〔第1実施形態〕
図1は、バッテリ交換機10の外観模式図である。バッテリ交換機10は、その内部にモバイルバッテリ12を収容する。バッテリ交換機10は、モバイルバッテリ12の充電を行う。ユーザは、残容量(SOC)が少なくなったモバイルバッテリ12をバッテリ交換機10に預ける。ユーザは、充電が完了した別のモバイルバッテリ12をバッテリ交換機10から受け取る。バッテリ交換機10は本発明の外部機器に相当する。モバイルバッテリ12は本発明のバッテリに相当する。
バッテリ交換機10は、8つのスロット14を有している。バッテリ交換機10は、1つの操作パネル16を有している。スロット14にはモバイルバッテリ12が収容される。ユーザがモバイルバッテリ12をスロット14に収容して扉18を閉じると、バッテリ交換機10はモバイルバッテリ12の充電を開始する。スロット14の上部にはインジケータ20が設けられている。インジケータ20は、スロット14に収容されているモバイルバッテリ12の充電状態を、点灯する色、点滅等により表示する。操作パネル16は、ユーザにより操作される装置である。ユーザは、操作パネル16を操作することにより、例えば、料金の支払い等を行う。
スロット14は、バッテリ交換機10の前面10aに開口している。バッテリ交換機10の前面10aは、垂直方向(重力方向)に対して傾斜している。ユーザが前面10aに向かって立っている状態で、前面10aの下部よりも上部がユーザに対して奥に位置する。これにより、ユーザがモバイルバッテリ12をスロット14に挿入するときに、ユーザは前傾姿勢を取ることができる。そのため、モバイルバッテリ12をスロット14に挿入し易くなる。
図2は、バッテリ交換機10の断面図である。バッテリ交換機10は、スロット14の上方に制御装置22を有している。制御装置22は、モバイルバッテリ12の充電制御等を行う。バッテリ交換機10は、スロット14の下方にユーティリティスペース24を有している。ユーティリティスペース24には、冷却装置等が設置されてもよい。冷却装置は、バッテリ交換機10の内部を冷却する。
図3及び図4は、スロット14の斜視図である。図5は、スロット14の側面図である。本実施形態では、次のように定義されたX軸、Y軸及びZ軸に基づいて説明する。スロット14にモバイルバッテリ12が挿入される方向をZ軸方向とし、スロット14がバッテリ交換機10の前面10aに開口する側を正とする。バッテリ交換機10の幅方向と平行な方向をX軸方向として、スロット14をバッテリ交換機10の前面10aに開口する側から見たときに右側を正とする。Z軸及びX軸に直交する方向をY軸方向とし、上側を正とする。
スロット14は、フレーム26、挿入口28、バッテリホルダ30、バッテリトレイ32、コネクタユニット35、トレイ保持機構36、トレイロック機構38及びバッテリロック機構40を有している。
フレーム26は、メインフレーム26a~26d、及び、サイドフレーム26e~26hを有している(サイドフレーム26fは図6参照)。メインフレーム26a~26dは、Z軸方向に延びる柱状の部材である。スロット14の外観は、Z軸方向を長手方向とする略直方体である。直方体の長手方向に延びる4つの辺に対応するそれぞれの箇所に、メインフレーム26a~26dが設けられている。スロット14のZ軸方向正側に2つのサイドフレーム26e、26fが設けられている。スロット14のZ軸方向負側に2つのサイドフレーム26g、26hが設けられている。サイドフレーム26e及びサイドフレーム26gは、メインフレーム26aとメインフレーム26bに固定されている。サイドフレーム26f及びサイドフレーム26hは、メインフレーム26cとメインフレーム26dに固定されている。
挿入口28は、メインフレーム26a~26dのZ軸方向正側の端部に取り付けられている。挿入口28は、樹脂により形成されている。挿入口28は、Z軸方向に貫通する貫通穴を有している。Z軸方向において、挿入口28のY軸方向負側の部分の先端は、挿入口28のY軸方向正側の部分の先端よりもZ軸方向正側に位置する。ユーザがモバイルバッテリ12をスロット14に挿入するときに、ユーザは、モバイルバッテリ12を持ち上げて、モバイルバッテリ12の第2面S2(図6参照)を挿入口28のY軸方向負側の部分に載せることができる。その後、ユーザは、モバイルバッテリ12をスロット14に挿入する。
バッテリホルダ30は、挿入口28に対してZ軸方向負側に設けられている。バッテリホルダ30は、メインフレーム26a~26dに固定されている。バッテリホルダ30のZ軸方向両側は開口している。バッテリホルダ30の内部の空間は、挿入口28の内部の空間と連通している。バッテリホルダ30の内周面の形状は、挿入口28の内周面の形状と略同形状に形成されている。
バッテリトレイ32は、バッテリホルダ30に対してZ軸方向負側に設けられている。バッテリトレイ32は、メインフレーム26a~26dに沿ってZ軸方向に移動可能である。バッテリトレイ32は、バッテリホルダ30のZ軸方向負側の側面に当接することにより、Z軸方向正側への移動が規制される。バッテリトレイ32は、バッテリホルダ30に向く側の面が開口している。バッテリトレイ32は、バッテリホルダ30に向く側の面に対して反対側に底部32a(後述する図13参照)を有している。バッテリトレイ32がバッテリホルダ30のZ軸方向負側の側面に当接している状態において、バッテリトレイ32の内部の空間は、バッテリホルダ30の内部の空間と連通する。バッテリトレイ32の内周面の形状は、バッテリホルダ30の内周面の形状と略同形状に形成されている。バッテリトレイ32のX軸方向正側の側面、及び、バッテリトレイ32のX軸方向負側の側面のそれぞれにローラ32bが取り付けられている。ローラ32bは、バッテリトレイ32のY軸方向負側に設けられる。バッテリトレイ32がZ軸方向に移動するときに、ローラ32bはメインフレーム26b及びメインフレーム26cの上で回転する。これにより、ローラ32bは、バッテリトレイ32をメインフレーム26b及びメインフレーム26cに沿ってZ軸方向に案内する。
コネクタユニット35は、コネクタ34を有している。コネクタ34は、モバイルバッテリ12の第2面S2のコネクタ15(後述する図10参照)に接続される。これにより、バッテリ交換機10からモバイルバッテリ12に電力が供給される。コネクタユニット35は、コネクタブラケット42に設置されている。コネクタブラケット42は、スロット14のZ軸方向負側の端部において、サイドフレーム26gとサイドフレーム26hに固定されている。X軸方向において、コネクタユニット35は、スロット14の中央部付近に配置されている。Y軸方向において、コネクタユニット35は、スロット14の中央部よりも正側寄りに配置されている。
トレイ保持機構36は、バッテリトレイ32のZ軸方向負側に配置されている。トレイ保持機構36は、Xリンク44、ストッパ46、エアダンパ48及びガススプリング50を有している。
バッテリトレイ32は、トレイ本体32f及びトレイブラケット52を有している。トレイブラケット52は、トレイ本体32fのZ軸方向負側に取り付けられている。トレイ保持機構36は、2つのXリンク44を有している。1つのXリンク44は、バッテリトレイ32に対してX軸方向負側に設けられている。当該Xリンク44は、トレイブラケット52と、サイドフレーム26gとの間に設けられている。別の1つのXリンク44は、バッテリトレイ32に対してX軸方向正側に設けられている。当該Xリンク44は、トレイブラケット52と、サイドフレーム26hとの間に設けられている。
ストッパ46は、ストッパブラケット54に設置されている。ストッパブラケット54は、スロット14のZ軸方向負側の端部において、サイドフレーム26gとサイドフレーム26hに固定されている。ストッパ46は、コネクタユニット35の背面(Y軸方向正側)に配置されている。ストッパ46は、X軸方向に離間して2つ配置されている。
