JP7270504B2 - エラストマー組成物及びシール材 - Google Patents
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Description
[1] パーフルオロエラストマー100質量部に対して、イオン液体を0.1質量部以上15質量部以下と、カーボンナノチューブを0.5質量部以上10質量部以下と、を含む、エラストマー組成物。
前記パーフルオロエラストマー100質量部に対して、前記カーボンナノチューブ及び前記カーボンブラックの合計含有量が1.5質量部以上30質量部以下である、[1]に記載のエラストマー組成物。
本発明のエラストマー組成物は、
〔A〕パーフルオロエラストマーと、
〔B〕イオン液体と、
〔C〕カーボンナノチューブと、
を含む。以下、本発明のエラストマー組成物が含有する各成分及び任意で含有される成分について詳細に説明する。
パーフルオロエラストマーとしては特に限定されず、例えばテトラフルオロエチレン(TFE)-パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)系共重合体、TFE-パーフルオロ(アルコキシビニルエーテル)系共重合体等であることができる。これらの共重合体は、他のパーフルオロモノマー由来の構成単位をさらに含んでいてもよい。パーフルオロエラストマーを含むパーフルオロエラストマー組成物によれば、水素原子含有フッ素エラストマーを含む組成物に比べて、耐熱性に優れ、例えば250℃以上の高温でも性質を変化させにくい。パーフルオロエラストマー組成物は、パーフルオロエラストマーを1種のみ含んでいてもよいし、2種以上を含んでいてもよい。パーフルオロエラストマーを含むエラストマー組成物の架橋物は、金属ガスケットに比べて、パーティクルの発生を抑制することができる。
CF2=CFOCF2CF(CF3)OCnF2n+1、
CF2=CFO(CF2)3OCnF2n+1、
CF2=CFOCF2CF(CF3)O(CF2O)mCnF2n+1、
CF2=CFO(CF2)2OCnF2n+1
等が挙げられる。上記式中、nは例えば1~5であり、mは例えば1~3である。
CF2=CFO(CF2)nOCF(CF3)CN(nは例えば2~4)、
CF2=CFO(CF2)nCN(nは例えば2~12)、
CF2=CFO[CF2CF(CF3)O]m(CF2)nCN(nは例えば2、mは例えば1~5)、
CF2=CFO[CF2CF(CF3)O]m(CF2)nCN(nは例えば1~4、mは例えば1~2)、
CF2=CFO[CF2CF(CF3)O]nCF2CF(CF3)CN(nは例えば0~4)
等を挙げることができる。
イオン液体とは、液体で存在する塩をいう。イオン液体としては特に制限はないが、比較的低温、例えば100℃以下、好ましくは室温以下に融点を有するイオン液体を用いることができる。エラストマー組成物におけるイオン液体の含有量は、パーフルオロエラストマー100質量部に対して、0.1質量部以上15質量部以下であり、好ましくは1.5質量部以上13質量部以下であり、より好ましくは5質量部以上10質量部以下である。イオン液体の含有量がこの範囲であるときに、金属フィラーを含まずに抵抗値(電気抵抗値)が低い架橋物を得ることができる。また、イオン液体の含有量がこの範囲であるときに、切断時伸び率が良好で、シール性に優れた架橋物を得ることができる。このとき、例えばJIS K 6251:2010に沿って測定した切断時伸びが100%以上である。パーフルオロエラストマー100質量部に対して、イオン液体の含有量が0.1質量部未満であるとき、カーボンナノチューブ及びカーボンブラックの分散性が低下する傾向にある。パーフルオロエラストマー100質量部に対して、イオン液体の含有量が15質量部より多いとき、パーフルオロエラストマーとの相溶性が低下し、また架橋物の耐熱性も低下するおそれがある。
カーボンナノチューブは、炭素からなる円筒状の構造を有する。カーボンナノチューブとしては、特に限定されず、単層カーボンナノチューブ(SWNT)及び多層カーボンナノチューブ(MWNT)のいずれをも適宜用いることができる。抵抗値が低い架橋物を得る観点からは、体積抵抗率が小さいカーボンナノチューブを用いることが好ましい。カーボンナノチューブの体積抵抗率は、例えば0.01Ω・cm以下である。
エラストマー組成物は、好ましくはカーボンブラックをさらに含む。エラストマー組成物におけるカーボンブラックの含有量は、パーフルオロエラストマー100質量部に対して、好ましくは1質量部以上20質量部以下であり、より好ましくは1.5質量部以上10質量部以下である。エラストマー組成物がカーボンブラックを含むとき、100%引張応力等の常態物性がより良好で、より抵抗値が低い架橋物を得ることができる。パーフルオロエラストマー100質量部に対して、カーボンブラックの含有量が1質量部以上であると、エラストマー組成物がイオン液体を保持しやすくなる。カーボンブラックの含有量が多すぎると架橋物の抵抗値が高くなり、硬度も過度に高くなるおそれがある。
エラストマー組成物は、パーフルオロエラストマーの架橋系に応じた架橋剤、架橋助剤を含むことができる。パーフルオロエラストマーの架橋系は、例えばパーオキサイド架橋系、ビスフェノール架橋系、トリアジン架橋系、オキサゾール架橋系、イミダゾール架橋系、チアゾール架橋系が挙げられる。エラストマー組成物は、いずれか1種の架橋系で架橋されてもよいし、2種以上の架橋系で架橋されてもよい。エラストマー組成物は、好ましくはパーオキサイド架橋剤を含む。架橋剤としてイオン液体を用いてもよい。
エラストマー組成物は、加工性改善や物性調整等を目的として、必要に応じて、老化防止剤、酸化防止剤、加硫促進剤、加工助剤(ステアリン酸等)、安定剤、粘着付与剤、シランカップリング剤、可塑剤、難燃剤、離型剤、ワックス類、滑剤等の添加剤を含むことができる。添加剤の他の例は、フッ素系オイル(例えば、パーフルオロエーテル等)のような粘着性低減(防止)剤である。添加剤は1種のみを用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
