JP7269866B2 - 耐震壁 - Google Patents

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Description

本発明は、柱梁架構の構面内に設けられた耐震壁に関する。
従来より、透光性を備えた耐震壁が提案されている(特許文献1~3参照)。
特許文献1には、複数のブロックを積み重ねて互いに接合して構築された耐震壁が示されている。このブロックは、繊維強化プラスチックにより構成されたフレームと、このフレームの内側空間を部分的にしか塞がないように設けられた補強部と、からなる。
特許文献1の耐震壁によれば、ある程度の採光は可能なものの、ブロックの一部が補強部で塞がれているため、壁面全体としての透光性(透明性)が低かった。
特許文献2には、柱梁架構内に組み込まれた矩形状の周辺枠組鉄骨と、この周辺枠組鉄骨内に格子状に配設された複数本のフラットバーからなるブレース部材と、これらブレース部材の格子内に組み込まれてブレース部材の座屈補剛材として機能するとともに透光性を有する介装部材と、を備える格子状耐震壁が示されている。
特許文献2の格子状耐震壁では、格子状のブレース部材が耐震構造の主要素であり、透光性を有する介装部材は、補助的な要素に過ぎない。また、斜め格子状のブレース部材が視界を遮るため、壁面全体として透光性(透明性)が低かった。
特許文献3には、複数の開口部を形成する格子と、格子の開口部に配設された座屈補剛材と、格子の外周囲を覆う矩形状の枠材と、を備える耐震壁が示されている。
特許文献3の耐震壁では、格子が耐震構造の主要素であり、透光性を有する座屈補剛材は補助的な要素に過ぎない。また、格子が視界を遮るため、壁面全体として透光性(透明性)が低かった。
特開2004-162469号公報 特開2006-257654号公報 特開2012-41700号公報
本発明は、壁面全体としての透光性が高い耐震壁を提供することを目的とする。
本発明者らは、建物の柱梁架構で囲まれた構面内に、アクリル樹脂等の透光性の高い樹脂製の光透過部を設け、この光透過部を周囲の閉塞部あるいは柱梁架構に連結して一体化させることで、耐震要素となる耐震壁を開発した。
第1の発明の耐震壁(例えば、後述の耐震壁1、1A、1B、1C)は、柱梁架構(例えば、後述の柱梁架構10)の構面内に設けられた耐震壁であって、透光性の高い樹脂製の光透過部(例えば、後述の光透過部20、腰窓23、掃き出し窓24)と、前記柱梁架構と前記光透過部との間を塞ぐ閉塞部(例えば、後述の閉塞部21、壁体22)と、を備え、前記光透過部は、連結手段(例えば、後述のアンカーボルト30、金属枠40、シアーコッタ50)を介して前記閉塞部に連結されることを特徴とする。
光透過部としては、アクリル樹脂やポリカーボネート樹脂など、光線透過率が高くかつ強度の高い樹脂が挙げられる。光透過部の透光性が高いとは、光透過部の光線透過率が85%以上、より好ましくは90%以上を意味する。
閉塞部は、モルタルや鉄筋コンクリートなど、透光性の低い材料で形成されている。
この発明によれば、柱梁架構の構面内に透光性の高い樹脂製の光透過部を設けたので、採光性を確保しつつ地震荷重に抵抗可能な耐震壁を実現できる。
また、光透過部として樹脂を用いることで、コンクリートと同等以上の圧縮強度を確保しつつ、優れた変形追従性を備えた耐震壁を実現できる。
本発明の耐震壁は、柱梁架構の構面内に設ける光透過部を、鉄筋コンクリート造体ではなく、透光性の高い樹脂としたので、耐震壁の壁面全体としての透光性が高くなり、建物の使い勝手を向上できる。
第2の発明の耐震壁は、前記柱梁架構は、既存建物(例えば、後述の既存建物2)の柱梁架構であることを特徴とする。
この発明によれば、既存建物の柱梁架構内に透光性の高い耐震壁を設けることで、既存建物において、耐震壁で視界を遮ることなく耐震補強できる。
第3の発明の耐震壁は、前記連結手段は、前記光透過部の周囲に埋設されたアンカーボルト、前記光透過部の周囲に設けられて頭付きスタッドが設けられた金属枠、あるいは、前記光透過部の小口面に一体成形されたシアーコッタであることを特徴とする。
この発明によれば、連結手段として、樹脂製の光透過部に、アンカーボルト、金属枠、あるいはシアーコッタを設け、これら連結手段により光透過部を閉塞部に連結した。よって、連結手段を介して光透過部を柱梁架構に容易に接合できる。
