JP7274031B1 - 二酸化炭素利用システム、炭酸カルシウムの製造装置及び製造方法 - Google Patents

二酸化炭素利用システム、炭酸カルシウムの製造装置及び製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】排気ガスに含まれる二酸化炭素を利用しつつ、通常廃棄物として廃棄される生コンクリートスラッジの廃棄量を低減し、かつ炭酸カルシウムの効率的な再利用を可能とすることである。【解決手段】二酸化炭素を含む排気ガスが通過する煙道、前記煙道に生コンクリートスラッジ水を供給する噴霧ノズル、及び前記排気ガスに含まれる、前記二酸化炭素と、前記生コンクリートスラッジ水との反応により生成する炭酸カルシウムを含む反応物を回収する集塵装置、を備える二酸化炭素利用システムである。【選択図】なし

Description

本開示は、二酸化炭素利用システム、炭酸カルシウムの製造装置及び製造方法に関する。
近年、地球温暖化への関心が高まり、大気中への二酸化炭素の放出量の削減が求められている。発電所、焼却炉、セメント工場、製鉄所、工場設備等の各種設備において、操業により発生する二酸化炭素を含む排ガスを大気の放出量を低減し、回収することが検討されている。とりわけ、セメント工場における二酸化炭素の放出量の削減は、喫緊の課題として捉えられている。
例えば特許文献1には、スラッジ水を処理する方法として、スラッジ水に二酸化炭素を吹き込んで、スラッジ水中の水和生成物と反応処理して炭酸カルシウムを生成させて、スラッジ水を回収する方法が提案されている。そして、二酸化炭素として、工業品としての二酸化炭素、空気、セメントクリンカの焼成時に生成する二酸化炭素等を含む排ガスを用い得ること、二酸化炭素等の大気中への放出抑制と有効活用の点で好ましいことが開示されている。
また、特許文献2には、排気ガスに含まれる炭酸ガスを原料として炭酸塩を製造する方法として、苛性ソーダ水溶液等のアルカリ水溶液をミストとし、排気ガスの炭酸ガスをミストに吸収して、苛性ソーダと炭酸ガスとの反応により生成する炭酸塩(炭酸ナトリウム)を含むミストとし、これを排気ガスから分離する方法が開示されている。さらに、炭酸ナトリウムと水酸化カルシウムとを反応させて、炭酸カルシウムとする方法も開示されている。このように、例えば排気ガスに含まれる二酸化炭素(炭酸ガス)を回収し得る方法に関する種々の研究が進められている状況にある。
特開2020-163821号公報 国際公開公報2022-014554号パンフレット
本発明は、このような実情に鑑みてなされたものであり、排気ガスに含まれる二酸化炭素を利用しつつ、通常廃棄物として廃棄される生コンクリートスラッジの廃棄量を低減し、かつ炭酸カルシウムの効率的な再利用を可能とする、二酸化炭素利用システム、また炭酸カルシウムの製造装置及び製造方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明は、以下の二酸化炭素利用システムを提供する。
1.二酸化炭素を含む排気ガスが通過する煙道、
前記煙道に生コンクリートスラッジ水を供給する噴霧ノズル、及び
前記排気ガスに含まれる、前記二酸化炭素と、前記生コンクリートスラッジ水との反応により生成する炭酸カルシウムを含む反応物を回収する集塵装置、
を備える二酸化炭素利用システム。
さらに本発明は、以下の二酸化炭素利用システムを、好ましい実施態様として提供する。
2.前記排気ガスの温度が、50℃以上250℃以下である上記1に記載の二酸化炭素利用システム。
3.前記集塵装置が、バグフィルターである上記1又は2に記載の二酸化炭素利用システム。
4.前記生コンクリートスラッジ水の、排気ガス1m/hに対する供給量が、5kg/h以上600kg/h以下である上記1~3のいずれか1に記載の二酸化炭素利用システム。
5.前記生コンクリートスラッジ水が、生コンクリートスラッジから固形分を除去したものである上記1~4のいずれか1に記載の二酸化炭素利用システム。
6.前記固形分と、水とを混合した混合物から固形分を除去したものを、生コンクリートスラッジ水として用いる上記5に記載の二酸化炭素利用システム。
本発明は、以下の炭酸カルシウムの製造装置を提供する。
7.二酸化炭素を含む排気ガスが通過する煙道、
前記煙道に生コンクリートスラッジ水を供給する噴霧ノズル、及び