エアダンパ48は、エアダンパブラケット56に設置されている。エアダンパブラケット56は、スロット14のZ軸方向負側の端部において、サイドフレーム26gとサイドフレーム26hに固定されている。エアダンパ48は、スロット14のY軸方向負側に配置されている。エアダンパ48は、X軸方向に離間して2つ配置されている。
ガススプリング50のZ軸方向負側の端は、スプリングブラケット54aに取り付けられている。ガススプリング50のZ軸方向正側の端部は、トレイブラケット52に取り付けられている。スプリングブラケット54aは、ストッパブラケット54に固定されている。トレイブラケット52は、バッテリトレイ32に固定されている。ガススプリング50は、X軸方向において、スロット14の中央部に設置されている。
トレイロック機構38は、バッテリトレイ32のZ軸方向負側への移動を規制する。トレイロック機構38については、後に詳述する。
バッテリロック機構40は、モバイルバッテリ12がスロット14に収容された状態で、モバイルバッテリ12のZ軸方向正側への移動を規制する。バッテリロック機構40については、後に詳述する。
図6、図7及び図8は、スロット14にモバイルバッテリ12が収容される様子を示す図である。スロット14にモバイルバッテリ12を収容するときには、ユーザは、モバイルバッテリ12のハンドル13を把持して、モバイルバッテリ12を挿入口28に挿入する(図6)。ユーザは、モバイルバッテリ12の全体がスロット14内に挿入された状態(図7)にする。その後、ユーザは、モバイルバッテリ12を更に押し込む(図8)。これにより、バッテリトレイ32がモバイルバッテリ12とともにZ軸方向負側に移動し、モバイルバッテリ12のコネクタ15とスロット14のコネクタ34とが接続される。以下では、図7に示すスロット14の状態を、モバイルバッテリ12がスロット14に挿入された状態と記載することがある。また、図8に示すスロット14の状態を、モバイルバッテリ12がスロット14に押し込まれた状態と記載することがある。
[モバイルバッテリの構成]
図9は、モバイルバッテリ12の斜視図である。図10は、モバイルバッテリ12の斜視図である。図11は、モバイルバッテリ12をモバイルバッテリ12の第1面S1側から見た図である。
モバイルバッテリ12は、その外形が略直方体形状に形成されている。モバイルバッテリ12の長手方向の両端のそれぞれの側面である第1面S1及び第2面S2を有している。モバイルバッテリ12は、第1面S1及び第2面S2と略直交する側面である第3面S3及び第4面S4を有している。第3面S3と第4面S4とは互いに反対側に配置されている。モバイルバッテリ12は、第1面S1及び第2面S2と略直交する側面である第5面S5及び第6面S6を有している。第5面S5と第6面S6とは互いに反対側に配置されている。
モバイルバッテリ12の構成の説明において、次のように規定されたU軸、V軸及びW軸を用いる。モバイルバッテリ12の長手方向をW軸方向とし、第1面S1側を正とする。モバイルバッテリ12の第3面S3と第4面S4とを結ぶ方向をV軸方向とし、第4面S4から第3面S3側に向かう向きを正とする。モバイルバッテリ12の第5面S5と第6面S6とを結ぶ方向をU軸方向とし、第5面S5から第6面S6側に向かう向きを正とする。
モバイルバッテリ12の第1面S1には、ハンドル13が設けられている。第1面S1とハンドル13とは、一体に形成されている。ユーザは、ハンドル13を把持して、バッテリ交換機10のスロット14に対して、モバイルバッテリ12の挿抜を行う。ハンドル13は、本発明の把持部に相当する。
図11に示すように、モバイルバッテリ12を第1面S1側から見たときに、ハンドル13はT字形状となっている。ハンドル13は、第1部分13a及び第2部分13bを有している。第1部分13aは、U軸方向に延びる。換言すると、第1部分13aは、第5面S5から第6面S6に向かう方向に延びる。第2部分13bは、V軸方向に延びる。第2部分13bは、第3面S3から第4面S4に向かう方向に延びる。
V軸方向において、第1部分13aは、第1面S1の中心よりもV軸方向正側に配置されている。換言すると、第1部分13aは、第1面S1において第3面S3と第4面S4との間に配置されている。さらに、第1部分13aは、第1面S1において第4面S4よりも第3面S3に近い位置に配置されている。第1部分13aの長手方向(U軸方向)の中間部は、第1面S1に対してW軸方向正側に離間している。これにより、第1部分13aと第1面S1との間に空間が設けられる。第1部分13aの長手方向(U軸方向)の両端のぞれぞれは、第1面S1に直接接続されている。
U軸方向において、第2部分13bは、第1面S1の中心部に配置されている。換言すると、第2部分13bは、第1面S1において第5面S5と第6面S6との間に配置されている。さらに、第2部分13bは、第1面S1において、第2部分13bと第5面S5の距離と第2部分13bと第6面S6との距離とが、略等しい位置に配置されている。第2部分13bの長手方向(V軸方向)において、第2部分13bの両端部のうち第3面S3に近い第1端部(V軸方向正側の端部)及び中間部は、第1面S1に対してW軸方向正側に離間している。これにより、第2部分13bと第1面S1との間に空間が設けられる。前述の第1端部(V軸方向正側の端部)は、第1部分13aに接続されている。第1部分13aの長手方向(U軸方向)において、第1部分13aの中央部に、第2部分13bが接続されている。第2部分13bの長手方向(V軸方向)において、第4面S4に近い第2端部(V軸方向負側の端部)は、第1面S1に直接接続されてる。
図10に示すように、モバイルバッテリ12の第2面S2には、コネクタ15が設けられている。V軸方向において、コネクタ15は、第2面S2の中心よりもV軸方向正側に配置されている。換言すると、コネクタ15は、第2面S2において第3面S3と第4面S4との間に配置されている。さらに、コネクタ15は、第2面S2において第4面S4よりも第3面S3に近い位置に配置されている。
図11に示すように、モバイルバッテリ12の第3面S3は、外側に凸となる曲面形状に形成されている。モバイルバッテリ12の第4面S4、第5面S5及び第6面S6のそれぞれは、平面形状に形成されている。
図12は、モバイルバッテリ12の透視図である。モバイルバッテリ12の内部には、複数のセル17が収容されている。それぞれのセル17の外形は、略円筒形状である。それぞれのセル17は、長手方向の両端に電極17aを有している。モバイルバッテリ12内に収容された状態で、それぞれのセル17の長手方向は、U軸方向に略一致する。換言すると、モバイルバッテリ12内に収容された状態で、それぞれのセル17の長手方向は、モバイルバッテリ12の第5面S5及び第6面S6の略直交する方向に略一致する。
これにより、それぞれのセル17の2つの電極17aのうち、一方の電極17aを、モバイルバッテリ12の第5面S5に対向させた状態で、それぞれのセル17をモバイルバッテリ12内に配置できる。また、それぞれのセル17の2つの電極17aのうち、他方の電極17aを、モバイルバッテリ12の第6面S6に対向させた状態で、それぞれのセル17をモバイルバッテリ12内に配置できる。第5面S5及び第6面S6は平面形状に形成されている。そのため、第5面S5及び第6面S6が曲面形状に形成された場合に比べて、電極17aを第5面S5及び第6面S6に接近させることが可能となる。これにより、セル17の中でも比較的高温となる電極17aの熱を、第5面S5及び第6面S6から効率よく放出させることができる。
通常、ユーザがモバイルバッテリ12のハンドル13を把持するときには、ユーザは、ハンドル13の第2部分13bを第2指(人差し指)、第3指(中指)、第4指(薬指)、第5指(小指)で握る。このとき、ユーザは、第1部分13aに第1指(親指)を掛ける。このようにユーザがハンドル13を把持して、スロット14にモバイルバッテリ12を第2面S2から挿入しようとした場合、モバイルバッテリ12の第3面S3が上方に位置する。モバイルバッテリ12の第3面S3を上に向けた姿勢が、モバイルバッテリ12をスロット14に挿入するときの、モバイルバッテリ12の正しい姿勢である。
