JP7272514B1 - ボールねじ装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】直線運動要素であるナットのストロークエンドの規制を少ない部品点数で実現し、ボールねじ装置の小型化を図るとともに、制御性の向上を図る。【解決手段】ナット3の軸方向一方側の端部に突起状の非回転側係合部13を設けるとともに、ねじ軸2に対して相対回転不能に固定した、ねじ軸2を回転駆動する駆動部材5に、非回転側係合部13を軸方向に挿入可能で、かつ、円周方向の端部において非回転側係合部13と円周方向に係合可能な、円弧状の回転側係合溝部18を設ける。【選択図】図2

Description

本発明は、ボールねじ装置に関する。
ボールねじ装置は、直線運動を回転運動または回転運動を直線運動に変換するための機械要素部品のひとつであるが、ねじ軸とナットとの間でボールを転がり運動させるため、ねじ軸とナットとを直接接触させる滑りねじ装置に比べて、高い効率が得られる。このため、ボールねじ装置は、たとえば電動モータなどの駆動源の回転運動を直線運動に変換するために、自動車の電動ブレーキ装置やオートマチックマニュアルトランスミッション(AMT)、工作機械の位置決め装置など、各種機械装置に組み込まれている。
ボールねじ装置は、外周面に螺旋状の軸側ボールねじ溝を有するねじ軸と、内周面に螺旋状のナット側ボールねじ溝を有するナットと、軸側ボールねじ溝とナット側ボールねじ溝との間に配置された複数のボールとを有する。ボールねじ装置は、用途に応じて、ねじ軸とナットとのうちの一方を回転運動要素とし、ねじ軸とナットとのうちの他方を直線運動要素として用いられる。
ボールねじ装置においては、直線運動要素が所定範囲を超えて直線運動することを防止するため、直線運動要素のストロークエンドを規制することが行われている。図35は、特開2016-70281号公報に記載された、直線運動要素のストロークエンドを規制するための構造を備えた従来構造のボールねじ装置100を示している。
ボールねじ装置100は、ねじ軸101と、ナット102と、図示しない複数のボールと、ストッパ103とを備える。
ねじ軸101は、ねじ部104と、ねじ部104の軸方向一方側に隣接配置された嵌合軸部105とを有する。ねじ部104の外周面には、螺旋状の軸側ボールねじ溝106が形成されている。嵌合軸部105は、ねじ部104よりも小さい外径を有しており、外周面には雄スプライン歯が形成されている。ねじ軸101は、ねじ部104をナット102の内側に挿通した状態で、ナット102と同軸に配置されている。
ナット102は、円筒形状を有しており、内周面に図示しない螺旋状のナット側ボールねじ溝と略S字形の循環溝とを有する。ナット102は、軸方向一方側の端部に、係合部107を有する。
軸側ボールねじ溝106とナット側ボールねじ溝とは、径方向に互いに対向するように配置され、螺旋状の負荷路を構成する。負荷路の始点と終点とは、ナット102の内周面に形成された循環溝により接続されている。このため、負荷路の終点にまで達したボールは、循環溝を通じて、負荷路の始点にまで戻される。なお、負荷路の始点と終点とは、ねじ軸101とナット102との軸方向に関する相対変位の方向(相対回転方向)に応じて入れ替わる。
ストッパ103は、円環形状を有するボス部108と、突起形状を有する爪部109とを有する。ボス部108は、ねじ軸101の嵌合軸部105に対して相対回転不能に外嵌されている。具体的には、ボス部108は、内周面に形成された雌スプライン歯を、嵌合軸部105の外周面に形成された雄スプライン歯に対してスプライン係合させることで、嵌合軸部105に対して相対回転不能に外嵌されている。爪部109は、ボス部108の外周面の円周方向一部から径方向に突出している。
従来構造のボールねじ装置100においては、ねじ軸101とナット102とのいずれかの直線運動要素が直線運動してストロークエンドに達すると、ナット102に備えられた係合部107と、ストッパ103に備えられた爪部109とが、円周方向に係合する。これにより、ねじ軸101とナット102とのいずれかの回転運動要素の回転が阻止されるため、直線運動要素のストロークエンドを規制することが可能になる。
特開2016-70281号公報
特開2016-70281号公報に記載された従来構造のボールねじ装置100においては、直線運動要素のストロークエンドを規制するために、専用の部品であるストッパ103を利用している。このため、たとえば、ねじ軸101を回転運動要素とし、ナット102を直線運動要素として用いる場合には、ねじ軸101を回転駆動するための駆動部材を、ストッパ103とは別に設ける必要がある。したがって、部品点数が嵩み、ボールねじ装置100が大型化しやすくなる。
さらに、特開2016-70281号公報に記載された従来構造のボールねじ装置100においては、ナット102に備えられた係合部107とストッパ103に備えられた爪部109とが円周方向に係合した際に、ストッパ103に弾性変形が生じ、かつ、ストッパ103と駆動部材との間でねじ軸101のねじれが発生し、その分だけ、ねじ軸101がさらに回転した後に駆動部材が停止する可能性がある。このように、駆動部材の回転停止位置が初期位置からずれる可能性がある。その結果、ナット102の軸方向位置(ストローク量)を厳密に管理することが難しくなり、ボールねじ装置100の制御性が低くなる可能性がある。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであって、直線運動要素であるナットのストロークエンドの規制を少ない部品点数で実現し、小型化を図ることができるとともに、制御性の向上を図ることができる、ボールねじ装置を提供することを目的とする。
本発明の一態様にかかるボールねじ装置は、ねじ軸と、ナットと、複数のボールと、駆動部材とを備える。
前記ねじ軸は、外周面に螺旋状の軸側ボールねじ溝を有し、使用時に回転運動する。
前記ナットは、内周面に螺旋状のナット側ボールねじ溝を有し、かつ、軸方向一方側の端部に突起状の非回転側係合部を有し、使用時に直線運動する。
前記複数のボールは、前記軸側ボールねじ溝と前記ナット側ボールねじ溝との間に配置される。
前記駆動部材は、前記ねじ軸に相対回転不能に固定され、前記ねじ軸を回転駆動する。
本発明の一態様にかかるボールねじ装置では、前記駆動部材を、前記非回転側係合部の一部または全部を軸方向に挿入可能で、かつ、円周方向の端部において前記非回転側係合部と円周方向に係合可能な、円弧状の回転側係合溝部を有する。
本発明の一態様にかかるボールねじ装置では、前記回転側係合溝部を、前記駆動部材を軸方向に貫通した貫通溝、または、前記駆動部材の軸方向他方側の側面に開口した有底溝とすることができる。
本発明の一態様にかかるボールねじ装置では、前記回転側係合溝部を、軸方向深さが一定の有底溝とすることができる。
本発明の一態様にかかるボールねじ装置では、前記回転側係合溝部を、軸方向深さが円周方向に沿って変化する有底溝とすることができる。
この場合には、前記駆動部材の中心軸に直交する仮想平面に対する前記回転側係合溝部の溝底面の傾斜角度を、前記軸側ボールねじ溝のリード角と同じか、または、前記軸側ボールねじ溝のリード角よりも小さくすることができる。
本発明の一態様にかかるボールねじ装置では、前記回転側係合溝部を、複数備えることができる。
この場合には、複数の前記回転側係合溝部を、前記駆動部材の円周方向に関して等間隔に配置することができる。
なお、この場合、前記非回転側係合部は、1つだけ設けることもできるし、前記回転側係合溝部と同数設けることもできる。
本発明の一態様にかかるボールねじ装置では、前記回転側係合溝部の中心角の大きさを、36度以上324度以下にすることができる。
本発明の一態様にかかるボールねじ装置では、前記回転側係合溝部の中心角の大きさを、前記非回転側係合部の中心角の大きさよりも大きくすることができる。
本発明の一態様にかかるボールねじ装置では、前記駆動部材のうちで、前記回転側係合溝部から円周方向に外れた部分の中心角の大きさを、前記非回転側係合部の中心角の大きさよりも大きくすることができる。
本発明の一態様にかかるボールねじ装置では、前記回転側係合溝部を、円周方向中間部に、径方向外側の内側面と径方向内側の内側面とを径方向につなぐ補強部を有するものとすることができる。
本発明の一態様にかかるボールねじ装置では、前記駆動部材を、外周面にトルク入力部を有するものとすることができる。
この場合には、前記ねじ軸を、外周面に前記軸側ボールねじ溝が形成されたねじ部と、前記ねじ部の軸方向一方側に配置され、かつ、前記駆動部材が相対回転不能に外嵌固定される嵌合軸部とを有するものとし、前記トルク入力部を、径方向に関して前記回転側係合溝部のうちで前記非回転側係合部と係合する部分と重なる位置に配置することができる。
