JP7274688B2 - 体表面被覆シート、ストーマ袋 - Google Patents
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Description
また、本発明は、前記特定の模様が施されているストーマ袋に関する。
また、例えば手術などによって体表面に凹みが生じる場合がある。このような凹みが目立たないようにすることが求められる場合もある。
以上を踏まえ、本発明は、体表面の外観を調節することができる体表面被覆シートを提供することを目的とする。
また、本発明は、前記シートが用いられることによって、表面の膨らみなどの外観を目立たないようにするストーマ袋を提供することを目的とする。
すなわち、本発明は、錯視を引き起こす模様が、体表面対向面と反対側の面に施されている、体表面を被覆するためのシートを提供する。
また、本発明は、このシートが用いられているストーマ袋を提供する。
すなわち、本発明は、錯視を引き起こす模様が、体表面対向面と反対側の面に用いられているストーマ袋を提供する。
また、本発明により、表面の膨らみなどの外観を目立たないようにするストーマ袋が提供される。
本発明の体表面を被覆するためのシート(以下、「体表面被覆シート」ともいう)は、錯視を引き起こす模様を、体表面対向面と反対側の面に有する。当該模様によって、体表面の外観を調節することができ、例えば体表面被覆シートが貼り付けられている部分を目立たなくすることができる。これにより、例えば体表面被覆シートにより被覆された部分に他者が注目する可能性を下げることができる。また、体表面被覆シートにより被覆された部分を他者に見られる可能性がある場面に対する心理的な抵抗感を減らすことができる。例えば、当該体表面被覆シートを他者に見られる可能性のある入浴施設に入ることに対する抵抗感を減らすことができる。
当該膨らみの高さは、例えば0.1cm~5cm、好ましくは0.5~4cm、より好ましくは1cm~2cmでありうる。当該高さとは、前記構造物を体表面被覆シートにより被覆した場合における、体表面に対する当該シートの前記反対側の面の高さの最大値である。すなわち、このような高さを有する膨らみが、前記模様によって目立たなくされる。
本発明のシートは、特にはストーマ装具が取り付けられた体表面を被覆するために適している。ストーマ装具は、例えば面板及びストーマ袋から構成される。面板は、例えばストーマ周囲の皮膚に取り付けられる部材をいう。ストーマ袋は、ストーマからの排泄物を収容する袋である。本発明の体表面被覆シートは、例えば面板と丸められたストーマ袋とを覆うように、体表面に貼り付けられうる。
当該膨らみは、例えば0.1cm~3cm、好ましくは0.3cm~2cm、より好ましくは0.5cm~1cmの高さを有しうる。当該高さとは、例えば体表面の隆起を体表面被覆シートにより被覆した場合における、体表面に対する当該シートの前記反対側の面の高さの最大値である。すなわち、このような高さを有する膨らみが、前記模様によって目立たなくされる。
当該凹みは、例えば0.1cm~5cm、好ましくは0.5~4cm、より好ましくは1cm~3cmの深さを有しうる。当該深さとは、体表面に対する当該凹みの最深部の深さである。すなわち、このような深さを有する凹みが、前記模様によって目立たなくされる。
例えば直立しているヒトの腹部にある膨らみに対して、天井の照明又は太陽から光が照射された場合、当該膨らみの上部は、膨らみ以外の部分と比べてより明るく見える。そこで、当該膨らみの上部に対応するシート領域の色が、他のシート領域と比べてより暗くされうる。また、膨らみに対して、天井の照明又は太陽から光が照射された場合、当該膨らみの下部は、膨らみ以外の部分と比べてより暗く見える。そこで、当該膨らみの下部に対応するシート領域の色が、他のシート領域と比べてより明るくされうる。シートの各領域の明度をこのように調節することで、膨らみが目立たなくされる。
また、例えば直立しているヒトの腹部にある凹みに対して、天井の照明又は太陽から光が照射された場合、当該凹みの上部は、凹み以外の部分と比べてより暗く見える。そこで、当該凹みの上部に対応するシート領域の色が、他のシート領域と比べてより明るくされうる。また、凹みに対して、天井の照明又は太陽から光が照射された場合、当該凹みの下部は、凹み以外の部分と比べてより明るく見える。そこで、当該凹みの下部に対応するシート領域の色が、他のシート領域と比べてより暗くされうる。シートの各領域の明度をこのように調節することで、凹みが目立たなくされる。
