JP7274792B1 - キャベンディッシュバナナのパナマ病の病原体に対して拮抗作用を有する防除剤及び該防除剤を用いた防除方法 - Google Patents
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Abstract
Description
この病気は、土壌伝染性のフザリウム属の真菌であるFusarium oxysporum f.sp. cubense (Foc)によって引き起こされ、20世紀半ばのカリブ海地域のグロスミシェル(Gros Michel)種に基づくバナナ産業は一掃された。
このFocの影響は、耐性品種であるキャベンディッシュ(CAVENDISH)種への転換で克服され、キャベンディッシュ種は現在流通しているバナナのトップシェアを誇っている。
本実験に用いた菌糸体肥料の好適な製造方法について説明する。
この多孔質担体はその粒度を4~30メッシュとする必要がある。その理由は、後期醗酵の際に、30メッシュを超える細かい多孔質担体の場合には、醗酵温度を40℃以上に維持することが難しく耐熱性放線菌及び耐熱性細菌の充分な生育が望めず、逆に4メッシュ未満の粒度が大きい多孔質担体においては製造時の取扱いの煩雑性があり望ましくないからである。
さらに有機物を20~30重量部使用する理由は、20重量部未満の場合は有機物の量が少なすぎて各担体に対する菌糸体の生長が小さく、各多孔質担体に対して均一に分散して菌糸体が付着せず、逆に30重量部を超えて配合した場合には、菌糸体と多孔質担体との配合バランスがくずれ菌糸体が過剰になったり有機物の未分解率が多くなったり、いずれの場合も好ましくないからである。
これら抗生物質や合成抗菌剤等の抗菌性物質を含まない飼料を与えた鶏の糞を用いることにより、耐熱性放線菌に加えて耐熱性細菌の生育が促進され、菌糸体が菌糸体肥料1gに対し耐熱性放線菌及び耐熱性細菌を合計1.0×106/g以上含む菌糸体肥料を製造することができる。
使用する鶏糞の鶏名としては、例えばボリスブラウン(別名 赤玉鶏、学名 Gallus gallus domesticus)を挙げることができるがこれに限定されず、家畜用鶏であれば全てよい。鶏に与える飼料(抗菌性物質を含まない飼料)としては、穀類50~60%、植物性油かす10~20%、動物質性飼料5~10%、そうこう類などからなる配合飼料を挙げることができ、例えば、イーテン17(日清丸紅飼料)を挙げることができる。
その理由は、系内温度と外気温とを遮蔽し、一定の保温状態を保つことにより醗酵の均一性を保持するためである。この温度が15℃以下の場合には、醗酵温度が十分に上昇せず好ましくない。
醗酵温度が55℃以下の場合には、醗酵を促進するために系内の15℃以上に維持された空気を一定時間醗酵槽の底面部等より付設されたパイプやポンプを通して送りこみ(エアレーション)醗酵温度を55~80℃に維持するが、セルロース含量が炭素率15%以下の有機物を使用するとして制限され、しかも多孔質担体が多量に混合されている含水率が制限されているという理由で80℃以上に醗酵温度が上昇することは実際上おこり得ない。
醗酵期間は少なくとも2日間、望ましくは5日間とするのが望ましい。
尚、醗酵温度を55~80℃に維持する理由は55℃未満では耐熱性放線菌及び耐熱性細菌が所期の目的の如く菌糸体群集中の割合で得られず、逆に80℃を超える場合においては嫌気性菌が生育するため、結局いずれの場合も望ましくないからである。
従って、通常の醗酵工程で行なわれる水を醗酵物にかけて醗酵温度を下げるいわゆる切り返し工程がなくとも80℃以上に醗酵温度が上昇することがない。
本実験に用いた病原体がFoc TR4であると同定した方法について述べる。
フィリピン政府公認の研究所ERDS(EAGRI RESEARCH AND DEVELOPMENT SERVICES)が、2005年から2007年にかけて、ミンダナオ島の2つのキャベンディッシュ農場において、パナマ病の発生状況をモニタリングした。
このハイプロバイオチャー実験で現れた症状は、論文で言及されたFoc TR4と類似していた。
