JP7263179B2 - 染料分散液及び疎水性繊維の捺染方法 - Google Patents
染料分散液及び疎水性繊維の捺染方法 Download PDFInfo
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(1)プリント工程:インクジェットプリンタにより染料インクを中間記録媒体に付与する工程、
(2)転写工程:熱処理により染料を中間記録媒体から繊維中に転写・染着させる工程、
の2工程が含まれ、市販の転写紙が広く使用できる為、繊維の前処理は必要とせず、また洗浄工程も省略されている。
1)
下記式(1)で表される化合物を含むブラック分散液組成物。
2)
上記式(1)におけるR4が塩素原子または臭素原子である、1)に記載のブラック分散液組成物。
3)
上記式(1)におけるR1が水素原子、R2、R3がそれぞれ独立に、C1~C4アルコキシ基で置換されても良いC1~C4アルキル基、R4が塩素原子である、1)に記載のブラック分散液組成物。
4)
分散剤を含む3)に記載のブラック分散液組成物。
5)
さらに水溶性有機溶剤を含む4)に記載のブラック分散液組成物。
6)
イエロー染料を1種と、アセトンに溶解した溶液の紫外可視分光吸収において、620nm以上700nm未満の波長域に極大吸収波長を有するブルー染料を1種と、アセトンに溶解した溶液の紫外可視分光吸収において、550nm以上620nm未満の波長域に極大吸収波長を有するブルー染料を1種と、をさらに含む1)~5)のいずれか一項に記載のブラック分散液組成物。
7)
1)~6)のいずれ一項に記載のブラック分散液組成物が付着した記録メディア。
8)
上記記録メディアが繊維である、7)に記載の記録メディア。
9)
上記繊維が、疎水性繊維である8)に記載の記録メディア。
10)
上記疎水性繊維が、ポリエステル又はポリエステルを含有する混紡繊維である、9)に記載の記録メディア。
上記イエロー系染料としては、一般的にイエロー系の色相を有する染料であれば特に限定はないが、水不溶性イエロー系染料であることが好ましく、水不溶性イエロー系染料のなかでも、分散染料系イエロー系染料または油溶性染料系イエロー系染料であることがさらに好ましく、C.I.ディスパースイエロー系染料、C.I.ソルベントイエロー系染料であることがより好ましい。C.I.ディスパースイエロー系染料としては、例えば、C.I.ディスパースイエロー 3、7、8、23、39、51、54、60、64、71、79、82、86等が挙げられる。C.I.ソルベントイエロー系染料としては、例えば、C.I.ソルベントイエロー 114、163等が挙げられる。これら染料は単独あるいは複数を組み合わせて用いることが可能である。上記イエロー系染料としては、C.I.ディスパースイエロー 7、54、C.I.ソルベントイエロー 114を用いることが好ましく、C.I.ディスパースイエロー 54を用いることが特に好ましい。
上記ブルー系染料としては、一般的にブルー系の色相を有する染料であれば特に限定はないが、水不溶性ブルー系染料であることが好ましく、水不溶性ブルー系染料のなかでも、分散染料系ブルー系染料または油溶性染料系ブルー系染料であることがさらに好ましく、C.I.ディスパースブルー系染料、C.I.ソルベントブルー系染料であることがより好ましい。C.I.ディスパースブルー系染料としては、例えば、C.I.ディスパースブルー 3、5、19、26、26:1、35、55、56、58、60、64、64:1、72、72:1、81、81:1、91、95、108、131、141、145、334、359、360、336等が挙げられる。C.I.ソルベントブルー系染料としては、例えば、C.I.ソルベントブルー 3、36、63、83、105、111等が挙げられる。これら染料は単独あるいは複数を組み合わせて用いることが可能である。上記ブルー系染料としては、C.I.ディスパースブルー 60、72、334、359、360であることが好ましく、C.I.ディスパースブルー 359、360であることがさらに好ましく、C.I.ディスパースブルー 359と360を組み合わせて用いることがより好ましい。該C.I.ディスパースブルー 360は、上記アセトンに溶解した溶液の紫外可視分光吸収において、550nm以上620nm未満の波長域に極大吸収波長を有するブルー系染料であり、該C.I.ディスパースブルー 359は、上記、アセトンに溶解した溶液の紫外可視分光吸収において、620nm以上700nm未満の波長域に極大吸収波長を有するブルー系染料である。