前記排気ガスに含まれる、前記二酸化炭素と、前記生コンクリートスラッジ水との反応により生成する炭酸カルシウムを含む反応物を回収する集塵装置、
を備える炭酸カルシウムの製造装置。
また、本発明は、以下の炭酸カルシウムの製造方法を提供する。
8.煙道を通過する二酸化炭素を含む排気ガスと、
前記煙道に噴霧ノズルにより供給される生コンクリートスラッジ水と、を接触させて、
前記排気ガスに含まれる、前記二酸化炭素と、前記生コンクリートスラッジ水との反応により生成する炭酸カルシウムを含む反応物を集塵装置で回収する、
炭酸カルシウムの製造方法。
本発明によれば、排気ガスに含まれる二酸化炭素を利用しつつ、通常廃棄物として廃棄される生コンクリートスラッジの廃棄量を低減し、かつ炭酸カルシウムの効率的な再利用を可能とすることができる。
本実施形態の二酸化炭素利用システムの好ましい一例を示すフロー図である。
以下、本発明の実施形態(以下、「本実施形態」と称することがある。)について説明する。本発明は、以下の実施形態に限定されることはなく、発明の効果を阻害しない範囲において任意に変更して実施し得るものである。なお、本明細書中の「AA~BB」との数値範囲の表記は、「AA以上BB以下」であることを意味する。また、本明細書中において、数値範囲の記載に関する「以上」、「以下」及び「~」に係る数値は任意に組み合わせできる数値である。例えば、とある数値範囲について「CC~DD」及び「EE~FF」と記載されている場合、「CC~FF」、「EE~DD」といった数値範囲も含まれる。
[二酸化炭素利用システム]
本実施形態の二酸化炭素利用システムは、
二酸化炭素を含む排気ガスが通過する煙道、
前記煙道に生コンクリートスラッジ水を供給する噴霧ノズル、及び
前記排気ガスに含まれる、前記二酸化炭素と、前記生コンクリートスラッジ水との反応により生成する炭酸カルシウムを含む反応物を回収する集塵装置、
を備える、というものである。
既述のように、排気ガスに含まれる二酸化炭素(炭酸ガス)を利用し得る方法についての種々の研究が進められており、例えば上記特許文献1及び2に記載される方法等が開示されている。
しかし、特許文献1の方法は、あくまでスラッジ水から水和生成物等を除去して、スラッジ水をコンクリートの混練水に再利用することに主眼がおかれており、炭酸カルシウムの製造に着目するものではない。そのため、炭酸カルシウムを再利用するには別途乾燥を行う必要があり、炭酸カルシウムを利用することに着目した場合、効率的な方法であるとはいえない。
また、特許文献2の方法については、苛性ソーダ水溶液等のアルカリ水溶液を用いる必要があること、また炭酸カルシウムを得るには、水酸化カルシウムを使用する必要があること等から、廃棄物の再利用、炭酸カルシウムの効率的な再利用といった視点に欠けるものである。
このように、特許文献1及び2には、排気ガスに含まれる二酸化炭素(炭酸ガス)を利用することについての記載はあるものの、これらの特許文献に記載される方法では、二酸化炭素(炭酸ガス)を利用することで、通常廃棄物として廃棄される生コンクリートスラッジの廃棄量を低減すること、さらに炭酸カルシウムの効率的な再利用を図ることは困難である。
本実施形態の二酸化炭素利用システムは、二酸化炭素を含む排気ガス中に、生コンクリートスラッジ水を供給して接触させることで、二酸化炭素と生コンクリートスラッジ水との反応が生じる。これにより、排気ガスに含まれる二酸化炭素を利用しつつ、通常廃棄物として廃棄される生コンクリートスラッジの廃棄量を低減することができる。
また、本実施形態のシステムにおいては、生コンクリートスラッジ水を、噴霧ノズルを介して、排気ガス中に噴霧して供給する。これにより、生コンクリートスラッジ水と排気ガス中の二酸化炭素とが接触しやすくなり、生コンクリートスラッジ水中に二酸化炭素を効率的に取り込むことができ、生コンクリートスラッジ水に含まれる水酸化カルシウム等のカルシウム分と二酸化炭素とが反応しやすくなるため、炭酸カルシウムを含む反応物の生成が促進する。また、排気ガスの熱により生コンクリートスラッジ水に含まれる水は水蒸気となり、そのまま大気に放出されることとなり、炭酸カルシウムは排気ガスの熱により乾燥した状態で集塵装置において回収されるため、炭酸カルシウムを効率的に製造し、かつ再利用を効率的に行うことが可能となる。
かくして、本実施形態の二酸化炭素利用システムは、排気ガスに含まれる二酸化炭素を利用しつつ、通常廃棄物として廃棄される生コンクリートスラッジの廃棄量を低減し、かつ炭酸カルシウムの効率的な再利用を可能とするものとなる。
