JP7261596B2 - 潤滑油用粘度指数向上剤および潤滑油組成物 - Google Patents
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Description
即ち、本発明は、以下の〔1〕~〔7〕により特定される。
前記固形物(S)は、グラフト共重合体(X)を含み、
前記グラフト共重合体(X)は、
エチレンと炭素数3~8のα-オレフィンとの共重合体であるエチレン・α-オレフィン共重合体(A)に由来する主鎖部と、
(メタ)アクリル酸エステル共重合体(B)に由来するグラフト部と
を含み、かつ
15~400%の、下記式(I)で定義されるグラフト化率を有し、
前記(メタ)アクリル酸エステル共重合体(B)は、2種以上の(メタ)アクリル酸エステルの共重合体であり、
前記(メタ)アクリル酸エステルのアルキル基(すなわち、アクリロイルオキシ基またはメタクリロイルオキシ基に結合したアルキル基)の平均炭素数が8以上である
ことを特徴とする潤滑油用粘度指数向上剤。
グラフト化率(%)={(グラフト共重合体(X)の質量)-(エチレン・α-オレフィン共重合体(A)の質量)}/(エチレン・α-オレフィン共重合体(A)の質量)×100 …(I)
〔2〕前記α-オレフィンが、プロピレンおよびブテンから選ばれる1種以上であることを特徴とする、前記〔1〕に記載の潤滑油用粘度指数向上剤。
〔3〕前記グラフト共重合体(X)の、135℃のデカリン溶媒中で測定した極限粘度[η]が、0.05~15dL/gであることを特徴とする前記〔1〕または〔2〕に記載の潤滑油用粘度指数向上剤。
〔4〕前記(メタ)アクリル酸エステル共重合体(B)が(メタ)アクリル酸C1-6アルキルと(メタ)アクリル酸C7-36アルキルとの共重合体であることを特徴とする前記〔1〕~〔3〕のいずれかに記載の潤滑油用粘度指数向上剤。
〔5〕前記固形物(S)中の前記グラフト共重合体(X)の割合が、95質量%以上であることを特徴とする前記〔1〕~〔4〕のいずれかに記載の潤滑油用粘度指数向上剤。
〔6〕前記固形物(S)を80質量%以上含むことを特徴とする前記〔1〕~〔5〕のいずれかに記載の潤滑油用粘度指数向上剤。
〔7〕(i)前記〔1〕~〔6〕のいずれか一項に記載の潤滑油用粘度指数向上剤0.2~50質量部と、
(ii)鉱油、合成炭化水素油及びエステル油から選ばれる少なくとも1種類からなり、かつ、100℃での動粘度が1~20mm2/sの範囲にあるベースオイル50~99.8質量部(ただし、前記(i)と(ii)の合計は100質量部である。)と、任意に、
(iii)清浄分散剤、粘度指数向上剤、酸化防止剤、腐食防止剤、耐磨耗剤、摩擦調整剤、流動点降下剤、防錆剤、消泡剤および極圧剤からなる群より選ばれた少なくとも1種類の添加剤と、を含むことを特徴とする潤滑油組成物。
<潤滑油用粘度指数向上剤>
本発明の潤滑油用粘度指数向上剤は、固形物(S)を含有し、固形物(S)は、エチレン・α-オレフィン共重合体(A)に由来する主鎖部と、(メタ)アクリル酸エステル共重合体(B)に由来するグラフト部とを有するグラフト共重合体(X)を含む。
固形物(S)は、常温で流動性を有さない固形の成分であり、粉体やペレットなどの粒子形状の他、ベールやフィルムやシートや繊維など、各種成形加工品の形状でもよい。
固形物(S)は、グラフト共重合体(X)を含み、好ましくはグラフト共重合体(X)を主成分として含む。具体的には、固形物(S)のうち、グラフト共重合体(X)を好ましくは80質量%以上、より好ましくは90質量%以上、さらに好ましくは95質量%以上を占めるのが望ましい。固形物(S)中の、グラフト共重合体(X)以外の成分としては、たとえば、酸化防止剤などが挙げられ、さらに、グラフト共重合体(X)の製造方法にも依るが、以下に説明するエチレン・α-オレフィン共重合体(A)の単体、および(メタ)アクリル酸エステル共重合体(B)の単体も挙げられる。
本発明に用いられるグラフト共重合体(X)は、
エチレンと炭素数3~8のα-オレフィンとの共重合体であるエチレン・α-オレフィン共重合体(A)に由来する主鎖部と、
