JP7274275B2 - ハニカム構造体 - Google Patents

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Description

本発明は、ハニカム構造体に関する。更に詳しくは、耐熱衝撃性に優れたハニカム構造体に関する。
近年では、社会全体で環境問題に対する意識が高まっており、燃料を燃焼して動力を生成する技術分野では、燃料の燃焼時に発生する排ガスから、窒素酸化物等の有害成分を除去する様々な技術が開発されている。例えば、自動車のエンジンから排出される排ガスから、窒素酸化物等の有害成分を除去する様々な技術が開発されている。こうした排ガス中の有害成分の除去の際には、触媒を用いて有害成分に化学反応を起こさせて比較的無害な別の成分に変化させるのが一般的である。そして、排ガス浄化用の触媒を担持するための触媒担体として、ハニカム構造体が用いられている。
従来、このようなハニカム構造体として、流入端面から流出端面まで延びる流体の流路となる複数のセルを区画形成する多孔質の隔壁を有するハニカム構造部を備えたものが提案されている(例えば、特許文献1~4参照)。
国際公開第2002/011884号 特開2004-270569号公報 特開2004-289925号公報 特開2010-227818号公報
特許文献1には、ハニカム構造体のセルの延びる方向に直交する断面において、中央部分よりも外周部分における隔壁の厚さを厚くしたハニカム構造体が開示されている。特許文献1では、このようなハニカム構造体は、圧力損失の増大及び耐熱衝撃性の低下によるマイナス面と、アイソスタティック強度の向上並びに隔壁形状及びハニカム構造体外形形状の高精度化によるプラス面との調和をバランス良く実現できるとされている。
ここで、ハニカム構造体は、排ガス浄化用の触媒担体等として使用する場合、金属ケース等の缶体内に収納した状態で用いられることがある。以下、金属ケース等の缶体内にハニカム構造体を収納することを、キャニング(canning)ということがある。金属ケースを、金属キャン(Metal can)ということがある。特許文献1に記載のハニカム構造体は、ハニカム構造体の外周部分における強度が向上しているため、例えば、上記したキャニング時等において、外周部分における破損の抑制などについては、一定の効果を有するものと推測される。しかしながら、特許文献1に記載のハニカム構造体は、その断面の中央部分における隔壁の形態が従来のハニカム構造体と変わらないため、熱衝撃負荷によるクラックの発生を抑制するための対策にはなり得ないという問題があった。
特許文献2には、ハニカム構造体の軸方向に対する垂直断面の中心部における隔壁の気孔率をPi、前記断面の外周部における隔壁の気孔率をPoとした場合に、Pi<Poの関係であるハニカム構造体が開示されている。このようなハニカム構造体は、中心部の気孔率を外周部の気孔率よりも小さくすることで、中心部の熱容量を大きくすることができる。しかしながら、中心部のみに着目した場合、熱衝撃負荷によってクラックが発生した場合、2つのセルを仕切る壁部における隔壁が、クラックの発生起点になってしまうという点については何ら解決されていないという問題があった。
特許文献3には、セルの形状が略正方形であり、隔壁の交差部が、R形状又はC形状であり、隔壁の平均厚さに対する交差部の対角距離の比の値が、1.6以上であり、セルの開口率が、55%以上であるハニカム構造体が開示されている。このようなハニカム構造体は、隔壁の交差部についての強化を図れるものの、2つのセルを仕切る壁部における隔壁が、クラックの発生起点になってしまうという点については何ら解決されていないという問題があった。
特許文献4には、隔壁同士が交差する交差領域を含む隔壁交点部における気孔率である交点部気孔率と、隔壁中間部における気孔率である中間部気孔率と、の比である交点部気孔率/中間部気孔率が、0.5~0.95であるハニカム構造体が開示されている。このようなハニカム構造体も、隔壁交点部についての強化を図れるものの、隣接する隔壁交点部間の隔壁中間部が、クラックの発生起点になってしまうという点については何ら解決されていないという問題があった。特に、特許文献4に記載のハニカム構造体は、熱衝撃負荷が掛かった場合に、2つのセルを実質的に仕切る隔壁中間部の強度がより弱くなる構造となるため、ハニカム構造体全体の熱衝撃を考慮すると、耐熱衝撃性に関して不利な方向に作用するものと考えられる。
本発明は、このような従来技術の有する問題点に鑑みてなされたものである。本発明は、耐熱衝撃性に優れたハニカム構造体を提供する。
本発明によれば、以下に示すハニカム構造体が提供される。
[1] 第一端面から第二端面まで延びる流体の流路となる複数のセルを取り囲むように配設された多孔質の隔壁を有するハニカム構造部、を備え、
2つの前記セルを仕切る壁部における前記隔壁の気孔率の値を、気孔率Aとし、
2つ以上の前記壁部を接続する部位である交点部における前記隔壁の気孔率の値を、気孔率Bとし、
前記気孔率Aを前記気孔率Bで除算した値であるA/Bが、0.5~0.95であり、
