JP7261400B2 - 胃腸サンプルを採取するためのデバイス - Google Patents

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Description

関連出願の相互参照
本願は、特許協力条約(PCT)の下で出願された国際特許出願であり、2017年5月19日に米国特許商標庁に出願された、出願番号62/509,014の「胃腸サンプルを採取するためのデバイスおよび方法」と題する仮出願、2017年5月23日に米国特許商標庁に出願された、出願番号62/510,247の「胃腸サンプルを採取するためのデバイスおよび方法」と題する仮出願、2017年5月30日に米国特許商標庁に出願された、出願番号62/512,719の「胃腸サンプルを採取するためのデバイスおよび方法」と題する仮出願、2017年6月9日に米国特許商標庁に出願された、出願番号62/517,841の「胃腸サンプルを採取するためのデバイスおよび方法」と題する仮出願、2017年6月19日に米国特許商標庁に出願された、出願番号62/522,078の「胃腸サンプルを採取するためのデバイスおよび方法」と題する仮出願、2017年6月26日に米国特許商標庁に出願された、出願番号62/525,183の「胃腸サンプルを採取するためのデバイスおよび方法」と題する仮出願、2017年7月3日に米国特許商標庁に出願された、出願番号62/528,406の「胃腸サンプルを採取するためのデバイスおよび方法」と題する仮出願、2017年8月4日に米国特許商標庁に出願された、出願番号62/541,379の「胃腸サンプルを採取するためのデバイスおよび方法」と題する仮出願、2017年10月27日に米国特許商標庁に出願された、出願番号62/578,289の「胃腸サンプルを採取するためのデバイスおよび方法」と題する仮出願、2017年12月6日に米国特許商標庁に出願された、出願番号62/595,576の「胃腸サンプルを採取するためのデバイスおよび方法」と題する仮出願、および、2018年2月6日に米国特許商標庁に出願された、出願番号62/627,175の「胃腸サンプルを採取するためのデバイスおよび方法」と題する仮出願の優先権および利益を主張するものである。
参照による援用
本明細書において言及されるすべての公報および特許出願は、あたかも個々の公報または特許出願の各々が具体的におよび個別に参照によって本明細書に組み込まれることが示されることと同じ程度で、参照によって全体が明細書に組み込まれる。
本願は、胃腸の診断および治療の分野に関する。
哺乳類の胃腸(GI)管のマイクロバイオームは、宿主生物に恩恵をもたらす多くの不可欠な生理的機能(消化、必須アミノ酸およびビタミンの産生、免疫系の制御、疾患への抵抗性の提供、更には、食欲および行動の変化を含む)を実行することが近年認識されている。しかし、哺乳類の胃腸管における数百または数千の微生物種の機能については、あまり知られていない。胃腸管の異なる地点ごとの、単一個体における微生物の多様性は、驚くべきものである。単一個体におけるこの微生物生態系の複雑性、および、個人間の多様性に起因して、胃腸管のすべての領域に生息している微生物群を日常的にサンプリングして、それらの関連する代謝産物、および、それらの宿主との相互作用と共に解析する必要性が存在する。代謝産物および二次代謝産物は、微生物とその宿主との間の双方向のコミュニケーションにおいて重要な役割を果たし、宿主の生理的状態に大きく影響し得る。更に、腸の微生物の解析は、治療の効果を誘導および測定するだけでなく、健康および疾患の状態に相関し得る。
本発明は、飲み込まれるカプセル形状のデバイスを使用して胃腸サンプルを採取するためのデバイスおよび方法に関する。
第1態様において、胃腸サンプルを採取するためのデバイスが提供される。デバイスは、カプセルと、カプセル内で巻かれ、捻じれ、または、曲げられている管状ボディとを含み、ボディは開放端および閉鎖端を含む。
いくつかの実施形態において、管状ボディは、デバイスのサンプリング速度を限定するよう構成される狭窄部を含む。管状ボディは、約0.2~2.5mmの内径を有し得る。いくつかの実施形態において、管状ボディは、約0.4~3.0mmの外径を有する。いくつかの実施形態において、管状ボディは、約5.0~7.0mmの外径を有する。管状ボディは、約1~200cmの長さを有し得る。いくつかの実施形態において、管状ボディは、5以上のアスペクト比を有する。いくつかの実施形態において、管状ボディへ胃腸サンプルを移動させることは、放射状に折り畳まれたボディと、放射状に膨張したボディとの間の圧力差によって駆動される。
いくつかの実施形態において、管状ボディの開放端は一方向バルブを含み得る。一方向バルブのクラッキング圧は、約0.03~15ポンド/平方インチの範囲であり得る。管状ボディを膨張させることによって加えられる最大外向き放射状圧力は、ボディのcm長さあたり、約10~150重量グラムの範囲であり得る。ボディの開放端を通る流体サンプルの流量は、1~500マイクロリットル/時間であり得る。
デバイスのサンプリングの空間分解能は、胃腸管の長さ30フィート±約1フィートであり得る。管状ボディは中空であり得る。管状ボディは、折り畳まれた内部ルーメンを有し得る。いくつかの実施形態において、管状ボディは、中心軸の周りに螺旋として巻かれる。螺旋は、中心軸の周りに軸方向に偏移し得る。いくつかの実施形態において、管状ボディは、中心軸の周りに捻じれ、螺旋またはコイルを形成する。管状ボディは、中心軸の周りに捻じれ、高次螺旋または高次コイルを形成し得る。いくつかの実施形態において、管状ボディが曲げられ、アコーディオン状の構成になる。管状ボディは、中心軸に沿って曲げられ、襞状の構成になり得る。管状ボディは、カプセル内に配置されるときに陥入されない。管状ボディの最大直径は、カプセルの直径より小さい。
管状ボディは、カプセルの溶解時に緩和状態に移行するよう構成され得る。いくつかの実施形態において、カプセルは、管状ボディの膨張力によって破断される。管状ボディは、管状ボディ上の被覆要素の分解時に、緩和状態に移行するよう構成され得る。いくつかの実施形態において、カプセルは、管状ボディを囲む1または複数の被覆要素を含む。カプセルは、管状ボディを囲む、少なくとも第1および第2のpH感受性分解可能被覆要素を含み得る。いくつかの実施形態において、第1および第2の被覆要素の少なくとも1つが、約6.4~7以下のpHで分解する。デバイスは、約1分から1時間にわたって胃腸内容物をサンプリングするよう構成され得る。いくつかの実施形態において、デバイスは、約1時間~8時間にわたって胃腸内容物をサンプリングするよう構成される。巻かれ、捻じれ、または、曲げられた管状ボディの異なる部分は、異なる分解可能被覆要素を含み得る。いくつかの実施形態において、開放端の近くに配置される被覆要素は、開放端から遠くに配置される被覆要素より速く分解するよう構成される。いくつかの実施形態において、開放端の近くに配置される被覆要素は、開放端から遠くに配置される被覆要素より低いpHで分解するよう構成される。
いくつかの実施形態において、管状ボディの第2端部は、カプセルにおける開口部と流体連通する。
管状ボディは、コイル状に巻かれて、複数の平らなディスクを形成し得る。いくつかの実施形態において、管状ボディはコイル状に巻かれて、3つの平らなディスクを形成する。胃腸管の異なる部分を標的にするために、各ディスクは、異なる速度でほどけるよう構成され得る。いくつかの実施形態において、開放端は、巻かれ、捻じれ、または曲げられた管状ボディの内部に配置される。開放端は、巻かれ、捻じれ、または曲げられた管状ボディの外部に配置され得る。いくつかの実施形態において、カプセルは、右結腸において割れるよう構成される分割カプセルを含む。いくつかの実施形態において、カプセルは、右結腸において展開するよう構成される管状ボディを含み得る。管状ボディは、右結腸において開くよう構成される管状ボディの開放端を含み得る。
デバイスの採取体積割合は、少なくとも50%であり得る。いくつかの実施形態において、デバイスの採取体積割合は少なくとも100%である。デバイスの死容積は約15%より小さいことがあり得る。いくつかの実施形態において、デバイスの体積は、約2mlより小さい。デバイスの体積は、約1mlより小さいことがあり得る。
いくつかの実施形態において、デバイスは、場所識別パラメータを検出するよう構成される検出器を含む。場所識別パラメータは、pH、色、細菌数、微生物アイデンティティ、ホルモン、溶解気体、酵素活性、生化学的マーカ、カプセル移動パターン、および管腔内圧のうち少なくとも1つを含み得る。
いくつかの実施形態において、デバイスはアクチュエータを含む。アクチュエータは弾性材料を含み得る。いくつかの実施形態において、アクチュエータは中空ブラダを含む。アクチュエータは、カプセルの端から離れていることがあり得、アクチュエータとカプセルとの間に空間を作る。いくつかの実施形態において、カプセルは、空間内のボディ上に配置されるオリフィスを含む。オリフィスは、オリフィスを開く、または閉じるよう構成される移動可能なシールを含み得る。いくつかの実施形態において、オリフィスは分解可能被覆要素を含む。アクチュエータは、第1の折り畳まれた状態および第2の膨張状態を含み得る。空間は流体を含み得る。
いくつかの実施形態において、管状ボディの長さは、サンプル採取プロセス中に変化しない。
別の態様において、胃腸内容物をサンプリングするためのデバイスを製造する方法が提供される。方法は、管状ボディを巻き、捻じり、または折り曲げる段階と、巻かれ、捻じれ、または曲げられた管状ボディをカプセル内に配置する段階とを備える。
いくつかの実施形態において、巻かれ、捻じれ、または曲げられた管状ボディの内部ルーメンは、放射状に折り畳まれる。管状ボディまたは管状ボディの開口部は、腸分解可能材料で被覆され得る。
別の態様において、胃腸内容物をサンプリングする方法が提供される。方法は、請求項1のデバイスを胃腸管内に送達する段階と、胃腸内容物が管状ボディ内に流れることを可能にする段階と、デバイスを便から回収する段階とを備える。
いくつかの実施形態において、管状ボディの折り畳まれた内部ルーメンの放射状の膨張により、胃腸内容物が管状ボディに流れる。
更に別の態様において、胃腸内容物をサンプリングする方法が提供される。方法は、カプセルを含むデバイスを胃腸管内に送達する段階であって、管状ボディは、カプセル内で巻かれ、捻じれ、または曲げられている、段階と、胃腸内容物が管状ボディに流れることを可能にする段階と、デバイスを便から回収する段階とを備える。
いくつかの実施形態において、流れることを可能にすることは管状ボディを放射状に膨張することを含む。いくつかの実施形態において、管状ボディを放射状に膨張させることは、カプセルを溶解させることを含む。いくつかの実施形態において、管状ボディを放射状に膨張させることは、管状ボディ上、または、カプセル上の被覆要素を分解することを含む。
更に別の態様において、胃腸サンプルを採取するためのデバイスが提供される。デバイスは、ボディと、ボディの側壁上の開口部と、ボディの長手方向軸に沿って延びるスピンドルに沿って搭載された複数のプレートであって、隣接するプレートは互いの間に空間を有する、複数のプレートと、ボディの長手方向軸に沿って、複数のプレートを置換するよう構成されるアクチュエータであって、長手方向の置換によって、プレートの間の各空間が開口部と整列する、アクチュエータとを備える。プレートはディスク形状であり得る。いくつかの実施形態において、プレートは、ボディの断面と同じ形状を有し、ボディの内壁に対してシールする。開口部はスリット形状であり得る。ボディはカプセル形状であり得る。いくつかの実施形態において、ボディは被覆を含む。デバイスは、便採取のためのキャビティを含み得る。いくつかの実施形態において、アクチュエータは、引張弾性部材を含む。
別の態様において、胃腸サンプルを採取するためのデバイスが提供される。デバイスは、外側ボディと、外側ボディの上の被覆要素と、外側ボディの側壁における開口部と、外側ボディの内側面と篏合する形状の中空ピストンであって、ボディの端に配置されるピストンと、側壁の開口部を被覆するために、ボディの反対の端にピストンを進めるよう構成されるアクチュエータとを備える。
いくつかの実施形態において、デバイスは、開口部の直径方向に反対側に配置される第2開口部を含む。デバイスは、ボディにおける開口部を含み得る。いくつかの実施形態において、アクチュエータは、濡れたときに膨張する材料を含む。ピストンは、カップ形状であり得る。いくつかの実施形態において、アクチュエータは、水分分解可能拘束部によって圧縮されるバネを含む。
更に別の態様において、胃腸サンプルを採取するためのデバイス。デバイスは、ボディと、ボディ内の採取部材と、ボディ上の開口部と、第1の位置から移動可能なシーリング要素であって、開口部は、開口部がシーリング要素によってシールされる第2の位置に対して開いている、シーリング要素と、シーリング要素を移動させるよう構成されるアクチュエータとを備える。
いくつかの実施形態において、採取部材は多孔質材料を含む。アクチュエータは湿式アクチュエータであり得る。いくつかの実施形態において、アクチュエータは、脱水スポンジまたは高吸収性材料を含む。デバイスは、開口部の近くに芯(wick)を含み得る。いくつかの実施形態において、採取部材は、開口部が採取部材と流体連通していない第1の位置から、開口部が採取部材と流体連通している第2の位置への移動可能である。採取部材は、開口部が採取部材と流体連通している第2の位置から、採取部材が開口部をシールする第3位置へ移動可能であり得る。いくつかの実施形態において、採取部材はシーリング要素である。アクチュエータは水分分解可能拘束機構を含み得る。いくつかの実施形態において、アクチュエータは二重トリガ水分分解可能拘束機構を含む。アクチュエータはシーリング要素であり得る。デバイスは1または複数の追加の開口部を含み得る。いくつかの実施形態において、アクチュエータは、複数のアクチュエータ要素を含む。いくつかの実施形態において、アクチュエータは、約1~60分以内に、シーリング要素をシーリング位置に移動させる。デバイスは被覆要素を含み得る。いくつかの実施形態において、デバイスは、開口部を被覆するよう構成されるpH感受性分解可能被覆要素を含む。デバイスは、第2のpH感受性分解可能被覆要素によって被覆される第2開口部を含み得る。
別の態様において、胃腸サンプルを採取するためのデバイスが提供される。デバイスは、ボディと、胃腸サンプルがボディに入ることを可能にするよう構成される、ボディに流体連通する開口部と、開口部を被覆する外部pH感受性分解可能被覆要素と、開口部を被覆する内部pH感受性分解可能被覆要素とを備える。
いくつかの実施形態において、外部被覆要素は、標的pHレベル以上で分解するよう構成される。内部被覆要素は、標的pHレベル以下で分解するよう構成される。いくつかの実施形態において、外部被覆要素は、約6.4~7以上のpHで分解するよう構成される。内部被覆要素は、約6.4~7以下のpHで分解するよう構成され得る。いくつかの実施形態において、外部被覆要素は、小腸において溶解するよう構成される。内部被覆要素は、右結腸において溶解するよう構成される。いくつかの実施形態において、外部被覆要素は、官能基であるメタクリル酸を有するアニオンアクリル性ポリマーを含む。内部被覆要素は、官能基であるメタクリル酸ジメチルアミノエチルを有するカチオン性ポリマーを含み得る。
別の態様において、胃腸サンプルを採取するためのシステムが提供される。システムは、第1の胃標的カプセル、第2の小腸標的カプセル、および、第3の結腸標的カプセルを含み、3つのカプセルは、同時に摂取されるよう構成される。
いくつかの実施形態において、カプセルの少なくとも1つは、標的であるエリアで分解するよう構成されるpH感受性分解可能材料を含む。カプセルの少なくとも1つは、内部pH感受性分解可能被覆要素および外部pH感受性分解可能材料を含み得る。いくつかの実施形態において、カプセルの少なくとも1つは、標的であるエリアで分解するために選択された厚さを有する分解可能被覆要素を含む。カプセルは、pH感受性分解可能被覆要素を含み得る。いくつかの実施形態において、被覆要素は、約5.5以上のpHで分解するよう構成される。カプセルは、可撓性接続要素によって接続され得る。
別の態様において、胃腸サンプルを採取するシステムが提供される。システムはカプセルと、カプセル内に中空ボディおよび分解可能被覆要素を各々が含む複数の採取部材と、部材を共に接続して鎖を形成することによって連結される採取部材とを備え、採取部材にサンプルを充填することにより、鎖における後続の採取部材による採取がトリガされる。採取部材は各々、開口部を含み得る。水分分解可能材料の分解または溶解により、複数の採取部材の開口部を連続的に露出する。
いくつかの実施形態において、各採取部材の長さは約1~30mmである。各接続部材の長さは、約1~100mmであり得る。いくつかの実施形態において、採取部材は、直線状に、または、スポークを中心に配置される。採取部材の少なくとも一部は、シールまたは一方向バルブを含み得る。いくつかの実施形態において、サンプルを採取するために陰圧差が使用される。陰圧差は、毛管力、または、折り畳まれた部材の膨張によって引き起こされ得る。いくつかの実施形態において、被覆要素は、水和時間またはpHの1つに基づいて分解するよう構成される。採取部材の充填は、採取部材の閉鎖またはシールをトリガし得る。いくつかの実施形態において、充填は、標的体積、標的期間、または特定のpHによって検出される。採取部材の一部はシールを含み得る。いくつかの実施形態において、採取部材の一部はフローセンサを含む。
本発明の新規の特徴を、特に後続の特許請求の範囲において説明する。本発明の原理が利用される例示的な実施形態を記述する以下の詳細な説明、および添付の図面を参照することにより、本発明の特徴および利点のよりよい理解が得られる。
ヒト胃腸管の解剖学的構造を示す。
デバイスの実施形態の斜視図を示す。
デバイスの実施形態の部分斜視図を示す。
胃腸サンプルを採取することを開始するときのデバイスの実施形態の断面図を示す。
胃腸サンプルを採取した後のデバイスの実施形態の断面図を示す。
分解された要素を含むデバイスの実施形態の斜視図を示す。
組み立てられたデバイスの実施形態の斜視図を示す。
任意の胃腸サンプルを採取する前のデバイスの実施形態の斜視図を示す。
任意の胃腸サンプルを採取する前のデバイスの実施形態の部分斜視図を示す。
胃腸サンプルを採取した後のデバイスの実施形態の部分斜視図を示す。
任意の胃腸サンプルを採取する前のデバイスの実施形態の断面図を示す。
胃腸サンプルを採取した後のデバイスの実施形態の断面図を示す。
胃腸サンプルを採取する前のデバイスの実施形態の斜視図を示す。
胃腸サンプルを採取する間のデバイスの実施形態の斜視図を示す。
胃腸サンプルを採取した後のデバイスの実施形態の斜視断面図を示す。
胃腸サンプルを採取する前のデバイスの実施形態の斜視図を示す。
胃腸サンプルを採取する間のデバイスの実施形態の斜視図を示す。
胃腸サンプルを採取した後のデバイスの実施形態の斜視断面図を示す。
セグメント化された一連の別々の採取部材として構成されるデバイスの実施形態の断面図を示す。
図19に示される実施形態の採取部材の1つの拡大断面図を示す。
任意の胃腸サンプルを採取する前のデバイスの複数の採取要素の実施形態の斜視図を示す。
胃腸サンプルを採取する前のデバイスの実施形態の斜視図を示す。
胃腸サンプルを採取する前のデバイスの実施形態の斜視断面図を示す。
胃腸サンプルを採取する間のデバイスの実施形態の斜視断面図を示す。
胃腸サンプルを採取した後のデバイスの実施形態の斜視断面図を示す。
胃腸サンプルを採取する前のデバイスの実施形態の斜視図を示す。
胃腸サンプルを採取する前のデバイスの実施形態の斜視断面図を示す。
胃腸サンプルを採取する間のデバイスの実施形態の斜視断面図を示す。
胃腸サンプルを採取した後のデバイスの実施形態の斜視断面図を示す・
アクチュエータにポテンシャルエネルギーがほじ保存される前のデバイスの実施形態の部分斜視図を示す。
任意の胃腸サンプルを採取する前の、アクチュエータにポテンシャルエネルギーが保存されたデバイスの実施形態の部分斜視図を示す。
胃腸サンプルを採取した後のデバイスの実施形態の部分斜視図を示す。
個々の被覆要素を有する、巻かれた採取部材のスプールとして構成されるデバイスの実施形態の部分斜視断面図を示す。
単一のセグメント化採取部材として構成されるデバイスの実施形態の斜視断面図を示す・
中心軸の周りに螺旋として巻かれた、折り畳まれたルーメンを有する採取部材の実施形態を示す。
中心軸の周りの軸方向に偏移した螺旋として巻かれた、折り畳まれたルーメンを有する採取部材の実施形態を示す。
アコーディオン曲げ構成に曲げられた、折り畳まれたルーメンを有する採取部材の実施形態を示す。
螺旋またはコイル構成に捻じれた、折り畳まれたルーメンを有する採取部材の実施形態を示す。
襞構成に曲げられた、折り畳まれたルーメンを有する採取部材の実施形態を示す。
アクティブバルブ、pHセンサ、およびフローセンサを有するデバイスの実施形態を示す。
本明細書において使用される場合、「解析」、「解析」および「解析技法」という用語は、pH測定、目視検査、スペクトル解析、圧力測定、酸素含有量、カラリメトリー、フィロジェネティクス、プロテオミクス、メタボロミクス、質量分析法(MS)、核磁気共鳴(NMR)、クロマトグラフィ、電気泳動、ヘモグロビンの存在、イムノアッセイ、タンパク質-タンパク質相互作用、蛍光、フローサイトメトリ、宿主-マイクロバイオーム相互作用、核酸ハイブリダイゼーション、mRNAもしくはcDNA転写解析、および、全ゲノム、ランダム断片、もしくは、微生物の16S rRNAなど特定の部分を含む核酸の配列決定を含む技法、ならびに、並行または順次行われる上の技法の任意の組み合わせを指す。これらの解析のすべてまたは一部を臨床または表現型情報に重ねることにより、胃腸管の生理学の包括的な画像、健康状態および疾患におけるマイクロバイオームの状態、ならびに治療の安全性および効果を提供する。16S rRNA配列決定から取得される微生物群メンバのアイデンティティおよび多様性、メタゲノム配列データから取得される代謝ポテンシャル、ならびに、メタプロテオームデータから取得される遺伝子発現およびタンパク質産生についての情報を組み合わせる能力により、腸の微生物叢を複数の分子レベルで同時に探索することが可能である。
本明細書において使用される「胃腸サンプル」という用語は、液体、消化液、粘液、微生物、代謝産物、細胞、細胞断片、炭水化物、脂肪、脂質、タンパク質、ペプチド、免疫系分子、免疫系細胞、血液、ヘモグロビン、食物粒子、酸、塩基、気体、低分子、ホルモン、核酸、薬剤、プロドラッグ、薬剤代謝産物、揮発性分子、溶解気体または遊離気体、および、口から肛門までの胃腸管に存在する他の分子を含む。本明細書において使用される「微生物」という用語は、3ドメインの真正細菌、真核生物、古細菌、および、ファージなどのウイルスからの微視的エージェントの1または複数の種または株を含む。本明細書において使用される微生物のグループ、または、微生物集団は、全体として「微生物叢」と称され、グループが何等かの方式で定量化または測定されるとき、「マイクロバイオーム」と称される。本明細書において使用される「免疫系分子または免疫系細胞」という用語は、すべての形態のリンパ球、白血球、抗原提示細胞、抗体、抗原、炎症マーカ、c反応性タンパク質(CRP)、抗菌分子、プロテアーゼ、細胞シグナル伝達タンパク質、サイトカイン、ケモカイン、ホルモン、神経伝達物質、インターロイキン、ビタミン、主要組織適合遺伝子(MHC)分子、補体系分子、抗ウイルス分子などを含む。
本明細書において使用される「分解可能材料」という用語は、「水分分解可能材料」、また、「腸分解可能材料」を含み、以下でより完全に説明される。