(メタ)アクリル酸エステル共重合体(B)に由来するグラフト部と
を含む。
なお、本発明において、(メタ)アクリルとはアクリルまたはメタクリルを意味する。
本発明に用いられるエチレン・α-オレフィン共重合体(A)は、エチレンと、炭素数3~8のα-オレフィンとの共重合体である。
炭素数3~8のα-オレフィンとしては、プロピレン、ブテン-1、ペンテン-1、2-メチルブテン-1、3-メチルブテン-1、ヘキセン-1、3-メチルペンテン-1、4-メチルペンテン-1、3,3-ジメチルブテン-1、ヘプテン-1、メチルヘキセン-1、ジメチルペンテン-1、トリメチルブテン-1、エチルペンテン-1、オクテン-1、メチルペンテン-1、ジメチルヘキセン-1、トリメチルペンテン-1、エチルヘキセン-1、メチルエチルペンテン-1、ジエチルブテン-1、プロピルペンテン-1等が挙げられる。これらのα-オレフィンは、1種単独で用いられていてもよく、2種以上組み合わせて用いられていてもよい。
本発明に用いられるグラフト共重合体(X)は、(メタ)アクリル酸エステル共重合体(B)に由来するグラフト部を有する。
(メタ)アクリル酸エステル共重合体(B)は、2種以上の(メタ)アクリル酸エステルの共重合体である。(メタ)アクリル酸エステル共重合体(B)は、本発明の効果を損なわない範囲で(メタ)アクリル酸エステルに由来する構造単位以外の構造単位を含んでいてもよく、含んでいなくてもよい。
グラフト共重合体(X)のグラフト部を構成する、(メタ)アクリル酸エステルに由来する構成単位のアルキル基((メタ)アクリロイルオキシ基由来の構成単位に結合したアルキル基)の平均炭素数は、8以上である。
前記平均炭素数は、例えば、グラフト共重合体(X)について13C-NMR測定を行い、得られた各ピークの面積の比に基づいて求めることができる。
本発明に用いられるグラフト共重合体(X)は、上述したエチレン・α-オレフィン共重合体(A)に由来する主鎖部と、(メタ)アクリル酸エステル共重合体(B)に由来するグラフト部とを有する。なお本発明では、グラフト部の鎖長が主鎖部の鎖長よりも長い場合においても、エチレン・α-オレフィン共重合体(A)に由来する部分を主鎖部、(メタ)アクリル酸エステル共重合体(B)に由来する部分をグラフト部として扱う。
グラフト化率(%)={(グラフト共重合体(X)の質量)-(エチレン・α-オレフィン共重合体(A)の質量)}/(エチレン・α-オレフィン共重合体(A)の質量)×100 …(I)
(i)エチレン・α-オレフィン共重合体(A)および(メタ)アクリル酸エステル共重合体(B)(いずれも組成は問わない。)を準備する。
(ii)これらの共重合体を混合してブレンド樹脂を作製する。この際、各共重合体の配合割合を変えて、複数種のブレンド樹脂を作製する。
(iii)各ブレンド樹脂について、赤外分光法(IR)により吸光度比(エチレン・α-オレフィン共重合体由来の吸収A4322とエステル部位由来の吸収A967との比)を測定し、エチレン・α-オレフィン共重合体の割合と吸光度比との関係を表す検量線を作成する。
(iv)グラフト共重合体(X)の前記吸光度比を測定し、その測定値と前記検量線からグラフト共重合体(X)中のエチレン・α-オレフィン共重合体(A)の割合を求め、グラフト共重合体(X)の質量と前記割合から、エチレン・α-オレフィン共重合体(A)の質量を算出する。
本発明に用いられるグラフト共重合体(X)は、上述のように、エチレン・α-オレフィン共重合体(A)に対して、(メタ)アクリル酸エステル共重合体(B)を導入して得てもよく、また、エチレン・α-オレフィン共重合体(A)に対して、(メタ)アクリル酸エステル共重合体(B)の単量体であるアクリル酸エステルまたはメタクリル酸エステルをグラフト共重合することによって得てもよい。
