JP7265562B2 - アクチュエータを制御する制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、アクチュエータを制御する制御装置に係り、例えば内燃機関の燃焼室に燃料を供給する燃料噴射弁(インジェクタ)を制御する技術に関する。
内燃機関を制御する制御装置においては、内燃機関のトルク(以下「機関トルク」と称する。)に影響を及ぼす機構部品や制御部品の異常/故障を検出した時、操縦者に内燃機関の異常を通知すると共に、燃料噴射カット機能、点火制御カット機能、スロットル固定開度設定機能等のフェイルセーフ機能を実行している。しかしながら、内燃機関がフェイルセーフ機能を必要とする場合、仮にフェイルセーフ機能が動作しないと、異常な機関トルクが発生する可能性がある。このため、フェイルセーフ機能が正常に機能するかどうかを確認することが必要となる。
例えば、特許文献1には、内燃機関始動前に、燃料噴射カット機能(フェイルセーフ機能)を診断する診断期間を設定し、燃料噴射カット機能の診断期間に駆動許可/禁止信号をインジェクタドライバに出力し、その時のインジェクタドライバの動作状態監視用ポート(Disableポート)の信号状態を監視することで、燃料噴射カット機能の異常診断を実行することが示されている。
特開2009-127574号公報
しかしながら、特許文献1においては、インジェクタドライバの動作状態監視用ポートの信号状態を監視しており、最終的なインジェクタドライバが出力する燃料噴射信号を監視していないため、インジェクタドライバの故障時にフェイルセーフ機能を正しく診断できない。それにより、フェイルセーフ機能が必要な場合に、駆動パルス出力を受けたインジェクタドライバを停止することができず、異常な機関トルクが発生する可能性がある。
本発明は、上記の状況に鑑みてなされたものであり、燃料噴射弁等のアクチュエータを駆動する駆動回路が故障した場合でも、駆動許可設定状態における異常診断を実施可能とすることを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の一態様のアクチュエータを制御する制御装置は、駆動パルス信号に基づきアクチュエータに駆動電流を供給する駆動回路と、駆動パルス信号を送信して駆動回路の動作を制御する駆動回路動作制御部と、異常診断を実行する診断実行部と、診断実行部からの指令に基づいて、アクチュエータの駆動を許可する駆動許可設定又はアクチュエータの駆動を禁止する駆動禁止設定の信号を駆動回路に送信する駆動回路出力設定部と、を備えたアクチュエータを制御する制御装置であって、上記駆動回路と上記アクチュエータとの間の電位に応じ監視信号を得る監視信号入力部と、監視信号入力部から入力される監視信号の電圧を検出する信号監視部と、を備える。
そして、上記診断実行部は、上記駆動回路出力設定部に駆動許可設定の信号を送信させる指令を出力し、かつ上記駆動回路動作制御部に対し駆動パルス信号をオンからオフに切り替えさせて、駆動パルス信号がオフに切り替わってから、前記駆動回路と前記アクチュエータを接続する配線が断線している場合において前記駆動パルス信号がオンした時点における前記監視信号の第1の電圧レベルを認識可能となる第2の設定時間が経過した後の前記監視信号の電圧を判定し、前記監視信号の電圧が前記第1の電圧レベルである場合は上記駆動回路と上記アクチュエータを接続する配線の異常を検出し、前記監視信号の電圧が前記駆動パルス信号をオフに切り替えた時点における第2の電圧レベルである場合には前記駆動回路の異常を検出する
本発明の少なくとも一態様によれば、駆動回路とアクチュエータとの間の電位に応じて得られる監視信号を用いて、駆動許可設定状態における異常診断を行う。そのため、駆動回路が故障した場合でも、駆動許可設定状態における異常診断の実施が可能となる。
上記した以外の課題、構成及び効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
本発明が適用される内燃機関の燃料噴射システムの全体構成例を示した図である。 本発明の一実施形態に係る燃料噴射制御装置の内部構成例を示したブロック図である。 本発明の一実施形態に係る燃料噴射制御装置の燃料噴射カット機能の正常性を判定する処理(駆動禁止設定診断)の手順例を示すフローチャートである。 本発明の一実施形態に係る燃料噴射制御装置の燃料噴射カット機能の正常性を判定する処理(駆動許可設定診断)の手順例を示すフローチャートである。 本発明の一実施形態に係る燃料噴射カット機能の駆動禁止設定において異常が発生した場合のタイミングチャートである。 本発明の一実施形態に係る燃料噴射カット機能の駆動禁止設定が正常に機能し、燃料噴射カット機能の駆動許可設定において異常が発生した場合のタイミングチャートである。 本発明の一実施形態に係る燃料噴射カット機能の駆動禁止設定及び駆動許可設定が正常に機能した場合のタイミングチャートである。 本発明の一実施形態に係る燃料噴射カット機能の駆動禁止設定が正常に機能し、燃料噴射カット機能の駆動許可設定においてワイヤーハーネスの断線か燃料噴射制御装置の異常かを判別する際のタイミングチャートである。 インジェクタドライバに与えられる駆動パルス信号の説明図である。 本発明の一実施形態に係るインジェクタドライバに与えられる駆動パルス信号と、インジェクタに与えられる燃料噴射モニタ信号の例を示す図である。 本発明の一実施形態に係るワイヤーハーネス断線時にインジェクタドライバに与えられる駆動パルス信号と、ワイヤーハーネス断線時にインジェクタに与えられる燃料噴射モニタ信号の例を示す図である。
以下、本発明を実施するための形態(以下、「実施形態」と記述する)の例について、添付図面を参照して説明する。本明細書及び添付図面において実質的に同一の機能又は構成を有する構成要素については、同一の符号を付して重複する説明を省略する。
<1.一実施形態>[燃料噴射システムの全体構成]
始めに、図1を用いて、本発明が適用される内燃機関の燃料噴射システムの概略を説明する。
図1は、本発明が適用される内燃機関の燃料噴射システムの全体構成例を示す。燃料噴射システム100は、本発明を筒内直接噴射式エンジン(内燃機関の一例)に適用した例であるが、本発明はこの例に限らない。本明細書において、筒内直接噴射式エンジンを単に「エンジン」と称することがある。
燃料噴射システム100は、図1に示すように、4つのインジェクタ(燃料噴射弁)170A~170D、及び燃料噴射制御装置110(制御装置の一例)とで構成される。インジェクタ170A~170Dの各々と燃料噴射制御装置110は、ワイヤーハーネス10によって接続されている。図1に示す筒内直接噴射式エンジンは、4つの気筒108(エンジンシリンダ)を備える。以下の説明において、インジェクタ170A乃至170Dを区別しない場合には、「インジェクタ170」と称する。燃料噴射制御装置110は、インジェクタ170の動作を制御する車両用の制御装置である。インジェクタ170は、アクチュエータの一例である。
燃料噴射システム100の各気筒108には、インジェクタ170A乃至170Dが、噴射孔から霧状の燃料が燃焼室107に直接噴射されるように設置されている。燃料は、燃料ポンプ106によって昇圧されて燃料配管105に送出され、燃料配管105を通じてインジェクタ170A乃至170Dに配送される。燃料配管105の一端部には、燃料配管105内の燃料圧力を測定する圧力センサ102が設置されている。燃料圧力は、燃料ポンプ106によって吐出された燃料の流量と、インジェクタ170によって各燃焼室107内に噴射された燃料の噴射量とのバランスによって変動する。圧力センサ102の測定結果に基づいて、所定の圧力を目標値として燃料ポンプ106からの燃料の吐出量が制御される。