本明細書において使用される「水分分解可能材料」という用語は、広範囲のpHレベルまたは狭い範囲のpHレベル、広範囲の時間または狭い範囲の時間、材料を代謝または分解できるヒトまたは微生物酵素の存在下または非存在下で水分にさらされたときに、溶解、分解、加水分解、水和、軟化、またはそうでなければ強度が低下する材料を意味する。水分分解可能材料は、ポリビニルアルコール(PVA)、酢酸フタル酸ポリビニル(PVAP)、ポリビニルクロリド、ポリビニルピリジンアクリル酸、脂肪酸、ワックス、シェラック、植物繊維、紙、セルロース系材料、澱粉、アクリル酸メチル-メタクリル酸共重合体、酢酸フタル酸セルロース)(CAP)、酢酸コハク酸セルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、(酢酸/コハク酸)ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メタクリル酸メチル、メタクリル酸、ポリアクリル、酢酸セルロース、トリメリト酸、アルギン酸ナトリウム、ゼイン、澱粉、ペクチン、ゼラチン、架橋ゼラチン、炭水化物、アラビアゴム、塩、次亜塩素酸ナトリウム、次亜塩素酸リチウム、次亜塩素酸カルシウム、ジクロル、トリクロル、糖、タンパク質、ヒドロゲル、ならびにポリマー、共重合体、酢酸塩、シート、コーティング、フォーム、混合物、またはそれらの誘導体を含む。水分分解可能材料の機能は、胃腸管における所望の位置に達するまで、デバイスが胃腸内容物にさらされないよう保護すること、十分なサンプルが採取された後に、胃腸液のサンプリングを開始または停止するためのアクチュエータの動きを可能にすること、および/または、採取されたサンプルに溶解されるときにすべての代謝プロセスを停止するために消毒殺菌剤として作用することを含む。例として、採取部材と流体連通する塩化ナトリウムなどの固体の塩は、胃腸液がサンプリングカプセル内に導入されるときに溶解する。固体の塩は、アクチュエータの動きに抵抗するように作用する。塩は溶解するとき、アクチュエータによるサンプリングカプセルのシールをもはや物理的に防止しなくなることがあり得る。更に、その結果として、採取部材における高い溶解塩濃度は、デバイスにおける微生物を殺傷し、それによって、後の解析のために生体分子を保存することを助ける。
本明細書において使用される「腸分解可能材料」という用語は、デバイスの採取部材が、胃から遠位にある胃腸管の部分とだけ流体連通することを可能にする化合物および被覆技法を指す。サンプル腸分解可能材料は、アクリル酸メチル-メタクリル酸共重合体、酢酸フタル酸セルロース(CAP)、酢酸コハク酸セルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、(酢酸/コハク酸)ヒドロキシプロピルメチルセルロース(ヒプロメロース酢酸エステルコハク酸エステル)、酢酸フタル酸ポリビニル(PVAP)、メタクリル酸メチル-メタクリル酸共重合体、シェラック、トリメリト酸酢酸セルロース、アルギン酸ナトリウム、ゼイン、およびそれらの組み合わせまたは誘導体を含む。本明細書において開示される腸分解可能材料は、胃から遠位にある地点で流体がデバイスに流れることを制御する。これは、薬物送達において使用される、胃から遠位にある地点で物質がカプセルから身体へ流れ出すことを制御する腸および腸送達技術と対照的である。例えば、物質がカプセルから流れ出すことは、膨潤または水和するが溶解しない腸溶コーティング通じた拡散を介して達成され得る。対照的に胃腸サンプルがデバイス内に流れることは、完全に溶解された、または、破断されたコーティングを通じた、デバイスへの液体のバルク流を必要とする。したがって薬物送達に役立つ腸溶コーティングは、サンプル採取デバイスの機能の制御には役立たないことがあり得る。例として、サンプリングデバイスは、送達カプセル内に圧縮された、次に腸分解可能材料によってコーティングされる弾性材料からできていることがあり得る。弾性サンプリングデバイスは、カプセル内から腸溶コーティングに対して放射状または軸方向の圧力を加え、腸溶コーティングを破断し、サンプリングデバイスへの液体サンプルのバルク流を開始する。
腸分解可能材料は更に、デバイスが十分な時間をかけて小腸を通過して結腸に入った後に主に分解される持続放出型または時間分解可能材料を含む。例として、デバイスは、グアーガムなどの持続放出型コーティングでコーティングされ。次に、小腸に存在するpHのみで溶解するメタクリル酸などの腸分解可能材料で更にコーティングされる。外部腸分解可能材料は、酸性の胃を通過する間にデバイスを保護する。腸分解可能材料は、小腸のpHで分解し、それによって、グアーガムの次のコーティングを露出させる。グアーガムコーティングは、分解に2時間かかり、小腸を通過する残り2時間にわたってデバイスを保護する。最後に、グアーガムコーティングは結腸において分解し、デバイスは結腸における胃腸サンプルを採取する。本明細書において使用される「結腸標的化」という用語は、デバイスの採取部材が、小腸から遠位にある胃腸管の部分とだけ流体連通することを可能にする化合物および被覆技法を指す。結腸標的化材料は、小腸と比較して結腸に優先的に存在するpHレベル、気体内容物、色、ルーメンサイズ、酵素、代謝産物または微生物で優先的に分解する材料を含む。結腸標的化に役立つコーティングである例示的な材料は、メタクリル酸、メタクリル酸メチル-メタクリル酸共重合体、澱粉、ペクチン、キトサン、グアーガム、デキストラン、および、それらの組み合わせまたは誘導体を含む。
本明細書において使用される「多孔性」という用語は、任意のオープンセル構造を意味する。そのような材料は、オープンセルフォーム、繊維、チャネル材料、紙、セルロース系、酢酸塩、綿、布、ガーゼ、スポンジなどを含む。
本明細書において使用される「活性剤」という用語は、薬剤、プロドラッグ、栄養補助食品、プレバイオティクス、プロバイオティクス、ポストバイオティクス、シンバイオティクス、微生物、免疫系分子、免疫系細胞、免疫系修飾因子、染料、上記の組み合わせなどを含む。本明細書において使用される「親水性」という用語は、水が表面上で90度未満の接触角を形成することを意味する。本明細書において使用される「超親水性」という用語は、水が表面上で1度より小さい接触角を形成することを意味する。
別に定義されない限り、本明細書において使用されるすべての技術的および科学的用語は、本発明が属する当技術分野における当業者によって一般に理解される意味と同じ意味を有する。本明細書において開示されるものと同様または同等の方法および材料が本発明の実施において使用され得るが、好適な方法および材料が以下に開示される。齟齬のある場合は、定義を含めて本特許明細書が優先する。加えて、材料、方法および例は、例示を目的としたものに過ぎず、限定を意図するものではない。
本発明の少なくとも1つの実施形態を詳細に説明する前に、本発明は、その適応において、以下の説明において記載されるコンポーネントの構造および配置の詳細に、その適用が限定されるものではないことを理解されたい。本発明では、他の実施形態も、様々な手段で実施又は実行されることが可能である。また、本明細書に採用される表現法および用語法は、説明目的のためのものであり、限定とみなされるべきではないことを理解されたい。
図1は、本明細書に記載されるデバイスおよび方法によってサンプリングされるヒト胃腸(GI)管の領域を示す。食品は胃1に入り、ここで筋肉が、消化液を有する液体と食品とを混合する。胃は、糜粥と呼ばれるその内容物を徐々に、小腸の近位部分とも称される十二指腸2へ流す。小腸の筋肉は、膵臓、肝臓、および腸から消化液と食品とを混合し、混合物を、更なる消化のために、小腸の中間部分とも称される空腸3に向かって押す。小腸の遠位部分とも称される回腸4に達するまで、小腸の壁は水および消化された栄養を血流内に吸収する。蠕動が継続するにつれて、消化プロセスの老廃物は、右結腸、または、大腸の近位結腸部分とも称される上行結腸5へ移動し、ここで、複雑な炭水化物が微生物によって発酵される。食品の未消化部分、流体、および、胃腸管粘膜からの古い細胞を含む、消化プロセスからの老廃物は、中間結腸とも称される横行結腸6へ移される。左結腸、または、大腸の遠位結腸部分とも称される下行結腸7は、水を吸収して、老廃物を液体状から固体状の便に変化させる。蠕動は、便が直腸8へ移動し、そこから便通の間に便器内に移動することを助ける。胃腸管のこれらの領域間のpHレベル、および、他の生化学的および生理的な差は、表1および表4においてより完全に記載される。
微生物活動の大部分は、サンプル採取の主な領域である小腸および右結腸において生じる。発明者は、便が横行結腸内に到達した後、微生物の発酵活動が低減することを実験的に決定した。下の表1に列挙される典型的な通過時間に基づいて、所望のサンプリング好適時間は最大8時間であり、これは、サンプリングデバイスが右結腸に到達するのに十分長い。右結腸の後に、採取されたサンプルは、身体外において採取された便サンプルと大きく異ならない。
微生物の多く、および、関心のある他の胃腸サンプルは、胃腸管ルーメン上の粘液層に存在する。任意の所与の時点において、胃腸管の領域は、空になって折り畳まれ、気体、流体、半固体内容物、固体内容物、または、各々の混合物を含み得る。胃腸管の領域に気体が充満しているとき、採取部材は、周囲に自由に流れる任意の流体が無い状態で、露出したルーメン壁に接し得る。採取部材は、周囲の流体を採取することが可能であるだけでなく、容易に流れないルーメン表面上の粘液の薄い層の形式で、直接接触または毛管作用を通じて、胃腸サンプルを採取し、吸い上げ、または、吸収することも可能であることが好ましい。先行技術のカプセル採取デバイスは、自由に流れる胃の流体で充填するように設計された、真空容器、くぼみ、または、陥入した採取容器を利用する。しかし、自由に流れる流体とは異なり、腸の気体は、デバイスによるサンプリングの瞬間に、胃腸管の特定の領域においてカプセルの周囲に存在し得る。したがって、真空、くぼみ、または陥入採取容器を利用する従来技術の装置は、気体内容物だけを吸引する、または、任意の液体サンプルをまったく採取しない。したがって、これらの先行技術採取デバイスは、カプセルが胃腸管のエリアをサンプリングするときに大量の流体を含まない当該エリアのサンプリングにおいて効果的でない。例えば、採取部材のサンプリング開口部内への流れが、真空リザーバによって駆動される場合、サンプリング開口部が気体にさらされるとすぐ、気体は、より粘度の高い流体サンプルと比較して非常に速く採取部材内に流れ、それによって、ほぼ即時に採取部材を気体で充填する。独立して制御されるアクチュエータ置換の速度、リザーバ再膨張、採取部材のほどけまたは展開、または、採取部材の吸い上げ作用に起因して、本開示のサンプリング速度は、サンプリングされている材料の粘度の影響を比較的受けないことがあり得る。いくつかの実施形態において、容積移送式採取機構を利用して、アクチュエータが置換される体積の各ユニットごとに、サンプルの等しい体積のユニットが採取され、採取サンプルが本質的に気体または流体のどちらであるかは関係ない。採取部材を形成する、巻かれ、折り畳まれた弾性ルーメンのいくつかの実施形態において、折り畳まれたルーメンのほどけおよび膨張の速度は、サンプリング開口部のサイズおよび/または弾性的に折り畳まれたルーメンのほどけおよび膨張を制限する分解可能材料の分解速度によって制御可能である。採取部材内へのサンプル採取の速度が1~60分となるように制御することは、液体サンプルが取得されることを確実にする上で重要である。気体および液体が充満した結腸にデバイスがある場合でも、デバイスをランダムに移動させる蠕動力は、1~60分の好適時間中のある時点において、開口部を液体のパッチに接触させる。サンプル採取が1分より短い期間に生じるいくつかの実施形態において、デバイスは、気体のサンプルだけを採取し得る。いくつかの実施形態において、サンプル採取が60分以上にわたって生じる、いくつかの実施形態においては、デバイスが1時間で胃腸管の異なる領域に移動できるので、サンプルが採取される位置の特異性が失われる。
採取部材が毛細管または吸い上げ力を形成する実施形態において、採取部材と相互作用する胃腸液の表面張力は、液体状の胃腸サンプルだけが採取されることを可能にする。気体の表面張力は、流体より遥かに小さいので、採取部材における気体は、液体によって容易に置換される。
いくつかの実施形態において、デバイスまたは採取部材は、胃腸サンプルを採取するために、体積において膨張しない、または、圧力差を利用しない。むしろ、吸い上げまたは毛管力が単独で採取部材への胃腸サンプルの採取を駆動する。
いくつかの実施形態において、デバイスまたは採取部材は、胃腸サンプルの採取プロセス中に全体積が小さくなる。全体積の低減が、デバイスに存在する捕捉気体を置換し、および/または、採取された胃腸サンプルを、胃腸管と更に接触しないように隔離するシール作用を可能にする。この実施形態は、全体積の膨張によってサンプルをデバイスへ駆動する陰圧差を形成する従来技術の装置とは対照的である。
いくつかの実施形態において、カプセルは、サイズ3、2、1、0、00または000カプセルのサイズおよび形状である。
いくつかの実施形態において、採取部材は、細胞溶解に必要な、湿った、乾燥した、または凍結乾燥された試薬を含む。胃腸サンプルによって再水和されるときに細胞溶解に必要な試薬の例は、ドデシル硫酸ナトリウム、トリス(2-カルボキシエチル)ホスフィン、2-クロロアセトアミド、および/またはトリス緩衝液pH8.5を含む。このようにして、細胞の内容物は、採取部材内に放出され、酵素活性が停止し、従って細胞の内容物は、in-vivoまたはex-vivoの更なる解析技法のために調製される。
いくつかの実施形態において、採取部材は、タンパク質の消化に必要な、湿った、乾燥した、または、凍結乾燥された試薬を含む。タンパク質の消化に必要な試薬の例は、トリプシンおよびLys-Cプロテアーゼを含む。このようにして、酵素活性は停止し、従って、タンパク質は、in-vivoまたはex-vivoの更なる解析技法のために調製される。解析ステップの例は質量分析法を含む。
いくつかの実施形態において、採取部材は、デバイスが依然として胃腸管内にある状態で、胃腸サンプルに含まれるRNAのリアルタイムの逆転写反応に必要な、湿った、乾燥した、または、凍結乾燥された試薬を含む。胃腸サンプルにおけるRNAは不安定であり、胃腸サンプルが採取されるときから、分析されるときまでの時間(数日単位であり得る)の間に分解し得る。逆転写の産物は、はるかに安定的な第1鎖相補DNA(cDNA)である。逆転写に必要な試薬は、逆転写酵素、ランダムまたは特定のプライマー、ライゲーション酵素、デオキシヌクレオチド(dNTP)、RNase阻害剤、塩およびバッファーを含む。
いくつかの実施形態において、採取部材は、胃腸サンプルを分析できるまでmRNAの分解を最小化するための、湿った、乾燥した、または、凍結乾燥されたRNase阻害剤を含む。
いくつかの実施形態において、カプセルボディは、採取部材として貫通孔を有する。貫通孔は、少なくとも2つの開口部をカプセルボディに形成し得る。水分分解可能材料、腸分解可能材料からできた被覆、または物理的に移動可能な被覆は、固体カプセルボディの開口部のうち1または複数のシールを形成する。正しいサンプリング場所において、貫通孔は、周囲の胃腸管環境にさらされる。胃腸サンプルは、貫通孔内に流れる、または吸い上げられる。サンプリングの最後に、固体カプセルボディにおける開口部は、開いたままであるか、または、胃腸サンプルを中に閉じ込めるためにシールされるかのいずれかである。孔が十分に小さい場合、サンプリング後にシールされる必要が無い。なぜなら、固体状態の便がカプセル表面に衝突して、消化経路の更に下流で孔をシールするからである。
いくつかの実施形態において、固体カプセルは、複数のそのような孔および複数のそのような被覆を有する。
いくつかの実施形態において、外部同心円円柱スリーブが外部被覆を形成し、固体カプセルボディにおける2つの開口の液密シールを提供し、それにより、貫通孔が胃腸管と流体連通することを防止する。外部スリーブはまた、2つの直径方向に反対にある孔を含み、外部スリーブが回転するとき、スリーブにおけるこれらの孔は、固体カプセルボディにおける2つの開口部と揃う。この位置において、胃腸サンプルは固体カプセルボディにおける貫通孔内へ流れ、吸い上げられ、または吸収され、一方、中に閉じ込められた気体は、いずれかの方向に逃げることが可能である。十分なサンプリング時間後に、外部スリーブは再度回転し、液密シールで固体カプセルボディにおける2つの開口を被覆し、それにより、採取された胃腸サンプルの漏洩またはコンタミネーションを防止する。
上の実施形態における貫通孔の特徴は、毛管作用に起因して胃腸サンプルが孔内に引き込まれているときに、孔内の気体が容易に逃げることを可能にする。ブラインドホールは、サンプルが孔内に引き込まれることを防止し得る、下に閉じ込められた気体の泡を有する。カプセルにおけるくぼみは、毛管作用によって胃腸サンプルを引き込むことを可能にする、狭いストロー状の形状を有しない。
いくつかの実施形態において、採取部材は、採取部材内への胃腸サンプルの吸い上げまたは拡散を可能にする多孔性または水溶性物質またはチャネルを含む。本実施形態において、採取部材は、ブラインドホールであり得る。なぜなら、胃腸サンプルは、バルク流ではなく毛管作用または拡散を介して流れ込み、捕捉気体は多孔性または水溶性採取部材を通じて容易に逃げることができるからである。水溶性材料の例は、固体または液体状の糖、塩、ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコール、無水ラクトースなどを含む。例えば、ポリエチレングリコールの固体粒子が充填された採取部材は、胃腸サンプルの液体をその中に引き込み、それによって、水溶性材料が溶解するときに、液体胃腸サンプルで採取部材を充填する。高浸透圧性塩溶液、または、胃腸サンプルより吸湿性の高い材料で充填された採取部材は、浸透圧または水和力を介して液体胃腸サンプルを採取部材内に引き込む。ポリエチレングリコールまたは塩などの水溶性材料は一般に、胃腸サンプルの更なる解析に干渉しない、または、サンプル精製および調製ステップの一部として、後に除くことができる。水溶性材料の溶解の速度および/またはデバイスからの拡散の速度はまた、デバイスへの胃腸液のサンプリングの速度を制御することに使用できる。各サンプルは、1~60分の好適時間内に採取されるべきである。
いくつかの実施形態において、ボディにおけるサンプリング開口部はシールされ、予め定められた時間だけ、または、特定のpH範囲または圧力レベルなど、予め定められた条件下だけで開く。そして開口部は、予め定められた時間の後に再シールされ、採取部材が追加の胃腸サンプルに更にさらされることを防止する。いくつかの実施形態において、一連のそのような開口部は、カプセルの外表面の周りに配置され、複数の採取回数、または、複数の条件下におけるサンプリングを可能にする。
いくつかの実施形態において、アクチュエータは、患者がカプセルを飲み込む前に予めロードされるバネまたは弾性部材である。飲み込む直前、または、飲み込む行為の間に、または、飲み込んだ後のある期間後に、バネまたは弾性部材は、アクチュエータとしての機能を開始する。いくつかの実施形態において、アクチュエータは、予め定義された速度でボディにおける開口部対して採取部材を移動させる。いくつかの実施形態において、アクチュエータは、カプセル表面を横断して、または、その周りで外部被覆を移動させ、それによって、採取部材を形成する孔の開口部をシールする、または代替的に、露出させる。バネまたは弾性部材の例は、捻じれた、または、延ばされたポリマーバンドまたは細長い要素などの金属またはポリマーからできた直線状および環状のバネを含む。
いくつかの実施形態において、バネはギア、ラチェット、逃し機構、振り子、環状もしくは直線状ダンパ、オリフィスを通じて気体もしくは流体を押す、もしくは引く要素、および/または、予め定義された期間にわたってアクチュエータの回転もしくは置換の速度を制御するバランスホイールに接続される。
いくつかの実施形態において、デバイスは、水晶振動子を振動させるマイクロチップ回路に電流を提供するバッテリを備える。マイクロチップ回路は、水晶の振動を検出し、サンプリング開口部でアクティブバルブを開く、および/または閉じる、または、小型電気ステッピングモータを駆動する定常電気パルスに変換する。ステッピングモータは、電気エネルギーを機械的な力に変換して、デバイスのためのアクチュエータとして機能させる。
いくつかの実施形態において、予めロードされたバネまたは弾性アクチュエータは、取り外し可能な機械的拘束部によって、機能を実行することを防止される、または、機能を実行することを断続的に停止される。このようにして、取り外し可能な機械的拘束部は、次の機械的拘束部に達する前に、バネまたは弾性アクチュエータが、完全にまたは部分的にほどけ、または緩和することを可能にする。機械的拘束部の例は、安全ラッチ、トリガ、電子制御下のソレノイドピン、圧電要素、または、水分分解可能要素(水分にさらされる前)を含む。このようにして、バネまたは弾性アクチュエータの機械的機能の解放を制御するためのエネルギーは、バネまたは弾性アクチュエータに保存されるエネルギーより遥かに小さい。
いくつかの実施形態において、アクチュエータは、バッテリまたはキャパシタなど、搭載されたエネルギー源を動力源とする。
いくつかの実施形態において、アクチュエータは浸透圧によって駆動される。飲み込まれた後に、水は半透膜を介して、塩などの吸湿材料を含むカプセルの部分に入る。これにより、アクチュエータを移動させる浸透圧が形成される。
いくつかの実施形態において、リニアアクチュエータは、それ自体が浸透圧性材料であり、デバイスの一方の端の内部で膨張し、流体は小さい孔を通じてデバイスに入る。流体の流入に起因して浸透圧性材料が膨張するにつれて、アクチュエータとして作用する。
いくつかの実施形態において、アクチュエータは、採取部材と流体連通するようにサンプリング開口部を一時的に開くバルブステムを変位させる。流体連通を確立する手段の例は、サンプリング開口部と一時的に整列する固体バルブステムにおける貫通孔を含む。固体バルブステムが更に変位し、その後、孔がサンプリング開口部と整列しなくなることにより、採取部材におけるサンプルがシールされる。
いくつかの実施形態において、採取部材を分離するために複数のサンプリング開口部が接続される。複数のサンプリング開口部は、マニホールドにおいて配置され、変位されたバルブステムは、連続的に次々に各サンプリング開口部を開閉し、それによって、1分から8時間の期間にわたって、蠕動に起因してサンプルデバイスが胃腸管を通って移動するときに、胃腸管の異なる領域をサンプリングする。
いくつかの実施形態において、採取部材を分離するために複数のサンプリング開口部が接続される。複数のサンプリング開口部がマニホールドにおいて配置され、水分分解可能材料は、各サンプリング開口部と関連する採取部材との間の流体連通を防止する。水分分解可能材料は、導火線の燃焼と同様に、1つの面、または、1つの方向だけに沿って溶解または分解する。その結果、サンプリング開口部は、連続的に次々に露出され、それによって、1分から8時間の期間にわたって、蠕動に起因してサンプルデバイスが胃腸管を通って移動しながら、胃腸管の異なる領域がサンプリングされる。例として、水分分解可能材料は、開放端スリーブ内に配置された細長い円柱の形態であり、円柱の一方の丸い面のみを胃腸管の流体にさらす。サンプリング開口部は、マニホールドパターンにおけるスリーブの長い縁に沿って、直線状に配置される。水分分解可能材料の面がスリーブの閉鎖端に向かって軸方向に溶解または分解されるとき、サンプリング開口部が露出し、順次、胃腸管と流体連通し、それによって、予め定義された順番で、水分分解可能材料の露出面の溶解または分解時間によって設定されるサンプリングイベント間の制御可能な遅延を伴って胃腸管をサンプリングする。
いくつかの実施形態において、アクチュエータは、水にさらされたときに膨潤するヒドロゲルである。ヒドロゲルの例はポリアクリル酸ナトリウムを含む。
