JP7186894B2 - 宇宙物体侵入警報装置、宇宙物体侵入警報方法、宇宙物体侵入警報プログラム、衛星コンステレーション形成システム、デブリ除去衛星、地上設備、および宇宙物体侵入警報システム - Google Patents

宇宙物体侵入警報装置、宇宙物体侵入警報方法、宇宙物体侵入警報プログラム、衛星コンステレーション形成システム、デブリ除去衛星、地上設備、および宇宙物体侵入警報システム Download PDF

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Description

本発明は、宇宙物体侵入警報装置、宇宙物体侵入警報方法、宇宙物体侵入警報プログラム、衛星コンステレーション形成システム、デブリ除去衛星、地上設備、および宇宙物体侵入警報システムに関する。
近年、数百から数千機に及ぶ大規模衛星コンステレーション、所謂メガコンステレーションの構築が始まり、軌道上における衛星の衝突のリスクが高まっている。また、故障により制御不能となった衛星、あるいは、ロケットの残骸といったスペースデブリが増加している。
このような宇宙空間における衛星およびスペースデブリといった宇宙物体の急激な増加に伴い、宇宙交通管制(STM)では、宇宙物体の衝突を回避するための国際的なルール作りの必要性が高まっている。
特許文献1には、同一の円軌道に複数の衛星から成る衛星コンステレーションを形成する技術が開示されている。
従来、米国のCSpOC(Combined Space Operations Center)が宇宙物体の監視を継続し、宇宙物体同士の接近あるいは衝突が予見された場合に警報を発令する仕組みが存在する。有人宇宙基地および商用通信衛星では、この警報に応じて必要と判断した場合に回避運用を実施している。
特開2017-114159号公報
宇宙空間のデブリの増加、メガコンステレーションの登場による衛星数の増加、および地上監視能力の向上に伴い、従来の米国CSpOCによる警報発令サービスの継続が難しくなっている。衛星コンステレーションにデブリが侵入するか否かの判断には、宇宙状況監視(SSA:Space Situation Awareness)が必要となる。
しかしながら、特許文献1には、衛星コンステレーションにデブリが侵入することを予見する方式については記載されていない。
本発明は、衛星コンステレーションの軌道領域にデブリが侵入するか否かを判定することで、適切な侵入警報を通知することを目的とする。
本発明に係る宇宙物体侵入警報装置は、
衛星の軌道の予報値が設定された衛星軌道予報情報と、デブリの軌道の予報値が設定されたデブリ軌道予報情報とに基づいて、衛星コンステレーションを形成する複数の衛星が飛行する軌道または領域である衛星軌道領域をデブリが通過するか否かを判定する通過判定部と、
前記衛星軌道領域をデブリが通過すると判定されると、デブリが通過する予測時刻と予測位置座標と予測速度ベクトル情報とを含む侵入警報を生成する警報生成部と、
前記侵入警報を、前記衛星軌道領域を飛行する衛星を管理する管理事業者により利用される管理事業装置に通知する警報通知部とを備えた。
本発明に係る宇宙物体侵入警報装置では、衛星コンステレーションの軌道領域にデブリが侵入するか否かを判定することができ、適切な侵入警報を通知することができるという効果がある。
複数衛星が連携して地球の全球に亘り通信サービスを実現する例。 単一軌道面の複数衛星が地球観測サービスを実現する例。 極域近傍で交差する複数の軌道面を有する衛星コンステレーションの例。 極域以外で交差する複数の軌道面を有する衛星コンステレーションの例。 衛星コンステレーション形成システムの構成図。 衛星コンステレーション形成システムの衛星の構成図。 衛星コンステレーション形成システムの地上設備の構成図。 衛星コンステレーション形成システムの機能構成例。 実施の形態1に係る宇宙物体侵入警報装置の構成図。 実施の形態1に係る軌道予報情報の例。 実施の形態1に係る宇宙物体侵入警報装置による宇宙物体侵入警報処理のフロー図。 実施の形態1に係る衛星コンステレーションを通過するデブリの予測軌道と侵入警報の例。 誤差がない場合の衛星コンステレーションとデブリとの衝突リスクの例。 誤差がある場合の衛星コンステレーションとデブリとの衝突リスクの例。 実施の形態1の変形例に係る宇宙物体侵入警報装置の構成図。 実施の形態2に係る衛星軌道領域に侵入するデブリの軌道例。 実施の形態2に係るデブリ除去制御装置の構成図。 実施の形態2に係るデブリ除去衛星の構成図。 実施の形態2に係る衛星軌道領域に侵入するデブリの軌道例。
以下、本発明の実施の形態について、図を用いて説明する。なお、各図中、同一または相当する部分には、同一符号を付している。実施の形態の説明において、同一または相当する部分については、説明を適宜省略または簡略化する。また、以下の図面では各構成の大きさの関係が実際のものとは異なる場合がある。また、実施の形態の説明において、「上」、「下」、「左」、「右」、「前」、「後」、「表」、「裏」といった方向あるいは位置が示されている場合がある。それらの表記は、説明の便宜上、そのように記載しているだけであって、装置、器具、あるいは部品といった構成の配置および向きを限定するものではない。
実施の形態1.
以下の実施の形態に係る宇宙物体侵入警報システムの前提となる衛星コンステレーションの例について説明する。
図1は、地上に対し、複数衛星が連携して地球70の全球に亘り通信サービスを実現する例を示す図である。
図1は、全球に亘り通信サービスを実現する衛星コンステレーション20を示している。
同一軌道面を同一高度で飛行している複数の衛星の各衛星では、地上に対する通信サービス範囲が後続衛星の通信サービス範囲とオーバーラップしている。よって、このような複数の衛星によれば、地上の特定地点に対して、同一軌道面上の複数の衛星が時分割的に交互に交代しながら通信サービスを提供することができる。また、隣接軌道面を設けることにより、隣接軌道間の地上に対する通信サービスを面的に網羅することが可能となる。同様に、地球の周りに多数の軌道面を概ね均等配置すれば、全球に亘り地上に対する通信サービスが可能となる。
図2は、単一軌道面の複数衛星が地球観測サービスを実現する例を示す図である。
図2は、地球観測サービスを実現する衛星コンステレーション20を示している。図2の衛星コンステレーション20は、光学センサあるいは合成開口レーダといった電波センサである地球観測装置を具備した衛星が同一軌道面を同一高度で飛行する。このように、地上の撮像範囲が時間遅れで後続衛星がオーバーラップする衛星群300では、地上の特定地点に対して軌道上複数の衛星が時分割的に交互に交代しながら地上画像を撮像することにより地球観測サービスを提供する。
このように、衛星コンステレーション20は、各軌道面の複数の衛星からなる衛星群300により構成される。衛星コンステレーション20では、衛星群300が連携してサービスを提供する。衛星コンステレーション20とは、具体的には、図1に示すような通信事業サービス会社、あるいは、図2に示すような観測事業サービス会社による1つの衛星群から成る衛星コンステレーションを指す。
図3は、極域近傍で交差する複数の軌道面21を有する衛星コンステレーション20の例である。また、図4は、極域以外で交差する複数の軌道面21を有する衛星コンステレーション20の例である。
図3の衛星コンステレーション20では、複数の軌道面の各軌道面21の軌道傾斜角が約90度であり、かつ、複数の軌道面の各軌道面21が互いに異なる面に存在する。
図4の衛星コンステレーション20では、複数の軌道面の各軌道面21の軌道傾斜角が約90度ではなく、かつ、複数の軌道面の各軌道面21が互いに異なる面に存在する。
図3の衛星コンステレーション20では、任意の2つの軌道面が極域近傍の地点で交差する。また、図4の衛星コンステレーション20では、任意の2つの軌道面が極域以外の地点で交差する。図3では、極域近傍において、衛星30の衝突が発生する可能性がある。また、図4に示すように、軌道傾斜角が90度よりも傾斜している複数の軌道面の交点は軌道傾斜角に応じて極域から離れていく。また、軌道面の組合せによって赤道近傍を含む多様な位置で軌道面が交差する可能性がある。このため、衛星30の衝突が発生する可能性のある場所が多様化する。衛星30は人工衛星ともいう。