インジェクタ170A乃至170Dの燃料の噴射は、燃料噴射制御装置110のマイクロコンピュータ120から送出される駆動パルス信号のパルス幅(以下「噴射パルス幅」と称する。)によって制御されている。すなわち、噴射される燃料の噴射量は、噴射パルス幅の長さに基づいて決定される。このマイクロコンピュータ120で決定された噴射パルス幅の指令は、インジェクタ170ごとに設けられたインジェクタドライバ140に入力される。燃料噴射制御装置110には、例えば自動車に搭載される電子制御ユニット(ECU:Electronic Control Unit)が使用される。燃料噴射制御装置110の詳細な構成については後述する。
インジェクタドライバ140は、マイクロコンピュータ120からの指令に基づいて駆動電流(「電流」と略称することがある。)の波形を決定し、上記噴射パルス幅に基づく時間だけインジェクタ170に上記波形の駆動電流を供給する。なお、インジェクタドライバ140は、マイクロコンピュータ120と一体の部品や基板として実装されている場合もある。
ここで、インジェクタ170及び燃料噴射制御装置110の構成と基本的な動作を説明する。
マイクロコンピュータ120は、エンジンの状態を示す信号を各種センサ(図示略)から取り込み、エンジンの運転条件に応じてインジェクタ170から噴射する噴射量を制御するための噴射パルス幅や噴射タイミングの演算を行う。また、マイクロコンピュータ120には、各種センサからの信号を取り込むためのA/D変換器とI/Oポートが備えられている。
マイクロコンピュータ120より出力された駆動パルス信号は、信号線111を通してインジェクタドライバ140に入力される。インジェクタドライバ140は、インジェクタ170のコイル171(図2参照)に印加する電圧を制御し、コイル171に電流を供給する。マイクロコンピュータ120は、通信ライン112を介してインジェクタドライバ140と通信を行っている。マイクロコンピュータ120は、通信ライン112を通じて、インジェクタ170に供給する燃料の圧力や運転条件によってインジェクタドライバ140で生成する駆動電流を切り替えることや、電流及び時間の設定値を変更することが可能である。
[燃料噴射制御装置の構成]
次に、本発明の一実施形態に係る燃料噴射システム100が備える燃料噴射制御装置110の構成について詳述する。
図2は、燃料噴射制御装置110の内部構成例を示したブロック図である。図2において、燃料噴射システム100は、燃料噴射制御装置110と、バッテリ電源180に接続されるインジェクタ170とから構成される。燃料噴射制御装置110は、インジェクタ170に供給する燃料噴射信号Si(駆動電流)を生成して出力する機能を備えている。
燃料噴射制御装置110は、マイクロコンピュータ120、ドライバ出力禁止装置130、インジェクタドライバ140、出力端子150、及びモニタ回路160を備える。
マイクロコンピュータ120は、インジェクタドライバ140に駆動パルス信号Spを送信するとともに、インジェクタドライバ140にインジェクタ170の駆動許可又は駆動禁止のいずれかの指令を送信する。また、マイクロコンピュータ120には、モニタ回路160から燃料噴射モニタ信号Smが入力される。マイクロコンピュータ120は、診断実行部121、燃料噴射制御部122、信号監視部123、及びメモリ124により構成される。
燃料噴射制御部122は、診断実行部121の指令に基づいて、インジェクタドライバ140に駆動パルス信号Spを送信してインジェクタドライバ140の動作を制御する。
信号監視部123は、モニタ回路160から入力される燃料噴射モニタ信号Smを監視(受信)し、その信号レベルを検出する。そして、信号監視部123は、燃料噴射モニタ信号Smの信号レベルの情報を診断実行部121へ送る。
診断実行部121は、外部から受信したイグニッションスイッチの状態を示すイグニッションスイッチ信号がON、且つエンジン回転数が0rpmのとき、燃料噴射カット機能を診断する機能を起動し、燃料噴射カット機能の診断を実行する。そして、診断実行部121は、信号監視部123から受信する燃料噴射モニタ信号Smの信号レベルに基づいて、ドライバ出力禁止装置130及びインジェクタドライバ140を制御する。本実施形態では、フェイルセーフ機能として燃料噴射カット機能を例に説明するが、本発明は、点火制御カット機能、スロットル固定開度設定機能など他のフェイルセーフ機能の診断にも適用可能である。
メモリ124は、RAM(Random Access Memory)等の揮発性のメモリ、又はROM(Read Only Memory)等の不揮発性のメモリである。メモリ124には、マイクロコンピュータが備えるプロセッサ(図示略)により実行される制御プログラムが記録されている。
また、メモリ124には、例えば、設定時間Ttf、第1の設定時間Ttr1、及び第2の設定時間Ttr2(後述する図10、図11参照)などの情報が記録されている。マイクロコンピュータ120の各ブロックの機能は、プロセッサがメモリ124の制御プロググラムを実行することにより実現される。このメモリ124には、半導体メモリ等を用いることができる。
ドライバ出力禁止装置130は、マイクロコンピュータ120からの指令に基づいて、インジェクタ170の駆動を許可する駆動許可設定又はアクチュエータ170の駆動を禁止する駆動禁止設定の信号(駆動許可/禁止信号Sf)をインジェクタドライバ140に送信する出力禁止演算部131を備える。通常、出力禁止演算部131は、エンジン始動後、駆動許可設定とされた駆動許可/禁止信号Sfを出力する。
インジェクタドライバ140は、駆動パルス信号Spに基づきインジェクタ170との間に設けられた出力端子150を介してインジェクタ170に燃料噴射信号Siを供給する。インジェクタドライバ140は、駆動制御部141と、駆動回路部142により構成される。
駆動制御部141は、論理積回路141aを有し、出力禁止演算部131から出力される駆動許可/禁止信号Sfを反転させた反転信号と、燃料噴射制御部122から出力される駆動パルス信号Spとの論理積をとった論理積信号を、駆動制御部141へ出力する。
論理積回路141aは、出力禁止演算部131からの駆動許可/禁止信号Sfが駆動禁止設定である場合には、燃料噴射制御部122からの駆動パルス信号Spがオンであっても論理積信号“0”を出力し、インジェクタ170の駆動を禁止する。
駆動回路部142は、駆動制御部141から出力される論理積信号に基づいて、燃料噴射信号Si(駆動電流)をコイル171(例えばソレノイド)に供給してインジェクタ170を駆動する。駆動回路部142は、例えばFETやバイポーラトランジスタなどのトランジスタ142a(スイッチング素子の一例)を含む回路により構成される。図2では、トランジスタ142aの一端はコイル171を介して高電圧のバッテリ電源180(高電圧電源)に接続し、トランジスタ142aの他端は接地電位に接続されている。また、トランジスタ142aのゲートには、論理積回路141aから論理積信号が入力される。論理積信号がONのとき、トランジスタ142aが通電(ON)する。
トランジスタ142aをONにすると、高電圧(例えば14V)のバッテリ電圧(第2の電圧)による駆動電流が、インジェクタ170のコイル171を介して接地電位側へ流れる。一方、トランジスタ142aをOFFにすると、バッテリ電圧による駆動電流によってキャパシタ163に電荷が蓄えられる(充電される)。インジェクタドライバ140は、駆動回路部142のトランジスタ142aのON/OFFを切り替え、コイル171に所望の駆動電流を供給する。