上記ブラック分散液組成物は、上記式(1)で表される化合物、上記イエロー系染料、上記ブルー系染料以外に、その他染料を含んでいても良い。該その他染料としては、例えば、乾熱処理に対する染色堅ろう度試験方法[JIS L 0879:2005](2010年 確認、平成17年1月20日 改定、 財団法人日本規格協会 発行)、「ISO 105-P01, Textiles-Tests for colour fastness-PartP01:Colour fastness to dry heat(excluding pressing)」における、感熱処理試験(C法)汚染(ポリエステル)の試験結果が、好ましくは3-4級以下、より好ましくは3級以下、の染料が挙げられる。そのような公知の染料のうち、C.I.番号を有する染料としては、例えば、以下の染料が挙げられる。
繊維の中には、ブラック分散液組成物受容層を有するものも知られており、そのような繊維も好適に使用することができる。ブラック分散液組成物受容層を有する繊維は公知の方法で調製することも、また、市販品として入手することもできる。ブラック分散液組成物受容層の材質や構造等は特に限定されず、目的等に応じて適宜使用することができる。
[エマルション液の調製]
25%水酸化ナトリウム 6部、イオン交換水 54部、プロピレングリコール 20部へJoncryl 678(BASF社製)20部を投入し、90~120℃に昇温して5時間撹拌することにより、Joncryl 678のエマルション液を得た。
[調製例2]
[水性分散液1の調製]
昇華性染料としてカヤセットイエローAG(日本化薬株式会社製、C.I.ディスパースイエロー 54)30部、上記Joncryl 678のエマルション液 60部、プロクセルGXL 0.2部、サーフィノール104PG50 0.4部、イオン交換水 24部からなる混合物を、0.2mm径ガラスビーズを用いてサンドミルにて、冷却下、約15時間分散化処理を行った。得られた液にイオン交換水 60部、Joncryl 678のエマルション液 30部を加えて染料含有量を15%に調整した後、ガラス繊維濾紙GC-50(ADVANTEC社製、フィルターの孔径0.5μm)で濾過することにより水性分散液1を得た。
[調製例3]
[水性分散液2の調製]
昇華性染料として下記式(2)で表される化合物を30部、上記Joncryl 678のエマルション液 60部、プロクセルGXL 0.2部、サーフィノール104PG50 0.4部、イオン交換水 24部からなる混合物を、0.2mm径ガラスビーズを用いてサンドミルにて、冷却下、約15時間分散化処理を行った。得られた液にイオン交換水 60部、Joncryl 678のエマルション液 30部を加えて染料含有量を15%に調整した後、ガラス繊維濾紙GC-50(ADVANTEC社製、フィルターの孔径0.5μm)で濾過することにより水性分散液2を得た。
[水性分散液3の調製]
昇華性染料として下記式(3)で表される化合物を30部、上記Joncryl 678のエマルション液 60部、プロクセルGXL 0.2部、サーフィノール104PG50 0.4部、イオン交換水 24部からなる混合物を、0.2mm径ガラスビーズを用いてサンドミルにて、冷却下、約15時間分散化処理を行った。得られた液にイオン交換水 60部、Joncryl 678のエマルション液 30部を加えて染料含有量を15%に調整した後、ガラス繊維濾紙GC-50(ADVANTEC社製、フィルターの孔径0.5μm)で濾過することにより水性分散液3を得た。
[水性分散液4の調製]
昇華性染料として下記式(4)で表される化合物を30部、上記Joncryl 678のエマルション液 60部、プロクセルGXL 0.2部、サーフィノール104PG50 0.4部、イオン交換水 24部からなる混合物を、0.2mm径ガラスビーズを用いてサンドミルにて、冷却下、約15時間分散化処理を行った。得られた液にイオン交換水 60部、Joncryl 678のエマルション液 30部を加えて染料含有量を15%に調整した後、ガラス繊維濾紙GC-50(ADVANTEC社製、フィルターの孔径0.5μm)で濾過することにより水性分散液4を得た。
[水性分散液5の調製]
昇華性染料として下記式(5)で表される化合物を30部、上記Joncryl 678のエマルション液 60部、プロクセルGXL 0.2部、サーフィノール104PG50 0.4部、イオン交換水 24部からなる混合物を、0.2mm径ガラスビーズを用いてサンドミルにて、冷却下、約15時間分散化処理を行った。得られた液にイオン交換水 60部、Joncryl 678のエマルション液 30部を加えて染料含有量を15%に調整した後、ガラス繊維濾紙GC-50(ADVANTEC社製、フィルターの孔径0.5μm)で濾過することにより水性分散液5を得た。
