JP2024064920A - 着色分散液、着色分散液セット、記録メディア、及び疎水性繊維の捺染方法 - Google Patents

着色分散液、着色分散液セット、記録メディア、及び疎水性繊維の捺染方法 Download PDF

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真理子 梅田
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Abstract

【課題】保存安定性及び低臭気性に優れた着色分散液、着色分散液セット、着色分散液又は着色分散液セットが備える各着色分散液が付着した記録メディア、及び着色分散液又は着色分散液セットを用いた疎水性繊維の捺染方法を提供する。【解決手段】水不溶性染料、芳香族スルホン酸ホルマリン縮合物系分散剤、及び水を含有し、上記芳香族スルホン酸ホルマリン縮合物系分散剤が、下記式(1)~(3)で表される化合物を含む芳香族スルホン酸系化合物とホルマリンとの縮合反応により得られる反応物であり、上記芳香族スルホン酸系化合物の総量を100質量%としたとき、式(2)~(3)で表される化合物の総量が30質量%を超え95質量%以下であり、かつ、式(3)で表される化合物の総量が5質量%を超え70質量%未満である着色分散液を提供する。TIFF2024064920000024.tif29159【選択図】なし

Description

本発明は、着色分散液、その着色分散液を備える着色分散液セット、その着色分散液又は着色分散液セットが備える各着色分散液が付着した記録メディア、及びその着色分散液又は着色分散液セットを用いた疎水性繊維の捺染方法に関する。
近年、インクジェットによる無製版印刷を行う記録方法が提案され、布等を含めた繊維の捺染においてもインクジェット印刷による捺染(インクジェット捺染)が行われている。インクジェット印刷による捺染は、従来のスクリーン印刷等の捺染方法と比較して、無製版であること;省資源であること;省エネルギーであること;高精細表現が容易であること;等の様々な利点がある。
ここで、ポリエステル繊維を代表とする疎水性繊維は、一般に水不溶性色材により染色される。このため、インクジェット印刷により疎水性繊維を捺染するための水性インクとしては、一般に水不溶性色材を水中に分散させた、分散安定性等の性能が良好な分散インクを用いる必要がある。
疎水性繊維へのインクジェット捺染方式は、ダイレクトプリント法と昇華転写法とに大別される。ダイレクトプリント法は、疎水性繊維へ直接インクを付与(プリント)した後、高温スチーミング等の熱処理によりインク中の染料を疎水性繊維に染着させる捺染方法である。一方、昇華転写法は、中間記録媒体(専用の転写紙等)にインクを付与(プリント)した後、中間記録媒体のインク付与面と疎水性繊維とを重ね合わせた後、熱により染料を中間記録媒体から疎水性繊維へと転写させる捺染方法である。
昇華転写法は、のぼり旗等の捺染加工に主に用いられており、インク中には熱処理による疎水性繊維への転写適性に優れた易昇華型の染料が用いられる。加工工程には、(1)プリント工程:インクジェットプリンタにより染料インクを中間記録媒体に付与する工程、(2)転写工程:熱処理により染料を中間記録媒体から繊維中に転写及び染着させる工程、の2工程が含まれ、市販の転写紙が広く使用できるため繊維の前処理は必要とせず、洗浄工程も省略されている。
昇華転写法用のインクとしては、水不溶性染料を水中に分散させた水性インクが一般的に用いられている。このようなインクは、例えば、分散染料及び油溶性染料から選択される昇華性染料を分散剤により水中に分散させた着色分散液に対して、保湿剤(乾燥防止剤)としての水溶性有機溶剤、表面張力調整剤としての界面活性剤、及びその他の添加剤(pH調整剤、防腐防黴剤、消泡剤等)を添加し、粒度、粘度、表面張力、pH等の物理特性(物性)を最適化することにより調製される。
分散染料等を分散させるための分散剤としては、ナフタレンスルホン酸ナトリウムをホルマリンで縮合した分散剤(例えば、特許文献1参照)や、β-ナフタレンスルホン酸ナトリウムをホルマリンで縮合した分散剤(例えば、特許文献2参照)が知られている。しかし、分散染料は種類も多く、それぞれ化学構造も異なり、親疎水性のバランスも分散染料種によって異なる。このため、ナフタレンスルホン酸ナトリウムやβ-ナフタレンスルホン酸ナトリウムといった単一成分をホルマリンで縮合した分散剤を用いた場合、分散染料に対する吸着が弱くなり、着色分散液又はインクの分散安定性等の点で満足できるものではなかった。
また、分散染料等を分散させるための分散剤としては、クレオソート油スルホン酸ナトリウムをホルマリンで縮合した分散剤(例えば、特許文献3参照)も知られている。このような分散剤は、複数成分の芳香族化合物を含むクレオソート油を原料として使用しているため、様々な分散染料に対して吸着が強く、着色分散液又はインクの分散安定性はある程度満足できるものである。その反面、臭気の観点で満足できるものではなかった。
特開平9-291235号公報 特開2003-246954号公報 国際公開第2005/121263号
本発明は、保存安定性及び低臭気性に優れた着色分散液、その着色分散液を備える着色分散液セット、その着色分散液又は着色分散液セットが備える各着色分散液が付着した記録メディア、及びその着色分散液又は着色分散液セットを用いた疎水性繊維の捺染方法を提供することを課題とする。
上記課題を解決するための具体的な手段には、以下の実施態様が含まれる。
1)
水不溶性染料、芳香族スルホン酸ホルマリン縮合物系分散剤、及び水を含有し、
前記芳香族スルホン酸ホルマリン縮合物系分散剤が、芳香族スルホン酸系化合物とホルマリンとの縮合反応により得られる反応物であり、
前記芳香族スルホン酸系化合物が、下記式(1)~(3)で表される化合物を含み、
前記芳香族スルホン酸系化合物の総量を100質量%としたとき、下記式(2)で表される化合物及び下記式(3)で表される化合物の総量が30質量%を超え95質量%以下であり、かつ、下記式(3)で表される化合物の総量が5質量%を超え70質量%未満である、着色分散液。
Figure 2024064920000001
(式中、M、M、Mは、それぞれ独立に、水素原子、金属イオン、又はアンモニウムイオンを示す。)
2)
前記芳香族スルホン酸系化合物の総量を100質量%としたとき、前記式(2)で表される化合物及び前記式(3)で表される化合物の総量が40~95質量%であり、かつ、前記式(3)で表される化合物の総量が10~60質量%である、1)に記載の着色分散液。
3)
前記芳香族スルホン酸系化合物が、さらに、下記式(4)で表される化合物を含む、1)又は2)に記載の着色分散液。
Figure 2024064920000002
(式中、Mは、水素原子、金属イオン、又はアンモニウムイオンを示す。)
4)
さらに、フィトステロールのアルキレンオキサイド付加物、水添フィトステロールのアルキレンオキサイド付加物、コレスタノールのアルキレンオキサイド付加物、及び水添コレスタノールのアルキレンオキサイド付加物からなる群より選択される少なくとも1種を含有する、1)~3)のいずれか1項に記載の着色分散液。
5)
さらに、ポリシロキサン系化合物を含有する、1)~4)のいずれか1項に記載の着色分散液。
6)
さらに、グリコールエーテルを含有する、1)~5)のいずれか1項に記載の着色分散液。
7)
前記水不溶性染料の平均粒子径が60~200nmである、1)~6)のいずれか1項に記載の着色分散液。
8)
1)~7)のいずれか1項に記載の着色分散液と、該着色分散液と色相が異なる少なくとも1種の他の着色分散液とを備える、着色分散液セット。
9)
1)~7)のいずれか1項に記載の着色分散液、又は8)に記載の着色分散液セットが備える各着色分散液が付着した記録メディア。
10)
前記記録メディアが疎水性繊維である、9)に記載の記録メディア。
11)
1)~7)のいずれか1項に記載の着色分散液、又は8)に記載の着色分散液セットが備える各着色分散液の液滴を中間記録媒体に付着させて記録画像を得るプリント工程と、
前記中間記録媒体における前記液滴の付着面に疎水性繊維を接触させ、熱処理することにより前記記録画像を前記疎水性繊維に転写する転写工程と、
を含む疎水性繊維の捺染方法。
本発明によれば、保存安定性及び低臭気性に優れた着色分散液、その着色分散液を備える着色分散液セット、その着色分散液又は着色分散液セットが備える各着色分散液が付着した記録メディア、及びその着色分散液又は着色分散液セットを用いた疎水性繊維の捺染方法を提供することができる。
以下、本発明を適用した具体的な実施形態について詳細に説明する。本明細書において「C.I.」はカラーインデックスの略である。
<着色分散液>
本実施形態に係る着色分散液は、水不溶性染料、芳香族スルホン酸ホルマリン縮合物系分散剤、及び水を含有し、芳香族スルホン酸ホルマリン縮合物系分散剤が、芳香族スルホン酸系化合物とホルマリンとの縮合反応により得られる反応物であり、芳香族スルホン酸系化合物が、下記式(1)~(3)で表される化合物を含み、芳香族スルホン酸系化合物の総量を100質量%としたとき、下記式(2)で表される化合物及び下記式(3)で表される化合物の総量が30質量%を超え95質量%以下であり、かつ、下記式(3)で表される化合物の総量が5質量%を超え70質量%未満である。
Figure 2024064920000003
(式中、M、M、Mは、それぞれ独立に、水素原子、金属イオン、又はアンモニウムイオンを示す。)
以下、本実施形態に係る着色分散液に含有される成分について詳細に説明する。なお、以下に説明する各成分は、そのうちの1種類を単独で使用してもよく、2種類以上を併用してもよい。
[水不溶性染料]
水不溶性染料とは、25℃の水に対する溶解度が通常3g/L以下、好ましくは2g/L以下、より好ましくは1g/L以下である染料を意味する。
水不溶性染料としては、分散染料、油溶性染料等が挙げられ、分散染料を用いることが好ましい。
