JP7274240B1 - 低蛋白パン製造用原料組成物及びパンの製造方法 - Google Patents

低蛋白パン製造用原料組成物及びパンの製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP7274240B1
JP7274240B1 JP2022172740A JP2022172740A JP7274240B1 JP 7274240 B1 JP7274240 B1 JP 7274240B1 JP 2022172740 A JP2022172740 A JP 2022172740A JP 2022172740 A JP2022172740 A JP 2022172740A JP 7274240 B1 JP7274240 B1 JP 7274240B1
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
bread
raw material
starch
material composition
dough
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2022172740A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2024064274A (ja
Inventor
道弘 砂子
揚 ▲高▼橋
真樹子 塚田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sanwa Starch Co Ltd
Original Assignee
Sanwa Starch Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sanwa Starch Co Ltd filed Critical Sanwa Starch Co Ltd
Priority to JP2022172740A priority Critical patent/JP7274240B1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7274240B1 publication Critical patent/JP7274240B1/ja
Priority to PCT/JP2023/030646 priority patent/WO2024090000A1/ja
Publication of JP2024064274A publication Critical patent/JP2024064274A/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • AHUMAN NECESSITIES
    • A21BAKING; EDIBLE DOUGHS
    • A21DTREATMENT, e.g. PRESERVATION, OF FLOUR OR DOUGH, e.g. BY ADDITION OF MATERIALS; BAKING; BAKERY PRODUCTS; PRESERVATION THEREOF
    • A21D10/00Batters, dough or mixtures before baking
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A21BAKING; EDIBLE DOUGHS
    • A21DTREATMENT, e.g. PRESERVATION, OF FLOUR OR DOUGH, e.g. BY ADDITION OF MATERIALS; BAKING; BAKERY PRODUCTS; PRESERVATION THEREOF
    • A21D13/00Finished or partly finished bakery products
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A21BAKING; EDIBLE DOUGHS
    • A21DTREATMENT, e.g. PRESERVATION, OF FLOUR OR DOUGH, e.g. BY ADDITION OF MATERIALS; BAKING; BAKERY PRODUCTS; PRESERVATION THEREOF
    • A21D2/00Treatment of flour or dough by adding materials thereto before or during baking
    • A21D2/08Treatment of flour or dough by adding materials thereto before or during baking by adding organic substances
    • A21D2/10Hydrocarbons
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A23FOODS OR FOODSTUFFS; TREATMENT THEREOF, NOT COVERED BY OTHER CLASSES
    • A23LFOODS, FOODSTUFFS, OR NON-ALCOHOLIC BEVERAGES, NOT COVERED BY SUBCLASSES A21D OR A23B-A23J; THEIR PREPARATION OR TREATMENT, e.g. COOKING, MODIFICATION OF NUTRITIVE QUALITIES, PHYSICAL TREATMENT; PRESERVATION OF FOODS OR FOODSTUFFS, IN GENERAL
    • A23L29/00Foods or foodstuffs containing additives; Preparation or treatment thereof
    • A23L29/20Foods or foodstuffs containing additives; Preparation or treatment thereof containing gelling or thickening agents
    • A23L29/206Foods or foodstuffs containing additives; Preparation or treatment thereof containing gelling or thickening agents of vegetable origin
    • A23L29/212Starch; Modified starch; Starch derivatives, e.g. esters or ethers
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A23FOODS OR FOODSTUFFS; TREATMENT THEREOF, NOT COVERED BY OTHER CLASSES
    • A23LFOODS, FOODSTUFFS, OR NON-ALCOHOLIC BEVERAGES, NOT COVERED BY SUBCLASSES A21D OR A23B-A23J; THEIR PREPARATION OR TREATMENT, e.g. COOKING, MODIFICATION OF NUTRITIVE QUALITIES, PHYSICAL TREATMENT; PRESERVATION OF FOODS OR FOODSTUFFS, IN GENERAL
    • A23L33/00Modifying nutritive qualities of foods; Dietetic products; Preparation or treatment thereof
    • A23L33/10Modifying nutritive qualities of foods; Dietetic products; Preparation or treatment thereof using additives

Landscapes

  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Food Science & Technology (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Nutrition Science (AREA)
  • Polymers & Plastics (AREA)
  • Dispersion Chemistry (AREA)
  • Mycology (AREA)
  • Bakery Products And Manufacturing Methods Therefor (AREA)
  • Coloring Foods And Improving Nutritive Qualities (AREA)
  • Grain Derivatives (AREA)