以下、図1を用いながら、本実施形態の二酸化炭素利用システム(以下、単に「システム」と称することがある。)について説明する。図1は、本実施形態の二酸化炭素利用システムの好ましい一例を示すものである。
図1には、本実施形態の二酸化炭素利用システムが、排気ガスが通過する煙道、生コンクリートスラッジ水を煙道に供給する噴霧ノズル、及び炭酸カルシウムを含む反応物を回収する集塵装置を備えることが示されている。また、図1に示されるシステムは、生コンクリートスラッジ水を貯蔵するスラッジ水貯蔵タンク、及び集塵装置で反応物を回収した排気ガスを大気に排気する誘引送風機及び煙突を備えることも示されている。
〔二酸化炭素を含む排気ガスが通過する煙道〕
(煙道)
本実施形態の二酸化炭素利用システムは、二酸化炭素を含む排気ガスが通過する煙道を備える。煙道は、通常は発電所、セメント工場、プレキャストコンクリート(PCa)製品工場、アスファルト工場、製鉄所、焼却炉、その他工場設備、これら各種設備に備えられるボイラー等から排出される排気ガスを煙突までに導くための配管、ダクトのことを意味するものである。
本実施形態のシステムにおいて、煙道は、二酸化炭素を含む排気ガスを通過させ得るものであれば特に制限はなく、新設したものであってもよいし、また設備費用の低減を考慮すると、発電所、セメント工場、プレキャストコンクリート(PCa)製品工場、アスファルト工場、製鉄所、焼却炉、その他工場設備、これら各種設備に備えられるボイラー等から排出される排気ガスを排気させるために設置される既設の煙道であってもよい。本実施形態のシステムが生コンクリートスラッジ水を用いることを考慮すると、煙道としては、プレキャストコンクリート(PCa)製品工場において排気ガスを排気させるために設置される既設の煙道を用いることが好ましい。よって、本実施形態のシステムは、プレキャストコンクリート(PCa)製品工場に組み込まれる形で存在することが好ましい。
(排気ガス)
二酸化炭素を含む排気ガスとしては、既述のように各種工場設備から排出される排気ガス(「燃焼排ガス」とも称される。)が代表的に挙げられる。これらの排気ガスに含まれる二酸化炭素の濃度としては、例えば発電所からの燃焼排ガスであれば通常8~15体積%、プレキャストコンクリート(PCa)製品工場、アスファルト工場、焼却炉の燃焼排ガスであれば通常1~30体積%、セメント工場からの燃焼排ガスであれば通常15~30体積%、また製鉄所からの排ガスであれば通常20~30体積%である。本実施形態のシステムにおいては、いずれの燃焼排ガスを用いることが可能である。
上記の中でも、生コンクリートスラッジ水を使用することを考慮すると、プレキャストコンクリート(PCa)製品工場における焼成工程で排出する燃焼排ガスが好ましい。
排気ガスの温度条件については、どこの排気ガスを用いるかに応じてかわり得るため一概にはいえないが、生コンクリートスラッジ水が供給される箇所における温度として、50℃以上250℃以下であるとよい。炭酸カルシウムを含む反応物が生成した生コンクリートスラッジ水から水を除去し、炭酸カルシウムを乾燥した状態で集塵装置において回収させ、炭酸カルシウムの再利用をより効率的に行うため、好ましくは75℃以上、より好ましくは100℃以上、更に好ましくは110℃以上であり、上限としては250℃以下であるとよい。なお、噴霧ノズルが複数設けられている場合、上記排気ガスの温度条件は、コンクリートスラッジ水と排気ガスとが最初に接触する箇所、すなわち煙道の排気ガスの流れ方向で最も上流に設けられる噴霧ノズルの箇所における温度である。
本実施形態のシステムにおいて、図1に示されるように煙道に噴霧ノズルが取り付けられ、煙道を通過する排気ガスに含まれる二酸化炭素と、噴霧ノズルから噴霧される生コンクリートスラッジ水との接触により、炭酸カルシウムを含む反応物が生成する。そして、生成した炭酸カルシウムを含む反応物は、排気ガスとともに煙道内を通過し、乾燥した状態で集塵装置にて回収される。
〔生コンクリートスラッジ水を供給する噴霧ノズル〕
(生コンクリートスラッジ水)
生コンクリート工場では、注文量に対して多めに生産して出荷されなかった残コン、供給先で使用されずに返品される戻りコン及びこれらの溶解処理物;ミキサー車等の設備洗浄により発生する洗浄排水;等のセメントを含む生コンクリートスラッジが発生する。本実施形態のシステムでは、このように生コンクリート工場で発生する生コンクリートスラッジを、生コンクリートスラッジ水として使用することができる。