水不溶性染料の具体例としては、例えば、C.I.ディスパースイエロー 3、4、5、7、8、9、13、23、24、30、33、34、39、42、44、49、50、51、54、56、58、60、63、64、66、68、71、74、76、79、82、83、85、86、88、90、91、93、98、99、100、104、114、116、118、119、122、124、126、135、140、141、149、160、162、163、164、165、179、180、182、183、186、192、198、199、200、202、204、210、211、215、216、218、224、232、237;C.I.ディスパースオレンジ 1、1:1、3、5、7、11、13、17、20、21、23、25、29、30、31、32、33、37、38、42、43、44、45、47、48、49、50、53、54、55、56、57、58、59、61、66、71、73、76、78、80、86、89、90、91、93、96、97、118、119、127、130、139、142;C.I.ディスパースレッド 1、4、5、7、11、12、13、15、17、27、43、44、50、52、53、54、55、55:1、56、58、59、60、65、70、72、73、74、75、76、78、81、82、86、88、90、91、92、93、96、103、105、106、107、108、110、111、113、117、118、121、122、126、127、128、131、132、134、135、137、143、145、146、151、152、153、154、157、158、159、164、167、169、177、179、181、183、184、185、188、189、190、191、192、200、201、202、203、205、206、207、210、221、224、225、227、229、239、240、257、258、277、278、279、281、283、288、298、302、303、310、311、312、320、323、324、328、359、364;C.I.ディスパースバイオレット 1、4、8、11、17、23、26、27、28、29、31、33、35、36、38、40、43、46、48、50、51、52、56、57、59、61、63、69、77、97;C.I.ディスパースグリーン 9;C.I.ディスパースブラウン 1、2、4、9、13、19;C.I.ディスパースブルー 3、5、7、9、14、16、19、20、26、26:1、27、35、43、44、54、55、56、58、60、62、64、64:1、71、72、72:1、73、75、77、79、79:1、82、83、87、91、93、94、95、96、102、106、108、112、113、115、118、120、122、125、128、130、131、139、141、142、143、145、146、148、149、153、154、158、165、165:1、165:2、167、171、173、174、176、181、183、185、186、187、189、197、198、200、201、205、207、211、214、224、225、257、259、266、267、270、281、284、285、287、288、291、293、295、297、301、315、330、333、341、353、354、358、359、360、364、365、366、368;C.I.ディスパースブラック 1、3、10、24;C.I.ソルベントイエロー 114;C.I.ソルベントオレンジ 60、67;C.I.ソルベントレッド 146;C.I.ソルベントブルー 36、63、83、105、111;等が挙げられる。これらの中でも、C.I.ディスパースイエロー 54;C.I.ディスパースオレンジ 25;C.I.ディスパースレッド 60;C.I.ディスパースブルー 359、360;C.I.ソルベントオレンジ 60;が好ましい。
水不溶性染料として、国際公開第2020/204041号に記載されている染料誘導体(以下、「染料誘導体X1」ともいう。)と水不溶性染料(以下、「水不溶性染料Y1」ともいう。)とを組み合わせて用いることも好ましい様態である。
水不溶性染料Y1としては、例えば、C.I.ディスパースレッド 60が好ましい。
染料誘導体X1としては、例えば、C.I.ディスパースレッド 92、146;国際公開第2020/204041号に記載のアントラキノン系化合物 E、F、H、I;が好ましく、C.I.ディスパースレッド 92がより好ましい。
水不溶性染料Y1と染料誘導体X1との組み合わせの中でも、C.I.ディスパースレッド 60と、C.I.ディスパースレッド 92、146;及びアントラキノン系化合物 E、F、H、I;からなる群から選択される少なくとも1種の染料誘導体との組み合わせが好ましく、C.I.ディスパースレッド 60とC.I.ディスパースレッド 92との組み合わせがより好ましい。
水不溶性染料Y1と染料誘導体X1との配合割合は任意で設定可能である。染料誘導体X1の質量(X1)に対する水不溶性染料Y1の質量(Y1)の比(Y1/X1)は、例えば、400>(Y1/X1)>3.125の関係を満たすことが好ましく、400>(Y1/X1)>19の関係を満たすことがより好ましい。
また、水不溶性染料として、C.I.ディスパースオレンジ 25(以下、「DOr25」ともいう。)と、国際公開第2020/235560号に記載されている式(1)で表される色素及び式(2)で表される色素から選択される少なくとも1種の色素(以下、「配合色素X2」ともいう。)とを組み合わせて用いることも好ましい様態である。
配合色素X2としては、例えば、C.I.ディスパースオレンジ 49、62、71、73、148が好ましく、C.I.ディスパースオレンジ 73がより好ましい。
DOr25と配合色素X2との配合割合は任意で設定可能である。DOr25と配合色素X2との合計の含有量を100質量部としたとき、配合色素X2の含有量は、10質量部未満であることが好ましく、0.5~5質量部であることがより好ましい。
水不溶性染料は、粉末状又は塊状の乾燥染料であってもよく、ウェットケーキやスラリーであってもよい。また、染料合成中や合成後に染料粒子の凝集を抑える目的で界面活性剤等の分散剤が少量含有されたものであってもよい。市販の染料には、工業染色用、樹脂着色用、インク用、トナー用、インクジェット用等のグレードがあり、製造方法、純度、染料の粒子径等がそれぞれ異なる。粉砕後の凝集性を抑えるには、染料としてはより粒子径の小さいものが好ましく、分散安定性及び吐出精度への影響から、できるだけ不純物等の少ないものが好ましい。
色調を調整するため、2種以上の水不溶性染料を配合することも可能である。例えば、ブルー系染料を主体にオレンジ系染料及びレッド系染料を適宜配合してブラック色に調色し、これをブラック系染料として用いることができる。また、ブルー、オレンジ、レッド、バイオレット、ブラック等の色調を好みの色調に微調整する目的で、2種以上の水不溶性染料を配合してもよい。
本実施形態に係る着色分散液中において、水不溶性染料が粒子状で含有される場合、その平均粒子径は、60~200nmであることが好ましい。平均粒子径は、D50(50%累積体積粒子径)で算出される粒子径であり、JIS Z8825に記載の動的光散乱法やレーザー回折光法で測定される。具体的には、動的光散乱法を測定原理とする粒度分布計、例えば、マイクロトラックUPA、ナノトラック Wave-UT151、ナノトラック Wave-EX150(以上、マイクロトラック・ベル(株)製);ELSZ-2、DLS-8000(以上、大塚電子(株)製);LB-550((株)堀場製作所製);等で測定することができる。
水不溶性染料の含有率は、着色分散液の総量に対して、0.1~40質量%であることが好ましく、0.5~30質量%であることがより好ましい。
[芳香族スルホン酸ホルマリン縮合物系分散剤]
芳香族スルホン酸ホルマリン縮合物系分散剤は、芳香族スルホン酸系化合物とホルマリンとの縮合反応により得られる反応物である。
縮合反応に用いられる芳香族スルホン酸系化合物は、下記式(1)~(3)で表される化合物を含む。
Figure 2024064920000004
(式中、M、M、Mは、それぞれ独立に、水素原子、金属イオン、又はアンモニウムイオンを示す。)
~Mで示される金属イオンとしては、例えば、ナトリウムイオン、カリウムイオン、カルシウムイオン、マグネシウムイオン等が挙げられ、ナトリウムイオンであることが好ましい。
~Mで示されるアンモニウムイオンとしては、例えば、アンモニウムイオン、メチルアンモニウムイオン、ジメチルアンモニウムイオン、トリメチルアンモニウムイオン、テトラメチルアンモニウムイオン、テトラ-n-ブチルアンモニウムイオン等が挙げられる。
上記式(1)で表される化合物としては、例えば、1-ナフタレンスルホン酸ナトリウム、1-ナフタレンスルホン酸カリウム、2-ナフタレンスルホン酸ナトリウム、2-ナフタレンスルホン酸カリウム等が挙げられる。
上記式(2)で表される化合物としては、例えば、メチルナフタレン(1-メチルナフタレン、2-メチルナフタレン等)のスルホン化物のナトリウム塩等が挙げられる。
上記式(3)で表される化合物としては、例えば、ジメチルナフタレン(1,5-ジメチルナフタレン、1,4-ジメチルナフタレン、2,7-ジメチルナフタレン、2,3-ジメチルナフタレン、1,3-ジメチルナフタレン等)のスルホン化物のナトリウム塩等が挙げられる。
縮合反応に用いられる芳香族スルホン酸系化合物の総量を100質量%としたとき、上記式(2)で表される化合物及び上記式(3)で表される化合物の総量は、30質量%を超え95質量%以下であり、40~95質量%であることが好ましい。また、芳香族スルホン酸系化合物の総量を100質量%としたとき、上記式(3)で表される化合物の総量は、5質量%を超え70質量%未満であり、10~60質量%であることが好ましい。なお、上記式(1)で表される化合物の総量は0質量%を超える。
縮合反応に用いられる芳香族スルホン酸系化合物は、さらに、下記式(4)で表される化合物を含んでいてもよい。
Figure 2024064920000005
(式中、Mは、水素原子、金属イオン、又はアンモニウムイオンを示す。)
で示される金属イオン及びアンモニウムイオンとしては、M~Mと同様であってよい。
縮合反応に用いられる芳香族スルホン酸系化合物が上記式(4)で表される化合物を含む場合、芳香族スルホン酸系化合物の総量に対する上記式(2)~(4)で表される化合物の総量は、35質量%を超え95質量%以下であることが好ましく、40~95質量%であることがより好ましく、40質量%を超え95質量%以下であることがさらに好ましい。また、芳香族スルホン酸系化合物の総量に対する上記式(4)で表される化合物の総量は、1~20質量%であることが好ましく、2~10質量%であることがより好ましく、3~7質量%であることがさらに好ましい。
芳香族スルホン酸ホルマリン縮合物系分散剤は、例えば、特開2009-079010号公報、特開2007-099983号公報、特開2007-099719号公報、特開2016-124932号公報等に記載の方法により製造することができる。具体的には、ナフタレン、メチルナフタレン、ジメチルナフタレン等を硫酸中で加熱してスルホン化を行い、その後、ホルマリンとの縮合反応を行うことにより得ることができる。
芳香族スルホン酸ホルマリン縮合物系分散剤の含有率は、着色分散液の総量に対して、0.01~50質量%であることが好ましく、0.1~30質量%であることがより好ましい。
[水]
上記水としては、イオン交換水、蒸留水、超純水等の不純物が少ないものが好ましい。また、滅菌処理を施した水を用いてもよい。
水の含有率は、着色分散液の総量に対して、10~99.5質量%であることが好ましく、20~90質量%であることがより好ましい。
[フィトステロールのアルキレンオキサイド付加物等]
本実施形態に係る着色分散液は、さらに、フィトステロールのアルキレンオキサイド付加物、水添フィトステロールのアルキレンオキサイド付加物、コレスタノールのアルキレンオキサイド付加物、及び水添コレスタノールのアルキレンオキサイド付加物からなる群より選択される少なくとも1種を含有することが好ましい。以下、フィトステロール及び水添フィトステロールを総称して「フィトステロール類」ともいう。また、コレスタノール及び水添コレスタノールを総称して「コレスタノール類」ともいう。
フィトステロール類のアルキレンオキサイド付加物としては、例えば、フィトステロール類のC2-C4アルキレンオキサイド付加物が好ましく、エチレンオキサイド付加物がより好ましい。また、コレスタノール類のアルキレンオキサイド付加物としては、例えば、コレスタノール類のC2-C4アルキレンオキサイド付加物が好ましく、エチレンオキサイド付加物がより好ましい。
