JP7261312B2 - 衝突回避支援装置、衝突回避支援方法、衝突回避支援プログラム、宇宙状況監視事業装置、デブリ除去事業装置、および、宇宙交通管理事業装置 - Google Patents

衝突回避支援装置、衝突回避支援方法、衝突回避支援プログラム、宇宙状況監視事業装置、デブリ除去事業装置、および、宇宙交通管理事業装置 Download PDF

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Description

本発明は、衝突回避支援装置、衛星コンステレーション形成システム、衝突回避支援方法、衝突回避支援プログラム、衝突回避支援システム、宇宙状況監視事業装置、衛星コンステレーション事業装置、ロケット打ち上げ事業装置、デブリ除去事業装置、宇宙保険管理事業装置、宇宙物体管理事業装置、および、宇宙交通管理事業装置に関する。
近年、数百から数千機に及ぶ大規模衛星コンステレーションの構築が始まり、軌道上における衛星の衝突のリスクが高まっている。また、故障により制御不能となった衛星、あるいは、ロケットの残骸といったスペースデブリが増加している。
このような宇宙空間における衛星およびスペースデブリといった宇宙物体の急激な増加に伴い、宇宙交通管制(STM)では、宇宙物体の衝突を回避するための国際的なルール作りの必要性が高まっている。
また、予め衝突が予見された場合の回避行動についても対策が必要である。有人の宇宙基地あるいは衛星通信事業者の静止衛星では衝突が予見された場合に回避行動を実施している。しかし、低軌道高度に複数事業者の衛星が密集し、回避行動の機能を具備するものとしないものが混在した環境下では、回避行動における一元的ルール策定は難しい。回避行動する衛星と回避行動をしない衛星が密集領域内で混在した場合に、回避したもの同士が衝突する新たなリスクを生み出すためである。
特許文献1には、同一の円軌道に複数の衛星から成る衛星コンステレーションを形成する技術が開示されている。
特開2017-114159号公報
衛星コンステレーションでは、異なる軌道面の軌道高度は全て同一とすることが一般的である。軌道高度が等しく、法線のなす角度が互いに異なる軌道面では、交点において衝突リスクがある。交点が多数存在する衛星コンステレーションの衝突リスクは非常に高くなる。また、スペースデブリを回収するために、スペースデブリが衛星コンステレーションの軌道面を通過する際にも、衛星とスペースデブリとの衝突リスクが高くなる。
しかしながら、特許文献1には、予め衝突が予見された場合の回避行動については記載されていない。
本発明は、宇宙空間における衛星およびスペースデブリといった宇宙物体の衝突が予め予見された場合に、適切な回避行動を支援することを目的とする。
本発明に係る衝突回避支援装置は、宇宙を飛行する複数の宇宙物体における宇宙物体同士の衝突の回避を支援する衝突回避支援装置において、
前記複数の宇宙物体の各々の軌道の予報値を軌道予報情報として含む宇宙情報レコーダーに記憶する記憶部と、
前記軌道予報情報に基づいて、前記複数の宇宙物体のうち、同時刻において位置関係が危険な複数の宇宙物体が危険予想物体として存在するか否かを判定し、前記危険予想物体が存在すると判定されると、前記危険予想物体が存在することを示す危険警報を出力する警報制御部と、
前記危険警報が出力されると、前記危険予想物体に含まれる宇宙物体のうち回避運用を行う宇宙物体である回避宇宙物体を決定する回避決定部とを備えた。
本発明に係る衝突回避支援装置では、警報制御部が、複数の宇宙物体のうち、同時刻において位置関係が危険な複数の宇宙物体が危険予想物体として存在するか否かを判定する。警報制御部が、危険予想物体が存在すると判定されると、危険予想物体が存在することを示す危険警報を出力する。回避決定部が、危険警報が出力されると、危険予想物体に含まれる宇宙物体のうち回避運用を行う宇宙物体である回避宇宙物体を決定する。よって、本発明に係る衝突回避支援装置によれば、衝突が予見された危険予想物体のうち、回避行動すべき回避宇宙物体を決定することができ、適切な回避行動を支援できるという効果がある。
複数衛星が連携して地球の全球に亘り通信サービスを実現する例。 単一軌道面の複数衛星が地球観測サービスを実現する例。 極域近傍で交差する複数の軌道面を有する衛星コンステレーションの例。 極域以外で交差する複数の軌道面を有する衛星コンステレーションの例。 衛星コンステレーション形成システムの構成図。 衛星コンステレーション形成システムの衛星の構成図。 衛星コンステレーション形成システムの地上設備の構成図。 衛星コンステレーション形成システムの機能構成例。 実施の形態1に係る衝突回避支援システムの構成図。 実施の形態1に係る軌道予報情報を設定するレコーダー処理のフロー図。 実施の形態1に係る軌道予報情報の例を示す図。 実施の形態1に係る軌道実績情報を設定するレコーダー処理のフロー図。 実施の形態1に係る軌道実績情報の例を示す図。 実施の形態1に係る警報制御部による警報制御処理のフロー図。 実施の形態1に係る2つの衛星の誤差範囲の交叉イメージを表す図。 実施の形態1に係る2つの衛星の誤差範囲が重なった状態を示す図。 実施の形態1に係る2つの衛星の距離が接近閾値以下となった状態を示す図。 実施の形態1に係る警報発令情報を示す図。 実施の形態1に係る実績提示部による実績提示処理のフロー図。 実施の形態1の変形例に係る衝突回避支援装置の構成図。 実施の形態2に係る衝突回避支援装置の構成図。 実施の形態2に係る宇宙物体がロケットであるか否かといった条件に基づく回避決定処理の例を示すフロー図。 実施の形態2に係る宇宙物体がロケットであるか否かといった条件に基づく回避決定処理の例を示すフロー図。 実施の形態2に係る宇宙物体が定常運用であるか否かといった条件に基づく回避決定処理のフロー図。 実施の形態2に係る宇宙物体がメガコンステレーションに属するか否かといった条件に基づく回避決定処理のフロー図。 実施の形態2に係る宇宙物体が軌道遷移衛星か否かといった条件に基づく回避決定処理のフロー図。 実施の形態2に係る宇宙物体が衝突回避機能を有するか否かといった条件に基づく回避決定処理のフロー図。 実施の形態2に係る回避決定処理のまとめの一例。 実施の形態2に係る機械学習処理における入力情報の例。 実施の形態3に係る宇宙保険支援システムおよび宇宙保険支援装置の構成図。 実施の形態3に係る宇宙保険支援装置による宇宙保険支援処理のフロー図。 実施の形態3に係る管理事業者の情報公開例および管理事業者に対応する宇宙保険の例。 実施の形態3に係る保険料評価処理および責任評価処理の具体例。 実施の形態3に係る保険料評価処理および責任評価処理の具体例。 定常運用している宇宙物体と非定常運用している宇宙物体との衝突リスクの例。 静止衛星の軌道遷移途中の衛星と定常運用している宇宙物体との衝突リスクの例。 打ち上げられたロケットとメガコンステレーションとの衝突リスクの例。 実施の形態4に係る衝突保険実行システムおよび衝突保険実行装置の構成図。 実施の形態4に係る衝突保険実行装置による衝突保険実行処理のフロー図。 実施の形態4に係る宇宙衝突保険を表す図。 実施の形態5に係る衛星コンステレーション形成システムの機能構成例。 実施の形態5に係る情報管理システムの構成図。 実施の形態5に係る情報開示処理のフロー図。 実施の形態5に係る衛星コンステレーション制御処理のフロー図。 実施の形態5に係るロケット打ち上げの予報値と衛星コンステレーションの誤差範囲を示す図。 実施の形態5に係るロケット打ち上げの予報値と衛星コンステレーションの誤差範囲を示す図。 実施の形態5に係る変形例に係る情報管理装置の構成図。 実施の形態2に係る衝突回避のアルゴリズムを機械学習効果により更新する処理を示すフロー図。 実施の形態2に係る衝突回避のアルゴリズムを機械学習効果により更新する処理を示すフロー図。 実施の形態7に係るSSA事業装置の構成例。
以下、本発明の実施の形態について、図を用いて説明する。なお、各図中、同一または相当する部分には、同一符号を付している。実施の形態の説明において、同一または相当する部分については、説明を適宜省略または簡略化する。また、以下の図面では各構成の大きさの関係が実際のものとは異なる場合がある。また、実施の形態の説明において、「上」、「下」、「左」、「右」、「前」、「後」、「表」、「裏」といった方向あるいは位置が示されている場合がある。それらの表記は、説明の便宜上、そのように記載しているだけであって、装置、器具、あるいは部品といった構成の配置および向きを限定するものではない。
実施の形態1.
以下の実施の形態に係る衝突回避支援システムの前提となる衛星コンステレーションの例について説明する。
図1は、地上に対し、複数衛星が連携して地球70の全球に亘り通信サービスを実現する例を示す図である。
図1は、全球に亘り通信サービスを実現する衛星コンステレーション20を示している。
同一軌道面を同一高度で飛行している複数の衛星の各衛星では、地上に対する通信サービス範囲が後続衛星の通信サービス範囲とオーバーラップしている。よって、このような複数の衛星によれば、地上の特定地点に対して、同一軌道面上の複数の衛星が時分割的に交互に交代しながら通信サービスを提供することができる。また、隣接軌道面を設けることにより、隣接軌道間の地上に対する通信サービスを面的に網羅することが可能となる。同様に、地球の周りに多数の軌道面を概ね均等配置すれば、全球に亘り地上に対する通信サービスが可能となる。
図2は、単一軌道面の複数衛星が地球観測サービスを実現する例を示す図である。
図2は、地球観測サービスを実現する衛星コンステレーション20を示している。図2の衛星コンステレーション20は、光学センサあるいは合成開口レーダといった電波センサである地球観測装置を具備した衛星が同一軌道面を同一高度で飛行する。このように、地上の撮像範囲が時間遅れで後続衛星がオーバーラップする衛星群300では、地上の特定地点に対して軌道上複数の衛星が時分割的に交互に交代しながら地上画像を撮像することにより地球観測サービスを提供する。
このように、衛星コンステレーション20は、各軌道面の複数の衛星からなる衛星群300により構成される。衛星コンステレーション20では、衛星群300が連携してサービスを提供する。衛星コンステレーション20とは、具体的には、図1に示すような通信事業サービス会社、あるいは、図2に示すような観測事業サービス会社による1つの衛星群から成る衛星コンステレーションを指す。
図3は、極域近傍で交差する複数の軌道面21を有する衛星コンステレーション20の例である。また、図4は、極域以外で交差する複数の軌道面21を有する衛星コンステレーション20の例である。
図3の衛星コンステレーション20では、複数の軌道面の各軌道面21の軌道傾斜角が約90度であり、かつ、複数の軌道面の各軌道面21が互いに異なる面に存在する。
図4の衛星コンステレーション20では、複数の軌道面の各軌道面21の軌道傾斜角が約90度ではなく、かつ、複数の軌道面の各軌道面21が互いに異なる面に存在する。
図3の衛星コンステレーション20では、任意の2つの軌道面が極域近傍の地点で交差する。また、図4の衛星コンステレーション20では、任意の2つの軌道面が極域以外の地点で交差する。図3では、極域近傍において、衛星30の衝突が発生する可能性がある。また、図4に示すように、軌道傾斜角が90度よりも傾斜している複数の軌道面の交点は軌道傾斜角に応じて極域から離れていく。また、軌道面の組合せによって赤道近傍を含む多様な位置で軌道面が交差する可能性がある。このため、衛星30の衝突が発生する可能性のある場所が多様化する。衛星30は人工衛星ともいう。
特に、近年、数百から数千機に及ぶ大規模衛星コンステレーションの構築が始まり、軌道上における衛星の衝突のリスクが高まっている。また、故障により制御不能となった人工衛星、あるいは、ロケットの残骸といったデブリが増加している。大規模衛星コンステレーションは、メガコンステレーションともいう。このようなデブリはスペースデブリともいう。
このように、宇宙空間におけるデブリ増加、および、メガコンステレーションを始めとする衛星数の急激な増加に伴い、宇宙交通管制(STM)の必要性が高まっている。
また、宇宙物体の衝突回避のために、軌道上のミッション終了後の軌道離脱(PMD)あるいは故障した衛星、および、浮遊するロケット上段といったデブリをデブリ回収衛星といった外的手段により軌道離脱させるADRの必要性が高まっている。このようなADRの必要性について、STMとして国際的な議論が始まっている。ここで、PMDは、Post Mission Disposalの略語である。ADRは、Active Debris Removalの略語である。STMは、Space Traffic Managementの略語である。
また、宇宙状況監視(SSA)の国際協力を含む体制強化および観測精度向上に伴う、把握可能な宇宙物体のサイズは、より小さなものまで監視可能となっている。また、監視可能な宇宙物体の総数はより多くなっている。
本実施の形態に係る衝突回避支援装置100は、宇宙を飛行する複数の宇宙物体60における宇宙物体同士の衝突の回避を支援する。上述したように、宇宙空間における衛星およびデブリといった宇宙物体の急激な増加に伴い、宇宙物体60の衝突リスクが高まっている。
ここで、図5から図8を用いて衛星コンステレーション20を形成する衛星コンステレーション形成システム600における衛星30と地上設備700の一例について説明する。例えば、衛星コンステレーション形成システム600は、メガコンステレーション事業装置41、LEOコンステレーション事業装置42、あるいは衛星事業装置43のような衛星コンステレーション事業を行う事業者により運用される。
図5は、衛星コンステレーション形成システム600の構成図である。
衛星コンステレーション形成システム600は、コンピュータを備える。図5では、1つのコンピュータの構成を示しているが、実際には、衛星コンステレーション20を構成する複数の衛星の各衛星30、および、衛星30と通信する地上設備700の各々にコンピュータが備えられる。そして、複数の衛星の各衛星30、および、衛星30と通信する地上設備700の各々に備えられたコンピュータが連携して、衛星コンステレーション形成システム600の機能を実現する。以下において、衛星コンステレーション形成システム600の機能を実現するコンピュータの構成の一例について説明する。
衛星コンステレーション形成システム600は、衛星30と地上設備700を備える。衛星30は、地上設備700の通信装置950と通信する衛星通信装置32を備える。図5では、衛星30が備える構成のうち衛星通信装置32を図示している。
衛星コンステレーション形成システム600は、プロセッサ910を備えるとともに、メモリ921、補助記憶装置922、入力インタフェース930、出力インタフェース940、および通信装置950といった他のハードウェアを備える。プロセッサ910は、信号線を介して他のハードウェアと接続され、これら他のハードウェアを制御する。衛星コンステレーション形成システム600のハードウェアについては、図9において後述する衝突回避支援装置100のハードウェアと同様である。
衛星コンステレーション形成システム600は、機能要素として、衛星コンステレーション形成部11を備える。衛星コンステレーション形成部11の機能は、ハードウェアあるいはソフトウェアにより実現される。
衛星コンステレーション形成部11は、衛星30と通信しながら衛星コンステレーション20の形成を制御する。
図6は、衛星コンステレーション形成システム600の衛星30の構成図である。
衛星30は、衛星制御装置31と衛星通信装置32と推進装置33と姿勢制御装置34と電源装置35とを備える。その他、各種の機能を実現する構成要素を備えるが、図6では、衛星制御装置31と衛星通信装置32と推進装置33と姿勢制御装置34と電源装置35について説明する。衛星30は、宇宙物体60の一例である。
衛星制御装置31は、推進装置33と姿勢制御装置34とを制御するコンピュータであり、処理回路を備える。具体的には、衛星制御装置31は、地上設備700から送信される各種コマンドにしたがって、推進装置33と姿勢制御装置34とを制御する。
衛星通信装置32は、地上設備700と通信する装置である。具体的には、衛星通信装置32は、自衛星に関する各種データを地上設備700へ送信する。また、衛星通信装置32は、地上設備700から送信される各種コマンドを受信する。
推進装置33は、衛星30に推進力を与える装置であり、衛星30の速度を変化させる。具体的には、推進装置33は電気推進機である。具体的には、推進装置33は、イオンエンジンまたはホールスラスタである。
姿勢制御装置34は、衛星30の姿勢と衛星30の角速度と視線方向(Line Of Sight)といった姿勢要素を制御するための装置である。姿勢制御装置34は、各姿勢要素を所望の方向に変化させる。もしくは、姿勢制御装置34は、各姿勢要素を所望の方向に維持する。姿勢制御装置34は、姿勢センサとアクチュエータとコントローラとを備える。姿勢センサは、ジャイロスコープ、地球センサ、太陽センサ、スター・トラッカ、スラスタおよび磁気センサといった装置である。アクチュエータは、姿勢制御スラスタ、モーメンタムホイール、リアクションホイールおよびコントロール・モーメント・ジャイロといった装置である。コントローラは、姿勢センサの計測データまたは地上設備700からの各種コマンドにしたがって、アクチュエータを制御する。
電源装置35は、太陽電池、バッテリおよび電力制御装置といった機器を備え、衛星30に搭載される各機器に電力を供給する。
衛星制御装置31に備わる処理回路について説明する。
処理回路は、専用のハードウェアであってもよいし、メモリに格納されるプログラムを実行するプロセッサであってもよい。
処理回路において、一部の機能が専用のハードウェアで実現されて、残りの機能がソフトウェアまたはファームウェアで実現されてもよい。つまり、処理回路は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェアまたはこれらの組み合わせで実現することができる。
専用のハードウェアは、具体的には、単一回路、複合回路、プログラム化したプロセッサ、並列プログラム化したプロセッサ、ASIC、FPGAまたはこれらの組み合わせである。
ASICは、Application Specific Integrated Circuitの略称である。FPGAは、Field Programmable Gate Arrayの略称である。
図7は、衛星コンステレーション形成システム600が備える地上設備700の構成図である。
地上設備700は、全ての軌道面の多数衛星をプログラム制御する。地上設備700は、地上装置の例である。地上装置は、地上アンテナ装置、地上アンテナ装置に接続された通信装置、あるいは電子計算機といった地上局と、地上局にネットワークで接続されたサーバあるいは端末としての地上設備から構成される。また、地上装置には航空機、自走車両、あるいは移動端末といった移動体に搭載された通信装置を含んでも良い。
地上設備700は、各衛星30と通信することによって衛星コンステレーション20を形成する。地上設備700は、衝突回避支援装置100に備えられる。地上設備700は、プロセッサ910を備えるとともに、メモリ921、補助記憶装置922、入力インタフェース930、出力インタフェース940、および通信装置950といった他のハードウェアを備える。プロセッサ910は、信号線を介して他のハードウェアと接続され、これら他のハードウェアを制御する。地上設備700のハードウェアについては、図9において後述する衝突回避支援装置100のハードウェアと同様である。
地上設備700は、機能要素として、軌道制御コマンド生成部510と、解析予測部520を備える。軌道制御コマンド生成部510および解析予測部520の機能は、ハードウェアあるいはソフトウェアにより実現される。
通信装置950は、衛星コンステレーション20を構成する衛星群300の各衛星30を追跡管制する信号を送受信する。また、通信装置950は、軌道制御コマンド55を各衛星30に送信する。
解析予測部520は、衛星30の軌道を解析予測する。
軌道制御コマンド生成部510は、衛星30に送信する軌道制御コマンド55を生成する。
軌道制御コマンド生成部510および解析予測部520は、衛星コンステレーション形成部11の機能を実現する。すなわち、軌道制御コマンド生成部510および解析予測部520は、衛星コンステレーション形成部11の例である。
図8は、衛星コンステレーション形成システム600の機能構成例を示す図である。
衛星30は、さらに、衛星コンステレーション20を形成する衛星コンステレーション形成部11bを備える。そして、複数の衛星の各衛星30の衛星コンステレーション形成部11bと、地上設備700の各々に備えられた衛星コンステレーション形成部11とが連携して、衛星コンステレーション形成システム600の機能を実現する。なお、衛星30の衛星コンステレーション形成部11bは、衛星制御装置31に備えられていてもよい。
***構成の説明***
図9は、本実施の形態に係る衝突回避支援システム500の構成図である。
衝突回避支援システム500は、管理事業装置40と、管理事業装置40と通信する衝突回避支援装置100とを備える。衝突回避支援装置100は、地上設備に搭載されていてもよい。あるいは、衝突回避支援装置100は、衛星30に搭載されていてもよい。また、衝突回避支援装置100は、衛星コンステレーション形成システム600に搭載されていてもよい。あるいは、衝突回避支援装置100は、管理事業装置40の少なくともいずれかに搭載されていてもよい。
管理事業装置40は、人工衛星、あるいは、デブリといった宇宙物体60に関する情報を提供する。管理事業装置40は、人工衛星、あるいは、デブリといった宇宙物体60に関する情報を収集する事業者のコンピュータである。
管理事業装置40には、メガコンステレーション事業装置41、LEOコンステレーション事業装置42、衛星事業装置43、軌道遷移事業装置44、デブリ回収事業装置45、ロケット打ち上げ事業装置46、およびSSA事業装置47といった装置が含まれる。LEOが、Low Earth Orbitの略語である。
メガコンステレーション事業装置41は、大規模衛星コンステレーション、すなわちメガコンステレーション事業を行うメガコンステレーション事業者のコンピュータである。