また、体表面被覆シートは、体表面の構造物又は体表面上の膨らみを隠すためでなく、体表面の外観調節のためにのみ用いられてもよく、特には体表面の凹凸の知覚の調節のためにのみ用いられてもよい。
体表面被覆シートの基材の材料として、例えばポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリカーボネート、及びポリウレタンを挙げることができる。体表面被覆シートの基材の材料は、素材のしなやかさの理由から好ましくはポリ塩化ビニルである。ポリ塩化ビニルの基材として、例えばCL34054(バンドー化学株式会社、厚み60μm)を挙げることができる。体表面被覆シートの基材の厚みは、例えば10~100μm、特には30~90μm、より特には40~80μm、さらにより特には50~70μmでありうる。
粘着性をもたらすための材料は、体表面被覆シートの用途によって当業者により適宜選択されてよい。当該粘着性は、例えば粘着剤を体表面対向面に積層することによりもたらされうる。当該粘着剤として、例えばアクリル系粘着剤、ゴム系粘着剤、及びシリコーン系粘着剤を挙げることができる。本発明において、皮膚への低刺激の理由からアクリル系粘着剤が粘着剤として好ましい。これら粘着剤は、例えばエマルジョンの粘着剤であってもよく、又は、有機溶剤系の粘着剤であってもよい。粘着剤の施与量は、例えば10~50g/m2、特には15~45g/m2、より特には20~40g/m2、さらにより特には25~35g/m2、さらにより特には約30g/m2でありうる。
本発明の体表面被覆シートは、少なくとも一つの辺が例えば5~35cm、特には6~30cm、より特には7~25cmである矩形でありうる。例えば体表面被覆シートが長方形である場合、長辺が例えば5~35cm、特には6~30cm、より特には7~25cmであり、且つ、短辺が例えば3~30cm、特には4~25cm、より特には5~22cmでありうる。
また、本発明の体表面被覆シートは、直径が例えば5~35cm、特には6~30cm、より特には7~25cmである円であってもよい。また、体表面被覆シートは、長径が例えば5~35cm、特には6~30cm、より特には7~25cmである楕円であってもよい。
図2及び3を参照して、本発明の体表面被覆シートについて説明する。図2は、本発明に従う体表面被覆シート100を構成する2つの面のうち、体表面対向面と反対側の面に施された模様の例を示す図である。当該模様は、体表面に設けられた構造物を体表面被覆シートにより被覆することによって生じた膨らみ又は体表面の膨らみを目立たないようにする錯視を引き起こすものである。当該錯視は、クレーター錯視である。当該模様によって、前記膨らみが他者によって知覚されないようにすることができる。図3は、図2の模様を線で複数の領域に区分けして示したものである。
なお、本発明において、「上部」及び「上側」は、本発明のシートを被覆されたヒトに対して照射される光の光源の位置により近い部分を示すものであってよく、「下部」及び「下側」は、当該光源の位置からより遠い部分を示すものであってよい。光源の位置は、例えば天井にある照明の位置又は太陽の位置でありうる。
中央部分103よりも低い明度を有する部分102の幅W1(すなわち、当該低い明度を有する部分102と周囲部分105との境界から前記グラデーションが終了する位置までの距離の最小値)は、例えば膨らみの高さに応じて、当業者により適宜選択されてよい。当該幅は、例えば0.3cm~5cm、好ましくは0.5cm~3cm、より好ましくは0.5~2cmでありうる。
例えば、当該低い明度を有する部分102中の周囲部分105側の端における単位面積当たりの肌色インク塗布量(塗布質量又は塗布体積)を100%とした場合、当当該低い明度を有する部分102中の中央部分103側の端に向かうにつれて当該肌色インク塗布量を徐々に下げ、当該低い明度を有する部分102中の中央部分103側の端において当該肌色インク塗布量を例えば60~95%、好ましくは65~90%とすることによってグラデーションが形成されてよい。より好ましくは、当該低い明度を有する部分102中の中央部分103側の端における色が、中央部分103における色と同じになるように、グラデーションが形成されうる。中央部分103の色は、被覆されるべき体表面の色と同じ又は同様の色であることが好ましい。
