JP5379671B2 - 水平連続鋳造装置及び水平連続鋳造方法 - Google Patents

水平連続鋳造装置及び水平連続鋳造方法 Download PDF

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本発明は、金属製の鋳造棒を連続鋳造するのに用いられる水平連続鋳造装置及び水平連続鋳造方法に関する。
従来、アルミニウム合金等の溶湯を水平連続鋳造して鋳造棒を製造する方法としては、溶湯を注湯口から冷却水シャワー装置を有する円筒鋳型内に供給し、その冷却水シャワー装置から放水される冷却水で溶湯を冷却して凝固させながら筒状鋳型から引き出して連続鋳造する水平連続鋳造装置(連続鋳造棒の製造方法)が知られている(例えば、特許文献1参照)。
図6は、従来の冷却ノズルを有する筒状鋳型で鋳造棒を連続鋳造するときの状態を示す水平連続鋳造装置の要部断面図である。
図6に示すように、従来、例えば、直径が55〜102mmのアルミニウム合金製の鋳造棒400(鋳塊)を連続鋳造する水平連続鋳造装置100は、溶解炉で溶融された金属の溶湯300を貯溜する保持炉200と、この保持炉200内の溶湯300を放出する注湯口210と、この注湯口210から放水された溶湯300が送り込まれる筒状の冷却鋳型500と、冷却鋳型500及びこの冷却鋳型500から引き出される溶湯300を冷却する冷却装置600と、を備えている。
図7は、従来の水平連続鋳造装置の冷却鋳型を示す要部拡大縦断面図である。
図7に示すように、冷却装置600は、冷却水W0を冷却鋳型500に送るためのポンプ装置(図示省略)と、冷却鋳型500内に形成されて、ポンプ装置から送られた冷却水W0でその冷却鋳型500を冷却するウォータジャケット610と、冷却鋳型500内から引き出される鋳造棒400を前記冷却水W0で冷却するスリット状の噴射口からなる冷却ノズル620と、を備えている。
このような冷却装置600を備えた水平連続鋳造装置100により、鋳造棒400を製造する場合は、215mm/min程度の鋳造速度で水平連続鋳造している。
特開2004−66345号公報(図2)
特許文献1や図6及び図7に示すような水平連続鋳造装置100で鋳造棒400を、例えば、215mm/minの鋳造速度よりさらに速い鋳造速度で水平連続鋳造しようとすると、鋳造棒400(鋳塊)に割れが生じるという問題点があった。
つまり、水平連続鋳造装置100において、低コスト化を図るために、鋳造速度を速くして高速化しようとした場合には、鋳造棒400を冷却する冷却能力や冷却効果が不足して、割れが発生するため、鋳造棒400を種々の材料として使用できないという問題点があった。
そこで、本発明は、前記問題点に鑑みてなされたものであり、鋳造棒が割れることなく鋳造速度を高速化することが可能な水平連続鋳造装置及び水平連続鋳造方法を提供することを課題とする。
前記課題を解決するために、請求項1に記載の水平連続鋳造装置は、溶湯を冷却鋳型に設けた冷却装置によって、一次冷却、二次冷却及び三次冷却しながら鋳造棒を200〜500mm/minの鋳造速度で連続的に鋳造する水平連続鋳造装置であって、前記冷却鋳型には、鋳造面に潤滑剤を供給する潤滑剤供給装置が設けられ、前記冷却装置は、前記冷却鋳型に内設されて、当該冷却鋳型を冷却することにより当該冷却鋳型内を通過する前記溶湯を前記一次冷却するウォータジャケットと、前記ウォータジャケット中の冷却水を、前記冷却鋳型内から引き出された前記鋳造棒の表面に放水して前記二次冷却する二次冷却ノズルと、前記ウォータジャケット中の前記冷却水を、前記冷却鋳型内から引き出されて鋳造方向に送られた前記鋳造棒の表面に放水して前記三次冷却する三次冷却ノズルと、を備え、前記二次冷却ノズルから放水された前記冷却水が前記鋳造棒に衝突する二次冷却水衝突中心位置から鋳造方向に離間され、前記三次冷却ノズルから放水された前記冷却水が前記鋳造棒に衝突する三次冷却水衝突中心位置までの冷却水衝突位置間隔(Y)が、前記鋳造棒の直径に対して、30〜60%の比率(R)になるように設定されていることを特徴とする。
かかる構成によれば、水平連続鋳造装置は、鋳造棒を200〜500mm/minの高速の鋳造速度で連続的に鋳造する際に、まず、潤滑剤供給装置によって冷却鋳型の鋳造面に潤滑剤を供給するにより、溶湯が鋳造面に焼き付くのを防止することができる。また、ウォータジャケットでその冷却鋳型を冷却することにより冷却鋳型内と通過する溶湯を一次冷却して鋳造棒の表層に凝固殻を形成する。次に、冷却鋳型内から引き出された鋳造棒の二次冷却水衝突中心位置に二次冷却ノズルから放水された冷却水を当てることによって二次冷却する。さらに、鋳造棒の二次冷却水衝突中心位置のその先の三次冷却水衝突中心位置に三次冷却ノズルから放水された冷却水を当てることにより、三次冷却して鋳造棒を連続鋳造する。この場合、二次冷却ノズルから放水された冷却水が鋳造棒に当たる二次冷却水衝突中心位置から三次冷却ノズルから放水された冷却水が鋳造棒に当たる三次冷却水衝突中心位置までの冷却水衝突位置間隔(Y)を、鋳造棒の直径に対して、30〜60%の比率(R)になる間隔をあけて冷却することにより、ウォータジャケットの冷却水で鋳造棒を三段階に亘って効率よく冷却して割れの発生を抑制することができる。