ユーザは、第1指をハンドル13の第1部分13aと反対側に向けて、ハンドル13の第2部分13bを第1指、第2指、第3指、第4指及び第5指で握ることもできる。このようにハンドル13が把持された状態で、ユーザがモバイルバッテリ12をスロット14に挿入する場合、モバイルバッテリ12の第4面S4が上方に位置する。しかし、このようにユーザがハンドル13を把持して、スロット14にモバイルバッテリ12を第2面S2から挿入しようとするときに、ユーザはモバイルバッテリ12を持ち上げる力を入れ難い。
ハンドル13をT字形状に形成したことで、ユーザがハンドル13を把持する向きを誘導することが可能となる。これにより、ユーザがスロット14にモバイルバッテリ12を挿入しようとした場合に、モバイルバッテリ12の第3面S3を上方に位置させることができる。よって、モバイルバッテリ12を正しい姿勢でスロット14に挿入させることができる。
ユーザが、ハンドル13を把持して、モバイルバッテリ12の第3面S3を上方に向けた状態で、モバイルバッテリ12を持ち上げた場合、上方に位置する第3面S3に作用する力は、下方に位置する第4面S4に作用する力に比べて大きい。曲面形状に形成されたモバイルバッテリ12の第3面S3は、平面形状に形成された第4面S4よりも剛性が高い。そのため、モバイルバッテリ12の剛性を確保できる。
また、ユーザが、ハンドル13を把持して、モバイルバッテリ12の第3面S3を上方に向けて持ち上げた場合、ハンドル13の第1部分13aと第1面S1との接続部分に大きな力が作用する。第1部分13aは、第4面S4よりも第3面S3に近い位置に配置されている。前述のように、モバイルバッテリ12の第3面S3は、第4面S4よりも剛性が高い。そのため、第1部分13aと第1面S1との接続部分に対して補強部材等を別途設ける必要がない。これにより、モバイルバッテリ12の部品点数を抑制できる。
第4面S4は、平面形状に形成される。第4面S4が曲面形状に形成された場合に比べて、セル17を第4面S4に接近させて配置させることができる。これにより、第4面S4からセル17で発生する熱を効率良く放出させることができる。
モバイルバッテリ12がスロット14に挿入されるときに、コネクタ15にはスロット14のコネクタ34が挿入される。このときコネクタ15には、コネクタ34から力が作用する。コネクタ34は、第4面S4よりも第3面S3に近い位置に配置されている。前述のように、モバイルバッテリ12の第3面S3は、第4面S4よりも剛性が高い。そのため、コネクタ15に対して補強部材等を別途設ける必要がない。これにより、モバイルバッテリ12の部品点数を低減できる。
[トレイロック機構]
トレイロック機構38は、モバイルバッテリ12がスロット14に挿入された状態において、バッテリトレイ32のZ軸方向負側の移動を許容する。トレイロック機構38は、モバイルバッテリ12がスロット14に挿入されていない状態において、バッテリトレイ32のZ軸方向負側の移動を規制する。
図13は、スロット14の断面図である。図13に示すスロット14は、YZ平面に平行な面で切断されている。図13は、モバイルバッテリ12がスロット14内に挿入された状態を示す。図13では、モバイルバッテリ12は部分断面図として示されている。トレイロック機構38は、スロット14のY軸方向正側の側面に設置されている。トレイロック機構38は、ラッチ58とストライク60を有している。
ラッチ58は、バッテリトレイ32のトレイ本体32fのY軸方向正側の側面に設置されている。ラッチ58は、ラッチボルト58a、ラッチボルトホルダ58b、スプリング58c及びレバー58dを有している。ラッチボルト58aは、ラッチボルトホルダ58b内をY軸方向に移動可能に設けられている。ラッチボルトホルダ58bは、バッテリトレイ32に固定されている。スプリング58cは、ラッチボルトホルダ58b内に設けられている。ラッチボルト58aは、スプリング58cによりY軸方向正側に付勢されている。レバー58dのZ軸方向正側の端部は、ラッチボルト58aに接続されている。レバー58dのZ軸方向負側の端部は、貫通孔32cから、バッテリトレイ32の内部に延びて設けられている。貫通孔32cは、バッテリトレイ32のY軸方向正側の側面に形成されている。レバー58dは、そのZ軸方向の中間部において、回動軸58eを中心にラッチボルトホルダ58bに対して回動可能に設けられている。回動軸58eは、ラッチボルトホルダ58bに固定されている。
ストライク60は、バッテリホルダ30のY軸方向正側の面に固定されている。図4に示すように、ストライク60は、バッテリホルダ30からバッテリホルダ30の端部を超えてZ軸方向負側に延びて形成されている。図13に示すように、ストライク60のZ軸方向負側の端部は、係止部60aを有している。係止部60aは、X軸方向に延びて形成されている。バッテリトレイ32が最もZ軸方向正側に移動している状態において、ラッチボルト58aはストライク60の係止部60aよりもZ軸方向正側に位置する。換言すると、バッテリトレイ32がバッテリホルダ30のZ軸方向負側の側面に当接している状態において、ラッチボルト58aは、ストライク60の係止部60aに対してZ軸方向正側に位置する。
トレイロック機構38は、次の状態である場合に、バッテリトレイ32のZ軸方向負側への移動を規制する。その状態とは、ラッチ58のラッチボルト58aがストライク60の係止部60aよりもZ軸方向正側に位置する状態であり、かつ、ラッチボルト58aのY軸方向正側の先端が係止部60aよりもY軸方向正側に位置する状態(ロック状態)である。トレイロック機構38は、次の状態である場合に、バッテリトレイ32のZ軸方向負側への移動を許容する。その状態とは、ラッチ58のラッチボルト58aのY軸方向正側の先端が、ストライク60の係止部60aよりもY軸方向負側に位置する状態(アンロック状態)である。
図14は、ロック状態のトレイロック機構38の断面図である。図15は、ロック状態のトレイロック機構38の断面斜視図である。図14及び図15に示すトレイロック機構38は、YZ平面に平行な面で切断されている。
ラッチボルト58aは、接続軸58a1を有している。接続軸58a1は、ラッチボルトホルダ58bをX軸方向に貫通し、ラッチボルトホルダ58bの外側まで延びる。レバー58dのZ軸方向正側の端部には長穴58d1が形成されている。ラッチボルトホルダ58bの外側において、長穴58d1にラッチボルト58aの接続軸58a1が挿入されている。
図14に示すように、レバー58dは、傾斜面58d2を有している。傾斜面58d2は、レバー58dのZ軸方向正側に形成されている。傾斜面58d2は、レバー58dのバッテリトレイ32の内部に位置する部分に形成されている。X軸方向負側から見たときに、傾斜面58d2は、Z軸方向負側にいくにつれてバッテリトレイ32の内側に位置するように形成されている。
図16は、アンロック状態のトレイロック機構38の断面図である。図17は、アンロック状態のトレイロック機構38の断面斜視図である。図16及び図17に示すトレイロック機構38は、YZ平面に平行な面で切断されている。
図16に示すように、スロット14にモバイルバッテリ12が挿入されると、レバー58dは、モバイルバッテリ12の第3面S3により押されて、回動軸58eを中心に回動する。第3面S3により押されるレバー58dの位置は、回動軸58eに対してZ軸方向負側であって、かつ、回動軸58eよりもY軸方向負側の位置である。これにより、レバー58dの回動軸58eよりもZ軸方向正側は、Y軸方向負側に移動する。また、ラッチボルト58aの接続軸58a1がY軸方向負側に引っ張られる。これにより、ラッチボルト58aはY軸方向負側に移動する。その結果、ラッチボルト58aのY軸方向正側の端部は、ストライク60の係止部60aに対してY軸方向負側に位置する。
