JP2005248123A - 潤滑油添加剤および潤滑油組成物 - Google Patents

潤滑油添加剤および潤滑油組成物 Download PDF

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英樹 平野
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Abstract

【課題】 高い粘度指数向上能と剪断安定性を有する潤滑油添加剤、および粘度指数と剪断安定性のバランスに優れた潤滑油組成物を提供すること。
【解決手段】中心核にポリマー鎖が3本以上結合した構造を有し、中心核に結合しているポリマー鎖として、
(i)(a)エチレンから導かれる構成単位を30〜90モル%の範囲の量で含有し、(b)炭素原子数3〜20のα−オレフィンから選ばれる少なくとも1種類の単量体から導かれる構成単位を10〜70モル%の範囲で含有し、
(ii)数平均分子量(Mn)が500〜20,000である、エチレン・α−オレフィン共重合体からなるポリマー鎖、
を少なくとも1本以上有することを特徴とする星型ポリマーからなる潤滑油添加剤および該潤滑油添加剤を含む潤滑油組成物。
【選択図】 なし

Description

本発明は高い粘度指数向上能と剪断安定性を有する潤滑油添加剤およびそれを添加した潤滑油組成物に関する。
石油製品は一般に温度変化により粘度が大きく変化する、いわゆる粘度の温度依存性を有しているが、自動車用のエンジン油・ギヤ油や作動油等として使用される潤滑油は、低温から高温まで広い範囲にわたって粘度ができるだけ変化しないことが実用上望ましい。この尺度として粘度指数が用いられ、粘度指数が大きいほど温度変化に対する安定性が高い。そこで潤滑油には、粘度の温度依存性を小さくする目的で、鉱物油等の潤滑油基油に可溶な、ある種のポリマーが粘度指数向上剤 として用いられている。そのような重合体としては、例えばポリメタクリレート(PMA)〔特開平7−62372号公報〕、オレフィン共重合体(OCP)〔特公昭46−34508号公報〕、ポリイソブチレン(PIB)等が使用されている。
これらの重合体を添加した潤滑油にはそれぞれ特徴がある。例えば、PMAは粘度指数向上性に優れており流動点降下作用もあるが、増粘効果、剪断安定性が低い。増粘効果を向上させるためには分子量を大きく方法があるが、この場合、剪断力に対する安定性が極端に悪くなり、駆動時の粘度低下が問題となる。PIBは増粘効果が大きいが、粘度指数向上性に劣る。OCPの粘度指数向上性はPMAに劣るが、増粘効果が大きく、かつ剪断安定性に優れている。
OCPの物性を改良する方法としては、モノマーの種類、モル比などを調整する方法、ランダム、ブロックなどのモノマー配列を変える方法、組成の異なるポリマーをブレンドする方法、エチレン・α−オレフィン共重合体に極性モノマーをグラフト共重合する方法などがあり、従来から種々の方法が試みられている。
例えば、米国特許第3,697,429号には、異なるエチレン含量のエチレン・α−オレフィンコポリマーのブレンドが開示されており、潤滑油の粘度指数向上剤 として使用した場合には、優れた低温特性が得られることが示されているが、潤滑油としての性能バランスは不充分である。一方、リビング重合の特性を活かした他の工夫も行われており、例えば、特開昭60−35009号公報では、分子量分布が狭く、分子内で組成の異なるエチレンとα−オレフィンのランダム共重合体、ブロック共重合体が開示されており、これらの共重合体は、剪断安定性と増粘性、および優れた低温特性を有しており、粘度指数改良剤として好適であることが示されている。
一方、エチレン・α−オレフィン共重合体の物性を改良する別の手段として、エチレン・α−オレフィン共重合体鎖に長鎖分岐を導入し、分岐の量あるいは長さをコントロールすることによる物性改良も試みられている。このような分岐状ポリマーの一つの極限形態として、中心核から3本以上のポリマー鎖が放射状に伸びた構造の、いわゆる星型ポリマーが挙げられる。星型ポリマーは、同一分子量の直鎖状ポリマーと比較して、慣性半径の大きさから低粘度となることが知られており、直鎖状ポリマーとは異なる物性が発現することが報告されている。しかしながら、このような星型構造を有するポリマーについては、これまでラジカル重合やアニオン重合性のモノマー、たとえばポリスチレンやポリメチルメタクリレート、ポリエチレンオキシドなどのポリマーについては多数報告例があるものの、ポリオレフィン共重合体に関しては殆ど報告例がない。
特開平7−62372号公報 特公昭46−34508号公報 米国特許第3,697,429号公報 特開昭60−35009号公報
本発明が解決しようとする課題は、自動車や工業用機械の低燃費化・省エネルギー化の観点から高い粘度指数を有し、且つ、廃潤滑油削減の観点から剪断安定性に代表される耐久性の高い潤滑油添加剤および潤滑油組成物を提供することである。
上記課題を解決すべく鋭意検討を行った結果、特定のモノマー構成、分子量を有するエチレン・α−オレフィン共重合体を含む3本以上のポリマー鎖が中心核に結合した構造を有する星型ポリマーが、高い粘度指数向上能と剪断安定性を有することを見出し、本発明を完成するに到った。
即ち、本発明は、
中心核にポリマー鎖が3本以上結合した構造を有し、中心核に結合しているポリマー鎖として、
(i)(a)エチレンから導かれる構成単位を30〜90モル%の範囲の量で含有し、(b)炭素原子数3〜20のα−オレフィンから選ばれる少なくとも1種類の単量体から導かれる構成単位を10〜70モル%の範囲で含有し、
(ii)数平均分子量(Mn)が500〜20,000である、エチレン・α−オレフィン共重合体からなるポリマー鎖、
を少なくとも1本以上有することを特徴とする星型ポリマーからなる潤滑油添加剤および該潤滑油添加剤を含む潤滑油組成物である。
本発明の星型ポリマーは、潤滑油添加剤として、従来のエチレン・プロピレン共重合体等と比較して優れた粘度温度特性および剪断安定性を有する。従って、鉱油やα−オレフィンオリゴマーのような、潤滑油基油およびその他の添加剤と配合することにより、高い粘度温度特性、剪断安定性を有し、燃費効率、耐久性に優れた潤滑油組成物を提供することができる。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明の潤滑油添加剤は、中心核に結合している3本以上のポリマー鎖のうち、少なくとも1本が、(i)(a)エチレンから導かれる構成単位を30〜90モル%の範囲の量で含有し、(b)炭素原子数3〜20のα−オレフィンから選ばれる少なくとも1種類の単量体から導かれる構成単位を10〜70モル%の範囲で含有し、
(ii)数平均分子量(Mn)が500〜20,000である、エチレン・α−オレフィン共重合体からなるポリマー鎖であることを特徴とする星型ポリマーから成る。