Abstract

【課題】食感、外観、風味に優れる低蛋白パン製造用原料組成物、パン焼成用生地及びパンの製造方法の提供。【解決手段】小麦粉の一部を湿熱処理澱粉を含む澱粉に置換したパン製造用原料組成物であって、パン生地物性を実質的に変化させない、上記パン製造用原料組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、食感、外観、風味に優れる腎臓病患者用の低蛋白パン製造用原料組成物、パン焼成用生地及びパンの製造方法に関する。また、本発明のパン製造用原料組成物はパン生地物性を実質的に変化させないので、パン製造時の作業性を向上することを可能とする。さらには、食塩をほとんど添加せずに低蛋白含量を保持する低蛋白・低塩用穀粉組成物及び低蛋白・低塩パンの製造法に関する。
従来、腎臓病患者の食事において、疾患のステージにかかわらずナトリウムは6g/日未満とし、蛋白質は疾患のステージ進行に伴い摂取制限が指導されており、このため腎臓病患者用のパンも低蛋白、低ナトリウムのものが望まれる。特に主食からの蛋白質摂取を抑え、必須アミノ酸をバランスよく含んでいる肉や魚、卵、乳製品などからの蛋白質摂取が推奨されている。主食の一つであるパンについても主原料となる小麦粉に代わり、澱粉を使用する低蛋白パンが提供されている。このように、主食であるパンにおいて小麦粉に代わり、澱粉を使用することは、不足するエネルギーを補う上でも重要であり、その使用手段として従前より種々提案されている。
特許文献1にはパン用小麦粉に澱粉(小麦粉澱粉、馬鈴薯澱粉)を配合して、その含有蛋白量を6.5~7.5%とした低蛋白パン用穀粉組成物を主原料とし、製パンする方法が開示されている。
特許文献2には、パンの主原料である小麦粉の50%以上を澱粉に置換し、増粘多糖類と食物繊維とを併用添加することにより、発酵及び焼成中に発生するガスを生地中に保持させて、ソフトな食感を有する製パン手段が開示されている。
特許文献3には、小麦粉25~50質量部、α化澱粉を除く澱粉45~70質量部及びα化澱粉5~15質量部を含むことで低蛋白パンを製造する手段が提案されている。
特許文献4には、小麦粉原料の一部に、架橋でん粉、ヒドロキシプロピルでん粉及びα化でん粉を配合したことを特徴とする低蛋白パン製造用原料組成物が開示されている。該低蛋白パン製造用原料組成物を用いて、パンを製造することにより、蛋白含有量が6.2重量%以下に調整される。
特許文献5には、パン生地として、低蛋白米粉又は低蛋白米粉と小麦澱粉を主成分とした粉生地に、1.5%重量以上の増粘多糖類、及び適宜量のα化澱粉(α化低蛋白米粉又は粳米α粉)と、βアミラーゼを添加してなる生地を使用した、小麦粉パンの1/10以下の蛋白含有量とした極低蛋白パンが開示されている。
特許文献6には、アルファー化澱粉及び増粘多糖類を含有する生地を用いて、膨らみ、食感、外観を通常のベーカリー製品に近づける方法が開示されている。
特許文献7には、アミロース含量20%以上の生でん粉と酢酸でん粉又はリン酸架橋でん粉等の化学修飾されたでん粉とを含有し、さらにDE25~40のデキストリンを含有するベーカリー製品様低たんぱく食品製造用生地が開示されている。
特開平5-007448号公報 特開平11-155467号公報 特開2001-224300号公報 特開2015-033370号公報 特開2006-158298号公報 国際公開2019/146629号公報 国際公開2019/088239号公報
しかしながら、上記従来技術による低蛋白パンは、生地の機械耐性が低く、パンの内層や外層に荒れが生じ、食感や風味に優れないという問題がある。
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意研究を重ねた。その結果、小麦粉の一部を湿熱処理澱粉を含む澱粉に置き換えたパン製造用原料組成物により、低蛋白含量を保持しながら、パン生地物性を実質的に変化させない腎臓病患者用のパン製造用原料組成物の完成を可能とし、食感、外観、風味に優れる低蛋白パンを実現させた。本発明のパン製造用原料組成物はパン生地物性を実質的に変化させないので、パン製造時の作業性を向上することを可能とした。さらに、食塩を添加しない条件下若しくはごく少量の食塩添加量の条件下でも、本発明のパン製造用原料組成物はパン生地物性を実質的に変化させないため、本発明のパン製造用原料組成物により低蛋白かつ低塩なパンが得られることを見出した。
すなわち本発明は、以下のものに関する。
[1]
小麦粉の一部を湿熱処理澱粉を含む澱粉に置換したパン製造用原料組成物であって、パン生地物性を実質的に変化させない、上記パン製造用原料組成物。
[2]
前記湿熱処理澱粉の蛋白含量が1質量%未満である、[1]に記載のパン製造用原料組成物。
[3]
前記湿熱処理澱粉の前記小麦粉に対する置換割合が前記小麦粉の1~50質量%である、[1]又は[2]に記載のパン製造用原料組成物。
[4]
食塩を添加しない条件下でもパン生地物性を実質的に変化させない、[1]から[3]のいずれかに記載のパン製造用原料組成物。
[5]
前記湿熱処理澱粉が、水溶性成分量が0.1~5%、かつ膨潤度が10~60mLである、請求項[1]~[4]のいずれかに記載のパン製造用原料組成物。
[6]
前記湿熱処理澱粉がコーンスターチを原料とする、[5]に記載のパン製造用原料組成物。