浸透圧またはヒドロゲル剤は、胃腸管の特定の領域におけるサンプリングを最適化するために、様々なpHレベルに応じて膨張するように選択または設計され得る。例えば、低いpHでより急速に膨張する浸透圧またはヒドロゲル材料は、採取部材を利用して、胃腸管の残り部分と比較して、より多くの胃の内容物をサンプルリングする。代替的に、高いpHでより急速に膨張する浸透圧またはヒドロゲル材料は、採取部材を利用して、胃腸管の残り部分と比較して、より多くの遠位小腸の内容物をサンプリングする。
いくつかの実施形態において、デバイスは、デバイスの中央領域における開口部の下のデバイスの内部容積を通じて、スタック化採取部材を軸方向に押す、または引くリニアアクチュエータを含む。連続的な採取部材が、開口部の下で押される、または引かれるにつれて、今度は胃腸管にさらされ、その中で胃腸サンプルを吸収、吸い上げ、またはそうでない場合、採取する。各採取部材の間には、流体不浸透性要素があり、スタック化採取部材間の軸方向の流れを防止する。流体不浸透性要素はまた、採取部材の外周とデバイスの内側面との間の胃腸液の流れを防止する。本実施形態において、スタック化採取部材は、デバイスの一方の半分において開始し、デバイスの第2の半分へ軸方向に移動する。採取部材を胃腸管にさらす開口部は、デバイスの中央領域内にあり、その結果、各採取部材は、その下を一回通る。
いくつかの実施形態において、スタック化採取部材は、中央ステム上に搭載された流体不浸透性材料の薄いディスク間の空間である。各ディスクは、ボディの内側面に対して液密シールを形成するが、アクチュエータによって押される、または引かれるときに、軸方向に変位可能である。このようにして、連続する採取部材は、開口部の下で胃腸管にさらされ得る。
図2に示される実施形態を参照すると、デバイス10が斜視図で示されている。デバイス10は、開口部42を有するボディ12を備える。キャビティ16は、圧縮された固体または半固体の便が、採取されるサンプルに含まれるように、ボディ12における陥入内に入ることを可能にするために使用される。なぜなら、固体または半固体の便は、狭い開口部42に入る可能性が低いからである。
図3において、デバイス10は、断面図のボディ12、採取部材18、および薄いディスク20と共に斜視図で示される。図4において、デバイス10は、断面側面図で示される。採取部材18は、スピンドルの形式である中央ステム上に搭載された流体不浸透性材料からできた薄いディスク20間の一連の空間として示される。各薄いディスク20は、ボディ12の内側面に対して液密シールを形成する。各ディスク20は、アクチュエータ24によって押されるときに、軸方向に変位可能である。この例において、アクチュエータ24は、初期非膨張状態にあるヒドロゲルまたは浸透圧性材料である。アクチュエータ24の材料は、身体の流体が孔22を介してボディ12に入るときに膨張する。このようにして、連続する採取部材18は、アクチュエータ24が膨張するときに、開口部42の下で胃腸管にさらされる。図5において、アクチュエータ24は、最大膨張位置にある。各採取部材18における胃腸サンプルは、薄いディスク20を介して互いから隔離される。
いくつかの実施形態において、アクチュエータ24は、採取部材18をボディ12の端に向かって引く引張弾性部材である。採取部材18の動きの速度は、アクチュエータ24の弾力性、ボディ12の内側面と採取部材18および/または薄いディスク20との間の摩擦、ならびに、ボディ12に存在する気体または流体が貫通孔22(この例では排出孔)を通じて外部環境へ流れる抵抗によって決定される。
いくつかの実施形態において、スタック化採取部材は、流体不浸透性材料のディスクによって分離された多孔質材料からできたディスクである。各流体不浸透性ディスクは、デバイスの内側面に対して液密シールを形成するが、アクチュエータによって押される、または引かれるとき、採取部材のスタックは、軸方向に変位可能である。
図6に示される別の実施形態にを参照すると、デバイス10の分解されたコンポーネントが斜視図で示される。デバイス10は、流体不浸透性であり採取部材18を形成する内部容積を有するカップ状の形状を有する、かつ、開口部42、孔22およびピストン26を有するボディ12と、アクチュエータ24と、中空スリーブの形態である水分分解可能材料からできた被覆要素30とを備える。図7は、ボディ12内のピストン26およびアクチュエータ24(図示せず)、ならびに、胃腸管と接触および/または流体連通しないように開口部42および孔22(図示せず)をシールする被覆要素30を備える、飲み込まれる前の、完全に組み立てられた斜視図におけるデバイス10を示す。
デバイス10を飲み込んだ後に、被覆要素30は、胃腸管において予め定められた時間またはpHで分解し、それによって、開口部42および孔22を露出させ、胃腸管と接触および/または流体連通させる。図8は、被覆要素30の分解および除去の後、胃腸サンプルの採取前の、完全に組み立てられた斜視図におけるデバイス10を示す。ピストン26および採取部材18は、開口部42から見え、アクチュエータ24は、貫通孔22から見える。図9は、中のコンポーネントを露出するボディ12の断面図と共にこれと同時点におけるデバイス10を斜視図で示す。ボディ12の左半分および中空ピストン26の内側カップ形状容積はまとめて採取部材18を形成する。胃腸サンプルが開口部42を通じて流れ込みながら、採取部材18内の捕捉気体が逃げることを可能にするために、2つの直径方向に反対側の開口部42がある。アクチュエータ24は、カップ形状のピストン26の閉じられた側にある。このステージにおいて、ボディ12および中空ピストン26内の中空容積である採取部材18は胃腸サンプルの採取を開始する。また、このステージにおいて、濡れたときに膨張する材料であるアクチュエータ24は、貫通孔22を流れアクチュエータ24を濡らす、胃腸管における流体に起因して軸方向にピストン26を押すことを開始する。
図10は、中のコンポーネントを露出する断面図のボディ12と共に、胃腸サンプルの採取の後のデバイス10を等角図で示す。ピストン26は、完全膨張状態にあるアクチュエータ24によって、ボディ12の左側に軸方向に変位されている。ボディ12の左半分および中空ピストン26の内側カップ形状容積は、採取された胃腸サンプルを格納する採取部材18をまとめて形成する。採取部材18は今、ピストン26とボディ12との間に形成されるシールによって開口部42からシールされている。デバイス10は、この状態で胃腸管から回収され、採取部材18内の胃腸サンプルは、更なる解析のためにデバイス10から抽出される。
いくつかの実施形態において、被覆要素30が除かれると、アクチュエータ24を作動させる流体は、開口部42を通じて入る。その結果、アクチュエータ24は、胃腸サンプルが採取部材18によって採取されたときだけ、移動を開始する。例えば、開口部42に入る流体がピストン26とボディ12の内側面との間を流れ、アクチュエータ24に到達する。アクチュエータ24は、濡れたときに膨張する材料である。
いくつかの実施形態において、採取部材18は、ピストン26の中空容積内に少なくとも部分的に嵌合する多孔性または水溶性材料であり、採取部材18内へ胃腸サンプルが流れ、吸い上げられ、または拡散するようにする。
いくつかの実施形態において、ピストン26は、オープンセルフォームまたは脱水ヒドロゲルの形態である構造的硬直性を有する多孔性採取部材18と置き換えられる。胃腸サンプルは、アクチュエータ24の方向の毛管力または拡散に起因して、開口部42を通じて流れ、採取部材18内に吸い上げられる。アクチュエータ24と反対側の採取部材18の表面上には、ボディ12の内側から開口部42に押しつけられたときに水密シールを形成するシール38がある。胃腸サンプルは、採取部材18および湿式アクチュエータ24の遠位端に到達し、アクチュエータ24は膨張して、採取部材18およびシール38をボディ12における開口部42に向かって押し、それによって、胃腸管と更に流体連通しないように採取部材18をシールする。
いくつかの実施形態において、図11における断面図に示されるように、アクチュエータ24は、水分分解可能材料からできた拘束部34によって圧縮された状態に保持されるバネである。このようにして、被覆要素30がボディにおいて取り除かれると、開口部42が胃腸管の流体にさらされる。これらの流体の一部は採取部材18内に流れ、一部はピストン26の周りの空間32に流れ、拘束部34に到達する。図12の断面図に示すように、胃腸管からの流体が拘束部34を分解することにより、バネアクチュエータ24が膨張することが可能となり、それによって、ピストン26を軸方向に押して、シール38をボディ12の表面に付け、それによって、採取部材18内の胃腸サンプル40をシールする。このようにして、アクチュエータ24は、採取部材18が胃腸サンプル40を採取した後にだけ活性化される。本実施形態において、デバイス10は、デバイス10が身体から取り除かれた後に、採取された胃腸サンプル40にアクセスするために除去される、または、穴を開けられるキャップ36を含む。
いくつかの実施形態において、図13、14および15(すべて斜視断面図)を参照すると、胃腸液は多孔性採取部材18および湿式アクチュエータ24を通る。アクチュエータ24は、濡れたときに膨張して、シーリング要素38に線圧力を加える。図13において、デバイス10はまだ、シェルがHPMCなどの水分分解可能材料からできていて、かつ、腸または結腸におけるサンプルの採取のために任意で被覆要素30として作用する腸分解可能材料を含む密封カプセルであるカプセル72に格納されている。
いくつかの実施形態において、被覆要素30は、開口部42を直接被覆し、胃腸サンプルが採取部材18内に流れることを防止する。本実施形態において、直接飲み込めるほど十分にボディ12が円滑である場合、カプセル72の必要は無い。
上の両方の実施形態において、胃腸液はまだ、採取部材18と流体連通していない。図14において、被覆要素30は分解済みであり、胃腸サンプル40はボディ12における開口部42を通じて採取部材18内に、シール38の周りから採取部材18内に入ることを開始している。胃腸サンプル40が採取部材18に入るにつれて、デバイス10に閉じ込められた気体は、排出孔66を通じて排出される。図15において、胃腸サンプル40は、採取部材18を通じて、採取部材18と流体連通するアクチュエータ24に向かって進んでいる。アクチュエータ24は濡れたときに膨張するので、採取部材18を開口部42に向かって押し、最終的に、シール38は開口部42の縁に押し当てられ、それによって、採取部材18をシールし、更なるサンプル採取またはクロスコンタミネーションを防止する。アクチュエータ24は、濡れたときに、残留した継続する直線的な力をシール38に加え、それによって、デバイス10の胃腸管内の通過全体を通してシールを維持する。本実施形態において、シール38に対する力は、アクチュエータ24の膨張方向と同じ方向である。採取部材18の材料の例は、アクチュエータ24からシール38へ直線圧縮力を伝えることができる酢酸塩フォームおよび他の剛性非膨張性オープンセルフォームを含む。アクチュエータ24の材料の例は、脱水天然または合成スポンジ、または、様々な架橋レベルのヒドロゲル、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリアクリルアミド、または澱粉などの脱水高吸収性材料を含む。
いくつかの実施形態において、胃腸サンプルを採取部材18の近くに運ぶことを助ける芯が開口部42に配置される。その地点において、採取部材18と胃腸管における流体との間に流体連通が確立される。そして芯は、アクチュエータ24が採取部材18を進めるときに、開口部42から押し出される。
いくつかの実施形態において、第1水分分解可能拘束部の分解は、アクチュエータ24が採取部材18を、採取部材18と胃腸管との間の流体連通を可能にする、開口部42に対する位置に移動させる。胃腸サンプル40が採取部材18において採取されると、採取された胃腸サンプル40からの流体は、第2の水分分解可能拘束部を分解し、アクチュエータ24が、採取部材18と胃腸管との間の更なる流体連通を防止する、開口部42に対する位置に採取部材18を移動させることを可能にする。このようにして、単一のアクチュエータ24は、二重トリガ水分分解可能拘束機構を使用して、採取部材18をサンプル採取およびサンプル隔離の2つの別々の位置に移動させることができる。
いくつかの実施形態において、図16、17および18(すべて斜視断面図である)を参照すると、胃腸液は開口部42を通じて多孔性採取部材18内に流れ、アクチュエータ24の1または複数の要素を濡らす。アクチュエータ24の要素は、濡れたときに膨張し、開口部42をブロックするプラグを形成する。図16において、デバイス10上のボディ12の開口部42はまだ被覆要素30によって被覆され、したがって、胃腸液はまだ採取部材18と流体連通していない。図17において、被覆要素30は分解済みであり、胃腸液40は、開口部42を通じて採取部材18に入り、また、アクチュエータ24の要素を濡らしている。胃腸サンプル40が採取部材18に入り、中に含まれる気体を置換するとき、デバイス10に閉じ込められた気体は、1または両方の開口部42を通じて排出される。図18において、胃腸サンプル40は、アクチュエータ24の要素の体積膨張の著しい膨潤を引き起こし、それによって、開口部42をシールして更なるサンプル採取またはクロスコンタミネーションを防止する高密度ゲルプラグを形成する。本実施形態において、採取部材18は、サンプル採取中およびカプセルシールプロセス中に移動しない。採取部材18の材料の例は、気体、酢酸塩フォームおよび綿を含む。アクチュエータ24の材料の例は、様々な架橋レベルのヒドロゲル、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリアクリルアミド、および澱粉などの脱水高吸収性材料を含む。アクチュエータ24の粒子の膨張または膨潤の時間は、1~60分であり、アクチュエータ24を膨潤させて開口部42をシールする前に、胃腸サンプル40が採取部材18内に流れるための十分な時間が確保される。本実施形態において、胃腸サンプルが採取部材18を充填した後にだけ、胃腸サンプルの流体は、高吸収性材料を膨潤させてシーリングゲルにする水分を提供する。本実施形態において、アクチュエータ24によって形成される水和プラグは、ゲルを通じた微生物の移動、または、生体分子の拡散を、約0.1mm/時間未満の速度に限定するのに十分高密度である。
いくつかの実施形態において、図16から図18を参照すると、デバイス10は、疎水性の排出孔を含む、または、一方向バルブを含み、胃腸サンプルをボディ12内に入れないが、採取部材18が胃腸液で充填されるにつれて、捕捉気体を排出する。本実施形態において、胃腸サンプルの入口のために、1つの開口部42だけを有する必要がある。
いくつかの実施形態において、図16から図18を参照すると、デバイス10は、単一の開口部42、および、胃腸サンプル40が流れ込み捕捉気体が逃げる被覆要素30だけを有する。本実施形態は、特に小腸における胃腸液は、界面活性剤のように作用する胆汁酸によって乳化されるという、発明者による予想外の観察結果を利用する。したがって、小腸における胃腸サンプルは、極度に低い表面エネルギーを有し、捕捉気体が同じ開口部から放出されることを可能にしつつ、非常に小さい開口部に吸い上げられる。放出された捕捉気体の泡は、小腸における低い表面エネルギーの液体の表面張力を問題なく壊す。
いくつかの実施形態において、図16から図18を参照すると、デバイス10は、通気孔に隣接する開口部42を有し、アクチュエータ24は膨潤して開口部42および通気孔の両方を被覆する。
いくつかの実施形態において、図16から図18を参照すると、濡れたときに膨張するアクチュエータ24の材料はまた、採取部材18として機能する。
いくつかの実施形態において、デバイス10は、別個の開口部42、シール38および/またはアクチュエータ24をと共に個別に包含される複数の採取部材18を含む。採取部材18の各開口部42は、別個の被覆要素30によって被覆される。各被覆要素30は、予め設定されたpHまたあh溶解時間に分解する。このようにして、1つのデバイス30は、サンプル間のクロストークまたはクロスコンタミネーションを生じさせることなく、胃腸管の異なる領域からの胃腸液の複数の別々のサンプルを採取できる。
いくつかの実施形態において、被覆要素30は、pH感受性の水分分解可能材料からできている。被覆要素30は、胃のサンプリング場所に関連するpH5以下で第1セットの開口部(例えば、開口部42および/または22と同様)を露出させる。被覆要素30は、近位小腸のサンプリング場所に関連するpH5.5~6.5で第2セットの開口部(例えば、開口部42および/または22と同様)を露出させる。被覆要素30は、遠位小腸サンプリング場所に関連するpH6.5~7.5で第3セットの開口部(例えば、開口部42および22と同様)を露出させる。被覆要素30は、設定時間遅延の後に、結腸サンプリング場所に関連するpH6~7で第4セットの開口部(例えば、開口部42および22と同様)を露出させる。水分分解可能材料の複数の層が被覆要素30となるように設計でき、その結果、層において一連のpHレベルに遭遇した後の設定時間において最終層が分解し、解剖学的に別個の予測可能なサンプリング場所につながる。
ヒト腸管のpHは、広範に調査されている。典型的な結果を下の表1に示す。
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表1 ヒト胃腸管のpH Ref: Gut, 1988, 29, 1035-1041
腸分解可能材料は本質的に、特定のpHレベルより上で分解する。例として、pH7で溶解する腸溶コーティング要素設計は、pHレベルが6.6から7.5に移行する空腸と回腸との間の地点で胃腸流体をサンプリングすることを可能にする可能性が高い。
腸内細菌の大半は結腸に存在し、より具体的には、当該細菌は右結腸(そうでなければ盲腸または上行結腸と称される)においてもっとも活発である。したがって、サンプル採取の主な標的は、pH6.4±0.6の右結腸である。したがって、主な課題は、右結腸におけるサンプリングを可能にする被覆要素または被覆要素のセットを形成することである。右結腸を標的とする、pH6.4以上で分解する腸溶コーティングは、回腸サンプルを既に取り込んだ後に、右結腸に達する前に、代わりに回腸において分解し、回腸における流体をサンプリングする。腸溶コーティングのpH依存溶解速度は標的pHレベルより著しく高いので、このことは特に当てはまる。7.5より高いpHで溶解するよう設計される腸溶コーティングは、回腸でも存続する。この場合、pHが回腸より著しく低い右結腸において溶解しない。したがって、そのようなカプセルは、被覆30が無傷なまま、いかなる胃腸サンプルも採取することなく、胃腸管を出る。
一実施形態において、デバイスの外部被覆要素は、6.7(±0.3)以上のpHレベルで分解するよう設計され、その結果、被覆要素は遠位小腸において溶解し、それによって、内部被覆要素を露出させる。内部被覆要素は、6.7(±0.3)以下のpHで分解するよう設計される。pHが6.7より下に低下する右結腸にデバイス10が到達するまで、この内部被覆要素は遠位小腸において無傷のままである。右結腸に達すると、内部被覆要素は溶解し、サンプル採取プロセスを可能にする。本実施形態は、外側被覆要素が標的pH以上で溶解し、内側被覆要素が標的pH以下で溶解する「逆pH」被覆要素と称される。標的pHは、外部および内部被覆要素で同じでも異なってもよく、したがって、それ自体が胃のpHより高い、より近位の隣接領域に対してpHが低下した胃腸管の任意の領域を標的とする。
いくつかの実施形態において、右結腸における活性剤の放出を標的とする活性剤を含むカプセルまたはデバイスは、6.7(±0.3)以上のpHレベルで分解する外部被覆要素を含み、その結果、被覆要素は、遠位小腸において溶解し、それによって、内部被覆要素を露出させる。内部被覆要素は、pH6.7(±0.3)以下で分解するよう設計され、その結果、pHが6.7より下に低下する右結腸にカプセルが到達するまで、この内部層は、遠位小腸において無傷のままである。右結腸に達すると、内部被覆要素は溶解する、または、浸透可能となり、それによって、右結腸への活性剤の放出が可能となる。
例として、最低のpHレベルより上で溶解し、したがって、外部被覆要素に適切な材料は、Eudragit L、Eudragit S、または、それらの混合物(Evonik Darmstadt、ドイツ)など、官能基としてのメタクリル酸を有するアニオンアクリル性ポリマーを含む。例として、最大pHレベルより下で溶解し、したがって、内部被覆要素に適切な材料は、Eudragit E(Evonik Darmstadt、ドイツ)またはその変形など、官能基としてのメタクリル酸ジメチルアミノエチルを有するカチオン性ポリマーを含む。例として、本実施形態において、サンプリングデバイス10またはカプセルが、結腸送達または結腸放出が意図される活性剤を含み、カプセルは最初に、官能基としてのメタクリル酸ジメチルアミノエチルを有するカチオン性ポリマーの内部被覆要素でコーティングされ、次に、官能基としてのメタクリル酸を有するアニオンアクリル性ポリマーの外部被覆要素でコーティングされる。
いくつかの実施形態において、デバイスは、多くの異なるカプセルを含むキットの部分として提供され、その各々は、胃腸管の異なる領域をサンプリングするよう設計される。カプセルは、同時に飲み込まれ、個別に採取される。例として、キットには、胃標的化、小腸標的化および結腸標的化デバイスが提供される。患者は3つのカプセルをすべて飲み込み、1または連続する便通において個別に採取する。個別のデバイスのアプローチの利点は、所与の体積の採取サンプルについて、3つのデバイスの各々のは、3つに区分された単一のデバイスと比較して、体積が3分の1であり、それによって、カプセルの停滞のリスク、および、デバイスを飲み込む困難を最小化する。
いくつかの実施形態において、デバイスのセットは、胃腸管の異なる領域を標的とするために、異なる時点で分解するよう意図される異なる厚さの水分または腸分解可能被覆要素でコーティングされる。胃腸管を通る通過時間は個人間で非常に変動する。例えば、カプセルの胃排出の後に、右、近位、または上行結腸に到達するのに最大8時間かかり得る。胃腸管のpHはまた、個人間で非常に変動する。近位または上行結腸は、標準偏差0.6pH単位であるpH6.4を有する。特定の通過時間または特定のpH範囲のみに基づいて、近位または上行結腸における胃腸サンプリングを標的とすることは、上記の二重コーティング逆pH技法を使用しなければ難しい。例として、被験者には3つのデバイスカプセルが提供されてよく、その各々は、異なる厚さのpH感受性ポリマー被覆要素でコーティングされ、それらはすべて、pH5.5以上で分解し、それによって、胃排出の後に小腸における分解を開始する。被覆要素の厚さは、3つのデバイスについて、被覆要素が1、3、または6時間の間に分解するかどうかを決定してよく、それによって、少なくとも1つのデバイス10ユニットが、近位または上行結腸におけるサンプルを取得することを確実にする。被覆要素の例示的な材料は、5~200ミリグラム/ボディ表面積の平方cm、または、好ましくは10~100ミリグラム/ボディ表面積の平方cmのコーティング密度で、5.5pH以上で溶解可能な、アクリルおよびメタクリル酸のエステルに由来する共重合体を含む。5~10ミリグラム/ボディ表面積の平方cmのコーティング密度は、約1時間で溶解し、100~200ミリグラム/ボディ表面積の平方cmのコーティング密度は、約8時間で溶解し、それによって、2または最大で3つのデバイスを用いて、近位または上行結腸の一般的な標的化を可能にする。
別の実施形態において、個々のデバイスは、ストリングまたは同様の可撓性接続要素で互いに接続され、すべてのデバイスが、同じ便通で排出されることを確実にし、複数のデバイスの採取を容易にする。例として、脱水ポリアクリル酸ナトリウムのビードは、スレッドに沿って繋がれる。各ビードは、異なる時間感受性またはpH感受性コーティング要素でコーティングされる。ビードは、各ビードを囲むコーティング要素がいつどこで分解するかに応じて、胃腸管の異なる領域で胃腸サンプルにさらされる。さらされたビードは、流体状胃腸サンプルを吸収して膨潤する。アクリル酸ナトリウムを通じた拡散は、十分に遅いので、微生物または低分子に下流でさらされても、アクリル酸ナトリウムビードの内側部分に採取されたサンプルにコンタミネーションが生じることはない。更なる解析のために、ビードの鎖、および、各々におけるサンプルが水和アクリル酸ナトリウムゲルから回収されるとき、膨潤したビードは、胃腸管から共に出る。