前述のように、バッテリトレイ32がバッテリホルダ30のZ軸方向負側の側面に当接している状態において、ラッチボルト58aは、ストライク60の係止部60aに対してZ軸方向正側に位置する。つまり、バッテリトレイ32が最もZ軸方向正側に位置する状態で、ラッチボルト58aと係止部60aとは接触しない。このため、バッテリホルダ30に対してバッテリトレイ32がガタついた場合に、ラッチ58及びストライク60に過大な力が作用しない。
トレイロック機構38は、モバイルバッテリ12の逆挿し防止機能を有する。ユーザは、第3面S3を上に向けた状態でモバイルバッテリ12をスロット14に挿入する必要がある。これは、スロット14のコネクタ34の位置と、モバイルバッテリ12のコネクタ15の位置とを合わせるためである。ユーザが、第3面S3を下に向けた状態でモバイルバッテリ12をスロット14に挿入した場合、モバイルバッテリ12のコネクタ15はスロット14のコネクタ34に接続されない。さらに、スロット14のコネクタ34に大きな力が作用するおそれがある。第3面S3を下に向けた状態で、モバイルバッテリ12がスロット14に挿入された場合、トレイロック機構38は、ロック状態を維持し、バッテリトレイ32のZ軸方向の移動を規制する。
図18A及び図18Bは、挿入口28、バッテリホルダ30、バッテリトレイ32及びモバイルバッテリ12をZ軸方向正側から見た形状を示す模式図である。挿入口28の内周面、バッテリホルダ30の内周面、及び、バッテリトレイ32の内周面は、Z軸方向正側から見て略同形状に形成されている。挿入口28の内周面、バッテリホルダ30の内周面、及び、バッテリトレイ32の内周面のY軸方向負側の側面を側面T1とする。挿入口28の内周面、バッテリホルダ30の内周面、及び、バッテリトレイ32の内周面の側面を側面T2とする。
図18Aは、第3面S3を上に向けた姿勢で、モバイルバッテリ12がスロット14に挿入された状態を示す。このときのモバイルバッテリ12の姿勢を第1の姿勢とする。図18Bは、第3面S3を下に向けた姿勢で、モバイルバッテリ12がスロット14に挿入された状態を示す。このときのモバイルバッテリ12の姿勢を第2の姿勢とする。
モバイルバッテリ12は、ハンドル13が設けられる第1面S1とコネクタ15が設けられる第2面S2を除く4つの側面のうち、第4面S4、第5面S5及び第6面S6が平面形状に形成されている。第4面S4に対向する第3面S3が外側に凸の曲面形状に形成されている。第3面S3を上に向けた姿勢が、モバイルバッテリ12がスロット14に挿入されるときの正しい姿勢である。
側面T1は、モバイルバッテリ12の第3面S3の曲面形状に沿う形状に形成されている。モバイルバッテリ12が第1の姿勢でスロット14に挿入されている場合に比べて、モバイルバッテリ12が第2の姿勢でスロット14に挿入されている場合には、モバイルバッテリ12はY軸方向負側に位置する。そのため、モバイルバッテリ12が第1の姿勢でスロット14に挿入された場合における側面T2とモバイルバッテリ12との隙間の大きさG1に比べて、モバイルバッテリ12が第2の姿勢でスロット14に挿入された場合における側面T2とモバイルバッテリ12との隙間の大きさG2は大きくなる。
図14に示すように、トレイロック機構38のラッチ58のレバー58dは、バッテリトレイ32のY軸方向正側の貫通孔32cから、バッテリトレイ32の内周面の内側に延びるように設けられている。そのため、モバイルバッテリ12が第2の姿勢でスロット14に挿入されている場合、モバイルバッテリ12の第4面S4はラッチ58のレバー58dに当接しない。そのため、トレイロック機構38はアンロック状態とならない。これにより、ユーザはモバイルバッテリ12を押し込むことができない。その結果、モバイルバッテリ12の逆挿しを防止できる。
[トレイ保持機構]
図19は、トレイ保持機構36の斜視図である。Xリンク44は、トレイブラケット52に対してX軸方向正側及びX軸方向負側のそれぞれに設けられている。それぞれのXリンク44は、リンク62a及びリンク62bを有している。
リンク62aのZ軸方向負側の端部は、サイドフレーム26g、26hのY軸方向正側の端部に取り付けられている。リンク62aのZ軸方向正側の端部には、ピン62a1が設けられている。ピン62a1は、X軸方向においてスロット14の内側に向かって延びる。ピン62a1は、トレイブラケット52の側面52aに形成されたガイド52a1に挿入されている。ガイド52a1はY軸方向に延びる長穴状に形成されている。リンク62aのZ軸方向正側の端部は、ガイド52a1に沿ってY軸方向に案内される。
リンク62bのZ軸方向正側の端部は、トレイブラケット52の側面52aのY軸方向正側の端部に取り付けられている。リンク62bのZ軸方向負側の端部には、ピン62b1が設けられている。ピン62b1は、X軸方向においてスロット14の内側に向かって延びる。ピン62b1は、サイドフレーム26g、26hに形成されたガイド26g1、26h1に挿入されている。ガイド26g1、26h1は、Y軸方向に延びる長穴状に形成されている。リンク62bのZ軸方向負側の端部は、ガイド26g1、26h1に沿ってY軸方向に案内される。
リンク62aの長手方向における中央部は、リンク62bの長手方向における中央部において接続されている。リンク62aとリンク62bとは、接続箇所を中心として、相対的に回動可能である。トレイブラケット52に対してX軸方向負側のXリンク44と、トレイブラケット52に対してX軸方向正側のXリンク44とは、ロッド64aにより連結されている。ロッド64aは、リンク62aとリンク62bとの接続箇所において、それぞれのXリンク44と接続されている。また、トレイブラケット52に対してX軸方向負側のXリンク44と、トレイブラケット52に対してX軸方向正側のXリンク44とは、ロッド64bにより連結されている。ロッド64aは、リンク62aのZ軸方向正側の端部において、それぞれのXリンク44と接続されている。ロッド64a及びロッド64bにより、X軸方向の力に対するXリンク44の強度を確保できる。
図13に示すように、バッテリトレイ32のトレイ本体32fの底部32aに貫通孔32dが形成されている。貫通孔32dは、底部32aのY軸方向正側寄りに形成されている。トレイブラケット52には、貫通孔52cが形成されている。貫通孔52cは、トレイ本体32fの貫通孔32dに対応する位置に形成されている。トレイ本体32fの底部32aとトレイブラケット52の間には、シャッタ66が配置されている。
図19に示すように、シャッタ66は、本体部66a及び連結部66bを有している。本体部66aは平板状の部材である。本体部66aは、そのY軸方向負側寄りの一部が、肉抜き加工されている。これにより、シャッタ66の軽量化を図ることができる。なお、本体部66aは、肉抜き加工がされていなくてもよい。本体部66aには、連結部66bが形成されている。連結部66bは、本体部66aのY軸方向負側の端部に形成されている。連結部66bは、X軸方向の両側のそれぞれに連結部66bが形成されている。連結部66bは、本体部66aからZ軸方向正側に突出して形成されている。本体部66aの連結部66bが形成される部分は、切欠部66cが形成されている。
図20は、シャッタ66の連結部66b及びその付近の拡大図である。図20に示すように、連結部66b内に、X軸方向正側からリンク62aのピン62a1が挿入されている。これにより、連結部66bとリンク62aとが接続される。その結果、シャッタ66は、リンク62aとともにY軸方向に移動可能となる。