請求項2に記載の水平連続鋳造装置は、請求項1に記載の水平連続鋳造装置であって、前記冷却鋳型は、鋳造面の鋳造方向の開口部内に拡開して形成された拡開部を有し、前記二次冷却ノズルは、前記拡開部の溶湯供給口寄りに形成されると共に、前記鋳造棒に対する鋳造方向の前記二次冷却ノズルの二次冷却水噴射角度(θ1)が20度〜50度に設定され、前記三次冷却ノズルは、前記拡開部の開口端寄りに形成されると共に、前記鋳造棒に対する鋳造方向の前記三次冷却ノズルの三次冷却水噴射角度(θ2)が5度〜45度に設定されていることを特徴とする。
かかる構成によれば、水平連続鋳造装置の冷却鋳型において、二次冷却ノズルは、冷却鋳型の拡開部の溶湯供給口寄りに形成されて、前記ウォータジャケットで冷却された鋳造棒に向けて鋳造方向に20度〜50度の二次冷却水噴射角度(θ1)で冷却水を放水して二次冷却する。このため、二次冷却ノズルから放水された冷却水が、冷却鋳型の型内から出た直後の鋳造棒を強制冷却する。
三次冷却ノズルは、二次冷却ノズルよりも冷却鋳型の拡開部の開口端寄りに形成されて、鋳造棒に対して鋳造方向に5度〜45度の三次冷却水噴射角度(θ2)で冷却水を放水して三次冷却する。このため、三次冷却ノズルから放水された冷却水は、前記二次冷却水で冷却した箇所から所定間隔を介して、さらに、その先端側の位置に冷却水を当てて強制冷却する。
請求項3に記載の水平連続鋳造装置は、請求項2に記載の水平連続鋳造装置であって、前記二次冷却ノズル及び前記三次冷却ノズルは、円筒状に形成された前記拡開部に、周方向に所定間隔で複数配置されていることを特徴とする。
かかる構成によれば、二次冷却ノズル及び前記三次冷却ノズルは、拡開部の周方向に所定間隔で複数配置されていることによって、鋳造棒の外周に、二段階に亘ってシャワー状に冷却水を当てて強制冷却することができる。
請求項4に記載の水平連続鋳造方法は、請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の水平連続鋳造装置を用いて、前記ウォータジャケットと、前記二次冷却ノズルと、前記三次冷却ノズルとで前記溶湯を冷却しながら前記鋳造棒を製造することを特徴とする。
かかる構成によれば、水平連続鋳造方法は、鋳造棒を連続鋳造する際に、ウォータジャケットにより冷却鋳型を介在して冷却し、さらに、二次冷却ノズル及び三次冷却ノズルから放水される冷却水を溶湯に当てることによって、鋳造棒を効率よく冷却することができる。このため、鋳造速度を速くしても割れが発生することがない。
本発明の請求項1に係る水平連続鋳造装置によれば、冷却鋳型内の溶湯をウォータジャケットで強制的に一次冷却し、次に、冷却鋳型内から出た鋳造棒に二次冷却ノズルの冷却水で二次冷却し、さらに、その二次冷却した先の位置を三次冷却ノズルの冷却水で三次冷却して鋳造棒を冷却することにより、適宜な間隔で三段階にわたって効率よく強制冷却できる。このため、水平連続鋳造装置の冷却能力を向上させて、200〜500mm/minの鋳造速度で連続鋳造しても、割れが発生するのを防止することができる。その結果、鋳造速度を高速化して生産効率を向上させて、コスト低減を図ることができる。
本発明の請求項2に係る水平連続鋳造装置によれば、二次冷却ノズルと三次冷却ノズルの冷却水噴射角度を適宜に相違する角度にしたことにより、二次冷却水から放水された冷却水を冷却鋳型の型内から出た直後の鋳造棒の部位を強制的に二次冷却し、さらに、その二次冷却ノズルの冷却水で二次冷却した部位よりも先端側の予め設定した所望の部位を三次冷却ノズルから放水された冷却水で三次冷却して連続的に強制冷却することができる。このため、鋳造棒に割れが発生するのを抑制して、安定した高品質の鋳造棒を得ることができる。
本発明の請求項3に係る水平連続鋳造装置によれば、拡開部の周方向に複数配置された二次冷却ノズル及び前記三次冷却ノズルによって、鋳造棒の全周に、二段階に亘ってシャワー状に冷却水を当てて効率よく冷却することができる。
本発明の請求項4に係る水平連続鋳造方法によれば、鋳造速度を200〜500mm/minまで上げて高速化しても割れが発生することがなく、鋳造棒の大量生産能力及び生産効率を向上させることができる。
本発明の実施形態に係る水平連続鋳造装置を示す一部断面を有する要部斜視図である。 本発明の実施形態に係る水平連続鋳造装置を示す要部縦断面図である。 本発明の実施形態に係る水平連続鋳造装置の冷却鋳型の要部拡大縦断面図である。 図3の二次冷却ノズル及び三次冷却ノズルの拡大図である。 本発明の実施形態に係る水平連続鋳造装置の冷却鋳型を示す図であり、(a)は要部拡大正面図、(b)はZ部拡大図である。 従来の水平連続鋳造装置を示す要部拡大縦断面図である。 従来の水平連続鋳造装置の冷却鋳型を示す要部拡大縦断面図である。
以下、図1〜図5を参照して発明を実施するための形態を説明する。
≪水平連続鋳造装置の構成≫