特に、近年、数百から数千機に及ぶ大規模衛星コンステレーションの構築が始まり、軌道上における衛星の衝突のリスクが高まっている。また、故障により制御不能となった人工衛星、あるいは、ロケットの残骸といったデブリが増加している。大規模衛星コンステレーションは、メガコンステレーションともいう。このようなデブリはスペースデブリともいう。
このように、宇宙空間におけるデブリ増加、および、メガコンステレーションを始めとする衛星数の急激な増加に伴い、宇宙交通管制(STM)の必要性が高まっている。
また、宇宙物体の軌道遷移のために、軌道上のミッション終了後の軌道離脱(PMD)あるいは故障した衛星、および、浮遊するロケット上段といったデブリをデブリ除去衛星といった外的手段により軌道離脱させるADRの必要性が高まっている。このようなADRの必要性について、STMとして国際的な議論が始まっている。ここで、PMDは、Post Mission Disposalの略語である。ADRは、Active Debris Removalの略語である。STMは、Space Traffic Managementの略語である。
また、宇宙状況監視(SSA)の国際協力を含む体制強化および観測精度向上に伴う、把握可能な宇宙物体のサイズは、より小さなものまで監視可能となっている。また、監視可能な宇宙物体の総数はより多くなっている。
メガコンステレーション整備に伴う宇宙物体数の激増は、宇宙空間の衝突リスクを増加される原因のひとつとなる。しかし、仮に人工宇宙物体同士の衝突はSTMといった人為的な活動の効果として回避できたとすると、宇宙空間に浮遊するデブリ衝突がトリガとなる連鎖衝突リスクは依然深刻な問題である。
デブリ自体が微小物体であったとしても、相対速度が大きい衝突条件であれば、衛星が爆裂的に破壊するリスクがあり、飛散した破片による高次被害が連鎖するリスクがある。
数千機のメガコンステレーションでは、同一高度に2500機程度の衛星が飛翔する構想が発表されている。定常運用時には前衛星の飛翔位置を時間管理することにより、自システム内の衝突を回避する方針が主流となっている。しかしながらデブリ衝突がトリガとなり、1機の衛星に軌道姿勢制御の異常が発生して当初の時間管理の制御を逸脱する場合、あるいは、破片が飛散した場合に、同一軌道高度を飛翔する他の衛星に衝突するリスクが非常に高い。
このような衝突リスクを回避するためには、デブリの軌道情報と、メガコンステレーションの軌道情報を一元的に管理して、衝突予測解析を実施するのが合理的である。デブリ情報は、SSAの領域において、バスケットボール大のデブリ約2万個が監視可能と言われてきた。更に将来米国のスペースフェンスと呼ばれる監視能力向上に伴い、ソフトボール大20万個の監視が可能になると言われている。
仮に20万個のデブリ情報をSSA事業者が情報更新しながら維持管理するとした場合、更にメガコンステレーション事業者が保有する1万機以上の軌道情報を一元的に管理することには多くの課題がある。例えば自然現象に基づく軌道予測のみならず、衛星自身が保有する軌道姿勢制御を用いた場合に、その効果を軌道予測解析に反映する必要があり、膨大な作業量を伴う。また、メガコンステレーション事業者が常に最新かつ精度の高い衛星情報をSSA事業者に開示するとは限らない。また20万個のデブリ監視は決して必要十分な規模ではない。ソフトボールよりも小さな微小デブリでも衛星を破壊できるほどのポテンシャルを持ち得る。よって、将来は更にサイズが小さく、膨大な量のデブリを監視する必要性が増す。
一方メガコンステレーション事業者が、20万に及ぶデブリ情報を含めて一元管理することも作業量などの観点で現実的ではない。更に複数のメガコンステレーション事業者の情報を一元的に集約することは容易ではない。
以上のような状況下において、SSA事業者がデブリ軌道情報をメガコンステレーション事業者に渡し、メガコンステレーション事業者が自システム内の衛星との衝突解析を実施するのが好適である。メガコンステレーションでは特定軌道高度に数千機の衛星が飛翔する。よって、デブリ軌道情報としては、メガコンステレーションが運用する特定軌道高度を通過する予測時刻および位置、速度ベクトル情報があれば、メガコンステレーション事業者側に衝突リスクのある衛星を識別して衝突予測解析を実施することが可能となる。
ここで、図5から図8を用いて衛星コンステレーション20を形成する衛星コンステレーション形成システム600における衛星30と地上設備700の一例について説明する。例えば、衛星コンステレーション形成システム600は、メガコンステレーション事業装置41、LEOコンステレーション事業装置42、あるいは衛星事業装置43のような衛星コンステレーション事業を行う事業者により運用される。
図5は、衛星コンステレーション形成システム600の構成図である。
衛星コンステレーション形成システム600は、コンピュータを備える。図5では、1つのコンピュータの構成を示しているが、実際には、衛星コンステレーション20を構成する複数の衛星の各衛星30、および、衛星30と通信する地上設備700の各々にコンピュータが備えられる。そして、複数の衛星の各衛星30、および、衛星30と通信する地上設備700の各々に備えられたコンピュータが連携して、衛星コンステレーション形成システム600の機能を実現する。以下において、衛星コンステレーション形成システム600の機能を実現するコンピュータの構成の一例について説明する。
衛星コンステレーション形成システム600は、衛星30と地上設備700を備える。衛星30は、地上設備700の通信装置950と通信する衛星通信装置32を備える。図5では、衛星30が備える構成のうち衛星通信装置32を図示している。
衛星コンステレーション形成システム600は、プロセッサ910を備えるとともに、メモリ921、補助記憶装置922、入力インタフェース930、出力インタフェース940、および通信装置950といった他のハードウェアを備える。プロセッサ910は、信号線を介して他のハードウェアと接続され、これら他のハードウェアを制御する。衛星コンステレーション形成システム600のハードウェアについては、図9において後述する宇宙物体侵入警報装置100のハードウェアと同様である。
衛星コンステレーション形成システム600は、機能要素として、衛星コンステレーション形成部11を備える。衛星コンステレーション形成部11の機能は、ハードウェアあるいはソフトウェアにより実現される。
衛星コンステレーション形成部11は、衛星30と通信しながら衛星コンステレーション20の形成を制御する。
図6は、衛星コンステレーション形成システム600の衛星30の構成図である。
衛星30は、衛星制御装置31と衛星通信装置32と推進装置33と姿勢制御装置34と電源装置35とを備える。その他、各種の機能を実現する構成要素を備えるが、図6では、衛星制御装置31と衛星通信装置32と推進装置33と姿勢制御装置34と電源装置35について説明する。衛星30は、宇宙物体60の一例である。
衛星制御装置31は、推進装置33と姿勢制御装置34とを制御するコンピュータであり、処理回路を備える。具体的には、衛星制御装置31は、地上設備700から送信される各種コマンドにしたがって、推進装置33と姿勢制御装置34とを制御する。
衛星通信装置32は、地上設備700と通信する装置である。具体的には、衛星通信装置32は、自衛星に関する各種データを地上設備700へ送信する。また、衛星通信装置32は、地上設備700から送信される各種コマンドを受信する。
推進装置33は、衛星30に推進力を与える装置であり、衛星30の速度を変化させる。具体的には、推進装置33は、アポジキックモーターまたは化学推進装置、または電気推進装置である。アポジキックモーター(AKM:Apogee Kick Motor)は、人工衛星の軌道投入に使われる上段の推進装置のことであり、アポジモーター(固体ロケットモーター使用時)、またはアポジエンジン(液体エンジン使用時)とも呼ばれている。