図21は、スロット14の断面図である。図21に示すスロット14は、YZ面に平行な面で切断されている。図21は、バッテリトレイ32が最もZ軸方向負側に位置する状態のスロット14を示している。図21では、コネクタ34等を見易くするために、モバイルバッテリ12の外形が二点鎖線で示されている。図22及び図23は、スロット14の正面図である。図22は、バッテリトレイ32が最もZ軸方向正側に位置する状態のスロット14を示している。図23は、バッテリトレイ32が最もZ軸方向負側に位置する状態のスロット14を示している。なお、バッテリトレイ32が最もZ軸方向正側に位置する状態とは、バッテリトレイ32がバッテリホルダ30のZ軸方向負側の端面に当接している状態を示す。また、バッテリトレイ32が最もZ軸方向負側に位置する状態とは、バッテリトレイ32がストッパ46に当接している状態を示す。
トレイブラケット52がZ軸方向に移動することにより、リンク62aとともにシャッタ66がY軸方向に移動する。バッテリトレイ32がZ軸方向正側に位置する場合には、シャッタ66は、トレイブラケット52の貫通孔52cとトレイ本体32fの貫通孔32dとの連通を遮断する。これにより、バッテリトレイ32からコネクタ34に異物が侵入することを抑制できる。バッテリトレイ32がZ軸方向負側に移動すると、シャッタ66が開く。これにより、トレイ本体32fの貫通孔32dとトレイブラケット52の貫通孔52cとが連通する。コネクタ34は、トレイブラケット52の貫通孔52c及びバッテリトレイ32の貫通孔32dを通過して、バッテリトレイ32の内部に進入する。これにより、スロット14のコネクタ34は、バッテリトレイ32に保持されるモバイルバッテリ12のコネクタ15と接続される。
トレイ保持機構36のガススプリング50は、内部にガスが封入されている。トレイ保持機構36は、ダンパ機能とスプリング機能を有する。ダンパ機能により、トレイブラケット52のZ軸方向の変位を妨げる減衰力を発生させる。スプリング機能により、トレイブラケット52をZ軸方向正側に付勢する。バッテリトレイ32がモバイルバッテリ12の荷重を受けてZ軸方向負側に移動するときに、ガススプリング50はエネルギを蓄積する。また、バッテリトレイ32がZ軸方向正側に移動するときに、ガススプリング50は蓄積したエネルギを放出する。ガススプリング50は、エネルギを、ガススプリング50の内部に封入されたガスの圧力として蓄積する。なお、ガススプリング50に代えて、金属製のバネを有するものであってもよい。その場合、エネルギはバネの弾性力として蓄積される。バッテリ交換機10内にスロット14が設置される傾きは、バッテリ交換機10の機種によって異なる。スロット14がバッテリ交換機10内に設置される傾きに応じて、モバイルバッテリ12からバッテリトレイ32に対して、Z軸方向に作用する力が変化する。そのため、ガススプリング50のダンパ荷重は、スロット14がバッテリ交換機10内に設置される傾きに応じて設定される必要がある。
図13に示すように、スプリングブラケット54aには、3つの取付穴54a1が形成されている。スプリングブラケット54aは、ガススプリング50を支持する。ガススプリング50を取り付ける取付穴54a1を変えることにより、Z軸方向に対するガススプリング50の傾きを変化させることができる。ガススプリング50からバッテリトレイ32に作用するダンパ荷重は、Z軸方向に対するガススプリング50の傾きが浅いほど大きくなる。これにより、1種類のガススプリング50であっても、ガススプリング50からバッテリトレイ32に作用するダンパ荷重を変えることができる。よって、バッテリ交換機10の機種毎に、スロット14がバッテリ交換機10内に設置される傾きに対応するダンパ荷重のガススプリング50を用意する必要がない。
トレイ保持機構36のエアダンパ48は、トレイブラケット52のZ軸方向負側への変位を妨げるように減衰力を発生する。図3に示すように、エアダンパ48は円柱状のプランジャ48aを有している。トレイブラケット52がZ軸方向負側に移動したときに、トレイブラケット52がプランジャ48aに当接する。このとき、プランジャ48aからトレイブラケット52にZ軸方向正側に減衰力が作用する。これにより、エアダンパ48はトレイブラケット52から入力される力を吸収する。
トレイ保持機構36のストッパ46は、バッテリトレイ32のZ軸方向負側の移動を規制する。バッテリトレイ32が最もZ軸方向負側に移動した位置で、トレイブラケット52がストッパ46に当接する。これにより、バッテリトレイ32はZ軸方向負側への移動が規制される。そのため、モバイルバッテリ12からコネクタ34に過度な力が作用することを抑制できる。
[バッテリロック機構]
バッテリロック機構40は、モバイルバッテリ12がスロット14に押し込まれた状態で、モバイルバッテリ12のZ軸方向正側への移動を規制する。これにより、モバイルバッテリ12がスロット14に押し込まれた状態が維持される。
図24は、スロット14の断面図である。図24に示すスロット14は、YZ平面に平行な面で切断されている。図25及び図26は、バッテリロック機構40の拡大斜視図である。図25は、スロット14にモバイルバッテリ12が挿入されていない状態を示している。図26は、スロット14にモバイルバッテリ12が押し込まれた状態を示している。
バッテリロック機構40は、スロット14のY軸方向正側の側面に設置されている。バッテリロック機構40は、シャフト68、ストッパ駆動部70、ストッパロック部72及びストッパロック解除部74を有している。
シャフト68は、Z軸方向に延びるように配置されている。シャフト68は、2つの軸受76a、76bにより回動可能に支持されている。軸受76a、76bは、バッテリホルダ30のY軸方向正側の側面に設置されている。
ストッパ駆動部70は、フラップ78a、78b、レバー79及びねじりスプリング82を有している。フラップ78a、78bは、プレート80aとプレート80bとの間に配置されている。プレート80a、80bは、バッテリホルダ30のY軸方向正側の側面に設置されている。フラップ78a、78bは、歯車78a1、78b1、アーム78a2、78b2、及び、ストッパ78a3、78b3を有している。フラップ78a、78bは、プレート80a、80bに回動可能に取り付けられている。歯車78a1、78b1は、外周に歯が形成されている。フラップ78aの歯車78a1とフラップ78bの歯車78b1とは噛み合っている。これにより、フラップ78aが回動すると、フラップ78bも回動する。アーム78a2、78b2は、歯車78a1、78b1から延びる。ストッパ78a3、78b3は、アーム78a2、78b2からバッテリホルダ30のY軸方向負側に向かって延びる。
レバー79は、シャフト68に取り付けられている。レバー79とシャフト68とが一体に回転する。レバー79とプレート80bとの間に、ねじりスプリング82が設けられている。Z軸方向正側から見たときに、ねじりスプリング82は、シャフト68を中心としてレバー79を右回りに回動させるように付勢する。レバー79は、フラップ78aの連結部78a4に連結されている。レバー79が回動することにより、フラップ78aが歯車78a1を中心に回動する。歯車78a1と噛み合う歯車78b1が回動する。これにより、フラップ78bが歯車78b1を中心に回動する。
図27は、スロット14の断面正面図である。図27で示すスロット14は、XY平面に平行な面で切断されている。図28は、スロット14の正面図である。図27及び図28は、フラップ78a、78bが降りた状態を示している。
Z軸方向正側から見て、シャフト68がレバー79とともに右回転すると、フラップ78a、78bのストッパ78a3、78b3がバッテリホルダ30の内側に移動する。モバイルバッテリ12がスロット14から引き抜かれようとしたときに、モバイルバッテリ12はストッパ78a3、78b3に当接する。これにより、モバイルバッテリ12のZ軸方向正側の移動が規制される。