当該高い明度を有する部分104の幅W2(すなわち、当該高い明度を有する部分104と周囲部分105との境界から前記グラデーションが終了する位置までの距離の最小値)は、例えば膨らみの高さに応じて、当業者により適宜選択されてよい。当該幅は、例えば0.3cm~5cm、好ましくは0.5cm~3cm、より好ましくは0.5~2cmでありうる。
例えば、当該高い明度を有する部分104中の周囲部分105側の端における単位面積当たりの肌色インク塗布量(塗布質量又は塗布体積)を100%とした場合、当当該高い明度を有する部分104中の中央部分103側の端に向かうにつれて当該肌色インク塗布量を徐々に下げ、当該高い明度を有する部分104中の中央部分103側の端において当該肌色インク塗布量を例えば70~95%、好ましくは80~90%とすることによってグラデーションが形成されてよい。又は、当該高い明度を有する部分104中の中央部分103側の端における単位面積当たりの肌色インク塗布量(塗布質量又は塗布体積)を100%とした場合、当当該高い明度を有する部分104中の周囲部分105側の端に向かうにつれて当該肌色インク塗布量を徐々に下げ、当該高い明度を有する部分104中の周囲部分105側の端において当該肌色インク塗布量を例えば70~95%、好ましくは80~90%とすることによってグラデーションが形成されてよい。
より好ましくは、シートの縁に向かうにつれてシートの色が肌色から透明へと徐々に変化するグラデーションが設けられていてよい。このようなグラデーション模様によって、体表面被覆シートがさらにより目立たなくなる。例えば、透明の基材上に、肌色インクの塗布量を徐々に変えながら肌色インクを塗布することによって、上記グラデーションが形成されうる。より具体的にはシートの縁に向かうにつれて肌色インクの塗布量を徐々に減らし、シートの縁では肌色インクの塗布量が0となるように肌色インクを塗布することで、上記グラデーションが形成されうる。
前記膨らみに対応するシート領域は、少なくとも一つの辺が例えば3~30cm、特には4~25cm、より特には5~20cmである矩形でありうる。例えば中央領域8が長方形である場合、長辺が例えば3~30cm、特には4~25cm、より特には5~20cmあり、且つ、短辺が例えば2~20cm、特には3~16cm、より特には4~12cmでありうる。
また、前記膨らみに対応するシート領域101は、直径が例えば3~30cm、特には4~25cm、より特には5~20cmである円であってもよい。また、当該前記膨らみに対応するシート領域は、長径が例えば3~30cm、特には4~25cm、より特には5~20cmである楕円であってもよい。
本発明の体表面被覆シートは、体表面の凹みを目立たないようにする錯視を引き起こす模様を施されているものであってもよい。当該模様は、例えば、図2において示した模様の上下を逆さまにした模様でありうる。当該模様について、以下に説明する。
当該低い明度を有する部分は、当該凹みに対応するシート領域の縁(又は周囲長)のうち、例えば下側半分~下側五分の一、下側半分~下側四分の一、又は下側半分~下側三分の一を占めていてよい。当該低い明度を有する部分によって、凹みの下部に生じる明るい部分が知覚されにくくなり、その結果凹みを目立たなくすることができる。
グラデーションは、例えばシート表面の色の明度を徐々に変化させることによって形成されうる。当該明度の変化の仕方は、目立たなくされるべき凹みに応じて当業者により適宜選択されてよい。例えば、当該シート表面の模様を肌色インクを用いて作成する場合、前記凹みの端からシートの中央に向かって単位面積当たりの肌色インク塗布量を徐々に低めることで、当該前記グラデーションが形成されうる。
当該高い明度を有する部分は、当該凹みに対応するシート領域の縁(又は周囲長)のうち、例えば上側半分~上側五分の一、上側半分~上側四分の一、又は上側半分~上側三分の一を占めていてよい。当該高い明度を有する部分によって、凹みの上部に生じる暗い部分が知覚されにくくなり、その結果凹みを目立たなくすることができる。
当該高い明度を有する部分は、好ましくは、前記凹みの端から中心に向かうにつれて明度が徐々に低くなる又は高くなるようなグラデーションを有する。当該グラデーションによって、凹みがより目立たなくなる。