LEOコンステレーション事業装置42は、低軌道コンステレーション、すなわちLEOコンステレーション事業を行うLEOコンステレーション事業者のコンピュータである。
衛星事業装置43は、1機から数機の衛星を扱う衛星事業者のコンピュータである。
軌道遷移事業装置44は、衛星の軌道遷移支援を行う軌道遷移事業者のコンピュータである。
デブリ回収事業装置45は、デブリを回収する事業を行うデブリ回収事業者のコンピュータである。
ロケット打ち上げ事業装置46は、ロケット打ち上げ事業を行うロケット打ち上げ事業者のコンピュータである。
SSA事業装置47は、SSA事業、すなわち、宇宙状況監視事業を行うSSA事業者のコンピュータである。
管理事業装置40は、人工衛星、あるいは、デブリといった宇宙物体に関する情報を収集し、収集した情報を衝突回避支援装置100に提供する装置であれば、その他の装置でもよい。また、衝突回避支援装置100が、SSAの公開サーバ上に搭載される場合は、衝突回避支援装置100がSSAの公開サーバとして機能する構成でもよい。
なお、管理事業装置40から衝突回避支援装置100に提供される情報については、後で詳しく説明する。
衝突回避支援装置100は、プロセッサ910を備えるとともに、メモリ921、補助記憶装置922、入力インタフェース930、出力インタフェース940、および通信装置950といった他のハードウェアを備える。プロセッサ910は、信号線を介して他のハードウェアと接続され、これら他のハードウェアを制御する。
衝突回避支援装置100は、機能要素として、レコーダー処理部110と警報制御部120と実績提示部130と記憶部140を備える。記憶部140には、宇宙情報レコーダー50と警報発令情報141が記憶されている。
レコーダー処理部110と警報制御部120と実績提示部130の機能は、ソフトウェアにより実現される。記憶部140は、メモリ921に備えられる。あるいは、記憶部140は、補助記憶装置922に備えられていてもよい。また、記憶部140は、メモリ921と補助記憶装置922に分けられて備えられてもよい。
プロセッサ910は、衝突回避支援プログラムを実行する装置である。衝突回避支援プログラムは、レコーダー処理部110と警報制御部120と実績提示部130の機能を実現するプログラムである。
プロセッサ910は、演算処理を行うIC(Integrated Circuit)である。プロセッサ910の具体例は、CPU(Central Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)、GPU(Graphics Processing Unit)である。
メモリ921は、データを一時的に記憶する記憶装置である。メモリ921の具体例は、SRAM(Static Random Access Memory)、あるいはDRAM(Dynamic Random Access Memory)である。
補助記憶装置922は、データを保管する記憶装置である。補助記憶装置922の具体例は、HDDである。また、補助記憶装置922は、SD(登録商標)メモリカード、CF、NANDフラッシュ、フレキシブルディスク、光ディスク、コンパクトディスク、ブルーレイ(登録商標)ディスク、DVDといった可搬の記憶媒体であってもよい。なお、HDDは、Hard Disk Driveの略語である。SD(登録商標)は、Secure Digitalの略語である。CFは、CompactFlash(登録商標)の略語である。DVDは、Digital Versatile Diskの略語である。
入力インタフェース930は、マウス、キーボード、あるいはタッチパネルといった入力装置と接続されるポートである。入力インタフェース930は、具体的には、USB(Universal Serial Bus)端子である。なお、入力インタフェース930は、LAN(Local Area Network)と接続されるポートであってもよい。
出力インタフェース940は、ディスプレイといった表示機器のケーブルが接続されるポートである。出力インタフェース940は、具体的には、USB端子またはHDMI(登録商標)(High Definition Multimedia Interface)端子である。ディスプレイは、具体的には、LCD(Liquid Crystal Display)である。
通信装置950は、レシーバとトランスミッタを有する。通信装置950は、具体的には、通信チップまたはNIC(Network Interface Card)である。衝突回避支援装置100は、通信装置950を介して、管理事業装置40との通信を行う。
衝突回避支援プログラムは、プロセッサ910に読み込まれ、プロセッサ910によって実行される。メモリ921には、衝突回避支援プログラムだけでなく、OS(Operating System)も記憶されている。プロセッサ910は、OSを実行しながら、衝突回避支援プログラムを実行する。衝突回避支援プログラムおよびOSは、補助記憶装置922に記憶されていてもよい。補助記憶装置922に記憶されている衝突回避支援プログラムおよびOSは、メモリ921にロードされ、プロセッサ910によって実行される。なお、衝突回避支援プログラムの一部または全部がOSに組み込まれていてもよい。
衝突回避支援装置100は、プロセッサ910を代替する複数のプロセッサを備えていてもよい。これら複数のプロセッサは、プログラムの実行を分担する。それぞれのプロセッサは、プロセッサ910と同じように、プログラムを実行する装置である。
プログラムにより利用、処理または出力されるデータ、情報、信号値および変数値は、メモリ921、補助記憶装置922、または、プロセッサ910内のレジスタあるいはキャッシュメモリに記憶される。
衝突回避支援装置の各部の「部」を「処理」、「手順」、「手段」、「段階」あるいは「工程」に読み替えてもよい。またレコーダー処理と警報制御処理と実績提示処理の「処理」を「プログラム」、「プログラムプロダクト」または「プログラムを記録したコンピュータ読取可能な記録媒体」に読み替えてもよい。
衝突回避支援プログラムは、衝突回避支援装置の各部の「部」を「処理」、「手順」、「手段」、「段階」あるいは「工程」に読み替えた各処理、各手順、各手段、各段階あるいは各工程を、コンピュータに実行させる。また、衝突回避支援方法は、衝突回避支援装置が衝突回避支援プログラムを実行することにより行われる方法である。
衝突回避支援プログラムは、コンピュータ読取可能な記録媒体に格納されて提供されてもよい。また、各プログラムは、プログラムプロダクトとして提供されてもよい。
***動作の説明***
図10から図19を用いて、本実施の形態に係る衝突回避支援装置100による衝突回避支援処理について説明する。
<レコーダー処理(軌道予報情報):S100>
図10は、本実施の形態に係る軌道予報情報51を設定するレコーダー処理のフロー図である。また、図11は、本実施の形態に係る軌道予報情報51の例を示す図である。
ステップS101において、レコーダー処理部110は、複数の宇宙物体60を管理する管理事業者により利用される管理事業装置40から、複数の宇宙物体60の各々の飛行の予報を表す飛行予報情報401を取得する。上述したように、管理事業者は、衛星コンステレーション、各種の衛星、ロケット、およびデブリといった宇宙を飛行する宇宙物体60を管理する事業者である。また、上述したように、各管理事業者により利用される管理事業装置40は、メガコンステレーション事業装置41、LEOコンステレーション事業装置42、衛星事業装置43、軌道遷移事業装置44、デブリ回収事業装置45、ロケット打ち上げ事業装置46、およびSSA事業装置47といったコンピュータである。
ステップS102において、レコーダー処理部110は、取得した飛行予報情報401に基づいて、複数の宇宙物体の各々の軌道の予報元期512と、軌道を特定する予報軌道要素513と、軌道において予報される予報誤差514とを、軌道予報情報51として設定する。そして、レコーダー処理部110は、軌道予報情報51を含む宇宙情報レコーダー50を記憶部140に記憶する。軌道予報情報51は、複数の宇宙物体の各々の軌道の予報値である。
レコーダー処理部110は、飛行予報情報401に基づいて、複数の宇宙物体の各々の飛行状態の予報を予報飛行状態515として軌道予報情報51に設定してもよい。このとき、レコーダー処理部110は、複数の宇宙物体の各々の予報飛行状態515に、複数の宇宙物体の各々が定常運用状態であるか、あるいは、非定常運用状態であるかを設定する。定常運用状態は、具体的には、衛星が軌道を定常運用で飛行している状態である。非定常運用状態には、複数の宇宙物体の各々の打ち上げから軌道に投入されるまでの打ち上げ過渡状態、および、複数の宇宙物体の各々の軌道離脱後から大気突入または廃棄軌道に投入されるまでの離脱後過渡状態といった状態が含まれる。
図11を用いて、本実施の形態に係る軌道予報情報51の例を説明する。
軌道予報情報51には、宇宙物体ID(Identifier)511、予報元期512、予報軌道要素513、予報誤差514、および予報飛行状態515が設定される。
宇宙物体ID511は、宇宙物体60を識別する識別子である。図11では、宇宙物体ID511として、衛星IDとデブリIDが設定されている。宇宙物体は、具体的には、宇宙空間に打ち上げられるロケット、人工衛星、宇宙基地、デブリ回収衛星、惑星探査宇宙機、ミッション終了後にデブリ化した衛星あるいはロケットといった物体である。
予報元期512は、複数の宇宙物体の各々の軌道について予報されている元期である。
予報軌道要素513は、複数の宇宙物体の各々の軌道を特定する軌道要素である。予報軌道要素513は、複数の宇宙物体の各々の軌道について予報されている軌道要素である。図11では、予報軌道要素513として、ケプラー軌道6要素が設定されている。
予報誤差514は、複数の宇宙物体の各々の軌道において予報される誤差である。予報誤差514には、進行方向誤差、直交方向誤差、および誤差の根拠が設定されている。このように、予報誤差514には、実績値が内包する誤差量が根拠とともに明示的に示される。誤差量の根拠としては、計測手段、位置座標情報の精度向上手段として実施したデータ処理の内容、および、過去データの統計的評価結果の一部あるいはすべてが含まれる。
予報飛行状態515は、複数の宇宙物体の各々の飛行状態の予報である。予報飛行状態515には、複数の宇宙物体の各々の飛行状態の予報が、定常運用状態、打ち上げ過渡状態、あるいは、離脱後過渡状態であるかが設定される。また、予報飛行状態515に、回避運用実施の可否、あるいは、自律的回避運用実施の可否が含まれていてもよい。
なお、本実施の形態に係る軌道予報情報51では、宇宙物体60について、予報元期512と予報軌道要素513が設定されている。予報元期512と予報軌道要素513により、宇宙物体60の近未来における時刻と位置座標を求めることができる。例えば、宇宙物体60についての近未来の時刻と位置座標が、軌道予報情報51に設定されていてもよい。
このように、軌道予報情報51には、元期と軌道要素、あるいは、時刻と位置座標を含む宇宙物体の軌道情報が具備され、宇宙物体60の近未来の予報値が明示的に示されている。
<レコーダー処理(軌道実績情報):S200>
図12は、本実施の形態に係る軌道実績情報52を設定するレコーダー処理のフロー図である。また、図13は、本実施の形態に係る軌道実績情報52の例を示す図である。
ステップS201において、レコーダー処理部110は、複数の宇宙物体の各々と管理事業装置40との少なくともいずれかから、複数の宇宙物体の各々の飛行実績を表す飛行実績情報402を取得する。具体的には、レコーダー処理部110は、宇宙物体60を管理する管理事業者から飛行実績情報402を取得する。あるいは、レコーダー処理部110は、宇宙物体60から直接、飛行実績情報402を取得してもよい。
ステップS202において、レコーダー処理部110は、取得した飛行実績情報402に基づいて、複数の宇宙物体の各々の軌道の実績元期522と、軌道を特定する実績軌道要素523と、複数の宇宙物体の各々の実績位置座標242とを軌道実績情報52として設定する。そして、レコーダー処理部110は、軌道実績情報52を宇宙情報レコーダー50に含める。
なお、レコーダー処理部110は、飛行実績情報402に基づいて、複数の宇宙物体の各々の飛行状態の実績を実績飛行状態525として軌道実績情報52に設定してもよい。このとき、レコーダー処理部110は、複数の宇宙物体の各々の実績飛行状態525に、複数の宇宙物体の各々が定常運用状態であるか、あるいは、非定常運用状態であるかを設定する。非定常運用状態には、複数の宇宙物体の各々の打ち上げから軌道に投入されるまでの打ち上げ過渡状態、および、複数の宇宙物体の各々の軌道離脱後から大気突入または廃棄軌道に投入されるまでの離脱後過渡状態が含まれる。
図13を用いて、本実施の形態に係る軌道実績情報52の例を説明する。
軌道実績情報52には、宇宙物体ID521、実績元期522、実績軌道要素523、特定実績524、および実績飛行状態525が設定される。特定実績524には、特定時刻241と実績位置座標242とが設定される。すなわち、軌道実績情報52には、特定時刻241における宇宙物体60の情報が設定される。
宇宙物体ID521は、宇宙物体60を識別する識別子である。宇宙物体ID521の構成は、宇宙物体ID511と同様である。
実績元期522は、複数の宇宙物体の各々の軌道の実際の元期である。
実績軌道要素523は、複数の宇宙物体の各々の軌道を特定する軌道要素である。実績軌道要素523は、複数の宇宙物体の各々の軌道の実際の軌道要素である。図13では、予報軌道要素513と同様に、実績軌道要素523には、ケプラー軌道6要素が設定されている。
特定実績524は、特定時刻241と、特定時刻241に対応する宇宙物体60の位置座標が実績位置座標242として設定される。このように、軌道実績情報52は、宇宙物体60の特定時刻241における位置座標である実績位置座標242を含む。
実績飛行状態525は、複数の宇宙物体の各々の実際の飛行状態である。実績飛行状態525には、複数の宇宙物体の各々の実際の飛行状態が、定常運用状態、打ち上げ過渡状態、あるいは、離脱後過渡状態であるかが設定される。また、実績飛行状態525に、回避運用実施の可否、あるいは、自律的回避運用実施の可否が含まれていてもよい。実績飛行状態525の構成は、予報飛行状態515と同様である。
<警報制御処理:S300>
図14は、本実施の形態に係る警報制御部120による警報制御処理のフロー図である。
ステップS301において、警報制御部120は、軌道予報情報51に基づいて、警報を発令すべき位置関係の宇宙物体の存否を判定する。具体的には、警報制御部120は、軌道予報情報51に基づいて、複数の宇宙物体のうち、同時刻において誤差範囲502が重なる複数の宇宙物体が衝突予想物体601として存在するか否かを判定する。また、警報制御部120は、軌道予報情報51に基づいて、複数の宇宙物体のうち、同時刻において接近閾値を超えて接近する複数の宇宙物体が接近予想物体602として存在するか否かを判定する。衝突予想物体601および接近予想物体602は、複数の宇宙物体のうち、同時刻において位置関係が危険な複数の宇宙物体である危険予想物体65の例である。
衝突予想物体601が存在する場合、ステップS302に進む。接近予想物体602が存在する場合、ステップS303に進む。衝突予想物体601も接近予想物体602も存在しない場合は、ステップS301に戻る。
ステップS302において、警報制御部120は、衝突予想物体601について衝突の可能性があることを示す衝突警報23を出力する。
ステップS303において、警報制御部120は、接近予想物体602について接近の可能性があることを示す接近警報22を出力する。
図15は、本実施の形態に係る2つの衛星30a,30bの誤差範囲502a,502bの交叉イメージを表す図である。
衛星30aの軌道予報501aは、軌道予報情報51のうち衛星30aに対応する予報元期と予報軌道要素とから得られる。予報元期はエポックともいう。また、予報軌道要素は、軌道6要素ともいう。同様に、衛星30bの軌道予報501bは、軌道予報情報51のうち衛星30bに対応する予報元期と予報軌道要素とから得られる。
警報制御部120は、軌道予報情報51に基づいて、衛星30a,30bの軌道予報501a,501bおよび誤差範囲502a,502bを取得する。なお、軌道予報501および誤差範囲502は、符号に付与する添え字により、衛星30aと衛星30bとのいずれに対応するかを区別するものとする。
図16は、本実施の形態に係る2つの衛星30a,30bの誤差範囲502a,502bが重なった状態を示す図である。
警報制御部120は、軌道予報情報51に基づいて、同時刻において誤差範囲502が重なる複数の宇宙物体が衝突予想物体601として存在するか否かを判定する。図16では、2つの衛星30a,30bが衝突予想物体601と判定される。
図17は、本実施の形態に係る2つの衛星30の距離が接近閾値以下となった状態を示す図である。
警報制御部120は、軌道予報情報51に基づいて、同時刻において接近閾値を超えて接近する複数の宇宙物体が接近予想物体602として存在するか否かを判定する。接近閾値は、接近警報22を発令する判定のための閾値である。図17では、2つの衛星30a,30bが接近予想物体602と判定される。
このように、警報制御部120は、誤差範囲502の接触あるいは共有領域が解析結果で発生した段階で衝突警報23を発令する。また、警報制御部120は、2つの宇宙物体が接近閾値以下あるいは接近閾値を超えて接近すると、衝突のリスクありと判断され、接近警報22を発令する。
図18は、本実施の形態に係る警報発令情報141を示す図である。
警報発令情報141は、管理事業装置40に送信され、衝突の回避運用に用いられる。
警報発令情報141には、衝突警報23あるいは接近警報22が発令された宇宙物体の識別子と、時刻と、その時刻における位置座標と、誤差範囲の重なり距離あるいは接近距離が設定される。
なお、衝突警報23あるいは接近警報22は、同時刻において位置関係が危険な複数の宇宙物体である危険予想物体65が存在することを示す危険警報25の例である。
<実績提示処理>
図19は、本実施の形態に係る実績提示部130による実績提示処理のフロー図である。
ステップS41において、実績提示部130は、複数の宇宙物体のうちいずれかの宇宙物体同士が衝突した場合、軌道実績情報52から宇宙物体同士が衝突した時刻における軌道実績情報52を衝突実績131として抽出する。そして、実績提示部130は、衝突実績131を出力機器に提示する。複数の宇宙物体のうちいずれかの宇宙物体同士が衝突したという情報は、例えば、管理事業者から通知される。
以下において、衛星の軌道情報の具体例について説明する。
図11および図13に示すように、衛星の軌道情報としては、ケプラーの法則に基づく軌道要素(Keplerian Elements)を用いる。ケプラーの法則に基づく軌道要素は、以下の要素で構成される。
・元期:Epoch(年と日)
・平均運動(m):Mean Motion(周回/日)、または、半長径Semi-major Axis(km)
・離心率: Eccentricity(単位無し)
・軌道傾斜角(i):Inclination(度)
・昇交点赤経(Ω):RAAN(Right Ascension of Ascending Node)(度)
・近地点引数(ω):Argument of Perigee(度)
・平均近点角(M):Mean Anomaly(度)
また、TLE(Two Line Element)と呼ばれるフォーマットを用いてもよい。
測位衛星では軌道上の時刻と位置および測位信号発信タイミングが測位精度に直接影響する。このため、アルマナック、エフェメリス、あるいは精密軌道暦といった衛星情報を、精度、配信方法、あるいは、予報値と実績値の相違といった事項に応じて使い分ける。
精度に着目すると、アルマナック(精度:数百m~数km)>エフェメリス(放送暦)(精度:数m)>精密暦(精度:数cm)という関係にある。配信方法に着目すると、アルマナックとエフェメリスは衛星から直接送信される他、インターネットあるいは携帯電話回線を通じても入手可能である。多数機の衛星でコンステレーションを形成する測位衛星では、粗精度のアルマナックは全衛星の情報を各衛星が送信し、精精度のエフェメリスは自衛星の情報のみを送信している。
一方衛星が定常運用に至るまでの、打ち上げ過渡状態、軌道離脱後大気突入ないし廃棄軌道に至るまでの過渡状態については、衝突回避に有効な精度の予報値は公開されていない。またロケット打ち上げにおける軌道予報値も公開情報にはなっていない。
最低限、発射地点の位置、発射予定時刻、および予定飛行ルートが開示され、高度600km以下の衛星コンステレーション事業者の保有する衛星と衝突するリスクがないか検証できる精度の情報を開示する。
なお、軌道予報情報51(軌道予報値公開情報)と軌道実績情報52(精密軌道暦実績)は同じ格納場所に存在する必然性はない。軌道実績情報52は、衝突事故発生後といった必要な時に扱える状態にあればよい。例えば、保険事業者が保険事業で使う場合に、衝突回避支援装置100の事業者から保険事業者だけに開示される格納場所であってもよい。
本実施の形態では、以下のような宇宙情報レコーダーについて説明した。
宇宙情報レコーダーは、複数の宇宙物体を管理する管理事業者により利用される管理事業装置から取得した宇宙物体情報を記録する。宇宙物体情報には軌道予報情報が含まれる。軌道予報情報には、宇宙物体の予報元期と予報軌道要素と予報誤差と、複数の宇宙物体に含まれる宇宙物体Aと宇宙物体Bの衝突が予見された場合における衝突発生の推定時刻ないし時間帯とが含まれる。
また、宇宙物体情報には軌道実績情報が含まれる。軌道実績情報は、複数の宇宙物体に含まれる宇宙物体Aと宇宙物体Bの衝突事故発生後に、事後検証で推定された衝突発生時刻と、当該時刻、またはその直前における宇宙物体Aの位置情報と、当該時刻、またはその直前における宇宙物体Bの位置情報とが含まれる。
また、宇宙物体情報には、宇宙物体の予報元期と予報軌道要素と予報誤差と、ロケット打上げ事業者の打上げ計画時刻及び軌道情報とを含む軌道予報情報が含まれる。
また、宇宙物体情報には、宇宙物体の予報元期と予報軌道要素と予報誤差と、デオービット過程の宇宙物体事業者ないしはデブリ除去事業者のデオービット計画時刻及び軌道情報とを含む軌道予報情報が含まれる。
