JP7275959B2 - 乗物用シート - Google Patents

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Description

本発明は、シートカバーの一部がシートパッドの溝部内に引き込まれた状態で係止されている乗物用シートに関する。
この種の乗物用シートは、シート外形をなして乗員を弾性的に支持可能なシートパッドと、シートパッドを被覆するシートカバーとを有し、シートカバーの一部がシートパッドの溝部内に係止されている。例えば特許文献1に開示の乗物用シートでは、シートパッドの着座面に、正面視でH字をなすように吊り込み溝部が設けられている。この吊り込み溝部の底には、本発明の係止部に相当する係止クリップが適宜の間隔をあけて固定され、さらに吊り込み溝部の延設方向の両端には位置決め用凸部がそれぞれ突出して形成されている。またシートカバーは、複数の表皮ピースを縫合することで形成され、隣り合う表皮ピース同士の縫合箇所(シートカバーの一部)には、本発明の吊り具に相当するサスペンダーが共縫いされている。このサスペンダーは、吊り込み溝部に沿う向きに長尺な帯状の部材であり、吊り込み溝部の両端に設けられている位置決め用凸部の間に収まる長さ寸法を有している。そしてサスペンダーの先端には、樹脂製の柱状体が一体化されており、この柱状体は、係止クリップに係止可能な矢尻形状に形成されている。
公知技術の乗物用シートでは、シートカバーでシートパッドを被覆しつつ、表皮ピース同士の縫合箇所を吊り込み溝部に引き込んで底側に係止しておく。このとき表皮ピース同士の縫合箇所は、その先端に共縫いされたサスペンダーが係止クリップに係止されることで、吊り込み溝部の底側に引き込まれた状態で係止される。そして公知技術では、サスペンダーが吊り込み溝部の延設方向にズレないように、このサスペンダーの長尺方向における端部を、吊り込み溝部の対応する位置決め用凸部に干渉させている。こうしてシートカバーがシートの意匠面を構成し、さらに意匠面には、表皮ピース同士の縫合箇所が継目(意匠線)となって表れ、シートの意匠の一部を構成することとなる。
特許第6292100号公報
ところで上述の構成では、シートの意匠性を確保する観点から、シートカバーの意匠線が蛇行しないよう配慮すべきである。例えば意匠線の蛇行の一因として、吊り込み溝部の底深な部分にサスペンダー(吊り具)が落ち込むなどして部分的に傾いてしまうことが挙げられる。そして吊り込み溝部の底深な部分はシートパッド成形時の肉欠け等によって形成されることが知られており、この種の肉欠けは溝部の端側などの適宜の位置に生じ、例えば溝部同士の交差箇所(角部)に生じることがある。このため上述の構成では、サスペンダーに部分的な落ち込みが生じないように、吊り込み溝部の奥行方向にけるサスペンダーの位置を定めておくことが望ましいといえる。しかし公知技術の構成では、吊り込み溝部の延設方向におけるサスペンダーの位置決めはなされるものの、同溝部の奥行方向におけるサスペンダーの位置決めがなされているわけではなかった。本発明は上述の点に鑑みて創案されたものであり、本発明が解決しようとする課題は、シートカバーの係止用の吊り具を、溝部の奥行方向に位置決めしつつ係止部に係止しておくことにある。
上記課題を解決するための手段として、第1発明の乗物用シートは、シート外形をなすシートパッドと、シートパッドの表面を被覆するシートカバーと、シートパッドに設けられて所定の方向に延びる溝部と、シートカバーの一部に取付けられ且つ溝部の延長方向に長尺な板状又は帯状の吊り具とを備えている。そしてシートカバーの一部が溝部内に引き込まれた状態とされて、吊り具が、溝部の底側に固定された係止具に係止されている。この種の構成では、シートカバーの係止用の吊り具を、溝部の奥行方向に位置決めしつつ係止部に係止しておくことが望ましい。
そこで本発明の溝部は、係止具が固定されている一般部位と、一般部位よりも底浅とされてシートパッドの表面側に向けて突出している嵩上部位とを有し、一般部位と嵩上部位のいずれか一方の部位は、溝部の延びる方向において、一方とは反対の他方の部位に挟まれた状態で形成されている。そして溝部の奥行方向において、自由状態における嵩上部位の底をなす先端面と一般部位の底間の距離を基準距離とした場合、吊り具の先端部が係止具に係止された状態において、吊り具の先端部と一般部位の底間の距離が基準距離よりも短くなるように設定されることにより、吊り具の先端部は、溝部の奥行方向から嵩上部位の先端面に押し当てられた状態とされている。本発明の溝部内には、相対的に底深な一般部位と、相対的に底浅な嵩上部位とが設けられている。そして溝部では、一般部位の間に嵩上部位が形成されているか、または嵩上部位の間に一般部位が形成されている。このような構成であると、吊り具は、溝部内において嵩上部位にて持ち上げられた状態で係止具に係止されるため、一般部位ではなく嵩上部位によって、溝部の奥行方向における位置が定められた状態となる。こうして本発明では、吊り具の位置を嵩上部位で定めることにより、溝部内に意図しない底深な部分が形成されていたとしても、吊り具の傾きを極力阻止することができる。