グラフト重合反応に用いられる溶媒としては、水の他、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶媒、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカン等の脂肪族炭化水素系溶媒、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、デカヒドロナフタレン等の脂環族炭化水素系溶媒、クロルベンゼン、ジクロルベンゼン、トリクロルベンゼン、塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素、テトラクロルエチレン等の塩素化炭化水素系溶媒、1-メチル-2-ピロリドン、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、γ-ブチロラクトン、N-メチル-2-ピロリドン、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、アセチルクエン酸トリブチル、2,4-ペンタジエン、ジメチルスルフォキシド、n-アルキルアジペート、2,2,4-トリメチル-1,3-ペンタンジオールジイソブチレート、3-メトキシ-3-メチル-1-ブチルアセテート、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、アセトフェノン、ベンゾフェノン、シクロヘキサノンなどのケトン;ベンジルアルコール、1-ブタノール、2-ブタノール、t-ブタノール、1-ペンタノール、2-ペンタノール、3-ペンタノール、2-エチル-1-ヘキサノール、ノルマルプロピルアルコール、イソプロピルアルコール、エタノール、メタノールなどのアルコール;エチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、アニソール、フェニルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフランなどのエーテル;酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステルを挙げることができる。これらの溶媒は、1種単独で用いてもよく、あるいは、2種以上を組み合わせたものであっても良い。
ここで、洗浄工程は、洗浄温度を洗浄溶媒の大気圧における沸点よりも高く設定する場合には、洗浄溶媒の揮散を防止するために、密閉状態で行うことが好ましい。
本発明の潤滑油用粘度指数向上剤は、上述した固形物(S)を含有し、固形物(S)は、エチレン・α-オレフィン共重合体(A)に由来する主鎖部と、(メタ)アクリル酸エステル共重合体(B)に由来するグラフト部とを有するグラフト共重合体(X)を含む。好ましくは、潤滑油用粘度指数向上剤のうち固形物(S)が80質量%以上、より好ましくは90質量%以上、さらに好ましくは95質量%以上を占める。
本発明の潤滑油組成物は、
(i)上記のグラフト共重合体(X)を含む潤滑油用粘度指数向上剤0.2~50質量部、好ましくは0.2~25質量部、より好ましくは0.25~10質量部、特に好ましくは0.25~5質量部、より特に好ましくは0.3~2.5質量部と、
(ii)鉱油、合成炭化水素油及びエステル油から選ばれる少なくとも1種類からなり、かつ、100℃での動粘度が1~20mm2/sの範囲にあるベースオイル50~99.8質量部(ただし、前記(i)と(ii)の合計は100質量部である)と、必要に応じて、
(iii)清浄分散剤、粘度指数向上剤、酸化防止剤、腐食防止剤、耐磨耗剤、摩擦調整剤
、流動点降下剤、防錆剤、消泡剤および極圧剤からなる群より選ばれた少なくとも1種類の添加剤と、を含む。
本発明の潤滑油組成物に必要に応じて用いられる添加剤としては、下記のものを例示することができ、これらを単独または2種以上組み合わせて用いることができる。
流動点降下剤:ポリメタクリレート、アルキルナフタレン等を例示することができ、通常0~3質量%の範囲で用いられる。
極圧剤:スルフィド類、スルホキシド類、スルホン類、チオホスフィネート類、チオカーボネート類、硫化油脂、硫化オレフィン等のイオウ系極圧剤;リン酸エステル、亜リン酸エステル、リン酸エステルアミン塩、亜リン酸エステルアミン類等のリン酸類;塩素化炭化水素等のハロゲン系化合物などを例示することができる。極圧剤は、必要に応じて0~15質量%の範囲で用いられる。