出力端子150は、燃料噴射制御装置110の出力端に設けられた計測点である。出力端子150は、インジェクタドライバ140が出力した燃料噴射信号Siをインジェクタ170へ供給する。
モニタ回路160(監視信号入力部の一例)は、インジェクタドライバ140とインジェクタ170との間に設けられた出力端子150(計測点)の電位に応じて得られる燃料噴射モニタ信号Sm(監視信号の一例)を、マイクロコンピュータ120の信号監視部123に入力するものである。モニタ回路160は、低電圧電源部161、ダイオード162、及びキャパシタ163により構成される。
低電圧電源部161は、バッテリ電源180のバッテリ電圧よりも低い電圧(第1の電圧)を供給するとともに、インジェクタ170とインジェクタドライバ140との間に流れる電流を、マイクロコンピュータ120に入力可能な電圧レベルに変換する。低電圧電源部161は、抵抗素子161a,161bを有し、抵抗素子161aと抵抗素子161bの接続中点は、ダイオード162を介して出力端子150と接続されている。ダイオード162は、抵抗素子161aと抵抗素子161bの接続中点と出力端子150との間に順方向に接続され、バッテリ電源180からインジェクタ170を介して低電圧電源部161へ流れ込む電流を遮断する。
また、キャパシタ163(容量素子の一例)は、出力端子150に接続されており、出力端子150を流れる電流を利用して電荷を蓄える。本実施形態のキャパシタ163は、高電圧電源(バッテリ電源180)からアクチュエータ(インジェクタ170)を介して駆動回路(インジェクタドライバ140)に供給される、低電圧電源部161の第1の電圧よりも高い第2の電圧(バッテリ電圧)によりキャパシタ163に充電を行う。または、キャパシタ163は、低電圧電源部161から供給される第1の電圧により充電を行う。そして、モニタ回路160は、キャパシタ163に蓄えられた電荷量に応じた信号を、燃料噴射モニタ信号Smとして信号監視部123へ入力する。
上記のように構成されたモニタ回路160は、駆動回路(インジェクタドライバ140)から駆動電流(燃料噴射信号Si)が供給されるときは容量素子(キャパシタ163)に充電を行わない。また、モニタ回路160は、駆動回路から駆動電流が供給されないとき且つ高電圧電源(バッテリ電源180)から第2の電圧(バッテリ電圧)が印加されるときは、第2の電圧により充電を行う。また、モニタ回路160は、駆動回路から駆動電流が供給されないとき且つ高電圧電源から第2の電圧が印加されないときは、低電圧電源部161の第1の電圧(低電圧)により充電を行う。このように、モニタ回路160は、上述した監視信号(燃料噴射モニタ信号Sm)を容量素子に蓄えられた電荷量に応じて得ることができる。
マイクロコンピュータ120の診断実行部121は、噴射燃料カット機能の診断結果が異常である場合には、エンジン始動禁止装置190へ駆動禁止信号を出力する。エンジン始動禁止装置190は、駆動禁止信号を受信すると、エンジンを始動させないようにする装置である。例えば、エンジン始動禁止装置190として、スタータモータの起動を禁止する信号を供給する手段や、燃料噴射制御装置110の出力端子150に燃料噴射信号Siの信号レベルがオフ(燃料噴射モニタ信号Smがハイ電圧レベル)となる信号を供給する手段などがある。
ところで、マイクロコンピュータ120は、燃料噴射モニタ信号Smを監視して噴射燃料カット機能に異常ありと判断した場合、噴射燃料カット機能の故障とインジェクタドライバ140とインジェクタ170間の配線異常とを区別できない課題が生じる。
その対策として、後述するように本実施形態では、駆動許可設定状態において、駆動パルス信号Spがハイ電圧レベルからロー電圧レベルになった時点から所定時間(第2の設定時間Ttr2)後までに燃料噴射モニタ信号Smの電圧が所定電圧値以上変化するかどうかを判定する構成を設けている。そして、燃料噴射モニタ信号Smの電圧が所定電圧値以上変化しない場合に、燃料噴射制御装置110のフェイルセーフ機能の故障と判定し、所定電圧値以上変化した場合に、インジェクタドライバ140とインジェクタ170とを接続する配線の異常と判定する。
なお、インジェクタドライバ140とインジェクタ170との間の配線には、インジェクタドライバ140の出力端から出力端子150までの信号線と、出力端子150からインジェクタ170までのワイヤーハーネス10がある。以降の説明において、断線異常として「ワイヤーハーネス10の断線異常」の例を挙げているが、インジェクタドライバ140の出力端から出力端子150までの信号線の断線異常を排除するものではない。
[燃料噴射カット機能の診断方法]
次に、本発明の一実施形態に係る燃料噴射制御装置110の燃料噴射カット機能が正常に動作しているかどうかを診断する具体的な診断方法について説明する。
図3は、燃料噴射制御装置110の燃料噴射カット機能の正常性を判定する処理の手順例を示すフローチャート(1)である。図4は、燃料噴射制御装置110の燃料噴射カット機能の正常性を判定する処理の手順例を示すフローチャート(2)である。図3では駆動禁止設定診断の手順を示し、図4では駆動許可設定診断の手順を示す。図3及び図4のフローチャートについて、図5~図11のタイミングチャート及び信号波形を参照しながら説明する。図3及び図4のフローチャートの処理ステップは、マイクロコンピュータ120が備えるプロセッサ(図示略)が、メモリ124に記録された制御プログラムを実行することにより実現される。
図5~図8は、燃料噴射制御部122からインジェクタドライバ140に入力される駆動パルス信号Spと、出力禁止演算部131からインジェクタドライバ140に入力される駆動許可/禁止信号Sfと、インジェクタドライバ140とインジェクタ170との間の燃料噴射信号Siを、マイクロコンピュータ120内の信号監視部123で監視したときの燃料噴射モニタ信号Smのタイミングを示している。この図5~図8は、駆動許可/禁止信号Sfのレベルを駆動禁止値(駆動禁止設定)にし、燃料噴射制御部122から駆動パルス信号Spを出力した状態と、駆動許可/禁止信号Sfのレベルを駆動許可値(駆動許可設定)にし、燃料噴射制御部122から駆動パルス信号Spを出力した状態とにおいて、燃料噴射モニタ信号Smの出力結果が正常な場合と異常な場合のケース例である。
≪ステップS1≫
本実施形態における燃料噴射制御装置110の燃料噴射カット機能の異常診断は、駆動禁止設定診断と駆動許可設定診断から構成される。まず、ステップS1~S5を参照して駆動禁止設定診断について説明する。
ステップS1において、マイクロコンピュータ120の診断実行部121は、外部から入力されるイグニッションスイッチ信号がONであり、且つエンジンの回転数が0rpmであるか否かを判定する。そして、診断実行部121は、イグニッション信号がON、且つエンジン回転数が0rpmである場合には(S1のYES)、燃料噴射カット機能を診断する機能(燃料噴射カット機能診断)を起動し、ステップS2に移行する。また、診断実行部121は、イグニッションスイッチ信号がONではない、又はエンジン回転数が0rpmではないと判定すると(S1のNO)、終了ステップに抜けて、イグニッションスイッチ信号がON、且つエンジン回転数が0rpmになるまで待機する。
エンジン回転数が0rpmであるとき、車両に搭載されたエンジンは停止中(エンジン始動前の状態)である。イグニッションスイッチ信号がONしてエンジンが始動するまでの僅かな期間に、図3及び図4に示す燃料噴射カット機能の異常診断が行われる。このとき、一般に、エンジンのみを搭載する車両の場合、パーキングブレーキがかかっているとともにシフトレバーはパーキング(P)又はニュートラル(N)の位置、ブレーキペダルは運転者によって踏み込まれた状態である。
