JP6980988B2 - エンボス加工用フィルム及びその製造方法、エンボス加工品の製造方法、並びに、セキュリティ物品の製造方法 - Google Patents
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ところが、従来の技術では、所望の凹凸形状を形成することが難しかった。具体的には、硬化樹脂層から凹凸形状形成用の型を外す際に、型に引っ張られて硬化樹脂層が変形したり、型と一緒に硬化樹脂層の一部が剥離したりすることがあった。
さらに、従来の技術では、硬化樹脂層にエンボス加工法で凹凸形状を形成した後で前記硬化樹脂層を加熱すると、凹凸形状が変形して、所望の凹凸形状が損なわれ、平坦面に戻ることがあった。
すなわち、本発明は下記のものを含む。
前記仮支持体上に設けられた、光重合性液晶化合物を含む液晶組成物の硬化物からなる硬化樹脂層とを備え、
前記硬化樹脂層の前記仮支持体とは反対側の面のマルテンス硬さが、50N/mm2以上120N/mm2以下である、硬化樹脂転写フィルム。
〔2〕 前記液晶組成物が、コレステリック液晶組成物である、〔1〕に記載の硬化樹脂転写フィルム。
〔3〕 前記硬化樹脂層の厚みが、7μm以下である、〔1〕又は〔2〕に記載の硬化樹脂転写フィルム。
〔4〕 前記硬化樹脂層が、活性エネルギー線の照射により硬化しうる、〔1〕〜〔3〕のいずれか一項に記載の硬化樹脂転写フィルム。
〔5〕 〔1〕〜〔4〕のいずれか一項に記載の硬化樹脂転写フィルムの製造方法であって、
前記仮支持体の表面に、前記液晶組成物の層を形成する工程と、
前記液晶組成物の層に、活性エネルギー線を照射して、前記液晶組成物の層を硬化させる工程と、を含み、
前記液晶組成物の層に照射される活性エネルギー線の、前記液晶組成物の単位体積当たりのエネルギーが、180×104mJ/cm3〜550×104mJ/cm3である、硬化樹脂転写フィルムの製造方法。
〔6〕 基材フィルムと、
前記基材フィルムに貼り合わせられた、〔1〕〜〔4〕のいずれか一項に記載の硬化樹脂転写フィルムの硬化樹脂層と、を備える、エンボス加工用フィルム。
〔7〕 〔1〕〜〔4〕のいずれか一項に記載の硬化樹脂転写フィルムの前記硬化樹脂層と、基材フィルムとを、貼り合わせる工程、
前記仮支持体を剥離する工程、
前記硬化樹脂層に型を押し当てて凹凸形状を形成する工程、及び、
凹凸形状を形成された硬化樹脂層に、活性エネルギー線を照射する工程、を含む、エンボス加工品の製造方法。
〔8〕 前記凹凸形状の深さが、0.03μm〜0.5μmである、〔7〕記載のエンボス加工品の製造方法。
〔9〕 〔7〕又は〔8〕に記載のエンボス加工品の製造方法によってエンボス加工品を製造する工程と、
製造されたエンボス加工品を対象物に貼合する工程と、を含む、セキュリティ物品の製造方法。
図1は、本発明の一実施形態に係る硬化樹脂転写フィルム100を模式的に示す断面図である。
図1に示すように、硬化樹脂転写フィルム100は、仮支持体110と、この仮支持体110上に設けられた硬化樹脂層120とを備える。前記の硬化樹脂層120は、光重合性液晶化合物を含む液晶組成物の硬化物からなる。そして、硬化樹脂層120の仮支持体110とは反対側の面120Uのマルテンス硬さは、所定の範囲にある。
仮支持体は、硬化樹脂層を支持するためのフィルムである。このような仮支持体としては、通常、樹脂フィルムを用いる。
〔3.1.マルテンス硬さ〕
図1に示すように、硬化樹脂層120は、当該硬化樹脂層120の仮支持体110とは反対側の面120Uのマルテンス硬さが、所定範囲にある。具体的なマルテンス硬さの範囲は、通常50N/mm2以上、好ましくは60N/mm2以上、より好ましくは80N/mm2以上であり、通常120N/mm2以下、好ましくは117N/mm2以下、より好ましくは110N/mm2以下である。