フィトステロール類又はコレスタノール類1当量当たりのアルキレンオキサイド(好ましくはC2-C4アルキレンオキサイド、より好ましくはエチレンオキサイド)の付加量は、10~50当量程度が好ましく、HLBは13~20程度が好ましい。
フィトステロール類のエチレンオキサイド付加物の市販品としては、例えば、NIKKOL BPS-20、NIKKOL BPS-30(いずれも日光ケミカルズ(株)製、フィトステロールのエチレンオキサイド付加物)、NIKKOL BPSH-25(同、水素添加フィトステロールのエチレンオキサイド付加物)等が挙げられる。また、コレスタノール類のアルキレンオキサイド付加物の市販品としては、例えば、NIKKOL DHC-30(同、コレスタノールのエチレンオキサイド付加物)等が挙げられる。
本実施形態に係る着色分散液がフィトステロールのアルキレンオキサイド付加物等を含有する場合、その含有率は、着色分散液の総量に対して、0.001~5質量%であることが好ましく、0.01~3質量%であることがより好ましい。
[ポリシロキサン系化合物]
本実施形態に係る着色分散液は、インクジェットプリンタでの吐出応答性を向上させ、また、表面張力を調整するため、さらに、ポリシロキサン系化合物を含有することが好ましい。ポリシロキサン系化合物としては、例えば、ポリエーテル変性シロキサン、ポリエーテル変性ポリジメチルシロキサンが挙げられる。市販品としては、BYK-347(ビックケミー社製、ポリエーテル変性シロキサン)、BYK-348(同、ポリエーテル変性ポリジメチルシロキサン)等が挙げられる。
本実施形態に係る着色分散液がポリシロキサン系化合物を含有する場合、その含有率は、着色分散液の総量に対して、0.01~3質量%であることが好ましく、0.01~1.5質量%であることがより好ましい。
[グリコールエーテル]
本実施形態に係る着色分散液は、さらに、グリコールエーテルを含有することが好ましい。グリコールエーテルとしては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール、メトキシグリコール等のグリコールのモノアルキルエーテルが挙げられる。これらの中でも、メチルトリグリコール(トリエチレングリコールモノメチルエーテル)、ブチルトリグリコール(トリエチレングリコールモノブチルエーテル)、ブチルジグリコール(ジエチレングリコールモノブチルエーテル)、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル、及びメトキシグリコールが好ましく、メトキシグリコールがより好ましい。
本実施形態に係る着色分散液がグリコールエーテルを含有する場合、その含有率は、着色分散液の総量に対して、0.01~90質量%であることが好ましく、0.01~85質量%であることがより好ましい。
[添加剤]
本実施形態に係る着色分散液は、上記以外の添加剤を含有していてもよい。添加剤としては、例えば、分散剤(上述した芳香族スルホン酸ホルマリン縮合物系分散剤を除く)、水溶性有機溶剤(上述したグリコールエーテルを除く)、防腐剤、界面活性剤、pH調整剤、キレート試薬、防錆剤、水溶性紫外線吸収剤、水溶性高分子化合物、粘度調整剤、色素溶解剤、酸化防止剤、樹脂エマルション等が挙げられる。
上述した芳香族スルホン酸ホルマリン縮合物系分散剤以外の分散剤としては、例えば、スチレン-(メタ)アクリル共重合体、芳香族スルホン酸のホルマリン縮合物又はその塩、ポリオキシエチレンアリールフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアリールフェニルエーテルサルフェート、ポリオキシエチレンナフチルエーテル等が挙げられる。
スチレン-(メタ)アクリル共重合体は、スチレン系モノマーと(メタ)アクリル系モノマーとの共重合体である。共重合体の具体例としては、(α-メチル)スチレン-アクリル酸共重合体、(α-メチル)スチレン-アクリル酸-アクリル酸エステル共重合体、(α-メチル)スチレン-メタクリル酸共重合体、(α-メチル)スチレン-メタクリル酸-アクリル酸エステル共重合体、(α-メチル)スチレン-アクリル酸エステル-(無水)マレイン酸共重合体、アクリル酸エステル-スチレンスルホン酸共重合体、(α-メチル)スチレン-メタクリルスルホン酸共重合体等が挙げられる。なお、本明細書において「(メタ)アクリル」は、「アクリル」及び「メタクリル」を含む意味として用いる。また、「(α-メチル)スチレン」は、「α-メチルスチレン」及び「スチレン」を含む意味として用いる。
スチレン-(メタ)アクリル共重合体の質量平均分子量は、例えば、1000~20000が好ましく、2000~19000がより好ましく、5000~17000がさらに好ましい。スチレン-(メタ)アクリル共重合体の質量平均分子量は、GPC(ゲルパーミュエーションクロマトグラフ)法で測定することができる。
スチレン-(メタ)アクリル共重合体の酸価は、例えば、50~250mgKOH/gが好ましく、100~250mgKOH/gがより好ましく、150~250mgKOH/gがさらに好ましい。酸価を50mgKOH/g以上とすることにより、水に対する溶解性が向上し、また、水不溶性染料に対する分散安定化力が向上する傾向にある。また、酸価を250mgKOH/g以下とすることにより、水性媒体との親和性増大に起因して印字後の画像に滲みが発生することが抑えられる傾向にある。樹脂の酸価は、樹脂1gを中和するのに要するKOHのmg数を表し、JIS-K3054に従って測定することができる。
スチレン-(メタ)アクリル共重合体のガラス転移温度は、例えば、45~135℃が好ましく、55~120℃がより好ましく、60~110℃がさらに好ましい。
スチレン-(メタ)アクリル共重合体の市販品としては、例えば、Joncryl 67、678、680、682、683、690、52J、57J、60J、63J、70J、JDX-6180、HPD-196、HPD96J、PDX-6137A、6610、JDX-6500、JDX-6639、PDX-6102B、PDX-6124(以上、BASF社製)等が挙げられる。これらの中でも、Joncryl 67(質量平均分子量:12500、酸価:213mgKOH/g)、678(質量平均分子量:8500、酸価:215mgKOH/g)、682(質量平均分子量:1700、酸価:230mgKOH/g)、683(質量平均分子量:4900、酸価:215mgKOH/g)、690(質量平均分子量:16500、酸価:240mgKOH/g)が好ましく、Joncryl 678がより好ましい。
芳香族スルホン酸のホルマリン縮合物又はその塩としては、例えば、クレオソート油スルホン酸、クレゾールスルホン酸、フェノールスルホン酸、β-ナフタレンスルホン酸、β-ナフトールスルホン酸、β-ナフタリンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、クレゾールスルホン酸、2-ナフトール-6-スルホン酸、リグニンスルホン酸等の各ホルマリン縮合物又はそれらの塩(ナトリウム塩、カリウム塩、リチウム塩等)が挙げられる。これらの中でも、クレオソート油スルホン酸、β-ナフタレンスルホン酸、リグニンスルホン酸、メチルナフタレンスルホン酸の各ホルマリン縮合物又はそれらの塩が好ましい。
芳香族スルホン酸のホルマリン縮合物は、市販品として入手することもできる。例えば、β-ナフタレンスルホン酸のホルマリン縮合物としては、デモールN(花王(株)製)、Avolan ISシリーズ(タナテックスケミカルズジャパン(株)製)等が挙げられる。クレオソート油スルホン酸のホルマリン縮合物としては、デモールC(花王(株)製)、ラベリンWシリーズ(第一工業製薬(株)製)等が挙げられる。特殊芳香族スルホン酸のホルマリン縮合物としては、デモールSN-B(花王(株)製)等が挙げられる。メチルナフタレンスルホン酸のホルマリン縮合物としては、ラベリンANシリーズ(第一工業製薬(株)製)等が挙げられる。これらの中でも、デモールN、ラベリンANシリーズ、及びラベリンWシリーズが好ましく、デモールN及びラベリンWシリーズがより好ましく、ラベリンWシリーズがさらに好ましい。リグニンスルホン酸としては、バニレックスN、バニレックスRN、バニレックスG、パールレックスDP(以上、日本製紙(株)製)等が挙げられる。
ポリオキシエチレンアリールフェニルエーテルとしては、例えば、ポリオキシエチレンモノスチリルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンジスチリルフェニルエーテル、ポリオキシエチレントリスチリルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンテトラスチリルフェニルエーテル等のスチリルフェノール化合物;ポリオキシエチレンモノベンジルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンジベンジルフェニルエーテル、ポリオキシエチレントリベンジルフェニルエーテル等のベンジルフェノール化合物;ポリオキシエチレンクミルフェニルエーテル等のクミルフェノール化合物;ポリオキシエチレンナフチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンビフェニルエーテル、ポリオキシエチレンフェノキシフェニルエーテル;などが挙げられる。これらの中でも、ポリオキシエチレンジスチリルフェニルエーテル、ポリオキシエチレントリスチリルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンジベンジルフェニルエーテル、ポリオキシエチレントリベンジルフェニルエーテル、及びポリオキシエチレンクミルフェニルエーテルが好ましい。
ポリオキシエチレンアリールフェニルエーテルにおけるポリオキシエチレン基の繰り返し数は、1~30が好ましく、15~30がより好ましい。繰り返し数が1以上であると、水性溶媒等との相溶性に優れる傾向にある。また、繰り返し数が30以下であると、粘度が高くなりすぎない傾向にある。
上記ポリオキシエチレンアリールフェニルエーテルの市販品としては、例えば、ノイゲンEAシリーズ(第一工業製薬(株)製);パイオニンD-6112、パイオニンD-6115、パイオニンD-6120、パイオニンD-6131、パイオニンD-6512、タケサーフD-6413、DTD-51、パイオニンD-6112、パイオニンD-6320(以上、竹本油脂(株)製);TS-1500、TS-2000、TS-2600、SM-174N(以上、東邦化学(株)製);エマルゲンA60、エマルゲンA90、エマルゲンA500(以上、花王(株)製);エマルゲンB-66、ニューコール CMP系(以上、日本乳化剤(株)製);などが挙げられる。
ポリオキシエチレンアリールフェニルエーテルサルフェートとしては、例えば、上述したポリオキシエチレンアリールフェニルエーテルの硫酸塩が挙げられる。
ポリオキシエチレンアリールフェニルエーテルサルフェートの市販品としては、例えば、SM-57、SM-130、SM-210(以上、東邦化学(株)製)等が挙げられる。
ポリオキシエチレンナフチルエーテルの市販品としては、例えば、ノイゲンENシリーズ(第一工業製薬(株)製)、パイオニンD-7240(竹本油脂(株)製)等が挙げられる。