[7]
[1]~[6]のいずれかに記載のパン製造用原料組成物に水を添加し混錬する工程を含む、パン焼成用生地の製造方法。
[8]
[7]に記載のパン焼成用生地を焼成する工程を含む、パンの製造方法。
本発明によれは、低蛋白含量を保持しつつ、食感(しっとり感、歯切れ)、外観、風味においてバランスよく優れた腎臓病患者用の低蛋白パン製造用原料組成物、パン焼成用生地及びパンの製造方法を提供することができる。本発明のパン製造用原料組成物はパン生地の物性を実質的に変化させないので、低蛋白含量を保持しつつ、優れた食感、外観、風味を有する低蛋白パンの製造を可能とし、さらにパン製造工程における作業性を向上させることもできる。さらには、食塩を添加しない条件下若しくはごく少量の食塩添加量の条件下でも、本発明のパン製造用原料組成物がパン生地物性を実質的に変化させないため、低蛋白・低塩パン用穀粉組成物、パン焼成用生地及び低蛋白・低塩パンの製造方法を提供することができる。
小麦粉に対する澱粉置換割合が40%の実施例4~6及び比較例2~3、参照例のトルク値の測定チャートを示す図である。
本発明は、小麦粉の一部を湿熱処理澱粉を含む澱粉に置換したパン製造用原料組成物であって、パン生地物性を実質的に変化させない、上記パン製造用原料組成物である。
本発明において、パン生地物性を実質的に変化させないとは、以下の判断基準による。
Chopin Tchnologies社製Mixolab2を使用し、まず、小麦粉(強力粉)の最適加水量を、測定条件ChopinS(粉+水の全重量70g、混練速度80rpm、混練温度30℃、混練時間30分)にて最大トルク値が1.1Nmとなる時の加水量として決定する。なお、トルク値は、Mixolab2の専用ソフトウェアで表示されるSmooth torqueの値を採用する。続いて、小麦粉の一部を澱粉に置き換えて、小麦粉の最適加水量と同加水量にて測定条件ChopinS(粉+水の全重量70g、混練速度80rpm、混練温度30℃、混練時間30分)で測定し、この時の最大トルク値が0.92Nm以上となる場合に、パン生地物性を実質的に変化させないと判断する。
本発明において、「パン生地物性を実質的に変化させない」とは、「小麦粉(強力粉)の一部を湿熱処理澱粉を含む澱粉に置換しても小麦粉(強力粉)の生地物性を保持することができる」ことを意味する。
本発明における湿熱処理澱粉とは、澱粉質材料を水分の存在下に高温で処理したものであり、例えば、1967年にL.SAIRがシリアルケミストリー(44巻、1月号、8~26頁)に開示した方法、特開平4-130102号に開示された減圧・加圧加熱法、R.Stute, Starch、44巻(6)、205-214(1992年)に記載された20%の水分含量の澱粉を、回転式オートクレーブ中、100℃以上で数時間処理する方法等によって得られるが、特にこれらの方法に限定されるものではない。
湿熱処理澱粉の蛋白含量は1質量%未満であることが好ましく、より好ましくは蛋白含量0.5質量%以下、さらに好ましくは蛋白含量0.3質量%以下である。
湿熱処理澱粉の作製に用いる澱粉質材料としては、蛋白含量が1質量%未満である澱粉を選択する。好ましくは蛋白含量0.5質量%以下、さらに好ましくは蛋白含量0.3質量%以下である。このような澱粉質材料としては、例えばコーンスターチ、ワキシーコーンスターチ、ハイアミロースコーンスターチ、馬鈴薯澱粉、ワキシー馬鈴薯澱粉、タピオカ、ワキシータピオカ、小麦澱粉、米澱粉、もち米澱粉、サゴ澱粉、甘藷澱粉、えんどう豆澱粉、緑豆澱粉、及びこれらの加工澱粉、具体的にはアセチル化、エーテル化、架橋化、酸化、酸処理。酵素処理したものが挙げられる。これらは、単独であっても、複数のものの組合せでも良い。
好ましくはコーンスターチ、馬鈴薯澱粉、小麦澱粉から選ばれる一種又は複数の組み合わせであり、さらに好ましくはコーンスターチである。コーンスターチを使用することにより、水溶性成分量及び膨潤度を適切に調整することが可能となる。また、食品に添加可能な界面活性剤、塩類、糖類、有機酸、蛋白、脂肪等を適宜添加してもよい。
湿熱処理澱粉の特性は、後述する水溶性成分量と膨潤度を測定することによって規定することができる。本発明に好ましい湿熱処理澱粉の特性としては、水溶性成分量が0.1~5%、膨潤度が10~60mL、さらに好ましくは水溶性成分量が0.2~2%、膨潤度が15~55mL、最も好ましくは水溶性成分量が0.6~1.5%、膨潤度が20~50mLである。水溶性成分量を0.1%以上とすることで、吸水性が高くなりパン生地物性が緩くならず、ハンドリングが良くなる。水溶性成分量が5%以下であると、吸水性が低くなってパン生地がべとつかなくなりハンドリングが良くなる。また、膨潤度が10mL以上であると、澱粉粒子の加熱による膨らみが適度に大きくなり焼成後のパンがパサつかなくなる。膨潤度が60mL以下であると、澱粉粒子が加熱により崩壊することもなく、焼成後のパンが硬くなりすぎることもない。
水溶性成分量は以下のように測定する。5.0gの澱粉(乾燥試料重量)を蒸留水95ml中に分散させ、常温にて10分間攪拌する。その後、2,000gで10分間遠心分離した上清をアルミカップ中に30g秤量し(分散液重量)、105℃で16時間蒸発乾固する。放冷後に重量を測定し(蒸発乾固重量)、下式により水溶性成分を求める。