本発明において、星型ポリマー中に含まれるエチレン・α−オレフィン共重合体を構成する炭素原子数3〜20のα−オレフィンとしては、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン、1−ウンデセン、1−ドデセン、1−トリセン、1−トリデセン、1−テトラデセン、1−ペンタデセン、1−ヘキサデセン、1−ヘプタデセン、1−オクタデセン、1−ノナデセン、1−エイコセンの直鎖状α―オレフィンや4−メチル−1−ペンテン、8−メチル−1−ノネン、7-メチル−1−デセン、6−メチル−1−ウンデセン、6,8−ジメチル−1−デセンなどの分岐を有するα―オレフィンを挙げることができるが、好ましくは炭素原子数3〜8の直鎖状α―オレフィンであり、特に好ましくはプロピレンである。これらのα−オレフィンは単独でまたは2種以上組合わせて用いることができる。
また、本発明において、星型ポリマー中に含まれるエチレン・α−オレフィン共重合体は、エチレンから導かれる構成単位を30〜90モル%、好ましくは40〜85モル%、更に好ましくは50〜80モル%の範囲で含有する。一方、炭素原子数3〜20のα−オレフィンから導かれる構成単位の含有率は10〜70モル%の範囲であり、好ましくは15〜60モル%、更に好ましくは20〜50モル%である。
本発明において、星型ポリマー中に含まれるエチレン・α−オレフィン共重合体の数平均分子量(Mn)は、単分散ポリスチレンを標準としてゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定することができる。本方法により測定した該エチレン・α−オレフィン共重合体の数平均分子量(Mn)は、500〜20,000、好ましくは700〜15,000、特に好ましくは800〜10,000の範囲にある。
本発明で用いられる多官能低分子量化合物(Z)は、ハロゲン原子、水酸基、カルボキシル基、酸ハロゲン基、アミノ基、エポキシ基、イソシアナート基から選ばれる原子または基を3つ以上有する化合物であり、具体的には、例えば四塩化ケイ素、トリクロロシラン、クロロメチルトリクロロシラン、メチルトリクロロシラン、エチルトリクロロシラン、n−プロピルトリクロロシラン、ビス(トリクロロシリル)エタン、トリス(トリクロロシリルエチル)メチルシラン、テトラキス(トリクロロシリルエチル)シランなどのハロゲン化シラン類、四塩化チタン、四塩化ジルコニウム、塩化アルミニウムなどの金属ハロゲン化物類、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウムなどのアルキルアルミニウム類、グリセリン、ペンタエリトリトール、D−グルシトール、クエルシトール、イノシトール、トリヒドロキシベンゼン、ヘキサヒドロキシベンゼンなどの多価アルコール類、トリメシン酸、トリメリト酸、ピロメリト酸、メリト酸などの多価カルボン酸類、4、4’、4’’−トリアミノトリフェニルメタンなどの多価アミン類などの化合物が挙げられる。
以下に、本発明で用いられる星型ポリマーの製造法について具体的に説明する。本発明で用いられる星型ポリマーは、例えば下記一般式(I)
Figure 2005248123
〔式(I)中、Xは水酸基、アミノ基、エポキシ基、カルボキシル基、酸ハロゲン基、酸無水物基から選ばれる官能基を含む基であり、Pは(i)(a)エチレンから導かれる構成単位を30〜90モル%の範囲の量で含有し、(b)炭素原子数3〜20のα−オレフィンから選ばれる少なくとも1種類の単量体から導かれる構成単位を10〜70モル%の範囲で含有し、(ii)数平均分子量(Mn)が500〜20,000である、エチレン・α−オレフィン共重合体からなるポリマー鎖である。〕
で表される末端に官能基を有するエチレン・α−オレフィン共重合体を製造し、次いで、得られたエチレン・α−オレフィン共重合体の末端官能基と上記多官能低分子量化合物(Z)とを反応させることにより製造される。
上記一般式(I)で示される末端に官能基を有するエチレン・α−オレフィン共重合体は、例えば、該エチレン・α−オレフィン共重合体の13族元素を含む基を、加溶媒分解により官能基を形成する構造を有する化合物との置換反応を行ったのち、加溶媒分解することにより製造することができるが、本発明ではこれらの方法に何ら限定されるものではない。以下、上記の製造方法について詳細に説明する。
13族元素を含む基を有するエチレン・α−オレフィン共重合体の製造
13族元素を含む基を有するエチレン・α−オレフィン共重合体の製造方法は、(A)13族元素を含む化合物の存在下で公知重合触媒によってオレフィン重合する方法と、(B)末端に不飽和結合を持つエチレン・α−オレフィン共重合体と13族元素を含む化合物とを反応によって製造する方法に大別される。以下、各々について説明する。
〔(A)13族元素を含む化合物の存在下でオレフィン重合する方法〕
13族元素を含む基を有するエチレン・α−オレフィン共重合体は、例えば既知のチーグラーナッタ触媒やメタロセン触媒などのオレフィン重合触媒を用いて13族元素を含む化合物の存在下、(a)エチレンと(b)炭素原子数3〜20のα−オレフィンとを共重合することによって製造される。
(b)炭素原子数3〜20のα−オレフィンとしては、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン、1−ウンデセン、1−ドデセン、1−トリセン、1−トリデセン、1−テトラデセン、1−ペンタデセン、1−ヘキサデセン、1−ヘプタデセン、1−オクタデセン、1−ノナデセン、1−エイコセンの直鎖状α―オレフィンや4−メチル−1−ペンテン、8−メチル−1−ノネン、7-メチル−1−デセン、6−メチル−1−ウンデセン、6,8−ジメチル−1−デセンなどの分岐を有するα―オレフィンを挙げることができるが、好ましくは炭素原子数3〜8の直鎖状α―オレフィンであり、特に好ましくはプロピレンである。これらのα−オレフィンは単独でまたは2種以上組合わせて用いることができる。
13族元素を含む化合物としては、例えば有機アルミニウム化合物または有機ホウ素化合物が挙げられる。
有機アルミニウム化合物としては、例えば下記式(II)で示される有機アルミニウム化合物を例示することができる。
Figure 2005248123
〔式(II)中、Ra は炭素原子数1〜12の炭化水素基であり、Aはハロゲンまたは水素であり、nは1〜3である。〕
a は、炭素原子数1〜12の炭化水素基、例えばアルキル基、シクロアルキル基またはアリール基であるが、具体的には、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、イソブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、フェニル基、トリル基などである。
