以下、装置内に導入した空気を使用者の気道に送り込むCPAP装置の第1実施形態について、図面を参照して説明する。先ず、CPAP装置の概略構成について説明する。
図1に示すように、CPAP装置10は、第1ユニットとしての本体ユニット20と、第2ユニットとしてのベースユニット40とを備えている。また、図4に示すように、本体ユニット20は、主な構成要素として送風機31を備えている。ベースユニット40は、主な構成要素として第2サイレンサ51及び加湿機52を備えている。
図1に示すように、本体ユニット20は、ベースユニット40に着脱可能となっている。本実施形態において、CPAP装置10は、第1使用状態と第2使用状態とにおいて、その使用が可能となるように構成されている。第1使用状態は、本体ユニット20がベースユニット40に装着されて使用される状態であり、第2使用状態は、本体ユニット20がベースユニット40に装着されないで使用される状態である。換言すると、第1使用状態では、図4に示すように、本体ユニット20及びベースユニット40が使用される。図2に示すように、第2使用状態では、本体ユニット20のみが使用され、ベースユニット40は使用されない。
次に、本体ユニット20の構成について説明する。
図1に示すように、本体ユニット20は、扁平な直方体状の第1筐体21を備えている。第1筐体21の内部には、図2に示すように、送風機31等が内蔵されている。なお、以下の説明では、第1筐体21についての方向を表す際には、図1に示すように、第1筐体21の厚み方向を高さ方向Tdとする。また、第1筐体21の長辺方向を長さ方向Ld、短辺方向を幅方向Wdとする。
第1筐体21の上側面21Uには、本体ユニット20を操作するための操作部22が設けられている。この実施形態では、操作部22は、円形状のスイッチ22Aと、スイッチ22Aを取り囲むように配置された円環状のスイッチ22Bとで構成されている。スイッチ22A,22Bは、いずれも押しボタンスイッチであり、これらを操作することで、本体ユニット20の電源のオンオフ、設定の変更等が可能になっている。
第1筐体21における長さ方向Ldの第1端側の端面である第1端面21Aにおいては、第1筐体21の外部から内部に空気を導入するための第1導入口23が開口している。第1導入口23は、平面視で略四角形状になっている。第1導入口23には、第1筐体21内へと導入される空気に含まれる塵等をろ過するフィルタ24が取り付けられている。
第1筐体21の第1端面21Aには、第1筐体21の内部から外部へと空気を導出するための第1導出部25が設けられている。第1導出部25は、第1導入口23に対して第1筐体21の幅方向Wdに並んで配置されている。第1導出部25は、全体として円筒状となっており、第1端面21Aから長さ方向Ldに沿って突出している。そして、第1導出部25の内部空間は、第1筐体21の内部に連通している。
第1導出部25は、第1端面21A側から順に、小径部25A、大径部25B、及び薄壁部25Cに大別できる。大径部25Bの内径は小径部25Aの内径と同一である一方で、大径部25Bの外径は小径部25Aの外径よりも大きくなっている。その結果、小径部25Aの外周面は、大径部25Bの外周面に対して径方向内側に窪んでいる。また、薄壁部25Cの外径は大径部25Bの外径と同一である一方で、薄壁部25Cの内径は大径部25Bの内径よりも大きくなっている。その結果、薄壁部25Cの内周面と大径部25Bの内周面との境界部には段差が生じている。
第1端面21Aにおいては、本体ユニット20とベースユニット40とを電気的に接続するための第1コネクタ27が窪んでいる。第1コネクタ27は、いわゆる雌型のコネクタであり、内部に複数の端子が設けられている。第1コネクタ27は、第1導出部25の下側に配置されている。
図2に示すように、本体ユニット20の第1筐体21の内部には、空気が流通する第1流路32が区画されている。本体ユニット20において、第1流路32の上流端は、第1導入口23に接続されており、第1流路32の下流端は第1導出部25に接続されている。
第1流路32の途中には、第1導入口23からの空気を第1導出部25へと送り出す送風機31が取り付けられている。送風機31は、例えば遠心ファンである。第1流路32において、第1導入口23と送風機31との間には、第1サイレンサ33が取り付けられている。第1サイレンサ33は、送風機31が駆動することに伴って第1流路32を流通する空気の流通音を減衰する。
第1筐体21の内部には、第1流路32内における送風機31よりも下流側の空気の圧力を検出する圧力センサ34が取り付けられている。また、第1筐体21の内部には、第1流路32内における送風機31よりも下流側の空気の流量を検出する流量センサ35が取り付けられている。さらに、第1筐体21の内部には、第1流路32内を流通する空気の温度を検出する温度センサ36が取り付けられている。また、第1筐体21の内部には、磁気を検出する磁気センサ38が取り付けられている。磁気センサ38は、第1筐体21における下側面21Dの近傍に配置されている。本体ユニット20の内部には、第1コネクタ27に電気的に接続される回路の電流値Iを検知する電流計39が取り付けられている。また、本体ユニット20には、警告部として機能するブザー26が取り付けられている。ブザー26は、規定のビープ音を発することにより、使用者等に警告をする。
次に、CPAP装置10の本体ユニット20における電気的な構成について説明する。
本体ユニット20には、送風機31の動作を制御するための第1制御部37が備わっている。第1制御部37は、1)コンピュータプログラム(ソフトウェア)に従って各種処理を実行する1つ以上のプロセッサ、2)各種処理のうち少なくとも一部の処理を実行する、特定用途向け集積回路(ASIC)等の1つ以上の専用のハードウェア回路、或いは3)それらの組み合わせ、を含む回路(circuitry)として構成し得る。プロセッサは、CPU並びに、RAM及びROM等のメモリを含み、メモリは、処理をCPUに実行させるように構成されたプログラムコードまたは指令を格納している。メモリすなわちコンピュータ可読媒体は、汎用または専用のコンピュータでアクセスできるあらゆる利用可能な媒体を含む。
第1制御部37には、操作部22からの操作を示す信号が入力される。第1制御部37には、圧力センサ34が検出した圧力値が入力される。第1制御部37には、流量センサ35が検出した流量値が入力される。第1制御部37には、温度センサ36が検出した温度値が入力される。第1制御部37は、これらの入力された値に基づいて、フィードバック制御やフィードフォワード制御等の制御により、送風機31の回転数を増減し、空気の送り出し量等を制御するように構成されている。例えば、第1制御部37は、圧力センサ34及び流量センサ35による検出値に基づいて、使用者の呼気状態を判定し、その呼気状態に同期するように、使用者に供給する空気の圧力値を制御する。また、第1制御部37は、第1コネクタ27に対して、温度センサ36により検出した温度値を示す信号を送信するとともに、第1コネクタ27に対する給電を制御している。