[水性分散液6の調製]
昇華性染料としてC.I.ディスパースブラウン 27を30部、上記Joncryl 678のエマルション液 60部、プロクセルGXL 0.2部、サーフィノール104PG50 0.4部、イオン交換水 24部からなる混合物を、0.2mm径ガラスビーズを用いてサンドミルにて、冷却下、約15時間分散化処理を行った。得られた液にイオン交換水 60部、Joncryl 678のエマルション液 30部を加えて染料含有量を15%に調整した後、ガラス繊維濾紙GC-50(ADVANTEC社製、フィルターの孔径0.5μm)で濾過することにより水性分散液6を得た。
[調製例8]
[水性分散液7の調製]
昇華性染料としてC.I.ディスパースブルー 359を30部、上記Joncryl 678のエマルション液 60部、プロクセルGXL 0.2部、サーフィノール104PG50 0.4部、イオン交換水 24部からなる混合物を、0.2mm径ガラスビーズを用いてサンドミルにて、冷却下、約15時間分散化処理を行った。得られた液にイオン交換水 60部、Joncryl 678のエマルション液 30部を加えて染料含有量を15%に調整した後、ガラス繊維濾紙GC-50(ADVANTEC社製、フィルターの孔径0.5μm)で濾過することにより水性分散液6を得た。
[調製例9]
[水性分散液8の調製]
昇華性染料としてC.I.ディスパースブルー 360を30部、上記Joncryl 678のエマルション液 60部、プロクセルGXL 0.2部、サーフィノール104PG50 0.4部、イオン交換水 24部からなる混合物を、0.2mm径ガラスビーズを用いてサンドミルにて、冷却下、約15時間分散化処理を行った。得られた液にイオン交換水 60部、Joncryl 678のエマルション液 30部を加えて染料含有量を15%に調整した後、ガラス繊維濾紙GC-50(ADVANTEC社製、フィルターの孔径0.5μm)で濾過することにより水性分散液8を得た。
[調製例10]
[水性分散液9の調製]
昇華性染料としてカヤセットレッドB(日本化薬株式会社製、C.I.ディスパースレッド 60)30部、上記Joncryl 678のエマルション液 60部、プロクセルGXL 0.2部、サーフィノール104PG50 0.4部、イオン交換水 24部からなる混合物を、0.2mm径ガラスビーズを用いてサンドミルにて、冷却下、約15時間分散化処理を行った。得られた液にイオン交換水 60部、Joncryl 678のエマルション液 30部を加えて染料含有量を15%に調整した後、ガラス繊維濾紙GC-50(ADVANTEC社製、フィルターの孔径0.5μm)で濾過することにより水性分散液9を得た。
[調製例11]
[水性分散液10の調製]
昇華性染料としてC.I.ディスパースオレンジ 25を30部、上記Joncryl 678のエマルション液 60部、プロクセルGXL 0.2部、サーフィノール104PG50 0.4部、イオン交換水 24部からなる混合物を、0.2mm径ガラスビーズを用いてサンドミルにて、冷却下、約15時間分散化処理を行った。得られた液にイオン交換水 60部、Joncryl 678のエマルション液 30部を加えて染料含有量を15%に調整した後、ガラス繊維濾紙GC-50(ADVANTEC社製、フィルターの孔径0.5μm)で濾過することにより水性分散液10を得た。
[調製例12]
[水性分散液11の調製]
昇華性染料としてC.I.ソルベントオレンジ 60を30部、上記Joncryl 678のエマルション液 60部、プロクセルGXL 0.2部、サーフィノール104PG50 0.4部、イオン交換水 24部からなる混合物を、0.2mm径ガラスビーズを用いてサンドミルにて、冷却下、約15時間分散化処理を行った。得られた液にイオン交換水 60部、Joncryl 678のエマルション液 30部を加えて染料含有量を15%に調整した後、ガラス繊維濾紙GC-50(ADVANTEC社製、フィルターの孔径0.5μm)で濾過することにより水性分散液11を得た。
[実施例1]