いくつかの実施形態において、個別のボディ12ユニットは、薄壁中空構造であり、その内部容積は、個々の採取部材18ユニットを含む。各ボディ12は、カプセル72内の空白に嵌合するように折り畳まれ、圧縮される。被覆要素30の分解後、最初に露出される採取部材18が胃腸サンプルで充填される。第1採取部材18を胃腸サンプルで充填することにより、第2連結ボディ12の開口部42が開くことがトリガされる。第2採取部材18を胃腸サンプルで充填することにより、第3連結ボディ12の開口部42が開くことなどがトリガされる。このようにして、折り畳まれているが連結されたボディ12ユニットのセットは、カプセル72内にコンパクトに嵌合でき、胃腸管の複数の領域をサンプリングでき、それでもなお、便から連結ユニットとして回収される。
いくつかの実施形態において、図19の部分側面図において示されるように、個別のボディ12ユニットは、デイジーチェーンまたはソーセージリンク形式で共に連結される。本実施形態において、各ボディ12内に含まれる各採取部材18は、胃腸管から別々のサンプルを採取する。本実施形態は、多くのそのようなボディ12ユニットを共に連結することが可能であり、それによって、大きい体積のサンプルが採取されることを可能にする。ただし、デバイスが胃腸管に停滞する可能性を最小化するべく、採取部材の最大直径は、約2mm、3mm、4mm、5mm、6mm、または7mmである。更に、急なカーブを有する小腸ルーメンを容易に進むべく、ボディ12ユニット間の薄い連結は、互いに対して、軸方向の採取部材の完全な関節連結を可能にする。小腸の曲率半径は、ヘアピンターンにおいて、3cmもの小ささであり得る。したがって、小腸の湾曲を進み、胃腸管における停滞のリスクを最小化するために、ボディ12の各セグメントは、約3cmより長くないべきであり、連結されたボディ12ユニットのセットは、約10グラム以下の放射状の荷重で、好ましくはよじれることなく、半径3cmのヘアピンターンに適合することが可能であるべきである。
いくつかの実施形態において、図34に示されるように、約3cm以下の連結された採取部材18の曲率半径内の軸関節連結を可能にするために、最大直径での採取部材18のセグメント74の長さ範囲は約1~30mmである。採取部材18のセグメントを連結する狭窄セクション76の最大直径は、採取部材の最大直径の約75%以下である。採取部材18のセグメントを連結する狭窄セクション76のセグメントの長さ範囲は、最小直径において、約1~5mmである。更に、繊細な腸粘膜層を痛め得る何等かの鋭いエッジを回避するために、最大直径セグメント74から狭窄セクション76への移行の領域におけるボディ12の曲率半径は、約1mm以上である。
いくつかの実施形態において、ほどけ、展開またはサンプリングプロセス中に軸方向にボディ12を膨張させるよう作用する要素は無い。
いくつかの実施形態において、管状ボディ12の全長は、サンプル採取プロセス中に軸方向に増加しない。むしろ、採取部材18への胃腸サンプルの流れは、管形状の固定長ボディ12の折り畳まれたルーメンの放射状の膨張に起因する。
いくつかの実施形態において、個別のボディ12ユニットは、マニホールド、スポーク、または、星形の構成における共通の点に接続された細長い管またはストリング要素によって連結される。
更なる実施形態において、マニホールドのスポークまたは管として作用する細長い管またはストリング要素の長さは、異なる長さであり、その結果、小腸を通過する間に、ボディ12ユニットのクラスタが、単一ファイルに直線状に配置され得る。
更なる実施形態において、スポーク要素の共通の接続点は、個々の採取部材18ユニットに接続された別々のサンプル開口部、シールおよび/またはバルブを含む。
図20に示されるように1つの採取部材18の拡大された部分側面図において、開口部42は被覆要素30によって被覆される。シール38は、採取部材18における採取されたサンプルが、胃腸管の通過の残り部分において、クロスコンタミネーションまたは漏洩にさらされることを防止するための一方向バルブとして作用する。このようにして、例えば、弾性的に折り畳まれた、または、空にされた採取部材12の放射状の膨張、または代替的に毛細管圧力単独によって、胃腸管に対する採取部材18内の陰圧差は、流体を採取部材18内に駆動する。採取された胃腸サンプルは、一方向バルブを介して逆に流れ出すことができない。一方向バルブの例は、フラップバルブ、レイフラットチューブ、ダックビルバルブ、アンブレラバルブ、ボールバルブ、ドームバルブ、ベルビルバルブ、クロススリットバルブを含む。
いくつかの実施形態において、サンプリングの速度は、2つの力のバランスによって制御される。第1の力は、サンプリング開口部42を通じて採取部材18内に流体を駆動する圧力差を形成する、圧縮される管状ボディ12の放射状の膨張の力である。第2の反対の力は、前方の流れ方向における、一方向バルブを通る流れに対する抵抗である。一方向バルブは一般に、バルブに圧力差が無いときに、逆方向への流れを防止するために、閉じるようにバイアスがかけられている。バルブを開くために必要な順方向の圧力は、クラッキング圧と呼ばれる。クラッキング圧は、流れに対する抵抗の第1成分である。流れに対する抵抗の第2の成分は、一方向バルブの開口部のサイズである。流れに対する抵抗の第3の成分は、一方向バルブを閉じるように作用するシーリング要素の力である。3つのコンポーネントすべては、一方向バルブにおける順方向の流れに対する抵抗を形成するように共に作用する。
デバイス10のいくつかの実施形態において、一方向バルブを開き、採取部材18への順方向の流れを生じさせるのに必要なクラッキング圧は、0.03~15ポンド/平方インチ、好ましくは、0.06~5ポンド/平方インチの範囲である。このクラッキング圧は、採取部材18における流体と外部環境との間に圧力差が無いときに、採取されたサンプルが、採取部材18から逆に流れ出すことを防止する。クラッキング圧が上述の範囲より高いとき、サンプルは採取部材18内に流れない。クラッキング圧が上述の範囲より低いとき、胃腸管における蠕動圧波に起因する、または、身体の外でデバイスを扱うことによる、採取サンプルの漏洩、および、新たに取り込まれた任意のサンプルによる後のクロスコンタミネーションが生じる。
いくつかの実施形態において、折り畳まれた管状ボディ12によって加えられる最大外向き放射状圧力は、ボディ12のcm長あたり10~150重量グラム、または好ましくは、ボディ12のcm長あたり20~100重量グラムの範囲である。例として、体積0.5mlの採取部材18については、上述のように、ボディ12の外向きの放射状の膨張によって形成され、一方向バルブを通る流れに対する抵抗の対向力によって釣り合う圧力差にさらされるときに、一方向バルブを通る流体の流量は、流体1マイクロリットル/分から500マイクロリットル/分の範囲である。この流量は、デバイス10が、1分~8時間の時間範囲にわたってサンプリングすることを可能にする。上記の範囲より上の最大膨張力、または、上述の範囲より上の流量を可能にするバルブにより、採取部材18は、1分未満で充填され、それによって、デバイス10の周りに存在する気泡をサンプリングする可能性が増加する。上記の範囲より下の膨張力は、一方向バルブをこじ開けず、サンプル採取をもたらさない。したがって、上の要素すべての繊細なバランスが、所望の期間にわたって胃腸管を適切にサンプリングするのに必要である。いくつかの実施形態において、開口部42と採取部材18との間の流路は通常開いている。十分なサンプルが採取された後、十分なサンプリング時間が経過した後、または、デバイスが胃腸管の新しい領域へ移動することを示すpH変化が検出された後、バネ仕掛けの機構が流路を閉じ、採取部材18内の胃腸サンプルをシールする。
いくつかの実施形態において、被覆要素30は、被覆要素30を分解するように作用する周囲の流体の水和時間またはpHレベルに基づいて、胃腸管の所望の領域に達するまで、開口部42をシールした状態に維持する輪である。
図40の断面図に示される実施形態において、開口部42を通って採取部材18内へ胃腸サンプルが通ることは、シール38によって制御される。本実施形態におけるシール38は、バルブを能動的に制御する。バルブシール38は通常閉じており、予め定められた速度で能動的に開かれ、胃腸サンプルの採取を可能にする。例として、バルブシール38は、毎時間あたり数秒間開き、その結果、胃腸管の少なくとも8つの別個の領域が、デバイス10を飲み込んだ後の8時間のサンプリング好適期間中にサンプリングされる。
別の実施形態において、図40を参照すると、バルブシール38はpHセンサ78によって制御される。デバイス10が胃腸管を通過する間、特定のpHレベル、または、pHレベルの変化の速度が、小腸における上昇するpHおよび後の右結腸における下降するpHに対応する、予測されプログラムされた順序でpHセンサ78によって検知されるとき、pHセンサ78は、通常閉じられているバルブシール38の瞬間的な開口部をトリガして、胃腸サンプルの採取を可能にする。このようにして、デバイス10は、胃腸管に沿った複数の領域に対応する複数のpHレベルで胃腸サンプルを採取する。関連する胃腸領域すべてがサンプル採取について標的化されることを確実にするためにデバイス10においてプログラムできるpHレベルの例は、表1および表4において説明される。
ボディ12ひいては採取部材18の最大体積は、サイズ000以下のカプセル72内に嵌合する必要があるボディ12によって非常に制限される。ボディ12がカプセル72外で膨張状態にあるとき、ボディ12は胃腸管をブロックしない、または、胃腸管に停滞しない。したがって、採取部材18の最大体積が限定されることを考慮すると、採取部材18内に採取される有益な液体胃腸サンプルの量を最大化することは重要である。気体サンプルの採取は、採取部材18内の貴重な体積を使用し、揮発性化合物だけを含む気体サンプルとは対照的である、遥かに高い密度のアクティブな生物および生体分子を含む液体サンプルほど有益でない。いくつかの実施形態において、図40を参照すると、バルブシール38はまた、フローセンサ80によって制御される。バルブシール38が開き、液体胃腸サンプルが開口部42を通って採取部材18内に流れる状況において、直列のフローセンサ80は、そのような流れを検知し、胃腸管のその領域について十分な体積のサンプルが採取されるまでバルブシール38を開いた状態に維持する。しかしながら、バルブシール38が開かれ、気体が開口部42を通って採取部材18内に流れる状況において、直列のフローセンサ80は、液体の流れを検知せず、したがって、バルブシール38を閉じるための信号を送信し、気体サンプルが採取部材18内の採取体積を使用することを防止する。十分な時間遅延の後に、または、開口部42上またはその近くにある別個の液体センサが液体サンプルの存在を検知したとき、バルブシール38は再度開き、サンプリングプロセスを継続する。フローセンサ80は、採取部材18内への液体サンプルの流入を再度確認し、胃腸管のその領域について十分な体積の液体胃腸サンプルが採取されるまでバルブシール38を開いた状態に維持するための信号を送信する。
いくつかの実施形態において、pHセンサ78およびフローセンサ80は連携して、予め指定されたpH範囲からの液体胃腸サンプルの予め指定された体積が採取部材18内に採取されたことを確実にする。
いくつかの実施形態において、バルブシール38は、採取部材18内の捕捉気体がボディ12から流れ出すことを制御し、それによって、胃腸サンプルが、通常は開いている別個のサンプリング開口部を通じて採取部材18内に流れることを可能にする。
いくつかの実施形態において、ボディ12は弾性的に折り畳まれ、再膨張して、バルブシール38が開いたときに胃腸サンプルを採取部材18に引き込まれることを可能にする。
いくつかの実施形態において、ボディ12は、長さ5mm~50cm、直径1mm~8mmの中空管であり、ボディ12のルーメンによって形成される採取部材18内に直線状配列として胃腸サンプルが保存される。
いくつかの実施形態において、胃腸サンプルが開口部42を越えることをバルブシール38によって許容された後に、マニホールドおよび/または追加バルブが胃腸サンプルを別個の採取部材18内に誘導する。このようにして、1つのバルブシール38は、クロスコンタミネーションを回避するために、採取された胃腸サンプルを別々の採取部材に維持しながら、胃腸管の異なる領域のサンプリングを制御できる。
いくつかの実施形態において、ボディ12ユニットは、コンパクトな方式で飲み込むためのカプセル72内における、折り畳まれスタック化された空白である薄壁中空構造である。各採取部材18は、異なる水分分解可能、腸分解可能、時間分解可能、または、結腸標的化材料被覆要素30でシールされた開口部42に接続される。別々の被覆要素30の分解後、各採取部材18は、水分分解可能、腸分解可能、時間分解可能、または結腸標的化被覆要素30の分解特性によって決定される、胃腸管における所望のサンプリング場所に対応する胃腸サンプルで充填される。このようにして、折り畳まれているが連結されたボディ12ユニットのセットは、単一のカプセル72内にコンパクトに嵌合でき、胃腸管の複数の領域を別々にサンプリングでき、一方で、連結されたユニットとして便器からなお回収される。
いくつかの実施形態において、デバイス10は、胃腸管において広がる、長さ2cm以上の回収テールを含み、便器におけるデバイス10の識別および回収を容易にする。
図21に示される実施形態において、デバイス10は、ボディ12内に放射状配置で分布する、1つより多くの採取部材18を含む。各開口部42は、異なる時間、または、胃腸管における異なるpH範囲で開く被覆要素30(図示せず)で被覆される。この方式で、デバイス10は、胃腸管からの別々の胃腸サンプルを各採取部材18内に採取する。
図22に斜視図で示される実施形態を参照すると、デバイス10は、開口部42を被覆する被覆要素から解放され、デバイス10は今、胃腸管をサンプリングするための所望の位置にある。採取部材18は、開口部42を通じて胃腸管のルーメンと流体連通する、円柱形状の多孔性または水溶性要素である。胃腸サンプルを採取した後に、アクチュエータ24は、ボディ12の上で外部ピストン26を移動さえ、開口部42を閉じる。この移動の最後に、外部ピストン26はシール38に当たり、採取部材18内の胃腸サンプルをシールする。
図23に斜視断面図で示されるように、デバイス10は、所望のサンプリング場所に達する前の状態で示される。デバイス10は、シェルがHPMCなどの水分分解可能材料からできていて、かつ、腸または結腸におけるサンプルの採取のために任意で被覆要素30として作用する腸分解可能材料を含む密封カプセルであるカプセル72に格納されている。被覆要素30は、胃腸サンプルが採取部材18内に流れることを防止する。
図24において斜視断面図で示されるように、デバイス10が胃腸管における所望のサンプリング場所に達したとき、カプセル72および被覆要素30は分解し、もはやデバイス10の周りに存在しない。胃腸サンプル40は、多孔性採取部材18の親水性吸い上げ特性に起因して、または、水溶性採取部材18への液体の拡散に起因して、開口部42を通じて採取部材18内に流れ始める。アクチュエータ24は、図24に示される状態において最大伸長および最大ポテンシャルエネルギー構成にある、シリコーンなどの材料からできている、バーベル形状の弾性的に伸長可能な軸部材である。部分的に緩和することが許容されるとき、アクチュエータ24は、ボディ12上で外部ピストン26を移動させ、開口部42をシールする。支持部68は、水分分解可能材料からできている圧縮部材である。そのような材料は、HPMC、PVA固体およびPVAフォームを含む。支持部68は、ボディ12から外部ピストン26に延在する。乾燥しているとき、支持部68は、伸長したアクチュエータ24が半弛緩した状態に移動することを防止し、それによって、ボディ12を外部ピストン26から分離する。胃腸サンプル40が採取部材18に流れるとき、その中に含まれる水分は最終的に、採取部材18の中央部分に到達し、支持部68の機械的強度の分解を開始する。
図25に斜視断面図で示されるように、胃腸サンプル40は、採取部材18に流れることを完了しており、支持部68を分解している。支持部68は、構造的完全性を失っており、もはやデバイス10の機能的コンポーネントとして存在していない。アクチュエータ24は、半弛緩した状態に移行して、ボディ12上でシール38に向かって外部ピストン26を移動させる。最終的に、外部ピストン26は開口部42を被覆し、アクチュエータ24に存在する残存ポテンシャルエネルギーまたは張力でシール38に対してシールされ、それによって、採取部材18内の胃腸サンプル40を隔離し、採取部材18に入る、または、それから出る更なる流体フローを防止する。デバイス10は、この状態で身体から排出される。ボディの外に出ると、胃腸サンプル40が充満した採取部材18にアクセスするために、外部ピストン26は、ボディ12から分離される。
いくつかの実施形態において、シール38が係合されると、ラッチ機構が活性化およびロックし、胃腸サンプルがデバイス10から抽出されるまで、シール38の更なる分離、および、外部環境への採取部材18の露出を防止する。
いくつかの実施形態において、支持部68が水分によって分解されるにつれて、ピストン26が採取部材18をボディ12の空隙内に押す。ピストン26およびボディ12は最終的に、アクチュエータ24によって共に引かれ、シール38を介してシールされ、それによって、採取部材18内の胃腸サンプル40を隔離する。アクチュエータ24における残存ポテンシャルエネルギーまたは張力は、ボディ12に対してピストン26をシールした状態に維持し、それによって、採取部材18に入る、または、それから出る更なる流体フローを防止する。
図26に斜視図で示される実施形態を参照すると、デバイス10は、開口部42を被覆する被覆要素から解放されている。デバイス10は、胃腸管における流体をサンプリングするよう構成される。採取部材18は、開口部42を通じて胃腸管のルーメンと流体連通する、円柱形状の多孔性または水溶性要素である。デバイス10は、2つのデバイスボディ12を含み、各々は、開口端の周りにシール38を有する中空ピストンとして形成される。胃腸サンプルを採取した後に、ポテンシャルエネルギーが保存された、外部伸縮弾性バンドの形態であるアクチュエータ24は、シール38が接触するまで、ボディ12の両半分を、互いに向かって内向きに移動させ、それによって、開口部42を閉じ、採取部材18内の胃腸サンプルをシールする。
図27に斜視断面図で示されるよういん、デバイス10は、所望のサンプリング場所に達する前の状態で示される。デバイス10は、シェルがHPMCなどの水分分解可能材料からできている密封カプセル内にあり、任意で、腸または結腸におけるサンプルの採取のために、被覆要素30として作用する腸分解可能材料を含む。被覆要素30は、胃腸サンプルが、採取部材18との流体連通に入ることを防止する。磁気または強磁性誘引要素70は、磁気または強磁性の先端を含む手持ち式の棒を使用して、便器におけるデバイス10の回収を助けるように機能する。誘引要素70はまた、放射線不透性マーカとして機能し、非侵襲的なイメージング手段を使用して、胃腸管におけるデバイス10の可視化を可能にする。
図28に斜視断面図で示されるように、デバイス10が胃腸管における所望のサンプリング場所に到達したとき、カプセルおよび関連する被覆要素30は分解し、もはやデバイス10の周りに存在しない。胃腸サンプル40は、多孔性採取部材18の親水性吸い上げ特性に起因して、開口部42を通じて採取部材18内へ流れることを開始する。アクチュエータ24は、最大伸長および最大ポテンシャルエネルギー構成にある外部弾性バンドである。部分的に緩和することが許容されるとき、アクチュエータ24は、ガイドとして作用する採取部材18上でボディ12を内向きに移動させ、その結果、シール38は最終的に開口部42に遭遇してシールする。支持部68は、ボディ12から採取部材18の一端へ延在する水分分解可能材料からできている圧縮部材である。乾燥しているとき、支持部68は、ボディ12の両半分が、互いに向かって内向きに移動することを防止し、それによって、開口部42を形成する。胃腸サンプル40が採取部材18の縁に達した後に、それに含まれる水分は最終的に支持部68を分解する。
図29に斜視断面図で示されるように、胃腸サンプル40は採取部材18を充填し、支持部68を分解している。支持部68は、構造的完全性を失っており、もはやデバイス10の機能的コンポーネントとして存在していない。アクチュエータ24は、部分的に緩和した低ポテンシャルエネルギー状態に向かって移行し、シール38が接触するまで、ボディ12の両半分を内向きに移動させている。それによって、開口部42を閉じ、採取部材18内の胃腸サンプル40をシールする。アクチュエータ24における残存ポテンシャルエネルギーまたは張力は、ボディ12の両半分およびシール38を共に押し付けた状態に維持し、それによって、採取部材18内の胃腸サンプル40を隔離し、採取部材18に入る、または、それから出る更なる流体フローを防止する。デバイス10はこの状態で身体から排出される。身体の外に出ると、胃腸サンプル40が充満した採取部材18にアクセスするために、ボディ12の両半分は分離される。
いくつかの実施形態において、採取部材18は、乾燥しているときに圧縮に抵抗できる多孔質材料からできている。そのような材料は、PVAまたは天然のスポンジからできているスポンジを含む。例えば、図26~図29に示されるように、採取部材18は乾燥しているとき、伸長したアクチュエータ24によって加えられる圧縮力に抵抗する支持部68としても機能し、ボディ12の両半分および/またはピストン26が、互いに向かって内向きに移動することを防止し、それによって、開口部42を形成する。胃腸サンプル40の水分により、採取部材18が軟化する。採取部材18は構造的硬直性および圧縮に抵抗する能力を失う。伸長したアクチュエータ24は、ボディ12の両半分および/またはピストン26を圧縮し、シール38に対してシールし、それによって、採取部材18と胃腸管との間の更なる流体連通をすべて防止する。
図30に示される実施形態を参照すると、デバイス10のコンポーネントは、デバイス10の内部コンポーネントを示すためにカプセル72が部分的に切り取られた斜視図において示される。デバイス10は、内部ルーメンが採取部材18を形成する、コイル状に巻かれた中空管の形態のボディ12を含む。ボディ12は貫通孔60を通じてカプセル72の外側に開いている。中空管状ボディ12の開口部42は、採取部材18の一端を胃腸管に接続する。ボディ12の一部は、カプセル72内でコイル状に巻かれている。採取部材18の他の端は、流体連通を介して、弾性材料からできている、または、通常は完全膨張状態にある弾性部材を含む、中空ブラダの形態であるアクチュエータ24に接続されている。アクチュエータ24とボディ12との間には空間48がある。シール44はボディ12における孔を通る。シール44は、カプセル72外の環境に空間48を接続する、通常開いているオリフィス46を含む。図30において示されるデバイス10は、空の状態にあり、膨張した中空アクチュエータ24、空の採取部材18、および、大気圧の気体が充満した空間48を有する。
図31に示されるように、気体または流体は、オリフィス46を介してカプセル72内に引き込まれ、空間48を占有する。空間48における流体の圧力に起因して、中空ブラダ形状アクチュエータ24は、最小限の体積に折り畳まれ、それによって、弾性材料または弾性部材にポテンシャルエネルギーを保存し、一方、プロセス中にボディ12の開口部42を通じて、その中の気体を排出する。プラグ52はオリフィス46内に挿入され、空間48内の流体がボディ12外に逃げることを防止するシールを形成する。これは、使用前にデバイス10が患者に届けられる状態である。