本体ユニット20の磁気センサ38は、第1検知部として機能しており、磁気を検出するセンサとなっている。磁気センサ38は、検知した磁気の値を示す信号を第1制御部37に送信する。また、本体ユニット20の電流計39は、第2検知部として機能しており、第1コネクタ27に流れる電流値Iを検出するセンサとなっている。電流計39は、検出した電流値Iの値を示す信号を第1制御部37に送信する。
第1制御部37は、判定部として機能しており、本体ユニット20とベースユニット40との装着状態が異常であるか否かを判定する。第1制御部37による装着状態の判定処理は、操作部22がCPAP装置110の電源をオンにするように操作された後に、所定の制御周期で繰り返される。第1制御部37は、第1検知部である磁気センサ38の検知結果に基づいて、本体ユニット20がベースユニット40に装着されて使用される状態であるか否かを判定する。具体的には、第1制御部37は、磁気センサ38の検知した値が、予め定められた閾値L1より大きい場合に、本体ユニット20がベースユニット40に装着されて使用される状態であると判定する。閾値L1は、予め試験やシミュレーション等によって、本体ユニット20とベースユニット40との距離が充分近くなっており、本体ユニット20がベースユニット40に装着されて使用される状態と判断できる値に定められている。本実施形態においては、第1筐体21がベース筐体42の上側面42Uに載置されたときに、磁気センサ38が検出する磁気が、閾値L1よりも大きくなるように閾値L1が設定されている。
また、第1制御部37は、第2検知部である電流計39が検知する電流値Iに基づいて、本体ユニット20がベースユニット40に装着されている状態であるか否かを判定する。具体的には、第1制御部37は、電流計39が検知した電流値Iが予め定められた閾値L2より大きいと、第1コネクタ27及び第2コネクタ55が接続されており、本体ユニット20がベースユニット40に装着されていると判定する。閾値L2は、第1コネクタ27が第2コネクタ55に接続された状態の電流値Iよりも小さい正の値として設定されている。
そして、第1制御部37は、本体ユニット20がベースユニット40に装着されて使用される状態であると判定し、且つ本体ユニット20がベースユニット40に装着されていないと判定しているときに、本体ユニット20とベースユニット40との装着状態が異常であると判定する。
第1制御部37が本体ユニット20とベースユニット40との装着状態が異常であると判定すると、第1制御部37は、ブザー26に対して警告要求を示す信号を送信する。ブザー26は警報要求を示す信号を受信すると、使用者に対して本体ユニット20とベースユニット40との装着状態が異常である旨を警告するビープ音を発生させる。
次に、ベースユニット40の構造について説明する。
図3に示すように、ベースユニット40は、側面視L字状の第2筐体41を備えている。第2筐体41は、扁平な直方体状のベース筐体42と、ベース筐体42の上側に位置する扁平な直方体状の突出筐体43とに大別される。
ベース筐体42における長手方向の寸法は、第1筐体21における長さ方向Ldの寸法よりも大きい。ベース筐体42における短手方向の寸法は、第1筐体21における幅方向Wdの寸法と同一となっている。なお、以下の説明では、第2筐体41のベース筐体42の長手方向が第1筐体21の長さ方向Ldに沿っており、ベース筐体42の短手方向が第1筐体21の幅方向Wdに沿っているものとする。
ベース筐体42における長さ方向Ldの第1端側の上面からは、突出筐体43が突出している。突出筐体43の長さ方向Ldの第1端側の端は、ベース筐体42における長さ方向Ldの第1端側の端と一致している。突出筐体43における高さ方向Tdの寸法は、第1筐体21における高さ方向Tdの寸法と略同一となっている。突出筐体43における幅方向Wdの寸法は、第1筐体21における幅方向Wdの寸法と略同一となっている。突出筐体43における長さ方向Ldの寸法は、ベース筐体42における長手方向の寸法から、第1筐体21における長さ方向Ldの寸法を減算した値となっている。
ベース筐体42及び突出筐体43は、いずれも内部に空洞を有する箱形状になっている。また、ベース筐体42の内部空間と突出筐体43の内部空間とは連続している。突出筐体43のベース筐体42とは反対側の壁部、すなわち上壁部は、開閉可能な蓋44として構成されている。蓋44は、長さ方向Ldの第1端側の辺を回動中心として回動するようになっている。突出筐体43の蓋44を回動させて開けた状態では、突出筐体43の内部空間及びベース筐体42の内部空間の一部が露出するようになっている。
ベース筐体42の上側面42Uには、ベース筐体42の高さ方向Tdの上側に突出する突起45が設けられている。この実施形態では、ベース筐体42の長さ方向Ldに沿って1列あたり2つの突起45が設けられている。そして、突起45の列は、ベース筐体42の幅方向Wdに2列設けられている。すなわち、突起45は、合計で4つ設けられている。
ベース筐体42の上側面42Uにおいては、ベース筐体42の外部から内部に空気を導入するための第2導入口46が開口している。本実施形態においては、第2導入口46は複数設けられている。複数の第2導入口46は、ベース筐体42における幅方向Wdの略全域に亘って並ぶように配置されている。また、各第2導入口46は、ベース筐体42の上側面42Uのうち、長さ方向Ldの第2端側の縁の近傍に配置されている。なお、詳細は後述するが、ベース筐体42の上側面42Uは、本体ユニット20を載置するための面として機能する。
突出筐体43の長さ方向Ldの両側の端面のうち、ベース筐体42の上側面42Uと接続している面、すなわち、突出筐体43における長さ方向Ldの第2端側の側面である第2端面43Bには、第2筐体41の内部から外部へと空気を導出するための第2導出口47が開口している。第2導出口47は、平面視で略四角形状となっており、第1筐体21における第1導入口23の平面視形状と同一となっている。
突出筐体43の第2端面43Bには、突出筐体43の外部から内部に空気を導入するための第3導入口48が開口している。第3導入口48は、第2導出口47に対して突出筐体43における幅方向Wdに並んで配置されている。第3導入口48は、平面視で円形となっており、第3導入口48の外径は、第1筐体21における第1導出部25の外径よりも大きくなっている。
第2端面43Bにおいては、本体ユニット20とベースユニット40とを電気的に接続するための第2コネクタ55が突出している。第2コネクタ55は、上述した第1コネクタ27の形状に対応したいわゆる雄型のコネクタであり、内部に複数の端子が設けられている。第2コネクタ55は、第3導入口48の下側に配置されている。