本実施形態に係る着色分散液が上述した芳香族スルホン酸ホルマリン縮合物系分散剤以外の分散剤を含有する場合、その含有量は、芳香族スルホン酸ホルマリン縮合物系分散剤100質量部に対して、50質量部以下であることが好ましく、10質量部以下であることがより好ましく、5質量部以下であることがさらに好ましい。
グリコールエーテル以外の水溶性有機溶剤としては、例えば、多価アルコール類、ピロリドン類等が挙げられる。多価アルコール類としては、例えば、アルコール性水酸基を2~3個有するC2-C6多価アルコールが挙げられる。また、ピロリドン類としては、例えば、2-ピロリドン、N-メチル-2-ピロリドン等が挙げられる。なお、水に溶解して湿潤剤としての役割をする化合物も、便宜上、水溶性有機溶剤に含めるものとする。そのような化合物としては、例えば、尿素、エチレン尿素、糖類等が挙げられる。
防腐剤としては、例えば、有機硫黄系、有機窒素硫黄系、有機ハロゲン系、ハロアリルスルホン系、ヨードプロパギル系、N-ハロアルキルチオ系、ニトリル系、ピリジン系、8-オキシキノリン系、ベンゾチアゾール系、イソチアゾリン系、ジチオール系、ピリジンオキシド系、ニトロプロパン系、有機スズ系、フェノール系、第4級アンモニウム塩系、トリアジン系、チアジン系、アニリド系、アダマンタン系、ジチオカーバメイト系、ブロム化インダノン系、ベンジルブロムアセテート系、無機塩系等の化合物が挙げられる。有機ハロゲン系化合物の具体例としては、ペンタクロロフェノールナトリウム等が挙げられる。ピリジンオキシド系化合物の具体例としては、2-ピリジンチオール-1-オキサイドナトリウム等が挙げられる。イソチアゾリン系化合物の具体例としては、1,2-ベンズイソチアゾリン-3-オン、2-n-オクチル-4-イソチアゾリン-3-オン、5-クロロ-2-メチル-4-イソチアゾリン-3-オン、5-クロロ-2-メチル-4-イソチアゾリン-3-オンマグネシウムクロライド、5-クロロ-2-メチル-4-イソチアゾリン-3-オンカルシウムクロライド、2-メチル-4-イソチアゾリン-3-オンカルシウムクロライド等が挙げられる。その他の防腐防黴剤の具体例として、無水酢酸ナトリウム、ソルビン酸ナトリウム、安息香酸ナトリウム、ロンザ社製の商品名プロキセルGXL、プロキセルXL-2等が挙げられる。
界面活性剤としては、アニオン、カチオン、両性、ノニオン系、フッ素系等の公知の界面活性剤が挙げられる。
アニオン界面活性剤としては、例えば、アルキルスルホン酸塩、アルキルカルボン酸塩、α-オレフィンスルホン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸塩、N-アシルアミノ酸及びその塩、N-アシルメチルタウリン塩、アルキル硫酸塩ポリオキシアルキルエーテル硫酸塩、アルキル硫酸塩ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸塩、ロジン酸石鹸、ヒマシ油硫酸エステル塩、ラウリルアルコール硫酸エステル塩、アルキルフェノール型リン酸エステル、アルキル型リン酸エステル、アルキルアリールスルホン酸塩、ジエチルスルホ琥珀酸塩、ジエチルヘキシルスルホ琥珀酸塩、ジオクチルスルホ琥珀酸塩等が挙げられる。市販品としては、例えば、いずれも第一工業製薬(株)製のハイテノールLA-10、LA-12、LA-16、ネオハイテノールECL-30S、ECL-45等が挙げられる。
カチオン界面活性剤としては、例えば、2-ビニルピリジン誘導体、ポリ4-ビニルピリジン誘導体等が挙げられる。
両性界面活性剤としては、例えば、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、2-アルキル-N-カルボキシメチル-N-ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ポリオクチルポリアミノエチルグリシン、イミダゾリン誘導体等が挙げられる。
ノニオン界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンドデシルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル等のエーテル系;ポリオキシエチレンオレイン酸エステル、ポリオキシエチレンジステアリン酸エステル、ソルビタンラウレート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンモノオレエート、ソルビタンセスキオレエート、ポリオキシエチレンモノオレエート、ポリオキシエチレンステアレート等のエステル系;2,4,7,9-テトラメチル-5-デシン-4,7-ジオール、3,6-ジメチル-4-オクチン-3,6-ジオール、3,5-ジメチル-1-ヘキシン-3-オール等のアセチレングリコール(アルコール)系;エアープロダクツジャパン(株)製のサーフィノール104、105、82、465、オルフィンSTG等;ポリグリコールエーテル系(例えば、SIGMA-ALDRICH社製のTergitol 15-S-7等);などが挙げられる。
フッ素系界面活性剤としては、例えば、パーフルオロアルキルスルホン酸化合物、パーフルオロアルキルカルボン酸系化合物、パーフルオロアルキルリン酸エステル化合物、パーフルオロアルキルエチレンオキサイド付加物、パーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマー化合物等が挙げられる。市販品としては、例えば、Zonyl TBS、FSP、FSA、FSN-100、FSN、FSO-100、FSO、FS-300、Capstone FS-30、FS-31(以上、DuPont社製);PF-151N、PF-154N(以上、オムノバ社製);等が挙げられる。
pH調整剤としては、調製される着色分散液に悪影響を及ぼさずに、着色分散液のpHをおおよそ5~11の範囲に制御できるものであれば任意の物質を使用することができる。その具体例としては、例えば、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N-メチルジエタノールアミン等のアルカノールアミン;水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属の水酸化物;水酸化アンモニウム(アンモニア水);炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウム等のアルカリ金属の炭酸塩;酢酸カリウム等の有機酸のアルカリ金属塩;ケイ酸ナトリウム、リン酸二ナトリウム等の無機塩基;などが挙げられる。これらの中でも、トリエタノールアミンが好ましい。
キレート試薬としては、例えば、エチレンジアミン四酢酸ナトリウム、ニトリロ三酢酸ナトリウム、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸ナトリウム、ジエチレントリアミン五酢酸ナトリウム、ウラシル二酢酸ナトリウム等が挙げられる。
防錆剤としては、例えば、酸性亜硫酸塩、チオ硫酸ナトリウム、チオグルコール酸アンモニウム、ジイソプロピルアンモニウムナイトライト、四硝酸ペンタエリスリトール、ジシクロヘキシルアンモニウムナイトライト等が挙げられる。
水溶性紫外線吸収剤としては、例えば、スルホン化したベンゾフェノン系化合物、ベンゾトリアゾ-ル系化合物、サリチル酸系化合物、桂皮酸系化合物、トリアジン系化合物が挙げられる。
水溶性高分子化合物としては、ポリビニルアルコール、セルロース誘導体、ポリアミン、ポリイミン等が挙げられる。
粘度調整剤としては、水溶性有機溶剤の他に水溶性高分子化合物が挙げられ、例えば、ポリビニルアルコール、セルロース誘導体、ポリアミン、ポリイミン等が挙げられる。
色素溶解剤としては、例えば、尿素、ε-カプロラクタム、エチレンカーボネート等が挙げられる。
酸化防止剤としては、各種の有機系及び金属錯体系の褪色防止剤を使用することができる。有機系の褪色防止剤としては、ハイドロキノン類、アルコキシフェノール類、ジアルコキシフェノール類、フェノール類、アニリン類、アミン類、インダン類、クロマン類、アルコキシアニリン類、複素環類等が挙げられる。金属錯体系の褪色防止剤としては、ニッケル錯体、亜鉛錯体等が挙げられる。
樹脂エマルションとしては、例えば、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリアミド樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、シリコーン樹脂、フッ素樹脂、ポリビニル樹脂(塩化ビニル、酢酸ビニル、ポリビニルアルコール等)、アルキド樹脂、ポリエステル樹脂、アミノ材料(メラニン樹脂、ユリア樹脂、尿素樹脂、メラニンホルムアルデヒド樹脂等)等から形成されたエマルションを挙げることができる。樹脂エマルションは、2種以上の樹脂を含んでいてもよい。また、2種以上の樹脂がコア/シェル構造を形成していてもよい。樹脂エマルションの中でも、ウレタン樹脂エマルションが好ましい。
ウレタン樹脂エマルションは、市販品として入手することができ、その多くは固形分濃度30~60質量%の乳化液である。ウレタン樹脂エマルションの市販品としては、例えば、パーマリンUA-150、200、310、368、3945、ユーコートUX-320(以上、三洋化成(株)製);ハイドランWLS-201、210、HW-312Bのラテックス(以上、DIC(株)製);スーパーフレックス150、170、470(以上、第一工業製薬(株)製);等が挙げられる。これらのうち、ポリカーボネート系ウレタン樹脂としては、例えば、パーマリンUA-310、3945;ユーコートUX-320;等が挙げられる。また、ポリエーテル系ウレタン樹脂としては、例えば、パーマリンUA-150、200;ユーコートUX-340;等が挙げられる。
ウレタン樹脂エマルション中のウレタン樹脂は、SP値が8~24(cal/cm1/2であることが好ましく、8~17(cal/cm1/2であることがより好ましく、8~11(cal/cm1/2であることがさらに好ましい。なお、ウレタン樹脂のSP値は、Fedors法によって計算される。ウレタン樹脂が酸性基を有し、この酸性基を中和してエマルションを調製している場合には、中和前のウレタン樹脂のSP値を用いる。
ウレタン樹脂エマルション中のウレタン樹脂がカルボキシ基、スルホ基、ヒドロキシ基等の酸性基を有する場合、酸性基がアルカリ塩化されていてもよい。例えば、酸性基を有するウレタン樹脂を水に投入して撹拌して水溶液を調製し、そこへアルカリ性化合物を投入してpHを6.0~12.0に調整することにより、酸性基をアルカリ塩化することができる。アルカリ性化合物としては、例えば、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属の水酸化物;水酸化ベリリウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化ストロンチウム等のアルカリ土類金属の水酸化物;などが挙げられる。アルカリ性化合物は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
[着色分散液の調製方法等]
本実施形態に係る着色分散液の調製方法としては、例えば、水不溶性染料及び芳香族スルホン酸ホルマリン縮合物系分散剤を含有する水性分散液を調製し、必要に応じて、その他の成分をさらに加える方法が挙げられる。
