JP7272351B2 - 樹脂薄膜の剥離片の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、樹脂薄膜の剥離片の製造方法に関する。
従来から、樹脂薄膜を粉砕した小片を顔料として用いる技術が知られている。このような顔料は、一般に、基材フィルム上に樹脂薄膜を形成し、その樹脂薄膜を基材フィルムから剥離した後で、剥がした樹脂薄膜を粉砕することにより製造される(特許文献1を参照)。
特開2001-261739号公報(対応公報:米国特許出願公開第2002/017633号明細書)
しかしながら、従来の方法では、基材フィルムから樹脂薄膜を剥離する工程を効率的に行うことが難しいという問題があった。
従って、本発明の目的は、剥離片を、効率的に製造することができる、基材フィルム上に形成された樹脂薄膜の剥離片の製造方法を提供することにある。
本発明者は前記の課題を解決するべく鋭意検討した結果、樹脂薄膜に液体を吹き付けて亀裂を形成させてから、樹脂薄膜を剥離することにより、剥離片を効率的に製造することができることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は以下の通りである。
〔1〕 基材フィルム上に、樹脂薄膜を形成して複層フィルムを得る工程(1)と、
前記樹脂薄膜に液体を吹き付けて亀裂を形成する工程(2)と、
前記基材フィルムから前記樹脂薄膜を剥離して剥離片を得る工程(3)と、を含む、
樹脂薄膜の剥離片の製造方法。
〔2〕 前記液体が純水である、〔1〕に記載の樹脂薄膜の剥離片の製造方法。
〔3〕 前記工程(2)を、吹付圧力0.15MPa以上50MPa以下で行う、〔1〕または〔2〕に記載の樹脂薄膜の剥離片の製造方法。
〔4〕 前記樹脂薄膜が、光硬化性の液晶組成物の硬化物からなる、〔1〕~〔3〕のいずれか一項に記載の樹脂薄膜の剥離片の製造方法。
〔5〕 前記樹脂薄膜が、コレステリック樹脂層である、〔1〕~〔4〕のいずれか一項に記載の樹脂薄膜の剥離片の製造方法。
〔6〕 前記基材フィルムと前記樹脂薄膜との剥離強度が500N/m以下である、〔1〕~〔5〕のいずれか一項に記載の樹脂薄膜の剥離片の製造方法。
〔7〕 前記樹脂薄膜の厚さが、0.1μm以上200μm以下である、〔1〕~〔6〕のいずれか一項に記載の樹脂薄膜の剥離片の製造方法。
本発明によれば、剥離片を、効率的に製造することができる、基材フィルム上に形成された樹脂薄膜の剥離片の製造方法を提供することができる。
図1は、実施形態1の樹脂薄膜の剥離片の製造方法で用いる装置を模式的に示す側面図である。 図2は、実施形態1の製造方法で用いる複層フィルムを模式的に示す断面図である。 図3は、液体を吹き付けることにより亀裂が形成された複層フィルムを模式的に示す断面図である。 図4は、変形例1に係る製造装置の一部を模式的に示す側面図である。 図5は、変形例2に係る製造装置の一部を模式的に示す側面図である。 図6は、比較例1で用いる剥離片の製造装置を模式的に示す側面図である。 図7は、変形例3に係る製造装置の一部を模式的に示す側面図である。
以下、実施形態及び例示物を示して本発明について詳細に説明する。ただし、本発明は以下に示す実施形態に限定されるものではなく、本発明の請求の範囲及びその均等の範囲を逸脱しない範囲において任意に変更して実施しうる。
以下の説明において、「長尺」のフィルムとは、フィルムの幅に対して、5倍程度以上の長さを有するものをいい、好ましくは10倍若しくはそれ以上の長さを有し、具体的にはロール状に巻回されて保管又は運搬される程度の長さを有するものをいう。長尺のフィルムの長さの上限は特に制限は無く、例えば、幅に対して10万倍としうる。
また、以下の説明において、要素の方向が「平行」、「垂直」及び「直交」とは、特に断らない限り、本発明の効果を損ねない範囲内、例えば±5°の範囲内での誤差を含んでいてもよい。さらに、ある方向に「沿って」とは、ある方向に「平行に」との意味である。
また、以下の説明において、「(メタ)アクリル」とは、アクリル、メタクリル、及びこれらの組み合わせを包含する。また、「(メタ)アクリレート」は、アクリレート、メタクリレート及びこれらの組み合わせを包含する。また、「(チオ)エポキシ」とは、エポキシ、チオエポキシ及びこれらの組み合わせを包含する。また、「イソ(チオ)シアネート」とは、イソシアネート、イソチオシアネート及びこれらの組み合わせを包含する。
[実施形態1:樹脂薄膜の剥離片の製造方法]
[1.樹脂薄膜の剥離片の製造方法の概要]
以下、本発明の実施形態1に係る樹脂薄膜の剥離片の製造方法について、図1~3を参照しつつ、説明する。
本実施形態の樹脂薄膜の剥離片の製造方法は、基材フィルム上に、樹脂薄膜を形成して複層フィルムを得る工程(1)と、樹脂薄膜に液体を吹き付けて亀裂を形成する工程(2)と、基材フィルムから樹脂薄膜を剥離して剥離片を得る工程(3)と、を含む。
図1は、本発明の実施形態1に係る樹脂薄膜の剥離片の製造方法で用いる製造装置を模式的に示す側面図である。この製造装置は、本発明の製造方法の工程(1)~(3)のうち工程(2)~(3)を実施する装置である。図2は本実施形態で用いる複層フィルムの断面図である。
図1に示すように、本実施形態で用いる樹脂薄膜の剥離片の製造装置100は、複層フィルム10を繰り出す繰出し装置101と、複層フィルム10に液体を吹き付けて亀裂を形成し複層フィルム10から樹脂薄膜を剥離する液体吹付装置120と、当該液体吹付装置を収容する剥離室110と、剥離された樹脂薄膜11(剥離片)を回収する剥離片回収部115とを備える。
繰出し装置101は、工程(1)で製造した複層フィルム10を所望の送出速度で送出するための装置である。繰出し装置101には、複層フィルム10を長尺方向に巻き取ったフィルムロールが装着可能である。繰出し装置101は、装着されたフィルムロールから複層フィルム10を長尺方向へ向けて送出しうる構造を有している。
複層フィルム10は、図2に示す通り、基材フィルム12と、その基材フィルム上に形成された樹脂薄膜11とを備える。図1において、複層フィルム10は、繰出し装置101から繰出されて液体吹付装置120へ搬送される時点において、樹脂薄膜11側の面が上側となるよう搬送される。
繰出し装置101から繰り出された複層フィルム10は、搬送ロール102によりA1に示す方向に搬送される。搬送された複層フィルム10は、液体を吹き付けられることで、樹脂薄膜11に亀裂が形成される(工程(2))。
亀裂が形成された複層フィルム10にさらに液体を吹き付けることにより基材フィルム12から樹脂薄膜11を剥離して剥離片11Aを得る(工程(3))。
本実施形態では、剥離室110において、樹脂薄膜11に亀裂を形成した後、さらに、亀裂が形成された部分に液体吹付装置120から液体を吹き付けて、亀裂が形成された樹脂薄膜11(剥離片11A)を吹き飛ばし剥離する。このようにして剥離された樹脂薄膜11(剥離片11A)は、液体とともに剥離片回収部115へ移動する。剥離片回収部115では、フィルター116により、剥離片11Aを液体から回収される。具体的には、剥離片11Aはフィルター116上に残り、液体はフィルター116を通過して液体回収部130にて回収される。液体回収部130で回収された液体は、液体流路131を通って、廃棄または再利用されうる。回収された樹脂薄膜11(剥離片11A)は、使用する用途に応じて次の工程に供し得る。
以下、各工程について詳しく説明する。
[2.工程(1)]
工程(1)は、基材フィルム上に樹脂薄膜を形成して複層フィルムを得る工程である。工程(1)では、基材フィルム上に、樹脂薄膜を形成するための樹脂を含む組成物を塗布して、組成物の膜を設けた後、当該組成物の膜を硬化させて樹脂薄膜を形成することにより、複層フィルムを製造しうる。以下、工程(1)で用いる材料及び工程(1)における操作について説明する。
[2.1.基材フィルム]
複層フィルムの製造に用いる基材フィルムは、樹脂薄膜を支持するためのフィルムである。この基材フィルムは、樹脂薄膜に亀裂を形成する工程(2)において、破損しない程度に強い機械的強度を有するフィルムであることが好ましい。また、基材フィルムとしては、ロールトゥロール法によって効率的に製造できるという観点から、長尺のフィルムが好ましい。
このような基材フィルムとしては、樹脂からなる基材層を備えるフィルムを用いうる。基材層を形成する樹脂が含む重合体の例を挙げると、鎖状オレフィン重合体、シクロオレフィン重合体、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリスチレン、ポリビニルアルコール、酢酸セルロース系重合体、ポリ塩化ビニル、ポリメタクリレートなどが挙げられる。
ここで、樹脂は、1種類の重合体を単独で含むものを用いてもよく、2種類以上の重合体を任意の比率で組み合わせて含むものを用いてもよい。また、樹脂は、本発明の効果を著しく損なわない限り、任意の配合剤を含んでいてもよい。