蓋44からは、第2筐体41の内部から外部へと空気を導出するための円筒状の第3導出部49が突出している。第3導出部49の中心軸線は、突出筐体43における高さ方向Tdに対して傾いている。第3導出部49の内部空間は、突出筐体43の内部空間に連通している。
図4に示すように、ベースユニット40の第2筐体41の内部には、本体ユニット20の送風機31に吸い込まれる空気が流通する第2流路53が区画されている。ベースユニット40において、第2流路53の上流端は、第2導入口46に接続されており、第2流路53の下流端は第2導出口47に接続されている。
第2流路53の途中には、第2サイレンサ51が取り付けられている。第2サイレンサ51は、第2流路53を流通する空気の流通音を減衰する。なお、第2サイレンサ51の容積の大きさは、本体ユニット20の第1サイレンサ33の容積よりも大きくなっており、音の減衰効果が本体ユニット20の第1サイレンサ33よりも高くなっている。
ベースユニット40の第2筐体41の内部には、本体ユニット20の送風機31から送り込まれる空気が流通する第3流路54が区画されている。ベースユニット40において、第3流路54の上流端は、第3導入口48に接続されており、第3流路54の下流端は第3導出部49に接続されている。
第3流路54の途中には、加湿機52が取り付けられている。加湿機52は、容器52Aと、ヒータ52Bと、ヒータ温度センサ52Cを備えている。容器52Aは、第2筐体41に対して着脱可能に構成されており、内部に水を貯水可能になっている。加湿機52内に導入した空気が容器52A内を経て加湿機52から導出されることで、空気が加湿される。ヒータ52Bは、容器52Aの水を加熱する。ヒータ温度センサ52Cは、ヒータ52Bの温度を検出する。なお、この実施形態では、第2筐体41における突出筐体43の蓋44を開けることによって、加湿機52の容器52Aが脱着可能になっている。
また、第2筐体41の内部には、磁気を発生する磁石50が取り付けられている。磁石50は、ベース筐体42における上側面42Uの近傍に配置されている。磁石50の位置は、第1使用状態のときに、本体ユニット20に内蔵されている磁気センサ38の位置と対向する位置となっている。すなわち、磁石50は、本体ユニット20がベースユニット40に装着されたときの磁気センサ38に対応する位置に配置されている。
次に、CPAP装置10のベースユニット40における電気的な構成について説明する。
ベースユニット40には、ヒータ52Bの動作を制御する第2制御部56が備わっている。第2制御部56は、1)コンピュータプログラム(ソフトウェア)に従って各種処理を実行する1つ以上のプロセッサ、2)各種処理のうち少なくとも一部の処理を実行する、特定用途向け集積回路(ASIC)等の1つ以上の専用のハードウェア回路、或いは3)それらの組み合わせ、を含む回路(circuitry)として構成し得る。プロセッサは、CPU並びに、RAM及びROM等のメモリを含み、メモリは、処理をCPUに実行させるように構成されたプログラムコードまたは指令を格納している。メモリすなわちコンピュータ可読媒体は、汎用または専用のコンピュータでアクセスできるあらゆる利用可能な媒体を含む。
第2制御部56には、第1コネクタ27及び第2コネクタ55を介して電力が給電される。また、第1制御部37から温度センサ36が検出した空気の温度値を示す信号が、第1コネクタ27及び第2コネクタ55を介して入力される。
第2制御部56は、入力された空気の温度値に基づいて、容器52Aの水を加熱するための目標ヒータ温度を設定する。例えば、第2制御部56は、予め定められた算出式によって目標ヒータ温度を設定する。そして、第2制御部56は、ヒータ温度センサ52Cによって検出されたヒータ温度に基づいて、フィードバック制御やフィードフォワード制御等の制御により、ヒータ温度を目標ヒータ温度とするように、ヒータ52Bを駆動するように構成されている。第2制御部56は、ヒータ52Bによって容器52A内の水温を調整する。そして、ヒータ温度が目標ヒータ温度に達すると、第2制御部56は、ヒータ温度を目標ヒータ温度に保つようにヒータ52Bを制御する。
次に、第1使用状態におけるCPAP装置10について説明する。
図5に示すように、第1使用状態においては、本体ユニット20がベースユニット40に装着された状態となっている。具体的には、第1筐体21における下側面21Dが、第2筐体41におけるベース筐体42の上側面42Uに対向するように、本体ユニット20がベースユニット40上に載置されている。また、第1筐体21における第1端面21Aが、第2筐体41における突出筐体43の第2端面43Bに対向して、互いに接触している。したがって、第1使用状態においては、CPAP装置10は、全体として長細い直方体形状となる。
図4に示すように、第1使用状態においては、第1筐体21の第1導入口23が、第2筐体41の第2導出口47に接続されているとともに、第1筐体21の第1導出部25が、第2筐体41の第3導入口48に挿入されている。また、第1筐体21の第1コネクタ27が第2筐体41の第2コネクタ55に接続されている。
図6に示すように、第1使用状態において、ベースユニット40の第3導出部49にエアチューブ91の第1端部が接続され、エアチューブ91の第2端部がマスク92に接続される。マスク92は、例えば、使用者93の鼻又は口を覆うように装着される。
次に、第2使用状態におけるCPAP装置について説明する。
図7に示すように、第2使用状態において、CPAP装置10は、本体ユニット20がベースユニット40に装着されていない、すなわち本体ユニット20のみで使用される。この場合、本体ユニット20の第1導出部25にエアチューブ91の第1端部が接続され、エアチューブ91の第2端部がマスク92に接続される。マスク92は、例えば、使用者93の鼻又は口を覆うように装着される。
次に、第1使用状態におけるCPAP装置10の作用について説明する。
図4に示すCPAP装置10の第1使用状態において、本体ユニット20の送風機31が駆動される。ここで、ベースユニット40のベース筐体42の上側面42Uに設けられた突起45によって、第1筐体21の下側面21Dと第2導入口46との間に隙間が生じる。そのため、この隙間から第2導入口46を通って、CPAP装置10の内部に空気が吸入される。CPAP装置10の内部に吸入された空気は、第2筐体41の第2流路53、第1筐体21の第1流路32、第2筐体41の第3流路54を経て、第2筐体41の第3導出部49から外部へと排出される。これにより、空気がエアチューブ91及びマスク92を介して使用者93の気道に送り込まれる。