グラデーションは、例えばシート表面の色の明度を徐々に変化させることによって形成されうる。当該明度の変化の仕方は、目立たなくされるべき凹みに応じて当業者により適宜選択されてよい。例えば、当該シート表面の模様を肌色インクを用いて作成する場合、前記凹みの端から中心に向かうにつれて、単位面積当たりの肌色インク塗布量を徐々に低める又は高めることで、当該前記グラデーションが形成されうる。
本発明の体表面被覆シートの具体例を以下において、図4及び5を参照して説明する。図4は、当該体表面被覆シートに、剥離可能シートが積層されている状態を示す模式図である。図5は、当該体表面被覆シート及び剥離可能シートの構成要素を分離して示した模式図である。
中央領域8は、少なくとも一つの辺が例えば3~30cm、特には4~25cm、より特には5~20cmである矩形でありうる。例えば中央領域8が長方形である場合、長辺が例えば3~30cm、特には4~25cm、より特には5~20cmあり、且つ、短辺が例えば2~20cm、特には3~16cm、より特には4~12cmでありうる。
また、中央領域8は、直径が例えば3~30cm、特には4~25cm、より特には5~20cmである円であってもよい。また、当該中央領域は、長径が例えば3~30cm、特には4~25cm、より特には5~20cmである楕円であってもよい。
周辺領域9の幅は、例えば体表面被覆シート1及び/又は中央領域8の大きさなどを考慮して、適宜設定されてよい。周辺領域9の幅は、例えば1~10cm、特には2~8cm、より特には3~6cmでありうる。本発明において、周辺領域9の幅とは、周辺領域9の中央領域側の端と当該端と反対側の端との間の距離のうち最小の値をいう。
糊殺し剤として、例えばUVインクを挙げることができる。UVインクとしては、例えばUV VNLシリーズのインク、UV161シリーズのインク、及びUV VP Sシリーズのインク(いずれも株式会社T&K TOKA製)などを用いることができる。UVインクにより形成される層の厚みは、例えば1~20μm、特には3~17μm、より特には5~15μm、さらにより特には7~13μm、さらにより特には約10μmであってよい。
糊殺し層として、例えばPETフィルムを挙げることができる。PETフィルムの厚みは、例えば5~50μm、特には10~40μm、より特には15~35μm、さらにより特には20~30μm、さらにより特には約25μmでありうる。
第一の部分4は、中央領域8、及び、周辺領域9のうち中央領域8の周囲、を覆うように構成されうる。これにより、第一の部分4を、体表面被覆シート1から剥離したときに、粘着性の無い中央領域8と、中央領域8の周囲(すなわち粘着性が有る周辺領域9の一部)と、が露出する。中央領域8及び粘着性がある周辺領域9の当該一部が露出した状態を図6に示す。当該露出した状態で体表面被覆シート1を体表面に接触させることで、被覆されるべき器具又は部位には、粘着性の無い中央領域8が接触するので、体表面被覆シート1と当該被覆されるべき器具又は部位との位置関係を容易に調整することができる。また、当該位置関係が調整された状態で、粘着性の有る周辺領域9の前記一部を体表面に粘着させることで、当該位置関係が固定される。これによって、体表面被覆シート1の適切な位置への貼り付けを簡便に行うことができる。
第二の部分5は、図4及び5に示されるとおり、2つの部分にさらに分かれていてよい。これにより、体表面被覆シート1からの剥離を容易に行うことができる。第二の部分5は、3つ又は4つの部分に分かれていてもよい。第二の部分5の分割の仕方は、当業者により適宜行われてよい。
剥離紙としては、例えばシリコーン塗工剥離紙を挙げることができる。シリコーン塗工剥離紙は、紙の層とポリエチレン(PE)層とシリコーン層とがこの順に積層されたものでありうる。シリコーン塗工剥離紙は、例えば紙の表面にPE層を積層し、次に、当該当該PE層にシリコーン層を積層することで製造されうる。シリコーン塗工剥離紙の製造に用いられる紙の厚みは、例えば60~100g/m2、65~95g/m2、より特には70~90g/m2、さらにより特には約80g/m2でありうる。
