以下、光センサの一実施形態について図面を参照して説明する。以下に示す実施形態は、技術的思想を具体化するための構成や方法を例示するものであって、各構成部品の材質、形状、構造、配置、寸法等を下記のものに限定するものではない。以下の実施形態は、種々の変更を加えることができる。
本明細書において、「部材Aが部材Bと接続された状態」とは、部材Aと部材Bとが物理的に直接的に接続される場合、並びに、部材A及び部材Bが、電気的な接続状態に影響を及ぼさない他の部材を介して間接的に接続される場合を含む。
(実施形態)
図1に示すように、光センサ1は、受光部10、変換部20、ロジック部30、電圧生成部40、及び複数(本実施形態では8個)の外部端子2を有する。光センサ1は、受光部10、変換部20、ロジック部30、及び電圧生成部40が1つの半導体基板に形成された半導体集積回路である。光センサ1の一例は、外部光の照度を検出する照度センサである。複数の外部端子2は、電源端子VCC、グランド端子GND、通信バス(例えばI2Cバス)のインターフェース用の端子、及びインタラプト出力端子を含む。
受光部10は、外部光を検出するための複数(本実施形態では16個)のフォトダイオード10Aと、赤外透過フィルタ10Bとを有する。赤外透過フィルタ10Bは、外部光のうちの可視光を吸収し、外部光のうちの赤外線を透過するフィルタである。複数のフォトダイオード10Aは、第1受光特性を有する第1フォトダイオード群11と、第1受光特性とは異なる第2受光特性を有する第2フォトダイオード群12とを含む。
第1受光特性の一例を図2に示し、第2受光特性の一例を図3に示す。図2及び図3において、横軸は波長(nm)、縦軸は受光感度である。図3の受光感度は、400nm~1100nmの範囲の波長域における最大の感度を1として正規化して示されている。図2の受光感度は、図3の400nm~1100nmの範囲の波長域における最大の感度を1として正規化して示されている。
図2の第1受光特性に示すように、第1フォトダイオード群11の受光感度は、波長が400nmから波長が長くなるにつれて徐々に高くなり、波長が850nmにおいて最大となる。そして、第1フォトダイオード群11の受光感度は、波長が850nmから波長が長くなるにつれて低下する。図3の第2受光特性に示すように、第2フォトダイオード群12の受光感度は、波長が400nmから波長が長くなるにつれて急激に高くなり、波長が600nmにおいて最大となる。そして、第2フォトダイオード群12の受光感度は、波長が600nmから波長が長くなるにつれて低下する。図2及び図3に示すように、第2受光特性の感度ピーク(600nm)における受光感度は、第1受光特性の感度ピーク(850nm)における受光感度よりも高い。
第1フォトダイオード群11及び第2フォトダイオード群12はそれぞれ、受光面が赤外透過フィルタ10Bに覆われたフォトダイオードと、受光面が赤外透過フィルタ10Bに覆われていないフォトダイオードとを含む。
図1に示すように、変換部20は、受光部10からのアナログ信号(光電流)をデジタル信号(出力信号)に変換してロジック部30に出力する。変換部20は、例えば積分型のアナログ/デジタル変換回路であり、複数の入力チャンネルを有する。本実施形態では、変換部20は、4チャンネルのアナログ/デジタル変換回路である。変換部20は、各チャンネルのアナログ信号をそれぞれデジタル信号に変換する。なお、便宜上、各チャンネルをそれぞれ1つのアナログ/デジタル変換回路として説明する。本実施形態の変換部20は、4個のアナログ/デジタル変換回路(図中、「ADC」と表記)21~24を有する。アナログ/デジタル変換回路21は、第1フォトダイオード群11のうちの赤外透過フィルタ10Bに覆われていないフォトダイオードの光電流をデジタル信号に変換する。アナログ/デジタル変換回路22は、第1フォトダイオード群11のうちの赤外透過フィルタ10Bに覆われたフォトダイオードの光電流をデジタル信号に変換する。アナログ/デジタル変換回路23は、第2フォトダイオード群12のうちの赤外透過フィルタ10Bに覆われていないフォトダイオードの光電流をデジタル信号に変換する。アナログ/デジタル変換回路24は、第2フォトダイオード群12のうちの赤外透過フィルタ10Bに覆われたフォトダイオードの光電流をデジタル信号に変換する。
ロジック部30は、変換部20を制御する機能及び光センサ1の外部と通信する機能を有する。ロジック部30は、トランジスタ、キャパシタ、レジスタ等の各種回路素子を含む。ロジック部30は、複数の外部端子2のうちの一部の外部端子2と電気的に接続されている。一部の外部端子2を介して、ロジック部30からの信号出力、受光部10、変換部20、及びロジック部30への電源入力等が行われる。
電圧生成部40は、複数の外部端子2のうちの電源端子(VCC)に接続されている。電圧生成部40は、電源端子に印加された電圧を昇圧又は降圧して所定の電源電圧を生成し、電源電圧を受光部10、変換部20、及びロジック部30に供給する。
次に、図4~図7を参照して、光センサ1の構造について説明する。
図4に示すように、光センサ1は、チップ3と、放熱板4と、複数(本実施形態では8個)の外部端子2と、チップ3、放熱板4、及び複数の外部端子2を封止する封止樹脂5とを備える。なお、外部端子2の個数は任意に変更可能である。
図5に示すように、チップ3は、チップ3の各側面を構成する第1側面3a~第4側面3dを有する矩形板状に形成されている。チップ3は、光センサ1の平面視(以下、単に「平面視」と称する)において矩形である。本実施形態のチップ3では、その長辺方向を第1方向Xとし、短辺方向を第2方向Yとする。ここで、本実施形態の平面視は、フォトダイオード10A(図1参照)の受光方向からみる方向と一致する。
チップ3において、第1側面3aは第3側面3cと平行となり、第2側面3bは第4側面3dと平行となる。第1側面3aは第2側面3b及び第4側面3dの一端同士を結ぶ側面であり、第3側面3cは、第2側面3b及び第4側面3dの他端同士を結ぶ側面である。第1側面3a及び第3側面3cは第1方向Xに沿う側面であり、第2側面3b及び第4側面3dは第2方向Yに沿う側面である。本実施形態では、第1側面3aはチップ3における第2方向Yの一方側の側面であり、第2側面3bはチップ3における第2方向Yの他方側の側面である。また、第2側面3bはチップ3における第1方向Xの一方側の側面であり、第4側面3dはチップ3における第1方向Xの他方側の側面である。チップ3のサイズの一例では、チップ3の長辺方向の長さ(第1側面3a及び第3側面3cの第1方向Xの長さ)は1.2mmであり、チップ3の短辺方向の長さ(第2側面3b及び第4側面3dの第2方向Yの長さ)は0.8mmである。
なお、チップ3の平面視における形状は、任意に変更可能である。一例では、チップ3の平面視における形状は、正方形であってもよい。この場合、チップ3の第1側面3a及び第3側面3cに沿う方向を第1方向Xと規定する。また、チップ3は、平面視において、第1方向Xを短手方向とし、第2方向Yを長手方向とする矩形であってもよい。この場合、第1側面3a及び第3側面3cのそれぞれの長さが第2側面3b及び第4側面3dのそれぞれの長さよりも短くなる。
チップ3は、図7に示す半導体基板50を有する。半導体基板50には、図1に示す受光部10、変換部20、ロジック部30、及び電圧生成部40が形成されている。
チップ3の表面部3Xには、複数(本実施形態では、9個)の電極パッド61~69が形成されている。本実施形態では、5個の電極パッド61~65がチップ3の第1側面3a側の端部に設けられ、4個の電極パッド66~69がチップ3の第3側面3c側の端部に設けられている。
封止樹脂5は、例えば透明なエポキシ樹脂又はシリコーン樹脂からなる。封止樹脂5は、封止樹脂5の各側面を構成する第1側面5a~第4側面5dを有する矩形状に形成されている。封止樹脂5は、平面視において第1方向Xが短辺方向となり、第2方向Yが長辺方向となる矩形である。このように、本実施形態では、封止樹脂5の長辺方向とチップ3の短辺方向とが平行となり、封止樹脂5の短辺方向とチップ3の長辺方向とが平行となる。