第4の発明の耐震壁は、前記閉塞部と前記柱梁架構とは、接着系アンカーで連結され、前記光透過部のせん断耐力は、前記連結手段のせん断耐力および前記接着系アンカーのせん断耐力を上回ること特徴とする。
この発明によれば、光透過部のせん断耐力が、連結手段のせん断耐力および接着系アンカーのせん断耐力を上回ることで、耐震壁が最大せん断耐力に達するまで光透過部の損傷を防止できる。
また、耐震壁の破壊モードでは、光透過部と閉塞部との接合部分または柱梁架構と閉塞部との接合部分において、損傷や破壊が進行して最大せん断耐力に達するように設計される。したがって、耐震壁の光透過部に発生する応力やせん断変形角は、せん断耐力と光透過部の断面積およびせん断弾性係数との関係式に基づいて一義的に算定可能であり、耐震壁の強度設計および損傷条件が容易に設定可能となる。
第5の発明の耐震壁(例えば、後述の耐震壁1D)は、柱梁架構(例えば、後述の柱梁架構10)の構面内に設けられた耐震壁であって、透光性の高い樹脂製の光透過部(例えば、後述の光透過部20)を備え、当該光透過部は、連結手段(例えば、後述シアーコッタ50)を介して前記柱梁架構に連結されることを特徴とする。
この発明によれば、柱梁架構の構面内に透光性の高い樹脂製の光透過部を設けたので、採光性を確保しつつ地震荷重に抵抗可能な耐震壁を実現できる。
また、光透過部として樹脂を用いることで、コンクリートと同等以上の圧縮強度を確保しつつ、優れた変形追従性を備えた耐震壁を実現できる。
本発明の耐震壁は、柱梁架構の構面内に設ける光透過部を、鉄筋コンクリート造体ではなく、透光性の高い樹脂としたので、耐震壁の壁面全体としての透光性が高くなり、建物の使い勝手を向上できる。
本発明によれば、壁面全体としての透光性が高い耐震壁を提供できる。
本発明の第1実施形態に係る耐震壁の正面図である。 図1に示す耐震壁のA-A断面図である。 強度計算における耐震壁の具体的な構成を示す図である。 本発明の第2実施形態に係る耐震壁の正面図である。 本発明の第3実施形態に係る耐震壁の正面図である。 図5に示す耐震壁のB-B断面図である。 本発明の第1の変形例に係る耐震壁の正面図である。 本発明の第2の変形例に係る耐震壁の正面図である。
本発明は、建物の柱梁架構で囲まれた構面内に設けられて、透光性の高い樹脂製の光透過部と、柱梁架構と前記光透過部との間を塞ぐ閉塞部と、を備えた耐震壁である。光透過部と閉塞部とは、光透過部の周囲に埋設されたアンカーボルト、光透過部の周囲に設けられた頭付きスタッド付きの金属枠、あるいは、光透過部の小口面に一体成形されたシアーコッタを介して連結されている。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、以下の実施形態の説明にあたって、同一構成要件については同一符号を付し、その説明を省略もしくは簡略化する。
〔第1実施形態〕
図1は、本発明の第1実施形態に係る耐震壁1の正面図である。図2は、耐震壁1のA-A断面図である。
耐震壁1は、既存建物2の鉄筋コンクリート造の柱梁架構10の構面内に設けられている。柱梁架構10は、当階の梁11、この当階の梁11の上に設けられた一対の柱12、および、柱12の頂部同士の間に架設された上階の梁13を備える。
耐震壁1は、透光性の高い樹脂製の矩形状の光透過部20と、柱梁架構10と光透過部20との間に設けられた閉塞部21と、を備える。
光透過部20は、アクリル樹脂であり、連結手段としてのアンカーボルト30を介して、閉塞部21に定着されている。この光透過部20は、1枚のアクリル板、あるいは、アクリル板を複数枚重ね合わせて接着したアクリル積層板である。
アンカーボルト30は、光透過部20の小口面に全周に亘って二列設けられている。このアンカーボルト30は、光透過部20の小口面に穴31を形成し、この穴31にアンカーボルト30を挿入して接着材を充填することで、光透過部20に固定されている。
閉塞部21は、柱梁架構10の当階の梁11、柱12、上階の梁13と光透過部20との間に設けられ、硬化材としてのモルタルが充填されて形成されている。柱梁架構10の当階の梁11、柱12、上階の梁13には、所定間隔おきに接着系アンカー14(あと施工アンカー)が二列設けられており、これら接着系アンカー14により、閉塞部21が柱梁架構10に連結されている。