化学推進装置は、一液性ないし二液性燃料を用いたスラスタである。電気推進装置としては、イオンエンジンまたはホールスラスタである。アポジキックモーターは軌道遷移に用いる装置の名称であり、化学推進装置の一種である場合もある。
姿勢制御装置34は、衛星30の姿勢と衛星30の角速度と視線方向(Line Of Sight)といった姿勢要素を制御するための装置である。姿勢制御装置34は、各姿勢要素を所望の方向に変化させる。もしくは、姿勢制御装置34は、各姿勢要素を所望の方向に維持する。姿勢制御装置34は、姿勢センサとアクチュエータとコントローラとを備える。姿勢センサは、ジャイロスコープ、地球センサ、太陽センサ、スター・トラッカ、スラスタおよび磁気センサといった装置である。アクチュエータは、姿勢制御スラスタ、モーメンタムホイール、リアクションホイールおよびコントロール・モーメント・ジャイロといった装置である。コントローラは、姿勢センサの計測データまたは地上設備700からの各種コマンドにしたがって、アクチュエータを制御する。
電源装置35は、太陽電池、バッテリおよび電力制御装置といった機器を備え、衛星30に搭載される各機器に電力を供給する。
衛星制御装置31に備わる処理回路について説明する。
処理回路は、専用のハードウェアであってもよいし、メモリに格納されるプログラムを実行するプロセッサであってもよい。
処理回路において、一部の機能が専用のハードウェアで実現されて、残りの機能がソフトウェアまたはファームウェアで実現されてもよい。つまり、処理回路は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェアまたはこれらの組み合わせで実現することができる。
専用のハードウェアは、具体的には、単一回路、複合回路、プログラム化したプロセッサ、並列プログラム化したプロセッサ、ASIC、FPGAまたはこれらの組み合わせである。
ASICは、Application Specific Integrated Circuitの略称である。FPGAは、Field Programmable Gate Arrayの略称である。
図7は、衛星コンステレーション形成システム600が備える地上設備700の構成図である。
地上設備700は、全ての軌道面の多数衛星をプログラム制御する。地上設備700は、地上装置の例である。地上装置は、地上アンテナ装置、地上アンテナ装置に接続された通信装置、あるいは電子計算機といった地上局と、地上局にネットワークで接続されたサーバあるいは端末としての地上設備から構成される。また、地上装置には航空機、自走車両、あるいは移動端末といった移動体に搭載された通信装置を含んでも良い。
地上設備700は、各衛星30と通信することによって衛星コンステレーション20を形成する。地上設備700は、宇宙物体侵入警報装置100に備えられる。地上設備700は、プロセッサ910を備えるとともに、メモリ921、補助記憶装置922、入力インタフェース930、出力インタフェース940、および通信装置950といった他のハードウェアを備える。プロセッサ910は、信号線を介して他のハードウェアと接続され、これら他のハードウェアを制御する。地上設備700のハードウェアについては、図9において後述する宇宙物体侵入警報装置100のハードウェアと同様である。
地上設備700は、機能要素として、軌道制御コマンド生成部510と、解析予測部520を備える。軌道制御コマンド生成部510および解析予測部520の機能は、ハードウェアあるいはソフトウェアにより実現される。
通信装置950は、衛星コンステレーション20を構成する衛星群300の各衛星30を追跡管制する信号を送受信する。また、通信装置950は、軌道制御コマンド55を各衛星30に送信する。
解析予測部520は、衛星30の軌道を解析予測する。
軌道制御コマンド生成部510は、衛星30に送信する軌道制御コマンド55を生成する。
軌道制御コマンド生成部510および解析予測部520は、衛星コンステレーション形成部11の機能を実現する。すなわち、軌道制御コマンド生成部510および解析予測部520は、衛星コンステレーション形成部11の例である。
図8は、衛星コンステレーション形成システム600の機能構成例を示す図である。
衛星30は、更に、衛星コンステレーション20を形成する衛星コンステレーション形成部11bを備える。そして、複数の衛星の各衛星30の衛星コンステレーション形成部11bと、地上設備700の各々に備えられた衛星コンステレーション形成部11とが連携して、衛星コンステレーション形成システム600の機能を実現する。なお、衛星30の衛星コンステレーション形成部11bは、衛星制御装置31に備えられていてもよい。
***構成の説明***
図9は、本実施の形態に係る宇宙物体侵入警報装置100の構成図である。
宇宙物体侵入警報システム500は、宇宙物体侵入警報装置100を備える。
宇宙物体侵入警報装置100は、管理事業装置40と通信する。宇宙物体侵入警報装置100は、地上設備701に搭載されていてもよい。また、宇宙物体侵入警報装置100は、衛星コンステレーション形成システム600に搭載されていてもよい。あるいは、宇宙物体侵入警報装置100は、SSA事業装置47といった管理事業装置40の少なくともいずれかに搭載されていてもよい。あるいは、宇宙物体侵入警報装置100は、軌道解析サービス事業者に搭載されていてもよい。
管理事業装置40は、人工衛星、あるいは、デブリといった宇宙物体60に関する情報を提供する。管理事業装置40は、人工衛星、あるいは、デブリといった宇宙物体60に関する情報を収集する事業者のコンピュータである。
管理事業装置40には、メガコンステレーション事業装置41、LEOコンステレーション事業装置42、衛星事業装置43、軌道遷移事業装置44、デブリ除去事業装置45、ロケット打ち上げ事業装置46、およびSSA事業装置47といった装置が含まれる。LEOが、Low Earth Orbitの略語である。
メガコンステレーション事業装置41は、大規模衛星コンステレーション、すなわちメガコンステレーション事業を行うメガコンステレーション事業者のコンピュータである。
LEOコンステレーション事業装置42は、低軌道コンステレーション、すなわちLEOコンステレーション事業を行うLEOコンステレーション事業者のコンピュータである。
衛星事業装置43は、1機から数機の衛星を扱う衛星事業者のコンピュータである。
軌道遷移事業装置44は、衛星の宇宙物体侵入警報を行う軌道遷移事業者のコンピュータである。
デブリ除去事業装置45は、デブリを回収する事業を行うデブリ除去事業者のコンピュータである。
ロケット打ち上げ事業装置46は、ロケット打ち上げ事業を行うロケット打ち上げ事業者のコンピュータである。
SSA事業装置47は、SSA事業、すなわち、宇宙状況監視事業を行うSSA事業者のコンピュータである。
管理事業装置40は、人工衛星、あるいは、デブリといった宇宙物体に関する情報を収集し、収集した情報を宇宙物体侵入警報装置100に提供する装置であれば、その他の装置でもよい。また、宇宙物体侵入警報装置100が、SSAの公開サーバ上に搭載される場合は、宇宙物体侵入警報装置100がSSAの公開サーバとして機能する構成でもよい。
なお、管理事業装置40から宇宙物体侵入警報装置100に提供される情報については、後で詳しく説明する。
宇宙物体侵入警報装置100は、プロセッサ910を備えるとともに、メモリ921、補助記憶装置922、入力インタフェース930、出力インタフェース940、および通信装置950といった他のハードウェアを備える。プロセッサ910は、信号線を介して他のハードウェアと接続され、これら他のハードウェアを制御する。
宇宙物体侵入警報装置100は、機能要素として、通過判定部110と警報生成部120と警報通知部130と記憶部140を備える。記憶部140には、軌道予報情報51が記憶されている。
