JP7269787B2 - ポリプロピレン系延伸フィルムおよび包装用袋 - Google Patents
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Description
本発明の課題は、主として、上記のような製袋後の袋同士の疑似接着を抑制することができる新規な包装用ポリプロピレン系延伸フィルムを提供することにある。また、かかるフィルムから製造される包装用袋を提供することも課題とする。
[2]表面層を形成するオレフィン系共重合体がプロピレン系ランダム共重合体である、上記[1]に記載のポリプロピレン系延伸フィルム。
[3]前記プロピレン系ランダム共重合体の融点が、120℃~150℃の範囲内である、上記[2]に記載のポリプロピレン系延伸フィルム。
[4]表面層/基材層/シール層の三層構造である、上記[1]~[3]のいずれか一項に記載のポリプロピレン系延伸フィルム。
本発明に係るポリプロピレン系延伸フィルム(以下、「本発明フィルム」という。)は、オレフィン系共重合体を含む樹脂組成物で形成される表面層、プロピレン単独重合体を含む樹脂組成物で形成される基材層、および前記基材層を挟んで前記表面層と対向する側の面にシール層を有するポリプロピレン系延伸フィルムであって、表面層の表面転移温度が100℃以上であることを特徴とする。
以下、本発明について詳述する。
表面層は、オレフィン系共重合体を含む樹脂組成物で形成される。かかるオレフィン系共重合体は、通常、プロピレン系ランダム共重合体である。そして、当該表面層は、通常、融点が120~150℃の範囲内のオレフィン系共重合体ないしプロピレン系ランダム共重合体を含む。当該表面層は、ヒートシール性を有しうる。
当該プロピレン系ランダム共重合体が、プロピレンと、エチレンないしブテンとのランダム共重合体の場合、それに含まれるエチレンとブテンの比率(重量比)は、エチレン:ブテン=0:100~100:0の範囲内である。
また、当該オレフィン系共重合体ないしプロピレン系ランダム共重合体の中、日本工業規格(JIS)K-7112(1999)に準拠して測定した場合の密度が、850~950kg/m3の範囲内であるものが好ましく、860~920kg/m3の範囲内であるものがより好ましい。
上記アンチブロッキング剤には無機系微粒子と有機系微粒子とがあり、そのいずれでもよい。
基材層は、プロピレン単独重合体を含む樹脂組成物で形成される。
上記プロピレン単独重合体の中、13C核磁気共鳴スペクトル(測定温度:130℃)により測定されるメソペンタッド分率(mmmmm)が89%~98%の範囲内であるものが好ましい。90%~95%の範囲内であるものがより好ましい。
上記結晶化核剤としては、例えば、シリカ・タルクなどの無機化合物、各種カルボン酸やその金属塩、ジベンジリデンソルビトール系化合物、アリールフォスフェート系化合物、環状多価金属アリールフォスフェート系化合物と脂肪族モノカルボン酸アルカリ金属塩または塩基性アルミニウム・リチウム・ヒドロキシ・カーボネート・ハイドレートとの混合物、各種高分子化合物等のα晶核剤を挙げることができる。この中、有機系であるものが好ましい。これらは1種のみでも、2種以上を併用してもよい。
シール層は、プロピレン系ランダム共重合体を含む樹脂組成物で形成される。シール層はヒートシール性を有し、シール層同士ないしシール層と表面層とは互いに熱で融着することができる。
また、当該プロピレン系ランダム共重合体の中、日本工業規格(JIS)K-7112(1999)に準拠して測定した場合の密度が、850~950kg/m3の範囲内であるプロピレン系ランダム共重合体が好ましく、860~920kg/m3の範囲内であるプロピレン系ランダム共重合体がより好ましい。
アンチブロッキング剤の配合量は、樹脂の種類等により適宜調整することができるが、シール層中、0.02~5重量%の範囲内が適当であり、0.05~2重量%の範囲内が好ましく、0.1~1重量%の範囲内がより好ましい。0.02重量%より少ないとアンチブロッキング効果が十分に得られないおそれがあり、5重量%より多いと透明性やシール性が損なわれるおそれがある。
炭化水素系化合物としては、例えば、流動パラフィン、パラフィンワックス、合成ポリエチレンワックス等が挙げられる。脂肪酸系化合物としては、例えば、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アルキジン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸、オレイン酸、エルカ酸、ネルボン酸、リノール酸、リノレン酸、アラキドン酸等が挙げられる。高級アルコール系化合物としては、例えば、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、オレイルアルコール、ラウリルアルコール等が挙げられる。脂肪酸アミド系化合物としては、飽和脂肪酸アミド系化合物や不飽和脂肪酸アミド系化合物が用いられ、ミリスチン酸アミド、パルミチン酸アミド、ステアリン酸アミド、アルキジン酸アミド、ベヘニン酸アミド、リグノセリン酸アミド、オレイン酸アミド、エルカ酸アミド、ネルボン酸アミド、リノール酸アミド、リノレン酸アミド、アラキドン酸アミド、エチレンビスオクタデカンアミド、メチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビスヒドロキシステアリン酸アミド、エチレンビスカプリル酸アミド、エチレンビスカプリン酸アミド等が挙げられ、好ましくは、オレイン酸アミド、ベヘニン酸アミド、エルカ酸アミドが挙げられ、さらに好ましくは、エルカ酸アミドである。脂肪酸エステル系化合物としては、ステアリルステアレート、ステアリン酸モノグリセリド、硬化ひまし油等が挙げられる。金属石鹸系化合物としてはステアリン酸リチウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸バリウム、ステアリン酸亜鉛、ラウリン酸カルシウム、ラウリン酸バリウム、ラウリン酸亜鉛、オクチル酸亜鉛、リシノール酸カルシウム、リシノール酸バリウム、リシノール酸亜鉛、ベヘニル燐酸亜鉛、ステアリル燐酸亜鉛等が挙げられ、好ましくはステアリン酸マグネシウムやステアリン酸カルシウムである。これらは1種のみでも、2種以上を併用してもよい。