本発明において、光透過部としてアクリル樹脂を採用した理由は、以下の通りである。まず、アクリル樹脂の代表的物性値を他の構造材料と比較して下の表1に示す。なお、以下の表1において、アクリル樹脂の物性値は、三菱ケミカル株式会社製のアクリライト(登録商標)の技術資料に基づく。
Figure 0007269866000001
表1に示すように、アクリル樹脂は、弾性率が鋼材やアルミなど金属材料と比べて著しく劣る。すなわち、アクリル樹脂は、コンクリートと比較すると、圧縮強度は同等以上であるが、弾性率はコンクリートの約1/7である。しかし、アクリル樹脂は透光性に優れ、かつ比重が小さく軽量である。
このアクリル樹脂を、アクリル樹脂と同様な透光性を有するガラスと比較する。ガラスは、弾性率がアルミ並みに高いが、脆性材料であるため、局部的な応力集中でも脆く破壊し、地震時の層間変形への追従性がない。また、ガラスは、アクリル樹脂と異なり、切断、切削、穴あけなどの加工が容易でない。これに対し、アクリル樹脂は、ガラスと比べて、耐衝撃性が優れており、伸びが大きく弾性率が低いため、耐震壁の構成要素として適している。
〔計算例〕
以下、上述の耐震壁の具体的な構成について、計算により強度を確認した。
図3に示すように、柱梁架構は、柱スパン6m、階高3.8m、柱は700mm×700mm、梁成は800mmとする。また、光透過部を厚さ100mmのアクリル板とし、柱梁架構の躯体とのクリアランスを200mmとする。アクリル板の四辺の小口面には、M16のアンカーボルトがダブル配列かつ150mmピッチで配置するものとする。既存躯体の柱梁には、D19の接着系アンカーを150mmピッチで配し、クリアランスに無収縮モルタルを充填して、閉塞部とする。
まず、アクリル板の小口面へ挿入するアンカーボルトのねじ部の定着長さLを検討する。アンカーボルト軸部有効断面の引張強度Pu、およびねじ部のせん断強度Psは、以下の式(1)、(2)で表わされる。
Pu=π(D/2)×sσu ・・・(1)
Ps=L×πD×τ ・・・(2)
ここで、アンカーボルトの有効径をDとし、アンカーボルトの引張強度(材質4T、400MPa)をsσuとし、アンカーボルトのねじ部の必要定着長さをLとし、アクリルのせん断強度をτ(=62MPa)とする。
ねじ部が引き抜けずに軸部が破断するためには、以下の式(3)が成立する必要がある。
Ps≧Pu ・・・(3)
したがって、アンカーボルトのねじ部の必要定着長さLは、以下の式(4)で表わされる。
L≧(D×sσu)/(4τ)=400D/(4×62)=1.6D ・・・(4)
次に、アクリル板を耐震壁として使用できるか否かを検討する。
まず、アクリル板のせん断耐力QAUを求める。
アクリル板の厚さt=100mm、アクリル板の幅W=4900mm、アクリル板のせん断強さτ=62MPaとする。すると、アクリル板のせん断耐力QAUは、以下の式(5)で求められる。
AU=100×4900×62=30380kN ・・・(5)
次に、アクリル板に取り付けるアンカーボルトのせん断耐力QSUを求める。
アンカーボルト(材質4T、ボルト径M16)を150mmピッチでダブル配列した場合、アクリル板の幅方向のアンカーボルトの一列当たりの本数は、以下の式(6)で求められる。
4900/150=32.6 ・・・(6)
式(6)より、アクリル板の幅方向のアンカーボルトの一列当たりの本数を32本とする。アンカーボルト1本のせん断強度は、以下の式(7)で求められる。
=0.6××=0.6×201×400=48.24kN ・・・(7)
したがって、アンカーボルトのせん断耐力QSUは、以下の式(8)で求められる。
SU=2×32×48.24=3087kN ・・・(8)
次に、柱梁架構の躯体に打ち込む接着系アンカーのせん断耐力Qjaを求める。
アンカーをD19シングル150mmピッチで配置したとすると、1本あたりのせん断耐力は67.7kNである。アクリル板の幅方向のアンカーの本数は、以下の式(9)で求められる。
5300/150=35.3 ・・・(9)
式(9)より、アクリル板の幅方向のアンカーの本数を35本とする。したがって、接着系アンカーの接着系アンカーの耐力Qjaは、以下の式(10)で求められる。
ja=35×67.7=2370kN ・・・(10)