この場合には、前記駆動部材を、歯車、プーリまたはスプロケットのいずれかとすることができる。
本発明の一態様にかかるボールねじ装置では、前記駆動部材を、モータシャフトとすることもできる。
本発明の一態様にかかるボールねじ装置によれば、直線運動要素であるナットのストロークエンドの規制を少ない部品点数で実現することができ、小型化を図ることができるとともに、制御性の向上を図ることができる。
図1は、本発明の実施の形態の第1例にかかるボールねじ装置を軸方向他方側から見た正面図である。 図2は、第1例にかかるボールねじ装置に関して、ナットのストロークエンドを規制した状態を示す、図1のA-A線断面図である。 図3は、図2の部分拡大図である。 図4は、第1例にかかるボールねじ装置の斜視図である。 図5は、第1例にかかるボールねじ装置を構成するナットの斜視図である。 図6は、第1例にかかるボールねじ装置を構成する駆動部材の軸方向他方側から見た正面図である。 図7は、図6に示した駆動部材の斜視図である。 図8は、第1例にかかるボールねじ装置に関して、ナットのストロークエンド近傍における、非回転側係合部と回転側係合溝部との軸方向および円周方向に関する位置関係を説明するために示す模式図である。 図9は、本発明の実施の形態の第2例にかかるボールねじ装置を構成する駆動部材の軸方向他方側から見た正面図である。 図10は、第2例にかかるボールねじ装置を構成するナットの軸方向一方側かつ径方向外側から見た斜視図である。 図11は、第2例にかかるボールねじ装置についての、図8に相当する図である。 図12は、本発明の実施の形態の第3例にかかるボールねじ装置を構成する駆動部材の軸方向他方側から見た正面図である。 図13は、第3例にかかるボールねじ装置についての、図8に相当する図である。 図14は、本発明の実施の形態の第4例にかかるボールねじ装置を構成するナットの軸方向一方側かつ径方向外側から見た斜視図である。 図15は、本発明の実施の形態の第5例にかかるボールねじ装置を構成する駆動部材の軸方向他方側から見た正面図である。 図16は、図15に示した駆動部材の斜視図である。 図17は、図15のB-O-B線断面図である。 図18は、本発明の実施の形態の第6例にかかるボールねじ装置を構成する駆動部材の軸方向他方側から見た正面図である。 図19は、図18に示した駆動部材の斜視図である。 図20は、本発明の実施の形態の第7例にかかるボールねじ装置を構成する駆動部材の軸方向他方側から見た正面図である。 図21は、図20に示した駆動部材の斜視図である。 図22は、本発明の実施の形態の第8例にかかるボールねじ装置についての、図2に相当する図である。 図23は、本発明の実施の形態の第9例にかかるボールねじ装置についての、図2に相当する図である。 図24は、図23の部分拡大図である。 図25は、第9例にかかるボールねじ装置を構成する駆動部材の軸方向他方側から見た正面図である。 図26は、図25のC-O-C線断面図である。 図27は、図25に示した駆動部材の斜視図である。 図28は、第9例にかかるボールねじ装置についての、図8に相当する図である。 図29は、本発明の実施の形態の第10例にかかるボールねじ装置を構成する駆動部材の軸方向他方側から見た正面図である。 図30は、第10例にかかるボールねじ装置についての、図8に相当する図である。 図31は、本発明の実施の形態の第11例にかかるボールねじ装置についての、図8に相当する図である。 図32は、本発明の実施の形態の第12例にかかるボールねじ装置についての、図2に相当する図である。 図33は、本発明の実施の形態の第13例にかかるボールねじ装置についての、図2に相当する図である。 図34は、本発明の実施の形態の第14例にかかるボールねじ装置についての、図2に相当する図である。 図35は、従来構造のボールねじ装置を示す斜視図である。
[第1例]
本発明の実施の形態の第1例について、図1~図8を用いて説明する。
〔ボールねじ装置の全体構成〕
本例のボールねじ装置1は、たとえば、電動ブレーキブースター装置に組み込まれ、駆動源である電動モータの回転運動を直線運動に変換し、油圧シリンダのピストンを動作させるなどの用途で使用される。
ボールねじ装置1は、ねじ軸2と、ナット3と、複数のボール4と、駆動部材5とを備える。
ねじ軸2は、図示しない駆動源により駆動部材5を介して回転駆動され、使用時に回転運動する回転運動要素である。ねじ軸2は、ナット3の内側に挿通され、ナット3と同軸に配置されている。ナット3は、図示しない回り止め機構により、ねじ軸2に対する供回りが防止されており、使用時に直線運動する直線運動要素である。このため、本例のボールねじ装置1は、ねじ軸2を回転駆動し、ナット3を直線運動させる態様で使用する。
ねじ軸2の外周面とナット3の内周面との間には、螺旋状の負荷路6が備えられている。負荷路6には、複数のボール4が転動可能に配置されている。ねじ軸2とナット3とを相対回転させると、負荷路6の終点に達したボール4は、ナット3の内周面に形成された循環溝7を通じて、負荷路6の始点へと戻される。以下、ボールねじ装置1の各構成部品の構造について説明する。
本例を含む本発明の実施形態の説明において、軸方向、径方向、および円周方向とは、特に断らない限り、ねじ軸2に関する軸方向、径方向、および円周方向をいう。軸方向一方側とは、図2~図5の右側を指し、軸方向他方側とは、図2~図5の左側を指す。本発明の実施形態では、軸方向一方側における、直線運動要素であるナット3のストロークエンドの規制に特徴がある。また、円周方向一方側とは、ナット3を軸方向一方側に直線運動させられるねじ軸2の回転方向をいう。
〈ねじ軸〉
ねじ軸2は、金属製で、ねじ部8と、ねじ部8の軸方向一方側に隣接配置された嵌合軸部9とを有する。ねじ部8と嵌合軸部9とは、同軸に配置されており、互いに一体に構成されている。嵌合軸部9は、ねじ部8よりも小さい外径を有する。
ねじ部8は、外周面に螺旋状の軸側ボールねじ溝10を有する。軸側ボールねじ溝10は、ねじ部8の外周面に、研削加工(切削加工)または転造加工を施すことにより形成されている。本例では、軸側ボールねじ溝10の条数を1条としている。軸側ボールねじ溝10の断面の溝形状(溝底形状)は、ゴシックアーチ溝またはサーキュラアーク溝である。本例では、軸側ボールねじ溝10の形成方向(巻き方向)を、ねじ軸2を円周方向一方側に向けて回転させた際に、ナット3を軸方向一方側に直線運動させられる方向に規制している。
嵌合軸部9は、外周面に雄スプライン歯11を全周にわたり有している。このため、嵌合軸部9は、スプライン軸部である。図示の例では、雄スプライン歯11を、インボリュートスプライン歯としているが、角スプライン歯とすることもできる。
ねじ軸2は、ねじ部8をナット3の内側に挿通した状態で、ナット3と同軸に配置されている。本例では、ねじ軸2を、ねじ部8と嵌合軸部9とから構成しているが、本発明を実施する場合には、ねじ軸に、ハウジングなどに対して回転自在に支持するための転がり軸受などを固定する支持軸部(第2嵌合軸部)や、トルク伝達部として機能するスプライン部やセレーション部などを、さらに備えることもできる。
〈ナット〉
ナット3は、金属製で、全体が円筒状に構成されている。ナット3は、内周面に螺旋状のナット側ボールねじ溝12および循環溝7を有する。
ナット側ボールねじ溝12は、螺旋形状を有しており、ナット3の内周面に、たとえば研削加工(切削加工)または転造タップ加工(切削タップ加工)を施すことにより形成されている。ナット側ボールねじ溝12は、軸側ボールねじ溝10と同じリードを有する。このため、ねじ軸2のねじ部8をナット3の内側に挿通配置した状態で、軸側ボールねじ溝10とナット側ボールねじ溝12とは径方向に対向するように配置され、螺旋状の負荷路6を構成する。ナット側ボールねじ溝12の条数は、軸側ボールねじ溝10と同様に1条である。ナット側ボールねじ溝12の断面の溝形状も、軸側ボールねじ溝10と同様に、ゴシックアーチ溝またはサーキュラアーク溝である。
循環溝7は、略S字形状を有しており、ナット3の内周面に、たとえば鍛造加工(冷間鍛造加工)によって形成されている。循環溝7は、ナット側ボールねじ溝12のうち、軸方向に隣り合う部分同士をなめらかに接続し、負荷路6の始点と終点とをつないでいる。このため、負荷路6の終点にまで達したボール4は、循環溝7を通じて、負荷路6の始点にまで戻される。なお、負荷路6の始点と終点とは、ねじ軸2とナット3との軸方向に関する相対変位の方向(相対回転方向)に応じて入れ替わる。
循環溝7は、略半円形の断面形状を有する。循環溝7は、ボール4の直径よりもわずかに大きな溝幅を有し、循環溝7を移動するボール4が、軸側ボールねじ溝10のねじ山を乗り越えることができる溝深さを有している。