前記気孔率Aが、10~40%であり、前記気孔率Bが、20~37.2%であり、
前記隔壁の厚さが、40~115μmである、ハニカム構造体。
[2] 前記気孔率Aと前記気孔率Bの相加平均が、15~45%である、前記[1]に記載のハニカム構造体。
[3] 前記ハニカム構造部の前記セルの延びる方向に直交する断面における前記セルの形状が、四角形、又は六角形である、前記[1]又は[2]に記載のハニカム構造体。
本発明のハニカム構造体は、耐熱衝撃性に優れている。即ち、本発明のハニカム構造体は、気孔率が同程度の従来のハニカム構造体に比して、熱衝撃によるクラックの発生を有効に抑制することができる。特に、隔壁の気孔率を10~40%とし、且つ2つ以上の壁部を接続する交点部における隔壁の気孔率Bを適度に低くすることで、ハニカム構造体全体の耐熱衝撃性を向上させることができる。即ち、隔壁の気孔率が40%以下の場合は、隔壁に形成された細孔の内部に、排ガス浄化用の触媒などが浸透し難い。このため、自動車のエンジン直下等の厳しい熱条件下において、従来のハニカム構造体を触媒担体として使用した場合には、隔壁の交点部よりも、隔壁の壁部の方が厚さが薄いため、隔壁の壁部にて早期にクラックが発生してしまう。そして、隔壁の壁部に生じたクラックは、より大きなクラックへと進展し易く、ハニカム構造体の欠陥が深刻化する懸念がある。ここで、隔壁の壁部については、例えば、その厚さを厚くすることで、ハニカム構造体の耐熱衝撃性を向上させることができるものの、隔壁の厚さを厚くすると、ハニカム構造体の圧力損失の上昇を招来してしまう。本発明のハニカム構造体は、クラックがより生じ易い壁部における隔壁の気孔率Aを相対的に低くし、上述したA/Bを0.5~0.95とすることで、隔壁の壁部及び交点部の双方でのクラックの発生を有効に抑制することができる。また、本発明のハニカム構造体は、セルの延びる方向に直交する断面において、部分的に隔壁の厚さを変更したり、部分的にセルの形状を変更したりする必要がないため、圧力損失の上昇などの副次的な問題も生じ難い。
本発明のハニカム構造体の第一実施形態を模式的に示す第一端面側から見た斜視図である。 図1に示すハニカム構造体の第一端面を模式的に示す平面図である。 図2に示すハニカム構造体の第一端面の一部を拡大した拡大平面図である。 図2のA-A’断面を模式的に示す、断面図である。 本発明のハニカム構造体の第二実施形態を模式的に示す、第一端面の一部を示す平面図である。 本発明のハニカム構造体の第三実施形態を模式的に示す第一端面側から見た斜視図である。 本発明のハニカム構造体の第四実施形態の第一端面を模式的に示す平面図である。 耐熱衝撃性の試験における、エンジンの運転時間(秒)とエンジン回転数(rpm)との関係を示すグラフである。
以下、本発明の実施形態について説明する。しかし、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。したがって、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、当業者の通常の知識に基づいて、以下の実施形態に対し適宜変更、改良等が加えられ得ることが理解されるべきである。
(1)ハニカム構造体(第一実施形態):
図1~図4に示すように、本発明のハニカム構造体の第一実施形態は、多孔質の隔壁1を有するハニカム構造部4、を備えたハニカム構造体100である。ここで、図1は、本発明のハニカム構造体の第一実施形態を模式的に示す第一端面側から見た斜視図である。図2は、図1に示すハニカム構造体の第一端面を模式的に示す平面図である。図3は、図2に示すハニカム構造体の第一端面の一部を拡大した拡大平面図である。図4は、図2のA-A’断面を模式的に示す、断面図である。
ハニカム構造部4の隔壁1は、第一端面11から第二端面12まで延びる流体の流路となる複数のセル2を取り囲むように配設されたものである。即ち、複数のセル2は、多孔質の隔壁1によって区画形成されたものである。ハニカム構造部4は、その外周部分に、隔壁1を囲繞するように配設された外周壁3を更に有していてもよい。
本実施形態のハニカム構造体100は、排ガス浄化用の触媒を担持するための触媒担体として好適に用いることができる。触媒担体とは、触媒の微粒子を支える多孔性の構造物のことである。したがって、ハニカム構造部4に形成された各セル2は、第一端面11側及び第二端面12側の端部が、目封止部などによって封止されておらず、第一端面11側と第二端面12側とは、各セル2を通じて連通している。
