JP7262129B2 - 高強度高伝導率銅合金の水平連続鋳造方法およびその応用 - Google Patents

高強度高伝導率銅合金の水平連続鋳造方法およびその応用 Download PDF

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Description

本発明は、非鉄金属加工の技術分野に関し、特に、高強度高伝導率銅合金の水平連続鋳造方法およびその応用に関する。
導体材料の典型的な代表である銅合金は、電気工学の技術分野において幅広く応用されている。「5G」情報化時代の発展にともない、使用される主要銅合金導体についても更なる性能要求が出されている。大規模集積回路を例としてあげると、電気回路の集積度がますます高まり、電力密度も向上される一方であるため、集積回路用リードフレームに使用される銅合金については、高い強度を有するだけでなく、さらに、高い電気伝導率および熱伝導率を有することが求められ、これにより、できる限り低い熱効果と迅速な熱放出を保証する。また、半導体プロセスの要求に満たすため、リードフレームに使用される銅合金は良好な寸法精度を有さなければならず、すなわち、高強度、高伝導率、高精度といった多種の特性を備えなければならない。4G/5G携帯電話のコネクタを例としてあげると、最もよく見かけるのは携帯電話の充電ポートに使用される銅合金コネクタである。高い電気伝導率を有することにより、できる限り接触抵抗と大電流充電による熱効果を低減する必要があるだけでなく、さらに、高い強度を有することにより寸法が小型になりつつある需要にも満たす必要があり、また、耐応力緩和特性を備えることにより設定された挿入力を保持する必要もあり、すなわち、高強度、高伝導率、高耐応力緩和特性といった多種の特性を備えなければならない。
様々な高強度高伝導率銅合金の研究開発かつそれを高効率高品質で製造する技術は、銅合金技術分野において共通に関心する重要な発展方向である。現在、高強度高伝導率銅合金の材料成分を巡る設計は、主に銅銀合金、銅マグネシウム合金、銅錫合金、銅クロム合金、銅ジルコニア合金、銅鉄合金、銅ベリリウム合金、銅チタン合金、銅カドミウム合金などの二元銅合金、銅鉄リン合金、銅ニッケルシリコン合金、銅クロムジルコニウム合金などの三元合金、および上述の合金のもとで、さらにマイクロアロイ技術により合金化された多成分複合合金に集中されている。なお、高強度高伝導率銅合金の製造方法についても様々なものがある。
たとえば、中国特許文献1(出願番号:201410530014.1)には銅銀合金およびその製造方法が開示されている。まず、銅および銅銀マスター合金(中間合金)を、重量比として銅(Cu) 80%~99%、銀(Ag) 20%~1%で測量計算した後、混合して真空製錬炉のるつぼ内に入れ、5×10-1Pa以上に真空引きしてから昇温し始め、温度が600~800℃まで昇温された後、真空引きを停止し、真空炉内にNまたは不活性ガスを5×10Paとなるまで充填する。その後、さらに1150~1250℃まで昇温し続け、銅と銅銀マスター合金が完全に溶解された後、銅銀合金液に不活性ガスを充填し始め、さらに20~30分間かき混ぜ、合金溶融体を冷却して銅銀合金ブランク材料を得ている。
また、中国特許文献2(出願番号:201811196401.3)には銅マグネシウム合金およびその製造方法が開示されている。まず、周波数誘導炉内に銅含量≧99.99%の陰極銅および金属マグネシウムを直接入れ、マグネシウムの重量パーセントが0.16%~0.19%である。続いて、溶解されて得られた銅液に精錬剤を入れてから銅液の表面を鱗片状黒鉛で被せる。最後に、引上式連続鋳造方法により鋳造して上述銅マグネシウム合金撚線用鋳造棒を得ている。
また、中国特許文献3(出願番号:201710931646.5)には銅錫合金およびその製造方法が開示されている。銅錫合金は、金属錫、金属銅およびその他の不純物を含み、各成分の重量比は、金属錫 0.195~0.435%、金属銅 99.755~99.515%、その他の不純物 0.05%である。まず、陰極銅を原料として引上炉内に入れて溶解させ、さらに金属錫を銅液に入れ、黒鉛棒でかき混ぜることにより合金成分を均一にさせた後、ブランク棒を引き上げ始める。続いて、引上げた錫を含む合金からなるブランク棒を連続押圧装置に搬入して20mmの押圧棒を作り、該押圧棒の端部と引抜装置の伸線フレーム押圧棒尾部とをフラッシュ溶接により接続し、接続箇所について印をつけ、接続箇所の押圧棒により銅錫合金接触線完成品の断裁部を作製してから、引き続き引き抜きにより銅錫合金接触線完成品を作成する。
また、中国特許文献4(出願番号:201910720284.4)には銅クロム合金およびその製造方法が開示されている。該合金においてクロムの重量パーセントが5wt%~50wt%となるように、銅金属およびクロム金属を調合する。まず、不活性ガスの保護のもとで、調合された銅クロム材料の粉末またはブロック体を真空非消耗アーク溶解法により溶解する。続いて、真空非消耗アーク溶解された銅クロム合金ブロック体を反転させ、合金サンプルが完全に溶解されるまで複数回繰り返し溶解する。続いて、完全に溶解された銅クロム合金を不活性ガスの保護のもとで引き続き溶解し、溶解された後は迅速にアークを消し、さらに真空バルブを開き、負圧の力を利用することにより溶解された銅クロム合金液を鋳型に吸い込み、急冷凝固を行って銅クロム合金インゴットを得ている。
また、中国特許文献5(出願番号:201610325699.8)には銅ジルコニア合金およびその製造方法が開示されている。該合金においてジルコニアの重量パーセントが0.14~0.22%、ジルコニア+銅の重量パーセント≧99.97%、不純物の重量パーセント≦0.03%となるようにする。具体的には、以下のステップにより該合金を製造する。まず、重量パーセント比が0.1~0.25%のジルコニア、99.7~99.9%の銅を合わせて同時に鋳造して銅ジルコニア合金インゴットを得る。続いて、銅ジルコニア合金インゴットの押湯を切断し、外側の酸化スケールを洗浄して純粋なインゴットを得る。続いて、インゴットを鍛造して銅ジルコニア合金棒ブロックを形成する。続いて、固溶化熱処理を行い、固溶された後の棒ブロックを得る。続いて、二次鍛造を行い、二次鍛造棒ブロックを得る。続いて、二次鍛造棒ブロックについて時効処理を行い、合金ブランクを得ている。
また、中国特許文献6(出願番号:201810341974.4)には銅鉄合金およびその製造方法が開示されている。該合金の成分は、Fe 4%~20%、RE 0.001~1.0%、残りはCuであり、REは希土類元素である。たとえば、REはCeおよびLaであり、Ceの重量パーセントは0.008~0.012wt%で、Laで重量パーセントは0.05~0.06wt%である。該銅鉄合金材料は、エレクトロスラグ再溶解法(electro slag remelting)により製造され、真空誘導炉で溶融した銅鉄合金インゴットを消耗電極として使用し、CaF-NaFスラグシステムをスラグとして使用している。
また、中国特許文献7(出願番号:201380056659.2)には銅ベリリウム合金およびその製造方法が開示されている。ここで、Cu-Be合金はCoを含むCu-Be合金であり、Coの含量は0.005%~0.12%、Beの含量は1.60%~1.95%である。該Cu-Be合金を製造する方法は、(1)溶解鋳造プロセス、(2)均質化処理プロセス、(3)プレ加工プロセス、(4)固溶化処理プロセス、(5)冷間加工プロセス、および(6)時効硬化処理プロセス、を含む。
また、中国特許文献8(出願番号:201811313033.6)には銅チタン合金およびその製造方法が開示されている。該合金の各成分の重量パーセント比は、Ti:2~2.4%、Cr:0.1~0.3%、Ni:0.1~0.3%、Co:0.05~0.01%であり、残りはCuである。該合金の組成の制御方法は、(1)融解、(2)フライス加工、(3)熱延、(4)固溶化時効処理、の処理ステップを含む。
また、中国特許文献9(出願番号:201811196401.3)には銅カドミウム合金およびその製造方法が開示されている。該合金においてカドミウムの含量は31%~70%であり、還元性雰囲気の中で溶融し、炭やガラス破片で被せ、炉を予熱してカドミウムインゴットを入れて加熱して溶かし、温度が400~750℃に達すると、酸洗いされた電解銅を入れて撹拌した後、引き続き温度を400~750℃まで昇温させ、さらに酸洗いされた電解銅を入れて撹拌し、このように繰り返した後、5~10分間静止させてから型に流し込んで鋳造している。
また、中国特許文献10(出願番号:201510733708.2)には銅鉄リン合金およびその製造方法が開示されている。合金の成分は、Fe 2.1%~2.6%、P 0.015%~0.15%、Zn 0.05%~0.20%、Pb≦0.03%、Ni 0.01%~0.1%、Sn 0.01%~0.1%で、残りはCuである。その製造方法は、原料を各成分の比例に応じて調合して混合し、加熱、鋳造、熱延、冷延、熱処理、洗浄、引張曲げ矯正、熱処理などの処理ステップを含む。
また、中国特許文献11(出願番号:201710531296.3)には銅ニッケルシリコン合金およびその製造方法が開示されている。該合金において、NiおよびSiの含有量はいずれも0~2%である。その製造方法は、銅源、ニッケル源およびシリコン源を原料とし、溶融、連続鋳造、冷却、延伸とこの処理順により銅ニッケルシリコン合金スラブを得て、さらに、銅ニッケルシリコン合金スラブについて順番に圧延、時効処理、冷却、冷間仕上げ圧延によって銅ニッケルシリコン合金ストリップを得ている。
また、中国特許文献12(出願番号:200710053838.7)には銅ベリリウム銀合金およびその製造方法が開示されている。該銅合金材料はCu、BE、AG元素により組成され、連続的な繊維構造を有する。合金材料における各成分の重量パーセントの含量は、BE:0.06~0.12WT%、AG 0.08~0.15WT%で、残りはCuである。該合金材料の製造方法は、(1)合金を1180℃~1200℃の温度で溶融し、(2)連続方向凝固製造方法により延伸し、(3)材料を700℃~750℃で熱処理する、処理ステップを含む。
また、中国特許文献13(出願番号:201910720284.4)には銅クロムジルコニウム合金およびその製造方法が開示されている。該合金の材料を重量100%とすれば、15%~20%のクロム、0.2%~0.35%のジルコニウム、0.02%~0.025%のランタン、79.6%~84.5%の銅を含む。具体的な製造方法は、原料クロム、原料ジルコニア、原料ランタンおよび原料銅を計量するステップと、真空溶融炉においてまずは銅について溶融するステップと、銅が溶融した後,材料供給口を介してクロムを加えて銅液の表面を被せて溶融するステップと、クロムが溶融した後、さらに材料供給口を介してジルコニウムおよびランタンを加えて溶融するステップとジルコニウムおよびランタンが溶融した後の混合溶液を得て、再び溶融し、再度溶融した後撹拌して温度を下げてから型に流れ込んで鋳造し、冷却してからインゴットを得るステップと、インゴットについて固溶化時効処理および二回変形時効処理を行って銅クロムジルコニウム合金導電性ロッドを得るステップと、を含む。
また、中国特許文献14(出願番号:201310633208.2)には銅クロム多元系複合合金およびその製造方法が開示されている。該合金における各成分の重量パーセント比は、Crが7.5wt.%~8.5wt.%、Alが0.2wt.%~0.4wt.%、Snが0.3wt.%~0.5wt.%、Coが0.04wt.%~0.06wt.%、Srが0.05wt.%~0.10wt.%で、残りは銅である。なお、製造方法としては、各成分を高温溶融、降温、冷却などの処理ステップを経て得る。