第2発明の乗物用シートは、第1発明の乗物用シートにおいて、係止具は、溝部の底に固定されている固定部と、固定部からシートパッドの表面側に向けて突出する係止爪部とを有している。そして吊り具は、嵩上部位からの弾性的な反発力によって固定部から離れる向きに付勢された状態で係止爪部に係止されている。本発明では、係止爪部に係止された吊り具を、嵩上部位の弾性的な反発力(付勢力)にて固定部から離しておくことにより、吊り具と固定部の接触による異音の発生を極力阻止することができる。
第3発明の乗物用シートは、第1発明又は第2発明の乗物用シートにおいて、嵩上部位は、溝部の延びる方向において、一般部位の間を埋めるように連続的に形成されている。本発明では、一般部位の間に連続して形成された嵩上部位によって、溝部内における吊り具の位置をさらに安定的に定めておくことができる。
第4発明の乗物用シートは、第1発明~第3発明のいずれかの乗物用シートにおいて、嵩上部位が溝部の端部に設けられている。本発明では、一般的なシートパッドにおいて、溝部の端部に肉欠け等が原因で底深な部分が生じやすいことに着目し、この溝部の端部に嵩上部位が設けられている。このため本発明では、溝部の端部に設けられた嵩上部位によって、吊り具の意図しない傾きをより確実に阻止することができる。
第5発明の乗物用シートは、第1発明~第4発明のいずれかの乗物用シートにおいて、シートパッドは、第一パッド部位と、第一パッド部位とは異なる物性を備えた第二パッド部位とからなる成形品である。本発明のシートパッドは、その性能向上を図るために物性の異なるパッド部位が設けられるが、このシートパッドの成形に際しては、異なる成形材料の交わる箇所(例えば溝部の端部付近)で肉欠けが生じることが懸念される。そこで本発明では、吊り具の位置を嵩上部位で定めることにより、溝部内に意図しない底深な部分が形成されていたとしても、吊り具の傾きを極力阻止することができる。
本発明に係る第1発明によれば、シートカバーの係止用の吊り具を、溝部の奥行方向に位置決めしつつ係止部に係止しておくことができる。また第2発明によれば、シートカバーの係止用の吊り具を、係止部に性能良く係止しておくことができる。また第3発明によれば、シートカバーの係止用の吊り具を、溝部の奥行方向により安定的に位置決めすることができる。また第4発明によれば、シートカバーの係止用の吊り具を、溝部の奥行方向により確実に位置決めすることができる。そして第5発明によれば、シートパッドの性能向上を図りつつ、シートカバーの係止用の吊り具を、溝部の奥行方向に位置決めしつつ係止部に係止しておくことができる。
乗物用シートの斜視図である。 シートパッドの正面図である。 各溝部の正面図である。 図2のIV-IV線断面図である。 吊り具と係止具の斜視図である。 シートカバーの斜視図である。 被覆作業時のシートカバーとシートパッドの断面図である。 被覆作業後のシートカバーとシートパッドの断面図である。 図1及び図2のIX-IX線断面に相当するシートバックの断面図である。 図2のX-X線断面に相当するシートバックの断面図である。
以下、本発明を実施するための形態を、図1~図10を参照して説明する。各図には、便宜上、乗物用シートの前後方向と左右方向と上下方向を示す矢線を適宜図示する。なお図9及び図10では、便宜上、シートパッドとシートカバーを離して図示するが、実際はシートカバーがシートパッドの表面に密着している。
図1の乗物用シート2は、シートクッション4と、シートバック6と、ヘッドレスト8を有する。これらシート構成部材(4,6,8)は、各々、シート骨格をなすシートフレーム(4F,6F,8F)と、シート外形をなすシートパッド(4P,6P,8P)と、シートパッドを被覆するシートカバー(4S,6S,8S)を有する。そしてシートクッション4の後部には、シートバック6の下部が起倒可能に連結されているとともに、起立状態のシートバック6(詳細後述)の上部にヘッドレスト8が配設されている。
[シートバック]
図1に示すシートバック6は、乗員の背凭れとなる正面視で概ね矩形の部材であり、上記基本構成6F、6P,6Sとともに、図2~図6を参照して、複数の溝部10~15と、複数の係止具20と、複数の吊り具60を有している。そしてシートバック6では、図9に示すようにシートパッド6Pがシートカバー6Sで被覆される。さらに意匠性向上の観点などから、シートカバー6Sの一部(後述する表皮ピース同士の縫合箇所50等)が、シートパッド6Pの各溝部13等に引き込まれている。すなわちシートカバー6Sの一部(50等)には吊り具60が取付けられており、この吊り具60が、シートパッド6Pの溝部(13等)の対応する係止具20に係止されている。
そして図1に示すシートカバー6Sの意匠面には、表皮ピース同士の縫合箇所50等が継目(意匠線DL)となって表れるのであるが、このとき意匠線DLが極力蛇行しないよう配慮すべきである。例えば意匠線DLの蛇行の一因として、図9に示す吊り具60の溝部(13等)内の奥行方向の位置が定まらず、吊り具60が部分的に傾くことが挙げられる。そこで本実施例では、後述する図3の各溝部(一般部位31~33等,嵩上部位41~44等)にて、シートカバー6Sの係止用の吊り具60を、溝部13等の奥行方向に位置決めしつつ係止具20に係止しておくこととした。以下、各構成について詳述する。