ハニカム構造部4は、図2及び図3に示すように、2つのセル2を仕切る壁部16における隔壁1の気孔率Aと、2つ以上の壁部16を接続する部位である交点部15における隔壁1の気孔率Bと、が異なる値を示すことを特徴とする。より具体的には、2つのセル2を仕切る壁部16における隔壁1の気孔率の値を、気孔率Aとする。また、2つ以上の壁部16を接続する交点部15における隔壁1の気孔率の値を、気孔率Bとする。この場合に、気孔率Aを気孔率Bで除算した値である「気孔率A/気孔率B」が、0.5~0.95である。以下、「気孔率A/気孔率B」を、単に「A/B」と記すことがある。ここで、「2つ以上の壁部16を接続する交点部15」とは、例えば、ハニカム構造部4のセル2の延びる方向に直交する面において、隔壁1が格子状に構成されている場合に、隔壁1の交点部分等を挙げることができる。また、例えば、図示は省略するが、2つの壁部が屈曲するように接続された部位についても、2つ以上の壁部を接続する交点部となる。図2及び図3に示すように、壁部16及び交点部15は、隔壁1の構成する要素であり、適宜、「隔壁1の壁部16」及び「隔壁1の交点部15」等と記すこともある。
本実施形態のハニカム構造体100は、耐熱衝撃性に優れている。即ち、本発明のハニカム構造体100は、気孔率が同程度の従来のハニカム構造体に比して、熱衝撃によるクラックの発生を有効に抑制することができる。特に、隔壁1の気孔率が40%以下の場合は、2つ以上の壁部16を接続する交点部15における隔壁1の気孔率Bを適度に低くすることで、ハニカム構造体100全体の耐熱衝撃性を向上させることができる。即ち、隔壁1の気孔率が40%以下の場合は、隔壁1に形成された細孔の内部に、排ガス浄化用の触媒などが浸透し難い。例えば、自動車のエンジン直下等の厳しい熱条件下において、従来のハニカム構造体を触媒担体として使用した場合には、隔壁の交点部よりも、隔壁の壁部の方が厚さが薄いため、隔壁の壁部にて早期にクラックが発生してしまう。そして、隔壁の壁部に生じたクラックは、より大きなクラックへと進展し易く、ハニカム構造体の欠陥が深刻化する懸念がある。ここで、隔壁の壁部については、例えば、その厚さを厚くすることで、ハニカム構造体の耐熱衝撃性を向上させることができるものの、隔壁の厚さを厚くすると、ハニカム構造体の圧力損失の上昇を招来してしまう。本実施形態のハニカム構造体100は、クラックがより生じ易い壁部16における隔壁1の気孔率Aを相対的に低くし、上述したA/Bを0.5~0.95とすることで、隔壁1の壁部16及び交点部15双方でのクラックの発生を有効に抑制することができる。また、本実施形態のハニカム構造体100は、セル2の延びる方向に直交する断面において、部分的に隔壁1の厚さを変更したり、部分的にセル2の形状を変更したりする必要がないため、圧力損失の上昇などの副次的な問題も生じ難い。
以下、本明細書において、2つのセル2を仕切る壁部16における隔壁1の気孔率の値を、単に「気孔率A」ということがある。また、2つ以上の壁部16を接続する交点部15における隔壁1の気孔率の値を、単に「気孔率B」ということがある。「2つのセル2を仕切る壁部16」とは、例えば、2つのセル2の断面形状が多角形の場合、それぞれの断面形状における各辺を構成する部分のことである。
本発明において、隔壁1の気孔率A及び気孔率Bのそれぞれは、以下の方法によって求める値とする。まず、ハニカム構造体100から、気孔率A及び気孔率Bの測定を行ための試料片の切り出しを行う。それぞれの試料片の切り出し箇所については、ハニカム構造体100の第一端面11側及び第二端面12側のそれぞれにおいて、各5箇所ずつ、合計10箇所とする。それぞれの端面における切り出し箇所は、それぞれの端面の中心位置を、1箇所目の切り出し箇所とする。そして、それぞれの端面において、この中心位置を通過し互いに直交するX軸及びY軸上の、中心位置とハニカム構造体100の外周縁との中間点である4点を、残りの4箇所の切り出し箇所とする。
気孔率Aを測定するための試料片は、上述した10箇所のそれぞれにおいて、2つのセル2を仕切る壁部16の中央部分を含むようにして切り出す。気孔率Aを測定するための試料片は、一辺の長さを、隔壁1を構成する壁部16の厚さとし、もう一辺の長さを、各端面における隔壁1の延びる方向に100μmとし、更にもう一辺の長さを、セル2の延びる方向に20mmとする。
気孔率Bを測定するための試料片は、上述した10箇所のそれぞれにおいて、隔壁1の交点部15の中心部を含むように切り出す。気孔率Bを測定するための試料片は、2つ以上の壁部16を接続する交点部15の中心部を中心とした一辺の長さが100μmの正方形を端面とし、軸方向の長さをセル2の延びる方向に20mmとする。
このようにしてハニカム構造体100から切り出して作製した試料片を、エポキシ樹脂に埋設して固めた後、その表面について研磨を行う。そして、各試料片を全長方向に5mm切り出し、その切断面を、走査型電子顕微鏡(以下、「SEM」ともいう)による観察面とする。SEMとは、「Scanning Electron Microscope」の略である。走査型電子顕微鏡としては、例えば、日立ハイテクノロジー社製の走査型電子顕微鏡「型番:S3200-N」を用いることができる。
その後、作製した試料片の観察面を、SEMにて観察し、SEM画像を取得する。隔壁1の気孔率Aの測定に際しては、上記した10個の試料片の各観察面における隔壁1について、上記SEM画像を取得する。SEM画像は100倍に拡大して観測するものとする。また、隔壁1の気孔率Bの測定に際しては、上記した10個の試料片の各観察面における隔壁1の交点部15について、上記SEM画像を取得する。次に、画像解析ソフトを用いて、各画像について、「隔壁1の面積S1」と「細孔部分(空隙部分)の面積S2」とを算出する。そして、「計算式(1):S2/(S1+S2)」により、各画像に撮像された隔壁1の気孔率を算出する。S1及びS2の値は、各10箇所の気孔率の平均値を用いる。
