JP7276035B2 - 動圧軸受 - Google Patents
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Description
図1に示すように、動圧軸受10は、回転軸50の外周側に配置された筒状のトップフォイル20と、トップフォイル20の外周側であって、トップフォイル20の軸線方向に互いに間隔をおいて配置され、トップフォイル20を弾性支持する複数のバンプフォイル30とを備えている。本実施形態では、2つのバンプフォイル30が設けられている。
図1及び図2に示すように、トップフォイル20は、例えばステンレス鋼などの可撓性を有する金属板材を筒状に丸めることにより形成されている。トップフォイル20の周方向における一端及び他端には、保持端21及び自由端22がそれぞれ設けられている。保持端21は、外周側に向かって突出するとともに、ハウジング40の内周面に形成された凹溝41内に挿入されて保持されている。自由端22は、周方向において保持端21との間に隙間を有している。トップフォイル20は、全体として略円筒状をなしている。回転軸50の非回転時において、回転軸50の外周面と、トップフォイル20の内周面とは当接している。
<バンプフォイル30>
バンプフォイル30は、例えばステンレス鋼などの可撓性を有する金属板材を筒状に丸めることにより形成されている。バンプフォイル30は、周方向に等間隔にて設けられ、内周側に向かって突出した複数の山部33と、互いに隣り合う山部33の間に1つずつ設けられた谷部34とを有している。各山部33の軸線方向に直交する断面形状は半円形状をなしている。各谷部34の軸線方向に直交する断面形状は、ハウジング40の内周面に沿った円弧状をなしている。
バンプフォイル30の周方向における一端及び他端には、保持端31及び自由端32がそれぞれ設けられている。保持端31は、外周側に向かって突出するとともに、トップフォイル20の保持端21に重ね合わされた状態でハウジング40の凹溝41内に挿入されて保持されている。したがって、凹溝41内には、トップフォイル20の保持端21、及びバンプフォイル30の保持端31が重ね合わされた状態で挿入されている。これにより、トップフォイル20、及びバンプフォイル30がハウジング40内において回り止めされた状態で保持されている。自由端32は、周方向において保持端31との間に隙間を有している。なお、自由端32は、1つの谷部34により構成されている。
図2に示すように、回転軸50の非回転時には、回転軸50の外周面とトップフォイル20の内周面とが当接している。このとき、トップフォイル20のうち、中心軸線Cを挟んで保持端21とは反対側の部分は、自重によりバンプフォイル30に当接している。
(1)動圧軸受10は、回転軸50の外周側に配置されるトップフォイル20と、トップフォイル20の外周側に配置され、トップフォイル20を弾性支持するバンプフォイル30と、バンプフォイル30の外周側に配置され、バンプフォイル30を支持するハウジング40とを備える。トップフォイル20には、トップフォイル20の内外を連通する連通孔24、及び回転軸50とトップフォイル20との隙間に発生する空気膜の動圧の増大に応じて開弁することで連通孔24を開放する弁体25を有する弁23が設けられている。
(2)弁23は、トップフォイル20のうち中心軸線Cを挟んで保持端21とは反対側の部分に設けられている。
上記構成によれば、トップフォイル20のうち上記動圧が最大となる部分に弁23が設けられているため、当該部分において動圧が過度に増大することを抑制できる。これにより、上記隙間が過度に増大すること、ひいては回転軸50の振れ周りを効果的に抑制できる。
こうした構成によれば、トップフォイル20の周方向における広い範囲で空気膜の動圧が過度に増大することを抑制できる。これにより、上記隙間が過度に増大すること、ひいては回転軸50の振れ回りを効果的に抑制できる。
こうした構成によれば、トップフォイル20に切り込みを形成することで連通孔24及び弁体25が同時に形成される。このため、弁体25がトップフォイル20とは別体として形成される場合に比べて、トップフォイル20、ひいては動圧軸受10の構成を簡単にすることができる。
動圧軸受10において、回転軸50は、周方向においてトップフォイル20に沿って自由端22側から保持端21側に向かって回転する。このため、回転軸50とトップフォイル20との隙間に流入する空気は、上記周方向においてトップフォイル20に沿って自由端22側から保持端21側に向かって流れる。これにより、弁体25の周方向における自由端22側の部分よりも保持端21側の部分に対して空気膜の動圧が作用しやすくなる。