また、基材フィルムは、一層のみを備える単層構造のフィルムであってもよく、二層以上の層を備える複層構造のフィルムであってもよい。したがって、基材フィルムは、前記の基材層のみを備えるフィルムであってもよく、前記の基材層に加えて任意の層を備えるフィルムであってもよい。例えば、樹脂薄膜を形成する組成物として液晶組成物を用いる場合、液晶組成物を良好に配向させる観点から、基材フィルムは、配向膜を有していてもよい。
基材フィルムは、その表面において、配向規制力を有するものとしうる。基材フィルムに配向規制力を付与するための処理の例としては、ラビング処理、光配向処理、及びフォトリソグラフィによる配向処理が挙げられる。
ラビング処理は、フィルムの表面を擦ることにより配向規制力を付与する処理である。この場合において、配向膜は、例えば、ポリイミド、ポリビニルアルコール、ポリエステル、ポリアリレート、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド、ポリアミド等の重合体を含む樹脂により形成しうる。また、これらの重合体は、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を任意の比率で組み合わせて用いてもよい。配向膜は、前記の重合体を含む溶液を塗布し、乾燥させ、ラビング処理を施すことにより製造しうる。この場合において、配向膜の厚みは、好ましくは0.01μm以上、より好ましくは0.05μm以上であり、好ましくは5μm以下、より好ましくは1μm以下である。
但し、基材フィルムに配向規制力を付与する場合、基材フィルムは基材層に加えて配向膜を有するものであってもよく、配向膜を有しないものであってもよい。例えば、基材層に直接ラビング処理を行い、配向規制力を有する基材フィルムを得うる。
光配向処理とは、配光膜に直線偏光の紫外線を照射し、異方性を付与することにより、配向規制力を付与する処理である。フォトリソグラフィにより配向処理とは、基材フィルムの表面において、配向規制力を発現する構造物を、フォトリソグラフィを用いて形成する処理である。
基材フィルムは、延伸されていない未延伸フィルムであってもよく、延伸された延伸フィルムであってもよい。
また、基材フィルムは、等方なフィルムであってもよく、異方性を有するフィルムであってもよい。
さらに、基材フィルムは、その片面又は両面に表面処理が施されたものであってもよい。表面処理を施すことにより、基材フィルムの表面に直接形成される他の層との密着性を向上させることができる。表面処理としては、例えば、エネルギー線照射処理及び薬品処理などが挙げられる。
基材フィルムの厚みは、製造時のハンドリング性、材料のコスト、薄型化及び軽量化の観点から、好ましくは1μm以上、より好ましくは5μm以上であり、好ましくは500μm以下、より好ましくは200μm以下である。
[2.2.樹脂薄膜]
樹脂薄膜は、樹脂によって基材フィルムの表面に形成された膜である。樹脂薄膜は、基材フィルムの表面に直接形成しうる。基材フィルムと樹脂薄膜との間には、他の層が設けられていてもよい。また、樹脂薄膜は、1層のみを有する単層構造の膜であってもよく、2層以上の層を有する複層構造の膜であってもよい。
樹脂薄膜としては、基材フィルムからの樹脂薄膜の剥離を容易に行う観点から、基材フィルムとの剥離強度が小さいものが好ましい。基材フィルムと樹脂薄膜との間の具体的な剥離強度は、好ましくは500N/m以下、より好ましくは100N/m以下、より好ましくは10N/m以下、特に好ましくは5N/m以下である。また、下限に特に制限は無いが、通常1N/m以上である。
ここで、基材フィルムと樹脂薄膜との間の剥離強度は、次の方法により測定しうる。
ガラス板を用意する。また、保護フィルムとしての剥離ライナー、粘着剤層及び剥離ライナーをこの順に備える3層構造の粘着シートを用意する。
粘着シートを、ガラス板と同じサイズにカットする。粘着シートの一方の剥離ライナーを剥離し、粘着剤層の表面を露出させる。この露出した粘着剤層の表面をガラス板に、荷重1Kgのローラーを用いて貼り合わせる。
粘着シートのもう一方の剥離ライナーを剥離し、粘着剤層の表面を露出させる。この露出した粘着剤層の表面を、基材フィルム及び樹脂薄膜を備える複層フィルムの樹脂薄膜側の面と、荷重1Kgのローラーを用いて貼り合わせる。その後、複層フィルムのガラス板からはみ出した部分を切り除く。これにより、ガラス板、粘着剤層、樹脂薄膜及び基材フィルムをこの順に備えるサンプルを得る。
前記のサンプルを、引張試験機(例えば、IMADA製「MX-500N-L550-E」)の冶具に挟み、固定する。このサンプルの基材フィルムを、JIS K6854-1に準じて90°方向(即ち、ガラス板の表面の法線方向)に引っ張ることにより、樹脂薄膜から基材フィルムを剥がして、その剥離強度を測定する。測定の際の引張速度は、20mm/分とする。
樹脂薄膜の厚みは、好ましくは0.1μm以上、より好ましくは1μm以上、特に好ましくは2μm以上であり、好ましくは200μm以下、より好ましくは100μm以下、特に好ましくは10μm以下である。樹脂薄膜の厚みを下限値以上とすることにより、亀裂を形成する際に基材フィルムの破損を防止し、樹脂薄膜の厚みを上限値以下とすることにより、剥離作業を効率よく行うことができる。
樹脂薄膜としては、例えば、樹脂を含む組成物として光硬化性の液晶組成物を用いて硬化させた硬化物からなる膜を用いうる。すなわち、樹脂薄膜を形成する樹脂としては、例えば、光硬化性の液晶組成物の硬化物を用いうる。光硬化性の液晶組成物の硬化物は、比較的脆く、応力によって破壊されやすい傾向がある。そのため、光硬化性の液晶組成物の硬化物からなる膜は、上述した剥離片の製造方法に適している。ここで便宜上「液晶組成物」と称する材料は、2種類以上の物質の混合物のみならず、単一の物質からなる材料をも包含する。
また、樹脂薄膜としては、例えば、コレステリック樹脂層を用いてもよい。コレステリック樹脂層とは、コレステリック規則性を有する樹脂層のことをいう。コレステリック規則性を有する樹脂層が有するコレステリック規則性とは、一平面上では分子軸が一定の方向に並んでいるが、それに重なる次の平面では分子軸の方向が少し角度をなしてずれ、更に次の平面ではさらに角度がずれるというように、重なって配列している平面を順次透過して進むに従って当該平面中の分子軸の角度がずれて(ねじれて)いく構造である。即ち、層内の分子がコレステリック規則性を有する場合、分子は、樹脂層内において、多数の分子の層をなす態様で整列する。かかる多数の分子の層の中のある層Aにおいては、分子の軸がある一定の方向となるよう分子が整列し、それに隣接する層Bでは、層Aにおける方向と角度を成してずれた方向に分子が整列し、それにさらに隣接する層Cでは層Bにおける方向と角度を成してさらにずれた方向に分子が整列する。このように、多数の分子の層において、分子の軸の角度が連続的にずれて、分子がねじれる構造が形成される。このように分子軸の方向がねじれてゆく構造は光学的にカイラルな構造となる。
コレステリック樹脂層は、通常、円偏光分離機能を有する。すなわち、右円偏光及び左円偏光のうちの一方の円偏光を透過させ、他方の円偏光の一部又は全部を反射させる性質を有する。また、コレステリック樹脂層における反射は、円偏光を、そのキラリティを維持したまま反射する。コレステリック樹脂層は、なるべく高い反射率を有し、その結果、反射すべき波長範囲における平均反射率が高いものが好ましい。これにより、樹脂薄膜の剥離片を偽造防止物品の材料として用いた場合に、真正性の識別が明確になる。また、樹脂薄膜の剥離片を加飾性物品の材料として用いた場合に、デザインの自由度を高めることができる。
円偏光分離機能を発揮する波長は、一般に、コレステリック樹脂層におけるらせん構造のピッチに依存する。らせん構造のピッチとは、らせん構造において分子軸の方向が平面を進むに従って少しずつ角度が連続的にずれていき、そして再びもとの分子軸方向に戻るまでの平面法線方向の距離である。このらせん構造のピッチの大きさを変えることによって、円偏光分離機能を発揮する波長を変えることができる。広い波長範囲において円偏光分離機能を発揮しうるコレステリック樹脂層は、例えば、(i)らせん構造のピッチの大きさを段階的に変化させたコレステリック樹脂層、(ii)らせん構造のピッチの大きさを連続的に変化させたコレステリック樹脂層、などが挙げられる。
樹脂薄膜として前記のようなコレステリック樹脂層を用いた場合、本実施形態の製造方法によって、円偏光分離機能を活かした樹脂薄膜の剥離片を効率よく製造できる。
以下、好適な樹脂薄膜の一例として、光硬化性の液晶組成物の硬化物からなるコレステリック樹脂層について説明する。このようなコレステリック樹脂層は、例えば、基材フィルム上に光硬化性の液晶組成物の膜を設け、この液晶組成物の膜を硬化して得ることができる。この際、液晶組成物としては、例えば、液晶性化合物を含有し、基材フィルム上に膜を形成した際にコレステリック液晶相を呈しうる組成物を用いうる。
ここで、液晶組成物が含む液晶性化合物としては、重合性を有する液晶性化合物を用いうる。かかる重合性を有する液晶性化合物を、コレステリック規則性を呈した状態で重合させることにより、前記の液晶組成物の膜を硬化させ、コレステリック規則性を呈したまま硬化した非液晶性のコレステリック樹脂層を得ることができる。
