JP2021080375A - インク用分散液組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】保存安定性が良好であり、粘度、平均粒子径等の物性の変化も極めて少なく、印刷物の発色性、耐光性、耐擦性、耐ガス性、耐塩素性、耐汗性、洗濯堅牢度等の、各種の堅牢性にも優れる着色液及びインクジェットインクの提供。【解決手段】式(1)で表される化合物と、ロジン系化合物とを含む着色液。(X1〜X5は、各々独立にH、アミノ基、又はヒドロキシ基)【選択図】なし
Description
本発明により、非常に保存安定性にすぐれた、インク用分散液組成物及びインク組成物が得られる。
インクジェットプリントは情報のデジタル化が進む中で、オフィス、家庭用の印刷機として広く普及しているが、近年では更に商業印刷やテキスタイルプリント等への応用展開も数多く進められている。そしてインクジェットのプリント用途広がりに伴い、インクに用いる着色材も従来の酸性染料あるいは直接染料などの水溶性染料から、分散染料や顔料等の水不溶性色材など用途に応じて様々な色材が使用されるようになってきた。一方、分散染料はポリエステル等の疎水性繊維の工業染色に広く利用されており、水不溶性の染料を染浴中あるいは色糊中に分散させ、染色に使用される。染料は高温条件下、繊維内部へ分散状態で浸透拡散し、繊維染料間の水素結合や分子間力等により染着する。そして、分散染料を用いたポリエステル繊維のインクジェットプリントも行われており(非特許文献1、非特許文献2)、主に繊維へ染料インクを付与(プリント)した後、スチーミング等の熱処理により染料を染着させるダイレクトプリント法と、専用の転写紙に染料インクを付与(プリント)した後、熱により染料を転写紙側から繊維側へ昇華転写させる熱転写プリント法が実用化されている。
今後、インクを用いた印刷方法の使用分野を拡大すべく、インクジェット記録に用いられるインク組成物及びそれによって着色された着色体には、高発色であり、耐光性、耐水性などの各種堅牢性が良いことが求められている。そのためインク組成物として用いた場合に、各種堅牢性が良く、印刷して得られる画像の濃度が高く、保存安定性が良好なインク組成物の開発が求められているが、まだ十分な性能を有するものが少ないのが現状である。
ロジンやロジン誘導体は、サイズ剤としての用途が知られている。また、インクジェット記録を目的とし、水不溶性色材とロジン誘導体を含有する水性分散液、及び水性インク組成物などは、例えば下記の特許文献1〜2に開示されている
日本画像学会誌第41巻第2号p68〜p74(2002)
染織経済新聞2004年1月28日号18頁〜21頁
改訂4版 化学工学辞典46頁〜47頁
DIC Technical Review No.10/2004
本発明は、従来における上記課題を解決し、インク組成物として利用した場合も、保存安定性が良好である着色液を提供することを目的とする。
本発明者等は上記課題を解決すべく鋭意研究の結果、下記式(1)で表される化合物と、ロジン系化合物とを含む着色液が、高い保存安定性を有することを見出した。
すなわち、本発明は、以下1)〜16)に関する。
1)
下記式(1)で表される化合物と、ロジン系化合物とを含む着色液。
1)
下記式(1)で表される化合物と、ロジン系化合物とを含む着色液。
(式中、X1〜X5は、それぞれ独立に水素原子、アミノ基、ヒドロキシ基よりなる群から選択される基を表す。)
2)
上記式(1)で表される化合物が、C.I.ディスパースブルー 56、C.I.ディスパースブルー 81、C.I.ディスパースブルー 97、C.I.ディスパースブルー 145からなる群から選択される少なくとも一種である1)に記載の着色液。
3)
上記ロジン系化合物が、アビエチン酸、アビエチン酸の塩、ジヒドロアビエチン酸、ジヒドロアビエチン酸の塩、ネオアビエチン酸、ネオアビエチン酸の塩、デヒドロアビエチン酸、デヒドロアビエチン酸の塩、テトラヒドロアビエチン酸、テトラヒドロアビエチン酸の塩、パラスストリン酸、パラスストリン酸の塩、レボピマール酸、レボピマール酸の塩、ピマール酸、ピマール酸の塩、イソピマール酸、イソピマール酸の塩、シトロネル酸、シトロネル酸の塩、重合ロジン、重合ロジンの塩、ロジンエステル、ロジンエステルの塩からなる群から選択される少なくとも一種を含む1)または2)に記載の着色液。
4)
着色液中における、上記式(1)で表される化合物の総含有率が、質量基準で1〜15%である1)〜3)のいずれか一項に記載の着色液。
5)
上記ロジン系化合物の総含有率が、着色液中の上記式(1)で表される化合物の総質量に対して、質量基準で30〜100%である1)〜4)のいずれか一項に記載の着色液。
6)
さらに分散剤を含む1)〜5)のいずれか一項に記載の着色液。
7)
上記分散剤が、アニオン系分散剤、ノニオン系分散剤、及び高分子系分散剤からなる群から選択される少なくとも一種の分散剤である6)に記載の着色液。
8)
上記アニオン系分散剤が、β−ナフタレンスルホン酸塩のホルマリン縮合物、アルキルナフタレンスルホン酸塩のホルマリン縮合物、クレオソート油スルホン塩のホルマリン縮合物からなる群から選択される少なくとも一種である7)に記載の着色液。
9)
フィトステロール化合物、及びコレスタノール化合物からなる群から選択される少なくとも一種をさらに含む7)または8)に記載の着色液。
10)
上記高分子系分散剤が、スチレン・アクリル系ポリマー分散剤を含む7)〜9)のいずれか一項に記載の着色液。
11)
さらに、消泡剤を含む1)〜10)のいずれか一項に記載の着色液。
12)
さらに、水溶性有機溶剤を含む1)〜12)のいずれか一項に記載の着色液。
13)
さらに、防腐剤を含む1)〜13)のいずれか一項に記載の着色液。
14)
上記式(1)で表される化合物と、黄色分散染料、赤色分散染料、橙色分散染料、青色分散染料とが、上記着色液中において、それぞれ、数平均粒子径が10〜500nmの粒子を形成している1)〜13)のいずれか一項に記載の着色液。
15)
1)〜14)のいずれか一項に記載の着色液を含むインクジェットインク、及びそのインクジェットインクを用いるインクジェット印刷方法及びインクジェット印刷物。
16)
15)に記載のインクジェット印刷物を加熱して、印刷物側に付与された着色物を被染色対象物に昇華転写する昇華転写染色方法及び昇華転写染色物。
2)
上記式(1)で表される化合物が、C.I.ディスパースブルー 56、C.I.ディスパースブルー 81、C.I.ディスパースブルー 97、C.I.ディスパースブルー 145からなる群から選択される少なくとも一種である1)に記載の着色液。
3)
上記ロジン系化合物が、アビエチン酸、アビエチン酸の塩、ジヒドロアビエチン酸、ジヒドロアビエチン酸の塩、ネオアビエチン酸、ネオアビエチン酸の塩、デヒドロアビエチン酸、デヒドロアビエチン酸の塩、テトラヒドロアビエチン酸、テトラヒドロアビエチン酸の塩、パラスストリン酸、パラスストリン酸の塩、レボピマール酸、レボピマール酸の塩、ピマール酸、ピマール酸の塩、イソピマール酸、イソピマール酸の塩、シトロネル酸、シトロネル酸の塩、重合ロジン、重合ロジンの塩、ロジンエステル、ロジンエステルの塩からなる群から選択される少なくとも一種を含む1)または2)に記載の着色液。
4)
着色液中における、上記式(1)で表される化合物の総含有率が、質量基準で1〜15%である1)〜3)のいずれか一項に記載の着色液。
5)
上記ロジン系化合物の総含有率が、着色液中の上記式(1)で表される化合物の総質量に対して、質量基準で30〜100%である1)〜4)のいずれか一項に記載の着色液。
6)
さらに分散剤を含む1)〜5)のいずれか一項に記載の着色液。
7)
上記分散剤が、アニオン系分散剤、ノニオン系分散剤、及び高分子系分散剤からなる群から選択される少なくとも一種の分散剤である6)に記載の着色液。
8)
上記アニオン系分散剤が、β−ナフタレンスルホン酸塩のホルマリン縮合物、アルキルナフタレンスルホン酸塩のホルマリン縮合物、クレオソート油スルホン塩のホルマリン縮合物からなる群から選択される少なくとも一種である7)に記載の着色液。
9)
フィトステロール化合物、及びコレスタノール化合物からなる群から選択される少なくとも一種をさらに含む7)または8)に記載の着色液。
10)
上記高分子系分散剤が、スチレン・アクリル系ポリマー分散剤を含む7)〜9)のいずれか一項に記載の着色液。
11)
さらに、消泡剤を含む1)〜10)のいずれか一項に記載の着色液。
12)
さらに、水溶性有機溶剤を含む1)〜12)のいずれか一項に記載の着色液。
13)
さらに、防腐剤を含む1)〜13)のいずれか一項に記載の着色液。
14)
上記式(1)で表される化合物と、黄色分散染料、赤色分散染料、橙色分散染料、青色分散染料とが、上記着色液中において、それぞれ、数平均粒子径が10〜500nmの粒子を形成している1)〜13)のいずれか一項に記載の着色液。
15)
1)〜14)のいずれか一項に記載の着色液を含むインクジェットインク、及びそのインクジェットインクを用いるインクジェット印刷方法及びインクジェット印刷物。
16)
15)に記載のインクジェット印刷物を加熱して、印刷物側に付与された着色物を被染色対象物に昇華転写する昇華転写染色方法及び昇華転写染色物。
本発明により、非常に保存安定性にすぐれた着色液及びそれを用いたインクジェットインクが得られる。なお、本願明細書では、インクジェットインクを単にインクと略して記載することがある。
上記着色液は、上記式(1)で表される化合物と、ロジン系化合物とを含む。
上記式(1)中、X1〜X5は、それぞれ独立に水素原子、アミノ基、ヒドロキシ基よりなる群から選択される基を表し、X1〜X4のうち少なくとも2つがヒドロキシ基であり、他の2つがアミノ基または水素原子である組合せが好ましく、X1、X3のいずれか一方がアミノ基で他方がヒドロキシ基、かつ、X2、X4のいずれか一方がアミノ基で他方がヒドロキシ基である組合せが更に好ましい。
上記式(1)で表される分散染料としては、例えば、染料あるいは顔料が挙げられる。
上記染料とは、適当な染色法によって繊維に染着する有機色素等が挙げられ、具体的には、分散染料、油溶性染料等が好ましく用いられ、さらに好ましいものとして、分散染料C.I.ディスパースブルー 56、81、97、145等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。上記インク用分散液組成物としては、これら分散染料から選択される少なくとも一種を含むことが好ましいが、二種以上の分散染料を配合していても良い。
上記式(1)で表される分散染料は、粉末状あるいは塊状の乾燥色材でも、ウエットケーキやスラリーでも良く、合成中や合成後に粒子の凝集を抑える目的で界面活性剤等の分散剤が少量含有されたものであっても良い。市販の上記式(1)で表される分散染料には、工業染色用、樹脂着色用、インキ用、トナー用、インクジェット用などのグレードがあり、製造方法、純度、顔料の粒径等がそれぞれ異なる。粉砕後の凝集性を抑えるにはより粒子の小さいものが好ましく、また、上記着色液やインクにおける分散安定性及び吐出精度への影響からできるだけ不純物などの少ないものが好ましい。上記染料においてはブルー系染料を主体にオレンジ系染料及びレッド系染料を配合することでブラックインクとして用いることができる。また色調調整の範囲内で、上記式(1)で表される分散染料以外の着色成分を少量含んでも良い。
上記染料は二種以上を配合しても良く、例えば、ブラックインクの調製においては、ブルー染料を主体にオレンジ染料、及びレッド染料を適宜配合してブラック色に調色し、これをブラック染料として用いることができる。また、例えば、ブルー、オレンジ、レッド、バイオレット、又はブラック等の色調を、より好みの色調に微調整する目的で複数の染料を配合しても良い。
上記式(1)で表される分散染料の、上記着色液中における含有量は、特に限定されるものではないが、上記式(1)で表される分散染料の総含有率が、上記着色液の総量に対して、0.1〜25重量%、好ましくは0.5〜20重量%、より好ましくは1〜15重量%の範囲である。上記式(1)で表される分散染料が0.1重量%未満の場合は、発色の濃度が不十分となる。また、25重量%を超えて含有するとインク用分散液組成物の保存安定性不良を引き起こしやすくなる。
[その他の分散染料]
上記着色液は、上記式(1)で表される分散染料以外に、その他の分散染料を含んでいても良い。「その他の分散染料」としては、例えば「乾熱処理に対する染色堅ろう度試験方法[JIS L 0879:2005](2010年 平成17年1月20日 改定、 財団法人日本規格協会 発行)」、「ISO 105−P01, Textiles−Tests for colour fastness−PartP01:Colour fastness to dry heat(excluding pressing)」における、感熱処理試験(C法)汚染(ポリエステル)の試験結果が、好ましくは3−4級以下、より好ましくは3級以下、の染料が挙げられる。そのような公知の染料のうち、C.I.番号を有する染料としては、例えば、以下の染料が挙げられる。