図1に示すように、水平連続鋳造装置1は、金属の溶湯3から棒状の鋳造棒4(鋳塊)を凝固させて鋳造する際に、鋳造棒4を冷却装置6で冷却しながら水平方向に送って連続鋳造する装置である。水平連続鋳造装置1は、溶湯3を冷却鋳型5に設けた冷却装置6によって、一次冷却用のウォータジャケット61と、二次冷却用の二次冷却ノズル62の冷却水Wと、三次冷却用の三次冷却ノズル63の冷却水Wとで溶湯3を三段階に冷却しながら鋳造棒4を200〜500mm/minの速い鋳造速度で連続的に鋳造する連続鋳造装置である。
この水平連続鋳造装置1は、溶湯3が貯溜される保持炉2と、この保持炉2内の溶湯3が供給される冷却鋳型5と、この冷却鋳型5及び鋳造棒4を冷却する冷却装置6と、冷却鋳型5の鋳造面5a(図2参照)に潤滑剤を供給する潤滑剤供給装置7と、冷却鋳型5から送り出される鋳造棒4を搬送する搬送装置8と、を主に備えている。
≪保持炉の構成≫
保持炉2は、溶解炉(図示省略)で溶融された金属の溶湯3を保温した状態に一時的に貯溜する炉である。保持炉2は、下部側壁に、冷却鋳型5の型内に溶湯供給口5bを介して溶湯3を供給するための流出口2aが形成されている。
≪溶湯及び鋳造棒の構成≫
溶湯3は、前記溶解炉(図示省略)で溶融された金属であり、例えば、アルミニウム合金等の合金からなる。
また、鋳造棒4は、水平連続鋳造装置1によって鋳造されて溶湯3が凝固した鋳片(鋳塊)であり、例えば、直径X(図2参照)が55〜102mm程度の丸棒に鋳造される。
≪冷却鋳型の構成≫
図2に示すように、冷却鋳型5は、溶湯供給口5bから型内の供給された溶湯3を冷却装置6で強制冷却しながら引き出すことにより、棒状の鋳造棒4を連続鋳造する鋳型であり、略筒状に形成されている。図3に示すように、冷却鋳型5は、それぞれ後記する鋳造面5aと、溶湯供給口5bと、開口部5cと、拡開部5dと、開口端5eと、外壁5fと、鋳型本体51と、鋳型枠体52と、仕切部材53と、シール部材54と、冷却装置6(ウォータジャケット61、二次冷却ノズル62及び三次冷却ノズル63)と、を有する三次冷却鋳型からなる。
図2及び図3に示すように、鋳造面5aは、溶湯3から棒状の鋳造棒4を鋳造する型面であり、スリーブ状(円筒状)に形成されている。この鋳造面5aの上流側の部位には、潤滑剤の供給口(図示省略)が複数形成されている。
溶湯供給口5bは、鋳造面5aの上流側に形成されて、保持炉2内の溶湯3が供給される供給口であり、保持炉2の流出口2a(図2参照)に連続して形成されている。
開口部5cは、冷却鋳型5の鋳造面5a内から鋳造棒4が引き出される部位であり、鋳造面5aの鋳造方向側に形成されている。
拡開部5dは、冷却鋳型5の鋳造面5aの鋳造方向側の端部から開口端5eに向けて拡径して略テーパー状に形成された部位であり、開口部5c内に形成されている。拡開部5dは、その拡開部5dに、多数の二次冷却ノズル62を鋳造方向(下流方向)に対してそれぞれ適宜な角度に傾けた状態で、予め設定した所定間隔で環状に配置することを可能にすると共に、その拡開部5d内を通過する鋳造面5aから出た直後の鋳造棒4に二次冷却ノズル62から放水された冷却水Wを当てることを可能にしている。
前記開口端5eは、拡開部5dの最も鋳造方向側の下流側に形成された部位である。
鋳造方向側の外壁5fの開口端5eの周囲は、多数の三次冷却ノズル63が予め設定した所定間隔で環状に配置されて、開口端5eから外側に出た鋳造棒4の周囲を三次冷却ノズル62から冷却水Wが放水されるようになっている。
図3に示すように、鋳型本体51は、軸心側の内壁に鋳造面5aを有し、前側側面にウォータジャケット61の一部を形成する流路面を有する鋳型である。この鋳型本体51は、例えば、略筒状(図2参照)に形成された熱伝導率の高い銅製の鋳型からなる。
鋳型枠体52は、鋳型本体51の前側に密着させて組み付けられる部材であり、冷却水Wが流れるウォータジャケット61の一部を形成する流路面と、そのウォータジャケット61に連通する二次冷却ノズル62が形成される拡開部5dと、三次冷却ノズル63が形成される外壁5fと、を有している。この鋳型枠体52は、例えば、ステンレス鋼製のものからなる。
仕切部材53は、潤滑剤を鋳造面5aに供給する流路の一部を形成するための部材であり、鋳型本体51の後側に密着した状態に組み付けられている。この仕切部材53は、例えば、アルミニウム合金等によって形成されている。
シール部材54は、鋳型本体51と鋳型枠体52とが組み合わされる面に形成された凹部に嵌入されて密着される部材である。
≪冷却装置の構成≫
図2に示すように、冷却装置6は、冷却鋳型5及び鋳造棒4を冷却するための装置であり、冷媒として工業用水や水道水等の冷却水Wを使用している。冷却装置6は、冷却水Wを冷却鋳型5に送るための動力源となるポンプ装置(図示省略)と、一端がこのポンプ装置に接続され、他端が冷却鋳型5内に形成されたウォータジャケット61に接続された冷却水供給用配管64と、冷却水供給用配管64から送られた冷却水Wで冷却鋳型5及びこの冷却鋳型5を介在して溶湯3を冷却する前記ウォータジャケット61(一次冷却部)と、このウォータジャケット61内を通過した冷却水Wを放水して鋳造棒4を冷却する二次冷却ノズル62及び三次冷却ノズル63と、を備えている。
<ウォータジャケットの構成>