ナット3は、軸方向一方側の端部に、突起状の非回転側係合部13を有する。非回転側係合部13は、ナット3の軸方向一方側の側面3aの円周方向一部に備えられており、軸方向一方側に向けて突出している。非回転側係合部13は、扇柱形状を有している。
非回転側係合部13は、円周方向他方側の側面(図4および図5の手前側の側面、図8の左側面)に、平坦面状の非回転側ストッパ面14を有する。非回転側ストッパ面14は、ナット3の中心軸と略平行に配置されている。また、非回転側係合部13の先端面(軸方向一方側の端面)は、ナット3の中心軸に直交する仮想平面上に存在している。
非回転側係合部13(非回転側ストッパ面14)の軸方向寸法は、たとえば、軸側ボールねじ溝10のリード以上の大きさに設定することができる。非回転側係合部13の円周方向に関する形成範囲は、後述する基板部15の軸方向他方側の側面15aとの干渉を防止でき、かつ、回転側ストッパ面22から非回転側ストッパ面14に加わる力を支承できる範囲で適宜決定される。すなわち、非回転側係合部13の円周方向に関する形成範囲(中心角α)は、後述する回転側係合溝部18の円周方向に関する形成範囲(中心角θ)よりも小さくすることができる。このため、α<θの関係を満たすようにしている。本例では、非回転側係合部13は、軸方向一方側の側面3aの全体の1/12程度の範囲に形成されている。
本例では、ナット3は、非回転側係合部13を含め、全体を一体に構成しているが、本発明を実施する場合には、ナットを、内周面にナット側ボールねじ溝および循環溝を有する筒状部材と、非回転側係合部とを結合固定することにより構成することもできる。
本例のボールねじ装置1は、ナット3を直線運動要素として用いる。このため、本例では、図示しない回り止め機構により、ナット3の回り止めを図っている。回り止め機構としては、従来から知られた各種構造を採用することができる。たとえば、ハウジングなどの固定部材の内周面に備えた突条部(キー)を、ナット3の外周面に軸方向に形成した凹溝に係合させる構造などを採用することができる。
〈ボール〉
ボール4は、所定の直径を有する鋼球であり、負荷路6および循環溝7に転動可能に配置されている。負荷路6に配置されたボール4は、圧縮荷重を受けながら転動するのに対し、循環溝7に配置されたボール4は、圧縮荷重を受けることなく、後続のボール4に押されて転動する。
〈駆動部材〉
駆動部材5は、電動モータなどの駆動源から入力されたトルクをねじ軸2に伝達することで、ねじ軸2を回転駆動する。本例の駆動部材5は、ねじ軸2を回転駆動する機能だけでなく、直線運動要素であるナット3のストロークエンドを規制する機能を有する。
本例のボールねじ装置1では、駆動部材5を円周方向一方側に向けて回転駆動すると、ナット3がねじ軸2に対して軸方向一方側に相対移動する。これに対し、駆動部材5を円周方向他方側に向けて回転駆動すると、ナット3がねじ軸2に対して軸方向他方側に相対移動する。
駆動部材5は、基板部15と、筒部16と、トルク入力部17と、回転側係合溝部18とを有する。駆動部材5は、炭素鋼やステンレス鋼などの金属製、または、合成樹脂製である。駆動部材5としては、たとえば歯車、プーリ、スプロケットなどを使用できる。
基板部15は、円形平板形状を有する。基板部15は、径方向中央部に、軸方向に貫通した取付孔19を有する。取付孔19の内周面には、雌スプライン歯20が形成されている。基板部15は、取付孔19の内周面に形成された雌スプライン歯20を、嵌合軸部9の外周面に形成された雄スプライン歯11にスプライン係合させることで、嵌合軸部9に対して相対回転不能に外嵌固定されている。基板部15の軸方向他方側の側面15aのうちの径方向内側部は、ねじ軸2を構成するねじ部8の軸方向一方側の端面に対し、当接または近接対向している。
筒部16は、円筒形状を有しており、駆動部材5の径方向外側の端部に備えられている。筒部16の軸方向一方側の端部は、基板部15の径方向外側の端部につながっている。筒部16は、ナット3の外径よりも大きな内径を有する。筒部16は、ねじ部8の軸方向一方側の端部の周囲を覆っている。
トルク入力部17は、駆動部材5の外周面に備えられている。本例では、トルク入力部17は、筒部16の外周面に備えられている。このため、トルク入力部17は、径方向に関してねじ部8と重なる位置に配置されている。図示の例では、筒部16のうちで、トルク入力部17が設けられた部分の外径は、トルク入力部17から軸方向に外れた部分の外径よりも大きくなっている。つまり、トルク入力部17は、筒部16の大径部に備えられている。
トルク入力部17は、駆動部材5として歯車を用いた場合には、ギヤ部となり、駆動部材5としてプーリを用いた場合には、ベルトが掛け渡されるベルト受面(歯部)となり、駆動部材5としてスプロケットを用いた場合には、チェーンが掛け渡される歯部となる。いずれの場合にも、トルク入力部17には、駆動源からのトルクが入力される。
回転側係合溝部18は、突起状の非回転側係合部13を軸方向に挿入可能で、かつ、円周方向他方側の端部において非回転側係合部13と円周方向に係合可能である。回転側係合溝部18は、軸方向視で円弧形状(C字形状)を有しており、基板部15の軸方向他方側の側面15aの径方向中間部に備えられている。回転側係合溝部18は、基板部15の軸方向他方側の側面15aに、たとえば切削加工や鍛造加工などを施すことにより形成されている。
回転側係合溝部18は、基板部15を軸方向に貫通した貫通溝である。
回転側係合溝部18は、非回転側係合部13を、軸方向に挿入可能な径方向幅寸法を有する。このため、回転側係合溝部18の径方向外側の内側面21aは、駆動部材5の中心軸を中心とする部分凹円筒面状で、非回転側係合部13の外周面を通る外接円直径よりも少しだけ大きな内径を有している。また、回転側係合溝部18の径方向内側の内側面21bは、駆動部材5の中心軸を中心とする部分凸円筒面状で、非回転側係合部13の内周面を通る内接円直径よりも少しだけ小さな外径を有している。回転側係合溝部18の径方向外側の内側面21aと径方向内側の内側面21bとは、同心円上に配置されている。
回転側係合溝部18は、円周方向他方側の端部に、円周方向を向いた平坦面状の回転側ストッパ面22を有している。回転側ストッパ面22は、ナット3がねじ軸2に対して軸方向一方側に相対移動してストロークエンドに達した状態で、非回転側ストッパ面14と面接触する。このために、回転側ストッパ面22は、駆動部材5の中心軸を含む仮想平面上に存在している。なお、駆動部材5をねじ軸2の嵌合軸部9に対して外嵌固定する際に、回転側ストッパ面22の円周方向位置(位相)を特定できるように、駆動部材5の外面には、外観上認識可能な識別記号(マーク)を付したり、凹部、孔、溝、二面幅形状などの外観上認識可能な識別形状を形成したりすることもできる。
回転側ストッパ面22の軸方向寸法は、基板部15の軸方向の厚さ寸法と同じである。回転側ストッパ面22の軸方向寸法は、非回転側係合部13の非回転側ストッパ面14との間で、ねじ軸2の回転を阻止するのに十分な係合代(非回転側ストッパ面14との当接部の軸方向幅)δを確保できる大きさに設定される。本例では、回転側ストッパ面22の軸方向寸法は、非回転側係合部13(非回転側ストッパ面14)の軸方向寸法よりも大きい。
回転側係合溝部18は、円周方向一方側の端部に、円周方向を向いた平坦面状の段差面23を有している。
本例では、図6および図7に示すように、回転側係合溝部18の中心角θの大きさを、およそ180度としている。このため、回転側係合溝部18は、基板部15の全体の1/2の範囲に形成されている。
回転側係合溝部18の円周方向に関する形成範囲(中心角θ)は、非回転側ストッパ面14と回転側ストッパ面22との係合代δの大きさと相関がある。たとえば、回転側係合溝部18の中心角θを大きくすれば、係合代δは大きくなり、回転側係合溝部18の中心角θを小さくすれば、係合代δは小さくなる傾向がある。ただし、回転側係合溝部18の中心角θを大きくし過ぎると、ナット3が軸方向一方側のストロークエンドに達し、非回転側ストッパ面14と回転側ストッパ面22とが係合した状態における、ナット3の軸方向一方側の側面3aと駆動部材5の軸方向他方側の側面15aとの軸方向のクリアランスが小さくなり、ナット3と駆動部材5とに干渉が生じやすくなる。そこで、回転側係合溝部18の中心角θは、ねじ軸2の回転を阻止するのに最低限必要な係合代δを確保できる大きさで、かつ、ナット3と駆動部材5との干渉を防止できる大きさに設定する必要がある。
具体的には、ねじ軸2の回転を阻止するためには、係合代δの大きさを、軸側ボールねじ溝10のリードの1/10(10%)以上確保することが望ましい。このため、回転側係合溝部18の中心角θの下限値は36度に設定することができる。