剥離シートとしては、例えば延伸ポリプロピレン(OPP)剥離シート及びポリエチレン(PE)剥離シートを挙げることができる。当該OPP剥離シートは、OPPフィルムの表面に剥離剤を塗工することにより製造される。当該PE剥離シートは、PEフィルムの表面に剥離剤を塗工することにより製造される。これら剥離シートの製造に用いられる剥離剤は、例えばシリコーン系の剥離剤でありうる。当該OPP剥離シートの厚みは、例えば30~100μm、特には40~80μm、より特には50~70μm、さらにより特には約60μmでありうる。当該PE剥離シートの厚みは、例えば50~150μm、特には70~130μm、より特には90~110μm、さらにより特には100μmでありうる。剥離可能シートが薄すぎる場合又は厚すぎる場合に、剥離可能シートを剥離しづらくなることがある。
まず、第一の部分4が、剥離可能シート3から剥離される。その結果、図6に示されるとおり、粘着性の無い中央領域8と、中央領域8の周囲(すなわち粘着性が有る周辺領域9の一部)と、が露出する。中央領域8とその周囲が露出した状態で、本発明の体表面被覆シート1は、被覆されるべき体表面に中央領域8が向かい合うように配置される。次に、粘着性の有る周辺領域9の前記一部が、体表面に貼り付けられて、体表面被覆シート1と体表面との位置関係が固定される。その後、第二の部分5が全て体表面被覆シート1から剥離される。そして、第二の部分5が体表面に貼り付けられる。
以上のように、本発明の体表面被覆シート1を体表面へ貼り付けることで、体表面を簡便に被覆することができる。そして、錯視模様が外部から視認可能となる。その結果、被覆された部分の外観が調節される。
体表面被覆シート100を目立たなくするための、膨らみに対応するシート領域101に付される肌色について説明する。この肌色が均一に付されるよりも、わずかに色が異なった複数の肌色のドットが付されるほうが、より人の肌の状態に近くなる。この「わずかに色が異なった複数の肌色のドット」は、「肌色によるモザイク模様」と言い換えることができる。
このようにモザイク模様にすることで人の肌の状態に近くなり、この模様を付したシートの膨らみや凹みが目立たなくなる。その一方で、複数のドット群のそれぞれの色の濃淡が目立ってしまう。人の肌の色は濃淡が小さいため、この模様の色の濃淡も小さいことが望ましい。
h2=(h1-HA)/p+HA ・・・(1)
このように色平均化処理をすることで、複数のドット群のそれぞれの色の濃淡が目立たなくなる。その一方で、隣接するドット間又は隣接するドット群間の境界が目立ったままである。人の肌の状態に近づけるためには、このドット間及び/又はドット群間の境界は目立たないことが望ましい。
h4=(h3-HB)/p+HB ・・・(2)
模様を付したシートの膨らみや凹みを目立たなくするために、この模様が、この模様の端から中心に向かうにつれて、それぞれのドットのRGB値が徐々に変化するようなグラデーション処理が連続的又は部分的に行われている模様であってもよい。グラデーション処理の効果については、「体表面被覆シートの第一の例」「体表面被覆シートの第二の例」において説明した通りである。
h6=h5×{1-A×exp(-d2/s2)} ・・・(3)
前述した色平均化処理、ぼかし処理、グラデーション処理等は組み合わせることができる。ドット群の大きさ(ドット群を正方形としたときの一辺あたりのドットの数)、平均化パラメータp、ぼかし領域パラメータqを変化させたときの模様の例の全体図を図15~19に示す。
本発明の体表面被覆シートは、ストーマ装具の全体を被覆するだけでなく、このストーマ装具が備えており、排泄物を収容するストーマ袋に用いられることができる。
[1]錯視を引き起こす模様が、体表面対向面と反対側の面に施されている、体表面を被覆するためのシート。
[2]前記模様が、前記シートにより被覆される体表面に設けられた構造物による膨らみ又は前記シートにより被覆される体表面の膨らみ若しくは凹みを目立たないようにする錯視を引き起こすものである、[1]に記載のシート。
[3]前記錯視がクレーター錯視である、[1]又は[2]に記載のシート。
[4]前記膨らみ又は前記凹みに対応するシート領域の上部又は下部に、他のシート領域と比べて低い明度を有する部分が設けられている、[2]又は[3]に記載のシート。
[5]前記低い明度を有する部分が、前記膨らみの端から中心に向かうにつれて明度が徐々に高くなるようなグラデーションを有する、[4]に記載のシート。