エラストマー組成物は、パーフルオロエラストマー、カーボンブラック、カーボンナノチューブ、イオン液体、架橋剤、必要に応じて添加される共架橋剤、フィラー及びその他の配合剤を均一に混練りすることにより調製できる。混練り機としては、例えばミキシングロール、加圧ニーダー、インターナルミキサー(バンバリーミキサー)等の従来公知のものを用いることができる。各配合成分は一度に混合して混練してもよいし、各配合成分のうち、架橋反応に寄与する成分(架橋促進剤、架橋遅延剤、架橋剤等)を除く成分を先に均一に混練しておき、その後、架橋反応に寄与する成分を混練する等、複数段に分けて混練してもよい。
上記エラストマー組成物を架橋成形(加硫成形)することにより、シール材のような架橋成形物を得ることができる。すなわち、シール材は、エラストマー組成物の架橋物からなる。架橋成形は、必要に応じてエラストマー組成物を予備成形した後、金型を用いてプレス成形することにより行うことができる。成形温度は、例えば150℃以上220℃以下であり、加熱時間(架橋時間)は、例えば0.5分以上120分以下である。送りプレス成形、インジェクション成形、押出成形等により成形を行ってもよい。必要に応じて、150℃以上320℃以下の温度で二次架橋を行ってもよい。二次架橋時間は、例えば0.5時間以上72時間以下である。
[エラストマー組成物の調製及び成形品の作製]
次の手順に従って、実施例1~5及び比較例1~7のエラストマー組成物を調製した。まず、パーフルオロエラストマーの素練りを行った。回転速度は35rpmであり、時間は1分であった。表1に示される配合組成に従って、カーボンブラック、カーボンナノチューブ及びイオン液体を加圧ニーダーにより混練した。この際、加圧ニーダーの回転速度は35rpm、混練時間は3分である。得られた混練物に、架橋剤を投入し、加圧ニーダーにより混練を行って、エラストマー組成物を調製した。得られたエラストマー組成物を170~180℃の温度でプレス成形し、180℃で1時間の二次加硫を行って成形品を得た。
〔1〕パーフルオロエラストマー:テトラフルオロエチレン-パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)、スリーエムジャパン株式会社製、製品名「PFE 131TZ」
〔2〕カーボンブラック:ライオン・スペシャリティ・ケミカルズ株式会社製、製品名「ケッチェンブラックEC600JD」
〔3〕カーボンナノチューブ:オクサイアル社製、製品名「TUBALL SWCNT93%」
〔4〕イオン液体:EMITFSI、東京化成工業株式会社製、製品名「1-エチル-3-メチルイミダゾリウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド」、
〔5〕架橋剤:2,5-ジメチル-2,5-ジ-t-ブチル-パーオキシヘキサン、日油株式会社製、製品名「パーヘキサ25B」
JIS K 6250:2006に従い、2mmの厚さに作製したシート状成形品から、JIS K 6251:2010に従い、ダンベル状3号型試験片を型抜きした。この試験片を、500mm/分で引張し、引張強度、切断時伸び、100%引張応力をショッパー式引張試験機を用いて測定した。また、JIS K 6253-2:2012に従い、IRHD硬度測定機により成形品の硬度を測定した。これらの試験はすべて23℃で行った。
体積抵抗率は、JIS K 7194:1994に準拠して測定した。試験片は、幅55mm、長さ110mm、厚さ2mmのシートを用い、測定装置はロレスタAP(三菱化学株式会社製)を用いた。
測定結果を表1に示す。実施例のエラストマー組成物を架橋した成形品は、比較例のエラストマー組成物を架橋した成形品と比べて低い抵抗値を示すとともに、切断時伸びが高く、シール性に優れていた。また、実施例のエラストマー組成物を架橋した成形品は、比較例のエラストマー組成物を架橋した成形品と比べて、引張強度を維持し、硬度が低く、柔軟性にも優れていた。このようなシール材は、プラズマが発生する半導体装置において真空性能を保持するために使用されうる。
Claims (8)
- パーフルオロエラストマー100質量部に対して、イオン液体を5質量部以上10質量部以下と、カーボンナノチューブを0.5質量部以上10質量部以下と、カーボンブラックと、を含み、
前記カーボンブラックは、ケッチェンブラックを含む、エラストマー組成物。 - 前記パーフルオロエラストマー100質量部に対して、前記カーボンナノチューブ及び前記カーボンブラックの合計含有量が1.5質量部以上30質量部以下である、請求項1に記載のエラストマー組成物。
- 前記パーフルオロエラストマー100質量部に対して、前記カーボンナノチューブを0.5質量部以上5質量部以下含む、請求項1又は2に記載のエラストマー組成物。
- 前記イオン液体は、1-エチル-3-メチルイミダゾリウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドを含む、請求項1~3のいずれか1項に記載のエラストマー組成物。
- 請求項1~4のいずれか1項に記載のエラストマー組成物の架橋物からなるシール材。
- JIS K 6253-2:2012に準拠して測定した硬度が90以下である、請求項5に記載のシール材。
- JIS K 7194:1994に準拠して測定した体積抵抗率が0.5Ω・cm以下である、請求項5又は6に記載のシール材。
- ガスケットである、請求項5~7のいずれか1項に記載のシール材。
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