一方、ナット3と駆動部材5との干渉を防止するためには、非回転側ストッパ面14と回転側ストッパ面22とが係合した状態における、ナット3の軸方向一方側の側面3aと基板部15の軸方向他方側の側面15aとの軸方向のクリアランスの大きさを、軸側ボールねじ溝10のリードの1/10(10%)以上確保することが望ましい。このため、回転側係合溝部18の中心角θの上限値は324度に設定することができる。回転側係合溝部18の中心角θを324度に設定した場合、係合代δの大きさは、最大で軸側ボールねじ溝10のリードの9/10(90%)まで確保することができる。
以上のように、回転側係合溝部18の中心角θは、36度以上324度以下の範囲で設定することができる。
また、駆動部材5の強度を確保する面から、基板部15のうちで、回転側係合溝部18から円周方向に外れた部分の中心角の大きさ(360-θ)を、ある程度確保するようにしている。本例では、回転側係合溝部18から円周方向に外れた部分の中心角(360-θ)を、非回転側係合部13の中心角(α)よりも大きくしている。つまり、360-θ>αの関係を満たすようにしている。したがって、本例では、非回転側係合部13の中心角αと回転側係合溝部18の中心角θとは、α<θ<360-αの関係を満たす。
〈ボールねじ装置の動作説明〉
本例のボールねじ装置1は、図示しない駆動源により駆動部材5を介してねじ軸2を回転駆動することで、ナット3を直線運動させる。特に、本例のボールねじ装置1では、駆動部材5に備えられたトルク入力部17を介して、駆動部材5(ねじ軸2)を円周方向一方側に向けて回転駆動すると、ナット3がねじ軸2に対して軸方向一方側に相対移動する。これに対して、トルク入力部17を介して駆動部材5(ねじ軸2)を円周方向他方側に向けて回転駆動すると、ナット3がねじ軸2に対して軸方向他方側に相対移動する。
ナット3がねじ軸2に対して軸方向一方側に相対移動し、ストロークエンドに近づくと、図8において(A)として示す状態のように、非回転側係合部13の軸方向一方側の端部(先端部)が、駆動部材5に備えられた回転側係合溝部18の内側に進入する。具体的には、非回転側係合部13の軸方向一方側の端部が、回転側係合溝部18の円周方向一方側部分に進入する。
駆動部材5を円周方向一方側に向けてさらに回転駆動すると、ナット3は、軸側ボールねじ溝10のリードに応じた分だけ軸方向一方側に移動する。このため、非回転側係合部13は、黒塗り矢印で示すように、軸方向一方側に向けて移動することにより、回転側係合溝部18に対する軸方向の進入量を増大させながら、白抜き矢印で示すように、回転側係合溝部18の内側を円周方向一方側から円周方向他方側に向けて相対移動する。この結果、非回転側係合部13は、図8におけるA-B-Cの順に、回転側係合溝部18の内側を円周方向他方側に相対移動する。
ナット3が軸方向一方側のストロークエンドに達すると、非回転側係合部13は、回転側係合溝部18の円周方向他方側の端部において、回転側係合溝部18と円周方向に係合する。具体的には、図8において(C)として示す状態のように、非回転側係合部13の円周方向他方側の側面に備えられた非回転側ストッパ面14と、回転側係合溝部18の円周方向他方側の端部に備えられた回転側ストッパ面22とが円周方向に係合する。本例では、非回転側ストッパ面14と回転側ストッパ面22とが面接触する。これにより、ねじ軸2の回転が阻止される。
また、非回転側ストッパ面14と回転側ストッパ面22とが円周方向に係合した状態から、駆動部材5を円周方向他方側に向けて回転駆動すると、非回転側係合部13は、図8におけるC-B-Aの順に、回転側係合溝部18の内側を円周方向一方側かつ軸方向他方側に向けて相対移動する。そして、非回転側係合部13は、回転側係合溝部18の段差面23に接触することなく、回転側係合溝部18の円周方向一方側の端部から、回転側係合溝部18の外側へと抜け出る。
以上のように、本例のボールねじ装置1によれば、駆動部材5を利用して、ナット3がねじ軸2に対して軸方向一方側に相対移動することに関するストロークエンドを規制することができる。なお、ナット3がねじ軸2に対して軸方向他方側に相対移動することに関するストロークエンドは、従来から知られた各種のストローク制限機構を利用して規制することができる。
本例のボールねじ装置1によれば、直線運動要素であるナット3のストロークエンドの規制を少ない部品点数で実現することができ、ボールねじ装置1の小型化を図ることができるとともに、制御性の向上を図ることができる。
すなわち、本例では、駆動部材5により、ねじ軸2を回転駆動することができるだけでなく、ナット3がねじ軸2に対して軸方向一方側に相対移動することに関するストロークエンドを規制することができる。このため、特開2016-70281号公報に記載された従来構造のように、ナットのストロークエンドを規制するための専用の部品(ストッパ)を使用しなくて済む。したがって、本例のボールねじ装置1によれば、部品点数の低減を図ることができる。また、ストロークエンドを規制するための専用の部品を省略することで、ねじ軸2の軸方向寸法を短くできるため、ボールねじ装置1の軸方向寸法を短くできる。このため、ボールねじ装置1の小型化を図ることができる。
本例では、ナット3に備えられた非回転側係合部13を、駆動部材5に備えられた回転側係合溝部18の内側に軸方向に進入させた状態で、非回転側係合部13の非回転側ストッパ面14と、回転側係合溝部18の回転側ストッパ面22とを円周方向に係合させることができる。このため、ナット3のストローク量の確保とボールねじ装置1の小型化との両立を図ることができる。
本例では、ナット3のストロークエンドを規制するために、ナット3に備えられた非回転側係合部13と、駆動部材5に備えられた回転側係合溝部18の回転側ストッパ面22とを円周方向に係合させる。このため、ナット3の非回転側係合部13と駆動部材5の回転側ストッパ面22とが円周方向に係合した際に、駆動部材5の回転を即座に停止させることができる。したがって、駆動部材5の回転停止位置が初期位置からずれることを抑制することができる。この結果、ナット3の軸方向位置(ストローク量)を厳密に管理することが可能になり、ボールねじ装置1の制御性の向上を図ることができる。
また、回転側係合溝部18を、基板部15を軸方向に貫通した貫通溝としているため、回転側係合溝部を有底溝とした場合に比べて、駆動部材5の軽量化を図ることができる。
さらに、駆動部材5を構成する筒部16の外周面に設けたトルク入力部17を、径方向に関してねじ部8と重なる位置に配置しているため、ボールねじ装置1の軸方向寸法を短くする面で有利になる。
本例では、トルク入力部17を、径方向に関して回転側ストッパ面22のうちで非回転側ストッパ面14と当接する軸方向他方側部分と重なる位置に配置している。換言すれば、図3に示すように、軸方向に関してトルク入力部17が存在する範囲R内に、回転側ストッパ面22のうちで非回転側ストッパ面14と当接する軸方向他方側部分が存在している。したがって、この面からも、ボールねじ装置1の軸方向寸法を短くすることができる。また、非回転側ストッパ面14と回転側ストッパ面22とが衝突することにより生じる衝撃荷重に基づくモーメント荷重が、トルク入力部17から駆動源の側に加わることを防止できる。
[第2例]
本発明の実施の形態の第2例について、図9~図11を用いて説明する。
本例の場合には、駆動部材5aを構成する回転側係合溝部18aの中心角θを、第1例の構造よりも小さくしている。具体的には、回転側係合溝部18aの中心角θを、下限値の36度に設定している。
また、回転側係合溝部18aの中心角θを36度に設定した場合にも、非回転側ストッパ面14と回転側ストッパ面22との係合代δの大きさを、軸側ボールねじ溝10のリードの1/10(10%)確保できるようにするために、非回転側係合部13aの先端面(軸方向一方側の端面)の形状を工夫している。
すなわち、非回転側係合部13aの先端面に、ナット3の中心軸に直交する仮想平面に対して傾斜した、平坦面状の傾斜面(面取り)24を形成している。具体的には、非回転側係合部13aの先端面全体に、円周方向一方側に向かうほど軸方向他方側に退避する方向に傾斜した傾斜面24を形成している。傾斜面24の傾斜角度は、軸側ボールねじ溝10のリード角β以上とすることができ、図示の例では、軸側ボールねじ溝10のリード角βよりも少しだけ大きい角度としている。
本例の場合にも、ナット3がねじ軸2に対して軸方向一方側に相対移動し、ストロークエンドに近づくと、図11に鎖線で示すように、非回転側係合部13aの軸方向一方側の端部(先端部)が、回転側係合溝部18aの内側に進入する。具体的には、非回転側係合部13aの軸方向一方側の端部が、回転側係合溝部18aの円周方向一方側部分に進入する。本例では、非回転側係合部13aの先端面に傾斜面24を形成しているため、非回転側係合部13aの先端面と基板部15の軸方向他方側の側面15aとが干渉することなく、非回転側係合部13aの軸方向一方側の端部の円周方向他方側の端部が、回転側係合溝部18aの円周方向一方側部分に進入する。