気孔率を測定するハニカム構造体100について、隔壁1の表面及び隔壁1の細孔の内部に、排ガス浄化用の触媒(図示せず)が担持されている場合には、触媒が担持されている部分については、隔壁1の気孔部分と見做して気孔率を求める。即ち、上述した気孔率A及び気孔率Bの測定方法において、SEM画像を撮影した後、得られたSEM画像における色情報から触媒が存在すると判断される領域に関しては、隔壁1の気孔部分として識別して気孔率を求める。
気孔率Aを気孔率Bで除算した値であるA/Bが、0.5未満であると、隔壁1の交点部15にクラックが入り易くなってしまい、時には2ヵ所以上連続のクラックに進展する懸念もある。上記A/Bが、0.95を超えると、2つのセル2を仕切る壁部16における隔壁1にクラックが入り易くなってしまうことがある。
気孔率Aを気孔率Bで除算した値であるA/Bは、0.50~0.95であることが好ましく、0.55~0.90であることが更に好ましい。このように構成することによって、クラックの発生をより有効に抑制することができる。
気孔率Bの値は、20~37.2%である。参考例として、気孔率Bの値は、20~50%や、20~45%を挙げることができる。気孔率Aの値が20%未満であると、隔壁1に触媒を担持し難くなることがある。また、気孔率Aの値が50%を超えると、ハニカム構造体100のアイソスタティック強度(Isostatic strength)が低下してしまうことがある。
気孔率Aと気孔率Bの相加平均が、15~45%であることが好ましく、15~40%であることが更に好ましい。気孔率Aと気孔率Bの相加平均が15%未満であると、隔壁1に触媒を担持し難くなることがある。また、気孔率Aと気孔率Bの相加平均が45%を超えると、ハニカム構造体100のアイソスタティック強度が低下してしまうことがある。
ハニカム構造部4のセル2の延びる方向に直交する断面における、各セル2の形状(以下、単に「セル形状」ともいう)については特に制限はない。例えば、セル2の形状については、多角形であることが好ましく、四角形、又は六角形であることが更に好ましい。また、各セル2の形状については、多角形の角部が曲線状に形成された形状、例えば、四角形の角部が曲線状に形成された略四角形、であってもよい。
隔壁1の厚さが、40~115μmである。参考例として、40~200μm、45~185μm、及び50~170μmを挙げることができる。隔壁1の厚さが、40μm未満であると、ハニカム構造体100のアイソスタティック強度が低下してしまうことがある。隔壁1の厚さが、200μmを超えると、圧力損失が増大し、エンジンの出力低下や燃費の悪化を引き起こすことがある。隔壁1の厚さは、ハニカム構造体100の軸方向に直交する断面を光学顕微鏡により観察する方法で測定した値である。
ハニカム構造体100の全体形状については、特に制限はない。例えば、図1~図4に示すハニカム構造体100の全体形状は、第一端面11及び第二端面12が円形の円柱状である。その他、例えば、ハニカム構造体100の全体形状としては、第一端面11及び第二端面12が、楕円形やレーストラック(Racetrack)形や長円形等の略円形の柱状であってもよい。また、ハニカム構造体100の全体形状としては、第一端面11及び第二端面12が、四角形や六角形等の多角形の角柱状であってもよい。
隔壁1を構成する材料に特に制限はないが、強度、耐熱性、耐久性等の観点から、主成分は、酸化物又は非酸化物の各種セラミックや金属等であることが好ましい。具体的には、例えば、セラミックとしては、コージェライト、ムライト(Mullite)、アルミナ、スピネル(Spinel)、炭化珪素、窒化珪素、及びチタン酸アルミニウム等が考えられる。金属としては、Fe-Cr-Al系金属、及び金属珪素等が考えられる。これらの材料の中から選ばれた1種又は2種以上を主成分とすることが好ましい。高強度、高耐熱性等の観点から、アルミナ、ムライト、チタン酸アルミニウム、コージェライト、炭化珪素、及び窒化珪素から構成された群より選ばれた1種又は2種以上を主成分とすることが特に好ましい。また、高熱伝導率や高耐熱性等の観点からは、炭化珪素、又は珪素-炭化珪素複合材料が特に適している。ここで、「主成分」とは、隔壁1の50質量%以上を構成する成分のことを意味する。上記成分は、隔壁1を構成する材料中に70質量%以上含まれることが好ましく、80質量%以上含まれることが更に好ましい。
本実施形態のハニカム構造体100は、ハニカム構造部4の隔壁1の表面及び隔壁1の細孔のうちの少なくとも一方に、排ガス浄化用の触媒が担持されていてもよい。このように構成することによって、排ガス中のCOやNOxやHCなどを触媒反応によって無害な物質にすることができる。