また、中国特許文献15(出願番号:201410474358.8)には銅チタン複合合金およびその製造方法が開示されている。銅チタン合金材料における各成分の重量パーセント比は、Tiが3.9wt.%~7.8wt.%、Crが1.2wt.%~1.8wt.%、Caが0.4wt.%~0.9wt.%、Niが0.3wt.%~0.8wt.%、Vが0.2wt.%~0.5wt.%、Znが0.7wt.%~1.2wt.%で、残りはCuである。なお、製造方法としては、真空におけるステップごとの溶融、冷却などの処理ステップを含む。
また、中国特許文献16(出願番号:201510976079.6)には高強度高導電銅クロムジルコニウム合金およびその製造方法が開示されている。該合金の化学組成は、Cr:0.01~1.5wt.%、Zr:0.01~0.5wt.%、Ti:0.001~0.5wt.%、Mn:0.01~0.5wt.%、Ca:0.0001~0.07wt.%で、残りは銅および避けられない不純物である。その製造方法のフローは次のとおりである。原料調合→溶融鋳造→切断→均質化アニーリング→熱延→一次固溶化処理→フライス加工→一次冷延→二次固溶化処理→二次冷延→一次時効処理→三次冷延→二次時効処理→引張曲げ矯正。
また、中国特許文献17(出願番号:201711414445.4)にはリードフレーム用銅クロムジルコニウム合金ストリップの製造方法が開示されている。銅クロムジルコニウム合金ストリップにおける各成分を重量パーセント比に応じて計量すれば、クロムの含量が1.0%~1.5%、ジルコニウムの含量が0.1~0.15%、銀の含量が0.01~0.015%、コバルトの含量が0.01~0.015%、ベリリウムの含量が0.1~0.15%、チタンが0.1~0.15%、錫が0.1~0.15%、マグネシウムが0.1~0.15%、ニオブが0.1~0.15%、インジウムが0.1~0.15%で、残りは銅である。該合金の製造方法は、引上式連続鋳造-連続押出-第一次圧延-第一次固溶化-第二次圧延-第一次時効-第二次固溶化-第三次圧延-第二次時効-第四次圧延-第三次時効-仕上げ、といった処理を有する。
また、中国特許文献18(出願番号:201710012956.7)には連続鋳造および連続押出により析出強化高強度銅クロム合金を製造する方法が開示されている。まず、水平連続鋳造法により成型された銅合金棒を使用し、オンラインで固溶化熱処理した後、連続押出によってブランク材料を直接製造する。続いて、冷延および時効処理を経て、仕上げると性能および寸法が要求に満たしている製品が得られる。該文献に係る発明では連続押出プロセスにより高性能な銅クロムジルコニウム合金材料を製造し、その製造過程はある程度簡略化され、フライス加工、熱延による開口および分塊圧延などのプロセスを除去し、中間圧延パスの数が減らされ、企業の設備投資が減少し、エネルギー消耗が下降し、生産効率および製品収率がともに向上される。
似たような関連資料を一々列挙せず、既に開示された資料から、高強度高伝動率銅合金の成分設計に関する研究が広く行われており、各種の合金成分が提案されていることがわかる。なお、高強度高伝導率銅合金の製造方法も様々であり、そのうちの一部は既に工業化生産が実現されている。しかしながら、これらの方法は基本的に銅合金の伝統的な三段式の加工方法、すなわち、溶融インゴット-熱加工-冷加工に、適切な熱処理プロセスを加えてものである。ここで、熱加工は、熱絞り、熱延、熱鍛造、固溶化などであり、冷加工は、冷延、冷間引抜きなどである。これらの高強度高伝導率銅合金の製造方法は、いずれもプロセスが多く、エネルギー消耗が多く、製品率が高くなく、生産コストおよび設備投資が大きく、銅合金の性能が向上しなければならないという問題がある。
したがって、銅合金加工業の主要な革新方向は、短いプロセス、連続化、省エネ、低投入、低コストおよび銅合金の高強度高伝導の性能を保証することである。
現在、高強度高伝導率銅合金の製造技術についていえば、主には「引上式連続鋳造-固溶化-連続押出-冷延」、「真空溶融鋳造-熱延による開口-冷延-固溶化-熱処理」、「水平連続鋳造-オンライン固溶化-連続押出-冷延-時効処理」などの方法がある。インゴットの製造において、水平連続鋳造は高品質なインゴットを提供できるハイテクな連続鋳造技術である。しかしながら、既存の水平連続鋳造プロセスを導入した銅合金製造方法では、いずれも水平連続鋳造プロセスにおいて合金元素がすべて過飽和固溶状態にあるインゴットを得られないため、インゴット内の合金元素が過飽和固溶状態になるように、インゴットに対してさらに高温固溶化処理を行う必要があり、また、省エネルギーの面においても依然として改良が必要である。また、既存の連続押出プロセスにおいても、過飽和固溶体が早期析出・分解(Precipitation decomposition)する問題が一般的に存在しているため、銅合金の強度および導電率に影響を与えてしまう。材料が時効前に固溶態であることを望むならば、最も直接的な方法は時効前に高温固溶化熱処理を行うことであるが、この考え方はエネルギー消耗が高いだけでなく、冷延硬化の効果も完全に失われてしまう。
したがって、高性能銅合金加工業界では、いかに水平連続鋳造インゴット内の合金元素を全て過飽和固溶体状態にして、その後の高温固溶化のステップを回避することや、いかに銅合金固溶体を連続押出過程において析出・分解することを回避し、銅合金の高強度高伝導率を確保することは、切迫に解決すべき技術的問題である。
本発明の第一の目的は、高強度高伝導率銅合金の水平連続鋳造方法を提供することにより、鋳造されたままのビレット内の合金元素をいずれも過飽和固溶状態にし、従来の高伝導率高伝導率銅合金の製造プロセスにおけるエネルギー消耗が最も大きい高温固溶化処理のステップを省略でき、エネルギー消耗を低減し、さらには効果的微細化でき、合金の高強度を確保することである。
本発明の第二の目的は、銅合金の水平連続鋳造方法の銅合金の製造における使用を提供し、処理フローを短縮でき、エネルギー消耗およびコストを低減し、製品の収率を向上させ、銅合金の高強度を確保することである。
上記目的を達成するため、本発明では以下のような技術的手段を採用している。
第一の態様として、水平連続押出によるインゴット内の合金元素が過飽和固溶態であることを実現するため、本発明では水平連続鋳造過程における冷却強度を大きくし、インゴットが非常に高い冷却凝固速度を有するようにさせている。具体的には以下の三つの技術的手段により水平連続鋳造の高い冷却強度を確保している。
(1)マルチチャネル水冷晶析装置を使用する。該晶析装置ではビレットの引き出される方向に沿って3組の独立した冷却ユニットを設け、マルチチャネルの給水とマルチチャネルの排水を実現している。さらに、逆冷却モード、すなわち、コールドエンドから給水し、ホットエンドから排水し、特定の技術パラメータを設けることによって適切な急冷効果が保証される。
(2)急冷すると金属溶融物の粘度が上昇し、ビレットの破損や穴などの鋳造欠陥が生じる可能性があることを考慮して、電磁撹拌装置を設けて電磁撹拌を行うことにより、粘度を下げて水平連続鋳造の継続的な進行を確保する。
(3)晶析装置の出口において、ビレットに対して、強力な冷却を行い、固溶体状態の部分的な析出を回避する。
本発明の銅合金の水平連続鋳造方法では、保温炉側面の下方に、少なくとも一つのマルチチャネル水冷晶析装置を設置し、該マルチチャネル水冷晶析装置は、ビレットの引き出される方向に沿って3組の独立した冷却ユニットを順次に設け、マルチチャネルの給水とマルチチャネルの排水を実現している。さらに、逆冷却モード(すなわち、コールドエンドから給水し、ホットエンドから排水する)を採用し、第1組の冷却ユニットは、保温炉に最も近い。続いて、各組の冷却ユニットの給水口の温度を20℃未満にし、3組の冷却ユニットの温度勾配を次のような方法で制御する。すなわち、第3組の冷却ユニットの水流量V3およびビレットの断面積Sを、0.5L/(min・mm)<V3/S<2L/(min・mm)の要件に満たせるようにし、第2組の冷却ユニットの水流量V2と第1組の冷却ユニットの水流量V1とは、V1:V2:V3=1.5:1.2:1となるように決定する。続いて、該マルチチャネル水冷晶析装置の第1組および第2組の冷却ユニットの水冷ジャケットの外壁に電磁誘導コイルを設置することで電磁撹拌を実現し、電磁撹拌モードは回転撹拌で、電流の周波数を2~500Hzに設定する。続いて、ビレットの断面積Sを2000~50mmに制御し、その引き出し速度vとビレット断面積を0.5mm・min≦S/v≦20mm・minの条件に満たせるようにする。続いて、マルチチャネル水冷晶析装置の出口から1000mm範囲内にウォーターカーテンスプレー冷却装置を設置することによりビレットを冷却する。スプレー装置は、噴霧ノズルを使用し、ノズルの間隔を10~20mmにし、さらにブランク材料の寸法に応じてノズルの数が設け、ノズルとブランク材料の表面との間隔を10~50mm、水圧を0.5~0.8 Mpaにすることで、得られる合金元素がいずれも過飽和固溶態のビレットである。
高効率の生産を実現するために、1セットの水平連続鋳造システムに2~4個など複数の晶析装置を搭載して、2~4個のビレットの連続引き出し(抽出)を実現できる。この場合、晶析装置のレイアウトモードは200~400mmの間隔で一列に並び、各セットの晶析装置には、いずれも独立した水冷装置および電磁装置が配置される。
本発明はでは、水平連続鋳造によりビレット内の合金元素を過飽和固溶態様にさせるため、すなわち合金元素は固溶原子の形式で銅マトリックスに存在するため、過飽和銅固溶体を形成するのに相当する。このようにすれば、従来のプロセスにおけるエネルギー消耗の最も大きい高温固溶化の処理ステップを省略でき、水平連続鋳造により得られるビレットに対して直接後続の連続押出を行えるようにする。
第二の態様として、本発明は、水平連続鋳造方法の銅合金の製造における使用を提供する。
好ましくは、上述の使用は、
(a)水平連続鋳造方法によって銅合金の鋳造されたままのビレットを得て、鋳造されたままのビレット内の合金元素は過飽和固溶体状態にある。
(b)ステップ(a)で得られた鋳造されたままのビレットを剥がして直接連続押出し、冷間加工および時効アニーリングにより銅合金を得る。また、連続押出過程中にビレットの合金元素の過飽和固溶状態を維持する。
本発明に係る後続の連続押出プロセスにおいては、ビレット中の合金元素を過飽和固溶状態に保持する。連続押出により得られるビレットに対して、冷間加工および時効アニーリングを行えば、高強度高伝導率の銅合金を得られる。すなわち、連続押出により鋳造されたままの構造を完全に破壊し、かつ結晶粒子を微細化し、冷間加工により生じた多数の転位を重ね合わせることで合金に高い結晶欠陥を持たせ、合金が高強度特性を備えるように確保する。その後、時効アニーリングを行い、転位コアを原子拡散の高速チャネルとして転位コアを使用して、合金元素が第二相のナノ粒子として分散析出させ、銅マトリックスを精製することで合金の高導電率を回復させるとともに、転位線を固定して分散硬化効果を生み出し、同時に冷間加工変形エネルギーを解放し、応力亀裂を回避する。最も重要なことは、上述の水平連続鋳造および連続押出プロセスの設計により、本発明は、鋳造段階から銅合金の過飽和固溶態を維持され、時効アニーリング熱処理になってはじめて制御により析出できる。固溶態の均一な性質により、中間加工段階で材料の均一な変形を保証でき、製品の収率を向上できる。同時に、固溶態に蓄積された析出力は、時効アニーリング熱処理段階の均一な温度場でまとめて放出されるため、強い析出力を有するだけでなく、析出が制御可能で、均一な析出構造をもたらし、性能の一貫性を確保する。
