JP7272971B2 - プラスチック成形品の塗装方法 - Google Patents

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Description

本発明は、プラスチック成形品の塗装方法に関する。
プラスチック成形品は、軽量でありかつ機械的強度等に優れ、バンパー等の自動車部品に多く使用されている。自動車部品に使用されるプラスチック成形品には、通常、プライマー塗料、ベース塗料及びクリヤー塗料が塗装される。
また、最近は環境保護の観点から、プラスチック成形品に塗装されるプライマー塗料及びベース塗料として水性の塗料を使用することが望まれている。
例えば、特許文献1では、プラスチック成形品に、モノマー成分の35~60重量%がグリシジル(メタ)アクリレートであるエポキシ基含有アクリル樹脂を、樹脂固形分の重量基準で5~25重量%の割合で含有する、水性白色プライマー塗料組成物と、着色顔料や体質顔料等の水性ベース塗料とを塗装する技術が開示されている。
特開2010-241911号公報
しかしながら、本発明者らの検討によると、特許文献1に記載の技術で得られる複層塗膜は、耐タレ性、耐ワキ性、発色性、平滑性及び耐水性が不十分であるという問題があった。また、プラスチック成形品とプライマー塗膜(水性プライマー塗料によって形成される塗膜)との密着性が低下することがあった。
本発明は、上記従来の実情に鑑みてなされたものであって、水性プライマー塗料及び水性ベース塗料を用いても、耐タレ性、耐ワキ性、発色性、平滑性及び耐水性に優れ、かつプラスチック成形品との密着性が高いプライマー塗膜を有する複層塗膜を形成可能な、プラスチック成形品の塗装方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記の目的を達成すべく鋭意検討を重ねた結果、以下の塗装方法により、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は下記<1>に関するものである。
<1>工程(1):プラスチック成形品上に水性プライマー塗料(I)を塗装し、未硬化のプライマー塗膜を形成する工程、
工程(2):前記プライマー塗膜上に水性ベース塗料(II)を塗装し、未硬化のベース塗膜を形成する工程、
工程(3):前記ベース塗膜上にクリヤー塗料(III)を塗装し、未硬化のクリヤー塗膜を形成する工程、並びに
工程(4):前記工程(1)~(3)により形成された未硬化のプライマー塗膜、未硬化のベース塗膜及び未硬化のクリヤー塗膜を加熱することによって、これらの塗膜を同時に硬化させる工程を有するプラスチック成形品の塗装方法であって、
前記水性プライマー塗料(I)が、
成分(A):融点が60~110℃の範囲内であり、重量平均分子量が70,000~120,000の範囲内である水性ポリオレフィン系樹脂、
成分(B):水性アクリル系樹脂、
成分(C):ポリエステル樹脂、
成分(D):メラミン樹脂、
成分(E):ブロックポリイソシアネート化合物、
成分(F):下記一般式(1)で表されるジエステル化合物及び
成分(G):有機着色顔料を含有し、
乳化剤を実質的に含有せず、
前記成分(A)~(F)の全固形分100質量部に対して、
前記成分(A)の含有量が25~50質量部であり、
前記成分(B)の含有量が26~50質量部であり、
前記成分(C)の含有量が4~10質量部であり、
前記成分(D)の含有量が2.5~10質量部であり、
前記成分(E)の含有量が4~20質量部であり、
前記成分(F)の含有量が2.5~10質量部であり、
前記成分(G)の含有量が5~25質量部である、
プラスチック成形品の塗装方法。
Figure 0007272971000001
[式(1)中、R及びRは、それぞれ独立して、炭素数4~18の炭化水素基を表し、Rは炭素数2~4のアルキレン基を表し、mは3~20の整数を表し、m個のRは互いに同一であっても異なっていてもよい。]
本発明のプラスチック成形品の塗装方法によれば、水性プライマー塗料及び水性ベース塗料を用いても、耐タレ性、耐ワキ性、発色性、平滑性及び耐水性に優れ、かつプラスチック成形品との密着性が高いプライマー塗膜を有する複層塗膜を提供することができる。
以下、本発明について詳述するが、これらは望ましい実施態様の一例を示すものであり、本発明はこれらの内容に特定されるものではない。
なお、本明細書において、「(メタ)アクリル」は「アクリル又はメタクリル」を、「(メタ)アクリレート」は「アクリレート又はメタクリレート」を意味する。
本発明のプラスチック成形品の塗装方法は、以下に記す工程(1)~(4)を有する。
[工程(1)]
本発明の工程(1)においては、プラスチック成形品上に水性プライマー塗料(I)を塗装し、未硬化のプライマー塗膜を形成する。
〔プラスチック成形品〕
プラスチック成形品の材質としては、例えば、エチレン、プロピレン、ブチレン、ヘキセン等の炭素数2~10のオレフィンの少なくとも1種を重合せしめてなるポリオレフィンが特に好適であるが、これらに限られるものではなく、ポリカーボネート、ABS樹脂、ウレタン樹脂、ナイロン等であってもよい。
プラスチック成形品は、例えば、上記材質を射出成形法等の公知の方法で成形することによって得ることができる。また、プラスチック成形品には、予め、公知の方法で、脱脂処理、水洗処理等を適宜行っておくことができる。
プラスチック成形品は、例えば、バンパー、スポイラー、グリル、フェンダー等の自動車外板部や、家庭電化製品の外板部等に使用される。
〔水性プライマー塗料(I)〕
水性プライマー塗料(I)は、プラスチック成形品上に積層される塗料に密着性を付与することを目的として使用される水性塗料である。
水性プライマー塗料(I)は、
成分(A):融点が60~110℃の範囲内であり、重量平均分子量が70,000~120,000の範囲内である水性ポリオレフィン系樹脂、
成分(B):水性アクリル系樹脂、
成分(C):ポリエステル樹脂、
成分(D):メラミン樹脂、
成分(E):ブロックポリイソシアネート化合物、
成分(F):下記一般式(1)で表されるジエステル化合物及び
成分(G):有機着色顔料を含有し、
乳化剤を実質的に含有しない。
(成分(A))
成分(A)である水性ポリオレフィン系樹脂(以下、「水性ポリオレフィン系樹脂(A)」と称することがある。)は、融点が60~110℃の範囲内である。水性ポリオレフィン系樹脂(A)の融点が上記範囲内であることによってプラスチック成形品との密着性を向上させることができる。これは水性ポリオレフィン系樹脂(A)の結晶化度が高くなるためと推測される。融点は好ましくは70℃以上、より好ましくは80℃以上である。また、融点は好ましくは105℃以下、より好ましくは100℃以下である。