上記着色液は、上記式(1)で表される分散染料以外に、その他の分散染料を含んでいても良い。「その他の分散染料」としては、例えば「乾熱処理に対する染色堅ろう度試験方法[JIS L 0879:2005](2010年 平成17年1月20日 改定、 財団法人日本規格協会 発行)」、「ISO 105−P01, Textiles−Tests for colour fastness−PartP01:Colour fastness to dry heat(excluding pressing)」における、感熱処理試験(C法)汚染(ポリエステル)の試験結果が、好ましくは3−4級以下、より好ましくは3級以下、の染料が挙げられる。そのような公知の染料のうち、C.I.番号を有する染料としては、例えば、以下の染料が挙げられる。
上記その他染料における、イエロー系染料としては、例えば、C.I.ディスパースイエロー系染料及びC.I.ソルベントイエロー系染料が挙げられ、これら染料は単独あるいは複数を組み合わせて用いることができる。C.I.ディスパースイエロー系染料としては、例えば、C.I.ディスパースイエロー 3、7、8、23、39、51、54、60、64、71、79、82、86等が挙げられる。C.I.ソルベントイエロー系染料としては、例えば、C.I.ソルベントイエロー 114、163等が挙げられる。
上記その他染料における、ブルー系染料としては、例えば、C.I.ディスパースブルー系染料及びC.I.ソルベントブルー系染料が挙げられ、これら染料は単独あるいは複数を組み合わせて用いることができる。C.I.ディスパースブルー系染料としては、例えば、C.I.ディスパースブルー 3、5、19、26、26:1、35、55、56、58、60、64、64:1、72、72:1、81、81:1、91、95、108、131、141、145、334、359、360、336等が挙げられる。C.I.ソルベントブルー系染料としては、例えば、C.I.ソルベントブルー 3、36、63、83、105、111等が挙げられる。
上記その他染料における、レッド系染料としては、例えば、C.I.ディスパースレッド系染料及びC.I.ソルベントレッド系染料あるいはC.I.バットレッド系染料が挙げられ、これら染料は単独あるいは複数を組み合わせて用いることができる。C.I.ディスパースレッド系染料としては、例えば、C.I.ディスパースレッド 1、4、5、7、11、12、13、15、17、27、43、44、50、52、53、54、55、55:1、56、58、59、60、65、70、等が挙げられる。C.I.ソルベントレッド系染料としては、例えば、C.I.ソルベントレッド 146等が挙げられる。C.I.バットレッド系染料としては、例えば、C.I.バットレッド 41等が挙げられる。
上記その他染料における、オレンジ系染料としては、例えば、C.I.ディスパースオレンジ系染料及びC.I.ソルベントオレンジ系染料が挙げられ、これら染料は単独あるいは複数を組み合わせて用いることができる。C.I.ディスパースオレンジ系染料としては、例えば、C.I.ディスパースオレンジ 1、1:1、3、5、7、11、13、17、20、21、23、25、29、30、31、32、33、37、38、42、43、44、45、47、48、49、50、53、54、55、56、57、58、59、60、61、66、71、73、76、78、80、86、89、90、91、93、96、97、118、119、127、130、139、142、等が挙げられる。C.I.ソルベントオレンジ系染料としては、例えば、C.I.ソルベントオレンジ 60、67等が挙げられる。
上記その他染料における、ブラウン系染料としては、例えば、C.I.ディスパースブラウン系染料及びC.I.ソルベントブラウン系染料が挙げられ、これら染料は単独あるいは複数を組み合わせて用いることができる。
上記その他染料における、バイオレット系染料としては、例えば、C.I.ディスパースバイオレット染料及びC.I.ソルベントバイオレット系染料が挙げられ、これら染料は単独あるいは複数を組み合わせて用いることができる。
上記その他染料としては、C.I.ディスパースイエロー系染料、C.I.ディスパースオレンジ系染料、C.I.ディスパースレッド系染料、C.I.ディスパースブルー系染料を用いることが好ましく、なかでも、C.I.ディスパースイエロー 54、C.I.ディスパースオレンジ 25、C.I.ディスパースレッド 60、C.I.ディスパースブルー 359、C.I.ディスパースブルー 360のいずれか少なくともいずれかを含むことが好ましい。
上記各分散染料は、粉末状あるいは塊状の乾燥色材でも、ウエットケーキやスラリーでも良く、色材合成中や合成後に色材粒子の凝集を抑える目的として、界面活性剤等の分散剤が少量含有されたものであっても良い。市販の染料には、工業染色用、樹脂着色用、インキ用、トナー用、インクジェット用などのグレードがあり、製造方法、純度、粒径等がそれぞれ異なる。粉砕後の凝集性を抑えるには色材としてはより粒子の小さいものが好ましく、また分散安定性及びインクの吐出精度への影響からできるだけ不純物などの少ないものが好ましい。分散染料においてはブルー系分散染料を主体にイエロー系分散染料、オレンジ系分散染料及びレッド系分散染料を配合することでブラック用の色材として用いることができる。また色調調整の範囲内で他の水不溶性色材を少量含んでも良い。
上記着色液はロジン系化合物を含む。
ロジン系化合物としては、例えば、ロジン酸を主成分とする天然樹脂等が挙げられる。ロジン系化合物としては、例えば、アビエチン酸、アビエチン酸の塩、ジヒドロアビエチン酸、ジヒドロアビエチン酸の塩、ネオアビエチン酸、ネオアビエチン酸の塩、デヒドロアビエチン酸、デヒドロアビエチン酸の塩、テトラヒドロアビエチン酸、テトラヒドロアビエチン酸の塩、パラスストリン酸、パラスストリン酸の塩、レボピマール酸、レボピマール酸の塩、ピマール酸、ピマール酸の塩、イソピマール酸、イソピマール酸の塩、シトロネル酸、シトロネル酸の塩、重合ロジン、重合ロジンの塩、ロジンエステル、ロジンエステルの塩等が挙げられ、これら群から選択される少なくとも一種以上を含むことが好ましい。上記記ロジン系化合物は市販品として入手することが可能であり、例えば、東京化成工業株式会社製のロジン酸、アビエチン酸、デヒドロアビエチン酸、荒川化学工業株式会社製の中国重合ロジン、アラダイムRTMシリーズ(R−140、R−95等)、スーパーエステルE788、スーパーエステルE722、エステルガムAA−G、ペンセルGA100、サイズパインK921が挙げられる。
上記ロジン系化合物の総含有率が、着色液中の上記式(1)で表される化合物の総質量に対して、質量基準で30〜100%であることが好ましい。
上記着色液は、さらに分散剤を含むことができる。分散剤としては、例えば、アニオン系分散剤、ノニオン系分散剤、及び高分子系分散剤からなる群から選択される少なくとも一種の分散剤であることが好ましい。
上記アニオン系分散剤としては、例えば、高分子スルホン酸、芳香族スルホン酸のホルマリン縮合物、リグニンスルホン酸、リグニンスルホン酸のホルマリン縮合物又はこれらの塩、若しくはそれらの混合物(以下、特に断りの無い限り「スルホン酸のホルマリン縮合物」と記載したときは、「これらの塩、若しくはそれらの混合物」も含む意味とする。)、アルキルナフタレンスルホン酸塩のホルマリン縮合物等が好ましい。「これらの塩」としては、ナトリウム塩、カリウム塩、リチウム塩等の塩が挙げられる。芳香族スルホン酸のホルマリン縮合物としては、例えば、クレオソート油スルホン酸;クレゾールスルホン酸;フェノールスルホン酸;β−ナフタレンスルホン酸;β−ナフトールスルホン酸;β−ナフタリンスルホン酸とβ−ナフトールスルホン酸;クレゾールスルホン酸と2−ナフトール−6−スルホン酸;リグニンスルホン酸;等のホルマリン縮合物が挙げられる。これらの中では、クレオソート油スルホン酸;β−ナフタレンスルホン酸;リグニンスルホン酸;の各ホルマリン縮合物が好ましい。これらは様々な商品名の市販品として入手することができる。その一例として、β−ナフタレンスルホン酸のホルマリン縮合物としてはデモールN;クレオソート油スルホン酸のホルマリン縮合物としてはデモールC;特殊芳香族スルホン酸のホルマリン縮合物としてはデモールSN−B(いずれも花王株式会社製);等が挙げられる。クレオソート油スルホン酸のホルマリン縮合物としては、ラベリンWシリーズ;メチルナフタレンスルホン酸のホルマリン縮合物としては、ラベリンANシリーズ(いずれも第一工業製薬株式会社製);等が挙げられる。これらの中ではデモールN、ラベリンANシリーズ、ラベリンWシリーズが好ましく、デモールN、ラベリンWがより好ましく、ラベリンWがさらに好ましい。リグニンスルホン酸としては、例えばバニレックスN、バニレックスRN、バニレックスG、パールレックスDP(いずれも日本製紙株式会社製)等が挙げられる。これらの中ではバニレックスRN、バニレックスN、バニレックスGが好ましい。
上記ノニオン系分散剤としては、例えば、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンドデシルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル等のエーテル系;ポリオキシエチレンオレイン酸エステル、ポリオキシエチレンジステアリン酸エステル、ソルビタンラウレート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンモノオレエート、ソルビタンセスキオレエート、ポリオキシエチレンモノオレエート、ポリオキシエチレンステアレート等のエステル系;2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオール、3,6−ジメチル−4−オクチン−3,6−ジオール、3,5−ジメチル−1−ヘキシン−3−オール等のアセチレングリコール(アルコール)系;日信化学社製、商品名サーフィノール104、105、82、465、オルフィンSTG等;ポリグリコールエーテル系(例えばSIGMA−ALDRICH社製のTergitol 15−S−7等);等が挙げられる。このうち好ましくは、アセチレングリコール系消泡剤であり、更に好ましくは、日信化学社製、商品名サーフィノール104、105、82、465である。
上記高分子系分散剤としては、例えば、通常インクジェット用インク等に使用されるものが好ましく、親水性部分と疎水性部分とを分子中に有する共重合体高分子、具体的にはアクリル酸系分散剤、例えば、スチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−アクリル酸−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−メタクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸−アクリル酸エステル共重合体等のスチレン・アクリル系ポリマー分散剤、又はマレイン酸系分散剤、例えば、スチレン−マレイン酸共重合体、アクリル酸エステル−マレイン酸共重合体、スチレン−アクリル酸エステル−マレイン酸共重合体、スルホン酸系分散剤、例えば、アクリル酸エステル−スチレンスルホン酸共重合体、スチレン−メタクリルスルホン酸共重合体、アクリル酸エステル−アリルスルホン酸共重合体、ポリエステル系分散剤、例えばポリエステル−アクリル酸共重合体、ポリエステル−アクリル酸−アクリル酸エステル共重合体、ポリエステル−メタクリル酸共重合体、ポリエステル−メタクリル酸−アクリル酸エステル共重合体、あるいはこれらの塩等の公知の高分子系分散剤を用いることができる。これらは市販品として入手することができ、例えば、ジョンクリル67(商品名、BASFジャパン株式会社製)、ジョンクリル678(商品名、BASFジャパン株式会社製)、ジョンクリル586(商品名、BASFジャパン株式会社製)、ジョンクリル611(商品名、BASFジャパン株式会社製)、ジョンクリル680(商品名、BASFジャパン株式会社製)、ジョンクリル682(商品名、BASFジャパン株式会社製)、ジョンクリル683(商品名、BASFジャパン株式会社製)、ジョンクリル690(商品名、BASFジャパン株式会社製)等が挙げられる。なお、本明細書において、「(メタ)アクリル」とは、「アクリル」及び/又は「メタクリル」の意味を表す。
上記スチレン−(メタ)アクリル共重合体は、スチレン系モノマーと(メタ)アクリル系モノマーの共重合体である。これらの共重合体の具体例としては、例えば、(α−メチル)スチレン−アクリル酸共重合体、(α−メチル)スチレン−アクリル酸−アクリル酸エステル共重合体、(α−メチル)スチレン−メタクリル酸共重合体、(α−メチル)スチレン−メタクリル酸−アクリル酸エステル共重合体、(α−メチル)スチレン−(無水)マレイン酸共重合体、アクリル酸エステル−(無水)マレイン酸共重合体、(α−メチル)スチレン−アクリル酸エステル−(無水)マレイン酸マレイン酸共重合体、アクリル酸エステル−アリルスルホン酸エステル共重合体、アクリル酸エステル−スチレンスルホン酸共重合体、(α−メチル)スチレン−メタクリルスルホン酸共重合体、ポリエステル−アクリル酸共重合体、ポリエステル−アクリル酸−アクリル酸エステル共重合体、ポリエステル−メタクリル酸共重合体、ポリエステル−メタクリル酸−アクリル酸共重合体エステル;等が挙げられる。これらの中では芳香族炭化水素基を含む化合物がスチレンのものが好ましい。