(1)Kristle Grace I. Aguilar-Hawod, etc. Genetic Diversity of Fusarium oxysporum f. sp. cubense Causing Panama Wilt of Banana in the Philippines (Published: 28 December 2019)
(2)Agustin Molina, etc. CONFIRMATION OF TROPICAL RACE 4 OF Fusarium oxysporum f. sp. cubense INFECTING CAVENDISH BANANAS IN THE PHILIPPINES (Poster paper presented during the Centennial Meeting of the American Phytopathological Society, July 26 - 30, 2008, Minneapolis, Minnesota, USA)
本実験では、Vicente et.al (2014)が記載したFocの単離プロトコルを採用した。
内部組織から感染した導管を小片に切断した。内部組織の感染した導管は、標本の先端部分から長さ3~6mmの切片を採取した。
その後、70%エチルアルコールを含むプレートに切断した組織を約1分間浸漬し、滅菌蒸留水(SDW)を含む別のプレート3枚で洗浄した後、あぶらとり紙で水分を拭き取り、抗菌剤(硫酸ストレプトマイシン1.2mL/PDA240mL)を含むプレート上の培地(1/4強度のポテトデキストロース寒天(PDA)またはウォーターアガー(WA))に等分に植え付けを行なった。
Foc TR4を1/2強度のポテトデキストロース寒天培地(PDA培地)で大量純粋培養生産した。Foc TR4の純粋培養から寒天ディスクを得、滅菌移植針で新鮮なPDA培地に植え付けた(図3)。
分離体をポテトデキストロース寒天(PDA)中で7日間培養したものは、形態に大きなばらつきがあった。色調は淡紫色、淡橙色から濃赤色まで、また色素のないものもあった。 菌糸の外観は、扁平から気生、フロック状から綿状、円形から不定形とさまざまであった。
ミクロコニダは楕円形と腎臓型で、通常単細胞であるが、短い単葉から発生する単隔膜を持つものもあり、空中菌糸の提示で偽頭と見られる。どの菌株も多くの微小子実体を形成した。マクロコニダは通常3つの中隔を有し、薄く、直線状から鎌状で、明瞭な足球を有していた。クラミド胞子の形態は様々で、平滑壁と粗面壁があり、単胞子、対胞子、集胞子と末端部や間質部に見られた。
このような形態学的特徴は、Aguilar-Hawod et. al, (2019)が引用したLeslie and Summerellの記述と一致する。
これらによって、本実験に用いた病原体がFoc TR4であることを特定した。
ダバオ市の研究センターで行った菌糸体肥料のFoc TR4に対する拮抗作用の実験について詳述する。
ここでは、菌糸体肥料として、ハイプロ(株式会社キングコール製。以下同じ。)を用いて実施した。
(実験の目的)
1.ハイプロのFoc TR4に対する拮抗作用の評価
2.ハイプロのFoc TR4に対する最も効果的な使用率の決定
実験室での実験は完全無作為化法により行われた。4つの処理区を3回複製し、1回の複製につき3枚のプレートを使用した。
本実験では、Vicente et.al (2014)が記載したFocの単離プロトコルを採用した。
内部組織から感染した導管を小片に切断した。内部組織の感染した導管は、標本の先端部分から長さ3~6mmの切片を採取した。
その後、70%エチルアルコールを含むプレートに切断した組織を約1分間浸漬し、滅菌蒸留水(SDW)を含む別のプレート3枚で洗浄した後、あぶらとり紙で水分を拭き取り、抗菌剤(硫酸ストレプトマイシン1.2mL/PDA240mL)を含むプレート上の培地(1/4強度のポテトデキストロース寒天(PDA)またはウォーターアガー(WA))に等分に植え付けを行なった。