[基本構成]
シートバック6では、図1及び図2を参照して、シートフレーム6F(図示省略)によってシートパッド6Pが支持されている。ここでシートフレーム6Fは、典型的に正面視で略矩形又はアーチ状の枠体であり、金属や硬質樹脂などの剛性に優れる素材にて形成できる。そしてシートパッド6Pは、シートバック6の外形(シート外形)をなしている部材であり、乗員を弾性的に支持することができる。このシートパッド6Pの前側の表面となる着座面には、天板メイン部6aと、右側の天板サイド部6bと、左側の天板サイド部6cと、後述する複数の溝部10~15とが形成されている(図1では、便宜上、天板メイン部のみに格子状のハッチをつけて図示し、図2では、一点破線によって天板メイン部と天板サイド部を大まかに区分けしている)。天板メイン部6aは、シート幅方向におけるシートバック6の中央部分であり、適度なシート幅方向の寸法をもってシート上下方向に延びている。また天板メイン部6aの右側と左側には、それぞれ天板メイン部6aよりも前方に突出する各天板サイド部6b,6cが設けられている。なお右側の天板サイド部6b(左側の天板サイド部6c)の上部と天板メイン部6aとの間には仕切り溝9a(9b)が設けられ、各仕切り溝9a(9b)は、図示しないシートパッドの成形型の仕切り壁の跡である。
[シートパッドの素材]
ここで図2に示すシートパッド6Pは、乗員を弾性的に支持可能な素材で形成でき、本実施例では、異なる物性を備えた二種類のパッド部位61P,62Pを有している(成形手法については後述)。すなわちシートパッド6Pでは、相対的に柔らかい第一パッド部位61Pによって天板メイン部6aが形成されており、この第一パッド部位61Pは、ポリウレタンフォーム(密度:10kg/m3~60kg/m3)などの発泡樹脂で形成できる。このように天板メイン部6aを第一パッド部位61Pで形成して相対的に柔らかくすることにより、乗員に対する着座性を向上させることができる。また各天板サイド部6b(6c)の上部は、対応する仕切り溝9a(9b)の内側が第一パッド部位61Pで形成され、対応する仕切り溝9a(9b)の外側及び下部が、相対的に硬い第二パッド部位62Pで形成されている(図2では、便宜上、第二パッド部位にハッチをつけて第一パッド部位と区別している)。すなわち各天板サイド部6b(6c)では、その上部内側を柔らかくしつつ、外側及び下側を、相対的に硬い第二パッド部位62Pで形成して乗員に対する支持性を向上させている。このためカーブ走行時等に乗員上半身が一方の天板サイド部6b(6c)に押付けられた際、この乗員上半身を、同天板サイド部6b(6c)の上部内側で包むように保持しつつ、相対的に硬い外側及び下部で支持することができる。
[溝部]
そして図2及び図3を参照して、シートパッド6Pの表面となる着座面には、上下一対の横溝部10,11と、左右一対の上縦溝部12,13と、左右一対の下縦溝部14,15とが設けられている。これら各溝部10~15は、所定の幅寸法をもって所定の方向に延びるシートパッド6Pの凹み箇所であり、後述するシートカバー6Sの対応する一部を引込んで配置することができる。ここで上下一対の横溝部(下横溝部10,上横溝部11)は、それぞれシートパッド6Pの着座面で左右方向に延びている溝部である。下横溝部10は、シートパッド6Pの着座面の下側に形成された相対的に長尺な溝部であり、天板メイン部6aと左右の各天板サイド部6b,6cを横断するように延びている。この下横溝部10の右側(左側)は、対応する天板サイド部6b(6c)を横断しつつ、次第に上方に向けて傾斜している。また上横溝部11は、下横溝部10の上側に形成されている相対的に短尺な溝部であり、天板メイン部6aを横切るように延びている。そして上横溝部11の右側(左側)は、後述する右上縦溝部12(左上縦溝部13)に連通している。
また図2及び図3に示す左右一対の上縦溝部(右上縦溝部12,左上縦溝部13)は、下横溝部10の上側で上下に延びる溝部であり、天板メイン部6aに左右対称となるように形成されている。すなわち右上縦溝部12は、天板メイン部6aの右側で上下方向に延長し、上部側は概ね直線的であるが下部側が次第に内側(各図の左側)に向けて湾曲している。また左上縦溝部13は、天板メイン部6aの左側で上下方向に延長し、上部側は概ね直線的であるが下部側が次第に内側(各図の右側)に向けて湾曲している。そして右上縦溝部12と左上縦溝部13の上部と下部の間には、上述した上横溝部11の左右の端部がそれぞれ連通している。また右上縦溝部12と左上縦溝部13の下端部は、天板メイン部6aを概ね直線的に横断する下横溝部10部分にそれぞれ連通している。
また図2及び図3に示す左右一対の下縦溝部(右下縦溝部14,左下縦溝部15)は、下横溝部10の下側で上下に延びる溝部である。これら各下縦溝部14(15)は、天板メイン部6aと各天板サイド部6b(6c)の間に左右対称となるように形成されている。すなわち右下縦溝部14は、天板メイン部6aと右側の天板サイド部6bの間で上下方向に延長し、左下縦溝部15は、天板メイン部6aと左側の天板サイド部6cの間で上下方向に延長している。そして右下縦溝部14(左下縦溝部15)の上端部は、天板メイン部6aと各天板サイド部6b(6c)の間の下横溝部10部分にそれぞれ連通している。