通過判定部110と警報生成部120と警報通知部130の機能は、ソフトウェアにより実現される。記憶部140は、メモリ921に備えられる。あるいは、記憶部140は、補助記憶装置922に備えられていてもよい。また、記憶部140は、メモリ921と補助記憶装置922に分けられて備えられてもよい。
プロセッサ910は、宇宙物体侵入警報プログラムを実行する装置である。宇宙物体侵入警報プログラムは、通過判定部110と警報生成部120と警報通知部130の機能を実現するプログラムである。
プロセッサ910は、演算処理を行うIC(Integrated Circuit)である。プロセッサ910の具体例は、CPU(Central Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)、GPU(Graphics Processing Unit)である。
メモリ921は、データを一時的に記憶する記憶装置である。メモリ921の具体例は、SRAM(Static Random Access Memory)、あるいはDRAM(Dynamic Random Access Memory)である。
補助記憶装置922は、データを保管する記憶装置である。補助記憶装置922の具体例は、HDDである。また、補助記憶装置922は、SD(登録商標)メモリカード、CF、NANDフラッシュ、フレキシブルディスク、光ディスク、コンパクトディスク、ブルーレイ(登録商標)ディスク、DVDといった可搬の記憶媒体であってもよい。なお、HDDは、Hard Disk Driveの略語である。SD(登録商標)は、Secure Digitalの略語である。CFは、CompactFlash(登録商標)の略語である。DVDは、Digital Versatile Diskの略語である。
入力インタフェース930は、マウス、キーボード、あるいはタッチパネルといった入力装置と接続されるポートである。入力インタフェース930は、具体的には、USB(Universal Serial Bus)端子である。なお、入力インタフェース930は、LAN(Local Area Network)と接続されるポートであってもよい。
出力インタフェース940は、ディスプレイといった表示機器941のケーブルが接続されるポートである。出力インタフェース940は、具体的には、USB端子またはHDMI(登録商標)(High Definition Multimedia Interface)端子である。ディスプレイは、具体的には、LCD(Liquid Crystal Display)である。
通信装置950は、レシーバとトランスミッタを有する。通信装置950は、具体的には、通信チップまたはNIC(Network Interface Card)である。宇宙物体侵入警報装置100は、通信装置950を介して、管理事業装置40との通信を行う。
宇宙物体侵入警報プログラムは、プロセッサ910に読み込まれ、プロセッサ910によって実行される。メモリ921には、宇宙物体侵入警報プログラムだけでなく、OS(Operating System)も記憶されている。プロセッサ910は、OSを実行しながら、宇宙物体侵入警報プログラムを実行する。宇宙物体侵入警報プログラムおよびOSは、補助記憶装置922に記憶されていてもよい。補助記憶装置922に記憶されている宇宙物体侵入警報プログラムおよびOSは、メモリ921にロードされ、プロセッサ910によって実行される。なお、宇宙物体侵入警報プログラムの一部または全部がOSに組み込まれていてもよい。
宇宙物体侵入警報装置100は、プロセッサ910を代替する複数のプロセッサを備えていてもよい。これら複数のプロセッサは、プログラムの実行を分担する。それぞれのプロセッサは、プロセッサ910と同じように、プログラムを実行する装置である。
プログラムにより利用、処理または出力されるデータ、情報、信号値および変数値は、メモリ921、補助記憶装置922、または、プロセッサ910内のレジスタあるいはキャッシュメモリに記憶される。
宇宙物体侵入警報システムの各部の「部」を「処理」、「手順」、「手段」、「段階」あるいは「工程」に読み替えてもよい。また、通過判定処理と警報生成処理と警報通知処理の「処理」を「プログラム」、「プログラムプロダクト」または「プログラムを記録したコンピュータ読取可能な記録媒体」に読み替えてもよい。「処理」、「手順」、「手段」、「段階」あるいは「工程」は、互いに読み換えが可能である。
宇宙物体侵入警報プログラムは、宇宙物体侵入警報システムの各部の「部」を「処理」、「手順」、「手段」、「段階」あるいは「工程」に読み替えた各処理、各手順、各手段、各段階あるいは各工程を、コンピュータに実行させる。また、宇宙物体侵入警報方法は、宇宙物体侵入警報装置100が宇宙物体侵入警報プログラムを実行することにより行われる方法である。
宇宙物体侵入警報プログラムは、コンピュータ読取可能な記録媒体に格納されて提供されてもよい。また、各プログラムは、プログラムプロダクトとして提供されてもよい。
図10は、本実施の形態に係る軌道予報情報51の例を示す図である。
宇宙物体侵入警報装置100は、宇宙物体60の軌道の予報値が設定された軌道予報情報51を記憶部140に記憶する。宇宙物体侵入警報装置100は、例えば、複数の宇宙物体60を管理する管理事業者により利用される管理事業装置40から、複数の宇宙物体60の各々の軌道の予報値を取得し、軌道予報情報51として記憶してもよい。あるいは、宇宙物体侵入警報装置100は、複数の宇宙物体60の各々の軌道の予報値が設定された軌道予報情報51を管理事業者から取得し、記憶部140に記憶してもよい。
管理事業者は、衛星コンステレーション、各種の衛星、ロケット、およびデブリといった宇宙を飛行する宇宙物体60を管理する事業者である。また、上述したように、各管理事業者により利用される管理事業装置40は、メガコンステレーション事業装置41、LEOコンステレーション事業装置42、衛星事業装置43、軌道遷移事業装置44、デブリ除去事業装置45、ロケット打ち上げ事業装置46、およびSSA事業装置47といったコンピュータである。
軌道予報情報51には、衛星軌道予報情報52とデブリ軌道予報情報53とが含まれる。衛星軌道予報情報52には、衛星の軌道の予報値が設定されている。デブリ軌道予報情報53には、デブリの軌道の予報値が設定されている。本実施の形態では、衛星軌道予報情報52とデブリ軌道予報情報53とが軌道予報情報51に含まれる構成であるが、衛星軌道予報情報52とデブリ軌道予報情報53とが、個々の情報として記憶部140に記憶されていても構わない。
軌道予報情報51には、例えば、宇宙物体ID(Identifier)511、予報元期512、予報軌道要素513、および予報誤差514といった情報が設定される。
宇宙物体ID511は、宇宙物体60を識別する識別子である。図11では、宇宙物体ID511として、衛星IDとデブリIDが設定されている。宇宙物体は、具体的には、宇宙空間に打ち上げられるロケット、人工衛星、宇宙基地、デブリ除去衛星、惑星探査宇宙機、ミッション終了後にデブリ化した衛星あるいはロケットといった物体である。
予報元期512は、複数の宇宙物体の各々の軌道について予報されている元期である。
予報軌道要素513は、複数の宇宙物体の各々の軌道を特定する軌道要素である。予報軌道要素513は、複数の宇宙物体の各々の軌道について予報されている軌道要素である。図11では、予報軌道要素513として、ケプラー軌道6要素が設定されている。
予報誤差514は、複数の宇宙物体の各々の軌道において予報される誤差である。予報誤差514には、進行方向誤差、直交方向誤差、および誤差の根拠が設定されている。このように、予報誤差514には、実績値が内包する誤差量が根拠とともに明示的に示される。誤差量の根拠としては、計測手段、位置座標情報の精度向上手段として実施したデータ処理の内容、および、過去データの統計的評価結果の一部あるいはすべてが含まれる。
なお、本実施の形態に係る軌道予報情報51では、宇宙物体60について、予報元期512と予報軌道要素513が設定されている。予報元期512と予報軌道要素513により、宇宙物体60の近未来における時刻と位置座標を求めることができる。例えば、宇宙物体60についての近未来の時刻と位置座標が、軌道予報情報51に設定されていてもよい。