上記調製例2で得た水性分散液1を6部、上記調製例3で得た水性分散液2を25部、上記調製例8で得た水性分散液7を6部、上記調製例9で得た水性分散液8を18部、を混合し、ここへ、グリセリンを20部、プロクセルGXL(ロンザ社製)を0.1部、サーフィノール465(日信化学工業社製)を0.2部、TEA-80(純正化学株式会社製)を0.1部、イオン交換水24.6部を加えて撹拌した後、5μmのフィルターにより濾過して、実施例1のブラック分散液組成物を得た。調製に用いた各分散液の組成について下記表1に記載した。
[実施例2]
上記調製例2で得た水性分散液1を6部、上記調製例4で得た水性分散液3を25部、上記調製例8で得た水性分散液7を6部、上記調製例9で得た水性分散液8を18部、を混合し、ここへ、グリセリンを20部、プロクセルGXL(ロンザ社製)を0.1部、サーフィノール465(日信化学工業社製)を0.2部、TEA-80(純正化学株式会社製)を0.1部、イオン交換水24.6部を加えて撹拌した後、5μmのフィルターにより濾過して、実施例2のブラック分散液組成物を得た。調製に用いた各分散液の組成について下記表1に記載した。
[実施例3]
上記調製例2で得た水性分散液1を6部、上記調製例5で得た水性分散液4を25部、上記調製例8で得た水性分散液7を6部、上記調製例9で得た水性分散液8を18部、を混合し、ここへ、グリセリンを20部、プロクセルGXL(ロンザ社製)を0.1部、サーフィノール465(日信化学工業社製)を0.2部、TEA-80(純正化学株式会社製)を0.1部、イオン交換水24.6部を加えて撹拌した後、5μmのフィルターにより濾過して、実施例3のブラック分散液組成物を得た。調製に用いた各分散液の組成について下記表1に記載した。
[実施例4]
上記調製例2で得た水性分散液1を6部、上記調製例6で得た水性分散液5を25部、上記調製例8で得た水性分散液7を6部、上記調製例9で得た水性分散液8を18部、を混合し、ここへ、グリセリンを20部、プロクセルGXL(ロンザ社製)を0.1部、サーフィノール465(日信化学工業社製)を0.2部、TEA-80(純正化学株式会社製)を0.1部、イオン交換水24.6部を加えて撹拌した後、5μmのフィルターにより濾過して、実施例4のブラック分散液組成物を得た。調製に用いた各分散液の組成について下記表1に記載した。
上記調製例2で得た水性分散液1を6部、上記調製例7で得た水性分散液6を31部、上記調製例9で得た水性分散液8を18部、を混合し、ここへ、グリセリンを20部、プロクセルGXL(ロンザ社製)を0.1部、サーフィノール465(日信化学工業社製)を0.2部、TEA-80(純正化学株式会社製)を0.1部、イオン交換水24.6部を加えて撹拌した後、5μmのフィルターにより濾過して、比較例1のブラック分散液組成物を得た。調製に用いた各分散液の組成について下記表1に記載した。
[比較例2]
上記調製例2で得た水性分散液1を6部、上記調製例7で得た水性分散液6を28部、上記調製例9で得た水性分散液8を21部、を混合し、ここへ、グリセリンを20部、プロクセルGXL(ロンザ社製)を0.1部、サーフィノール465(日信化学工業社製)を0.2部、TEA-80(純正化学株式会社製)を0.1部、イオン交換水24.6部を加えて撹拌した後、5μmのフィルターにより濾過して、比較例2のブラック分散液組成物を得た。調製に用いた各分散液の組成について下記表1に記載した。
[比較例3]
上記調製例2で得た水性分散液1を5部、上記調製例9で得た水性分散液8を25部、上記調製例11で得た水性分散液10を15部、上記調製例12で得た水性分散液11を10部、を混合し、ここへ、グリセリンを20部、プロクセルGXL(ロンザ社製)を0.1部、サーフィノール465(日信化学工業社製)を0.2部、TEA-80(純正化学株式会社製)を0.1部、イオン交換水24.6部を加えて撹拌した後、5μmのフィルターにより濾過して、比較例3のブラック分散液組成物を得た。調製に用いた各分散液の組成について下記表1に記載した。
[比較例4]
上記調製例2で得た水性分散液1を6部、上記調製例8で得た水性分散液7を6部、上記調製例9で得た水性分散液8を18部、上記調製例10で得た水性分散液9を25部、混合し、ここへ、グリセリンを20部、プロクセルGXL(ロンザ社製)を0.1部、サーフィノール465(日信化学工業社製)を0.2部、TEA-80(純正化学株式会社製)を0.1部、イオン交換水24.6部を加えて撹拌した後、5μmのフィルターにより濾過して、比較例4のブラック分散液組成物を得た。調製に用いた各分散液の組成について下記表1に記載した。