このような有機アルミニウム化合物として具体的には、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリイソプロピルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリオクチルアルミニウム、トリ2-エチルヘキシルアルミニウムなどのトリアルキルアルミニウム;トリイソプレニルアルミニウムなどのトリアルケニルアルミニウム;ジメチルアルミニウムクロリド、ジエチルアルミニウムクロリド、ジイソプロピルアルミニウムクロリド、ジイソブチルアルミニウムクロリド、ジメチルアルミニウムブロミドなどのジアルキルアルミニウムハライド、メチルアルミニウムセスキクロリド、エチルアルミニウムセスキクロリド、イソプロピルアルミニウムセスキクロリド、ブチルアルミニウムセスキクロリド、エチルアルミニウムセスキブロミドなどのアルキルアルミニウムセスキハライド;メチルアルミニウムジクロリド、エチルアルミニウムジクロリド、イソプロピルアルミニウムジクロリド、エチルアルミニウムジブロミドなどのアルキルアルミニウムジハライド;ジエチルアルミニウムハイドライド、ジイソブチルアルミニウムハイドライド、エチルアルミニウムジハイドライドなどのアルキルアルミニウムハイドライドなどが挙げられる。
また有機アルミニウム化合物として、下記式(III)で示される化合物を用いることもできる。
Figure 2005248123
上記式(III)において、Ra は上記と同様であり、Bは−ORb基、−OSiRc 3 基、−OAlRd 2 基、−NRe 2基、−SiRf 3 基または−N(Rg )AlRh 2 基であり、nは1〜2であり、Rb、Rc 、Rd およびRh はメチル基、エチル基、イソプロピル基、イソブチル基、シクロヘキシル基、フェニル基などであり、Reは水素、メチル基、エチル基、イソプロピル基、フェニル基、トリメチルシリル基などであり、RfおよびRgはメチル基、エチル基などである。
このような有機アルミニウム化合物としては、具体的には、以下のような化合物を例示できる。
(i)Ra nAl(ORb)3-nで表される化合物、例えば、ジメチルアルミニウムメトキシド、ジエチルアルミニウムエトキシド、ジイソブチルアルミニウムメトキシドなど、(ii)Ra nAl(OSiRc)3-nで表される化合物、例えば、Et2Al(OSiMe3)、(iso-Bu)2Al(OSiMe3)、(iso-Bu)2Al(OSiEt3)など、(iii)Ra nAl(OAlRd 2)3-nで表される化合物、例えば、 Et2AlOAlEt2、(iso-Bu)2AlOAl(iso-Bu)2など、(iv)Ra nAl(NRe 2)3-nで表される化合物、例えば、Me2AlNEt2、Et2AlNHMe、Me2AlNHEt 、Et2AlN(Me3Si)2 、(iso-Bu)2AlN(Me3Si)2 など、(v)Ra n Al(SiRf 3)3-nで表される化合物、例えば、(iso-Bu)2AlSiMe3など、(vi)Ra nAl〔N(Rg )-AlRh 2 3-nで表される化合物、例えば、Et2AlN(Me)-AlEt2、(iso-Bu)2AlN(Et)Al(iso-Bu)2など。
また、これに類似した化合物、例えば酸素原子、窒素原子を介して2以上のアルミニウムが結合した有機アルミニウム化合物を挙げることができる。より具体的には、(C25)2AlOAl(C25)2、(C49)2AlOAl(C49)2、(C25)2AlN(C25)Al(C25)2、など、さらにメチルアルミノキサンなどのアルミノキサン類(有機アルミニウムオキシ化合物)を挙げることができる。
また、下記式(IV)の有機アルミニウム化合物を用いることもできる。
Figure 2005248123
〔Ra、A、Bは上記式(II)または(III)と同様である。〕
13族元素を含む化合物として、有機ホウ素化合物を用いることもできる。有機ホウ素化合物としては、トリフェニルボロン、トリス(4-フルオロフェニル)ボロン、トリス(3,5-ジフルオロフェニル)ボロン、トリス(4-フルオロメチルフェニル)ボロン、トリス(ペンタフルオロフェニル)ボロン、トリス(p-トリル)ボロン、トリス(o-トリル)ボロン、トリス(3,5-ジメチルフェニル)ボロン、テキシルボラン、ジシクロヘキシルボラン、ジシアミルボラン、ジイソピノカンフェニルボラン、9-ボラビシクロ[3.3.1]ノナン、カテコールボラン、B-ブロモ-9-ボラビシクロ[3.3.1]ノナン、ボラン-トリエチルアミン錯体、ボラン-メチルスルフィド錯体などが挙げられる。
また、有機ホウ素化合物としてイオン性化合物を使用してもよい。このような化合物としては、トリエチルアンモニウムテトラ(フェニル)ホウ素、トリプロピルアンモニウムテトラ(フェニル)ホウ素、トリメチルアンモニウムテトラ(p-トリル)ホウ素、トリメチルアンモニウムテトラ(o-トリル)ホウ素、トリ(n-ブチル)アンモニウムテトラ(ペンタフルオロフェニル)ホウ素、トリプロピルアンモニウムテトラ(o,p-ジメチルフェニル)ホウ素、トリ(n-ブチル)アンモニウムテトラ(p-トリフルオロメチルフェニル)ホウ素、N,N-ジメチルアニリニウムテトラ(フェニル)ホウ素、ジシクロヘキシルアンモニウムテトラ(フェニル)ホウ素、トリフェニルカルベニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、N,N-ジメチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、ビス[トリ(n-ブチル)アンモンニウム]ノナボレート、ビス[トリ(n-ブチル)アンモンニウム]デカボレートなどが挙げられる。
また、これらの13族元素を含む化合物は、単独で、または複数を組み合わせて用いることもできる。
〔(B)末端に不飽和結合を持つエチレン・α−オレフィン共重合体から製造する方法〕
また、13族元素を含む基を有するエチレン・α−オレフィン共重合体は、末端に不飽和結合を持つエチレン・α−オレフィン共重合体を用いて製造することもできる。具体的には、末端が不飽和結合であるエチレン・α−オレフィン共重合体と、13族元素を含む化合物、例えば有機アルミニウム化合物または有機ホウ素化合物とを反応させて、13族元素を含む基を有するエチレン・α−オレフィン共重合体とする方法である。
片末端が不飽和結合であるエチレン・α−オレフィン共重合体(末端不飽和エチレン・α−オレフィン共重合体)は、例えば既知のチーグラーナッタ触媒やメタロセン触媒などのオレフィン重合触媒の存在下に(a)エチレンと(b)炭素原子数3〜20のα−オレフィンとを共重合することによって製造される。
このようにして得られた末端不飽和エチレン・α−オレフィン共重合体と13族元素を含む化合物を反応させて13族元素を含む基を有するエチレン・α−オレフィン共重合体に変換する。なお、得られたエチレン・α−オレフィン共重合体が、片末端に13族元素が結合したものと、片末端が不飽和結合末端であるものとの混合物である場合にも、必要に応じて、片末端が不飽和結合末端であるエチレン・α−オレフィン共重合体の末端を13族元素が結合した末端に変換してもよい。
反応に用いられる13族元素を含む化合物は、有機アルミニウム化合物または有機ホウ素化合物が好ましく用いられる。中でも、トリアルキルアルミニウム、ジアルキルアルミニウムハイドライドまたは1つ以上の水素−ホウ素結合を有するホウ素化合物であることがより好ましく、有機アルミニウムとしてはジアルキルアルミニウムハイドライドが特に好ましく、有機ホウ素化合物としては9-ボラビシクロ[3,3,1]ノナンが特に好ましい。