このような液晶組成物の中でも好適な例としては、下記式(1)で表される化合物、及び特定の棒状液晶性化合物を含有する液晶組成物が挙げられる。
1-A1-B-A2-R2 (1)
式(1)において、R1及びR2は、それぞれ独立して、炭素原子数1個~20個の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基、炭素原子数1個~20個の直鎖状又は分岐鎖状のアルキレンオキサイド基、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、カルボキシル基、任意の連結基が介在していてもよい(メタ)アクリル基、エポキシ基、メルカプト基、イソシアネート基、アミノ基、及びシアノ基からなる群より選択される基である。
前記アルキル基及びアルキレンオキサイド基は、置換されていないか、若しくはハロゲン原子で1つ以上置換されていてもよい。さらに、前記ハロゲン原子、ヒドロキシル基、カルボキシル基、(メタ)アクリル基、エポキシ基、メルカプト基、イソシアネート基、アミノ基、及びシアノ基は、炭素原子数1個~2個のアルキル基、及びアルキレンオキサイド基と結合していてもよい。
1及びR2として好ましい例としては、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、カルボキシル基、(メタ)アクリル基、エポキシ基、メルカプト基、イソシアネート基、アミノ基、及びシアノ基が挙げられる。
また、R1及びR2の少なくとも一方は、反応性基であることが好ましい。R1及びR2の少なくとも一方として反応性基を有することにより、前記式(1)で表される化合物が硬化時にコレステリック樹脂層中に固定され、より強固な層を形成することができる。ここで反応性基とは、例えば、カルボキシル基、(メタ)アクリル基、エポキシ基、メルカプト基、イソシアネート基、及びアミノ基を挙げることができる。
式(1)において、A1及びA2はそれぞれ独立して、1,4-フェニレン基、1,4-シクロヘキシレン基、1,4-シクロヘキセニレン基、4,4’-ビフェニレン基、4,4’-ビシクロヘキシレン基、及び2,6-ナフチレン基からなる群より選択される基を表す。前記1,4-フェニレン基、1,4-シクロヘキシレン基、1,4-シクロヘキセニレン基、4,4’-ビフェニレン基、4,4’-ビシクロヘキシレン基、及び2,6-ナフチレン基は、置換されていないか、若しくはハロゲン原子、ヒドロキシル基、カルボキシル基、シアノ基、アミノ基、炭素原子数1個~10個のアルキル基、ハロゲン化アルキル基等の置換基で1つ以上置換されていてもよい。A1及びA2のそれぞれにおいて、2以上の置換基が存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。
1及びA2として特に好ましいものとしては、1,4-フェニレン基、4,4’-ビフェニレン基、及び2,6-ナフチレン基からなる群より選択される基が挙げられる。これらの芳香環骨格は脂環式骨格と比較して比較的剛直であり、棒状液晶性化合物のメソゲンとの親和性が高く、配向均一性がより高くなる。
式(1)において、Bは、単結合、-O-、-S-、-S-S-、-CO-、-CS-、-OCO-、-CH2-、-OCH2-、-CH=N-N=CH-、-NHCO-、-O-(C=O)-O-、-CH2-(C=O)-O-、及び-CH2O-(C=O)-からなる群より選択される。
Bとして特に好ましいものとしては、単結合、-O-(C=O)-及び-CH=N-N=CH-が挙げられる。
式(1)で表される化合物は、少なくとも一種類が液晶性を有することが好ましく、また、キラリティを有することが好ましい。また、式(1)で表される化合物は、複数の光学異性体を組み合わせて用いることが好ましい。例えば、複数種類のエナンチオマーの混合物、複数種類のジアステレオマーの混合物、又は、エナンチオマーとジアステレオマーとの混合物を用いてもよい。式(1)で表される化合物の少なくとも一種は、その融点が、50℃~150℃の範囲内であることが好ましい。
式(1)で表される化合物が液晶性を有する場合には、屈折率異方性Δnが高いことが好ましい。屈折率異方性Δnが高い液晶性化合物を式(1)で表される化合物として用いることによって、それを含む液晶組成物の屈折率異方性Δnを向上させることができ、円偏光を反射可能な波長範囲が広いコレステリック樹脂層を作製することができる。式(1)で表される化合物の少なくとも一種の屈折率異方性Δnは、好ましくは0.18以上、より好ましくは0.22以上である。ここで、屈折率異方性Δnは、セナルモン法により測定しうる。例えば、硬化樹脂層を光学顕微鏡(ECLIPSE E600POL(透過・反射タイプ)に鋭敏色板、λ/4波長板、セナルモンコンペンセータ、GIFフィルター546nmを装着、ニコン社製)を用いて消光位(θ)を観察することからレタデーション(Re)をRe=λ(546nm)×θ/180の計算式により算出し、別に求めた液晶層の膜厚(d)から計算式Δn=Re/dによりΔnを算出できる。
式(1)で表される化合物として特に好ましい具体例としては、例えば下記の化合物(A1)~(A10)が挙げられる。また、これらは、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を任意の比率で組み合わせて用いてもよい。
Figure 0007272351000001
上記化合物(A3)において、「*」はキラル中心を表す。
前記の式(1)で表される化合物と組み合わせて用いる棒状液晶性化合物としては、屈折率異方性Δnが0.18以上であって、且つ、1分子中に少なくとも2つ以上の反応性基を有する棒状液晶性化合物が好ましい。このような棒状液晶性化合物としては、例えば、式(2)で表される化合物を挙げることができる。
3-C3-D3-C5-M-C6-D4-C4-R4 式(2)
式(2)において、R3及びR4は、反応性基であり、それぞれ独立して、(メタ)アクリル基、(チオ)エポキシ基、オキセタン基、チエタニル基、アジリジニル基、ピロール基、ビニル基、アリル基、フマレート基、シンナモイル基、オキサゾリン基、メルカプト基、イソ(チオ)シアネート基、アミノ基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、及びアルコキシシリル基からなる群より選択される基を表す。これらの反応性基を有することにより、液晶組成物を硬化させた際に、実用に耐えうる膜強度を有した硬化物を得ることができる。ここで、実用に耐えうる膜強度とは、鉛筆硬度(JIS K5400)で、通常HB以上、好ましくはH以上である。膜強度をこのように高くすることにより、傷をつきにくくできるので、ハンドリング性を高めることができる。
式(2)において、D3及びD4は、単結合、炭素原子数1個~20個の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基、及び炭素原子数1個~20個の直鎖状又は分岐鎖状のアルキレンオキサイド基からなる群より選択される基を表す。
式(2)において、C3~C6は、単結合、-O-、-S-、-S-S-、-CO-、-CS-、-OCO-、-CH2-、-OCH2-、-CH=N-N=CH-、-NHCO-、-O-(C=O)-O-、-CH2-(C=O)-O-、及び-CH2O-(C=O)-からなる群より選択される基を表す。
式(2)において、Mは、メソゲン基を表す。具体的には、Mは、非置換又は置換基を有していてもよい、アゾメチン類、アゾキシ類、フェニル類、ビフェニル類、ターフェニル類、ナフタレン類、アントラセン類、安息香酸エステル類、シクロヘキサンカルボン酸フェニルエステル類、シアノフェニルシクロヘキサン類、シアノ置換フェニルピリミジン類、アルコキシ置換フェニルピリミジン類、フェニルジオキサン類、トラン類、アルケニルシクロヘキシルベンゾニトリル類の群から選択された2個~4個の骨格を、-O-、-S-、-S-S-、-CO-、-CS-、-OCO-、-CH2-、-OCH2-、-CH=N-N=CH-、-NHCO-、-O-(C=O)-O-、-CH2-(C=O)-O-、及び-CH2O-(C=O)-等の結合基によって結合された基を表す。
前記メソゲン基Mが有しうる置換基としては、例えば、ハロゲン原子、置換基を有してもよい炭素数1個~10個のアルキル基、シアノ基、ニトロ基、-O-R5、-O-C(=O)-R5、-C(=O)-O-R5、-O-C(=O)-O-R5、-NR5-C(=O)-R5、-C(=O)-NR5、または-O-C(=O)-NR5が挙げられる。ここで、R5及びRは、水素原子又は炭素数1個~10個のアルキル基を表す。R及びRがアルキル基である場合、当該アルキル基には、-O-、-S-、-O-C(=O)-、-C(=O)-O-、-O-C(=O)-O-、-NR6-C(=O)-、-C(=O)-NR6-、-NR6-、または-C(=O)-が介在していてもよい(ただし、-O-および-S-がそれぞれ2以上隣接して介在する場合を除く。)。ここで、R6は、水素原子または炭素数1個~6個のアルキル基を表す。