上記連続押出過程においてビレット中の合金元素をいずれも過飽和固溶状態に保持するため、本発明では以下のような三つの技術的解決手段を組み合わせて使用する。
1) 高温で予熱された押出金型およびインゴットを利用することで、過飽和固溶体の析出・分解を回避する;
2) 大きな押出比による連続押出:大きな押出比の連続押出パラメータを使用することにより、十分高い変形温度を保証することで固溶体の析出を防止するだけでなく、インゴットをダイキャビティ内で激しく塑性変形させ、鋳造されたままの構造を完全に破壊して、再結晶構造を形成する;
3) 急冷:高強度の冷却によりブランク材料を高温から室温まで急冷させ、過飽和固溶体の析出分解を防止する。
上述の技術的手段の組み合わせによれば、二重の目的を実現できる。第一に、鋳造されたままの構造を激しく塑性変更させることにより、構造の均一性および強度を向上できる。第二に、過飽和固溶体の早期析出分解を回避できる。しかしながら、高温で大きな押出比による連続押出では、ダイキャビティの動作温度および動作圧力がともに通常の連続押出より著しく高いため、押出が停止することや金型が割れてしまうことを招きやすい。このため、押出装置の出力を向上させなければならず、かつ、高温合金の金型を使用しなければならない。
そのため、本発明に係る水平連続鋳造方法は、
(1.1) 押出金型は鍛造される高温ニッケル基合金を使用し、該合金は、0.05%のC、15%のCr、6%のMo、5%のW、2%のTi、5.5%のAl、残りはNi、を含み、該合金を、真空製錬法およびエレクトロスラグ再溶解方法により溶融し、さらに均質化処理してから熱間鍛造および熱処理成形するステップと、
(1.2) 押出しを行う前、先に押出金型を500~600℃まで予熱し、銅合金インゴットを700~750℃まで迅速に予熱してからダイキャビティに入れて押出することによりブランク材料を得て、ここで、押出ホイールの回転速度を3~8rpm、押出比を3~8、押出間隔を0.6~2mmにそれぞれ制御することにより、十分高い変形温度を保証することで固溶体の析出を防止するだけでなく、銅合金インゴットを軟らかくし、変形抵抗を減らし、金属の塑性流動性を増やすステップと、
(1.3) ステップ(1.2)において得られるブランク材料を押出金型の出口で高強度の冷却水スプレーを行い、スプレー装置は噴霧ノズルを使用し、ノズルの間隔は10~20mmであり、さらにブランク材料の寸法に応じてノズルの数が設けられ、ノズルとブランク材料の表面との間隔は10~50mm、水圧は0.5~0.8 Mpaであり、ブランク材料を高温から室温まで急冷させることにより過飽和固溶体の析出分解を防止するステップと、
を有する。
本発明において、鍛造された高温ニッケル基合金の製造は既存技術を参照でき、具体的には、まず、真空製錬法およびエレクトロスラグ再溶解方法により溶融することで合金インゴットを得ること、続いて、該合金インゴットを1250℃で1~4h均質化処理した後、1000℃~1050℃で等温鍛造により成形させ、変形量が80%~90%であること、続いて、800℃で8~16時間保温し、水で急冷して焼き入れした後、300℃~400℃で1~2時間焼き戻しすること、とのステップにしたがって行われる。該鍛造された高温ニッケル基合金は、非常に良好な力学特性を備えており、連続押出の金型材料として利用でき、特に最も要求が厳しい部ラグ部品に使用できる。
本発明において、冷間加工は、冷間圧延、冷間引抜きなどを採用できる。冷間加工の変形量を保障するため、さらに好ましくは、冷間加工のパス変形量は5%~10%であり、累積変形量は50%~90%である。このようにすることで、ブランク材料の内部において、明らかな塑性変形を生じさせ、大量の転位の絡み合いを形成する。
完全なアニーリングを確保するため、本発明では、300~600℃のアニーリング温度および0.5~100時間の保温時間を必要とする。本発明では、特に好ましくは、以下の原則に従って、アニーリング温度および保温時間を選択する。すなわち、冷間加工後のブランク材料サンプルを、それぞれ300、350、400、450、500、550、600℃で0.1、0.5、1、2、4、8、16、24、48、99.6時間保温する。続いて、サンプルのビッカース硬さ
(単位HV)および導電率(単位%IACS)を測定し、硬度値と導電率値との積を計算し、積が最も大きいサンプルに使用される試験温度を製品のアニーリング温度とし、積が最も大きいサンプルに使用される試験時間にさらに0.4hを加えた時間を製品のアニーリング保温時間とする。
本発明に係る銅合金の製造方法は、主に水平連続鋳造、連続押出、冷間加工、時効アニーリングとの4つのコアステップを含み、設計された製品に応じて、原料調合、剥離、サンプリング検査、巻き取り、巻き戻し、カッティング、パッケージングなどその他の補助ステップを柔軟に選択できる。典型的な製造プロセスは、次のとおりである。設計された製品の材質に応じて原料を調合し、水平連続鋳造炉により溶融し、保温し、水平連続鋳造でビレットを得る。続いて、ビレットについて剥離処理を行う。続いて、連続押出装置において、プリセット形状のブランク材料を押出した後、プリセットサイズに冷間加工し、その後、時効アニーリングを行い、最後にカッティングおよびパッケージングして出荷する。
本発明において、上述の使用は、以下のステップに従って実行されることが特に好ましい。
(1)原料の調合と溶融:銅合金の組成に応じて原料を調合し、溶融炉に入れて十分に溶融させ、酸素含有量と合金元素含有量のサンプリング検査と分析を行い、分析結果に基づいて原料の補給し、完全に脱酸した後、溶融炉内部のガイド溝を介して保温炉に溶融物を入れる。
(2)水平連続鋳造:保温炉側面の下方で水平連続鋳造を行い、少なくとも一つのマルチチャネル水冷晶析装置を保温炉側面の下方に設置する。該晶析装置は、ビレットの引き出される方向に沿って3組の独立した冷却ユニットを順次に設け、マルチチャネルの給水およびマルチチャネルの排水を実現している。さらに、逆冷却モード、すなわち、コールドエンドから給水し、ホットエンドから排水する方式を採用し、第1組の冷却ユニットは、保温炉に最も近い。続いて、各組の冷却ユニットの給水口の温度を20℃未満にし(夏に実際の水温が20℃を超える場合、予冷装置が必要である)、3組の冷却ユニットの温度勾配を次のような方法で制御する。すなわち、第3組の冷却ユニットの水流量V3およびビレットの断面積Sを、0.5L/(min・mm)<V3/S<2L/(min・mm)の要件に満たせるようにし、第2組の冷却ユニットの水流量V2と第1組の冷却ユニットの水流量V1とは、V1:V2:V3=1.5:1.2:1となるように決定する。これにより、3組の冷却ユニットの異なる強度の冷却能力を組み合わせて、妥当な温度勾配を形成することを実現する。続いて、晶析装置の第1組および第2組の冷却ユニットの水冷ジャケットの外壁に電磁誘導コイルを設置することで電磁撹拌を実現し、電磁撹拌モードは回転撹拌で、電流の周波数は2~500Hzに設定する。続いて、ビレットの断面積Sを2000~50mmに設定し、その引き出し(抽出)速度vとビレット断面積を0.5mm・min≦S/v≦20mm・minの条件に満たせるようにする。続いて、晶析装置の出口から1000mm範囲内にウォーターカーテンスプレー冷却装置を設置することによりビレットを冷却する。スプレー装置は、従来の小穴スプレーの代わりに噴霧ノズルを使用し、ノズル間隔は10~20mmにし、さらにブランク材料の寸法に応じてノズルの数を設け、ノズルとブランク材料の表面との間隔を10~50mm、水圧を0.5~0.8MPaにする。
(3)連続押出:水平連続鋳造で得られたスラブに対して剥離処理を行った後、直接連続押出を行う。まず押出金型を500~600℃まで予熱し、剥離処理されたスラブをオンライン誘導装置で700~750℃まで迅速に予熱してから押出金型のダイキャビティに入れて連続押出する。押出ホイールの回転速度を3~8rpm、押出比を3~8、押出間隔を0.6~2mmにそれぞれ制御する。続いて、押出金型の出口で高強度の冷却水スプレーを行い、ブランク材料を高温から室温まで急冷させる。スプレー装置は噴霧ノズルを使用し、ノズルの間隔は10~20mmであり、さらにブランク材料の寸法に応じてノズルの数を設ける。ノズルとブランク材料の表面との間隔は10~50mm、水圧は0.5~0.8MPaである。押出金型の材質は、0.05wt%のC、15wt%のCr、6wt%のMo、5wt%のw、2wt%のTi、5.5wt%のAlを含み、残りがNiである鍛造高温ニッケル基合金である。該合金は、真空製錬法およびエレクトロスラグ再溶解方法によって溶融されてから、さらに均質化処理された後、熱間鍛造および熱処理によって成形される。
(4)冷間加工:製品に対する要求に基づいて、連続押出後のビレットについて冷間加工を行う。冷間加工のパス変形量は5%~10%であり、累積変形量は50%~99%である。
(5)時効アニーリング熱処理:冷間加工したビレットをコイル状に巻いてベル型加熱炉に入れ、時効アニーリング熱処理を行う。まず、ビレットをライニングに置き、加熱炉本体が予め設定した温度に達した後、ライニングを持ち上げて覆い、ビレットが急速に昇温できるようにする。予め設定された保温時間に達した後、クレーンで炉本体を持ち上げて移動させ、ビレットを急速に冷却する。熱処理中は、酸化を防ぐために還元性雰囲気が使用される。製品の時効アニーリング温度および時間は、次の原則によって決定される。複数組の冷間処理されたビレットサンプルを取り、それぞれ300、350、400、450、500、550、600℃で0.1、0.5、1、2、4、8、16、24、48、99.6hアニーリングする。続いて、サンプルのビッカース硬さ(単位HV)および導電率(単位%IACS)を測定し、硬度値と導電率値との積を計算し、積が最も大きいサンプルに使用される試験温度を製品のアニーリング温度とし、積が最も大きいサンプルに使用される試験時間にさらに0.4hを加えた時間を製品のアニーリングおよび保温時間とする。
(6)検査し、パッケージングして出荷する。
本発明の銅合金は、主に高強度高伝動率の銅合金を対象としており、特に、背景技術に記載されたCu-Xの二元合金、Cu-X-Yの三元合金および多元系合金など高強度および高伝導率の銅合金の析出強化に適している。
本発明によれば、以下のような技術的効果を奏する。
(1)本発明の水平連続鋳造は、ビレット中の合金要素を過飽和固溶体状態にするため、従来の3段階の銅加工プロセスを革新し、エネルギー消耗の大きい高温固溶化処理ステップを省略でき、プロセスフローを大幅に短縮した。さらに、効果的に結晶粒を微細化し、微細構造の均一性を改善し、合金の高強度を確保できる。
(2)本発明銅合金は、プロセスフローを大幅に短縮し、鋳造、押出、冷間加工の連続プロセスを実現し、生産速度を大幅に向上し、生産能力を増やした。
(3)本発明の連続押出は、銅合金の過飽和固溶態を維持でき、連続押出による激しい変形および冷間加工の大きな変形を利用することで、固溶態銅マトリックスで高密度転位の絡み合いが発生させ、合金が高い強度特性を確保している。その後、原子拡散の高速チャネルとして転位コアを使用して後続の時効アニーリング熱処理において合金元素の十分な分散析出を促進し、銅マトリックスを精製し、銅合金の高導電性を確保する。
(4)本発明の銅合金の製造において、核となるアイデアは、鋳造段階から銅合金の過飽和固溶態を維持し、時効熱処理になってはじめて制御により析出することである。固溶態の均一な性質により、中間加工段階で材料の均一な変形を保証でき、製品の収率を向上できる。同時に、固溶態に蓄積された析出力は、時効アニーリング熱処理段階の均一な温度場でまとめて放出されるため、強い析出力を有するだけでなく、析出が制御可能で、均一な析出構造をもたらし、性能の一貫性を確保する。