このように、軌道予報情報51には、元期と軌道要素、あるいは、時刻と位置座標を含む宇宙物体の軌道情報が具備され、宇宙物体60の近未来の予報値が明示的に示されている。
***動作の説明***
図11は、本実施の形態に係る宇宙物体侵入警報装置100による宇宙物体侵入警報処理S100のフロー図である。
また、図12は、本実施の形態に係る衛星コンステレーション20を通過するデブリの予測軌道と侵入警報111の例を示す図である。
<宇宙物体侵入警報処理S100の動作>
ステップS101において、通過判定部110は、衛星軌道予報情報52とデブリ軌道予報情報53とに基づいて、衛星コンステレーション20を形成する複数の衛星が飛行する軌道または領域である衛星軌道領域301をデブリが通過するか否かを判定する。具体的には、衛星軌道領域301は、衛星コンステレーション20が形成された軌道である。衛星軌道領域301をデブリが通過すると判定されると、処理はステップS102に進む。衛星軌道領域をデブリが通過すると判定されない場合、ステップS101の処理を繰り返す。
ステップS102において、警報生成部120は、デブリが通過する予測時刻と予測位置座標と予測速度ベクトル情報とを含む侵入警報111を生成する。
図12では、軌道高度Akmの衛星コンステレーションAと軌道高度Bkmの衛星コンステレーションBが形成された衛星軌道領域301をデブリが通過する様子を示している。通過判定部110は、衛星軌道予報情報52とデブリ軌道予報情報53とに基づいて、デブリの予測軌道が衛星コンステレーションを通過するか否かを判定する。図12では、衛星コンステレーションAの入口と出口、および、衛星コンステレーションBの入口と出口が衛星コンステレーション20の通過点となる。
警報生成部120は、これらの4箇所の通過点の各々について、通過時に予測される(時刻、座標、速度ベクトル)を含む侵入警報111を生成する。
ステップS103において、警報通知部130は、侵入警報111を、衛星軌道領域301を飛行する衛星を管理する管理事業者により利用される管理事業装置40に通知する。具体的には、警報通知部は、前記衛星コンステレーションを運用する衛星コンステレーション事業者により用いられる衛星コンステレーション事業装置に侵入警報を通知する。衛星コンステレーション事業装置は、メガコンステレーション事業装置41、LEOコンステレーション事業装置42、あるいは衛星事業装置43のような衛星コンステレーション事業を行う事業者である。
図13は、誤差がない場合の衛星コンステレーション20とデブリとの衝突リスクの例を示す図である。
図14は、本実施の形態に係る衛星コンステレーション20とデブリとの衝突リスクの例を示す図である。
メガコンステレーションの衛星群を対象として、デブリの侵入警報を発令する場合、接近警報と衝突警報を警報発令側が区別することは困難となる。以下メガコンステレーションにおける衝突リスクと接近リスクの概念を説明する。
衝突リスクがあるのは、特定高度を通過する入口と出口の2箇所に限定される。しかし、衝突する可能性のある衛星は近傍軌道を飛翔する多数の衛星である。デブリの予測軌道が誤差を含まず、メガコンステレーションの衛星が飛翔する軌道高度にもばらつきがなければ、衝突リスクがある点が特定でき、入口と出口に2点に限定される。
しかしながら、実際にはデブリの予測軌道には誤差があり、またメガコンステレーションの衛星が飛翔する軌道高度にもばらつきあるいは誤差がある。このため、衝突リスクは点ではなく、領域としての空間的な広がりをもつことになる。またデブリの飛翔方向の時刻誤差は飛翔方向に対する空間的な誤差に還元される。更にメガコンステレーション側は、時刻誤差に応じた飛翔距離に拡大して、衝突リスクのある衛星が増えることになる。
相対距離が100km以下に接近する場合に接近警報を発令する場合がある。予測誤差に加えて100km相当拡大したエリアが「接近リスクのあるエリア」となり、メガコンステレーション側の対象衛星は更に増加することになる。
低軌道周回衛星は概ね7km/secから10km/sec程度で飛翔しているので、10秒の時刻誤差があれば100km相当のエリア拡大を及ぼすことになる。
また位置座標は、地球固定座標系WGS84といった座標系を採用すれば一意に位置を特定できる。しかし、地球に対してメガコンステレーションの衛星軌道面は時々刻々相対移動している。よって、特定時刻において、軌道面がどの位置にあるかは、厳密にはメガコンステレーション事業者しか把握することができない。加えて当該軌道面のどこを衛星が飛翔しているかを正確に把握しているのもメガコンステレーション事業者に限定される。
したがって、米国CSpOCの警報発令サービスを継承するSSA事業者が登場した場合に、SSA事業者は当該軌道高度を通過する予測時刻、予測位置座標、および予測速度ベクトルをメガコンステレーション事業者に対して「警報」として発令すれば十分である。本実施の形態では、この「警報」を侵入警報111と呼ぶ。そして、その侵入警報111を受けて、回避行動をとるのはメガコンステレーション事業者といった衛星コンステレーション事業者の役割となる。
<衛星コンステレーション形成システムによる衝突回避について>
図5から図8で説明した衛星コンステレーション形成システム600は、宇宙物体侵入警報装置100による侵入警報111に基づいて、衛星コンステレーション20に侵入するデブリを回避するように衛星コンステレーション20を制御する。
また、図5から図8に示すように、衛星コンステレーション形成システム600が地上設備700に搭載されていてもよい。その場合、地上設備700は、宇宙物体侵入警報装置100による侵入警報111に基づいて、衛星軌道領域301に侵入するデブリと衛星コンステレーション20を構成する衛星との衝突を回避する回避行動を制御する。
衛星コンステレーション事業者は、衛星コンステレーション形成システム600により、少なくとも全ての衛星を一斉に増速ないし減速するといった方法により、全ての衛星の相対位置関係を著しく狂わすことなく衝突回避をする運用が可能である。よって、衛星コンステレーション形成システム600は、本実施の形態に係る侵入警報111により、デブリ衝突を回避することができる。
***本実施の形態の効果の説明***
本実施の形態に係る宇宙物体侵入警報装置100では、衛星コンステレーションにデブリが侵入すると判定されると、予測時刻と予測位置座標と予測速度ベクトル情報とを含む侵入警報を通知することができる。このように、本実施の形態に係る宇宙物体侵入警報装置100によれば、衛星コンステレーションの軌道領域にデブリが侵入するか否かを判定することができ、適切な侵入警報を通知することができる。また、本実施の形態に係る侵入警報を通知された衛星コンステレーション形成システムあるいは地上設備は、適切な回避行動をとることができる。
***他の構成***
本実施の形態では、宇宙物体侵入警報装置100の機能がソフトウェアで実現される。変形例として、宇宙物体侵入警報装置100の機能がハードウェアで実現されてもよい。
図15は、本実施の形態の変形例に係る宇宙物体侵入警報装置100の構成を示す図である。
宇宙物体侵入警報装置100は、プロセッサ910に替えて電子回路909を備える。
電子回路909は、宇宙物体侵入警報装置100の機能を実現する専用の電子回路である。
電子回路909は、具体的には、単一回路、複合回路、プログラム化したプロセッサ、並列プログラム化したプロセッサ、ロジックIC、GA、ASIC、または、FPGAである。GAは、Gate Arrayの略語である。
宇宙物体侵入警報装置100の機能は、1つの電子回路で実現されてもよいし、複数の電子回路に分散して実現されてもよい。
別の変形例として、宇宙物体侵入警報装置100の一部の機能が電子回路で実現され、残りの機能がソフトウェアで実現されてもよい。
プロセッサと電子回路の各々は、プロセッシングサーキットリとも呼ばれる。つまり、宇宙物体侵入警報装置100の機能は、プロセッシングサーキットリにより実現される。
実施の形態2.