水酸基含有エチレン・α−オレフィン共重合体への変換
このようにして製造された13族元素を含む基を有するエチレン・α−オレフィン共重合体は、該エチレン・α−オレフィン共重合体の13族元素を含む基を加溶媒分解により官能基を形成する構造を有する化合物との置換反応を行い、次いで加溶媒分解することにより、一般式(I)におけるXが水酸基を含む基である下記一般式(V)で示されるエチレン・α−オレフィン共重合体に変換することができる。
Figure 2005248123
式中、Pは前記と同様である。
加溶媒分解により官能基を形成する構造を有する化合物としては、酸素、過酸化水素などが挙げられる。
上記のようにして得られた13族元素を含む基を有するエチレン・α−オレフィン共重合体の13族元素を含む基と、加溶媒分解により官能基を形成する構造を有する化合物との置換反応は、通常0〜300℃、好ましくは10〜200℃の温度で、0〜100時間、好ましくは0.5〜50時間行われる。置換反応を行った後、加溶媒分解する際の温度は、通常0〜100℃、好ましくは10〜80℃の温度であり、加溶媒分解時間は、0〜100時間、好ましくは0.5〜50時間である。加溶媒分解に用いられる溶媒としては、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、水などが挙げられる。
上記のようにして得られた13族元素を含む基を有するエチレン・α−オレフィン共重合体の13族元素を含む基と、官能基構造を有する化合物または加溶媒分解により官能基を形成する構造を有する化合物との置換反応は、通常0〜300℃、好ましくは10〜200℃の温度で、0〜100時間、好ましくは0.5〜50時間行われる。置換反応を行った後、加溶媒分解する際の温度は、通常0〜100℃、好ましくは10〜80℃の温度であり、加溶媒分解時間は、0〜100時間、好ましくは0.5〜50時間である。加溶媒分解に用いられる溶媒としては、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、水などが挙げられる。
また、上記一般式(I)で示される官能基を有するエチレン・α−オレフィン共重合体のうち、Xがエポキシ基であるエチレン・α−オレフィン共重合体は、前記の方法で製造された末端不飽和エチレン・α−オレフィン共重合体を、例えば特開昭63−305104号公報や特開平8−27136号公報などに示される方法を用いて不飽和結合をエポキシ化することによっても製造することができる。
具体的には、上記の方法で製造された末端不飽和エチレン・α−オレフィン共重合体に、1) ギ酸、酢酸などの有機酸と過酸化水素との混合物を反応させる、2) m−クロロ過安息香酸などの有機過酸化物を反応させる、あるいは、3)相間移動触媒の存在下で過酸化水素水を反応させることによって製造することができる。
さらに、上記一般式(I)で示される官能基を有するエチレン・α−オレフィン共重合体のうち、Xが酸無水物基であるエチレン・α−オレフィン共重合体は、上記の方法で製造された末端不飽和エチレン・α−オレフィン共重合体を、例えばMakromol. Chem. Macromol. Symp., 48/49, 317 (1991)、あるいはPolymer, 43, 6351 (2002) などに示される方法を用いて、例えば無水マレイン酸などと熱反応させることにより末端に酸無水物を導入する方法を用いて製造することができる。
また、上記一般式(I)で示される官能基を有するエチレン・α−オレフィン共重合体のうち、Xがカルボキシル基であるエチレン・α−オレフィン共重合体は、上記一般式(V)で示される水酸基を有するエチレン・α−オレフィン共重合体を酸化することにより、水酸基をカルボキシル基に変換する方法を用いて製造することができる。
また、上記一般式(I)で示される末端に官能基を有するエチレン・α−オレフィン共重合体は、既知のチーグラーナッタ触媒やメタロセン触媒などのオレフィン重合触媒を用い、エチレン及びα−オレフィンと官能基を有するオレフィン類とを共重合することによっても製造することが可能である。官能基を有するオレフィン類を末端に選択的に導入する方法については、例えばJ. Am. Chem. Soc., 124, 1176 (2002)に示されるような方法を例示することができる。
共重合に用いられる官能基を有するオレフィン類としては、アリルアルコール、4−ペンテン−1−オール、5−ヘキセン−1−オール、6−ヘプテン−1−オール、8−ノネン−1−オール、10−ウンデセン−1−オールなどの炭化水素部分が直鎖状である不飽和アルコール類、5−ヘキセン酸、6−ヘプテン酸、7−オクテン酸、8−ノネン酸、9−デセン酸などの不飽和カルボン酸類、アリルアミン、5−ヘキセンアミン、6−ヘプテンアミンなどの不飽和アミン類、(2,7−オクタジエニル)コハク酸無水物、ペンタプロペニルコハク酸無水物および上記不飽和カルボン酸類にある化合物の例示において、カルボン酸基をカルボン酸無水物基に置き換えた化合物などの不飽和酸無水物類、上記不飽和カルボン酸類にある化合物の例示において、カルボン酸基をカルボン酸ハライド基に置き換えた化合物などの不飽和カルボン酸ハライド類、4−エポキシ−1−ブテン、5−エポキシ−1−ペンテン、6−エポキシ−1−ヘキセン、7−エポキシ−1−ヘプテン、8−エポキシ−1−オクテン、9−エポキシ−1−ノネン、10−エポキシ−1−デセン、11−エポキシ−1−ウンデセンなどの不飽和エポキシ化合物類などが挙げられる。
本発明で用いられる星型ポリマーを製造する際の、上記多官能低分子量化合物(Z)と上記一般式(I)で示される末端に官能基を有するエチレン・α−オレフィン共重合体との組み合わせについては、例えば下記に示される組み合わせが挙げられるが、特にこれらに限定されるものではない。
1)カルボキシル基を有する上記多官能低分子量化合物(Z)と、上記一般式(I)において、Xが水酸基である末端に官能基を有するエチレン・α−オレフィン共重合体。
2)カルボキシル基を有する上記多官能低分子量化合物(Z)と、上記一般式(I)において、Xがアミノ基である末端に官能基を有するエチレン・α−オレフィン共重合体。
3)水酸基を有する上記多官能低分子量化合物(Z)と、上記一般式(I)において、Xがエポキシ基である末端に官能基を有するエチレン・α−オレフィン共重合体。
4)水酸基を有する上記多官能低分子量化合物(Z)と、上記一般式(I)において、Xがカルボキシル基である末端に官能基を有するエチレン・α−オレフィン共重合体。
5)水酸基を有する上記多官能低分子量化合物(Z)と、上記一般式(I)において、Xが酸無水物基である末端に官能基を有するエチレン・α−オレフィン共重合体。
6)水酸基を有する上記多官能低分子量化合物(Z)と、上記一般式(I)において、Xが酸ハロゲン基である末端に官能基を有するエチレン・α−オレフィン共重合体。
7)酸ハロゲン基を有する上記多官能低分子量化合物(Z)と、上記一般式(I)において、Xが水酸基である末端に官能基を有するエチレン・α−オレフィン共重合体。