Foc TR4を1/2強度のポテトデキストロース寒天培地(PDA培地)で大量純粋培養生産した。Foc TR4の純粋培養から寒天ディスクを得、滅菌移植針で新鮮なPDA培地に植え付けた(図3)。
ハイプロを、Nutrient Agarのプレート培地に植え付けた。
24時間後、植え付けたハイプロの周囲で増殖した細菌を他のプレートに移し、目的の細菌の純粋培養を獲得した。
ハイプロの拮抗作用をインビトロで評価するために、以下の濃度のハイプロ由来細菌の純粋培養液をFoc TR4に対して試験した。
処理 / 純粋培養菌濃度
(1)Foc TR4(対照) / -
(2)ハイプロ+Foc TR4 / 5ml 純粋培養菌
(3)ハイプロ+Foc TR4 / 3ml 純粋培養菌+2ml 滅菌蒸留水
(4)ハイプロ+Foc TR4 / 1ml 純粋培養菌+4ml 滅菌蒸留水
Kirby-Bauer(1940)によるディスク拡散法を用いて、ハイプロ由来細菌の純粋培養液の異なる濃度での評価を行った。濾紙ディスクを濃度の異なるハイプロ由来細菌の純粋培養液(純粋培養菌5ml、純粋培養菌3ml+滅菌蒸留水2ml、純粋培養菌1ml+滅菌蒸留水4ml)に2分間浸漬した。
その後、浸漬したディスク4枚を、プレート中央のFoc TR4の菌糸体ディスクから3cm離して植え付けた。試験した真菌株を室温で7日間培養した後、対照(Foc TR4)と処理プレートの真菌の生育の直径を測定した。
培養菌コロニーの直径は、各コロニーについて直角にとった長径と短径の2つの平均値を定規でミリメートル(mm)単位で測定し、記録した。
培養した7日後の真菌の増殖を測定し、阻害領域(Zone of Inhibition)を決定した。以下の式で阻害率を算出した(Alwathnani and Perveen; 2012)。
データは完全無作為化設計の分散分析(ANOVA)を用いて分析し、処理区の平均の差はテューキーの範囲検定(THSD)を用いて比較した。
ハイプロの濃度の違いによる7日間培養後のFoc TR4の(1)増殖直径(mm)と(2)抑制率(%)の結果を表1に示した。また、ハイプロ由来細菌の純粋培養液の濃度の違いによる7日間培養後のFoc TR4の増殖への影響を図4に示した。
ハイプロバイオチャー(バイオチャコール)は1~5gm/Lの濃度で使用し、室温で7日間培養した。その結果、51.34%~63.33%の増殖阻害率を示し、市販の殺菌剤と同等の結果を示した。このことにより、ハイプロバイオチャー(バイオチャコール)がパナマ病の病原体の増殖を素材する能力を有することが示された(表3)。
ダバオ市カリナン区ラマナンにあるERDS実験農園ステーションにおける、Foc TR4に対する防除剤としてのハイプロバイオチャーをバナナ苗木の根元に散布し、ハイプロバイオチャーの生物学的有効性の評価を行った実験について、以下説明する。
実験は完全無作為化計画(CRD)により行われ、6つの処理区(T1~T6)を4回複製した。各複製は10本のサンプル植物体で構成され、1処理区あたり合計40本の植物体とした。鉢植えの殺菌済み園芸用土(14Wx12Lインチサイズ)は、実験計画に従って、鉢と鉢の間隔が12インチ、区画の間隔が1.0メートルとなるように、オープンフィールドに適切に配置された。
6つの処理区は次のとおりである。
T1:対照(未処理)
T2:ハイプロバイオチャー 50g
T3:ハイプロバイオチャー 150g
T4:ハイプロバイオチャー 250g
T5:ハイプロバイオチャー 500g
T6:ハタケ 1g
Foc TR4感染地域から土壌培地を収集した。収集した感染土壌を14W x 12Lインチの黒色プラスチック袋に入れた。1日後、この土壌に1500万のFoc TR4の胞子を播種し、病原を25日間潜伏させて、鉢植えした培地中のFoc TR4の播種量の均一であることを確認した。
黒色のプラスチック製の大きなポリ袋または鉢(14W x 12Lインチ)に入れた感染土壌を、ハイプロバイオチャーで処理し、処理区で、30日間感染土壌を治療した。その後、組織培養した月齢2か月のキャベンディッシュバナナ苗を植え付けた。ハイプロバイオチャーの散布は1回だけであり、植物が成長する中でそれ以上の処理はしなかった。この試験は、ハイプロバイオチャーとハタケによる防除処理として開始された。