図32に示されるように、プラグ52は、オリフィス46から除かれ、中空ブラダアクチュエータ24は、緩和状態および形状へ膨張を開始し、それによって、オリフィス46を通じて流体または気体を空間48から排出する。中空ブラダアクチュエータ24が膨張するにつれて、開口部42を通じて胃腸サンプル40を引き込む採取部材18において陰圧が形成される。膨張と圧縮された状態との間の中空ブラダ24の体積差は、採取部材18の内部容積より小さい。このようにして、胃腸サンプル40は、長い中空の採取部材18の空間的に分離された直線状配列形式内だけに存在し、中空ブラダ形状アクチュエータ24の容積において存在しない。オリフィス46のサイズ、空間48における気体または流体の粘度、および、アクチュエータ24の弾力性は、胃腸サンプリングの速度を決定する。アクチュエータ24の完全に折り畳まれた状態と完全膨張状態との間の膨張速度は、胃腸管の特定の領域をサンプリングするのに1分~1時間要し、または、胃腸管全体を完全にサンプリングするのに1時間~8時間要する。
いくつかの実施形態において、空間48内に導入される流体は、気体、水、生理食塩水、または油を含む。
いくつかの実施形態において、油が空間48内に導入されるとき、水分分解可能被覆要素はオリフィス46をブロックする。したがって、サンプル採取は、オリフィス46をブロックする被覆要素が、胃腸管における水分に十分さらされた後に分解されるときだけ開始する。
いくつかの実施形態において、空間48内に導入される流体は、室温で固体であり、体温で液体である。
いくつかの実施形態において、固体流体溶解可能要素が空間48内に導入され、胃腸管における流体にさらされ、オリフィス46を通じて取り除かれる。
いくつかの実施形態において、中空管状ボディ12のルーメンの狭窄部分、または、その中の制限は、胃腸サンプルのサンプリングの速度を限定するように作用する。
いくつかの実施形態において、ボディ12は、内径0.2~2.5mm、外径0.4~3.0mm、長さ20~200cmの中空管である。ボディ12の内部中空ルーメンは、採取部材18を形式する。胃腸サンプル40は開口部42を介して採取部材18内に導入される。胃腸サンプル40は、採取された順序で、採取部材18内において、空間的に分離された直線状配列を形成する。採取部材18内への胃腸サンプル40の移動は、放射状に折り畳まれたボディ12と、放射状に膨張したボディ12との間の圧力差によって駆動されるバルク流に起因する。採取部材18内の胃腸サンプル40の移動は、相対的サイズに起因して、胃腸サンプル40のコンポーネントをクロマトグラフィで分離するように作用しない。通常は0.1mm以下の内径であるクロマトグラフィに使用される毛細管と同様である。
管状ボディ12内の胃腸サンプル40の直線状配列の領域間の直線状の拡散は最小限である。摂氏37度、24時間では、グルコースなどの低分子、塩、ヘモグロビンなどの大型分子、更には運動性細菌の拡散の距離は、2cm未満である。例えば、胃腸サンプル40が口から直腸まで、一定速度で、長さ60cmの中空採取部材18内で採取される場合、サンプリングの空間分解能は、採取部材18において±2cmであり、30フィート長の胃腸管では±1フィートということになる。これは、胃腸管において関心のあるエリアを識別するのに十分な分解能を示す。分解能の増加が必要な場合、採取部材18は、60cmより長くてよい。
いくつかの実施形態において、長い中空採取部材18内で直線状配列形式で採取される胃腸サンプルの一部は、油または気体の泡を用いて分離され、胃腸サンプルの部分間での生体分子の拡散を最小化する。
別の実施形態において、開口部42から採取部材18に圧力をかけて、開口部42からもっとも遠い採取部材18の端から胃腸サンプル40を押し出すことによって、胃腸サンプル40は、先入先出方式で回収される。このアプローチにより、最後に採取されたサンプルで直線状配列における最初に採取されたサンプルをクロスコンタミネーションすることを回避する。
特定の領域において、胃腸管には気体が充満している。従来技術の装置の真空容器を開くとき、サンプリングポートが気体にさらされる場合、真空力によって、流体サンプルではなく気体が即座に吸引される。先行技術に記載される、特定の時点に開く真空容器は常に、流体より遥かに多くの気体を採取するので、非有益なサンプル採取につながる。対照的に、本明細書に開示されるデバイス10は、サンプリングされる材料の粘度から比較的独立した、遥かに制御可能性が高い速度でサンプルを採取する。1分~1時間にわたって胃腸管の1つの領域をサンプリングすることにより、または、1時間から8時間の期間にわたって胃と上行結腸との間の胃腸管全体をサンプリングすることにより、このサンプリング好適時間の少なくともいくつかの部分では、開口部42が流体状胃腸サンプルと流体連通する可能性が非常に高い。いくつかの実施形態において、例えば、図30から図32において示されるように、サンプリング速度は主に、流体または気体がオリフィス46から出る速度、および、ブラダアクチュエータ24の弾力性によって決まる。したがって、サンプリングモードは、容積移送式に基づいている。開口部42を通じた胃腸サンプル40のサンプリング速度は、サンプリングされるのが液体でも気体でも同じである。ボディ12が、採取部材18を形成する折り畳まれたルーメンを含む実施形態において、ボディ12が展開され、巻き戻され、捻じれを解除される速度は、胃腸サンプル40のサンプリングの速度を決定する。ボディ12の展開、ほどけ、および、捻じれ解除の速度は、他のパラメータの中でも、被覆要素30の分解品質およびボディ12の弾力性によって決定される。折り畳まれ、巻かれ、捻じれ、または曲げられた管を含むボディは、サンプリング速度を限定する(これにより、従来技術の装置と比較して、気体の採取を低減する)、および、飲み込まれたカプセルによって提供される狭い空間内に遥かに大きい体積の採取部材18を提供するという二重の利点を提供する。
いくつかの実施形態において、0.1ミクロンから200ミクロンの予め選択された範囲の孔サイズを有する多孔性要素またはスクリーンが、ボディ12の開口部42の中または前に配置され、ブロックを防止する、または、孔カットオフサイズより大きい任意のサンプル要素の取り込みを防止する。例として、0.2ミクロンの孔サイズを有する膜は、任意の微生物細胞が採取部材18に入ることを許容せず、関心のある他の溶解または懸濁された生体分子を含み得る、微生物を囲む流体だけを採取する。
いくつかの実施形態において、ボディ12は、採取部材18を形成するボディ12内の中空ルーメンを弾性的に、または、可逆的に折り畳むためにカプセル72内において十分に緻密にコイル状に巻かれ、スプール状に巻かれ、捻じれ、曲げられ、または、圧縮された管を含む。正確な内部採取体積、および、制御可能な真空力を提供して、1分~1時間の時間範囲にわたって胃腸サンプルを引き込み、胃腸管の1つの領域をサンプルする、または、1時間~8時間にわたって引き込み、右結腸までの胃腸管の大部分をサンプリングするために、中空管ボディ12は好ましくは、内径が0.2~2.5mm、外径が0.4~3.0mm、長さが20~200cmである。他の寸法も可能である。例えば、管状ボディは、約5.0~7.0mmの外径を有し得る。いくつかの実施形態において、管状ボディは、約5以上のアスペクト比を含む。折り畳まれた採取部材は、ボディ12の折り畳まれたルーメンが放射状に膨張することをカプセル72が防止するという方式で、カプセル72内に配置される。カプセル72またはボディ12は、腸分解可能被覆要素30でコーティングされ得る、または、それを含み得る。カプセル72が溶解または分解するとき、ボディ12の折り畳まれたルーメンは、採取部材18を形成する膨張した空隙を有する、普通の緩和した円形断面形状への移行を開始する。採取部材18を形成する空隙は、ボディ12材料の弾性特性に起因して、または、中に採取された液体の毛管力に起因して開かれる。ボディ12がほどけ、捻じれ解除され、展開され、または、膨張するについれ、液体および気体の胃腸サンプルは、サンプリング開口部42を通じて採取部材18内に吸引され、その中に採取される。
いくつかの実施形態において、胃腸サンプルを採取部材18に引き込むエネルギーは、ポテンシャルエネルギーとして、円形断面を有する弾性中空管状ボディ12のルーメンの放射状に折り畳まれた部分に保存される。
いくつかの実施形態において、開いた、または折り畳まれたルーメンを有するボディ12は、例えば、図30~図32に示されるように、中心軸の周りに螺旋状に巻かれ、飲み込む前のデバイス10の体積あたりの採取部材18の体積を最大化する。
いくつかの実施形態において、開いた、または折り畳まれたルーメンを有するボディ12は、例えば、図30~図32に示されるように、複数の重複する層において中心軸の周りに螺旋状に巻かれ、飲み込む前のデバイス10の体積あたりの採取部材18の体積を最大化する。
いくつかの実施形態において、放射状に折り畳まれたルーメンを有するボディ12は、例えば図35に示されるように、螺旋パターンで中心軸の周りに巻かれる。この構成は折り畳まれた消火ホースの巻きと同様である。
いくつかの実施形態において、放射状に折り畳まれたルーメンを有するボディ12は、例えば図36に示されるように、軸方向に偏移した状態で、螺旋状に中心軸の周りに巻かれる。本実施形態において、ボディ12は、完全に重複しないか、または、それ自体で部分的に重複するかのいずれかであり得る。
いくつかの実施形態において、放射状に折り畳まれたルーメンを有するボディ12は、例えば、図37に示されるように、アコーディオン状または「Z折り」方式で1または複数回曲げられる。
いくつかの実施形態において、開いた、または折り畳まれたルーメンを有するボディ12は、例えば図38に示されるように、螺旋またはコイル状に捻じれる。
いくつかの実施形態において、開いた、または折り畳まれたルーメンを有するボディ12は、螺旋またはコイル状に捻じれ、次に、アコーディオン状または「Z折り」方式で1または複数回曲げられる。
いくつかの実施形態において、開いた、または折り畳まれたルーメンを有するボディ12は、アコーディオン状または「Z折り」方式で1または複数回曲げられ、次、螺旋またはコイル状に捻じれる。
いくつかの実施形態において、開いた、または折り畳まれたルーメンを有するボディ12は、高次螺旋または高次コイル状に捻じれる。高次螺旋または高次コイルは、元の螺旋またはコイルにおけるターンと同じ方向または反対の方向の追加の捻じれを有する形態である。
いくつかの実施形態において、採取部材18を形成する、放射状に折り畳まれたルーメンを有する管状ボディ12は、例えば図39に示されるように、襞状の方式で、中心軸に沿って1または複数回曲げられる。
いくつかの実施形態において、採取部材18を形成する放射状に折り畳まれたルーメンを有する管状ボディ12は、外部ボディ内に緻密かつランダムに詰め込まれ、飲み込前のデバイス10の体積あたりの採取サンプルの体積を最大化する。
管状ボディ12の折り曲げパターンが、それ自他でボディ12の表面の陥入を伴わないことが好ましいことがあり得る。長の管の陥入は、自己膨張を許容しない著しい摩擦を生じさせる。陥入を介する折り曲げは、球状またはバルブ形状のボディ12に最適である。しかしながら、任意の所要の採取体積について、球状またはバルブ形状のボディ12は、直径を増加させ、したがって、長い管状ボディ12と比較して、胃腸管における停滞のリスクが大きい。
上記の包装構成は、少なくとも3つの理由から重要であり得る。まず、上記の包装構成は、カプセル72内の死容積および残留気体を最小化する。カプセル72内の任意の残留気体は、デバイス10自体によってサンプリングされ得、それによって、流体状胃腸サンプルの採取に使用されるべきである、採取部材18における貴重な体積を使用する。更に、残留気体は、胃腸管において採取される嫌気性微生物の生存に有害である大気中の酸素を含み得る。例えば膨張可能なベローを含む従来技術の装置において、サンプル採取が生じた前でもデバイス10の死容積が大きい。更に、カプセル72において包装される前に放射状の折り畳みを介してボディ12から気体が排出されるとき、採取部材18は、任意の捕捉気体を排出する必要がない。
第2に、上記の包装構成は、摂取されたカプセル72の体積あたりの採取部材18の潜在的体積を最大化する。採取部材18の体積は、上記の構成に従って適切に包装されるとき、実質的にゼロであり得るので、カプセル72の内部容積の約50%より多く、好ましくは約70%より多くが、薄壁管状ボディ12および任意で一方向バルブ機構で占有され得る。従来技術の装置において典型的に見られるような、別個のアクチュエータまたは動力源のためにカプセル72内の体積は必要ない。これらの実施形態において、弾性的に放射状に折り畳まれたボディ12は、採取部材18の全体積を画定するアクチュエータおよび容器の両方である。カプセル72内に包装されるとき、採取部材18は、その最大体積の約10~30%(例えば、約15%)より小さい内部死容積を有する。換言すると、ボディ12がカプセル72内に包装されるとき、採取部材18の全体積の約10~30%未満は、サンプル採取に利用可能でない死容積である。採取部材18は、カプセル72の外に出ると、その全体積に膨張し、全体積の少なくとも約70~90%は胃腸サンプルで占有される。
第3に、上記の包装構成は、ボディ12の膨張の速度、ひいては、胃腸管におけるサンプル採取の速度を制御するための多くの手段を提供する。時間またはpHに依存する多くの方式で、弾性管状ボディ12の展開、ほどけ、捻じれ解除、および放射状の膨張の速度を制御することが可能である。したがって、サンプリングの速度は、サンプリングされる胃腸管の領域の数に応じて、約1分~8時間の範囲となるように制御され得る。
いくつかの実施形態において、曲げられた、または、ランダムにパックされた巻かれたボディ12の弾力性は、胃腸管内にあるときに、軸および/または放射状方向に、カプセル72または被覆要素30のシェルを壊し、サンプリングを開始することを助ける力を適用する。
いくつかの実施形態において、コイル状に巻かれた、または、スプール状に巻かれた管状ボディ12の別々の層の周りの同心円状のシェルにおいて、複数の被覆要素30が適用される。被覆要素30は、ボディ12の層を折り畳まれた状態に維持するよう作用する。水分、時間、またはpHレベルに起因して被覆要素30の層が分解するとき、コイル状に巻かれた、または、スプール状に巻かれたボディ12はほどけ、それによって、制御された方式で、ルーメンを膨張し、胃腸サンプルを採取部材18内に引き込む。被覆要素30層の分解のパラメータは、コイル状に巻かれた、または、スプール状に巻かれたボディ12の外層が内部層の前に解放されほどけるように制御される。このようにして、デバイス10は、約1分~1時間、または、約1時間~8時間の期間にわたって胃腸管に沿って継続的にサンプリングする。更に、ボディ12は秩序正しく段階的にほどけることにより、管が一度にほどけること、および、それ自体でよじれること、または、曲がることを防止する。
図33に部分斜視断面図で示される実施形態において、ボディ12は、採取部材18を形成する放射状に折り畳まれたルーメンを有するよう圧縮された連続的またはセグメント化された管を含む。ボディ12は、図35に示される方式でコイル状に巻かれ、最終的にカプセル72内に円柱状物体として配置される一連のスタック化された平らなディスクを形成する。各ボディ12は、各ボディ12がほどけ、胃腸管の特定の領域における胃腸サンプルを採取することを可能にする、固有の水分分解可能、腸分解可能、時間分解可能、または結腸標的化被覆要素30でコーティングされる。
いくつかの実施形態において、被覆要素30が分解するpHは、ボディ12の開口部42の領域における低いpHから、管状採取部材18の閉鎖端の領域における高いpHまで並んでいる。このようにして、デバイス10が十二指腸(pH5~6)から回腸(pH7~8)へ移動するにつれて、薄壁管状採取部材は、開口部42からほどける。このようにして、デバイス10は、約1時間~8時間の時間範囲にわたって胃腸管に沿って継続的にサンプリングする。
いくつかの実施形態において、カプセル72は、軸方向に別個のセグメントにおいて、異なる水分分解可能、腸分解可能、時間分解可能、結腸標的化材料、または、異なる厚さのコーティングを有する被覆要素30でコーティングされ、その結果、カプセル72の特定のセグメントは、特定の順序で分解する。カプセルセグメントが分解するとき、カプセル72のセグメントはもはや、そのセグメントに含まれるコイル状に巻かれたボディ12に対して放射状の拘束力を提供しない。したがって、そのセグメントにおけるコイル状に巻かれたボディ12は、ほどけることが可能であり、ボディ12のルーメンは膨張し、採取部材18は、胃腸管のその領域においてサンプルを採取する。
いくつかの実施形態において、図35に示されるように、ボディ12は、折り畳まれたルーメンを有するように圧縮された、1つの閉鎖端および1つの開放端を有する弾性の薄壁管を備え得、コイル状に巻かれた消火ホースの3層と同様の3つの平らなディスクのスタックを形成するようにコイル状に巻かれる。ボディ12の閉鎖端は、第1ディスクの放射状の中央にあり、ボディ12の開放端は、第3ディスクの外周にある。ボディ12の開放端は開口部42である。3つのディスクは、順に重ねてスタック化され、水分解可能カプセル72内に導入される円柱状物体を形成する。開口部42に隣接して配置される、カプセル72の第1の円形キャップ部分は、コーディングが解かれ、胃において溶解する。カプセル72の中央部分は、近位小腸を標的化する第1腸被覆要素30でコーティングされ、ボディ12の閉鎖端に隣接するカプセル72の第2キャップ部分は、遠位小腸を標的化する第2腸被覆要素でコーティングされる。飲み込まれた後、カプセル72の第1キャップ部分は、胃において溶解する。これにより、第1ディスクがほどけることを可能にする。その結果、ボディ12の第1ディスクのルーメンが膨張し、胃から胃腸サンプルを引き込む。近位の小腸において、カプセル72の中央部分は溶解し、これにより、ボディ12の第2ディスクがほどけ、近位小腸の内容物をサンプリングすることを可能にする。遠位小腸において、カプセル72の第2キャップ部分は溶解し、これにより、ボディ12の第3ディスクがほどけ、遠位小腸の内容物をサンプリングすることを可能にする。胃、近位小腸および遠位小腸からのサンプルの直線状配列は現在、ボディ12の内部ルーメンによって形成される採取部材18内に存在する。
重要なことに、直線状配列の実施形態において、採取部材18に入る第1サンプルは、ボディ12のルーメンの壁による任意のコンタミネーションを受けない。採取部材18に入る、胃腸管のより遠位部分からの後続サンプルは、ボディ12のルーメンの壁に付着した少量の前のサンプルにさらされることがあり得る。しかしながら、このクロスコンタミネーションはまた、胃腸管における天然のクロスコンタミネーションを繰り返すものである。すなわち、近位胃腸管における大部分の生体分子は最終的に、身体から出る際に、より遠位の胃腸管を流れ、そこに存在する。より多くのディスク、および、より多くの腸溶コーティングセグメントが、より高い分解能で胃腸管をサンプリングするために使用できる。管状ボディ12はまた、採取サンプル間のクロスコンタミネーションを更に防止するために、各セグメントが別々の採取部材18を表す、セグメント化された管であり得る。
いくつかの実施形態において、中空管状ボディ12の一端は閉じられ、その結果、液体および気体の胃腸サンプルは、ほどけ、捻じれ解除され、展開され、または膨張するときに採取部材18の単一の開口部42だけに入ることができる。
いくつかの実施形態において、折り畳まれたルーメンを有する中空管状ボディ12のサンプリング開口部42は、図35から図39に示される巻きまたは折り曲げ構成の外部にある。これらの実施形態において、ボディ12のほどけ、捻じれ解除、展開または膨張が開始するとすぐに、デバイス10はサンプリングを開始し、これにより、胃腸管のより近位の領域におけるサンプリングを可能にする。
いくつかの実施形態において、折り畳まれたルーメンを有する中空管状ボディ12のサンプリング開口部42は、図35から図39に示される巻きまたは折り曲げ構成の内部にある。これらの実施形態において、ボディ12全体が巻き戻され、捻じれ解除され、展開され、膨張した後にだけ、デバイス10はサンプリングを開始する。この構成により、蠕動は、サンプリング開始前にデバイス10を胃腸管の遠位領域に運ぶために作用する十分なサイズの物体を有することが可能である。本実施形態において、デバイス10は、胃腸管のより遠位の領域のサンプリングのために構成される。
右上行結腸を標的化するいくつかの実施形態において、コイル状に巻かれ、捻じれ、曲げられ、または、圧縮された中空ボディ12は、分割カプセル72で被覆される。小腸にあるとき、デバイス10に対する小腸壁の放射状に向いた随意収縮圧は、分割カプセル72の移動、および、その後のボディ12の膨張を防止する。デバイス10が右結腸(ここではルーメンの内径は約3インチであり、一方で小腸ルーメンでは直径1インチである)に入るとき、分割カプセル72はもはや共に圧迫されず、離れて別個の要素になる、または、貝殻のように開く。分割カプセル72を保持する力が無いので、中空ボディ12は膨張し、それによって、デバイス10は右結腸の胃腸内容物のサンプリングを開始する。
右上行結腸を標的化するいくつかの実施形態において、開口部42は、放射状内向きの圧力がシーリング要素に適用されない限り放射状方向外向きに移動できるシーリング要素によってシールされる。デバイス10に対する小腸の放射状内向きの随意収縮圧、および、被覆要素30を含むカプセル72は、デバイス10が右上行結腸内(ここでは、ルーメンの内径は約3インチであり、一方、小腸ルーメンは直径1インチである)に入るまで、このシーリング要素の移動を防止する。シーリング要素が所定位置に無いので、右結腸からの胃腸サンプルは、開口部42を通って採取要素18内に流れる。
右結腸を標的化するいくつかの実施形態において、コイル状に巻かれた、曲げられた、よじれた、または圧縮された中空ボディ12は小腸の放射状内向きの随意収縮圧にさらされるとき、ほどけること、展開すること、または膨張することができない。デバイス10が右上行結腸内(ここでは、ルーメンの内径は約3インチであり、一方、小腸ルーメンは直径1インチである)に入るとき、ボディ12がほどけ、展開され、よじれ解除され、または膨張することにより、サンプリング開口部42が開き、それによって、デバイス10は右上行結腸の内容物のサンプリングを開始する。
右結腸を標的化するいくつかの実施形態において、サンプリングは、デバイス10の周りの気体の大きいポケットの存在の検出によってトリガされる。例として、超音波トランスデューサは、デバイス10が気体、液体、または腸組織によって囲まれているかどうかを検出でき、それによって、予め設定された期間にわたって気体が検出されたときだけサンプル採取をトリガする。主に水素、二酸化炭素およびメタンである大きい体積の気体が結腸に存在する。このことは、小さい泡を例外として一般に流体が充満した小腸と対照的である。
右結腸を標的化するいくつかの実施形態において、サンプリングは、デバイス10を囲む気体の大きいポケットに起因する、デバイス10から胃腸管への熱流の減少を検出することによってトリガされる。例として、熱流は気体を通るより液体を通る方が大きいので、電流フィードバックを有する抵抗ヒータは、ヒータが液体または気体によって囲まれているかどうかを検出できる。
いくつかの実施形態において、開口部42は、pH感受性ヒドロゲルの膨張または収縮に基づいてシールされる、または開かれる。ヒドロゲルの標的pH移行点は、胃腸管の特定の領域の予測されるpHレベルに基づいてサンプリングするために、胃腸管のその領域を標的することに使用される。
いくつかの実施形態において、採取部材18内の採取された胃腸サンプルは、液体サンプルの体積に隣接する気体サンプルの体積を含む。気体サンプルは、更なる解析のために液体サンプルとは個別に採取される。