本発明フィルムの表面層における表面転移温度は、100℃以上ないし100℃~120℃であり、好ましくは103℃~115℃の範囲内、より好ましくは106℃~112℃の範囲内である。
当該表面転移温度は、本発明フィルムの表面層を局所熱分析法であるナノサーマルアナリシス法によって測定される。
本発明フィルムは、表面層、基材層、およびシール層の少なくとも三層構造をなし、本発明フィルムを用いて包装用袋に成形した際、表面層(外面)、基材層(中間面)、シール層(内面)の順に形成される。
また、本発明フィルムは、前記3層のほかに、開口性付与層、ガスバリア性付与層等その他の層を有していても構わない。
また、本発明フィルムは、例えばマイクロピペットで水(例:蒸留水、精製水)0.5mLを量りとり、フィルム外側に滴下した場合、滴下後5秒経過した時点でのフィルム表面に濡れ広がった液滴の面積を測定すると、200mm2以上、好ましくは240mm2以上を示すことができる。そのように広範囲に水が濡れ広がる本発明フィルムは防曇性能に優れる。
本発明フィルムの製造方法は、特に制限はなく公知の方法を用いることができるが、生産性や出来上がったフィルムの物性等を考慮すると、フラット状シートを押出成形により製膜し、次いで逐次二軸延伸して本発明フィルムを製造するのが好ましい。
次に、本発明フィルムを用いて製造される包装用袋(以下、「本発明包装用袋」という)とそれに内容物を収納した包装体について詳述する。
本発明包装用袋は、本発明フィルムを用いて、常法により、自動包装機等により成形し製造することができる。かかる自動包装機において、縦ピロー包装機、横ピロー包装機、その他の包装機・製袋機、を用いることができる。
そして、本発明包装用袋に、上記のような一定の内容物が収納された包装体も本発明として含めることができる。
使用した原料は、次のとおりである。
・PP-1:プロピレン-エチレンランダム共重合体(MFR:5.0g/10分、融点:132℃、密度:900kg/m3)
・PP-2:プロピレン-エチレンランダム共重合体(MFR:7.0g/10分、融点:143℃、密度:900kg/m3)
・PP-3:プロピレン単独重合体(MFR:3.0g/10分、融点:161℃、密度:900kg/m3)
・PP-4:プロピレン-エチレン-ブテンランダム共重合体(MFR:5.0g/10分、融点:125℃、密度:900kg/m3)
・PE-1:直鎖状低密度ポリエチレン(MFR:3.5g/10分、融点:60℃、密度:880kg/m3)
表1に示す配合のポリプロピレン系延伸フィルムを調製した。
具体的には、各層を構成する樹脂組成物を3台の押出機にそれぞれ投入し、表面層/基材層/シール層の順に積層されるようにして、温度230℃の3層Tダイスから共押出し、25℃の冷却ロールで冷却、固化して原反シートを得た。次いで当該シートを130℃に加熱し、MD方向に4.6倍ロール延伸した後、テンターにて設定温度165℃で予熱し、設定温度165℃でTD方向に10倍延伸した後、設定温度165℃でアニールし、テンターを出た後、コロナ放電処理を施した後、巻き取り機で巻き取って、各々のフィルムを得た。得られたフィルムの総厚みはいずれも25μmであり、各層の厚みは表面層/基材層/シール層=1μm/22μm/2μmであった。
200mm×13.8mmにフィルムをカットし、サンプル試料とした。かかるサンプル試料がヒートシールバーに張り付かないよう、両面を耐熱フィルム(東レ・デュポン社製、ポリイミドフィルム(カプトン(登録商標))75μm、型番:300H)で保護して、両面ヒートシールバーを用い、ゲージ圧0.3MPa、150℃、30秒でサンプル試料を加熱した(加熱面積200mm×13.8mm)。
ナノサーマル局所熱分析(ナノサーマルアナリシス)システムを用いて、フィルム表面層の表面転移温度を測定した。測定条件は次の通りである。
アナシス社製ナノサーマルアナリシス装置 afm+
<測定条件>
プローブ荷重 :0.3V
昇温速度 :10℃/秒
プローブ :AN-300
分析対象観察 :光学顕微鏡、AFM
Claims (5)
- オレフィン系共重合体を含む樹脂組成物で形成され、ヒートシール性を有する表面層、プロピレン単独重合体を含む樹脂組成物で形成される基材層、および前記基材層を挟んで前記表面層と対向する側の面にシール層を有するポリプロピレン系延伸フィルムであって、表面層の表面転移温度が100℃以上であることを特徴とする、ポリプロピレン系延伸フィルム。
- 表面層を形成するオレフィン系共重合体がプロピレン系ランダム共重合体である、請求項1に記載のポリプロピレン系延伸フィルム。
- 前記プロピレン系ランダム共重合体の融点が、120℃~150℃の範囲内である、請求項2に記載のポリプロピレン系延伸フィルム。
- 表面層/基材層/シール層の三層構造である、請求項1~3のいずれか一項に記載のポリプロピレン系延伸フィルム。
- 請求項1~4のいずれか一項に記載のポリプロピレン系延伸フィルムを用いて製造されることを特徴とする、包装用袋。
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