水性ポリオレフィン系樹脂(A)の融点は、示査走査熱量測定装置「DSC-5200」(セイコー電子工業社製、商品名)により、水性ポリオレフィン系樹脂(A)20mgを用い、昇温速度10℃/分にて熱量を測定することにより得られたものである。水性ポリオレフィン系樹脂(A)の融点の調整は、水性ポリオレフィン系樹脂(A)のモノマー組成、特にα-オレフィンモノマーの量を変化させることにより行うことができる。
また、水性ポリオレフィン系樹脂(A)は、重量平均分子量が70,000~120,000の範囲内である。水性ポリオレフィン系樹脂(A)の重量平均分子量が上記範囲内であることによってプラスチック成形品との密着性を向上させることができる。これは塗膜の破断強度が向上するためと推測される。重量平均分子量は好ましくは80,000以上、より好ましくは90,000以上である。また、重量平均分子量は好ましくは115,000以下、より好ましくは110,000以下である。水性ポリオレフィン系樹脂(A)の重量平均分子量の調整は、水性ポリオレフィン系樹脂(A)のモノマー組成や重合反応条件等を適宜調整することにより行うことができる。
水性ポリオレフィン系樹脂(A)の重量平均分子量は、ゲルパーミュエーションクロマトグラフィにより測定した重量平均分子量をポリスチレンの重量平均分子量を基準にして換算した値であり、ゲルパーミュエーションクロマトグラフィ装置として「HLC/GPC150C」(Water社製、60cm×1)及び溶媒としてo-ジクロロベンゼンを使用し、カラム温度135℃、流量1.0ml/minで測定したものである。注入試料は、o-ジクロロベンゼン3.4mlに対しポリオレフィン5mgの溶液濃度となるようにして140℃で1~3時間溶解することにより調製する。なお、ゲルパーミュエーションクロマトグラフィのためのカラムとしては「GMHHR-H(S)HT」(東ソー(株)社製、商品名)を使用することができる。数平均分子量も上記と同様にして求めることができる。
なお、本明細書において水性ポリオレフィン系樹脂(A)以外の重量平均分子量又は数平均分子量についても同様にして求めることができる。
水性ポリオレフィン系樹脂(A)は、ポリオレフィン及び変性ポリオレフィンのいずれも用いることができ、その分子中にカルボキシル基等の親水性基を有する。
ポリオレフィンには、例えば、エチレン、プロピレン、ブチレン、ヘキセン等の炭素数が2~10のオレフィンの1種又は2種以上を(共)重合したもの等が包含される。また、変性ポリオレフィンには、該ポリオレフィンの不飽和カルボン酸もしくは酸無水物変性物、アクリル変性物、塩素化物、又はこれらの変性を組合せて用いて得られる変性ポリオレフィン等が包含される。
ポリオレフィンとしては、プロピレンを重合単位として含有するものが特に好適であり、ポリオレフィン又は変性ポリオレフィン中におけるプロピレン単位の重量分率は、他の成分との相溶性や形成塗膜の付着性等の観点から、一般に0.5以上であり、0.6~1が好ましく、0.7~0.95がより好ましい。
ポリオレフィンとしては、上述した範囲の融点及び重量平均分子量を有する限り、既知のものを特に制限なく使用することができるが、得られるポリオレフィンの分子量分布が狭く且つランダム共重合性等にも優れている等の点から、重合触媒としてシングルサイト触媒を用いてオレフィンを(共)重合することにより製造されるものが好適である。
シングルサイト触媒は、活性点構造が均一(シングルサイト)な重合触媒であり、シングルサイト触媒の中でも特にメタロセン系触媒が好ましい。メタロセン系触媒は、共役五員環配位子を少なくとも一個有する周期律表の4~6族又は8族の遷移金属化合物や3族の希土類遷移金属化合物であるメタロセン(ビス(シクロペンタジエニル)金属錯体及びその誘導体)と、これを活性化するアルミノキサンやボロン系等の助触媒、さらにトリメチルアルミニウム等の有機アルミニウム化合物を組合せることにより調製することができる。
オレフィンの(共)重合は、既知の方法に従い、例えば、プロピレンやエチレン等のオレフィンと水素を反応容器に供給しながら連続的にアルキルアルミニウムとメタロセンを添加することにより行うことができる。
不飽和カルボン酸又は酸無水物変性ポリオレフィンは、例えば、ポリオレフィンに、不飽和カルボン酸又はその酸無水物を、既知の方法に従ってグラフト重合することにより製造することができる。変性に使用し得る不飽和カルボン酸又はその酸無水物としては、1分子中に少なくとも1個の重合性二重結合を含有する炭素数が3~10の脂肪族カルボン酸が包含される。
具体的には、(メタ)アクリル酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、無水マレイン酸等を挙げることができ、中でも特にマレイン酸又はその酸無水物が好適である。
ポリオレフィンに対する該不飽和カルボン酸又はその酸無水物のグラフト重合量は、変性ポリオレフィンに望まれる物性等に応じて変えることができるが、一般には、ポリオレフィンの固形分質量を基準にして1~20質量%、好ましくは1.5~15質量%、さらに好ましくは2~10質量%の範囲内が適当である。
アクリル変性ポリオレフィンは、ポリオレフィンに対して既知の適当な方法で、少なくとも1種のアクリル系不飽和モノマーをグラフト重合することにより製造することができる。
アクリル系不飽和モノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸2-エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸ステアリル等の(メタ)アクリル酸のC~C20アルキルエステル;(メタ)アクリル酸2-ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸3-ヒドロキシプロピル等の(メタ)アクリル酸のC~C21ヒドロキシアルキルエステル;(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリロニトリル等のその他の(メタ)アクリル系モノマーやさらにスチレン等が挙げられ、これらはそれぞれ単独で又は2種以上組合せて使用することができる。
ポリオレフィンのアクリル変性は、例えば、まず、前述の如くして製造される不飽和カルボン酸又は酸無水物変性ポリオレフィン中のカルボキシル基に対して反応性を有するアクリル系不飽和モノマー、例えば(メタ)アクリル酸グリシジル等を反応させてポリオレフィンに重合性不飽和基を導入し、次いで、該重合性不飽和基に上記アクリル系不飽和モノマーを単独で、又は2種以上組合せて(共)重合させることにより行うことができる。