また、宇宙物体情報には、宇宙物体の予報元期と予報軌道要素と予報誤差と、軌道遷移過程の衛星事業者の軌道遷移計画時刻及び軌道情報とを含む軌道予報情報が含まれる。
軌道予報情報は、予報誤差の誤差量算出根拠を含む。また、軌道予報情報は、予報誤差を導出するに至った検証実績を含んでもよい。また、軌道予報情報は、定常運用か非定常運用かの識別を含んでもよい。また、軌道予報情報は、回避運用実施可否を含んでもよい。また、軌道予報情報は、自律的回避運用実施可否を含んでもよい。
***本実施の形態の効果の説明***
本実施の形態に係る衝突回避支援装置100によれば、レコーダー処理部110が、管理事業装置40から複数の宇宙物体の各々の飛行の予報を表す飛行予報情報401を取得する。そして、レコーダー処理部110が、飛行予報情報401に基づいて、各宇宙物体の軌道の予報値であって予報誤差を含む予報値を軌道予報情報51として宇宙情報レコーダー50に設定する。よって、本実施の形態に係る衝突回避支援装置100によれば、複数の宇宙物体の各々について、予想される軌道の誤差を加味した軌道予報情報51を利用することにより、衝突の回避を的確に支援できるという効果がある。
また、本実施の形態に係る衝突回避支援装置100によれば、レコーダー処理部110が、複数の宇宙物体の各々と管理事業装置40との少なくともいずれかから、複数の宇宙物体の各々の飛行実績を表す飛行実績情報402を取得する。そして、レコーダー処理部110が、飛行実績情報402に基づいて、軌道実績情報52として宇宙情報レコーダー50に設定する。よって、本実施の形態に係る衝突回避支援装置100によれば、管理事業者が所望する飛行実績を直ちに提示することができるという効果がある。
本実施の形態に係る衝突回避支援装置100では、管理事業装置40から飛行実績情報402を取得した。しかし、衝突回避支援装置が、宇宙物体の飛行状態を計測する計測手段を有していてもよい。すなわち、衝突回避支援装置が、衛星の時刻と軌道情報を計測する手段を具備し、予め公開した軌道予報情報に対する軌道履歴を記録してもよい。
本実施の形態に係る衝突回避支援装置100では、例えば、新規ロケット打ち上げを計画しているロケット打ち上げ事業者に対して、打ち上げ予定時刻における衛星の予測軌道情報を公開することができる。これにより、ロケット打ち上げ事業者で衝突回避の措置をとることが可能となる。更に本実施の形態に係る衝突回避支援装置100の宇宙情報レコーダー50により、予測軌道と実際の軌道履歴の比較検証が可能となるという効果がある。
本実施の形態に係る衝突回避支援装置100では、飛行実績情報402、すなわち精密軌道暦実績の計測手段として、衛星が搭載する計測装置情報を使ってもよい。
メガコンステレーションを構成する衛星は、同一軌道面の前後を飛翔する衛星、あるいは、隣接軌道を飛翔する衛星と、衛星間通信あるいは衛星間測距が可能である。よって、本実施の形態に係る衝突回避支援装置100で衛星が搭載する計測装置情報を用いることにより、衛星の具備するGPS受信機の計測情報といった情報を含めて高精度の軌道情報を計測できるという効果がある。また多数衛星の統計的処理により、精度を向上させることができるという効果がある。
本実施の形態に係る衝突回避支援装置100は、宇宙情報レコーダー50を備え、地上設備に搭載されている。
航空機事故の検証目的で航空機にはボイスレコーダーが搭載される。また、自動車事故の検証および証拠資料とする目的で自動車にはドライブレコーダーが装備される。
メガコンステレーション事業者の登場により、軌道高度600km以下程度の低軌道高度に構築された数千機に及ぶ多数衛星を有する衛星コンステレーションは、新規ロケット打ち上げ時に衝突するリスクが高い。よって、上記のボイスレコーダーあるいはドライブレコーダーと類似の目的で、衛星ドライブレコーダーとも呼ぶべき「宇宙情報レコーダー」が必要になる。
航空機事故は爆発的な事故であっても事故後に搭載機器を回収できる可能性がある。このため、ボイスレコーダーは爆発にも耐えられる堅牢性を有して設計されている。また航空機では操縦者が存在するので、計測器類の情報のみならず、操縦者の音声を記録することにより、計器類の異常の有無を含めて、事故後に検証できるよう音声記録が残る仕組みとなっている。これに対して衛星衝突では、事故後に搭載機器は宇宙空間に散逸して回収することは困難であり、また操縦者が存在しない。このため、音声記録は不要であり、搭載計測器類のデータの記録が主たる目的となる。よって、飛行実績は、取得された後、迅速に地上ないしは別の衛星にデータ伝送して、衝突事故発生直前までのデータが別の場所に格納されている必要がある。
宇宙空間で衝突事故が発生して衛星が飛散した場合に、搭載機器の回収は困難となる。衛星コンステレーション構想ではリアルタイムで衛星と地上間、ないし衛星間のデータ通信を実施できる。よって、飛行実績情報、すなわち衛星軌道履歴情報についてもリアルタイムで伝送可能である。地上設備に置かれた軌道実績情報は事故後に参照でき、事故状況の検証根拠として有効になるという効果がある。
本実施の形態に係る衝突回避支援装置100では、飛行実績情報、すなわち精密軌道暦実績の計測手段として、地上観測装置であるSSAアセットの計測情報を使ってもよい。
昨今、地上設置型望遠鏡あるいはレーダによるSSSAアセットの整備が進むとともに、その計測精度も向上している。SSA情報提供事業者が衛星軌道履歴を扱う事もでき、第三者が客観的に検証できるという効果がある。
本実施の形態に係る衝突回避支援装置100では、衛星識別IDと時刻、位置情報を具備するICタグを具備した人工宇宙物体と、非接触で遠方を飛翔する人工宇宙物体のICタグ情報を読み取る手段を具備し、ICタグ情報に基づき内容を更新する。
衛星同士が例えば100km以内に接近した場合に、衛星に具備されたICタグが、無試行性オムニアンテナで受信できる程度の近傍通信用電波を発信するように衛星コンステレーションを設計しておく。これにより、接近した衛星同士が互いの衛星情報を受信しあうことができ、メガコンステレーションで接近機会が多ければ、時間経過と共に軌道上で共有しあえる軌道実績情報が増える。特に、地上計測手段よりも自衛星の軌道上実測情報の方が高精度の場合は、ICタグは高精度軌道上情報の取得手段として有効となる。
本実施の形態に係る衝突回避支援装置100では、ロケット打ち上げ事業者、軌道投入事業者、およびデブリ回収事業者に軌道予報情報、すなわち衛星軌道予測情報を有償公開してもよい。
ロケット打ち上げ事業者が飛行安全確保義務を果たすためには、正確なメガコンステレーションを構成する衛星の予測軌道情報が必要であり、衛星軌道予測情報の資産価値が高く評価され、衛星事業者の収益源になりうるという効果がある。
またミッション終了後の衛星が軌道離脱してデオービットする過程においてメガコンステレーションの衛星に衝突するリスクも高く、同様に公開していた軌道情報に対する衝突回避措置を怠ったデオービット衛星の事業者、ないしはデブリ回収事業者の責任を追求できる可能性があり、衛星軌道情報が収益源となる効果がある。
更に静止衛星を軌道投入する事業者はロケットで静止トランスファー軌道まで打ち上げた後に、衛星の具備する推進装置で静止軌道まで軌道遷移するので、その過程おいてメガコンステレーション衛星と衝突するリスクがあり、同様の効果が期待される。
***他の構成***
<変形例1>
宇宙情報レコーダーは、軌道予報情報および軌道実績情報をメモリに記憶するとともに、プログラムを実行するプロセッサを有していてもよい。例えば、宇宙情報レコーダーが以下に記載する機能を有していてもよい。
宇宙情報レコーダーは、複数の宇宙物体のうち宇宙物体Aと宇宙物体Bが衝突した場合に、予め徴収した保険料から保険金を支払う宇宙保険プログラムの保険料率設定手段を具備する。保険料率設定手段は、軌道予報情報に含まれる予報誤差により保険料率を設定する。
また、宇宙情報レコーダーは、複数の宇宙物体のうち宇宙物体Aと宇宙物体Bが衝突した場合に、予め徴収した保険料から保険金を支払う宇宙保険プログラムの保険金査定手段を具備する。保険金査定手段は、軌道実績情報から宇宙物体同士が衝突した時刻における軌道実績情報を衝突実績として抽出し、軌道予報情報から宇宙物体同士が衝突した時刻における軌道予報情報を衝突前予報情報として抽出する。そして、保険金査定手段は、宇宙物体Aの衝突実績と衝突前予報情報の差分情報Aと、宇宙物体Bの衝突実績と衝突前予報情報の差分情報Bとの比較に基づいて、保険金を査定する。
予報誤差は、予報誤差の根拠と、予報誤差の検証実績とのどちらか一方ないし両方を含む。
また、宇宙情報レコーダーは、複数の宇宙物体のうち宇宙物体Aと宇宙物体Bが衝突した場合に予め徴収した保険料から保険金を支払う宇宙保険プログラムを実施する保険事業者と管理事業者とに、危険警報を出力する手段を具備する。
また、宇宙情報レコーダーは、複数の宇宙物体のうち宇宙物体Aと宇宙物体Bが衝突した場合に予め徴収した保険料から保険金を支払う宇宙保険プログラムを実施する保険事業者と管理事業者とに、軌道実績情報を出力する手段を具備する。
また、宇宙情報レコーダーは、複数の宇宙物体のうち宇宙物体Aと宇宙物体Bが衝突した場合に生じるデブリを回収するデブリ回収事業者に、同時刻において位置関係が危険な複数の宇宙物体が存在することを示す危険警報を出力する手段を具備する。
また、宇宙情報レコーダーは、複数の宇宙物体における宇宙物体同士が衝突する前に、軌道予報情報に基づき、危険予想物体の存在を識別して危険警報を出力し、回避運用を行う宇宙物体を決定する衝突回避支援プログラムを実行する。宇宙情報レコーダーは、軌道予報情報に基づいて、複数の宇宙物体のうち、危険予想物体が存在するか否かを判定し、危険予想物体が存在すると判定されると、危険警報を出力する危険警報出力手段を具備する衝突回避支援プログラムを実行する。また、宇宙情報レコーダーは、危険警報が出力された後に、危険予想物体に含まれる宇宙物体のうち回避運用を行う宇宙物体を決定する回避宇宙物体決定手段を具備する衝突回避支援プログラムを実行する。
また、宇宙情報レコーダーは、複数の宇宙物体における宇宙物体同士が特定時刻において接近することが予見された場合に、異なる管理事業装置に軌道予報情報を開示するか否かを判定するための開示閾値と、開示するか否かを判定する情報開示手段とを具備する。
<変形例2>
本実施の形態では、衝突回避支援装置100の機能がソフトウェアで実現される。変形例として、衝突回避支援装置100の機能がハードウェアで実現されてもよい。
図20は、本実施の形態の変形例に係る衝突回避支援装置100の構成を示す図である。
衝突回避支援装置100は、プロセッサ910に替えて電子回路を備える。
電子回路は、衝突回避支援装置100の機能を実現する専用の電子回路である。
電子回路は、具体的には、単一回路、複合回路、プログラム化したプロセッサ、並列プログラム化したプロセッサ、ロジックIC、GA、ASIC、または、FPGAである。GAは、Gate Arrayの略語である。
衝突回避支援装置100の機能は、1つの電子回路で実現されてもよいし、複数の電子回路に分散して実現されてもよい。
別の変形例として、衝突回避支援装置100の一部の機能が電子回路で実現され、残りの機能がソフトウェアで実現されてもよい。
プロセッサと電子回路の各々は、プロセッシングサーキットリとも呼ばれる。つまり、衝突回避支援装置100の機能は、プロセッシングサーキットリにより実現される。
実施の形態2.
本実施の形態では、主に、実施の形態1と異なる点について説明する。なお、実施の形態1と同様の構成には同一の符号を付し、その説明を省略する場合がある。
本実施の形態では、軌道予報情報51に基づいて危険警報25が発令された際、危険予想物体65のうちどの宇宙物体が回避行動を実施すべきかを適切に決定する衝突回避支援装置100aについて説明する。
***構成の説明***
図21は、本実施の形態に係る衝突回避支援システム500の衝突回避支援装置100aの構成図である。
本実施の形態に係る衝突回避支援装置100aは、実施の形態1の衝突回避支援装置100の機能要素に加え、回避決定部150と機械学習部160を備える。その他の機能要素およびハードウェア構成については実施の形態1と同様である。また、本実施の形態に係る衝突回避支援プログラムは、少なくとも、警報制御部120と回避決定部150と機械学習部160の機能を実現するプログラムである。すなわち、本実施の形態に係る衝突回避支援プログラムは、少なくとも、警報制御処理と回避決定処理と機械学習処理をコンピュータに実行させる。
警報制御部120は、軌道予報情報51に基づいて、複数の宇宙物体のうち、同時刻において位置関係が危険な複数の宇宙物体が危険予想物体65として存在するか否かを判定する。危険予想物体65が存在すると判定されると、警報制御部120は、危険予想物体65が存在することを示す危険警報25を出力する。警報制御部120による危険警報25の出力方法については、実施の形態1で説明したものと同様である。
回避決定部150は、危険警報25が出力されると、危険予想物体65に含まれる宇宙物体のうち回避運用を行う宇宙物体である回避宇宙物体69を決定する。回避宇宙物体69の決定に用いる条件は、例えば、以下の通りである。
・回避決定部150は、危険予想物体65に含まれる各宇宙物体が打ち上げ時のロケットであるか否かに基づいて、回避宇宙物体69を決定する。
・回避決定部150は、危険予想物体65に含まれる各宇宙物体がメガコンステレーションに属するか否かに基づいて、回避宇宙物体69を決定する。
・回避決定部150は、危険予想物体65に含まれる各宇宙物体が、定常運用状態であるか非定常運用状態であるかに基づいて、回避宇宙物体69を決定する。
・回避決定部150は、危険予想物体65に含まれる各宇宙物体が、軌道の遷移を実施している軌道遷移衛星か否かに基づいて、回避宇宙物体69を決定する。
・回避決定部150は、危険予想物体65に含まれる各宇宙物体が、衝突回避機能を有するか否かに基づいて、回避宇宙物体69を決定する。
・回避決定部150は、危険予想物体65に含まれる各宇宙物体が、密集軌道に位置しているか否かに基づいて、回避宇宙物体69を決定する。
回避決定部150は、上記の条件のいずれか、あるいは、上記の条件のうちの複数の組み合わせを用いて、危険予想物体65から回避宇宙物体69を決定する。
機械学習部160は、回避宇宙物体69を決定した結果、すなわち回避決定部150による決定結果を用いた機械学習により、回避宇宙物体69を決定する回避決定処理のアルゴリズムを更新する。
***動作の説明***
図22から図25を用いて、本実施の形態に係る衝突回避支援装置100aによる衝突回避支援処理について説明する。
ここでは、同時刻において位置関係が危険な複数の宇宙物体である危険予想物体65として、宇宙物体Aと宇宙物体Bが存在するとする。
<回避決定処理>
図22および図23は、本実施の形態に係る宇宙物体がロケットであるか否かといった条件に基づく回避決定処理の例を示すフロー図である。
図22および図23は、宇宙物体がロケットであるか否か、宇宙物体がメガコンステレーションに属する人工衛星であるか否か、および、宇宙物体がデブリであるか否かといった条件により、回避宇宙物体69を決定する処理の例である。
ステップS101において、回避決定部150は、宇宙物体Aが人工衛星か否かを判定する。具体的には、回避決定部150は、図11に示す軌道予報情報51の宇宙物体ID511を用いて、宇宙物体が人工衛星か否かを判定する。例えば、衝突回避支援装置100が、宇宙物体IDと宇宙物体の種別を対応付けた管理テーブルを有していてもよい。回避決定部150は、宇宙物体IDを用いて、管理テーブルから宇宙物体の種別を取得し、宇宙物体が人工衛星か否かを判定してもよい。
宇宙物体Aが人工衛星の場合、ステップS102において、回避決定部150は、宇宙物体Bが人工衛星か否かを判定する。
宇宙物体Aと宇宙物体Bがともに人工衛星の場合(ステップS102でYES)、M1からM4の少なくともいずれかに進む。
宇宙物体Bが人工衛星でない場合、ステップS103において、宇宙物体Bがロケットか否かを判定する。具体的には、回避決定部150は、図11に示す軌道予報情報51の宇宙物体ID511を用いて、宇宙物体がロケットか否かを判定する。例えば、衝突回避支援装置100が、宇宙物体IDと宇宙物体の種別を対応付けた管理テーブルを有していてもよい。回避決定部150は、宇宙物体IDを用いて、管理テーブルから宇宙物体の種別を取得し、宇宙物体がロケットか否かを判定してもよい。
宇宙物体Aが人工衛星で宇宙物体Bがロケットの場合(ステップS104)、ステップS105において、回避決定部150は、宇宙物体Aがメガコンステレーションに属するか否かを判定する。
宇宙物体Aが人工衛星で宇宙物体Bがロケットでない、すなわちデブリの場合(ステップS104a)、処理はステップS106に進む。
ステップS105において、宇宙物体Aがメガコンステレーションに属する場合、処理はステップS106に進む。
ステップS105において、宇宙物体Aがメガコンステレーションに属していない場合、処理はステップS111に進む。
ステップS101において、宇宙物体Aが人工衛星でない場合、ステップS107において、回避決定部150は、宇宙物体Aがロケットか否かを判定する。
ステップS107において、宇宙物体Aがロケットの場合、ステップS108において、回避決定部150は、宇宙物体Bが人工衛星か否かを判定する。
宇宙物体Aがロケットで宇宙物体Bが人工衛星の場合(ステップS109)、ステップS110において、回避決定部150は、宇宙物体Bがメガコンステレーションに属するか否かを判定する。
ステップS110において、宇宙物体Bがメガコンステレーションに属さない場合、処理はステップS106に進む。
ステップS110において、宇宙物体Bがメガコンステレーションに属する場合、処理はステップS111に進む。
ステップS108において、宇宙物体Bが人工衛星でない場合、ステップS112において、回避決定部150は、宇宙物体Bがロケットか否かを判定する。
ステップS112において、宇宙物体Bがロケットの場合、宇宙物体Aと宇宙物体Bがともにロケットである。このとき、ステップS113において、回避決定部150は、危険予想物体65を回避決定処理の適用外とする。
ステップS112において、宇宙物体Bがロケットでない、すなわち宇宙物体Bがデブリの場合、宇宙物体Aがロケットで、宇宙物体Bがデブリとなる(ステップS114)。このとき、処理はステップS106に進む。
ステップS106において、回避決定部150は、危険予想物体65に含まれる宇宙物体のうち、宇宙物体Aを回避運用すべき回避宇宙物体69として決定する。
ステップS111において、回避決定部150は、危険予想物体65に含まれる宇宙物体のうち、宇宙物体Bを回避運用すべき回避宇宙物体69として決定する。
ステップS107において、宇宙物体Aがロケットでない場合、ステップS115において、回避決定部150は、宇宙物体Aがデブリか否かを判定する。
ステップS115において、宇宙物体Aがデブリの場合、ステップS116において、回避決定部150は、宇宙物体Bが人工衛星か否かを判定する。
ステップS116において、宇宙物体Bが人工衛星である場合、宇宙物体Aがデブリであり、宇宙物体Bが人工衛星となる(ステップS117)。このとき、処理はステップS111に進む。
ステップS115において、宇宙物体Aがデブリでない場合、ステップS121において、回避決定部150は、物体定義の学習処理、および、アルゴリズムの更新処理を行う。
ステップS116において、宇宙物体Bが人工衛星でない場合、ステップS118において、宇宙物体Bがロケットか否かを判定する。
ステップS118において、宇宙物体Bがロケットである場合、宇宙物体Aがデブリであり、宇宙物体Bがロケットとなる(ステップS120)。このとき、処理はステップS111に進む。
ステップS118において、宇宙物体Bがロケットでない場合、宇宙物体Aと宇宙物体Bはともにデブリとなる。このとき、ステップS119において、回避決定部150は、危険予想物体65を回避決定処理の適用外とする。
図24は、本実施の形態に係る宇宙物体が定常運用であるか否かといった条件に基づく回避決定処理のフロー図である。
図24は、宇宙物体が定常運用であるか非定常運用であるかといった条件により、回避宇宙物体69を決定する処理の例である。図24の処理をM1処理とする。定常運用状態は、具体的には、衛星が軌道を定常運用で飛行している状態である。非定常運用状態には、複数の宇宙物体の各々の打ち上げから軌道に投入されるまでの打ち上げ過渡状態、および、複数の宇宙物体の各々の軌道離脱後から大気突入または廃棄軌道に投入されるまでの離脱後過渡状態といった状態が含まれる。
ステップS201において、回避決定部150は、宇宙物体Aが定常運用状態か非定常運用状態かを判定する。具体的には、回避決定部150は、図11に示す軌道予報情報51の予報飛行状態515を用いて、宇宙物体が定常運用状態か非定常運用状態かを判定する。
ステップS201において、宇宙物体Aが定常運用状態の場合、ステップS202において、回避決定部150は、宇宙物体Bが定常運用状態か非定常運用状態かを判定する。
ステップS202において、宇宙物体Bが定常運用状態の場合、宇宙物体Aと宇宙物体Bとがともに定常運用状態となる。このとき、ステップS203において、回避決定部150は、宇宙物体Aと宇宙物体Bは衝突しないと判定する。
ステップS201において、宇宙物体Aが非定常運用状態の場合、ステップS205において、回避決定部150は、宇宙物体Bが定常運用状態か非定常運用状態かを判定する。
ステップS205において、宇宙物体Bが定常運用状態の場合、宇宙物体Aが非定常運用状態であり、宇宙物体Bが定常運用状態となる。このとき、ステップS206において、回避決定部150は、非定常運用状態である宇宙物体Aが回避運用すべき回避宇宙物体69であると決定する。
ステップS205において、宇宙物体Bが非定常運用状態の場合、宇宙物体Aと宇宙物体Bがともに非定常運用状態となる。このとき、ステップS207において、回避決定部150は、個別調整を行う事例であるため、回避宇宙物体69を決定しない。
ステップS202において、宇宙物体Bが非定常運用状態の場合、宇宙物体Aが定常運用状態であり、宇宙物体Bが非定常運用状態となる。このとき、ステップS204において、回避決定部150は、非定常運用状態である宇宙物体Bが回避運用すべき回避宇宙物体69であると決定する。