いくつかの実施形態において、アクチュエータ24は、採取部材18の開口部42に陰圧を形成するアクチュエータである。アクチュエータの例は、往復真空ポンプ、遠心分離ポンプ、電導アクチュエータ、ソレノイド、誘引または反発する電磁コイル、電気活性ポリマー、圧電要素などを含む。ポンプのモードは、蠕動、拍動および置換を含み、一方向バルブがあってもなくてもよい。
いくつかの実施形態において、アクチュエータ24は、採取部材18の開口部42にわずかな正圧を形成し、開口部42をブロックし得る任意の材料または粒子を流し出す、または追い出す。次にアクチュエータ24は、採取部材18の開口部42に、より長い、またはより高い陰圧を形成し、流し出すまたは追い出すステップ中に排出されるより多くの胃腸サンプルを採取する。
いくつかの実施形態において、中空管状ボディ12の親水性または超親水性内側面および小さい内径により、胃腸サンプル40は毛管力のみで採取部材18内に流れ、アクチュエータ24の必要性を無くす。親水性または超親水性内側面の例は、オープンセルゲルまたはフォームをボディ12のルーメン内に導入すること、酸エッチングを行うこと、または、ヒドロゲルなどの親水性または超親水性分子でボディ12のルーメンをコーティングすることなどを含む。
いくつかの実施形態において、中空ボディ12の内側面は疎水性であり、界面活性剤として作用する、中に含まれる胆汁酸に主に起因して、胃腸サンプルの表面張力が非常に低いことを考慮しても、胃腸サンプルの採取がなお可能である。したがって、胃腸サンプルは、疎水性材料からできたボディ12内へ容易に流れる。疎水性表面の利点として、ボディ12の壁への胃腸サンプルの付着性が低く、したがって、直線状配列形態である採取部材18におけるクロスコンタミネーションが低減する。
いくつかの実施形態において、中空管状ボディ12の内部容積は、採取部材18の毛細管吸い上げ能力を増加させるオープンセル構造を含む。
いくつかの実施形態において、中空管状ボディ12の壁は、採取部材18に閉じ込められた気体が壁を通って、デバイス10を囲む気体または液体環境内に逃げることを可能にする材料を含む。毛管力を介して中空管状ボディ12のルーメン内に輸送される胃腸サンプルは、既知の速度で、ルーメン壁を介して、捕捉気体を置換して採取部材18から出す。例として、中空ボディ12は、セルロースもしくはセルロースエステル、ポリスルホン、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、フッ化ポリビニリデン(PVDF)、ポリエーテルサルホン(PES)、エッチングされたポリカーボネート、およびコラーゲンを含む材料からできている。これらの材料は、気体浸透可能であるが流体浸透可能でない。
毛管力が胃腸サンプル40を採取部材18に駆動するいくつかの実施形態において、ボディ12上の気体浸透可能であるが撥水性の排出口は、開口部42内への胃腸サンプル40の流れによって置換されている採取部材18内の気体が、バルク流または拡散を介してデバイス10の外に逃げることを可能にする。そのような排出口の例は、管、フリット、スパン、または多孔性形態のフッ化ポリビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン、およびポリエチレンなどの疎水性材料を含む。本実施形態において、毛管力は流体状胃腸サンプル40だけを採取部材18内に駆動するよう作用するので、胃腸管における気体はサンプリングされない。本実施形態におけるサンプリング速度は、管状採取部材18の内部表面の直径および親水性と、排出口の気体浸透性および表面積との組み合わせを介して制御される。排出口が胃腸管の気体にさらされ、胃腸液に接触せず、同時に、ボディ12を越えて延在する開口部42が、ルーメンの粘膜表面上にあるとき、採取部材18における捕捉気体が排出口から容易に出るので、毛管力に起因して、粘膜の胃腸サンプルが採取部材18内に効率的に採取される。このようにして、粘膜の胃腸サンプルは、バルク胃腸液と比較して優先的に採取され、それによって、サンプリングされる微生物の濃度を増加させる。なぜなら、微生物は胃腸管の粘膜層に主に存在し、バルク胃腸液では希釈された形態のみで存在するからである。
いくつかの実施形態において、ボディ12の採取部材18および/または内部容積には、空気より容易に水に拡散する気体が充満している。気体の例は、ヘリウム、水素および二酸化炭素を含む。
いくつかの実施形態において、中空ボディ12は、折り畳まれ、平らで、空であるときにそのルーメン内に気体が実質的に含まれないレイフラット管からできている。胃腸サンプルが開口部42に入るとき、毛管力は、採取部材18を形成するボディ12のルーメン内に液体胃腸サンプルを駆動する。採取部材18のルーメンは、胃腸液で充填されたエリアにおいて、折り畳まれた状態から開放状態に膨張する。本実施形態において、採取部材18の非サンプリング開口部は、任意の捕捉気体を排出する必要がない。
いくつかの実施形態において、ボディ12の開口部42は、デバイスカプセル72と同じ平面にある。
いくつかの実施形態において、中空管状ボディ12の開口部42がカプセル72を越えて少なくとも5mm延在することにより、開口部42は、ほぼすべての時間にわたって胃腸管粘膜層に接触し、それによって、胃腸サンプルが採取される機会を最大化する。本実施形態において、カプセル72を越えて延在するボディ12の部分は、それ自体の重みによって、水平状態を維持しない。したがって、重力により、カプセル72を越えて延在するボディ12の部分は、胃腸ルーメンの表面に落ちる。
いくつかの実施形態において、カプセル72を越えて延在する開口部42は、開口部42が胃腸管ルーメン表面上に留まることを確実にするような重みを有する。
いくつかの実施形態において、デバイス10の内部容積内に、コイル状に巻かれた、または、曲がった中空毛細管経路を直接形成する3D印刷技法を使用してデバイス10が形成される。3D印刷技法の例は、光重合、焼結または付加製造を含む。
いくつかの実施形態において、デバイス10は、採取部材18が各層内の凹部として形成されるスタック化部分を使用して形成される。層はスタック化されて互いに結合され、各層の裏側は、隣接する層の採取部材18をシールする。各層の採取部材18は、層間の貫通孔を介して互いに流体連通する。
いくつかの実施形態において、採取部材18またはその一部は、液体胃腸サンプルを引き込むための表面張力を形成するのに十分に近い間隔のバッフルまたは他の薄い特徴によって形成される。バッフルまたは薄い特徴の間隔が、0.2mm~4mmの範囲にあることにより、胃腸液のメニスカスの曲率半径が、0.1mm~2mmの範囲にされ、それによって、表面張力に起因する著しい毛管作用を生じさせ、胃腸サンプルを採取部材18内に引き込む。
いくつかの実施形態において、複数の開口部42がボディ12から現れる。複数の開口部42は、融合して単一の採取部材18になる。このようにして、1つの開口部42が胃腸管のルーメンと接触する可能性が最大化される。
いくつかの実施形態において、患者が同時に飲み込むために、1つより多くのデバイス10ユニットがキットとして提供される。各デバイス10は、胃腸管における異なる時点または位置で開口部42を露出させるよう設計される。デバイス10ユニットは、更なる解析のために、同じ便通において採取される、または、後続の便通において採取される。胃腸管の多くの領域をサンプリングする1つの大きいデバイス10より、複数の小さいデバイス10ユニットを飲み込む方が安全である。
採取体積として定義される特定の体積の胃腸サンプル40が、更なる解析のためにデバイス10によって採取される。カプセル72内に包装されたデバイス10自体は、飲み込まれる前に特定の外部体積を有する。採取体積とカプセル72の体積との間の比率は、「採取体積割合」として定義される。採取されたサンプルの体積が大きいほど、より多くの解析を、および/または、より高い感度で、胃腸サンプルに対して実行できる。更に、採取サンプルの体積が大きいほど、デバイス10を識別して便から回収することが容易になる。同時に、デバイスを飲み込む困難を最小化するために、カプセル72の体積は可能な限り小さいべきである。胃腸管におけるデバイス10の停滞のリスクを最小化するために、デバイス10自体は可能な限り小さい直径を有するべきである。例えば、直径が約11.6mmであり3ミリリットルの容積を含むカプセル内視鏡デバイス(Medtronicカプセル内視鏡システム、Medtronic Inc.、ミネアポリス、ミネソタ州、米国)の停滞率は、1.4%である。これらの場合の大部分において、停滞したカプセル内視鏡は、胃腸管から外科的に除く必要がある。大規模に実行される胃腸サンプルの日常的な採取としては、1.4%という停滞率は、許容できないほど高い。胃腸管における停滞を最小化または無くすために、デバイス10の外径は、約9mm以下、好ましくは約7mm以下、より好ましくは約5mm以下であるべきである。飲み込むときの不快感を最小化するために、カプセル72容積は、約1.37ml以下であるべきである。これは、市販されている最大の分解可能カプセルシェルであるサイズ000カプセルに対応する。所望される解析の十分な感度および幅を可能にするべく、デバイス10は、約0.3ml以上の採取サンプル体積をなお許容するべきであるので、最小限の好ましい採取体積割合は、約0.3ml/1.37ml、または22%である。下の表2は、本特許出願において言及される共通および標準のカプセルサイズの容積および直径を示す。市販のカプセルは、飲み込みに許容されるとみなされる上限であるサイズ000より大きくないことに留意されたい。デバイス10における任意の外部機構、動力源または構造が、採取体積を減少させるように作用する。したがって、本明細書に開示されるデバイス10の構成は、採取部材18の体積を最大化し、機能に必要なデバイス10の他のコンポーネントすべてのサイズおよび体積を最小化する。デバイス10の必要な機能は以下を含む。
1.飲み込む間に円滑な外表面を提供する。
2.デバイスの停滞のリスクを最小化するために最大直径9mm、7mm、または5mm以下を有する。
3.1分~1時間の時間範囲にわたって胃腸管の所望の領域で、または、1時間~8時間の時間範囲にわたって胃腸管全体で流体サンプルを採取する。
4.採取された流体サンプルを漏洩、コンタミネーション、または酸素へさらされることから保護する。
いくつかの実施形態において、デバイス10を含むカプセル72のサイズは、000以下であり、採取体積割合は約25%以上である。別の実施形態において、デバイス10を含むカプセル72のサイズは、000以下であり、採取体積割合は約50%以上である。別の実施形態において、デバイス10を含むカプセル72のサイズは000以下であり、採取体積割合は約100%以上である。
Figure 0007261400000002
表2 標準カプセルサイズの体積および直径
いくつかの実施形態において、デバイス10は、直径約9mm以下、直径約7mm以下、直径約5mm以下、または、直径約3mm以下の管状ボディ12を含む。十分な体積のサンプルを取得するべく、胃腸サンプルが充満したときの管状ボディ12は、約5mm長以上、約1cm長以上、約20cm長以上、または、約50cm長以上である。例として、長さ50cm、外径2mm、内径1.5mmの管は、0.89mlの内部容積を有する。そのような管のルーメンが折り畳まれ、緻密にコイル状に巻かれるとき、管は内部容積0.68mlのサイズ0カプセル内に嵌合できる。換言すると、採取部材18は、ボディ12を含むカプセル72の内部容積より多くの体積の採取サンプルを含むことができる。この例において、完全膨張状態のボディ12でも、カプセル72より遥かに小さい直径を有する。ボディ12はまた、圧縮されてカプセル72内に嵌合される前の元の長さより長くなることはない。むしろ、ボディ12は、カプセル72内に挿入される前に、放射状に折り畳まれ、容積効率の高い方式で包装される。サイズ0カプセル72は溶解可能であるので、カプセル72が停滞するリスクはない。しかしながら狭く閉塞した胃腸管に非溶解可能なボディ12が停滞すること(これは、クローン病または潰瘍性大腸炎に罹患した多くの患者で生じる)を防止するために、外径約2mm、または、更には外径約7mmのボディ12は、直径9mm以上のボディ12より遥かに安全な代替案である。
いくつかの実施形態において、例として、薄壁セグメント化管状ボディ12の形態であるデバイス10は、図34に示されるように、長さ50mm、直径5mmである。シール38は、採取部材18における採取サンプルが、胃腸管を通過する残りの間にクロスコンタミネーションまたは漏洩にさらされることを防止するために一方向バルブとして作用する。採取部材18は、1.0mlのサンプル体積を含むことができるが、包装されたデバイス10は、折り曲げ、捻じれ、巻き、またはランダムなパックによって圧縮されるとき、0.36mlの体積を有するサイズ2カプセル内に嵌合する。したがって、本実施形態の採取体積割合は277%である。
いくつかの実施形態において、採取部材18のルーメンは折り畳まれ、潜在的な空間を形成し、可能な限り多くの死容積および残留気体を除去する。包装されたボディ12、または、採取部材18のルーメンにおける死容積は、そうでなければサンプル採取に使用される空間を使用する。加えて、死容積が空気である場合、空気内の酸素は、採取された嫌気性細菌種の多くを殺傷するように作用する。
いくつかの実施形態において、飲み込まれる前の採取部材18内の残留気体の体積として定義される死容積は、サンプルが充満しているときの採取部材18の最大体積に対して、約50%より小さく、好ましくは約30%より小さく、より好ましくは約10%より小さい。
デバイス10によって採取される嫌気性微生物の生存を保護するよう設計されるいくつかの実施形態において、採取部材18内の酸素の量を最小化するために、ボディ12および/または採取部材18の内部容積は、大気圧より小さい圧力を受ける。
デバイス10によって採取される嫌気性微生物の生存を保護するように設計されるいくつかの実施形態において、カプセル72内にデバイス10を包装する前に、ボディ12および/または採取部材18の内部容積には、酸素を含まない気体が流される。気体の例は、二酸化炭素、窒素、およびアルゴンを含む。シール38または一方向バルブ24は、デバイス10が身体から出たときでも、採取部材18内の採取サンプルが酸素にさらされることを限定する。
デバイス10のアスペクト比は、デバイス10の完全に膨張した長さを完全に膨張した直径で除算したものとして定義される。許容可能なほど低い停滞リスクを達成するために、デバイス10の最大直径は約9mm以下、好ましくは、約7mm以下、より好ましくは約5mm以下である。採取された胃腸サンプルに対する所望の数の解析を可能にするための最低採取体積は、約0.1ml以上、好ましくは約0.3ml以上、より好ましくは約0.6ml以上である。したがって、これらの制限を両方満たすデバイス10のアスペクト比は、好ましくは8以上である。標準溶解可能カプセルのアスペクト比は約2.75である。したがって、デバイス10は、デバイス10を含む外部カプセル72のアスペクト比より遥かに高いアスペクト比に変形される必要がある。しかしながら、長く細い物体は、小腸の曲がりくねった解剖学的構造を通ることが困難である。したがって、5より高いアスペクト比を有するデバイス10は、デバイス10が軸方向に曲がって小腸ルーメンの湾曲(曲率半径約3cmのヘアピンターンを有する)に適合することを可能にするほど十分にセグメント化される、または薄いべきである。
更に、採取されたサンプルの体積を最大化するために、デバイス10のすべての構造の体積が、採取された胃腸サンプルの体積の約40%以下、好ましくは約30%以下、より好ましくは約20%以下であることが好ましい。1mlがデバイス10によって採取されると想定すると、この制限により、ボディ12およびすべての関連する構造、動力源、シール、バルブおよびアクチュエータの体積は、約0.3mlだけ、または好ましくは約0.2ml、または、より好ましくは約0.1mlだけ残る。図34に示されるデバイス10の例において、採取された体積は1.0mlであり、すべての構造要素の体積は0.2mlであり、採取された胃腸サンプルの体積に対するデバイス10の体積は20%の比率である。モータ、バッテリ、計算デバイス、および他の大型の要素を有する従来技術の装置は、著しい「オーバーヘッド」を含み、サンプル採取のためのデバイスの全体積に対する空間はほとんど残らない。したがって、従来技術の装置では、採取された体積に対する構造体積の比率は20%を遥かに超える。
いくつかの実施形態において、胃腸管に停滞する確率を最小化するために、採取部材は、約3平方mm以下、約10平方mm以下、または、約20平方mm以下の最大断面積を有し、同時に、少なくとも0.3mlの胃腸液サンプルを採取する。
いくつかの実施形態において、デバイス10は複数の採取部材18を含み、その各々は、胃腸管における設定時間、pH、または細菌レベルで分解する被覆要素によって、胃腸の流体にさらされることから保護される。例として、7つの採取部材18を含むデバイス10における開口部42の各々は、下の表3に示される方式で被覆される。
Figure 0007261400000003
表3 胃腸管の様々な領域のサンプリングを可能にする被覆要素30の設計
代替実施形態において、6つの被覆された開口部42は、pHに関係のない方式で、胃腸管液にさらされた約0.1、1、2、3、5および8時間後に分解するよう個別に設計された6つの被覆要素30によって胃腸管から遮蔽される。この構成により、胃腸サンプルは、飲み込み後0.1、1、2、3、5および8時間後(ほとんどの個人では、胃、小腸、および結腸領域をカバーするのに十分である)に対応する胃腸管の領域において採取されることが可能である。
いくつかの実施形態において、デバイス10によってサンプリングされた胃腸管の位置は、1または複数の位置識別パラメータを使用して、サンプル解析の時間に事後的に推論(imputed)または確認される。位置識別パラメータの例を表4に列挙する。採取された胃腸サンプルの位置識別パラメータは、pH、色、細菌数、微生物アイデンティティ、ホルモン、溶解気体、酵素活性、生化学的マーカ、カプセル移動パターン、管腔内圧などのパラメータを含む。例として、採取された胃腸サンプルが透明またはピンク色であり、pH3未満であり、総細菌数は採取された流体のグラムあたり1000未満の細菌であり、高いレベルをガストリンを有する場合、サンプルは胃から採取されたと推測できる。例として、カプセルが動き検出器を含み、前後の移動を記録した場合、そのサンプルは、十二指腸(ここでは消化液と混合するために糜粥が前後に移動する)から採取された。例として、採取された胃腸サンプルの色が緑色または茶色である場合、近位および上行結腸において採取された可能性が高い。このようにしてサンプルは、様々な時点で採取され、事後的な方式で、サンプルが取られた胃腸管のもっとも可能性が高い位置にマッピングすることができる。
いくつかの実施形態において、採取された胃腸サンプルの1つの位置識別パラメータは、胃腸管におけるサンプリング場所を推論するために使用される。
いくつかの実施形態において、採取された胃腸サンプルの2つ以上の位置識別パラメータの組み合わせが、胃腸管におけるサンプリング場所を推論するために使用される。
いくつかの実施形態において、採取された胃腸サンプルの3以上の位置識別パラメータの組み合わせが、胃腸管におけるサンプリング場所を推論するために使用される。
いくつかの実施形態において、採取された胃腸サンプルの4以上の位置識別パラメータの組み合わせが、胃腸管におけるサンプリング場所を推論するために使用される。
いくつかの実施形態において、胃腸管における推論されたサンプリング場所は、信頼区間と共に確率として表現される。
いくつかの実施形態において、デバイス10は、胃腸管にあるときにリアルタイムに、表4に列挙される位置識別パラメータのうち1または複数を検出するための検出器を有する。
いくつかの実施形態において、デバイス10は、胃腸管にあるときにリアルタイムに、表4に列挙された位置識別パラメータのうち1または複数の検出に基づいて動作を行う。
Figure 0007261400000004
表4 採取された胃腸サンプルの確率的位置を推論するために事後的に使用できる位置識別パラメータの例。気体内容物の参照:Nature Electronics, Vol 1, January 2018, 79-87
いくつかの実施形態において、搭載された画像保存機能または外部画像保存デバイスへの無線伝送機能と共に、デバイス10はその中にカメラおよび動力源を含む。
いくつかの実施形態において、デバイス10は、短いテザーを介して、別個のイメージングカプセル(例えば、Medtronicカプセル内視鏡システム、Medtronic Inc、ミネアポリス、ミネソタ州、米国)に接続され、イメージングカプセルおよびデバイス10は、共に飲み込まれ、共に胃腸管を移動する。
カメラによって撮影された視覚画像は、タイムスタンプを付与される。デバイス10のサンプリングの開始時間および速度も既知である。したがって、上記カメラを有する両方の実施形態において、両方からのデータを共通のタイムライン上に整列することによって、胃腸管におけるサンプリング場所は、カメラによって撮影された視覚画像と関連付けられる。代替的に、イメージングカプセルは、デバイス10によるサンプリングの作用をイメージングして、サンプリングされている胃腸領域の直接的な視覚化および確認を可能にする。視覚的関心のあるエリアは、その位置から採取されたサンプルを解析することによって更に調査される。同様に、関心のある胃腸サンプルは更に、その位置から取得された視覚画像を解析することによって調査される。
いくつかの実施形態において、サンプル採取デバイス10に搭載された撮像システム、または、デバイス10に係留された専用イメージングカプセルにおける撮像システムは、デバイス10と通信し、特定の特徴が画像において検知されたときに、サンプル採取イベントをトリガする。そのような特徴の例は、出血している粘膜、炎症の兆候、解剖学的特徴などを含む。このようにして、胃腸サンプルは、胃腸管における関心のある特定の領域において採取される。
いくつかの実施形態において、デバイス10によって採取される胃腸サンプルの色は、サンプルが採取された胃腸管の領域を識別するために使用される。カプセル内視鏡(Medtronicカプセル内視鏡システム、Medtronic Inc.、ミネアポリス、ミネソタ州、米国)を介して取得された色解析を使用して、本発明者は、透明なサンプルは胃に関連し、黄色の色合いのサンプルは、小腸の近位部分に存在する胆汁酸に関連し、黄緑色の色合いのサンプルは遠位小腸に関連し、暗緑色または薄茶色の色合いのサンプルは近位または上行結腸に関連し、暗褐色の色合いのサンプルは、遠位結腸に存在する糞便物質に関連することを発見した。カプセル内視鏡の従来の使用において、患者は飲食しないように、および、いくつかの場合、内視鏡検査処置の前に、内視鏡検査のために、胃腸管のルーメンからすべての摂取物質が空になるように結腸を準備するように忠告される。対照的に、本発明者は、食品摂取の前、間、後に取られるカプセル内視鏡画像を作成し、それによって、関連する微生物叢と共に、摂取された食品の性質および色、ならびに、消化のすべてのフェーズおよび胃腸管のすべての領域における胃腸管のダイナミクスを発見した。例として、関連する微生物叢と共に、上行結腸の内容物は、上の方式で発見されるまで、黄緑色から薄茶色の色の範囲であることは、以前に知られていなかった。
消化された食品が無い胃腸管をデバイス10が通過するとき、デバイス10の外表面で見える色は一般に、赤色、ピンク色、または黄色である。対照的に、消化中の食品、ならびに、回盲弁からやや遠位にある遠位小腸および近位または上行結腸(ここでは、食事の摂取後に多くの時間をかけて消化プロセスが生じる)に存在する高いレベルの微生物叢が、ほぼ常にある。本発明者は、遠位小腸および近位または上行結腸にあるデバイス10の外表面において見える色が一般に、緑色および茶色の色であることを発見した。別の実施形態においてデバイス10は、白色光を発する発光ダイオードなどの光源と、赤色および緑色波長について選択可能なフィルタを前に有する1または複数の光検出器を備える。