[係止具]
ここで各溝部10~15には、図3及び図4を参照して、後述する吊り具60を係止するための係止具20が複数固定されている(各図では、便宜上、各係止具に共通の符号20を付す)。ここで各係止具20は、概ね同一の基本構成を有しているため、以下に、左上縦溝部13の一つの係止具20を一例にその詳細を説明する。図5に示す各係止具20は、固定部21と、第一係止爪部22と、第二係止爪部25とを有し、本実施例では樹脂製の一体成形品である。固定部21は、正面視で上下に長尺な概ね矩形の板材であり、図4に示すように左上縦溝部13の底側に固定される。そして固定状態の固定部21の前面の大部分は、左上縦溝部13内に露出した状態となり、この固定部21の露出した前面に、後述する第一係止爪部22と第二係止爪部25が設けられている。なお固定部21の周縁付近の適宜の位置には突出片21aが設けられており、この突出片21aを、図9に示すようにシートパッド6Pに埋設することで安定性を向上させている。
また図4及び図5に示す第一係止爪部22と第二係止爪部25は概ね同一の基本構成を有するため、以下に第一係止爪部22を一例にその詳細を説明する。図5に示す第一係止爪部22は、固定部21から前方に突出する左右一対の係止片23,24にて構成され、固定部21の前面上側に設けられている。これら各係止片23,24は、断面視において前方が解放した概ね横C字状をなすように配置され、互いに離れる方向に撓み変形可能である。そして各係止片23(24)の先端には、後述する吊り具60の抜け止め用の返し片23a(24a)が断面T字をなすように一体化されており、各返し片23a(24a)は、内側に向かうにつれて次第に後方に傾斜している。そして第二係止爪部25も、左右一対の別の係止片26,27(別の返し片26a,27a)にて構成され、固定部21の前面下側に設けられている。
[一般部位]
そして図3に示す各溝部10~15には、それぞれ一般部位31~33,30xと嵩上部位41~44,40xが形成されている(図3では、特定の一般部位に特定の符号31~33を付し、その他の一般部位には共通の符号30xを付す。また特定の嵩上部位に特定の符号41~44を付し、その他の嵩上部位には共通の符号40xを付す)。そして各一般部位31~33,30xの基本構成と、各嵩上部位41~44,40xの基本構成は、各溝部10~15で概ね同一である。そこで以下に、左上縦溝部13を一例に特定の一般部位31~33と嵩上部位41~44の詳細を説明する。図4に示す左上縦溝部13には、上一般部位31と中一般部位32と下一般部位33が上から下にこの順で設けられている(一般部位と嵩上部位の配置関係は後述)。これら各一般部位31~33の底BS側には係止具20がそれぞれ固定されており、図4及び図5を参照して、各一般部位31~33の上下の寸法は概ね係止具20の固定部21の寸法に一致している。また各一般部位31~33の奥行寸法D1は概ね同一であるとともに、後述する嵩上部位41~44に比して大きく(底深と)されている。なお各一般部位31~33の奥行寸法D1は、前側に設けられた左上縦溝部13の開口130から底BSまでの寸法で規定できる。
[嵩上部位]
また図4に示す左上縦溝部13には、上端嵩上部位41と、上側嵩上部位42と、下側嵩上部位43と、下端嵩上部位44とが上から下にこの順で設けられている(一般部位と嵩上部位の配置関係は後述)。これら各嵩上部位41~44は、シートパッド6Pの表面となる着座面側に向けて盛り上がっている溝部部分である。すなわち本実施例の各嵩上部位41~44は、縦断面視において概ね矩形状をなして左上縦溝部13の底BS側から着座面側に突出しており、後述するように対応する一般部位31~33に隣接して配置されている。また各嵩上部位41~44の前側の先端面TSは、概ね平坦とされて上下方向に延設されているとともに、各一般部位31~33の底BSと概ね平行となるように形成されている。そして各嵩上部位41~44の奥行寸法D2は、左上縦溝部13の開口130から先端面TSまでの寸法で規定でき、各一般部位31~33の奥行寸法D1よりも小さく(底浅と)されている。
[一般部位と嵩上部位の配置関係]
そして図4に示す左上縦溝部13では、各一般部位31~33が、左上縦溝部13の延びる上下方向において、対応する嵩上部位41~44の間に挟まれた状態で形成されている。例えば上一般部位31は、左上縦溝部13の上側に配置されている。この上一般部位31は、左上縦溝部13の上端に配置された上端嵩上部位41と、上側嵩上部位42との間に挟まれた状態となっている。また中一般部位32は、左上縦溝部13の上部と下部の間(上横溝部11との連通位置)に配置されている。この中一般部位32は、上側嵩上部位42と下側嵩上部位43の間に挟まれた状態となっている。また下一般部位33は、左上縦溝部13の下側に配置されている。この下一般部位33は、下側嵩上部位43と、左上縦溝部13の下端に配置された下端嵩上部位44との間に挟まれた状態となっている。