図2に示すように、ウォータジャケット61は、冷却鋳型5を冷却する冷却水Wを流動させると共に、二次冷却ノズル62及び三次冷却ノズル63から噴出させる冷却水Wを供給するための通水路である。ウォータジャケット61は、冷却鋳型5内に形成された冷却水Wの流路であり、鋳型本体51と鋳型枠体52との間に形成された隙間(一次冷却部)からなる。ウォータジャケット61は、冷却水Wと冷却鋳型5の熱とを熱交換させて強制冷却することにより、冷却鋳型5内を通過する溶湯3を一次冷却して鋳造棒4の表層に凝固殻を形成させる。ウォータジャケット61は、鋳型本体51と、鋳型枠体52と、仕切部材53とによって冷却鋳型5内を蛇行するように形成された冷却水Wの流路からなる。ウォータジャケット61は、冷却鋳型5において、このウォータジャケット61の上流側に冷却水Wが供給される冷却水供給口61aが形成されて、下流側に二次冷却ノズル62及び三次冷却ノズル63が形成されている。なお、従来の鋳型における冷却水の流速は、淀んだ部分があるので、場所によって異なり、0.2〜1.8m/sである。ウォータジャケット61(一次冷却部)内を流れる冷却水Wの流速は、1.9m/s程度であり、従来の鋳型装置の流速よりも速く流れるように設定されている。
<二次冷却ノズルの構成>
図3及び図4に示すように、二次冷却ノズル62は、ウォータジャケット61中の冷却水Wを、冷却鋳型5内から引き出された鋳造棒4の表面に放水して二次冷却する冷却水噴射ノズルである。換言すると、二次冷却ノズル62は、冷却鋳型5内から引き出された直後の鋳造棒4の後記する二次冷却水衝突中心位置P1(二次冷却水衝突領域P10)に向けて一次冷却で使用した冷却水Wを放水して、鋳造棒4を強制冷却するノズルである。二次冷却ノズル62は、拡開部5dの外側の外壁5fに設けられた三次冷却ノズル63より鋳造面5a側寄りの位置の周方向に、所定間隔を介して環状に配置されると共に、鋳造棒4に対する鋳造方向の二次冷却ノズル62の二次冷却水噴射角度θ1が20度〜50度(好ましくは25度)に傾けて設定されている。
二次冷却水噴射角度θ1を20度〜50度にすることにより、二次冷却ノズル62から放水される冷却水Wは、開口端5eの軸心側付近の鋳造棒4の表面(二次冷却水衝突領域P10)に向けて放水されるようになる。
二次冷却水噴射角度θ1が50度より大きい角度の場合は、開口端5eよりも鋳造面5aに寄り過ぎた部位を二次冷却ノズル62の二次冷却水で冷却することになる。
二次冷却水噴射角度θ1が20度より小さい角度の場合は、開口端5eから鋳造方向に大きく離れた部位を二次冷却ノズル62の二次冷却水で冷却することになる。二次冷却ノズル62及び三次冷却ノズル63の噴射口の形状は、例えば、円形のものからなり、その形状は特に限定されない。
図4に示すように、二次冷却水衝突領域P10は、二次冷却ノズル62の噴射口から前後左右方向に徐々に広がって放水された冷却水Wが、鋳造棒4の表面に衝突するリング状の領域である。二次冷却水衝突領域P10及び後記する三次冷却水衝突領域P20の広さは、二次冷却ノズル62及び三次冷却ノズル63の形状を適宜に変更することによって調節することができる。
始点P11は、二次冷却水衝突領域P10の最も基端側の位置である。始点P11は、鋳造棒4が鋳造面5aから引き出された直後の位置であって、冷却鋳型5の拡開部5d内の略中央部部分である。つまり、始点P11は、鋳造面5aから鋳造方向に離間した位置にある。
終点P12は、二次冷却水衝突領域P10の最も先端側の位置である。終点P12は、鋳造棒4が開口端5eから鋳造方向へ適宜な距離だけ離間した位置であって、始点P11から二次冷却水衝突領域P10の長さ分だけ鋳造方向へ移動した位置である。
二次冷却水衝突中心位置P1とは、二次冷却ノズル62から放水された冷却水Wの中心部が鋳造棒4に衝突する位置であり、例えば、開口端5eの内側付近である。二次冷却水衝突中心位置P1は、拡開部5dの基端部5gから距離L(鋳造棒4の直径Xが90mmの場合は5〜25mm程度)鋳造方向へ離間した位置である。二次冷却水衝突中心位置P1及び後記する三次冷却水衝突中心位置P2は、任意の位置であり、前後方向へ適宜にずらしても構わない。
図5(a)、(b)に示すように、二次冷却ノズル62は、例えば、口径が2mm程度の大きさの孔を10mmのピッチPの間隔で、テーパー状の拡開部5dの内周面に多数(例えば、20個)設けられている。このため、例えば、20個の二次冷却ノズル62は、鋳造棒4の外周部に周方向にピッチPの間隔で環状に配列される二次冷却水衝突中心位置P1に向けて冷却水Wをシャワー状に放水して冷却するので、冷却能力が大きい。
<三次冷却ノズルの構成>
図3及び図4に示すように、三次冷却ノズル63は、ウォータジャケット61中の冷却水Wを、冷却鋳型5内から引き出された鋳造棒4の表面に放水して三次冷却する冷却水噴射ノズルである。換言すると、三次冷却ノズル63は、冷却鋳型5から引き出されて鋳造方向に送られた鋳造棒4の二次冷却水衝突中心位置P1(二次冷却水衝突領域P10)から鋳造方向に離間された三次冷却水衝突中心位置P2(三次冷却水衝突領域P20)に、一次冷却で使用した冷却水Wを放水して、その鋳造棒4を強制冷却するノズルである。三次冷却ノズル63は、開口端5eの外周の外壁5fに周方向に前記二次冷却ノズル62から1/2ピッチ分ずれた位置にピッチP間隔で多数形成されると共に、鋳造棒4に対する鋳造方向の三次冷却ノズル63の三次冷却水噴射角度θ2が5度〜45度(好ましくは8.5度)に設定されている。