図25は、本実施の形態に係る宇宙物体がメガコンステレーションに属するか否かといった条件に基づく回避決定処理のフロー図である。
図25は、宇宙物体がメガコンステレーションに属するか否かといった条件により、回避宇宙物体69を決定する処理の例である。図25の処理をM2処理とする。
ステップS301において、回避決定部150は、宇宙物体Aがメガコンステレーションに属するか否かを判定する。具体的には、回避決定部150は、図11に示す軌道予報情報51の宇宙物体ID511を用いて、宇宙物体がメガコンステレーションに属するか否かを判定する。例えば、衝突回避支援装置100が、宇宙物体IDと宇宙物体の管理事業者を対応付けた管理テーブルを有していてもよい。回避決定部150は、宇宙物体IDを用いて、管理テーブルから宇宙物体の管理事業者を取得し、宇宙物体がメガコンステレーションに属するか否かを判定してもよい。
ステップS301において、宇宙物体Aがメガコンステレーションに属する場合、ステップS302において、回避決定部150は、宇宙物体Bがメガコンステレーションに属するか否かを判定する。
ステップS302において、宇宙物体Bがメガコンステレーションに属する場合、宇宙物体Aと宇宙物体Bとがともにメガコンステレーションに属する。このとき、ステップS303において、回避決定部150は、宇宙物体Aと宇宙物体Bは衝突しないと判定する。
ステップS301において、宇宙物体Aがメガコンステレーションに属さない場合、ステップS305において、回避決定部150は、宇宙物体Bがメガコンステレーションに属するか否かを判定する。
ステップS305において、宇宙物体Bがメガコンステレーションに属する場合、宇宙物体Aがメガコンステレーションに属さず、宇宙物体Bがメガコンステレーションに属する。このとき、ステップS306において、回避決定部150は、メガコンステレーションに属する宇宙物体Bが回避運用すべき回避宇宙物体69であると決定する。
ステップS305において、宇宙物体Bがメガコンステレーションに属さない場合、宇宙物体Aと宇宙物体Bがともにメガコンステレーションに属さない。このとき、ステップS307において、回避決定部150は、個別調整を行う事例であるため、回避宇宙物体69を決定しない。
ステップS302において、宇宙物体Bがメガコンステレーションに属さない場合、宇宙物体Aがメガコンステレーションに属しており、宇宙物体Bがメガコンステレーションに属さない。このとき、ステップS304において、回避決定部150は、メガコンステレーションに属する宇宙物体Aが回避運用すべき回避宇宙物体69であると決定する。
図26は、本実施の形態に係る宇宙物体が軌道遷移衛星か否かといった条件に基づく回避決定処理のフロー図である。
図26は、宇宙物体が軌道を遷移している軌道遷移衛星であるか否かといった条件により、回避宇宙物体69を決定する処理の例である。図26の処理をM3処理とする。
ステップS401において、回避決定部150は、宇宙物体Aが軌道遷移衛星か否かを判定する。具体的には、回避決定部150は、図11に示す軌道予報情報51の予報飛行状態515を用いて、宇宙物体が軌道遷移衛星か否かを判定する。
ステップS401において、宇宙物体Aが軌道遷移衛星の場合、ステップS402において、回避決定部150は、宇宙物体Bがメガコンステレーションに属するか否かを判定する。
ステップS402において、宇宙物体Bがメガコンステレーションに属する場合、ステップS403において、回避決定部150は、メガコンステレーションに属する宇宙物体Bが回避運用すべき回避宇宙物体69であると決定する。
ステップS401において、宇宙物体Aが軌道遷移衛星でない場合、ステップS404において、回避決定部150は、宇宙物体Bがメガコンステレーションに属するか否かを判定する。
ステップS404において、宇宙物体Bがメガコンステレーションに属する場合、ステップS405において、回避決定部150は、宇宙物体Bが軌道遷移衛星か否かを判定する。
ステップS405において、宇宙物体Bが軌道遷移衛星である場合、宇宙物体Aが軌道遷移衛星ではなく、宇宙物体Bがメガコンステレーションに属する軌道遷移衛星である。このとき、ステップS406において、回避決定部150は、宇宙物体Aが回避運用すべき回避宇宙物体69であると決定する。
ステップS402において、宇宙物体Bがメガコンステレーションに属さない場合、宇宙物体Aは軌道遷移衛星であり、宇宙物体Bはメガコンステレーションに属さない。このとき、ステップS407において、回避決定部150は、個別調整を行う事例であるため、回避宇宙物体69を決定しない。
ステップS404において、宇宙物体Bがメガコンステレーションに属さない場合、宇宙物体Aが軌道遷移衛星ではなく、宇宙物体Bがメガコンステレーションに属さない。このとき、ステップS407において、回避決定部150は、個別調整を行う事例であるため、回避宇宙物体69を決定しない。
ステップS405において、宇宙物体Bがメガコンステレーションに属するが軌道遷移衛星ではなく、宇宙物体Aは軌道遷移衛星ではない。このとき、ステップS407において、回避決定部150は、個別調整を行う事例であるため、回避宇宙物体69を決定しない。
図27は、本実施の形態に係る宇宙物体が衝突回避機能を有するか否かといった条件に基づく回避決定処理のフロー図である。
図27は、宇宙物体が軌道を遷移している衝突回避機能を有するか否かといった条件により、回避宇宙物体69を決定する処理の例である。図27の処理をM4処理とする。
ステップS501において、回避決定部150は、宇宙物体Aが衝突回避機能を有するか否かを判定する。具体的には、回避決定部150は、図11に示す軌道予報情報51の宇宙物体ID511を用いて、宇宙物体が衝突回避機能を有するか否かを判定する。例えば、衝突回避支援装置100が、宇宙物体IDと宇宙物体の機能を対応付けた管理テーブルを有していてもよい。回避決定部150は、宇宙物体IDを用いて、管理テーブルから宇宙物体の機能を取得し、宇宙物体が衝突回避機能を有するか否かを判定してもよい。
ステップS501において、宇宙物体Aが衝突回避機能を有する場合、ステップS502において、回避決定部150は、宇宙物体Bが衝突回避機能を有するか否かを判定する。
ステップS502において、宇宙物体Bが衝突回避機能を有する場合、ステップS503において、回避決定部150は、宇宙物体Aが密集軌道に侵入するか否かを判定する。具体的には、回避決定部150は、図11に示す軌道予報情報51の予報飛行状態515を用いて、宇宙物体が衝突回避機能を有するか否かを判定する。
ステップS503において、宇宙物体Aが密集軌道に侵入する場合、宇宙物体Aが衝突回避機能を有し、かつ、密集軌道に侵入する。よって、ステップS504において、回避決定部150は、衝突回避機能を有し、かつ、密集軌道に侵入する宇宙物体Aが回避運用すべき回避宇宙物体69であると決定する。
ステップS501において、宇宙物体Aが衝突回避機能を有さない場合、ステップS505において、回避決定部150は、宇宙物体Bが衝突回避機能を有するか否かを判定する。
ステップS505において、宇宙物体Bが衝突回避機能を有する場合、ステップS506において、回避決定部150は、宇宙物体Bが密集軌道を定常運用中か否かを判定する。
ステップS506において、宇宙物体Bが密集軌道を定常運用中でない場合、ステップS507において、回避決定部150は、衝突回避機能を有する宇宙物体Bが回避運用すべき回避宇宙物体69であると決定する。
ステップS502において、宇宙物体Bが衝突回避機能を有さない場合、処理はステップS506に進む。
また、ステップS503において、宇宙物体Aが密集軌道に侵入しない場合、処理はステップS507に進む。
ステップS505において、宇宙物体Bが衝突回避機能を有さない場合、ステップS509において、回避決定部150は、回避決定部150は、デブリ除去事業者に除去要請をするか否かを判定する。
ステップS509において、デブリ除去事業者に除去要請をしない場合、ステップS510において、回避決定部150は、放置と判断し、回避宇宙物体69を決定しない。
ステップS509において、デブリ除去事業者に除去要請をする場合、ステップS508において、回避決定部150は、個別調整が必要なため、回避宇宙物体69を決定しない。
ステップS506において、宇宙物体Bが密集軌道を定常運用中である場合、処理はステップS508に進む。
回避決定部150は、回避宇宙物体69を通知する回避物体通知403を出力する。具体的には、回避決定部150は、回避宇宙物体69が決定されると、回避宇宙物体69を通知する回避物体通知403を出力する。また、回避決定部150は、回避宇宙物体69に対応する管理事業者の管理事業装置40に、回避物体通知403を送信してもよい。
なお、個別調整あるいは適用外との判定により回避宇宙物体69を決定しない場合は、回避決定部150は、回避物体通知403に回避宇宙物体69を決定しない旨を含めて出力してもよい。
図28は、本実施の形態に係る回避決定処理のまとめの一例である。
図22から図27に示した回避決定処理の例示の根拠は、以下の可能性を克服しつつ適切な回避宇宙物体69を決定することにある。
・メガコンステレーションにおいて衝突が発生すると連鎖するリスクがある。
・LEO太陽同期LST10:30近傍あるいは極域といったエリアは複数事業者の多数衛星が密集する領域であり、衝突が発生すると連鎖するリスクがある。
・メガコンステレーションの高精度軌道情報はメガコンステレーション事業者が保有しており、予報値として公開されるとは限らない。
・ロケット打ち上げ事業者、静止衛星を静止トランスファー軌道(GTO)近地点から静止軌道まで軌道遷移する事業者は、メガコンステレーションと衝突するリスクがあるが、危険領域通過タイミングを任意に選択できるとは限らない。
・密集軌道の複数の事業者が連携せずに回避行動をとった場合、回避した先で衝突するリスクがある。
・密集軌道の中には衝突回避行動の機能を具備しない衛星が含まれる可能性がある。
<機械学習処理>
次に、機械学習部160が、回避決定部150の決定結果を用いた機械学習により、回避決定部150のアルゴリズムを更新する機械学習処理について説明する。
機械学習部160による機械学習処理の具体例は以下の通りである。
機械学習部160は、M1処理からM4処理の結果が同一であれば、アルゴリズムを確定する。また、機械学習部160は、M1処理からM4結果の処理結果が矛盾する場合は個別調整する。
図29は、本実施の形態に係る機械学習処理における入力情報の例である。
機械学習部160は、将来発生する個別調整の内容、判断過程と判断結果に応じて、将来フローチャートを改変する際に追加すべき判断プロセスとするため、AI機械学習し、M1処理からM4処理の実施順序を最適化、新たな判断クライテリアを追加、および、
フローチャートの流れを最適化といった処理を実施する。
<衛星コンステレーション形成システムによる回避行動処理>
ここで、衝突回避支援装置100aから出力された回避物体通知403を取得した際の、衛星コンステレーション形成システム600について説明する。
衛星コンステレーション形成システム600は、例えば、メガコンステレーションを形成する。衛星コンステレーション形成システム600は、衝突回避支援装置100aから出力された回避物体通知403に基づいて、回避宇宙物体69がメガコンステレーションに含まれる衛星である場合に、回避宇宙物体69の回避行動を実施する。
具体的には、図5,7,8に記載の衛星コンステレーション形成部が、回避宇宙物体69として通知された衛星が回避行動を実施するための軌道制御コマンド55を生成する。そして、衛星コンステレーション形成部が、衛星に軌道制御コマンド55を送信する。
ここで、メガコンステレーションに対して衝突警報ないし接近警報が発令された場合のアルゴリズムの一例を以下に示す。例えば、軌道制御コマンドを生成する衛星コンステレーション形成部のアルゴリズムである。
入力条件として、以下の情報を設定する。
・コンステレーション稼働中の軌道高度の通過有無
・当該軌道高度に対する入射角度
・衝突相手、ないし接近相手の情報
上記の情報を入力条件として設定することにより、以下の判断基準に基づき回避行動をとるべきか否か、および回避行動をとるべき主体が判断結果として出力される。
個別判断事項の判断根拠としては以下の通りである。
・メガコンステレーションでは膨大な警報が発令されることが予見されており、全ての警報に対して回避行動をとることは困難である。
・メガコンステレーションを構成する一部の衛星が回避行動をとった場合に、別の衛星に衝突するリスクがある。
・回避行動をとる場合のリスクと回避行動をとらない場合のリスクを比較して、回避行動実施有無を判断する必要がある。
・メガコンステレーション事業者だけが高精度軌道情報予報値を持ち、非公開とした場合に、精度の高い衝突予測解析はメガコンステレーション事業者だけが実施できる。
・メガコンステレーション事業者によるリスク分析結果と回避行動実施有無の方針を衝突対象のステークホルダーと情報共有する必要がある。
・アルゴリズムによる1次判断結果を覆して、代替提案をする可能性がある。
図48および図49は、本実施の形態に係る衝突回避のアルゴリズムを機械学習効果により更新する処理を示すフロー図である。
衝突回避支援装置100aでは、衝突回避のアルゴリズムを機械学習効果により更新する。
プロセスが確立するまでは、ステークホルダー同士の意見調整が必要となるため、計算機に実装するアルゴリズムはこの一部となる。将来のステークホルダー間対応方針調整の内容、および、判断過程と判断結果に応じて、将来フローチャートを改変する際に追加すべき判断プロセスとするため、機械学習する。機械学習により、M1処理からM4処理の実施順序を最適化、新たな判断クライテリアの追加、および、フローチャートの流れの最適化を実施する。
メガコンステレーション事業者は、日々対応しきれないほど多数の衝突警報が発令される状況下において、「衝突するリスクがあっても回避行動をとらない」という結論を出す可能性がある。衝突する相手方の立場では、メガコンステレーション事業者側が回避行動をとるべきと断固譲らない可能性もある。この場合、その都度合議制で意見調整して結論を出すことになる可能性が高い。このような矛盾する意見の調整結果が多数例蓄積することにより、結論に至るまでの判断プロセスに新しいパターンができてくる可能性がある。このような判断プロセスの新しいパターンを機械学習することにより、処理の流れの改変ないしは追加をすることができる。
本実施の形態では、以下のような機能を実現する衝突回避支援プログラムについて説明した。
衝突回避支援プログラムは、複数の宇宙物体における宇宙物体同士が衝突する前に、軌道予報情報に基づき危険予想物体の存在を識別して危険警報を出力する危険警報出力処理をコンピュータに実行させる。危険警報出力処理は、複数の宇宙物体のうち宇宙物体Aと宇宙物体Bが衝突した場合に予め徴収した保険料から保険金を支払う宇宙保険プログラムの保険事業者と、複数の宇宙物体の少なくともいずれかを管理する宇宙物体管理事業者に、危険警報を出力する。
衝突回避支援装置は、軌道予報情報を含む宇宙情報レコーダーを具備する。
危険警報出力処理は、宇宙情報レコーダーの具備する軌道予報情報に基づいて、危険予想物体が存在するか否かを判定し、危険予想物体が存在すると判定されると、危険警報を出力する。
衝突回避支援プログラムは、危険警報が出力されると、回避宇宙物体を決定する回避宇宙物体決定処理をコンピュータに実行させる。回避宇宙物体決定処理は、宇宙情報レコーダーの具備する軌道予報情報に基づいて、危険予想物体に含まれる宇宙物体のうち回避運用を行う回避宇宙物体を決定する。
***本実施の形態の効果の説明***
本実施の形態に係る衝突回避支援装置では、危険予想物体である複数の宇宙物体の各々の管轄権保有者に対して、回避行動をとるべき宇宙物体を識別した根拠と結果を示し、回避行動を要請、支援することができる。よって、本実施の形態に係る衝突回避支援装置によれば、宇宙物体の衝突を適切に回避できるという効果がある。
***他の構成***
<変形例>
衝突回避支援システムは、複数の宇宙物体を管理する管理事業者により利用される管理事業装置から取得した宇宙物体情報を記録する宇宙情報レコーダーから宇宙物体情報を取得し、複数の宇宙物体のうちの宇宙物体同士の衝突回避を支援する。
本実施の形態に係る衝突回避支援システムは、宇宙情報レコーダーにより取得された宇宙物体情報を格納するデータベースと、衝突回避を実行する衝突回避事業者を決定する回避事業者決定手段を具備するサーバとを備えていてもよい。サーバは、プロセッサあるいは電子回路といったプロセッシングサーキットリにより、以下の段階(手段あるいは部ともいう)を実現する。
データベースは、具体的には、メモリ、補助記憶装置、あるいは、ファイルサーバでもよい。サーバは、具体的には、衝突回避支援装置である。また、回避事業者決定手段の具体例は、回避決定部である。データベースはサーバに備えられていてもよいし、サーバとは別の装置でもよい。
サーバは、以下の段階を備える。
・複数の宇宙物体に含まれる宇宙物体Aと宇宙物体Bの衝突が予見されたことを宇宙情報レコーダーから通知を受ける段階。
・衝突が予見される推定時刻ないし時間帯と、宇宙物体Aの軌道予報情報と、宇宙物体Bの軌道予報情報を宇宙情報レコーダーから取得する段階。
・当該推定時刻ないし時間帯における衝突警報または接近警報である危険警報を宇宙物体Aの事業者と、宇宙物体Bの事業者と、デブリ除去事業者との全て、または一部に通報する段階。
・衝突回避事業者を選定する段階。
・選定された衝突回避事業者に衝突回避行動を要請する段階。
宇宙物体情報は、宇宙物体の衝突回避機能の有無を示す情報を含む。
回避事業者決定手段は、宇宙物体Aまたは宇宙物体Bの一方が衝突回避機能を具備している場合に、衝突回避機能を具備する宇宙物体を管理する管理事業者を衝突回避事業者として選定する。
また、回避事業者決定手段は、宇宙物体Aと宇宙物体Bの両方が衝突回避機能を具備している場合に、定常運用物体か非定常宇宙物体かを評価指標として衝突回避事業者を選定する。
また、回避事業者決定手段は、宇宙物体Aと宇宙物体Bの両方が衝突回避機能を具備している場合に、メガコンステレーション衛星か否かを選定の評価指標として衝突回避事業者を選定する。
また、回避事業者決定手段は、宇宙物体Aと宇宙物体Bの両方が衝突回避機能を具備していない場合に、デブリ除去事業者を衝突回避事業者として選定する。
宇宙物体情報は、過去の宇宙衝突事故の履歴を含む。
回避事業者決定手段は、過去の宇宙衝突事故における衝突回避事業者の決定経緯における評価指標を選定の評価指標に追加し、衝突回避事業者を選定する。
宇宙情報レコーダーは、軌道予報情報と、宇宙物体の飛行の実績値を示す軌道実績情報とを含む。
サーバは、軌道予報情報と軌道実績情報の差分に応じて事故責任と保険金査定をする保険金支払いシステムを適用する宇宙保険事業者に対して、衝突警報または接近警報である危険警報を通報する段階を備える。
ステークホルダーに対して、事故責任軽減努力を促し、衝突回避できるという効果がある。
データベースは、宇宙情報レコーダーによりロケット打上げ事業者から取得された宇宙物体Cの打上げ予定時刻と打上げ予報情報とを宇宙情報レコーダーから取得する。
サーバは、以下の段階を備える。
・当該打上げ予定時刻情報における打上げ予報情報を宇宙物体Cが衝突するリスクのあるメガコンステレーション衛星を管理するメガコンステレーション事業者に通報する段階。・回避事業者決定手段が、メガコンステレーション事業者に対して衝突回避行動の要請、またはロケット打上げ時の衝突回避に必要な情報提供を要請する段階。
・宇宙物体Cが衝突するリスクのあるメガコンステレーション衛星の宇宙物体情報を前記ロケット打上げ事業者に通報する段階。
データベースは、宇宙情報レコーダーにより軌道遷移衛星事業者から取得された宇宙物体Dの軌道遷移予定時刻と遷移予報情報とを宇宙情報レコーダーから取得する。
サーバは、以下の段階を備える。
・当該軌道遷移予定時刻における遷移予報情報を、宇宙物体Dが衝突するリスクのあるメガコンステレーション衛星を管理するメガコンステレーション事業者に通報する段階。
・前記回避事業者決定手段が、前記メガコンステレーション事業者に対して衝突回避行動の要請、または軌道遷移時の衝突回避に必要な情報提供を要請する段階。
・宇宙物体Dが衝突するリスクのあるメガコンステレーション衛星の宇宙物体情報を軌道遷移衛星事業者に通報する段階。
データベースは、宇宙情報レコーダーによりデオービットする衛星事業者、またはデブリ回収事業者から取得された宇宙物体Eのデオービット予定時刻とデオービット予報情報とを宇宙情報レコーダーから取得する。
サーバは、以下の段階を備える。
・当該デオービット予定時刻におけるデオービット予報情報を、宇宙物体Eが衝突するリスクのあるメガコンステレーション衛星を管理するメガコンステレーション事業者に通報する段階。
・回避事業者決定手段が、メガコンステレーション事業者に対して衝突回避行動の要請、またはデオービット時の衝突回避に必要な情報提供を要請する段階。
・宇宙物体Eが衝突するリスクのあるメガコンステレーション衛星の宇宙物体情報をデオービットする衛星事業者、またはデブリ回収事業者に通報する段階。
サーバは、ロケット打上げ時の衝突リスクが予見された場合に契約できる保険金支払いシステムを運用する宇宙保険事業者に対して、打上げ予報情報を通報する段階を備える。
また、サーバは、軌道遷移時の衝突リスクが予見された場合に契約できる保険金支払いシステムを運用する宇宙保険事業者に対して、遷移予報情報を通報する段階を備える。
また、サーバは、宇宙物体デオービット時の衝突リスクが予見された場合に契約できる保険金支払いシステムを運用する宇宙保険事業者に対して、デオービット予報情報を通報する段階を備える。
これにより、ステークホルダーに対して、事故責任軽減努力を促し、衝突回避できるという効果がある。
また、サーバは、ロケット打上げ時の飛行安全を確保できる前記打上げ時刻情報を提供する段階を備える。
また、サーバは、軌道遷移時の飛行安全を確保できる前記遷移予報情報(遷移時刻情報)を提供する段階を備える。
また、サーバは、デオービット時の飛行安全を確保できる前記デオービット予報情報(デオービット時刻情報)を提供する段階を備える。
実施の形態3.