前記「置換基を有してもよい炭素数1個~10個のアルキル基」における置換基としては、例えば、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、カルボキシル基、シアノ基、アミノ基、炭素原子数1個~6個のアルコキシ基、炭素原子数2個~8個のアルコキシアルコキシ基、炭素原子数3個~15個のアルコキシアルコキシアルコキシ基、炭素原子数2個~7個のアルコキシカルボニル基、炭素原子数2個~7個のアルキルカルボニルオキシ基、炭素原子数2~7個のアルコキシカルボニルオキシ基等が挙げられる。
また、棒状液晶性化合物は、非対称構造であることが好ましい。ここで非対称構造とは、式(2)において、メソゲン基Mを中心として、R3-C3-D3-C5-と-C6-D4-C4-R4が異なる構造のことをいう。棒状液晶性化合物として非対称構造のものを用いることにより、配向均一性をより高めることができる。
棒状液晶性化合物の屈折率異方性Δnは、好ましくは0.18以上、より好ましくは0.22以上である。屈折率異方性Δnが0.30以上の棒状液晶性化合物を用いると、紫外線吸収スペクトルの長波長側の吸収端が可視域に及ぶ場合があるが、該スペクトルの吸収端が可視域に及んでも所望する光学的性能に悪影響を及ぼさない限り、使用可能である。このような高い屈折率異方性Δnを有する棒状液晶性化合物を用いることにより、高い光学的性能(例えば、円偏光の選択反射性能)を有するコレステリック樹脂層を得ることができる。
棒状液晶性化合物の好ましい具体例としては、以下の化合物(B1)~(B10)が挙げられる。また、これらは、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を任意の比率で組み合わせて用いてもよい。
Figure 0007272351000002
(式(1)で表される化合物の合計重量)/(棒状液晶性化合物の合計重量)で示される重量比は、好ましくは0.05以上、より好ましくは0.1以上、特に好ましくは0.15以上であり、好ましくは1以下、より好ましくは0.65以下、特に好ましくは0.45以下である。前記の重量比を前記範囲の下限値以上にすることにより、液晶組成物の膜において配向均一性を高めることができる。また、上限値以下にすることにより、配向均一性を高くできる。また、液晶組成物の液晶相の安定性を高くできる。さらに、液晶組成物の屈折率異方性Δnを高くできるので、所望の光学的性能(例えば、円偏光の選択反射性能)を有するコレステリック樹脂層を安定して得ることができる。ここで、合計重量とは、1種類を用いた場合にはその重量を示し、2種類以上を用いた場合には合計の重量を示す。
また、式(1)で表される化合物と棒状液晶性化合物とを組み合わせて用いる場合、式(1)で表される化合物の分子量が600未満であることが好ましく、棒状液晶性化合物の分子量が600以上であることが好ましい。これにより、式(1)で表される化合物が、それよりも分子量の大きい棒状液晶性化合物の隙間に入り込むことができるので、配向均一性を向上させることができる。
液晶組成物は、硬化後の膜強度向上及び耐久性向上のために、任意に架橋剤を含有しうる。架橋剤としては、液晶組成物の膜の硬化時に同時に反応したり、硬化後に熱処理を行って反応を促進したり、又は湿気により自然に反応が進行して、コレステリック樹脂層の架橋密度を高めることができ、かつ配向均一性を悪化させないものを適宜選択し用いることができる。そのため、例えば、紫外線、熱、湿気等で硬化する任意の架橋剤を好適に使用できる。架橋剤としては、例えば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、2-(2-ビニロキシエトキシ)エチルアクリレート等の多官能アクリレート化合物;グリシジル(メタ)アクリレート、エチレングリコールジグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールテトラグリシジルエーテル等のエポキシ化合物;2,2-ビスヒドロキシメチルブタノール-トリス[3-(1-アジリジニル)プロピオネート]、4,4-ビス(エチレンイミノカルボニルアミノ)ジフェニルメタン、トリメチロールプロパン-トリ-β-アジリジニルプロピオネート等のアジリジン化合物;ヘキサメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネートから誘導されるイソシアヌレート型イソシアネート、ビウレット型イソシアネート、アダクト型イソシアネート等のイソシアネート化合物;オキサゾリン基を側鎖に有するポリオキサゾリン化合物;ビニルトリメトキシシラン、N-(2-アミノエチル)3-アミノプロピルトリメトキシシラン、3-アミノプロピルトリメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3-(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、N-(1,3-ジメチルブチリデン)-3-(トリエトキシシリル)-1-プロパンアミン等のアルコキシシラン化合物;が挙げられる。また、架橋剤は、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を任意の比率で組み合わせて用いてもよい。さらに、架橋剤の反応性に応じて公知の触媒を用いてもよい。触媒を用いることにより、コレステリック樹脂層の膜強度及び耐久性向上に加えて、生産性を向上させることができる。
架橋剤の量は、液晶組成物の膜を硬化して得られるコレステリック樹脂層における架橋剤の量が0.1重量%~15重量%となるようにすることが好ましい。架橋剤の量を前記範囲の下限値以上にすることにより、架橋密度を効果的に高めることができる。また、上限値以下にすることにより、液晶組成物の膜の安定性を高めることができる。
また、液晶組成物は、光硬化性を有するために、通常は、光開始剤を含有する。光開始剤としては、例えば、紫外線又は可視光線によってラジカル又は酸を発生させる公知の化合物が使用できる。光開始剤の具体例としては、ベンゾイン、ベンジルメチルケタール、ベンゾフェノン、ビアセチル、アセトフェノン、ミヒラーケトン、ベンジル、ベンジルイソブチルエーテル、テトラメチルチウラムモノ(ジ)スルフィド、2,2-アゾビスイソブチロニトリル、2,2-アゾビス-2,4-ジメチルバレロニトリル、ベンゾイルパーオキサイド、ジ-tert-ブチルパーオキサイド、1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニル-プロパン-1-オン、1-(4-イソプロピルフェニル)-2-ヒドロキシ-2-メチルプロパン-1-オン、チオキサントン、2-クロロチオキサントン、2-メチルチオキサントン、2,4-ジエチルチオキサントン、メチルベンゾイルフォーメート、2,2-ジエトキシアセトフェノン、β-アイオノン、β-ブロモスチレン、ジアゾアミノベンゼン、α-アミルシンナミックアルデヒド、p-ジメチルアミノアセトフェノン、p-ジメチルアミノプロピオフェノン、2-クロロベンゾフェノン、pp’-ジクロロベンゾフェノン、pp’-ビスジエチルアミノベンゾフェノン、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインn-プロピルエーテル、ベンゾインn-ブチルエーテル、ジフェニルスルフィド、ビス(2,6-メトキシベンゾイル)-2,4,4-トリメチル-ペンチルフォスフィンオキサイド、2,4,6-トリメチルベンゾイルジフェニル-フォスフィンオキサイド、ビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)-フェニルフォスフィンオキサイド、2-メチル-1[4-(メチルチオ)フェニル]-2-モルフォリノプロパン-1-オン、2-ベンジル-2-ジメチルアミノ-1-(4-モルフォリノフェニル)-ブタン-1-オン、アントラセンベンゾフェノン、α-クロロアントラキノン、ジフェニルジスルフィド、ヘキサクロルブタジエン、ペンタクロルブタジエン、オクタクロロブテン、1-クロルメチルナフタリン、1,2-オクタンジオン-1-[4-(フェニルチオ)-2-(o-ベンゾイルオキシム)]や1-[9-エチル-6-(2-メチルベンゾイル)-9H-カルバゾール-3-イル]エタノン1-(o-アセチルオキシム)などのカルバゾールオキシム化合物、(4-メチルフェニル)[4-(2-メチルプロピル)フェニル]ヨードニウムヘキサフルオロフォスフェート、3-メチル-2-ブチニルテトラメチルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、ジフェニル-(p-フェニルチオフェニル)スルホニウムヘキサフルオロアンチモネート等が挙げられる。また、これらは1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を任意の比率で組み合わせて用いてもよい。さらに、必要に応じて公知の光増感剤又は重合促進剤としての三級アミン化合物を用いて、硬化性をコントロールしてもよい。