ポリオレフィンのアクリル変性における上記アクリル系不飽和モノマーの使用量は、変性ポリオレフィンに望まれる物性等に応じて変えることができるが、他の成分との相溶性や形成塗膜の付着性等の点から、一般には、得られる変性ポリオレフィンの固形分質量を基準にして30質量%以下であり、0.1~20質量%が好ましく、0.15~15質量%がより好ましい。
ポリオレフィンの塩素化物は、ポリオレフィンを塩素化することにより製造することができる。ポリオレフィンの塩素化は、例えば、ポリオレフィン又はその変性物の有機溶剤溶液又は分散液に塩素ガスを吹き込むことによって行うことができ、反応温度は50~120℃とすることができる。
ポリオレフィンの塩素化物(固形分)中の塩素含有率は、ポリオレフィンの塩素化物に望まれる物性等に応じて変えることができるが、形成塗膜の付着性等の点から、一般には、ポリオレフィンの塩素化物の質量を基準にして35質量%以下であり、10~30質量%が好ましく、12~25質量%がより好ましい。
また、水性ポリオレフィン系樹脂(A)は、その水溶化又は水分散化を容易にするために、導入されたカルボキシル基の一部又は全部をアミン化合物で中和することが好ましい。中和に使用しうるアミン化合物としては、例えば、トリエチルアミン、トリブチルアミン、ジメチルエタノールアミン、トリエタノールアミン等の3級アミン;ジエチルアミン、ジブチルアミン、ジエタノールアミン、モルホリン等の2級アミン;プロピルアミン、エタノールアミン等の1級アミン等が挙げられる。
なお、本発明においては、水性プライマー塗料(I)は、乳化剤を実質的に含有しない。すなわち、水性ポリオレフィン系樹脂(A)の水溶化又は水分散化のために、乳化剤を実質的に使用しない。なお、「乳化剤を実質的に含有しない」とは、水性プライマー塗料(I)中の乳化剤の含有量が、成分(A)~(F)の全固形分100質量部に対して、3質量部以下であることを意味し、水性プライマー塗料(I)は乳化剤を含有しないことがより好ましい。
水性ポリオレフィン系樹脂(A)の水溶化又は水分散化のために水性プライマー塗料(I)が乳化剤を含有すると、乳化剤が成分(G):有機着色顔料に吸着し、水性ポリオレフィン系樹脂(A)の安定性が損なわれ、塗料中で不均一化することがある。また、水性プライマー塗料(I)を微粒化しにくい条件下で塗装すると、不均一化した水性ポリオレフィン系樹脂(A)が再分散されず、プラスチック成形品との密着力が著しく低下し、得られる複層塗膜の平滑性にも悪影響を及ぼすことがある。
水性プライマー塗料(I)中の水性ポリオレフィン系樹脂(A)の含有量は、成分(A)~(F)の全固形分100質量部に対して、25~50質量部であり、好ましく30~45質量部であり、より好ましく33~40質量部である。
(成分(B))
成分(B)である水性アクリル系樹脂(以下、「水性アクリル系樹脂(B)」と称することがある。)は、水酸基含有アクリル樹脂を好適に使用することができる。水酸基含有アクリル樹脂は、水への溶解性、分散性、架橋性等のために、カルボキシル基を有することが好ましい。
水酸基含有アクリル樹脂は、水酸基含有単量体、(メタ)アクリル酸アルキルエステル系単量体及び必要に応じてその他の単量体を、既知の重合方法、例えば溶液重合法等により、重合することにより得ることができる。
水酸基含有単量体は、水酸基及び重合性不飽和基を有する化合物であり、例えば、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸と炭素数2~10のアルキレングリコールとのモノエステル化物等を挙げることができる。
(メタ)アクリル酸アルキルエステル系単量体としては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸-2-エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸ステアリル等の(メタ)アクリル酸と炭素数1~20のモノアルコールとのモノエステル化物等を挙げることができる。
その他の単量体としては、水酸基含有単量体及び(メタ)アクリル酸アルキルエステル系単量体以外の、重合性不飽和結合を有する化合物、例えば、(メタ)アクリル酸、マレイン酸等のカルボキシル基含有単量体;(メタ)アクリル酸グリシジル等のエポキシ基含有単量体;(メタ)アクリルアミド、アクリロニトリル、スチレン、酢酸ビニル、
塩化ビニル等を挙げることができる。
水酸基含有アクリル樹脂は、通常、水酸基価が10~100mgKOH/g、好ましくは30~70mgKOH/gであり、酸価が10~100mgKOH/g、好ましくは20~50mgKOH/gであり、数平均分子量が2,000~100,000、好ましくは10,000~70,000である。
水性プライマー塗料(I)中の水性アクリル系樹脂(B)の含有量は、成分(A)~(F)の全固形分100質量部に対して、26~50質量部であり、好ましく27~49質量部であり、より好ましく32~44質量部である。
(成分(C))
成分(C)であるポリエステル樹脂(以下、「ポリエステル樹脂(C)」と称することがある。)は、通常、多塩基酸と多価アルコールとのエステル化反応によって得ることができる。多塩基酸は1分子中に2個以上のカルボキシル基を有する化合物(無水物を含む)であり、また、多価アルコールは1分子中に2個以上の水酸基を有する化合物であって、それぞれこの分野で通常使用されるものを使用することができる。さらに、一塩基酸、高級脂肪酸、油成分等で変性することもできる。
ポリエステル樹脂(C)は水酸基を有することができ、水酸基の導入は、2価アルコールと共に3価以上のアルコールを併用することによって行うことができる。また、ポリエステル樹脂(C)は、水酸基と共にカルボキシル基を有していてもよく、一般に、1,000~100,000、好ましくは1,500~70,000の範囲内の重量平均分子量を有する。
水性プライマー塗料(I)中のポリエステル樹脂(C)の含有量は、成分(A)~(F)の全固形分100質量部に対して、4~10質量部であり、好ましく5~9質量部であり、より好ましく6~8質量部である。
(成分(D))
成分(D)であるメラミン樹脂(以下、「メラミン樹脂(D)」と称することがある。)は、具体的には、メラミンにホルムアルデヒドを反応させて得られるメチロール化メラミン樹脂、メチロール化メラミン樹脂に炭素数1~10のモノアルコールを反応させて得られるメラミン樹脂、フルエーテル化メラミン樹脂等が挙げられる。
メラミン樹脂(D)はイミノ基が併存しているものも使用できる。メラミン樹脂(D)は疎水性及び親水性のいずれでも差し支えない。メラミン樹脂(D)は、重量平均分子量が400~6,000であることが好ましく、500~4,000であることがより好ましく、600~2,000であることがさらに好ましい。