なお、上記(α−メチル)スチレンとは、本明細書においてα−メチルスチレン、及びスチレンを含む意味として用いる。具体例としては、JoncrylRTM 52J、57J、60J、63J、70J、JDX−6180、HPD−196、HPD96J、PDX−6137A、6610、JDX−6500、JDX−6639、PDX−6102B、PDX−6124(BASF製)等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。なお、本明細書において上付きのRTMは登録商標を意味する。
なお、上記(α−メチル)スチレンとは、本明細書においてα−メチルスチレン、及びスチレンを含む意味として用いる。具体例としては、JoncrylRTM 52J、57J、60J、63J、70J、JDX−6180、HPD−196、HPD96J、PDX−6137A、6610、JDX−6500、JDX−6639、PDX−6102B、PDX−6124(BASF製)等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。なお、本明細書において上付きのRTMは登録商標を意味する。
上記分散剤は、上記着色液あるいはインクとしての分散安定性の点で、アニオン系分散剤、ノニオン系分散剤、高分子系分散剤と併せて、フィトステロール類のエチレンオキサイド付加物、及びコレスタノール類のエチレンオキサイド付加物等の公知のノニオン系分散剤を組み合わせて用いることができる。
上記フィトステロール類とは、フィトステロールまたは水添フィトステロールのいずれかを含むものであり、例えば、フィトステロール類のエチレンオキサイド付加物としてはフィトステロールのエチレンオキサイド付加物又は水添フィトステロールのエチレンオキサイド付加物を挙げることができる。上記コレスタノール類とは、コレスタノール類又は水添コレスタノール類のいずれも含むものであり、例えば、コレスタノール類のエチレンオキサイド付加物としてはコレスタノールのエチレンオキサイド付加物又は水添コレスタノールのエチレンオキサイド付加物を挙げることができる。フィトステロール類またはコレスタノール類1モルあたりのエチレンオキサイド付加量は10〜50モル程度で、HLBが13〜20程度のものが好ましい。フィトステロール類エチレンオキサイド付加物としては例えばNIKKOL BPS−20、NIKKOL BPS−30(いずれも日光ケミカルズ株式会社製、フィトステロールのEO付加物)、NIKKOL BPSH−25(同、水素添加フィトステロールのEO付加物)等として市場から入手することができる。コレスタノール類のエチレンオキサイド付加物としては例えばNIKKOL DHC−30(同、コレスタノールのEO付加物)として市場から入手することができる。
上記分散剤は、カチオン分散剤及び/または両性分散剤をさらに含んでいても良い。
上記カチオン分散剤としては、例えば、脂肪族アミン塩、脂肪族4級アンモニウム塩、ベンザルコニウム塩、塩化ベンゼトニウム、ピリジニウム塩、イミダゾリニウム塩等が挙げられる。上記両性分散剤としては、例えば、カルボキシベタイン類、スルホベタイン類、アミノカルボン酸塩、イミダゾリニウムベタイン等が挙げられる。
上記カチオン分散剤としては、例えば、脂肪族アミン塩、脂肪族4級アンモニウム塩、ベンザルコニウム塩、塩化ベンゼトニウム、ピリジニウム塩、イミダゾリニウム塩等が挙げられる。上記両性分散剤としては、例えば、カルボキシベタイン類、スルホベタイン類、アミノカルボン酸塩、イミダゾリニウムベタイン等が挙げられる。
上記分散剤は、重量平均分子量が、1,000〜20,000である場合が好ましく、2,000〜19,000が更に好ましく、4,000〜17,000が特に好ましい。重量平均分子量が小さくなりすぎると、水不溶性着色剤に対する分散安定化力が低下し、大きくなりすぎると、水不溶性着色剤を分散する能力が低下し、また、インクの粘度が高くなりすぎる場合があり好ましくない。上記スチレン−(メタ)アクリル酸系共重合体の重量平均分子量は、GPC(ゲルパーミッションクロマトグラフ)法で測定することが可能である。また、分散剤として用いられるスチレン−(メタ)アクリル共重合体のガラス転位温度は45℃〜135℃である場合が好ましく、55℃〜120℃がさらに好ましく、60〜110℃が特に好ましい。さらに、分散剤として用いられるスチレン−(メタ)アクリル共重合体の酸化は50〜250mgKOH/gである場合が好ましく、100〜250mgKOH/gがさらに好ましく、150〜250mgKOH/gである場合が特に好ましい。酸価が小さくなりすぎると、水に対する樹脂の溶解性が悪くなり,また水不溶性着色剤に対する分散安定化力が劣る傾向にあり、酸価が大きくなりすぎると水性媒体との親和性が強くなり、印字後の画像ににじみが発生し易い傾向があり好ましくない。樹脂の酸価は、樹脂1gを中和するのに要するKOHのmg数を表し、JIS−K3054に従って測定することが可能である。
上記分散剤としては、スチレン−(メタ)アクリル共重合体が好ましく、その具体例としては、例えば、Joncryl 67(重量平均分子量=12,500、酸価=213)、678(重量平均分子量=8,500、酸価=215)、682(重量平均分子量=17,00、酸価=230)、683(重量平均分子量=4,900、酸価=215)、690(重量平均分子量=16,500、酸価=240)等が挙げられる。
上記以外の分散剤としては、例えば、スチレン及びその誘導体、ビニルナフタレン及びその誘導体、α,β−エチレン性不飽和カルボン酸の脂肪族アルコールエステル等、アクリル酸及びその誘導体、マレイン酸及びその誘導体、イタコン酸及びその誘導体、フマール酸及びその誘導体、酢酸ビニル、ビニルアルコール、ビニルピロリドン、アクリルアミド、及びその誘導体等から選択される、少なくとも2つの単量体(このうち少なくとも1つは親水性又は水溶性単量体)からなるブロック共重合体、ランダム共重合体及びグラフト共重合体、及び/又はこれらの塩等が挙げられる。
上記分散剤の総量は、上記式(1)で表される化合物の総量に対して、好ましくは1〜120質量%であり、より好ましくは10〜100質量%であり、さらに好ましくは20〜80質量%である。
上記着色液は、さらに消泡剤を含んでいてもよい。該消泡剤は、溶液中の泡を減らしたり、起泡自体を抑制する作用をもつ物質であり、例えば、揮発性が小さく拡散力の大きい油状物質(高級アルコール等)や上記ノニオン界面活性剤が挙げられる。具体的には、高酸化油系、グリセリン脂肪酸エステル系、フッ素系、シリコーン系化合物等が挙げられる。
上記着色液は、さらに水溶性有機溶剤を含んでいてもよい。
水溶性有機溶剤の具体例としては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、イソブタノール、第二ブタノール、第三ブタノール等の(C1〜C4)アルコール;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等のカルボン酸アミド;2−ピロリドン、ヒドロキシエチル−2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、N−メチルピロリジン−2−オン等のラクタム;1,3−ジメチルイミダゾリジン−2−オン、1,3−ジメチルヘキサヒドロピリミド−2−オン等の環式尿素類;アセトン、メチルエチルケトン、2−メチル−2−ヒドロキシペンタン−4−オン等のケトン又はケトアルコール;テトラヒドロフラン、ジオキサン等の環状エーテル;エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,2−ブチレングリコール、1,4−ブチレングリコール、1,6−ヘキシレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、チオジグリコール、ジチオジグリコール等のC2−C6アルキレン単位を有するモノ、オリゴ、若しくはポリアルキレングリコール又はチオグリコール;トリメチロールプロパン、グリセリン、ヘキサン−1,2,6−トリオール等のポリオール(好ましくはトリオール);エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル(ブチルカルビトール)トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル等の多価アルコールの(C1〜C4)アルキルエーテル;γ−ブチロラクトン;ジメチルスルホキシド;等があげられる。これらの有機溶剤は単独で用いてもよいし、二種以上を併用してもよい。なお、上記の水溶性有機溶剤にはトリメチロールプロパン等のように、常温で固体の物質も含まれているが、これらは固体であっても水溶性を示し、水に溶解させた場合には水溶性有機溶剤と同じ目的で使用することができるため、便宜上、本明細書においては水溶性有機溶剤の範疇に記載する。
水溶性有機溶剤の具体例としては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、イソブタノール、第二ブタノール、第三ブタノール等の(C1〜C4)アルコール;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等のカルボン酸アミド;2−ピロリドン、ヒドロキシエチル−2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、N−メチルピロリジン−2−オン等のラクタム;1,3−ジメチルイミダゾリジン−2−オン、1,3−ジメチルヘキサヒドロピリミド−2−オン等の環式尿素類;アセトン、メチルエチルケトン、2−メチル−2−ヒドロキシペンタン−4−オン等のケトン又はケトアルコール;テトラヒドロフラン、ジオキサン等の環状エーテル;エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,2−ブチレングリコール、1,4−ブチレングリコール、1,6−ヘキシレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、チオジグリコール、ジチオジグリコール等のC2−C6アルキレン単位を有するモノ、オリゴ、若しくはポリアルキレングリコール又はチオグリコール;トリメチロールプロパン、グリセリン、ヘキサン−1,2,6−トリオール等のポリオール(好ましくはトリオール);エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル(ブチルカルビトール)トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル等の多価アルコールの(C1〜C4)アルキルエーテル;γ−ブチロラクトン;ジメチルスルホキシド;等があげられる。これらの有機溶剤は単独で用いてもよいし、二種以上を併用してもよい。なお、上記の水溶性有機溶剤にはトリメチロールプロパン等のように、常温で固体の物質も含まれているが、これらは固体であっても水溶性を示し、水に溶解させた場合には水溶性有機溶剤と同じ目的で使用することができるため、便宜上、本明細書においては水溶性有機溶剤の範疇に記載する。
上記着色液は、さらに防腐剤を含んでいてもよい。
防腐剤としては、例えば、有機硫黄系、有機窒素硫黄系、有機ハロゲン系、ハロアリルスルホン系、ヨードプロパギル系、N−ハロアルキルチオ系、ニトリル系、ピリジン系、8−オキシキノリン系、ベンゾチアゾール系、イソチアゾリン系、ジチオール系、ピリジンオキシド系、ニトロプロパン系、有機スズ系、フェノール系、第4アンモニウム塩系、トリアジン系、チアジン系、アニリド系、アダマンタン系、ジチオカーバメイト系、ブロム化インダノン系、ベンジルブロムアセテート系、無機塩系等の化合物が挙げられる。有機ハロゲン系化合物の具体例としては、例えばペンタクロロフェノールナトリウムが挙げられ、ピリジンオキシド系化合物の具体例としては、例えば2−ピリジンチオール−1−オキサイドナトリウムが挙げられ、イソチアゾリン系化合物の具体例としては、例えば、1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン、2−n−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オン、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンマグネシウムクロライド、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンカルシウムクロライド、2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンカルシウムクロライド等が挙げられる。その他の防腐の具体例として、無水酢酸ナトリウム、ソルビン酸ナトリウム又は安息香酸ナトリウム、アーチケミカル社製、商品名プロクセルRTMGXL(S)やプロクセルRTMXL−2(S)等が挙げられる。