生コンクリートスラッジには、通常水、水に溶解する水酸化カルシウム等のカルシウム分、またスラッジの固形分(主に水和生成物、骨材微粒子等を含む。)等が含まれる。そして、生コンクリートスラッジから固形分を除去し、水酸化カルシウム等を含む上澄み水と、スラッジの固形分(主に水和生成物、骨材微粒子等を含む)を含むスラッジ水とに分けられることがある。この場合は、上澄み水、スラッジ水のいずれも、生コンクリートスラッジ水として用いることができる。
本実施形態のシステムにおいて用いられる生コンクリートスラッジ水が上記上澄み水、スラッジ水のいずれの場合であっても、噴霧ノズルの閉塞を抑制し、より長期的に安定したシステムの稼働を行うことを考慮すると、生コンクリートスラッジ水中の固形分濃度は、好ましくは20質量%以下、より好ましくは10質量%以下、更に好ましくは5質量%以下、より更に好ましくは1質量%以下である。
生コンクリートスラッジ水には、既述のようにカルシウム分として水酸化カルシウムが溶解して存在するが、水酸化カルシウムは溶解度が低いことから固形分としても存在する。また、カルシウム分としては、炭酸カルシウム等も含まれており、主に固形分として存在する。このように、本実施形態のシステムにおいて用いられる生コンクリートスラッジ水には、固形分として、水酸化カルシウム、炭酸カルシウム等のカルシウム分、また既述のようにスラッジの固形分(主に水和生成物、骨材微粒子等を含む。)等が含まれる。そして、本実施形態のシステムにおいて、生コンクリートスラッジ水に含まれるこれらの固形分、また生コンクリートスラッジ水の排気ガスへの噴霧により急速に生成された炭酸カルシウムが、微小な粒子として存在し、これらが結晶の成長核となることで、炭酸カルシウムの生成が促進する。
よって、本実施形態のシステムにおいて、生コンクリートスラッジ水に含まれる固形分は、噴霧ノズルの閉塞の抑制、より長期的に安定したシステムの稼働を行うためには、既述のように少ない方が好ましい。他方、結晶の成長核として機能させて、炭酸カルシウムの生成を促進させる観点から、生コンクリートスラッジ水中の固形分濃度は、好ましくは0.001質量%以上、より好ましくは0.0015質量%以上、更に好ましくは0.002質量%以上である。
また、これと同様の観点から、生コンクリートスラッジ水中の固形分の粒子径は、好ましくは1000μm以下、より好ましくは100μm以下、更に好ましくは10μm以下、より更に好ましくは1μm以下、特に好ましくは0.1μm以下である。
本実施形態のシステムにおいて用いられる生コンクリートスラッジ水が上記の上澄み水である場合、生コンクリートスラッジ水に含まれるカルシウム分の濃度は、通常100mg/L以上であり、好ましくは250mg/L以上、より好ましくは500mg/L以上であり、更に好ましくは800mg/L以上である。上限としては高ければ高いほど好ましく、特に制限はないが、通常1500mg/L以下である。
また、生コンクリートスラッジ水が上記のスラッジ水である場合、生コンクリートスラッジ水に含まれるカルシウム分の濃度は、通常1000mg/L以上であり、好ましくは5000mg/L以上、より好ましくは10000mg/L以上であり、更に好ましくは30000mg/L以上である。上限としては高ければ高いほど好ましく、特に制限はないが、通常150000mg/L以下である。
また、生コンクリートスラッジ水としては、生コンクリートスラッジから得られる上記固形分と、水とを混合した混合物から、当該固形分を除去したものを用いることもできる。上記固形分には、水酸化カルシウム等のカルシウム分、また固形分に主に含まれる水和生成物には、水酸化カルシウム、カルシウムシリケート水和物等のカルシウム分が含まれている。そのため、上記混合物から固形分を除去したものにも、固形分から水に溶け出したカルシウム分が含まれており、生コンクリートスラッジからより多くのカルシウム分を炭酸カルシウムとすることが可能となる。
(噴霧ノズル)