図24に示すように、ストッパロック部72は、カム84、ラッチ86及びコイルスプリング88を有している。カム84は、シャフト68のZ軸方向負側に、シャフト68と一体に回動可能に設けられている。図29は、カム84の正面図である。図30は、カム84の斜視図である。カム84は、本体部84a、及び、爪84bを有している。爪84bは、本体部84aからラッチ86側(Z軸方向負側)に突出する。本体部84aは、円筒状の部材である。本体部84aは、その中心に貫通孔84a1が形成されている。この貫通孔84a1をシャフト68が貫通している。図29に示すように、爪84bは、周方向に120°の間隔で3つ設けられている。爪84bは、当接面84b1及び傾斜面84b2を有している。当接面84b1は、カム84の軸方向(Z軸方向)に平行な面である。傾斜面84b2は、当接面84b1のZ軸方向負側の端部と本体部84aとを繋ぐ面である。傾斜面84b2は、本体部84aのZ軸方向負側の面に対して傾斜した面である。爪84bは、周方向に約75°の範囲に形成されている。
図24に示すように、ラッチ86は、ラッチホルダ90内に設けられる。ラッチホルダ90は、メインフレーム26aに取り付けられている。ラッチ86は、Z軸方向に移動可能に設けられている。ラッチ86は、シャフト68の軸周りに回動不能に設けられている。図31は、ラッチ86の正面図である。図32は、ラッチ86の斜視図である。ラッチ86は、本体部86a、爪86b及びピン86cを有している。本体部86aは、筒状の部材であって、その中心に貫通孔86a1が形成されている。この貫通孔86a1をシャフト68が貫通している。爪86bは、本体部86aからカム84側(Z軸方向正側)に突出する。ピン86cは、本体部86aからY軸方向負側に延びる。
図31に示すように、爪86bは、周方向に120°の間隔で3つ設けられている。爪86bは、当接面86b1及び傾斜面86b2を有している。当接面86b1は、ラッチ86の軸方向(Z軸方向)に平行な面である。傾斜面86b2は、当接面86b1のZ軸方向正側の端部と本体部86aとを繋ぐ面である。傾斜面86b2は、本体部86aのZ軸方向負側の面に対して傾斜した面である。爪86bは、周方向に約75°の範囲に形成されている。
シャフト68は、ラッチ86の貫通孔86a1を貫通する。シャフト68は、ラッチホルダ90に回動可能に支持されている。ラッチ86は、ラッチホルダ90にシャフト68の軸方向(Z軸方向)に移動可能に支持されている。ラッチ86は、シャフト68の軸を中心とする回動方向には回動不能に支持されている。ラッチ86は、ラッチホルダ90内に設けられたコイルスプリング88によりカム84側に付勢されている。
ラッチ86がカム84側に位置するときには、Z軸方向負側から見て、シャフト68とともにカム84が左回りに回動する場合には、カム84の爪84bの当接面84b1が、ラッチ86の爪86bの当接面86b1と当接する。これにより、ラッチ86は、カム84を介してシャフト68の回動を規制する。
一方、ラッチ86がカム84側に位置するときであっても、Z軸方向負側から見て、シャフト68とともにカム84が右回りに回動する場合には、カム84の爪84bの傾斜面84b2が、ラッチ86の爪86bの傾斜面86b2をZ軸方向負側に押圧するため、シャフト68は回動できる。
ラッチ86がカム84から離れて位置するときには、Z軸方向負側から見て、シャフト68とともにカム84が左回りに回動する場合であっても、右回りに回動する場合であっても、ラッチ86の爪86bとカム84の爪84bとは当接しない。そのため、シャフト68は回動可能となる。
図33は、スロット14のストッパロック部72及びその付近の拡大断面図である。図33に示すスロット14は、YZ断面に平行な面で切断されている。図34は、スロット14のストッパロック部72の拡大斜視図である。図34は、コイルスプリング88、及び、ラッチホルダ90の一部が省略されている。図33及び図34は、モバイルバッテリ12がスロット14に押し込まれた状態を示す。
バッテリトレイ32のトレイ本体32fのY軸方向正側の面には、Y軸方向正側に突出するピン32eが形成されている。モバイルバッテリ12がスロット14に押し込まれ、バッテリトレイ32がZ軸方向負側に移動すると、トレイ本体32fのピン32eがラッチ86のピン86cを押圧する。これにより、ラッチ86は、Z軸方向負側に移動する。これにより、ラッチ86の爪86bとカム84の爪84bとの噛み合いが外れる。
図25に示すように、ストッパロック解除部74は、モータ92を有している。モータ92は、バッテリホルダ30のY軸方向正側の側面に設置されている。モータ92の駆動軸にはピニオン92aが取り付けられている。ピニオン92aは、シャフト68と一体に回動する歯車94と噛み合っている。モータ92が回転駆動することにより、シャフト68を回動させることができる。
図35及び図36は、バッテリロック機構40がロック解除状態からロック状態となるときの、カム84とラッチ86の回動方向の動き、カム84とラッチ86の軸方向の動き、及び、バッテリロック機構40の動きを示す表である。図35及び図36に示す各図は、模式図である。図35及び図36により、ロック解除状態、ロック直前状態、最下点状態、及び、ロック状態の4つの状態を示している。ロック解除状態とは、バッテリロック機構40によるモバイルバッテリ12のロックが解除された状態を示す。ロック直前状態とは、バッテリロック機構40によりモバイルバッテリ12がロックされる直前の状態を示す。最下点状態とは、モバイルバッテリ12がスロット14に最も押し込まれた状態を示す。ロック状態とは、バッテリロック機構40によりモバイルバッテリ12がロックされた状態を示す。
ロック解除状態におけるラッチ86のZ軸方向の位置をP1とする(図35)。ラッチ86には、コイルスプリング88からZ軸方向正側に付勢力が作用し、ラッチ86はカム84に押し付けられている。カム84の爪84bとラッチ86の爪86bとが噛み合っているため、カム84にはシャフト68を介して、ねじりスプリング82から回動方向の付勢力が作用するが、カム84は回動しない。
ユーザによりモバイルバッテリ12がスロット14に押し込まれ始めると、トレイ本体32fのピン32eが、ラッチ86のピン86cを押圧する。これにより、ラッチ86はZ軸方向負側に移動する。ロック直前状態におけるラッチ86のZ軸方向の位置をP2とする(図35)。ロック直前状態では、カム84にはシャフト68を介してねじりスプリング82から回動方向の付勢力が作用する。しかし、カム84の爪84bとラッチ86の爪86bとがまだ噛み合っているため、カム84は回動しない。
最下点状態におけるラッチ86のZ軸方向の位置をP3とする(図36)。このとき、ラッチ86とカム84とは離間した状態となり、カム84の爪84bとラッチ86の爪86bとの噛み合いが外れる。そのため、ねじりスプリング82の付勢力によりカム84が回動する。カム84とともにシャフト68が回動し、更にシャフト68とともにレバー79が回動する。これにより、フラップ78a、78bが降りる。最下点状態では、Z軸方向において、モバイルバッテリ12とストッパ78a3、78b3との間に隙間が生じている。
最下点状態から、ユーザがモバイルバッテリ12の押し込む力を抜くと、ガススプリング50がバッテリトレイ32をZ軸方向正側に押圧する力により、モバイルバッテリ12がZ軸方向正側に移動する。モバイルバッテリ12は、ストッパ78a3、78b3と当接し、ロック状態となる。ロック状態におけるラッチ86のZ軸方向の位置をP4とする(図36)。このとき、ラッチ86はコイルスプリング88の付勢力によりカム84側に押される。ラッチ86の爪86bの傾斜面86b2がカム84の爪84bの傾斜面84b2を押圧するため、カム84は最下点状態のときの位置から更に回動している。
図37は、バッテリロック機構40がロック状態からロック解除状態となるときの、カム84とラッチ86の回動方向の動き、及び、カム84とラッチ86の軸方向の動きを示す表である。図37に示す各図は、模式図である。図37は、ロック状態、ロック解除途中状態、及び、ロック解除状態の3つの状態を示している。ロック状態とは、バッテリロック機構40によりモバイルバッテリ12がロックされた状態を示す。ロック解除途中状態とは、バッテリロック機構40によるモバイルバッテリ12のロックが解除される途中の状態を示す。ロック解除状態とは、バッテリロック機構40によるモバイルバッテリ12のロックが解除された状態を示す。