第1使用状態においては、第1筐体21がベース筐体42の上側面42Uに載置されている。そのため、本体ユニット20の磁気センサ38とベースユニット40の磁石50との距離が相応に近くなる。その結果、磁気センサ38が検知する値は、閾値L1よりも大きい値となる。よって、第1制御部37は、本体ユニット20がベースユニット40に装着されて使用される状態、すなわち第1使用状態であると判定する。
また、第1使用状態においては、第1コネクタ27及び第2コネクタ55が接続されていると、これら第1コネクタ27及び第2コネクタ55に接続されている回路に電流が流れ、電流計39が検知する電流値Iは、閾値L2よりも大きくなる。よって、第1制御部37は、本体ユニット20がベースユニット40に装着されていると判定する。したがって、この場合に、第1制御部37は、本体ユニット20がベースユニット40に装着されて使用される状態であると判定する一方で、本体ユニット20がベースユニット40に装着されていると判定する。よって、この場合に、第1制御部37は、本体ユニット20とベースユニット40との装着状態が異常であると判定しない。
一方で、第1筐体21がベース筐体42の上側面42Uに載置されていて第1使用状態であると判定されていても、第1筐体21と第2筐体41との位置関係が正しくなく、第1コネクタ27及び第2コネクタ55が電気的に接続されていないこともありえる。この場合、電流計39が検知する電流値Iは略ゼロであり、閾値L2よりも小さくなる。よって、第1制御部37は、本体ユニット20がベースユニット40に装着されていないと判定する。したがって、この場合に、第1制御部37は、本体ユニット20がベースユニット40に装着されて使用される状態であると判定し、且つ本体ユニット20がベースユニット40に装着されていないと判定する。よって、この場合に、第1制御部37は、本体ユニット20とベースユニット40との装着状態が異常であると判定する。そして、本体ユニット20とベースユニット40との装着状態が異常であると判定すると、ブザー26が、使用者に対してビープ音を発生する。以上の場合、CPAP装置10は第1使用状態としては使用可能であるが、使用者が第2使用状態として使用する意図を有しており、第2使用状態としては使用不可能となる。
次に、第2使用状態におけるCPAP装置10の作用について説明する。
図2に示すように、第2使用状態において、本体ユニット20の送風機31が駆動されることで、本体ユニット20の第1導入口23からCPAP装置10の内部に空気が吸入され、CPAP装置10の内部の空気が本体ユニット20の第1導出部25から外部へと排出される。これにより、空気がエアチューブ91及びマスク92を介して使用者93の気道に送り込まれる。
第2使用状態においては、本体ユニット20が単独で使用されるため、第1筐体21は、ベース筐体42の上側面42Uに載置されていない。そのため、本体ユニット20の磁気センサ38とベースユニット40の磁石50との距離が相応に遠くなる。その結果、磁気センサ38が検知する値は、閾値L1よりも小さい値となる。よって、第1制御部37は、本体ユニット20がベースユニット40に装着されないで使用される状態、すなわち第2使用状態であると判定する。
また、第2使用状態においては、第1コネクタ27及び第2コネクタ55が接続されていない。そのため、電流計39が検知する電流値Iは略ゼロであり、閾値L2よりも小さくなる。よって、第1制御部37は、本体ユニット20がベースユニット40に装着されていないと判定する。
したがって、第2使用状態においては、第1制御部37は、本体ユニット20がベースユニット40に装着されて使用される状態ではないと判定し、且つ本体ユニット20がベースユニット40に装着されていないと判定する。よって、第2使用状態において、第1制御部37は、本体ユニット20とベースユニット40との装着状態が異常ではなく、正常であると判定する。そのため、ブザー26は、ビープ音を発生させない。以上の場合、CPAP装置を第2使用状態として使用可能となる。
次に、上記第1実施形態における効果を説明する。
(1)上記第1実施形態によれば、第1制御部37は、磁気センサ38の検知結果に基づいて、本体ユニット20がベースユニット40に装着される状態か否か、すなわち第1使用状態か否かを判定できる。また、第1制御部37は、電流計39の検知結果に基づいて、本体ユニット20がベースユニット40に装着されているか否かを判定できる。第1制御部37は、第1使用状態において、本体ユニット20がベースユニット40に装着されていないときに、本体ユニット20とベースユニット40との装着状態が異常であると判定できる。さらに、第1制御部37は、本体ユニット20がベースユニット40に装着されていなくても、第2使用状態の際には、本体ユニット20とベースユニット40との装着状態が異常でないと判定できる。よって、第1制御部37は、本体ユニット20とベースユニット40との装着状態が異常であるか否かを適切に判定できる。
(2)上記第1実施形態によれば、第1制御部37が異常と判定した場合、すなわち第1使用状態において本体ユニット20がベースユニット40と装着されていない場合に、ブザー26が警告を発する。そのため、使用者に対して本体ユニット20をベースユニット40に装着することを促すことができる。
(3)上記第1実施形態によれば、第1検知部として磁気センサ38が採用されている。第1使用状態においては、本体ユニット20とベースユニット40とが近接する構造であるため、ベースユニット40に内蔵している磁石50が本体ユニット20の磁気センサ38に近づくことで、検出する磁気が変化する。よって、本体ユニット20とベースユニット40が近接する構造において、比較的に簡便な磁気センサ38及び磁石50によって、本体ユニット20がベースユニット40に装着して使用することを検知できる。
(4)上記第1実施形態によれば、第2検知部として電流計39が採用されている。電流計39は、第1コネクタ27に流れる電流値Iを検知することで、第1コネクタ27及び第2コネクタ55と電気的に接続される回路を流れる電流値Iを検知している。電流計39が検知する電流値Iの大きさに基づいて、本体ユニット20がベースユニット40に装着されているか否かを判定している。第1使用状態においては、加湿機52を適切に稼働させるために、第1コネクタ27及び第2コネクタ55の接続が必要となっている。そのため、この接続箇所の電流値Iを検知することで、本体ユニット20がベースユニット40に装着されているか否かを検知する第2検知部を実現している。よって、部材を過度に増やさずに、第2検知部の構成を実現できる。
<第2実施形態>
次に、CPAP装置の第2実施形態について説明する。この第2実施形態では、第1実施形態における本体ユニット20の磁気センサ38及びベースユニット40における磁石50に代えて他の構成が採用されている。なお、以下の第2実施形態の説明では、第1実施形態と同様の構成については、同一の符号を付して、具体的な説明を省略又は簡略化する。