封止樹脂5において、第1側面5aは第3側面5cと平行となり、第2側面5bは第4側面5dと平行となる。第1側面5aは第2側面5b及び第4側面5dの一端同士を結ぶ側面であり、第3側面5cは、第2側面5b及び第4側面5dの他端同士を結ぶ側面である。第1側面5a及び第3側面5cは第1方向Xに沿う側面であり、第2側面5b及び第4側面5dは第2方向Yに沿う側面である。本実施形態では、第1側面5aは封止樹脂5における第2方向Yの一方側の側面であり、第2側面5bは封止樹脂5における第2方向Yの他方側の側面である。また、第2側面5bは封止樹脂5における第1方向Xの一方側の側面であり、第4側面5dは封止樹脂5における第1方向Xの他方側の側面である。図5に示すとおり、第2方向において封止樹脂5の第1側面5aはチップ3の第1側面3a側に形成され、封止樹脂5の第3側面5cはチップ3の第3側面3c側に形成されている。第1方向Xにおいて封止樹脂5の第2側面5bはチップ3の第2側面3b側に形成され、封止樹脂5の第4側面5dはチップ3の第4側面3d側に形成されている。一例では、封止樹脂5の短辺方向の長さ(第1側面5a及び第3側面5cの第1方向Xの長さ)は2.0mmであり、封止樹脂5の長辺方向の長さ(第2側面5b及び第4側面5dの第2方向Yの長さ)は2.1mmである。なお、封止樹脂5の平面視における形状は、封止樹脂5の製造誤差によって、正方形となる場合がある。
チップ3は、封止樹脂5の第1方向Xの中央よりも封止樹脂5の第1方向Xの両側面5b,5dのうち一方側に配置された一側面である第2側面5bの近くに配置されている。言い換えると、チップ3は、第1方向Xにおいて、封止樹脂5に対して偏って配置されている。本実施形態では、チップ3は、第1方向Xにおいて、封止樹脂5の第4側面5dよりも第2側面5b側に偏るように配置されている。チップ3の第1方向Xの中央において第2方向Yに沿って延びる中心線L11は、封止樹脂5の第1方向Xの中央において第2方向Yに沿って延びる中心線L21よりも封止樹脂5の第2側面5b側に位置しているとも言える。また、第1方向Xにおいて、チップ3の第2側面3bと封止樹脂5の第2側面5bとの間の距離W1は、チップ3の第4側面3dと封止樹脂5の第4側面5dとの間の距離W2よりも小さい。
平面視において、チップ3は、第2方向Yにおいて、封止樹脂5の中央に位置するように配置されている。言い換えると、チップ3の第2方向Yの中央において第1方向Xに沿って延びる中心線L12の位置は、封止樹脂5の第2方向Yの中央におい第1方向Xに沿って延びる中心線L22の位置と同じになる。第2方向Yにおいて、チップ3の第1側面3aと封止樹脂5の第1側面5aとの間の距離W3は、チップ3の第3側面3cと封止樹脂5の第3側面5cとの間の距離W4と等しい。ここで、距離W3が距離W4と等しいとは、距離W3と距離W4との差が距離W3の5%以内となる関係である。
なお、第2方向Yにおけるチップ3の位置は、任意に変更可能である。第2方向Yにおいて、チップ3は、封止樹脂5の第1側面5a寄りに配置されてもよいし、封止樹脂5の第3側面5c寄りに配置されてもよい。
複数の外部端子2は、例えば銅、アルミニウム等の導電材料によって構成されている。複数の外部端子2は、第2方向Yにおいてチップ3の両側に配置されている。本実施形態では、チップ3に対して第2方向Yの一方側、すなわち封止樹脂5の第1側面5a側に4個の外部端子2が配置され、チップ3に対して第2方向Yの他方側、すなわち封止樹脂5の第3側面5c側に4個の外部端子2が配置されている。4個の外部端子2は、第1方向Xにおいて間隔をあけて配置されている。チップ3に対して第2方向Yの一方側に配置された4個の外部端子2のうちの2個の外部端子2は、導電ワイヤ6A,6Bによってチップ3の電極パッド61,62と接続されている。チップ3に対して第2方向Yの他方側に配置された4個の外部端子2のうちの3個の外部端子2は、導電ワイヤ6C,6D,6Eによってチップ3の電極パッド66,67,69と接続されている。導電ワイヤ6A~6Eは、例えばアルミニウム、金、銅等からなる。導電ワイヤ6A~6Eは、例えばワイヤボンディングによって形成されている。
放熱板4は、例えば銅、アルミニウム等の放熱性に優れた材料によって構成されている。放熱板4は、例えば外部端子2の材料と同じ材料が用いられる。放熱板4の表面4A(図4参照)には、チップ3の半導体基板50(図7参照)が半田等の接合部材によって取り付けられている。
図6に示すように、8個の外部端子2及び放熱板4は、封止樹脂5から露出する露出面2A,4Bを有する。放熱板4の露出面4Bには、光センサ1の向きをユーザに認識させるための切欠部4Cが形成されている。露出面4Bの面積は、破線で示す放熱板4における封止樹脂5から露出しない部分の面積よりも小さい。図6に示すように、放熱板4においてチップ3が載せられる部分(破線部分)は、露出面4Bが構成される放熱板4の基部4Xから第2方向Yの両側に向けて延びている。また、図6に示されるとおり、本実施形態の光センサ1は、面実装タイプである。
図6及び図7に示すように、放熱板4の基部4Xは、第1側面4a~第4側面4dを有する矩形板状である。放熱板4の基部4Xは、光センサ1の底面視において、第1方向Xを長辺方向とし、第2方向Yを短辺方向とする矩形である。なお、図7では、便宜上、断面のハッチングを省略して示している。
放熱板4の基部4Xにおいて、第1側面4aは第3側面4cと平行となり、第2側面4bは第4側面4dと平行となる。第1側面4aは、第2側面4b及び第4側面4dの一端同士を結ぶ側面であり、第3側面4cの一端は、第4側面4dの他端に接続されている。第1側面4a及び第3側面4cは第1方向Xに沿う側面であり、第2側面4b及び第4側面4dは第2方向Yに沿う側面である。本実施形態では、第1側面4aは放熱板4の基部4Xにおける第2方向Yの一方側の側面であり、第2側面4bは放熱板4の基部4Xにおける第2方向Yの他方側の側面である。また、第2側面4bは放熱板4の基部4Xにおける第1方向Xの一方側の側面であり、第4側面4dは放熱板4の基部4Xにおける第1方向Xの他方側の側面である。このため、放熱板4の基部4Xの第1側面4aはチップ3の第1側面3a側(封止樹脂5の第1側面5a側)に形成され、放熱板4の基部4Xの第3側面4cはチップ3の第3側面3c側(封止樹脂5の第3側面5c側)に形成されている。放熱板4の基部4Xの第2側面4bはチップ3の第2側面3b側(封止樹脂5の第2側面5b側)に形成され、放熱板4の基部4Xの第4側面4dはチップ3の第4側面3d側(封止樹脂5の第4側面5d側)に形成されている。
また放熱板4の基部4Xは、切欠部4Cを構成する第5側面4eを有する。第5側面4eの一端は第3側面4cの他端に接続され、第5側面4eの他端は第2側面4bの他端に接続されている。切欠部4Cは、チップ3の第1方向Xの中央において第2方向Yに沿って延びる中心線L11よりもチップ3の第2側面3b側に形成されている。切欠部4Cは、チップ3の第2方向Yの中央において第1方向Xに沿って延びる中心線L12よりもチップ3の第3側面3c側に形成されている。なお、切欠部4Cの位置は、任意に変更可能である。一例では、切欠部4C(第5側面4e)は、放熱板4の基部4Xの第1側面4aの一端と第4側面4dの他端とに接続されてもよい。
第1方向Xにおける放熱板4の大きさは、チップ3の第1方向Xの大きさよりも大きい。第2方向Yにおける放熱板4の大きさは、チップ3の第2方向Yの大きさと等しい。ここで、第2方向Yにおける放熱板4の大きさがチップ3の第2方向Yの大きさと等しいとは、第2方向Yにおける放熱板4の大きさとチップ3の第2方向Yの大きさと差が、第2方向Yにおける放熱板4の大きさの5%以内となる関係である。また第2方向Yにおける放熱板4の基部4Xの大きさは、チップ3の第2方向Yの大きさよりも小さい。本実施形態では、第2方向Yにおける放熱板4の基部4Xの大きさが第2方向Yにおける放熱板4の大きさよりも小さいが、これに限られず、第2方向Yにおける放熱板4の基部4Xの大きさが第2方向Yにおける放熱板4の大きさ以上であってもよい。