駆動部材5aを円周方向一方側に向けてさらに回転駆動すると、非回転側係合部13aは、回転側係合溝部18aに対する軸方向の進入量を増大させながら、回転側係合溝部18aの内側を円周方向一方側から円周方向他方側に向けて相対移動する。
ナット3が軸方向一方側のストロークエンドに達すると、非回転側係合部13aは、回転側係合溝部18aの円周方向他方側の端部において、回転側係合溝部18aと円周方向に係合する。具体的には、図11に実線で示すように、非回転側係合部13aの円周方向他方側の側面に備えられた非回転側ストッパ面14と、回転側係合溝部18aの円周方向他方側の端部に備えられた回転側ストッパ面22とが円周方向に係合する。これにより、ねじ軸2の回転が阻止される。
本例では、非回転側ストッパ面14と回転側ストッパ面22とが円周方向に係合した際の係合代δの大きさは、軸側ボールねじ溝10のリードの1/10となる。
また、本例の場合には、回転側係合溝部18aの中心角θが、第1例の構造に比べて小さいため、非回転側係合部13aの軸方向一方側の端部が回転側係合溝部18aの内側に進入してから、非回転側ストッパ面14と回転側ストッパ面22とが円周方向に係合するまでの駆動部材5aの回転量は、第1例の構造に比べて小さくなる。
本例では、非回転側係合部13aの先端面に傾斜面24を形成したことにより、非回転側係合部13aの先端面と基板部15の軸方向他方側の側面15aとが干渉することを防止できるため、回転側係合溝部18aの中心角θを36度に設定した場合にも、係合代δの大きさを、軸側ボールねじ溝10のリードの1/10分だけ確保できる。このため、回転側係合溝部18aを形成することに起因した駆動部材5aの強度低下を抑制できるとともに、ねじ軸2の回転を阻止することができる。なお、本発明を実施する場合に、非回転側係合部の先端面に形成する傾斜面は、平坦面に限らず、凸曲面状または凹曲面状に構成することもできる。
第2例のその他の構成および作用効果については、第1例と同じである。
[第3例]
本発明の実施の形態の第3例について、図12~図13を用いて説明する。
本例の場合には、駆動部材5bを構成する回転側係合溝部18bの中心角θを、第1例の構造よりも大きくしている。具体的には、回転側係合溝部18bの中心角θを、上限値の324度に設定している。
このため、基板部15のうちで、回転側係合溝部18bよりも径方向内側に存在する部分と、回転側係合溝部18bよりも径方向外側に存在する部分とは、回転側係合溝部18bの不連続部に位置する、中心角が36度の接続部25を介して接続されている。
本例では、係合代δの大きさを軸側ボールねじ溝10のリードの9/10(90%)確保し、かつ、ナット3の軸方向一方側の側面3aと基板部15の軸方向他方側の側面15aとの軸方向のクリアランスCの大きさを、軸側ボールねじ溝10のリードの1/10(10%)以上確保するために、回転側係合溝部18bの中心角θを324度に設定するとともに、非回転側係合部13bの軸方向寸法を軸側ボールねじ溝10のリードと同じとし、かつ、非回転側係合部13bの先端面に、ナット3の中心軸に直交する仮想平面に対して傾斜した、平坦面状の傾斜面24を形成している。具体的には、第2例の構造と同様に、非回転側係合部13bの先端面全体に、円周方向一方側に向かうほど軸方向他方側に退避する方向に傾斜した、傾斜面24を形成している。傾斜面24の傾斜角度は、軸側ボールねじ溝10のリード角β以上とすることができ、図示の例では、軸側ボールねじ溝10のリード角βよりも少しだけ大きい角度としている。
本例の場合にも、ナット3がねじ軸2に対して軸方向一方側に相対移動し、ストロークエンドに近づくと、図13に鎖線で示すように、非回転側係合部13bの軸方向一方側の端部(先端部)が、回転側係合溝部18bの内側に進入する。具体的には、非回転側係合部13bの軸方向一方側の端部が、回転側係合溝部18bの円周方向一方側部分に進入する。本例では、非回転側係合部13bの先端面に傾斜面24を形成しているため、非回転側係合部13bの先端面と基板部15の軸方向他方側の側面15aとが干渉することなく、非回転側係合部13bの軸方向一方側の端部の円周方向他方側の端部が、回転側係合溝部18bの円周方向一方側部分に進入する。
駆動部材5bを円周方向一方側に向けてさらに回転駆動すると、非回転側係合部13bは、回転側係合溝部18bに対する軸方向の進入量を増大させながら、回転側係合溝部18bの内側を円周方向一方側から円周方向他方側に向けて相対移動する。
ナット3が軸方向一方側のストロークエンドに達すると、非回転側係合部13bは、回転側係合溝部18bの円周方向他方側の端部において、回転側係合溝部18bと円周方向に係合する。具体的には、図13に実線で示すように、非回転側係合部13bの円周方向他方側の側面に備えられた非回転側ストッパ面14と、回転側係合溝部18bの円周方向他方側の端部に備えられた回転側ストッパ面22とが円周方向に係合する。これにより、ねじ軸2の回転が阻止される。
本例では、非回転側ストッパ面14と回転側ストッパ面22とが円周方向に係合した際の係合代δの大きさは、軸側ボールねじ溝10のリードの9/10となる。また、ナット3と駆動部材5bとの軸方向のクリアランスCは、軸側ボールねじ溝10のリードの1/10となる。また、本例の場合には、回転側係合溝部18bの中心角θが、第1例の構造に比べて大きいため、非回転側係合部13bの軸方向一方側の端部が回転側係合溝部18bの内側に進入して、非回転側ストッパ面14と回転側ストッパ面22とが円周方向に係合するまでの駆動部材5bの回転量は、第1例の構造に比べて大きくなる。
本例の場合には、係合代δの大きさを軸側ボールねじ溝10のリードの9/10確保できるため、ねじ軸2の回転を有効に阻止することができる。また、ナット3と駆動部材5bとの軸方向のクリアランスCの大きさを、軸側ボールねじ溝10のリードの1/10確保できるため、ナット3と駆動部材5bとの干渉を防止できる。さらに、ナット3のストローク量を確保することもできる。
第3例のその他の構成および作用効果については、第1例と同じである。
[第4例]
本発明の実施の形態の第4例について、図14を用いて説明する。
本例では、非回転側係合部13cの先端面のうち、円周方向他方側の端部を除いた、円周方向中間部から円周方向一方側の端部にわたる範囲に、傾斜面24aを形成している。このため、非回転側係合部13cの先端面のうち、円周方向他方側の端部は、ナット3の中心軸に直交する仮想平面上に存在している。傾斜面24aの傾斜角度は、軸側ボールねじ溝10のリード角β以上とすることができる。
本例の場合には、第1例の構造のように、回転側係合部の先端面を、ナットの中心軸に直交する仮想平面上に存在する平坦面とした場合に比べて、駆動部材5(図2等参照)との干渉を防止しつつ、係合代δの大きさを確保する上で有利になる。
第4例のその他の構成および作用効果については、第1例と同じである。
[第5例]
本発明の実施の形態の第5例について、図15~図17を用いて説明する。
本例は、第3例の変形例である。本例の駆動部材5cは、回転側係合溝部18bの円周方向中間部(図示の例では中央部)に、径方向外側の内側面21aと径方向内側の内側面21bとを径方向につなぐ補強部26を1つ設けている。補強部26は、径方向外側の内側面21aの軸方向一方側の端部と径方向内側の内側面21bの軸方向一方側の端部とをつないでいる。補強部26は、軸方向視で扇形状を有している。
補強部26の円周方向位置および厚さ寸法は、回転側係合溝部18bの内側に進入した非回転側係合部13との干渉を防止できる位置および厚さに規制されている。図示の例では、補強部26の厚さ寸法は、基板部15の厚さ寸法の1/4程度である。なお、本発明を実施する場合には、補強部を、回転側係合溝部の円周方向複数箇所に設けることもできる。
本例では、補強部26を、基板部15と一体に構成している。ただし、本発明を実施する場合には、補強部を、基板部とは別体に構成し、基板部に対して固定することもできる。たとえば、補強部の径方向外側の端部および径方向内側の端部を、回転側係合溝部の径方向外側の内側面および径方向内側の内側面に対して、接着または溶接により固定することができる。
本例では、基板部15のうちで、回転側係合溝部18bの径方向内側に存在する部分と、回転側係合溝部18bの径方向外側に存在する部分とを、接続部25だけでなく、補強部26によっても接続している。このため、基板部15のうちで、回転側係合溝部18bの径方向内側に存在する、取付孔19の周囲部分の剛性の向上を図ることができる。したがって、基板部15に形成する回転側係合溝部18bの中心角θが大きい場合にも、取付孔19の内周面に形成された雌スプライン歯20の剛性(ねじれ剛性)を確保することができる。このため、駆動部材5cにより大きなトルクをねじ軸2に伝達することができる。