本実施形態のハニカム構造体100に触媒を担持する場合には、触媒は、三元触媒、SCR触媒、NO吸蔵触媒、酸化触媒からなる群より選ばれる1種以上を含むことが好ましい。三元触媒とは、主に炭化水素(HC)、一酸化炭素(CO)、窒素酸化物(NO)を浄化する触媒のことをいう。三元触媒としては、例えば、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、ロジウム(Rh)を含む触媒を挙げることができる。SCR触媒は、被浄化成分を選択還元する触媒である。特に、上記したSCR触媒については、排ガス中のNOを選択還元するNO選択還元用SCR触媒であることが好ましい。NO選択還元用SCR触媒としては、排ガス中のNOを選択還元して浄化する触媒を好適例として挙げることができる。また、SCR触媒としては、金属置換されたゼオライトを挙げることができる。ゼオライトを金属置換する金属としては、鉄(Fe)、銅(Cu)を挙げることができる。ゼオライトとしては、ベータゼオライトを好適例として挙げることができる。また、SCR触媒が、バナジウム、及びチタニアからなる群より選択される少なくとも1種を主たる成分として含有する触媒であってもよい。NO吸蔵触媒としては、アルカリ金属やアルカリ土類金属等を挙げることができる。アルカリ金属としては、カリウム、ナトリウム、リチウム等を挙げることができる。アルカリ土類金属としては、カルシウムなどを挙げることができる。酸化触媒としては、貴金属を含有するものを挙げることができる。酸化触媒として、具体的には、白金、パラジウム及びロジウムからなる群より選択される少なくとも一種を含有するものが好ましい。
(2)ハニカム構造体(第二実施形態~第四実施形態):
次に、本発明のハニカム構造体の第二実施形態~第四実施形態について、図5~図7を参照しつつ説明する。図5は、本発明のハニカム構造体の第二実施形態を模式的に示す、第一端面の一部を示す平面図である。図6は、本発明のハニカム構造体の第三実施形態を模式的に示す第一端面側から見た斜視図である。図7は、本発明のハニカム構造体の第四実施形態の第一端面を模式的に示す平面図である。
図5に示すように、本発明のハニカム構造体の第二実施形態は、多孔質の隔壁21を有するハニカム構造部24、を備えたハニカム構造体200である。第二実施形態のハニカム構造体200は、セル22の形状が「六角形」となっている。そして、2つのセル22を仕切る壁部36における隔壁21の気孔率の値を、気孔率Aとし、2つ以上の壁部36を接続する交点部35における隔壁21の気孔率の値を、気孔率Bとした場合に、気孔率Aを気孔率Bで除算した値であるA/Bが、0.5~0.95である。このように構成された第二実施形態のハニカム構造体200も、これまでに説明した第一実施形態のハニカム構造体100(図1~図4参照)と同様の作用効果を得ることができる。第二実施形態のハニカム構造体200は、セル22の形状が異なること以外は、第一実施形態のハニカム構造体100(図1~図4参照)と同様に構成されていることが好ましい。図5において、符号31は、ハニカム構造部24の第一端面を示す。
図6に示すように、本発明のハニカム構造体の第三実施形態は、セグメント構造のハニカム構造部44、を備えたハニカム構造体300である。即ち、ハニカム構造体300においては、それぞれのハニカム構造部44が、柱状のハニカムセグメント46によって構成され、複数個のハニカムセグメント46の互いの側面同士が接合層47によって接合されている。このように、本実施形態のハニカム構造体300においては、複数のハニカムセグメント46のそれぞれが、ハニカム構造体300におけるハニカム構造部44となっている。ここで、「セグメント構造のハニカム構造体」とは、個々に作製された複数個のハニカムセグメント46が接合されることによって構成されたハニカム構造体のことである。なお、図1~図4に示すような、ハニカム構造部4の隔壁1が全て一体的に形成されているようなハニカム構造体100を、「一体型のハニカム構造体」ということがある。本発明のハニカム構造体においては、「セグメント構造のハニカム構造体」であってもよいし、「一体型のハニカム構造体」であってもよい。
ハニカム構造体300においては、少なくとも1つのハニカムセグメント46が、これまでに説明した第一実施形態のハニカム構造体のハニカム構造部と同様に構成されていることが好ましい。このようなハニカム構造体300であっても、これまでに説明した第一実施形態のハニカム構造体と同様の作用効果を得ることができる。複数個のハニカムセグメント46は、それぞれ同じセル構造を有するものであってもよいし、それぞれ異なるセル構造を有するものであってもよい。図6において、符号51は、第一端面を示し、符号52は、第二端面を示す。
ハニカム構造体300における外周壁43は、外周コート材によって形成された外周コート層であることが好ましい。外周コート材は、複数個のハニカムセグメント46を接合した接合体の外周に塗工して、外周コート層を形成するためのコート材である。また、複数個のハニカムセグメント46を接合した接合体は、当該接合体に対して、その外周部分を研削加工し、上述した外周コート層を配設したものであることが好ましい。また、図1~図4に示すような一体型のハニカム構造体100についても、ハニカム構造部4の外周に配設された外周壁3が、上記したような、外周コート材によって形成された外周コート層であってもよい。