処理、散布量、散布方法は次のとおりである。
T1:対照(未処理)、T2:ハイプロバイオチャー 50g、T3:ハイプロバイオチャー 150g、T4:ハイプロバイオチャー 250g、T5:ハイプロバイオチャー 500g、T6:ハタケ 1gに対して、T2~T5について、定植の前に土壌の中で混合を行った。T6について、定植の前に土壌の中に浸透させた。50g/hillの完全肥料を、植え付け後、14日目と45日目に全植物体に均一に散布した。
試験植物体として、Foc TR4感受性品種であるキャベンディッシュバナナ「グランナイン」を使用した。Foc TR4分離体は Lapanday Research Laboratory から入手し、ERDS研究所で大量生産した。Foc TR4の純粋培養物を1Lの水に混合し、Foc TR4懸濁液の容量を校正した。1mlの懸濁液を収集し、顕微鏡下で血球計算盤を用いて胞子をカウントしたところ、標準播種量75,000胞子/mlを達成した。この校正に基づき、200mlのFoc TR4強毒性懸濁液を無菌庭園土壌に散布して播種し、土壌に感染させた。土壌に播種したFoc TR4は、ハイプロバイオチャーで処理する前に25日間潜伏させた。この実験全体にわたってFoc TR4を播種したのは1回だけで、これは圃場に存在するFoc TR4の集団のみが植物の根系に感染することを考慮した圃場の状況を模擬したものである。
植物体は2週間ごとに検査し、Foc TR4感染の発生をモニタリングした。
読み取りの最終週に、植物の下部(球茎)を切り取り、状態を調べ、維管束と根茎の状態を判断した。最初の症状が現れ、古葉に黄色い筋を示すまでの日数を記録した。
分散分析(ANOVA)は統計解析ソフトSPSSを用いて行い、平均値の比較はダンカンの多重範囲検定(DMRT)を用いて決定した。より詳しくは、以下のとおりである。
定植後30日目、60日目、90日目に処理区の植物毒性をモニタリングした。徒長、クロロシス、葉焼け、巻葉、生育不良という形態の薬害を未処理の対照を基準として下記の標準的な評価尺度で評価した。
尺度1 農作物損傷(%) 無し
尺度3 農作物損傷(%) 1-10
尺度5 農作物損傷(%) 11-20
尺度7 農作物損傷(%) 21-30
尺度9 農作物損傷(%) 30より大
(b)Foc TR4感染率
サンプル植物体を2週間ごとに観察及び検査をし、Foc TR4に感染した植物体を記録した。以後、2週間ごとに4か月間モニタリングした。
(c)症状発現までの日数
古葉の黄変が見られる植物を、2週間ごとに観察し記録した。
(d)データ分析
データは、統計解析ソフトSPSS(Statistical Package for the Social Science)を用いて分散分析(ANOVA)をした。処理の平均値の差は、ダンカンの多重範囲検定(DMRT)を用いて5%の有意水準で決定された。
定植後6週目にFoc TR4によるパナマ病の症状が植物体に見られた(表4)。すべての処理区で感染が発生し、未処理の植物体の20%が被害を受けた。ハイプロバイオチャーの処理区のうち、500g/植物体と250g/植物体の2つの高濃度のものは、植物体におけるパナマ病の発症が最も遅く、2.5%の感染率を示した。一方、150gと50gのハイプロバイオチャーは、植物体にパナマ病に対する耐性を持たせることを助け、それぞれの感染率は5%と7.5%であり、ハタケ(感染率18.5%)および未処理の対照(感染率20%)で記録された感染レベルに比べてはるかに低いことが示された。
ハイプロバイオチャーは長期間の防除効果があり、引き続き処理を行わなかったにもかかわらず、500gのものは10週目になってもさらなる感染を示さなかった。250g、150g、50gのハイプロバイオチャーの濃度のものは、8週目までは感染がわずかしか観察されなかったが、10週目になると後者の2つの処理区では力が弱まり、植物体当たり500g、250gのハイプロバイオチャーのものと比較して感染した植物体の数が多くなった。