ロック状態において、モータ92の回動力によりシャフト68が回動され、シャフト68と一体にカム84が回動する。ロック解除途中状態では、カム84の爪84bの傾斜面84b2が、ラッチ86の爪86bの傾斜面86b2を押圧する。これにより、ラッチ86はロック状態におけるラッチ86の軸方向の位置であるP4からZ軸方向負側に移動する。
シャフト68の回動とともにレバー79が回動して、フラップ78a、78bがあがる。これにより、モバイルバッテリ12のロックが解除される。ロック解除状態では、バッテリトレイ32は、ガススプリング50の付勢力によりZ軸方向正側に移動する。バッテリトレイ32のピン32eがZ軸方向正側に移動するのに伴い、ラッチ86は、コイルスプリング88の付勢力によりZ軸方向正側に移動する。これにより、ロック解除状態におけるラッチ86の軸方向の位置であるP1に位置する。このとき、カム84の爪84bとラッチ86の爪86bとが噛み合う。
バッテリロック機構40は、トレイロック機構38とともにスロット14のY軸方向正側に配置されている。これにより、フレーム26の外部に突出する構造を、スロット14のY軸方向正側に集約できる。
[コネクタユニット]
図38及び図39は、コネクタユニット35の断面図である。コネクタユニット35は、コネクタ34、コネクタホルダ96、プレート98及びコイルスプリング100を有している。
コネクタ34は、ガイド突起部34a、端子34b及びフランジ部34cを有している。ガイド突起部34aは、モバイルバッテリ12の第2面S2に形成されたガイド穴15a(図41)に嵌合される。ガイド突起部34aは、端子34bに対してX軸方向外側の両方に一対設けられている。端子34bは、モバイルバッテリ12のコネクタ15に形成された図示しない端子穴に嵌合される。端子34bからモバイルバッテリ12を充電する電力が供給される。また、端子34bからモバイルバッテリ12の充電制御を行う制御信号が送られる。フランジ部34cは、後述するコネクタホルダ96の凹部96bに収容されている。
図40は、コネクタホルダ96の斜視図である。コネクタホルダ96は、Z軸方向に貫通する貫通穴96aを有している。この貫通穴96aには、図38に示すように、コネクタ34のガイド突起部34a及び端子34bが挿入される。コネクタホルダ96は、Z軸方向負側の面に凹部96bを有している。凹部96bには、コネクタ34のフランジ部34cが収容されている。凹部96bの縁には、テーパ部96b1が形成されている。
図38に示すように、プレート98は、コネクタホルダ96のZ軸方向負側に固定されている。プレート98とコネクタ34との間にはコイルスプリング100が設けられている。コイルスプリング100によりコネクタ34がZ軸方向正側に付勢されている。
図41は、コネクタユニット35のコネクタ34がモバイルバッテリ12のコネクタ15に接続された状態を示す部分断面図である。モバイルバッテリ12のコネクタ15は、ガイド穴15a及び端子穴15bを有している。ガイド穴15aは、コネクタ34のガイド突起部34aと嵌合する。端子穴15bは、コネクタ34の端子34bと嵌合する。
コネクタ34の端子34bと、モバイルバッテリ12の端子穴15bとの嵌合が開始するまでは、図38に示すように、コイルスプリング100の付勢力により、コネクタ34のフランジ部34cは、コネクタホルダ96の凹部96bの底面に当接している。
コネクタ34の端子34bと、モバイルバッテリ12の端子穴15bとの嵌合が開始すると、モバイルバッテリ12からコネクタ34に作用するZ軸方向負側の力に応じて、コネクタホルダ96に対してコネクタ34がZ軸方向負側に移動する。これにより、コネクタ34の端子34bと、モバイルバッテリ12の端子穴15bとが嵌合している最中には、コネクタ34をモバイルバッテリ12側に押圧する力を確保できる。
コネクタ34の端子34bとモバイルバッテリ12の端子穴15bとの嵌合が完了した後には、図41に示すように、コネクタ34のフランジ部34cは、コネクタホルダ96の凹部96bの底面から離間している。これにより、モバイルバッテリ12がスロット14内で多少動いたとしても、コネクタ34の端子34bと、モバイルバッテリ12の端子穴15bとの嵌合が外れることがない。
コネクタ34の端子34bと、モバイルバッテリ12の端子穴15bとの嵌合がはずれるときには、コネクタホルダ96の凹部96bの底面から離間していたコネクタ34のフランジ部34cが、コイルスプリング100の付勢力により、凹部96bの底面に向かって移動する。このとき、コネクタホルダ96の凹部96bのテーパ部96b1により、コネクタ34のフランジ部34cが案内され、コネクタ34をコネクタホルダ96に対してセンタリングすることができる。
図13に示すように、コネクタユニット35は、Y軸方向におけるスロット14の中央部に対して、Y軸方向正側に配置されている。スロット14がバッテリ交換機10内に設置されている状態において、コネクタユニット35を地面から遠い位置に配置できる。そのため、コネクタユニット35に水等が触れることを抑制できる。
[スロットとモバイルバッテリの位置関係]
図42は、スロット14の断面図である。図42に示すスロット14は、YZ平面に平行な面で切断されている。
モバイルバッテリ12がスロット14に挿入されている状態において、モバイルバッテリ12のハンドル13は、挿入口28のY軸方向正側の縁に対してZ軸方向正側に位置する。また、ハンドル13は、挿入口28のY軸方向負側の縁に対してZ軸方向負側に位置する。これにより、ハンドル13の一部が、スロット14の外部に露出する。そのため、ユーザは、モバイルバッテリ12をバッテリ交換機10から受け取るときに、ハンドル13を把持し易い。また、モバイルバッテリ12は、スロット14からZ軸方向正側に突出していない。そのため、ユーザは、モバイルバッテリ12をバッテリ交換機10から受け取るときに、モバイルバッテリ12の底面12aが、下方のスロット14に挿入されているモバイルバッテリ12に衝突することを抑制できる。
〔第2実施形態〕
図43は、バッテリエナジーストレージ110の外観模式図である。バッテリエナジーストレージ110は、その内部に複数(本実施形態では8つ)のモバイルバッテリ12を収容している。バッテリエナジーストレージ110内のモバイルバッテリ12は、通常時は満充電されており、例えば、停電時等にはモバイルバッテリ12に蓄電された電力が放電される。バッテリエナジーストレージ110で用いられるモバイルバッテリ12は、例えば、電動バイク等で繰り返し使用されて劣化し、劣化状態(SOH)が電動バイク等における使用に適しなくなったものである。また、バッテリエナジーストレージ110で用いられるモバイルバッテリ12は、劣化のない新品のものであってもよい。さらに、バッテリエナジーストレージ110で用いられるモバイルバッテリ12は、一部が劣化したものであって、残りが新品のものであってもよい。バッテリエナジーストレージ110は、本発明の外部機器に相当する。
バッテリエナジーストレージ110は、8つのスロット112を有している。バッテリエナジーストレージ110は、1つの操作パネル114を有している。スロット112にはモバイルバッテリ12が収容される。第1実施形態のバッテリ交換機10と異なり、バッテリエナジーストレージ110では、モバイルバッテリ12の出し入れは頻繁には行われない。バッテリエナジーストレージ110に収容されたモバイルバッテリ12は、例えば、モバイルバッテリ12が故障した場合、又は、モバイルバッテリ12の劣化が進んだ場合に交換される。スロット112の上部にはインジケータ116が設けられている。インジケータ116は、スロット112に収容されているモバイルバッテリ12の劣化状態を、点灯する色、点滅等により表示する。操作パネル114は、ユーザにより操作される装置である。ユーザは、操作パネル114を操作することにより、例えば、バッテリエナジーストレージ110から外部への給電を開始できる。バッテリエナジーストレージ110は、各スロット112の開口部を閉塞する扉115を有している。この扉115はオプションで取り付けられるようにしてもよい。