図6に示すハニカム構造体300においては、セル42の形状が四角形となっている。ただし、各ハニカムセグメント46における各セル42の形状について四角形に限定されることはなく、これまでに説明した第二実施形態のハニカム構造体におけるセルの形状を採用することができる。
図7に示すように、本発明のハニカム構造体の第四実施形態は、断面形状が楕円形のハニカム構造部4、を備えたハニカム構造体400である。したがって、ハニカム構造体400は、ハニカム構造体400の全体形状が、端面が楕円形の柱状となっている。第四実施形態のハニカム構造体400は、ハニカム構造体400の全体形状が異なること以外は、第一実施形態のハニカム構造体100(図1~図4参照)と同様に構成されていることが好ましい。
図7に示すハニカム構造体400においては、セル2の形状が四角形となっている。ただし、セル2の形状について四角形に限定されることはない。
(3)ハニカム構造体の製造方法:
次に、本発明のハニカム構造体を製造する方法について説明する。本発明のハニカム構造体の製造方法としては、ハニカム成形体を作製する工程、得られたハニカム成形体を乾燥及び焼成する工程、を備えたものを挙げることができる。
(3-1)成形工程:
成形工程は、成形原料を混練して得られる坏土をハニカム形状に押出成形してハニカム成形体を得る工程である。ハニカム成形体は、第一端面から第二端面まで延びるセルを区画形成する隔壁、及びこの隔壁の最外周を囲繞するように形成された外周壁を有するものである。隔壁によって構成されたハニカム構造の部分が、ハニカム構造部となる。成形工程においては、まず、成形原料を混練して坏土とする。次に、得られた坏土を押出成形して、隔壁と外周壁とが一体的に成形されたハニカム成形体を得る。
成形原料は、セラミック原料に分散媒及び添加剤を加えたものであることが好ましい。添加剤としては、有機バインダ、造孔材、界面活性剤等を挙げることができる。分散媒としては、水等を挙げることができる。成形原料としては、従来公知のハニカム構造体の製造方法において使用される成形原料と同様のものを用いることができる。
成形原料を混練して坏土を形成する方法としては、例えば、ニーダー、真空土練機等を用いる方法を挙げることができる。
押出成形は、ハニカム成形体の断面形状に対応したスリットが形成された押出成形用の口金を用いて行うことができる。例えば、押出成形用の口金としては、これまでに説明した第一実施形態~第四実施形態のハニカム構造体におけるセルの形状に対応したスリットが形成された口金を用いることが好ましい。
ここで、押出成形においては、成形時の押出速度を上げて、押出圧力を高くすることが好ましい。このような方法で押出成形を行うことにより、「2つのセルを仕切る壁部における隔壁」を、交点部における隔壁に比して緻密することができる。即ち、得られるハニカム構造体において、「交点部における隔壁の気孔率B」を相対的に高くすることができる。これにより、壁部における隔壁の気孔率Aを、交点部における隔壁の気孔率Bで除算した値であるA/Bを、0.5~0.95の数値範囲に調整することができる。
(3-2)焼成工程:
焼成工程は、成形工程によって得られたハニカム成形体を焼成して、ハニカム構造体を得る工程である。ハニカム成形体を焼成する前に、得られたハニカム成形体を、例えば、マイクロ波及び熱風で乾燥してもよい。
ハニカム成形体を焼成する際の焼成温度は、ハニカム成形体の材質によって適宜決定することができる。例えば、ハニカム成形体の材質がコージェライトの場合、焼成温度は、1380~1450℃が好ましく、1400~1440℃が更に好ましい。また、焼成時間は、最高温度でのキープ時間として4~6時間程度とすることが好ましい。
以下、本発明を実施例によって更に具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によって何ら限定されるものではない。
(実施例1)
コージェライト化原料100質量部に、造孔材を0.5質量部、分散媒を33質量部、有機バインダを5.6質量部、それぞれ添加し、混合、混練して坏土を調製した。コージェライト化原料としては、アルミナ、水酸化アルミニウム、カオリン、タルク、及びシリカを使用した。分散媒としては水を使用し、造孔材としては平均粒子径10~50μmの吸水性ポリマーを使用し、有機バインダとしてはメチルセルロース(Methylcellulose)を使用し、分散剤としてはデキストリン(Dextrin)を使用した。
次に、所定の金型を用いて坏土を押出成形し、セル形状が四角形で、全体形状が円柱状のハニカム成形体を得た。なお、押出成形時においては、ハニカム成形体の断面形状に対応したスリットが形成された押出成形用の口金を用い、押出成形においては、後述する比較例1における押出成形と比較して押出速度を上げて、押出圧力を高くして成形を行った。