図4に示すように、三次冷却水噴射角度θ2を5度〜45度にすることにより、三次冷却ノズル63から放水される冷却水Wは、二次冷却ノズル62の冷却水が鋳造棒4に衝突する二次冷却水衝突領域P10に対して、三次冷却ノズル63の冷却水が鋳造棒4に衝突する三次冷却水衝突領域P20を重なり合うことがない部位に向けて放水できるようになる。
三次冷却水噴射角度θ2が45度より大きい角度の場合は、三次冷却ノズル63の三次冷却水で冷却する三次冷却水衝突領域P20が二次冷却水衝突領域P10に寄り過ぎた部位を三次冷却することになる。三次冷却水噴射角度θ2が5度より小さい角度の場合は、三次冷却水衝突領域P20が所望とする最適な位置よりも鋳造方向に離れた部位を三次冷却ノズル63の二次冷却水で冷却することになる。
三次冷却水衝突領域P20は、三次冷却ノズル63の噴射口から前後左右方向に徐々に広がって放水された冷却水Wが、鋳造棒4の表面に衝突するときの領域である。
始点P21は、三次冷却水衝突領域P20の最も基端側の位置である。始点P21は、前記二次冷却水衝突領域P10の終点P12から鋳造方向に適宜な間隔だけ離間した位置にある。
終点P22は、三次冷却水衝突領域P20の最も先端側の位置である。終点P22は、始点P21から三次冷却水衝突領域P20の長さ分だけ鋳造方向へ移動した位置である。
三次冷却水衝突中心位置P2とは、三次冷却ノズル63から放水された冷却水Wの中心部が鋳造棒4に衝突する位置であり、前記二次冷却水衝突中心位置P1から鋳造方向に後記する冷却水衝突位置間隔Y分だけ離間した位置である。
冷却水衝突位置間隔Yは、前記二次冷却水衝突中心位置P1から三次冷却ノズル63から放水された冷却水Wが鋳造棒4に衝突する三次冷却水衝突中心位置P2までの間隔であり、鋳造棒4の直径Xに対して、30〜60%の比率Rになるように設定されている。
二次冷却水衝突中心位置P1と三次冷却水衝突中心位置P2との間に前記比率Rの冷却水衝突位置間隔Yが介在されるように、二次冷却ノズル62と三次冷却ノズル63とが相違する角度に傾けて冷却鋳型5に設けられていることにより、高温な鋳造棒4によって沸騰状態に加熱された二次冷却水衝突領域P10の二次冷却水から鋳造方向に冷却水衝突位置間隔Y分だけ離間した部位に、三次冷却ノズル63の三次冷却水を当てることができるようになる。このため、三次冷却ノズル63から噴射された三次冷却水は、沸騰状態の二次冷却水の二次冷却水衝突中心位置P1から離れた部位を適宜なタイミングで間欠的に冷却することにより、沸騰状態の二次冷却水があったとしても、その二次冷却水(膜状の蒸気)を弾き飛ばして鋳造棒4の表面に直接当てて再度強制冷却することができるため、鋳造棒4を効果的に冷却することが可能となる。
その冷却水衝突位置間隔Yは、例えば、直径Xが90mmの鋳造棒4を鋳造する場合、36〜54mm程度である。また、冷却水衝突位置間隔Yは、例えば、直径Xが65mmの鋳造棒4を鋳造する場合、26〜39mm程度である。
なお、冷却水衝突位置間隔Yが鋳造棒4の直径Xに対して30〜60%以下の比率Rである場合は、二次冷却水衝突中心位置P1と三次冷却水衝突中心位置P2との間隔が小さく、二次冷却水衝突領域P10と三次冷却水衝突領域P20とが重なり合うので、二次冷却ノズル62の流量を増加して二次冷却水衝突領域P10の範囲を広げた1つの領域を二次冷却ノズル62のみで放水したときと同じ結果になる。このため、効率よく鋳造棒4を冷却することはできない。
また、冷却水衝突位置間隔Yが鋳造棒4の直径Xに対して30〜60%以上の比率Rである場合は、二次冷却水衝突中心位置P1と三次冷却水衝突中心位置P2との間隔が大きくなり過ぎて、二次冷却ノズル62から放水され冷却水Wが、鋳造面5a及び二次冷却水衝突領域P10から鋳造方向へ大きく離れた鋳造棒4の部位を冷却することになる。このため、二次冷却ノズル62の冷却水Wで二次冷却した際に、鋳造棒4の軸心部位が凝固されず、液相と固相との境界線aが鋳造方向に長く、固液共存の状態が長くなるので、割れが発生する可能性が高くなる。
そして、冷却水衝突位置間隔Yの鋳造棒4の直径Xに対する比率Rが30〜60%の場合には、高速で連続鋳造する際に、二次冷却ノズル62から放水される二次冷却水と、三次冷却ノズル63から放水される三次冷却水とで、鋳造棒4に割れが発生しない最適な冷却位置を冷却することになるが、後記する実施例の実験で確認できている。
図5(a)、(b)に示すように、三次冷却ノズル63は、例えば、二次冷却ノズル62と同様に、口径が2mm程度の大きさの孔を10mmのピッチPの間隔で、拡開部5dの外周の外壁5fに多数(例えば、20個)設けられている。このため、三次冷却ノズル63は、鋳造棒4の外周部に向けて冷却水Wをシャワー状に放水するようになっている。
≪潤滑剤供給装置の構成≫