水性プライマー塗料(I)中のメラミン樹脂(D)の含有量は、成分(A)~(F)の全固形分100質量部に対して、2.5~10質量部であり、好ましく4~7質量部であり、より好ましく4~6質量部である。
(成分(E))
成分(E)であるブロックポリイソシアネート化合物(以下、「ブロックポリイソシアネート化合物(E)」と称することがある。)は、ポリイソシアネート化合物のイソシアネート基にブロック剤を付加してブロック化して得られるものである。
ポリイソシアネート化合物としては、未反応のイソシアネート基を有する親水性のポリイソシアネート化合物が挙げられ、例えば、トリレンジイソシアネート(TDI)、4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、キシリレンジイソシアネート(XDI)、メタキシリレンジイソシアネート(MXDI)等の芳香族ジイソシアネート;ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)等の脂肪族ジイソシアネート;イソホロンジイソシアネート(IPDI)、水添MDI等の脂環式ジイソシアネート;これらのジイソシアネート化合物を不揮発性化し、毒性を低くした形態の化合物;これらのジイソシアネート化合物のビューレット体、ウレトジオン体、イソシアヌレート体又はアダクト体;比較的低分子のウレタンプレポリマー;等のポリイソシアネート化合物を、親水性化したものを挙げることができる。
ポリイソシアネート化合物の親水性化は、例えば、当該化合物にカルボキシル基、スルホン酸基、第三級アミノ基等の親水性基を導入し、中和剤、例えば、ジメチロールプロピオン酸等のヒドロキシカルボン酸、アンモニア、第三アミン等で中和することによって、行うことができる。
親水性のポリイソシアネート化合物としては、市販品を使用できる。市販品としては、例えば、「バイヒジュール3100」(商品名、住化バイエルウレタン社製、親水性ヘキサメチレンジイソシアヌレート)等が挙げられる。
ブロック剤としては、例えば、フェノール、クレゾール、キシレノール、ニトロフェノール、エチルフェノール、ヒドロキシジフェニル、ブチルフェノール、イソプロピルフェノール、ノニルフェノール、オクチルフェノール、ヒドロキシ安息香酸メチル等のフェノール系;ε-カプロラクタム、δ-バレロラクタム、γ-ブチロラクタム、β-プロピオラクタム等のラクタム系;メタノール、エタノール、プロピルアルコール、ブチルアルコール、アミルアルコール、ラウリルアルコール等の脂肪族アルコール系;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、メトキシメタノール等のエーテル系;ベンジルアルコール、グリコール酸、グリコール酸メチル、グリコール酸エチル、グリコール酸ブチル、乳酸、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸ブチル、メチロール尿素、メチロールメラミン、ジアセトンアルコール、2-ヒドロキシエチルアクリレート、2-ヒドロキシエチルメタクリレート等のアルコール系;ホルムアミドオキシム、アセトアミドオキシム、アセトオキシム、メチルエチルケトオキシム、ジアセチルモノオキシム、ベンゾフェノンオキシム、シクロヘキサンオキシム等のオキシム系;マロン酸ジメチル、マロン酸ジエチル、アセト酢酸エチル、アセト酢酸メチル、アセチルアセトン等の活性メチレン系;ブチルメルカプタン、t-ブチルメルカプタン、ヘキシルメルカプタン、t-ドデシルメルカプタン、2-メルカプトベンゾチアゾール、チオフェノール、メチルチオフェノール、エチルチオフェノール等のメルカプタン系;アセトアニリド、アセトアニシジド、アセトトルイド、アクリルアミド、メタクリルアミド、酢酸アミド、ステアリン酸アミド、ベンズアミド等の酸アミド系;コハク酸イミド、フタル酸イミド、マレイン酸イミド等のイミド系;ジフェニルアミン、フェニルナフチルアミン、キシリジン、N-フェニルキシリジン、カルバゾール、アニリン、ナフチルアミン、ブチルアミン、ジブチルアミン、ブチルフェニルアミン等のアミン系;イミダゾール、2-エチルイミダゾール等のイミダゾール系;尿素、チオ尿素、エチレン尿素、エチレンチオ尿素、ジフェニル尿素等の尿素系;N-フェニルカルバミン酸フェニル等のカルバミン酸エステル系;エチレンイミン、プロピレンイミン等のイミン系;重亜硫酸ソーダ、重亜硫酸カリ等の亜硫酸塩系;アゾール系の化合物等が挙げられる。
アゾール系の化合物としては、例えば、ピラゾール、3,5-ジメチルピラゾール、3-メチルピラゾール、4-ベンジル-3,5-ジメチルピラゾール、4-ニトロ-3,5-ジメチルピラゾール、4-ブロモ-3,5-ジメチルピラゾール、3-メチル-5-フェニルピラゾール等のピラゾール又はピラゾール誘導体;イミダゾール、ベンズイミダゾール、2-メチルイミダゾール、2-エチルイミダゾール、2-フェニルイミダゾール等のイミダゾール又はイミダゾール誘導体;2-メチルイミダゾリン、2-フェニルイミダゾリン等のイミダゾリン誘導体等が挙げられる。
これらの中でも、好ましいブロック剤としては、活性メチレン系のブロック剤、ピラゾール又はピラゾール誘導体が挙げられる。
ポリイソシアネート化合物は一般に疎水性であることから、ポリイソシアネート化合物のブロック化は、該化合物をブロック剤でブロックした後、例えば、適当な保護コロイド化剤等を用いて水分散することにより行うことができる。
水性プライマー塗料(I)中のブロックポリイソシアネート化合物(E)の含有量は、成分(A)~(F)の全固形分100質量部に対して、4~20質量部であり、好ましく8~16質量部であり、より好ましく10~14質量部である。
(成分(F))
成分(F)であるジエステル化合物(以下、「ジエステル化合物(F)」と称することがある。)は、下記一般式(1)で表されるジエステル化合物である。
Figure 0007272971000002
[式(1)中、R及びRは、それぞれ独立して、炭素数4~18の炭化水素基を表し、Rは炭素数2~4のアルキレン基を表し、mは3~20の整数を表し、m個のRは互いに同一であっても異なっていてもよい。]
ジエステル化合物(F)は、特に、後述の水性ベース塗料(II)からプライマー塗膜への水移行を抑制し、プライマー塗膜の過度の粘度低下及びベース塗膜の過度の粘度上昇が抑制される。よって、ジエステル化合物(F)の働きにより、高明度、優れた仕上がり外観、耐タレ性及び耐ワキ性を有する複層塗膜を形成できる。
上記式(1)において、R又はRで表される炭化水素基としては、炭素数5~11のアルキル基が好ましく、炭素数5~9のアルキル基がより好ましく、炭素数6~8のアルキル基がさらに好ましい。特に、R及びRが、炭素数6~8の分岐状のアルキル基である場合、塗料を比較的長期間貯蔵した後に塗装した場合にも、形成される塗膜に優れた成膜性を付与することができる。