12週目には感染症状が進行し、翌週(14週目)にはその症状が激しくなった。しかし、パナマ病の発生が蓄積しているにもかかわらず、500gの最も高い割合のハイプロバイオチャーのものは、最も感染した植物体の数が少なくなった。16週目には、500g/植物体の割合のハイプロバイオチャーのものにおける植物体感染の発生が減少していることからわかるように、防除が可能であることが、実際に植物が順調に成長していることから示唆された。植物体当たり250gと150gの2つの割合でハイプロバイオチャーを散布した植物体では、Foc TR4による病害の発生は同じであったが、50g/植物体で記録された感染はやや進行したものであった。回復した植物では、新芽が伸長し、株立ちが良くなるなど、回復した様子が観察された(図5)。
一方、ハタケで処理したものは、新たに感染した植物体が、10週目から現れ始め、感染の発生は著しく強く、16週目にかけて増加の一途をたどった。
さらに、ハイプロバイオチャーの4つの処理区では、植物の成長段階において、同様に感染を強く抑えることができないことが明らかとなった。そして、評価の最終週(18週目)では、一部の感染した植物体は、根茎の維管束組織の変色を示したことが認められた(図6の(A)及び(B))。
500g/植物体のハイプロバイオチャー処理のものは植物体の15%しか感染せず、他の250g(23.33%)、150g(30%)、50g(30%)の他の3つのハイプロバイオチャーの処理区、およびハタケ(47.50%)よりも感染発生率が著しく低いことがわかった(図7の(A))。
250gのハイプロバイオチャーのものにおける感染率が上昇したが、Foc TR4の防除には、この処理区は、500g/植物体の最も高い割合に次いで最良の処理区であった。未処理の植物体では、初期の数週間は植物体が無症状であったため、フザリウム病の感染が徐々にしか進行しなかった。しかし、12週目には古葉が黄変の症状が16週目にかけて明らかに増加し、18週目にはすべての植物体がFoc TR4によって被害を受けた。
その結果、500g/植物体である最も高い割合のハイプロバイオチャーの効果は、非常に期待できるものであり、キャベンディッシュバナナのFoc TR4に対して優れた防除効果があり、他の3つの割合のハイプロバイオチャーおよびハタケよりもはるかに優れていたことが明らかとなった。
図7(B)に基づき説明する。
ハイプロバイオチャーによる、植物体の根部の領域を強化する効果は、感染した植物がほとんどないことから、良好であることが確認された。したがって、根系が元気であることは、植物が病害の攻撃から耐える力が強いことに対応する。パナマ病を防除する最も効果的な処理は、500g/植物体のハイプロバイオチャーであり、85%という高い防除率を示した。また、76.67%の防除率を有する250g/植物体のハイプロバイオチャーの効果は、70%の防除率を有する50g/植物体と150g/植物体の2つの低い割合のハイプロバイオチャーと互角であることが示された。しかし、後者の2つの処理区は、52.50%の防除効果を示したハタケよりも優れた防除効果を示した。さらに、最も高い割合である500g/植物体のハイプロバイオチャーは、他のハイプロバイオチャーの3つの処理区に比べてFoc TR4の防除に有利な効果があることが確認された。
図7(C)に基づき説明する。
実際の植物の立ち姿を目で観察したところ、Foc TR4による症状の発現は必ずしも顕著ではなく、特に未処理の植物体では、感染に対する植物の本能的な反応が同調しないことがあるようである。未処理の植物体は、無症状ですぐに症状が出ないが、植物体の内部はすでに侵されている。
しかし、ハイプロバイオチャーの処理区の場合、50g/植物体と150g/植物体の2つの低い割合のものでは、平均105.60日と102.67日とパナマ病の感染の発生を遅らせる効果が見られた。250gおよび500gのハイプロバイオチャーで処理した植物体で、感染症状が早く現れたが、感染に対する植物体の反応が早いことで、処理効果を低下させることはなかった。また、まもなく古葉に黄変症状が見られたが、病気が急速に進行したわけではないので、わずかな植物体しか被害を受けなかった。