Figure 0007274240000001

膨潤度は以下のように測定する。蒸留水70gを500mL容ステンレスビーカーに入れ、80℃の恒温槽中で加温する。そこに3gの澱粉を入れ、200rpmで攪拌しながら10分間加熱する。その後、100mLメスシリンダーに移して蒸留水で100mLにメスアップし、室温で16時間静置した際の沈降容積を膨潤度とする。
本発明のパン製造用原料組成物は、パン製造用原料組成物に含まれる小麦粉の1~50質量%を湿熱処理澱粉に置換することによって、外観、風味、食感が良好なパンを、パン生地物性が変化することによる付着等の作業性の低下を気にすることなく製造することができる。ここで小麦粉とはパンの製造で一般的に使用される強力粉を指し、強力粉の蛋白含量は11.5~12.5質量%程度である(参考、光琳「製パン材料の科学」、1992年、p.6)。パン製造用原料組成物に含まれる小麦粉の上記湿熱処理澱粉への置換割合は1~50質量%の範囲内で適宜調整することが可能であるが、特に置換割合を40~50質量%とすることにより、パン製造用原料組成物中の蛋白含量を6.2~7.5質量%程度とすることができ、小麦粉の40~50質量%を上記湿熱処理澱粉に置換したパン製造用原料組成物を用いることによって重症度の高い腎臓病患者用の低蛋白パンを製造することが可能となる。
本発明のパン製造用原料組成物は、小麦粉を置換した湿熱処理澱粉に加えて、さらに他の澱粉を含んでもよい。追加で加えることのできる澱粉として、例えばコーンスターチ、ワキシーコーンスターチ、ハイアミロースコーンスターチ、馬鈴薯澱粉、ワキシー馬鈴薯澱粉、タピオカ、ワキシータピオカ、小麦澱粉、米澱粉、もち米澱粉、サゴ澱粉、甘藷澱粉、えんどう豆澱粉、緑豆澱粉、及びこれらの加工澱粉、具体的にはアルファー化、部分アルファー化、アセチル化、エーテル化、架橋化、酸化、酸処理、酵素処理したものが挙げられる。これらは、単独であっても、複数のものの組合せでも良い。追加で加えることのできる澱粉の添加量は、小麦粉を置換した湿熱処理澱粉の量の10質量%以下、好ましくは7質量%以下、さらに好ましくは5質量%以下、最も好ましくは3質量%以下である。添加量が10質量%以下とすることでパン生地物性が変化して付着による作業性が低下することもない。
パン生地に添加される食塩の効果の一つに、ミキシング特性、伸展性への影響がある。食塩はパン生地の粘着性を減少させ、パン生地を引き締める作用を持ち、さらには生地の抗張力・伸展性を共に増加させる(参考、光琳「製パン材料の科学」p.183-184)。本発明の小麦粉の一部を蛋白含量1質量%未満の湿熱処理澱粉に置き換えたパン製造用原料組成物を用いることにより、パン生地中に食塩を添加しなくても、粘着性が抑制され、生地の抗張力・伸展性を保つことができる。本発明のパン製造用原料組成物は、食塩無添加の条件下でもパン生地物性を実質的に変化させない。
パン生地への食塩の添加量は、一般的には小麦粉(強力粉)に対して1~2質量%であるが、一方で本発明のパン製造用原料組成物に対しては、パン製造用原料組成物全量の0~2質量%の間で食塩添加量を適宜調整することができる。