図3に示すように、潤滑剤供給装置7は、溶湯3が供給される冷却鋳型5の鋳造面5aに潤滑剤を注入することによって、溶湯3が鋳造面5aに焼き付くのを防止するための装置である。潤滑剤供給装置7は、潤滑油等の潤滑剤を貯留したタンク(図示省略)と、タンク内の潤滑剤を冷却鋳型5に供給する潤滑剤供給配管71(図1参照)と、この潤滑剤供給配管71が接続されて、潤滑剤供給配管71から送られて来た潤滑剤を冷却鋳型5の鋳造面5aに供給する潤滑剤供給路72と、を備えている。
≪搬送装置の構成≫
図1に示すように、搬送装置8は、冷却鋳型5で鋳造された鋳造棒4を搬送する装置であり、例えば、モータ(図示省略)によって回転される複数のローラ81等を備えている。ローラ81は、冷却鋳型5の開口端5eの近傍の下側から鋳造棒4が送られる鋳造方向に沿って、鋳造棒4の下側に敷設するように複数配置されている。
≪作用≫
次に、本発明の実施形態に係る水平連続鋳造装置及び水平連続鋳造方法の作用を説明する。
図1及び図2に示すように、水平連続鋳造装置1で鋳造棒4を連続鋳造する場合は、まず、保持炉2内の溶湯3を溶湯供給口5bから冷却鋳型5の鋳造面5a内にゆっくりと流し込む。冷却鋳型5は、鋳造面5aの外側の冷却鋳型5内にウォータジャケット61が内設されていることにより、ウォータジャケット61内を流れる冷却水Wと、溶湯3によって加熱された冷却鋳型5とが熱交換されて冷却される。この場合、ウォータジャケット61内を流れる冷却水Wは、下流の2つの二次冷却ノズル62及び三次冷却ノズル63から放水する都合上、流速が速く、水量が多く、水圧が高く設定されている。このため、ウォータジャケット61は、従来の循環タイプのウォータジャケットと比較して冷却能力が高く、鋳造速度が速くても、いわゆる発汗という現象や、溶湯3が鋳造面5aから出るブレークアウトが起きるのを防止することができる。そのウォータジャケット61で冷却された冷却鋳型5内に送られた溶湯3は、鋳造面5aに接触することにより一次冷却されると共に、潤滑剤供給装置7から供給された潤滑剤で潤滑されながら、溶湯3の表層に凝固殻が形成されて丸棒形状(鋳造棒4)に凝固される。このときの鋳造速度は、200〜500mm/minである。
図3及び図4に示すように、前記一次冷却に使用したウォータジャケット61内の冷却水Wは、周方向にピッチPの間隔で多数の配置された二次冷却ノズル62及び三次冷却ノズル63から鋳造棒4の外周面に向けてシャワー状に放水されている(図1及び図5参照)。鋳造面5aを通過した鋳造棒4は、拡開部5dの鋳造方向先端の開口端5e付近の二次冷却水衝突領域P10まで搬送装置8(図2参照)によって搬送されると、円筒状の二次冷却水衝突領域P10で多数の二次冷却ノズル62から放水された冷却水Wがシャワー状に衝突して二次冷却される。鋳造棒4に衝突した冷却水Wは、二次冷却ノズル62から噴射された勢いで二次冷却水衝突領域P10よりもさらに広い範囲に亘って浸水して鋳造棒4を二次冷却した後、下方へ落ちて回収される。この二次冷却によって、鋳造棒4の内部の溶融状態であった溶湯3が、強制冷却されて芯まで凝固される。
このように鋳造棒4は、鋳造面5aから出ると直ぐに二次冷却ノズル62の冷却水Wによって強制冷却されることにより、鋳造速度が速くても、液相と固相との境界線aが鋳造方向に長く形成されるのを抑制して短くすることができる。
鋳造棒4は、搬送装置8によって鋳造方向に搬送され、二次冷却水衝突領域P10の終点P12より先まで送られると、二次冷却ノズル62から噴射された冷却水Wが直接当たらなくなる。鋳造棒4は、搬送装置8によってさらに鋳造方向に搬送されて、三次冷却水衝突領域P20まで送られると、環状に配置された多数の三次冷却ノズル63から放水された冷却水Wが前記二次冷却と同様に当たって三次冷却される。ウォータジャケット61と二次冷却ノズル62とによって強制冷却された鋳造棒4は、さらに、この三次冷却ノズル63により、適宜なタイミングをあけて三段階に亘って効率よく冷却されて鋳造される。さらに、鋳造棒4は、搬送装置8(図2参照)によって引っ張られるようにして鋳造方向へ搬送される。
このように、本発明の実施形態に係る水平連続鋳造装置1は、溶湯3を一次冷却、二次冷却及び三次冷却することによって、冷却装置6の冷却能力が向上されて、鋳造速度が高速であっても、割れが発生することなく、品質のよい鋳造棒4をハイスピードで連続鋳造して生産することができる。このため、水平連続鋳造装置1は、鋳造棒4を生産するスピード及び生産性が向上されて、短時間で多量に生産できるので、コストの低減を図ることができる。
次に、表1、図4及び図5(a)、(b)を主に参照して実施例を説明する。なお、既に説明した構成は同じ符号を付してその説明を省略する。
表1は、本発明の実施形態に係る水平連続鋳造装置を用いたφ90及びφ65の鋳造棒を実際に鋳造した際のデータを示す表である。
Figure 0005379671
実施例では、図4及び図5(a)に示す冷却装置6を備えた水平連続鋳造装置1で溶湯3から鋳造棒4を連続鋳造した際に割れが発生するかを確認するために、ウォータジャケット61に流入する水量を3気圧、水温及び室温を30℃、鋳塊径が90mmのときの二次冷却ノズル62及び三次冷却ノズル63が放出する流量を90リットル/分±10%、鋳塊径が65mmのとき二次冷却ノズル62及び三次冷却ノズル63が放出する流量を65リットル/分±10%、溶湯3の材料をアルミニウム合金(KD610(神戸製鋼所))として、鋳造面5aがφ90の冷却鋳型5と、鋳造面5aがφ65の冷却鋳型5と、図6に示す前記従来の水平連続鋳造装置100を使用して実験を行い、割れの発生の割れ性について確認した。