なお、エンジンと電気モータの2つの動力によって走行する車両(いわゆるハイブリッド車)に搭載されたエンジンに対して本発明を適用することも可能である。例えばハイブリッド車の場合には、運転者がブレーキペダルを踏み込んだ状態でエンジンを始動可能状態にするボタンを押してエンジンをレディ状態とした後、一定時間(例えば10秒)が経過するか、アクセルペダルを踏み込むことによりエンジンが始動する。この一定時間の経過又はアクセルペダルの踏み込みが、イグニッションスイッチ信号がONするためのトリガとなる。
≪ステップS2≫
次に、ステップS2において、診断実行部121は、ドライバ出力禁止装置130の出力禁止演算部131からインジェクタドライバ140の駆動制御部141に対して、駆動許可/禁止信号Sfを駆動禁止値(駆動禁止設定)にして送るよう制御する。この状態で、マイクロコンピュータ120の燃料噴射制御部122からインジェクタドライバ140に駆動パルス信号Spが入力されても、駆動許可/禁止信号Sfが駆動禁止設定状態にセットされている。そのため、燃料噴射カット機能が正常であれば、インジェクタドライバ140から出力される燃料噴射信号Siはハイ電圧レベルのままで変化なく(図5参照)、インジェクタ170から燃料が噴射されることはない。出力禁止演算部131から駆動制御部141に対して駆動禁止値の駆動許可/禁止信号Sfが出力され、駆動制御部141を駆動禁止設定状態にセットすると、ステップS3に移行する。
≪ステップS3≫
次に、ステップS3において、診断実行部121は、燃料噴射制御部122から駆動制御部141に対して駆動パルス信号Spとして方形波(図9参照)を送るよう設定を行う。燃料噴射制御部122から駆動制御部141に対して駆動パルス信号Spが供給されると、ステップS4に移行する。ここで、図9を参照して駆動パルス信号Spについて説明する。
図9は、インジェクタドライバ140に与えられる駆動パルス信号Spの例を示す。図9において、駆動パルス信号Spの信号レベルが、Low(オフ)からHigh(オン)に切り替わった時刻t1から再びHighからLowに切り替わった時刻t2までの駆動設定期間Tidigが、インジェクタ170を駆動させる設定期間となる。インジェクタドライバ140の駆動回路部142の出力信号が、実際にインジェクタ170から燃料を噴射させるための燃料噴射信号Siとなり、駆動パルス信号Spを反転した信号となる。モニタ回路160は、インジェクタドライバ140から出力される燃料噴射信号Siに応じて、燃料噴射信号Siの信号レベルを監視信号(燃料噴射モニタ信号Sm)としてマイクロコンピュータ120の信号監視部123へ出力する。
図10は、インジェクタドライバ140に与えられる駆動パルス信号Spと、インジェクタ170に与えられる燃料噴射信号Siについてのモニタ信号の例を示す。図10において、燃料噴射モニタ信号Smの時刻t1の所定の設定時間Ttf後から時刻t2の第1の設定時間Ttr1後までの駆動期間Todig1が、インジェクタ170を駆動させる期間に相当する。すなわち、燃料噴射モニタ信号Smがロー電圧レベルのとき、燃料噴射が行われる。燃料噴射カット機能が正常な場合、駆動期間Todig1では、駆動パルス信号Siの波形変化から一定時間遅れて同じように燃料噴射モニタ信号Smの波形が変化する。これら設定時間Ttf及び第1の設定時間Ttr1は、信号監視部123の入力信号に対する応答速度に応じて決定される。
≪ステップS4≫
次に、ステップS4において、診断実行部121は、インジェクタドライバ140とインジェクタ170との間に流れる燃料噴射信号Siの監視信号である燃料噴射モニタ信号Smのロー電圧レベルを、信号監視部123で認識可能な設定時間Ttfを待つ(図10参照)。信号監視部123で燃料噴射モニタ信号Smのロー電圧レベルを認識可能な設定時間Ttfが経過したら、ステップS5に移行する。
≪ステップS5≫
次に、ステップS5において、診断実行部121は、ステップS3でインジェクタドライバ140の駆動制御部141に供給された駆動パルス信号Spが、出力禁止演算部131からの駆動許可/禁止信号Sf(駆動禁止値)によって出力禁止されているか(燃料噴射信号Siが出力されていないか)を判定する。具体的には、診断実行部121は、信号監視部123に入力された燃料噴射モニタ信号Smの電圧値が第1の閾値以下(例えばロー電圧レベル)となったかどうかを判定する。
図5は、燃料噴射カット機能の駆動禁止設定において異常が発生した場合のタイミングチャートである。図5では、駆動許可/禁止信号Sfが駆動禁止設定の状態において、燃料噴射モニタ信号Smの電圧値がロー電圧レベル(第1の閾値以下)に変化し、方形波が発生している。すなわち、燃料噴射モニタ信号Smの電圧が、駆動パルス信号Spがオフからオンに切り替わった時点の電圧値から所定幅W1以上変動している。この場合(S5のYES)、診断実行部121は、燃料噴射カット機能の駆動禁止設定が正常に機能していない、つまり燃料噴射制御装置110の燃料噴射カット機能(ドライバ出力禁止装置130又はインジェクタドライバ140)が異常であると判定する。そして、診断実行部121は、ステップS16(結合子B)に移行し、エンジンの始動を禁止して診断処理を終了する。
このように、駆動禁止設定診断では、診断実行部121は、出力禁止演算部131に対し駆動制御部141へ駆動禁止設定(駆動禁止値)の駆動許可/禁止信号Sfを送る指示をし、且つ燃料噴射制御部122に対し駆動制御部141へ駆動パルス信号Spを送る指示をする。その後、診断実行部121は、信号監視部123の燃料噴射モニタ信号Smでロー電圧レベルを認識可能な設定時間Ttfが経過するのを待つ。そして、設定時間Ttfの経過後にロー電圧レベルが検出された場合には、診断実行部121は、エンジンの始動を禁止する。
一方、ステップS5において、信号監視部123で燃料噴射モニタ信号Smのロー電圧レベルが検出されない場合には(S5のNO)、2つの可能性が考えられる。すなわち、燃料噴射カット機能の駆動禁止設定が正常に動作してロー電圧レベルを検出しなかった場合と、インジェクタ170や燃料噴射制御装置110を構成する制御部品の異常によって、燃料噴射モニタ信号Smにおいてロー電圧レベルを検出しなかった場合の両方の可能性である。このため、診断実行部121は、ステップS6(結合子A)に移行して、出力禁止演算部131へ駆動許可設定を指令し、燃料噴射モニタ信号Smに基づいて駆動パルス信号Spによる燃料噴射信号Siを監視する。そして、燃料噴射信号Siの出力が検出されれば、燃料噴射カット機能は正常であると判定し、燃料噴射信号Siの出力が検出されなければ、インジェクタ170や燃料噴射制御装置110を構成する制御部品の異常と判定することが可能となる。
≪ステップS6≫
次に、ステップS6~S16を参照して駆動許可設定診断について説明する。ステップS6以降の処理ステップにより、出力禁止演算部131において駆動許可/禁止信号Sfを駆動許可値に設定し、燃料噴射制御部122から駆動パルス信号Spを出力し、燃料噴射信号Siが出力されるかを監視することで、燃料噴射カット機能の駆動許可設定状態の正常性を確認する。
ステップS6において、診断実行部121は、ドライバ出力禁止装置130の出力禁止演算部131からインジェクタドライバ140の駆動制御部141に対して、駆動許可/禁止信号Sfを駆動許可値(駆動許可設定)にして送るよう制御する。駆動制御部141を駆動許可設定状態にセットすると、ステップS7に移行する。
≪ステップS7≫