8)酸ハロゲン基を有する上記多官能低分子量化合物(Z)と、上記一般式(I)において、Xがアミノ基である末端に官能基を有するエチレン・α−オレフィン共重合体。
9)ハロゲンを含む基を有する上記多官能低分子量化合物(Z)と、上記一般式(I)において、Xが水酸基である末端に官能基を有するエチレン・α−オレフィン共重合体。
10)エポキシ基を有する上記多官能低分子量化合物(Z)と、上記一般式(I)において、Xが水酸基である末端に官能基を有するエチレン・α−オレフィン共重合体。
11)アミノ基を有する上記多官能低分子量化合物(Z)と、上記一般式(I)において、Xがカルボキシル基である末端に官能基を有するエチレン・α−オレフィン共重合体。
12)アミノ基を有する上記多官能低分子量化合物(Z)と、上記一般式(I)において、Xが酸ハロゲン基である末端に官能基を有するエチレン・α−オレフィン共重合体。
13)アミノ基を有する上記多官能低分子量化合物(Z)と、上記一般式(I)において、Xが酸無水物基である末端に官能基を有するエチレン・α−オレフィン共重合体。
14)イソシアナート基を有する上記多官能低分子量化合物(Z)と、上記一般式(I)において、Xが水酸基である末端に官能基を有するエチレン・α−オレフィン共重合体。
本発明の星型ポリマーを製造する際の上記多官能低分子量化合物(Z)に対する上記一般式(I)で示される末端に官能基を有するエチレン・α−オレフィン共重合体の使用量は、上記多官能低分子量化合物(Z)中に含まれる官能基の種類や量にもよるが、上記多官能低分子量化合物(Z)中の官能基1個に対して、通常0.01〜100倍モル、好ましくは0.1〜50倍モルである。
反応溶媒としては、例えばペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン、ドデカン、テトラデカンなどの脂肪族炭化水素類、シクロペンタン、メチルシクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、シクロオクタン、シクロヘキセンなどの脂環族炭化水素類、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類、ジクロロメタン、クロロホルム、ジクロロエタン、ジクロロプロパン、トリクロロエチレン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、2,4-ジクロロトルエンなどのハロゲン化炭化水素類、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル類、アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン類、ジオキサン、テトラヒドロフラン、アセトニトリル、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシドなどが挙げられる。これらはそれぞれ単独で用いても、複数を適宜組み合わせて用いてもよい。
また、本発明で用いられる星型ポリマーは、上記多官能低分子量化合物(Z)に、少なくとも1種類の上記一般式(I)で表される末端に官能基を有するエチレン・α−オレフィン共重合体に加えて、末端に官能基を有する極性ポリマー(Y)を反応させて製造することもできる。
末端に官能基を有する極性ポリマー(Y)としては、付加重合可能なモノマー(W)を重合することにより得られるポリマーや、開環重合可能なモノマー(V)を開環重合することにより得られるポリマーであれば何でもよいが、具体的には、ポリ(メタ)アクリレート系ポリマー、ポリスチレン系ポリマー、ポリ(メタ)アクリルアミド系ポリマー、ポリ(メタ)アクリロニトリル系ポリマー、ポリ(メタ)アクリル酸系ポリマー、ポリオキシアルキレン系ポリマー、ポリエステル系ポリマーなどを例示することができる。
上記の末端に官能基を有する極性ポリマー(Y)と、上記多官能低分子量化合物(Z)および少なくとも1種類の上記一般式(I)で表される末端に官能基を有するエチレン・α−オレフィン共重合体との反応は、例えば上記多官能低分子量化合物(Z)と上記一般式(I)で表される末端に官能基を有するエチレン・α−オレフィン共重合体との反応と同様の条件で実施され、結果として、上記多官能低分子量化合物残基を中心核とし、少なくとも1種類の上記一般式(I)で表される末端に官能基を有するエチレン・α−オレフィン共重合体に由来するエチレン・α−オレフィン共重合体アームと、上記末端に官能基を有する極性ポリマー(Y)に由来する極性ポリマーアームとを合計3つ以上有する構造の星型ポリマーとなる。
上記の方法により生成した星型ポリマーは、重合に用いた溶媒や未反応のモノマーの留去あるいは非溶媒による再沈殿などの公知の方法を用いることにより単離することができる。
本発明の潤滑油組成物は、
(A)上記の星型ポリマーからなる潤滑油添加剤0.2〜50重量部と、
(B)鉱油、合成炭化水素油及びエステル油から選ばれる少なくとも1種類からなり、かつ、100℃での動粘度が1〜20mm/sの範囲にあるベースオイル50〜99.8重量部と、
必要に応じて
(C)清浄分散剤、粘度指数向上剤、酸化防止剤、腐食防止剤、耐磨耗剤、摩擦調整剤、流動点降下剤、防錆剤、消泡剤および極圧剤からなる群より選ばれた少なくとも1種類の添加剤からなることを特徴とする。
本発明の潤滑油組成物に用いられるベースオイルとしては100℃での動粘度が1〜20mm2/sの範囲にある、従来公知の鉱物油、合成炭化水素油、及びエステル油から選ばれる少なくとも1種のベースオイルが用いられる。
鉱物油は一般に精製の仕方により幾つかの等級があるが、一般に0.5〜10%のワックス分を含む鉱物油が使用される。例えば、水素分解精製法で製造された流動点が低く、粘度指数の高い、イソパラフィンを主体とした組成の高度精製油を用いることができる。
合成炭化水素油としては例えばα−オレフィンオリゴマー、アルキルベンゼン類、アルキルナフタレン類等が挙げられ、これらは1種単独で、または2種以上組合わせて用いることができる。このうちα−オレフィンオリゴマーとしては、炭素原子数8〜12のオレフィンから選ばれる少なくとも1種のオレフィンの低分子量オリゴマーが使用できる。この様なα−オレフィンオリゴマーは、チーグラー触媒、ルイス酸を触媒としたカチオン重合、熱重合、ラジカル重合によって製造することができる。
アルキルベンゼン類、アルキルナフタレン類は通常大部分がアルキル鎖長が炭素原子数6〜14のジアルキルベンゼンまたはジアルキルナフタレンであり、このようなアルキルベンゼン類またはアルキルナフタレン類は、ベンゼンまたはナフタレンとオレフィンとのフリーデルクラフトアルキル化反応によって製造される。アルキルベンゼン類またはアルキルナフタレン類の製造において使用されるアルキル化オレフィンは、線状もしくは枝分かれ状のオレフィンまたはこれらの組合わせでも良い。これらの製造方法は、例えば、米国特許第3,909,432号に記載されている。