チップ3は、放熱板4の第1方向Xの中央よりも放熱板4の基部4Xの第1方向Xの両側面4b,4dのうち一方側に配置された一側面である第2側面4bの近くに配置されている。言い換えると、チップ3は、第1方向Xにおいて、放熱板4に対して偏って配置されている。チップ3は、第1方向Xにおいて、放熱板4の基部4Xの第4側面4dよりも第2側面4b側に偏るように配置されている。本実施形態では、チップ3は、第1方向Xにおいて、放熱板4の基部4Xの第2側面4b側の端部に配置されている。チップ3の第1方向Xの中央において第2方向Yに沿って延びる中心線L11は、放熱板4の第1方向Xの中央において第2方向Yに沿って延びる中心線L31よりも放熱板4の基部4Xの第2側面4b側に位置しているとも言える。本実施形態では、放熱板4の第1方向Xの中央において第2方向Yに沿って延びる中心線L31の位置は、封止樹脂5の第1方向Xの中央において第2方向Yに沿って延びる中心線L21の位置と同じになる。また、第1方向Xにおいて、チップ3の第2側面3bと放熱板4の基部4Xの第2側面4bとの間の距離W5は、チップ3の第4側面3dと放熱板4の基部4Xの第4側面4dとの間の距離W6よりも小さい。
チップ3は、第2方向Yにおいて、放熱板4の中央に位置するように配置されている。言い換えると、チップ3の第2方向Yの中央において第1方向Xに沿って延びる中心線L12の第2方向Yの位置は、放熱板4の第2方向Yの中央において第1方向Xに沿って延びる中心線L32の第2方向Yの位置と等しい。ここで、中心線L12の第2方向Yの位置が中心線L32の第2方向Yの位置と等しいとは、第2方向Yにおける中心線L12と中心線L32との間の距離がチップ3の第2方向Yの寸法の5%以内の関係である。
図7に示すように、フォトダイオード10Aは、p型の半導体基板50の表面50Aに形成されたn型領域51を有する。p型の半導体基板50は、グランドに接続されている。n型領域51は、半導体基板50の表面50Aからn型不純物をドーピングすることによって形成されている。これにより、半導体基板50には、光電流が発生するフォトダイオード10Aが形成される。フォトダイオード10Aは、p型の半導体基板50とn型領域51とのpn接合面52を含む。
なお、半導体基板50には、変換部20、ロジック部30等も形成されるため、例えばロジック部30を構成するトランジスタの不純物領域が形成されてもよい。この場合、n型領域51は、トランジスタを構成するソース領域、ドレイン領域、素子分離用の埋め込み層(L/I、B/L)等の不純物領域と同じ工程で形成されてもよい。
半導体基板50の表面50Aには、層間絶縁膜53が形成されている。層間絶縁膜53は、半導体基板50の表面50Aの全体を覆うように形成されている。層間絶縁膜53は、酸化シリコン(SiO2)等の絶縁材料からなる。層間絶縁膜53は、単層であってもよいし、複数層であってもよい。
層間絶縁膜53の表面53Aの一部には、赤外透過フィルタ10Bが形成されている。赤外透過フィルタ10Bは、図7に示す2つのフォトダイオード10Aのうちの1つのフォトダイオードの受光面14を覆っている。フォトダイオードの受光面14は、半導体基板50の表面50Aに形成されている。赤外透過フィルタ10Bは、例えば2種類以上のカラーフィルタが重ね合わせられることによって構成されている。具体的には、赤外透過フィルタ10Bは、黄色フィルタ、赤色フィルタ、緑色フィルタ、及び青色フィルタのうちの2種類以上のフィルタが重ね合わせられることによって構成されている。
次に、図7及び図8を参照して、チップ3内の受光部10等のレイアウトについて説明する。以下の説明において、第1方向Xにおけるチップ3の中央は、第1方向Xにおいてチップ3における中心線L11の位置である。
図8に示すように、受光部10、変換部20、及びロジック部30は、第1方向Xに配列されている。受光部10、変換部20、及びロジック部30は、第1方向Xにおけるチップ3の第2側面3bから第4側面3dに向けて、受光部10、変換部20、及びロジック部30の順に配置されている。
複数のフォトダイオード10A(受光部10)は、第1方向Xにおけるチップ3の中央よりも、チップ3の第1方向Xの両側面3b,3dのうちの一方側の側面である第2側面3bの近くに配置されている。言い換えれば、複数のフォトダイオード10A(受光部10)は、チップ3における中央よりも第1方向Xの一方側に偏るように配置されている。本実施形態では、受光部10は、第1方向Xにおいて、チップ3における中央よりもチップ3の第2側面3b側に配置されている。受光部10は、第1方向Xにおいて、チップ3の第2側面3b側の端部に配置されている。
変換部20は、第1方向Xにおいて受光部10とロジック部30との間に配置されている。アナログ/デジタル変換回路21~24は、第2方向Yに配列されている。本実施形態では、第2方向Yにおいて、アナログ/デジタル変換回路21とアナログ/デジタル変換回路22とは隣り合うように配置され、アナログ/デジタル変換回路23とアナログ/デジタル変換回路24とは隣り合うように配置されている。本実施形態では、変換部20は、第1方向Xにおいて、ロジック部30よりも受光部10寄りに配置されている。言い換えれば、アナログ/デジタル変換回路21~24は、ロジック部30よりも受光部10寄りに配置されている。また、変換部20は、第1方向Xにおいて、チップ3における中央よりもチップ3の第2側面3b側に配置されている。言い換えれば、アナログ/デジタル変換回路21~24は、第1方向Xにおいて、チップ3における中央よりもチップ3の第2側面3b側に配置されている。このように、受光部10及び変換部20は、第1方向Xにおいて、チップ3における中央よりもチップ3の第2側面3b側に配置されている。
ロジック部30は、第1方向Xにおいて、チップ3における中央よりもチップ3の第4側面3d側に配置されている。本実施形態では、第1方向Xにおいてロジック部30における中央、すなわちロジック部30の第1方向Xの中央において第2方向Yに延びる中心線LC1は、第1方向Xにおいてチップ3の中央とチップ3の第4側面3dとの中央よりもチップ3の第2側面3b側に位置している。なお、第1方向Xにおいてチップ3の中央とチップ3の第4側面3dとの中央は、チップ3の中心線L11とチップ3の第4側面3dとの間の第1方向Xの中央において第2方向Yに延びる中心線L13の位置である。
第2方向Yにおける受光部10の中央、すなわち受光部10の第2方向Yの中央において第1方向Xに延びる中心線LAの第2方向Yの位置は、チップ3の第2方向Yの中央において第1方向Xに延びる中心線L12の第2方向Yの位置と等しい。ここで、中心線LAの第2方向Yの位置が中心線L12の第2方向Yの位置と等しいとは、第2方向Yにおける中心線LAと中心線L12との間の距離がチップ3の第2方向Yの寸法の5%以内の関係である。
第2方向Yにおける変換部20の中央、すなわち変換部20の第2方向Yの中央において第1方向Xに延びる中心線LB2の第2方向Yの位置は、チップ3の第2方向Yの中央において第1方向Xに延びる中心線L12の第2方向Yの位置と等しい。ここで、中心線LB2の第2方向Yの位置が中心線L12の第2方向Yの位置と等しいとは、第2方向Yにおける中心線LB2と中心線L12との間の距離がチップ3の第2方向Yの寸法の5%以内の関係である。
第2方向Yにおけるロジック部30の中央、すなわちロジック部30の第2方向Yの中央において第1方向Xに延びる中心線LC2の第2方向Yの位置は、チップ3の第2方向Yの中央において第1方向Xに延びる中心線L12の第2方向Yの位置と等しい。ここで、中心線LC2の第2方向Yの位置が中心線L12の第2方向Yの位置と等しいとは、第2方向Yにおける中心線LC2と中心線L12との間の距離がチップ3の第2方向Yの寸法の5%以内の関係である。