本実施の形態では、主に、実施の形態1,2と異なる点について説明する。なお、実施の形態1,2と同様の構成には同一の符号を付し、その説明を省略する場合がある。
本実施の形態では、宇宙を飛行する複数の宇宙物体における宇宙物体同士の衝突による損害を補償する宇宙保険の運用を支援する宇宙保険支援システム550および宇宙保険支援装置200について説明する。
***構成の説明***
図30は、本実施の形態に係る宇宙保険支援システム550および宇宙保険支援装置200の構成図である。
宇宙保険支援装置200は、機能要素として、責任評価部210と保険料評価部220と記憶部230を備える。記憶部230には、宇宙情報レコーダー50と警報発令情報141が記憶されている。
責任評価部210と保険料評価部220の機能は、ソフトウェアにより実現される。記憶部230は、メモリ921に備えられる。あるいは、記憶部230は、補助記憶装置922に備えられていてもよい。また、記憶部230は、メモリ921と補助記憶装置922に分けられて備えられてもよい。
宇宙保険支援装置200のハードウェア構成については、実施の形態1の衝突回避支援装置100と同様である。また、本実施の形態に係る宇宙保険支援プログラムは、責任評価部210と保険料評価部220の機能を実現するプログラムである。すなわち、本実施の形態に係る宇宙保険支援プログラムは、責任評価処理と保険料評価処理をコンピュータに実行させる。
***動作の説明***
図31を用いて、本実施の形態に係る宇宙保険支援装置200による宇宙保険支援処理について説明する。
<宇宙保険支援処理:S200>
ステップS21において、責任評価部210は、軌道予報情報51に基づいて生成される危険警報25が発令されていないときに、危険予想物体65同士が衝突した場合、事故責任および損害賠償責任を評価する。責任評価部210は、危険予想物体65の各々における軌道の予報値と、危険予想物体65の各々における軌道実績値とに基づいて、事故責任および損害賠償責任を評価する。
具体的には、責任評価部210は、危険予想物体65の各々の宇宙物体を保有する管理事業者に対し、事故責任および損害賠償責任を評価する。責任評価部210は、軌道予報情報51と軌道実績値が設定された軌道実績情報52とを含む宇宙情報レコーダー50に基づいて、事故責任および損害賠償責任を評価する。
ステップS22において、保険料評価部220は、予報誤差514に基づいて、複数の宇宙物体の各々を管理する管理事業者における保険料を評価する。具体的には、保険料評価部220は、予報誤差514が少ないほど保険料率が低額となるように、管理事業者における保険料を評価する。
なお、ステップS21とステップS22の順番は問わない。ステップS21とステップS22の順番を逆にしてもよいし、ステップS21とステップS22を並行して実施してもよい。
以下に、宇宙保険支援処理の具体例について説明する。
<宇宙保険201について>
本実施の形態に係る宇宙保険支援装置200が支援する宇宙保険201は、衝突した宇宙物体の軌道実績を判断根拠として、事故発生の責任と損害賠償の責任を判断し、保険料で損害を賄う保険である。特に、宇宙保険201は、宇宙物体の軌道の予報値が軌道予報情報51として公開され、相互に衝突が発生しないことを予見できるにも関わらず衝突事故が発生した場合に、事故発生の責任と損害賠償の責任を判断し、保険料で損害を賄う保険である。
図32は、管理事業者の情報公開例および管理事業者に対応する宇宙保険の例を示す図である。
宇宙空間における事業のステークホルダーとして、管理事業者は衛星事業者とロケット事業者に大別される。
メガコンステレーション事業者は、天空網羅的に衛星を配備する。メガコンステレーション事業者には、高度1000km以上に数百から数千機の衛星を配備する構想を持つ事業者、あるいは、軌道高度300kmから600km程度に数機の衛星を配備する構想を持つ事業者が存在する。
また、低軌道の特定軌道面で複数の地球観測衛星を運用するLEOコンステレーション事業者も存在する。また単機の衛星で商業活動をする衛星事業者も存在する。また、デブリ回収を目的とするデブリ回収事業者も登場する予定である。
これら管理事業者が保有する宇宙物体は、相互に衝突するリスクがある。特に、軌道投入段階、あるいは、ミッション終了後の軌道離脱時といった非定常運用途中において衝突するリスクが高い。また静止衛星を静止軌道に投入する事業者はロケット打ち上げ後に自衛星の具備する推進装置により静止軌道まで遷移するため、この過程で途中の軌道の衛星と衝突するリスクがある。
これらの事業者間で予め保有する宇宙物体の時刻と軌道情報の予報値を公開し、相互に衝突が発生しないことを予見できることは衝突回避対策として有効である。一方、不幸にも衝突事故が発生した場合に、予報値に対する軌道暦実績を判断根拠として、一方の予報値から逸脱して、当初の予報通りに運用した物体に衝突した証拠を明確にできれば、事故発生と損害賠償の責任を明確化する上で有効である。損害を費用面で賄う手段として宇宙保険の保険料で賄う手段が有効である。
<宇宙情報レコーダー50について>
宇宙保険201では、宇宙物体の時刻と軌道情報の予報値を公開情報とする軌道予報情報51と、軌道実績情報52とを含む宇宙情報レコーダー50を、宇宙保険適用における証拠資料とする。
航空機事故の検証目的のため、航空機にはボイスレコーダーが搭載されている。また、自動車事故の検証および証拠資料とする目的のため、自動車にはドライブレコーダーが装備される。
軌道高度600km以下程度の低軌道高度に構築された数千機に及ぶ多数衛星を有する衛星コンステレーションは、新規ロケット打ち上げ時に衝突するリスクが高い。このため、ボイスレコーダーおよびドライブレコーダーと類似の目的のため、衛星ドライブレコーダーとも呼ぶべき「宇宙情報レコーダー」が必要になると考えられる。
航空機事故と衛星衝突の相違として、航空機事故は爆発的な事故であっても事故後に搭載機器を回収できる可能性があるため、ボイスレコーダーは爆発にも耐えられる堅牢性を有して設計されている。また航空機では操縦者が存在するので、計測器類の情報のみならず、操縦者の音声を記録することにより、計器類の異常の有無を含めて、事故後に検証できるよう音声記録が残る仕組みとなっている。これに対して衛星衝突では、事故後に搭載機器は宇宙空間に散逸して回収することは困難であり、また操縦者が存在しない。このため、音声記録は不要であり、搭載計測器類のデータの記録が主たる目的で、取得後迅速に地上ないしは別の衛星にデータ伝送して、衝突事故発生直前までのデータが別の場所に格納されている必要がある。
自動車事故と衛星衝突の相違として、自動車のドライブレコーダーは事故責任の所在を検証ないし証拠資料とするために、事故発生時の自動車の動作状況および周囲の状況を記録することに主眼がおかれている。仮に正面衝突事故が発生した場合に、事故発生位置情報が記録されていれば、事故が発生した車線が検証でき、事故責任の所在も明確化しやすい。一方で、事前に自己の未来予報情報を伝達する目的は有していない。また運転者の過失責任という概念が存在するため、責任の所在の明確化と損害賠償の証拠資料としての有効性も高い。これに対して、衛星衝突においては、現状では車線に相当する概念が存在せず、運転者も存在しないため、衛星衝突の過失責任を問われることはなく、加害者と被害者という概念も存在してこなかった。
現状では衝突事故発生時の責任の所在および損害賠償責任について国際的なルールは確定していない。しかし、将来の衝突事故回避の手段として、予め宇宙物体に係るステークホルダー同士で宇宙物体の軌道予報値を共有し、衝突リスクが予見される場合には回避対策を講じるのが合理的である。回避対策としては、衝突が予見される当事者のどちらかが回避行動をとるのが有効であり、双方共に回避行動をとる場合は相互連携が必須である。双方が自立的衝突回避運用を実施した結果として、衝突するリスクは回避すべきである。また衝突回避運用をした場合に、別の衛星に衝突するリスクを回避することも重要である。
衝突回避の措置をとったにも関わらず、衝突事故が発生した場合に、衛星側が公開した予測軌道を逸脱したのが原因であるか否かの識別が重要である。よって、宇宙情報レコーダーの軌道履歴情報は客観証拠として重要となる。
図33および図34は、本実施の形態に係る保険料評価処理および責任評価処理の具体例の一部を示す図である。
<保険料評価処理の具体例1>
保険料評価部220は、予報誤差514が少ないほど保険料率が低額となるように、管理事業者における保険料を評価する。
宇宙物体の軌道予報値には時刻誤差および位置推定誤差が含まれている。衛星は概ね秒速7kmから10km程度で飛翔しているため、衛星進行方向の時刻誤差に伴う距離が大きくなる。これを幾何学的に表現すると宇宙物体を中心に据えて楕円錐上の空間ができ、これを誤差バブルと呼んでいる。図15の誤差範囲502は誤差バブルの例である。
位置推定誤差は、自衛星が具備するGPS受信といった計測データ、あるいは、地上設置望遠鏡からの測距データといった様々な原因があり、誤差量も多様である。通常衛星事業者は自己の保有する衛星については精度の高い予報値および軌道暦実績を保有している。そして、外部の事業者および地上からの計測情報を配信するSSA事業者の保有する軌道情報の精度は誤差が大きい。
軌道予報値により衝突リスクを予見する際に、誤差量の大きい大きな誤差バブル同士は接触する可能性が大きいため衝突リスクが高い。また、図33の上段に示すように、誤差量が小さければ衝突リスクも小さい。また、誤差量が小さいほど、軌道予報値と軌道暦実績の相違が小さい。また万が一推定誤差量が小さい事業者の軌道暦実績がこれを逸脱した場合は、保険事業者の免責になる可能性もある。
このため保険事業者にとって、推定誤差量が小さい事業者ほど事故原因となるリスクが低いため保険料率を低額に設定するのは合理的である。
<保険料評価処理の具体例2>
保険料評価部220は、軌道予報情報51と、危険予想物体65の各々の軌道実績値を含む軌道実績情報52とに基づいて、軌道の予報値と軌道実績値との差異が小さいほど保険料率が低額となるように保険料を評価する。
予報誤差514は、管理事業者の自己申告値である。複数の管理事業者間で評価基準が多用になるため、保険料率における客観的な妥当性を評価する別の手段も有効である。予報値と軌道暦実績の差異について、過去実績を統計的に分析すれば、予報値に含まれる誤差量に関して客観的な評価が可能であり、保険料率設定における公平性担保に有効である。
<保険料評価処理の具体例3>
保険料評価部220は、軌道の予報値と前記軌道実績値との差異が小さいほど支払われる保険金が高額となるように保険金を評価する。
予報値では衝突リスクのなかった宇宙物体が衝突した場合、予報値と軌道暦実績の差異が存在することになる。しかし、この差異が小さいほど衝突事故の責任が軽いと判断するのは合理的である。100対0の加害者と被害者の事故責任判定ができず、双方になにがしかの責任はあるものの、偶発性も否定しきれず、保険金を支払う必要がある場合には、予報値と軌道暦実績の差異が小さいほど支払われる保険金が高額となるのが合理的である。
<責任評価処理の具体例1>
責任評価部210は、軌道の予報値と軌道実績値との差異が小さいほど、衝突発生時の事故責任および損害賠償責任が軽減されるように、事故責任および損害賠償責任を評価する。つまり、宇宙保険201では、宇宙情報レコーダーの予報値と軌道暦実績の差異が小さいほど衝突事故発生時の事故責任および損害賠償責任の軽減判断根拠となる。
国際的なSTMのルールが確立されていない状況下において事故責任および賠償責任を明確化する必要がある場合の客観指標として有効である。
<責任評価処理の具体例2>
責任評価部210は、軌道の予報値により、予め衝突事故が予見できたにも関わらず発生した事故を免責条項とするように、事故責任および損害賠償責任を評価する。
衝突事故の予見については、各事業者の自己努力に加えて、SSA事業者が衝突警報を発令する手段も有効である。
予見された衝突を回避しない事業者は安全確保義務違反であり、保険事業者にとって免責とするのが合理的である。
予報値の推定誤差量が大きい事業者が多数衛星を保有する場合は、衝突警報が頻発することとなり、回避運用をしない場合には衝突しても保険金が支払われない仕組みなので、事業者の予報値精度向上努力を促す効果があり、結果として衝突警報を減らす効果がある。
<責任評価処理の具体例3>
責任評価部210は、ロケット打ち上げ事業を行うロケット打ち上げ業者を被保険者とする第三者賠償責任保険において、衝突事故の当事者のみを損害賠償対象とし、高次被害は免責とするように、事故責任および損害賠償責任を評価する。
高度600km以下に構成される数千機規模のメガコンステレーションでは、衝突事故に伴い飛散した残骸が、同一軌道面、近傍高度、あるいは近傍軌道面を飛翔する他衛星に衝突することが容易に想定できる。よって、玉突き事故発生に伴う高次被害は偶発的と断言できない。また、被害総額が青天井となるリスクがあり、高次被害を打ち上げ第三者賠償責任保険の免責とする妥当性があり、かつ損害総額規模が想定できる規模に収まるので、宇宙保険制度のサステイナビリティ確保に効果がある。
ここで、極域を通過する軌道高度約340kmの軌道面を40面有し、各軌道面に60機の衛星を配備した合計2400機のコンステレーションを仮定する。全衛星が極域を通過するため、これを時分割で衝突可否するためには、全衛星に対して極めて厳格なタイミング管理をする必要がある。高度340kmの衛星周回数は約15.7周であり、1周約90分、衛星速度約7.7km/secであり、一軌道面の衛星間距離は約700kmなので特定軌道面の衛星が通過してから後続衛星が再訪するまでの待ち時間が約90秒である。この間に40面の衛星を通過させるためには90秒/40面で約2秒である。これは衛星開発の技術レベルからみて極めて厳しい管理要求であり、誤差要因に軌道上不慮の不具合により衝突する可能性が十分にある。
上記は極軌道、即ち軌道傾斜角90度の例であり、現実的は軌道傾斜角が90度以外となることにより極域の集中は回避できる。しかし、例えば軌道傾斜角50度程度になると高緯度のみならず中緯度において軌道面同士の多数の交差点が存在することになり、全ての交差点において通過タイミングがずれれば、衝突するリスクが存在する。
これほど厳格な運用タイミング管理を必要とするメガコンステレーションにおいて、衝突に伴い軌道誤差が発生すれば、衝突が連鎖する可能性は十分に高い。また衝突に伴い飛散した残骸は多様な速度と方向で散逸するので、近傍に数千機の衛星が密集する領域で衝突事故が発生すれば、高次被害が発生することは容易に類推できる。
<責任評価処理の具体例4>
責任評価部210は、衝突に起因して飛散した残骸による高次被害を寿命保険または軌道上賠償責任保険で賄うように、事故責任および損害賠償責任を評価する。
概略円軌道で定常運用する衛星に対して、同一軌道面に楕円軌道など円周率の異なる軌道条件で非定常的に侵入する、ロケット打ち上げ時のロケットあるいはデブリ回収衛星は衝突事故を起こすリスクがある。衝突発生時には応分の責任を有するものの、飛散した残骸による高次被害において、メガコンステレーションのような密集状況が原因である場合には、損害賠償を打ち上げ保険あるいは打ち上げ第三者損害賠償保険で賄うのは合理的とは言い難い。したがって高次被害については当該衛星の寿命保険ないし軌道上第三者賠償保険で賄うのが合理的である。
<責任評価処理の具体例5>
責任評価部210は、個別衛星または衛星群として寿命保険を支払っている当事者以外を免責とするように、事故責任および損害賠償責任を評価する。
メガコンステレーションでは連鎖的衝突リスクが予め想定されるため、高次被害の損害補償を最初の衝突に全て帰責させるのは合理的でない。
また数千機の衛星を個別に保険対象とするよりも、衛星群として扱うのが合理的な場合がある。
メガコンステレーション事業者が予め連鎖的衝突リスクを認知した上で、保険料を支払い、事故発生時に損害を保険で賄うのであれば、事故発生確率と高次被害予測、支払うべき保険料の総額規模に応じて保険料率を設定できる。よって、宇宙保険制度全体に悪影響を及ぼすことなく保険体系を構築できるという効果がある。
<責任評価処理の具体例6>
図35は、定常運用している宇宙物体と非定常運用している宇宙物体との衝突リスクを示す図である。
責任評価部210は、定常運用している宇宙物体と非定常運用している宇宙物体が衝突した場合、非定常運用している宇宙物体の管理事業者側の事故責任および損害賠償責任を重くするように、事故責任および損害賠償責任を評価する。
軌道上数年から10年以上に至る寿命末期まで継続する衛星の運用を定常運用と呼ぶ。定常運用における衛星軌道は物理現象に依拠した一定の再現性を維持している。また概略円軌道で長期運用する場合が多い。概略円軌道で同一高度を一定の位相間隔を維持して定常運用する衛星群は同一軌道面に同時に数十機飛翔していても衝突は発生しない。
一方で軌道投入に至る過渡状態の軌道、あるいは、ロケット打ち上げといった非定常運用では、同一軌道面に楕円軌道など円周率の異なる軌道条件で非定常的に侵入するため、衝突事故を起こすリスクがある。特に浅い相対角度で軌道面に侵入すると、多数の衛星に対して衝突するリスクがある。このため事故責任と賠償責任を重く設定するという考えに合理性がある。
<責任評価処理の具体例7>
図36は、静止衛星の軌道遷移途中の衛星と定常運用している宇宙物体との衝突リスクを示す図である。
責任評価部210は、静止衛星の軌道遷移途中の衛星と定常運用している宇宙物体が衝突した場合、定常運用している宇宙物体の管理事業者側の事故責任および損害賠償責任を重くするように、事故責任および損害賠償責任を評価する。
静止衛星は通常ロケットで静止トランスファー軌道GTOまで打ち上げられた後に、静止衛星の具備する推進装置を動作させることにより静止軌道まで軌道遷移させる。この際例えば遠地点(アポジ)においてアポジキックモータと呼ばれる化学推進装置を動作させる手法では、動作させるタイミングを任意に選ぶことができないため、静止軌道投入事業者側で衝突回避するのは困難である。またロケット打ち上げ事業者とは異なり、打ち上げ後に時間経過した後の不確定性を含めて、メガコンステレーションの全ての衛星情報を見据えて衝突回避するのは困難である。
メガコンステレーション事業者にとって、静止軌道に投入される衛星が赤道上空で軌道遷移することは自明であり、かつ自律的衝突回避機能の成立性も喧伝されている状況下であるので、衝突回避を帰責させることは合理的である。
<責任評価処理の具体例8>
図37は、打ち上げられたロケットとメガコンステレーションとの衝突リスクを示す図である。
責任評価部210は、軌道高度600km以下に形成される大規模衛星コンステレーションであるメガコンステレーションとの衝突を免責とするように、事故責任および損害賠償責任を評価する。
高度340km近傍の異なる3高度にそれぞれ約2500機の衛星を配備するメガコンステレーション構想が存在するが、ロケット打ち上げ時に衝突回避する制約が大きく、保険事業者にとって過度のリスクになる可能性がある。
例えば仮に高度340km近傍に軌道面約40面、軌道面当たり約60機の衛星を仮定した場合に、同一軌道面の衛星間距離は約700kmで、衛星速度が約7.7kmとすれば約90秒の時間間隔で衛星が再訪することになる。また隣接軌道面が通過してから次の軌道面が再訪するまでの時間は約18分である。また近傍に異なる高度が3種類存在する場合、それぞれの軌道面は同期せずに徐々に経度方向に移動する。この状況下で赤道付近のギアナから打ち上げるロケットでは、3種類の軌道面が行き過ぎてから次の軌道面が再訪するまので間隙をぬって打ち上げる必要があり、時間的な猶予は数分程度のオーダしかない。
この状況下で衝突が発生しても、偶発事故とは言い難いため、免責とするのは合理的である。
この結果、頻発するリスクのある低軌道メガコンステの衝突事故による保険金支払規模増が回避でき、宇宙保険のサステイナビリティが確保できるという効果がある。
<責任評価処理の具体例8>
責任評価部220は、衝突回避運用を実施する機能を具備する宇宙物体同士の衝突事故において、予告なしに衝突回避運用措置をとった場合を免責とするように、事故責任および損害賠償責任を評価する。
宇宙基地あるいは静止軌道衛星では、危険警報に基づき衝突回避運用を実施することが多い。一方で低軌道周回衛星においては、衛星間距離が静止軌道と比較して各段に近距離であるのに加えて、キューブサットのように衝突回避運用する機能を具備しない衛星も存在する。このため、低軌道周回衛星において特定の密集軌道面において危険警報が発令された場合に、周辺衛星との連携なしに1部の衛星が衝突回避運用を実施すると、近傍の別の衛星と衝突するリスクが発生する。
また自律的衝突回避運用手段を具備することを宣言する管理事業者も登場している。周辺衛星との連携なしに自律的回避運用を複数の事業者の衛星が実施した場合に、回避した結果、別の軌道位置で衝突が発生するリスクがある。
よって、責任評価処理の具体例8によれば、保険事業者の契約前提として当該リスク対策を盛り込むことを目的としており、免責事項とするのは合理的な措置の一つである。
免責としない場合は、密集軌道における衝突回避運用に資する国際的なルール作りが必要になる。
実施の形態4.