先ず、CPAP装置110における本体ユニット120の構成、特に第1導出部25の構造について説明する。
図8に示すように、第1導出部25における小径部25Aの外周面のうち、高さ方向Tdの上側端には、特定箇所として機能する第1電気端子162が配置されている。第1電気端子162は、図示しない電気回路を介して第1コネクタ27と電気的に接続されている。
大径部25Bの外周面には、光度を検出する光センサ164が取り付けられている。光センサ164は、光センサ164の受光部に照射される光の量を検出することができる。この第2実施形態では、光センサ164は、第1検知部として機能している。第1導出部25の大径部25Bの外周面は、本体ユニット120がベースユニット140から取り外された状態では、外部に露出している。そして、光センサ164の受光部は、第1導出部25の大径部25Bの外周面に位置している。すなわち、光センサ164の受光部は、本体ユニット120がベースユニット140に装着されたときにベースユニット140の蓋44に対向するとともに、本体ユニット120がベースユニット140から取り外されたときに露出する位置に設けられている。
図9に示すように、光センサ164は、第1制御部37に対して、検知する光度を示す信号を送っている。また、本体ユニット120の内部には、第1電気端子162が接触部と接触しているか否かを検知するための接触センサ161が備わっている。この実施形態では、接触センサ161は、第1電気端子162に流れる電流値を検出する電流計である。
次に、ベースユニット140の第3導入部148の構造について説明する。
第2実施形態においては、ベースユニット140には、第1実施形態における第3導入口48に代えて第3導入部148が設けられている。図8に示すように、ベースユニット140の突出筐体43の第2端面43Bにおいては、長さ方向Ldの第1端側に向かって凹部148Bが窪んでいる。凹部148Bの長さ方向Ldの寸法は、第1導出部25の突出長さと略同じになっている。
凹部148Bは、第2コネクタ55の上側に位置している。また、凹部148Bの上側は、蓋44で覆われている。すなわち、蓋44が開けられた状態では、凹部148Bの上側は開放される。凹部148Bの長さ方向Ldの第1端側の壁部は、加湿機52の収容空間を区画する内壁148Aになっている。内壁148Aは、第2端面43Bと平行となっており、第2筐体41の長さ方向Ldにおいて第2端面43Bと並んでいる。
内壁148Aには、第1導出部25の内径と同一寸法の貫通孔148Eが貫通している。貫通孔148Eは、加湿機52の容器52A内に連通している。貫通孔148Eの開口縁からは、長さ方向Ldの第2端側に向かって筒状の接続凸部148Dが突出している。この接続凸部148Dと凹部148Bとによって、第3導入部148が構成されている。接続凸部148Dの外径は、第1導出部25における薄壁部25Cの内径と略同じになっている。接続凸部148Dの外周面においては、周方向の全体に亘って溝部148Fが窪んでいる。溝部148Fには、リング状の封止部材148Gが嵌め込まれている。
第2筐体41の蓋44における長さ方向Ldの第2端側の縁からは、突出部148Cが突出している。突出部148Cは、蓋44を閉じた状態において、高さ方向Tdの下側に突出している。突出部148Cの突出長さは、第1導出部25の大径部25Bの長さ方向Ldの第2端側の端から小径部25Aの外周面までの長さよりもわずかに小さくなっている。
突出部148Cの突出先端には、第2電気端子163が取り付けられている。第2電気端子163は、図示しない電気回路を介して第2コネクタ55と電気的に接続されている第2電気端子163は、第1使用状態において、本体ユニット120の特定箇所である第1電気端子162と接触する。すなわち、第2電気端子163は、接触部として機能している。第2電気端子163と第1電気端子162とが接触した状態では、これら第2電気端子163、第1電気端子162、第1コネクタ27、第2コネクタ55を含む閉回路が形成され、電流が流れることが可能になっている。
蓋44の凹部148B側の面には、LED165が取り付けられている。LED165は、本体ユニット120の第1コネクタ27とベースユニット140の第2コネクタ55とが接続されると、本体ユニット120からベースユニット140に供給された電力によって、光を照射する。LED165は、第1状態において、第1導出部25の光センサ164の受光部と対向する位置に配置されている。
次に、CPAP装置110の電気的な構成について説明する。
図9に示すように、本体ユニット120には、第1電気端子162が第2電気端子163に接触したことを検知する接触センサ161として電流計が備わっている。この第2実施形態では、接触センサ161が、第2検知部として機能している。接触センサ161は、検知した電流値を示す信号を第1制御部37に送信する。また、第1検知部として機能する光センサ164は、検知した光度を示す信号を第1制御部37に送信する。
第1制御部37は、第1検知部である光センサ164の検知結果に基づいて、本体ユニット120がベースユニット40に装着されて使用される状態であるか否かを判定する。具体的には、第1制御部37は、光センサ164の検知した光度が、予め定められた閾値L3以上である場合に、本体ユニット120がベースユニット40に装着されて使用される状態であると判定する。本実施形態において、閾値L3は、予め試験やシミュレーションによって、LED165からの光を検知したときの光度よりも小さいとともに、LED165の光を検知していないときの光度よりも大きく設定されている。
第1制御部37は、第2検知部である接触センサ161の検知結果に基づいて、本体ユニット120がベースユニット40に装着されている状態であるか否かを判定する。具体的には、第1制御部37は、接触センサ161が検知した電流地が予め定められた閾値L4以上である場合に、本体ユニット120がベースユニット40に装着されていると判定する。閾値L4は、第1電気端子162と第2電気端子163が接触したときに、第2電気端子163、第1電気端子162、第1コネクタ27、第2コネクタ55を含む閉回路を流れる電流値より小さい正の値に設定されている。
次に、第1使用状態におけるCPAP装置110の作用について説明する。
図12に示すように、第1使用状態において、第1導出部25の大径部25Bの外周面は、第3導入部148の凹部148Bの内周面と対向している。光センサ164が検知する光度は、LED165からの光を検知することで、閾値L3以上の値となる。よって、第1制御部37は、本体ユニット120がベースユニット140に装着されて使用される状態であると判定する。