光開始剤の量は、液晶組成物中0.03重量%~7重量%であることが好ましい。光開始剤の量を前記範囲の下限値以上にすることにより、重合度を高くできるので、コレステリック樹脂層の膜強度を高めることができる。また、上限値以下にすることにより、液晶性化合物の配向を良好にできるので、液晶組成物の液晶相を安定にできる。
液晶組成物は、任意に界面活性剤を含有しうる。界面活性剤としては、例えば、配向を阻害しないものを適宜選択して使用しうる。このような界面活性剤としては、例えば、疎水基部分にシロキサン又はフッ化アルキル基を含有するノニオン系界面活性剤が好適に挙げられる。中でも、1分子中に2個以上の疎水基部分を持つオリゴマーが特に好適である。これらの界面活性剤の具体例としては、OMNOVA社のPolyFoxのPF-151N、PF-636、PF-6320、PF-656、PF-6520、PF-3320、PF-651、PF-652;ネオス社のフタージェントのFTX-209F、FTX-208G、FTX-204D;セイミケミカル社のサーフロンのKH-40;等を用いることができる。また、界面活性剤は、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を任意の比率で組み合わせて用いてもよい。
界面活性剤の量は、液晶組成物を硬化して得られるコレステリック樹脂層における界面活性剤の量が0.05重量%~3重量%となるようにすることが好ましい。界面活性剤の量を前記範囲の下限値以上にすることにより、空気界面における配向規制力を高くできるので、配向欠陥を防止できる。また、上限値以下にすることにより、過剰の界面活性剤が液晶分子間に入り込むことによる配向均一性の低下を防止できる。
液晶組成物は、任意にカイラル剤を含有しうる。通常、コレステリック樹脂層のねじれ方向は、使用するカイラル剤の種類及び構造により適宜選択できる。ねじれを右方向とする場合には、右旋性を付与するカイラル剤を用い、ねじれ方向を左方向とする場合には、左旋性を付与するカイラル剤を用いることで、実現できる。カイラル剤の具体例としては、特開2005-289881号公報、特開2004-115414号公報、特開2003-66214号公報、特開2003-313187号公報、特開2003-342219号公報、特開2000-290315号公報、特開平6-072962号公報、米国特許第6468444号明細書、国際公開第98/00428号、特開2007-176870号公報、等に掲載されるものを適宜使用することができ、例えばBASF社パリオカラーのLC756として入手できる。また、カイラル剤は、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を任意の比率で組み合わせて用いてもよい。
カイラル剤の量は、所望する光学的性能を低下させない範囲で任意に設定しうる。カイラル剤の具体的な量は、液晶組成物中で、通常1重量%~60重量%である。
液晶組成物は、必要に応じてさらに他の任意成分を含有しうる。この任意成分としては、例えば、溶媒、ポットライフ向上のための重合禁止剤、耐久性向上のための酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定化剤等を挙げることができる。また、これらの任意成分は、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を任意の比率で組み合わせて用いてもよい。これらの任意成分の量は、所望する光学的性能を低下させない範囲で任意に設定しうる。
液晶組成物の製造方法は、特に限定されず、上記各成分を混合することにより製造することができる。
前記の光硬化性の液晶組成物を用意した後で、基材フィルム上にその液晶組成物の膜を設ける。通常、液晶組成物を基材フィルムの表面に塗布することにより、液晶組成物の膜を設ける。また、基材フィルムが配向膜を有する場合には、通常、配向膜上に液晶組成物の膜を設ける。さらに、液晶組成物を塗布する前に、必要に応じて、基材フィルムの表面にコロナ放電処理及びラビング処理等の処理を施してもよい。
液晶組成物の塗布は、公知の方法、例えば押し出しコーティング法、ダイレクトグラビアコーティング法、リバースグラビアコーティング法、ダイコーティング法、バーコーティング法等により実施することができる。
基材フィルム上に液晶組成物の膜を設けた後で、必要に応じて、配向処理を行ってもよい。配向処理は、例えば液晶組成物の膜を50℃~150℃で0.5分間~10分間加温することにより行いうる。配向処理を施すことにより、膜中の液晶組成物を良好に配向させることができる。
その後、液晶組成物の膜を硬化させるために、硬化処理を行う。硬化処理は、例えば、1回以上の光照射と加温処理との組み合わせにより行うことができる。
加温条件は、例えば、通常40℃以上、好ましくは50℃以上、また、通常200℃以下、好ましくは140℃以下の温度において、通常1秒以上、好ましくは5秒以上、また、通常3分以下、好ましくは120秒以下の時間としうる。
また、光照射に用いる光とは、可視光のみならず紫外線及びその他の電磁波をも含む。光照射は、例えば、波長200nm~500nmの光を0.01秒~3分照射することにより行うことができる。この際、照射される光のエネルギーは、例えば、0.01mJ/cm~50mJ/cm2としうる。
0.01mJ/cm~50mJ/cm2の微弱な紫外線照射と加温とを複数回交互に繰り返すことにより、らせん構造のピッチの大きさを連続的に大きく変化させた、反射帯域の広い円偏光分離機能を有するコレステリック樹脂層を得ることができる。さらに、上記の微弱な紫外線照射等による反射帯域の拡張を行った後に、50mJ/cm~10,000mJ/cm2といった比較的強い紫外線を照射し、液晶性化合物を完全に重合させることにより、機械的強度の高いコレステリック樹脂層を得ることができる。上記の反射帯域の拡張及び強い紫外線の照射は、空気下で行ってもよく、又はその工程の一部又は全部を、酸素濃度を制御した雰囲気(例えば、窒素雰囲気下)中で行ってもよい。
前記のような液晶組成物の塗布及び硬化の工程は、1回に限られず、塗布及び硬化を複数回繰り返して行ってもよい。これにより、2層以上を含むコレステリック樹脂層を形成できる。ただし、上記の例において説明した液晶組成物を用いることにより、1回のみの液晶組成物の塗布及び硬化によっても、良好に配向した棒状液晶性化合物を含み、かつ5μm以上といった厚みのコレステリック樹脂層を容易に形成することができる。
[2.3.複層フィルムの構成]
工程1で得られる複層フィルム10は、図2に示す構成としうる。この複層フィルム10は工程2に供される。
[3.工程(2)]
工程(2)は、樹脂薄膜に液体を吹き付けて亀裂を形成する工程である。
工程(2)について上述の図1および図3を参照しつつ説明する。図3は、液体を吹き付けることにより亀裂が形成された複層フィルムを模式的に示す断面図である。
樹脂薄膜に液体を吹き付ける工程は、図1に示すように、剥離室110内に設けた液体吹付装置120を用いて行う。液体吹付装置120は液体供給部121、液体を吹き付けるノズル120Aを有する。剥離室110には、液体の吹き付けを行う際に、複層フィルム10を厚み方向の一方(図示上方)から押さえつけうる一対のテンションロール111A,111Bが、周方向に回転可能に設けられている。また、剥離室110には、テンションロール111A,111Bとは、複層フィルム10の厚み方向における反対側に設けられ、複層フィルム10を支持する支持板112が設けられている。
本実施形態において、複層フィルム10は、テンションロール111A及び111Bにより上方から押さえつけられつつ、下側面を支持板112により支持された状態で、上方に設けられたノズル120Aから液体が吹き付けられるので、フィルムのたるみを防止しつつ吹付作業を行うことが可能である。
ノズル120Aから吹き付けられる液体の圧力(吹付圧力)は、樹脂薄膜11に亀裂を生じさせ、亀裂が形成された樹脂薄膜11を基材フィルム12から吹き飛ばすことができる程度に高圧に設定されている。液体の吹付圧力は好ましくは0.15MPa以上、より好ましくは0.5MPa以上であり、好ましくは50MPa以下、より好ましくは40MPa以下である。液体の吹付圧力を下限値以上とすることにより、樹脂薄膜に充分な深さの亀裂を形成し、かつ基材フィルムから樹脂薄膜を剥離することができ、液体の吹付圧力を上限値以下とすることにより基材フィルムの破損を防止することができる。
ノズル120Aの設置方向は、ノズル120Aから噴射される液体によって、樹脂薄膜11を剥離できるように設定されている。基材フィルム12に対する液体の吹付角度は、樹脂薄膜11に亀裂を形成することができる角度にしうる。