硬化樹脂層は、液晶組成物の硬化物からなる。また、液晶組成物は、光重合性液晶化合物を含む組成物である。ここで、便宜上「液晶組成物」と称する材料は、2以上の物質の混合物のみならず、単一の物質からなる材料をも包含する。液晶組成物は、光重合性液晶化合物を重合させることにより硬化して、硬化物となりうる。光重合性液晶化合物が活性エネルギー線の照射によって重合しうるので、通常、液晶組成物は、活性エネルギー線の照射によって硬化しうる。
式(Y):no×p×cosθ≦λ≦ne×p×cosθ
R3−C3−D3−C5−M−C6−D4−C4−R4 式(1)
R1−A1−B−A2−R2 (2)
Bとして特に好ましいものとしては、単結合、−O−(C=O)−及び−CH=N−N=CH−が挙げられる。
硬化樹脂層は、円偏光分離機能を有することが好ましい。硬化樹脂層の具体的な選択反射帯域は、硬化樹脂転写フィルムを用いて得られるエンボス加工品の用途に応じて、任意に設定しうる。
硬化樹脂層の1層当たりの厚みは、好ましくは0.5μm以上、より好ましくは0.7μm以上、特に好ましくは1.0μm以上であり、好ましくは7.0μm以下、より好ましくは5.0μm以下、特に好ましくは3.0μm以下である。硬化樹脂層の厚みが前記範囲の下限値以上であることにより、硬化樹脂層に凹凸形状を容易に形成でき、また、選択反射帯域の円偏光を効果的に反射できる。さらに、硬化樹脂層の厚みが前記範囲の上限値以下であることにより、選択反射帯域以外の波長帯域の光の透過性を高められる。
硬化樹脂転写フィルムは、仮支持体の表面に、液晶組成物の層を形成する工程と;液晶組成物の層に、活性エネルギー線を照射して、液晶組成物の層を硬化させる工程と;を含む製造方法によって製造できる。また、仮支持体がロール状に巻き取られた長尺のフィルムである場合、硬化樹脂転写フィルムの製造方法は、ロールから仮支持体を繰り出す工程を含んでいてもよい。さらに、硬化樹脂転写フィルムの製造方法は、仮支持体の表面に液晶組成物の層を形成する工程の前に、仮支持体の表面に配向規制力を付与する工程;仮支持体の表面に液晶組成物の層を形成した工程の後、液晶組成物の層を硬化させる工程の前に、液晶組成物に含まれる光重合性液晶化合物を配向させる工程;を含んでいてもよい。
以下、硬化樹脂転写フィルムの製造方法の好ましい例について説明する。
図2に示すように、本例に係る製造方法では、長尺のフィルムとしての仮支持体110のロール130から、仮支持体110を繰り出す工程を行う。
上述した硬化樹脂転写フィルムは、エンボス加工品の製造に好適に用いうる。このようなエンボス加工品は、硬化樹脂層と基材フィルムとを貼り合わせる工程;仮支持体を剥離する工程;硬化樹脂層に型を押し当てて凹凸形状を形成する工程;及び、凹凸形状を形成された硬化樹脂層に、活性エネルギー線を照射する工程;を含む製造方法によって、製造しうる。前記の工程の順番は、所望のエンボス加工品が得られる限り、任意である。よって、例えば硬化樹脂層と基材フィルムとを貼り合わせる工程と、仮支持体を剥離する工程とは、いずれの工程を先に行ってもよく、両工程を同時に行ってもよい。通常は、硬化樹脂層と基材フィルムとを貼り合わせる工程の後で、仮支持体を剥離する工程を行う。
以下、このエンボス加工品の製造方法について、例を示して説明する。
図3は、本発明の一実施形態に係るエンボス加工品の製造方法において得られるエンボス加工用フィルム200を模式的に示す断面図である。
図3に示すように、本例に係るエンボス加工品の製造方法では、硬化樹脂転写フィルム100の硬化樹脂層120と基材フィルム210とを貼り合わせて、エンボス加工用フィルム200を得る工程を行う。
本例に係るエンボス加工品の製造方法では、硬化樹脂層120から仮支持体110を剥離する工程を行う。本例に係る製造方法では、エンボス加工用フィルム200を得た後で、仮支持体110を剥離する例を示す。
図4に示すように、仮支持体110を剥離することによって、硬化樹脂層120の基材フィルム210とは反対側の面120Dが露出する。