防腐剤としては、例えば、有機硫黄系、有機窒素硫黄系、有機ハロゲン系、ハロアリルスルホン系、ヨードプロパギル系、N−ハロアルキルチオ系、ニトリル系、ピリジン系、8−オキシキノリン系、ベンゾチアゾール系、イソチアゾリン系、ジチオール系、ピリジンオキシド系、ニトロプロパン系、有機スズ系、フェノール系、第4アンモニウム塩系、トリアジン系、チアジン系、アニリド系、アダマンタン系、ジチオカーバメイト系、ブロム化インダノン系、ベンジルブロムアセテート系、無機塩系等の化合物が挙げられる。有機ハロゲン系化合物の具体例としては、例えばペンタクロロフェノールナトリウムが挙げられ、ピリジンオキシド系化合物の具体例としては、例えば2−ピリジンチオール−1−オキサイドナトリウムが挙げられ、イソチアゾリン系化合物の具体例としては、例えば、1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン、2−n−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オン、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンマグネシウムクロライド、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンカルシウムクロライド、2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンカルシウムクロライド等が挙げられる。その他の防腐の具体例として、無水酢酸ナトリウム、ソルビン酸ナトリウム又は安息香酸ナトリウム、アーチケミカル社製、商品名プロクセルRTMGXL(S)やプロクセルRTMXL−2(S)等が挙げられる。
上記着色液は、pH調整剤、キレート試薬、防錆剤、水溶性紫外線吸収剤、水溶性高分子化合物、色素溶解剤、酸化防止剤、界面活性剤等のインク調製剤をさらに含んでいても良い。
上記式(1)で表される化合物と、黄色分散染料、赤色分散染料、橙色分散染料、青色分散染料とが、上記着色液中において、それぞれ、数平均粒子径が10〜500nmの粒子を形成していることが好ましい形態である。該粒子の数平均粒子径は、10〜500nmであることが好ましく、10〜300nmであることがさらに好ましい。また、最大粒子径としては、900nm以下であることが好ましい。該数平均粒子径、及び該最大粒子径が大きいと、微細なノズルより吐出するインクジェット捺染方法において、目詰まりが発生しやすくなったり、安定吐出ができなくなる為好ましくない。数平均粒子径が500nmを超えて大きいとインク組成物を安定に吐出することが困難となる傾向がある。また、数平均粒子径が10nm以下では粒子同士が凝集して沈降が起こりやすくなり、ノズルやフィルターを閉塞する傾向がある。数平均粒子径は、光散乱法、電気泳動法、レーザードップラー法等を用いた市販の粒径測定機によって求めることができる。
上記着色液は、保存安定性に極めて優れる。従って、該着色液をインクにすると、優れた吐出安定性も実現できる。特に、インクジェット用水性インクとする場合、上記染料及び/又は顔料が、インクジェット用水性インク中における着色成分として、インクジェット用水性インク総量に対し、0.3〜10質量%の範囲で含まれることが好ましい。また、上記防腐剤、pH調整剤、キレート試薬、防錆剤、水溶性紫外線吸収剤、水溶性高分子化合物、色素溶解剤、酸化防止剤、界面活性剤等を添加してインクジェット用水性インク化しても良い。
上記pH調整剤としては、調製されるインクに悪影響を及ぼさずに、インクのpHを5〜11の範囲に制御できるものであれば任意の物質を使用することができる。その具体例としては、例えば、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン等のアルカノールアミン;水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属の水酸化物;水酸化アンモニウム(アンモニア水);、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウム等のアルカリ金属の炭酸塩;酢酸カリウム等の有機酸のアルカリ金属塩;ケイ酸ナトリウム、リン酸二ナトリウム等の無機塩基等が挙げられる。
上記キレート試薬の具体例としては、例えば、エチレンジアミン四酢酸ナトリウム、ニトリロ三酢酸ナトリウム、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸ナトリウム、ジエチレントリアミン五酢酸ナトリウム、ウラシル二酢酸ナトリウム等が挙げられる。
上記防錆剤としては、例えば、酸性亜硫酸塩、チオ硫酸ナトリウム、チオグルコール酸アンモニウム、ジイソプロピルアンモニウムナイトライト、四硝酸ペンタエリスリトール又はジシクロヘキシルアンモニウムナイトライト等が挙げられる。
上記水溶性紫外線吸収剤としては、例えばスルホン化したベンゾフェノン系化合物、ベンゾトリアゾ−ル系化合物、サリチル酸系化合物、桂皮酸系化合物、トリアジン系化合物が挙げられる。
上記水溶性高分子化合物としては、ポリビニルアルコール、セルロース誘導体、ポリアミン又はポリイミン等が挙げられる。
上記粘度調整剤としては、水溶性有機溶剤の他に、水溶性高分子化合物が挙げられ、例えば、ポリビニルアルコール、セルロース誘導体、ポリアミン、ポリイミン等が挙げられる。
上記染料溶解剤としては、例えば、尿素、ε−カプロラクタム、エチレンカーボネート等が挙げられる。
上記褪色防止剤は、画像の保存性を向上させる目的で使用される。褪色防止剤としては、各種の有機系及び金属錯体系の褪色防止剤を使用することができる。有機系としては、ハイドロキノン類、アルコキシフェノール類、ジアルコキシフェノール類、フェノール類、アニリン類、アミン類、インダン類、クロマン類、アルコキシアニリン類、及びヘテロ環類等が挙げられる。金属錯体系としては、ニッケル錯体、亜鉛錯体等が挙げられる。
上記酸化防止剤としては、例えば、各種の有機系及び金属錯体系の褪色防止剤を使用することができる。前記有機系の褪色防止剤の例としては、ハイドロキノン類、アルコキシフェノール類、ジアルコキシフェノール類、フェノール類、アニリン類、アミン類、インダン類、クロマン類、アルコキシアニリン類、複素環類等が挙げられる。
上記界面活性剤としては、アニオン系、カチオン系、ノニオン系、シリコーン系等の公知の界面活性剤が挙げられる。
上記アニオン界面活性剤としては、例えば、アルキルスルホン酸塩、アルキルカルボン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸塩、N−アシルアミノ酸及びその塩、N−アシルメチルタウリン塩、アルキル硫酸塩ポリオキシアルキルエーテル硫酸塩、アルキル硫酸塩ポリオキシエチレンアルキルエーテル燐酸塩、ロジン酸石鹸、ヒマシ油硫酸エステル塩、ラウリルアルコール硫酸エステル塩、アルキルフェノール型燐酸エステル、アルキル型燐酸エステル、アルキルアリールスルホン酸塩、ジエチルスルホ琥珀酸塩、ジエチルヘキルシルスルホ琥珀酸塩、ジオクチルスルホ琥珀酸塩等が挙げられる。その市販品の具体例としては、例えば、いずれも第一工業製薬社製のハイテノールLA−10、LA−12、LA−16、ネオハイテノールECL−30S、ECL−45などが挙げられる。
上記カチオン界面活性剤としては、例えば、2−ビニルピリジン誘導体、ポリ4−ビニルピリジン誘導体等が挙げられる。
上記両性界面活性剤としては、例えば、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、2−アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ポリオクチルポリアミノエチルグリシン、イミダゾリン誘導体等が挙げられる。
上記ノニオン界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンドデシルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル等のエーテル系;ポリオキシエチレンオレイン酸エステル、ポリオキシエチレンジステアリン酸エステル、ソルビタンラウレート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンモノオレエート、ソルビタンセスキオレエート、ポリオキシエチレンモノオレエート、ポリオキシエチレンステアレート等のエステル系;2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオール、3,6−ジメチル−4−オクチン−3,6−ジオール、3,5−ジメチル−1−ヘキシン−3−オール等のアセチレングリコール(アルコール)系;日信化学社製、商品名サーフィノール104、105、82、465、オルフィンSTG等;ポリグリコールエーテル系(例えばSIGMA−ALDRICH社製のTergitol 15−S−7等);等が挙げられる。
上記シリコーン系界面活性剤としては、例えば、ポリエーテル変性シロキサン、ポリエーテル変性ポリジメチルシロキサン等が挙げられる。市販品の具体例としては、例えば、いずれもビックケミー社製の、BYK−347(ポリエーテル変性シロキサン);BYK−345、BYK−348(ポリエーテル変性ポリジメチルシロキサン)等が挙げられる。フッ素系界面活性剤としては、例えば、パーフルオロアルキルスルホン酸化合物、パーフルオロアルキルカルボン酸系化合物、パーフルオロアルキルリン酸エステル化合物、パーフルオロアルキルエチレンオキサイド付加物、及びパーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマー化合物等が挙げられる。市販品の具体例としては、例えば、Zonyl TBS、FSP、FSA、FSN−100、FSN、FSO−100、FSO、FS−300、Capstone FS−30、FS−31(DuPont社製);PF−151N、PF−154N(オムノバ社製)等が挙げられる。
これら界面活性剤は、それぞれ単独、あるいは複数を組合せて用いても良い。
上記着色液は、水を含んでいても良い。含みうる水としては、イオン交換水、蒸留水等の不純物が少ないものが好ましい。また、上記着色液を用いて調製したインクに対してメンブランフィルター等を用いた精密濾過を行うことができる。上記インクをインクジェットインクとして使用するときは、ノズルの目詰まり等を防止する目的で、精密濾過を行うことが好ましい。精密濾過に使用するフィルターの孔径は通常1μm〜0.1μm、好ましくは0.8μm〜0.1μmである。
上記着色液と、上記着色液と異なる色相を有する着色液との着色液セットも本願発明に含まれ、上記着色液と、イエロー着色液、マゼンタ着色液、オレンジ着色液、ブルー着色液を含む着色液セットであることが好ましい。
[着色液の製造方法]
本発明の着色液の製造方法としては、以下の3つの製造方法が使用できるが、これらに限定されるものではない。
本発明の着色液の製造方法としては、以下の3つの製造方法が使用できるが、これらに限定されるものではない。
1つ目の製造方法としては次の製造方法が使用できる。
水と染料と分散剤と水溶性溶剤、ロジン系化合物を含んだ混合液を作る混合工程と、混合工程で得られた混合液に分散処理を施し、着色液を得る工程である。
<混合工程>
混合液の製造方法は水と染料と水溶性溶剤、ロジン系化合物を含み、無機塩、又は分散剤を破砕助剤とし(無機塩を破砕助剤として使用する場合はソルトミリングと呼ぶ)、染料の一次粒子を細かくした混合液を得る事ができる。また、この際に室温で固体かつ水不溶性の樹脂を併用する事もでき、併用した場合は耐水性に優れた着色液を作成する事もできる。さらに界面活性剤を配合する事が好ましく、界面活性剤を配合する事で顔料表面の濡れ性が向上し、分散性により優れた混合液が得られる。
混合液の製造方法は水と染料と水溶性溶剤、ロジン系化合物を含み、無機塩、又は分散剤を破砕助剤とし(無機塩を破砕助剤として使用する場合はソルトミリングと呼ぶ)、染料の一次粒子を細かくした混合液を得る事ができる。また、この際に室温で固体かつ水不溶性の樹脂を併用する事もでき、併用した場合は耐水性に優れた着色液を作成する事もできる。さらに界面活性剤を配合する事が好ましく、界面活性剤を配合する事で顔料表面の濡れ性が向上し、分散性により優れた混合液が得られる。
上記ソルトミリングの方法について具体的に述べる。染料と3倍以上の無機塩、及び水溶性溶剤、ロジン系化合物を含む混合物を粘度状の混合物とし、ニーダーなどで強く練りこんだ後、水中に投入しハイスピードミキサー等で撹拌しスラリー状とする。次にこのスラリーの濾過と水洗を繰り返して無機塩及び水溶性溶剤を除去するこの方法により染料を微小化し、ロジン系化合物を含んだ混合液を得る事ができる。
上記混合工程で用いられる無機塩としては塩化ナトリウム、塩化カリウムが挙げられる。これら無機塩は染料を微小化する為に用いられ、市販の食塩などを粉砕機にて粉砕し、使用される。
上記混合工程で用いられる水溶性溶剤は、ソルトミリング時に湿潤剤として用いられるものであり、水溶性であれば特に限定されない。しかしソルトミリング時に温度が上昇し、溶剤が蒸発しやすい状態になる為安全性の観点から高沸点の溶剤が好ましい。例として、2−(メトキシメトキシ)エタノール、2−ブトキシエタノール、2−(イソペンチルオキシ)エタノール、2−(ヘキシルオキシ)エタノール、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコール、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、液体ポリエチレングリコール、1−メトキシー2−プロパノール、1−エトキシー2−プロパノール、ジプロピレングリコール、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、低分子量ポリプロピレングリコール等が挙げられる。