耐磨耗剤:二硫化モリブデンなどの無機または有機モリブデン化合物、アルキルメルカプチルボレート等の有機ホウ素化合物;グラファイト、硫化アンチモン、ホウ素化合物、ポリテトラフルオロエチレン等を例示することができる。摩耗防止剤は、必要に応じて0~3質量%の範囲で用いられる。
酸化防止剤:2,6-ジ-tert-ブチル-4-メチルフェノール等のフェノール系やアミン系の化合物が挙げられる。酸化防止剤は、必要に応じて0~3質量%の範囲で用いられる。
防錆剤:各種アミン化合物、カルボン酸金属塩、多価アルコールエステル、リン化合物、スルホネートなどの化合物が挙げられる。防錆剤は、必要に応じて0~3質量%の範囲で用いられる。
消泡剤:ジメチルシロキサン、シリカゲル分散体等のシリコーン系化合物、アルコール系またはエステル系の化合物などを例示することができる。消泡剤は、必要に応じて0~0.2質量%の範囲で用いられる。
本発明に係る潤滑油組成物には、上記の添加剤以外にも、抗乳化剤、着色剤、油性剤(油性向上剤)などを必要に応じて用いることができる。
以下の実施例等において、測定および評価方法は次の通りである。
重量平均分子量(Mw)、数平均分子量(Mn)は、東ソー社製のHLC-8321 GPC/HT型 ゲル浸透クロマトグラフ(GPC)を用いて以下のように測定した。
サンプル約20mgをデカリン15mlに溶解し、135℃のオイルバス中で比粘度ηspを測定した。このデカリン溶液にデカリン溶媒を5ml追加して希釈し、その後同様にして比粘度ηspを測定した。この希釈操作をさらに2回繰り返し、濃度(C)を0に外挿した時のηsp/Cの値を極限粘度[η]として求めた。
[η]=lim(ηsp/C) (C→0)
グラフト共重合体のグラフト化率は、下記式(I)により求めた。
グラフト化率(%)={(グラフト共重合体(X)の質量)-(エチレン・α-オレフィン共重合体(A)の質量)}/(エチレン・α-オレフィン共重合体(A)の質量)×100 …(I)
動粘度、粘度指数はJIS K2283に記載の方法により、100℃および40℃での動粘度を測定し、粘度指数を算出した。
ASTM D 5293に基づいて測定を行なった。CCS粘度はクランク軸における低温・始動時の摺動性の評価に用いられ、値が小さい程、潤滑油の低温特性がよいことを示す。
配合油の25℃における外観を目視で観察し、以下の基準で評価した。
透明:透明であった。
白濁:白濁が認められた。
エチレン・α-オレフィン共重合体(A)として、MFR=59.3(g/10分、190℃、2.16kgf)、エチレン含有量78mol%、極限粘度[η]=0.84dL/gのエチレン・プロピレン共重合体ペレット(EP-1)を用い、グラフトモノマーとして、アルキル基の炭素数が1のメタクリル酸エステルであるメタクリル酸メチル(MMA)、及びアルキル基の炭素数が12のメタクリル酸エステルであるメタクリル酸ドデシル(DMA)を用いた。
エチレン・α-オレフィン共重合体(A)として、重合例1で用いたエチレン・プロピレン共重合体ペレット(EP-1)を用い、グラフトモノマーとして、メタクリル酸メチル(MMA)及びメタクリル酸ドデシル(DMA)を用いた。
エチレン・α-オレフィン共重合体(A)として、重合例1で用いたエチレン・プロピレン共重合体ペレット(EP-1)を用い、グラフトモノマーとして、メタクリル酸メチル(MMA)及びメタクリル酸ドデシル(DMA)を用いた。
エチレン・α-オレフィン共重合体(A)として、重合例1で用いたエチレン・プロピレン共重合体ペレット(EP-1)を用い、グラフトモノマーとして、メタクリル酸メチル(MMA)、及びアルキル基の炭素数が18のメタクリル酸エステルであるメタクリル酸ステアリル(SMA)を用いた。
エチレン・α-オレフィン共重合体(A)として、重合例1で用いたエチレン・プロピレン共重合体ペレット(EP-1)を用い、グラフトモノマーとして、メタクリル酸メチル(MMA)、メタクリル酸ドデシル(DMA)及びメタクリル酸ステアリル(SMA)を用いた。