この場合、各条件で鋳造した100本の鋳造棒4を3mの長さに切断し、超音波探傷検査装置により内部割れを検査した。割れの本数が0〜5%のものの評価を◎、割れの本数が5〜10%のものの評価を○、割れの本数が10〜20%のものの評価を△、割れの本数が20%以上のものの評価を×とし、割れの本数が20%未満のものを合格として評価をした。
<φ90の冷却鋳型の場合>
まず、表1に示すように、鋳造面5aがφ90の冷却鋳型5,500(図6及び図7参照)で鋳造棒4の直径X(鋳塊径)が90mmの鋳造棒4,400を鋳造速度260mm/minで連続鋳造した。
初めに、図6に示す前記従来の冷却鋳型500を使用して、二次冷却水衝突中心位置P1が5mm、三次冷却ノズル63なし、冷却水衝突位置間隔Yが0mm、冷却水衝突位置間隔Yの鋳造棒4の鋳塊径に対する比率Rを0%、二次冷却水噴射角度θ1を45度として連続鋳造した。冷却鋳型500の場合は、鋳造棒4に割れが発生し、割れ性が悪い(×)。
次に、鋳型タイプA(表1参照)の冷却鋳型5を使用し、図3及び図4に示す二次冷却水衝突中心位置P1が5mm、三次冷却水衝突中心位置P2が26mm、冷却水衝突位置間隔Yが21mm、前記比率Rが23%、二次冷却水噴射角度θ1が45度、三次冷却水噴射角度θ2が20度の水平連続鋳造装置1で鋳造棒4を連続鋳造した。鋳型タイプAの場合、割れが発生し、割れ性は悪い(×)。
鋳型タイプB(表1参照)の冷却鋳型5を使用し二次冷却水衝突中心位置P1が5mm、三次冷却水衝突中心位置P2が45mm、冷却水衝突位置間隔Yが40mm、前記比率Rが44%、二次冷却水噴射角度θ1が45度、三次冷却水噴射角度θ2が12度の水平連続鋳造装置1で鋳造棒4を連続鋳造した。鋳型タイプBの場合、割れが発生せず、割れ性は良かった(○)。
鋳型タイプC(表1参照)の冷却鋳型5を使用し二次冷却水衝突中心位置P1が25mm、三次冷却水衝突中心位置P2が55mm、冷却水衝突位置間隔Yが30mm、前記比率Rが33%、二次冷却水噴射角度θ1が18度、三次冷却水噴射角度θ2が10度の水平連続鋳造装置1で鋳造棒4を連続鋳造した。鋳型タイプCの場合、僅かに割れが発生し、割れ性は冷却鋳型500で鋳造するときよりも向上された(△)。
鋳型タイプD(表1参照)の冷却鋳型5を使用し二次冷却水衝突中心位置P1が15mm、三次冷却水衝突中心位置P2が65mm、冷却水衝突位置間隔Yが50mm、前記比率Rが56%、二次冷却水噴射角度θ1が25度、三次冷却水噴射角度θ2が8.5度の水平連続鋳造装置1で鋳造棒4を連続鋳造した。鋳型タイプDの場合、割れが全く発生せず、割れ性は良好であった(◎)。
鋳型タイプE(表1参照)の冷却鋳型5を使用し二次冷却ノズル62なし、三次冷却水衝突中心位置P2が45mm、冷却水衝突位置間隔Yが0mm、前記比率Rが0%、三次冷却水噴射角度θ2が12度の水平連続鋳造装置1で鋳造棒4を連続鋳造した。鋳型タイプEの場合、鋳塊上部が半溶融状態で、鋳塊が千切れて湯漏れのおそれがあったため、鋳造開始直後に実験を中止した。このため、割れ性の評価は行っていない。
このように、φ90の冷却鋳型5の場合、鋳型タイプA〜D(表1参照)の冷却鋳型5は、三次冷却水衝突中心位置P2を鋳型タイプAの5mmより大きい15mm以上にし、冷却水衝突位置間隔Yを鋳型タイプAの21mmより大きい50mm(冷却水衝突位置間隔Yを鋳造棒4の直径Xに対して約30〜60%)にすることにより、割れが発生するのを防止できることを確認できた。これにより、水平連続鋳造装置1は、高品質の鋳造棒4を製造することができるといえる。
なお、冷却水衝突位置間隔Yが鋳造棒4の直径Xに対して100%以上に広い場合には、三次冷却ノズル63による冷却効果が小さくなり、割れ抑制効果が小さくなるものと推測される。また、冷却水衝突位置間隔Yは、鋳造速度依存性を持つものと考えられるが、冷却鋳型5で直径Xが90mmの鋳造棒4を鋳造する場合に通常通り得られる鋳造速度が200〜500mm/minでは、鋳造速度依存性を考慮せずに、冷却水衝突位置間隔Yを設定しても、事実上問題がない。
<φ65の冷却鋳型の場合>
次に、表1に示すように、鋳造面5aがφ65の冷却鋳型5,500で鋳造棒4の直径Xが65mmの鋳造棒4,400を鋳造速度385mm/minで連続鋳造した。
初めに、図6に示す従来の冷却鋳型500を使用して、二次冷却水衝突中心位置P1が5mm、三次冷却水衝突中心位置P2が5mm(つまり、三次冷却ノズル63なし)、冷却水衝突位置間隔Yが0mm、冷却水衝突位置間隔Yの鋳造棒4の鋳塊径に対する比率Rを0%、二次冷却水噴射角度θ1が45度として連続鋳造した。冷却鋳型500の場合は、鋳造棒4に割れが発生し、割れ性が悪い(×)といえる。