液体としては、特に限定はないが、水道水、イオン交換水、純水;クロロホルム、塩化メチレン、フルオロカーボンなどの(塩素系、フッ素系、臭素系)有機溶剤;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶剤;n-ペンタン、n-ヘキサン、n-ヘプタン等の脂肪族炭化水素系溶剤;界面活性剤が挙げられる。これらは一種または二種以上を組み合わせて用い得る。亀裂に入り込みやすく樹脂薄膜の剥離を促進するという観点から、有機溶剤及び炭化水素系溶剤、および界面活性剤から選ばれる液体を用いうる。安全な管理が可能で、樹脂薄膜の侵食を防止し、紛体(剥離片)の凝集の発生を抑制するという観点から、純水が好ましい。本願において、「純水」とはJISK0557「用水・排水の試験に用いる水」に規定されている「A1」に相当する水質又はそれ以上の清浄な水質を有するものをいう。
複層フィルム10の面のうち、液体が吹き付けられる側の面(図示上面)は、樹脂薄膜11が形成されている面である。複層フィルム10の樹脂薄膜が形成されている面に、液体を吹き付けると液体が樹脂薄膜11に衝突し亀裂10Cが形成される。このようにして、亀裂10Cが形成された複層フィルム10が得られる(図2を参照)。
[工程(2)で得られる亀裂が形成された複層フィルム]
工程(2)を行うことにより、複層フィルム10の樹脂薄膜11には、図3に示すように、亀裂10Cが形成される。亀裂10Cが形成された複層フィルム10は工程(3)に供される。
[4.工程(3)]
工程(3)は、基材フィルムから樹脂薄膜を剥離して剥離片を得る工程である。本実施形態において、工程(3)は、工程(2)から引き続き、液体を亀裂が形成された複層フィルムに吹き付けることにより、基材フィルムから亀裂が形成された樹脂薄膜を吹き飛ばす工程(3A)と、吹き飛ばされた樹脂薄膜を回収する工程(3B)とを含みうる。
本実施形態では、亀裂が形成された複層フィルムに液体を吹き付けて樹脂薄膜を吹き飛ばす工程(3A)は、工程(2)から引き続き、同じ装置(剥離室110内に設けた液体吹付装置120)を用いて行いうる。工程(3A)において、複層フィルムに吹き付ける液体は、回収が容易であるという観点から、工程(2)と同一の液体であるのが好ましいが、相違していてもよい。工程(3A)における液体の吹付圧力、及び液体の吹付角度は、工程(2)と同一でも、相違していてもよい。即ち、工程(3)の実施の工程は、工程(2)の実施の工程と別の工程として行ってもよく、工程(2)の実施の工程と共通の操作により、同時に行ってもよい。
工程(2)から引き続き、液体を吹き付けることにより、吹き飛ばされた樹脂薄膜11(剥離片11A)は、液体とともに、剥離室110から連なる剥離片回収部115へ移動する。剥離片回収部115では、剥離片11Aを液体から濾取しうるフィルター116が設けられているので、剥離片11Aは液体から回収される。濾取された剥離片11Aはフィルター116上に残り、液体はフィルター116を通過して液体回収部130にて回収される。液体回収部130で回収された液体は、液体流路131を通って、L1で示す方向に移動し廃棄または再利用されうる。フィルター116により回収された樹脂薄膜11(剥離片11A)は、使用する用途に応じて次の工程に供し得る。
樹脂薄膜11が剥離された後の基材フィルム12は搬送ロール103により剥離装置103の外に搬送され回収される。
フィルターにより回収された樹脂薄膜(剥離片)は、液体成分を含み得るので、必要に応じて乾燥工程を行う。乾燥工程は、通常、オーブン等の乾燥装置を用いて行う。フィルターにより回収された樹脂薄膜(剥離片)は、そのまま、または乾燥工程を行った後、用途に応じて粉砕されうる。樹脂薄膜の粉砕は、通常、粉砕機を用いて行う。粉砕機としては、例えば、ボールミル、ビーズミル、ロールミル、ロッドミル、石臼式粉砕機等が挙げられる。
粉砕により得られる樹脂薄膜の剥離片の平均粒子径は、装飾性を得る上で1μm以上であることが好ましく、また、フィルムの成形性や印刷適性を得る上で500μm以下であることが好ましく、100μm以下であることがより好ましい。
樹脂薄膜の剥離片の平均粒子径は、次のようにして測定しうる。まず、目開きの異なるいくつかの篩を用いて、その目開きを有する篩を通過する樹脂薄膜の剥離片の割合を測定する。そして、目開きの大きさと、その目開きを有する篩を通過する樹脂薄膜の剥離片の割合から、樹脂薄膜顔料の粒子径分布を積算重量百分率で表す。この粒子径分布において、その重量の積算値が50%の粒子径を、平均粒子径とする。
[5.樹脂薄膜の剥離片の用途]
上述した製造方法によって製造された樹脂薄膜の剥離片は、顔料として塗料に適用することができる。この塗料は、分散媒と、その分散媒に分散した樹脂薄膜の剥離片(顔料)とを含む。以下、樹脂薄膜の剥離片を顔料として適用したものを、樹脂薄膜顔料と呼ぶ。
樹脂薄膜顔料を含む塗料を物品に塗布し、乾燥させることにより、樹脂薄膜顔料を含む層を物品の表面に形成することができる。樹脂薄膜顔料を含む層を有する物品は、樹脂薄膜顔料が有する特性を活かして、多様な用途に用いることができる。例えば、樹脂薄膜がコレステリック樹脂層である場合、その樹脂薄膜から製造された樹脂薄膜顔料を含む層は、樹脂薄膜自体と同様に、円偏光分離機能を有する。そのため、コレステリック樹脂層からなる樹脂薄膜を用いて製造された塗料を用いることにより、物品の表面に円偏光分離機能を有する膜を用意に形成することができる。
樹脂薄膜顔料を含む層の適用対象としては、例えば、偽造防止物品、セキュリティ物品、加飾性物品などが挙げられる。
偽造防止物品としては、例えば、真正性識別用のラベル、シール、表示媒体などが挙げられる。
セキュリティ物品としては、例えば、金券、商品券、チケット、証明書、セキュリティカード等の認証媒体等が挙げられる。
加飾性物品としては、例えば、装飾品、文具、家具、自動車(内外装)、家電、PC、化粧品パッケージ等が挙げられる。
中でも、樹脂薄膜顔料が円偏光分離機能を有する場合、真正性識別用の表示媒体に適用することが好ましい。
[6.本実施形態の作用・効果]
本実施形態によれば、樹脂薄膜は、亀裂を形成した後に基材フィルムから剥離されるので、樹脂薄膜を基材フィルムから剥離した後に当該剥離した樹脂薄膜を粉砕するよりも、容易に樹脂薄膜の剥離片を製造することが可能である。また、本実施形態によれば、複層フィルムに液体を吹き付けることにより、樹脂薄膜に亀裂を形成し剥離するので、製造工程を簡素化することができる。その結果、本実施形態によれば、剥離片を効率的に製造する製造方法を提供することができる。
さらに、本実施形態によれば、複層フィルムに液体を吹き付けることにより樹脂薄膜に亀裂を形成し、剥離された剥離片は吹き付けられた液体とともに流れるので、乾式で樹脂薄膜を粉砕する場合よりも、粉塵爆発のリスクを小さくすることができ、配管つまりのリスクも小さくすることができる。
[他の実施形態]
上記実施形態では、剥離室110内に、上方から液体を吹き付けるノズル120Aを備える液体吹付装置と、複層フィルム10を厚み方向の上方から押さえつけうる一対のテンションロール111A,111Bと、テンションロール111A,111Bとは、複層フィルム10の厚み方向における反対側に設けられた支持板112と、を有する態様を示したが、本発明はこのような態様に限定されない。例えば、以下の変形例1および2に示す態様であってもよい。
(変形例1)
実施形態1において、液体吹付装置の配置位置及び、支持板の配置位置を変えた変形例1について図4を参照しつつ説明する。図4は、変形例1に係る製造装置の一部を模式的に示す側面図である。図4に示すように、変形例1の態様では、図示下方から液体Lを吹き付け可能なノズル220Aを備える液体吹付装置200と、複層フィルム10を厚み方向の上方から押さえつけうる一対のテンションロール211A,211Bと、当該テンションロールと同じ方向から複層フィルム10を支持する支持板212と、を有する。当該態様の場合、複層フィルム10を、樹脂薄膜11が下側になるように配することにより、樹脂薄膜11に直接液体が吹き付けられ、亀裂が形成され剥離される。
(変形例2)
実施形態1において、支持板を、ロール形状の支持体(支持ロール310)に代えた変形例2について図5を参照しつつ説明する。図5は、変形例1に係る製造装置の一部を模式的に示す側面図である。図5に示すように、変形例2では、剥離室は、テンションロールを備えず、複層フィルム11を支持する支持体として、ロール状の支持体310(支持ロール310)を備える。当該支持ロール310は周方向に回転可能である。支持ロール310は、複層フィルム11の液体Lが吹き付けられる面(上面)とは反対側の面(下側面)に接触して設けられており、複層フィルム11の液体Lが吹き付けられる部分を下側から支持している。当該態様の場合、複層フィルム10を樹脂薄膜11が上側になるように配することにより、上方に設けられたノズル320Aによって、樹脂薄膜11に直接液体が吹き付けられ、亀裂が形成され剥離される。図5中、321は液体供給部、300は液体吹付装置である。
(変形例3)
実施形態1とは異なるフィルムの搬送経路を有する変形例3について図7を参照しつつ説明する。図7は、変形例3に係る製造装置の一部を模式的に示す側面図である。図7において、製造装置700は、複層フィルム10を繰り出す繰出し装置701と、複層フィルム10に液体を吹き付けて亀裂を形成し複層フィルム10から樹脂薄膜を剥離する液体吹付装置720と、当該液体吹付装置を収容する剥離室710と、剥離された樹脂薄膜11(剥離片)を回収する剥離片回収部115とを備える。