いくつかの実施形態において、デバイス10は、緑色および赤色の光源、ならびに、反射した赤色または緑色の光源の強度を個別に測定する1または複数の光検出器の両方を備える。
いくつかの実施形態において、ボディ12の一部は、光学的に透明であり、胃腸管の液体内容物が中に採取されるように凹んでいる、または、陥入している。この採取された流体の色は、上記の反射技法のいずれかによって測定される。凹んだ、または陥入したウィンドウが無く、色がピンク色である胃腸管の組織は、ボディ12に押し付けられ、胃腸管の管腔内容物の色は明らかでない、または、測定可能でない。凹んだ、または陥入したウィンドウは、カプセルが胃腸管を移動するときに、周囲の流体の継続的な交換を可能にするほど十分に浅く、凹んだ、または陥入したウィンドウのもっとも深い部分に胃腸管の組織を接触させない。
いくつかの実施形態において、上記の凹んだ、または陥入したウィンドウは、ウィンドウの一方の側から照射され、送られた光は、他の側から測定される。このようにして、光は、センサによって測定される前に、胃腸管からの流体の定義された長さを横断する。
胃腸管におけるデバイス10の位置は、デバイスの表面で測定された、赤色および緑色の反射光の絶対強度および/または比率によって推測できる。次に、デバイスを囲む媒体の色に基づいてサンプリングイベントが開始される。例として、緑色および赤色の反射光の絶対的レベルが両方低いとき、デバイス10は、胃(ここでは、胃壁とデバイスとが常に密接に接触しているわけではない)にある可能性がもっとも高い。赤色の反射光の強度が緑色の反射光よりわずかに高いとき、デバイス10は小腸にある可能性がもっとも高い。反射光の赤色の色合いに対して十分な緑色の色合いが検出されたとき、デバイス10は、近位または上行結腸の緑色または茶色の管腔内容物にある可能性がもっとも高い。胃腸サンプル採取プロセスは、予め設定された閾値に基づいて、または、デバイスによって測定されたときの緑色および赤色の反射の比率または絶対強度のパターンに基づいて、これらの位置のいずれか1つまたは組み合わせにおいてデバイス10によって開始されることができる。
いくつかの実施形態において、デバイス10は、タイムスタンプ方式で、胃腸管によってデバイス10に対して加えられる圧力を記録する圧力センサを備える。圧力の記録は、デバイス10に対する高い放射状または随意収縮圧の解剖学的特徴エリアを識別するために使用され、デバイス10が上部食道括約筋、下部食道括約筋、幽門括約筋、回盲弁、および肛門を通ることを含む。これらの圧力イベントのパターンは、採取された胃腸サンプルを胃腸管の特定の領域に関連付けるために使用される。例えば、デバイスを飲み込んだ後の次の1時間前後において、高放射状圧力イベントは、デバイス10が胃と十二指腸との間の幽門括約筋を通ることを示す。直後に低圧力イベントが続く、後続の高放射状圧力は、デバイス10が狭い小腸とより広い近位または上行結腸との間の回盲括約筋を通ることを示す。胃腸サンプル採取プロセスは、放射状圧力測定値の予め設定された閾値に基づいて、または、デバイス10上の1または複数の圧力センサによって測定されるときの圧力測定値のパターンに基づいて、これらの位置の任意の1つまたは組み合わせでデバイス10によって開始され得る。
ルーメンを空にする蠕動収縮は、大きい非消化可能物体に沿って押すために胃腸管によって使用される。これらの収縮の間、デバイス10の周りに比較的高い随意収縮圧があり、デバイス10と胃腸管のルーメンとの間に緊密な接触がある。別の実施形態において、デバイス10によるサンプル採取イベントをトリガするために、高い随意収縮圧が使用される。このようにして、胃腸管がデバイス10を圧迫していない時間に、サンプルは、デバイス10を囲むバルク流体からではなく、粘膜表面から直接取得される。胃腸管におけるバルク流体は通常、主に消化流体および食物粒子を含み、これらは胃腸粘膜層上またはその中の細胞および分子とは異なる。したがって、蠕動圧迫イベント中に粘膜層からサンプルを直接採取することは、粘膜表面における、または、それに隣接する、関連する細胞間分子と共に、微生物および宿主細胞についてのサンプルを豊富にするという利点を有する。
いくつかの実施形態において、デバイス10の表面上で物理的に分離された2つの以上の電極間の電気インピーダンスまたは抵抗は、胃腸管内のデバイス10の位置を決定するために使用できる。例として、小腸は、ほぼ継続的にデバイス10を圧迫する傾向があり、電極間の電気のインピーダンスまたは抵抗が低くなる。代替的に、胃および結腸は、大きい臓器であるので、デバイス10のすべての表面と日常的に緊密に接触しない。それによって、電極間の電気のインピーダンスまたは抵抗の増加をもたらす。胃腸サンプル採取プロセスは、インピーダンスの予め設定された閾値に基づいて、または、デバイス上の電極によって測定されたときのインピーダンス測定値のパターンに基づいて、これらの位置のいずれか1つまたは組み合わせにおいて、デバイス10によって開始されることができる。
いくつかの実施形態において、デバイス10は、タイムスタンプ方式で、胃腸管におけるデバイス10の動きを検出および記録する加速度計または他の三角測量トラッキングセンサを含む。任意で、使用者の全体的な身体移動を打ち消し、身体内のデバイス10の相対的な移動のみを見るために、第2加速度計が、使用者の胃腸管の外側に装着されることができる。例として、外部加速度計は、使用者が保持するスマートフォンデバイスであり得る。それにより、採取された胃腸サンプルを胃腸管の特定の領域に関連付けるために、胃腸管を通るデバイス10の通過時間および仮想経路を再構築できる。
いくつかの実施形態において、デバイス10は、水分が採取部材18において検出された(胃腸サンプルの採取を示す)ときに起動するセンサを備える。水分センサの起動は、能動的な無線周波数識別(RFID)チップなどの識別要素をトリガして、サンプル採取開始時のデバイス10の時間または位置を示す。
いくつかの実施形態において、採取部材18が胃腸管にさらされる速度は均一でない。サンプリングは、胃腸管を通るデバイス10の予測された、または、測定された通過時間に基づいて、胃腸管の異なる部分において、異なる速度で生じる。例えば、サンプリング速度は、通過がもっとも速い口および食道においては、普通より少なくとも2倍速く、通過時間が遅い胃および小腸においては普通であり、通過時間がもっとも遅い結腸においては、普通の速度の半分以下である。このようにして、サンプリング速度は、4倍以上変動し得、カバーされる胃腸管の距離あたりのデバイス10のより均一なサンプリングを達成する。
いくつかの実施形態において、デバイス10は、X線または蛍光透視法でカプセルが見えるように、放射線不透過性マーカを含む。
いくつかの実施形態において、デバイス10は、外部リーダでカプセルを検出できるようにするために、無線周波数ID(RFID)チップを含む。
いくつかの実施形態において、デバイス10は、外部リーダによって読めるバーコードを含む。
いくつかの実施形態において、サンプル採取は、デバイス10におけるポテンシャルエネルギーまたは化学エネルギー動力源によって駆動されるアクチュエータを使用して、採取部材18を胃腸管との流体連通にさらすことによって開始される。サンプル採取プロセスの最後に、採取部材18のシールが、デバイス10における第2のポテンシャルエネルギーまたは化学エネルギー動力源によって駆動されるアクチュエータを介して達成される。例として、採取部材は移動可能であり、開口部42は、ヒューズワイヤーによって膨張から拘束されるバネまたは弾性部材によって開放可能である。サンプル採取のとき、ヒューズワイヤーは電流によって焼かれ、採取部材18を胃腸管にさらすためにバネまたは弾性要素は膨張する。サンプリング好適期間の最後に、採取部材18は、シールされた位置の中に移動可能である、または、開口部42は、またフューズによって拘束される第2バネまたは弾性要素によってシールされる。サンプル採取の最後に、この第2フューズは、電流によって焼かれ、胃腸管に更にさらされないように採取部材をシールするために第2バネまたは弾性要素は膨張する。
いくつかの実施形態において、バルブは開口部42をブロックする。サンプリングの所望の時間において、電気信号または抵抗加熱素子はバルブを開き、胃腸サンプル40は一方向バルブ24を介して、開口部42を通って、弾性的に折り畳まれた、または、圧力をうかている採取部材18へ流れる。このようにして、サンプル採取を開始し、採取部材18内の胃腸サンプルを隔離するために、単一の信号だけが必要である。
いくつかの実施形態において、バルブは、開口部42をブロックする膜であり、抵抗加熱素子は膜を破壊する。いくつかの実施形態において、膜ブロック開口部42は金属を含む。
いくつかの実施形態において、膜ブロック開口部42はポリマーを含む。
いくつかの実施形態において、膜ブロック開口部42は抵抗ヒータを含む。
いくつかの実施形態において、膜ブロック開口部42は、ポリ(L-乳酸)またはポリ(ラクチド‐コ‐グリコリド)を含む。
いくつかの実施形態において、バルブブロック開口部42は、加熱時に固体から液体に相変化する材料を含む。そのような材料の例は、ポリエチレングリコール、パラフィン、および他のワックスを含む。材料は、直線置換として利用される相変化に起因して体積の変化を受け、普通は閉じられているバルブを開き、電流が停止するときにバルブを再シールする前の1分~1時間の好適時間において、胃腸サンプルのサンプリングを可能にする。
いくつかの実施形態において、膜ブロック開口部42は、気体によって生成された高い圧力に起因して破裂する。
いくつかの実施形態において、開口部42を採取部材18に接続する可撓性管は、バネ要素によって挟まれて閉じる。
いくつかの実施形態において、開口部42を採取部材18に接続する可撓性管は、管を閉じてシールするためによじれる。
いくつかの実施形態において、開口部42は、開いた構成または閉じた構成でいるためにエネルギーを必要としないが、開いた状態と閉じた状態との間の移行においてだけエネルギーを消費する、双安定性またはフリップフロップバルブによって制御される。
いくつかの実施形態において、デバイス10は、後にサンプル採取を可能にする、またはトリガする材料における相変化を生じさせる電気的または化学的動力源を備える。
いくつかの実施形態において、デバイス10は、pHが約5~6である十二指腸の領域における胃腸管液にデバイス10がさらされることを目的とする被覆要素30を含むカプセル72に配置される。デバイス10が十二指腸における胃腸管液に初めてさらされるとき、設定時点にサンプリングイベントをトリガするタイミング回路を開始する水分感受性スイッチが起動され、小腸および結腸の特定のサンプリング領域が、これらの領域の既知の通過時間に基づいてサンプリングされる。このようにして、pH範囲は、腸へのデバイス10の初期送達に使用され、その後、電子タイミング回路が、pHに関係ない方式でサンプリングをトリガする。
いくつかの実施形態において、デバイス10は、センサを介してデバイス10に作用する胃腸管の蠕動圧波の数をカウントする。デバイス10は、蠕動圧波の数を使用して、デバイス10が胃腸管を移動する距離を一種のオドメータとして推定する。デバイス10は、蠕動圧波の数を使用して、活性剤のサンプリングアクティビティまたは解放プロファイルを誘導する。
デバイス10は、結腸にあるとき、便内に埋め込まれる。排便時、デバイス10は、粘土の密度を有する便内に完全に埋め込れ得る。更なる解析のために、可能な限りもっとも容易でもっともユーザフレンドリーな方式で、デバイス10を回収し、その中の胃腸サンプルを抽出する必要がある。
いくつかの実施形態において、便器採取デバイスは、デバイス10の直径よりわずかに小さいスロットを有し、少なくともデバイス10の全体の長さと同じくらい長い長さを有する。スロットは、便を通過し、デバイス10を保持する上で、孔より効率的である。
いくつかの実施形態において、便器採取デバイスは、便器の水面の下に配置され、回転して流路を通る便を機械的に破壊する、インペラ、パドルホイール、泡立て器などの回転可能な機械式の攪乱器を備える。便器を流すことにより、便が機械的攪乱器および流路を通って移動することを助ける水の流れを生じさせ、後にはデバイス10だけが残る。
いくつかの実施形態において、採取キットは、軸の周りを回転するときに便を破壊してデバイス10を回収する、放射状に突出した要素を有する軸要素を備える。この回収デバイスは特に、細長い管の形態のときにデバイス10を捕捉するのに好適である。デバイス10を便器から二次採取容器へ衛生的に運ぶために、軸要素は、採取されたデバイス10と共に、シース内に収納され得る。
いくつかの実施形態において、デバイス10および上記の採取デバイスのいずれかを備えるキットが提供される。
いくつかの実施形態において、デバイス10は送達デバイスとして使用される。デバイス10は、飲み込まれる前に、身体の外で活性剤が予めロードされる。胃腸液にさらされる採取部材18の部分は、活性剤を胃腸管に放出する。採取部材18が胃腸管にさらされる時刻、時間長、および速度を制御することによって、活性剤を分配する速度および位置を制御することが可能となる。
いくつかの実施形態において、デバイス10は、胃腸管において活性剤を放出する送達デバイスであり、同時に胃腸サンプルを採取するという、二重の目的を担う。したがって、デバイス10は、分配される活性剤の効果を解析できる。
本発明の追加の目的、利点、および新規の特徴は、限定の意図ではない以下の例を検討することによって、当業者に明らかとなるであろう。加えて、上で説明された、下の特許請求の範囲の章で請求される、本発明の様々な実施形態および態様の各々は、以下の例において、実験的なサポートを見つける。
ここで、以下の例を参照する。これらは、上の開示と共に、非限定的な方式で発明を示す。
例1.長い管状採取部材
任意の消化できないデバイスが患者の胃腸管において停滞し得るという懸念がある。デバイスの直径が大きいほど、デバイスが停滞する可能性が高くなる。したがって、最大体積のサンプルをなお採取しつつ、サンプリングデバイスの直径を可能な限り最低限に低減することは、安全性の利点がある。
この例において、長さ50cm、外径2.0mm、内径1.5mmのシリコーンゴムの中空管がボディとして使用され、内部ルーメンは採取部材を形成した。この管は、展開されるとき、胃腸管に停滞する可能性が非常に低い。デバイスの識別、および、放射線不透過性マーカの両方を担うガラスカプセルマイクロRFIDタグが、後にシリコーン接着剤でシールされる管の一方の端に挿入された。管は、シールされた端から開始して、ルーメンを折り畳むのに十分緻密に、それ自体の周りにコイル状に巻かれ、それによって、その中の気体のほぼすべてを除き、同時に、接着剤が乾燥したら管がほどけないようにする水溶性接着剤に埋め込まれた。緻密なコイルの形状に維持する乾燥した接着剤を有するコイル状に巻かれた管は、サイズ00HPMCカプセル内に配置された。カプセルは、被覆要素としての腸溶コーティングで被覆され、完成したデバイスを形成した。
デバイスカプセルは飲み込まれた。デバイスが近位小腸(この地点では、腸被覆要素および外部カプセルが溶解した)に入るまで、腸溶コーティングはボディを無傷のままにした。コイル状に巻かれた管状ボディを保持する接着剤は、溶解を開始し、ボディはシリコーンの固有の弾力性および低いヒステリシスに起因してほどけ始め、それによって、コイルのもっとも外側の層にある管のサンプリング開口部内に胃腸サンプルを引き込んだ。胃腸管における水分に起因して接着剤が分解を継続するにつれて、管はさらにほどけ、より多くの胃腸サンプルを管内に引き込んだ。管は右結腸に入る、ここで引き続きほどけ、胃腸サンプルを採取した。接着剤が完全に分解し、管状ボディが完全にほどけ、サンプリングプロセスが完了するまでの全体のサンプリング時間は、約6時間であった。
翌日、デバイスは便に入り、回転するフック付きの回収棒を使用して便器から採取された。採取された胃腸サンプルは、50cm長の管内で直線状配列を形成した。小腸サンプルは管のシール端にもっとも近く、結腸サンプルは管の開放端により近かった。455マイクロリットルの胃腸サンプルが管から回収され、分析された。回収サンプルは、管の閉鎖端では、近位小腸を表す5.5のpHを有し管の中央では、空腸および回腸を表すpH8に上昇し、管の開放端では、上行結腸から取られたサンプルを表すpH6で終了した。摂取されたHPMCサイズ00カプセルの900マイクロリットルの容積に対して、採取容積割合は、455マイクロリットル/900マイクロリットル、または51%であった。
この例において説明されるデバイスは、患者の胃腸管において停滞する可能性が非常に低い、なぜなら、2mmだけの直径および3.1平方ミリメートルだけの最大断面積を有する50cm長のシリコーン管を除く、デバイスのすべてのコンポーネントが数時間以内に胃腸管で溶解するからである。そのような長く細い管は、予め存在する腸狭窄症について無症状である患者について、ヒト胃腸管の任意の部分をブロックするのに十分なサイズまたは断面積を有しない。
例2.セグメント化採取部材
この例において、セグメント化された閉鎖端管状ボディは、シリコーンから作られ、図34に示されるように、サンプリング開口部において、ダックビル一方向バルブを有する。ボディは外径5mm、65mm長である。採取部材は、各々が約13mm長である4セグメントに分割され、外径2.2mmの狭窄部分によって分けられ、非常に曲がりくねった小腸を移動する間のデバイスの軸方向の湾曲を可能にする。ボディの壁の厚さは0.3mmであり、shore70シリコーンからできている。その結果、管状ボディを膨張することによって加えられる最大外向き放射状圧力は、管状ボディのcm長あたり約50重量グラムである。採取部材は放射状に折り畳まれてルーメン体積を最小化し、図36に示されるように中心軸の周りに軸方向に偏移して螺旋状に巻かれ、サイズ2HPMCカプセル内に包装される。
下の表5に指定されるように、5つのデバイスは、各々のHPMCカプセルの外表面に適用される腸溶コーティングを除き、同一の方式で調製された。被覆要素が溶解すると、ボディは約1分間にわたって膨張し、胃腸管の1つの特定の領域だけをサンプリングする。
Figure 0007261400000005
表5 5つのサンプリングデバイスのコーティング
被験者は、セグメント化された採取部材を含む5つのデバイスを飲み込んだ。翌日に被験者の便から回収した後、デバイスは約1mlの胃腸サンプルを含んでいた。その各々は、飲み込んだときにデバイスを含んでいたサイズ2カプセルの体積0.36mlに対して、277%の採取体積割合をもたらした。回収サンプルは、上の表5のようなpHレベルを有した。サンプルのpHは、表4のようなサンプリングの位置を検証するために位置識別パラメータとして使用された。
ガスクロマトグラフィー質量分析解析が回収サンプルに対して実行された。ポジティブに識別され定量化された657の代謝産物のうちの30の代謝産物の代表的サンプルが下の表6に示される。数が大きいほど、より多くの特定の代謝産物が胃腸管のその領域に存在する。列における各代謝産物の絶対数の変動は、胃腸管のその領域において生じる生化学的および生理的機能を知らせる。このことは、単純に単一の地点で測定する、または、便における代謝産物をプロファイリングすることに対する、胃腸管の異なる領域におけるサンプリングの位置を緻密に制御することの重要性を示している。その識別子として番号だけを有する代謝産物は、未同定の代謝産物であり、新規の代謝産物を識別し、胃腸管の異なる領域における存在をプロファイルイングする本発明の能力を示す。
Figure 0007261400000006
表6 例2のサンプリングデバイスを使用する胃腸管の異なる領域において見られる代謝産物
本明細書において、特徴または要素が別の特徴または要素の「上」にあると言及されるとき、他の特徴または要素に直接接している、または、介在する特徴および/または要素も存在し得る。対照的に、特徴または要素が別の特徴または要素「上に直接ある」と言及されるとき、介在する特徴または要素は存在しない。特徴または要素が別の特徴または要素に「接続されている」、「取り付けられている」、または「結合」されていると言及されるとき、他の特徴または要素に直接的に接続、取り付け、または結合されてよく、または、介在する特徴または要素が存在してもよいことを理解されたい。対照的に、特徴または要素が別の特徴または要素に「直接接続されている」、「直接取り付けられている」、または「直接結合されている」と言及されるとき、介在する特徴または要素は存在しない。一実施形態に関して説明または示されていても、そのように説明または示された特徴および要素は、他の実施形態に適用され得る。別の特徴に「隣接」して配置されている構造又は特徴への言及は、隣接する特徴に重なり合う又はその下にある部分を有し得ることも、当業者によって理解されるであろう。
本明細書において使用される用語は、特定の実施形態を説明することだけを目的とし、本発明を限定する意図はない。例えば、本明細書において使用されるとき、単数形の「a」、「an」、および「the」は、そうでないことが文脈上で明確に示されていない限り、複数形も含むことが意図されている。本明細書において使用されるとき、「含む」および/または「含んで」という用語は、述べられた特徴、ステップ、操作、要素、および/またはコンポーネントの存在を指定するが、1または複数の他の特徴、ステップ、操作、要素、コンポーネント、および/またはそれらのグループの存在または追加を除外するものではないことを更に理解されたい。本明細書において使用される場合、「および/または」という用語は、関連する列挙項目の1または複数の任意およびすべての組み合わせを含み、「/」として省略され得る。
「下方」、「下」、「低」、「上方」、「上」など、空間的に相対的な用語は、本明細書において、図に示されるように、1つの要素または特徴の、別の要素または特徴に対する関係を説明ための説明を容易にするために使用され得る。空間的に相対的な用語は、図に示される向きに加えて、使用中または操作中のデバイスの異なる向きを包含することが意図されていることを理解されたい。例えば、図の中のデバイスが逆さにされた場合、他の要素又は特徴の「下」又は「下方」と説明された要素は、今度は、他の要素又は特徴の「上方」に方向付けられるであろう。したがって、例示的用語「下」は、上および下両方の向きを包含し得る。デバイスはそれ以外(90度回転、又は他の向き)に方向付けられてよく、本明細書で用いられる空間的に相対的な記述語は、それに応じて解釈されてよい。同様に、具体的に別に示されない限り、「上向き」、「下向き」、「垂直」、「水平」などの用語は、本明細書において、説明だけを目的に使用される。
「第1」および「第2」という用語は、本明細書において、様々な特徴/要素(ステップを含む)を説明するために使用され得るが、文脈において別に示されない限り、これらの特徴/要素は、これらの用語によって限定されるべきでない。これらの用語は、1つの特徴/要素を別の特徴/要素から区別するために使用され得る。したがって、本発明の教示から逸脱することなく、下で説明される第1の特徴/要素は、第2の特徴/要素と名付けられてよく、同様に、下で説明される第2の特徴/要素は、第1の特徴/要素と名付けられてよい。
本明細書および下の特許請求の範囲全体を通して、文脈において別に要求されない限り、「含む」ならびに「含み」および「含んで」などの変形は、方法および項目(例えば、組成物、ならびに、デバイスおよび方法を含む機器)において利用される様々なコンポーネントが共同で利用され得ることを意味する。例えば、「含み」という用語は、任意の述べられた要素またはステップが含まれることを示唆するが、任意の他の要素またはステップの排除を示唆するものではないことを理解されたい。