以上の式(5)、(8)、(10)から、アクリル板のせん断耐力QAUは、周辺架構との接合部強度(QSU、Qja)に比較して十分に高く、耐震壁両側の柱のせん断耐力を考慮しない場合、耐震壁の耐力は、接着系アンカーの耐力Qjaで決まることが判る。したがって、大地震時には、接着系アンカーによる接合部が先行して損傷するため、アクリル板に脆性的な破壊が生じず、大地震後の復旧工事の際には、充填モルタルを除去してモルタルを再充填すれば良く、復旧作業が容易である。
よって、上記計算例では、アクリル板単体のせん断耐力が、アクリル板に取り付けるアンカーボルトのせん断耐力、および柱梁架構に打ち込む接着系アンカーのせん断耐力を上回る強度条件を満足することになる。よって、本願発明の耐震壁においては、アクリル板単体のせん断強度がモルタル強度(アンカーせん断強度)を上回るように設定できる。つまり、柱梁架構に打ち込む接着系アンカーのせん断耐力が、アクリル板に取り付けるアンカーボルトのせん断耐力を下回るように設計し、接着系アンカーが先行して損傷、破壊するように破壊モードを設定できる。
次に、耐震壁が接着系アンカーの耐力Qjaに到達する時のアクリル板のせん断変形角γを求める。
アクリル板のせん断弾性係数Gは、1.2×10MPaである。このときのアクリル板のせん断応力τは、以下の式(11)で求められる。
τ=2370×10/(100×4900)=4.84MPa ・・・(11)
よって、せん断変形角γは、以下の式(12)で求められる。
γ=τ/G=4.84/1200=0.0040=1/248 ・・・(12)
このように、本計算例のアクリル板は、層間変形角1/248で耐震壁の耐力に達することになる。
従来の耐震補強では、鉄骨ブレース(SS400)を45度に傾斜配置することが行われるが、この鉄骨ブレースの降伏により耐力が決まる場合、層間変形角は約1/438である。したがって、本計算例のアクリル板は、鉄骨ブレースの約2倍の変形まで耐力を有していることが判る。また、耐震壁の層間変形角1/248は、建築基準法上の短期荷重時の変形制限1/200を下回っており、十分な実用性を有していることが判る。
本実施形態によれば、以下のような効果がある。
(1)柱梁架構10の構面内に透光性の高いアクリル樹脂製の光透過部20を設けたので、採光性を確保しつつ地震荷重に抵抗可能な耐震壁1を実現できる。
また、光透過部20としてアクリル樹脂を用いることで、コンクリートと同等以上の圧縮強度を確保しつつ、優れた変形追従性を備えた耐震壁1を実現できる。
耐震壁1は、柱梁架構10の構面内に設ける光透過部20を、鉄筋コンクリート体ではなく、透光性の高いアクリル樹脂としたので、耐震壁1を軽量化できるうえに、壁面全体としての透光性が高くなり、既存建物2の使い勝手を向上できる。
(2)既存建物2の柱梁架構10内に透光性の高い耐震壁1を設けることで、既存建物2において、耐震壁1で視界を遮ることなく耐震補強できる。
(3)アクリル樹脂製の光透過部20にアンカーボルト30を設け、このアンカーボルト30を閉塞部21に定着させた。よって、アンカーボルト30を介して光透過部20を柱梁架構10に容易に接合できる。
(4)アクリル樹脂製の光透過部20のせん断耐力が、アンカーボルト30のせん断耐力および接着系アンカー14のせん断耐力を上回ることで、耐震壁が最大せん断耐力に達するまで光透過部20の損傷を防止できる。
また、耐震壁1の破壊モードでは、光透過部20と閉塞部21との接合部分または柱梁架構10と閉塞部21との接合部分において、損傷や破壊が進行して最大せん断耐力に達するように設計される。したがって、耐震壁1の光透過部20に発生する応力やせん断変形角は、せん断耐力と光透過部20の断面積およびせん断弾性係数との関係式に基づいて一義的に算定可能であり、耐震壁1の強度設計および損傷条件が容易に設定可能となる。
〔第2実施形態〕
図4は、本発明の第2実施形態に係る耐震壁1Aの正面図である。
本実施形態では、耐震壁1Aの全面ではなく、一部にのみ腰窓23および掃き出し窓24を設けた点が、第1実施形態と異なる。
すなわち、耐震壁1Aは、閉塞部としての鉄筋コンクリート造の壁体22と、壁体22の一部に設けられた樹脂製の光透過部としての腰窓23および掃き出し窓24と、を備える。壁体22は、柱梁架構10と腰窓23および掃き出し窓24との間に設けられている。
腰窓23および掃き出し窓24は、矩形状で透光性の高いアクリル樹脂であり、連結手段としてのアンカーボルト30を介して、閉塞部21に定着されている。