噴霧ノズルは、生コンクリートスラッジ水を煙道に供給するために用いられるものである。生コンクリートスラッジ水は、噴霧ノズルにより煙道に噴霧されながら供給される、すなわち粒子状で煙道に供給されることとなる。そのため、既述のように生コンクリートスラッジ水と排気ガス中の二酸化炭素とが接触しやすくなり、生コンクリートスラッジ水中に効率的に二酸化炭素を取り込むことができ、カルシウム分と二酸化炭素との反応による炭酸カルシウムが生成しやすくなる。更には、水の蒸発も効率的に行われることにより乾燥工程を含むことなく、炭酸カルシウムを乾燥した状態で得ることが可能となる。
噴霧ノズルとしては、生コンクリートスラッジ水を噴霧できるノズルであれば特に制限なく、噴霧ノズルとして市販されるもの等を使用することが可能である。例えば、生コンクリートスラッジ水のみを噴霧する一流体ノズル、また必要に応じて空気等の気体とともに生コンクリートスラッジ水を噴霧する二流体ノズル等の多流体ノズルを用いることができる。更に必要に応じて、超音波を発生させることで噴霧粒子をより細かくさせる機構を有するノズル(「超音波噴霧ノズル」とも称される。)を用いることもできる。
噴霧ノズルの噴霧パターンとしては、特に制限なく採用でき、例えばフルコーン、ホローコーン(空円錐)、フラット(扇形)、ソリッド(直進)等が代表的に挙げられる。また、噴霧ノズルの噴霧角度についても、特に制限なく採用でき、好ましくは60°以上、より好ましくは90°以上であり、上限として好ましくは145°以下、より好ましくは140°以下である。
本実施形態のシステムにおいて、噴霧ノズルとしては、より良好な噴霧状態を確保し、排気ガス中の二酸化炭素と生コンクリートスラッジ水に含まれるカルシウム分との接触による反応を促進する観点から、噴霧角度が大きいホローコーン(空円錐)、フラット(扇形)の噴霧パターンを有する噴霧ノズルを用いることが好ましい。
噴霧ノズルにおける生コンクリートスラッジ水の噴霧口の孔径は、噴霧ノズルが有する噴霧口の数、生コンクリートスラッジ水の供給量等に応じてかわり得るため一概にはいえないが、より良好な噴霧状態を確保する観点から、好ましくは0.1mm以上、より好ましくは0.3mm以上、更に好ましくは0.5mm以上であり、上限として好ましくは5.0mm以下、より好ましくは4.0mm以下、より更に好ましくは3.0mm以下である。
本実施形態のシステムにおいて、噴霧ノズルの設置数は、噴霧ノズルの大きさ、噴霧ノズルが有する噴霧口の孔径及び数、並びに生コンクリートスラッジ水の供給量等に応じてかわり得るため一概にはいえないが、1以上であればよく、上限としては通常10以下、好ましくは8以下、より好ましくは5以下である。
噴霧ノズルは、生コンクリートスラッジ水を煙道に供給できれば、その設置箇所には特に制限はないが、図1に示されるように、煙道に直接設けられることが好ましい。この場合、噴霧ノズルの設置箇所は、煙道の垂直方向の断面が円形である場合、当該円形の上半分の半円周上(最上点を0°とした場合の±90°以内)に設けられていることが好ましく、より好ましくは±60°以内、更に好ましくは±30°以内、より更に好ましくは±15°以内であり、特に好ましくは最上点である。また、煙道が角型ダクトの場合も、上記円形配管(又はダクト)の場合に準ずるものとする。
噴霧ノズルを複数設ける場合、複数の噴霧ノズルは、上記同一断面の円形上に設けられていてもよいし、例えば上記最上点に排気ガスの流れる方向に向かって順々に設けられていてもよい。
噴霧ノズルより噴霧される、生コンクリートスラッジ水の噴霧粒子は、排気ガス中の二酸化炭素と生コンクリートスラッジ水に含まれるカルシウム分との接触による反応を促進する観点から、細かければ細かいほど好ましい。噴霧粒子の粒子径としては、好ましくは200μm以下、より好ましくは120μm以下、更に好ましくは80μm以下、より更に好ましくは50μm以下である。
生コンクリートスラッジ水の煙道への供給量は、煙道を通過する排気ガスの流量、煙道のサイズ等に応じてかわり得るため一概にはいえないが、排気ガス1m/hに対する供給量として、5kg/h以上600kg/h以下であるとよい。より効率的に炭酸カルシウムを含む反応物の生成を促進させる観点から、好ましくは10kg/h以上、より好ましくは20kg/h以上、更に好ましくは100kg/h以上であり、上限としては500kg/h以下であるとよい。なお、上記供給量は、噴霧ノズルが複数設けられている場合、全ての噴霧ノズルから供給される供給量である。
(スラッジ水貯蔵タンク)