また、Rは好ましくはエチレン基であり、さらに、mは4~10の整数であることが好ましい。
ジエステル化合物(F)は、例えば、2個の末端水酸基を有するポリオキシアルキレングリコールと炭素数4~18の炭化水素基を有するモノカルボン酸とをエステル化反応させることにより得ることができる。
ポリオキシアルキレングリコールとしては、例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコールとポリプロピレングリコールのブロック共重合体、ポリブチレングリコール等を挙げることができ、これらの中でも特に、ポリエチレングリコールを用いることが好ましい。ポリオキシアルキレングリコールは、耐水性等の点から、一般に120~800、特に150~600、さらに特に200~400の範囲内の重量平均分子量を有することが好ましい。
また、上記炭素数4~18の炭化水素基を有するモノカルボン酸としては、例えば、ペンタン酸、ヘキサン酸、2-エチルブタン酸、3-メチルペンタン酸、安息香酸、シクロヘキサンカルボン酸、ヘプタン酸、2-エチルペンタン酸、3-エチルペンタン酸、オクタン酸、2-エチルヘキサン酸、4-エチルヘキサン酸、ノナン酸、2-エチルヘプタン酸、デカン酸、2-エチルオクタン酸、4-エチルオクタン酸、ドデカン酸、ヘキサデカン酸、オクタデカン酸等を挙げることができる。
これらの中でも、ヘキサン酸、ヘプタン酸、2-エチルペンタン酸、3-エチルペンタン酸、オクタン酸、2-エチルヘキサン酸、4-エチルヘキサン酸、ノナン酸、2-エチルヘプタン酸、デカン酸、2-エチルオクタン酸、4-エチルオクタン酸等の炭素数5~9のアルキル基を有するモノカルボン酸が好ましく、ヘプタン酸、2-エチルペンタン酸、3-エチルペンタン酸、オクタン酸、2-エチルヘキサン酸、4-エチルヘキサン酸、ノナン酸、2-エチルヘプタン酸等の炭素数6~8のアルキル基を有するモノカルボン酸がより好ましく、2-エチルペンタン酸、3-エチルペンタン酸、2-エチルヘキサン酸、4-エチルヘキサン酸、2-エチルヘプタン酸等の炭素数6~8の分岐状のアルキル基を有するモノカルボン酸がさらに好ましい。
上記ポリオキシアルキレングリコールと上記モノカルボン酸とのジエステル化反応は、既知の方法で行うことができる。上記ポリオキシアルキレングリコール及び上記モノカルボン酸は、それぞれ単独で又は2種以上組み合わせて使用することができる。
得られるジエステル化合物(F)は、一般に320~1,000、特に400~800、さらに特に500~700の範囲内の重量平均分子量を有することが好ましい。
水性プライマー塗料(I)中のジエステル化合物(F)の含有量は、成分(A)~(F)の全固形分100質量部に対して、2.5~10質量部であり、好ましく4~7質量部であり、より好ましく4~6質量部である。
(成分(G))
成分(G)である有機着色顔料(以下、「有機着色顔料(G)」と称することがある。)としては、例えば、モノアゾ顔料、ジスアゾ顔料、アントラキノン顔料、アントラピリミジン顔料、キナクリドン顔料、キノフタロン顔料、ジケトピロロピロール顔料、ジオキサジン顔料、フラバントロン顔料、インダントロン顔料、イソインドリン顔料、イソインドリノン顔料、イソビオラントロン顔料、ペリノン顔料、ペリレン顔料、フタロシアニン顔料、ピラントロン顔料、トリフェニルメタン顔料、チオインジゴ顔料、これらの顔料の金属錯体顔料等を挙げることができる。
水性プライマー塗料(I)中の有機着色顔料(G)の含有量は、成分(A)~(F)の全固形分100質量部に対して、5~25質量部であり、好ましく5~20質量部であり、より好ましく5~18質量部である。
また、水性プライマー塗料(I)は、有機着色顔料(G)以外にも、その他の着色顔料、体質顔料、光輝性顔料等を含有することができる。
その他の着色顔料としては、例えば、酸化チタン、酸化亜鉛、カーボンブラック、モリブデンレッド、プルシアンブルー、コバルトブルー等が挙げられ、なかでも、酸化チタン、カーボンブラックが好ましい。
体質顔料としては、例えば、クレー、カオリン、硫酸バリウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、タルク、シリカ、アルミナホワイト等が挙げられ、なかでも、硫酸バリウム、タルクが好ましい。
光輝性顔料としては、例えば、アルミニウム(蒸着アルミニウムを含む)、銅、亜鉛、真ちゅう、ニッケル、酸化アルミニウム、雲母、酸化チタンや酸化鉄で被覆された酸化アルミニウム、酸化チタンや酸化鉄で被覆された雲母、ガラスフレーク、ホログラム顔料等を挙げることができ。アルミニウムには、ノンリーフィング型アルミニウムとリーフィング型アルミニウムがあるが、いずれも使用できる。
水性プライマー塗料(I)の固形分含量は、通常、10~80質量%とするのがよい。水性プライマー塗料(I)は、水性タイプであるので、低VOC(Volatile Organic Compounds)化等の観点から好適である。
〔プライマー塗膜の形成〕
プライマー塗膜は、上記水性プライマー塗料(I)を、公知の塗装方法により塗装することにより形成することができる。塗装方法としては、例えば、エアスプレー塗装、エアレススプレー塗装、回転霧化塗装、カーテンコート塗装等を挙げることができる。塗装膜厚は、通常、硬化膜厚として、5~45μm、好ましくは15~30μmの範囲内である。
形成されたプライマー塗膜は、ワキ等の塗膜欠陥の発生を防止する観点から、塗膜が実質的に硬化しない加熱条件でプレヒート、エアブロー等を行うことが好ましい。プレヒートの温度は、40~100℃が好ましく、45~90℃がより好ましく、50~80℃が更に好ましい。プレヒートの時間は、30秒間~15分間が好ましく、1~10分間がより好ましく、2~5分間が更に好ましい。
また、上記エアブローは、通常、被塗物の塗装面に、常温又は25℃~80℃の温度に加熱された空気を、30秒間~15分間吹き付けることにより行うことができる。また、予備加熱をする前に、適宜、静置してもよい。
また、本発明では、水性プライマー塗料(I)を60℃で3分間加熱したときの粘度が100~1000Pa・s(シェアレート0.1秒-1)の範囲内であることが好ましい。
上記粘度が100Pa・s未満であると、耐タレ性及び耐ワキ性が悪化し、逆に1000Pa・sを超えると仕上がり外観が悪化することがある。上記粘度は、500~1000Pa・sの範囲内であることがより好ましい。
上記粘度を調整するには、水性アクリル系樹脂(B)の配合量及び分子量を調整する方法等がある。