次に、ステップS7において、診断実行部121はステップS3と同様に、燃料噴射制御部122から駆動制御部141に対して駆動パルス信号Spとして方形波(図9参照)を送るよう設定を行う。燃料噴射制御部122から駆動制御部141に対して駆動パルス信号Spが出力されると、ステップS8に移行する。
≪ステップS8≫
次に、ステップS8において、診断実行部121は、燃料噴射モニタ信号Smのロー電圧レベルを、信号監視部123で認識可能な設定時間Ttfを待つ(図10参照)。信号監視部123で燃料噴射モニタ信号Smのロー電圧レベルを認識可能な時間Ttf経過したら、ステップS9に移行する。
≪ステップS9≫
次に、ステップS9において、診断実行部121は、ステップS7でインジェクタドライバ140の駆動制御部141に供給された駆動パルス信号Spが、出力禁止演算部131からの駆動許可/禁止信号Sfによって出力禁止されずに出力許可されているか(燃料噴射信号Siが出力されたか)を判定する。具体的には、診断実行部121は、信号監視部123に入力された燃料噴射モニタ信号Smの電圧値が第1の閾値以下(例えばロー電圧レベル)となったかどうかを判定する。
図6は、燃料噴射カット機能の駆動禁止設定が正常に機能し、燃料噴射カット機能の駆動許可設定において異常が発生した場合のタイミングチャートである。図6では、駆動許可/禁止信号Sfが駆動許可設定の状態において、燃料噴射モニタ信号Smの電圧値がロー電圧レベル(第1の閾値以下)に変化していない。この場合(S9のNO)、診断実行部121は、燃料噴射カット機能の駆動許可設定が正常に機能していない、つまりインジェクタ170や燃料噴射制御装置110を構成する制御部品の異常によって電圧値が第1の閾値以下とならなかったと判定する。そして、診断実行部121は、ステップS16に移行し、エンジンの始動を禁止して診断処理を終了する。
図7は、燃料噴射カット機能の駆動禁止設定及び駆動許可設定が正常に機能した場合のタイミングチャートである。図7では、駆動許可/禁止信号Sfが駆動許可設定の状態において、燃料噴射モニタ信号Smの電圧値がロー電圧レベル(第1の閾値以下)に変化し、方形波が発生している。この場合(S9のYES)、燃料噴射カット機能の駆動許可設定が正常に機能しているか、燃料噴射制御装置110とインジェクタ170を接続するワイヤーハーネス10の断線異常か、インジェクタドライバ140の故障の可能性がある。信号監視部123で燃料噴射モニタ信号Smの電圧値が第1の閾値以下となったら、ステップS10に移行する。
≪ステップS10≫
次に、ステップS10において、診断実行部121は、信号監視部123で正常時に燃料噴射モニタ信号Smのハイ電圧レベルを認識可能な第1の設定時間Ttr1(図10参照)を待つ。そして、第1の設定時間Ttr1が経過したら、ステップS11に移行する。
燃料噴射モニタ信号Siにおいて駆動パルス信号Spの出力波形(方形波)に対応してハイ電圧レベルが検出されれば、燃料噴射カット機能は正常であると判定し診断処理を終了する。一方、燃料噴射モニタ信号Siにおいて駆動パルス信号Spの出力波形に対応してハイ電圧レベルが検出されなければ、燃料噴射制御装置110とインジェクタ170を接続するワイヤーハーネス10の断線異常か、インジェクタドライバ140の故障と判定することが可能となる。
≪ステップS11≫
次に、ステップS11において、診断実行部121は、ステップS7でインジェクタドライバ140の駆動制御部141に供給された駆動パルス信号Spが、出力禁止演算部131からの駆動許可/禁止信号Sf(駆動許可値)によって出力許可されているか(燃料噴射信号Siが出力されたか)を判定する。具体的には、診断実行部121は、信号監視部123に入力された燃料噴射モニタ信号Smの電圧値が第2の閾値以上(例えばハイ電圧レベル)となったかどうかを判定する。
ここで、診断実行部121は、信号監視部123で燃料噴射モニタ信号Smの電圧値が第2の閾値以上になったことが検出された場合には(S11のYES)、ステップS14に移行する。この場合、診断実行部121は、駆動許可設定状態において、駆動パルス信号Spの方形波入力に対する燃料噴射モニタ信号Smの方形波出力が検出できている。一方、診断実行部121は、信号監視部123で燃料噴射モニタ信号Smの電圧値が第2の閾値以上になったことが検出されなかった場合には(S11のNO)、ワイヤーハーネス10の断線、又は燃料噴射制御装置110内のインジェクタドライバ140等の故障の可能性があるため、ステップS12に移行する。
図11は、ワイヤーハーネス10の断線時にインジェクタドライバ140に与えられる駆動パルス信号Spと、ワイヤーハーネス10の断線時にインジェクタに与えられる燃料噴射モニタ信号Smの例を示す。ワイヤーハーネス10の断線時は、図11に示すように駆動パルス信号Spがハイ電圧レベルからロー電圧レベルに変化した時点(時刻t2)から、燃料噴射モニタ信号Smがロー電圧レベルからハイ電圧レベルになるまでの時間(第2の設定時間Ttr2)が、図10の正常時の時間(第1の設定時間Ttr1)よりも長くなる。燃料噴射モニタ信号Smの電圧は、駆動パルス信号Spがオンからオフに切り替わった時点の電圧値から所定幅W1以上変動している。
信号監視部123で、正常時よりも燃料噴射モニタ信号Smのハイ電圧レベルの認識時間が長くなるのは、キャパシタ163を充電する電源が、バッテリ電源180から低電圧電源部161に切り替わるからである。すなわち、正常時には、燃料噴射信号Siがオフしたときに、バッテリ電源180の高電圧(例えば14V)によりキャパシタ163を充電して燃料噴射モニタ信号Smのハイ電圧レベルを出力する。しかし、ワイヤーハーネス10の断線時には、モニタ回路160が備える低電圧電源部161の低電圧(例えば3V)でキャパシタ163を充電してハイ電圧レベルを出力することになる。
診断実行部121は、駆動許可設定診断の際に、駆動パルス信号Spがロー電圧レベルになった後に燃料噴射モニタ信号Smが第2の設定時間Ttr2経過後に変化した場合には、ワイヤーハーネス10の断線(駆動電圧が遅れて立ち上がった)が生じたものと判定する。一方で、診断実行部121は、第2の設定時間Ttr2の経過後も燃料噴射モニタ信号Smが変化しない場合には、燃料噴射制御装置110の異常(駆動電圧が立ち上がらない)が生じたものと判定することができる。
よって、ワイヤーハーネス10の断線か燃料噴射制御装置110の異常(ドライバ出力禁止装置130やインジェクタドライバ140等の故障)のいずれであるかは、ワイヤーハーネス断線時にハイ電圧レベルが認識できる第2の設定時間Ttr2(図11参照)が経過後、信号監視部123に入力される燃料噴射モニタ信号Smを監視することにより判定できる。
図8は、燃料噴射カット機能の駆動禁止設定が正常に機能し、燃料噴射カット機能の駆動許可設定においてワイヤーハーネス10の断線か燃料噴射制御装置110の異常かを判別する際のタイミングチャートである。
図8に示すように、駆動許可設定状態において、駆動パルス信号Spがロー電圧レベルに切り替わった時刻t2から第2の設定時間Ttr2が経過後、燃料噴射モニタ信号Smの電圧値が第2の閾値以上となることを確認できれば燃料噴射制御装置110は正常(ワイヤーハーネス10の断線)、その電圧値に変化がなければ燃料噴射制御装置110の異常と判定することができる。
≪ステップS12≫
次に、ステップS12において、燃料噴射モニタ信号Smの電圧値が第2の閾値以上になったことが検出されなかった場合には(S11のNO)、診断実行部121は、信号監視部123でワイヤーハーネス断線時に燃料噴射モニタ信号Smのハイ電圧レベルを認識可能な第2の設定時間Ttr2(図11参照)を待つ。そして、第2の設定時間Ttr2が経過したら、ステップS13に移行する。