本発明は、パン製造用原料組成物から得られるパン焼成用生地の製造方法も開示する。具体的には、上記パン製造用原料組成物に水を添加し混錬する工程を含むものであり、一般的におこなわれている中種法、直捏法、湯種法などいずれの方法も採用することができ、本製造方法に於いてパン製造用原料組成物に対して、食塩、イースト、イーストフード、砂糖、油脂類など、パンの膨らみや味、食味を良くするために必要な材料を適宜配合することができる。さらに、冷凍生地とする場合にはアスコルビン酸のような抗酸化剤、グルコアミラーゼのような酵素を配合することもできる。
さらに本発明は、上記パン生地を焼成する工程を含む、パンの製造方法を開示する。上記パン生地は、常法に従って発酵、分割、丸め、ねかし、成型、型詰めされた後、焼成される。焼成条件は通常の方法と変わらず、例えば角型食パンであれば200~210℃、30分間程度として焼き上がりを見て微調整する。
上記パンを具体的に例示すると、角型、山型などの食パン類、バゲット、ブール、パリジャンなどのフランスパン、菓子パン、バンズ、テーブルロールなどの各種ロール類の他、ピザクラスト、イーストドーナツ、中華まんなどが挙げられる。
以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明は、これにより何ら限定されるものではない。
以下の実施例/比較例において、物性/特性の評価は下記の方法で行った。
(1)澱粉中の蛋白含量の測定
食品表示基準の公定法(令和3年9月15日消食表第389号 別添 栄養成分等の分析方法等)に記載のケルダール法により測定した。なお、換算係数としてコーンスターチは6.25、小麦粉は5.70を使用した。
(2)水溶性成分量及び膨潤度の測定
水溶性成分量は以下のように測定した。
5.0 gの澱粉(乾燥試料重量)を蒸留水95ml中に分散させ、常温にて10分間攪拌した。その後、2,000gで10分間遠心分離した上清をアルミカップ中に30g秤量し(分散液重量)、105℃で16時間蒸発乾固した。放冷後に重量を測定し(蒸発乾固重量)、下式により水溶性成分を求めた。

Figure 0007274240000002


(3)最大トルク値の測定
本発明において、パン生地物性を実質的に変化させないとは、以下の判断基準を採用した。
Chopin Tchnologies社製Mixolab2を使用し、まず、小麦粉(強力粉)の最適加水量を、測定条件ChopinS(粉+水の全重量70g、混練速度80rpm、混練温度30℃、混練時間30分)にて最大トルク値が1.1Nmとなる時の加水量として決定した。続いて、小麦粉の一部を澱粉に置き換えて、小麦粉の最適加水量と同加水量にて測定条件ChopinS(粉+水の全重量70g、混練速度80rpm、混練温度30℃、混練時間30分)で最大トルク値を測定した。得られた最大トルク値が0.92Nm以上となる場合に、パン生地物性を実質的に変化させないと判断した。
特開平4-130102号に開示された減圧・加圧加熱法により作製された湿熱処理澱粉である、デリカスターHM-131(実施例1)、デリカスターH-100(実施例2)、デリカスターH-200(実施例3)(いずれも三和澱粉工業株式会社製)について蛋白含量、水溶性成分量及び膨潤度を測定した。結果を表1に示す。なお、これらの湿熱処理澱粉は、いずれも三和澱粉工業株式会社製コーンスターチYを湿熱処理したものである。コーンスターチY(比較例1)についても蛋白含量、水溶性成分量及び膨潤度を測定した。結果を表1に示す。