繰出し装置701は、工程(1)で製造した複層フィルム10を所望の送出速度で送出するための装置である。繰出し装置701には、複層フィルム10を長尺方向に巻き取ったフィルムロールが装着可能である。繰出し装置701は、装着されたフィルムロールから複層フィルム10を長尺方向へ向けて送出しうる構造を有している。図7において、複層フィルム10は、繰出し装置701から繰出されて液体吹付装置720へ搬送される時点において、樹脂薄膜11側の面(図2参照)がノズル720A側(図7において左側)となるよう搬送される。
繰出し装置701から繰り出された複層フィルム10は、適切な搬送ロール(不図示)により、矢印A7に示す方向に搬送される。複層フィルム10は、一対のテンションロール711A及び711Bにより張力を付与された状態で、且つ支持板712により基材フィルム側(図7において右側)から支持された状態で、矢印A8の方向に搬送され、工程(2)及び工程(3)に供される。工程(2)及び(3)では、液体吹付装置720の液体供給部721からノズル720Aに液体を供給し、液体をノズル720Aから矢印A9の方向に噴出させ、それにより液体を複層フィルム10に吹き付ける。その結果得られた剥離片11A及び使用された液体は、図1に示した実施形態1におけるものと同様の機構により、剥離片回収部115、フィルター116及び液体回収部130及びその他の構成要素により回収される。
図1に示した実施形態1では、テンションロール111A及び111B並びに液体吹付装置120の両方が、複層フィルム10の搬送経路において、樹脂薄膜11側に配置されていたのに対し、図7に示す変形例3では、液体吹付装置720による吹き付けが樹脂薄膜11側で行われる一方、テンションロール711A及び711Bが基材フィルム12側に配置される。加えて、図1に示した実施形態1では、テンションロール111A及び111Bが水平に配置され、これらの間において複層フィルム10が水平に搬送されていたのに対し、図7に示す変形例3では、テンションロール711A及び711Bが略垂直に配置され、これらの間において複層フィルム10が略垂直に搬送される。
このような配置及び搬送方向を採用することにより、変形例3では、吹き付けが行われた後の液体の排出及び回収を円滑に行うことができる。即ち、実施形態1の配置では、ノズル120から吹き付けられた液体が、複層フィルム10並びにテンションロール111A及び111Bに囲まれた空間に容易に蓄積しうる。このような液体の蓄積が発生すると、ノズル120からの吹き付けのエネルギーが十分に樹脂薄膜に到達しない可能性がある。また、液体の蓄積により、複層フィルム10の搬送に不具合が発生する可能性もある。これに対し、変形例3の配置では、液体吹付装置720から吹き付けられた液体は、複層フィルム10並びにテンションロール711A及び711Bに妨げられることなく、容易に下方に落下する。そのため、液体の排出及び回収を円滑に行うことができ、且つ剥離の工程を円滑に行うことができる。このような特徴は、複層フィルム10として特に長さの長い長尺のフィルムを用い、本発明の製造方法を長時間連続して行う場合、特に有利な効果となり得る。
吹き付けに際しての複層フィルムの搬送方向を略垂直にする場合において、その方向は、鉛直方向(重力方向)を基準0°として、好ましくは0~20°、より好ましくは5~15°としうる。搬送方向を0°以外とし、鉛直方向から傾ける場合は、樹脂薄膜側の面が上側になるように傾けることが好ましい。このような搬送方向とすることにより、剥離の工程を円滑に行うことができ、且つ液体の蓄積を効果的に抑制することができる。
変形例3では、複層フィルム10は、下側のテンションロール711Aから上側のテンションロール711Bへ上向きに搬送し、液体吹付装置720より液体を下向きに吹き出して吹き付けを行っている。搬送及び吹き付けの向きはこれには限られず、例えば下向きに搬送を行い、液体を上向きに吹き出して吹き付けを行ってもよい。しかし、下側から上向きに搬送を行うことが、安定した搬送を行う上で有利である。具体的には、上向きで搬送し且つ複層フィルム10に張力を負荷した場合、複層フィルム10を上側に牽引する方向に力を付与することになる。その結果、逆向きで搬送する場合に比べて、吹き付けの操作において複層フィルム10がたわむ傾向を少なくすることができる。
以下、実施例を示して本発明について具体的に説明する。ただし、本発明は、以下に示す実施例に限定されるものでは無い。
以下の説明において、量を表す「%」及び「部」は、別に断らない限り、重量基準である。また、以下に説明する操作は、別に断らない限り、常温及び常圧の条件において行った。
[試薬の説明]
以下の実施例で使用した試薬は、以下の通りである。
光重合性液晶性化合物1としては、下記の構造を有する化合物を用いた。
Figure 0007272351000003
光重合性液晶性化合物2としては、下記の構造を有する化合物を用いた。
Figure 0007272351000004
光重合性非液晶性化合物としては、下記の構造を有する化合物を用いた。
Figure 0007272351000005
カイラル剤としては、BASF社製「LC756」を用いた。
光重合開始剤としては、チバ・ジャパン社製「イルガキュアOXEO2」を用いた。
界面活性剤としては、ネオス社製「フタージェント209F」を用いた。
液体として、以下のものを用いた。
・純水(TRUSCO製の精製水、JISK0557に規定する「A1」以上に相当する水質のもの)
[評価方法]
(基材フィルムからの樹脂薄膜の剥離強度の測定方法)
ガラス板(大きさ:25mm幅×長さ100mm、厚さ2mm)を用意した。また、このガラス板と同じサイズに、粘着シート(日東電工製「LUCIACS CS9621T」、厚さ25μm)をカットした。この粘着シートは、保護フィルムとしての剥離ライナー、粘着剤層及び剥離ライナーをこの順に備える3層構造のフィルムであった。
粘着シートの一方の剥離ライナーを剥離し、粘着剤層の表面を露出させた。この露出した粘着剤層の表面をガラス板に、荷重1Kgのローラーを用いて貼り合わせた。
粘着シートのもう一方の剥離ライナーを剥離し、粘着剤層の表面を露出させた。この露出した粘着剤層の表面を、基材フィルム及び樹脂薄膜を備える複層フィルムの樹脂薄膜側の面と、荷重1Kgのローラーを用いて貼り合わせた。その後、複層フィルムのガラス板からはみ出した部分を切り除いた。これにより、ガラス板、粘着剤層、樹脂薄膜及び基材フィルムをこの順に備えるサンプルを得た。
前記のサンプルを、引張試験機(IMADA製「MX-500N-L550-E」)の冶具に挟み、固定した。このサンプルの基材フィルムを、JIS K6854-1に準じて90°方向(即ち、ガラス板の表面の法線方向)に引っ張ることにより、樹脂薄膜から基材フィルムを剥がして、その剥離強度を測定した。測定の際、ロードセルとしては、最大荷重5Nのものを使用した。また、測定の際の引張速度は、20mm/分とした。
(樹脂薄膜の剥離片の粒度の評価)
目視により、各例により得られた剥離片の粒径と、比較例1により得られた剥離片の粒径とを比較し、以下の判定基準により評価した。
「良」:ほとんどの剥離片の粒径が比較例1の剥離片の粒径よりも小さい。
「不良」:ほとんどの剥離片の粒径が比較例1の剥離片の粒径以上である。
(樹脂薄膜の剥離片の剥離速度の評価)
樹脂薄膜の亀裂が形成された部分に流体(液体または気体)を吹き付けることにより、樹脂薄膜の全量が剥離したときの複層フィルムの搬送速度を比較した。
(連続処理時間の評価)
樹脂薄膜の剥離片の製造(連続的な工程(2)及び工程(3)の実施)を開始してから、60分後、及び150分後のそれぞれにおいて、樹脂薄膜の剥離が良好に行われているか否かを判定した。判定の結果、樹脂薄膜の剥離が良好に行われていると判定された場合、そのまま装置の運転を続行した。樹脂薄膜の剥離が良好に行われていないと判定された場合、装置の運転を中断して装置のクリーニングを実施し、その後運転を再開した。
判定の結果を、下記の評価基準で評価した。
60:製造開始60分後において、樹脂薄膜の剥離が良好に行われていないと判定された。
150:製造開始60分後においては樹脂薄膜の剥離が良好に行われていると判定されたが、製造開始150分後においては、樹脂薄膜の剥離が良好に行われていないと判定された。
>150:製造開始60分後においても、製造開始150分後においても、樹脂薄膜の剥離が良好に行われていると判定された。
[実施例1]
(1-1.光硬化性の液晶組成物の調製)
表1に示す比率で光重合性液晶性化合物1、光重合性非液晶性化合物、カイラル剤、光重合開始剤、界面活性剤及びシクロペンタノンを混合して、光硬化性の液晶組成物を調製した。
(1-2.長尺の複層フィルムの製造)