第5例のその他の構成および作用効果については、第1例および第3例と同じである。
[第6例]
本発明の実施の形態の第6例について、図18~図19を用いて説明する。
本例の駆動部材5dは、第1例~第5例の構造とは異なり、基板部15に2つの回転側係合溝部18cを形成している。本例では、2つの回転側係合溝部18cの中心角θの大きさを、それぞれ150度としている。また、2つの回転側係合溝部18cを、駆動部材5dの円周方向に関して等間隔に配置している。このため、2つの回転側係合溝部18cの間に存在する部分の中心角の大きさは、互いに同じ(30度)である。また、2つの回転側係合溝部18cの径方向外側の内側面21aおよび径方向内側の内側面21bの直径を、互いに同じとしている。ただし、本発明を実施する場合には、複数の回転側係合溝部について、中心角を互いに異ならせることができ、また、径方向外側の内側面および径方向内側の内側面の直径を互いに異ならせることもできる。
2つの回転側係合溝部18cのそれぞれは、円周方向他方側の端部に、回転側ストッパ面22を有している。図示の例では、2つの回転側ストッパ面22は、駆動部材5dの中心軸を含む同一の仮想平面上に存在する。
本例の場合には、上述のような駆動部材5dを、第1例~第5例の構造と同様に、非回転側係合部13(13a~13c)を1つだけ備えたナット3(図5等参照)と組み合わせて使用する。
本例では、駆動部材5dに、2つの回転側係合溝部18cを備えているため、ボールねじ装置1の組立作業時に、いずれか1つの回転側係合溝部18cと非回転側係合部13との位相合わせを行えばよいため、回転側係合溝部を1つだけ備える構造に比べて、組立作業の容易化を図ることができる。また、2つの回転側係合溝部18cを、駆動部材5dの円周方向に関して等間隔に配置しているため、駆動部材5dの回転バランスを良好にできる。
本例の変形例として、2つの回転側係合溝部18cを備えた駆動部材5dを、回転側係合溝部18cと同数の非回転側係合部を備えたナットと組み合わせて使用することもできる。この場合、2つの回転側係合溝部18cと2つの非回転側係合部とを、円周方向に同時に係合させることで、ナットのストロークエンドを規制する。このため、それぞれの回転側係合溝部18cに作用する力を低減でき、駆動部材5dの損傷を有効に防止できる。
第6例のその他の構成および作用効果については、第1例と同じである。
[第7例]
本発明の実施の形態の第7例について、図20および図21を用いて説明する。
本例の駆動部材5eは、基板部15に3つの回転側係合溝部18dを形成している。本例では、3つの回転側係合溝部18dの中心角θの大きさを、それぞれ95度としている。また、3つの回転側係合溝部18dを、駆動部材5eの円周方向に関して等間隔に配置している。このため、円周方向に隣り合う2つの回転側係合溝部18dの間に存在する部分の中心角の大きさは、互いに同じ(25度)である。また、3つの回転側係合溝部18dの径方向外側の内側面21aおよび径方向内側の内側面21bの直径を、互いに同じとしている。
3つの回転側係合溝部18dのそれぞれは、円周方向他方側の端部に、回転側ストッパ面22を有している。
本例の場合にも、回転側係合溝部を1つだけ備える構造に比べて、組立作業の容易化を図ることができる。また、3つの回転側係合溝部18dを、駆動部材5eの円周方向に関して等間隔に配置しているため、駆動部材5eの回転バランスを良好にできる。
本例の駆動部材5eは、第6例と同様に、非回転側係合部13(13a~13c)を1つだけ備えたナット3と組み合わせて使用することもできるし、回転側係合溝部18と同数の非回転側係合部を備えたナットと組み合わせて使用することもできる。
第7例のその他の構成および作用効果については、第1例および第6例と同じである。
[第8例]
本発明の実施の形態の第8例について、図22を用いて説明する。
本例では、第1例~第7例とは異なり、駆動部材5fを構成する回転側係合溝部18eを、基板部15の軸方向他方側の側面15aに開口し、かつ、軸方向深さ(溝深さ)が円周方向にわたり一定の有底溝(凹溝)としている。このため、回転側係合溝部18eの溝底面27は、駆動部材5fの中心軸に直交する仮想平面上に存在している。
回転側係合溝部18eの軸方向深さに相当する回転側ストッパ面22の軸方向寸法は、非回転側係合部13の非回転側ストッパ面14との間で、ねじ軸2の回転を阻止するのに十分な係合代δを確保できる大きさに設定される。本例では、回転側ストッパ面22の軸方向寸法は、非回転側係合部13(非回転側ストッパ面14)の軸方向寸法よりも大きい。
本例では、回転側係合溝部18eを有底溝としているため、回転側係合溝部を貫通溝とした場合に比べて、回転側係合溝部を形成することに起因した駆動部材5fの強度低下を抑制できる。
なお、本例では、回転側係合溝部18eを、基板部15の軸方向他方側の側面15aの径方向中間部に形成している。このため、基板部15のうちで回転側係合溝部18eよりも径方向外側部分には、回転側係合溝部18eの溝底面27よりも軸方向他方側に突出した、部分円筒形状の外径側筒部29が形成されている。また、基板部15のうちで回転側係合溝部18eよりも径方向内側部分には、回転側係合溝部18eの溝底面27よりも軸方向他方側に突出した、部分円筒形状の内径側筒部30が形成されている。そして、本例では、回転側ストッパ面22を、外径側筒部29および内径側筒部30のそれぞれに接続している。このため、回転側ストッパ面22の剛性を向上させることができる。なお、本発明を実施する場合には、回転側ストッパ面を、外径側筒部と内径側筒部との少なくとも一方に接続すれば、回転側ストッパ面の剛性を向上することができる。
第8例のその他の構成および作用効果については、第1例と同じである。
[第9例]
本発明の実施の形態の第9例について、図23~図28を用いて説明する。
本例では、第1例~第8例とは異なり、駆動部材5gを構成する回転側係合溝部18fを、基板部15の軸方向他方側の側面15aに開口し、かつ、軸方向深さ(溝深さ)が円周方向に沿って変化する有底溝(凹溝)としている。
具体的には、回転側係合溝部18fの軸方向深さは、円周方向一方側から円周方向他方側に向かうほど大きくなる(深くなる)。このため、回転側係合溝部18fの溝底面27aは、駆動部材5gの中心軸に直交する仮想平面に対して傾斜している。本例では、溝底面27aは、駆動部材5gの中心軸に直交する仮想平面に対して、円周方向他方側に向かうほど軸方向一方側に向かう方向に、軸側ボールねじ溝10(およびナット側ボールねじ溝12)のリード角β1と同じ角度α1だけ傾斜している(α1=β1)。
回転側係合溝部18fは、ナット3に備えられた非回転側係合部13を、軸方向に挿入可能な径方向幅寸法を有する。このため、回転側係合溝部18fの径方向外側の内側面21aは、非回転側係合部13の外周面を通る外接円直径よりも少しだけ大きな内径を有している。また、回転側係合溝部18fの径方向内側の内側面21bは、非回転側係合部13の内周面を通る内接円直径よりも少しだけ小さな外径を有している。回転側係合溝部18fの径方向外側の内側面21aと径方向内側の内側面21bとは、同心円上に配置されている。
回転側係合溝部18fは、軸方向深さが最も大きくなった円周方向他方側の端部に、円周方向を向いた平坦面状の回転側ストッパ面22を有している。このため、回転側係合溝部18fの溝底面27aの円周方向他方側の端部は、回転側ストッパ面22を介して、基板部15の軸方向他方側の側面15aに接続されている。回転側ストッパ面22は、ナット3がねじ軸2に対して軸方向一方側に相対移動してストロークエンドに達した状態で、非回転側ストッパ面14と面接触する。このために回転側ストッパ面22は、駆動部材5gの中心軸と略平行に配置されている。回転側ストッパ面22の軸方向寸法は、ナット3に備えられた非回転側係合部13の非回転側ストッパ面14との間で、ねじ軸2の回転を阻止するのに十分な係合代(非回転側ストッパ面14との当接部の軸方向幅)δを確保できる大きさに設定される。本例では、回転側ストッパ面22の軸方向寸法は、非回転側係合部13(非回転側ストッパ面14)の軸方向寸法とほぼ同じであり、基板部15の軸方向厚さ寸法のおよそ2/5(たとえば、電動ブレーキブースター装置に組み込まれるボールねじ装置の場合で3.5mm程度)である。