次に、ハニカム成形体を、熱風乾燥機にて乾燥させた。乾燥時の雰囲気温度は、95~145℃とした。
次に、乾燥させたハニカム成形体を焼成して、実施例1のハニカム構造体を作製した。焼成時の雰囲気温度は、1350~1440℃とし、焼成時間は、10時間とした。
実施例1のハニカム構造体は、隔壁の厚さが70μmであり、セル密度が139.5個/cmであった。ハニカム構造体のセルの延びる方向に直交する断面におけるセル形状は、四角形であった。表1の「セル構造」の欄に、隔壁の厚さ、セル密度、セル形状を示す。
実施例1のハニカム構造体は、軸方向に直交する断面の形状が、直径が105.7mmの円形であり、セルの延びる方向の長さ(全長)が81.2mmであった。実施例1のハニカム構造体の形状を、表1の「断面形状」、「直径」、「全長」の欄に示す。
実施例1のハニカム構造体について、以下の方法で、「2つのセル2を仕切る壁部における隔壁の気孔率A」と、「2つ以上の壁部を接続する交点部における隔壁の気孔率B」と、を測定した。また、気孔率A及び気孔率Bの値から、平均気孔率、及び気孔率比を求めた。平均気孔率は、気孔率Aと気孔率Bの相加平均の値(即ち、(A+B)/2)である。気孔率比は、気孔率Bに対する気孔率Aの値(即ち、A/B)である。それぞれの結果を、表2に示す。
[気孔率の測定方法]
まず、ハニカム構造体から、気孔率A及び気孔率Bの測定を行ための試料片を切り出した。試料片の切り出し箇所については、ハニカム構造体の第一端面側(例えば、流入端面側)及び第二端面側(例えば、流出端面側)のそれぞれにおいて、各5箇所ずつ、合計10箇所とする。それぞれの端面における切り出し箇所は、それぞれの端面の中心位置(1箇所目)と、この中心位置を通過し互いに直交するX軸及びY軸上の、中心位置とハニカム構造体の外周縁との中間点である4点(2~5箇所目)とした。気孔率Aを測定するための試料片は、上述した10箇所のそれぞれにおいて、2つのセルを仕切る壁部の中央部分を含むようにして切り出した。気孔率Aを測定するための試料片は、一辺の長さを、隔壁を構成する壁部の厚さとし、もう一辺の長さを、各端面における隔壁の延びる方向に100μmとし、更にもう一辺の長さを、セルの延びる方向に20mmとした。気孔率Bを測定するための試料片は、上述した10箇所のそれぞれにおいて、隔壁の交点部の中心部を含むように切り出した。気孔率Bを測定するための試料片は、交点部の中心部を中心とした一辺の長さが100μmの正方形を端面とし、軸方向の長さをセル2の延びる方向に20mmとした。次に、作製した試料片を、エポキシ樹脂に埋設して固めた後、その表面について研磨を行った。そして、各試料片を全長方向に5mm切り出し、その切断面をSEMにて観察して、SEM画像を取得した。走査型電子顕微鏡は、日立ハイテクノロジー社製の「型番:S3200-N」を用いた。気孔率Aの測定に際しては、10個の試料片の各観察面における隔壁の中央部分について、100倍に拡大したSEM画像を取得した。また、気孔率Bの測定に際しては、上記した10個の試料片の各観察面における隔壁の交点部について、100倍に拡大したSEM画像を取得した。その後、画像解析ソフトを用いて、各画像について、「隔壁の面積S1」と「細孔部分(空隙部分)の面積S2」とを算出し、「計算式(1):S2/(S1+S2)」により、各画像に撮像された隔壁の気孔率を算出した。S1及びS2の値は、各10箇所の気孔率の平均値を用いた。
Figure 0007274275000001
Figure 0007274275000002
(実施例2~20)
セル構造、断面形状、並びに隔壁の気孔率A及び気孔率Bを、表1及び表2に示すように変更し、実施例2~20のハニカム構造体を作製した。実施例5,6,13,14については、セルの形状を六角形とした。また、実施例7,8については、ハニカム構造体の断面形状を楕円形とした。以下、実施例6,8,12,19,20の記載を、参考例6,8,12,19,20と読み替える。
実施例19,20については、ハニカム構造体を作製する材料として、炭化珪素(SiC)を用いた。実施例19,20のハニカム構造体は、セグメント構造のハニカム構造体である。
実施例2~20のハニカム構造体の作製時には、押出成形時における押出圧力についての調整を行い、隔壁の気孔率A及び気孔率Bの値についての調節を行った。
実施例1~20のハニカム構造体について、以下の示す方法で、「耐熱衝撃性(ロバスト性:Robustness)」についての評価を行った。結果を表3に示す。
[耐熱衝撃性(ロバスト性)]