そして本実施例では、上側嵩上部位42と下側嵩上部位43が、左上縦溝部13の延びる上下方向において各一般部位31~33の間を埋めるように連続的に形成されている。これら上側嵩上部位42と下側嵩上部位43の上下の寸法は、対応する一般部位同士の間の離間距離に応じて設定され、本実施例では、下側嵩上部位43が相対的に大きくなっている。また左上縦溝部13の上端部と下端部とには、上端嵩上部位41と下端嵩上部位44が形成されており、これら各嵩上部位41,44の上下の寸法は相対的に狭小であり、本実施例では、例えば左上縦溝部13の幅寸法に概ね一致している。
[シートパッドの形成手法]
ここで図2及び図3を参照して、シートパッド6Pは、第一パッド部位61Pと第二パッド部位62Pの二色成形品として形成することが可能である。例えばシートパッドの図示しない成形型に複数の射出口を形成する。そして特定の射出口から第一パッド部位61Pの成形材料(ウレタン原液)を射出し、別の射出口から第二パッド部位62Pの成形材料(ウレタン原液)を射出する。このとき成分等の異なる二種類のウレタン原液を異なる射出口から射出することで、硬度の異なる第一パッド部位61Pと第二パッド部位62Pを一つの成形型で成形することができる。ところで上述のシートパッドの成形においては、ウレタン原液が、成形型の溝部を形成すべき凸部(図示省略)や仕切り壁を回り込んで合流する。このときウレタン原液が凸部等を回り込んでスムーズに流れればよいのであるが、何らかの理由でウレタン原液の流れが阻害された場合、凸部等の付近のウレタン原液が不足するなどして、溝部内の肉欠けの原因となりやすい。そしてこのような肉欠けは、例えば図3を参照して、溝部の端部付近のシートパッド部分(6PX1)や、溝部同士の交差箇所となる角部付近のシートパッド部分(6PX2)で生じやすくなる。
そこで本実施例では、図3を参照して、上記シートパッド部分(6PX1,6PX2)を考慮して、溝部(13)の端部にあえて嵩上部位(41,44)を形成している。そしてこのような嵩上部位(41,44)を形成する場合には、成形型の凸部を相対的に小さくしておく。このため本実施例では、ウレタン原液(特に二色成形に用いる二種類のウレタン原液)が、相対的に小さい凸部を回り込んでスムーズに流れることとなり、当該凸部の付近のシートパッド部分(6PX1,6PX2)のウレタン原液が不足するといった事態を極力回避することができる。こうして本実施例では、一般的なシートパッドにおいて、溝部(13)の端部に肉欠け等が原因で底深な部分が生じやすいことに着目し、この溝部(13)の端部に嵩上部位(41,44)が設けられている。このため吊り具(詳細後述)の傾きの原因となる溝部(13)の端部側の肉欠けの発生を未然に阻止することが可能となり、製品品質の維持に資する構成となる。なおシートパッドは二色成形のほか、各種の成形手法で形成できる。例えば別例として、第一パッド部位61Pと第二パッド部位62Pを異なる種類の素材で形成することも可能であり、この場合にはインサート成形などの手法でシートパッドを形成することができる。なお一方のパッド部位をポリウレタンフォームで形成する場合、他方のパッド部位を、ポリスチレンフォームやポリプロピレンフォーム等で形成することが可能である。
[シートカバー]
図1に示すシートカバー6Sは、シートパッド6Pの着座面を含む表面を覆う部材であって、図5及び図6に示すように複数の表皮ピースSP1~SP3を有し、隣り合う表皮ピース同士が縫合されている(各図では、便宜上、特定の表皮ピースに特定の符号SP1~SP3を付し、その他の表皮ピースの符号は省略する)。例えばシートカバー6Sの着座面側は、メイン表皮ピースSP1と、右サイド表皮ピースSP2と、左サイド表皮ピースSP3に区分けすることができる。これら各表皮ピースSP1~SP3の素材として、シートの意匠面を構成可能な面材を用いることができ、例えば皮革(天然皮革,合成皮革)や布帛(織物,編物,不織布)を適宜選択して用いることができる。そしてメイン表皮ピースSP1は、天板メイン部6aを覆うシートカバー部分であり、上下に並ぶ上ピースSaと中ピースSbと下ピースScを縫合して形成されている。また右サイド表皮ピースSP2は、右側の天板サイド部6bを覆うシートカバー部分であり、上下に並ぶ右上ピースSdと右下ピースSeを縫合して形成されている。そして左サイド表皮ピースSP3は、左側の天板サイド部6cを覆うシートカバー部分であり、上下に並ぶ左上ピースSfと左下ピースSgを縫合して形成されている。
そして図5及び図6を参照して、隣り合う各表皮ピースSP1~SP3同士の縫合箇所50,50xには吊り具60(詳細後述)が取付けられており、対応する溝部内に引き込み状に係止できる(図6では、特定の縫合箇所に特定の符号50を付し、その他の縫合箇所には共通の符号50xを付す)。例えば図5~図8を参照して、メイン表皮ピースSP1と左サイド表皮ピースSP3の上側の縫合箇所50には、両表皮ピースを縫合しているインステッチSTに吊り具60が共縫いされて取付けられている。このメイン表皮ピースSP1と左サイド表皮ピースSP3の上側の縫合箇所50は、図2に示す左上縦溝部13と左下縦溝部15に引き込まれて係止されることとなる。