図9に示すように、本実施形態では、受光部10のフォトダイオード10Aは、16個のフォトダイオードPD1~PD16を含む。フォトダイオード10Aは、第2方向Yに並べられた8個のフォトダイオードが、第1方向Xに2列並べられている。図9では、フォトダイオードPD1~PD8が1列目のフォトダイオードを構成し、フォトダイオードPD9~PD16が2列目のフォトダイオードを構成している。このように、フォトダイオードPD1~PD16は、平面視において、第1方向Xを短手方向としかつ第1方向Xと直交する第2方向Yを長手方向とした細長状に配列されている。
第1方向Xにおいて、フォトダイオードPD1~PD8は、フォトダイオードPD9~PD16よりもチップ3の第2側面3b側に配置されている。第2方向Yにおけるチップ3の第3側面3cから第1側面3aに向けてフォトダイオードPD1,PD2,PD3,PD4,PD5,PD6,PD7,PD8の順に配列されている。第2方向Yにおけるチップ3の第3側面3cから第1側面3aに向けてフォトダイオードPD9,PD10,PD11,PD12,PD13,PD14,PD15,PD16の順に配列されている。
赤外透過フィルタ10Bは、フォトダイオードPD1~PD8のうちのフォトダイオードPD1,PD3,PD5,PD7を覆っている。また、赤外透過フィルタ10Bは、フォトダイオードPD9~PD16のうちのフォトダイオードPD10,PD12,PD14,PD16を覆っている。このように、第1方向Xにおいて、フォトダイオードPD1~PD16は、赤外透過フィルタ10Bに覆われたフォトダイオードと、赤外透過フィルタ10Bに覆われていないフォトダイオードとが隣り合うように配置されている。また第2方向Yにおいて、フォトダイオードPD1~PD8及びフォトダイオードPD9~PD16はそれぞれ、赤外透過フィルタ10Bに覆われたフォトダイオードと、赤外透過フィルタ10Bに覆われていないフォトダイオードとが交互に配置されている。このように、赤外透過フィルタ10Bは、フォトダイオードPD1~PD16に対して千鳥状に配置されている。
フォトダイオードPD1~PD16は、第1フォトダイオード群11と第2フォトダイオード群12とに区分される。第1フォトダイオード群11は、フォトダイオードPD4,PD5,PD12,PD13から構成されている。第2フォトダイオード群12は、フォトダイオードPD1~PD3,PD6~PD8,PD9~PD11,PD14~PD16から構成されている。図9に示すとおり、第2フォトダイオード群12は、第2方向Yにおいて、第1フォトダイオード群11の両側に配置されている。フォトダイオードPD1~PD3,PD9~PD11からなる第2フォトダイオード群12は、第1フォトダイオード群11に対してチップ3の第3側面3c側に配置されている。フォトダイオードPD6~PD8,PD14~PD16からなる第2フォトダイオード群12は、第1フォトダイオード群11に対してチップ3の第1側面3a側に配置されている。図9に示すとおり、本実施形態では、第2方向Yにおいて第1フォトダイオード群11の一方側(例えば第1フォトダイオード群11に対してチップ3の第3側面3c側)に配置された第2フォトダイオード群12のフォトダイオードの個数は、第1フォトダイオード群11のフォトダイオードの個数よりも多い。また、第2方向Yにおいて第1フォトダイオード群11の他方側(例えば第1フォトダイオード群11に対してチップ3の第1側面3a側)に配置された第2フォトダイオード群12のフォトダイオードの個数は、第1フォトダイオード群11のフォトダイオードの個数よりも多い。また、第2方向Yにおいて第1フォトダイオード群11の一方側に配置された第2フォトダイオード群12のフォトダイオードの個数は、第2方向Yにおいて第1フォトダイオード群11の他方側に配置された第2フォトダイオード群12のフォトダイオードの個数と等しい。
図8に示すように、本実施形態では、複数のフォトダイオード10Aが配列される領域、すなわち受光部10が形成される領域R1は、平面視において第2方向Yが長辺方向となり、第1方向Xが短辺方向となる矩形である。アナログ/デジタル変換回路21~24が配置される領域、すなわち変換部20が形成される領域R2は、平面視において第2方向Yが長辺方向となり、第1方向Xが短辺方向となる矩形である。ロジック部30が形成される領域R3は、第2方向Yが長辺方向となり、第1方向Xが短辺方向となる矩形である。
なお、平面視における領域R2,R3の形状は任意に変更可能である。例えば、平面視における領域R2の形状は、正方形であってもよい。平面視における領域R3の形状は、正方形、又は第1方向Xが長辺方向となり、第2方向Yが短辺方向となる矩形であってもよい。
第2方向Yにおいて、領域R1の大きさは、領域R2の大きさ及び領域R3の大きさよりも大きい。第1方向Xにおいて、領域R1の大きさは、領域R2の大きさ及び領域R3の大きさよりも小さい。第1方向Xにおいて、領域R2の大きさは、領域R3の大きさよりも小さい。なお、第1方向Xにおける領域R2の大きさは、第1方向Xにおける領域R3の大きさ以上であってもよい。
領域R1は、第1方向Xにおけるチップ3の中央とチップ3の第2側面3bとの第1方向Xの中央において第2方向Yに延びる直線L14よりもチップ3の第2側面3b側に形成されている。すなわち、複数のフォトダイオード10Aは、第1方向Xにおいて直線L14よりもチップ3の第2側面3b側に配置されている。また、領域R2は、第1方向Xにおいて直線L14よりもチップ3の第4側面3d側に形成されている。
複数の電極パッド61~69は、第2方向Yからみて、チップ3における複数のフォトダイオード10Aに重ならない領域に形成されている。詳述すると、複数の電極パッド61~69は、第1方向Xにおいて受光部10よりもチップ3の第4側面3d側に配置されている。複数の電極パッド61~69は、第2方向Yにおいて、ロジック部30の両側に配置されている。本実施形態では、電極パッド61~65は、第2方向Yにおいてロジック部30よりもチップ3の第1側面3a側に配置されている。電極パッド66~69は、第2方向Yにおいてロジック部30よりもチップ3の第3側面3c側に配置されている。
本実施形態では、電極パッド61は、第1方向Xにおいて、チップ3における中央よりもチップ3の第2側面3b側に配置されている。詳細には、電極パッド61は、第2方向Yからみて、変換部20と重なる位置に配置されている。本実施形態では、電極パッド61は、第1方向Xにおける変換部20の中央、すなわち変換部20の第1方向Xの中央において第2方向Yに延びる中心線LB1よりもチップ3の第4側面3d側に配置されている。第1方向Xからみて、電極パッド61は、複数のフォトダイオード10Aが配列される領域R1と重なる位置に配置されている。
電極パッド62~65は、第1方向Xにおいて、チップ3における中央よりもチップ3の第4側面3d側に配置されている。詳細には、電極パッド62~65は、第2方向Yからみて、ロジック部30と重なる位置に配置されている。第1方向Xにおけるチップ3の第2側面3bから第4側面3dに向かう方向において、電極パッド62,63,64,65の順に配置されている。第1方向Xからみて、電極パッド62~65は互いに重なる位置に配置されている。第2方向Yにおいて、電極パッド62,65の位置と電極パッド63,64の位置とは異なる。第2方向Yにおいて、電極パッド62,65は、チップ3の第1側面3aよりもロジック部30寄りに配置されている。第2方向Yにおいて、電極パッド63,64は、ロジック部30よりもチップ3の第1側面3a寄りに配置されている。電極パッド61,62,65は、第1方向Xからみて、複数のフォトダイオード10Aが配列された領域R1と重なるように配置されている。電極パッド63,64は、第1方向Xからみて、領域R1よりもチップ3の第1側面3a寄りに配置されている。