エステル油としては、一塩基酸とアルコールから製造されるモノエステル;二塩基酸とアルコールとから、またはジオールと一塩基酸または酸混合物とから製造されるジエステル;ジオール、トリオール(例えばトリメチロールプロパン)、テトラオール(例えばペンタエリスリトール)、ヘキサオール(例えばジペンタエリスリトール)等と一塩基酸または酸混合物とを反応させて製造したポリオールエステル等が挙げられる。これらのエステルの例としては、トリデシルペラルゴネート、ジ−2−エチルヘキシルアジペート、ジ−2−エチルヘキシルアゼレート、トリメチロールプロパントリヘプタノエート、ペンタエリスリトールテトラヘプタノエート等が挙げられる。
本発明の潤滑油組成物に用いられる添加剤としては下記のものを例示することができ、これらを単独または2種以上組合わせて用いることができる。
清浄分散剤:金属スルホネート、金属フェネート、金属フォスファネート、コハク酸イミ
ド等を例示することができ、通常0〜15重量%の範囲で用いられる。
流動点降下剤:ポリメタクリレート、アルキルナフタレン等を例示することができ、通常
0〜3重量%の範囲で用いられる。
極圧剤:スルフィド類、スルホキシド類、スルホン類、チオホスフィネート類、チオカー
ボネート類、硫化油脂、硫化オレフィン等のイオウ系極圧剤;リン酸エステル、
亜リン酸エステル、リン酸エステルアミン塩、亜リン酸エステルアミン類等のリ
ン酸類;塩素化炭化水素等のハロゲン系化合物などを例示することができる。極
圧剤は、必要に応じて0〜15重量%の範囲で用いられる。
耐磨耗剤:二硫化モリブデンなどの無機または有機モリブデン化合物、アルキルメルカプ
チルボレート等の有機ホウ素化合物;グラファイト、硫化アンチモン、ホウ素
化合物、ポリテトラフルオロエチレン等を例示することができる。摩耗防止剤
は、必要に応じて0〜3重量%の範囲で用いられる。
酸化防止剤:2,6−ジ-tert-ブチル−4−メチルフェノール等のフェノール系やアミン
系の化合物が挙げられる。酸化防止剤は、必要に応じて0〜3重量%の範囲
で用いられる。
防錆剤:各種アミン化合物、カルボン酸金属塩、多価アルコールエステル、リン化合物、
スルホネートなどの化合物が挙げられる。防錆剤は、必要に応じて0〜3重量%
の範囲で用いられる。
消泡剤:ジメチルシロキサン、シリカゲル分散体等のシリコーン系化合物、アルコール系
またはエステル系の化合物などを例示することができる。消泡剤は、必要に応じ
て0〜0.2重量%の範囲で用いられる。
上記の添加剤以外にも、抗乳化剤、着色剤、油性剤(油性向上剤)などを必要に応じて用いることができる。
[実施例]
以下、実施例に基づいて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
平均分子量・分子量分布
数平均分子量(Mn)および分子量分布(Mw/Mn)は、島津製作所製のGPC(クロマトパックC−R4A)を用い以下のようにして測定した。分離カラムについては、TSK G6000H XL、G4000H XL、G3000H XL、G2000H XLを用い、カラム温度を40℃とし、移動相にはテトラヒドロフラン(和光純薬)を用い、展開速度を0.8ml/分とし、試料濃度を0.2重量%とし、試料注入量を200マイクロリットルとし、検出器として示差屈折計を用いた。標準ポリスチレンとしては、東ソー社製のものを用いた。
配合
ベース油としては、FTN−100(フッコールNT−100:富士興産)を用い、星型ポリマーの配合量を調整することにより、100℃において一定粘度(14mm/s)となるように配合サンプルを調製した。
粘度特性
動粘度、粘度指数はJIS K2283に記載の方法により、100℃および40℃での動粘度を測定し、粘度指数を算出した。
また、低温粘度はASTM D2983に記載の方法により、−26℃における粘度を測定した。
剪断安定性
配合油の剪断安定性はDIN 52350−6に準拠し、KRL剪断安定性試験機を用いて評価した。配合油を60℃で20hの間、剪断条件下(1450rpm)におき、試験前後での100℃での動粘度を測定し、剪断粘度低下率を算出した。
[合成例1]
[末端Al化エチレン・プロピレン共重合体(EPR)の合成]
充分に窒素置換した内容積1リットルのガラス製オートクレーブに精製トルエン750mlを入れ、エチレン50リットル/h、プロピレン50リットル/hを吹き込むことにより液相および気相を飽和させた。その後、50℃にてMAOをAl換算で5ミリモルおよびジシクロペンタジエニルジルコニウムジクロリド0.02ミリモルを加えて重合を開始した。常圧下、50℃で1時間重合させた後、引き続きジイソブチルアルミニウムヒドリド50mlを加えて110℃で4時間加熱攪拌を行った。このようにして末端Al化EPRを含むトルエン溶液を得た。
[末端OH化EPRの合成]
上記にて得られたトルエン溶液を100℃に保ち、窒素ガスを乾燥空気に切り替え、該温度を保ちながら100リットル/hの流量で6時間供給しつづけた後、メタノール5mlを加えて反応を停止した。反応液を1リットルのメタノール中に注ぎ、1N塩酸水溶液20mlを入れて終夜攪拌した。ヘキサン1リットル、水1リットルを加えてさらに攪拌し、その後、分液漏斗に移して有機層を水200mlで3回洗浄し、無水硫酸マグネシウムを加えて乾燥させた。グラスフィルター(G3)で硫酸マグネシウムをろ別した後、ろ液を濃縮し、さらに10時間真空乾燥して88.6gの黄色オイル状ポリマーを得た。該ポリマーの分子量をGPCにより測定したところ、Mn=1,670、Mw=6,010、Mw/Mn=3.6であった。また、該ポリマーのエチレン含量は71mol%であった。
該ポリマー100mgを25℃で0.6mlの重クロロホルムに溶解させて得たサンプルを1H−NMR(日本電子製JEOL GSX−270)を用いて分析をおこなったところ、3.3−3.6ppmにヒドロキシル基に隣接するメチレン基に基づくシグナルが認められた。すなわち、以下の構造の末端を有するEPRが存在することを確認した。また、積分値の比率から末端OH基修飾率は85%と算出された。
Figure 2005248123
[星型ポリマーの合成]
充分窒素置換した200ml2口フラスコに、上記にて得られた末端OH化EPR42.0gを入れ、乾燥トルエン50mlおよび四塩化ケイ素0.54mlを加えて50℃で3時間攪拌した。得られた反応液からトルエンおよび未反応の四塩化ケイ素を留去し、10時間真空乾燥を行って、褐色状ポリマー37.3gを得た。該ポリマーの分子量をGPCにより測定したところ、Mn=3,240、Mw=10,370、Mw/Mn=3.2であった。
該ポリマー100mgを25℃で0.6mlの重クロロホルムに溶解させて得たサンプルを1H−NMRを用いて分析をおこなったところ、3.6−3.9ppmにSi−O基に隣接するメチレン基に基づくシグナルが認められ、また、原料の末端OH化EPRの水酸基に隣接するメチレン基に基づくシグナルが消失していた。該ポリマーのIR分析の結果、3350cm−1付近のOH基に基づくピークが消失し、1100cm−1付近にSi−O結合に基づく振動ピークが検出された。すなわち、以下の構造の星型ポリマーが存在することを確認した。