回転側係合溝部18fは、軸方向深さが最も小さくなった円周方向一方側の端部に、円周方向を向いた平坦面状の段差面23を有している。このため、回転側係合溝部18fの溝底面27aの円周方向一方側の端部は、段差面23を介して、基板部15の軸方向他方側の側面15aに接続されている。図示の例では、段差面23の軸方向寸法は、回転側ストッパ面22のおよそ1/4(たとえば、電動ブレーキブースター装置に組み込まれるボールねじ装置の場合で1.0mm程度)である。本発明を実施する場合には、段差面は省略することができる。この場合には、回転側係合溝部の溝底面の円周方向一方側の端部と駆動部材の軸方向他方側の側面とを、段差面を介さずに、滑らかに接続することができる。
本例では、図25に示すように、回転側係合溝部18fの中心角θをおよそ300度としている。このため、回転側係合溝部18fは、基板部15の軸方向他方側の側面15aの全体の5/6の範囲に形成されている。回転側係合溝部18fの円周方向に関する形成範囲(中心角θ)は、軸側ボールねじ溝10のリード角β1の大きさ、および、非回転側ストッパ面14と回転側ストッパ面22との係合代δの大きさなどに基づき定められている。
本例でも、ナット3がねじ軸2に対して軸方向一方側に相対移動し、ストロークエンドに近づくと、非回転側係合部13の軸方向一方側の端部(先端部)が、駆動部材5gに備えられた回転側係合溝部18fの内側に進入し、さらに、軸方向一方側に向けて移動することにより、回転側係合溝部18fに対する軸方向の進入量を増大させながら、回転側係合溝部18fの内側を円周方向一方側から円周方向他方側に向けて相対移動する。本例では、回転側係合溝部18fの溝底面27aの傾斜角度α1を、軸側ボールねじ溝10のリード角β1と同じ大きさに設定しているため、非回転側係合部13の軸方向一方側の端面と溝底面27aとの間に一定の大きさの隙間28を介在させたまま、非回転側係合部13は、図28におけるA-B-Cの順に、回転側係合溝部18fの内側を円周方向他方側に相対移動する。ナット3が軸方向一方側のストロークエンドに達すると、非回転側係合部13は、回転側係合溝部18fの円周方向他方側の端部において、回転側係合溝部18fと円周方向に係合する。本例でも、非回転側ストッパ面14と回転側ストッパ面22とが面接触した状態においても、非回転側係合部13の軸方向一方側の端面と溝底面27aとの間には、隙間28が存在する。
本例でも、駆動部材5gを円周方向他方側に向けて回転駆動すると、非回転側係合部13は、軸方向一方側の端面と溝底面27aとの間に隙間28を介在させたまま、図28におけるC-B-Aの順に、回転側係合溝部18fの内側を円周方向一方側かつ軸方向他方側に向けて相対移動する。そして、非回転側係合部13は、段差面23に接触することなく、回転側係合溝部18fの円周方向一方側の端部から、回転側係合溝部18fの外側へと抜け出る。
本例でも、回転側係合溝部18fを有底溝としているため、回転側係合溝部を貫通溝とした場合に比べて、回転側係合溝部を形成することに起因した駆動部材5gの強度低下を抑制できる。
本例では、回転側係合溝部18fの軸方向深さを、円周方向一方側から円周方向他方側に向かうほど大きくしている。このため、回転側係合溝部18fの軸方向深さを、第8例のように、円周方向にわたり一定とした場合に比べて、回転側係合溝部18fの加工量を少なくすることができる。したがって、駆動部材5gの加工工数を低減でき、製造コストの低減を図ることができる。また、回転側係合溝部18fの軸方向深さを、円周方向にわたり一定とした場合に比べて、回転側係合溝部18fが形成された部分のうち、円周方向他方側の端部を除く部分において、駆動部材5gを構成する基板部15の軸方向厚さ寸法を確保できる。したがって、駆動部材5gの剛性および強度を確保することができる。
また、回転側係合溝部18fの溝底面27aの傾斜角度α1を、軸側ボールねじ溝10のリード角β1と同じ大きさに設定しているため、非回転側係合部13の軸方向一方側の端面と溝底面27aとの間に一定の大きさの隙間28を介在させたまま、非回転側係合部13を回転側係合溝部18fに対して円周方向に相対移動させることができる。このため、非回転側係合部13の軸方向一方側の端面と溝底面27aとが干渉することを防止できる。したがって、非回転側ストッパ面14と回転側ストッパ面22とが円周方向に係合するよりも前に、非回転側係合部13の軸方向一方側の端面と溝底面27aとが干渉することで、ナット3のストロークエンドの位置がずれることを防止できる。
本例においても、回転側係合溝部18fを、基板部15の軸方向他方側の側面15aの径方向中間部に形成している。すなわち、本例でも、回転側ストッパ面22を、基板部15のうちで回転側係合溝部18fよりも径方向外側部分に形成され、かつ、溝底面27aよりも軸方向他方側に突出した、部分円筒形状の外径側筒部29と、基板部15のうちで回転側係合溝部18fよりも径方向内側部分に形成され、かつ、溝底面27aよりも軸方向他方側に突出した、部分円筒形状の内径側筒部30とに、接続している。このため、回転側ストッパ面22の剛性を向上させることができる。なお、本発明を実施する場合には、回転側ストッパ面を、外径側筒部と内径側筒部との少なくとも一方に接続すれば、回転側ストッパ面の剛性を向上することができる。
第9例のその他の構成および作用効果については、第1例と同じである。
[第10例]
本発明の実施の形態の第10例について、図29および図30を用いて説明する。
本例の場合にも、第9例と同様に、駆動部材5hの中心軸に直交する仮想平面に対する回転側係合溝部18gの溝底面27bの傾斜角度α2を、軸側ボールねじ溝10のリード角β2と同じとしている(α2=β2)。ただし、本例では、軸側ボールねじ溝10のリード角β2、および、回転側係合溝部18gの溝底面27bの傾斜角度α2のそれぞれを、第9例の構造に比べて大きい値に設定している(β2>β1、α2>α1)。
本例では、回転側係合溝部18gの中心角θをおよそ180度としている。このため、回転側係合溝部18gは、基板部15の軸方向他方側の側面15aの全体の1/2の範囲に形成されている。
本例では、第9例の構造に比べて、回転側係合溝部18gの加工範囲を小さくできる。したがって、駆動部材5hの剛性および強度を図る上で有利になる。
第10例のその他の構成および作用効果については、第1例および第9例と同じである。
[第11例]
本発明の実施の形態の第11例について、図31を用いて説明する。
本例では、第9例および実施の形態の第10例とは異なり、駆動部材5iの中心軸に直交する仮想平面に対する回転側係合溝部18hの溝底面27cの傾斜角度α3を、軸側ボールねじ溝10のリード角β1よりも小さくしている(α3<β1)。
このため、回転側係合溝部18hの内側に進入した非回転側係合部13の軸方向一方側の端面と、溝底面27cとの間に形成される隙間28aは、非回転側係合部13が回転側係合溝部18hの内側を円周方向他方側に相対移動するほど小さくなる。ただし、本例でも、非回転側ストッパ面14と回転側ストッパ面22とが面接触した状態においても、非回転側係合部13の軸方向一方側の端面と溝底面27cとの間の隙間28aがゼロになることがないように、溝底面27cの傾斜角度α3および回転側ストッパ面22の軸方向寸法などを規制している。
本例では、第9例の構造に比べて、回転側係合溝部18hの加工量を少なくできる。このため、駆動部材5iの加工工数を低減でき、製造コストの低減を図ることができる。また、駆動部材5iの剛性および強度を確保する上で有利になる。
第11例のその他の構成および作用効果については、第1例および第9例と同じである。
[第12例]
本発明の実施の形態の第12例について、図32を用いて説明する。
本例のボールねじ装置1aでは、駆動部材5jとしてモータシャフトを使用している。駆動部材5jは、軸方向一方側部に、図示しないロータが支持されており、該ロータの周囲には図示しないステータが配置されている。駆動部材5jは、軸方向他方側の側面(端面)の径方向中央部に開口した、取付孔19aを有する。取付孔19aの内周面には、雌スプライン歯20が形成されている。駆動部材5jは、取付孔19aの内周面に形成された雌スプライン歯20を、嵌合軸部9の外周面に形成された雄スプライン歯11にスプライン係合させることで、嵌合軸部9に対して相対回転不能に外嵌されている。
駆動部材5jは、軸方向他方側の側面に、回転側係合溝部18fを備えている。回転側係合溝部18fは、円周方向一方側から円周方向他方側に向かうほど軸方向深さが大きくなっており、円周方向他方側の端部において、ナット3に備えられた非回転側係合部13と円周方向に係合し、ナット3のストロークエンドを規制する。
本例でも、直線運動要素であるナット3のストロークエンドを少ない部品点数で実現することができ、ボールねじ装置1aの小型化を図ることができる。
第12例のその他の構成および作用効果については、第1例および第9例と同じである。
[第13例]
本発明の実施の形態の第13例について、図33を用いて説明する。