なお、上記粘度は、水性プライマー塗料(I)について、シェアレート0.1秒-1において、測定温度を3分間で20℃から60℃まで変化させたときの、60℃における粘度であり、粘弾性測定装置「HAAKE RheoStress RS150」(商品名、HAAKE社製)を用いて測定することができる。
また、本発明では、上記プライマー塗膜の20℃、2分間水浸漬後における吸水率が50質量%以下であることが好ましい。
上記吸水率が、50質量%を超えると、水性ベースコート塗料(II)からプライマー塗膜への水移行が抑制されず、本発明の効果を奏することができないことがある。上記吸水率は、35~45質量%がより好ましい。
上記吸水率を調整するには、ジエステル化合物(F)の配合量を調整する方法等がある。
なお、上記吸水率は、以下の方法により測定できる。すなわち、あらかじめ質量(W1)を測定しておいたブリキ板上に、水性プライマー塗料(I)を硬化膜厚が20μmとなるように塗装し、60℃で3分間プレヒートを行なった後、水性プライマー塗料(I)が塗装されたブリキ板の質量(W2)を測定する。その後、水性プライマー塗料(I)が塗装されたブリキ板を20℃の脱イオン水に2分間浸漬した後に取り出し、ブリキ板に付着している余分な水分をろ紙で軽く拭った後の該ブリキ板の質量(W3)を測定する。上記吸水率は、以上のW1~W3の質量測定結果から下記式(A)により求める。
吸水率(%)={(W3-W1)/(W2-W1)-1}×100 (A)
[工程(2)]
本発明の工程(2)においては、プライマー塗膜上に水性ベース塗料(II)を塗装し、未硬化のベース塗膜を形成する。
〔水性ベース塗料(II)〕
水性ベース塗料(II)は、公知の熱硬化性水性ベース塗料をいずれも使用できる。例えば、カルボキシル基、水酸基等の架橋性官能基を有する、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂等の基体樹脂と、ブロックされていてもよいポリイソシアネート化合物、メラミン樹脂、尿素樹脂等の硬化剤からなる樹脂成分とを、顔料、その他の添加剤と共に水に溶解ないし分散させて塗料化したものを使用することができる。
また、上記顔料としては、例えば、水性プライマー塗料(I)に用いることができる顔料と同様のものが挙げられる。
〔ベース塗膜の形成〕
ベース塗膜は、プライマー塗膜上に水性ベース塗料(II)を塗装することにより形成することができる。塗装方法としては、例えば、エアスプレー塗装、エアレススプレー塗装、回転霧化塗装、カーテンコート塗装等を挙げることができる。塗装膜厚は、通常、硬化膜厚として、5~30μm、好ましくは10~20μmの範囲内である。
形成されたベース塗膜は、ワキ等の塗膜欠陥の発生を防止する観点から、塗膜が実質的に硬化しない加熱条件でプレヒート、エアブロー等を行うことが好ましい。プレヒートの温度は、40~100℃が好ましく、45~90℃がより好ましく、50~80℃が更に好ましい。プレヒートの時間は、30秒間~15分間が好ましく、1~10分間がより好ましく、2~5分間が更に好ましい。
また、上記エアブローは、通常、被塗物の塗装面に、常温又は25℃~80℃の温度に加熱された空気を、30秒間~15分間吹き付けることにより行うことができる。また、予備加熱をする前に、適宜、静置してもよい。
[工程(3)]
本発明の工程(3)においては、ベース塗膜上にクリヤー塗料(III)を塗装し、未硬化のクリヤー塗膜を形成する。
〔クリヤー塗料(III)〕
クリヤー塗料(III)は、上塗りクリヤーコート用の塗料として公知の塗料をいずれも使用でき、例えば、カルボキシル基、水酸基等の架橋性官能基を有する、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂等の基体樹脂と、ポリイソシアネート化合物、ブロック化ポリイソシアネート化合物、メラミン樹脂、尿素樹脂等の架橋剤とを、水及び/又は有機溶剤に溶解ないし分散させて塗料化したものを使用することができる。
クリヤー塗料(III)は、その塗膜を通じて下層のベース塗膜、更にはプライマー塗膜を観察できる透明性を有するものであるが、必要に応じて、着色顔料、メタリック顔料、体質顔料、染料、紫外線吸収剤等を適宜含有することができる。
〔クリヤー塗膜の形成〕
クリヤー塗膜は、ベース塗膜上にクリヤー塗料(III)を塗装することにより形成することができる。塗装方法としては、例えば、エアスプレー塗装、エアレススプレー塗装、回転霧化塗装、カーテンコート塗装等を挙げることができる。塗装膜厚は、通常、硬化膜厚として、10~40μm、好ましくは20~35μmの範囲内である。
形成されたクリヤー塗膜は、ワキ等の塗膜欠陥の発生を防止する観点から、塗膜が実質的に硬化しない加熱条件でプレヒート、エアブロー等を行うことが好ましい。プレヒートの温度は、40~100℃が好ましく、45~90℃がより好ましく、50~80℃が更に好ましい。プレヒートの時間は、30秒間~15分間が好ましく、1~10分間がより好ましく、2~5分間が更に好ましい。
また、上記エアブローは、通常、被塗物の塗装面に、常温又は25℃~80℃の温度に加熱された空気を、30秒間~15分間吹き付けることにより行うことができる。また、予備加熱をする前に、適宜、静置してもよい。
[工程(4)]
本発明の工程(4)においては、工程(1)~(3)により形成された未硬化のプライマー塗膜、未硬化のベース塗膜及び未硬化のクリヤー塗膜を加熱することによって、これらの塗膜を同時に硬化させる。
この3層の塗膜は、通常80~130℃で、5~60分間加熱すればよい。
加熱は公知の手段により行うことができ、例えば、熱風炉、電気炉、赤外線誘導加熱炉等の乾燥炉を使用できる。
以下に実施例を挙げ、本発明を具体的に説明するが、本発明は何らこれらに限定されるものではない。
なお、例中、「部」及び「%」とあるのは、特に断りのない限り、「質量部」及び「質量%」を意味する。
実施例及び比較例では、成分(A)~(F)として、下記のものを使用した。
<成分(A):水性ポリオレフィン系樹脂>
〔成分(A-1)〕
自己乳化型水性ポリオレフィン系樹脂(A-1)(融点:80℃、重量平均分子量:90,000、水分散液、乳化剤を実質的に含有しない。)を用いた。
〔成分(A-2)〕
自己乳化型水性ポリオレフィン系樹脂(A-2)(融点:95℃、重量平均分子量:90,000、水分散液、乳化剤を実質的に含有しない。)を用いた。
〔成分(A-3)〕
乳化剤適用型水性ポリオレフィン系樹脂(A-3)(融点:85℃、重量平均分子量:90,000、乳化剤を水性ポリオレフィン系樹脂100質量部を基準として15質量部含有する。)を用いた。
<成分(B):水性アクリル系樹脂>
撹拌機、温度計、還流冷却器の備わった反応槽に、エチレングリコールモノブチルエーテル40部、イソブチルアルコール30部を仕込み、加熱撹拌し、100℃に達してから下記単量体の混合物を3時間かけて滴下した。