≪ステップS13≫
次に、ステップS13において、診断実行部121は、信号監視部123で燃料噴射モニタ信号Smの電圧値が第2の閾値以上になったことが検出されたどうかを判定する。
ここで、診断実行部121は、信号監視部123で燃料噴射モニタ信号Smの電圧値が第2の閾値以上になったことが検出された場合には(S13のYES)、ステップS15に移行する。一方、診断実行部121は、信号監視部123で燃料噴射モニタ信号Smの電圧値が第2の閾値以上になったことが検出されなかった場合には(S13のNO)、ステップS16に移行する。
≪ステップS14≫
次に、ステップS14において、燃料噴射モニタ信号Smの電圧値が第2の閾値以上になったことが検出された場合には(S11のYES)、診断実行部121は、駆動許可設定状態における燃料噴射カット機能は正常であると判定してエンジンの始動を許可する。これにより、不図示のスタータモータの起動によるエンジン始動が開始される。このステップS14の処理が終了後、診断処理を終了する。
このように、本実施形態では、マイクロコンピュータ120は、燃料噴射カット機能の駆動禁止設定状態の診断において正常であることを確認したときに(S5のNOに対応)、駆動許可設定状態の診断に移行する機能を備えている。
また、マイクロコンピュータ120は、駆動許可設定状態において、インジェクタドライバ140に駆動パルス信号Spの方形波を送ると共に、燃料噴射モニタ信号Smで方形波出力を検出(S9のYES,S11のYESに対応)した場合には、エンジンの始動を許可する機能を備えている。
≪ステップS15≫
次に、ステップS15において、燃料噴射モニタ信号Smの電圧値が第2の閾値以上になったことが検出された場合には(S13のYES)、診断実行部121は、ワイヤーハーネス10に断線があると判定し、エンジンの始動を許可する。これにより、不図示のスタータモータの起動によるエンジン始動が開始される。このステップS15の処理が終了後、診断処理を終了する。
このように、本実施形態では、マイクロコンピュータ120は、駆動禁止設定診断において正常であることを確認したときに(S5のNOに対応)、駆動許可設定診断に移行する機能を備えている。
また、マイクロコンピュータ120は、駆動許可設定診断において、インジェクタドライバ140に駆動パルス信号Spの方形波を送ると共に、燃料噴射モニタ信号Smの電圧値が第1の閾値以下となることを確認後(S9のYESに対応)、正常時の燃料噴射モニタ信号Smのハイ電圧レベル認識時間(第1の設定時間Ttr1)を待ち、燃料噴射モニタ信号Smの電圧値が第1の閾値以上であることを検出する機能を備える。また、燃料噴射モニタ信号Smの電圧値が第1の閾値以上であることを検出できないとき(S11のNOに対応)、ワイヤーハーネス断線時の燃料噴射モニタ信号Smのハイ電圧レベル認識時間(第2の設定時間Ttr2)を待った後、燃料噴射モニタ信号Smの電圧値が第2の値以上であることを検出した場合に(S13のYESに対応)、エンジンの始動を許可する機能を備えている。
≪ステップS16≫
次に、ステップS16において、燃料噴射モニタ信号Smの電圧値が第2の閾値以上になったことが検出されなかった場合には(S13のNO)、診断実行部121は、燃料噴射制御装置110に異常があると判定し、エンジンの始動を禁止する。これにより、不図示のスタータモータの起動によるエンジン始動が禁止される。このステップS16の処理が終了後、診断処理を終了する。
このように、本実施形態では、マイクロコンピュータ120は、駆動禁止設定診断において、燃料噴射モニタ信号Smで電圧値が第1の閾値以下となったことを検出した場合に(S5のYESに対応)、エンジンの始動を禁止する機能を備えている。
また、マイクロコンピュータ120は、駆動禁止設定診断において正常であることを確認したときに(S5のNOに対応)、駆動許可設定診断に移行する機能を備えている。
また、マイクロコンピュータ120は、駆動許可設定診断において、インジェクタドライバ140に駆動パルス信号Spの方形波を送ると共に、燃料噴射モニタ信号Smの電圧値が第1の閾値以下となったことを確認できない場合に(S9のNOに対応)、燃料噴射制御装置110の異常であると判断し、エンジンの始動を禁止する機能を備えている。
さらに、マイクロコンピュータ120は、駆動許可設定診断において、インジェクタドライバ140に駆動パルス信号Spの方形波を送ると共に、燃料噴射モニタ信号Smの電圧値が第1の閾値以下となることを確認後(S9のYESに対応)、正常時の燃料噴射モニタ信号Smのハイ電圧レベル認識時間(第1の設定時間Ttr1)を待ち、燃料噴射モニタ信号Smの電圧値が第1の閾値以上であることを検出する機能を備える。また、燃料噴射モニタ信号Smの電圧値が第1の閾値以上であることを検出できないとき(S11のNOに対応)、ワイヤーハーネス断線時の燃料噴射モニタ信号Smのハイ電圧レベル認識時間(第2の設定時間Ttr2)を待った後、燃料噴射モニタ信号Smの電圧値が第2の値以上であることを検出できない場合に(S13のNOに対応)、燃料噴射制御装置110の異常であると判断し、エンジンの始動を禁止する機能を備えている。
上述したように、本実施形態のアクチュエータ(インジェクタ170)を制御する制御装置(燃料噴射制御装置110)は、駆動パルス信号Spに基づきアクチュエータに駆動電流(燃料噴射信号Si)を供給する駆動回路(インジェクタドライバ140)と、駆動パルス信号Spを送信して駆動回路の動作を制御する制御部(マイクロコンピュータ120)と、制御部からの指令に基づいて、アクチュエータの駆動を許可する駆動許可設定又はアクチュエータの駆動を禁止する駆動禁止設定の信号を駆動回路に送信する駆動回路出力設定部(ドライバ出力禁止装置130)と、を備える。さらに、制御装置は、駆動回路とアクチュエータとの間(例えば出力端子150)の電位に応じて得られる監視信号(燃料噴射モニタ信号Sm)を制御部に入力する監視信号入力部(モニタ回路160)を備える。
上記制御部は、燃料噴射カット機能の指令を駆動許可設定とするとともに、駆動パルス信号Spをオン(ハイ状態)からオフ(ロー状態)に切り替えて、駆動パルス信号Spがオフに切り替わってから経過した時間(第1の設定時間Ttr1又は第2の設定時間Ttr2)と監視信号の状態に基づいて駆動許可設定状態における異常診断を行うように構成されている。
上記制御部は、駆動パルス信号Spがオンからオフに切り替わってから当該制御部の応答性能に基づく第1の設定時間Ttr1が経過するまでに、監視信号(燃料噴射モニタ信号Sm)の電圧に、駆動パルス信号Spがオフに切り替わった時点の電圧値から所定幅W1以上の変動がない場合には、駆動許可設定状態において異常ありと判断する。
これにより、本実施形態は、駆動許可設定診断において、駆動回路(インジェクタドライバ140)とアクチュエータ(インジェクタ170)との間の電位に応じて得られる監視信号を用いて、駆動パルス信号Spがオンからオフに切り替わった場合におけるアクチュエータの駆動機能を診断できる。そのため、駆動回路が故障した場合でも、駆動許可設定状態における異常診断の実施が可能となる。また、本実施形態では、駆動許可設定診断において、駆動パルス信号Spがオンからオフに切り替わったにも関わらず、アクチュエータへの駆動電流がオフに切り替わらない異常を検出することができる。
以上のとおり、本実施形態の制御装置(燃料噴射制御装置110)は、駆動パルス信号Spがオン(ハイ状態)からオフ(ロー状態)に切り替わってから第1の設定時間Ttr1よりも長い第2の設定時間Ttr2が経過した後に、監視信号(燃料噴射モニタ信号Sm)の電圧が、駆動パルス信号Spがオフに切り替わった時点の電圧値から所定幅W1(図5及び図8参照)以上変動した場合には、駆動回路(インジェクタドライバ140)とアクチュエータ(インジェクタ170)を接続する配線(例えばワイヤーハーネス10)が断線していると判断する制御部(マイクロコンピュータ120)を備える。