実施例1に係る銅合金製品のTEM写真であり、本発明に係る方法により得られたCu-0.5wt.%Ag合金製品の内部の大量の微細なAg析出相を示している。 実施例1-1の水平連続鋳造によって得られたビレット断面の金属組織写真であり、本発明に係る方法によって得られたcu-0.5wt.%Ag合金の鋳造されたままの構造の等軸結晶粒構造が示されている。 実施例1-1のビレットのXRDおよび実施例1の時効生成物のXRDのパターンを示す図であり、鋳造ビレットとしての過飽和固溶体構造と時効状態のAg第2相の析出構造を示している。 実施例4に係る銅合金製品のTEM写真であり、本発明に係る方法により得られたCu-0.7wt.%Cr-0.15wt.%Zr合金製品の内部の大量の微細なCrおよびZr析出相を示している。 実施例1の連続押出冷却後のビレットの金属組織写真であり、再結晶構造を示している。 実施例1の連続押出冷却後のビレットのTEM写真であり、ナノ析出物が押出状態で生成されないことを示し、過飽和固溶体の特性が依然として維持されていることを示している。 比較例1-7の水平連続鋳造における複数のスラブ破壊の物理的写真であり、不合理な連続鋳造プロセスがビレットの破損につながることを示している。 比較例1-8の水平連続鋳造ビレットのTEM写真であり、冷却不足によるAg相の早期析出を示している。 参考例9における故障された押出金型の物理的写真であり、高温力学的特性の優れた金型鋼を使用しなければならないことを示している。 実施例11の連続押出冷却後のビレットのTEM写真であり、押出後の冷却が不十分なため、過飽和固溶体が事前に不均一な粗大Ag相を析出していることを示している。 実施例22の連続押出冷却後のビレットのTEM写真であり、構造中にAg析出物が現れていることが観察され、固溶体が部分的に溶解していることを示している。 実施例1-15の水平連続鋳造から引き出されたビレット実物を示す図である。 実施例1-15の水平連続鋳造から引き出されたビレットの低倍率金属組織写真である。 実施例1-15の水平連続鋳造から引き出されたビレットの高倍率金属組織写真であり、粒子に明らかな析出相がないことを示している。 実施例1-15の水平連続鋳造から引き出されたビレットのXRDパターン図であり、銅の回折ピークのみで、第2相の回折ピークは見出されず、回折ピークと標準の銅回折ピークとを比較すればピーク値がシフトしており、クロムジルコニウムが銅格子に固溶していることを示している。 実施例25の連続押出後のビレットの金属組織の写真であり、等軸結晶構造を示している。 実施例25の連続押出冷却後のビレットのTEM写真であり、ナノ析出物が押出状態で生成されないことを示し、過飽和固溶体の特性が依然として維持されていることを示している。 実施例25の冷間圧延後のスラブのTEM構造写真であり、高密度転位の絡み合いを示している。 実施例25の時効処理後のサンプルのTEM構造写真であり、高密度析出相を示している。 実施例25の時効処理後のサンプルの高分解能TEM構造写真であり、ナノ析出相の格子縞画像を示している。 実施例1-16の水平連続鋳造によって引き出されたビレットの金属組織写真である。 比較例1-21の水平連続鋳造によって引き出されたビレットの金属組織写真であり、矢印は、クロムの一次相を示し、クロムが一次デンドライトを形成したことを示している。 比較例1-22の水平連続鋳造の壊れたビレットの実物写真であり、引き出しの速度と冷却強度を合理的にマッチングする必要があり、そうしないと、銅クロムジルコニウムビレットの高効率で高品質の鋳造を実現できないことを示している。 参考例36の連続押出後のサンプルのTEM構造写真であり、粗いクロム析出相を示している。 本発明の実施例25において連続押出に使用される押出金型の構造設計図であり、左右対称構造であり、AB線とAD線との間の夾角は105°で、CD線とDA線の夾角も105°で、BCの右側の半円の直径の長さはBC線分の長さであることを示している。 本発明の実施例1において連続押出に使用される押出金型の構造設計図であり、円形キャビティの直径dと金型の辺の長さaとの比はd/a<0.5であることを示している。
以下、図面を参照しながら、本発明に係る技術的解決手段についてさらに説明するが、本発明の保護範囲はこれらに限定されない。
(実施例0)
<鍛造された高温ニッケル基合金の製造例>
真空製錬法およびエレクトロスラグ再溶解方法により合金インゴットを溶融し、組成は0.05wt.%C、15wt.%Cr、6wt.%Mo、5wt.%W、2wt.%Ti、5.5wt.%Alで、残りはNiである。合金インゴットを1250℃で1時間均質化処理した後、1000℃で等温鍛造を行い、変形率は80%だった。その後、合金を800℃で16時間保温し、水で急冷して焼き入れした後、350℃で1時間焼き戻しした。室温~800℃での該合金の引張特性を試験した。結果を表1に示す。
表1 合金の高温力学的性能
Figure 0007262129000001
(実施例1-1)
<ステップ1:原料調合と溶融>
Cu-0.5wt.%Agの合金組成に応じて原料を調合し、溶融炉に入れて十分に溶融させ、酸素含有量と合金元素含有量のサンプリング検出と分析を行い、分析結果に基づいて原料を補給し、10ppm以内まで完全脱酸し、溶融炉内のガイド溝から保温炉に溶融物を導入する。
<ステップ2:水平連続鋳造>
水平連続鋳造は、保温炉側面の下方で実行される。400mm間隔の2つの晶析装置を水平に保温炉側面の下方に設置する。晶析装置は、ビレットの引き出される方向に沿って3組の独立した冷却ユニットを順次に設け、第1組の冷却ユニットは、保温炉に最も近い。逆冷却モードを採用し、給水口の温度を20℃未満にする。第3組の冷却ユニットの水流量V3を2000L/min、第2組の冷却ユニットの水流量V2を2400L/min、第1組の冷却ユニットの水流量V1を3000L/minにする。晶析装置の第1組および第2組の冷却ユニットの水冷ジャケットの外壁に電磁誘導コイルを設置することで電磁撹拌を実現し、電磁撹拌モードは回転撹拌で、電流の周波数は500Hzである。ビレットの断面積Sは2000mmで、引き出し(抽出)速度は100mm/minである。晶析装置の出口から1000mm範囲内にウォーターカーテンをスプレーし、噴霧ノズルを90個設置し、噴霧ノズルの間隔を10mm、ノズルとブランク材料の表面との間隔を10mm、水圧を0.8MPaにしてビレットを得る。
図2には、ビレットの微細な等軸結晶粒構造を示され、図3には、ビレットのXRDによって第2相(Ag)が検出されないため、過飽和固溶体の特性が維持されていることがわかる。
(実施例1-2)
<ステップ2:水平連続鋳造>
4つの晶析装置を200mmの間隔で設置する。第3組の冷却ユニットの水流量V3は100L/min、第2組の冷却ユニットの水流量V2は120L/min、第1組の冷却ユニットの水流量V1は150L/min、電磁撹拌の周波数は2Hz、ビレットの断面積は50mm、引き出し速度は100mm/min、30個の噴霧ノズルの間隔は20mm、ノズルとブランク材料の表面との間隔は50mm、水圧は0.5MPaである。
その他のステップおよびパラメータは、実施形態1-1のものと同じである。
実施例1―1と同様に、ビレットのXRD図は、ビレットが過飽和固溶体構造を持っていることを示している。
(実施例1-3)
<ステップ1:原料調合と溶融>
合金組成はCu-0.7wt.%cr-0.15wt.%Zrである。
その他のステップおよびパラメータは、実施例1-1のものと同じである。
ここで、ビレットのXRD図は、それが過飽和固溶体の構造を持っていることを示している。
(実施例1-4)
<ステップ1:原料調合と溶融>
合金組成はCu-0.7wt.%cr-0.15wt.%Zrである。
<ステップ2:水平連続鋳造>
300mm間隔で3つの晶析装置を使用する。第3組の冷却ユニットの水流量V3は200L/minであり、第2組の冷却ユニットの水流量V2は240L/minであり、第1組の冷却ユニットの水流量V1は300L/minである。電磁撹拌周波数は50Hz、ビレットの断面積は200mm、引き出し速度は50mm/minである。
その他のステップおよびパラメータは、実施例1-1のものと同じである。
ビレットのXRD図は、それが過飽和固溶体構造を持っていることを示している。
(実施例1-5)
<ステップ1:原料調合と溶融>
合金組成はCu-3wt.%Ni-1wt.%Siである。
その他のステップおよびパラメータは、実施例1-1のものと同じである。
鋳造されたままのビレットのXRD図は、それが過飽和固溶体構造を持っていることを示している。
(実施例1-6)
<ステップ1:原料調合と溶融>
合金組成はCu-2wt.%Fe-0.1wt.%Pである。
その他のステップおよびパラメータは、実施例1のものと同じである。
鋳造されたままのビレットのXRD図は、それが過飽和固溶体構造を持っていることを示している。
実施例1-1から1-6の結果によれば、本発明の水平連続鋳造方法は、一般的なCu-X二元合金(Cu-Agなど)およびCu-X-Y三元合金(Cu-Fe-P、Cu-Cr-Zr、Cu-Ni-Siなど)に良好な適用性を有する。
比較例1-7)
<ステップ2:水平連続鋳造>
4つの晶析装置を200mmの間隔で使用し、第3組の冷却ユニットの水流量V3は100L/minであり、第2組の冷却ユニットの水流量V2は120L/minであり、第1組の冷却ユニットの水流量V1は150L/minである。電磁撹拌周波数は2Hz、ビレットの断面積は50mm、引き出し速度は200mm/minである。30個の噴霧個の噴霧ノズルの間隔は10mm、ノズルとブランク材料の表面との間隔は10mm、水圧は0.8MPaである。
その他のステップおよびパラメータは、実施例1―1のものと同じである。
実施例1-1と比較例7を比較すると、断面積の小さいビレットの場合、より高い引き出し速度とより強力なスプレー冷却を採用すると、冷却効果が向上し、固溶体が十分であるにもかかわらず、急速な固化とビレットの破壊(図7)が発生し、生産の継続性が大幅に低下する。
比較例1-8)
<ステップ2:水平連続鋳造>
電磁撹拌周波数は2Hz、引き出し速度は50mm/min、水圧は0.2MPaである。
その他のステップおよびパラメータは、実施例1-1のものと同じである。
実施例1-1と比較例1-8を比較すると、引き出し速度が遅く、電磁撹拌周波数が低く、冷却水圧が低いと、銅合金溶融物が十分に撹拌されて微細な等軸結晶が形成されないことがわかる。Ag原子は、過飽和固溶体から早期析出し、粗大な一次相に進化する(図8)。合金の強度が弱まり、その後の析出が不十分になり、合金の導電性が損なわれる。したがって、引き出し断面積、引き出し速度、冷却水圧、電磁撹拌周波数などのプロセスパラメータを合理的に組み合わせる必要がある。
(実施例1-9)
<ステップ2>
第3組の冷却ユニットの水流量V3は4000L/min、第2組の冷却ユニットの水流量V2は4800L/min、第1組の冷却ユニットの水流量V1は6000L/minである。
その他のステップおよびパラメータは、実施例1のものと同じである。
(実施例1-10)
<ステップ2>
第3組の冷却ユニットの水流量V3は1000L/min、第2組の冷却ユニットの水流量V2は1200L/min、第1組の冷却ユニットの水流量V1は1500L/minである。
その他のステップおよびパラメータは、実施例1のものと同じである。
比較例1-11)
<ステップ2>
第3組の冷却ユニットの水流量V3は6000L/min、第2組の冷却ユニットの水流量V2は7200L/min、第1組の冷却ユニットの水流量V1は12000L/minである。