また図2及び図6を参照して、その他の縫合箇所50xにも吊り具60が取付けられており、対応する溝部内に引き込み状に係止できる。すなわちメイン表皮ピースSP1と左サイド表皮ピースSP3の下側の縫合箇所50xは左下縦溝部15に引き込まれて係止される。またメイン表皮ピースSP1と右サイド表皮ピースSP2の縫合箇所50xは右上縦溝部12と右下縦溝部14に引き込まれて係止される。またメイン表皮ピースSP1の各ピースSa~Scの各縫合箇所50xは、下横溝部10と上横溝部11に引き込まれて係止される。また右サイド表皮ピースSP2の各ピースSd,Seの縫合箇所50xは、下横溝部10の右側に引き込まれて係止される。また左サイド表皮ピースSP3の各ピースSf,Sgの縫合箇所50xは、下横溝部10の左側に引き込まれて係止される。
[吊り具]
図2、図4~図6を参照して、各吊り具60は、各表皮ピースSP1~SP3の縫合箇所50,50xを、対応する溝部10~15に係止するための部材である。これら各吊り具60は、略同一の基本構成を有しているため、以下に、一つの吊り具60を一例にその詳細を説明する。図5~図8を参照して、吊り具60は、メイン表皮ピースSP1と左サイド表皮ピースSP3の縫合箇所50に取付けられている。この吊り具60は、左上縦溝部13の延長方向である上下方向に長尺な部材であり、基部61と、係止部62を有している。基部61は、縫合箇所50にインステッチSTにて縫付けられている帯状又は平板状の部位であり、縫合箇所50に倣って上下に長尺とされている。なお基部61の素材は特に限定しないが、シートカバー6Sで例示の素材や樹脂を用いることができ、適度な可撓性と強度を備えた素材(例えば不織布や樹脂)を用いることが望ましい。また係止部62は、図5に示すように、基部61の先端の概ね全長に一体化されて取付けられている部位である。この係止部62は、断面視で頂点を後方に向けた矢尻形状をなしており、係止具20の各係止爪部22,25の先端側に係止しておくことができる。この係止部62は、基部61に比して硬く剛性に優れる部位であることが望ましく、典型的に樹脂にて形成することができる。この種の樹脂の種類は特に限定しないが、縫合箇所50が湾曲した際の追従性を考慮して、ポリエチレンやポリプロピレンなどの適度な可撓性を備えた樹脂(エラストマを含む)を用いることが望ましい。
[シートカバーの被覆作業]
図1~図3及び図6を参照して、シートパッド6Pを、図示しないシートフレーム上に配置したのちシートカバー6Sで被覆する。このときシートカバー6Sの一部をなす各表皮ピースSP1~SP3の縫合箇所50,50xを、シートパッド6Pの対応する溝部10~15に引き込む。そして各表皮ピースSP1~SP3の縫合箇所50,50xに取付けられている吊り具60を、対応する溝部10~15内の係止具20に係止しておく。そして図1に示すシートカバー6Sの意匠面には、表皮ピース同士の縫合箇所50等が継目(意匠線DL)となって表れる。この種のシート構成では、意匠線DLをなす各縫合箇所50,50xが極力蛇行しないよう配慮すべきであり、例えば溝部の底深な部分に吊り具60が落ち込むなどして部分的に傾いてしまうことは極力回避すべきである。
そこで本実施例の各溝部10~15は、図3に示すように、係止具20が固定されている各一般部位31~33,30xと、各一般部位よりも底浅とされてシートパッド6Pの表面側に向けて盛り上がっている各嵩上部位41~44,40xとを有している。また各一般部位31~33,30xと各嵩上部位41~44,40xのいずれか一方の部位は、対応する溝部の延びる方向において、一方とは反対の他方の部位に挟まれた状態で形成されている。そして図3及び図6を参照して、吊り具60は、各溝部10~15の奥行方向から各嵩上部位41~44,40xに押し当てられた状態で係止具20に係止される。すなわち本実施例では、各嵩上部位41~44,40xにて吊り具60を持ち上げつつ係止具20に係止することにより、各溝部10~15の奥行方向における吊り具60の位置を定めておくこととしている。そこで以下に、左上縦溝部13を一例に吊り具60の位置決め手法を詳細に説明する。
左上縦溝部13では、図4、図7及び図8を参照して、各一般部位31~33の係止具20に、メイン表皮ピースSP1と左サイド表皮ピースSP3の縫合箇所50の吊り具60を係止する。すなわち図5及び図9を参照して、吊り具60は、その先端に設けた係止部62が、各係止具20の第一係止爪部22と第二係止爪部25に係止される。このとき係止部62は、各係止爪部22(25)の各係止片23,24(26,27)の間に挟まれ、さらに先端の各返し片23a,24a(26a,27a)で抜け止めされて、固定部21から前方に離間した状態で係止される。