また、蓋44が閉じることで、第1電気端子162と第2電気端子163とが接触している。そのため、接触センサ161が検知する電流値は、閾値L4以上の値となっている。よって、第1制御部37は、本体ユニット120がベースユニット140に装着されていると判定する。したがって、この場合に、第1制御部37は、本体ユニット120がベースユニット140に装着されて使用される状態であると判定する一方で、本体ユニット120がベースユニット140に装着されていると判定する。よって、この場合に、第1制御部37は、本体ユニット120とベースユニット140との装着状態が異常でなく、正常であると判定する。
一方で、第1筐体21がベース筐体42の上側面42Uに載置されていて第1使用状態であると判定されていても、図11に示すように、第1使用状態において、蓋44が開いていることがある。また、第1筐体21がベース筐体42の上側面42Uに載置されていて第1使用状態であると判定されていても、第1筐体21と第2筐体41との位置関係が正しくなく、蓋44が完全に閉まらないこともありえる。これらの場合、第1電気端子162と第2電気端子163とが接触していない。そのため、接触センサ161が検知する電流値は、閾値L4未満の値となっている。よって、第1制御部37は、本体ユニット120がベースユニット140に装着されていないと判定する。したがって、この場合に、第1制御部37は、本体ユニット120がベースユニット140に装着されて使用される状態であると判定し、且つ本体ユニット120がベースユニット140に装着されていないと判定する。よって、この場合に、第1制御部37は、本体ユニット120とベースユニット140との装着状態が異常であると判定する。そして、本体ユニット120とベースユニット140との装着状態が異常であると判定すると、ブザー26が、使用者に対してビープ音を発生する。
次に、第2使用状態におけるCPAP装置110について説明する。
図10に示すように、第2使用状態においては、ベースユニット140に本体ユニット120からの電力が供給されず、LED165が発光しない。そのため、光センサ164は、LED165からの光を検知しない。さらに、第2使用状態においては、本体ユニット120における第1導出部25の外周面がエアチューブ91で覆われるため、光センサ164の受光部に太陽光や照明の光が入射しにくい。そのため、光センサ164が検知する光度は、閾値L3未満の値である。この場合に、第1制御部37は、本体ユニット120がベースユニット140に装着されずに使用される状態であると判定する。すなわち、第1制御部37は、本体ユニット120がベースユニット140に装着されて使用される状態でないと判定する。
また、第2使用状態においては、第1導出部25が第3導入部148に接続されないため、本体ユニット120側の第1電気端子162が、ベースユニット140側の第2電気端子163には接触しない。そのため、第1電気端子162及び第2電気端子163を含む閉回路が形成されず、接触センサ161が検知する電流値は、閾値L4未満の値となる。よって、第1制御部37は、本体ユニット120がベースユニット140に装着されていないと判定する。よって、第1制御部37は、本体ユニット120がベースユニット140に装着されていないと判定する一方で、本体ユニット120がベースユニット140に装着されて使用される状態でないと判定している。その結果、第1制御部37は、本体ユニット120とベースユニット140との装着状態が異常ではなく、正常であると判定する。
次に、上記第2実施形態における効果を説明する。上記第1実施形態の(1)及び(2)の効果に加え、以下の効果を奏する。
(5)上記第2実施形態によれば、第1検知部として光センサ164が採用されている。第1使用状態においては、本体ユニット120の第1導出部25は、ベースユニット140の第3導入部148における凹部148Bの内部に収容される。そして、凹部148Bの内周面に取り付けられたLED165からの光が光センサ164に照射されることで、第1使用状態と検知できる。一方で、第2使用状態においては、本体ユニット120の第1導出部25は、エアチューブ91の内部に収容される。この場合、エアチューブ91によって外部からの光の少なくとも一部が遮断されるため、光センサ164の検出する光度は、閾値L3よりも小さい。よって、光センサ164は、第1使用状態でないと検知できる。したがって、CPAP装置110の使用状態が第1使用状態か第2使用状態であるかを検知することを実現できる。
(6)上記第2実施形態によれば、第2検知部として接触センサ161が採用されている。接触センサ161は、第1電気端子162及び第2電気端子163が接触したことを電流が流れることを以て検知しており、比較的に容易な構造で、本体ユニット120がベースユニット140に装着されていることを検知できる。
(7)上記第2実施形態によれば、蓋44が正しく閉じることができれば、本体ユニット120がベースユニット140に装着されている。したがって、蓋44の開閉状態を参考にして、本体ユニット120がベースユニット140に正しく装着されているかを判断することもできる。したがって、ブザー26による警告に加え視覚的にも、両ユニットの装着状態を把握できる。
<第3実施形態>
次に、CPAP装置の第3実施形態について説明する。この第3実施形態では、第1実施形態における本体ユニット20の磁気センサ38及びベースユニット40における磁石50に代えて他の構成が採用されている。なお、以下の第3実施形態の説明では、第1実施形態と同様の構成については、同一の符号を付して、具体的な説明を省略又は簡略化する。
先ず、CPAP装置210における本体ユニット220及びベースユニット240の構造について説明する。
図13に示すように、本体ユニット220において、第1筐体21の第1端面21Aにおいては、窪み部271が窪んでいる。窪み部271は、平面視すると四角形状に開口している。窪み部271は、第1端面21Aにおいて、幅方向Wdの第1端側の端であって高さ方向Tdの下側の端に配置されている。
図14に示すように、窪み部271の底には、距離センサ273が取り付けられている。詳細な図示は省略するが、距離センサ273は、所定波長の光を窪み部271の窪み方向である長さ方向Ldに発する発光部と、発光部が発した光の反射光を検出する受光部とで構成されている。そして、距離センサ273は、他の物体によって反射された反射光を解析することで、距離センサ273と他の物体との距離を検出する。
一方、図13に示すように、ベースユニット240において、突出筐体43の第2端面43Bには、差し込み凸部272が、突出している。差し込み凸部272は、本体ユニット20の窪み部271の形状に応じた四角柱状になっている。差し込み凸部272の位置は、本体ユニット220がベースユニット240に装着されている状態で、本体ユニット220の窪み部271と対向する位置に配置されている。