電極パッド66~69は、第1方向Xにおいて、チップ3における中央よりもチップ3の第4側面3d側に配置されている。詳細には、電極パッド66~69は、第2方向Yからみて、ロジック部30と重なる位置に配置されている。第1方向Xにおけるチップ3の第2側面3bから第4側面3dに向かう方向において、電極パッド66,67,68,69の順に配置されている。第1方向Xからみて、電極パッド66~69は互いに重なる位置に配置されている。第2方向Yにおいて、電極パッド66,67,69の位置と電極パッド68の位置とは異なる。第2方向Yにおいて、電極パッド66,67,69は、チップ3の第3側面3cよりもロジック部30寄りに配置されている。第2方向Yにおいて、電極パッド68は、ロジック部30よりもチップ3の第3側面3c寄りに配置されている。電極パッド66,67,69は、第1方向Xからみて、複数のフォトダイオード10Aが配置された領域R1と重なるように配置されている。電極パッド68は、第1方向Xからみて、領域R1よりもチップ3の第3側面3c寄りに配置されている。
次に、図10~図12を参照して、受光部10及び変換部20の回路構成及び動作の概要を説明する。
変換部20は、フォトダイオードPD1~PD16にて発生する光電流の合算値を出力する出力回路である。上述したように、変換部20は、4個のアナログ/デジタル変換回路21~24を有する。4個のアナログ/デジタル変換回路21~24と、第1フォトダイオード群11及び第2フォトダイオード群12との接続対応関係は以下のとおりである。すなわち、第1フォトダイオード群11に対してアナログ/デジタル変換回路21,22が接続され、第2フォトダイオード群12に対してアナログ/デジタル変換回路23,24が接続されている。
図10に示すアナログ/デジタル変換回路21,22は、増幅器71、コンデンサ74、及び基準電圧印加部75を有する。増幅器71の一例はオペアンプである。コンデンサ74は、増幅器71の第1入力端子71aと出力端子71cとの間に接続されている。アナログ/デジタル変換回路21は、増幅器71とコンデンサ74とを含む積分器を有する。基準電圧印加部75は、増幅器71の第2入力端子71bに対して第1基準電圧を印加する。第1基準電圧の一例は、0.6Vである。
図10に示すように、アナログ/デジタル変換回路21は、第1フォトダイオード群11における赤外透過フィルタ10Bに覆われていないフォトダイオードであるフォトダイオードPD4,PD13に接続されている。フォトダイオードPD4,PD13のカソードは、アナログ/デジタル変換回路21の増幅器71の第1入力端子71aに接続されている。フォトダイオードPD4,PD13のアノードは、グランドに接続されている。アナログ/デジタル変換回路22は、第1フォトダイオード群11において赤外透過フィルタ10Bに覆われたフォトダイオードであるフォトダイオードPD5,PD12に接続されている。フォトダイオードPD5,PD12のカソードは、アナログ/デジタル変換回路22の増幅器71の第1入力端子71aに接続されている。フォトダイオードPD5,PD12のアノードは、グランドに接続されている。アナログ/デジタル変換回路21には、フォトダイオードPD4,PD13の合計の光電流が入力される。アナログ/デジタル変換回路22には、フォトダイオードPD5,PD12の合計の光電流が入力される。
図11及び図12に示すアナログ/デジタル変換回路23,24はそれぞれ、増幅器71、基準電圧印加部72、及びコンデンサ74を有する。アナログ/デジタル変換回路23,24の増幅器71、及びコンデンサ74の接続構成は、アナログ/デジタル変換回路21,22と同様である。基準電圧印加部72は、増幅器71の第2入力端子71bに接続されている。基準電圧印加部72は、増幅器71の第2入力端子71bに対して第2基準電圧を印加する。第2基準電圧の一例は、1.2Vである。
図11に示すように、アナログ/デジタル変換回路23は、第2フォトダイオード群12における赤外透過フィルタ10Bに覆われていないフォトダイオードであるフォトダイオードPD2,PD6,PD8,PD9,PD11,PD15に接続されている。フォトダイオードPD2,PD6,PD8,PD9,PD11,PD15のアノードは、アナログ/デジタル変換回路23の増幅器71の第1入力端子71aに接続されている。フォトダイオードPD2,PD6,PD8,PD9,PD11,PD15のカソードは、電圧生成部40(図1参照)の電源配線41に接続されている。
図12に示すように、アナログ/デジタル変換回路24は、第2フォトダイオード群12における赤外透過フィルタ10Bに覆われたフォトダイオードであるフォトダイオードPD1,PD3,PD7,PD10,PD14,PD16に接続されている。フォトダイオードPD1,PD3,PD7,PD10,PD14,PD16のアノードは、アナログ/デジタル変換回路24の増幅器71の第1入力端子71aに接続されている。フォトダイオードPD1,PD3,PD7,PD10,PD14,PD16のカソードは、電圧生成部40(図1参照)の電源配線41に接続されている。
アナログ/デジタル変換回路21では、受光によってフォトダイオードPD4,PD13にて発生した光電流により蓄積されるコンデンサ74の電荷に基づいて、増幅器71及びコンデンサ74からなる積分器の出力である積分信号が上昇する。アナログ/デジタル変換回路21は、積分信号に基づいて、フォトダイオードPD4,PD13の受光量に比例した電圧をデジタル値(出力信号)に変換してロジック部30(図1参照)に出力する。アナログ/デジタル変換回路22は、アナログ/デジタル変換回路21と同様に、フォトダイオードPD5,PD12の光電流に基づく出力信号をロジック部30に出力する。
アナログ/デジタル変換回路23は、受光によってフォトダイオードPD2,PD6,PD8,PD9,PD11,PD15にて発生した光電流に基づいて、増幅器71及びコンデンサ74からなる積分器の出力である積分信号が下降する。アナログ/デジタル変換回路23は、積分信号に基づいて、フォトダイオードPD2,PD6,PD8,PD9,PD11,PD15の受光量に比例した電圧をデジタル値(出力信号)に変換してロジック部30に出力する。アナログ/デジタル変換回路24は、アナログ/デジタル変換回路23と同様に、フォトダイオードPD1,PD3,PD7,PD10,PD14,PD16の光電流に基づく出力信号をロジック部30に出力する。ロジック部30は、アナログ/デジタル変換回路21~24の出力信号を光センサ1の外部の機器に出力する。
(光センサを搭載する電子機器)
本実施形態の光センサ1は、スマートフォン、携帯電話、タブレットPC、ラップトップ型パソコン、デジタルカメラ、カーナビゲーション装置、テレビ等の電子機器に搭載することができる。図13(a)は、上記電子機器の一例であるスマートフォン100の外観を示す斜視図である。
スマートフォン100は、扁平な直方体形状のハウジング101の内部に電子部品を収容して構成されている。ハウジング101は表側及び裏側に長方形状の一対の主面を有しており、その一対の主面が4つの側面で結合されている。ハウジング101の一つの主面には、液晶パネルや有機ELパネル等で構成された表示パネル102の表示面が露出している。表示パネル102の表示面は、タッチパネルを構成しており、使用者に対する入力インターフェースを提供している。
ハウジング101の一つの側面には、マイクロフォン103が設けられている。マイクロフォン103は、電話機能のための送話口を提供するとともに、録音用のマイクロフォンとして用いることもできる。表示パネル102の一対の短辺においてマイクロフォン103が位置する側とは反対側の短辺の近傍には、スピーカ104が配置されている。スピーカ104は、電話機能のための受話口を提供するとともに、音楽データ等を再生するための音響化ユニットとしても用いられる。スピーカ104の隣には、光学窓105が配置されている。ハウジング101内において光学窓105に対向する位置には、光センサ1が配置されている。
また、本実施形態では、スマートフォン100が光センサ1から出力される出力信号に基づいて照度の演算を行う。照度の演算は、既知の方法によって演算される。一例では、可視光領域に感度ピークを有する第2フォトダイオード群12と、赤外線領域に感度ピークを有する第1フォトダイオード群11とのそれぞれの受光によって発生する光電流が測定され、2種類のフォトダイオードにおける各測定値の比較演算に基づいて照度が演算される。なお、光センサ1のロジック部30が照度の演算を行ってもよい。