その他のステップおよびパラメータは、実施例1のものと同じである。
比較例1-12)
<ステップ2>
第3組の冷却ユニットの水流量V3は500L/min、第2組の冷却ユニットの水流量V3は600L/min、第1組の冷却ユニットの水流量V1は1000L/minである。
その他のステップおよびパラメータは、実施例1のものと同じである。
実施例1-1、1-9、1-10、比較例1-11および比較例12の比較分析を通して、晶析装置の3組の冷却ユニットの水流量が本発明に開示された技術原理により決定された範囲内にあるとき、良好な高強度および高導電率の銅合金が得られることが分かる。水流量が高すぎると(比較例1-11のように)冷却が強すぎるため、金属が金型の内壁で直接固化し、詰まりが発生して正常に引き出せなくなる。水流が少なすぎると(比較例1-12のように)冷却が不十分であるため、ビレットが固溶体状態であることが保証できず、Agの一部が早期析出し、強度と導電率が低下する。
比較例1-13)
<ステップ2>
第3組の冷却ユニットの水流量V3は2000L/min、第2組の冷却ユニットの水流量V2は2000L/min、第1組の冷却ユニットの水流量V1は2000L/minである。
その他のステップおよびパラメータは、実施例1のものと同じである。
実施例1と比較例1-13の比較分析により、金型の3組の冷却ユニットの水流量が本発明に開示された比率に従って設定されない場合、3組の冷却ユニットにおいて合理的な冷却勾配を形成できないことが分かる。金型の内壁が著しく摩耗し、耐用年数が50%短縮される。
比較例1-14)
<ステップ2>
最初のビレットスプレーに従来の小穴スプレーを採用し、90個のノズルを設定し、ノズル間隔を30mm、ノズルとビレット表面との間隔を60mm、水圧を0.3MPaにする。
その他のステップおよびパラメータは、実施例1-1のものと同じである。
実施例1-1と比較例1-14の比較分析から、比較例1-14で使用した従来の小穴溶射のように、ビレットを連続的に引き抜くときに強力な冷却方法を採用しない場合、水圧と穴間距離が不合理であるため、固溶体の部分的な析出、低強度、弱い分析力につながる可能性があることがわかる。
(実施例1-15)
<ステップ1:原料調合と溶融>
Cu-0.5wt.%Cr-0.1wt.%Zrの合金組成に応じて原料を調合し、溶融炉に入れて十分に溶融させ、酸素含有量と合金元素含有量のサンプリング検出と分析を行い、分析結果に基づいて原料を補給し、10ppm以内まで完全脱酸し、溶融炉内のガイド溝から保温炉に溶融物を導入する。
<ステップ2:水平連続鋳造>
水平連続鋳造は、保温炉側面の下方で実行される。保温炉側面の下方に200mm間隔の4つの晶析装置を水平に設置する。晶析装置は、ビレットの引き出される方向に沿って3組の独立した冷却ユニットを順次に設け、第1組の冷却ユニットは、保温炉に最も近い。逆冷却モードを採用し、給水口の温度を20℃未満にする。第3組の冷却ユニットの水流量V3を50L/min、第2組の冷却ユニットの水流量V2を60L/min、第1組の冷却ユニットの水流量V1を75L/minにする。晶析装置の第1組および第2組の冷却ユニットの水冷ジャケットの外壁に電磁誘導コイルを設置することで電磁撹拌を実現し、電磁撹拌モードは回転撹拌で、電流の周波数は2Hzである。ビレットの断面積Sは50mmで、引き出し(抽出)速度は100mm/minである。晶析装置の出口から1000mm範囲内にウォーターカーテンをスプレーし、噴霧ノズルを30個設置し、噴霧ノズルの間隔を20mm、ノズルとブランク材料の表面との間隔を50mm、水圧を0.5MPaにする。
図12は、本実施例において水平連続鋳造によって得られたビレットロッドを示している。図13および図14の金属組織構造の写真は、結晶粒子内部に明らかな析出相がないことを示している。図15のXRD図では、銅の回折ピークのみがあり、第2相の回折ピークはない。回折ピークと標準の銅回折ピークとを比較すると、ピーク値がシフトしており、得られたビレットのクロムジルコニウム元素が銅格子に固溶していることを示している。
(実施例1-16)
<ステップ1:原料調合と溶融>
合金組成はCu-1wt.%Cr-0.15wt.%Zrである。
その他のステップおよびパラメータは、実施例1-15のものと同じである。
実施例1-15と同様に、鋳造したままのビレットのXRD図は、それが過飽和固溶体構造を持っていることを示す。
(実施例1-17)
<ステップ1:原料調合と溶融>
合金組成は、Cu-0.5wt.%Cr-0.1wt.%Zr-0.05wt.%Siである。
その他のステップおよびパラメータは、実施例1-15のものと同じである。
実施例1-15と同様に、鋳造したままのビレットのXRD図は、それが過飽和固溶体構造を持っていることを示す。
(実施例1-18)
<ステップ1:原料調合と溶融>
合金組成は、Cu-0.5wt.%Cr-0.1wt.%Zr-0.03wt.%Mgである。
その他のステップおよびパラメータは、実施例1-15のものと同じである。
実施例1-15と同様に、鋳造したままのビレットのXRD図は、それが過飽和固溶体構造を持っていることを示す。
実施例1-15から1-18の結果を比較および分析することにより、本発明の水平連続鋳造方法は、典型的な銅クロムジルコニウム三元合金および銅クロムジルコニウムに基づいてさらにマイクロアロイされた合金に良好な適用性を有することが分かる。
(実施例1-19)
<ステップ2:水平連続鋳造>
2つの晶析装置を400mmの間隔で設置する。第3組の冷却ユニットの水流量V3は500L/min、第2組の冷却ユニットの水流量V2は600L/min、第1組の冷却ユニットの水流量V1は750L/min、電磁撹拌の周波数は500Hz、ビレットの断面積は1000mm、引き出し速度は100mm/min、90個の噴霧ノズルの間隔は10mm、ノズルとブランク材料の表面との間隔は10mm、水圧は0.8MPaである。
その他のステップおよびパラメータは、実施例1-15のものと同じである。
鋳造されたままのビレットのXRD図は、それが過飽和固溶体構造を持っていることを示している。
(実施例1-20)
<ステップ1:300mm間隔で3つの晶析装置を使用する>
第3組の冷却ユニットの水流量V3は100L/min、第2組の冷却ユニットの水流量V2は120L/min、第1組の冷却ユニットの水流量V1は150L/min、電磁撹拌の周波数は50Hz、ビレットの断面積は200mm、引き出し速度は50mm/minである。
その他のステップおよびパラメータは、実施例1-15のものと同じである。
鋳造されたままのビレットのXRD図は、それが過飽和固溶体構造を持っていることを示している。
比較例1-21)
<ステップ2:水平連続鋳造>
電磁撹拌周波数は1Hz、引き出し速度は2mm/min、水圧は0.2MPaである。
その他のステップおよびパラメータは、実施例1-15のものと同じである。
実施例1-15と比較例1-21を比較すると、電磁撹拌周波数が低く、冷却水圧が低いと、銅クロムジルコニウム板とストリップの溶融物が十分に撹拌されて微細になることができないことがわかる。等軸結晶および一部のAg原子は、過飽和固溶体から早期析出し、粗い一次相に進化する(図22)。合金の強度が弱まり、その後の析出が不十分になり、合金の導電性が損なわれる。
比較例1-22)
<ステップ2:水平連続鋳造>
引き出し速度は400mm/分、水圧は1.0MPaである。
その他のステップおよびパラメータは、実施例1-15のものと同じである。
実施例1-15と比較例1-22を比較すると、断面積の小さいビレットの場合、より高い引き出し速度とより強力なスプレー冷却を組み合わせた場合、冷却効果は向上し、固溶体は十分であるが、急速な固化とビレットの破壊につながり(図23)、生産の継続性に大きなダメージを与える。
実施例1-15、比較例1-21、比較例1-22を比較すると、高効率で高品質の銅クロムジルコニウムビレットを得るには、引き出し断面積、引き出し速度、冷却水圧、電磁撹拌周波数などのプロセスパラメータを合理的に組み合わせる必要があることがわかる。
(実施例1)
<ステップ1:原料調合と溶融>
Cu-0.5wt.%Agの合金組成に応じて原料を調合し、溶融炉に入れて十分に溶融させ、酸素含有量と合金元素含有量のサンプリング検出と分析を行い、分析結果に基づいて原料を補給し、10ppm以内まで完全脱酸し、溶融炉内のガイド溝から保温炉に溶融物を導入する。
<ステップ2:水平連続鋳造>
水平連続鋳造は、保温炉側面の下方で実行される。保温炉側面の下方に400mm間隔の4つの晶析装置を水平に設置する。晶析装置は、ビレットの引き出される方向に沿って3組の独立した冷却ユニットを順次に設け、第1組の冷却ユニットは、保温炉に最も近い。逆冷却モードを採用し、給水口の温度を20℃未満にする。第3組の冷却ユニットの水流量V3を2000L/min、第2組の冷却ユニットの水流量V2を2400L/min、第1組の冷却ユニットの水流量V1を3000L/minにする。晶析装置の第1組および第2組の冷却ユニットの水冷ジャケットの外壁に電磁誘導コイルを設置することで電磁撹拌を実現し、電磁撹拌モードは回転撹拌で、電流の周波数は500Hzである。ビレットの断面積Sは2000mmで、引き出し(抽出)速度は100mm/minである。晶析装置の出口から1000mm範囲内にウォーターカーテンをスプレーし、噴霧ノズルを90個設置し、噴霧ノズルの間隔を10mm、ノズルとブランク材料の表面との間隔を10mm、水圧を0.8MPaにする。
<ステップ3:連続押出>
押出金型を500℃に予熱する。押出金型の材料は、実施例0で調製された鍛造された高温ニッケル基合金である。構造図については、図26を参照されたい。水平連続鋳造で得られたスラブは、剥離機により表面酸化欠陥層が除去され、オンライン誘導装置で700℃に急速に予熱された後、ダイキャビティに入り、押し出される。押出ホイールの回転速度は3rpm、押出比は3、押出間隔は0.6mmに制御されている。押出金型の出口でブランク材料に高強度の冷却水を噴霧し、100個の噴霧ノズルを設置する。噴霧ノズルの間隔は10mm、ノズルとブランク材料の表面との間隔は10mm、水圧は0.8MPaである。
<ステップ4:冷間引抜き>
製品要件に従って、押し出されたブランク材料を冷間引抜きする。冷間引抜のパス変形量は5%、累積変形量は50%である。
<ステップ5:時効熱処理>
冷間加工したビレットをコイル状に巻いてベル型加熱炉に入れ、時効熱処理を行う。まず、ビレットをライニングに置き、加熱炉本体が予め設定した温度に達した後、ライニングを持ち上げて覆い、ビレットが急速に昇温できるようにする。予め設定された保温時間に達した後、クレーンで炉本体を持ち上げて移動させ、ビレットを急速に冷却する。熱処理中は、酸化を防ぐために還元性雰囲気が使用される。製品の時効温度および時間は、次の原則によって決定される。複数組の冷間処理されたビレットサンプルを取り、それぞれ300、350、400、450、500、550、600℃で0.1、0.5、1、2、4、8、16、24、48、99.6hアニーリングする。続いて、サンプルのビッカース硬さ(単位HV)および導電率(単位%IACS)を測定し、硬度値と導電率値との積を計算し、積が最も大きいサンプルに使用される試験温度を製品のアニーリング温度とし、積が最も大きいサンプルに使用される試験時間にさらに0.4hを加えた時間を製品のアニーリングおよび保温時間とする。結果として、サンプルが400℃で1hアニーリング後に最大の積値を持ち、製品の保温温度として400℃、製品の保温時間として1.4hをとることを示している。
<ステップ6>