ハニカム構造体を直列4気筒、排気量2.0リットルのガソリンエンジンの排気ポート(Exhaust port)に、ハニカム構造体が把持、収容された金属キャンを接続した。なお、耐熱衝撃性の評価においては、各実施例及び比較例のハニカム構造体に対して、150g/Lの担持量となるように三元触媒を担持した。そして、三元触媒を担持したハニカム構造体を担体としたサンプル(sample)を、エンジンの直下に接続した。次に、図8に示すように、エンジン高速回転とIdleを繰り返した条件でエンジンを運転した。このとき、各実施例において、ハニカム構造体の入口側5mm位置における中央部の担体温度が、最高温度が1050℃、最低温度が100℃以下となるように温度調整を行った。なお、最高温度側はエンジン高速回転を調整して温度を合わせ、最低温度は冷却時にエアーを導入して温度調整を行った。この20分のエンジンの運転を1サイクル(cycle)とし、これを300サイクル繰り返すことにより、耐熱衝撃性の試験を実施した。比較例については、各々実施例の同一番号と同じエンジン回転数、冷却時のエアー導入量の条件で試験を実施した。終了後、ガソリンエンジンから金属キャンを取り外した。その後、金属キャンからも担体であるハニカム構造体を取り出し、「隔壁の壁部」及び「交点部」についてのクラックの有無を、それぞれ目視にて観察した。クラックの有無の確認については、上述した試験において、最も温度が高くなる流入端面の全箇所について確認を行った。そして、以下の評価基準に基づき、耐熱衝撃性の評価を行った。表3においては、隔壁の壁部の観察結果と、隔壁の交点部の観察結果をそれぞれ示す。ここで、図8は、耐熱衝撃性の試験における、エンジンの運転時間(秒)とエンジン回転数(rpm)との関係を示すグラフである。
評価A:クラック無し。
評価C:クラック有り。
また、耐熱衝撃性の評価においては、上記した2カ所での評価結果に基づいて、以下の方法で、総合判定を行った。結果を表3に示す。なお、この総合判定においては、評価Aを合格とし、評価Cについては不合格とする。
評価A:隔壁の壁部及び交点部の双方においてクラック無し。
評価C:隔壁の壁部及び交点部のうちの少なくとも一方においてクラック有り。
Figure 0007274275000003
(比較例1~22)
セル構造、断面形状、並びに隔壁の気孔率A及び気孔率Bを、表4及び表5に示すように変更し、比較例1~22のハニカム構造体を作製した。比較例1~22のハニカム構造体についても、実施例1と同様の方法で、「耐熱衝撃性(ロバスト性)」についての評価を行った。結果を表6に示す。
なお、比較例5,6,13,14については、セル形状を六角形とした。また、比較例7,8については、ハニカム構造体の断面形状を楕円形とした。比較例19,20については、ハニカム構造体を作製する材料として、炭化珪素(SiC)を用いた。比較例19,20のハニカム構造体は、セグメント構造のハニカム構造体である。比較例1~20のハニカム構造体は、気孔率A及び気孔率Bの値が異なること以外は、対応する番号の実施例1~20と同一構造のハニカム構造体である。また、比較例21,22のハニカム構造体は、気孔率A及び気孔率Bの値が異なること以外は、比較例1のハニカム構造体と同一構造(四角形のセル形状)のハニカム構造体である。また、上記耐熱衝撃性(ロバスト性)において、比較例21,22のハニカム構造体は、実施例1と同一の条件で測定を行った。
Figure 0007274275000004
Figure 0007274275000005
Figure 0007274275000006
(結果)
実施例1~20のハニカム構造体は、耐熱衝撃性の総合判定において、合格基準を満たす「評価A」の結果を得ることができた。即ち、実施例1~20のハニカム構造体は、耐熱衝撃性の評価において、隔壁の壁部及び交点部の双方においてクラックが発生しなかった。
比較例1~22のハニカム構造体は、耐熱衝撃性の総合判定において、不合格となる「評価C」の結果となった。即ち、比較例1~22のハニカム構造体は、耐熱衝撃性の評価において、隔壁の壁部及び交点部のうちの少なくとも一方においてクラックが発生してしまった。
本発明のハニカム構造体は、排ガス浄化用の触媒を担持するための触媒担体として利用することができる。
1,21,41:隔壁、2,22,42:セル、3,43:外周壁、4,24,44:ハニカム構造部、11,31,51:第一端面、12,52:第二端面、15,35:交点部、16,36:壁部、46:ハニカムセグメント、47:接合層、100,200,300,400:ハニカム構造体。

Claims (3)

  1. 第一端面から第二端面まで延びる流体の流路となる複数のセルを取り囲むように配設された多孔質の隔壁を有するハニカム構造部、を備え、
    2つの前記セルを仕切る壁部における前記隔壁の気孔率の値を、気孔率Aとし、
    2つ以上の前記壁部を接続する部位である交点部における前記隔壁の気孔率の値を、気孔率Bとし、
    前記気孔率Aを前記気孔率Bで除算した値であるA/Bが、0.5~0.95であり、
    前記気孔率Aが、10~40%であり、前記気孔率Bが、20~37.2%であり、
    前記隔壁の厚さが、40~115μmである、ハニカム構造体。
  2. 前記気孔率Aと前記気孔率Bの相加平均が、15~45%である、請求項1に記載のハニカム構造体。
  3. 前記ハニカム構造部の前記セルの延びる方向に直交する断面における前記セルの形状が、四角形、又は六角形である、請求項1又は2に記載のハニカム構造体。
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