これにより、本実施形態は、制御部の応答性能に基づく第1の設定時間Ttr1よりも長い第2の設定時間Ttr2が経過後の監視信号の状態に基づいて、駆動電流がオフに切り替わらない事象の原因を判別することが可能である。例えば、第2の設定時間Ttr2が経過した後に、監視信号の電圧が、駆動パルス信号Spがオフに切り替わった時点の電圧値から所定幅W1以上変動した場合には、駆動回路とアクチュエータを接続する配線(例えばワイヤーハーネス10)が断線していると判断できる。
なお、所定幅W1は、燃料噴射モニタ信号Smの電圧がハイからローに切り替わる場合と、燃料噴射モニタ信号Smの電圧がローからハイに切り替わる場合とで、異ならせてもよい。
また、制御部(マイクロコンピュータ120)は、アクチュエータ(インジェクタ170)が設置されている内燃機関(エンジン)の始動前に異常診断(駆動許可設定診断)を実施し、駆動パルス信号Spがオンからオフに切り替わってから第2の設定時間Ttr2が経過した後に、監視信号(燃料噴射モニタ信号Sm)の電圧が、駆動パルス信号Spがオフに切り替わった時点(時刻t2)の電圧値から所定幅W1以上変動した場合には、内燃機関の始動を許可する。
このように、内燃機関の始動前の異常診断(駆動許可設定診断)を実施し、第2の設定時間Ttr2が経過した後に、監視信号の電圧が、駆動パルス信号Spがオフに切り替わった時点の電圧値から所定幅W1以上変動した場合には、内燃機関の始動を許可することができる。すなわち、エンジン始動よりも前にフェイルセーフ機能が異常かどうかを判別でき、かつ制御装置の異常と切り分けができるため、それぞれの異常ごとに適切な処置を実施できる。
上記のように、駆動回路とアクチュエータ間の配線異常の場合には、駆動許可設定状態のフェイルセーフ機能には問題がないため、内燃機関の始動を許可する。例えば、図1に示すエンジンの燃料噴射システム100において、ワイヤーハーネス10の断線により1個のインジェクタ170Aが使用できなくても、残り3個のインジェクタ170B~170Dを駆動させ3個の気筒108を用いてエンジンを始動する処置をとることができる。
以上のとおり、本実施形態の制御装置(燃料噴射制御装置110)は、駆動パルス信号Spがオン(ハイ状態)からオフ(ロー状態)に切り替わってから第1の設定時間Ttr1よりも長い第2の設定時間Ttr2が経過しても、監視信号(燃料噴射モニタ信号Sm)の電圧が、駆動パルス信号Spがオフに切り替わった時点の電圧値から所定幅W1以上(図5及び図8参照)変動しない場合には、制御装置(燃料噴射制御装置110)に異常があると判断する制御部(マイクロコンピュータ120)を備える。
これにより、本実施形態は、制御部の応答性能に基づく第1の設定時間Ttr1よりも長い第2の設定時間Ttr2が経過後の監視信号の状態に基づいて、駆動電流がオフに切り替わらない事象の原因を判別することが可能である。例えば、第2の設定時間Ttr2が経過した後に、監視信号の電圧が、駆動パルス信号Spがオフに切り替わった時点の電圧値から所定幅W1以上変動しない場合には、制御装置に異常があると判断できる。
また、制御部(マイクロコンピュータ120)は、アクチュエータ(インジェクタ170)が設置されている内燃機関(エンジン)の始動前に異常診断(駆動許可設定診断)を実施し、駆動パルス信号Spがオンからオフに切り替わってから第2の設定時間Ttr2が経過しても、監視信号(燃料噴射モニタ信号Sm)の電圧が、駆動パルス信号Spがオフに切り替わった時点(時刻t2)の電圧値から所定幅W1以上変動しない場合には、内燃機関の始動を禁止する。
このように、内燃機関の始動前に異常診断(駆動許可設定診断)を実施し、第2の設定時間Ttr2が経過した後に、監視信号の電圧が、駆動パルス信号Spがオフに切り替わった時点の電圧値から所定幅W1以上変動しない場合には、制御装置に異常があると判断できる。すなわち、エンジン始動よりも前にフェイルセーフ機能が異常かどうかを判別でき、かつ制御装置の異常と切り分けができるため、それぞれの異常ごとに適切な処置を実施できる。例えば、燃料噴射カット機能(燃料噴射制御装置110)の故障時はフェイルセーフが無く安全を担保できないため、エンジンを始動させない処置をとる。
また、本実施形態では、制御部(マイクロコンピュータ120)は、駆動回路出力設定部(ドライバ出力禁止装置130)に出力する指令を駆動禁止設定とするとともに、駆動パルス信号Spをオンにして、駆動禁止設定状態における異常診断を行うことが可能に構成されており、内燃機関の始動前に、当該駆動禁止設定状態における異常診断と、駆動許可設定状態における異常診断とを実施する。
これにより、本実施形態では、フェイルセーフ機能の駆動禁止設定診断と駆動禁止設定の両方を実施できる。
また、制御部(マイクロコンピュータ120)は、駆動禁止設定状態における異常診断を実施し、駆動禁止設定状態における異常診断において異常が検知されなかった場合に(S5のNO)、駆動許可設定状態における異常診断を実施する。
これにより、駆動禁止設定診断を先に実施してフェイルセーフ機能の駆動禁止機能に異常がないことを確認することにより、アクチュエータを確実に駆動禁止できる前提で、駆動許可診断を行うことができるため、フェイルセーフの概念にかなっている。
また、制御部(マイクロコンピュータ120)は、制御装置(燃料噴射制御装置110)に異常があると判断した場合には、駆動回路出力設定部(ドライバ出力禁止装置131)から駆動禁止設定の信号(駆動許可/禁止信号Sf)を出力させる指令を出力する。これにより、駆動パルス信号Spをオンの場合でも、内燃機関(エンジン)の始動を禁止することができる。
また、制御部は、制御装置に異常があると判断した場合には、駆動回路(インジェクタドライバ140)に送信する駆動パルス信号Spをオン状態にしない。これにより、確実に内燃機関の始動を禁止することができる。
また、制御部は、制御装置に異常があると判断した場合には、内燃機関の始動を禁止する駆動禁止装置(エンジン始動禁止装置190)へ内燃機関の始動を禁止するための始動禁止信号を出力する。これにより、駆動回路出力設定部(ドライバ出力禁止装置131)が故障している場合でも、制御装置以外の手段により内燃機関の始動を禁止することができる。
さらに、本発明は上述した一実施形態に限られるものではなく、特許請求の範囲に記載した本発明の要旨を逸脱しない限りにおいて、その他種々の応用例、変形例を取り得ることは勿論である。
例えば、上述した一実施形態は本発明を分かりやすく説明するために燃料噴射制御装置110の構成を詳細かつ具体的に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成要素を備えるものに限定されない。また、一実施形態の構成の一部について、他の構成要素の追加、削除、置換をすることも可能である。また、上記の各構成、機能、処理部等は、それらの一部又は全部を、例えば集積回路で設計するなどによりハードウェアで実現してもよい。
また、モニタ回路160の時定数を短くしたり(例えばキャパシタ163の容量を小さくする)、停電圧電源部161の電源電圧(図2では3V)をより高い電圧にしたりすることで、キャパシタ163の充電速度を速くしてもよい。これにより、駆動パルス信号Spがハイ電圧レベルからロー電圧レベルに切り替わった時点から、燃料噴射モニタ信号Smがロー電圧レベルからハイ電圧レベルに変化するまでの時間(図11の第2の設定時間Ttr2)を短縮できる。それゆえ、フェイルセーフ機能の診断時間を短縮し、診断開始からアクチュエータを駆動するまでの時間を短縮できる。