本実施形態は、以下のように変更して実施することができる。本実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
・図6に示すように、トップフォイル120の外周側に、トップフォイル120の軸線方向の長さと同一の長さを有する1つのバンプフォイル130を配置するとともに、周方向におけるバンプフォイル130の山部133同士の間に弁123を設けることもできる。
・本実施形態では、弁体25はトップフォイル20と一体に形成されるものであったが、トップフォイル20とは別体であって、連通孔24を閉鎖及び開放する弁体を採用することもできる。この場合、上記弁体は、連通孔24よりも周方向における自由端22側の部分を起点としてトップフォイル20の外周側に変形するものであってもよい。
・弁体25の幅、すなわち、軸線方向における長さは先端側ほど大きくなっていてもよいし、先端側ほど小さくなっていてもよい。
・図7に示すように、トップフォイル220は、軸線方向に互いに間隔をおいて設けられた複数の弁223を有するものであってもよい。特に、軸線方向に互いに間隔をおいて形成された複数のヘリンボーン溝251を有する回転軸250を支持する場合には、上記ヘリンボーン溝251の頂部252に対応する部分に各弁223を設けることが好ましい。本変更例では、各ヘリンボーン溝251の頂部252に対応する部分において、3つの弁223が周方向に互いに間隔をおいて設けられている。したがって、本変更例では、都合6つの弁223が設けられている。こうした構成によれば、回転軸250とトップフォイル220との隙間において動圧が最も高くなる頂部252にて、上記動圧が過度に増大することを抑制できる。したがって、回転軸250を安定して支持することができる。
Claims (6)
- 回転軸の外周側に配置されるトップフォイルと、
前記トップフォイルの外周側に配置され、前記トップフォイルを弾性支持するバンプフォイルと、
前記バンプフォイルの外周側に配置され、前記バンプフォイルを支持するハウジングと、を備え、
前記回転軸の回転に伴って前記回転軸と前記トップフォイルとの隙間に発生する空気膜の動圧によって前記回転軸を支持する動圧軸受において、
前記トップフォイルには、前記トップフォイルの内外を連通する連通孔と、前記連通孔を覆う弁体と、を有する弁が設けられており、
前記弁体は、前記トップフォイルに形成された切片であり、前記切片が揺動することにより変形して開弁及び閉弁するものであり、
前記弁体の開度は、前記動圧の増大に応じて大きくなる一方、前記動圧の減少に応じて小さくなる、
動圧軸受。 - 回転軸の外周側に配置されるトップフォイルと、
前記トップフォイルの外周側に配置され、前記トップフォイルを弾性支持するバンプフォイルと、
前記バンプフォイルの外周側に配置され、前記バンプフォイルを支持するハウジングと、を備え、
前記回転軸の回転に伴って前記回転軸と前記トップフォイルとの隙間に発生する空気膜の動圧によって前記回転軸を支持する動圧軸受において、
前記トップフォイルには、前記トップフォイルの内外を連通する連通孔と、前記連通孔を覆う弁体と、を有する弁が設けられており、
前記トップフォイルは、その周方向における一端及び他端に、前記ハウジングの内周面に保持される保持端及び自由端がそれぞれ設けられており、
前記弁体は、前記弁体のうち前記周方向における前記トップフォイルの自由端側の部分を起点として前記トップフォイルの外周側に変形して開弁し、前記開弁した状態から前記トップフォイルの内周側に変形して閉弁するものであり、
前記弁体の開度は、前記動圧の増大に応じて大きくなる一方、前記動圧の減少に応じて小さくなる、
動圧軸受。 - 前記弁体は、前記トップフォイルに形成された切片である、
請求項2に記載の動圧軸受。 - 前記トップフォイルの周方向における一端には、前記ハウジングの内周面に保持される保持端が設けられており、
前記弁は、前記トップフォイルのうち前記トップフォイルの中心軸線を挟んで前記保持端とは反対側の部分に設けられている、
請求項1~3のいずれか一項に記載の動圧軸受。 - 複数の前記弁が、前記トップフォイルの周方向に互いに間隔をおいて設けられている、
請求項1~4のいずれか一項に記載の動圧軸受。 - 前記トップフォイルの外周側には、複数の前記バンプフォイルが前記トップフォイルの軸線方向に互いに間隔をおいて配置されており、
前記弁は、前記トップフォイルのうち前記軸線方向における前記バンプフォイルの各々の間の部分に設けられている、
請求項1~請求項5のいずれか一項に記載の動圧軸受。
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