スチレン 10部
メチルメタクリレート 38部
n-ブチルアクリレート 25部
2-ヒドロキシエチルメタクリレ-ト 20部
アクリル酸 7部
2,2’-アゾビスイソブチロニトリル 1部
イソブチルアルコール 5部
滴下終了後、更に30分間100℃に保持した後、2,2’-アゾビスイソブチロニトリル0.5部とエチレングリコールモノブチルエーテル10部との混合物である追加触媒溶液を1時間かけて滴下した。さらに100℃で1時間撹拌を続けた後、冷却し、イソブチルアルコール15部を加え、75℃になったところでN,N-ジメチルアミノエタノール4部を加え、30分間撹拌して固形分含有量50%の水性アクリル系樹脂(B)溶液を得た。水性アクリル系樹脂(B)の水酸基価は86mgKOH/g、酸価は54.5mgKOH/g、数平均分子量は20,000であった。
<成分(C):ポリエステル樹脂>
トリメチロールプロパン、シクロヘキサンジメタノール、イソフタル酸及びアジピン酸を用いて常法によりエステル化反応させ、ポリエステル樹脂(C)を得た。ポリエステル樹脂(C)の水酸基価は120mgKOH/g、酸価は10mgKOH/g、数平均分子量は4500であった。
<成分(D):メラミン樹脂>
重量平均分子量1200のイミノ基含有メチルブチル混合エーテル化メラミン樹脂(D)を用いた。
<成分(E):ブロックポリイソシアネート化合物>
ヘキサメチレンジイソシアネ-トをマロン酸ジメチルでフルブロックし、ブロックポリイソシアネート化合物(E)を得た。
<成分(F):ジエステル化合物>
〔成分(F-1)〕
ポリオキシエチレングリコールとn-ヘキサン酸とのジエステル化合物(F-1)を用いた。ジエステル化合物(F-1)は、上記一般式(1)において、R及びRがそれぞれペンチル基であり、Rがエチレン基であり、mが5である化合物であり、分子量は434である。
〔成分(F-2)〕
ポリオキシエチレングリコールと2-エチルヘキサン酸とのジエステル化合物(F-2)を用いた。ジエステル化合物(F-2)は、上記一般式(1)において、R及びRがそれぞれ2-エチルペンチル基であり、Rがエチレン基であり、mが7である化合物であり、分子量は578である。
<成分(G):有機着色顔料>
〔成分(G-1)〕
赤色顔料である「FASTOGEN SUPER RED YE」(DIC社製)を用いた。
〔成分(G-2)〕
緑色顔料である「HELIOGEN GREEN L-8730」(BASF社製)を用いた。
[実施例1]
〔工程(1)〕
表1に示す各成分を混合し、ミキサーで十分に攪拌し、水性プライマー塗料(I)を得た。水性プライマー塗料(I)の60℃で3分間加熱したときの粘度、及び該水性プライマー塗料(I)によって形成される塗膜の20℃、2分間水浸漬後における吸水率を、上述の方法により測定した。結果を表1に示す。
プラスチック成形体として、黒色のポリプロピレン板(大きさ:15cm×20cm)を用い、脱脂処理し、これに水性プライマー塗料(I)を、硬化膜厚で20μmになるように回転霧化塗装した。塗装後のプラスチック成形体を室温で3分間静置し、60℃及び3分間のプレヒートを施し、プライマー塗膜を形成した。
〔工程(2)〕
工程(1)で得られたプライマー塗膜上に、水性ベース塗料(II)である、水性の熱硬化性透明着色塗料(商品名「WBC-713T No.3R1」、関西ペイント社製)を硬化膜厚が15μmになるように非静電塗装し、室温で2分間静置し、80℃及び3分間のプレヒートを施し、ベース塗膜を形成した。
〔工程(3)〕
工程(2)で得られたベース塗膜上に、クリヤー塗料(III)である、アクリル樹脂・ウレタン樹脂系熱硬化性クリヤー塗料(商品名「ソフレックス7175」、関西ペイント社製)を硬化膜厚が25μmになるように非静電塗装した。塗装後のプラスチック成形体を室温で7分間静置し、クリヤー塗膜を形成した。
〔工程(4)〕
工程(1)~(3)により形成された3つの塗膜を、120℃で30分間加熱し、これらの塗膜を同時に硬化させ、試験板を作製した。
〔塗膜性能試験〕
(平滑性)
得られた試験板について、「Wave Scan DOI」(商品名、BYK Gardner社製)によってWd値を測定した。平滑性の評価を下記基準に基づき行った。結果を表1に示す。なお、Wd値が小さいほど、塗膜表面の平滑性が高いことを示す。Wd値は小さいほどよいが、少なくとも、27未満という条件を満たす必要がある。
A:Wd値が21未満であった。
B:Wd値が21以上24未満であった。
C:Wd値が24以上27未満であった。
D:Wd値が27以上30未満であった。
E:Wd値が30以上であった。
(耐水性)
得られた試験板を40℃の温水に240時間浸漬し、引き上げ、20℃で12時間乾燥した。その後、試験板上の塗膜表面に、カッターナイフでプラスチック成形体に達する格子状の切り込みを入れることによって、大きさ2mm×2mmのゴバン目を100個作った。続いて、試験板上の塗膜表面に、粘着セロハンテープを貼着し、20℃の条件下にてそのテープを急激に剥離し、ゴバン目の残存状態を観察した。耐水性の評価を下記基準に基づき行った。結果を表1に示す。
◎:ゴバン目の残存数が100個であり、カッターナイフの切り込みの縁において塗膜のフチカケが生じなかった。
○:ゴバン目の残存数が100個であり、カッターナイフの切り込みの縁において塗膜の小さなフチカケが生じた。
△:ゴバン目の残存数が90~99個であった。
×:ゴバン目の残存数が89個以下であった。
(密着性;塗料製造直後)
プラスチック成形体として、2枚の黒色のポリプロピレン板(大きさ:15cm×20cm)を用い、脱脂処理し、製造直後の水性プライマー塗料(I)を、硬化膜厚で20μmになるように、1枚の黒色のポリプロピレン板には回転数20,000rpmで、他の1枚の黒色のポリプロピレン板には回転数10,000rpmで、回転霧化塗装した。塗装後のプラスチック成形体を室温で3分間静置し、60℃及び3分間のプレヒートを施し、プライマー塗膜を形成した。ここで、回転数10,000rpmの回転霧化塗装は、回転数20,000rpmの回転霧化塗装に比べ水性プライマー塗料(I)を微粒化しにくい塗装条件である。
その後、上記工程(2)~(4)と同様の操作を行い、2枚の試験板を作製した。
得られた両方の試験板上の塗膜表面に、カッターナイフでプラスチック成形体に達する格子状の切り込みを入れることによって、大きさ2mm×2mmのゴバン目を100個作った。続いて、両方の試験板上の塗膜表面に、粘着セロハンテープを貼着し、20℃の条件下にてそのテープを急激に剥離し、ゴバン目の残存状態を観察した。密着性の評価を下記基準に基づき行った。結果を表1に示す。
◎:両方の試験板において、ゴバン目の残存数が100個であり、カッターナイフの切り込みの縁において塗膜のフチカケが生じなかった。
