JP7270966B2 - 注入装置 - Google Patents
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Description
この混合注出装置は、フレームにそれぞれ支持した主剤タンクおよび硬化剤タンクと、主剤タンクにサクション側ホースを介して接続された主剤側のピストンポンプと、硬化剤にサクション側ホースを介して接続された硬化剤側のピストンポンプと、両ピストンポンプを同時に作動させる操作レバーと、一対の送出ホースを介して両ピストンポンプのデリベリー側に接続された混合部付きのノズルと、を備えている。両ピストンポンプは、それぞれ下端部をフレームに傾斜自在に取り付けられ、上端部でロッド連結ポイントを介して操作レバーに連結されている。また、操作レバーの先端部は、連結ピンを介してフレームにヒンジ連結されている。
連結ピンを中心に操作レバーを上下作動させ、各ピストンポンプのシリンダーに対しピストンを往復動させると、それぞれの送出ホースを介して主剤および硬化剤が混合部に供給され、ここで混合されてノズルから吐出される。
このレバー式グリースガンは、注入物のチューブを収容する外筒と、外筒に取り付けられ、シリンダー室およびプランジャーを有するキャップと、キャップに取り付けられた注油口金と、キャップに揺動可能に取り付けられたリンクと、プランジャーおよびリンクにそれぞれ揺動可能に取り付けられたレバーと、を備えている。そして、キャップのシリンダー室とチューブ接続口とが連通し、且つシリンダー室と注油口金接続口とが連通している。また、注油口金接続口側の流路には、逆止弁が介設されている。
レバーを操作してプランジャーを引くと、チューブ内の注入物がシリンダー室に吸引され、続いてプランジャーを押すと、シリンダー室の注入物がチューブ接続口を介して注油口金から吐出される。
この微小な揺動は、注入物がエポキシ樹脂の場合には、エポキシ樹脂が潤滑剤として機能するため、問題とはならないが、注入物がセメントスラリーの場合には、シリンダーの往復動(摺動)が円滑に行われなくなる問題がある。
セメントスラリーは、主成分となる微粒子のセメントに水を混合したものであり、親水性があり、また硬化後は、熱膨張係数、強度、弾性係数等においてコンクリートと同等であり、しかも火災に強いため、エポキシ樹脂に対し優位性を有している。
注入物がセメントスラリーの場合には、微小な揺動に合わせてプランジャーとシリンダーとの間(特に、狭くなる先端部と基端部)にセメントスラリーの微粒子(セメントの微粒子)が噛み込む形となり、シリンダーの往復動(摺動)が円滑に行われなくなる問題があった。
この点、例えばプランジャーにOリング等のシールリングを設ける構造において、シールリングとシリンダーとの間に上記微粒子の噛み込みが阻止できても、シールリング以外の部分とシリンダーとの間に微粒子が噛み込むと、シリンダーの往復動(摺動)の円滑さは損なわれることとなる。
また、先端側の第1環状シールにより、ポンプとしての機能が発揮される。また、基端側の第2環状シールより、非摺接状態となるプランジャー部とシリンダー部との基端側の間隙に対し、セメントスラリーの侵入が抑制される。これにより、ポンプ機能が損なわれることがなく、且つポンピングの円滑さが損なわれることがない。
また、プランジャー本体と共に基端側の第2環状シールが往動すると、連通孔を介してシリンダー本体にエアーが流入し、復動すると、連通孔を介してシリンダー本体からエアーが流出する。すなわち、連通孔が通気口として機能する。このため、第2環状シールを設けることによるプランジャー本体の無駄な往復動負荷を軽減することができる。
図1は、実施形態に係る注入装置の側面視外観図であり、図2および図3は、それぞれ注入装置における要部の構造図および平面図である。これらの図に示すように、この注入装置10は、手動式のものであり、セメントスラリーSを加圧状態で貯留するスラリー貯留部11と、スラリー貯留部11が着脱自在に装着される往復ポンプ部12と、往復ポンプ部12を作動させるための操作レバー14を有するポンピング機構部13と、を備えている。
図2、図3および図4に示すように、往復ポンプ部12は、吸込口22を介してスラリー貯留部11と連通するシリンダー部21と、シリンダー部21に対し往復動するプランジャー部24と、シリンダー部21の吐出口23に組み込んだ逆止弁25と、シリンダー部21の背面側(スラリー貯留部11側)に設けた筒体接合部26と、を備えている。筒体接合部26は、スラリー貯留部11(太径筒部32)の蓋体を兼ねるものであり、円形の蓋板部46と、蓋板部46の縁端から突出するリング状の接合部47と、で一体に形成されている。
次に、図7を参照して、実施形態の変形例について簡単に説明する。この変形例では、第1環状シール73Aおよび第2環状シール73Bに代えて、単一の環状シール73(環状シール部)が設けられている。この変形例では、中間部プランジャー82は省略され、プランジャー本体71は、別体で構成された先端部プランジャー81および基端部プランジャー83を有している。すなわち先端部プランジャー81は、環状シール73を装着した状態で基端部プランジャー83に螺合している。
Claims (5)
- 主成分となるセメントの微粒子と水とを混合して成るセメントスラリーを対象物に注入するための注入装置であって、
シリンダー部に対し往復動するプランジャー部により、前記シリンダー部の周面に形成された吸込口から吸い込んだ前記セメントスラリーを、前記シリンダー部の先端部に形成された吐出口から吐出する往復ポンプ部を備え、
前記プランジャー部は、前記シリンダー部に対し非摺接状態で往復動するプランジャー本体と、前記プランジャー本体に形成した環状溝部に装着され、前記シリンダー部に対し摺接状態で往復動する環状シール部と、を有し、
前記環状溝部は、軸方向に離間して前記プランジャー本体に形成された、先端側の第1環状溝と基端側の第2環状溝とを有し、
前記環状シール部は、前記第1環状溝に装着され前記吸込口を含む領域において往復動する第1環状シールと、前記第2環状溝に装着され前記吸込口よりも基端側の領域で往復動する第2環状シールと、を有し、
前記シリンダー部と前記プランジャー本体との間隙は、往復動に際し前記環状シール部が前記環状溝部から離脱しない範囲で、前記セメントの微粒子の最大粒子径0.04mmよりも大きいことを特徴とする注入装置。 - 前記第1環状シールおよび前記第2環状シールの各々は、断面方形に形成され、且つ硬度ショアA45度~90度のゴム材で構成されていることを特徴とする請求項1に記載の注入装置。
- 前記第1環状溝および前記第2環状溝の各々は、前記第1・第2各環状シールを支持する装着軸部と、軸方向において前記第1・第2各環状シールを挟持すると共に、摺動に伴う前記第1・第2各環状シールの径方向外周部における軸方向の変形を許容する一対の装着挟持部と、を含むことを特徴とする請求項1または2に記載の注入装置。
- 前記シリンダー部は、前記プランジャー本体に対応するシリンダー本体と、前記シリンダー本体の基端から軸方向に延長された直動ガイド部と、を有し、
前記プランジャー部は、前記プランジャー本体の基端から軸方向に延長され、前記直動ガイド部に摺接する直動被ガイド部を、更に有していることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の注入装置。 - 前記シリンダー本体の前記直動ガイド部側の基端部には、前記シリンダー本体の内部と外部とを連通する連通孔が設けられていることを特徴とする請求項4に記載の注入装置。
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JP7270966B2 true JP7270966B2 (ja) | 2023-05-11 |
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Family Applications (1)
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Citations (1)
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