ビッカース硬度計を使用して製品のビッカース硬度を測定し、渦電流伝導率計を使用して製品の導電率を測定する。結果については、表2を参照されたい。
本実施例の銅合金では、分散したナノ析出物および高密度サイトが生成されていることが図1および4から分かる。なお、鋳造ビレットとしての微細で緻密な等軸結晶構造が図2から見ることができる。図3から、鋳造ビレットのXRDでは第2相(Ag)が検出されないのに対し、時効生成物のXRDでは明らかな第2相の回折ピークが検出され、鋳造ビレットとしての過飽和固液構造の特性および時効態様での析出相強化構造が証明されている。図5と図6から、押出状態で再結晶構造が得られ、結晶粒子内に第2相がないことがわかり、過飽和固溶体の特性が維持されていることがわかる。
(実施例2)
<ステップ2:水平連続鋳造>
4つの晶析装置を200mmの間隔で使用し、第3組の冷却ユニットの水流量V3は100L/min、第2組の冷却ユニットの水流量V2は120L/min、第1組の冷却ユニットの水流量V1は150L/min、電磁撹拌の周波数は2Hz、ビレットの断面積は50mm、引き出し速度は100mm/min、30個の噴霧ノズルの間隔は20mm、ノズルとブランク材料の表面との間隔は50mm、水圧は0.5MPaである。
<ステップ3:連続押出>
押出ホイールの速度は8rpm、押出比は8、押出間隔は2mmである。25個の噴霧ノズルを設定し、噴霧ノズルの間隔は20mm、ノズルとブランク材料の表面との間隔は50mm、水圧は0.5MPaである。
<ステップ4:冷間加工>
各パスの変形量は10%で、累積変形量は99%である。
その他のステップおよびパラメータは、実施例1のものと同じである。
実施例1と同様に、鋳造したままのビレットのXRD図は、それが過飽和固溶体構造を有することを示し、押出冷却後のビレットのTEM写真は、ナノ沈殿物が押出ビレットに生成されず、過飽和固溶体の特性を依然として維持していることを示している。
(実施例3)
<ステップ1:原料調合と溶融>
合金組成はCu-0.7wt.%Cr-0.15wt.%Zrである。
<ステップ3:連続押出>
押出金型を600℃に予熱し、ビレットを700℃にすばやく予熱する。
その他のステップおよびパラメータは、実施例1のものと同じである。
ここで、鋳造されたままのビレットのXRD図は、それが過飽和固溶体構造を持っていることを示している。押出冷却後のビレットのTEM写真は、押し出されたビレットにナノ析出物がないことを示しており、過飽和固溶体の特性を依然として維持していることを示している。
(実施例4)
<ステップ1:原料調合と溶融>
合金組成はCu-0.7wt.%Cr-0.15wt.%Zrである。
<ステップ2:水平連続鋳造>
300mm間隔で3つの晶析装置を使用する。第3組の冷却ユニットの水流量V3は200L/minであり、第2組の冷却ユニットの水流量V2は240L/minであり、第1組の冷却ユニットの水流量V1は300L/minである。電磁撹拌周波数は50Hz、ビレットの断面積は200mm、引き出し速度は50mm/minである。
<ステップ3:連続押出>
押出ホイールの速度は8rpm、押出比は8、押出間隔は2mmである。押出金型を600℃に予熱し、ビレットを700℃に素早く予熱する。
その他のステップおよびパラメータは、実施例1のものと同じである。
鋳造されたままのビレットのXRD図は、それが過飽和固溶体構造を持っていることを示している。押出冷却後のビレットのTEM写真は、押し出されたビレットにナノ析出物がないことを示しており、過飽和固溶体の特性を依然として維持していることを示している。この実施例で製造された銅合金では、分散したナノ析出物および高密度転位が生成されていることが図4から分かる。
(実施例5)
<ステップ1:原料調合と溶融>
合金組成はCu-3wt.%Ni-1wt.%Siである。
<ステップ3:連続押出>
押出金型を600℃に予熱し、ビレットを750℃にすばやく予熱する。
その他のステップおよびパラメータは、実施例1のものと同じである。
鋳造されたままのビレットのXRD図は、それが過飽和固溶体構造を持っていることを示している。押出冷却後のビレットのTEM写真は、押し出されたビレットにナノ析出物がないことを示しており、過飽和固溶体の特性を依然として維持していることを示している。
(実施例6)
<ステップ1:原料調合と溶融>
合金組成はCu-2wt.%Fe-0.1wt.%Pである。
<ステップ3:連続押出>
押出金型を550℃に予熱し、ビレットを700℃にすばやく予熱する。
その他のステップおよびパラメータは、実施例1のものと同じである。
鋳造されたままのビレットのXRD図は、それが過飽和固溶体構造を持っていることを示している。押出冷却後のビレットのTEM写真は、押し出されたビレットにナノ析出物がないことを示しており、過飽和固溶体の特性を依然として維持していることを示している。
比較例7)
<ステップ2:水平連続鋳造>
4つの晶析装置を200mmの間隔で使用し、第3組の冷却ユニットの水流量V3は100L/minであり、第2組の冷却ユニットの水流量V2は120L/minであり、第1組の冷却ユニットの水流量V1は150L/minである。電磁撹拌周波数は2Hz、ビレットの断面積は50mm、引き出し速度は200mm/minである。30個の噴霧個の噴霧ノズルの間隔は10mm、ノズルとブランク材料の表面との間隔は10mm、水圧は0.8MPaである。
<ステップ3:連続押出>
押出ホイールの速度は8rpm、押出比は8、押出間隔は2mmである。噴霧ノズルの間隔は20mm、ノズルとブランク材料の表面との間隔は50mm、水圧は0.5MPaである。
<ステップ4:冷間加工>
各パスの変形量は10%で、累積変形量は99%である。
その他のステップおよびパラメータは、実施例1のものと同じである。
実施例1と比較例7を比較すると、断面積の小さいビレットの場合、より高い引き出し速度とより強力なスプレー冷却を採用すると、冷却効果が向上し、固溶体が十分であるにもかかわらず、急速な固化とビレットの破壊(図7)が発生し、生産の継続性が大幅に低下する。
比較例8)
<ステップ2:水平連続鋳造>
電磁撹拌周波数は2Hz、引き出し速度は50mm/min、水圧は0.2MPaである。
その他のステップおよびパラメータは、実施例1のものと同じである。
実施例1と比較例8を比較すると、引き出し速度が遅く、電磁撹拌周波数が低く、冷却水圧が低いと、銅合金溶融物が十分に撹拌されて微細な等軸結晶が形成されないことがわかる。Ag原子は、過飽和固溶体から早期析出し、粗大な一次相に進化する(図8)。合金の強度が弱まり、その後の析出が不十分になり、合金の導電性が損なわれる。したがって、引き出し断面積、引き出し速度、冷却水圧、電磁撹拌周波数などのプロセスパラメータを合理的に組み合わせる必要がある。
参考例9)
<ステップ3>
連続押出に使用される金型材料はCr12MoV金型鋼である。
その他のステップおよびパラメータは、実施例1のものと同じである。
実施例1と参考例9を比較すると、押出金型が通常の金型鋼を使用している場合、金型の寿命が非常に短く、金型を頻繁に交換する必要があり、生産リズムに深刻なダメージを与え、生産能力を低下させ、廃棄物が増加する。図9には、廃棄された通常の金型鋼プラグ部品を示している。
参考例10)
<ステップ3>
連続押出ビレットの誘導予熱温度は500℃である。
その他のステップおよびパラメータは、実施例1のものと同じである。
比較例11)
<ステップ3>
連続押出しの出口にスプレー水冷噴霧ノズルを30mm間隔で設定し、20個のノズルを設定し、ノズルとブランク材料の表面との間隔を80mm、水圧を0.2MPaにする。
その他のステップおよびパラメータは、実施例1のものと同じである。
実施例1、参考例10、比較例11を比較すると、連続押出プロセスにおいて、ビレットの予熱温度が低い場合、または押出出口でのビレットの冷却効果が不十分な場合、製品強度と過飽和固溶体の早期析出分解により導電率が低下し、粗くて不均一な析出相が生じる(図10)。
参考例12)
<ステップ3>
連続押出金型を425℃に予熱する。
その他のステップおよびパラメータは、実施例1のものと同じである。
実施例1と参考例12を比較すると、連続押出プロセスでダイの予熱温度が十分でない場合、押出の初期段階で製造された製品の性能は120HV&95%IACSのレベルに達しないことがわかる。その理由は、押出初期のダイキャビティ温度が低く、過飽和固溶体があらかじめ析出・分解されているためである。また、押出応力が大きすぎるため、金型の寿命が短くなる。
参考例13)
<ステップ3>
連続押出の押出比は1である。
その他のステップおよびパラメータは、実施例1のものと同じである。
実施例1と参考例13を比較すると、連続押出プロセスで押出比が低すぎると、材料の変形が不十分で、材料を効果的に強化できず、製品の強度が低いことがわかる。また、押出温度がやや低く、過飽和固溶体があらかじめ溶解・分解されており、導電性が若干損なわれている。
参考例14)
<ステップ3>
連続押出の押出比は9である。
その他のステップおよびパラメータは、実施例1のものと同じである。
実施例1と参考例14を比較すると、連続押出プロセスで押出比が高すぎると、製品強度はさらに向上するものの、停止や金型の破壊事故が何度も発生し、深刻な事態が発生していることがわかる。装置の耐用年数と生産能力を厳重に損なう。
参考例15)
<ステップ4>
冷間加工の累積変形量は30%である。
その他のステップおよびパラメータは、実施例1のものと同じである。
実施例1と参考例15を比較すると、冷間加工の累積変形量が小さい場合、銅合金の加工硬化効果が弱く、転位密度が高くなく、析出力が弱いことがわかる。硬度が低いだけでなく、導電率も低い。
参考例16)
<ステップ5:時効熱処理>
サンプルを400℃で1時間アニールする。
その他のステップおよびパラメータは、実施例1のものと同じである。
実施例1と参考例16を比較することにより、時効アニーリング保温時間を選択する際に本発明に必要な0.4時間を加えないと、合金元素を完全に時効析出させることができず、導電率が低くなることが分かる。0.4hの追加は、大規模な炉の装入と小さなサンプルの温度上昇と平均温度特性の違いを注意深く考慮して策定された詳細なルールである。
(実施例17)
<ステップ2>
第3組の冷却ユニットの水流量V3は4000L/min、第2組の冷却ユニットの水流量V2は4800L/min、第1組の冷却ユニットの水流量V1は6000L/minである。
その他のステップおよびパラメータは、実施例1のものと同じである。
(実施例18)
<ステップ2>
第3組の冷却ユニットの水流量V3は1000L/min、第2組の冷却ユニットの水流量V2は1200L/min、第1組の冷却ユニットの水流量V1は1500L/minである。
その他のステップおよびパラメータは、実施例1のものと同じである。
比較例19)
<ステップ2>
第3組の冷却ユニットの水流量V3は6000L/min、第2組の冷却ユニットの水流量V2は7200L/min、第1組の冷却ユニットの水流量V1は12000L/minである。
その他のステップおよびパラメータは、実施例1のものと同じである。
比較例20)
<ステップ2>
第3組の冷却ユニットの水流量V3は500L/min、第2組の冷却ユニットの水流量V2は600L/min、第1組の冷却ユニットの水流量V1は1000L/minである。
その他のステップおよびパラメータは、実施例1のものと同じである。