本実施の形態では、主に、実施の形態1と異なる点、あるいは、実施の形態1に追加する点について説明する。本実施の形態において、実施の形態1と同様の構成については同一の符号を付し、その説明を省略する。
***構成の説明***
本実施の形態において、衛星コンステレーション形成システム600および宇宙物体侵入警報装置100の構成は、実施の形態1の図5から図9で説明したものと同様である。
本実施の形態では、衛星軌道領域301は、太陽同期軌道LST(Local Sun Time)10:30程度かつ高度500kmから800km程度の軌道を含む。警報通知部130は、デブリを除去するデブリ除去事業者により利用されるデブリ除去事業装置45に、デブリが太陽同期軌道LST10:30程度かつ高度500kmから800km程度の軌道に侵入することを警告するための侵入警報111を通知する。
図16は、本実施の形態に係る衛星軌道領域301に侵入するデブリの軌道例を示す図である。
地球観測光学衛星が多用する太陽同期軌道のLST10:30近傍で軌道高度500kmから800km程度には、現状でも複数国、多数の事業者の衛星が飛翔している。将来は多数のステークホルダーの衛星が数珠つなぎ状に運用する密集軌道になることが想定される。この密集軌道面とほぼ同一面内にデブリが侵入する場合、多数の衛星が接近警報ないし衝突警報の対象となる。
更に、この軌道ではCubeSatと呼ばれる小型衛星など、自力で回避行動をとる手段を持たない衛星については、衝突警報が発令されても回避行動をとることができない。密集軌道において回避行動をとる衛星ととらない衛星が混在した場合、回避したつもりが別の衛星に衝突するといった副次的衝突リスクが発生するため、密集軌道においては回避行動をとることが合理的とは限らない。
またデブリ飛来の予測時刻に誤差が含まれる場合、衛星飛翔方向とデブリ飛翔方向が近い場合には距離換算では大きな距離となり、多数の衛星が衝突リスクに晒されることになる。
低軌道周回衛星は概ね90分から100分で1周するので、仮にデブリ飛来に±50分程度の不確定性があれば、当該軌道面の全ての衛星に衝突リスクが発生する。
更に密集軌道上で衝突事故が発生した場合、衝突する連鎖が非常に高いことも問題である。
従って、密集軌道に侵入するデブリの軌道予測が見出された場合は、デブリ除去事業者に早急に警報を発令して当該デブリを除去するのが合理的である。
図17は、本実施の形態に係るデブリ除去制御装置190の構成例を示す図である。
図18は、本実施の形態に係るデブリ除去衛星30aの構成例を示す図である。
デブリ除去衛星30aは、図5から図8で説明した衛星30の構成に加え、デブリを捕獲する捕獲装置36を備える。デブリ除去衛星30aは、デブリ除去制御装置190からの制御コマンド56により、デブリを捕獲し、大気圏突入までのデオービット過程において、宇宙物体との衝突リスクの高い領域を回避して降下する軌道降下時能動的制御運用を行う。軌道降下時能動的制御運用は、アクティブデオービット運用ともいう。
デブリ除去制御装置190は、地上設備702に搭載されていてもよい。また、デブリ除去制御装置190は、デブリ除去事業装置45に搭載されていてもよいし、デブリ除去事業装置45と通信するその他の装置に搭載されていてもよい。
デブリ除去制御装置190の制御部191は、デブリ除去衛星30aに送信する制御コマンド56を生成する。制御コマンド56には、捕獲コマンド57と、軌道制御コマンド55とが含まれる。
制御部191は、デブリを、捕獲装置36により捕獲する捕獲コマンド57を生成する。また、制御部191は、デブリを捕獲した状態のデブリ除去衛星30aに対してアクティブデオービット運用を実施する軌道制御コマンド55を生成する。
デブリ除去衛星30aは、制御コマンド56に基づいて、デブリを捕獲し、アクティブデオービット運用を実施する。
また、衛星軌道領域301は、極域を含む高緯度領域を含んでいてもよい。警報通知部130は、デブリを除去するデブリ除去事業者により利用されるデブリ除去事業装置45に、デブリが極域を含む高緯度領域に侵入することを警告するための侵入警報111を通知する。
図19は、本実施の形態に係る衛星軌道領域301に侵入するデブリの軌道例を示す図である。
極軌道衛星のコンステレーションでは、全ての軌道面が極域を通過するため、極域が密集領域となる。
仮にデブリ飛来時刻の予測誤差が±50分あると、全ての軌道面の全衛星に衝突リスクが発生する可能性がある。また回避行動をとりたくても、通常衛星の具備する推進装置で寄与できる回避行動は軌道高度の変更程度であり、有効なリスク回避手段とならない可能性もあり、回避行動をとることが事実上困難な事態も起こり得る。
従って、極域を含む高緯度地域上空に侵入するデブリの軌道予測が見出された場合は、デブリ除去事業者に早急に警報を発令して当該デブリを除去するのが合理的である。
実施の形態1では、メガコンステレーション事業者といった衛星コンステレーション事業者に対する侵入警報の例を説明した。衛星コンステレーション事業者に対する侵入警報は、例えば、不審者発見時における巨大マンションの統括管理組織に対する侵入警報の通報に似ている。実施の形態2では、デブリ除去事業者に対する侵入警報の例を説明した。デブリ除去事業者に対する侵入警報は、警備保障サービス組織に対する侵入警報の通報に似ている。
宇宙物体侵入警報システムは、複数の宇宙物体を管理する管理事業者により利用される管理事業装置から取得した宇宙物体情報を記録する宇宙情報レコーダーと、サーバとを備えていてもよい。また、宇宙物体侵入警報システムは、宇宙情報レコーダーから取得した宇宙物体情報を格納するデータベースを備えていてもよい。サーバは、管理事業装置に対して侵入警報を送信し、宇宙物体との衝突の回避を支援する。
サーバは、具体的には、宇宙物体侵入警報装置である。データベースはサーバに備えられていてもよいし、サーバとは別の装置でもよい。サーバは、プロセッサあるいは電子回路といったプロセッシングサーキットリにより、以下の段階(手段あるいは部ともいう)を実現する。
データベースは、具体的には、メモリ、補助記憶装置、あるいは、ファイルサーバでもよい。宇宙情報レコーダーは、複数の宇宙物体を管理する管理事業者により利用される管理事業装置から取得した宇宙物体情報を記録する。宇宙物体侵入警報装置が宇宙情報レコーダーを備えていてもよい。宇宙情報レコーダーに、軌道予報情報が含まれていてもよい。
サーバは、以下の段階を備える。
・多数の宇宙物体が飛行する密集領域を定義して登録する段階。
・宇宙情報レコーダーに記録された宇宙物体情報の中から、密集領域のいずれかに侵入が予見される宇宙物体Aを識別する段階。
・宇宙物体Aの管理事業装置に対して侵入警報を送信する段階。
・密集領域を飛行する宇宙物体を管理する管理事業装置に対して侵入警報を送信する段階。
宇宙物体情報は、宇宙物体の予報元期と予報軌道要素と予報誤差とを含む。