Figure 2005248123
[合成例2]
[末端Al化エチレン・プロピレン共重合体(EPR)の合成]
ガス流量をエチレン70リットル/h、プロピレン30リットル/hとしたこと以外は合成例1と同様の方法により重合を行い、末端Al化EPRを得た。
[末端OH化EPRの合成]
上記にて得られた末端Al化EPRを用い、合成例1と同様の方法により反応を行い、末端OH化EPRを得た。該ポリマーの分子量をGPCにより測定したところ、Mn=2,820、Mw=11,000、Mw/Mn=3.9であった。また、該ポリマーのエチレン含量は81mol%であり、末端OH基修飾率は72%であった。
[星型ポリマーの合成]
上記にて得られた末端OH化EPRを用い、合成例1と同様の方法により星型ポリマーを合成した。該ポリマーの分子量をGPCにより測定したところ、Mn=4,900、Mw=19,600、Mw/Mn=4.0であった。
[合成例3]
[末端Al化エチレン・プロピレン共重合体(EPR)の合成]
ジシクロペンタジエニルジルコニウムジクロリドのかわりにビス(1,3−ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリドを用い、ガス流量をエチレン80リットル/h、プロピレン120リットル/h、反応温度を60℃としたこと以外は合成例1と同様の方法により重合を行い、末端Al化EPRを得た。
[末端OH化EPRの合成]
上記にて得られた末端Al化EPRを用い、合成例1と同様の方法により反応を行い、末端OH化EPRを得た。該ポリマーの分子量をGPCにより測定したところ、Mn=3,580、Mw=9,700、Mw/Mn=2.7であった。また、該ポリマーのエチレン含量は53mol%であった。
[星型ポリマーの合成]
上記にて得られた末端OH化EPRを用いて合成例1と同様の方法により星型ポリマーを合成した。該ポリマーの分子量をGPCにより測定したところ、Mn=6,180、Mw=20,220、Mw/Mn=3.3であった。
[合成例4]
[末端Al化エチレン・プロピレン共重合体(EPR)の合成]
反応温度を70℃としたこと以外は合成例3と同様の方法により重合を行い、末端Al化EPRを得た。
[末端OH化EPRの合成]
上記にて得られた末端Al化EPRを用い、合成例1と同様の方法により反応を行い、末端OH化EPRを得た。該ポリマーの分子量をGPCにより測定したところ、Mn=8,440、Mw=23,770、Mw/Mn=2.8であった。また、該ポリマーのエチレン含量は40mol%であった。
[星型ポリマーの合成]
上記にて得られた末端OH化EPRを用いて合成例1と同様の方法により星型ポリマーを合成した。該ポリマーの分子量をGPCにより測定したところ、Mn=13,890、Mw=41,020、Mw/Mn=3.0であった。
[合成例5]
[末端ビニリデン型エチレン・プロピレン共重合体(EPR)の合成]
充分に窒素置換した内容積10リットルのガラス製タンク4其に、充分に脱水した精製トルエン6リッターをそれぞれに挿入した。その後、タンク1其にはMAOを40ミルモル/リットルの濃度になるように仕込み、もう1其のタンクにはビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウム(IV)ジクロリドを0.08ミリモル/リットルとなるように仕込んだ。その後、充分に窒素置換したコンデンサー付きベント管を取り付けた内容積5リッターガラス製反応容器に、上述のタンクからトルエン1000ミリリッター、MAOのトルエン溶液500ミリリッター及び、ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウム(IV)ジクロリドのトルエン溶液500ミリリッターをポンプで仕込み攪拌を開始した。
常圧下で、プロピレンを反応容器の上部から220リッター/hの流量で供給し、反応容器内を40℃迄昇温した。反応容器内が所定の温度に近づいたところで、上述の2其のトルエンタンクからそれぞれ1000ミリリッター/h、MAOのトルエン溶液1000ミリリッター/h、及びビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウム(IV)ジクロリドのトルエン溶液1000ミリリッター/hの流量で連続的に供給すると同時に、エチレンを反応容器上部より徐々に供給し所定量の80リッター/hとなったところで重合開始とした。容器の下部から重合液を連続的に排出しながら反応容器のレベルが2000ミリリッターとなるように保った。排出された重合液にメタノールを滴下し重合を停止させた。
重合開始から2時間後に重合液の採取を開始し、4リッターの重合液を採取した後に重合を終了した。重合終了後、採取した重合液に20ミリリッターの濃塩酸と2リッターの水を入れ、充分に攪拌し、触媒成分を除去した。更に、得られた重合混合物を多量の水で2回洗浄した後、エバポレーターで溶媒を減圧留去し、128gの無色透明のオイル状ポリマーを得た。得られたポリマーのエチレン含量は49mol%であった。分子量をGPC(PS換算)で測定したところMn=3,300、Mw=6,000、Mw/Mn=1.8であった。
該ポリマーの1H−NMR分析の結果、4.6−4.8ppmにビニリデン基に基づくシグナルが認められた。すなわち、以下の構造の末端を有するEPRが存在することを確認した。また、積分値の比率から分子片末端のビニリデン含有率は99%と算出された。
Figure 2005248123
[末端エポキシ化EPRの合成]
攪拌機、温度計、及びコンデンサー付きベント管を取り付けた500mlのガラス製セパラブルフラスコに、上記の末端ビニリデン型EPR100gとトルエン100g、タングステン酸ナトリウム(NaWO・2HO)1.79g、メチル−トリ−n−オクチルアンモニウムハイドロジェンスルフェイト〔CH(C17NHSO〕1.27g及び、85%HPO0.226gを仕込み、攪拌しながら窒素雰囲気下で90℃まで昇温した。その後、50mlガラス製滴下ロートに30%Hを37g仕込み、上述のセパラブルフラスコに取り付け、Hを3時間かけて滴下した後、更に、90℃で3時間後反応を行った。
反応終了後、反応溶液を多量の水で数回洗浄した。水洗後の反応溶液を、セライトを詰めたG3ガラスフィルターで濾過した後、エバポレーターで溶媒を減圧蒸留することにより、無色透明なオイル状ポリマー92gを得た。該ポリマーの分子量を測定したところMn=3,360、Mw=6,070、Mw/Mn=1.8であった。
該ポリマーの1H−NMR分析の結果、2.5−2.6ppmにエポキシ環内部のメチレン基に基づくシグナルが認められた。すなわち、以下の構造の末端を有する末端エポキシ化EPRが存在することを確認した。また、積分値からエポキシ化率は71%と算出された。
Figure 2005248123
[星型ポリマーの合成]