水性分散液を調製する方法としては、サンドミル(ビーズミル)、ロールミル、ボールミル、ペイントシェーカー、超音波分散機、高圧乳化機等を用いて、水性分散液を構成する各成分を撹拌混合する等の公知の方法が挙げられる。例えば、サンドミルを用いる場合、まず、各成分及び分散媒体としてのビーズをサンドミルに仕込む。ビーズとしては、粒子径0.01~1mmのガラスビーズ、ジルコニアビーズ等を用いることができる。ビーズの使用量は、分散対象1質量部に対して2~6質量部が好ましい。次いで、サンドミルを作動させ分散処理を行う。分散処理条件は、概ね1000~2000rpmで1~20時間が好ましい。そして、分散処理後にビーズを濾過等により除去することで、水性分散液が得られる。
調製した着色分散液は、メンブランフィルター等を用いて精密濾過を行ってもよい。特に、着色分散液をインクジェット捺染用インクとして使用するときは、ノズルの目詰まり等を防止する目的で、精密濾過を行うことが好ましい。精密濾過に使用するフィルターの孔径は、通常0.1~1μmであり、好ましくは0.1~0.8μmである。
本実施形態に係る着色分散液の25℃における粘度は、高速での吐出応答性の点から、E型粘度計にて測定したときに、3~20mPa・s程度であることが好ましい。また、本実施形態に係る着色分散液の25℃における表面張力は、プレート法にて測定したときに、20~55mN/m程度であることが好ましい。実際には、使用するインクジェットプリンタの吐出量、応答速度、インク液滴飛行特性等を考慮して、適正な物性値になるよう調整される。
本実施形態に係る着色分散液は、各種分野において使用することができるが、インクジェット捺染用インクとして用いることが特に好ましい。
本実施形態に係る着色分散液によれば、保存中に着色分散液中の粒子が凝集して平均粒径が大きくなることを効果的に抑制することができ、また、保存中に粒子が沈降することも効果的に抑制することができる。すなわち、本実施形態に係る着色分散液によれば、着色分散液中の粒子の分散状態を安定して維持することができる。また、本実施形態に係る着色分散液は、臭気が少なく、作業性にも優れる。さらに、本実施形態に係る着色分散液は、スチレン-(メタ)アクリル共重合体を分散剤として含有する着色分散液に比べて、乾燥後の再分散性に優れる。このため、本実施形態に係る着色分散液をインクとして使用した場合、インクの乾燥により凝集増粘物が生じ、一時的にインクジェットプリンタのノズル詰まりが起こったとしても、後続のインクにより凝集増粘物が再分散し、容易にノズル詰まりが解消する。
加えて、本実施形態に係る着色分散液を用いて着色した着色物は、耐光性、耐候性、耐湿性、耐洗濯性等の各種堅牢性に優れる上、発色性、色再現性、耐水性にも優れる。
<着色分散液セット>
本実施形態に係る着色分散液セットは、本実施形態に係る着色分散液と、該着色分散液と色相が異なる少なくとも1種の他の着色分散液とを備えるものである。本実施形態に係る着色分散液及び他の着色分散液としては、いずれも、色相が異なる2種以上が含まれていてもよい。
<記録メディア>
本実施形態に係る記録メディアは、本実施形態に係る着色分散液、又は本実施形態に係る着色分散液セットが備える各着色分散液が付着したものである。
記録メディアとしては、普通紙、樹脂コート紙、インクジェット専用紙、光沢紙、光沢フィルム、電子写真共用紙等の情報伝達用シート;繊維、布帛;ガラス;金属;陶磁器;皮革;カラーフィルター用基材;などが挙げられる。記録メディアとしてはシート状のものが好適に用いられるが、シート状以外の球状、直方体形状等の立体的な形状を有するものであってもよい。
インクジェット印刷に用いられる好ましい記録メディアとしては、例えば、紙、合成紙、フィルム等の基材にインク受容層を設けたものが挙げられる。インク受容層は、上記基材にカチオン系ポリマーを含浸又は塗工する方法;多孔質シリカ、アルミナゾル、特殊セラミックス等の着色分散液中の色素を吸収し得る無機微粒子を、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン等の親水性ポリマーとともに基材表面に塗工する方法;等により設けられる。このようなインク受容層を設けた記録メディアは、通常、インクジェット専用紙(フィルム)、光沢紙(フィルム)等と称される。この中でも、オゾンガス等の空気中の酸化作用を持つガスに対して影響を受けやすいとされているのが、多孔質シリカ、アルミナゾル、特殊セラミックス等の着色分散液中の色素を吸収し得る無機微粒子を基材表面に塗工しているタイプのインクジェット専用紙である。市販品として入手できる専用紙の代表的な例としては、キヤノン(株)製、商品名 写真用紙・光沢プロ「プラチナグレード」、写真用紙・光沢ゴールド;セイコーエプソン(株)製、商品名 写真用紙クリスピア(高光沢)、写真用紙(光沢)、フォトマット紙;日本ヒューレット・パッカード(株)製、商品名 アドバンスフォト用紙(光沢);ブラザー(株)製、商品名 プレミアムプラスグロッシィフォトペーパー;等がある。なお、普通紙も当然利用でき、具体的にはキヤノン(株)製、商品名 PBペーパーGF500;セイコーエプソン(株)製、商品名 両面上質普通紙;PPC(プレインペーパーコピー)用紙;等が挙げられる。
また、インクジェット記録に用いられる好ましい記録メディアとしては、繊維が挙げられる。繊維の中でも、疎水性繊維が好ましい。疎水性繊維としては、例えば、ポリエステル繊維、ナイロン繊維、トリアセテート繊維、ジアセテート繊維、ポリアミド繊維、及びこれらの繊維を2種以上用いた混紡繊維等が挙げられる。また、これらの疎水性繊維とレーヨン等の再生繊維、木綿、絹、羊毛等の天然繊維との混紡繊維も、本明細書においては疎水性繊維に含まれる。なお、繊維としては、繊維の構造体(布帛等)も含まれる。
<疎水性繊維の捺染方法>
本実施形態に係る疎水性繊維の捺染方法は、本実施形態に係る着色分散液、又は本実施形態に係る着色分散液セットを用いて疎水性繊維を捺染する方法である。疎水性繊維の捺染方法は、ダイレクトプリント法と昇華転写法とに大別される。
ダイレクトプリント法は、着色分散液の液滴を、インクジェットプリンタ等により疎水性繊維に付着させることにより、文字、絵柄等の記録画像を得るプリント工程と、プリント工程にて疎水性繊維に付着させた着色分散液中の水不溶性染料を、熱により疎水性繊維に固着させる固着工程と、疎水性繊維中に残存する未固着の水不溶性染料を洗浄する洗浄工程と、を含む。
固着工程は、一般的には公知のスチーミング又はベーキングによって行われる。スチーミングとしては、例えば、高温スチーマーにより通常170~180℃で10分間程度、あるいは、高圧スチーマーにより通常120~130℃で20分間程度、それぞれ疎水性繊維を処理することにより、水不溶性染料を疎水性繊維に染着(湿熱固着とも称される)する方法が挙げられる。ベーキング(サーモゾル)としては、例えば、通常190~210℃で6~120秒間程度、疎水性繊維を処理することにより、水不溶性染料を疎水性繊維に染着(乾熱固着とも称される)する方法が挙げられる。
洗浄工程は、得られた繊維を、温水、及び必要に応じて水により洗浄する工程である。洗浄に使用する温水や水は、界面活性剤を含んでいてもよい。洗浄後の疎水性繊維を、通常50~120℃で5~30分間乾燥することも好ましく行われる。
一方、昇華転写法は、着色分散液の液滴を、インクジェットプリンタ等により中間記録媒体に付着させることにより、文字、絵柄等の記録画像を得るプリント工程と、中間記録媒体における着色分散液の付着面に疎水性繊維を接触させ、熱処理することにより記録画像を疎水性繊維に転写する転写工程と、を含む。
中間記録媒体としては、付着した着色分散液中の水不溶性染料が、その表面で凝集せず、かつ、疎水性繊維へ記録画像の転写を行うときに、水不溶性染料の昇華を妨害しないものが好ましい。そのような中間記録媒体の一例としては、シリカ等の無機微粒子でインク受容層が表面に形成されている紙が挙げられ、インクジェット用の専用紙等を用いることができる。
転写工程における熱処理としては、通常190~200℃程度での乾熱処理が挙げられる。
本実施形態に係る疎水性繊維の捺染方法は、滲み等を防止する目的で、疎水性繊維の前処理工程をさらに含んでいてもよい。この前処理工程としては、糊材、アルカリ性物質、還元防止剤、及びヒドロトロピー剤を含有する水溶液(前処理液)を、着色分散液を付着させる前の疎水性繊維に付与する工程が挙げられる。
糊剤としては、例えば、グアー、ローカストビーン等の天然ガム類;澱粉類;アルギン酸ソーダ、ふのり等の海藻類;ペクチン酸等の植物皮類;メチル繊維素、エチル繊維素、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース等の繊維素誘導体;カルボキシメチル澱粉等の加工澱粉;ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸エステル等の合成糊;などが挙げられ、アルギン酸ソーダが好ましい。
アルカリ性物質としては、例えば、無機酸又は有機酸のアルカリ金属塩;アルカリ土類金属の塩;加熱した際にアルカリを遊離する化合物;等が挙げられ、アルカリ金属水酸化物及びアルカリ金属塩が好ましい。具体例としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カルシウム等のアルカリ金属水酸化物;炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウム、リン酸二水素ナトリウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸ナトリウム等の無機化合物のアルカリ金属塩;蟻酸ナトリウム、トリクロロ酢酸ナトリウム等の有機化合物のアルカリ金属塩;などが挙げられ、炭酸水素ナトリウムが好ましい。
還元防止剤としては、メタニトロベンゼンスルホン酸ナトリウムが好ましい。
ヒドロトロピー剤としては、尿素、ジメチル尿素等の尿素類等が挙げられ、尿素が好ましい。
糊剤、アルカリ性物質、還元防止剤、及びヒドロトロピー剤は、いずれも1種類を単独で使用してもよく、二種類以上を併用してもよい。
前処理液中における各成分の混合比率は、例えば、糊剤が0.5~5質量%、炭酸水素ナトリウムが0.5~5質量%、メタニトロベンゼンスルホン酸ナトリウムが0~5質量%、尿素が1~20質量%、残部が水である。
前処理液を疎水性繊維に付着させる方法としては、例えばパディング法が挙げられる。パディングの絞り率は40~90%程度が好ましく、より好ましくは60~80%程度である。
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は、実施例により限定されるものではない。実施例において特に断りがない限り、「部」、「%」、「ppm」はいずれも質量基準である。また、実施例における水性分散液及びインクは、いずれも上記着色分散液に含まれる。
<調製例1:芳香族スルホン酸ホルマリン縮合物系分散剤1の調製>
反応容器にナフタレン(80部)、1-メチルナフタレン(335部)、2-メチルナフタレン(335部)、及び1,5-ジメチルナフタレン(250部)と、98%硫酸(1015部)とを仕込み、158~162℃で1.5時間加熱してスルホン化を行った。次いで、この反応混合物に水(300部)を添加して希釈した後、ホルマリン(ホルムアルデヒド含有率:35%)(670部)を添加し、100~110℃で10時間、縮合反応を行った。