本明細書および特許請求の範囲において使用される場合(例における使用を含む)、別に明示的に指定されない限り、すべての数は、「約」または「およそ」という単語が前に付いているものとして読まれ得る。その用語が明示的に現れない場合も同様である。「約」または「およそ」という語句は、大きさおよび/または位置を説明するために使用されるとき、説明される値および/または位置が、値および/または位置の合理的な予測範囲内にあることを示す。例えば、数値は、記載された値(または値の範囲)の±0.1%、記載された値(または値の範囲)の±1%、記載された値(または値の範囲)の±2%、記載された値(または値の範囲)の±5%、記載された値(または値の範囲)の±10%の値を有し得る。文脈において別に示されない限り、本明細書に与えられる任意の数値は、その値の約またはおよそを含むことが理解されるべきである。例えば、値「10」が開示される場合、「約10」が開示される。本明細書の記載される任意の数値範囲は、それに含まれるすべての小範囲を含むことが意図される。当業者にとっては適切に理解されるように、値が値「以下」、「値以上」と開示されるとき、その値の間の可能な範囲も開示されることも理解されたい。例えば、値「X」が開示される場合、「X以下」および「X以上」も開示される(例えば、Xは数値である)。本願全体を通して、データは多くの異なる形式で提供され、このデータは、データ点の任意の組み合わせの終了点、開始点、および範囲を表すことも理解される。例えば、特定のデータ点「10」および特定のデータ点「15」が開示される場合、10と15の間だけでなく、10および15より大きい、それ以上、未満、以下、およびそれに等しいことが開示されると理解されたい。また、2つの特定のユニット間の各ユニットも開示されることも理解される。例えば、10および15が開示される場合、11、12、13および14も開示される。
様々な例示的な実施形態が上記されているが、特許請求の範囲によって説明される本発明の範囲を逸脱することなく、多くの変更のいずれかが様々な実施形態に加えられてよい。例えば、様々な説明された方法の段階が実行される順序は、多くの場合、代替実施形態において変更され得、他の代替実施形態において、1または複数の方法の段階が完全にスキップされてよい。様々なデバイスおよびシステムの実施形態の任意の特徴がいくつかの実施形態に含まれてよく、他には含まれなくてよい。したがって、上記の説明は、主に例示的な目的のために提供され、特許請求の範囲において説明される発明の範囲を限定するものとして解釈されるべきでない。
本明細書に含まれる例および例示は、限定ではなく例示の目的で、主題が実施され得る特定の実施形態を示す。上記のように、本開示の範囲を逸脱することなく、構造的および論理的な置換および変化が加えられるように、他の実施形態が利用され、取得されてよい。本発明の主題のそのような実施形態は、本明細書において個別に言及されてよく、または、単に便宜上、まとめて「発明」という用語で言及され、実際に1つより多くが開示された場合でも、本願の範囲を任意の単一の発明または発明概念に自発的に限定する意図は無い。したがって、本明細書において特定の実施形態が示され、説明されたが、同じ目的を達成するために計算された任意の配置が、示される特定の実施形態のために置換されてよい。本開示は、様々な実施形態のありとあらゆる変更またはバリエーションを包含する意図である。上の実施形態の組み合わせ、および、本明細書において具体的に説明されない他の実施形態は、当業者が上の説明を確認することによって明らかとなるであろう。
他の可能な項目(項目1)
胃腸サンプルを採取するためのデバイスであって、
カプセルと、
上記カプセルにおいて巻かれ、捻じれ、または曲げられている管状ボディであって、開放端および閉鎖端を含むボディと
を備えるデバイス。(項目2)
上記管状ボディは、上記デバイスのサンプリング速度を限定するよう構成される狭窄部を含む、項目1に記載のデバイス。(項目3)
上記管状ボディは、約0.2~2.5mmの内径を有する、項目1に記載のデバイス。(項目4)
上記管状ボディは、約0.4~3.0mmの外径を有する、項目1に記載のデバイス。(項目5)
上記管状ボディは、約5.0~7.0mmの外径を有する、項目1に記載のデバイス。(項目6)
上記管状ボディは、約1~200cmの長さを有する、項目1に記載のデバイス。(項目7)
上記管状ボディは、5以上のアスペクト比を有する、項目1に記載のデバイス。(項目8)
上記管状ボディへの胃腸サンプルの移動は、放射状に折り畳まれたボディと放射状に膨張されたボディとの間の圧力差によって駆動される、項目1に記載のデバイス。(項目9)
上記管状ボディの上記開放端は一方向バルブを含む、項目1に記載のデバイス。(項目10)
上記一方向バルブのクラッキング圧は、平方インチあたり0.03~15ポンドの範囲である、項目9に記載のデバイス。(項目11)
管状ボディを膨張することによって加えられる最大外向き放射状圧力は、ボディのcm長あたり10~150重量グラムの範囲である、項目1に記載のデバイス。(項目12)
上記ボディの上記開放端を通る流体サンプルの流量は、1~500マイクロリットル/時間である、項目1に記載のデバイス。(項目13)
上記デバイスのサンプリングの空間分解能は、胃腸管長約30フィート±1フィートである、項目1に記載のデバイス。(項目14)
上記管状ボディは中空である、項目1に記載のデバイス。(項目15)
上記管状ボディは、折り畳まれた内部ルーメンである、項目1に記載のデバイス。(項目16)
上記管状ボディは、中心軸の周りに螺旋として巻かれている、項目1に記載のデバイス。(項目17)
上記螺旋は、上記中心軸の周りで軸方向に偏移している、項目16に記載のデバイス。(項目18)
上記管状ボディは、中心軸の周りで捻じれ、螺旋またはコイルを形式する、項目1に記載のデバイス。(項目19)
上記管状ボディは、中心軸の周りで捻じれ、高次螺旋または高次コイルを形式する、項目18に記載のデバイス。(項目20)
上記管状ボディは、曲げられてアコーディオン状構成になる、項目1に記載のデバイス。(項目21)
上記管状ボディは、中心軸に沿って曲げられて襞状構成になる、項目1に記載のデバイス。(項目22)
上記管状ボディは、上記カプセルの中に配置されるとき、陥入されない、項目1に記載のデバイス。(項目23)
上記管状ボディの上記最大直径は上記カプセルの直径より小さい、項目1に記載のデバイス。(項目24)
上記管状ボディは、上記カプセルの溶解時に緩和状態に移行するよう構成される、項目1に記載のデバイス。(項目25)
上記カプセルは、上記管状ボディの膨張力によって破断される、項目1に記載のデバイス。(項目26)
上記管状ボディは、上記管状ボディの被覆要素の分解時に緩和状態に移行するよう構成される、項目1に記載のデバイス。(項目27)
上記カプセルは、上記管状ボディを囲む1または複数の被覆要素を含む、項目1に記載のデバイス。(項目28)
上記カプセルは、上記管状ボディを囲む少なくとも第1および第2のpH感受性分解可能被覆要素を含む、項目1に記載のデバイス。(項目29)
上記第1および第2の被覆要素のうち少なくとも1つは、約6.4~7以下のpHで分解する、項目1に記載のデバイス。(項目30)
上記デバイスは、約1分から1時間にわたって胃腸内容物をサンプリングするよう構成される、項目1に記載のデバイス。(項目31)
上記デバイスは、約1時間~8時間にわたって胃腸内容物をサンプリングするよう構成される、項目1に記載のデバイス。(項目32)
巻かれ、捻じれ、または曲げられた管状ボディの異なる部分は、異なる分解可能被覆要素を含む、項目1に記載のデバイス。(項目33)
上記開放端の近くに配置される被覆要素は、開放端から遠くに配置される被覆要素より速く分解するよう構成される、項目32に記載のデバイス。(項目34)
上記開放端の近くに配置される被覆要素は、上記開放端から遠くに配置される被覆要素より低いpHで分解するよう構成される、項目32に記載のデバイス。(項目35)
上記管状ボディの第2端部は、zカプセルにおける開口部と流体連通する、項目1に記載のデバイス。(項目36)
上記管状ボディは、複数の平らなディスクを形式するように、コイル状に巻かれる、項目1に記載のデバイス。(項目37)
上記管状ボディは、3つの平らなディスクを形式するように、コイル状に巻かれる、項目36に記載のデバイス。(項目38)
上記胃腸管の異なる部分を標的とするために、各ディスクは異なる速度でほどけるよう構成される、項目37に記載のデバイス。(項目39)
上記開放端は、巻かれ、捻じれ、または曲げられた上記管状ボディの内部に配置される、項目1に記載のデバイス。(項目40)
上記開放端は、巻かれ、捻じれ、または曲げられた上記管状ボディの外部に配置される、項目1に記載のデバイス。(項目41)
上記カプセルは、上記右結腸において割れるように構成される分割カプセルを含む、項目1に記載のデバイス。(項目42)
上記カプセルは、右結腸において展開するよう構成される管状ボディを含む、項目1に記載のデバイス。(項目43)
上記カプセルは、右結腸において開くよう構成される管状ボディの開放端を含む、項目1に記載のデバイス。(項目44)
上記デバイスの採取体積割合は、少なくとも50%である、項目1に記載のデバイス。 (項目45)
上記デバイスの採取体積割合は少なくとも100%である、項目1に記載のデバイス。(項目46)
上記デバイスの死容積はより約15%より小さい、項目1に記載のデバイス。(項目47)
上記デバイスの体積は、約2mlより小さい、項目1に記載のデバイス。(項目48)
上記デバイスの体積は、約1mlより小さい、項目1に記載のデバイス。(項目49)
場所識別パラメータを検出するよう構成される検出器を更に備える、項目1に記載のデバイス。(項目50)
上記場所識別パラメータは、pH、色、細菌数、微生物アイデンティティ、ホルモン、溶解気体、酵素活性、生化学的マーカ、カプセル移動パターン、および管腔内圧のうち少なくとも1つを含む、項目49に記載のデバイス。(項目51)
アクチュエータを更に備える、項目1に記載のデバイス。 (項目52)
上記アクチュエータは弾性材料を含む、項目51に記載のデバイス。(項目53)
上記アクチュエータは中空ブラダを含む、項目51に記載のデバイス。(項目54)
上記アクチュエータは、上記カプセルの端から離れており、上記アクチュエータと上記カプセルとの間に空間を作る、項目51に記載のデバイス。(項目55)
上記カプセルは、上記空間内の上記ボディ上に配置されるオリフィスを含む、項目54に記載のデバイス。(項目56)
上記オリフィスは、上記オリフィスを開く、または、閉じるよういn構成される移動可能なシールを含む、項目54に記載のデバイス。(項目57)
上記オリフィスは分解可能被覆要素を含む、項目54に記載のデバイス。(項目58)
上記アクチュエータは、第1の折り畳まれた状態、および、第2の膨張した状態を含む、項目51に記載のデバイス。(項目59)
上記空間は流体を含む、項目54に記載のデバイス。(項目60)
上記管状ボディの長さは、上記サンプル採取プロセスの間に変化しない、項目1に記載のデバイス。(項目61)
胃腸内容物をサンプリングするためのデバイスを製造する方法であって、
管状ボディを巻く、捻じる、または折り曲る段階と、
巻かれ、捻じれ、または曲げられた上記管状ボディをカプセル内に配置する段階と
を備える方法。(項目62)
巻かれ、捻じれ、または曲げられた上記管状ボディの上記内部ルーメンは、放射状に折り畳まれる、項目61に記載の方法。(項目63)
上記管状ボディ、または、上記管状ボディの開口部は、腸分解可能材料で被覆される、項目61に記載の方法。(項目64)
胃腸内容物をサンプリングする方法であって、
i.項目1のデバイスを上記胃腸管に送達する段階と、
胃腸内容物が上記管状ボディの中に流れることを可能にする段階と、
上記デバイスを便から回収する段階と
を備える方法。(項目65)
上記管状ボディの折り畳まれた内部ルーメンの放射状の膨張によって、胃腸内容物が上記管状ボディの中に流れる、項目64に記載の方法。(項目66)
胃腸内容物をサンプリングする方法であって、
カプセルと、上記カプセルの中で巻かれ、捻じれ、または曲げられた管状ボディとを含むデバイスを上記胃腸管に送達する段階と、
胃腸内容物が上記管状ボディの中に流れることを可能にする段階と、
上記デバイスを便から回収する段階と
を備える方法。(項目67)
流れることを可能にすることは、上記管状ボディの放射状の膨張を含む、項目66に記載の方法。(項目68)
上記管状ボディの放射状の膨張は、上記カプセルの溶解を含む、項目67に記載の方法。(項目69)
上記管状ボディの放射状の膨張は、上記管状ボディ上、または、上記カプセル上の被覆要素の分解を含む、項目67に記載の方法。(項目70)
胃腸サンプルを採取するためのデバイスであって、
ボディと、
上記ボディの側壁上の開口部と、
上記ボディの長手方向軸に沿って延びるスピンドルに沿って搭載された複数のプレートであって、隣接するプレートは互いの間に空間を有する、複数のプレートと、
上記ボディの長手方向軸に沿って、上記複数のプレートを置換するよう構成されるアクチュエータであって、長手方向の置換によって、上記プレートの間の各空間が上記開口部と整列する、アクチュエータと
を備えるデバイス。(項目71)
上記プレートはディスク形状である、項目70に記載のデバイス。(項目72)
上記プレートは、上記ボディの断面と同一の形状を有し、上記ボディの内壁に対してシールする、項目70に記載のデバイス。(項目73)
上記開口部はスリット形状である、項目70に記載のデバイス。(項目74)
上記ボディはカプセル形状である、項目70に記載のデバイス。(項目75)
上記ボディは被覆を含む、項目70に記載のデバイス。(項目76)
便を採取するためのキャビティを更に含む、項目70に記載のデバイス。(項目77)
上記アクチュエータは引張弾性部材を含む、項目70に記載のデバイス。(項目78)
胃腸サンプルを採取するためのデバイスであって、
外側ボディと、
上記外側ボディの上の被覆要素と、
上記外側ボディの側壁における開口部と、
上記外側ボディの内側面と篏合する形状の中空ピストンであって、上記ボディの端に配置されるピストンと、
上記側壁の上記開口部を被覆するために、上記ボディの反対の端にピストンを進めるよう構成されるアクチュエータと
を備えるデバイス。(項目79)
上記開口部に対して直径方向に反対側に配置される第2開口部を更に備える、項目78に記載のデバイス。(項目80)
上記ボディにおける開口部を更に備える、項目78に記載のデバイス。(項目81)
上記アクチュエータは、濡れたときに膨張する材料を含む、項目78に記載のデバイス。(項目82)
上記ピストンはカップ形状である、項目78に記載のデバイス。(項目83)
上記アクチュエータは、水分分解可能拘束部によって圧縮されるバネを含む、項目78に記載のデバイス。(項目84)
胃腸サンプルを採取するためのデバイスであって、
ボディと、
ボディ内の採取部材と、
上記ボディ上の開口部と、
第1の位置から移動可能なシーリング要素であって、上記開口部は、上記開口部が上記シーリング要素によってシールされる第2の位置に対して開いている、シーリング要素と、
上記シーリング要素を移動させるよう構成されるアクチュエータと
を備えるデバイス。(項目85)
上記採取部材は多孔質材料を含む、項目84に記載のデバイス。(項目86)
上記アクチュエータは湿式アクチュエータである、項目84に記載のデバイス。(項目87)
上記アクチュエータは、脱水スポンジまたは高吸収性材料を含む、項目84に記載のデバイス。(項目88)
上記開口部の近くに芯を更に備える、項目84に記載のデバイス。(項目89)
上記採取部材は、上記開口部が上記採取部材と流体連通していない第1の位置から、上記開口部が上記採取部材と流体連通している第2の位置へ移動可能である、項目84に記載のデバイス。(項目90)
上記採取部材は、上記開口部が上記採取部材と流体連通する第2の位置から、上記採取部材が上記開口部をシールする第3位置へ移動可能である、項目84に記載のデバイス。(項目91)
上記採取部材は上記シーリング要素である、項目84に記載のデバイス。(項目92)
上記アクチュエータは、水分分解可能拘束機構を含む、項目84に記載のデバイス。(項目93)
上記アクチュエータは、二重トリガ水分分解可能拘束機構を含む、項目84に記載のデバイス。(項目94)
上記アクチュエータは上記シーリング要素である、項目84に記載のデバイス。(項目95)
1または複数の追加の開口部を更に備える、項目84に記載のデバイス。(項目96)
上記アクチュエータは、複数のアクチュエータ要素を含む、項目84に記載のデバイス。(項目97)
上記アクチュエータは、約1~60分以内にシール位置に上記シーリング要素を移動させる、項目84に記載のデバイス。(項目98)
被覆要素を更に備える、項目84に記載のデバイス。(項目99)
上記開口部を被覆するよう構成されるpH感受性分解可能被覆要素を更に備える、項目84に記載のデバイス。(項目100)
第2のpH感受性分解可能被覆要素によって被覆される第2開口部を更に備える、項目99に記載のデバイス。(項目101)
胃腸サンプルを採取するためのデバイスであって、
ボディと、
胃腸サンプルが上記ボディに入ることを可能にするよう構成される、上記ボディに流体連通する開口部と、
上記開口部を被覆する外部pH感受性分解可能被覆要素と、
上記開口部を被覆する内部pH感受性分解可能被覆要素と
を備えるデバイス。(項目102)
上記外部被覆要素は、標的pHレベル以上で分解するよう構成される、項目101に記載のデバイス。(項目103)
上記内部被覆要素は、標的pHレベル以下で分解するよう構成される、項目101に記載のデバイス。(項目104)
上記外部被覆要素は、約6.4~7以上のpHで分解するよう構成される、項目101に記載のデバイス。(項目105)
上記内部被覆要素は、約6.4~7以下のpHで分解するよう構成される、項目101に記載のデバイス。(項目106)
上記外部被覆要素は小腸において溶解するよう構成される、項目101に記載のデバイス。(項目107)
上記内部被覆要素は右結腸において溶解するよう構成される、項目101に記載のデバイス。(項目108)
上記外部被覆要素は、官能基であるメタクリル酸を有するアニオンアクリル性ポリマーを含む、項目101に記載のデバイス。(項目109)
上記内部被覆要素は、官能基であるメタクリル酸ジメチルアミノエチルを有するカチオン性ポリマーを含む、項目101に記載のデバイス。(項目110)
胃腸サンプルを採取するためのシステムであって、
第1の胃標的カプセルと、
第2の小腸標的カプセルと、
第3の結腸標的カプセルと
そ備え、3つのカプセルは、同時に摂取されるよう構成される、システム。(項目111)
上記カプセルの少なくとも1つは、標的であるエリアで分解するよう構成されるpH感受性分解可能材料を含む、項目110に記載のシステム。(項目112)
上記カプセルの少なくとも1つは、内部pH感受性分解可能被覆要素および外部pH感受性分解可能材料を含む、項目110に記載のシステム。(項目113)
上記カプセルの少なくとも1つは、標的であるエリアで分解するように選択された厚さを有する分解可能被覆要素を含む、項目110に記載のシステム。 (項目114)
上記カプセルはpH感受性分解可能被覆要素を含む、項目110に記載のシステム。(項目115)
上記被覆要素は、約5.5以上のpHで分解するよう構成される、項目114に記載のシステム。(項目116)
上記カプセルは、可撓性接続要素によって接続される、項目110に記載のシステム。(項目117)
胃腸サンプルを採取するシステムであって、
カプセルと、
上記カプセル内の中空ボディおよび分解可能被覆要素を各々が含む複数の採取部材と
を備え、上記採取部材は、接続部材によって共に連結されて鎖を形成する、
システム。(項目118)
上記採取部材は各々、開口部を含む、項目117に記載のシステム。(項目119)
採取部材にサンプルが充填されることが、後続の鎖状の採取部材による採取をトリガする、項目117に記載のシステム。(項目120)
水分分解可能材料の分解または溶解は、複数の採取部材の開口部を連続的に露出させる、項目118に記載のシステム。(項目121)
各採取部材の長さは、約1~30mmである、項目117に記載のシステム。(項目122)
各接続部材の長さは、約1~100mmである、項目117に記載のシステム。(項目123)
上記採取部材は、直線状に、または、スポークを中心に配置される、項目117に記載のシステム。(項目124)
上記採取部材の少なくとも一部は、シールまたは一方向バルブを含む、項目117に記載のシステム。(項目125)
サンプルを採取するために陰圧差が使用される、項目117に記載のシステム。(項目126)
上記陰圧差は、毛管力、または、折り畳まれた部材の膨張によって引き起こされる、項目117に記載のシステム。(項目127)
上記被覆要素は、水和時間またはpHの1つに基づいて分解するよう構成される、項目117に記載のシステム。(項目128)
採取部材の充填は、上記採取部材の閉鎖またはシールをトリガする、項目117に記載のシステム。(項目129)
充填は、標的体積、標的期間、または、特定のpHによって検出される、項目128に記載のシステム。(項目130)
上記採取部材の一部はシールを含む、項目117に記載のシステム。(項目131)
上記採取部材の一部はフローセンサを含む、項目117に記載のシステム。

Claims (11)

  1. 胃腸サンプルを採取するためのデバイスであって、
    開口部を有する折り畳まれた管状ボディであって、前記折り畳まれた状態は、前記管状ボディを巻く、または、折り曲げることによって形成される、管状ボディと、
    前記折り畳まれた管状ボディが膨張すること、および、前記開口部を通じて胃腸サンプルを採取することを可能にするために分解する要素と
    を備え
    前記要素の分解により、前記管状ボディが徐々にほどかれ、一連の胃腸サンプルを胃腸管の複数の領域から採取することが可能となる
    デバイス。
  2. 胃腸サンプルを採取するためのデバイスであって、
    開口部を有する折り畳まれた管状ボディであって、前記折り畳まれた状態は、前記管状ボディを巻く、または、折り曲げることによって形成される、管状ボディと、
    前記折り畳まれた管状ボディが膨張すること、および、前記開口部を通じて胃腸サンプルを採取することを可能にするために分解する要素と
    を備え、
    前記巻きは、螺旋状の管状ボディを形成する
    デバイス。
  3. 胃腸サンプルを採取するためのデバイスであって、
    開口部を有する折り畳まれた管状ボディであって、前記折り畳まれた状態は、前記管状ボディを巻く、または、折り曲げることによって形成される、管状ボディと、
    前記折り畳まれた管状ボディが膨張すること、および、前記開口部を通じて胃腸サンプルを採取することを可能にするために分解する要素と
    を備え、
    前記管状ボディの膨張の速度は、前記要素の分解の速度によって制御される
    デバイス。
  4. 前記管状ボディの前記巻きまたは折り曲げは、前記管状ボディを陥入させない、請求項1から3のいずれか一項に記載のデバイス。
  5. 前記折り曲げにより、前記管状ボディがよじれる、請求項1から4のいずれか一項に記載のデバイス。
  6. 前記折り曲げにより、前記管状ボディを襞状にする、請求項1から5のいずれか一項に記載のデバイス。
  7. 完全に膨張したときの前記管状ボディの長さと直径との比率は、5以上である、請求項1から6のいずれか一項に記載のデバイス。
  8. 前記管状ボディの長さが一定のままで、前記管状ボディは、前記管状ボディの長さ方向に対して放射状の方向に、前記折り畳まれた状態から膨張する、請求項1から7のいずれか一項に記載のデバイス。
  9. 前記管状ボディの膨張の速度は、前記開口部のサイズによって制御される請求項1からのいずれか一項に記載のデバイス。
  10. 前記要素は、時間依存的水分分解可能材料を含み、前記管状ボディは、酸抵抗性材料によって被覆される、請求項1からのいずれか一項に記載のデバイス。
  11. 胃腸サンプルは、前記管状ボディ内で直線状配列として採取される、請求項1から10のいずれか一項に記載のデバイス。
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