上記混合工程では樹脂をさらに用いても良いが、用いうる樹脂としては、例えば、高分子の他に、繊維誘導体、ゴム誘導体、タンパク誘導体などの半合成高分子、ロジン等の天然高分子およびそれらのオリゴマーを含む。また、前記高分子を2種類以上併用してソルトミリングをする事もできる。上記樹脂の中でも、特にロジンエポキシ樹脂および(メタ)アクリル樹脂が、汎用性が広く、その他ではロジン変性のマレイン酸樹脂、ロジン変性のフェノール樹脂等が用いられる。ソルトミリング時に用いられるエポキシ樹脂としては、分子中にエポキシ基を1個以上含むエポキサイドをいい、ビスフェノール系、ノポラック系、アルキルフェノール系、レゾルシン系、ポリグリコール系、エステル系、N−グリシジルアミンなどのグリシジル型や、環状脂肪族エポキサイド等が用いられる。ソルトミリング時に用いられる(メタ)アクリル樹脂としては、アクリル酸及びメタクリル酸と、アクリル酸エステルモノマー及びメタクリル酸エステルモノマー1種以上との共重合体で、60モル%以下のスチレン、酢酸ビニル、無水マレイン酸等のラジカル重合性のモノマーとの共重合体も含まれる。
上記混合工程における各成分の混合は、2本ロール、3本ロール、ボールミル、トロンミル、デイスパー、ニーダー、コニーダー、ホモジナイザー、ブレンダー、単軸又は2軸の抽出器等を用いて行うことができる。
上記混合工程においては、分散剤、可塑剤等の添加剤を併用しても良く、2種類以上の染料、または2種類以上のロジン系化合物を混合して処理しても良い。
<混合液の分散工程>
分散液の製造方法としては、例えば、以下の製造方法が使用できる。具体的には、上述した混合液の作成で得られた混合液に必要であれば、水、消泡剤、分散剤、防腐剤を投入し、そこにガラスビーズを加え、サンドミルを用い、水冷下、約15時間分散処理を行なう。この分散処理には、上記サンドミル(ビーズミル)以外に、例えば、ロールミル、ボールミル、ペイントシェーカー、超音波分散機、マイクロフルイダイザー等を用いて、分散液を構成する各成分を撹拌混合する等の公知の方法を用いることが可能である。分散時間は特に限定されないが、混合液の数平均粒子径が10〜500nmとなるように設定するのが好ましい。数平均粒子径が10〜500nmとなるように設定することで、着色液の分散安定性や保存安定性が悪くなるのを防止することができる。上記分散処理中に、発泡が生じることがあるが、その場合、水溶性有機溶剤や界面活性剤等のインク調製剤を加えることにより、これを抑制することができる。また、必要に応じてシリコーン系;アセチレンアルコール系;等の消泡剤を、分散液の調製時に添加してもよい。但し、消泡剤には染料等の分散・微粒子化を阻害するものもあるため、微粒子化や分散液の安定性等に影響を及ぼさないものを使用するのが好ましい。好ましい消泡剤としては、例えば、日信化学工業株式会社製のオルフィンシリーズ(SK−14等);エアープロダクツジャパン株式会社製のサーフィノールシリーズ(104、DF−110D等);等が挙げられる。次いで、該分散液をガラス繊維濾紙GC−50(東洋濾紙株式会社製、フィルターの孔径0.5μm)で濾過し、粒子サイズの大きい成分を除去した着色液を得られた。なお、上記ガラスビーズは、数平均粒子径を制御する目的で、任意の粒径のものを用いることが可能である。
分散液の製造方法としては、例えば、以下の製造方法が使用できる。具体的には、上述した混合液の作成で得られた混合液に必要であれば、水、消泡剤、分散剤、防腐剤を投入し、そこにガラスビーズを加え、サンドミルを用い、水冷下、約15時間分散処理を行なう。この分散処理には、上記サンドミル(ビーズミル)以外に、例えば、ロールミル、ボールミル、ペイントシェーカー、超音波分散機、マイクロフルイダイザー等を用いて、分散液を構成する各成分を撹拌混合する等の公知の方法を用いることが可能である。分散時間は特に限定されないが、混合液の数平均粒子径が10〜500nmとなるように設定するのが好ましい。数平均粒子径が10〜500nmとなるように設定することで、着色液の分散安定性や保存安定性が悪くなるのを防止することができる。上記分散処理中に、発泡が生じることがあるが、その場合、水溶性有機溶剤や界面活性剤等のインク調製剤を加えることにより、これを抑制することができる。また、必要に応じてシリコーン系;アセチレンアルコール系;等の消泡剤を、分散液の調製時に添加してもよい。但し、消泡剤には染料等の分散・微粒子化を阻害するものもあるため、微粒子化や分散液の安定性等に影響を及ぼさないものを使用するのが好ましい。好ましい消泡剤としては、例えば、日信化学工業株式会社製のオルフィンシリーズ(SK−14等);エアープロダクツジャパン株式会社製のサーフィノールシリーズ(104、DF−110D等);等が挙げられる。次いで、該分散液をガラス繊維濾紙GC−50(東洋濾紙株式会社製、フィルターの孔径0.5μm)で濾過し、粒子サイズの大きい成分を除去した着色液を得られた。なお、上記ガラスビーズは、数平均粒子径を制御する目的で、任意の粒径のものを用いることが可能である。
2つ目の製造方法として次の製造方法が使用できる。
染料と水溶性溶剤、ロジン系化合物を含んだ着色体を作るロジン処理工程と、ロジン処理工程で得られた着色体に分散処理を施し、着色液を得る工程である。
<ロジン処理工程>
着色体の製造方法は染料と水溶性溶剤、ロジン系化合物を含み、室温、又は高温で染料及びロジン系化合物を溶解又は懸濁させて、室温に戻して水を投入してロジン系化合物を含む着色体を得る方法である。また、この際に分散剤及び界面活性剤を投入させておくこともでき、分散剤及び界面活性剤を使用した場合はより一次粒子の細かい着色体を得る事ができる。
着色体の製造方法は染料と水溶性溶剤、ロジン系化合物を含み、室温、又は高温で染料及びロジン系化合物を溶解又は懸濁させて、室温に戻して水を投入してロジン系化合物を含む着色体を得る方法である。また、この際に分散剤及び界面活性剤を投入させておくこともでき、分散剤及び界面活性剤を使用した場合はより一次粒子の細かい着色体を得る事ができる。
色素組成物の調整に用いる水溶性有機溶剤としては、水不溶性色材、及びロジン系化合物が室温、又は加熱時に溶解し得るものであれば特に限定されない。水不溶性色材の溶解性などに応じて適宜、選択する事ができる。具体例としては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、イソブタノール、第二ブタノール、第三ブタノール等の(C1〜C4)アルコール;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等のカルボン酸アミド;2−ピロリドン、ヒドロキシエチル−2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、N−メチルピロリジン−2−オン等のラクタム;1,3−ジメチルイミダゾリジン−2−オン、1,3−ジメチルヘキサヒドロピリミド−2−オン等の環式尿素類;アセトン、メチルエチルケトン、2−メチル−2−ヒドロキシペンタン−4−オン等のケトン又はケトアルコール;テトラヒドロフラン、ジオキサン等の環状エーテル;エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,2−ブチレングリコール、1,4−ブチレングリコール、1,6−ヘキシレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、チオジグリコール、ジチオジグリコール等のC2−C6アルキレン単位を有するモノ、オリゴ、若しくはポリアルキレングリコール又はチオグリコール;トリメチロールプロパン、グリセリン、ヘキサン−1,2,6−トリオール等のポリオール(好ましくはトリオール);エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル(ブチルカルビトール)トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル等の多価アルコールの(C1〜C4)アルキルエーテル;γ−ブチロラクトン;、又はジメチルスルホキシド等があげられる。これらの有機溶剤は単独で用いてもよいし、二種以上を併用してもよい。
着色体の調整に用いる水溶性有機溶剤としては、染料に対して5倍〜10倍用いられる。上記範囲の下限よりも少ないと染料とロジン系化合物の混合物の溶解が起こりづらくなる為、好ましくない。
上記ロジン処理工程においては、分散剤、可塑剤等の添加剤を併用しても良く、2種類以上の染料、または2種類以上のロジン系化合物を混合して処理しても良い。
<混合液の分散工程>
分散液の製造方法としては、例えば、以下の製造方法が使用できる。具体的には、上述したロジン処理工程において得られた着色体に水、消泡剤、分散剤、防腐剤、界面活性剤を投入し、そこにガラスビーズを加え、サンドミルを用い、水冷下、約15時間分散処理を行なう。この分散処理には、上記サンドミル(ビーズミル)以外に、例えば、ロールミル、ボールミル、ペイントシェーカー、超音波分散機、マイクロフルイダイザー等を用いて、分散液を構成する各成分を撹拌混合する等の公知の方法を用いることが可能である。分散時間は特に限定されないが、混合液の数平均粒子径が10〜500nmとなるように設定するのが好ましい。数平均粒子径が10〜500nmとなるように設定することで、着色液の分散安定性や保存安定性が悪くなるのを防止することができる。上記分散処理中に、発泡が生じることがあるが、その場合、水溶性有機溶剤や界面活性剤等のインク調製剤を加えることにより、これを抑制することができる。また、必要に応じてシリコーン系;アセチレンアルコール系;等の消泡剤を、分散液の調製時に添加してもよい。但し、消泡剤には染料等の分散・微粒子化を阻害するものもあるため、微粒子化や分散液の安定性等に影響を及ぼさないものを使用するのが好ましい。好ましい消泡剤としては、例えば、日信化学工業株式会社製のオルフィンシリーズ(SK−14等);エアープロダクツジャパン株式会社製のサーフィノールシリーズ(104、DF−110D等);等が挙げられる。次いで、該分散液をガラス繊維濾紙GC−50(東洋濾紙株式会社製、フィルターの孔径0.5μm)で濾過し、粒子サイズの大きい成分を除去した着色液を得られた。なお、上記ガラスビーズは、数平均粒子径を制御する目的で、任意の粒径のものを用いることが可能である。
分散液の製造方法としては、例えば、以下の製造方法が使用できる。具体的には、上述したロジン処理工程において得られた着色体に水、消泡剤、分散剤、防腐剤、界面活性剤を投入し、そこにガラスビーズを加え、サンドミルを用い、水冷下、約15時間分散処理を行なう。この分散処理には、上記サンドミル(ビーズミル)以外に、例えば、ロールミル、ボールミル、ペイントシェーカー、超音波分散機、マイクロフルイダイザー等を用いて、分散液を構成する各成分を撹拌混合する等の公知の方法を用いることが可能である。分散時間は特に限定されないが、混合液の数平均粒子径が10〜500nmとなるように設定するのが好ましい。数平均粒子径が10〜500nmとなるように設定することで、着色液の分散安定性や保存安定性が悪くなるのを防止することができる。上記分散処理中に、発泡が生じることがあるが、その場合、水溶性有機溶剤や界面活性剤等のインク調製剤を加えることにより、これを抑制することができる。また、必要に応じてシリコーン系;アセチレンアルコール系;等の消泡剤を、分散液の調製時に添加してもよい。但し、消泡剤には染料等の分散・微粒子化を阻害するものもあるため、微粒子化や分散液の安定性等に影響を及ぼさないものを使用するのが好ましい。好ましい消泡剤としては、例えば、日信化学工業株式会社製のオルフィンシリーズ(SK−14等);エアープロダクツジャパン株式会社製のサーフィノールシリーズ(104、DF−110D等);等が挙げられる。次いで、該分散液をガラス繊維濾紙GC−50(東洋濾紙株式会社製、フィルターの孔径0.5μm)で濾過し、粒子サイズの大きい成分を除去した着色液を得られた。なお、上記ガラスビーズは、数平均粒子径を制御する目的で、任意の粒径のものを用いることが可能である。
3つ目の製造方法として次の製造方法が使用できる。
染料と、ロジン系化合物を含んだ着色体を作るロジン処理工程と、ロジン処理工程で得られた着色体に分散処理を施し、着色液を得る工程である。
<ロジン処理工程>
着色体の製造方法は濃硫酸、酢酸、ポリリン酸等の強酸に、染料及びロジン系化合物を投入し、室温、又は高温で染料及びロジンを溶解又は懸濁させて、室温に戻した懸濁液を冷水に投入して水洗い又は水酸化ナトリウムなどで中和し、ロジン系化合物を含む着色体を得る方法である。また、この際に分散剤及び界面活性剤を投入させておくこともでき、分散剤及び界面活性剤を使用した場合はより一次粒子の細かい着色体を得る事ができる。
着色体の製造方法は濃硫酸、酢酸、ポリリン酸等の強酸に、染料及びロジン系化合物を投入し、室温、又は高温で染料及びロジンを溶解又は懸濁させて、室温に戻した懸濁液を冷水に投入して水洗い又は水酸化ナトリウムなどで中和し、ロジン系化合物を含む着色体を得る方法である。また、この際に分散剤及び界面活性剤を投入させておくこともでき、分散剤及び界面活性剤を使用した場合はより一次粒子の細かい着色体を得る事ができる。