図44は、バッテリエナジーストレージ110の断面図である。バッテリエナジーストレージ110は、スロット112の上方に制御装置117を有している。制御装置117は、モバイルバッテリ12の充電制御及び給電制御等を行う。モバイルバッテリ12が充電されるときは、制御装置117は図示しないAC/DCコンバータを制御して、商業電源から供給される交流電力を直流電力に変換してモバイルバッテリ12に供給する。モバイルバッテリ12が放電するときには、制御装置117は図示しないDC/ACコンバータを制御して、モバイルバッテリ12から出力される直流電力を交流電力に変換して外部の負荷に供給する。バッテリエナジーストレージ110は、スロット112の下方にユーティリティスペース119を有している。ユーティリティスペース119には、冷却装置等が設置されてもよい。冷却装置は、バッテリエナジーストレージ110の内部を冷却する。
本実施形態では、次のように定義されたX軸、Y軸及びZ軸に基づいて説明する。スロット112にモバイルバッテリ12が挿入される方向をZ軸方向とし、スロット112がバッテリエナジーストレージ110の前面110aに開口する側を正とする。バッテリエナジーストレージ110の幅方向と平行な方向をX軸方向として、スロット112をバッテリエナジーストレージ110の前面110aに開口する側から見たときに右側を正とする。Z軸及びX軸に直交する方向をY軸方向とし、上側を正とする。
図45は、モバイルバッテリ12が収容された状態のスロット112を示す斜視図である。図46は、モバイルバッテリ12が収容された状態のスロット112の断面図である。図46に示すスロット112は、YZ面に平行な面で切断されている。図47は、スロット112のY軸方向正側の側面の部分斜視図である。
バッテリエナジーストレージ110のスロット112は、第1実施形態のバッテリ交換機10のスロット14と略同じ構成である。しかし、スロット112は、スロット14のトレイ保持機構36の一部の構成、トレイロック機構38のすべての構成、及び、バッテリロック機構40の一部の構成を有していない。具体的には、スロット112は、トレイ保持機構36のXリンク44、エアダンパ48及びガススプリング50を有していない。一方、スロット112は、トレイ保持機構36のストッパ46を有している。また、スロット112は、トレイロック機構38のラッチ58及びストライク60を有していない。さらに、スロット112は、バッテリロック機構40のシャフト68、ストッパロック部72、ストッパロック解除部74を有していない。さらに、スロット112は、ストッパ駆動部70のうち、レバー79及びねじりスプリング82を有していない。一方、スロット112は、ストッパ駆動部70のフラップ78a、78bは有している。
バッテリエナジーストレージ110のスロット112の構成のうち、バッテリ交換機10のスロット14の構成と同じ箇所については、第1実施形態と同じ符号を付して説明を省略する。
バッテリエナジーストレージ110のスロット112は、トレイロック板118を有している。トレイロック板118は、メインフレーム26aとメインフレーム26dの間に架設されている。バッテリトレイ32のトレイ本体32fには、突出部120が固定されている。突出部120は、トレイ本体32fのY軸方向正側の側面に取り付けられている。突出部120は、トレイ本体32fからY軸方向正側に突出する。バッテリトレイ32がZ軸方向負側に移動した位置で、突出部120がトレイロック板118にZ軸方向負側から当接している。これにより、バッテリトレイ32のZ軸方向正側への移動が規制される。
図48は、バッテリロック機構40の拡大斜視図である。図49は、スロット112の断面正面図である。図49で示すスロット112は、XY平面に平行な面で切断されている。図50は、スロット112の正面図である。
フラップ78a、78bは、ボルトが固定されるボルト孔78a5、78b5を有している。バッテリロック機構40は、フラップ78a、78bが降りた状態で、ボルト120a、120bによって固定されている。これにより、モバイルバッテリ12がスロット112から引き抜かれようとしたときに、モバイルバッテリ12は、ストッパ78a3、78b3に当接する。これにより、モバイルバッテリ12のZ軸方向正側の移動が規制される。よって、モバイルバッテリ12の盗難を防止できる。
本発明についての好適な実施形態を上述したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々の改変が可能である。
挿入口28は、挿入口28単体で取り換え可能に取り付けられていてもよい。形状が異なる複数種類の挿入口28が用意されていてもよい。バッテリ交換機10内に設置されるスロット14の傾きに対応する形状の挿入口28が取り付けられる。また、材質が異なる複数種類の挿入口28が用意されていてもよい。バッテリ交換機10が設置される地域に対応する材質の挿入口28が取り付けられる。
第1実施形態のバッテリ交換機10は、扉18を有しなくてもよい。上記第1実施形態では、ユーザがモバイルバッテリ12をスロット14に収容して扉18を閉じると、バッテリ交換機10はモバイルバッテリ12の充電を開始するようにしている。バッテリ交換機10が扉18を有しない場合、モバイルバッテリ12がスロット14に押し込まれた状態となれば、バッテリ交換機10はモバイルバッテリ12の充電を開始するようにしてもよい。
〔実施形態から得られる発明〕
上記実施形態から把握しうる発明について、以下に記載する。
本発明は、外形が略直方体であるバッテリ(12)であって、長手方向の両端のそれぞれの側面である第1面(S1)及び第2面(S2)と、前記第1面及び前記第2面と略直交する側面である第3面(S3)と、前記第1面及び前記第2面と略直交する側面であって、前記第3面とは反対側の第4面(S4)と、前記第1面、前記第2面、前記第3面及び前記第4面と略直交する側面である第5面(S5)と、前記第1面及び前記第2面と略直交する側面であって、前記第5面とは反対側の第6面(S6)と、前記第1面に設けられた把持部(13)と、を備え、前記把持部は、前記第3面と前記第4面との間であって前記第4面よりも前記第3面に近い位置に、前記第5面から前記第6面に向かう方向に延びる第1部分(13a)と、前記第5面から前記第6面に向かう方向における中間部において、前記第3面から前記第4面に向かう方向に延びる第2部分(13b)と、を有し、前記第1部分の長手方向において、前記第1部分の中間部は前記第1面から離間するとともに、前記第1部分の両端部は前記第1面に接続され、前記第2部分は、前記第2部分の長手方向の両端部である第1端部及び第2端部と、前記第1端部と前記第2端部との間の部分である中間部とを有し、前記第2部分の第1端部は、前記第1部分の前記中間部に接続されるとともに前記第1面から離間し、前記第2部分の前記中間部は、前記第1面から離間し、前記第2部分の第2端部は、前記第1面に直接接続される。
上記のバッテリであって、前記第5面及び前記第6面はそれぞれ平面形状であって、前記バッテリの内部に、長尺形状の複数のセル(17)を有し、それぞれの前記セルは、長手方向の両端に電極(17a)を有し、それぞれの前記セルは、前記第5面及び前記第6面に略直交する方向が長手方向となるように配置されてもよい。
上記のバッテリであって、前記第3面は、外側に凸となる曲面形状であって、前記第4面、前記第5面及び前記第6面は、平面形状であってもよい。
上記のバッテリであって、前記第2面に、外部機器(10、110)に接続されることにより電力の入出力を行うコネクタ(15)を有し、前記コネクタは、前記第3面と前記第4面との間であって前記第4面よりも前記第3面側に近い位置に配置されてもよい。