また図4に示す左上縦溝部13では、上述の通り、各一般部位31~33が、左上縦溝部13の延びる上下方向において、対応する嵩上部位41~44の間に挟まれた状態で形成されている。そして図8及び図10を参照して、吊り具60の係止部62は、各嵩上部位41~44の先端面TSを若干凹ませるように押し当てられ、各一般部位31~33の底BSに比して前方に配置された状態となる。このため吊り具60は、各嵩上部位41~44にて持ち上げられた状態で各一般部位31~33の係止具20に係止され、左上縦溝部13の奥行方向における位置が定められることとなる。こうして各嵩上部位41~44にて吊り具60の奥行方向における位置を定めておくことで、左上縦溝部13に底深な部分(図示省略)が生じていたとしても、この底深な部分への吊り具60の落ち込みが極力阻止されることとなる。特に本実施例では、各嵩上部位42(43)が、各一般部位31,32(32,33)の間を埋めるように連続して形成されるため、吊り具60の奥行方向の位置を安定的に定めておくことができる。そして吊り具60が押し当てられた各嵩上部位41~44が弾性的に反発し、この反発力(付勢力)によって、吊り具60の係止部62を、固定部21の前方に離間するように配置しておくことができる。このように各嵩上部位41~44の反発力(付勢力)によって、吊り具60の係止部62と固定部21を離間させておくことで、これらの接触による異音の発生を極力阻止することができる。
ここで図2及び図3を参照して、シートパッド6Pでは、各溝部10~15の端部付近(6PX1,6PX2等)に肉欠けが生じることが懸念され、とりわけ二種類のパッド部位61P,62Pを設ける場合に肉欠けが生じやすい。そこで本実施例では、一般的なシートパッドにおいて、溝部10~15の端部に肉欠け等が原因で底深な部分が生じやすいことに着目し、この溝部の端部に嵩上部位41,44等が設けられている。例えば図4及び図8を参照して、左上縦溝部13の上端部と下端部には、それぞれ各嵩上部位41,44を設けている。このため本実施例では、左上縦溝部13のいずれかの端部に肉欠けが不可避的に生じたとしても、各嵩上部位41~44(特に端部側の嵩上部位41,44)によって、吊り具60の傾きをより確実に阻止することができる。
以上説明した通り本実施例の各溝部10~15内には、相対的に底深な各一般部位31~33,30xと、相対的に底浅な各嵩上部位41~44,40xが設けられている。そして各溝部10~15では、各一般部位31~33,30xの間に各嵩上部位41~44,40xが形成されているか、または各嵩上部位41~44,40xの間に各一般部位31~33,30xが形成されている。このような構成であると、吊り具60は、各溝部10~15内において各嵩上部位41~44,40xにて持ち上げられた状態で係止具20に係止されるため、各一般部位31~33,30xではなく各嵩上部位41~44,40xによって、各溝部10~15の奥行方向における位置が定められた状態となる。こうして本実施例では、吊り具60の位置を各嵩上部位41~44,40xで定めることにより、各溝部10~15内に意図しない底深な部分が形成されていたとしても、吊り具60の傾きを極力阻止することができる。このため本実施例によれば、シートカバー6Sの意正面に表れる意匠線DLが極力安定し、優れた外観品質の確保に資する構成となる。
また本実施例では、係止爪部22,25に係止された吊り具60を、各嵩上部位41~44,40xの弾性的な反発力(付勢力)にて固定部21から離しておくことにより、吊り具60と固定部21の接触による異音の発生を極力阻止することができる。また本実施例では、各一般部位31,32(32,33)等の間に連続して形成された各嵩上部位42(43)等によって、各溝部13等内における吊り具60の位置をさらに安定的に定めておくことができる。また本実施例では、一般的なシートパッドにおいて、各溝部13等の端部に肉欠け等が原因で底深な部分が生じやすいことに着目し、この各溝部13等の端部に各嵩上部位41,44等が設けられている。このため本実施例では、各溝部13等の端部に設けられた各嵩上部位41,44等によって、吊り具60の意図しない傾きをより確実に阻止することができる。また本実施例のシートパッド6Pは、その性能向上を図るために物性の異なるパッド部位61P,62Pが設けられるが、このシートパッド6Pの成形に際しては、異なる成形材料の交わる箇所(例えば溝部の端部付近)で肉欠けが生じることが懸念される。そこで本実施例では、吊り具60の位置を各嵩上部位41~44,40xで定めることにより、各溝部10~15内に意図しない底深な部分が形成されていたとしても、吊り具60の傾きを極力阻止することができる。このため本実施例によれば、シートカバー6Sの一部(50,50x)を、シートパッド6Pの各溝部10~15内に引き込みつつ、より確実に位置決めされた吊り具60で係止しておくことができる。
本実施形態の乗物用シート2は、上述した実施形態に限定されるものではなく、その他各種の実施形態を取り得る。本実施形態では、各溝部内10~15と一般部位31~33,30xと嵩上部位41~44,40xの構成(形状,寸法,延長方向,各部位の形成数や形成位置など)を例示したが、溝部及び各部位の構成を限定する趣旨ではない。例えば各溝部では、嵩上部位の間に一般部位を形成する場合のほか、一般部位の間に嵩上部位を形成することができる。また各溝部の端部の少なくとも一方には嵩上部位を形成することが望ましいが、極端な肉欠けが生じないような場合には必ずしも端部に嵩上部位を形成しなくともよい。また嵩上部位は、連続的に形成する場合のほか、断続的に形成することもできる。例えば嵩上部位を断続的に形成する場合には、隣り合う嵩上部位の間に、係止部の配置されていない一般部位に相当する部位を形成することができる。また溝部の延長方向は、シートパッドの厚みや、意匠面の意匠などに応じて適宜設定することができる。
