として回転したときの切削刃25の座標位置認識のずれを解決できない。
そして、前記した複数の赤外線カメラ7で前記3つの自発光マーカ9を撮影し、モーションキャプチャによりこれら3つの自発光マーカ9の座標位置を測定する。
この場合であれば、自発光マーカ9の座標認識による目標座標が確実に認識でき、そのため前記した自発光マーカ9の2カ所設置による切削刃25の回転による位置認識のずれをも解消できる。従って、確実に掘削箇所に合致させられ、もって正確な掘削が出来る。なお、3つ以上自発光マーカ9を設置した場合でも同様の結果が得られる。
そして、複数の近赤外線カメラ7は、自発光マーカ9から発光された近赤外線光を捉えるものとなる。
なお、点滅型の自発光マーカ9をガイドセル5に取りつける個数については、2個でも構わないし、2個以上でも構わない。前述した自発光マーカ9の場合と同様である。
また、ドリルジャンボマシン1側には同期信号送信器41が設けられ、該同期信号送信器41から各々の点滅型の自発光マーカ9側に同期信号が送信される。
そして、各々の点滅型の自発光マーカ9は、自己の同期信号を受信し、これにより独自の信号周期(点滅周期)による点滅が行えるのである。
これにより、それぞれの点滅型の自発光マーカ9は異なる信号周期で点滅を繰り返すことができる。しかも、前記異なった信号周期の点滅が点滅型の自発光マーカ9のそれぞれのIDになるのである。そのIDを有する点滅型の自発光マーカ9の取り付け位置をあらかじめ認識しておけば、たとえ、近赤外線カメラ7でいずれかの点滅型の自発光マーカ9の取り付け位置が目視などで判断できなくなっても、前記IDの違いにより点滅型の自発光マーカ9の取り付け位置が判断できることになるのである。
この点滅に際しては、増幅回路40によって点滅型の自発光マーカ9の光源であるLEDの輝度を増幅させることもできる。この輝度向上により、さらに近赤外線カメラ7からの認識度を向上させることができる。
そして、前記同期信号送信器41と同期信号受信器42との信号の送受信によっていずれの取り付け位置にある点滅型の自発光マーカ9かが認識できるものとなっている。
トンネルの切羽面に対し、ドリルジャンボマシン1を対向させて設置させる。所定の切羽面に対し、発破計画図が用意されている場合は、該発破計画図をディスプレイ14に写し出す。
さらに、PC11はインターネット回線などの通信回線網23を介して外部のサーバコンピュータ24などと接続されており、該サーバコンピュータ24は、PC11の情報を受信し、該情報を記憶、保存できるものとなっている。
尚、演算制御部20は、発破計画図読み込み部31、発破計画図形成部32、削孔位置等読み込み部33、削孔位置等描画部34を有している。
操作者は、ガイドセル5を稼働操作し、ディスプレイ14に表示された削孔位置等に基づいて削孔していく。すると、その削孔作業を削孔位置等読み込み部33がリアルタイムに読み取って、削孔位置等描画部34によって前記発破計画図上に異なる色で描画し表示していくのである。
2 車両本体
3 ブーム
4 揺動部材
5 ガイドセル
6 削岩機
7 近赤外線カメラ
9 自発光マーカ
10 貫通孔部
11 PC
12 取付杆
14 ディスプレイ
18 送信部
19 受信部
20 演算制御部
21 記憶部
22 入力部
23 通信回線網
24 サーバコンピュータ
25 切削刃
26 削孔距離
27 削孔長(削孔の奥行き)
28 黒丸部分
29 ドリルガイド先端座標
30 ドリルガイド後方座標
31 発破計画図読み込み部
32 発破計画図形成部
33 削孔位置等読み込み部
34 削孔位置等描画部
39 バッテリー
40 増幅回路
41 同期信号送信器
42 同期信号受信器
43 ベースステーション
Claims (4)
- 車両本体から複数本揺動可能に突設され、軸方向に揺動する棒状の切削刃つき削岩機をガイドするガイドセルと、
複数本設けられたガイドセルの長手方向で、前記切削刃つき削岩機の設置位置の近傍位置に間隔をあけて2個取り付けられた目に見えない波長の近赤外線光で構成された自発光マーカと、
前記自発光マーカからの光を取得する複数の近赤外線カメラと、
前記複数の近赤外線カメラが取得した光から前記2つの自発光マーカの座標位置を計測する手段と、
取り付けられた自発光マーカの取付位置と前記削岩機の軸芯位置及び切削刃の中心位置間の距離が補正係数として入力され、該入力された補正係数の値と前記計測する手段で求められた前記2つの自発光マーカの座標位置の値が用いられて演算され、前記自発光マーカの座標位置を削岩機の軸芯位置及び切削刃の中心位置に補正する補正手段とを有し、
前記補正手段の演算によって生ずる2つの自発光マーカをつなぐ延長線上を回転軸として前記補正係数の距離を半径にした円周上のいずれかの位置に切削刃が位置するとの切削刃の位置座標認識のずれを許容できる削岩機及び切削刃の軸方向中心軸線に近接する位置に2つの自発光マーカを設置した、
ことを特徴とする自発光マーカを使用した掘削システム。
- 車両本体から複数本揺動可能に突設され、軸方向に揺動する棒状の切削刃つき削岩機をガイドするガイドセルと、
該複数本設けられたガイドセルの長手方向で、前記切削刃つき削岩機の設置位置の近傍位置に間隔をあけて前記ガイドセルの長手方向に向かい3個以上設けられ、該3個以上設けられたもののうち、前記長手方向両端の内側に設けられたものの取付位置は両端に設けられたものの取付位置と異なる位置に配置させ、かつ両端に設けられたものの取り付け高さと両端の内部に設けられたものの取り付け高さを異ならせて取り付けた複数個の自発光マーカと、
前記複数の自発光マーカからの光を取得する複数の近赤外線カメラと、
前記複数の近赤外線カメラが取得した光から前記3個以上取り付けられた自発光マーカの座標位置を計測する手段と、
3個以上取り付けられた自発光マーカの取付位置と削岩機の軸芯位置及び切削刃の中心位置間の距離が補正係数として入力され、該入力された補正係数の値と前記計測する手段で求められた前記3個以上取り付けられた自発光マーカの座標位置の値が用いられて演算され、前記3個以上の自発光マーカの座標位置を削岩機の軸芯位置及び切削刃の中心位置に補正する補正手段と、を有する
ことを特徴とする自発光マーカを使用した掘削システム。
- 前記自発光マーカは、点滅型の自発光マーカとして構成され、
前記点滅型の自発光マーカの点滅する光から前記複数個取り付けられた点滅型の自発光マーカの座標位置が計測され、
複数の点滅型の自発光マーカからの点滅する光は、異なる信号周期による点滅周期が与えられ、該信号周期の違いによりいずれのブームのガイドセルに取りつけられた点滅型の自発光マーカかが各々認識できる、
ことを特徴とする請求項2記載の自発光マーカを使用した削孔システム。
- 前記点滅型の自発光マーカからの点滅する光は、増幅回路により光の輝度を増幅出来る、
ことを特徴とする請求項3記載の自発光マーカを使用した削孔システム。
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