本実施形態の作用について説明する。
チップ3は、封止樹脂5に対して第1方向Xにおける封止樹脂5の第2側面5b側に偏るように配置されている。このため、第1方向Xにおいて封止樹脂5の第2側面5bとチップ3の第2側面3bとの間の距離W1(図5参照)を小さくできる。さらに、チップ3の受光部10は、第1方向Xにおけるチップ3の第2側面3b側の端部に偏るように配置されている。封止樹脂5の第2側面5b側及びチップ3の第2側面3b側は、第1方向Xにおいて同じ側となるため、受光部10は、封止樹脂5の第2側面5b側に一層偏るように配置されることとなる。加えて、複数のフォトダイオード10Aは、第1方向Xを短手方向とし、第2方向Yを長手方向とする細長状に配列されているため、第1方向Xにおけるチップ3の第2側面3bから複数のフォトダイオード10Aが形成される領域R1のうちのチップ3の第4側面3d側の辺までの距離W7(図8参照)を小さくできる。すなわち、複数のフォトダイオード10Aが上記細長状に配列されることによって、複数のフォトダイオード10Aが形成される領域R1が第1方向Xにおけるチップ3の第2側面3b側の端部に形成されることになる。
このように、距離W1及び距離W7を小さくすることによって、複数のフォトダイオード10Aが形成される領域R1を、第1方向Xにおける封止樹脂5の両側面5b,5dのうちの一方側の側面である第2側面5bの近くに配置できる。
ところで、スマートフォン100を正面からみた場合のスマートフォン100の全体の面積に対する表示パネル102の占有率の増加に伴い、光学窓105の配置可能なスペースが縮小している。言い換えれば、スマートフォン100のハウジング101の端縁101aと表示パネル102の外縁との間の距離XDが小さくなっている。このため、光学窓105がハウジング101の端縁101a寄りに設けられるため、複数のフォトダイオード10Aが光学窓105から受光可能なように光センサを配置することが難しい。
このような実情に鑑み、本実施形態では、光センサ1をスマートフォン100に搭載する場合、上述したように、光センサ1における上記距離W1及び距離W7の合計である距離W8が小さくなるため、図13(b)に示すように、ハウジング101の端縁101aに接近するように光センサ1を配置できる。このため、ハウジング101の端縁101aと表示パネル102との間の距離XDが小さく、光学窓105がハウジング101の端縁101a付近に設けられたとしても、光学窓105と対向する位置に受光部10が配置されるように光センサ1をハウジング101内に配置できる。
本実施形態によれば、以下の効果が得られる。
(1)平面視において、複数のフォトダイオード10Aは、チップ3における中央よりも、チップ3の第1方向Xの両側面3b,3dのうちの一方側の側面である第2側面3bの近くに配置される。加えて、複数のフォトダイオード10Aは、第1方向Xを短手方向としかつ第1方向Xと直交する第2方向Yを長手方向とした細長状に配列されている。この構成によれば、第1方向Xにおける複数のフォトダイオード10Aとチップ3の第2側面3bとの間の距離W7が小さくなる。これにより、光センサ1に対する複数のフォトダイオード10Aの位置を封止樹脂5における第1方向Xに偏った位置とすることができる。したがって、光学窓105がスマートフォン100の端縁101a付近に配置されたとしても複数のフォトダイオード10Aが光学窓105から好適に受光できる。
(2)平面視において、受光部10、変換部20、及びロジック部30は、チップ3の第1方向Xに配列されている。平面視において、変換部20は、第1方向Xにおいて受光部10とロジック部30との間に配置されている。この構成によれば、複数のフォトダイオード10Aと変換部20とが隣り合い、変換部20とロジック部30とが隣り合うため、受光部10、変換部20、及びロジック部30は、受光部10、変換部20、及びロジック部30の電気的接続構成と同様の配列となる。このため、複数のフォトダイオード10Aと変換部20とを接続する配線パターン、及び変換部20とロジック部30とを接続する配線パターンが短くなることにより、配線パターンに起因するノイズの発生を低減できる。したがって、光センサ1は、精度よく照度を検出できる。
(3)平面視において、アナログ/デジタル変換回路21~24は、第2方向Yに配列されている。この構成によれば、アナログ/デジタル変換回路21~24の少なくとも1つが第1方向Xに配列される構成と比較して、第1方向Xにおいてチップ3を小型化できる。
(4)平面視において、変換部20は、第1方向Xにおいてロジック部30よりも受光部10寄りに配置されている。この構成によれば、第1方向Xにおいて変換部20とロジック部30との間にスペースが形成されるため、クロック発振回路等の回路素子を上記スペースに形成できる。また、複数のフォトダイオード10Aと変換部20とを接続する配線パターンをさらに短くできる。
(5)第1方向Xにおいて、複数のフォトダイオード10Aが配列される領域R1の大きさは、変換部20が形成される領域R2の大きさ及びロジック部30が形成される領域R3の大きさのそれぞれよりも大きい。この構成によれば、第1方向Xにおいて領域R1の大きさが領域R2,R3の大きさ以下の場合と比較して、領域R1における配列可能なフォトダイオードの個数が多くなる。したがって、光センサ1による照度の検出精度を高めることができる。
(6)チップ3の複数の電極パッド61~69は、第2方向Yからみて、複数のフォトダイオード10Aに重ならない領域に形成されている。この構成によれば、複数のフォトダイオード10Aが配列される領域R1を第1方向Xにおいて大きくすることができる。したがって、領域R1における配列可能なフォトダイオードの個数を増やすことができる。
(7)複数の電極パッド61~69は、第1方向Xからみて、複数のフォトダイオード10Aが配列された領域R1と重なるように配置されている。言い換えれば、領域R1は、第2方向Yにおいて、複数の電極パッド61~69と重なる位置まで延びている。したがって、領域R1における配列可能なフォトダイオードの個数を増やすことができる。
(8)複数の電極パッド61~69は、第2方向Yからみて、ロジック部30又は変換部20と重なるように配置されている。この構成によれば、チップ3を第1方向Xにおいて小型化できる。
(9)複数の電極パッド61~69は、第2方向Yにおいて、ロジック部30の両側に配置されている。この構成によれば、複数の電極パッド61~69の配置スペースを確保でき、チップ3を第1方向Xにおいて大型化することを抑制できる。
(10)複数の電極パッド61~69は、第2方向Yにおいて、変換部20の一方側のみに配置されている。この構成によれば、チップ3のうちの変換部20に対して第2方向Yの他方側(チップ3の第3側面3c側)のスペースに例えば電圧生成部40等の回路を形成できる。
(11)複数のフォトダイオード10Aは、第1方向Xにおいて2列で配列されている。この構成によれば、フォトダイオード10Aが受光する方向によって光センサ1が出力する出力信号にばらつきが生じることを抑制できる最低限の列数で受光部10を構成できる。したがって、複数のフォトダイオード10Aが配列される領域R1の第1方向Xの大きさを小さくできる。
(12)複数のフォトダイオード10Aにおける赤外透過フィルタ10Bに覆われたフォトダイオードと、赤外透過フィルタ10Bに覆われたフォトダイオードとは、第1方向Xにおいて隣り合い、かつ、第2方向Yにおいて交互に配置されている。この構成によれば、フォトダイオード10Aが受光する方向によって光センサ1が出力する出力信号にばらつきが生じることを抑制できる。
(13)複数のフォトダイオード10Aは、第1受光特性を有する第1フォトダイオード群11と、第2受光特性を有する第2フォトダイオード群12とを有する。この構成によれば、受光特性の異なるダイオード群の出力信号に基づいて照度を検出できるため、光センサ1が照度を高精度に検出できる。
(14)第1フォトダイオード群11は赤外線領域の波長に感度ピークを有し、第2フォトダイオード群12は可視光領域の波長に感度ピークを有する。この構成によれば、人間の視感度特性に応じた照度を検出できる。