エチレン・α-オレフィン共重合体(A)として、重合例1で用いたエチレン・プロピレン共重合体ペレット(EP-1)を用い、グラフトモノマーとして、メタクリル酸メチル(MMA)、メタクリル酸ドデシル(DMA)及びメタクリル酸ステアリル(SMA)を用いた。
エチレン・α-オレフィン共重合体(A)として、重合例1で用いたエチレン・プロピレン共重合体ペレット(EP-1)を用い、グラフトモノマーとして、メタクリル酸メチル(MMA)、アルキル基の炭素数が8のメタクリル酸エステルであるメタクリル酸2-エチルヘキシル(2EHMA)、及びメタクリル酸ステアリル(SMA)を用いた。
エチレン・α-オレフィン共重合体(A)として、重合例1で用いたエチレン・プロピレン共重合体ペレット(EP-1)を用い、グラフトモノマーとして、メタクリル酸メチル(MMA)及びメタクリル酸ドデシル(DMA)を用いた。
エチレン・α-オレフィン共重合体(A)として、重合例1で用いたエチレン・プロピレン共重合体ペレット(EP-1)を用い、グラフトモノマーとして、メタクリル酸メチル(MMA)及びメタクリル酸ステアリル(SMA)を用いた。
各重合例の、原材料、反応条件およびグラフト共重合体の性状を表1にまとめて示す。
重合例1で得たグラフト共重合体(X-1)を潤滑油用粘度指数向上剤として用いて、潤滑油組成物を調製した。
(1)ポリマーコンセントレイトの調製
Yubase-4(SK Lubricants社製、動粘度(40℃):19.6mm2/s、動粘度(100℃):4.2mm2/s、粘度指数:122)をベースオイルとして用い、重合例1で得られたグラフト共重合体X-1の10質量パーセント溶液を調製し、ポリマーコンセントレイト-1を得た。
(2)潤滑油組成物の調製
Yubase-4(SK Lubricants社製)をベースオイルとして用い、流動点降下剤(ルブラン165、東邦化学株式会社製)0.3質量%と添加剤パッケージ* 8.15質量%を添加した後、100℃において一定粘度(約10mm2/s)となるようにポリマーコンセントレイト-1の配合量を調整して添加し、配合油である潤滑油組成物(100質量%)を調製した。得られた潤滑油組成物の性能評価を行なった。配合比、及び評価結果を表2に示す。
注:* 添加剤パッケージ=CaおよびNaの過塩基性清浄剤、N含有分散剤、アミン性[aminic]およびフェノール性の抗酸化剤、ジアルキルジチオリン酸亜鉛類、摩擦調整剤、および消泡剤を含む従来のエンジン潤滑油パッケージ。
実施例1において、グラフト共重合体(X-1)に代えて、重合例2で得られたグラフト共重合体(X-2)を潤滑油用粘度指数向上剤として用いたこと以外は、実施例1と同様にしてポリマーコンセントレイトおよび潤滑油組成物を調製し、評価した。配合比、及び評価結果を表2に示す。
実施例1において、グラフト共重合体(X-1)に代えて、重合例3で得られたグラフト共重合体(X-3)を潤滑油用粘度指数向上剤として用いたこと以外は、実施例1と同様にしてポリマーコンセントレイトおよび潤滑油組成物を調製し、評価した。配合比、及び評価結果を表2に示す。
実施例1において、グラフト共重合体(X-1)に代えて、重合例4で得られたグラフト共重合体(X-4)を潤滑油用粘度指数向上剤として用いたこと以外は、実施例1と同様にしてポリマーコンセントレイトおよび潤滑油組成物を調製し、評価した。配合比、及び評価結果を表2に示す。
実施例1において、グラフト共重合体(X-1)に代えて、重合例5で得られたグラフト共重合体(X-5)を潤滑油用粘度指数向上剤として用いたこと以外は、実施例1と同様にしてポリマーコンセントレイトおよび潤滑油組成物を調製し、評価した。配合比、及び評価結果を表2に示す。
実施例1において、グラフト共重合体(X-1)に代えて、重合例6で得られたグラフト共重合体(X-6)を潤滑油用粘度指数向上剤として用いたこと以外は、実施例1と同様にしてポリマーコンセントレイトおよび潤滑油組成物を調製し、評価した。配合比、及び評価結果を表2に示す。