[6]前記低い明度を有する部分が、前記凹みの端から中心に向かうにつれて明度が徐々に高くなるようなグラデーションを有する、[4]に記載のシート。
[7]前記体表面対向面に粘着性を有する領域が設けられている、[1]~[6]ののいずれか一つに記載のシート。
[8]前記反対側の面が肌色である、[1]~[7]のいずれか一つに記載のシート。
[9]前記模様が、複数のドット群から構成されており、前記ドット群が、複数のドットから構成されており、
前記複数のドット群が、それぞれランダムに色属性値が設定されている、
[1]~[8]のいずれか一つに記載のシート。
[10]前記模様が、複数のドットから構成されており、
前記複数のドットは、それぞれ色属性値が設定されており、前記複数のドットのRGB値を平均化する色平均化処理が行われている、
[1]~[9]のいずれか一つに記載のシート。
[11]前記模様が、複数のドットから構成されており、
前記複数のドットは、それぞれ色属性値が設定されており、前記複数のドット間の境界をぼかすぼかし処理が行われている、
[1]~[10]のいずれか一つに記載のシート。
[12]前記模様が、複数のドットから構成されており、
前記複数のドットは、それぞれ色属性値が設定されており、前記模様の端から中心に向かうにつれて、それぞれのドットのRGB値が徐々に変化するようなグラデーション処理が連続的に行われている、
[1]~[11]のいずれか一つに記載のシート。
[13][1]~[12]のいずれか一つに記載のシートが、体表面対向面と反対側の面に用いられているストーマ袋。
2 本体部
3 剥離可能シート
4 第一の部分
5 第二の部分
100 体表面被覆シート
101 膨らみに対応するシート領域
102 中央部分103よりも低い明度を有する部分
103 中央部分
104 中央部分103よりも高い明度を有する部分
105 周囲部分
200 ストーマ袋
Claims (12)
- シートにより被覆される体表面に設けられた構造物による膨らみ又は該シートにより被覆される体表面の膨らみ若しくは凹みを目立たないようにする錯視を引き起こす模様が、体表面対向面と反対側の面に施されている、体表面を被覆するためのストーマ袋用シート。
- 前記錯視がクレーター錯視である、請求項1に記載のストーマ袋用シート。
- 前記膨らみ又は前記凹みに対応するシート領域の上部又は下部に、他のシート領域と比べて低い明度を有する部分が設けられている、請求項1又は2に記載のストーマ袋用シート。
- 前記低い明度を有する部分が、前記膨らみの端から中心に向かうにつれて明度が徐々に高くなるようなグラデーションを有する、請求項3に記載のストーマ袋用シート。
- 前記低い明度を有する部分が、前記凹みの端から中心に向かうにつれて明度が徐々に高くなるようなグラデーションを有する、請求項3に記載のストーマ袋用シート。
- 前記体表面対向面に粘着性を有する領域が設けられている、請求項1~5のいずれか一項に記載のストーマ袋用シート。
- 前記反対側の面が肌色である、請求項1~6のいずれか一項に記載のストーマ袋用シート。
- 前記模様が、複数のドット群から構成されており、前記ドット群が、複数のドットから
構成されており、
前記複数のドット群が、それぞれランダムに色属性値が設定されている、
請求項1に記載のストーマ袋用シート。 - 前記模様が、複数のドットから構成されており、
前記複数のドットは、それぞれ色属性値が設定されており、前記複数のドットのRGB
値を平均化する色平均化処理が行われている、
請求項1又は8に記載のストーマ袋用シート。 - 前記模様が、複数のドットから構成されており、
前記複数のドットは、それぞれ色属性値が設定されており、前記複数のドット間の境界
をぼかすぼかし処理が行われている、
請求項1、8、又は9のいずれか一項に記載のストーマ袋用シート。 - 前記模様が、複数のドットから構成されており、
前記複数のドットは、それぞれ色属性値が設定されており、前記模様の端から中心に向
かうにつれて、それぞれのドットのRGB値が徐々に変化するようなグラデーション処理
が連続的に行われている、
請求項1、8、9又は10のいずれか一項に記載のストーマ袋用シート。 - 請求項1~11のいずれか一項に記載のストーマ袋用シートが、体表面対向面と反対側の面に用いられているストーマ袋。
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