次いで、この反応混合物に水(1300部)を添加した後、液体苛性ソーダ(NaOH含有率:48%)(650部)と消石灰(Ca(OH))とを加えてpHを11.8に調整し、80℃で1時間、アルカリ化を行った。その後、反応混合物の遠心分離及び濾過を行うことにより、アルカリ化で生成した石膏、芒硝等の塩を除去した。このときの反応混合物のpHは11.8であった。
次いで、この反応混合物に80℃で1時間、pH11.8を維持するように消石灰を加えながら脱ホルムアルデヒドを行った。その後、98%硫酸を用いてpHを6.5に調整した。得られたナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物のホルムアルデヒド含有率は50ppmであった。そして、固形分が40%になるまでエバポレーターを用いて溶媒を留去し(80℃、50mbar)、芳香族スルホン酸ホルマリン縮合物系分散剤1(以下、「分散剤1」ともいう。)を得た。
<調製例2:芳香族スルホン酸ホルマリン縮合物系分散剤2の調製>
容器にイオン交換水(600部)を仕込み、スリーワンモーターを用いて400rpmで撹拌しながら、分散剤MF(Anyang Double Circle Auxiliary CO.,LTD製)(400部)を少しずつ添加した。添加し終わったところで2時間撹拌を継続し、溶け残りがないことを確認し、固形分が40%の芳香族スルホン酸ホルマリン縮合物系分散剤2(以下、「分散剤2」ともいう。)を得た。
<調製例3:芳香族スルホン酸ホルマリン縮合物系分散剤3の調製>
反応容器に1,5-ジメチルナフタレン(1000部)と98%硫酸(1015部)とを仕込み、158~162℃で1.5時間加熱してスルホン化を行った。次いで、この反応混合物に水(300部)を添加して希釈した後、ホルマリン(ホルムアルデヒド含有率:35%)(670部)を添加し、100~110℃で10時間、縮合反応を行った。
次いで、この反応混合物に水(1300部)を添加した後、液体苛性ソーダ(NaOH含有率:48%)(650部)と消石灰(Ca(OH))とを加えてpHを11.8に調整し、80℃で1時間アルカリ化を行った。その後、反応混合物の遠心分離及び濾過を行うことにより、アルカリ化で生成した石膏、芒硝等の塩を除去した。このときの反応混合物のpHは11.8であった。
次いで、この反応混合物に80℃で1時間、pH11.8を維持するように消石灰を加えながら脱ホルムアルデヒドを行った。その後、98%硫酸を用いてpHを9.4に調整した。得られたナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物のホルムアルデヒド含有率は50ppmであった。そして、固形分が40%になるまでエバポレーターを用いて溶媒を留去し(80℃、50mbar)、芳香族スルホン酸ホルマリン縮合物系分散剤3(以下、「分散剤3」ともいう。)を得た。
<調製例4:芳香族スルホン酸ホルマリン縮合物系分散剤4の調製>
反応容器にナフタレン(80部)、1-メチルナフタレン(620部)、1,5-ジメチルナフタレン(250部)、及びビフェニル(50部)と、98%硫酸(1015部)とを仕込み、158~162℃で1.5時間加熱してスルホン化を行った。次いで、この反応混合物に水(300部)を添加して希釈した後、ホルマリン(ホルムアルデヒド含有率:35%)(670部)を添加し、100~110℃で10時間、縮合反応を行った。
次いで、この反応混合物に水(1300部)を添加した後、液体苛性ソーダ(NaOH含有率:48%)(650部)と消石灰(Ca(OH))とを加えてpHを11.8に調整し、80℃で1時間、アルカリ化を行った。その後、反応混合物の遠心分離及び濾過を行うことにより、アルカリ化で生成した石膏、芒硝等の塩を除去した。このときの反応混合物のpHは11.8であった。
次いで、この反応混合物に80℃で1時間、pH11.8を維持するように消石灰を加えながら脱ホルムアルデヒドを行った。その後、98%硫酸を用いてpHを9.4に調整した。得られたナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物のホルムアルデヒド含有率は50ppmであった。そして、固形分が40%になるまでエバポレーターを用いて溶媒を留去し(80℃、50mbar)、芳香族スルホン酸ホルマリン縮合物系分散剤4(以下、「分散剤4」ともいう。)を得た。
<調製例5:芳香族スルホン酸ホルマリン縮合物系分散剤5の調製>
反応容器にナフタレン(350部)、1-メチルナフタレン(450部)、及び1,5-ジメチルナフタレン(200部)と、98%硫酸(1015部)とを仕込み、158~162℃で1.5時間加熱してスルホン化を行った。次いで、この反応混合物に水(300部)を添加して希釈した後、ホルマリン(ホルムアルデヒド含有率:35%)(670部)を添加し、100~110℃で10時間、縮合反応を行った。
次いで、この反応混合物に水(1300部)を添加した後、液体苛性ソーダ(NaOH含有率:48%)(650部)と消石灰(Ca(OH))とを加えてpHを11.8に調整し、80℃で1時間、アルカリ化を行った。その後、反応混合物の遠心分離及び濾過を行うことにより、アルカリ化で生成した石膏、芒硝等の塩を除去した。このときの反応混合物のpHは11.8であった。
次いで、この反応混合物に80℃で1時間、pH11.8を維持するように消石灰を加えながら脱ホルムアルデヒドを行った。その後、98%硫酸を用いてpHを9.4に調整した。得られたナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物のホルムアルデヒド含有率は50ppmであった。そして、固形分が40%になるまでエバポレーターを用いて溶媒を留去し(80℃、50mbar)、芳香族スルホン酸ホルマリン縮合物系分散剤5(以下、「分散剤5」ともいう。)を得た。
<調製例6:芳香族スルホン酸ホルマリン縮合物系分散剤6の調製>
反応容器にナフタレン(450部)、1-メチルナフタレン(350部)、及び1,5-ジメチルナフタレン(200部)と、98%硫酸(1015部)とを仕込み、158~162℃で1.5時間加熱してスルホン化を行った。次いで、この反応混合物に水(300部)を添加して希釈した後、ホルマリン(ホルムアルデヒド含有率:35%)(670部)を仕込み、100~110℃で10時間、縮合反応を行った。
次いで、この反応混合物に水(1300部)を添加した後、液体苛性ソーダ(NaOH含有率:48%)(650部)と消石灰(Ca(OH))とを加えてpHを11.8に調整し、80℃で1時間、アルカリ化を行った。その後、反応混合物の遠心分離及び濾過を行うことにより、アルカリ化で生成した石膏、芒硝等の塩を除去した。このときの反応混合物のpHは11.8であった。
次いで、この反応混合物に80℃で1時間、pH11.8を維持するように消石灰を加えながら脱ホルムアルデヒドを行った。その後、98%硫酸を用いてpHを9.4に調整した。得られたナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物のホルムアルデヒド含有率は50ppmであった。そして、固形分が40%になるまでエバポレーターを用いて溶媒を留去し(80℃、50mbar)、芳香族スルホン酸ホルマリン縮合物系分散剤6(以下、「分散剤6」ともいう。)を得た。
<調製例7:芳香族スルホン酸ホルマリン縮合物系分散剤7の調製>
反応容器にナフタレン(100部)、1-メチルナフタレン(800部)、及び1,5-ジメチルナフタレン(100部)と、98%硫酸(1015部)とを仕込み、158~162℃で1.5時間加熱してスルホン化を行った。次いで、この反応混合物に水(300部)を添加して希釈した後、ホルマリン(ホルムアルデヒド含有率:35%)(670部)を添加し、100~110℃で10時間、縮合反応を行った。
次いで、この反応混合物に水(1300部)を添加した後、液体苛性ソーダ(NaOH含有率:48%)(650部)と消石灰(Ca(OH))とを加えてpHを11.8に調整し、80℃で1時間、アルカリ化を行った。その後、反応混合物の遠心分離及び濾過を行うことにより、アルカリ化で生成した石膏、芒硝等の塩を除去した。このときの反応混合物のpHは11.8であった。
次いで、この反応混合物に80℃で1時間、pH11.8を維持するように消石灰を加えながら脱ホルムアルデヒドを行った。その後、98%硫酸を用いてpHを9.4に調整した。得られたナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物のホルムアルデヒド含有率は50ppmであった。そして、固形分が40%になるまでエバポレーターを用いて溶媒を留去し(80℃、50mbar)、芳香族スルホン酸ホルマリン縮合物系分散剤7(以下、「分散剤7」ともいう。)を得た。
<調製例8:芳香族スルホン酸ホルマリン縮合物系分散剤8の調製>
反応容器にナフタレン(100部)、1-メチルナフタレン(350部)、及び1,5-ジメチルナフタレン(550部)と、98%硫酸(1015部)とを仕込み、158~162℃で1.5時間加熱してスルホン化を行った。次いで、この反応混合物に水(300部)を添加して希釈した後、ホルマリン(ホルムアルデヒド含有率:35%)(670部)を添加し、100~110℃で10時間、縮合反応を行った。
次いで、この反応混合物に水(1300部)を添加した後、液体苛性ソーダ(NaOH含有率:48%)(650部)と消石灰(Ca(OH))とを加えてpHを11.8に調整し、80℃で1時間、アルカリ化を行った。その後、反応混合物の遠心分離及び濾過を行うことにより、アルカリ化で生成した石膏、芒硝等の塩を除去した。このときの反応混合物のpHは11.8であった。
次いで、この反応混合物に80℃で1時間、pH11.8を維持するように消石灰を加えながら脱ホルムアルデヒドを行った。その後、98%硫酸を用いてpHを9.4に調整した。得られたナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物のホルムアルデヒド含有率は50ppmであった。そして、固形分が40%になるまでエバポレーターを用いて溶媒を留去し(80℃、50mbar)、芳香族スルホン酸ホルマリン縮合物系分散剤8(以下、「分散剤8」ともいう。)を得た。
<調製例9:芳香族スルホン酸ホルマリン縮合物系分散剤9の調製>
反応容器にナフタレン(100部)、1-メチルナフタレン(200部)、及び1,5-ジメチルナフタレン(700部)と、98%硫酸(1015部)とを仕込み、158~162℃で1.5時間加熱してスルホン化を行った。次いで、この反応混合物に水(300部)を添加して希釈した後、ホルマリン(ホルムアルデヒド含有率:35%)(670部)を添加し、100~110℃で10時間、縮合反応を行った。
次いで、この反応混合物に水(1300部)を添加した後、液体苛性ソーダ(NaOH含有率:48%)(650部)と消石灰(Ca(OH))とを加えてpHを11.8に調整し、80℃で1時間、アルカリ化を行った。その後、反応混合物の遠心分離及び濾過を行うことにより、アルカリ化で生成した石膏、芒硝等の塩を除去した。このときの反応混合物のpHは11.8であった。