○:両方の試験板において、ゴバン目の残存数が100個であり、カッターナイフの切り込みの縁において塗膜の小さなフチカケが生じた。
△:両方の試験板において、ゴバン目の残存数が90~99個であった。
×:両方の試験板において、ゴバン目の残存数が89個以下であった。
(密着性;塗料貯蔵後)
製造直後の水性プライマー塗料(I)の代わりに、製造後40℃で30日間貯蔵した後の水性プライマー塗料(I)を用いた以外は、上記(密着性;塗料製造直後)と同様の評価を行った。結果を表1に示す。
(耐タレ性)
プラスチック成形体として、ポリプロピレン板(大きさ:11cm×45cm)を脱脂処理したものを用いた。プラスチック成形体の長手方向の一方側端部から長手方向に3cmの部分に、直径5mmのポンチ孔(貫通孔)をあけた。当該ポンチ孔から長手方向に、2cm間隔で20個のポンチ孔をあけた。
プラスチック成形体に水性プライマー塗料(I)を、長手方向の一方側端部における硬化膜厚が約50μmであり、長手方向の他方側端部における硬化膜厚が約20μmであり、上記一方側端部から上記他方側端部に向けて膜厚が徐々に減少するように、エアスプレー塗装した。
塗装後のプラスチック成形体を室温で3分間静置し、60℃及び3分間のプレヒートを施し、プライマー塗膜を形成した。
その後、上記工程(2)と同様の操作を行った。
得られたベース塗膜上に、クリヤー塗料(III)である、アクリル樹脂・ウレタン樹脂系熱硬化性クリヤー塗料(商品名「ソフレックス7175」、関西ペイント社製)を硬化膜厚が25μmになるように非静電塗装した。塗装後のプラスチック成形体の短手方向が地面に対してほぼ垂直方向を向くようにプラスチック成形体を設置し、室温で7分間静置し、クリヤー塗膜を形成した。
その後、上記工程(4)と同様の操作を行い、耐タレ性評価用の試験板を得た。
得られた試験板には、ポンチ孔の下方に塗膜のタレに起因するタレ跡が生じる場合があった。タレ跡が生じた場合、タレ跡の長さを、それぞれのポンチ孔ごとに測定した。タレ跡の長さが5mm以上であった箇所の膜厚のうち、最も小さな膜厚をタレ限界膜厚(μm)とした。耐タレ性の評価を下記基準に基づき行った。結果を表1に示す。なお、タレ限界膜厚が大きいほど、耐タレ性は良好であることを示す。
◎:タレ限界膜厚が35μm以上であった。
○:タレ限界膜厚が30μm以上35μm未満であった。
×:タレ限界膜厚が30μm未満であった。
(耐ワキ性)
上記耐タレ性評価用の試験板には、ワキが生じる場合があった。ワキが生じた場合、ワキが生じた箇所の膜厚のうち、最も小さな膜厚をワキ限界膜厚(μm)とした。耐ワキ性の評価を下記基準に基づき行った。結果を表1に示す。なお、ワキ限界膜厚が大きいほど、耐ワキ性は良好であることを示す。
◎:ワキ限界膜厚が35μm以上であった。
○:ワキ限界膜厚が30μm以上35μm未満であった。
×:ワキ限界膜厚が30μm未満であった。
(発色性)
黒色のポリプロピレン板(大きさ:15cm×20cm)上に水性プライマー塗料(I)を、硬化膜厚が15μmとなるように回転霧化塗装した試験板及び硬化膜厚が25μmとなるように回転霧化塗装した試験板を用意した。得られた両方の試験板について、それぞれマルチアングル分光測色計「CM-512m3」(コニカミノルタ社製)を用いて、塗膜面に垂直な軸に対し45°の角度から光を照射し、反射した光のうち塗膜面に垂直な方向の光についてL、a、b測色し、両試験板間の色差ΔE(JIS K 5600-4-6(1999))を算出した。発色性の評価を下記基準に基づき行った。結果を表1に示す。
○:両試験板間の色差ΔEが1.0未満であった。
×:両試験板間の色差ΔEが1.0以上であった。
[実施例2~18、比較例1~17]
水性プライマー塗料(I)の各成分を表1~2に示すものとした以外は、実施例1と同様の操作及び評価を行った。結果を表1~2に示す。
Figure 0007272971000003
Figure 0007272971000004
表1~2の結果より、実施例1~18のプラスチック成形品の塗装方法によれば、水性プライマー塗料及び水性ベース塗料を用いても、耐タレ性、耐ワキ性、発色性、平滑性及び耐水性に優れ、かつプラスチック成形品との密着性が高いプライマー塗膜を有する複層塗膜が得られることがわかった。

Claims (1)

  1. 工程(1):プラスチック成形品上に水性プライマー塗料(I)を塗装し、未硬化のプライマー塗膜を形成する工程、
    工程(2):前記プライマー塗膜上に水性ベース塗料(II)を塗装し、未硬化のベース塗膜を形成する工程、
    工程(3):前記ベース塗膜上にクリヤー塗料(III)を塗装し、未硬化のクリヤー塗膜を形成する工程、並びに
    工程(4):前記工程(1)~(3)により形成された未硬化のプライマー塗膜、未硬化のベース塗膜及び未硬化のクリヤー塗膜を加熱することによって、これらの塗膜を同時に硬化させる工程を有するプラスチック成形品の塗装方法であって、
    前記水性プライマー塗料(I)が、
    成分(A):融点が60~110℃の範囲内であり、重量平均分子量が70,000~120,000の範囲内である水性ポリオレフィン系樹脂、
    成分(B):水性アクリル系樹脂、
    成分(C):ポリエステル樹脂、
    成分(D):メラミン樹脂、
    成分(E):ブロックポリイソシアネート化合物、
    成分(F):下記一般式(1)で表されるジエステル化合物及び
    成分(G):有機着色顔料を含有し、
    前記成分(C)は、トリメチロールプロパン、シクロヘキサンジメタノール、イソフタル酸及びアジピン酸のエステル化反応により得られたポリエステル樹脂であり、
    乳化剤を実質的に含有せず、
    前記成分(A)~(F)の全固形分100質量部に対して、
    前記成分(A)の含有量が25~50質量部であり、
    前記成分(B)の含有量が26~50質量部であり、
    前記成分(C)の含有量が4~10質量部であり、
    前記成分(D)の含有量が2.5~10質量部であり、
    前記成分(E)の含有量が4~20質量部であり、
    前記成分(F)の含有量が2.5~10質量部であり、
    前記成分(G)の含有量が5~25質量部である、
    プラスチック成形品の塗装方法。
    Figure 0007272971000005
    [式(1)中、R及びRは、それぞれ独立して、炭素数4~18の炭化水素基を表し、Rは炭素数2~4のアルキレン基を表し、mは3~20の整数を表し、m個のRは互いに同一であっても異なっていてもよい。]
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