実施例1、17、18、比較例19および比較例20の比較分析を通して、晶析装置の3組の冷却ユニットの水流量が本発明に開示された技術原理により決定された範囲内にあるとき、良好な高強度および高導電率の銅合金が得られることが分かる。水流量が高すぎると(比較例19のように)冷却が強すぎるため、金属が金型の内壁で直接固化し、詰まりが発生して正常に引き出せなくなる。水流が少なすぎると(比較例20のように)冷却が不十分であるため、ビレットが固溶体状態であることが保証できず、Agの一部が早期析出し、強度と導電率が低下する。
比較例21)
<ステップ2>
第3組の冷却ユニットの水流量V3は2000L/min、第2組の冷却ユニットの水流量V2は2000L/min、第1組の冷却ユニットの水流量V1は2000L/minである。
その他のステップおよびパラメータは、実施例1のものと同じである。
実施例1と比較例21の比較分析により、金型の3組の冷却ユニットの水流量が本発明に開示された比率に従って設定されない場合、3組の冷却ユニットにおいて合理的な冷却勾配を形成できないことが分かる。金型の内壁が著しく摩耗し、耐用年数が50%短縮される。
比較例22)
<ステップ3>
連続押出出口は、噴霧スプレー水冷の代わりに水タンク浸漬によって冷却される。
その他のステップおよびパラメータは、実施例1のものと同じである。
実施例1と比較例22の比較分析により、比較例22で使用した従来の水槽での浸漬冷却など、連続押出後に強冷法を採用しないと、固溶体が部分的に析出しやすく、強度が比較的に低く、析出力が弱いことがわかる。図11に示されるように、連続押出冷却後の比較例22のサンプルの温度は、Ag析出相が構造中に現れたことを観察し、固溶体が部分的に析出されたことを示している。
比較例23)
<ステップ2>
最初のビレットスプレーに従来の小穴スプレーを採用し、90個のノズルを設定し、ノズル間隔を30mm、ノズルとビレット表面との間隔を60mm、水圧を0.3MPaにする。
その他のステップおよびパラメータは、実施例1のものと同じである。
実施例1と比較例23の比較分析から、比較例23で使用した従来の小穴溶射のように、ビレットを連続的に引き抜くときに強力な冷却方法を採用しない場合、水圧と穴間距離が不合理であるため、固溶体の部分的な析出、低強度、弱い分析力につながる可能性があることがわかる。
比較例24)
<ステップ2:通常の水平連続鋳造後の高温固溶体>
保温炉の温度は1250℃に制御され、水冷ユニットが1つしかない従来の銅製内壁鋼スリーブ水冷式晶析装置が採用されている。冷却水の流量は従来のパラメータとして50L/分であり、牽引速度は10mm/秒である。銅合金棒は鋳造によって得られる。水平連続鋳造で製造された銅合金棒を固溶化処理する。固溶化処理の温度は900℃、加熱モードはオンライン誘導加熱、処理時間は40分である。焼入れは従来の小穴溶射を採用し、90個のノズルを設定し、ノズル間隔を30mm、ノズルとブランク材料の表面との距離を60mm、水圧を0.3MPaとする。
その他のステップおよびパラメータは、実施例1のものと同じである。
実施例1と比較例24を比較すると、従来の水平連続鋳造+高温固溶体技術と比較して、本発明の製品は硬度と導電率の両方を大幅に改善し、エネルギー消耗の大きいステップである高温固溶化を必要としないことが分かる。
表2は、実施例の製品性能、歩留まりおよび容量の要約である。
Figure 0007262129000002
* 1セットの水平連続鋳造+連続押出生産ラインの容量のみがカウントされる
(実施例25)
<ステップ1:原料調合と溶融>
Cu-0.5wt.%Cr-0.1wt.%Zrの合金組成に応じて原料を調合し、溶融炉に入れて十分に溶融させ、酸素含有量と合金元素含有量のサンプリング検出と分析を行い、分析結果に基づいて原料を補給し、10ppm以内まで完全脱酸し、溶融炉内のガイド溝から保温炉に溶融物を導入する。
<ステップ2:水平連続鋳造>
水平連続鋳造は、保温炉側面の下方で実行される。200mm間隔の4つの晶析装置を水平に保温炉側面の下方に設置する。晶析装置は、ビレットの引き出される方向に沿って3組の独立した冷却ユニットを順次に設け、第1組の冷却ユニットは、保温炉に最も近い。逆冷却モードを採用し、給水口の温度を20℃未満にする。第3組の冷却ユニットの水流量V3を50L/min、第2組の冷却ユニットの水流量V2を60L/min、第1組の冷却ユニットの水流量V1を75L/minにする。晶析装置の第1組および第2組の冷却ユニットの水冷ジャケットの外壁に電磁誘導コイルを設置することで電磁撹拌を実現し、電磁撹拌モードは回転撹拌で、電流の周波数は2Hzである。ビレットの断面積Sは50mmで、引き出し(抽出)速度は100mm/minである。晶析装置の出口から1000mm範囲内にウォーターカーテンをスプレーし、噴霧ノズルを30個設置し、噴霧ノズルの間隔を20mm、ノズルとブランク材料の表面との間隔を50mm、水圧を0.5Paにする。
<ステップ3:連続押出>
押出金型を500℃に予熱する。押出金型の材料は実施例0で調製された鍛造された高温ニッケル基合金である。構造図については、図26を参照されたい。水平連続鋳造で得られたスラブは、剥離機により表面酸化欠陥層が除去され、オンライン誘導装置で800℃まで急速に予熱された後、ダイキャビティに押し出される。押出ホイールの回転速度は8rpm、押出比は8、押出間隔は2mmに制御されている。押出金型の出口でブランク材料に高強度の冷却水を噴霧し、20個の噴霧ノズルを設置する。噴霧ノズルの間隔は20mm、ノズルとブランク材料の表面との間隔は50mm、水圧は0.5MPaである。
<ステップ4:冷間圧延>
製品の要件に従って、押し出されたブランク材料を冷間圧延する。冷間圧延のパス変形量は5%、累積変形量は99%である。
<ステップ5:時効熱処理>
冷間圧延したビレットをコイル状に巻いてベル型加熱炉に入れ、時効熱処理を行う。まず、ビレットをライニングに置き、加熱炉本体が予め設定した温度に達した後、ライニングを持ち上げて覆い、ビレットが急速に昇温できるようにする。予め設定された保温時間に達した後、クレーンで炉本体を持ち上げて移動させ、ビレットを急速に冷却する。熱処理中は、酸化を防ぐために還元性雰囲気が使用される。製品の時効温度および時間は、次の原則によって決定される。複数組の冷間処理されたビレットサンプルを取り、それぞれ300、350、400、450、500、550、600℃で0.1、0.5、1、2、4、816、24、48、99.6hアニーリングする。続いて、サンプルのビッカース硬さ(単位HV)および導電率(単位%IACS)を測定し、硬度値と導電率値との積を計算し、積が最も大きいサンプルに使用される試験温度を製品のアニーリング温度とし、積が最も大きいサンプルに使用される試験時間にさらに0.4hを加えた時間を製品のアニーリングおよび保温時間とする。結果として、500℃で1時間アニーリングした後に最大の積値を持ち、製品の保温温度として500℃、製品の保温時間として1.4時間をとることを示している。
<ステップ6>
ビッカース硬度計を使用して製品のビッカース硬度を測定し、渦電流伝導率テスターを使用して製品の導電率をテストする。結果については、表3を参照されたい。
図12は、本実施例において水平連続鋳造によって得られたビレットロッドを示している。図13および図14の金属組織構造の写真は、結晶粒子内部に明らかな析出相がないことを示している。図15のXRD図では、銅の回折ピークのみがあり、第2相の回折ピークはない。回折ピークと標準の銅回折ピークとを比較すると、ピーク値がシフトしており、得られたビレットのクロムジルコニウム元素が銅格子に固溶していることを示している。図16は、連続押出後のサンプルの等軸結晶粒構造を示している。図17は、押出冷却後のビレットのTEM写真であり、押し出された状態でナノ析出物がないことを示しており、過飽和固溶体の特性が依然として維持されていることを示している。図18は、冷間圧延されたサンプルに高密度の転位の絡み合いが存在することを示している。図19は、時効態サンプルの内部に高密度析出物の外観を示している。図20は、高分解能TEMによるナノ析出物の格子縞画像を示している。
(実施例26)
<ステップ1:原料調合と溶融>
合金組成はCu-1wt.%cr-0.15wt.%Zrである。
その他のステップおよびパラメータは、実施例25のものと同じである。
実施例25と同様に、鋳造したままのビレットのXRD図は、それが過飽和固溶体構造を持っていることを示し、押出冷却後のビレットのTEM写真は、押し出されたビレットにナノ析出物が生成されず、過飽和固溶体の特性が維持されていることを示している。
(実施例27)
<ステップ1:原料調合と溶融>
合金組成は、Cu-0.5wt.%Cr-0.1wt.%Zr-0.05wt.%Siである。
その他のステップおよびパラメータは、実施例25のものと同じである。
実施例25と同様に、鋳造したままのビレットのXRD図は、それが過飽和固溶体構造を持っていることを示し、押出冷却後のビレットのTEM写真は、押し出されたビレットにナノ析出物が生成されず、過飽和固溶体の特性が維持されていることを示している。
(実施例28)
<ステップ1:原料調合と溶融>
合金組成は、Cu-0.5wt.%Cr-0.1wt.%Zr-0.03wt.%Mgである。
その他のステップおよびパラメータは、実施例25のものと同じである。
実施例25と同様に、鋳造したままのビレットのXRD図は、それが過飽和固溶体構造を持っていることを示し、押出冷却後のビレットのTEM写真は、押し出されたビレットにナノ析出物が生成されず、過飽和固溶体の特性が維持されていることを示している。
実施例25から28の結果を比較および分析することにより、本発明の方法は、典型的な銅クロムジルコニウム三元合金および銅クロムジルコニウムに基づいてさらにマイクロアロイされた合金に良好な適用性を有することが分かる。作製した銅クロムジルコニウムのプレートとストリップは、微細で均一なナノ析出相構造と高強度、高導電性を備えている。その包括的な性能は、他の技術によって得られるものに近いかそれよりも優れており、高い歩留まりを持っている。工業用大規模製造に最適である。
(実施例29)
<ステップ2:水平連続鋳造>
2つの晶析装置を400mmの間隔で設置する。第3組の冷却ユニットの水流量V3は500L/min、第2組の冷却ユニットの水流量V2は600L/min、第1組の冷却ユニットの水流量V1は750L/min、電磁撹拌の周波数は500Hz、ビレットの断面積は1000mm、引き出し速度は100mm/min、90個の噴霧ノズルの間隔は10mm、ノズルとブランク材料の表面との間隔は10mm、水圧は0.8MPaである。
<ステップ3:連続押出>
押出ホイールの速度は3rpm、押出比は3、押出間隔は0.6mmである。50個の噴霧ノズルを設定し、噴霧ノズルの間隔は10mm、ノズルとブランク材料の表面との間隔は10mm、水圧は0.8MPaである。
その他のステップおよびパラメータは、実施例25のものと同じである。
鋳造されたままのビレットのXRD図は、それが過飽和固溶体構造を持っていることを示している。押出冷却後のビレットのTEM写真は、押し出されたビレットにナノ析出物がないことを示しており、過飽和固溶体の特性を依然として維持していることを示している。
(実施例30)
<ステップ:300mm間隔で3つの晶析装置を使用する>
第3組の冷却ユニットの水流量V3は100L/min、第2組の冷却ユニットの水流量V2は120L/min、第1組の冷却ユニットの水流量V1は150L/min、電磁撹拌の周波数は50Hz、ビレットの断面積は200mm、引き出し速度は50mm/minである。
<ステップ3:連続押出>
押出ホイールの速度は8rpm、押出比は8、押出間隔は2mmである。押出金型を600℃に予熱し、ビレットを700℃に素早く予熱する。
その他のステップおよびパラメータは、実施例25のものと同じである。