上記ロジン処理工程においては、分散剤、可塑剤等の添加剤を併用しても良く、2種類以上の染料、または2種類以上のロジン系化合物を混合して処理しても良い。
<混合液の分散工程>
分散液の製造方法としては、例えば、以下の製造方法が使用できる。具体的には、上述したロジン処理工程において得られた着色体に水、消泡剤、分散剤、防腐剤、界面活性剤を投入し、そこにガラスビーズを加え、サンドミルを用い、水冷下、約15時間分散処理を行なう。この分散処理には、上記サンドミル(ビーズミル)以外に、例えば、ロールミル、ボールミル、ペイントシェーカー、超音波分散機、マイクロフルイダイザー等を用いて、分散液を構成する各成分を撹拌混合する等の公知の方法を用いることが可能である。分散時間は特に限定されないが、混合液の数平均粒子径が10〜500nmとなるように設定するのが好ましい。数平均粒子径が10〜500nmとなるように設定することで、着色液の分散安定性や保存安定性が悪くなるのを防止することができる。上記分散処理中に、発泡が生じることがあるが、その場合、水溶性有機溶剤や界面活性剤等のインク調製剤を加えることにより、これを抑制することができる。また、必要に応じてシリコーン系;アセチレンアルコール系;等の消泡剤を、分散液の調製時に添加してもよい。但し、消泡剤には染料等の分散・微粒子化を阻害するものもあるため、微粒子化や分散液の安定性等に影響を及ぼさないものを使用するのが好ましい。好ましい消泡剤としては、例えば、日信化学工業株式会社製のオルフィンシリーズ(SK−14等);エアープロダクツジャパン株式会社製のサーフィノールシリーズ(104、DF−110D等);等が挙げられる。次いで、該分散液をガラス繊維濾紙GC−50(東洋濾紙株式会社製、フィルターの孔径0.5μm)で濾過し、粒子サイズの大きい成分を除去した着色液を得られた。なお、上記ガラスビーズは、数平均粒子径を制御する目的で、任意の粒径のものを用いることが可能である。
分散液の製造方法としては、例えば、以下の製造方法が使用できる。具体的には、上述したロジン処理工程において得られた着色体に水、消泡剤、分散剤、防腐剤、界面活性剤を投入し、そこにガラスビーズを加え、サンドミルを用い、水冷下、約15時間分散処理を行なう。この分散処理には、上記サンドミル(ビーズミル)以外に、例えば、ロールミル、ボールミル、ペイントシェーカー、超音波分散機、マイクロフルイダイザー等を用いて、分散液を構成する各成分を撹拌混合する等の公知の方法を用いることが可能である。分散時間は特に限定されないが、混合液の数平均粒子径が10〜500nmとなるように設定するのが好ましい。数平均粒子径が10〜500nmとなるように設定することで、着色液の分散安定性や保存安定性が悪くなるのを防止することができる。上記分散処理中に、発泡が生じることがあるが、その場合、水溶性有機溶剤や界面活性剤等のインク調製剤を加えることにより、これを抑制することができる。また、必要に応じてシリコーン系;アセチレンアルコール系;等の消泡剤を、分散液の調製時に添加してもよい。但し、消泡剤には染料等の分散・微粒子化を阻害するものもあるため、微粒子化や分散液の安定性等に影響を及ぼさないものを使用するのが好ましい。好ましい消泡剤としては、例えば、日信化学工業株式会社製のオルフィンシリーズ(SK−14等);エアープロダクツジャパン株式会社製のサーフィノールシリーズ(104、DF−110D等);等が挙げられる。次いで、該分散液をガラス繊維濾紙GC−50(東洋濾紙株式会社製、フィルターの孔径0.5μm)で濾過し、粒子サイズの大きい成分を除去した着色液を得られた。なお、上記ガラスビーズは、数平均粒子径を制御する目的で、任意の粒径のものを用いることが可能である。
上記着色液を含むインクジェットインクも本願発明に含まれる。
上記インクジェットインクを調製する方法としては、例えば、上記着色液に水溶性有機溶剤、及び必要に応じてインク調製剤等を加えて混合する方法等が挙げられる。これらを混合する順番は特に制限されない。これらインク調製剤は、本発明の効果を阻害しない範囲で添加してもよい。
上記インクジェットインクのpHとしては、保存安定性を向上させる目的で、pH5〜11が好ましく、pH7〜10がより好ましい。インクジェットインクのpH、及び表面張力は、上記pH調整剤、上記界面活性剤等で適宜調整することが可能である。
本発明のインクジェットインクは、各種分野において使用することができるが、筆記用水性インク、水性印刷インク、情報記録インク、捺染等に好適であり、インクジェット記録用インクとして用いることが特に好ましく、後述する本発明のインクジェット記録方法において好適に使用される。
上記インクジェットインク中に含まれる上記着色液の含有量としては、インクジェットインクの総質量に対して、質量基準で通常2〜35%、好ましくは3〜30%、より好ましくは5〜30%である。また、上記インクジェットインク中に含まれる上記水溶性有機溶剤の含有量は通常10〜50%、好ましくは15〜50%、より好ましくは20〜50%、さらに好ましくは30〜50%である。また、上記インク調製剤の含有量としては、インクジェットインクの総質量に対して、インク調製剤の総量として、通常0〜25%、好ましくは0.01〜20%である。
上記インクジェットインクは、高速での吐出応答性の点より、25℃における粘度はE型粘度計にて測定したときに通常3〜20mPa・s程度であるのが好ましい。また、表面張力は、プレート法にて測定したときに通常20〜45mN/mの範囲が好ましい。なお、実際には、使用するプリンタの吐出量、応答速度、インク液滴飛行特性などを考慮し適切な物性値になるよう調整することが好ましい。
(インクセット)
上記インクジェットインクと他のインクとのインクセットも本願発明に含まれる。上記インクジェットインクのインクセットとしては、上記インクジェットインクと異なる色調のインクとのインクセットとすることが好ましく、例えば、上記インクジェットインクと、イエローインク、マゼンタインク、シアンインクからなる群から選択される少なくとも1つのインクとを含むインクセットが好ましい。
上記インクジェットインクと他のインクとのインクセットも本願発明に含まれる。上記インクジェットインクのインクセットとしては、上記インクジェットインクと異なる色調のインクとのインクセットとすることが好ましく、例えば、上記インクジェットインクと、イエローインク、マゼンタインク、シアンインクからなる群から選択される少なくとも1つのインクとを含むインクセットが好ましい。
(疎水性繊維)
上記インクジェットインク、または上記インクセットを用いて捺染した疎水性繊維も本願発明に含まれる。上記疎水性繊維の具体例としては、例えば、ポリエステル、ナイロン、トリアセテート、ジアセテート、ポリアミド等の各樹脂、及びこれらの樹脂を二種類以上含有する樹脂等が挙げられる。疎水性樹脂を含有する繊維としては、前記の樹脂からなる繊維、及び、これらの繊維とレーヨン等の再生繊維、木綿、絹、羊毛等の天然繊維との混紡繊維も、本明細書においては疎水性樹脂を含有する繊維に含まれる。繊維の中には、インク受容層(滲み防止層)を有するものも知られており、そのような繊維も後述する捺染方法に使用することができる。インク受容層を有する繊維は公知の方法で調製することも、また、市販品として入手することもできる。インク受容層の材質や構造等は特に限定されず、目的等に応じて適宜使用することができる。疎水性樹脂を含有する繊維の構造物である布帛の具体例としては、例えば、サテン、トロピカル、ダブルピケ、マイクロファイバー等が挙げられる。疎水性樹脂を含有するフィルム、及びシートとしては、PETフィルム、PETシート;疎水性樹脂がコーティングされた布帛、ガラス、金属、陶器;等が挙げられる。なお、上記「PET」は「ポリエチレンテレフタレート」の略号である。
上記インクジェットインク、または上記インクセットを用いて捺染した疎水性繊維も本願発明に含まれる。上記疎水性繊維の具体例としては、例えば、ポリエステル、ナイロン、トリアセテート、ジアセテート、ポリアミド等の各樹脂、及びこれらの樹脂を二種類以上含有する樹脂等が挙げられる。疎水性樹脂を含有する繊維としては、前記の樹脂からなる繊維、及び、これらの繊維とレーヨン等の再生繊維、木綿、絹、羊毛等の天然繊維との混紡繊維も、本明細書においては疎水性樹脂を含有する繊維に含まれる。繊維の中には、インク受容層(滲み防止層)を有するものも知られており、そのような繊維も後述する捺染方法に使用することができる。インク受容層を有する繊維は公知の方法で調製することも、また、市販品として入手することもできる。インク受容層の材質や構造等は特に限定されず、目的等に応じて適宜使用することができる。疎水性樹脂を含有する繊維の構造物である布帛の具体例としては、例えば、サテン、トロピカル、ダブルピケ、マイクロファイバー等が挙げられる。疎水性樹脂を含有するフィルム、及びシートとしては、PETフィルム、PETシート;疎水性樹脂がコーティングされた布帛、ガラス、金属、陶器;等が挙げられる。なお、上記「PET」は「ポリエチレンテレフタレート」の略号である。
(疎水性繊維の捺染方法)
前記の染色方法は、繊維又は物質の染色方法であり、二つの種類に大別される。
前記の染色方法は、繊維又は物質の染色方法であり、二つの種類に大別される。
1つ目の方法は、ダイレクトプリント又はダイレクト捺染等と呼称される繊維の染色方法である。この方法は、前記インクジェットインクの液滴を、インクジェットプリンタにより疎水性樹脂を含有する繊維に付着させ、文字及び絵柄等の画像情報を繊維に形成する工程Aと、前記工程Aにより付着させたインクの液滴中の染料を熱により該繊維に固着させる工程Bと、該繊維中に残存する未固着の染料を洗浄する工程Cと、の3工程を少なくとも含む、繊維の染色方法である。工程Bは、一般的には公知のスチーミング又はベーキングによって行われる。スチーミングとしては、例えば高温スチーマーで通常170〜180℃、通常10分程度;また、高圧スチーマーで通常120〜130℃、通常20分程度;それぞれ繊維を処理することにより、染料を繊維に染着する方法が挙げられる。ベーキング(サーモゾル)としては、例えば通常190℃〜210℃、通常60秒〜120秒程度、繊維を処理することにより、染料を繊維に染着する方法が挙げられる。工程Cは、得られた繊維を、温水、及び必要に応じて水により洗浄する工程である。洗浄に使用する温水や水は、界面活性剤を含むことができる。洗浄後の繊維を、通常50〜120℃で、5〜30分乾燥することも好ましく行われる。
前記の捺染方法は、にじみ等を防止する目的で、繊維の前処理工程をさらに含んでもよい。この前処理工程としては、一種類以上の糊材を少なくとも含有し、必要に応じてアルカリ性物質、還元防止剤及びヒドロトロピー剤を含有する水溶液を、インクを付着させる前の繊維に付与する工程が挙げられる。前処理を施す工程としては、糊剤を少なくとも含有する前処理剤の水溶液を前処理液として用い、繊維を前処理液に塗工又は含浸させて付与するのが好ましい。
前記糊剤としては、グアー、ローカストビーン等の天然ガム類、澱粉類、アルギン酸ソーダ、ふのり等の海藻類、ペクチン酸等の植物皮類、メチル繊維素、エチル繊維素、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース等の繊維素誘導体、カルボキシメチル澱粉等の加工澱粉、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸エステル等の合成糊等が挙げられる。好ましくはアルギン酸ソーダが挙げられる。
前記アルカリ性物質としては、例えば無機酸又は有機酸のアルカリ金属塩;アルカリ土類金属の塩;並びに加熱した際にアルカリを遊離する化合物が挙げられ、無機又は有機の、アルカリ金属水酸化物及びアルカリ金属塩が好ましく、ナトリウム化合物及びカリウム化合物等が挙げられる。具体例としては、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カルシウム等のアルカリ金属水酸化物;炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウム、リン酸二水素ナトリウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸ナトリウム等の無機化合物のアルカリ金属塩;蟻酸ナトリウム、トリクロル酢酸ナトリウム等の有機化合物のアルカリ金属塩;等が挙げられる。好ましくは、炭酸水素ナトリウムが挙げられる。
前記還元防止剤としては、メタニトロベンゼンスルホン酸ナトリウムが好ましい。前記ヒドロトロピー剤としては、尿素、ジメチル尿素等の尿素類等が挙げられる。好ましくは尿素である。
前記糊剤、アルカリ性物質、還元防止剤、及びヒドロトロピー剤は、いずれも単一の化合物を使用することも、それぞれ複数の化合物を併用することもできる。前処理液の総質量中における各前処理剤の混合比率は、例えば、糊剤が0.5〜5%、炭酸水素ナトリウムが0.5〜5%、メタニトロベンゼンスルホン酸ナトリウムが0〜5%、尿素が1〜20%、残部が水である。前処理剤の繊維への付与は、たとえばパディング法が挙げられる。パディングの絞り率は40〜90%程度が好ましく、より好ましくは60〜80%程度である。