図5は、本発明の一実施形態に係るエンボス加工品の製造方法において、硬化樹脂層120に型220を押し当てて凹凸形状を形成する様子を模式的に示す断面図である。
前記のようにエンボス加工フィルム200を得た後で、図5に示すように、エンボス加工フィルム200の硬化樹脂層120に型220を押し当てて、硬化樹脂層120の面120Dに凹凸形状を形成する工程を行う。凹凸形状の具体的な形状は限定されないが、光に照らされた際に凹凸形状が回折格子として機能する微細な凹凸構造を設けることにより、ホログラム像を表示できる表示媒体をエンボス加工品として得ることができる。
通常は、前記のように硬化樹脂層120の面120Dに凹凸形状を形成した後で、型220を取り外す。型220の取り外しは、硬化樹脂層120の冷却後に行ってもよく、型220で凹凸形状を形成する際の温度程度に高温で行ってもよい。硬化樹脂層120が所定範囲のマルテンス硬さを有しているので、型220を取り外す際に、型220に引っ張られて硬化樹脂層120が変形したり、型220と一緒に硬化樹脂層120の一部が剥離したりすることを、抑制できる。また、特に硬化樹脂層120と基材フィルム210とは接着剤を介して貼り合わせられている場合には、硬化樹脂層120の剥離を、より効果的に抑制することができる。したがって、型220の面220Dの形状を転写した凹凸形状を有する面120Dを有する硬化樹脂層120を、容易に得ることができる。
硬化樹脂層120の面120Dに凹凸形状を形成した後で、硬化樹脂層120に活性エネルギー線を照射して、硬化樹脂層120を更に硬化させる工程を行う。この工程は、硬化樹脂層120から型210を取り外す前に行ってもよく、硬化樹脂層120から型210を取り外すのと同時に行ってもよく、硬化樹脂層120から型210を取り外した後に行ってもよい。活性エネルギー線を照射して硬化樹脂層120を更に硬化させることにより、硬化樹脂層120の機械的強度を高めることができる。この工程において照射する活性エネルギー線の量は、例えば、50mJ/cm2〜10,000mJ/cm2としうる。
図6に示すように、活性エネルギー線の照射によって硬化樹脂層120を更に硬化させることによって、基材フィルム210と、この基材フィルム210とは反対側の面120Dに凹凸形状を形成された硬化樹脂層120とを備えるエンボス加工品300が得られる。また、基材フィルム210と硬化樹脂層120とが接着剤を介して貼り合わせられている場合、エンボス加工品300は、基材フィルム210と硬化樹脂層120との間に、接着層(図示せず。)を備える。
この利点を有効に活用する観点では、硬化樹脂層120の面120Dの凹凸形状の深さHは、好ましくは0.03μm以上、より好ましくは0.04μm以上、特に好ましくは0.05μm以上であり、好ましくは0.5μm以下、より好ましくは0.4μm以下、特に好ましくは0.3μm以下である。また、凹凸形状の深さHは、硬化樹脂層の厚さ100%に対して、好ましくは50%以下、より好ましくは40%以下、更に好ましくは30%以下、特に好ましくは10%以下である。深さHが、前記範囲の上限値以下であることより、硬化樹脂層120に起因する選択反射特性、円偏光特性等の光学特性を十分に発揮させることができる。
また、前記の利点を有効に活用する観点では、硬化樹脂層120の面120Dの凹凸形状のピッチPは、好ましくは0.1μm以上、より好ましくは0.5μm以上、特に好ましくは1μm以上であり、好ましくは5μm以下、より好ましくは4μm以下、特に好ましくは3μm以下である。
エンボス加工品300の製造方法は、上述した工程に組み合わせて、更に任意の工程を含んでいてもよい。例えば、硬化樹脂層120が円偏光分離機能を有する場合、硬化樹脂層120の基材フィルム210とは反対側に、下地層を設ける工程を行ってもよい。下地層を備えるエンボス加工品を、以下「識別媒体」ということがある。