(15)第2方向Yにおいて第1フォトダイオード群11の両側には、第2フォトダイオード群12が配置されている。この構成によれば、同じ光強度の光を第2方向Yの一方側から受光する場合と第2方向Yの他方側から受光する場合とで光センサ1が出力する出力信号のばらつきを抑制できる。
(16)第2方向Yにおいて第1フォトダイオード群11の一方側に配置された第2フォトダイオード群12のフォトダイオードの個数は、第1フォトダイオード群11のフォトダイオードの個数よりも多い。この構成によれば、可視光領域の受光情報をより多く取得できるため、光センサ1が照度を高精度に検出できる。
(17)第2方向Yにおいて第1フォトダイオード群11の一方側に配置された第2フォトダイオード群12のフォトダイオードの個数は、第2方向Yにおいて第1フォトダイオード群11の他方側に配置された第2フォトダイオード群12のフォトダイオードの個数と等しい。この構成によれば、同じ光強度の光を第2方向Yの一方側から受光する場合と第2方向Yの他方側から受光する場合とで光センサ1が出力する出力信号のばらつきを抑制できる。
(18)チップ3は、封止樹脂5に対して第1方向Xの一方側(第1方向Xにおける封止樹脂5の両側面5b,5dのうちの一方側の側面である第2側面5b側)に偏るように配置されている。この構成によれば、チップ3の受光部10を封止樹脂5の第1方向Xの一方側に配置することができ、封止樹脂5の第2側面5bとチップ3の第2側面3bとの間の距離W1を小さくできる。加えて、上記(1)において記載した受光部10の構成を併せることによって、距離W1と距離W7との合計の距離W8(図13(b)参照)を小さくできるため、第1方向Xにおいて複数のフォトダイオード10Aを封止樹脂5の第2側面5bの近くに配置できる。したがって、光学窓105がスマートフォン100の端縁101a付近に配置されたとしても複数のフォトダイオード10Aが光学窓105からより好適に受光できる。
(19)複数の外部端子2は、第2方向Yにおいてチップ3の両側に配置されている。この構成によれば、複数の外部端子2において隣り合う外部端子2間の距離を確保できるとともに、第1方向Xにおいて光センサ1を小型化できる。
(20)平面視において、放熱板4の面積は、チップ3の面積よりも大きい。この構成によれば、チップ3が発熱した場合、チップ3から放熱板4に好適に放熱できる。さらに、放熱板4は、封止樹脂5から露出することによって、チップ3が発熱した場合、チップ3から光センサ1の外部に好適に放熱できる。
(変更例)
上記実施形態は本開示に関する光センサが取り得る形態の例示であり、その形態を制限することを意図していない。本開示に関する光センサは上記実施形態に例示された形態とは異なる形態を取り得る。その一例は、上記実施形態の構成の一部を置換、変更、もしくは、省略した形態、又は上記実施形態に新たな構成を付加した形態である。以下の変更例において、上記実施形態の形態と共通する部分については、上記実施形態と同一の符号を付してその説明を省略する。
・上記実施形態では、平面視における封止樹脂の形状は、第1方向Xが短辺方向となり、第2方向Yが長辺方向となる矩形であるが、これに限られず、平面視における封止樹脂5の形状は任意に変更可能である。一例では、平面視における封止樹脂の形状は、第1方向Xが長辺方向となり、第2方向Yが短辺方向となる矩形である。
・上記実施形態において、受光部10の第2方向Yに沿う1列あたりのフォトダイオードの個数は任意に変更可能である。1列あたりのフォトダイオードの個数は3個以上であればよい。一例では、第2方向Yに沿う1列あたりのフォトダイオードの個数は10個である。
・上記実施形態では、複数のフォトダイオード10Aが配列された領域R1の形状は、平面視において矩形状であったが、これに限られない。例えば、領域R1の形状が矩形状以外となる複数のフォトダイオード10Aの構成として、1列あたりのフォトダイオードが互いに異なるように構成されてもよい。一例では、図14(a)に示すように、フォトダイオードPD1~PD8,PD9~PD16の列にフォトダイオードPD17,PD18を追加してもよい。また図14(b)に示すように、フォトダイオードPD17は、第2方向Yからみて、フォトダイオードPD1とフォトダイオードPD9と重なるように配置されてもよい。フォトダイオードPD18についても図14(b)のフォトダイオードPD17と同様に、第2方向Yからみて、フォトダイオードPD8とフォトダイオードPD16と重なるように配置されてもよい。図14(a)では、フォトダイオードPD17,PD18は、赤外透過フィルタ10Bに覆われていないが、これに限られず、フォトダイオードPD17,PD18の少なくとも一方が赤外透過フィルタ10Bに覆われていてもよい。また図14(a)の複数のフォトダイオード10AにおいてフォトダイオードPD17,PD18の一方を省略してもよい。
・上記実施形態において、複数のフォトダイオード10Aに対する赤外透過フィルタ10Bの配置態様は任意に変更可能である。一例では、図15に示すように、赤外透過フィルタ10Bは、フォトダイオードPD2,PD4,PD6,PD8,PD9,PD11,PD13,PD15を覆い、フォトダイオードPD1,PD3,PD5,PD7,PD10,PD12,PD14を覆わないように配置されてもよい。
・上記実施形態において、1列あたりのフォトダイオードの個数を10個とした場合、赤外透過フィルタ10Bの配置態様を次のように変更してもよい。
図16に示すように、複数のフォトダイオード10Aは、フォトダイオードPD1~PD20を含む。フォトダイオード10Aは、第2方向Yに並べられた10個のフォトダイオードが、第1方向Xに2列並べられている。図16では、フォトダイオードPD1~PD10が1列目のフォトダイオードを構成し、フォトダイオードPD11~PD20が2列目のフォトダイオードを構成している。第1方向Xにおいて、フォトダイオードPD1~PD10は、フォトダイオードPD11~PD20よりもチップ3の第2側面3b側に配置されている。第2方向Yにおけるチップ3の第3側面3cから第1側面3aに向けてフォトダイオードPD1,PD2,PD3,PD4,PD5,PD6,PD7,PD8,PD9,PD10の順に配列されている。第2方向Yにおけるチップ3の第3側面3cから第1側面3aに向けてフォトダイオードPD11,PD12,PD13,PD14,PD15,PD16,PD17,PD18,PD19,PD20の順に配列されている。
フォトダイオードPD1~PD20は、第1フォトダイオード群11と第2フォトダイオード群12とに区分される。第1フォトダイオード群11は、フォトダイオードPD5,PD6,PD15,PD16から構成されている。第2フォトダイオード群12は、フォトダイオードPD1~PD4,PD7~PD10,PD11~PD14,PD17~PD20から構成されている。図16に示すとおり、平面視において、第2フォトダイオード群12は、第2方向Yにおいて、第1フォトダイオード群11の両側に配置されている。フォトダイオードPD1~PD4,PD11~PD14からなる第2フォトダイオード群12は、第1フォトダイオード群11に対してチップ3の第3側面3c側に配置されている。フォトダイオードPD7~PD10,PD17~PD20からなる第2フォトダイオード群12は、第1フォトダイオード群11に対してチップ3の第1側面3a側に配置されている。
赤外透過フィルタ10Bは、フォトダイオードPD1~PD10のうちのフォトダイオードPD1,PD2,PD5,PD7,PD8を覆っている。また、赤外透過フィルタ10Bは、フォトダイオードPD11~PD20のうちのフォトダイオードPD13,PD14,PD16,PD19,PD20を覆っている。このように、第1フォトダイオード群11では、第1方向Xにおいて、赤外透過フィルタ10Bに覆われたフォトダイオードと、赤外透過フィルタ10Bに覆われていないフォトダイオードとが隣り合うように配置されている。また第2方向Yにおいて、赤外透過フィルタ10Bに覆われたフォトダイオードと、赤外透過フィルタ10Bに覆われていないフォトダイオードとが交互に配置されている。第2フォトダイオード群12では、第1方向Xにおいて、赤外透過フィルタ10Bに覆われたフォトダイオードと、赤外透過フィルタ10Bに覆われていないフォトダイオードとが隣り合うように配置されている。また第2方向Yにおいて、赤外透過フィルタ10Bに覆われた2個のフォトダイオードと、赤外透過フィルタ10Bに覆われていない2個のフォトダイオードとが交互に配置されている。