本例では、駆動部材5kを構成する基板部15の軸方向他方側の側面15aのうち、回転側係合溝部18よりも径方向内側に、軸方向他方側に向けて突出した円環形状を有する環状突起部31を設けている。環状突起部31の軸方向他方側の端面は、ねじ軸2を構成するねじ部8の軸方向一方側の端面に突き当てられている。
環状突起部31の外径は、ナット3の内径よりも少しだけ小さく、かつ、ねじ軸2の外周面に形成された軸側ボールねじ溝10の谷径よりも大きい。好ましくは、環状突起部31の外径は、軸側ボールねじ溝10のねじ山外径と同じにすることができる。より好ましくは、環状突起部31の外径は、軸側ボールねじ溝10のねじ山外径よりも大きくすることができる。
本例の場合には、ナット3に備えられた非回転側ストッパ面14と駆動部材5kに備えられた回転側ストッパ面22とを円周方向に係合させた状態で、環状突起部31を、ナット3の軸方向一方側の端部の内径側に軸方向に進入させる。そして、環状突起部31の外周面とナット3の内周面の軸方向一方側の端部とを、全周にわたり近接対向させる。
本例では、ナット3がねじ軸2に対して軸方向一方側に相対移動した際に、ナット3の軸方向一方側の端部の内径側に環状突起部31を進入させることで、ナット3の内部に充填されたグリースを、環状突起部31により軸方向他方側に押し戻すことができる。これにより、グリースが、ナット3の内周面の軸方向一方側の端部に溜まり、ナット3の軸方向一方側の開口部から外部に漏れ出ることを有効に防止できる。
第13例のその他の構成および作用効果については、第1例および第9例と同じである。
[第14例]
本発明の実施の形態の第14例について、図34を用いて説明する。
本例は、第13例の変形例である。本例では、ナット3に備えられた非回転側ストッパ面14と駆動部材5kに備えられた回転側ストッパ面22とを円周方向に係合させた状態で、環状突起部31の外周面とナット3の内周面の軸方向一方側の端部とを全周にわたり近接対向させるとともに、駆動部材5kの基板部15の軸方向他方側の側面15aとナット3の軸方向一方側の側面3aとを全周にわたり近接対向させている。
本例では、ナット3の軸方向一方側の端部の内径側に環状突起部31を軸方向に進入させた際に、駆動部材5kの基板部15の軸方向他方側の側面15aとナット3の軸方向一方側の側面3aとの間の隙間からグリースが外部に漏れ出ることを抑制できる。したがって、グリースがナット3から外部に漏れ出ることをさらに有効に防止できる。
第14例のその他の構成および作用効果については、第1例、第9例、および第13例と同じである。
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明はこれに限定されることなく、発明の技術思想を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。また、本発明の実施の形態の各例の構造は、矛盾を生じない限りにおいて、適宜組み合わせて実施することができる。
本発明の実施の形態の各例では、突起状の非回転側係合部の例として、扇柱形状の非回転側係合部を示したが、本発明を実施する場合には、非回転側係合部の形状は、扇柱形状に限定されず、円柱形状、矩形柱形状など、その他の形状を採用することができる。
本発明を実施する場合に、駆動部材に回転側係合溝部を複数設ける場合には、回転側係合溝部の数は、2つまたは3つに限定されず、4つ以上とすることもできる。また、複数の回転側係合溝部の中心角の大きさを、互いに異ならせることもできるし、複数の回転側係合溝部を、駆動部材の円周方向に関して不等間隔に配置することもできる。
本発明の実施の形態の各例では、ねじ軸の嵌合軸部を、外周面に雄スプライン歯を有するものとし、駆動部材を、内周面に雌スプライン歯を有する取付孔を有するものとし、駆動部材を嵌合軸部に対してスプライン嵌合させる構造について示した。ただし、本発明を実施する場合には、嵌合軸部に対する駆動部材の固定構造は特に限定されない。たとえば、嵌合軸部を、断面長円形(小判形)で、外周面に互いに平行な1対の平坦外面を備えた二面幅形状を有するものとし、駆動部材の取付孔を、長円形孔(小判形孔)とし、内周面に互いに平行な1対の平坦内面を備えた二面幅形状を有するものとし、駆動部材を嵌合軸部に対して非円形嵌合させる構造を採用することもできる。
本発明の実施の形態の各例では、循環溝を、ナットの内周面に直接形成する構造について説明したが、本発明を実施する場合には、循環溝をナットとは別体の循環部品(たとえばコマ)に形成し、該循環部品をナットに対して固定することもできる。
1、1a ボールねじ装置
2 ねじ軸
3 ナット
3a 側面
4 ボール
5、5a~5k 駆動部材
6 負荷路
7 循環溝
8 ねじ部
9 嵌合軸部
10 軸側ボールねじ溝
11 雄スプライン歯
12 ナット側ボールねじ溝
13、13a、13b、13c 非回転側係合部
14 非回転側ストッパ面
15 基板部
15a 側面
16 筒部
17 トルク入力部
18、18a~18h 回転側係合溝部
19、19a 取付孔
20 雌スプライン歯
21a、21b 内側面
22 回転側ストッパ面
23 段差面
24、24a 傾斜面
25 接続部
26 補強部
27、27a~27c 溝底面
28、28a 隙間
29 外径側筒部
30 内径側筒部
31 環状突起部
100 ボールねじ装置
101 ねじ軸
102 ナット
103 ストッパ
104 ねじ部
105 嵌合軸部
106 軸側ボールねじ溝
107 係合部
108 ボス部
109 爪部

Claims (15)

  1. 外周面に螺旋状の軸側ボールねじ溝を有し、使用時に回転運動する、ねじ軸と、
    内周面に螺旋状のナット側ボールねじ溝を有し、かつ、軸方向一方側の端部に突起状の非回転側係合部を有する、使用時に直線運動する、ナットと、
    前記軸側ボールねじ溝と前記ナット側ボールねじ溝との間に配置された、複数のボールと、
    前記ねじ軸に相対回転不能に固定され、前記ねじ軸を回転駆動する、駆動部材と、
    を備え、
    前記駆動部材は、前記非回転側係合部を軸方向に挿入可能で、かつ、円周方向の端部において前記非回転側係合部と円周方向に係合可能な、円弧状の回転側係合溝部を有する、
    ボールねじ装置。
  2. 前記回転側係合溝部は、前記駆動部材を軸方向に貫通した貫通溝、または、前記駆動部材の軸方向他方側の側面に開口した有底溝である、請求項1に記載したボールねじ装置。
  3. 前記回転側係合溝部は、軸方向深さが一定の有底溝である、請求項2に記載したボールねじ装置。
  4. 前記回転側係合溝部は、軸方向深さが円周方向に沿って変化する有底溝である、請求項2に記載したボールねじ装置。
  5. 前記駆動部材の中心軸に直交する仮想平面に対する前記回転側係合溝部の溝底面の傾斜角度は、前記軸側ボールねじ溝のリード角と同じか、または、前記軸側ボールねじ溝のリード角よりも小さい、請求項4に記載したボールねじ装置。
  6. 前記回転側係合溝部が、複数備えられている、請求項1に記載したボールねじ装置。
  7. 複数の前記回転側係合溝部は、前記駆動部材の円周方向に関して等間隔に配置されている、請求項6に記載したボールねじ装置。
  8. 前記回転側係合溝部の中心角の大きさは、36度以上324度以下である、請求項1に記載したボールねじ装置。
  9. 前記回転側係合溝部の中心角の大きさは、前記非回転側係合部の中心角の大きさよりも大きい、請求項1に記載したボールねじ装置。
  10. 前記駆動部材のうちで、前記回転側係合溝部から円周方向に外れた部分の中心角の大きさは、前記非回転側係合部の中心角の大きさよりも大きい、請求項1に記載したボールねじ装置。
  11. 前記回転側係合溝部は、円周方向中間部に、径方向外側の内側面と径方向内側の内側面とを径方向につなぐ補強部を有する、請求項1に記載したボールねじ装置。
  12. 前記駆動部材は、外周面にトルク入力部を有する、請求項1~11のうちのいずれか1項に記載したボールねじ装置。
  13. 前記ねじ軸は、外周面に前記軸側ボールねじ溝が形成されたねじ部と、前記ねじ部の軸方向一方側に配置され、かつ、前記駆動部材が相対回転不能に外嵌固定される嵌合軸部とを有し、
    前記トルク入力部は、径方向に関して前記回転側係合溝部のうちで前記非回転側係合部と係合する部分と重なる位置に配置されている、
    請求項12に記載したボールねじ装置。
  14. 前記駆動部材は、歯車、プーリまたはスプロケットのいずれかである、請求項12に記載したボールねじ装置。
  15. 前記駆動部材は、モータシャフトである、請求項1~11のうちのいずれか1項に記載したボールねじ装置。
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