図7に示すように、識別媒体310は、基材フィルム210、硬化樹脂層120及び下地層320を、この順に備える。下地層320は、硬化樹脂層120の選択反射帯域の光の少なくとも一部を吸収しうる層であり、例えば、顔料、染料等の着色剤を含む樹脂によって形成しうる。下地層320では、記号、文字、模様、画像等の像を描画してもよく、何ら像を描画しない無地の層としてもよい。このような下地層320を備える識別媒体310は、例えば、加飾用途、真正性識別用途などの用途に用いうる。
上述したエンボス加工品は、セキュリティ物品の製造に用いうる。セキュリティ物品は、前記のエンボス加工品を対象物に貼合する工程を含む製造方法によって、製造しうる。前記の貼合には、必要に応じて、接着剤を用いてもよい。このようにして製造されたセキュリティ物品は、エンボス加工品を用いて、真正性の識別が可能である。
図8に示すように、本発明の一実施形態に係るセキュリティ物品400は、対象物410に、エンボス加工品としての識別媒体310が貼合されている。識別媒体310は、対象物410側から、下地層320、硬化樹脂層120及び基材フィルム210を、この順に備える。
図9及び図10に示すように、セキュリティ物品400に自然光等の非偏光LIが照射されると、非偏光LIに含まれていた光成分のうちで、右円偏光LRは硬化樹脂層120で反射し、左円偏光LLは硬化樹脂層120を透過する。
以下の説明において、量を表す「%」及び「部」は、別に断らない限り、重量基準である。また、以下に説明する操作は、別に断らない限り、常温常圧大気中において行った。
(硬化樹脂層の反射帯域の測定方法)
硬化樹脂層の分光反射率を、分光光度計(日本分光社製「V−550」)を用いて測定した。この際、分光反射率は、横軸に波長、縦軸に当該波長における反射率をプロットしたグラフとして、得た。得られた分光反射率のグラフにおいて、最大の反射率Rmaxの30%以上の反射率が得られる波長帯域を、選択反射帯域として求めた。よって、選択反射中心波長λcは、前記の分光反射率のグラフにおいて、最大の反射率Rmaxの30%の反射率を示す2つの波長のうち、短波長側の波長λ1及び長波長側の波長λ2から、式λc=(λ1+λ2)/2により求めた。さらに、反射帯域幅Δλは、式Δλ=λ2−λ1により求めた。
硬化樹脂転写フィルムのサンプルから、5cm×5cmの評価用サンプルを切り出した。この評価用サンプルを用いて、ビッカース圧子及び三角錐圧子(稜線同士の角度が115°)を用いた微小硬度計(島津製作所社製「DUH−211」)により、仮支持体フィルムとは反対側の硬化樹脂層の面のマルテンス硬さを測定した。この測定において、測定深度は、硬化樹脂層の厚みの略1/10の厚みとした。
エンボス加工品の硬化樹脂層の表面を、原子間力顕微鏡を用いて観察した。観察された硬化樹脂層の表面の凹凸形状と、エンボス型としての金型に形成された凹凸形状とを対比して、下記の基準で評価した。
○:硬化樹脂層の表面の凹凸形状が、金型に形成された凹凸形状を反転させた形状(金型の表面に平行な平面に対して面対称の形状)となっていることから、金型の離形時に、硬化樹脂層の表面の凹凸形状の変化が全くないことが分かった。
△:硬化樹脂層の表面の凹凸形状が、金型に形成された凹凸形状を反転させた形状から僅かに異なっていることから、金型の離形時に、硬化樹脂層の表面の凹凸形状の変化がややあったことが分かった。
×:硬化樹脂層の表面の凹凸形状が、金型に形成された凹凸形状を反転させた形状から大きく異なっていることから、金型の離形時に、硬化樹脂層の表面の凹凸形状の変化がかなりあったことが分かった。
エンボス加工品の硬化樹脂層の表面を、原子間力顕微鏡を用いて観察して、凹凸形状の深さH0(nm)を測定した。
その後、エンボス加工品を、150℃で8時間加熱した。
その後、エンボス加工品の硬化樹脂層の表面を、原子間力顕微鏡を用いて観察して、凹凸形状の深さH1(nm)を測定した。
加熱による凹凸形状の深さの変化率を、下記の式によって計算した。この変化率が小さいほど、硬化樹脂層の凹凸形状が高温環境において変形し難いことを示す。