次いで、この反応混合物に80℃で1時間、pH11.8を維持するように消石灰を加えながら脱ホルムアルデヒドを行った。その後、98%硫酸を用いてpHを9.4に調整した。得られたナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物のホルムアルデヒド含有率は50ppmであった。そして、固形分が40%になるまでエバポレーターを用いて溶媒を留去し(80℃、50mbar)、芳香族スルホン酸ホルマリン縮合物系分散剤9(以下、「分散剤9」ともいう。)を得た。
<調製例10:芳香族スルホン酸ホルマリン縮合物系分散剤10の調製>
反応容器にナフタレン(700部)、1-メチルナフタレン(210部)、及び1,5-ジメチルナフタレン(90部)と、98%硫酸(1015部)とを仕込み、158~162℃で1.5時間加熱してスルホン化を行った。次いで、この反応混合物に水(300部)を添加して希釈した後、ホルマリン(ホルムアルデヒド含有率:35%)(670部)を添加し、100~110℃で10時間、縮合反応を行った。
次いで、この反応混合物に水(1300部)を添加した後、液体苛性ソーダ(NaOH含有率:48%)(650部)と消石灰(Ca(OH))とを加えてpHを11.8に調整し、80℃で1時間、アルカリ化を行った。その後、反応混合物の遠心分離及び濾過を行うことにより、アルカリ化で生成した石膏、芒硝等の塩を除去した。このときの反応混合物のpHは11.8であった。
次いで、この反応混合物に80℃で1時間、pH11.8を維持するように消石灰を加えながら脱ホルムアルデヒドを行った。その後、98%硫酸を用いてpHを9.4に調整した。得られたナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物のホルムアルデヒド含有率は50ppmであった。そして、固形分が40%になるまでエバポレーターを用いて溶媒を留去し(80℃、50mbar)、芳香族スルホン酸ホルマリン縮合物系分散剤10(以下、「分散剤10」ともいう。)を得た。
<調製例11:芳香族スルホン酸ホルマリン縮合物系分散剤11の調製>
反応容器にナフタレン(600部)、1-メチルナフタレン(310部)、及び1,5-ジメチルナフタレン(90部)と、98%硫酸(1015部)とを仕込み、158~162℃で1.5時間加熱してスルホン化を行った。次いで、この反応混合物に水(300部)を添加して希釈した後、ホルマリン(ホルムアルデヒド含有率:35%)(670部)を添加し、100~110℃で10時間、縮合反応を行った。
次いで、この反応混合物に水(1300部)を添加した後、液体苛性ソーダ(NaOH含有率:48%)(650部)と消石灰(Ca(OH))とを加えてpHを11.8に調整し、80℃で1時間、アルカリ化を行った。その後、反応混合物の遠心分離及び濾過を行うことにより、アルカリ化で生成した石膏、芒硝等の塩を除去した。このときの反応混合物のpHは11.8であった。
次いで、この反応混合物に80℃で1時間、pH11.8を維持するように消石灰を加えながら脱ホルムアルデヒドを行った。その後、98%硫酸を用いてpHを9.4に調整した。得られたナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物のホルムアルデヒド含有率は50ppmであった。そして、固形分が40%になるまでエバポレーターを用いて溶媒を留去し(80℃、50mbar)、芳香族スルホン酸ホルマリン縮合物系分散剤11(以下、「分散剤11」ともいう。)を得た。
<調製例12:芳香族スルホン酸ホルマリン縮合物系分散剤12の調製>
反応容器にナフタレン(100部)、1-メチルナフタレン(850部)、及び1,5-ジメチルナフタレン(50部)と、98%硫酸(1015部)とを仕込み、158~162℃で1.5時間加熱してスルホン化を行った。次いで、この反応混合物に水(300部)を添加して希釈した後、ホルマリン(ホルムアルデヒド含有率:35%)(670部)を添加し、100~110℃で10時間、縮合反応を行った。
次いで、この反応混合物に水(1300部)を添加した後、液体苛性ソーダ(NaOH含有率:48%)(650部)と消石灰(Ca(OH))とを加えてpHを11.8に調整し、80℃で1時間、アルカリ化を行った。その後、反応混合物の遠心分離及び濾過を行うことにより、アルカリ化で生成した石膏、芒硝等の塩を除去した。このときの反応混合物のpHは11.8であった。
次いで、この反応混合物に80℃で1時間、pH11.8を維持するように消石灰を加えながら脱ホルムアルデヒドを行った。その後、98%硫酸を用いてpHを9.4に調整した。得られたナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物のホルムアルデヒド含有率は50ppmであった。そして、固形分が40%になるまでエバポレーターを用いて溶媒を留去し(80℃、50mbar)、芳香族スルホン酸ホルマリン縮合物系分散剤12(以下、「分散剤12」ともいう。)を得た。
調製例1~12で得た分散剤1~12の構成を下記表1に示す。
Figure 2024064920000006
<実施例1~20、比較例1~7:水性分散液1~27の調製>
下記表2~5に記載の各成分の混合物に0.2mm径ガラスビーズを加え、サンドミルにて水冷下、約15時間分散処理を行った。得られた液をガラス繊維濾紙GC-50(ADVANTEC社製、フィルターの孔径:0.5μm)で濾過し、各水性分散液を得た。表2~5中、各成分の数値は、添加した部数を示す。
Figure 2024064920000007
Figure 2024064920000008
Figure 2024064920000009
Figure 2024064920000010
表2~5中における各略記はそれぞれ以下を表す。
DY54:C.I.ディスパースイエロー 54
DR60:C.I.ディスパースレッド 60
DB359:C.I.ディスパースブルー 359
DB360:C.I.ディスパースブルー 360
DOr25:C.I.ディスパースオレンジ 25
SOr60:C.I.ソルベントオレンジ 60
ラベリンW-40:ラベリンW-40(クレオソート油スルホン酸ナトリウムホルマリン縮合物、固形分40%の水溶液、第一工業製薬(株)製)
ラベリンFD40:ラベリンFD40(ナフタレンスルホン酸ナトリウムホルマリン縮合物、固形分40%の水溶液、第一工業製薬(株)製)
デモールN:デモールN(β-メチルナフタレンスルホン酸ナトリウムホルマリン縮合物、固形分40%の水溶液、花王(株)製)
BPS-30:ニッコールBPS-30(フィトステロールのエチレンオキサイド付加物、日光ケミカルズ(株)製)
プロキセルGXL:防腐防黴剤(ロンザ社製)
サーフィノール104PG50:サーフィノール104(アセチレングリコール界面活性剤、エアープロダクツジャパン(株)製)をプロピレングリコールで50%濃度に希釈したもの。
<実施例21~38、比較例8~14:インク1~25の調製>
実施例1~20及び比較例1~7で得た水性分散液1~27と、下記表6~9に記載の各成分とを混合し、30分間撹拌した後、ガラス繊維濾紙GC-50(ADVANTEC社製、フィルターの孔径:0.5μm)で濾過することにより、インク1~25をそれぞれ調製した。表6~9中、各成分の数値は、添加した部数を示す。
Figure 2024064920000011
Figure 2024064920000012
Figure 2024064920000013
Figure 2024064920000014
表6~9中における各略記はそれぞれ以下を表す。
BYK-348:ポリエーテル変性ポリジメチルシロキサン(BYK-348、ビックケミー・ジャパン(株)製)
TEA-80:トリエタノールアミン(TEA-80、オクサリスケミカルズ(株)製)
プロキセルGXL:防腐防黴剤(ロンザ社製)
<実施例39~49:水性分散液28~38の調製>
下記表10~11に記載の各成分の混合物に0.2mm径ガラスビーズを加え、サンドミルにて水冷下、約15時間分散処理を行った。得られた液をガラス繊維濾紙GC-50(ADVANTEC社製、フィルターの孔径:0.5μm)で濾過し、各水性分散液を得た。表10~11中、各成分の数値は、添加した部数を示す。
Figure 2024064920000015
Figure 2024064920000016
表10~11中における各略記はそれぞれ以下を表す。
DY54:C.I.ディスパースイエロー 54
DR60:C.I.ディスパースレッド 60
DB359:C.I.ディスパースブルー 359
DB360:C.I.ディスパースブルー 360
DOr25:C.I.ディスパースオレンジ 25
SOr60:C.I.ソルベントオレンジ 60
DR92:C.I.ディスパースレッド 92
DOr73:C.I.ディスパースオレンジ 73
BPS-30:ニッコールBPS-30(フィトステロールのエチレンオキサイド付加物、日光ケミカルズ(株)製)
プロキセルGXL:防腐防黴剤(ロンザ社製)
サーフィノール104PG50:サーフィノール104(アセチレングリコール界面活性剤、エアープロダクツジャパン(株)製)をプロピレングリコールで50%濃度に希釈したもの。
<実施例50~64:インク26~40の調製>
実施例39~49で得た水性分散液28~38と、下記表12~14に記載の各成分とを混合し、30分間撹拌した後、ガラス繊維濾紙GC-50(ADVANTEC社製、フィルターの孔径:0.5μm)で濾過することにより、インク26~40をそれぞれ調製した。表12~14中、各成分の数値は、添加した部数を示す。
Figure 2024064920000017
Figure 2024064920000018
Figure 2024064920000019
表12~14中における各略記はそれぞれ以下を表す。
BYK-348:ポリエーテル変性ポリジメチルシロキサン(BYK-348、ビックケミー・ジャパン(株)製)
TEA-80:トリエタノールアミン(TEA-80、オクサリスケミカルズ(株)製)
プロキセルGXL:防腐防黴剤(ロンザ社製)
<実施例65~67:水性分散液39~41の調製>
下記表15に記載の各成分の混合物に0.2mm径ガラスビーズを加え、サンドミルにて水冷下、約15時間分散処理を行った。得られた液をガラス繊維濾紙GC-50(ADVANTEC社製、フィルターの孔径:0.5μm)で濾過し、各水性分散液を得た。表15中、各成分の数値は、添加した部数を示す。
Figure 2024064920000020
表15中における各略記はそれぞれ以下を表す。
DY54:C.I.ディスパースイエロー 54
DR60:C.I.ディスパースレッド 60
DB359:C.I.ディスパースブルー 359
DB360:C.I.ディスパースブルー 360
DOr25:C.I.ディスパースオレンジ 25
SOr60:C.I.ソルベントオレンジ 60
ラベリンW-40:ラベリンW-40(クレオソート油スルホン酸ナトリウムホルマリン縮合物、固形分40%の水溶液、第一工業製薬(株)製)
ラベリンFD40:ラベリンFD40(ナフタレンスルホン酸ナトリウムホルマリン縮合物、固形分40%の水溶液、第一工業製薬(株)製)
デモールN:デモールN(β-メチルナフタレンスルホン酸ナトリウムホルマリン縮合物、固形分40%の水溶液、花王(株)製)
BPS-30:ニッコールBPS-30(フィトステロールのエチレンオキサイド付加物、日光ケミカルズ(株)製)
プロキセルGXL:防腐防黴剤(ロンザ社製)
サーフィノール104PG50:サーフィノール104(アセチレングリコール界面活性剤、エアープロダクツジャパン(株)製)をプロピレングリコールで50%濃度に希釈したもの。