100…燃料噴射システム、 110…燃料噴射制御装置、 120…マイクロコンピュータ、 121…診断実行部、 122…燃料噴射制御部、 123…信号監視部、 130…ドライバ出力禁止装置、 131…出力禁止演算部、 140…インジェクタドライバ、 141…駆動制御部、 142…駆動回路部、 150…出力端子、 160…モニタ回路、 161…低電圧電源部、 162…ダイオード、 163…キャパシタ、 170…インジェクタ、 171…コイル、 180…バッテリ電源

Claims (15)

  1. 駆動パルス信号に基づきアクチュエータに駆動電流を供給する駆動回路と、前記駆動パルス信号を送信して前記駆動回路の動作を制御する駆動回路動作制御部と、異常診断を実行する診断実行部と、前記診断実行部からの指令に基づいて、前記アクチュエータの駆動を許可する駆動許可設定又は前記アクチュエータの駆動を禁止する駆動禁止設定の信号を前記駆動回路に送信する駆動回路出力設定部と、を備えたアクチュエータを制御する制御装置であって、
    前記駆動回路と前記アクチュエータとの間の電位に応じた監視信号を得る監視信号入力部と、
    前記監視信号入力部から入力される前記監視信号の電圧を検出する信号監視部と、を備え、
    前記診断実行部は、前記駆動回路出力設定部に前記駆動許可設定の信号を送信させる指令を出力し、かつ、前記駆動回路動作制御部に対し前記駆動パルス信号をオンからオフに切り替えさせて、前記駆動パルス信号がオフに切り替わってから、前記駆動回路と前記アクチュエータを接続する配線が断線している場合において前記監視信号が前記駆動パルス信号がオンした時点における第1の電圧レベルに達したことを認識可能となる第2の設定時間が経過した後の前記監視信号の電圧を判定し、前記監視信号の電圧が前記第1の電圧レベルである場合は前記駆動回路と前記アクチュエータを接続する配線の異常を検出し、前記監視信号の電圧が前記駆動パルス信号をオフに切り替えた時点における第2の電圧レベルである場合には前記駆動回路の異常を検出する
    アクチュエータを制御する制御装置。
  2. 前記診断実行部は、前記駆動パルス信号がオンからオフに切り替わってから、前記信号監視部の応答性能に基づく第1の設定時間よりも長い前記第2の設定時間が経過した後の前記監視信号の電圧を判定する
    請求項1に記載のアクチュエータを制御する制御装置。
  3. 前記診断実行部は、前記駆動パルス信号がオンからオフに切り替わってから前記第1の設定時間が経過するまでに、前記監視信号の電圧に、前記駆動パルス信号がオフに切り替わった時点の電圧値から所定幅以上の変動がない場合には、駆動許可設定状態において異常ありと判断する
    請求項2に記載のアクチュエータを制御する制御装置。
  4. 前記診断実行部は、前記駆動パルス信号がオンからオフに切り替わってから前記第2の設定時間が経過した後に、前記監視信号の電圧が、前記駆動パルス信号がオフに切り替わった時点の電圧値から所定幅以上変動した場合には、前記駆動回路と前記アクチュエータを接続する配線が断線していると判断する
    請求項3に記載のアクチュエータを制御する制御装置。
  5. 前記診断実行部は、前記駆動パルス信号がオンからオフに切り替わってから前記第1の設定時間よりも長い第2の設定時間が経過しても、前記監視信号の電圧が、前記駆動パルス信号がオフに切り替わった時点の電圧値から所定幅以上変動しない場合には、前記駆動回路に異常があると判断する
    請求項3に記載のアクチュエータを制御する制御装置。
  6. 内燃機関に複数の前記アクチュエータが設置されており、
    前記診断実行部は、前記内燃機関の始動前に前記異常診断を実施し、前記駆動パルス信号がオンからオフに切り替わってから前記第2の設定時間が経過した後に、前記監視信号の電圧が、前記駆動パルス信号がオフに切り替わった時点の電圧値から所定幅以上変動した場合には、前記内燃機関の始動を許可する
    請求項4に記載のアクチュエータを制御する制御装置。
  7. 内燃機関に複数の前記アクチュエータが設置されており、
    前記診断実行部は、前記内燃機関の始動前に前記異常診断を実施し、前記駆動パルス信号がオンからオフに切り替わってから前記第2の設定時間が経過しても、前記監視信号の電圧が、前記駆動パルス信号がオフに切り替わった時点の電圧値から所定幅以上変動しない場合には、前記内燃機関の始動を禁止する
    請求項5に記載のアクチュエータを制御する制御装置。
  8. 前記監視信号入力部は、
    第1の電圧を供給する低電圧電源部と、
    高電圧電源から前記アクチュエータを介して前記駆動回路に供給される、前記第1の電圧よりも高い第2の電圧により充電を行う、又は、前記低電圧電源部から供給される前記第1の電圧により充電を行う、前記駆動回路と前記アクチュエータとの間に接続された容量素子と、を備える
    請求項1乃至7のいずれか一項に記載のアクチュエータを制御する制御装置。
  9. 前記監視信号入力部は、前記駆動回路から前記駆動電流が供給されるときは前記容量素子に充電を行わず、前記駆動回路から前記駆動電流が供給されないとき且つ前記高電圧電源から前記第2の電圧が印加されるときは、前記第2の電圧により充電を行い、前記駆動回路から前記駆動電流が供給されないとき且つ前記高電圧電源から前記第2の電圧が印加されないときは、前記低電圧電源部の前記第1の電圧により充電を行い、前記監視信号を前記容量素子に蓄えられた電荷量に応じて得るように構成されている
    請求項8に記載のアクチュエータを制御する制御装置。
  10. 前記診断実行部は、前記駆動回路出力設定部に前記駆動禁止設定の信号を送信させる指令を出力し、また、前記駆動回路動作制御部に対し前記駆動パルス信号をオンにさせて、駆動禁止設定状態における異常診断を行うことが可能に構成されており、前記内燃機関の始動前に、当該駆動禁止設定状態における異常診断と、前記駆動許可設定状態における異常診断とを実施する
    請求項6又は7に記載のアクチュエータを制御する制御装置。
  11. 前記診断実行部は、前記駆動禁止設定状態における異常診断を実施し、前記駆動禁止設定状態における異常診断において異常が検知されなかった場合に、前記駆動許可設定状態における異常診断を実施する
    請求項10に記載のアクチュエータを制御する制御装置。
  12. 前記診断実行部は、前記駆動回路に異常があると判断した場合には、前記駆動回路出力設定部から前記駆動禁止設定の信号を送信させる指令を出力する
    請求項7に記載のアクチュエータを制御する制御装置。
  13. 前記診断実行部が前記駆動回路に異常があると判断した場合には、前記駆動回路動作制御部は、前記駆動回路に送信する前記駆動パルス信号をオン状態にしない
    請求項7に記載のアクチュエータを制御する制御装置。
  14. 前記診断実行部は、前記駆動回路に異常があると判断した場合には、前記内燃機関の始動を禁止する始動禁止装置へ前記内燃機関の始動を禁止するための始動禁止信号を出力する
    請求項7に記載のアクチュエータを制御する制御装置。
  15. 前記アクチュエータは、内燃機関の燃焼室に燃料を供給する燃料噴射弁であり、
    前記駆動回路は、前記燃料噴射弁を駆動させるためのコイルに前記駆動電流を供給する
    請求項1に記載のアクチュエータを制御する制御装置。
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