生コンクリートスラッジ水は、本実施形態のシステムの稼働の安定性を考慮して、一度タンクに貯留してから、噴霧ノズルを介して煙道に供給することが好ましい。すなわち、本実施形態のシステムは、生コンクリートスラッジ水を貯蔵するスラッジ水貯蔵タンクを備えることが好ましい。
スラッジ水貯蔵タンクに、一時的に生コンクリートスラッジ水を貯蔵することで、必要量の変動に対応しやすくなるだけでなく、噴霧ノズルから一定量の噴霧がしやすくなるため、煙道における排気ガスと、生コンクリートスラッジ水との接触が安定することで、二酸化炭素とカルシウム分との反応による炭酸カルシウムの生成が安定するため、結果として効率的な炭酸カルシウムの再利用が可能となる。またシステムの稼働を停止した場合、次の稼働時まで生コンクリートスラッジ水を貯蔵しておくこともできるため、より早くシステムの稼働を行うことができる。
スラッジ水貯蔵タンクは、スラッジ水を貯蔵できれば特に制限なく採用可能であり、例えば地上貯蔵タンク、地下貯蔵タンク等のように地上、地下のいずれに設けられるものであってもよく、固定屋根式、浮き屋根式と称される各種屋根式貯蔵タンク、また横置円筒形、縦置円筒形のような横置、縦置の貯蔵タンク等から選択して用いればよい。
また、スラッジ水貯蔵タンクは、新設であってもよいし、既設のタンクを流用してもよい。
スラッジ水貯蔵タンクは、撹拌機を備えるものであることが好ましい。撹拌機を備えることで、生コンクリートスラッジ水には固形分が含まれる場合があるため、固形分の凝固を抑制することができる。
また、スラッジ水貯蔵タンクにはレベル計、当該レベル計によりスラッジ水貯蔵タンクに供給する生コンクリートスラッジ水の供給量を調節する調節弁等の各種計装品が備えられていてもよい。
(煙突)
本実施形態の二酸化炭素利用システムは、煙突を備えることが好ましい。煙突を備えることで、煙突効果による排気ガスの排出がより速やかに行われ、また仮に誘引送風機を設けた場合であっても、誘引送風機にかかる動力を低減することが可能となる。
煙突としては、排気ガスを大気に排気できる構造のものであれば特に制限なく採用可能であり、例えばシングル煙突、また断熱二重煙突、中空二重煙突等の二重煙突等を採用することができる。本実施形態のシステムにおいては、屋外に設けられる場合は排気ガスの温度の低下を抑制し、より安定した排気を可能とする観点から、二重煙突を採用することが好ましい。
本実施形態のシステム用に新設してもよいし、既述の煙道のように既設の煙突であってもよい。本実施形態のシステムが生コンクリートスラッジ水を用いることを考慮すると、煙突としては、生コンクリート工場において排気ガスを大気に排気させるために設置される既設の煙突を用いることが好ましい。
〔反応物を回収する集塵装置〕
本実施形態の二酸化炭素利用システムは、上記煙道において生成する炭酸カルシウムを含む反応物を回収する集塵装置を備える。既述のように、排気ガスは煙道において生成する炭酸カルシウムを同伴して集塵装置を通過することで、同伴した炭酸カルシウムが回収され、回収された炭酸カルシウムは再利用される。また、炭酸カルシウムが回収された後の排気ガスは、大気に放出される。
(集塵装置)
集塵装置としては、乾式電気集塵装置、湿式電気集塵装置等の電気集塵装置、またろ過集塵装置(バグフィルター)等の各種集塵装置を用いることが可能である。本実施形態のシステムにおいては、電気消費量を低減すること、また取扱いが容易であること等を考慮すると、ろ過集塵装置(バグフィルター)が好ましい。
ろ過集塵装置(バグフィルター)に用いられるフィルターとしては、特に制限なく用いることが可能であり、ポリプロピレン、ナイロン、アクリル、ポリエステル、木綿、羊毛、耐熱ナイロン、ガラス繊維、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)等の素材により構成されるフィルターが挙げられ、また静電フィルターのような機能付きフィルターを用いることもできる。
バグフィルターは、払い落し手段を有していてもよく、例えば脈動逆圧方式、パルスジェット方式による手段が好ましく挙げられ、中でもパルスジェット方式による手段が好ましい。
(炭酸カルシウムを含む反応物)
本実施形態の二酸化炭素利用システムにおいて、炭酸カルシウムを含む反応物が集塵装置において回収される。炭酸カルシウムを含む反応物には、排気ガスに含まれる二酸化炭素と、生コンクリートスラッジ水に含まれるカルシウム分との反応により生成する炭酸カルシウムが主に含まれる。