本実施の形態では、主に、実施の形態1から3と異なる点について説明する。なお、実施の形態1から3と同様の構成には同一の符号を付し、その説明を省略する場合がある。
本実施の形態では、宇宙を飛行する複数の宇宙物体における宇宙物体同士の衝突による損害を補償する宇宙衝突保険202の運用を実行する衝突保険実行装置について説明する。
メガコンステレーション事業者の登場により、宇宙物体の衝突事故が偶発的にではなく、優位な発生率ないしは人為的な判断ミスに起因して発生する可能性が高まっている。宇宙保険は偶発事故を想定しているが、統計的な偶発故障発生確率に比較して発生リスクが著しく高い事故、即ち偶発的とは呼べない衝突事故を対象とする保険が必要になる。例えば航空機に搭乗する際に、当該フライトのみに適用する掛け捨て保険が存在するように、衛星衝突が予見されてから、掛け捨てで加入できる宇宙衝突保険202はビジネスモデルとして有望である。宇宙衝突保険202は宇宙物体衝突保険ともいう。
***構成の説明***
図38は、本実施の形態に係る衝突保険実行システム560および衝突保険実行装置260の構成図である。
衝突保険実行装置260は、機能要素として、保険処理部261と記憶部262を備える。記憶部262には、宇宙情報レコーダー50と警報発令情報141が記憶されている。
保険処理部261の機能は、ソフトウェアにより実現される。記憶部262は、メモリ921に備えられる。あるいは、記憶部262は、補助記憶装置922に備えられていてもよい。また、記憶部262は、メモリ921と補助記憶装置922に分けられて備えられてもよい。
衝突保険実行装置260のハードウェア構成については、実施の形態1の衝突回避支援装置100と同様である。また、本実施の形態に係る衝突保険実行プログラムは、保険処理部261の機能を実現するプログラムである。すなわち、本実施の形態に係る衝突保険実行プログラムは、保険処理部261による保険処理をコンピュータに実行させる。
***動作の説明***
図39を用いて、本実施の形態に係る衝突保険実行装置260による衝突保険実行処理について説明する。
<衝突保険実行処理:S300>
ステップS61において、保険処理部261は、宇宙衝突保険202の運用を実行する。
宇宙衝突保険202は、軌道予報情報51に基づいて、衝突が予見された宇宙物体を保有する管理事業者が加入する。宇宙衝突保険202は、予見された衝突事故が実際に発生した際に保険金が支払われ、衝突の危険を通知する危険警報が発令された危険時間帯を事故なく経過した場合は契約終了となる。
保険処理部261は、危険警報の発令後に、管理事業者が加入できる宇宙衝突保険の運用を実行する。保険処理部261は、大規模衛星コンステレーションであるメガコンステレーションを保有するメガコンステレーション事業者が、衛星群単位で加入でき、衝突事故発生時に保険金を受け取れる宇宙衝突保険202の運用を実行する。また、保険処理部261は、予見された衝突事故に起因する衝突連鎖に伴う高次被害を保険対象とする宇宙衝突保険202の運用を実行する。宇宙衝突保険202では、過去の類似衝突事故の実績に応じて保険料と保険料率が変動する。
以下に、衝突保険実行処理において実行される宇宙衝突保険202の具体例について説明する。
<宇宙衝突保険202の具体例1>
宇宙衝突保険202は、宇宙物体軌道情報予報値に公開情報に基づき、衝突が予見された宇宙物体を保有するステークホルダーが、衝突警報発令後に加入できる宇宙保険である。宇宙衝突保険202は、予見された衝突事故が実際に発生した際に保険金が支払われ、警報が発令された危険時間帯を事故なく経過した場合は契約終了となる。
宇宙衝突保険202は、実施の形態3に記載した打ち上げ保険、寿命保険、打ち上げ第三者賠償保険、軌道上第三者賠償保険において、宇宙物体軌道情報予報値に公開情報に基づき、衝突が予見された宇宙物体を保有するステークホルダーが、衝突警報発令後に加入できる。宇宙衝突保険202は、予見された衝突事故が実際に発生した際に保険金が支払われ、警報が発令された危険時間帯を事故なく経過した場合は契約終了する。
衝突警報といった危険警報は、軌道予報値公開情報に基づきSSA事業者が発令してもよいし、別途宇宙物体衝突回避アドバイスを生業とする事業者が発令してもよい。
衝突発生後に支払われる保険金は「宇宙情報レコーダー」の精密軌道歴実績に基づき、予報値と実績値の誤差が少ない場合に保険金が高くなるよう設定される。
なお衝突警報が発令されているにも関わらず、当事者双方が回避行動をしなかった場合は免責となり保険金は支払われない。
<宇宙衝突保険202の具体例2>
宇宙衝突保険202は、衝突警報が発令されなくても、衝突事故を予見して、アドホックに加入できる宇宙保険である。宇宙衝突保険202は、予見された衝突事故が実際に発生した際に保険金が支払われ、警報が発令された危険時間帯を事故なく経過した場合は契約終了となる。
ロケット打ち上げ時、軌道離脱してデオービット過程の宇宙物体、軌道遷移過程で楕円軌道を飛翔する宇宙物体などは天空網羅的に飛翔するメガコンステレーション衛星と衝突するリスクがある。しかし、予報値が公開されていない場合、あるいは公開されてもSSA事業者あるいは軌道解析サービス事業者が適切なタイミングで衝突警報を出せない可能性がある。この場合衝突警報がなくても事業者の判断でアドホックな保険に加入できることが合理的である。危険軌道を無事通過しの後は契約終了となる。
<宇宙衝突保険202の具体例3>
図40は、本実施の形態に係る宇宙衝突保険202を表す図である。
宇宙衝突保険202は、メガコンステレーション事業者が、衛星群単位で加入でき、衝突警報あるいはアドホックな衝突リスクに起因する衝突事故発生時に保険金を受け取れる。
メガコンステレーション事業者には将来に渡り多数の衝突リスクが予見され、宇宙保険の寿命保険あるいは第三者賠償保険を財源とするか、アドホックな宇宙衝突保険202を財源とするか選択可能である。また数千機の衛星群において個別衛星毎に保険加入するのは非合理的なので、一連のサービスを連携して実施する特定高度の衛星群を一括して保険対象とし、構成要素の個別衛星に対して保険金支払い対象とするのは合理的である。
またアドホックな宇宙衝突保険202を財源とする場合において、ロケットあるいはデオービット過程の宇宙物体などは危険領域通過後に契約終了とするのが妥当であるものの、メガコンステレーション事業者は次々に発生するアドホックな衝突リスクを含めて一括して加入する仕組みがあるのは合理的である。
保険料は衛星群の規模、予見されるアドホックな衝突リスクの頻度、および契約期間に応じて設定されるべきものである。
<宇宙衝突保険202の具体例4>
宇宙衝突保険202は、予め予見されたアドホックな衝突事故に起因する衝突連鎖に伴う高次被害を保険対象とする。
メガコンステレーションの衛星群では、構成要素の単一衛星が、爆裂的に破壊したケース、あるいは、故障して軌道制御能力を喪失したケースにおいて、同一軌道面を飛翔する別衛星ないし近傍軌道を飛翔する別衛星に連鎖的に衝突するリスクがある。破片が多数飛散した場合には長期に渡り拡散し、近傍軌道高度全体をバイオレートするリスクがあり、メガコンステレーション事業者にとって甚大な被害を及ぼす懸念がある。
予め予見されるこれらの高次被害を保険対象とする場合は、メガコンステレーション事業者が高額の保険料を支払うことで、宇宙衝突保険202としては成立する可能性がある。
<宇宙衝突保険202の具体例5>
宇宙衝突保険202は、予め予見されたアドホックな衝突事故に起因する衝突連鎖に伴う高次被害を保険対象としない。
衝突警報の当事者がコンステレーション事業者であった場合に、衝突が発生した1機のみを保険付与対象とし、連鎖事故に伴う損害は不問とする宇宙衝突保険202である。
高次被害を保険対象とする具体例4の宇宙衝突保険202では、高次被害の規模想定が難しく、事故発生後の保険料率の高騰リスク、あるいは保険事業のサステイナビリティそのもののリスクとなる懸念もある。メガコンステレーション事業者側が必要十分な保険料支払いに応じない状況においては、予め予見できる高次被害は免責として保険金支払い対象から除くのが合理的である。
<宇宙衝突保険202の具体例6>
宇宙衝突保険202は、過去の類似衝突事故の実績に応じて保険料と保険料率が変動する。
宇宙衝突保険202では、過去に発生した類似する宇宙物体衝突事故における情報に基づいて、保険料と保険料率が変動する。過去に発生した類似する宇宙物体衝突事故における情報には、宇宙情報レコーダー50の軌道予報情報51と軌道実績情報52、当該事故における損害賠償および訴訟の経緯、類似事故発生頻度、および、保険金支払い実績の過去情報の分析結果といった情報がある。
以上の実施の形態1から4では、衝突回避支援装置、宇宙保険支援装置、および衝突保険運用装置の各部を独立した機能ブロックとして説明した。しかし、衝突回避支援装置、宇宙保険支援装置、および衝突保険運用装置の構成は、上述した実施の形態のような構成でなくてもよい。衝突回避支援装置、宇宙保険支援装置、および衝突保険運用装置の機能ブロックは、上述した実施の形態で説明した機能を実現することができれば、どのような構成でもよい。また、衝突回避支援装置、宇宙保険支援装置、および衝突保険運用装置の各々は、1つの装置でも、複数の装置から構成されたシステムでもよい。
***他の構成***
<変形例>
ここで、実施の形態3,4における変形例について説明する。
宇宙保険支援システムおよび衝突保険実行システムは、保険金支払いシステムともいう。
保険金支払いシステムは、個々の保険契約ごとに保険金支払いの契約情報を記録したデータベースと、宇宙物体情報を記録したデータベースとを備えるサーバを備える。
データベースは、具体的には、メモリ、あるいは、補助記憶装置である。サーバは、具体的には、宇宙保険支援装置あるいは衝突保険運用装置である。また、宇宙保険支援装置と衝突保険運用装置とが連携してサーバの機能を実現してもよい。サーバは、プロセッサあるいは電子回路といったプロセッシングサーキットリにより、以下の段階(手段あるいは部ともいう)を実現する。
保険料率設定手段の具体例は、保険料評価部である。保険金査定手段の具体例は、保険処理部である。
契約情報は、保険料率と、事故責任査定と、保険金査定額と、を含む。
宇宙物体情報は、衝突事故が発生した宇宙物体Aと宇宙物体Bそれぞれの軌道予報情報と、衝突が発生した時間帯における宇宙物体Aと宇宙物体Bそれぞれの軌道実績情報とを含む。
サーバは、以下の段階を含む。
・衝突事故が発生した後に実績軌道情報と予報軌道情報の差分により衝突した宇宙物体Aと宇宙物体Bの事故責任を査定する段階。
・実績軌道情報と予報軌道情報の差分により支払い保険金を査定する段階。
・保険金を支払う段階。
宇宙物体情報は、衛星情報管理事業者から取得した宇宙物体衝突警報を含む。
また、サーバは、以下の段階を含む。
・衝突事故が発生した後に実績軌道情報と予報軌道情報の差分により衝突した宇宙物体Aと宇宙物体Bの事故責任を査定する段階。
・実績軌道情報と予報軌道情報の差分により支払い保険金を査定する段階。
・保険金を支払う段階。
また、サーバは、以下の段階を含む。
・宇宙物体衝突警報を取得してから契約を受け付ける段階。
・宇宙物体情報に記録された予報軌道情報の誤差情報に基づき保険料率を決める段階。
・衝突事故が発生した後に実績軌道情報と予報軌道情報の差分により衝突した宇宙物体Aと宇宙物体Bの事故責任を査定する段階。
・実績軌道情報と予報軌道情報の差分により支払い保険金を査定する段階。
・保険金を支払う段階。
・支払いを完了して契約を終了する段階か、免責により契約を終了する段階か、または宇宙物体衝突警報による衝突事故が発生せずに契約を終了する段階。
また、サーバは、以下の段階を含む。
・ロケット打上げまたは、衛星の軌道遷移または、デオービット途中の衛星通過の予報を取得してから契約を受け付ける段階。
・宇宙物体情報に記録された予報軌道情報の誤差情報に基づき保険料率を決める段階。
・衝突事故が発生した後に実績軌道情報と予報軌道情報の差分により衝突した宇宙物体Aと宇宙物体Bの事故責任を査定する段階。
・実績軌道情報と予報軌道情報の差分により支払い保険金を査定する段階。
・保険金を支払う段階。
・支払いを完了して契約を終了する段階か、免責により契約を終了する段階か、または宇宙物体衝突警報による衝突事故が発生せずに契約を終了する段階。
保険金支払いシステムでは、衝突事故が発生した後に実績軌道情報と予報軌道情報の差分により衝突した宇宙物体Aと宇宙物体Bの事故責任を査定する段階において、実績軌道情報と予報軌道情報の差分が大きいほど、事故責任を重く査定する。
保険金支払いシステムでは、衝突事故が発生した後に実績軌道情報と予報軌道情報の差分により衝突した宇宙物体Aと宇宙物体Bの支払い保険金を査定する段階において、実績軌道情報と予報軌道情報の差分が小さいほど、保険金を高額に査定する。
保険金支払いシステムでは、宇宙物体情報に記録された予報軌道情報の誤差情報に基づき保険料率を決める段階において、推定誤差量が少ないほど保険料率が低額となる。
保険金支払いシステムでは、衛星情報管理事業者から取得した宇宙物体衝突警報と、衝突の予見される宇宙物体Aと宇宙物体Bそれぞれの軌道予報情報とを取得したにも関わらず、宇宙物体Aの管理事業者と宇宙物体Bの管理事業者の双方共に衝突回避行動をとらずに衝突が発生した衝突事故を免責条項とする。
保険金支払いシステムでは、衛星情報管理事業者から取得した宇宙物体衝突警報が識別する宇宙物体の衝突事故のみを保険金支払い対象とし、玉突き事故による高次被害は免責とする情報を、契約情報に含める。
保険金支払いシステムでは、衛星情報管理事業者から取得した宇宙物体衝突警報が識別する宇宙物体の衝突事故に加えて、玉突き事故による高次被害に対する損害賠償を保険金支払い対象に含める旨記載した情報を、契約情報に含める。
保険金支払いシステムでは、衝突事故が発生した後に実績軌道情報と予報軌道情報の差分により衝突した宇宙物体Aと宇宙物体Bの支払い保険金を査定する段階において、玉突き事故による高次被害に対する損害賠償を保険金査定対象とする。
保険金支払いシステムでは、ロケット打上げ時の衝突やデブリ除去衛星の衝突等に起因して飛散した残骸による高次被害は免責とする情報を、契約情報に含める。
保険金支払いシステムでは、宇宙物体衝突の当事者がメガコンステレーション事業者であって、個別衛星または衛星群として保険料を支払っていない場合に免責とする情報を、契約情報に含める。
保険金支払いシステムでは、定常運用している宇宙物体と非定常運用している宇宙物体の衝突事故が発生した後に実績軌道情報と予報軌道情報の差分により衝突した宇宙物体Aと宇宙物体Bの事故責任を査定する段階において、非定常運用側の事故責任を重く査定する。
保険金支払いシステムでは、定常運用している宇宙物体と非定常運用している宇宙物体の衝突事故が発生した後に実績軌道情報と予報軌道情報の差分により衝突した宇宙物体Aと宇宙物体Bの支払い保険金を査定する段階において、定常運用側の保険金を高額に査定する。
保険金支払いシステムでは、軌道遷移途中の衛星と定常運用している宇宙物体の衝突事故が発生した後に実績軌道情報と予報軌道情報の差分により衝突した宇宙物体Aと宇宙物体Bの事故責任を査定する段階において、軌道遷移途中の衛星の事故責任を軽く査定する。
保険金支払いシステムでは、軌道遷移途中の衛星と定常運用している宇宙物体の衝突事故が発生した後に実績軌道情報と予報軌道情報の差分により衝突した宇宙物体Aと宇宙物体Bの支払い保険金を査定する段階において、定常運用側の保険金を高額に査定する。
保険金支払いシステムでは、高度600km以下に形成されるメガコンステレーション事業者との衝突を免責とする情報を、契約情報に含める。
保険金支払いシステムでは、衝突回避運用を実施する機能を具備する宇宙物体同士の衝突事故において、予告なしに衝突回避運用措置をとった場合を免責とする情報を、契約情報に含める。
保険金支払いシステムでは、メガコンステレーション事業者が、衛星群単位で加入でき、衝突警報やアドホックな衝突リスクに起因する衝突事故発生時に保険金を受け取れる。
保険金支払いシステムでは、軌道予報情報に含まれる誤差情報が、誤差量算定根拠を含み、根拠が明確であるほど保険料率が低額に設定される。
保険金支払いシステムでは、前記軌道予報情報に含まれる誤差情報が、検証実績を含み、検証実績の充実しているほど保険料率が低額に設定される。
保険金支払いシステムでは、過去の類似衝突事故の実績に応じて保険料率の査定が変動する。
保険金支払いシステムでは、過去の類似衝突事故の実績に応じて事故責任の査定と保険金の査定が変動する。
また、サーバは、以下の段階を備える。
・宇宙物体衝突警報を取得してから契約を受け付ける段階。
・宇宙物体情報に記録された予報軌道情報の誤差情報に基づき保険料率を決める段階と、・衝突事故が発生した後に実績軌道情報と予報軌道情報の差分により衝突した宇宙物体Aと宇宙物体Bの事故責任を査定する段階。
・支払い保険金を査定する段階。
・保険金支払い完了、または宇宙物体衝突警報による衝突事故が発生しなかった場合に契約を終了する段階。
宇宙保険プログラムは、複数の宇宙物体のうち宇宙物体Aと宇宙物体Bが衝突した場合に、予め徴収した保険料から保険金を支払う処理をコンピュータに実行させる。
宇宙保険プログラムは、宇宙を飛行する複数の宇宙物体における宇宙物体同士が衝突する前に、宇宙情報レコーダーの具備する軌道予報情報に基づき危険予想物体の存在を識別して危険警報を出力する危険警報出力手段を具備する。
宇宙保険プログラムによる宇宙衝突保険は、衝突回避支援プログラムの危険警報の発令後に、衝突が予見された宇宙物体を保有する管理事業者が、加入する宇宙衝突保険であって、予見された衝突事故が実際に発生した際に保険金が支払われ、衝突の危険を通知する危険警報が発令された危険時間帯を事故なく経過した場合は契約終了となるアドホックな宇宙衝突保険である。
宇宙保険プログラムによる宇宙衝突保険は、大規模衛星コンステレーションであるメガコンステレーションを保有するメガコンステレーション事業者が、衛星群単位で加入でき、衝突事故発生時に保険金を受け取れる。
宇宙保険プログラムによる宇宙衝突保険は、予見された衝突事故に起因する衝突連鎖に伴う高次被害を保険対象としない。
宇宙保険プログラムによる宇宙衝突保険は、予見された衝突事故に起因する衝突連鎖に伴う高次被害を保険対象とする。
宇宙保険プログラムによる宇宙衝突保険は、過去の類似衝突事故の実績に応じて保険料率設定手段と保険金査定手段の内容が変動する。
実施の形態5.