2つ目の方法は、昇華転写プリント、昇華転写染色等と呼称される方法である。この方法は、前記インクの液滴を、インクジェットプリンタにより中間記録媒体に付着させ、文字及び絵柄等の画像情報が記録された中間記録媒体を得た後、該中間記録媒体のインクの液滴の付着面と、疎水性樹脂を含有する繊維、フィルム及びシートから選択される物質とを接触させて加熱することにより、中間記録媒体に付着したインクの液滴中の染料を、繊維に昇華転写させて染色を行う物質の染色方法である。中間記録媒体としては、中間記録媒体に付着したインクの液滴中の染料が、その表面で凝集せず、且つ昇華転写を行うときに染料の昇華を妨害しないものが好ましい。そのような中間記録媒体の一例としては、シリカ等の無機微粒子でインク受容層が表面に形成されている紙が挙げられ、インクジェット記録用の専用紙等を用いることができる。中間記録媒体から繊維へ、記録画像を転写するときの加熱方法としては、通常190〜200℃程度で乾熱処理する方法が挙げられる。
前記の中間記録媒体としては、特に制限はなく、「紙・板紙及びパルプ用語[JIS P 0001:1998(2008年 平成10年3月20日 改正、財団法人日本規格協会 発行)]」中、第28頁〜第47頁の「3.分類 f)紙・板紙の品種及び加工製品」に記載された紙・板紙の品種及び加工製品(番号6001〜6284。但し、番号6235の「耐油性」、6263「フルート,段」、6273「パルプ成型品」、6276「カーボン紙」、6277「マルチコピーフォーム用紙」、6278「裏カーボンフォーム用紙」を除く);及び、セロハン(以下、「紙・板紙の品種及び加工製品;及び、セロハン」を「紙等」という。)の中から適宜選択することができる。これらの紙等のうち、昇華転写に使用できるものであれば、いずれも中間記録媒体として使用することができる。なお、前記したように、昇華転写を行うときは通常190℃〜210℃程度の加熱処理を行う。従って、前記の中間記録媒体のうち、加熱処理のときに安定なものが好ましい。
上記インクジェットインクは、各種分野において使用することができるが、筆記用水性インク、水性印刷インク、情報記録インク、捺染等に好適であり、捺染用インクジェットインクとして用いることが特に好ましい。
本発明により、色糊等を用いる従来の捺染方法のように染料の種類や数を無制限に使用せずとも、従来のインクジェット捺染と比較して色再現範囲を拡大することができる。
本発明の着色液及びインクジェットインクは、長期に保管しても固体の凝集や沈殿等を生じることなく、保存安定性が良好である。また、粘度、平均粒子径等の物性の変化も極めて少ない。また、本発明の着色液及びインクジェットインクは、発色性に優れるだけでなく、印刷物の耐光性、耐擦性、耐ガス性、耐塩素性、耐汗性、洗濯堅牢度等の、各種の堅牢性にも優れる。
本発明の着色液及びインクジェットインクは、長期に保管しても固体の凝集や沈殿等を生じることなく、保存安定性が良好である。また、粘度、平均粒子径等の物性の変化も極めて少ない。また、本発明の着色液及びインクジェットインクは、発色性に優れるだけでなく、印刷物の耐光性、耐擦性、耐ガス性、耐塩素性、耐汗性、洗濯堅牢度等の、各種の堅牢性にも優れる。
以下実施例により本発明を更に詳細に説明するが、これらの実施例により本発明が限定されるものではない。実施例において特に断りがない限り、部は重量部を、%は重量%をそれぞれ示す。
下記実施例及び表3中の略号等は、以下を表す。
DB56:C.I.ディスパースブルー 56(江蘇亜邦染料股分有限公司製)
DB81:C.I.ディスパースブルー 81(江蘇亜邦染料股分有限公司製)
DB97:C.I.ディスパースブルー 97(江蘇亜邦染料股分有限公司製)
DB145:C.I.ディスパースブルー 145(江蘇亜邦染料股分有限公司製)
中国重合ロジン:リグニンスルホン酸(荒川化学工業株式会社製)
スーパーエステルE788:スーパーエステルE788(荒川化学工業株式会社製)
アビエチン酸:アビエチン酸(東京化成化学工業株式会社製)
デヒドロアビエチン酸:デヒドロアビエチン酸(東京化成化学工業株式会社製)
ロジン:ロジン(関東化学株式会社)
ラベリンW40:ナフタレンスルホン酸ナトリウムホルマリン縮合物(第一工業製薬株式会社製)
BPS−30:ニッコールBPS−30(日光ケミカルズ株式会社製)
サーフィノール104: アセチレングリコール界面活性剤(日信化学工業株式会社製)
プロクセルGXL(S):プロクセルGXL(S)(アーチケミカル社製)
DMSO:ジメチルスルホキシド (純正化学株式会社製)
DB56:C.I.ディスパースブルー 56(江蘇亜邦染料股分有限公司製)
DB81:C.I.ディスパースブルー 81(江蘇亜邦染料股分有限公司製)
DB97:C.I.ディスパースブルー 97(江蘇亜邦染料股分有限公司製)
DB145:C.I.ディスパースブルー 145(江蘇亜邦染料股分有限公司製)
中国重合ロジン:リグニンスルホン酸(荒川化学工業株式会社製)
スーパーエステルE788:スーパーエステルE788(荒川化学工業株式会社製)
アビエチン酸:アビエチン酸(東京化成化学工業株式会社製)
デヒドロアビエチン酸:デヒドロアビエチン酸(東京化成化学工業株式会社製)
ロジン:ロジン(関東化学株式会社)
ラベリンW40:ナフタレンスルホン酸ナトリウムホルマリン縮合物(第一工業製薬株式会社製)
BPS−30:ニッコールBPS−30(日光ケミカルズ株式会社製)
サーフィノール104: アセチレングリコール界面活性剤(日信化学工業株式会社製)
プロクセルGXL(S):プロクセルGXL(S)(アーチケミカル社製)
DMSO:ジメチルスルホキシド (純正化学株式会社製)
[製造例1 色素組成物1の調製]
DB56を50部、中国重合ロジンを50部、DMSO 200部を、冷却管を付けた四つ口フラスコに加え、150rpmで撹拌しながら80〜90℃に昇温し、溶液とした。放冷して室温に戻した後で、イオン交換水(300部)を加えて固体を析出させ、これをろ過分離して固体を析出させた。得られたウエットケーキをイオン交換水で洗浄した後、70℃オーブンで乾燥させ、青色の色素組成物1を100部得た。
DB56を50部、中国重合ロジンを50部、DMSO 200部を、冷却管を付けた四つ口フラスコに加え、150rpmで撹拌しながら80〜90℃に昇温し、溶液とした。放冷して室温に戻した後で、イオン交換水(300部)を加えて固体を析出させ、これをろ過分離して固体を析出させた。得られたウエットケーキをイオン交換水で洗浄した後、70℃オーブンで乾燥させ、青色の色素組成物1を100部得た。
[製造例2 色素組成物2の調製]
DB56を50部、中国重合ロジンを25部、DMSO 200部を、冷却管を付けた四つ口フラスコに加え、150rpmで撹拌しながら80〜90℃に昇温し、溶液とした。放冷して室温に戻した後で、イオン交換水(300部)を加えて固体を析出させ、これをろ過分離して固体を析出させた。得られたウエットケーキをイオン交換水で洗浄した後、70℃オーブンで乾燥させ、青色の色素組成物2を75部得た。
DB56を50部、中国重合ロジンを25部、DMSO 200部を、冷却管を付けた四つ口フラスコに加え、150rpmで撹拌しながら80〜90℃に昇温し、溶液とした。放冷して室温に戻した後で、イオン交換水(300部)を加えて固体を析出させ、これをろ過分離して固体を析出させた。得られたウエットケーキをイオン交換水で洗浄した後、70℃オーブンで乾燥させ、青色の色素組成物2を75部得た。
[製造例3 色素組成物3の調製]
DB56を50部、中国重合ロジンを15部、DMSO 200部を、冷却管を付けた四つ口フラスコに加え、150rpmで撹拌しながら80〜90℃に昇温し、溶液とした。放冷して室温に戻した後で、イオン交換水(300部)を加えて固体を析出させ、これをガラス繊維濾紙GC−50(東洋濾紙株式会社製、フィルターの孔径0.5μm)を使用してろ過分離して固体を析出させた。得られたウエットケーキをイオン交換水で洗浄した後、70℃オーブンで乾燥させ、青色の色素組成物3を65部得た。
DB56を50部、中国重合ロジンを15部、DMSO 200部を、冷却管を付けた四つ口フラスコに加え、150rpmで撹拌しながら80〜90℃に昇温し、溶液とした。放冷して室温に戻した後で、イオン交換水(300部)を加えて固体を析出させ、これをガラス繊維濾紙GC−50(東洋濾紙株式会社製、フィルターの孔径0.5μm)を使用してろ過分離して固体を析出させた。得られたウエットケーキをイオン交換水で洗浄した後、70℃オーブンで乾燥させ、青色の色素組成物3を65部得た。
[製造例4 色素組成物4の調製]
中国重合ロジンをスーパーエステルE788に変更した以外は製造例1と同じにして青色の色素組成物4を100部得た。
中国重合ロジンをスーパーエステルE788に変更した以外は製造例1と同じにして青色の色素組成物4を100部得た。
[製造例5 色素組成物5の調製]
中国重合ロジンをスーパーエステルE788に変更した以外は製造例2と同じにして青色の色素組成物5を75部得た。
中国重合ロジンをスーパーエステルE788に変更した以外は製造例2と同じにして青色の色素組成物5を75部得た。
[製造例6 色素組成物6の調製]
中国重合ロジンをスーパーエステルE788に変更した以外は製造例3と同じにして青色の色素組成物6を65部得た。
中国重合ロジンをスーパーエステルE788に変更した以外は製造例3と同じにして青色の色素組成物6を65部得た。
[製造例7 色素組成物7の調製]
中国重合ロジンをアビエチン酸に変更した以外は製造例2と同じにして青色の色素組成物7を75部得た。
中国重合ロジンをアビエチン酸に変更した以外は製造例2と同じにして青色の色素組成物7を75部得た。
[製造例8 色素組成物8の調製]
中国重合ロジンをデヒドロアビエチン酸に変更した以外は製造例2と同じにして青色の色素組成物8を75部得た。
中国重合ロジンをデヒドロアビエチン酸に変更した以外は製造例2と同じにして青色の色素組成物8を75部得た。
[製造例9 色素組成物9の調製]
中国重合ロジンをデヒドロアビエチン酸に変更した以外は製造例2と同じにして青色の色素組成物9を75部得た。
中国重合ロジンをデヒドロアビエチン酸に変更した以外は製造例2と同じにして青色の色素組成物9を75部得た。
[製造例10 色素組成物10の調製]
中国重合ロジンをロジン酸に変更した以外は製造例2と同じにして青色の色素組成物10を75部得た。
中国重合ロジンをロジン酸に変更した以外は製造例2と同じにして青色の色素組成物10を75部得た。
[製造例11 色素組成物11の調製]
DB56をDB81に変更した以外は製造例2と同じにして青色の色素組成物11を75部得た。
DB56をDB81に変更した以外は製造例2と同じにして青色の色素組成物11を75部得た。
[製造例12 色素組成物12の調製]
DB56をDB97に変更した以外は製造例2と同じにして青色の色素組成物12を75部得た。
DB56をDB97に変更した以外は製造例2と同じにして青色の色素組成物12を75部得た。
[製造例13 色素組成物13の調製]
DB56をDB145に変更した以外は製造例2と同じにして青色の色素組成物13を75部得た。
DB56をDB145に変更した以外は製造例2と同じにして青色の色素組成物13を75部得た。
[製造例14 分散剤1の調製]
ジョンクリル 678(BASF社製)を25部、48%水酸化ナトリウム水溶液を8.0部、イオン交換水を71.8部、プロクセル GXL(アーチケミカル社製)を0.1部、サーフィノール 104(日信化学工業株式会社製)を0.1部、を混合し、80−90℃に昇温して10時間撹拌することにより、ジョンクリル 678の25%水溶液(分散剤1)を得た。
ジョンクリル 678(BASF社製)を25部、48%水酸化ナトリウム水溶液を8.0部、イオン交換水を71.8部、プロクセル GXL(アーチケミカル社製)を0.1部、サーフィノール 104(日信化学工業株式会社製)を0.1部、を混合し、80−90℃に昇温して10時間撹拌することにより、ジョンクリル 678の25%水溶液(分散剤1)を得た。
[製造例15 20%BPS−30の調製]
イオン交換水(80部)に、BPS−30(日光ケミカルズ株式会社製)を20部
投入し50−60℃に昇温して1時間撹拌し、20%BPS−30溶液を得た。
イオン交換水(80部)に、BPS−30(日光ケミカルズ株式会社製)を20部
投入し50−60℃に昇温して1時間撹拌し、20%BPS−30溶液を得た。
[実施例1〜34]分散液1〜34の調製
下記表1〜2に記載の各成分に0.2mm径のガラスビーズを加え、サンドミルにて水冷下、15時間分散処理を行った。分散処理後、染料含有量が15%の水性分散液を調製した。次いで、該分散液をガラス繊維濾紙GC−50(東洋濾紙株式会社製、フィルターの孔径0.5μm)で濾過し、粒子サイズの大きい成分を除去した水性分散液を得た得られた着色分散液を、それぞれ分散液1〜34とする。なお、本願明細書における分散液は上記着色液を示す。
下記表1〜2に記載の各成分に0.2mm径のガラスビーズを加え、サンドミルにて水冷下、15時間分散処理を行った。分散処理後、染料含有量が15%の水性分散液を調製した。次いで、該分散液をガラス繊維濾紙GC−50(東洋濾紙株式会社製、フィルターの孔径0.5μm)で濾過し、粒子サイズの大きい成分を除去した水性分散液を得た得られた着色分散液を、それぞれ分散液1〜34とする。なお、本願明細書における分散液は上記着色液を示す。