炭酸カルシウムを含む反応物に含まれる炭酸カルシウムの濃度は、通常90質量%以上であり、さらには92質量%以上、95質量%以上となる。このように、本実施形態のシステムにより得られる炭酸カルシウムを含む反応物は、炭酸カルシウムの濃度が極めて高いものとなる。
本実施形態のシステムにより回収される炭酸カルシウムを含む反応物は、セメント用組成物、モルタル、コンクリート、アスファルト等に用いられるフィラー、建材等の用途に好適に利用することができる。
本実施形態の二酸化炭素利用システムにおいて生成する炭酸カルシウムは、単独で用いることもできるし、他の炭酸カルシウム等のフィラーと混合して用いることもできる。また、上記用途に用いる場合、炭酸カルシウムについてマスバランス認証を受けることで、本実施形態の二酸化炭素利用システムにより得られる炭酸カルシウムの使用量に応じてカーボンニュートラル化に貢献することが可能となる。
生コンクリートスラッジ水には、ナトリウム、硫黄等も含まれるため、炭酸カルシウムを含む反応物には、これらに起因する不純物も含まれ得る。炭酸カルシウムを含む反応物に含まれる不純物の含有量は、通常10質量%以下程度であり、更には8質量%以下、5質量%以下、3質量%以下、1質量%以下である。不純物の含有量は、このように少ないため、上記用途において使用することに、何らの支障もない。
(誘引送風機)
本実施形態のシステムは、図1に示されるように、バグフィルターの排気口の下流のラインには、当該排気口から排気される気体を強制的に排気するため、誘引通風機を設けてもよい。誘引通風機等により気体を排気することにより、バグフィルターにおけるろ過が円滑に進行し、流動乾燥機内のメディア粒子の安定した流動層が得られるため、より短時間で炭酸カルシウムを含む反応物を回収することができる。
[炭酸カルシウムの製造装置]
本実施形態の炭酸カルシウムの製造装置は、
二酸化炭素を含む排気ガスが通過する煙道、
前記煙道に生コンクリートスラッジ水を供給する噴霧ノズル、及び
前記排気ガスに含まれる、前記二酸化炭素と、前記生コンクリートスラッジ水との反応により生成する炭酸カルシウムを含む反応物を回収する集塵装置、
を備える炭酸カルシウムの製造装置である。
本実施形態の炭酸カルシウムの製造装置によれば、二酸化炭素を含む排気ガスと生コンクリートスラッジ水を利用できることから、排気ガスに含まれる二酸化炭素を利用しつつ、通常廃棄物として廃棄される生コンクリートスラッジの廃棄量を低減することができる。また、コンクリートスラッジ水を、噴霧ノズルを介して、排気ガス中に噴霧して供給することで、生コンクリートスラッジ水と二酸化炭素とが接触しやすくなり、生コンクリートスラッジ水中に二酸化炭素を効率的に取り込むことができ、水酸化カルシウム等のカルシウム分と二酸化炭素とが反応しやすくなる。さらに、排気ガスの熱により生コンクリートスラッジ水に含まれる水が水蒸気として除去され、炭酸カルシウムは粉体として得られるため、集塵装置で容易に回収が可能となる。そのため、炭酸カルシウムを効率的に製造し、かつ効率的な再利用が可能となる。
二酸化炭素を含む排気ガス、煙道、生コンクリートスラッジ水、噴霧ノズル、二酸化炭素と、生コンクリートスラッジ水との反応により生成する炭酸カルシウムを含む反応物、及び集塵装置は、上記二酸化炭素利用システムにおいて説明したものと同じである。
本実施形態の炭酸カルシウムの製造装置により得られる炭酸カルシウムは、既述のようにセメント用組成物、モルタル、コンクリート、アスファルト等に用いられるフィラー、建材等の用途に好適に利用することができる。これらの用途に用いる場合、炭酸カルシウムについてマスバランス認証を受けることで、本実施形態の二酸化炭素利用システムにより得られる炭酸カルシウムの使用量に応じてカーボンニュートラル化に貢献することが可能となる。
[炭酸カルシウムの製造方法]
本実施形態の炭酸カルシウムの製造方法は、
煙道を通過する二酸化炭素を含む排気ガスと、
前記煙道に噴霧ノズルにより供給される生コンクリートスラッジ水と、を接触させて、
前記排気ガスに含まれる、前記二酸化炭素と、前記生コンクリートスラッジ水との反応により生成する炭酸カルシウムを含む反応物を集塵装置で回収する、
炭酸カルシウムの製造方法である。