調製した各水性ブラック染料分散液を、インクジェットプリンタ(EPSON株式会社製、商品名PX-504A)に充填し、中間記録媒体としてTRANSJET Eco II 8385(95g/m2)を用いて、100%Dutyあるいは25%Dutyの単色ベタ画像を印刷した中間記録媒体をそれぞれ得た。得られた各中間記録媒体の水性ブラック染料分散液付着面とポリエステル布(帝人トロピカル)とを重ね合わせた後、卓上自動平プレス機(アサヒ繊維機械株式会社製:AF-65TEN)を用いて200℃×30秒の条件にて熱処理することによって、昇華転写染色方法により染色された染色物をそれぞれ得た。得られた各染色物について、下記の評価を行った。
分光測色計「eXact(X-rite社製)」を用いて、200℃×30秒の条件にて熱処理することによって、昇華転写染色方法により染色された25%Dutyの単色ベタの各染色物の色相L*a*b*を測定した。測色は視野角2°、ステータスIの条件を使用して、D65光源とF2光源における各L*a*b*の値を得た。得られた各光源のL*a*b*の値から色差△ED65-F2を下記(式2)から求め、以下の評価基準に従って評価した。
評価結果を下記表2に示す。
△ED65-F2=[(L* D65-L* F2)2+(a* D65-a* F2)2+(b* D65-b* F2)2]1/2 (式2)
[評価基準]
A:色差△ED65-F2が1.0以上4.5未満。
B:色差△ED65-F2が4.5以上5.0未満。
C:色差△ED65-F2が5.0以上。
[演色性の評価2:D65光源とA光源の色差]
分光測色計「eXact(X-rite社製)」を用いて、200℃×30秒の条件にて熱処理することによって、昇華転写染色方法により染色された25%Dutyの単色ベタの各染色物の色相L*a*b*を測定した。測色は視野角2°、ステータスIの条件を使用して、D65光源とA光源における各L*a*b*の値を得た。得られた各光源のL*a*b*の値から色差△ED65-Aを下記式(式3)から求め、以下の評価基準に従って評価した。
評価結果を下記表2に示す。
△ED65-A=[(L* D65-L* A)2+(a* D65-a* A)2+(b* D65-b* A)2]1/2 (式3)
[評価基準]
A:色差△ED65-Aが1.0以上3.5未満。
B:色差△ED65-Aが3.5以上4.0未満。
C:色差△ED65-Aが4.0以上。
[染色濃度の評価]
分光測色計「eXact(X-rite社製)」を用いて、200℃×30秒の条件にて熱処理することによって、昇華転写染色方法により染色された100%Dutyの単色ベタの各染色物の染色濃度を測定した。測色はD65光源、視野角2°、ステータスIの条件で行った。各染色布の400~700nmにおける反射率Rλを測色し、Kubelka-Munkの式:K/S=(1-Rλ)2/2RλによりK/S値を算出した。そして、各波長におけるK/S値の合計であるシグマK/S値を算出し、以下の基準で染色濃度を評価した。シグマK/S値が大きい方が、染色濃度が高いことを示すため、品質が優れる。
評価結果を下記表2に示す。
[評価基準]
A:シグマK/S値が470以上
B:シグマK/S値が450以上470未満
C:シグマK/S値が430以上450未満
Claims (9)
- 下記式(1)で表される化合物を含むブラック分散液組成物であって、
イエロー染料を1種と、アセトンに溶解した溶液の紫外可視分光吸収において、620nm以上700nm未満の波長域に極大吸収波長を有するブルー染料を1種と、アセトンに溶解した溶液の紫外可視分光吸収において、550nm以上620nm未満の波長域に極大吸収波長を有するブルー染料を1種と、をさらに含むブラック分散液組成物。
- 上記式(1)におけるR4が塩素原子または臭素原子である、請求項1に記載のブラック分散液組成物。
- 上記式(1)におけるR1が水素原子、R2、R3がそれぞれ独立に、C1~C4アルコキシ基で置換されても良いC1~C4アルキル基、R4が塩素原子である、請求項1に記載のブラック分散液組成物。
- 分散剤を含む請求項3に記載のブラック分散液組成物。
- さらに水溶性有機溶剤を含む請求項4に記載のブラック分散液組成物。
- 請求項1~5のいずれか一項に記載のブラック分散液組成物が付着した記録メディア。
- 上記記録メディアが繊維である、請求項6に記載の記録メディア。
- 上記繊維が、疎水性繊維である請求項7に記載の記録メディア。
- 上記疎水性繊維が、ポリエステル又はポリエステルを含有する混紡繊維である、請求項8に記載の記録メディア。
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