・上記実施形態において、第2方向Yにおける受光部10、変換部20、及びロジック部30の位置はそれぞれ、任意に変更可能である。受光部10の第2方向Yの中央において第1方向Xに延びる中心線LAの第2方向Yの位置が変換部20の第2方向Yの中央において第1方向Xに延びる中心線LB2の第2方向Yの位置と異なってもよい。中心線LAの第2方向Yの位置がロジック部30の第2方向Yの中央において第1方向Xに延びる中心線LC2の第2方向Yの位置と異なってもよい。中心線LB2の第2方向Yの位置が中心線LC2の第2方向Yの位置と異なってもよい。
・上記実施形態において、第2方向Yにおける封止樹脂5に対するチップ3の位置は任意に変更可能である。チップ3の第2方向Yの中央において第1方向Xに延びる中心線L12が封止樹脂5の第2方向Yの中央において第1方向Xに延びる中心線L22よりも封止樹脂5の第1側面5a側又は第3側面5c側に位置するようにチップ3が配置されてもよい。
・上記実施形態において、電極パッド61は、第1方向Xにおいて変換部20よりもチップ3の第4側面3d側に配置されてもよい。一例では、電極パッド61は、第2方向Yからみて、変換部20と重ならず、かつロジック部30と重なる位置に配置されている。
・上記実施形態において、複数の電極パッド61~69の少なくとも1つは、チップ3においてロジック部30とチップ3の第4側面3dとの間の領域に配置されてもよい。
・上記実施形態において、放熱板4の形状は任意に変更可能である。一例では、図17に示すように、平面視における放熱板4の第1方向Xの大きさがチップ3の第1方向Xの大きさと等しくなるように構成されてもよい。ここで、放熱板4の第1方向Xの大きさがチップ3の第1方向Xの大きさと等しいとは、放熱板4の第1方向Xの大きさとチップ3の第1方向Xの大きさとの差が放熱板4の第1方向Xの大きさの5%以内の関係である。この場合、放熱板4は、封止樹脂5の中央よりも第1方向Xの一方側、すなわち第1方向Xにおいて封止樹脂5の中央よりも封止樹脂5の第2側面5b側に偏って配置されている。
<付記>
[付記1]
複数のフォトダイオードを有するチップを備える光センサであって、
前記複数のフォトダイオードは、前記フォトダイオードの受光方向からみて、前記チップにおける中央よりも第1方向の一方側に偏るように配置されるとともに、前記第1方向を短手方向としかつ前記第1方向と直交する第2方向を長手方向とした細長状に配列されている
光センサ。
[付記2]
前記チップは、前記第1方向を長手方向とし、前記第2方向を短手方向とする矩形板状に形成されており、
前記チップは、前記第1方向の両側面のうちの前記一方側に配置された一側面を有し、
前記複数のフォトダイオードは、前記チップにおける中央よりも前記一側面の近くに配置されている
付記1に記載の光センサ。
[付記3]
前記チップは、
前記フォトダイオードが受光することにより流れる光電流を出力信号に変換する変換部と、
前記変換部を制御するロジック部と、
をさらに有し、
前記複数のフォトダイオード、前記変換部、及び前記ロジック部は、前記第1方向に配列され、
前記変換部は、前記第1方向において前記複数のフォトダイオードと前記ロジック部との間に配置されている
付記1又は2に記載の光センサ。
[付記4]
前記変換部は、複数のアナログ/デジタル変換回路を有し、
前記複数のアナログ/デジタル変換回路は、前記第2方向に配列されている
請求項3に記載の光センサ。
[付記5]
前記変換部は、前記第1方向において前記ロジック部よりも前記複数のフォトダイオード寄りに配置されている
付記3又は4に記載の光センサ。
[付記6]
前記第2方向において、前記複数のフォトダイオードが配置される領域の大きさは、前記変換部が形成される領域の大きさ及び前記ロジック部が形成される領域の大きさのそれぞれよりも大きい
付記3~5のいずれか1つに記載の光センサ。
[付記7]
前記チップは、複数の電極パッドをさらに備え、
前記複数の電極パッドは、前記第2方向からみて、前記チップにおける前記複数のフォトダイオードに重ならない領域に形成されている
付記3~6のいずれか1つに記載の光センサ。
[付記8]
前記第1方向からみて、前記複数の電極パッドの少なくとも1つは、前記複数のフォトダイオードが配列された領域と重なるように配置されている
付記7に記載の光センサ。
[付記9]
前記複数の電極パッドは、前記第2方向からみて、前記ロジック部又は前記変換部と重なるように配置されている
付記7又は8に記載の光センサ。
[付記10]
前記複数の電極パッドは、前記第2方向において、前記ロジック部の両側に配置されている
付記9に記載の光センサ。
[付記11]
前記複数の電極パッドは、前記第2方向において、前記変換部の一方側のみに配置されている
付記9又は10に記載の光センサ。
[付記12]
前記複数のフォトダイオードは、前記第1方向において2列で配列されている
付記1~11のいずれか1つに記載の光センサ。
[付記13]
前記複数のフォトダイオードは、前記第2方向において1列あたり3個以上配置されている
付記12に記載の光センサ。
[付記14]
前記光センサは、前記複数のフォトダイオードのうちの一部のフォトダイオードのそれぞれの受光面を覆う赤外透過フィルタを有し、
前記赤外透過フィルタに覆われたフォトダイオードと、前記赤外透過フィルタに覆われていないフォトダイオードとは、前記第1方向において隣り合い、かつ、前記第2方向において交互に配置されている
付記13に記載の光センサ。
[付記15]
前記複数のフォトダイオードは、第1受光特性を有する第1フォトダイオード群と、前記第1受光特性とは異なる第2受光特性を有する第2フォトダイオード群とを有する
付記1~14のいずれか1つに記載の光センサ。
[付記16]
前記第1受光特性は、赤外線領域に感度ピークを有し、
前記第2受光特性は、可視光領域に感度ピークを有する
付記15に記載の光センサ。
[付記17]
前記第2方向において、前記第1フォトダイオード群の両側に前記第2フォトダイオード群が配置されている
付記16に記載の光センサ。
[付記18]
前記第1フォトダイオード群の前記第2方向の一方側に配置された前記第2フォトダイオード群のフォトダイオードの個数は、前記第1フォトダイオード群のフォトダイオードの個数よりも多い
付記17に記載の光センサ。
[付記19]
前記第1フォトダイオード群の前記第2方向の一方側に配置された前記第2フォトダイオード群の個数は、前記第1フォトダイオード群の前記第2方向の他方側に配置された前記第2フォトダイオード群の個数と等しい
付記18に記載の光センサ。
[付記20]
前記光センサは、
前記チップを封止する封止樹脂と、
前記チップと電気的に接続され、前記封止樹脂から露出する複数の外部端子と、
をさらに備え、
前記チップは、前記封止樹脂に対して前記第1方向の一方側に偏るように配置されている
付記1~19のいずれか1つに記載の光センサ。
[付記21]
前記複数の外部端子は、前記第2方向において前記チップの両側に配置され、
前記複数の外部端子と前記チップとは、導電ワイヤによって接続されている
付記20に記載の光センサ。
[付記22]
前記光センサは、前記チップが取り付けられる放熱板をさらに備え、
前記放熱板の面積は、前記チップの面積よりも大きい
付記1~21のいずれか1つに記載の光センサ。
[付記23]
前記チップは、前記放熱板に対して前記第1方向の一方側に偏るように配置されている
付記22に記載の光センサ。
[付記24]
付記1~23のいずれか1つに記載の光センサと、
前記光センサを収容するハウジングと、
を備える電子機器。