<実施例68~70:インク41~43の調製>
実施例65~67で得た水性分散液39~41と、下記表16に記載の各成分とを混合し、30分間撹拌した後、ガラス繊維濾紙GC-50(ADVANTEC社製、フィルターの孔径:0.5μm)で濾過することにより、インク41~43をそれぞれ調製した。表16中、各成分の数値は、添加した部数を示す。
Figure 2024064920000021
表16中における各略記はそれぞれ以下を表す。
BYK-348:ポリエーテル変性ポリジメチルシロキサン(BYK-348、ビックケミー・ジャパン(株)製)
TEA-80:トリエタノールアミン(TEA-80、オクサリスケミカルズ(株)製)
プロキセルGXL:防腐防黴剤(ロンザ社製)
<評価>
上記のようにして調製した水性分散液1~41及びインク1~43を用いて、以下の各評価試験を行った。結果を上記表2~16に併せて示す。
[水性分散液の初期粘度]
各水性分散液の初期粘度を、粘度計校正用標準液JS10(日本グリース(株)製)で校正したE型粘度計を用いて、25℃の条件下で測定し、以下の基準で評価した。A又はBは評価が良好であり、Cは評価が不良である。
-評価基準-
A:初期粘度が2mPa・s以上10mPa・s未満
B:初期粘度が10mPa・s以上80mPa・s未満
C:初期粘度が80mPa・s以上
[水性分散液の粘度変化試験]
60℃で5日間保存した各水性分散液の経時粘度を、粘度計校正用標準液JS10(日本グリース(株)製)で校正したE型粘度計を用いて、25℃の条件下で測定し、以下の基準で評価した。A又はBは評価が良好であり、Cは評価が不良である。
-評価基準-
A:経時粘度が2mPa・s以上10mPa・s未満
B:経時粘度が10mPa・s以上80mPa・s未満
C:経時粘度が80mPa・s以上
[インクの初期粘度]
各インクの初期粘度を、粘度計校正用標準液JS10(日本グリース(株)製)で校正したE型粘度計を用いて、25℃の条件下で測定し、以下の基準で評価した。A又はBは評価が良好であり、Cは評価が不良である。
-評価基準-
A:初期粘度が2mPa・s以上4mPa・s未満
B:初期粘度が4mPa・s以上5mPa・s未満
C:初期粘度が5mPa・s以上
[インクの粘度変化試験]
60℃で5日間保存した各インクの経時粘度を、粘度計校正用標準液JS10(日本グリース(株)製)で校正したE型粘度計を用いて、25℃の条件下で測定し、以下の基準で評価した。A又はBは評価が良好であり、Cは評価が不良である。
-評価基準-
A:経時粘度が2mPa・s以上4mPa・s未満
B:経時粘度が4mPa・s以上5mPa・s未満
C:経時粘度が5mPa・s以上
[粒子径変化試験]
60℃で5日間保存した各水性組成物又は各インクに水を加えて500倍に希釈し、着色剤のメディアン径(D50、体積平均粒子径)を、Nanotrac Wave-EX150(マイクロトラック・ベル(株)製)を用いて測定し、以下の基準で評価した。S、A、又はBは評価が良好であり、Cは評価が不良である。
-評価基準-
S:D50が120nm未満
A:D50が120nm以上140nm未満
B:D50が140nm以上170nm未満
C:D50が170nm以上
[臭気試験]
50mLのアイボーイ広口瓶(アズワン(株)製)に各着色分散液又は各インクを20mL入れて蓋をした。60℃で5時間保存した後に蓋を開け、アイボーイ広口瓶の開口部から5cmの距離(温度:25℃)における臭気を10人の評価者で確認し、以下の基準で評価した。A又はBは評価が良好であり、C又はDは評価が不良である。
-評価基準-
A:不快な臭気はないと感じる人が8人以上
B:不快な臭気はないと感じる人が6人以上7人以下
C:不快な臭気はないと感じる人が3人以上5人以下
D:不快な臭気はないと感じる人が2人以下
[インクの沈降性試験A(インク1~10及びインク26~32及びインク41~43)]
インク調製時に測定した574nm付近の最大吸収波長(λmax)における吸光度Absと、60℃で5日間保存したインクの上澄みを分取して測定した574nm付近の最大吸収波長(λmax)における吸光度Absとを用いて、下記式に従って沈降率を算出した。なお、吸光度は、インクにイオン交換水を加えて2000倍に希釈した上で、紫外可視分光光度計(UV-2550、(株)島津製作所製)を用いて測定した。
沈降率(%)={(Abs-Abs)/Abs}×100
そして、算出された沈降率を以下の基準で評価した。S、A、又はBは評価が良好であり、Cは評価が不良である。
-評価基準-
S:沈降率が5%未満
A:沈降率が5%以上10%未満
B:沈降率が10%以上15%未満
C:沈降率が15%以上
[インクの沈降性試験B(インク11~12)]
インク調製時に測定した408nm付近の最大吸収波長(λmax)における吸光度Absと、60℃で5日間保存したインクの上澄みを分取して測定した408nm付近の最大吸収波長(λmax)における吸光度Absとを用いて、下記式に従って沈降率を算出した。なお、吸光度は、インクにイオン交換水を加えて2000倍に希釈した上で、紫外可視分光光度計(UV-2550、(株)島津製作所製)を用いて測定した。
沈降率(%)={(Abs-Abs)/Abs}×100
そして、算出された沈降率を以下の基準で評価した。S、A、又はBは評価が良好であり、Cは評価が不良である。
-評価基準-
S:沈降率が5%未満
A:沈降率が5%以上10%未満
B:沈降率が10%以上15%未満
C:沈降率が15%以上
[インクの沈降性試験C(インク13~14)]
インク調製時に測定した574nm付近の最大吸収波長(λmax)における吸光度Absと、60℃で5日間保存したインクの上澄みを分取して測定した574nm付近の最大吸収波長(λmax)における吸光度Absとを用いて、下記式に従って沈降率を算出した。なお、吸光度は、インクにイオン交換水を加えて2000倍に希釈した上で、紫外可視分光光度計(UV-2550、(株)島津製作所製)を用いて測定した。
沈降率(%)={(Abs-Abs)/Abs}×100
そして、算出された沈降率を以下の基準で評価した。S、A、又はBは評価が良好であり、Cは評価が不良である。
-評価基準-
S:沈降率が5%未満
A:沈降率が5%以上10%未満
B:沈降率が10%以上15%未満
C:沈降率が15%以上
[インクの沈降性試験D(インク15~16及びインク33~36)]
インク調製時に測定した420nm付近の最大吸収波長(λmax)における吸光度Absと、60℃で5日間保存したインクの上澄みを分取して測定した420nm付近の最大吸収波長(λmax)における吸光度Absとを用いて、下記式に従って沈降率を算出した。なお、吸光度は、インクにイオン交換水を加えて2000倍に希釈した上で、紫外可視分光光度計(UV-2550、(株)島津製作所製)を用いて測定した。
沈降率(%)={(Abs-Abs)/Abs}×100
そして、算出された沈降率を以下の基準で評価した。S、A、又はBは評価が良好であり、Cは評価が不良である。
-評価基準-
S:沈降率が5%未満
A:沈降率が5%以上10%未満
B:沈降率が10%以上15%未満
C:沈降率が15%以上
[インクの沈降性試験E(インク17~18及びインク37~40)]
インク調製時に測定した574nm付近の最大吸収波長(λmax)における吸光度Absと、60℃で5日間保存したインクの上澄みを分取して測定した574nm付近の最大吸収波長(λmax)における吸光度Abs10とを用いて、下記式に従って沈降率を算出した。なお、吸光度は、インクにイオン交換水を加えて2000倍に希釈した上で、紫外可視分光光度計(UV-2550、(株)島津製作所製)を用いて測定した。
沈降率(%)={(Abs-Abs10)/Abs}×100
そして、算出された沈降率を以下の基準で評価した。S、A、又はBは評価が良好であり、Cは評価が不良である。
-評価基準-
S:沈降率が5%未満
A:沈降率が5%以上10%未満
B:沈降率が10%以上15%未満
C:沈降率が15%以上
表2~16の結果から明らかなように、水性分散液1~20及び水性分散液28~41、並びにそれを用いて調製したインク1~18及びインク26~43は、初期粘度が低く、高温保管においても粘度や粒子径が大きく増加することがなく、不快な臭気も少なかった。また、インク1~18及びインク26~43は、粒子の沈降が少なく、分散安定性に優れていた。

Claims (11)

  1. 水不溶性染料、芳香族スルホン酸ホルマリン縮合物系分散剤、及び水を含有し、
    前記芳香族スルホン酸ホルマリン縮合物系分散剤が、芳香族スルホン酸系化合物とホルマリンとの縮合反応により得られる反応物であり、
    前記芳香族スルホン酸系化合物が、下記式(1)~(3)で表される化合物を含み、
    前記芳香族スルホン酸系化合物の総量を100質量%としたとき、下記式(2)で表される化合物及び下記式(3)で表される化合物の総量が30質量%を超え95質量%以下であり、かつ、下記式(3)で表される化合物の総量が5質量%を超え70質量%未満である、着色分散液。
    Figure 2024064920000022
    (式中、M、M、Mは、それぞれ独立に、水素原子、金属イオン、又はアンモニウムイオンを示す。)
  2. 前記芳香族スルホン酸系化合物の総量を100質量%としたとき、前記式(2)で表される化合物及び前記式(3)で表される化合物の総量が40~95質量%であり、かつ、前記式(3)で表される化合物の総量が10~60質量%である、請求項1に記載の着色分散液。
  3. 前記芳香族スルホン酸系化合物が、さらに、下記式(4)で表される化合物を含む、請求項1又は2に記載の着色分散液。
    Figure 2024064920000023
    (式中、Mは、水素原子、金属イオン、又はアンモニウムイオンを示す。)
  4. さらに、フィトステロールのアルキレンオキサイド付加物、水添フィトステロールのアルキレンオキサイド付加物、コレスタノールのアルキレンオキサイド付加物、及び水添コレスタノールのアルキレンオキサイド付加物からなる群より選択される少なくとも1種を含有する、請求項1又は2に記載の着色分散液。
  5. さらに、ポリシロキサン系化合物を含有する、請求項1又は2に記載の着色分散液。
  6. さらに、グリコールエーテルを含有する、請求項1又は2に記載の着色分散液。
  7. 前記水不溶性染料の平均粒子径が60~200nmである、請求項1又は2に記載の着色分散液。
  8. 請求項1又は2に記載の着色分散液と、該着色分散液と色相が異なる少なくとも1種の他の着色分散液とを備える、着色分散液セット。
  9. 請求項1又は2に記載の着色分散液、又は請求項8に記載の着色分散液セットが備える各着色分散液が付着した記録メディア。
  10. 前記記録メディアが疎水性繊維である、請求項9に記載の記録メディア。
  11. 請求項1又は2に記載の着色分散液、又は請求項8に記載の着色分散液セットが備える各着色分散液の液滴を中間記録媒体に付着させて記録画像を得るプリント工程と、
    前記中間記録媒体における前記液滴の付着面に疎水性繊維を接触させ、熱処理することにより前記記録画像を前記疎水性繊維に転写する転写工程と、
    を含む疎水性繊維の捺染方法。
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