また本実施形態では、係止具20と吊り具60の構成を例示したが、各具の構成を限定する趣旨ではない。すなわち係止具と吊り具は、互いに係止可能な各種の構成をとり得る。例えば係止具としてインサートワイヤを用い、このインサートワイヤに吊り具をリングにて係止しておく(ホグリング止めしておく)こともできる。また係止具は、一つ又は複数の係止爪部を有することができる。また一つの一般部位に複数の係止具を隣接又は近接させて配設することも可能である。また本実施例では、係止爪部に係止された吊り具を、嵩上部位の弾性的な反発力(付勢力)にて固定部から離しておく構成としたが、この反発力は、必ずしも吊り具と固定部の接触を阻止するように作用していなくともよい。
また本実施形態では、乗物用シート2の構成を例示したが、乗物用シートの構成を限定する趣旨ではない。また本実施形態では、シートバックを一例に説明したが、本実施例の構成は、シートクッションやヘッドレストなどの各種シート構成部材に適用できる。またシートパッドとシートカバーとシートフレームの構成も適宜変更可能である。例えばシートパッドは、単一の素材で構成されていてもよく、3以上のパッド部位で構成されていてもよい。そして本実施形態の構成は、車両や航空機や電車や船舶などの乗物用シート全般に適用できる。
2 乗物用シート
4 シートクッション
6 シートバック
8 ヘッドレスト
6S シートカバー
DL 意匠線
6F シートフレーム
6P シートパッド
6a 天板メイン部
6b,6c 天板サイド部
9a,9b 仕切り溝
6PX1,6PX2 溝部の端部付近のシートパッド部分
61P 第一パッド部位
62P 第二パッド部位
10 下横溝部
11 上横溝部
12 右上縦溝部
13 左上縦溝部
14 右下縦溝部
15 左下縦溝部
20 係止具
21 固定部
21a 突出片
22 第一係止爪部
23,24 係止片
23a,24a 返し片
25 第二係止爪部
26,27 別の係止片
26a,27a 別の返し片
31 上一般部位
32 中一般部位
33 下一般部位
30x その他の一般部位
41 上端嵩上部位
42 上側嵩上部位
43 下側嵩上部位
44 下端嵩上部位
40x その他の嵩上部位
130 各溝部の開口
BS 一般部位の底
TS 嵩上部位の先端面
SP1 メイン表皮ピース
Sa 上ピース
Sb 中ピース
Sc 下ピース
SP2 右サイド表皮ピース
Sd 右上ピース
Se 右下ピース
SP3 左サイド表皮ピース
Sf 左上ピース
Sg 左下ピース
ST インステッチ
50,50x 表皮ピース同士の縫合箇所
60 吊り具
61 基部
62 係止部

Claims (5)

  1. シート外形をなすシートパッドと、前記シートパッドの表面を被覆するシートカバーと、前記シートパッドに設けられて所定の方向に延びる溝部と、前記シートカバーの一部に取付けられ且つ前記溝部の延長方向に長尺な板状又は帯状の吊り具とを備え、
    前記シートカバーの一部が前記溝部内に引き込まれた状態とされて、前記吊り具が、前記溝部の底側に固定された係止具に係止されている乗物用シートにおいて、
    前記溝部は、前記係止具が固定されている一般部位と、前記一般部位よりも底浅とされて前記シートパッドの表面側に向けて突出している嵩上部位とを有し、前記一般部位と前記嵩上部位のいずれか一方の部位は、前記溝部の延びる方向において、前記一方とは反対の他方の部位に挟まれた状態で形成されており、
    前記溝部の奥行方向において、自由状態における前記嵩上部位の底をなす先端面と前記一般部位の底間の距離を基準距離とした場合、前記吊り具の先端部が前記係止具に係止された状態において、前記吊り具の先端部と前記一般部位の底間の距離が前記基準距離よりも短くなるように設定されることにより、前記吊り具の先端部は、前記溝部の奥行方向から前記嵩上部位の先端面に押し当てられた状態とされている乗物用シート。
  2. 前記係止具は、前記溝部の底に固定されている固定部と、前記固定部から前記シートパッドの表面側に向けて突出する係止爪部とを有し、
    前記吊り具は、前記嵩上部位からの弾性的な反発力によって前記固定部から離れる向きに付勢された状態で前記係止爪部に係止されている請求項1に記載の乗物用シート。
  3. 前記嵩上部位は、前記溝部の延びる方向において、前記一般部位の間を埋めるように連続的に形成されている請求項1又は2に記載の乗物用シート。
  4. 前記嵩上部位が前記溝部の端部に設けられている請求項1~3のいずれか一項に記載の乗物用シート。
  5. 前記シートパッドは、第一パッド部位と、前記第一パッド部位とは異なる物性を備えた第二パッド部位とからなる成形品である請求項1~4のいずれか一項に記載の乗物用シート。
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