[比較例1〜8]分散液35〜42の調製
下記表3に記載の各成分に0.2mm径ガラスビーズを加え、サンドミルにて水冷下、15時間分散処理を行った。分散処理後、染料含有量が15%の水性分散液を調製した。次いで、該分散液をガラス繊維濾紙GC−50(東洋濾紙株式会社製、フィルターの孔径0.5μm)で濾過し、粒子サイズの大きい成分を除去した水性分散液を得た得られた着色分散液を、それぞれ分散液35〜42とする。
下記表3に記載の各成分に0.2mm径ガラスビーズを加え、サンドミルにて水冷下、15時間分散処理を行った。分散処理後、染料含有量が15%の水性分散液を調製した。次いで、該分散液をガラス繊維濾紙GC−50(東洋濾紙株式会社製、フィルターの孔径0.5μm)で濾過し、粒子サイズの大きい成分を除去した水性分散液を得た得られた着色分散液を、それぞれ分散液35〜42とする。
〈分散液の評価〉
上記のようにして得られた分散液1〜42について、分散液初期粒子径、分散液経時粒子径、分散液保存安定性を、後述する評価方法にて評価した。なお、上記分散液初期粒子径は、上記数平均粒子径と同義である。
上記のようにして得られた分散液1〜42について、分散液初期粒子径、分散液経時粒子径、分散液保存安定性を、後述する評価方法にて評価した。なお、上記分散液初期粒子径は、上記数平均粒子径と同義である。
〈分散液初期粒子径〉
表1〜3の実施例及び比較例の分散液1〜42をそれぞれ1000倍に希釈し、マイクロトラックUPA(日機装株式会社製)を用いて、体積平均粒子径(D50)の測定を行い、その値を分散液初期粒子径とした。評価基準は以下のとおりである。ランク2以下は、実用上耐えられないレベルである。
(評価基準)
ランク5:分散液初期粒子径が100nm未満である。
ランク4:分散液初期粒子径が100nm以上120nm未満である。
ランク3:分散液初期粒子径が120nm以上150nm未満である。
ランク2:分散液初期粒子径が150nm以上180nm未満である。
ランク1:分散液初期粒子径が180nm以上である。
表1〜3の実施例及び比較例の分散液1〜42をそれぞれ1000倍に希釈し、マイクロトラックUPA(日機装株式会社製)を用いて、体積平均粒子径(D50)の測定を行い、その値を分散液初期粒子径とした。評価基準は以下のとおりである。ランク2以下は、実用上耐えられないレベルである。
(評価基準)
ランク5:分散液初期粒子径が100nm未満である。
ランク4:分散液初期粒子径が100nm以上120nm未満である。
ランク3:分散液初期粒子径が120nm以上150nm未満である。
ランク2:分散液初期粒子径が150nm以上180nm未満である。
ランク1:分散液初期粒子径が180nm以上である。
〈分散液経時粒子径〉
表1〜3の実施例及び比較例の分散液1〜42をそれぞれ100g、ガラス瓶内に密封し、60℃で14日間放置した。放置後に、分散液1〜19をそれぞれ1000倍に水を用いて希釈し、マイクロトラックUPA(日機装株式会社製)を用いて、体積平均粒子径(D10 D50 D90)の測定を行い、D50の値を分散液初期粒子径とした。評価基準は以下のとおりである。ランク2以下は、実用上耐えられないレベルである。
(評価基準)
ランク5:分散液初期粒子径が100nm未満である。
ランク4:分散液初期粒子径が100nm以上120nm未満である。
ランク3:分散液初期粒子径が120nm以上150nm未満である。
ランク2:分散液初期粒子径が150nm以上180nm未満である。
ランク1:分散液初期粒子径が180nm以上である。
表1〜3の実施例及び比較例の分散液1〜42をそれぞれ100g、ガラス瓶内に密封し、60℃で14日間放置した。放置後に、分散液1〜19をそれぞれ1000倍に水を用いて希釈し、マイクロトラックUPA(日機装株式会社製)を用いて、体積平均粒子径(D10 D50 D90)の測定を行い、D50の値を分散液初期粒子径とした。評価基準は以下のとおりである。ランク2以下は、実用上耐えられないレベルである。
(評価基準)
ランク5:分散液初期粒子径が100nm未満である。
ランク4:分散液初期粒子径が100nm以上120nm未満である。
ランク3:分散液初期粒子径が120nm以上150nm未満である。
ランク2:分散液初期粒子径が150nm以上180nm未満である。
ランク1:分散液初期粒子径が180nm以上である。
〈分散液保存安定性〉
表1〜3の実施例及び比較例の分散液1〜42をそれぞれ10000倍に希釈し、400nm〜780nmにおける極大吸収波長の吸光度を測定した。次に、分散液1〜42を、それぞれ100gを、ガラス瓶内に密封し、60℃で14日間放置した。放置後に、得られた分散液1〜42をそれぞれ10000倍に希釈し、同様に極大吸収波長の吸光度を測定した。放置前の吸光度を100%として、放置後の吸光度を算出し、その値を用いて分散液保存安定性を評価した。評価基準は以下の通りである。ランク2以下は実用上耐えられないレベルである。
(評価基準)
ランク5:放置後の吸光度が95%以上である。
ランク4:放置後の吸光度が90%以上95%未満である。
ランク3:放置後の吸光度が80%以上90%未満である。
ランク2:放置後の吸光度が60%以上80%未満である。
ランク1:放置後の吸光度が60%未満である。
表1〜3の実施例及び比較例の分散液1〜42をそれぞれ10000倍に希釈し、400nm〜780nmにおける極大吸収波長の吸光度を測定した。次に、分散液1〜42を、それぞれ100gを、ガラス瓶内に密封し、60℃で14日間放置した。放置後に、得られた分散液1〜42をそれぞれ10000倍に希釈し、同様に極大吸収波長の吸光度を測定した。放置前の吸光度を100%として、放置後の吸光度を算出し、その値を用いて分散液保存安定性を評価した。評価基準は以下の通りである。ランク2以下は実用上耐えられないレベルである。
(評価基準)
ランク5:放置後の吸光度が95%以上である。
ランク4:放置後の吸光度が90%以上95%未満である。
ランク3:放置後の吸光度が80%以上90%未満である。
ランク2:放置後の吸光度が60%以上80%未満である。
ランク1:放置後の吸光度が60%未満である。
表1〜3の結果から、本発明の着色液は、粒子径経時安定性、保存安定性に優れることが明らかである。
[実施例35〜68]インク1〜34の調製
下記表5〜6に記載の各成分を混合し、30分間攪拌することにより、インク1〜34を得た。得られた各インクをガラス繊維ろ紙GC−50(ADVANTEC社製)で濾過することにより、染料の含有量がいずれも5%であるインクジェット記録に用いる試験用の各インク1〜34を調製した。
下記表5〜6に記載の各成分を混合し、30分間攪拌することにより、インク1〜34を得た。得られた各インクをガラス繊維ろ紙GC−50(ADVANTEC社製)で濾過することにより、染料の含有量がいずれも5%であるインクジェット記録に用いる試験用の各インク1〜34を調製した。
[比較例9〜16]インク35〜42の調製
下記表7に記載の各成分を混合し、30分間攪拌することにより、インク35〜42を得た。得られた各インクをガラス繊維ろ紙GC−50(ADVANTEC社製)で濾過することにより、染料の含有量がいずれも5%であるインクジェット記録に用いる試験用の各インク35〜42を調製した。
下記表7に記載の各成分を混合し、30分間攪拌することにより、インク35〜42を得た。得られた各インクをガラス繊維ろ紙GC−50(ADVANTEC社製)で濾過することにより、染料の含有量がいずれも5%であるインクジェット記録に用いる試験用の各インク35〜42を調製した。
〈インクの評価〉
上記のようにして得られたインク1〜42について、インク保存安定性を、後述する評価方法にて評価した。
上記のようにして得られたインク1〜42について、インク保存安定性を、後述する評価方法にて評価した。
〈インク保存安定性〉
表5〜7の実施例及び比較例のインク1〜42をそれぞれ10000倍に希釈し、400nm〜780nmにおける極大吸収波長の吸光度を測定した。次に、表4〜6の実施例及び比較例のインク1〜42を、それぞれ100gを、ガラス瓶内に密封し、60℃で14日間放置した。放置後に、得られた表5〜7の実施例及び比較例のインク1〜42をそれぞれ10000倍に希釈し、同様に極大吸収波長の吸光度を測定した。放置前の吸光度を100%として、放置後の吸光度を算出し、その値を用いてインク保存安定性を評価した。評価基準は以下の通りである。ランク2以下は実用上耐えられないレベルである。
(評価基準)
ランク5:放置後の吸光度が95%以上である。
ランク4:放置後の吸光度が90%以上95%未満である。
ランク3:放置後の吸光度が80%以上90%未満である。
ランク2:放置後の吸光度が60%以上80%未満である。
ランク1:放置後の吸光度が60%未満である。
表5〜7の実施例及び比較例のインク1〜42をそれぞれ10000倍に希釈し、400nm〜780nmにおける極大吸収波長の吸光度を測定した。次に、表4〜6の実施例及び比較例のインク1〜42を、それぞれ100gを、ガラス瓶内に密封し、60℃で14日間放置した。放置後に、得られた表5〜7の実施例及び比較例のインク1〜42をそれぞれ10000倍に希釈し、同様に極大吸収波長の吸光度を測定した。放置前の吸光度を100%として、放置後の吸光度を算出し、その値を用いてインク保存安定性を評価した。評価基準は以下の通りである。ランク2以下は実用上耐えられないレベルである。
(評価基準)
ランク5:放置後の吸光度が95%以上である。
ランク4:放置後の吸光度が90%以上95%未満である。
ランク3:放置後の吸光度が80%以上90%未満である。
ランク2:放置後の吸光度が60%以上80%未満である。
ランク1:放置後の吸光度が60%未満である。
表5〜7の結果から、本発明の着色液及びそれを含むインクは保存安定性に優れたインクであることが明らかである。
本発明は、保存安定性が良好であり、粘度、平均粒子径等の物性の変化も極めて少なく、印刷物の発色性、耐光性、耐擦性、耐ガス性、耐塩素性、耐汗性、洗濯堅牢度等の、各種の堅牢性にも優れる着色液を提供しうる。
Claims (16)
- 上記式(1)で表される化合物が、C.I.ディスパースブルー 56、C.I.ディスパースブルー 81、C.I.ディスパースブルー 97、C.I.ディスパースブルー 145からなる群から選択される少なくとも一種である請求項1に記載の着色液。
- 上記ロジン系化合物が、アビエチン酸、アビエチン酸の塩、ジヒドロアビエチン酸、ジヒドロアビエチン酸の塩、ネオアビエチン酸、ネオアビエチン酸の塩、デヒドロアビエチン酸、デヒドロアビエチン酸の塩、テトラヒドロアビエチン酸、テトラヒドロアビエチン酸の塩、パラスストリン酸、パラスストリン酸の塩、レボピマール酸、レボピマール酸の塩、ピマール酸、ピマール酸の塩、イソピマール酸、イソピマール酸の塩、シトロネル酸、シトロネル酸の塩、重合ロジン、重合ロジンの塩、ロジンエステル、ロジンエステルの塩からなる群から選択される少なくとも一種を含む請求項1または2に記載の着色液。
- 着色液中における、上記式(1)で表される化合物の総含有率が、質量基準で1〜15%である請求項1〜3のいずれか一項に記載の着色液。
- 上記ロジン系化合物の総含有率が、着色液中の上記式(1)で表される化合物の総質量に対して、質量基準で30〜100%である請求項1〜4のいずれか一項に記載の着色液。
- さらに分散剤を含む請求項1〜5のいずれか一項に記載の着色液。
- 上記分散剤が、アニオン系分散剤、ノニオン系分散剤、及び高分子系分散剤からなる群から選択される少なくとも一種の分散剤である請求項6に記載の着色液。
- 上記アニオン系分散剤が、β−ナフタレンスルホン酸塩のホルマリン縮合物、アルキルナフタレンスルホン酸塩のホルマリン縮合物、クレオソート油スルホン塩のホルマリン縮合物からなる群から選択される少なくとも一種である請求項7に記載の着色液。
- フィトステロール化合物、及びコレスタノール化合物からなる群から選択される少なくとも一種をさらに含む請求項7または8に記載の着色液。
- 上記高分子系分散剤が、スチレン・アクリル系ポリマー分散剤を含む請求項7〜9のいずれか一項に記載の着色液。
- さらに、消泡剤を含む請求項1〜10のいずれか一項に記載の着色液。
- さらに、水溶性有機溶剤を含む請求項1〜12のいずれか一項に記載の着色液。
- さらに、防腐剤を含む請求項1〜13のいずれか一項に記載の着色液。
- 上記式(1)で表される化合物と、黄色分散染料、赤色分散染料、橙色分散染料、青色分散染料とが、上記着色液中において、それぞれ、数平均粒子径が10〜500nmの粒子を形成している請求項1〜13のいずれか一項に記載の着色液。
- 請求項1〜14のいずれか一項に記載の着色液を含むインクジェットインク、及びそのインクジェットインクを用いるインクジェット印刷方法及びインクジェット印刷物。
- 請求項15に記載のインクジェット印刷物を加熱して、印刷物側に付与された着色物を被染色対象物に昇華転写する昇華転写染色方法及び昇華転写染色物。
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