Figure 0007274240000003
(実施例4、参照例)
日清製粉株式会社製ミリオン(強力粉) 100質量%に対し、その20質量%、30質量%、40質量%、50質量%をデリカスターHM-131で置換して100質量%とした、当該小麦粉と湿熱処理澱粉からなるパン製造用原料組成物(実施例4)のMixolab2測定での最大トルク値の結果を表2に示す。参照例の日清製粉株式会社製ミリオン(強力粉)(蛋白含量12.2質量%)の最大トルク値が1.1Nmとなる時の加水量(最適加水量)は63%であったため、当該加水量において澱粉置換割合を変えて測定を行った。
(実施例5~6、比較例2)
実施例4におけるデリカスターHM-131を、それぞれデリカスターH-100(実施例5)、デリカスターH-200(実施例6)、湿熱処理を行っていないコーンスターチY(比較例2)とする以外は実施例4と同様に行ってMixolab2を用いて最大トルク値を測定した。結果を表2に示す。
(比較例3)
日清製粉株式会社製フラワー(薄力粉)(蛋白含量9.2質量%)(比較例3)についても63%の加水量における最大トルク値を測定した。結果を表2に示す。
Figure 0007274240000004

デリカスターHM-131、H-100、H-200の湿熱処理澱粉を用いた場合は、いずれの置換割合でも最大トルク値が0.92Nm以上であり、生地物性が実質的に変化しないと判断できた。一方で、コーンスターチYではいずれの置換割合でも0.92Nmより低い値となり、生地物性の変化が大きかった。さらに、強力粉より蛋白含量の低い薄力粉では大幅に最大トルク値が低下した。湿熱処理澱粉は、生地中の蛋白含量を下げながらも生地物性を変化させない点で、有効であることが確認できた。
一例として、澱粉置換割合が40%の実施例4~6、比較例2~3、及び参照例のトルク値の測定チャートを図1に示す。
(製パン試験:実施例7~17、対照例、比較例4~7)
対照例の配合に対して、強力粉を表3-1、3-2に示す割合で湿熱処理澱粉又はコーンスターチに置き換えたパン製造用原料組成物を調製し、さらに表3-1、3-2に示す他の成分を添加してパン焼成用生地を調製し、それらのパン焼成用生地を用いて食パンを作製した。
製パンは、ホームベーカリ―(Panasonic社製SD-SB4)を用いて、オートメニュー5「早焼き食パン」にて行った。「早焼き食パン」の工程は、ミキシング17分→ねかし9分→ミキシング17分→発酵47分→焼成25分である。

Figure 0007274240000005

Figure 0007274240000006
焼成したパンについて、膨らみ及び食感(食べ応え、舌触り、ふんわり感、粉っぽさ)の評価を行った。
(膨らみの評価)
膨らみは対照例と同等で内層が均一でキメが細かいものが良く、対照例より膨らみが大きいと内層が不均一でキメが粗くなって好ましくない。また対照例より膨らみが小さい場合にも内層が不均一で詰まっており好ましくない。
評価の精度を高めるために、膨らみの指標として焼成したパンの高さについても評価した。一度に全ての配合で焼成するのは難しいため、対照例と常に比較しながら評価した。高さについても対照例を100とした時の相対値を示した。
結果を表4に示す。
(食感の評価)
食感はよく訓練されたパネリスト6名によって評価した。
官能評価におけるパネリストのバイアス(偏り)を排除し、評価の精度を高めるために、サンプルは、焼成1日後のパンをスライサーで1.9cmにスライスし、クラスト(皮)を除き、クラム(内層)部分を一口大にカットし、これを官能評価に供した。その際、評価対象のサンプルの配合組成はパネルに知らせずに提示した。また、評価を実施するにあたり、パネリスト全員で討議し、各評価項目の特性に対してすり合わせを行って、各パネルが共通認識を持つようにした。
各項目について、以下に示す指標を基に評価を行った。