密集領域は、概ね、太陽同期軌道LST10:00から11:00の衛星群が存在する軌道高度300kmから1000kmの範囲である。
また、密集領域は、概ね、極軌道衛星群が飛行する北緯80度以上、または南緯80度以上であって、軌道高度300kmから1000kmの範囲である。
密集領域は、メガコンステレーションを構成する衛星群の管理事業装置から取得した、同じ公称高度を飛翔して連携して同一ミッションを実現するコンステレーション衛星群の飛行する高度範囲と緯度範囲を含む。
サーバは、宇宙物体Aが密集領域に侵入してから離脱するまでの予報時間帯と予報軌道情報とを解析する段階を備える。
また、サーバは、宇宙物体Aが密集領域に侵入してから離脱するまでの予報時間帯と予報軌道情報とを、宇宙物体Aの管理事業装置と、密集領域を飛行する宇宙物体の管理事業装置に送信する段階を備える。
また、サーバは、宇宙物体Aが密集領域に侵入することを予報する侵入警報と、宇宙物体Aが密集領域に侵入してから離脱するまでの予報時間帯と予報軌道情報とを、デブリ除去衛星を管理するデブリ除去事業者の管理事業装置に送信する段階を備える。
また、サーバは、宇宙物体Aが密集領域に侵入することを予報する侵入警報と、宇宙物体Aが密集領域に侵入してから離脱するまでの予報時間帯と予報軌道情報とを、宇宙保険を運用する宇宙保険事業者の管理事業装置に送信する段階を備える。
メガコンステレーション事業者の管理事業装置は、メガコンステレーションの衛星群の宇宙物体情報と、宇宙物体Aの宇宙物体情報とにより衝突解析する手段を具備する。
サーバは、衝突解析により衝突が予見された場合に、メガコンステレーションの衛星が衝突を回避する衝突回避方法において、メガコンステレーション事業者の管理事業装置に侵入警報を送信する段階を備える。
デブリ除去手段を具備するデブリ除去事業者の管理事業装置は、宇宙物体Aの宇宙物体情報に基づき、デブリ除去手段により侵入予報時間よりも前に宇宙物体Aを予報軌道位置において捕獲し、侵入を回避する衝突回避方法を行う。衝突回避方法において、サーバは、デブリ除去事業者の管理事業装置に侵入警報を送信する。
宇宙保険事業者は、宇宙物体の衝突による損害を、予め徴収して貯蓄した保険料を財源として、保険金支払いにより賄う保険金支払いシステムを運用する。保険金支払いシステムは、宇宙物体の衝突が予見されてから契約を開始するシステムである。保険金支払いシステムにおいて、サーバは、宇宙保険事業者の管理事業装置に侵入警報を送信する。
宇宙物体Aは、新規に打ち上げられるロケットである。あるいは、宇宙物体Aは、軌道遷移途中の静止衛星または準天頂衛星である。あるいは、宇宙物体Aは、デオービット過程における軌道降下途中の宇宙物体である。
以上の実施の形態1,2では、宇宙物体侵入警報装置の各部を独立した機能ブロックとして説明した。しかし、宇宙物体侵入警報装置の構成は、上述した実施の形態のような構成でなくてもよい。宇宙物体侵入警報装置の機能ブロックは、上述した実施の形態で説明した機能を実現することができれば、どのような構成でもよい。また、宇宙物体侵入警報装置は、1つの装置でも、複数の装置から構成されたシステムでもよい。
また、実施の形態1,2のうち、複数の部分を組み合わせて実施しても構わない。あるいは、これらの実施の形態のうち、1つの部分を実施しても構わない。その他、これらの実施の形態を、全体としてあるいは部分的に、どのように組み合わせて実施しても構わない。
すなわち、実施の形態1,2では、実施の形態1,2の部分の自由な組み合わせ、あるいは任意の構成要素の変形、もしくは実施の形態1,2において任意の構成要素の省略が可能である。
なお、上述した実施の形態は、本質的に好ましい例示であって、本発明の範囲、本発明の適用物の範囲、および本発明の用途の範囲を制限することを意図するものではない。上述した実施の形態は、必要に応じて種々の変更が可能である。
20 衛星コンステレーション、21 軌道面、30 衛星、30a デブリ除去衛星、31 衛星制御装置、32 衛星通信装置、33 推進装置、34 姿勢制御装置、35 電源装置、36 捕獲装置、40 管理事業装置、41 メガコンステレーション事業装置、42 LEOコンステレーション事業装置、43 衛星事業装置、44 軌道遷移事業装置、45 デブリ除去事業装置、46 ロケット打ち上げ事業装置、47 SSA事業装置、51 軌道予報情報、52 衛星軌道予報情報、53 デブリ軌道予報情報、511 宇宙物体ID、512 予報元期、513 予報軌道要素、514 予報誤差、60 宇宙物体、70 地球、100 宇宙物体侵入警報装置、110 通過判定部、111 侵入警報、120 警報生成部、130 警報通知部、140 記憶部、190 デブリ除去制御装置、191 制御部、55 軌道制御コマンド、56 制御コマンド、57 捕獲コマンド、301 衛星軌道領域、500 宇宙物体侵入警報システム、600 衛星コンステレーション形成システム、11,11b 衛星コンステレーション形成部、300 衛星群、700,701,702 地上設備、510 軌道制御コマンド生成部、520 解析予測部、909 電子回路、910 プロセッサ、921 メモリ、922 補助記憶装置、930 入力インタフェース、940 出力インタフェース、941 表示機器、950 通信装置。

Claims (24)

  1. 衛星の軌道の予報値が設定された衛星軌道予報情報と、デブリの軌道の予報値が設定されたデブリ軌道予報情報とに基づいて、衛星コンステレーションを形成する複数の衛星が飛行する軌道または領域である衛星軌道領域をデブリが通過するか否かを判定する通過判定部と、
    前記衛星軌道領域をデブリが通過すると判定されると、デブリが通過する予測時刻と予測位置座標と予測速度ベクトル情報とを含む侵入警報を生成する警報生成部と、
    前記侵入警報を、前記衛星軌道領域を飛行する衛星を管理する管理事業者により利用される管理事業装置に通知する警報通知部と
    を備えた宇宙物体侵入警報装置。
  2. 前記衛星軌道領域は、前記衛星コンステレーションが形成された軌道であり、
    前記警報通知部は、前記衛星コンステレーションを運用する衛星コンステレーション事業者により用いられる衛星コンステレーション事業装置に前記侵入警報を通知する請求項1に記載の宇宙物体侵入警報装置。
  3. 前記衛星軌道領域は、太陽同期軌道LST(Local Sun Time)10:30程度かつ高度500kmから800km程度の軌道であり、
    前記警報通知部は、デブリを除去するデブリ除去事業者により利用されるデブリ除去事業装置に前記侵入警報を通知する請求項1または請求項2に記載の宇宙物体侵入警報装置。
  4. 前記衛星軌道領域は、極域を含む高緯度領域であり、
    前記警報通知部は、デブリを除去するデブリ除去事業者により利用されるデブリ除去事業装置に前記侵入警報を通知する請求項1または請求項2に記載の宇宙物体侵入警報装置。