基材フィルムとして、面内の屈折率が等方性で長尺のポリエチレンテレフタレートフィルム(東洋紡社製「PETフィルムA4100」;厚み100μm)を用意した。この基材フィルムをフィルム搬送装置の繰り出し部に取り付け、当該基材フィルムを長尺方向に搬送しながら以下の操作を行った。まず、搬送方向と平行な長尺方向にラビング処理を施した。次に、ラビング処理を施した面に、(1-1)で調製した液晶組成物をダイコーターを使用して塗布した。これにより、基材フィルムの片面に、未硬化状態の液晶組成物の膜を形成した。
得られた液晶組成物の膜に100℃で5分間配向処理を施し、当該膜に対して0.1mJ/cm~45mJ/cmの微弱な紫外線による照射処理と、それに続く100℃で1分間の加温処理からなるプロセスを2回繰り返した。その後、液晶組成物の膜に、窒素雰囲気下で800mJ/cmの紫外線を照射して、液晶組成物の膜を完全に硬化させた。これにより、長尺の基材フィルムの片面に、表1に示す厚みの樹脂薄膜を備える複層フィルムを得た。得られた複層フィルムについて、上述した方法で、基材フィルムからの樹脂薄膜の剥離強度を測定した。
(1-3.樹脂薄膜の剥離片の製造)
図1に示す、繰出し装置101、剥離室110、液体吹付装置120、剥離片回収部115、液体回収部130を有する装置100を用意した。
繰出し装置101に樹脂薄膜11を上側に配して複層フィルム10を取り付けて、表1に示すライン速度で搬送し、以下の作業を行った。液体として純水を用い、吹付圧力を30MPaに設定し、ノズル120Aから複層フィルム10の上面側に吹き付けた。吹付に際しての複層フィルムの搬送方向は、図1に示す通り水平方向とした。
液体を吹き付けると、吹付開始直後から、樹脂薄膜に亀裂が発生した。その後、さらに複層フィルム10に、液体を吹き付けると、亀裂の形成された樹脂薄膜11が剥離し液体により吹き飛ばされた。本例では複層フィルム10をライン速度20m/分で搬送したので、液体吹付時間は0.2秒であったが、装置の運転開始直後の時点では、樹脂薄膜11の全量が剥離した。その後、装置の運転を続け、及び連続処理時間の評価を行った。
その後、得られた樹脂薄膜11の剥離片11Aをフィルター116により、液体から回収した。回収した剥離片11Aを、乾燥機にて乾燥し、得られた剥離片の大きさを目視にて観察し、上述した評価基準により剥離片の粒度の評価を行った。
[実施例2]
工程(1-1)において、液晶組成物の組成を、表1に示す通りに変更した以外は、実施例1と同じ操作を行って剥離片を製造した。得られた剥離片の大きさを目視にて観察し剥離片の粒度の評価を行った。
本例においても液体を吹き付けると、吹付開始直後から、樹脂薄膜に亀裂が発生した。その後、さらに複層フィルム10に、液体を吹き付けると、亀裂の形成された樹脂薄膜11が剥離し液体により吹き飛ばされた。本例では複層フィルム10をライン速度20m/分で搬送したので、液体吹付時間は0.2秒であったが、装置の運転開始直後の時点では、樹脂薄膜11の全量が剥離した。その後、装置の運転を続け、及び連続処理時間の評価を行った。
[実施例3]
実施例1の(1-2)で得られた複層フィルムを、プレス装置(テスター産業製ロールプレス装置 SA-602)を用いてプレス圧30MPa、プレス時間0.06秒でロールプレスした後に、実施例1の(1-3)の操作を行ったこと以外は、実施例1と同じ操作を行って剥離片を製造し、得られた剥離片の大きさを目視にて観察し剥離片の粒度の評価を行った。
本例においてはプレスにより樹脂薄膜に亀裂が発生し、プレス後に液体を吹き付けると、更に多くの亀裂が発生し、さらに液体を吹き付けることにより、亀裂の形成された樹脂薄膜11が剥離し液体により吹き飛ばされた。本例では複層フィルム10をライン速度20m/分で搬送したので、液体吹付時間は0.2秒であったが、装置の運転開始直後の時点では、樹脂薄膜11の全量が剥離した。その後、装置の運転を続け、及び連続処理時間の評価を行った。
[実施例4]
下記の変更点以外は、実施例1と同じ操作を行って剥離片を製造し、装置の連続処理時間の評価及び剥離片の粒度の評価を行った。
・工程(1-3)において、装置として、装置100に代えて、図7に示す装置700を用い、吹付に際しての複層フィルムの搬送方向を、図7に示す通り下から上への上向き方向とした。
・工程(1-3)において、吹付の設定圧力を30MPaから20MPaに変更した。
[実施例5]
下記の変更点以外は、実施例1と同じ操作を行って剥離片を製造し、装置の連続処理時間の評価及び剥離片の粒度の評価を行った。
・工程(1-1)において、液晶組成物の組成を、表1に示す通りに変更した。
・工程(1-3)において、装置として、装置100に代えて、図7に示す装置700を用い、吹付に際しての複層フィルムの搬送方向を、図7に示す通り下から上への上向き方向とした。
・工程(1-3)において、吹付の設定圧力を30MPaから20MPaに変更した。
[比較例1]
実施例1の(1-2)で製造した複層フィルムを用いて、図6に示す製造装置を用いて、以下の方法により樹脂薄膜の剥離片を製造した。得られた剥離片は実施例の剥離片の粒度を評価するための対比対象とした。
(樹脂薄膜の剥離片の製造)
図6は、比較例1で用いる剥離片の製造装置を模式的に示す側面図である。図6に示したように、フィルム送出部420、剥離部430、及び、フィルム回収部440を備える製造装置400を用意した。剥離部430は、鋭角に設けられた角部分435を有するバー434、及び、角部分435の直ぐ下流に設けられた空気を噴射しうるノズル436を備えていた。この際、バー434の角部分435の角度は、複層フィルム10を角度θ(60°)で折り返せるように設定した。角部分はR=0.2mm~0.3mmの面取り構造となっている。
フィルム送出部420に、バー434の角部分435において基材フィルム12よりも樹脂薄膜11を外にして複層フィルム10を折り返せる向きで、複層フィルム10を取り付けた。そして、フィルム回収部440によって複層フィルム10に対して搬送方向に張力を与えた状態で、フィルム送出部420から複層フィルム10を送り出した。この際、複層フィルム10に与える張力の大きさは、80N/mに設定した。また、ノズル436からは空気を圧力0.5MPaで噴射させた。
複層フィルム10は、バー434の角部分435において折り返され、多くの亀裂が形成された。その後、ノズル436から噴射された空気により亀裂の形成された樹脂薄膜11が剥離し吹き飛ばされ、剥離片11Aが得られた。複層フィルム10をライン速度20m/分で搬送したところ、亀裂の形成された樹脂薄膜の一部しか剥離できなかった。そこで、複層フィルム10を、ライン速度10m/分、5m/分、1m/分として搬送したところ、ライン速度1m/分で搬送することにより、亀裂の形成された樹脂薄膜の幅方向の全量が剥離した。
前記の実施例の評価結果を、下記の表1に示す。
Figure 0007272351000006
[結果]
表1に示すように、実施例1~5によれば、剥離片を、効率的に製造することができる、基材フィルム上に形成された樹脂薄膜の剥離片の製造方法を提供することができた。
実施例4及び5では、吹付圧力を、他の実施例より低い圧力としたにも関わらず、他の実施例と同等の粒度評価が得られ、かつ、連続処理をより長時間で行うことができた。したがって、実施例4及び5で行った上向きの搬送での吹付によれば、特に有利な製造を行うことができることが分かる。
10…複層フィルム
10C…亀裂
11…樹脂薄膜
11A…剥離片
12…基材フィルム
100…樹脂薄膜の剥離片の製造装置
101…繰出し装置
102,103…搬送ロール
110…剥離室
111A,111B,211A,211B…テンションロール
112…支持板
115…剥離片回収部
116…フィルター
120,200,300…液体吹付装置
120A,220A,320A…ノズル
121,221,321…液体供給部
130…液体回収部
131…液体流路
310…支持ロール
L…液体
L1…液体の移動方向
700…製造装置
701…繰出し装置
710…剥離室
711A,711B…テンションロール
720…液体吹付装置
720A…ノズル
721…液体供給部

Claims (5)

  1. 長尺の基材フィルム上に、光硬化性の液晶組成物の硬化物からなる樹脂薄膜を形成して複層フィルムを得る工程(1)と、
    前記樹脂薄膜に液体を吹き付けて亀裂を形成する工程であって、前記吹き付けは、前記複層フィルムを、支持板により反対側から支持して行う工程(2)と、
    前記基材フィルムから前記樹脂薄膜を剥離して剥離片を得る工程(3)と、を含み、
    前記樹脂薄膜が、コレステリック樹脂層である、
    樹脂薄膜の剥離片の製造方法。
  2. 前記液体が純水である、請求項1に記載の樹脂薄膜の剥離片の製造方法。
  3. 前記工程(2)を、吹付圧力0.15MPa以上50MPa以下で行う、請求項1または2に記載の樹脂薄膜の剥離片の製造方法。
  4. 前記基材フィルムと前記樹脂薄膜との剥離強度が500N/m以下である、請求項1~のいずれか一項に記載の樹脂薄膜の剥離片の製造方法。
  5. 前記樹脂薄膜の厚さが、0.1μm以上200μm以下である、請求項1~のいずれか一項に記載の樹脂薄膜の剥離片の製造方法。
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