食べ応え :評点5 対照例と同等のボリューム感を感じる
評点1 食べ応え無くスカスカしている
舌触り :評点5 対照例と同程度に滑らかである
評点1 ザラツキあり
ふんわり感:評点5 対照例と同程度にふんわりソフトである
評点1 スカスカしている
粉っぽさ :評点5 対照例と同程度に粉っぽさを感じずしっとりしている
評点1 粉っぽい

6名の結果を平均し、平均値について以下に示す指標で区分分けした。
◎(優):4点以上
○(良):3点以上 4点未満
△(可):2点以上 3点未満
×(不可):2点未満
結果を表4に示す。
Figure 0007274240000007

Figure 0007274240000008
強力粉の30質量%を湿熱処理澱粉で置換した実施例7、8(パン製造用原料組成物の蛋白含量8.6%)では、生地物性が変化しないため、強力粉のみ配合した対照例と同等の膨らみとなった。食感は実施例7、8ではやや粉っぽいものの、しっかりした好ましい食感であった。
強力粉の1質量%を湿熱処理澱粉で置換した実施例11、12(パン製造用原料組成物の蛋白含量12.1%)では、強力粉のみ配合した対照例と同等の膨らみとなった。食感は実施例11、12では対照例と同様にしっかりした好ましい食感であった。
強力粉の40質量%を湿熱処理澱粉で置換した実施例13、14(パン製造用原料組成物の蛋白含量7.4%)では、生地物性が変化しないため、強力粉のみ配合した対照例と同等の膨らみとなった。食感は実施例13、14ではやや粉っぽく、実施例14では舌ざわり、ふんわり感にやや劣るものの、しっかりした好ましい食感であった。
強力粉の50質量%を湿熱処理澱粉で置換した実施例15、16(パン製造用原料組成物の蛋白含量6.2%)では、生地物性が変化しないため、強力粉のみ配合した対照例と同等の膨らみとなった。食感は実施例15、16ではやや粉っぽく、実施例16では舌ざわり、ふんわり感にやや劣るものの、しっかりした好ましい食感であった。
一方で、薄力粉を使用した比較例4は、生地物性が弱いため、強力粉の場合と比較して膨らみが大きくなった。食感は見た目のボリューム感に反して、ザラザラしてボロボロ崩れて好ましくない食感だった。
さらに、強力粉での配合(対照例)について、食塩を無くした比較例5について評価したところ、膨らみが大きくなった。これは、食塩が無いことによって生地の抗張力・伸展性が劣るためと考えられる。食感は、好ましい甘みを感じたものの、キメが粗くスカスカとしており食べ応えが悪く好ましい食感ではなかった。
同様に、湿熱処理澱粉を置換配合した上で、食塩を無くした実施例9、10、17についても評価を実施した。比較例5とは違い、食塩を添加した場合の実施例7、8、16とそれぞれ同等の膨らみ(高さ)を示した。湿熱処理澱粉の生地物性を変化させない効果は食塩を無くした配合でも同様に発揮され、焼成後の膨らみ度合いも変えなかったと思われる。食感についても変化は見られないか、むしろ向上した。
コーンスターチで強力粉の40質量%を置換配合した上で、食塩有りとした比較例6、食塩無しとした比較例7(パン製造用原料組成物の蛋白含量7.4%)について評価を実施した。比較例6は生地物性が弱いため、強力粉の場合と比較して膨らみが極端に小さくなった。さらに食感も硬くボロボロと崩れて好ましくなかった。比較例7は、コーンスターチを置換配合したことによる膨らみ低下と、食塩を無くしたことによる膨らみ向上が相殺されるためか、対照例と同等の膨らみとなった。しかしながら、内層はキメが粗く、食感も粉っぽくザラザラとして硬くて好ましくないものであった。
本発明によれば食感、外観、風味に優れる腎臓病患者用の低蛋白パン製造用原料組成物が提供される。

Claims (7)