鋳造されたままのビレットのXRD図は、それが過飽和固溶体構造を持っていることを示している。押出冷却後のビレットのTEM写真は、押し出されたビレットにナノ析出物がないことを示しており、過飽和固溶体の特性を依然として維持していることを示している。
参考例31)
<ステップ3:連続押出>
押出金型を550℃に予熱し、ビレットを750℃に素早く予熱する。
その他のステップおよびパラメータは、実施例25のものと同じである。
鋳造されたままのビレットのXRD図は、それが過飽和固溶体構造を持っていることを示している。押出冷却後のビレットのTEM写真は、押し出されたビレットにナノ析出物がないことを示しており、過飽和固溶体の特性を依然として維持していることを示している。
参考例32)
<ステップ4>
冷間圧延の累積変形量は50%である。
その他のステップおよびパラメータは、実施例25のものと同じである。
鋳造されたままのビレットのXRD図は、それが過飽和固溶体構造を持っていることを示している。押出冷却後のビレットのTEM写真は、押し出されたビレットにナノ析出物がないことを示しており、過飽和固溶体の特性を依然として維持していることを示している。
比較例33)
<ステップ2:水平連続鋳造>
電磁撹拌周波数は1Hz、引き出し速度は2mm/min、水圧は0.2MPaである。
その他のステップおよびパラメータは、実施例25のものと同じである。
実施例25と比較例33を比較すると、引き出し速度が遅く、電磁撹拌周波数が低く、冷却水圧が低いと、銅クロムジルコニウム板とストリップの溶融物が十分に撹拌されて微細になることができないことがわかる。等軸結晶および一部のAg原子は、過飽和固溶体から早期析出し、粗い一次相に進化する(図22)。合金の強度が弱まり、その後の析出が不十分になり、合金の導電性が損なわれる。
比較例34)
<ステップ2:水平連続鋳造>
引き出し速度は400mm/分、水圧は1.0MPaである。
その他のステップおよびパラメータは、実施例25のものと同じである。
実施例25と比較例34を比較すると、断面積の小さいビレットの場合、より高い引き出し速度とより強力なスプレー冷却を組み合わせた場合、冷却効果は向上し、固溶体は十分であるが、急速な固化とビレットの破壊につながり(図23)、生産の継続性に大きなダメージを与える。
実施例25、比較例33、比較例34を比較すると、高効率で高品質の銅クロムジルコニウムビレットを得るには、引き出し断面積、引き出し速度、冷却水圧、電磁撹拌周波数などのプロセスパラメータを合理的に組み合わせる必要があることがわかる。
参考例35)
<ステップ3>
連続押出ビレットの誘導予熱温度は600℃である。
その他のステップおよびパラメータは、実施例25のものと同じである。
参考例36)
<ステップ3>
連続押出しの出口にスプレー水冷噴霧ノズルを30mm離し、ノズルとブランク材料の表面との間隔を80mm、水圧を0.2MPaにする。
その他のステップおよびパラメータは、実施例25のものと同じである。
実施例25、参考例35、参考例36を比較すると、連続押出プロセスにおいて、ビレットの予熱温度が低い場合、または押出出口でのビレットの冷却効果が不十分な場合、製品強度と過飽和固溶体の早期析出分解により導電率が低下し、粗く不均一な析出相が生じる(図24)。
参考例37)
<ステップ3>
連続押出金型を450℃に予熱する。
その他のステップおよびパラメータは、実施例25のものと同じである。
実施例25と参考例37を比較すると、連続押出プロセスで金型の予熱温度が十分でない場合、押出の初期段階で製造された製品の性能は200HV&84%IACSのレベルに達しないことがわかる。その理由は、押出初期のダイキャビティ温度が低いため、過飽和固溶体が早期析出・分解されるためである。また、押出応力が大きすぎるため、金型の寿命が短くなる。
参考例38)
<ステップ3>
連続押出の押出比は2である。
その他のステップおよびパラメータは、実施例25のものと同じである。
実施例25と参考例38を比較すると、連続押出プロセスで押出比が低すぎると、材料の変形量が不十分で、材料を効果的に強化できず、製品の強度が低いことがわかる。また、押出温度がやや低く、過飽和固溶体があらかじめ析出・分解されており、導電性が若干損なわれている。
参考例39)
<ステップ3>
連続押出の押出比は10である。
その他のステップおよびパラメータは、実施例25のものと同じである。
実施例25と参考例39を比較すると、連続押出プロセスで押出比が高すぎると、製品強度はさらに向上するものの、停止や金型の破損事故が何度も発生し、深刻な事態が発生していることがわかる。装置の耐用年数と生産能力を厳重に損なう。
参考例40)
<ステップ4>
冷間圧延の累積変形量は40%である。
その他のステップおよびパラメータは、実施例25のものと同じである。
実施例25と参考例40を比較すると、冷間圧延の累積変形量が小さく、銅クロムジルコニウム板とストリップの加工硬化効果が弱く、転位密度が高くなく、析出力が弱いことがわかる。硬度が低いだけでなく、導電率も低い。
参考例41)
<ステップ5:時効熱処理>
サンプルを500℃で1時間アニールする。
その他のステップおよびパラメータは、実施例25のものと同じである。
実施例25と参考例41を比較することにより、時効焼鈍保持時間を選択する際に本発明に必要な0.4時間を加えないと、合金元素を完全に時効および析出させることができず、導電率が低くなることが分かる。0.4hの追加は、大規模な炉の装入と小さなサンプルの温度上昇と平均温度特性の違いを注意深く考慮して策定された詳細なルールである。
比較例42)
<ステップ2:通常の水平連続鋳造後の高温固溶体>
保温炉の温度は1250℃に制御されており、晶析装置には冷却装置が1つしかない従来の銅内壁鋼スリーブ水冷晶析装置が採用されている。冷却水の流量は従来のパラメータとして50L/分であり、牽引速度は10mm/秒である。銅合金棒は鋳造によって得られる。水平連続鋳造で製造された銅合金棒を固溶化処理する。固溶化処理の温度は900℃、加熱モードはオンライン誘導加熱、処理時間は40分である。焼入れは従来の小穴溶射を採用し、90個のノズルを設定し、ノズル間隔を30mm、ノズルとブランク材料の表面との距離を60mm、水圧を0.3MPaとする。
その他のステップおよびパラメータは、実施例25のものと同じである。
実施例25と比較例42を比較することにより、本発明の水平連続鋳造は、従来の水平連続鋳造および高温固溶体と比較して硬度と導電率の両方を著しく改善し、エネルギー消耗の大きい高温固溶体工程を必要としないことが分かる。
表3 製品の性能と実施例の歩留まりの要約
Figure 0007262129000003

Claims (4)

  1. 保温炉中の銅合金溶融体を保温炉側面の下方で行う銅合金の水平連続鋳造方法であって、
    保温炉側面の下方で水平連続鋳造を行い、少なくとも一つのマルチチャネル水冷晶析装置を保温炉側面の下方に設置し、該晶析装置は、ビレットの引き出される方向に沿って3組の独立した冷却ユニットを順次に設け、マルチチャネルの給水およびマルチチャネルの排水を実現し、さらに、逆冷却モード、すなわち、コールドエンドから給水し、ホットエンドから排水する方式を採用し、第1組の冷却ユニットは、保温炉に最も近く、続いて、各組の冷却ユニットの給水口の温度を20℃未満にし(夏に実際の水温が20℃を超える場合、予冷装置が必要である)、3組の冷却ユニットの温度勾配を次のような方法で制御し、すなわち、第3組の冷却ユニットの水流量V3およびビレットの断面積Sを、0.5L/(min・mm)<V3/S<2L/(min・mm)の要件に満たせるようにし、第2組の冷却ユニットの水流量V2と第1組の冷却ユニットの水流量V1とは、V1:V2:V3=1.5:1.2:1となるように決定し、これにより、3組の冷却ユニットの異なる強度の冷却能力を組み合わせて、妥当な温度勾配を形成することを実現し、続いて、晶析装置の第1組および第2組の冷却ユニットの水冷ジャケットの外壁に電磁誘導コイルを設置することで電磁撹拌を実現し、電磁撹拌モードは回転撹拌で、電流の周波数は2~500Hzに設定し、続いて、ビレットの断面積Sを2000~50mmに設定し、その引き出し(抽出)速度vとビレット断面積を0.5mm・min≦S/v≦20mm・minの条件に満たせるようにし、続いて、晶析装置の出口から1000mm範囲内にウォーターカーテンスプレー冷却装置を設置することによりビレットを冷却し、スプレー装置は、従来の小穴スプレーの代わりに噴霧ノズルを使用し、ノズル間隔は10~20mmにし、さらにブランク材料の寸法に応じてノズルの数を設け、ノズルとブランク材料の表面との間隔を10~50mm、水圧を0.5~0.8MPaにする、
    ことを特徴とする銅合金の水平連続鋳造方法。
  2. 1セットの水平連続鋳造システムに2~4個の晶析装置を搭載して、2~4個のビレットの連続引き出しを実現し、晶析装置のレイアウトモードは200~400mmの間隔で一列に並び、各セットの晶析装置には、いずれも独立した水冷装置および電磁装置が配置される、ことを特徴とする請求項1に記載の水平連続鋳造方法。
  3. 前記銅合金の水平連続鋳造方法は、
    (1)原料の調合と溶融ステップとして、銅合金の組成に応じて原料を調合し、溶融炉に入れて十分に溶融させ、酸素含有量と合金元素含有量のサンプリング検査と分析を行い、分析結果に基づいて原料の補給し、完全に脱酸した後、溶融炉内部のガイド溝を介して保温炉に溶融物を入れることと、
    (2)水平連続鋳造ステップとして、保温炉側面の下方で水平連続鋳造を行い、少なくとも一つのマルチチャネル水冷晶析装置を保温炉側面の下方に設置し、該晶析装置は、ビレットの引き出される方向に沿って3組の独立した冷却ユニットを順次に設け、マルチチャネルの給水およびマルチチャネルの排水を実現し、さらに、逆冷却モード、すなわち、コールドエンドから給水し、ホットエンドから排水する方式を採用し、第1組の冷却ユニットは、保温炉に最も近く、続いて、各組の冷却ユニットの給水口の温度を20℃未満にし(夏に実際の水温が20℃を超える場合、予冷装置が必要である)、3組の冷却ユニットの温度勾配を次のような方法で制御し、すなわち、第3組の冷却ユニットの水流量V3およびビレットの断面積Sを、0.5L/(min・mm)<V3/S<2L/(min・mm)の要件に満たせるようにし、第2組の冷却ユニットの水流量V2と第1組の冷却ユニットの水流量V1とは、V1:V2:V3=1.5:1.2:1となるように決定し、これにより、3組の冷却ユニットの異なる強度の冷却能力を組み合わせて、妥当な温度勾配を形成することを実現し、続いて、晶析装置の第1組および第2組の冷却ユニットの水冷ジャケットの外壁に電磁誘導コイルを設置することで電磁撹拌を実現し、電磁撹拌モードは回転撹拌で、電流の周波数は2~500Hzに設定し、続いて、ビレットの断面積Sを2000~50mmに設定し、その引き出し(抽出)速度vとビレット断面積を0.5mm・min≦S/v≦20mm・minの条件に満たせるようにし、続いて、晶析装置の出口から1000mm範囲内にウォーターカーテンスプレー冷却装置を設置することによりビレットを冷却し、スプレー装置は、従来の小穴スプレーの代わりに噴霧ノズルを使用し、ノズル間隔は10~20mmにし、さらにブランク材料の寸法に応じてノズルの数を設け、ノズルとブランク材料の表面との間隔を10~50mm、水圧を0.5~0.8MPaにすることと、
    を含む、ことを特徴とする請求項1に記載の水平連続鋳造方法。
  4. 請求項1に記載の水平連続鋳造方法の銅合金製造における使用。
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