充分窒素置換した50mlシュレンク管に、上記にて得られた末端エポキシ化EPR3.0gを入れ、乾燥トルエン20mlおよび四塩化ケイ素0.05mlを加えて50℃で2時間攪拌した。得られた反応液からトルエンおよび未反応の四塩化ケイ素を留去し、10時間真空乾燥を行って、褐色オイル状ポリマー2.9gを得た。該ポリマーの分子量をGPCにより測定したところ、Mn=5,110、Mw=16,350、Mw/Mn=3.2であった。
該ポリマーの1H−NMR分析の結果、3.7−4.2ppmにSi−O基に隣接するメチレン基に基づくシグナルが認められ、また、原料の末端エポキシ化EPRのエポキシ環内部のメチレン基に基づくシグナルが消失していた。該ポリマーのIR分析の結果、1100cm−1付近にSi−O結合に基づく振動ピークが検出された。すなわち、以下の構造の星型ポリマーが存在することを確認した。
Figure 2005248123
[合成例6]
[直鎖状エチレン・プロピレン共重合体(EPR)の合成]
MAOの仕込を20ミルモル/リットル(タンク内濃度)、ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウム(IV)ジクロリドを0.16ミリモル/リットル(タンク内濃度)となるように仕込み、プロピレン流量を189リッター/hとし、エチレン流量を111リッター/hとしたこと以外は実施例5と同様の方法により重合・後処理を行い、151gの無色透明のオイル状ポリマーを得た。得られたポリマーのエチレン含量は48mol%であった。分子量をGPC(PS換算)で測定したところMn=8,580、Mw=14,840、Mw/Mn=1.7であった。
[合成例7]
[直鎖状エチレン・プロピレン共重合体(EPR)の合成]
MAOの仕込を20ミルモル/リットル(タンク内濃度)、ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウム(IV)ジクロリドに替えてビス(1,3−ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウム(IV)ジクロリドを0.16ミリモル/リットル(タンク内濃度)となるように仕込み、プロピレン流量を156リッター/hとし、エチレン流量を144リッター/hとし、重合温度を55℃としたこと以外は実施例5と同様の方法により重合・後処理を行い、151gの無色透明のオイル状ポリマーを得た。得られたポリマーのエチレン含量は71mol%であった。分子量をGPC(PS換算)で測定したところMn=9,890、Mw=18,000、Mw/Mn=1.8であった。
ベース油と、合成例1で得られた星型ポリマー、流動点降下剤としてアクルーブ133(三洋化成社製)、極圧剤としてアングラモル98A(Lubrizol社製)をそれぞれ配合し、潤滑油を調製した。得られた潤滑油の性能評価を行なった。配合比、及び評価結果を表1に示す。
合成例2で得られたポリマーを用いた以外は、実施例1と同様にして潤滑油組成物を調製し、評価した。配合比、及び評価結果を表1に示す。
合成例3で得られたポリマーを用いた以外は、実施例1と同様にして潤滑油組成物を調製し、評価した。配合比、及び評価結果を表1に示す。
合成例4で得られたポリマーを用いた以外は、実施例1と同様にして潤滑油組成物を調製し、評価した。配合比、及び評価結果を表1に示す。
合成例5で得られたポリマーを用いた以外は、実施例1と同様にして潤滑油組成物を調製し、評価した。配合比、及び評価結果を表1に示す。
比較例1
合成例6で得られたポリマーを使用したこと以外は、実施例1と同様にして潤滑油組成物を調製し、評価した。配合比、及び評価結果を表1に示す。
比較例2
合成例7で得られたポリマーを用いた以外は、比較例1と同様にして潤滑油組成物を調製し、評価した。配合比、及び評価結果を表1に示す。
Figure 2005248123
潤滑油用粘度指数向上剤として中心核に1本以上の特定のエチレン・α−オレフィン共重合体が結合した構造を有する星型ポリマーは、従来と比較して粘度指数向上能と剪断安定性のバランスに優れており、ロングライフ化に適応した潤滑油添加剤として利用可能である。

Claims (6)

  1. 中心核にポリマー鎖が3本以上結合した構造を有し、中心核に結合しているポリマー鎖として、
    (i)(a)エチレンから導かれる構成単位を30〜90モル%の範囲の量で含有し、(b)炭素原子数3〜20のα−オレフィンから選ばれる少なくとも1種類の単量体から導かれる構成単位を10〜70モル%の範囲で含有し、
    (ii)数平均分子量(Mn)が500〜20,000である、エチレン・α−オレフィン共重合体からなるポリマー鎖、
    を少なくとも1本以上有することを特徴とする星型ポリマーからなる潤滑油添加剤。
  2. 下記一般式(I)
    Figure 2005248123
    〔式(I)中、Pは(i)(a)エチレンから導かれる構成単位を30〜90モル%の範囲の量で含有し、(b)炭素原子数3〜20のα−オレフィンから選ばれる少なくとも1種類の単量体から導かれる構成単位を10〜70モル%の範囲で含有し、
    (ii)数平均分子量(Mn)が500〜20,000である、エチレン・α−オレフィン共重合体からなるポリマー鎖であり、Xはヘテロ原子またはヘテロ原子を含む基である。〕で表される末端に官能基を有するエチレン・α−オレフィン共重合体と、少なくとも3つ以上の官能基を有する多官能低分子量化合物(Z)との反応により星型ポリマーが製造されることを特徴とする請求項1に記載の星型ポリマーからなる潤滑油添加剤。
  3. 上記一般式(I)において、Xで示される基が、水酸基、カルボキシル基、酸ハロゲン基、アミノ基、酸無水物基、エポキシ基から選ばれる基を含むことを特徴とする請求項2に記載の星型ポリマーからなる潤滑油添加剤。
  4. 上記多官能低分子量化合物(Z)が、ハロゲン原子、水酸基、カルボキシル基、酸ハロゲン基、アミノ基、エポキシ基、イソシアナート基から選ばれる原子または基を3つ以上有することを特徴とする請求項2〜3に記載の星型ポリマーからなる潤滑油添加剤。
  5. 上記ポリマー鎖がエチレン・プロピレン共重合体であることを特徴とする請求項1〜4に記載の星型ポリマーからなる潤滑油添加剤。
  6. (A)請求項1〜5いずれか1項に記載の星型ポリマーからなる潤滑油添加剤0.2〜50重量部と、
    (B)鉱油、合成炭化水素油及びエステル油から選ばれる少なくとも1種類からなり、かつ、100℃での動粘度が1〜20mm/sの範囲にあるベースオイル50〜99.8重量部と、必要に応じて
    (C)清浄分散剤、粘度指数向上剤、酸化防止剤、腐食防止剤、耐磨耗剤、摩擦調整剤、流動点降下剤、防錆剤、消泡剤および極圧剤からなる群より選ばれた少なくとも1種類の添加剤を含むことを特徴とする潤滑油組成物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2021027210A1 (zh) * 2019-08-14 2021-02-18 深圳昆油石化技术有限公司 含有星型sep共聚物润滑油粘度指数改性剂及其制备方法

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