本実施の形態では、主に、実施の形態1から4と異なる点について説明する。なお、実施の形態1から4と同様の構成には同一の符号を付し、その説明を省略する場合がある。
***構成の説明***
図41は、衛星コンステレーション形成システム600の機能構成例を示す図である。
図41において図8と異なる点は、ロケット打ち上げ事業装置46と通信することが図示されている点である。
図42は、本実施の形態に係る情報管理システム500の構成図である。
情報管理システム500は、管理事業装置40と、情報管理装置1000とを備える。
情報管理装置1000は、各々が宇宙を飛行する複数の宇宙物体60の管理事業を行う複数の管理事業装置40の少なくともいずれかに搭載されている。具体的には、情報管理装置1000は、複数の衛星から成る衛星コンステレーションを形成する衛星コンステレーション事業者に用いられる衛星コンステレーション事業装置451である。メガコンステレーション事業装置41あるいはLEOコンステレーション事業装置42は、衛星コンステレーション事業装置451の例である。
情報管理装置1000は、他の管理事業装置40に宇宙を飛行する複数の宇宙物体の情報、例えば、衛星コンステレーションに関する情報を開示する。
他の管理事業装置40とは、自装置である情報管理装置1000が搭載されていない他の管理事業装置を指す。具体的には、他の管理事業装置40は、ロケット打ち上げ事業装置46、軌道遷移事業装置44、あるいは、デブリ回収事業者に用いられるデブリ回収事業装置45である。なお、情報管理装置1000が衛星コンステレーション事業装置451に搭載されている場合でも、他の管理事業装置40に他の衛星コンステレーション事業装置が含まれていてもよい。
また、情報管理装置1000は、複数の衛星から成る衛星コンステレーションを形成する衛星コンステレーション事業者に用いられる衛星コンステレーション事業装置と、ロケット打ち上げ事業者に用いられるロケット打ち上げ事業装置とを一元管理する装置であってもよい。
管理事業装置40は、人工衛星、あるいは、デブリといった宇宙物体60の管理事業を行う。管理事業装置40は、人工衛星、あるいは、デブリといった宇宙物体60に関する情報を収集する事業者のコンピュータである。
管理事業装置40には、メガコンステレーション事業装置41、LEOコンステレーション事業装置42、衛星事業装置43、軌道遷移事業装置44、デブリ回収事業装置45、ロケット打ち上げ事業装置46、およびSSA事業装置47といった装置が含まれる。
管理事業装置40は、人工衛星、あるいは、デブリといった宇宙物体に関する情報を収集し、収集した情報を情報管理装置1000に提供してもよい。また、情報管理装置1000が、SSAの公開サーバ上に搭載される場合は、情報管理装置1000がSSAの公開サーバとして機能する構成でもよい。
情報管理装置1000は、プロセッサ910を備えるとともに、メモリ921、補助記憶装置922、入力インタフェース930、出力インタフェース940、および通信装置950といった他のハードウェアを備える。プロセッサ910は、信号線を介して他のハードウェアと接続され、これら他のハードウェアを制御する。
情報管理装置1000は、機能要素として、情報開示部1100と記憶部1400を備える。記憶部1400には、宇宙情報レコーダー50と開示閾値141が記憶されている。開示閾値141は、軌道予報情報51を開示するか否かを判定するための閾値である。
情報開示部1100の機能は、ソフトウェアにより実現される。記憶部1400は、メモリ921に備えられる。あるいは、記憶部1400は、補助記憶装置922に備えられていてもよい。また、記憶部1400は、メモリ921と補助記憶装置922に分けられて備えられてもよい。
宇宙保険支援装置200のハードウェア構成については、実施の形態1の衝突回避支援装置100と同様である。
***動作の説明***
<情報開示処理:S1000>
図43は、本実施の形態に係る情報開示処理S1000のフロー図である。
情報開示処理において、情報開示部1100は、軌道予報情報51を開示するか否かを判定するための開示閾値141と予報誤差514とに基づいて、他の管理事業装置40に軌道予報情報51を開示するか否かを判定する。例えば、情報開示部1100は、予報誤差514が開示閾値141以上の場合に他の管理事業装置に軌道予報情報51を開示する。また、例えば、予報誤差514が開示閾値141より小さい場合に他の管理事業装置に軌道予報情報51を非開示とする。なお、情報を開示するか非開示とするかの判定は、上記以外の判定方式を用いてもよい。
ステップS1001において、情報開示部1100は、他の管理事業装置から軌道予報情報51の開示を要求する情報開示要求551を受け付ける。
ステップS1002において、情報開示部1100は、軌道予報情報51に含まれる複数の宇宙物体に対応する複数の軌道予報情報から、開示予報情報552を抽出する。例えば、情報開示部1100は、軌道予報情報51に含まれる複数の宇宙物体に対応する複数の軌道予報情報から、予報誤差514が開示閾値141以上の軌道予報情報を開示予報情報552として抽出してもよい。また、情報開示部1100は、その他の方法で開示予報情報552を抽出してもよい。情報開示部1100は、開示予報情報552を他の管理事業装置に出力する。このとき、情報開示部1100は、情報開示要求551を受け付けると、開示予報情報552を他の管理事業装置に有償で送信するとしてもよい。
例えば、ロケット打ち上げ事業装置46は、情報管理装置1000に、軌道予報情報51の開示を要求する情報開示要求551を送信する。開示予報情報552に対する応答として、ロケット打ち上げ事業装置46は、情報管理装置1000から開示予報情報552を受信する。
<衛星コンステレーション制御処理:S2000>
図44は、本実施の形態に係る衛星コンステレーション制御処理S2000のフロー図である。
次に、図41および図44を用いて、衛星コンステレーション形成システム600が、開示予報情報552を受信したロケット打ち上げ事業装置46から、ロケット打ち上げ情報503を取得した際の衛星コンステレーション制御処理S2000について説明する。
衛星コンステレーション制御処理S2000は、ロケットといった宇宙物体が衛星コンステレーション20を通過する際に衛星コンステレーション20の軌道を制御する処理である。
ステップS2001において、衛星コンステレーション形成部11は、ロケット打ち上げ事業装置46から、ロケット打ち上げにおけるロケットの発射点と、発射点における記ロケットの予定発射時刻とを含むロケット打ち上げ情報503を取得する。
ステップS2002において、衛星コンステレーション形成部11は、ロケット打ち上げ情報503に基づいて、ロケットが発射後に飛行経路を飛行する予定時間に、複数の衛星の各々が飛行経路を飛翔しないように複数の衛星の各々の軌道を制御する。具体的には、衛星コンステレーション形成部11は、複数の衛星の各々の推進装置33を動作させることにより複数の衛星の各々の軌道高度を上昇、または下降させ、複数の衛星による軌道面が発射点の上空からずれるように複数の衛星の各々の軌道を制御する。例えば、衛星コンステレーション形成部11は、上記の軌道制御を実施するための軌道制御コマンド55を生成し、衛星30に送信する。
以下に、情報開示処理および衛星コンステレーション制御処理の具体例と効果について説明する。
図45は、ロケット打ち上げの予報値と衛星コンステレーション20の誤差範囲を示す図である。衛星コンステレーション20は、例えば、数百から数千機に及ぶ大規模衛星コンステレーション、すなわちメガコンステレーションである。
図45の上段は、衛星コンステレーション20を2次元空間でモデル化した概念図である。また、図45の下段は、上空に図45の上段の衛星コンステレーション20が位置する際のロケット打ち上げのロンチウィンドウの概念図である。
図45の下段に示すように、衛星コンステレーション20の各衛星の誤差範囲を考慮すると、ロケット打ち上げにおいて許容されるロンチウィンドウは限定される。
よって、衛星コンステレーション形成システム600は、ロケット打ち上げ情報503に基づいて、衛星コンステレーション20の軌道を制御する必要がある。
図46は、ロケット打ち上げの予報値と衛星コンステレーション20の誤差範囲を示す図である。
図46の上段は、誤差範囲が小さい衛星コンステレーション20を示す概念図である。また、図46の下段は、誤差範囲が大きい衛星コンステレーション20示す概念図である。
図46の上段に示すように、衛星コンステレーション事業者の自システム内では、衛星間測距データおよびGPS計測値の差分評価、あるいは、統計的データ評価といった手法を用いることにより、誤差範囲を小さくできる可能性がある。
もし、衛星コンステレーション事業者が誤差範囲を非開示とした場合、ロケット打ち上げ事業者は、衛星の軌道の予報値に関する情報を、SSA事業者といった外部計測情報に依存することになる。これにより、ロケット打ち上げ事業者が誤差範囲の大きな予報値しか把握できない可能性が有る。
このように、所定の誤差範囲以下の軌道予報情報を有償で開示する構成とすることにより、ロケット打ち上げ事業者にとって有用な精密軌道予報値を提供するビジネスに寄与することができる。
なお、ここでは、ロケット打ち上げ事業者がロケットを打ち上げる際に利用する軌道予報情報について記載した。しかし、その他、衛星投入時における衛星コンステレーションの通過、デブリ回収時における衛星コンステレーションの通過、あるいは、宇宙物体の軌道の調査といった様々な場面で、本実施の形態を適用することができる。
***本実施の形態の効果の説明***
本実施の形態に係る情報管理装置1000によれば、メガコンステレーションを形成する衛星コンステレーション事業者が、自衛星の軌道情報の予報値をロケット打ち上げ事業者、静止衛星軌道投入事業者、あるいは、デブリ回収事業者に有償開示することができる。
ロケット打ち上げ事業者が飛行安全確保義務を果たすためには、正確なメガコンステレーションを構成する衛星の予測軌道情報が必要である。よって、本実施の形態に係る情報管理装置1000によれば、衛星軌道予測情報の資産価値を高くすることができ、衛星事業者の収益源になりうるという効果がある。
またミッション終了後の衛星が軌道離脱してデオービットする過程において、メガコンステレーションの衛星に衝突するリスクが高い。同様に、開示していた軌道情報に対する衝突回避措置を怠ったデオービット衛星の事業者、あるいは、デブリ回収事業者の責任を追求できる可能性があり、衛星軌道情報が収益源となる効果がある。
更に静止衛星を軌道投入する事業者はロケットで静止トランスファー軌道まで打ち上げた後に、衛星の具備する推進装置で静止軌道まで軌道遷移するので、その過程おいてメガコンステレーション衛星と衝突するリスクがあり、同様の効果が期待される。
本実施の形態に係る情報管理装置1000によれば、ロケット打ち上げ事業者が、低軌道高度のメガコンステレーション事業者の衛星軌道情報予報値を共有することができる。よって、ロケット打ち上げ事業者が、衛星の予測軌道情報の開示情報を利用せずに衝突リスクなく打ち上げることを競争力の源泉とするロケット打ち上げビジネスを展開することができる。
衛星予測軌道情報自体に有償価値が発生した場合に、有償情報を利用することなくロケット打ち上げできることが、コスト低減効果を生み、事業者としての競争力の源泉になるという効果がある。
本実施の形態に係る衛星コンステレーション形成システム600によれば、発射点における打ち上げ可能時刻が限定されるロケット打ち上げにおいて、当該発射点の予定発射時刻において、飛行経路上に衛星が飛翔しないよう、予め衛星の軌道を変更することができる。
特定の軌道を飛翔する惑星にランデブするための惑星探査宇宙機では、打ち上げ発射点から適切に打ち上げ可能なロンチウィンドウが数秒単位の短時間に限定される可能性がある。一方慣性空間に対して自然法則により飛翔する衛星の軌道面に対して、地球は自転しているので、打ち上げ飛行経路上にたまたま衛星が飛来して衝突するリスクがある。メガコンステレーションでは同一軌道面で衛星が飛来するインターバルが数十秒しかない場合もあるため、軌道面が上空に位置しない対策をとらないと、十分な衝突回避は困難である。本実施の形態に係る衛星コンステレーション形成システム600によれば、特定発射点の特定時刻において、軌道面が上空に位置ないよう、予め衛星メガコンステレーション側が全ての衛星の具備する推進装置を動作させる。そして、衛星の軌道高度を上昇、または下降させ、軌道面と地球自転の相対関係を調整することにより、特定発射点の特定時刻において、軌道面が上空に位置しないようにずらして衝突を回避する。メガコンステレーションでは個別の衛星のみ調整したのでは、別の衛星と衝突するリスクが発生するため、全ての衛星を同期させて調整することが重要である。
本実施の形態では、以下のような情報管理装置の情報管理方法について説明した。
情報管理装置は、衛星コンステレーションを形成する衛星を管理する管理事業装置の具備する軌道予報情報を管理する。
情報管理装置のプロセッサは、開示閾値と、開示するか否かを判定する情報開示可否判断手段とを備えた。開示閾値は、軌道予報情報に基づいて、衛星コンステレーションを形成する衛星と他の管理事業装置から軌道予報情報を取得した宇宙物体が、特定時刻において接近することが予見された場合に、衛星コンステレーション管理事業装置の軌道予報情報を開示するか否かを判定するための情報である。
前記他の管理事業装置は、ロケット打ち上げ事業装置、軌道遷移事業装置、あるいは、デブリ回収事業装置である。
ロケット打上げを管理する管理事業装置Aは、ロケット打上げの発射時刻情報と軌道予報情報を含む宇宙物体情報Aを記録する宇宙情報レコーダーAを具備する。
衛星コンステレーションを形成する衛星を管理する管理事業装置Bは、衛星コンステレーションを形成する複数の衛星の予報元期と、予報軌道情報と、予報誤差を含む宇宙物体情報Bを記録する宇宙情報レコーダーBを具備する。
宇宙物体同士の衝突解析をする解析事業者が宇宙物体情報を管理する管理事業装置Cは、複数の宇宙物体を管理する管理事業者により利用される管理事業装置から取得した各種宇宙物体情報を記録する宇宙情報レコーダーCを具備する。
衛星コンステレーション管理事業装置が他事業者の保有する宇宙情報レコーダーAと宇宙情報レコーダーCに対して宇宙物体情報Bを非開示とする。
そして、単一の事業者が宇宙物体情報Aと宇宙物体情報Bを独占的に利用して衝突解析をして、ロケット打上げ時の飛行安全を確保できる条件を導出して衝突回避する。
衛星コンステレーション管理事業装置が他事業者の保有する宇宙情報レコーダーAと宇宙情報レコーダーCに対して宇宙物体情報Bを有償で開示する。
そして、単一事業者のみが宇宙物体情報Aと宇宙物体情報Bを無償で利用して衝突解析をして、ロケット打上げ時の飛行安全を確保できる条件を導出して衝突回避する。
衛星コンステレーション管理事業装置が他事業者の保有する宇宙情報レコーダーAと宇宙情報レコーダーCに対して宇宙物体情報Bを非開示とする。
そして、衛星コンステレーション事業者が宇宙物体情報Aと宇宙物体情報Bを利用して衝突解析を実施し、衝突が予見された場合に、衛星コンステレーション事業者が回避行動を実施して飛行安全を確保する。
***他の構成***
本実施の形態では、情報管理装置1000の機能がソフトウェアで実現される。変形例として、情報管理装置1000の機能がハードウェアで実現されてもよい。
図47は、本実施の形態の変形例に係る情報管理装置1000の構成を示す図である。
情報管理装置1000は、プロセッサ910に替えて電子回路を備える。
電子回路は、情報管理装置1000の機能を実現する専用の電子回路である。
電子回路は、具体的には、単一回路、複合回路、プログラム化したプロセッサ、並列プログラム化したプロセッサ、ロジックIC、GA、ASIC、または、FPGAである。GAは、Gate Arrayの略語である。
情報管理装置1000の機能は、1つの電子回路で実現されてもよいし、複数の電子回路に分散して実現されてもよい。
別の変形例として、情報管理装置1000の一部の機能が電子回路で実現され、残りの機能がソフトウェアで実現されてもよい。
プロセッサと電子回路の各々は、プロセッシングサーキットリとも呼ばれる。つまり、情報管理装置1000の機能は、プロセッシングサーキットリにより実現される。
実施の形態6.
本実施の形態では、主に、実施の形態1から5に追加する点について説明する。なお、実施の形態1から5と同様の構成には同一の符号を付し、その説明を省略する場合がある。
本実施の形態では、実施の形態1から5で説明した衝突回避支援装置100を用いた管理事業装置40のバリエーションについて説明する。
実施の形態1で説明したSSA事業装置47は、SSA事業、すなわち、宇宙状況監視事業を行うSSA事業者のコンピュータである。SSA事業者は宇宙物体情報を管理する。SSA事業装置47は、宇宙を飛翔する宇宙物体の状況を表す宇宙物体情報を管理するSSA事業者により利用される。SSA事業者は、例えば、SSA事業により収集した宇宙物体の情報の少なくとも一部をサーバ上に公開する。SSA事業装置47は、宇宙状況監視事業装置とも呼ばれる。SSAは、Space Situation Awarenessの略語である。
また、実施の形態1から5で説明した管理事業装置40を、単に事業装置と呼ぶ場合もある。
また、メガコンステレーション事業装置41は、大規模衛星コンステレーション、すなわちメガコンステレーション事業を行うメガコンステレーション事業者のコンピュータである。メガコンステレーション事業装置41は、例えば、100機以上の衛星により構成された衛星コンステレーションを管理する事業装置である。
LEOコンステレーション事業装置42は、低軌道コンステレーション、すなわちLEOコンステレーション事業を行うLEOコンステレーション事業者のコンピュータである。LEOコンステレーション事業装置42は、例えば、10機以上の衛星コンステレーションを管理する事業装置である。
また、衛星事業装置43は、例えば、1機から数機の衛星を扱う衛星事業者のコンピュータである。
メガコンステレーション事業装置41、LEOコンステレーション事業装置42、および衛星事業装置43は、衛星コンステレーション事業装置の例である。衛星コンステレーション事業装置は、100機以上の衛星コンステレーション、10機以上で100機より少ない衛星コンステレーション、あるいは、10機より少ない衛星コンステレーションを管理する事業装置である。
本実施の形態では、SSA事業装置47は、衝突回避支援装置100を具備し、衝突回避支援方法または衝突回避支援プログラムを実行する。また、SSA事業装置47は、衝突回避支援システム500の機能を実行する。
衛星コンステレーション事業装置は、100機以上の衛星コンステレーション、10機以上で100機より少ない衛星コンステレーション、あるいは、10機より少ない衛星コンステレーションを管理する。衛星コンステレーション事業装置は、衝突回避支援装置100に衛星の軌道情報を開示する。
衛星コンステレーション事業装置は、100機以上の衛星コンステレーション、あるいは、10機以上で100機より少ない衛星コンステレーションを管理する。衛星コンステレーション事業装置は、衛星コンステレーション形成システム600の機能を実行する。
本実施の形態では、ロケット打ち上げ事業装置46は、衝突回避支援装置100にロケットの軌道情報を開示する。
本実施の形態では、デブリ除去事業装置は、宇宙物体を捕獲する手段を具備するデブリ除去衛星を管理する。デブリ除去事業装置は、デブリを回収するデブリ回収事業装置45の例である。デブリ除去事業装置は、衝突回避支援装置100にデブリ除去衛星の軌道情報を開示する。
また、デブリ除去事業装置は、衝突回避支援装置100から宇宙物体の軌道情報を取得する。
また、デブリ除去事業装置は、衝突回避支援装置100を具備し、衝突回避支援方法または衝突回避支援プログラムを実行する事業装置であってもよい。あるいは、デブリ除去事業装置は、衝突回避支援システム500の機能を実行する事業装置であってもよい。
宇宙保険管理事業装置は、宇宙保険を管理する宇宙保険事業者により利用される事業装置である。宇宙保険管理事業装置は、衝突回避支援装置100から宇宙物体の軌道情報を取得する。
宇宙物体管理事業装置は、衛星ないしロケット以外の、宇宙ステーションないし宇宙輸送機ないし宇宙機を含む宇宙物体の宇宙物体情報を管理する事業装置である。つまり、宇宙物体管理事業装置は、衛星以外かつロケット以外の宇宙物体であり、宇宙ステーション、宇宙輸送機、および宇宙機の少なくともいずれかを含む宇宙物体の宇宙物体情報を管理する。宇宙物体管理事業装置は、衝突回避支援装置100に上記宇宙物体の軌道情報を開示する。
宇宙交通管理事業装置は、宇宙交通を管理し、宇宙往還機の管制装置ないし衝突回避支援装置100を含む事業装置である。宇宙交通管理事業装置は、衝突回避支援装置100を具備し、衝突回避支援方法または衝突回避支援プログラムを実行する。また、宇宙交通管理事業装置は、衝突回避支援システム500の機能を実行する。
実施の形態7.