本実施形態の炭酸カルシウムの製造方法によれば、二酸化炭素を含む排気ガスと生コンクリートスラッジ水を利用できることから、排気ガスに含まれる二酸化炭素を利用しつつ、通常廃棄物として廃棄される生コンクリートスラッジの廃棄量を低減することができる。また、コンクリートスラッジ水を、噴霧ノズルを介して、排気ガス中に噴霧して供給することで、生コンクリートスラッジ水と二酸化炭素とが接触しやすくなり、生コンクリートスラッジ水中に二酸化炭素を効率的に取り込むことができ、水酸化カルシウム等のカルシウム分と二酸化炭素とが反応しやすくなる。さらに、排気ガスの熱により生コンクリートスラッジ水に含まれる水が水蒸気として除去され、炭酸カルシウムは粉体として得られるため、集塵装置で容易に回収が可能となる。そのため、炭酸カルシウムを効率的に製造し、かつ効率的な再利用が可能となる。
二酸化炭素を含む排気ガス、煙道、生コンクリートスラッジ水、噴霧ノズル、二酸化炭素と、生コンクリートスラッジ水との反応により生成する炭酸カルシウムを含む反応物、及び集塵装置は、上記二酸化炭素利用システムにおいて説明したものと同じである。
また、生コンクリートスラッジ水の供給量、排気ガスの温度等の各種条件も、上記二酸化炭素利用システムにおいて説明したものと同じである。
本実施形態の炭酸カルシウムの製造方法により得られる炭酸カルシウムは、既述のようにセメント用組成物、モルタル、コンクリート、アスファルト等に用いられるフィラー、建材等の用途に好適に利用することができる。これらの用途に用いる場合、炭酸カルシウムについてマスバランス認証を受けることで、本実施形態の二酸化炭素利用システムにより得られる炭酸カルシウムの使用量に応じてカーボンニュートラル化に貢献することが可能となる。
次に実施例により、本発明を具体的に説明するが、本発明は、これらの例によってなんら制限されるものではない。
図1に示される構成を有する炭酸カルシウムの製造装置を用いた。
コンクリートPCa製品工場における排気ガス(二酸化炭素濃度:26容量%、温度:60℃)が4L/分(0.24m/h)で通過する煙道(直径:100mm)に、ノズル(ノズル孔径:0.5mmφ)から生コンクリートスラッジ水(カルシウム濃度:900mg/L、固形分濃度:0.0022質量%、固形分粒子径:1~10μm)を88g/分(5.3kg/h)の流量で噴霧しながら供給した(噴霧粒子径:10~50μm)。集塵装置(バグフィルター)で回収された粉末を分析したところ、炭酸カルシウムの粉末(純度:96%)であることが確認された。

Claims (7)

  1. 二酸化炭素を含む排気ガスが通過する煙道、
    前記煙道に生コンクリートスラッジ水を供給する噴霧ノズル、及び
    前記排気ガスに含まれる、前記二酸化炭素と、前記生コンクリートスラッジ水との反応により生成する炭酸カルシウムを含む反応物を回収する集塵装置、
    を備え、前記生コンクリートスラッジ水が、生コンクリートスラッジから固形分を除去したものである二酸化炭素利用システム。
  2. 前記排気ガスの温度が、50℃以上250℃以下である請求項1に記載の二酸化炭素利用システム。
  3. 前記集塵装置が、バグフィルターである請求項1又は2に記載の二酸化炭素利用システム。
  4. 前記生コンクリートスラッジ水の、排気ガス1m/hに対する供給量が、5kg/h以上600kg/h以下である請求項1又は2に記載の二酸化炭素利用システム。
  5. 前記固形分と、水とを混合した混合物から固形分を除去したものを、生コンクリートスラッジ水として用いる請求項1又は2に記載の二酸化炭素利用システム。
  6. 二酸化炭素を含む排気ガスが通過する煙道、
    前記煙道に、生コンクリートスラッジから固形分を除去した生コンクリートスラッジ水を供給する噴霧ノズル、及び
    前記排気ガスに含まれる、前記二酸化炭素と、前記生コンクリートスラッジ水との反応により生成する炭酸カルシウムを含む反応物を回収する集塵装置、
    を備える炭酸カルシウムの製造装置。
  7. 煙道を通過する二酸化炭素を含む排気ガスと、
    前記煙道に噴霧ノズルにより供給される、生コンクリートスラッジから固形分を除去した生コンクリートスラッジ水と、を接触させて、
    前記排気ガスに含まれる、前記二酸化炭素と、前記生コンクリートスラッジ水との反応により生成する炭酸カルシウムを含む反応物を集塵装置で回収する、
    炭酸カルシウムの製造方法。
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