また、ハイプロバイオチャーに含まれるバチルス(Bacillus)株の防除効果により症状が後で現れた可能性があり、このバチルス(Bacillus)株は植物の生長を促進し、病勢を抑制することができたものと考えられる。ハタケも植物に影響を与え、感染を遅らせることができるが、パナマ病の被害からの回復を助けることはできない。
ハイプロバイオチャーの4つの処理区は、ハタケ菌を用いた時と同様に、Foc TR4の感染を強く抑制することはできなかった。しかし、500g/植物体のハイプロバイオチャーは最も効果的な処理区であり、すべての観察項目で感染した植物体の発生率が最も低かった。 最終週には、この処理区で15%の感染が確認され、Foc TR4に対して最も効果的であることがわかった。この感染率は、250g、150g、50gの3つの低い割合のハイプロバイオチャー、およびハタケよりはるかに低いものであり、これらは、それぞれ23.33%、30%、47.5%の感染率を示し、根茎の導管組織の変色を示した。3つの低い割合のハイプロバイオチャーのもののうち、250g/植物体が、500g/植物体の最も高い割合に次いで、Foc TR4の防除に最良の処理区であった。
低い割合のハイプロバイオチャーの処理区では症状の発現が105.60日と102.67日と最も遅らせたが、さらなる感染から植物を守る能力は500g/植物体と250g/植物体の2つの高い割合のハイプロバイオチャーの処理区ほど良好ではなかった。150g/植物体と50g/植物体のハイプロバイオチャーはハタケと未処理の対照より病害の進行が遅かった。
500g/植物体のハイプロバイオチャーはFoc TR4の防除率が85.00%と最も高く、植物体当たり250g、150g、50gの3つの割合のハイプロバイオチャーより防除効果が優れていた。後者3つの処理区の防除効果は同等であったが、76.67%および70%のそれぞれの防除率は、1g/植物体のハタケに比べはるかに有利であった。
Claims (3)
- pH7.5~9.5で粒度4~30メッシュの多孔質担体に炭素率15%以下で含水率が25~30重量部の有機物を20~30重量部用いて混練し、醗酵温度を55~80℃で発酵させた菌糸体肥料を用いた、キャベンディッシュバナナのパナマ病の病原体Fusarium oxysporum f.sp. cubense Tropical Race 4(Foc TR4)の防除方法。
- 前記菌糸体肥料を植物一体当たり500gの割合で植物体の存する土壌に散布して用いる、請求項1に記載の防除方法。
- pH7.5~9.5で粒度4~30メッシュの多孔質担体に炭素率15%以下で含水率が25~30重量部の有機物を20~30重量部用いて混練し、醗酵温度を55~80℃で発酵させた菌糸体肥料を含有する、キャベンディッシュバナナのパナマ病の病原体Fusarium oxysporum f.sp. cubense Tropical Race 4(Foc TR4)の防除剤。
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Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| WO2025046755A1 (ja) * | 2023-08-29 | 2025-03-06 | 株式会社キングコール | キャベンディッシュバナナのパナマ病の防除剤及び該防除剤を用いた防除方法 |
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JP2023160675A (ja) | 2023-11-02 |
| PH12022050638A1 (en) | 2024-04-22 |
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