実施例1において、グラフト共重合体(X-1)に代えて、重合例7で得られたグラフト共重合体(X-7)を潤滑油用粘度指数向上剤として用いたこと以外は、実施例1と同様にしてポリマーコンセントレイトおよび潤滑油組成物を調製し、評価した。配合比、及び評価結果を表2に示す。
実施例1において、グラフト共重合体(X-1)に代えて、重合例8で得られたグラフト共重合体(X-8)を潤滑油用粘度指数向上剤として用いたこと以外は、実施例1と同様にしてポリマーコンセントレイトおよび潤滑油組成物を調製し、評価した。配合比、及び評価結果を表2に示す。
実施例1において、グラフト共重合体(X-1)に代えて、重合例9で得られたグラフト共重合体(X-9)を潤滑油用粘度指数向上剤として用いたこと以外は、実施例1と同様にしてポリマーコンセントレイトおよび潤滑油組成物を調製し、評価した。配合比、及び評価結果を表2に示す。
(メタ)アクリル酸エステルのアルキル基の平均炭素数が7以下のグラフト共重合体(X)を粘度指数向上剤として用いた潤滑油組成物〔比較例1~比較例2〕に比べ、(メタ)アクリル酸エステルのアルキル基の平均炭素数が8以上のグラフト共重合体(X)を粘度指数向上剤として用いて得た実施例1~実施例7の潤滑油組成物は、透明な配合油を提供し同等以上の粘度指数を達成するという優れた特性を示した。
Claims (7)
- 固形物(S)を含む潤滑油用粘度指数向上剤であって、
前記固形物(S)は、グラフト共重合体(X)を含み、
前記グラフト共重合体(X)は、
エチレンと炭素数3~8のα-オレフィンとの共重合体であるエチレン・α-オレフィン共重合体(A)に由来する主鎖部と、
(メタ)アクリル酸エステル共重合体(B)に由来するグラフト部と
を含み、かつ
171~400%の、下記式(I)で定義されるグラフト化率を有し、
前記α-オレフィンはプロピレンであり、
前記(メタ)アクリル酸エステル共重合体(B)は、2種以上の(メタ)アクリル酸エステルの共重合体であり、
前記2種以上の(メタ)アクリル酸エステルは、(メタ)アクリル酸メチルおよび(メタ)アクリル酸C8-18アルキルであり、
前記(メタ)アクリル酸エステルのアルキル基の平均炭素数が8以上である
ことを特徴とする潤滑油用粘度指数向上剤。
グラフト化率(%)={(グラフト共重合体(X)の質量)-(エチレン・α-オレフィン共重合体(A)の質量)}/(エチレン・α-オレフィン共重合体(A)の質量)×100 …(I) - 前記グラフト共重合体(X)の、135℃のデカリン溶媒中で測定した極限粘度[η]が、0.05~15dL/gであることを特徴とする請求項1に記載の潤滑油用粘度指数向上剤。
- 前記固形物(S)中の前記グラフト共重合体(X)の割合が、95質量%以上であることを特徴とする請求項1または2に記載の潤滑油用粘度指数向上剤。
- 前記固形物(S)を80質量%以上含むことを特徴とする請求項1~3のいずれか一項に記載の潤滑油用粘度指数向上剤。
- 前記固形物(S)が、粉体およびペレットから選ばれる粒子形状、またはベール、フィルム、シートおよび繊維から選ばれる成形加工品の形状である請求項1~4のいずれか一項に記載の潤滑油用粘度指数向上剤。
- 鉱油、合成炭化水素油及びエステル油から選ばれる少なくとも1種類からなり、かつ、100℃での動粘度が1~20mm 2 /sの範囲にあるベースオイルに添加するための、請求項1~5のいずれか一項に記載の潤滑油用粘度指数向上剤。
- (i)請求項1~6のいずれか一項に記載の潤滑油用粘度指数向上剤0.2~50質量部と、
(ii)鉱油、合成炭化水素油及びエステル油から選ばれる少なくとも1種類からなり、かつ、100℃での動粘度が1~20mm2/sの範囲にあるベースオイル50~99.8質量部(ただし、前記(i)と(ii)の合計は100質量部である。)と、任意に、
(iii)清浄分散剤、粘度指数向上剤、酸化防止剤、腐食防止剤、耐磨耗剤、摩擦調整剤、流動点降下剤、防錆剤、消泡剤および極圧剤からなる群より選ばれた少なくとも1種類の添加剤と
を含むことを特徴とする潤滑油組成物。
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