  5. 通過判定部が、衛星の軌道の予報値が設定された衛星軌道予報情報と、デブリの軌道の予報値が設定されたデブリ軌道予報情報とに基づいて、衛星コンステレーションを形成する複数の衛星が飛行する軌道または領域である衛星軌道領域をデブリが通過するか否かを判定し、
    警報生成部が、前記衛星軌道領域をデブリが通過すると判定されると、デブリが通過する予測時刻と予測位置座標と予測速度ベクトル情報とを含む侵入警報を生成し、
    警報通知部が、前記侵入警報を、前記衛星軌道領域を飛行する衛星を管理する管理事業者により利用される管理事業装置に通知する宇宙物体侵入警報方法。
  6. 衛星の軌道の予報値が設定された衛星軌道予報情報と、デブリの軌道の予報値が設定されたデブリ軌道予報情報とに基づいて、衛星コンステレーションを形成する複数の衛星が飛行する軌道または領域である衛星軌道領域をデブリが通過するか否かを判定する通過判定処理と、
    前記衛星軌道領域をデブリが通過すると判定されると、デブリが通過する予測時刻と予測位置座標と予測速度ベクトル情報とを含む侵入警報を生成する警報生成処理と、
    前記侵入警報を、前記衛星軌道領域を飛行する衛星を管理する管理事業者により利用される管理事業装置に通知する警報通知処理と
    をコンピュータに実行させる宇宙物体侵入警報プログラム。
  7. 請求項1または請求項2に記載の宇宙物体侵入警報装置による侵入警報に基づいて、衛星コンステレーションに侵入するデブリを回避するように前記衛星コンステレーションを制御する衛星コンステレーション形成システム。
  8. 請求項3または請求項4に記載の宇宙物体侵入警報装置による侵入警報に基づいて、衛星軌道領域に侵入するデブリを除去するデブリ除去衛星。
  9. 請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の宇宙物体侵入警報装置による侵入警報に基づいて、衛星軌道領域に侵入するデブリと前記衛星コンステレーションを構成する衛星との衝突を回避する回避行動を制御する地上設備。
  10. 複数の宇宙物体を管理する管理事業者により利用される管理事業装置から取得した宇宙物体情報を記録する宇宙情報レコーダーと、サーバとを備え、
    前記サーバが、
    多数の宇宙物体が飛行する密集領域を定義して登録する段階と、
    前記宇宙情報レコーダーに記録された宇宙物体情報の中から、前記密集領域のいずれかに侵入が予見される宇宙物体Aを識別する段階と、
    前記宇宙物体Aの管理事業装置に対して侵入警報を送信する段階と、
    前記密集領域を飛行する宇宙物体を管理する管理事業装置に対して侵入警報を送信する段階と
    を備えた宇宙物体侵入警報システム。
  11. 前記宇宙物体情報は、宇宙物体の予報元期と予報軌道要素と予報誤差とを含む請求項10に記載の宇宙物体侵入警報システム。
  12. 前記密集領域は、太陽同期軌道LST(Local Sun Time)10:00から11:00の衛星群が存在する軌道高度300kmから1000kmの範囲を含む請求項10または請求項11に記載の宇宙物体侵入警報システム。
  13. 前記密集領域は、極軌道衛星群が飛行する北緯80度以上、または南緯80度以上であって、軌道高度300kmから1000kmの範囲を含む請求項10または請求項11に記載の宇宙物体侵入警報システム。
  14. 前記密集領域は、衛星コンステレーションを構成する衛星群の管理事業装置から取得した、同じ公称高度を飛翔するとともに連携して同一ミッションを実現するコンステレーション衛星群の飛行する高度範囲と緯度範囲を含む請求項10または請求項11に記載の宇宙物体侵入警報システム。
  15. 前記サーバは、
    前記宇宙物体Aが前記密集領域に侵入してから離脱するまでの予報時間帯と予報軌道情報とを解析する段階を備えた請求項10から請求項14のいずれか1項に記載の宇宙物体侵入警報システム。
  16. 前記サーバは、
    前記宇宙物体Aが前記密集領域に侵入してから離脱するまでの予報時間帯と予報軌道情報とを、前記宇宙物体Aの管理事業装置と、前記密集領域を飛行する宇宙物体の管理事業装置に送信する段階を備えた請求項10から請求項15のいずれか1項に記載の宇宙物体侵入警報システム。
  17. 前記サーバは、
    前記宇宙物体Aが前記密集領域に侵入することを予報する侵入警報と、前記宇宙物体Aが前記密集領域に侵入してから離脱するまでの予報時間帯と予報軌道情報とを、デブリ除去衛星を管理するデブリ除去事業者の管理事業装置に送信する段階を備えた請求項10から請求項15のいずれか1項に記載の宇宙物体侵入警報システム。
  18. 前記サーバは、
    前記宇宙物体Aが前記密集領域に侵入することを予報する侵入警報と、前記宇宙物体Aが前記密集領域に侵入してから離脱するまでの予報時間帯と予報軌道情報とを、宇宙保険を運用する宇宙保険事業者の管理事業装置に送信する段階を備えた請求項10から請求項15のいずれか1項に記載の宇宙物体侵入警報システム。
  19. 衛星コンステレーション事業者の管理事業装置が、衛星コンステレーションの衛星群の宇宙物体情報と、前記宇宙物体Aの宇宙物体情報とにより衝突解析する手段を具備し、
    前記サーバは、
    前記衝突解析により衝突が予見された場合に、衛星コンステレーションの衛星が衝突を回避する衝突回避方法において、前記衛星コンステレーション事業者の管理事業装置に侵入警報を送信する段階を備えた請求項16に記載の宇宙物体侵入警報システム。
  20. 前記サーバは、
    デブリ除去手段を具備する前記デブリ除去事業者の管理事業装置が、前記宇宙物体Aの宇宙物体情報に基づき、デブリ除去手段により侵入予報時間よりも前に前記宇宙物体Aを予報軌道位置において捕獲して侵入を回避する衝突回避方法において、前記デブリ除去事業者の管理事業装置に侵入警報を送信する請求項17に記載の宇宙物体侵入警報システム。
  21. 前記サーバは、
    宇宙物体の衝突による損害を、予め徴収して貯蓄した保険料を財源として、保険金支払いにより賄う保険金支払いシステムであって、宇宙物体の衝突が予見されてから契約を開始する保険金支払いシステムにおいて、前記宇宙保険事業者の管理事業装置に侵入警報を送信する請求項18に記載の宇宙物体侵入警報システム。
  22. 前記宇宙物体Aが新規に打ち上げられるロケットである請求項10に記載の宇宙物体侵入警報システム。
  23. 前記宇宙物体Aが軌道遷移途中の静止衛星または準天頂衛星である請求項10に記載の宇宙物体侵入警報システム。
  24. 前記宇宙物体Aがデオービット過程における軌道降下途中の宇宙物体である請求項10に記載の宇宙物体侵入警報システム。
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