凹凸形状の深さの変化率(%)={(H0−H1)/H0}×100
エンボス加工品を、150℃で8時間加熱した。その後、エンボス加工品の硬化樹脂層の表面を目視観察し、下記の基準で評価した。
○:良好なホログラムの輝きが認められた。
×:ホログラムの輝きが弱かった。
(1−1.硬化樹脂転写フィルムの製造)
長尺の仮支持体フィルム(東洋紡社製のポリエチレンテレフタレートフィルム「コスモシャインA4100」;厚み100μm)のロールを用意した。この仮支持体フィルムは、片面が、易接着処理を施された易接着処理面となっていた。
ポリビニルアルコール5重量%及び水95重量%からなる接着剤を用意した。また、基材フィルムとして、鹸化処理を施した厚み40μmのトリアセチルセルロースフィルムを用意した。
得られたエンボス加工品について、上述した方法によって評価を行った。
前記工程(1−1)において、液晶組成物の層に対する紫外線照射強度を300mJ/cm2に変更した。以上の事項以外は、実施例1と同様にして、硬化樹脂転写フィルム及びエンボス加工品の製造及び評価を行った。
前記工程(1−1)において、液晶組成物の層に対する紫外線照射強度を400mJ/cm2に変更した。以上の事項以外は、実施例1と同様にして、硬化樹脂転写フィルム及びエンボス加工品の製造及び評価を行った。
前記工程(1−1)において、液晶組成物の層に対する紫外線照射強度を500mJ/cm2に変更した。以上の事項以外は、実施例1と同様にして、硬化樹脂転写フィルム及びエンボス加工品の製造及び評価を行った。
前記工程(1−1)において、組成物1の代わりに、表1に示す組成を有するコレステリック液晶組成物としての組成物2を用いた。また、前記工程(1−1)において、厚み1.9μmの硬化樹脂層が得られるように、組成物2の塗工厚みを変更した。さらに、前記工程(1−1)において、液晶組成物の層に対する紫外線照射強度を350mJ/cm2に変更した。以上の事項以外は、実施例1と同様にして、硬化樹脂転写フィルム及びエンボス加工品の製造及び評価を行った。
前記工程(1−1)において、組成物1の代わりに、表1に示す組成を有する液晶組成物としての組成物3を用いた。また、前記工程(1−1)において、厚み3.2μmの硬化樹脂層が得られるように、組成物3の塗工厚みを変更した。さらに、前記工程(1−1)において、液晶組成物の層に対する紫外線照射強度を600mJ/cm2に変更した。以上の事項以外は、実施例1と同様にして、硬化樹脂転写フィルム及びエンボス加工品の製造及び評価を行った。
前記工程(1−1)において、液晶組成物の層に対する紫外線照射強度を150mJ/cm2に変更した。以上の事項以外は、実施例1と同様にして、硬化樹脂転写フィルム及びエンボス加工品の製造及び評価を行った。
前記工程(1−1)において、液晶組成物の層に対する紫外線照射強度を600mJ/cm2に変更した。以上の事項以外は、実施例1と同様にして、硬化樹脂転写フィルム及びエンボス加工品の製造及び評価を行った。
前記工程(1−1)において、液晶組成物の層に対する紫外線照射強度を1000mJ/cm2に変更した。以上の事項以外は、実施例1と同様にして、硬化樹脂転写フィルム及びエンボス加工品の製造及び評価を行った。
以下、実施例1〜6及び比較例1〜3の結果を、表に示す。下記の表において、略称の意味は、下記のとおりである。
TAC:トリアセチルセルロース。
選択反射中心波長:硬化樹脂転写フィルムの硬化樹脂層の選択反射中心波長。
加熱後の選択反射中心波長:硬化樹脂層を150℃において8時間加熱した後の選択反射中心波長。
マルテンス硬さ:硬化樹脂転写フィルムの硬化樹脂層の、仮支持体フィルムとは反対側の面のマルテンス硬さ。
エンボス深さ:エンボス加工品の硬化樹脂層の表面に形成された凹凸形状の深さ。
離型時の変形評価:金型離型時の硬化樹脂層の表面の凹凸形状の変化の評価結果。
ホログラム評価:高温環境によるホログラムの影響の評価結果。