本実施形態によれば、上述の(1)~(3)と同様の効果がある。
〔第3実施形態〕
図5は、本発明の第3実施形態に係る耐震壁1Bの正面図である。図6は、耐震壁1BのB-B断面図である。
本実施形態では、アンカーボルト30の代わりに、金属枠40を介して光透過部20を閉塞部21に定着した点が、第1実施形態と異なる。
すなわち、光透過部20の周囲には金属枠40が取り付けられている。この金属枠40は、断面略T字形状のT形鋼41のウエブに所定間隔おきに孔42を形成するとともに、フランジ面に頭付きスタッド43を設けたものである。金属枠40は、光透過部20の小口面にスリット44を形成し、このスリット44に金属枠40のウエブを挿入して接着材を充填することで、光透過部20に固定されている。
本実施形態によれば、上述の(1)~(3)と同様の効果がある。
なお、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
上述の第1実施形態では、光透過部20をアンカーボルト30で閉塞部21に定着したが、これに限らず、図7に示すように、光透過部20の小口面にシアーコッタ50を一体成形し、このシアーコッタ50を閉塞部21に接合させてもよい。
また、上述の各実施形態では、閉塞部21や壁体22を設けたが、これに限らず、閉塞部や壁体を設けずに、耐震壁1Dを光透過部20のみで構成してもよい。すなわち、図8に示すように、光透過部20の小口面にシアーコッタ50を一体成形し、このシアーコッタ50を柱梁架構10に接合してもよい。このような耐震壁1Dでは、光透過部20のせん断耐力が、光透過部20と柱梁架構10を連結するシアーコッタ50のせん断耐力を上回るように設計する。また、耐震壁1Dの破壊モードでは、光透過部20と柱梁架構10との接合部分に発生する損傷や破壊が進行して最大せん断耐力に達するように設計する。
また、上述の各実施形態および変形例では、耐震壁1、1A~1Dの周囲の構造体である柱梁架構10を鉄筋コンクリート造としたが、これに限らず、鉄骨鉄筋コンクリート構造、鉄骨構造、木構造、煉瓦造などとしてもよい。
また、上述の各実施形態および変形例では、既存建物2の柱梁架構10に後付けで耐震壁1A~1Dを設けたが、これに限らず、耐震壁を新築建物に設けてもよい。特に、上述の耐震壁1Dは、新築建物に好適である。
1、1A、1B、1C、1D…耐震壁 2…既存建物
10…柱梁架構 11…当階の梁 12…柱 13…上階の梁 14…接着系アンカー
20…光透過部 21…閉塞部 22…壁体(閉塞部) 23…腰窓(光透過部)
24…掃き出し窓(光透過部)
30…アンカーボルト(連結手段) 31…穴
40…金属枠(連結手段) 41…T形鋼 42…孔 43…頭付きスタッド
44…スリット 50…シアーコッタ(連結手段)

Claims (4)

  1. 柱梁架構の構面内に設けられた耐震壁であって、
    光線透過率が85%以上であるアクリル樹脂製または光線透過率が85%以上であるポリカーボネート樹脂製の光透過部と、
    前記柱梁架構と前記光透過部との間を塞ぐ閉塞部と、を備え、
    前記光透過部は、連結手段を介して前記閉塞部に連結され、
    前記連結手段は、前記光透過部の小口面に所定間隔おきに埋設されたアンカーボルト、あるいは、前記光透過部の小口面に埋設されてかつ前記閉塞部側に所定間隔おきに頭付きスタッドが設けられた金属枠であることを特徴とする耐震壁。
  2. 前記柱梁架構は、既存建物の柱梁架構であることを特徴とする請求項1に記載の耐震壁。
  3. 前記閉塞部と前記柱梁架構とは、接着系アンカーで連結され、
    前記光透過部のせん断耐力は、前記連結手段のせん断耐力および前記接着系アンカーのせん断耐力を上回ること特徴とする請求項1または2に記載の耐震壁。
  4. 柱梁架構の構面内に設けられた耐震壁であって、
    光線透過率が85%以上であるアクリル樹脂製または光線透過率が85%以上であるポリカーボネート樹脂製の光透過部を備え、
    当該光透過部は、連結手段を介して前記柱梁架構に連結され、
    前記連結手段は、前記光透過部の小口面に全周に亘って一体成形されて前記柱梁架構の躯体に向かって突出するシアーコッタであることを特徴とする耐震壁。
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