図14に示すように、差し込み凸部272の長さ方向Ldの突出寸法は、窪み部271の長さ方向Ldの窪み寸法よりも小さくなっている。また、第1端面21Aから距離センサ273までの長さ方向Ldの距離は、差し込み凸部272の長さ方向Ldの突出寸法よりも僅かに大きくなっている。
次に、第3実施形態におけるCPAP装置210の電気的な接続について説明する。
図17に示すように、第1検知部及び第2検知部として機能する距離センサ273は、距離センサ273が検出する長さ方向Ldの第1端側に位置する物体との距離Dを、第1制御部37に送信している。
第1制御部37は、第1検知部である距離センサ273の検知結果に基づいて、本体ユニット220がベースユニット240に装着されて使用される状態であるか否かを判定する。具体的には、第1制御部37は、距離センサ273の検知した値が、予め定められた第1規定距離D1未満である場合に、本体ユニット220がベースユニット240に装着されて使用される状態であると判定する。第1規定距離D1は、窪み部271の窪み量として設定されている。
また、第1制御部37は、第2検知部である距離センサ273の検知結果に基づいて、本体ユニット220がベースユニット240に装着されているか否かを判定する。具体的には、第1制御部37は、距離センサ273の検知した値が、予め定められた第2規定距離D2未満である場合に、本体ユニット220がベースユニット240に装着されていると判定する。第1規定距離D1は、予め試験やシミュレーションによって、本体ユニット220がベースユニット240に装着されて、差し込み凸部272が、窪み部271に差し込まれた距離より僅かに大きい値として設定されている。
次に、第1使用状態におけるCPAP装置210の作用について説明する。
図14に示すように、第1使用状態において、本体ユニット220がベースユニット240に装着されると、差し込み凸部272の先端が窪み部271の底の近傍まで入り込む。そのため、距離センサ273が検知する距離Dは第2規定距離D2未満となる。この場合に、当然ながら、距離Dは第1規定距離D1未満にもなっている。よって、第1制御部37は、本体ユニット220がベースユニット240に装着されて使用される状態であると判定する一方で、本体ユニット220がベースユニット240に装着されている状態であると判定する。よって、この場合に、第1制御部37は、本体ユニット220とベースユニット240との装着状態は異常でなく、正常であると判定する。
一方で、図15に示すように、第1筐体21がベース筐体42の上側面42Uに載置されていても、第1筐体21と第2筐体41との位置関係が正しくなく、本体ユニット220の窪み部271に、ベースユニット240の差し込み凸部272の先端側の一部のみが入り込むことがある。この場合、距離センサ273が検知する距離Dは、第2規定距離D2以上且つ第1規定距離D1未満となる。そのため、第1制御部37は、本体ユニット220がベースユニット240に装着されて使用される状態であると判定する。そして、本体ユニット220がベースユニット240に装着されていないと判定する。この場合に、第1制御部37は、本体ユニット220とベースユニット240との装着状態は異常であると判定する。そして、本体ユニット220とベースユニット240との装着状態が異常であると判定すると、ブザー26が、使用者に対してビープ音を発生する。
第2使用状態においては、図16に示すように、本体ユニット220がベースユニット240に装着されていない状態であるため、距離センサ273が検知する距離Dは、第1規定距離D1以上の値となっている。そのため、第1制御部37は、本体ユニット220がベースユニット240に装着されて使用される状態でないと判定する。この場合、当然ながら、距離センサ273が検知する距離Dは、第2規定距離D2以上の値となっている。そのため、第1制御部37は、本体ユニット220がベースユニット240に装着されていないと判定する。したがって、第2使用状態においては、第1制御部37は、本体ユニット220とベースユニット240との装着状態は異常でなく、正常であると判定する。
次に、上記第3実施形態における効果について説明する。上記第1実施形態の(1)及び(2)の効果に加え、以下の効果を奏する。
(8)上記第3実施形態によれば、単独の距離センサ273が、第1検知部且つ第2検知部として機能している。そのため、部材としては、1つの距離センサ273を取り付けるのみで済む。
(9)上記第3実施形態によれば、距離センサ273は、窪んでいる窪み部271の底に配置されている。そのため、差し込み凸部272と距離センサ273との距離を検出するうえで、他の物体と距離センサ273との距離が近づきにくくしている。よって、他の物体が本体ユニット220に接近した際に、本体ユニット220がベースユニット240に装着されて使用される状態であると誤判断されることを防げる。
上記各実施形態は以下のように変更して実施することができる。各実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で組み合わせて実施することができる。
・各実施形態において、本体ユニットの構成は、上記各実施形態の例に限られない。例えば、本体ユニット内に加湿機を設けてもよい。
・各実施形態において、ベースユニットの構成は、上記各実施形態の例に限られない。例えば、ベースユニットにおいて、第2サイレンサ51及び加湿機52のいずれか一方を省略してもよい。また、ベースユニットの加湿機52に、香気や薬効成分を付加する機能を追加してもよい。
・各実施形態において、警告部はブザー26に限られない。例えば、警告部としては、LEDランプが点灯することで使用者に対して警告するものであってもよい。
・各実施形態において、警告部が警告する対象は使用者に限られない。例えば、第1制御部37が無線通信によって医師等が所有する端末とデータ通信できる場合に、第1制御部37が医師等の所有する他の端末に警告情報を送信するものであってもよい。この場合、他の端末に警告情報を送信する送信装置が、警告部として機能する。
・各実施形態において、CPAP装置は、警告部を備えていなくてもよい。この場合に、例えば本体ユニットとベースユニットとの装着状態が異常であると判定された場合に、強制的にCPAP装置の電源をオフにしてもよい。
・各実施形態において、第1検知部と第2検知部との組み合わせは、各実施形態の例に限られない。例えば、第1実施形態において、第2検知部として第2実施形態における接触センサ161が採用されてもよいし、第2実施形態において、第1検知部として第1実施形態における磁気センサ38が採用されてもよい。