高温環境での変形評価:高温環境における硬化樹脂層の表面の凹凸形状の変化の評価結果。
金型離型時の凹凸形状の変形が無い硬化樹脂層を有するエンボス加工品として、実施例1で製造したエンボス加工品を用意した。このエンボス加工品の硬化樹脂層の凹凸形状面に、画像を印刷した。その後、エンボス加工品の基材フィルム側から、円偏光フィルターを通して、画像の見え具合を観察した。
観察の結果、右円偏光フィルター(右円偏光を透過し左円偏光を遮る円偏光フィルター)を用いた場合には、硬化樹脂層の表面の凹凸形状に基づくホログラムが鮮明に見られた。また、左円偏光フィルター(左円偏光を透過し右円偏光を遮る円偏光フィルター)を用いた場合には、硬化樹脂層の凹凸形状面に印刷された画像が鮮明に見られた。
金型離型時の凹凸形状の変形がややあった硬化樹脂層を有するエンボス加工品として、実施例5で製造したエンボス加工品を用意した。このエンボス加工品の硬化樹脂層の凹凸形状面に、画像を印刷した。その後、エンボス加工品の基材フィルム側から、円偏光フィルターを通して、画像の見え具合を観察した。
観察の結果、右円偏光フィルターを用いた場合には、硬化樹脂層の表面の凹凸形状に基づくホログラムの凹凸境界部分がややぼんやり見られた。また、左円偏光フィルターを用いた場合でも、硬化樹脂層の凹凸形状面に印刷された画像がややぼんやり見られた。
金型離型時の凹凸形状の変形がかなりあった硬化樹脂層を有するエンボス加工品として、比較例1で製造したエンボス加工品を用意した。このエンボス加工品の硬化樹脂層の凹凸形状面に、画像を印刷した。その後、エンボス加工品の基材フィルム側から、円偏光フィルターを通して、画像の見え具合を観察した。
観察の結果、右円偏光フィルターを用いた場合には、硬化樹脂層の表面の凹凸形状に基づくホログラムの凹凸境界部分が不明瞭であった。また、左円偏光フィルターを用いた場合でも、硬化樹脂層の凹凸形状面に印刷された画像が不明瞭であった。
110 仮支持体
120 硬化樹脂層
130 仮支持体のロール
140 ラビングロール
150 ダイ
160 液晶組成物の層
170 オーブン
180 光源
190 硬化樹脂転写フィルムのロール
200 エンボス加工用フィルム
210 基材フィルム
220 型
300 エンボス加工品
310 識別媒体
320 下地層
400 セキュリティ物品
410 対象物
420 右円偏光フィルタ
430 左円偏光フィルタ
Claims (7)
- 基材フィルムと、前記基材フィルムに貼り合わせられた、光重合性液晶化合物を含む液晶組成物の硬化物からなる硬化樹脂層とを備えるエンボス加工用フィルムの前記硬化樹脂層に型を押し当てて、凹凸形状を形成する工程、及び、
凹凸形状を形成された前記硬化樹脂層に、活性エネルギー線を照射する工程、を含む、エンボス加工品の製造方法であって、
前記硬化樹脂層の前記基材フィルムに面した面のマルテンス硬さが、50N/mm2以上120N/mm2以下である、エンボス加工品の製造方法。 - 前記液晶組成物が、コレステリック液晶組成物である、請求項1に記載のエンボス加工品の製造方法。
- 前記硬化樹脂層の厚みが、7μm以下である、請求項1又は2に記載のエンボス加工品の製造方法。
- 前記硬化樹脂層が、活性エネルギー線の照射により硬化しうる、請求項1〜3のいずれか一項に記載のエンボス加工品の製造方法。
- 前記硬化樹脂層の前記基材フィルムに面した面のマルテンス硬さが、110N/mm2以下である、請求項1〜4のいずれか一項に記載のエンボス加工品の製造方法。
- 前記凹凸形状の深さが、0.03μm〜0.5μmである、請求項1〜5のいずれか一項に記載のエンボス加工品の製造方法。
- 請求項1〜6のいずれか一項に記載のエンボス加工品の製造方法によってエンボス加工品を製造する工程と、
製造されたエンボス加工品を対象物に貼合する工程と、を含む、セキュリティ物品の製造方法。
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