次に、鋳型タイプD1(表1参照)の冷却鋳型5を使用し、図3及び図4に示す二次冷却水衝突中心位置P1が15mm、三次冷却水衝突中心位置P2が48mm、冷却水衝突位置間隔Yが33mm、前記比率Rが51%、二次冷却水噴射角度θ1が25度、三次冷却水噴射角度θ2が8.5度の水平連続鋳造装置1で鋳造棒4を連続鋳造した。鋳型タイプD1の場合、割れが発生せず、割れ性は良かった(○)。
鋳型タイプD2(表1参照)の冷却鋳型5を使用し二次冷却水衝突中心位置P1が15mm、三次冷却水衝突中心位置P2が48mm、冷却水衝突位置間隔Yが33mm、前記比率Rが51%、二次冷却水噴射角度θ1が45度、三次冷却水噴射角度θ2が30度の水平連続鋳造装置1で鋳造棒4を連続鋳造した。鋳型タイプD2の場合、割れが発生せず、割れ性は良かった(○)。
鋳型タイプD3(表1参照)の冷却鋳型5を使用し二次冷却水衝突中心位置P1が15mm、三次冷却水衝突中心位置P2が40mm、冷却水衝突位置間隔Yが25mm、前記比率Rが38%、二次冷却水噴射角度θ1が45度、三次冷却水噴射角度θ2が30度の水平連続鋳造装置1で鋳造棒4を連続鋳造した。鋳型タイプD3の場合、割れが僅かに発生した(△)。
このように、φ65の冷却鋳型5の場合、鋳型タイプD1,D2(表1参照)の冷却鋳型5は、三次冷却水衝突中心位置P2を鋳型タイプD3の40mmより大きい48mmにし、冷却水衝突位置間隔Yを鋳型タイプD3の25mmより大きい33mmにすることにより、割れの発生を防止できることが確認できた。これにより、高品質の鋳造棒4を製造することができる。
なお、本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、その技術的思想の範囲内で種々の改造及び変更が可能であり、本発明はこれら改造及び変更された発明にも及ぶことは勿論である。
例えば、前記実施形態では、図3及び図4に示すように、二次冷却ノズル62の噴射口の位置P0を、鋳造面5aの先端から鋳造方向へ少しずらした位置に配置した場合を説明したが、その噴射口を鋳造面5aの先端の隣接した位置に配置しても構わない。
このようにすれば、冷却装置1の冷却能力がさらに向上され、鋳造速度が速くても、発汗や、ブレークアウトが発生するのを確実に防止することができる。
1 水平連続鋳造装置
3 溶湯
4 鋳造棒
5 冷却鋳型
5a 鋳造面
5b 溶湯供給口
5c 開口部
5d 拡開部
5e 開口端
6 冷却装置
61 ウォータジャケット
62 二次冷却ノズル
63 三次冷却ノズル
P ピッチ(所定間隔)
P1 二次冷却水衝突中心位置
P2 三次冷却水衝突中心位置
P10 二次冷却水衝突領域
P20 三次冷却水衝突領域
R 冷却水衝突位置間隔の鋳造棒の鋳塊径に対する比率
W 冷却水
X 鋳造棒の直径
Y 冷却水衝突位置間隔
θ1 二次冷却水噴射角度
θ2 三次冷却水噴射角度

Claims (4)

  1. 溶湯を冷却鋳型に設けた冷却装置によって、一次冷却、二次冷却及び三次冷却しながら鋳造棒を200〜500mm/minの鋳造速度で連続的に鋳造する水平連続鋳造装置であって、
    前記冷却鋳型には、鋳造面に潤滑剤を供給する潤滑剤供給装置が設けられ、
    前記冷却装置は、前記冷却鋳型に内設されて、当該冷却鋳型を冷却することにより当該冷却鋳型内を通過する前記溶湯を前記一次冷却するウォータジャケットと、
    前記ウォータジャケット中の冷却水を、前記冷却鋳型内から引き出された前記鋳造棒の表面に放水して前記二次冷却する二次冷却ノズルと、
    前記ウォータジャケット中の前記冷却水を、前記冷却鋳型内から引き出されて鋳造方向に送られた前記鋳造棒の表面に放水して前記三次冷却する三次冷却ノズルと、を備え、
    前記二次冷却ノズルから放水された前記冷却水が前記鋳造棒に衝突する二次冷却水衝突中心位置から鋳造方向に離間され、前記三次冷却ノズルから放水された前記冷却水が前記鋳造棒に衝突する三次冷却水衝突中心位置までの冷却水衝突位置間隔(Y)が、前記鋳造棒の直径に対して、30〜60%の比率(R)になるように設定されていることを特徴とする水平連続鋳造装置。
  2. 前記冷却鋳型は、鋳造面の鋳造方向の開口部内に拡開して形成された拡開部を有し、
    前記二次冷却ノズルは、前記拡開部の溶湯供給口寄りに形成されると共に、前記鋳造棒に対する鋳造方向の前記二次冷却ノズルの二次冷却水噴射角度(θ1)が20度〜50度に設定され、
    前記三次冷却ノズルは、前記拡開部の開口端寄りに形成されると共に、前記鋳造棒に対する鋳造方向の前記三次冷却ノズルの三次冷却水噴射角度(θ2)が5度〜45度に設定されていることを特徴とする請求項1に記載の水平連続鋳造装置。
  3. 前記二次冷却ノズル及び前記三次冷却ノズルは、円筒状に形成された前記拡開部に、周方向に所定間隔で複数配置されていることを特徴とする請求項2に記載の水平連続鋳造装置。
  4. 請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の水平連続鋳造装置を用いて、前記ウォータジャケットと、前記二次冷却ノズルと、前記三次冷却ノズルとで前記溶湯を冷却しながら前記鋳造棒を製造することを特徴とする水平連続鋳造方法。
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