  1. 小麦粉の一部を、水溶性成分量が0.1~5%かつ膨潤度が10~60mLである湿熱処理澱粉からなる澱粉に置換したパン製造用原料組成物であって、該パン製造用原料組成物はパン生地物性を実質的に変化させ該小麦粉は非熱処理デュラム粉砕物及び乾熱処理小麦粉を含まない、上記パン製造用原料組成物。
  2. 前記湿熱処理澱粉の蛋白含量が1質量%未満である、請求項1に記載のパン製造用原料組成物。
  3. 前記湿熱処理澱粉の前記小麦粉に対する置換割合が前記小麦粉の1~50質量%である、請求項1又は2に記載のパン製造用原料組成物。
  4. 食塩を添加しない条件下でもパン生地物性を実質的に変化させない、請求項1又は2に記載のパン製造用原料組成物。
  5. 前記湿熱処理澱粉がコーンスターチを原料とする、請求項に記載のパン製造用原料組成物。
  6. 請求項1又は2に記載のパン製造用原料組成物に水を添加し混錬する工程を含む、パン焼成用生地の製造方法。
  7. 請求項に記載のパン焼成用生地を焼成する工程を含む、パンの製造方法。
JP2022172740A 2022-10-27 2022-10-27 低蛋白パン製造用原料組成物及びパンの製造方法 Active JP7274240B1 (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2022172740A JP7274240B1 (ja) 2022-10-27 2022-10-27 低蛋白パン製造用原料組成物及びパンの製造方法
PCT/JP2023/030646 WO2024090000A1 (ja) 2022-10-27 2023-08-25 パン製造用原料組成物及びパンの製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2022172740A JP7274240B1 (ja) 2022-10-27 2022-10-27 低蛋白パン製造用原料組成物及びパンの製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP7274240B1 true JP7274240B1 (ja) 2023-05-16
JP2024064274A JP2024064274A (ja) 2024-05-14

Family

ID=86327294

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2022172740A Active JP7274240B1 (ja) 2022-10-27 2022-10-27 低蛋白パン製造用原料組成物及びパンの製造方法

Country Status (2)

Country Link
JP (1) JP7274240B1 (ja)
WO (1) WO2024090000A1 (ja)

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008099629A (ja) * 2006-10-20 2008-05-01 Matsutani Chem Ind Ltd ベーカリー食品用小麦粉代替物及びベーカリー食品
JP2021158983A (ja) * 2020-03-31 2021-10-11 日清製粉株式会社 焼成済み冷凍パン類の製造方法

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008099629A (ja) * 2006-10-20 2008-05-01 Matsutani Chem Ind Ltd ベーカリー食品用小麦粉代替物及びベーカリー食品
JP2021158983A (ja) * 2020-03-31 2021-10-11 日清製粉株式会社 焼成済み冷凍パン類の製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
WO2024090000A1 (ja) 2024-05-02
JP2024064274A (ja) 2024-05-14

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6147688B2 (ja) ベーカリー製品及びその製造方法
JP4682117B2 (ja) ベーカリー食品用小麦粉代替物及びベーカリー食品
JPH08504583A (ja) 耐性澱粉を含む食品組成物
JP4034827B2 (ja) フライドフードにおける脂肪吸収防止剤としてのポリデキストロース
WO2006006579A1 (ja) 澱粉性食品素材若しくは澱粉性食品
JP6312190B2 (ja) 低蛋白パン及びその製造方法
JP7099819B2 (ja) ベーカリー食品用ミックス
JP4995769B2 (ja) 食感の優れたベーカリー製品及びその製造法
WO2016046867A1 (ja) スライス適性に優れたベーカリー製品及びその製造方法
JP6712536B2 (ja) 小麦粉含有生地の製造方法
US8529980B2 (en) Cereal flour composition containing wheat flour from sweet wheat and food product using the same
CN111465324A (zh) 烘焙产品样低蛋白食品制造用面团、预混料、含有其的烘焙产品样低蛋白食品及其制造方法
JP7274240B1 (ja) 低蛋白パン製造用原料組成物及びパンの製造方法
JP2009095316A (ja) 食物繊維強化剤及び食品
JP7019136B1 (ja) 生地食品の製造方法及び生地食品のざらつきの低下方法
JP4255034B1 (ja) 米粉含有パン及びその製造方法
JP2023112949A (ja) 糖質食品用組成物、糖質食品、および糖質食品の作製方法
JP2002345394A (ja) ベーカリーの製造法
WO2022097313A1 (ja) 生地食品の製造方法及び生地食品のざらつきの低下方法
WO2021153391A1 (ja) ベーカリー食品用生地の製造方法
JPH09191819A (ja) パン類用穀粉及びパン類
JP7461178B2 (ja) 麺類用品質改良剤
MX2007000423A (es) Producto de pan bajo en carbohidratos.
JPH11289966A (ja) 低塩低タンパクパン用組成物及びそれを用いたパンの製造方法
JP2000333631A (ja) 春巻きの皮の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20221027

A871 Explanation of circumstances concerning accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A871

Effective date: 20221027

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20230119

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20230302

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20230419

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20230424

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7274240

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150