本実施の形態では、主に、実施の形態1から6に追加する点について説明する。なお、実施の形態1から6と同様の構成には同一の符号を付し、その説明を省略する場合がある。
本実施の形態では、実施の形態1から6で説明したSSA事業装置47のバリエーションについて説明する。
本実施の形態では、SSA事業装置47は、監視装置を具備するSSA事業者が宇宙物体情報を管理するために用いられる。
SSA事業装置47は、監視装置により宇宙物体Aを複数回計測して、元期と軌道6要素により構成される軌道要素の初期推定値を算定する。SSA事業装置47は、更に4回以上、宇宙物体Aの軌道情報を取得し、軌道要素の更新推定値を算定し、計測誤差および推定誤差を超える有意な変動があった場合に、宇宙物体Aの加減速作用ありと判断する。
また、SSA事業装置47は、宇宙物体Aの加減速作用ありと判断した後に、宇宙物体Aの加減速後の軌道予測情報を生成し、軌道予測情報により監視装置を指向して宇宙物体Aを計測し、宇宙物体Aを追跡監視する。
また、SSA事業装置47は、将来の宇宙物体Aの加減速量を加味して宇宙物体Bとの接近ないし衝突リスクが予見された場合に、宇宙物体Bの管理事業者に対して警報を発信する。
なお、衝突回避支援装置100が、将来の宇宙物体Aの加減速量を加味して宇宙物体Bとの接近ないし衝突リスクが予見された場合に、宇宙物体Bの管理事業者に対して警報を発信するとしてもよい。衝突回避支援装置100は、このような衝突回避支援方法、あるいは、衝突回避支援プログラムを実行する。
また、衝突回避支援装置100は、将来の宇宙物体Aの加減速量を加味して宇宙物体Bとの接近ないし衝突リスクが予見された場合に、宇宙物体Bの管理事業者に対して警報を発信する衝突回避支援システム500の機能を実行する。
図50は、本実施の形態に係るSSA事業装置47の構成例である。
SSA事業装置47は、静止軌道近傍を飛翔する第1の監視装置810aと、地上に設置された第2の監視装置840と、複数の宇宙物体の軌道情報を記録するカタログを備える。宇宙物体情報501は、他の管理事業装置40から収集した宇宙物体の軌道情報が含まれる。例えば、宇宙物体情報501には、宇宙物体の軌道情報があらかじめ記録されたカタログが含まれる。カタログは、宇宙物体を管理する管理事業者から収集する。
また、SSA事業装置47は、計測誤差精査装置471と、加減速物体追跡装置472とを具備する。第1の監視装置810aの具体例は、観測衛星812である。また、第2の監視装置840の具体例は、SSA事業装置47の地上設備700が具備する観測装置である。
<本実施の形態の動作例1>
カタログは、公開されている情報から取得した公開軌道情報と、第1の監視装置810aで取得した第1の軌道情報と、第2の監視装置840で取得した第2の軌道情報とを記録する。
SSA事業装置47は、特定宇宙物体の公開軌道情報に基づき、第1の監視装置810aと第2の監視装置840とにより特定宇宙物体の監視情報を取得する。SSA事業装置47は、第1の監視装置810aにより第1の監視情報を取得し、第2の監視装置840により第2の監視情報を取得する。監視情報は、第1の監視情報と第2の監視情報とを含む。
計測誤差精査装置471が、特定宇宙物体における公開軌道情報と第1の軌道情報と第2の軌道情報に基づき信憑性の高い軌道情報を選択して、更新情報である第3の軌道情報を生成する。
公開情報による軌道情報は、位置情報の精度が悪いという課題がある。また第1の監視装置および第2の監視装置において、光学的監視手段によって取得した物体情報は、監視装置から見た方位角の計測精度は高いが、距離方向誤差が大きいという課題がある。またレーダないしレーザによる監視手段によって取得した物体情報は、監視装置から見た距離方向の制度は高いが方位角の誤差が大きいという課題がある。
そこで、公開軌道情報の基づき特定監視対象の監視情報を、第1の監視装置および第2の監視装置で取得することにより、公開情報の誤差を低減したカタログの更新が可能となる。
また、監視装置の位置と監視手段に応じて軌道情報を構成する位置情報として、信憑性の高い情報を選択することにより、軌道情報の精度を向上することが可能となる。
慣性空間の星、あるいは、静止軌道近傍を飛翔する宇宙物体であって、人為的な推進装置の動作を伴わず、自然現象のみに依存して飛翔する物体は、特定時間経過後の位置を推定することが容易である。しかし、公開軌道情報の誤差が大きい場合に、第1の監視装置ないし第2の監視装置の視野範囲を逸脱して監視できないリスクがある。
本実施の形態の動作例1によれば、軌道情報の内包誤差を低減することにより、第1の監視装置ないし第2の監視装置で確実に視野範囲に捉えることができるという効果がある。
<本実施の形態の動作例2>
SSA事業装置47は、第3の軌道情報に基づき、第1の監視装置810と第2の監視装置840の両方または一方で、特定宇宙物体の監視情報を再度取得する。
計測誤差精査装置471は、第3の軌道情報と更新した第1の軌道情報と更新した第2の軌道情報に基づき第3の軌道情報を更新する。計測誤差精査装置471は、更新前後の第3の軌道情報を比較評価して、特定宇宙物体の人為的加減速運動の有無を識別する。そして、計測誤差精査装置471は、人為的加減速運動のある宇宙物体の情報を加減速物体追跡装置472に追跡情報の初期値として記録する。
静止軌道近傍を飛翔する宇宙物体には、人為的な推進装置の動作を伴う場合がある。自然現象のみに依存して飛翔する宇宙物体と比較して、時間経過に伴う加減速後位置が、推定位置と有意な相違がある宇宙物体の場合には、人為的加減速運動のある宇宙物体として識別可能となる。
本実施の形態の動作例2では、静止軌道上で人為的加減速運動をする宇宙物体を識別する。予め、軌道投入、軌道離脱、あるいは軌道遷移のために非定常移動計画が公開されている宇宙物体については、人為的加減速運動が識別されても、他の衛星に対して悪影響あるいは危険がないよう予め配慮されている。しかし、非定常移動計画が公開されていない宇宙物体は不審物体として追跡する必要がある。
<本実施の形態の動作例3>
加減速物体追跡装置472は、更新後の第3の軌道情報に基づき、第1の監視装置810と第2の監視装置840の両方または一方で、特定宇宙物体の監視情報を再度取得する。
計測誤差精査装置471が、更新後の第3の軌道情報と再更新した第1の軌道情報と再更新した第2の軌道情報に基づき第3の軌道情報を再更新する。そして、計測誤差精査装置471が、更新前、更新後、再更新後の第3の軌道情報を比較評価して、特定宇宙物体の加減速情報を取得して、特定宇宙物体の軌道情報の更新値を追跡情報として記録する。
本実施の形態の動作例3によれば、第3の軌道情報に関して時間経過を追うことにより、位置計測誤差の内包するオフセット誤差を排除でき、意図的な宇宙物体の移動方向を把握することが可能となる。
<本実施の形態の動作例4>
加減速物体追跡装置472が、第3の軌道情報に基づく第1の監視装置810と第2の監視装置840の両方または一方による監視情報の更新を繰り返し、特定宇宙物体の軌道情報の更新値を追跡情報として記録する。
第3の軌道情報に関して時間経過を追うことにより、意図的な宇宙物体の移動方向を把握することが可能となり、静止軌道上の他の宇宙物体に対する接近を予測することが可能となる。
特に、時間経過に伴う加減速の方向や大きさが変動する場合には、特定宇宙物体の移動履歴により人為的な意図を類推する手がかりになるという効果がある。
***本実施の形態の機能と効果の説明***
SSA事業者の監視装置に、公開情報として既知の宇宙物体以外の宇宙物体Aが計測された場合、未知のデブリあるいは不審行動をする宇宙物体であるリスクがある。このため、早期に当該宇宙物体Aの軌道要素を把握して軌道予測情報を生成する必要がある。
先見情報がない宇宙物体Aの軌道要素を把握するためには、SSA事業者の監視装置で複数回計測することが基本となる。計測誤差の少ない高精度軌道情報を得るためには、広域に分散配置された多数の監視装置を使って、光学的監視とレーダによる監視といった様々な監視方式により監視情報を収集し、軌道要素の初期推定値を算定することが合理的である。単一事業者が広域展開する多様な監視方式の監視装置を保有しない場合は、別事業者から入手してもよい。また既にTLE(Two Line Element)といった公開軌道要素が存在する場合は公開情報を初期推定値としてもよい。
監視方式あるいは性能、および宇宙物体Aとの位置関係に起因して計測誤差量が異なる。また、計測結果から軌道要素を算定するアルゴリズムに応じて推定誤差が含まれる。よって、軌道要素の初期推定値を算定した後にも計測を繰り返すことにより、計測誤差あるいは推定誤差を減らして高精度の軌道要素を算定することが可能となる。自然由来のデブリ、あるいは、機能喪失した人工物体のように加減速を伴わない自然運動をする物体の軌道要素は多数回の計測により東経誤差を減じることにより精度の高い軌道要素の推定が可能となる。
しかしながら、人為的に推進装置を動作させて加減速をしている場合には、軌道要素の更新推定値が、計測誤差や推定誤差の範囲を逸脱して軌道要素の有意な変化となって顕現する。よって、加減速のある物体を識別することが可能となる。
自然由来のデブリ、あるいは、機能喪失した人工物体では、物理現象に依存して将来軌道予測が可能である。これに対し、推進機能を具備する宇宙物体では加速ないし減速効果が寄与するために、将来軌道予測の難度が高く、予測誤差が大きくなる。よって、異常接近あるいは衝突を回避するために確保すべき相対距離が大きくなり、衝突リスクが高くなるという課題もある。
人為的な加減速を有する宇宙物体としては、打上途上で噴射継続中のロケット、あるいは、軌道変換あるいは軌道制御のために推進装置の動作を継続中の人工衛星ないし輸送機といった宇宙物体がある。更に、月あるいは惑星探査のために遠距離移動中の宇宙機、弾道飛行前後に加減速動作をする段階のサブオービタル往還機といった宇宙物体もある。また軌道上の故障により推進装置のタンクから推薬等が漏洩している宇宙物体も該当する。
加減速成分を有する宇宙物体の中で、ロケットあるいはサブオービタル輸送機といった、加減速ベクトルが既知の宇宙物体について、加減速ベクトルを公開することにより、将来軌道予測の精度向上が可能になるという効果がある。
また定常運用中の人工衛星では、軌道姿勢制御のための加減速を実施しつつも、定常運用軌道を維持するための一定時間平均化した加減速ベクトルはゼロとなる場合もあり、将来軌道予測の参考となる。
一方故障してタンクから推薬が漏洩している宇宙物体が、回転動作をしているような場合には、加減速ベクトルが時々刻々変化するため、将来軌道予測が難しくなる。
軌道要素の初期推定値が算定された後に、更に計測を繰り返せば、計測誤差あるいは推定誤差を少なくする効果がある。更に、2回以上計測を繰り返せば加減速の有無を判断できる。3回以上計測を繰り返せば加減速ベクトルを推定できる。4回以上計測を繰り返せば加減速の時間変化を推定可能となる。
また、加減速ベクトルの変更履歴として、軌道情報を更新した時間差と加減速ベクトルの変化が公開されることにより、将来軌道情報の不確定性を判断することができる。よって、接近あるいは衝突といったリスクが予見された場合に、飛行安全の確保に必要となる距離を大きく確保するといった対策に貢献できるという効果がある。
また、頻繁に加減速ベクトルが変化する場合に、高頻度に予測軌道の更新と再計測を繰り返すことにより、宇宙物体Aを見失うことなく再計測を繰り返し、追跡できるという効果がある。
同一宇宙物体を複数回監視するSSA事業者によれば、予測軌道に対する更新軌道情報の変動を評価することにより、加減速の有無を評価することが可能である。よって、適切な将来軌道情報により、異常接近あるいは衝突の予見される宇宙物体Bの管理事業装置に対して適切に警報を発令できるという効果がある。
更に人為的に宇宙空間を移動する宇宙物体が、公開されていない不審な挙動を示した場合に将来移動範囲を予測して、追跡が可能になるという効果がある。
以上の実施の形態1から7では、各装置及び各システムの各部を独立した機能ブロックとして説明した。しかし、各装置及び各システムの構成は、上述した実施の形態のような構成でなくてもよい。各装置及び各システムの機能ブロックは、上述した実施の形態で説明した機能を実現することができれば、どのような構成でもよい。また、各装置及び各システムは、1つの装置でも、複数の装置から構成されていてもよい。
なお、以上の実施の形態1から7において、各装置及び各システムの構成要件における「部」、「工程」、「手順」、「段階」、「処理」、および「手段」といった呼称は、相互に読み換え、あるいは、書き換えが可能である。例えば、実施の形態3,4の変形例で説明したサーバにおける「保険金を支払う段階」は、「保険金を支払う手段」あるいは「保険金を支払う部」といった名称に読み替えることができる。また、実施の形態5で説明した情報管理装置1000の情報開示部は、情報開示工程、情報開示段階、情報開示処理、あるいは情報開示手段と読み替えることができる。
また、実施の形態1から7のうち、複数の部分を組み合わせて実施しても構わない。あるいは、これらの実施の形態のうち、1つの部分を実施しても構わない。その他、これらの実施の形態を、全体としてあるいは部分的に、どのように組み合わせて実施しても構わない。
実施の形態1から7では、実施の形態1から7を自由に組み合わせで構わない。また、実施の形態1から7において、構成要素をどのように変形して実施しても構わない。あるいは、実施の形態1から7において、構成要素を省略して実施しても構わない。
なお、上述した実施の形態は、本質的に好ましい例示であって、本発明の範囲、本発明の適用物の範囲、および本発明の用途の範囲を制限することを意図するものではない。上述した実施の形態は、必要に応じて種々の変更が可能である。
20 衛星コンステレーション、21 軌道面、22 接近警報、23 衝突警報、25 危険警報、30,30a,30b 衛星、31 衛星制御装置、32 衛星通信装置、33 推進装置、34 姿勢制御装置、35 電源装置、40 管理事業装置、41 メガコンステレーション事業装置、42 LEOコンステレーション事業装置、43 衛星事業装置、44 軌道遷移事業装置、45 デブリ回収事業装置、46 ロケット打ち上げ事業装置、47 SSA事業装置、50 宇宙情報レコーダー、51 軌道予報情報、511,521 宇宙物体ID、512 予報元期、513 予報軌道要素、514 予報誤差、515 予報飛行状態、52 軌道実績情報、522 実績元期、523 実績軌道要素、524 特定実績、525 実績飛行状態、241 特定時刻、242 実績位置座標、515 予報飛行状態、60 宇宙物体、65 危険予想物体、69 回避宇宙物体、70 地球、100,100a 衝突回避支援装置、110 レコーダー処理部、120 警報制御部、130 実績提示部、131 衝突実績、140 記憶部、141 警報発令情報、150 回避決定部、160 機械学習部、401 飛行予報情報、402 飛行実績情報、403 回避物体通知、500 衝突回避支援システム、55 軌道制御コマンド、501,501a,501b 軌道予報、502,502a,502b 誤差範囲、600 衛星コンステレーション形成システム、601 衝突予想物体、602 接近予想物体、65 危険予想物体、11,11b 衛星コンステレーション形成部、300 衛星群、700 地上設備、510 軌道制御コマンド生成部、520 解析予測部、910 プロセッサ、921 メモリ、922 補助記憶装置、930 入力インタフェース、940 出力インタフェース、950 通信装置、1000 情報管理装置、1100 情報開示部、1400 記憶部、503 ロケット打ち上げ情報、810a 第1の監視装置、840 第2の監視装置、710 宇宙交通管理部、471 計測誤差精査装置、472 加減測物体追跡装置。

Claims (23)

  1. 宇宙を飛行する複数の宇宙物体であってメガコンステレーションを含む複数の宇宙物体における宇宙物体同士の衝突の回避を支援する衝突回避支援装置において、
    前記複数の宇宙物体の各々の軌道の予報値である軌道予報情報を記憶する記憶部と、
    前記軌道予報情報に基づいて、前記複数の宇宙物体のうち、同時刻において位置関係が危険な複数の宇宙物体が危険予想物体として存在するか否かを判定し、前記危険予想物体が存在すると判定されると、前記危険予想物体が存在することを示す危険警報を出力する警報制御部と、
    前記危険警報が出力されると、前記危険予想物体に含まれる宇宙物体のうち回避運用を行う宇宙物体である回避宇宙物体を決定し、前記回避宇宙物体を通知する回避物体通知を出力する回避決定部と
    を備え
    前記回避決定部は、
    前記危険予想物体に含まれる各宇宙物体がメガコンステレーションに属するか否かに基づいて、前記回避宇宙物体を決定する衝突回避支援装置。
  2. 前記回避決定部は、
    前記危険予想物体に含まれる各宇宙物体がメガコンステレーションに属する場合に、前記回避宇宙物体であると決定する請求項1に記載の衝突回避支援装置。
  3. 前記回避決定部は、
    前記危険予想物体に含まれる各宇宙物体が打ち上げ時のロケットであるか否かに基づいて、前記回避宇宙物体を決定する請求項1または請求項2に記載の衝突回避支援装置。
  4. 前記回避決定部は、
    前記危険予想物体に含まれる各宇宙物体が衝突回避機能を有するか否か、および前記危険予想物体に含まれる各宇宙物体が打ち上げ時のロケットであるか否かに基づいて、当該衝突回避機能を有さないものを除外して前記回避宇宙物体を決定する請求項3に記載の衝突回避支援装置。
  5. 前記回避決定部は、
    複数の宇宙物体のうち宇宙物体Aと宇宙物体Bが両方ともメガコンステレーションに含まれる衛星である場合に、前記回避宇宙物体と決定しない請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の衝突回避支援装置。
  6. 前記回避決定部は、
    前記危険予想物体に含まれる各宇宙物体が、定常運用状態であるか非定常運用状態であるかに基づいて、前記回避宇宙物体を決定する請求項1から請求項のいずれか1項に記載の衝突回避支援装置。
  7. 前記回避決定部は、
    前記危険予想物体に含まれる各宇宙物体が、定常運用状態であるか非定常運用状態であるかに基づいて、当該非定常運用状態にある宇宙物体を定常運用状態にある宇宙物体よりも優先して前記回避宇宙物体を決定する請求項6に記載の衝突回避支援装置。
  8. 前記回避決定部は、
    前記危険予想物体に含まれる各宇宙物体が、軌道の遷移を実施している軌道遷移衛星か否かに基づいて、前記回避宇宙物体を決定する請求項1から請求項のいずれか1項に記載の衝突回避支援装置。
  9. 前記回避決定部は、
    前記危険予想物体に含まれる宇宙物体が、軌道の遷移を実施している軌道遷移衛星である場合に、メガコンステレーションに含まれる宇宙物体であるか否かに基づいて、前記回避宇宙物体を決定する請求項8に記載の衝突回避支援装置。
  10. 前記回避決定部は、
    前記危険予想物体に含まれる各宇宙物体が、衝突回避機能を有するか否かに基づいて、前記回避宇宙物体を決定する請求項1から請求項のいずれか1項に記載の衝突回避支援装置。
  11. 前記回避決定部は、
    前記危険予想物体に含まれる各宇宙物体が、密集軌道に位置しているか否かに基づいて、前記回避宇宙物体を決定する請求項1から請求項10のいずれか1項に記載の衝突回避支援装置。
  12. 前記回避決定部は、
    前記危険予想物体に含まれる各宇宙物体が、密集軌道に位置している場合に、衝突回避機能を有する宇宙物体を前記回避宇宙物体として決定する請求項11に記載の衝突回避支援装置。
  13. 前記衝突回避支援装置は、
    前記回避宇宙物体の決定結果を用いた機械学習により、回避宇宙物体を決定する回避決定処理のアルゴリズムを更新する機械学習部を備えた請求項1から請求項12のいずれか1項に記載の衝突回避支援装置。
  14. 宇宙を飛行する複数の宇宙物体であってメガコンステレーションを含む複数の宇宙物体における宇宙物体同士の衝突の回避を支援する衝突回避支援装置の衝突回避支援方法において、
    前記衝突回避支援装置は、前記複数の宇宙物体の各々の軌道の予報値である軌道予報情報を記憶する記憶部を備え、
    警報制御部が、前記軌道予報情報に基づいて、前記複数の宇宙物体のうち、同時刻において位置関係が危険な複数の宇宙物体が危険予想物体として存在するか否かを判定し、前記危険予想物体が存在すると判定されると、前記危険予想物体が存在することを示す危険警報を出力し、
    回避決定部が、前記危険警報が出力されると、前記危険予想物体に含まれる宇宙物体のうち回避運用を行う宇宙物体である回避宇宙物体を決定し、
    機械学習部が、前記回避宇宙物体の決定結果を用いた機械学習により、回避宇宙物体を決定する回避決定処理のアルゴリズムを更新し、
    前記回避決定部は、
    前記危険予想物体に含まれる各宇宙物体がメガコンステレーションに属するか否かに基づいて、前記回避宇宙物体を決定する衝突回避支援方法。
  15. 前記警報制御部は、前記軌道予報情報と誤差範囲に応じて接近予想物体および衝突予想物体を識別して前記危険警報を出力する請求項14に記載の衝突回避支援方法。
  16. 宇宙を飛行する複数の宇宙物体であってメガコンステレーションを含む複数の宇宙物体における宇宙物体同士の衝突の回避を支援する衝突回避支援装置の衝突回避支援プログラムにおいて、
    前記衝突回避支援装置は、前記複数の宇宙物体の各々の軌道の予報値である軌道予報情報を記憶する記憶部を備え、
    前記軌道予報情報に基づいて、前記複数の宇宙物体のうち、同時刻において位置関係が危険な複数の宇宙物体が危険予想物体として存在するか否かを判定し、前記危険予想物体が存在すると判定されると、前記危険予想物体が存在することを示す危険警報を出力する警報制御処理と、
    前記危険警報が出力されると、前記危険予想物体に含まれる宇宙物体のうち回避運用を行う宇宙物体である回避宇宙物体を決定する回避決定処理であって前記危険予想物体に含まれる各宇宙物体がメガコンステレーションに属するか否かに基づいて、前記回避宇宙物体を決定する回避決定処理と、
    前記回避宇宙物体の決定結果を用いた機械学習により、回避宇宙物体を決定する回避決定処理のアルゴリズムを更新する機械学習処理と
    をコンピュータに実行させる衝突回避支援プログラム。
  17. 前記警報制御処理は、前記軌道予報情報と誤差範囲に応じて接近予想物体および衝突予想物体を識別して前記危険警報を出力する請求項16に記載の衝突回避支援プログラム。
  18. 宇宙を飛翔する宇宙物体の状況を表す宇宙物体情報を管理する宇宙状況監視事業装置であって、
    請求項1から請求項13のいずれか1項に記載の衝突回避支援装置を具備し、
    請求項14に記載の衝突回避支援方法、または、請求項16または請求項17に記載の衝突回避支援プログラムの機能を実行する宇宙状況監視事業装置。
  19. 宇宙物体を捕獲する手段を具備するデブリ除去衛星を管理するデブリ除去事業装置であって、
    請求項1から請求項13のいずれか1項に記載の衝突回避支援装置を具備し、
    請求項14に記載の衝突回避支援方法、または、請求項16または請求項17に記載の衝突回避支援プログラムの機能を実行するデブリ除去事業装置。
  20. 宇宙交通を管理し、宇宙往還機の管制装置あるいは衝突回避支援装置を含む宇宙交通管理事業装置であって、
    請求項1から請求項13のいずれか1項に記載の衝突回避支援装置を具備し、
    請求項14に記載の衝突回避支援方法、または、請求項16または請求項17に記載の衝突回避支援プログラムの機能を実行する宇宙交通管理事業装置。
  21. 将来の宇宙物体Aの加減速量を加味して宇宙物体Bとの接近ないし衝突リスクが予見された場合に、前記宇宙物体Bの管理事業者に対して警報を発信する請求項1から請求項13のいずれか1項に記載の衝突回避支援装置。
  22. 将来の宇宙物体Aの加減速量を加味して宇宙物体Bとの接近ないし衝突リスクが予見された場合に、前記宇宙物体Bの管理事業者に対して警報を発信する請求項14に記載の衝突回避支援方法。
  23. 将来の宇宙物体Aの加減速量を加味して宇宙物体Bとの接近ないし衝突リスクが予見された場合に、前記宇宙物体Bの管理事業者に対して警報を発信する処理を備える請求項16または請求項17に記載の衝突回避支援プログラム。
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