・各実施形態において、ベースユニットの第2制御部56が、本体ユニットがベースユニットに装着されて使用される状態であるか否かの判定や、本体ユニットがベースユニットに装着されているか否かの判定を行ってもよい。この場合、各種センサからの信号は、ベースユニットの判定部に送られる。この場合には、判定部は第2使用状態の際には判定を行わなくて済む。なお、ベースユニットにおいて判定を行う場合には、本体ユニットからベースユニットに給電するのではなく、ベースユニットに電源が内蔵されている必要がある。
・第1実施形態において、磁気センサ38及び磁石50が取り付けられる位置は、変更できる。例えば、磁気センサ38がベースユニット40に取り付けられており、磁石50が本体ユニット20に取り付けられていてもよい。この場合、例えば、判定部として機能する第1制御部37が磁気センサ38から無線通信等によって信号の受信が可能となっていればよい。また、磁石50及び磁気センサ38は、磁石50が放出する磁力や、磁気センサ38が検知する磁力及び検知する方向に併せて、適宜取り付け位置を変更してもよい。なお、ベースユニット40に磁気センサ38を設ける場合には、本体ユニット20からベースユニット40に給電するのではなく、ベースユニット40に電源が内蔵されている必要がある。
・第2実施形態において、光センサ164が取り付けられる位置は、変更できる。例えば、光センサ164がベースユニット140に取り付けられており、LED165が本体ユニット120に取り付けられていてもよい。この場合、例えば、判定部として機能する第1制御部37が光センサ164から無線通信等によって信号の受信が可能となっていればよい。なお、ベースユニット140に光センサ164を設ける場合には、本体ユニット120からベースユニット140に給電するのではなく、ベースユニット140に電源が内蔵されている必要がある。
・第2実施形態において、ベースユニット40は、LED165を省略することもできる。例えば、光センサ164の受光部を、本体ユニット120の第1端面21Aに取り付けてもよい。この場合、第1使用状態では、本体ユニット120の第1端面21Aとベースユニット140の第2端面43Bとが対向するため、光センサ164の受光部に入射される光の一部が遮られる。その一方で、第2使用状態では、本体ユニット120の第1端面21Aが露出するため、光センサ164の受光部に入射される光は遮られにくい。そこで、光センサ164の検知した光度が所定の閾値よりも小さいときに、本体ユニット120とベースユニット140との装着状態が異常であると判定できる。
・第3実施形態において、距離センサ273が取り付けられる位置は、第3実施形態の例に限られない。例えば、距離センサ273がベースユニット240に取り付けられていてもよい。この場合、距離センサ273が差し込み凸部272の先端に取り付けられれば、第1規定距離D1及び第2規定距離D2によって判定できる。なお、ベースユニット240に距離センサ273を設ける場合には、本体ユニット220からベースユニット240に給電するのではなく、ベースユニット240に電源が内蔵されている必要がある。
・第3実施形態において、距離センサ273が取り付けられる位置は、窪み部271の底に限られない。例えば、窪み部271及び差し込み凸部272を省略して、本体ユニット220の第1端面21Aに取り付けられていてもよい。この場合に、距離センサ273は、ベースユニット240の第2端面43Bとの距離を検出する。そして、第1規定距離D1及び第2規定距離D2を適宜設定することで、距離センサ273が第1検知部及び第2検知部として機能できる。
・第1実施形態において、第1コネクタ27及び第2コネクタ55の取り付け位置は、第1実施形態の例に限られない。例えば、第1コネクタ27が本体ユニット20の下側面21Dに取り付けられていてもよい。少なくとも、本体ユニット20がベースユニット40に装着されている状態において、第1コネクタ27と第2コネクタ55が装着されていればよい。
・第2実施形態において、接触センサ161の取り付け位置は、第2実施形態の例に限られない。例えば、接触センサ161がベースユニット140に取り付けられていてもよい。この場合、例えば、判定部として機能する第1制御部37が接触センサ161から無線通信等によって信号の受信可能となっていればよい。なお、ベースユニット140に接触センサ161を設ける場合には、本体ユニット120からベースユニット140に給電するのではなく、ベースユニット140に電源が内蔵されている必要がある。
・第2実施形態において、接触部として機能する第2電気端子163及び特定箇所として機能する第1電気端子162の位置は、第2実施形態の例に限られない。例えば、第2電気端子163がベース筐体42の突起45に取り付けられていてもよい。この場合、第1電気端子162は、本体ユニット20において、第1筐体21の下側面21Dのうちの突起45に対応する位置に設ければよい。
・第2実施形態において、接触センサ161は電流計に限られない。例えば、端子と端子が接触することで電流が流れるセンサであってもよい。少なくとも、接触部が特定箇所に接触したことを検出するセンサであればよい。
・各実施形態において、本体ユニット及びベースユニットの構造は、各実施形態の例に限られない。例えば、本体ユニットは、第1筐体21に送風機31が内蔵されていれば、第1筐体21の形状はどのような形状であってもよい。また、ベースユニットは、第2流路53又は第3流路54が区画されていればよい。さらに、ベースユニットが、第2流路53が区画されたユニットと、第3流路54が区画されたユニットとの2つのユニットで構成されていて、各ユニットが、それぞれ本体ユニットに着脱可能となっていてもよい。
・第1検知部及び第2検知部の構成は、各実施形態の例に限られない。第1検知部及び第2検知部としては、各種センサが機能することで構成されればよい。この場合、第1検知部は、本体ユニットがベースユニットに装着されて使用される状態か否かを検知するためのものであればよく、第2検知部は、本体ユニットがベースユニットに装着されているか否かを検知するためのものであればよい。
・各実施形態において、第1検知部は、本体ユニット及びベースユニットの両方に設けられていてもよい。例えば、第3実施形態において、第1検知部として機能する距離センサ273が、本体ユニット220及びベースユニット240に設けられており、2つの距離センサ273の検知結果に基づいて、判定部による判定がされればよい。この場合、1つの距離センサ273の検知結果に基づいて判定するよりも、誤判定を少なくしやすい。この点、第2検知部についても同様である。
・各実施形態において、本体ユニットの第1制御部37が、ベースユニットの加湿機52を制御するように構成してもよい。この場合には、ベースユニットの第2制御部56を省略してもよく、第1制御部37は、第1コネクタ27及び第2コネクタ55を介して、ヒータ温度を検出し、検出したヒータ温度に基づいて加湿機52を制御する。