JP7260869B2 - 多結晶アルミナ基板及び積層体 - Google Patents

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Description

本発明は、例えば、半導体膜を形成するための下地(成長基板)として使用する多結晶アルミナ基板及び該基板に窒化物半導体膜を積層した積層体に関する。
発光ダイオード(LED)は、電流を光に変換する半導体デバイスである。LEDに使用する材料として、特に窒化ガリウム(GaN)等の窒化物半導体は、インジウムと組み合わせてInGaN/GaN半導体層とすることにより、これまで困難だった青色~緑色及び白色の可視光の放射を可能とするため、近年非常に注目されてきた。
GaNの成長基板として、SiC基板やGaN基板が使用されている。しかしながら、これらの基板は量産性が低く、価格が高いために、用途が限られていた。また、安価な基板としてSi基板が検討されているが、GaNとの格子ミスマッチが大きく、バッファ層を介在させて欠陥密度が単位面積あたり10個以上と多い。そのため、得られる半導体膜を使用しても、高輝度なLEDを実現するには限界がある。
上記のような状況から、現状のGaN膜を用いたLEDでは、サファイア基板上にGaN膜をエピタキシャル成長させたものが用いられる(特許文献1)。しかしながら、サファイア基板は、直径8インチの大きさまで実用化されているものの、12インチ以上は歩留まりが悪く、量産性に課題がある。そのため、大面積のエピタキシャル膜の製造は困難であった。
特開平4-164895号公報
本発明の目的の1つは、半導体膜を形成するための成長基板として好適に使用できる多結晶アルミナ基板を提供することである。
本発明によれば、以下の多結晶アルミナ基板等が提供される。
1.酸化アルミニウム(Al)を主成分とし、下記式(1)及び(2)を満たす多結晶アルミナ基板。
0.001<I006/ΣIhkl<0.130 (1)
0.05<I1010 /ΣIhkl<0.60 (2)
(式中、I006は、X線回折により測定した酸化アルミニウムの(006)面の回折ピーク強度を示し、I1010 は、X線回折により測定した酸化アルミニウムの(1010)面の回折ピーク強度を示し、ΣIhklはX線回折法により測定した酸化アルミニウムの全ての結晶面の回折ピーク強度の総和を示す。)
2.表面の凹凸間差の最大値が1μm以下である、1に記載の多結晶アルミナ基板。
3.導電性微粒子を含む、1又は2に記載の多結晶アルミナ基板。
4.蛍光微粒子を含む、1~3のいずれかに記載の多結晶アルミナ基板。
5.1~4のいずれかに記載の多結晶アルミナ基板と、
窒化物半導体膜と、を含む、積層体。
6.蛍光体である、5に記載の積層体。
7.5又は6に記載の積層体含む、発光ダイオード。
8.1~4のいずれかに記載の多結晶アルミナ基板の製造方法であって、
板状アルミナ粒子及び溶媒を含む原料混合物のスラリーを調製し、
前記スラリーを成形して成形体を得て、
前記成形体を加熱処理して焼結体を得ることを含む、製造方法。
本発明によれば、半導体膜を形成するための成長基板として好適に使用できる多結晶アルミナ基板を提供できる。
板状アルミナ粒子の概略模式図である。 実施例1、2及び比較例1で作製した多結晶アルミナ基板のX線回折チャートである。 実施例1で作製した多結晶アルミナ基板の触針式凹凸計による測定結果である。 実施例1で作製した積層体に波長325nmのレーザを照射して得られた蛍光の発光スペクトルである。 実施例2で作製した多結晶アルミナ基板の触針式凹凸計による測定結果である。 比較例1で作製した多結晶アルミナ基板の触針式凹凸計による測定結果である。
[多結晶アルミナ基板]
本発明の一実施形態に係る多結晶アルミナ基板は、酸化アルミニウム(Al、α-アルミナ、以下、「アルミナ」という。)を主成分とし、下記式(1)及び(2)を満たす。
0.001<I006/ΣIhkl<0.130 (1)
0.05<I1010 /ΣIhkl<0.60 (2)
(式中、I006は、X線回折により測定した酸化アルミニウムの(006)面の回折ピーク強度を示し、I1010 は、X線回折により測定した酸化アルミニウムの(1010)面の回折ピーク強度を示し、ΣIhklはX線回折法により測定した酸化アルミニウムの全ての結晶面の回折ピーク強度の総和を示す。)
本実施形態において、アルミナを主成分とするとは、多結晶アルミナ基板を構成する材料のうち、アルミナを最も多く含むことを意味する。本実施形態の基板において、アルミナは、例えば、20~100重量%であり、好ましくは、45~100重量%であり、より好ましくは、65~100重量%である。金属原子比換算では、例えば、40~100原子%であり、69~100原子%であり、83~100原子%である。
上記式(1)は、基板の表面付近に存在するアルミナの全結晶面に対する(006)面の存在割合を示す。同様に、上記式(2)はアルミナの全結晶面に対する(1010)面の存在割合を示す。本実施形態は、基板の多結晶アルミナの結晶の配向が上記式(1)及び(2)を満たす場合に、基板上に形成される半導体膜においてc軸方向の結晶が優先的に成長することを見出したものである。上記式(1)及び(2)を満たす場合、例えば、サファイア基板等を使用する際に、所定の面の結晶を選択的に成長(間引き成長)させることにより、より大きな結晶を形成させるために設けられるバッファ層と同様な効果を奏する。
また、本実施形態の基板を用いることで、基板の光散乱効果によりサファイア基板を使用した場合よりも輝度が増強される。
なお、アルミナ結晶の(006)面とc面とのなす角は0°であり、(1010)面とc面のなす角は17.5°である。例えば、完全にc軸配向した単結晶アルミナ(サファイア)であれば、I006/ΣIhkl=1、I1010 /ΣIhkl=0である。
上記式(1)及び(2)は、例えば、多結晶アルミナ基板の製造時に使用するアルミナ粉末の形状を調整することにより制御できる。例えば、基板の材料に板状アルミナ粒子を使用する場合、その粒径を大きくすると(006)面及び(1010)面の存在割合が高くなる傾向がある。
但し、板状アルミナ粒子の粒径が大きくなるに従い、焼結時に劣化が生じ、得られる基板が脆くなる傾向がある。また、得られる基板の表面の凹凸が大きくなり、半導体膜の成長が阻害される場合がある。従って、上記式(1)のI006/ΣIhklは0.130未満がよく、0.11以下であることがより好ましく、0.10以下であることがさらに好ましい。また、上記式(2)のI1010 /ΣIhklは0.60未満がよく、0.50以下であることがより好ましく、0.40以下であることがさらに好ましい。
式(1)において、I006/ΣIhklが0.001未満である場合、c面に平行な面が全く存在しないに等しいため、結晶の成長が進行しないおそれがある。式(2)においてI1010 /ΣIhklが0.05未満の場合も同様である。
上記式(1)のI006/ΣIhklは0.004以上であることがより好ましく、0.008以上であることがさらに好ましい。また、上記式(2)のI1010 /ΣIhklは、0.06以上であることがより好ましく、0.10以上であることがさらに好ましい。
本発明の一実施形態において、多結晶アルミナ基板の表面の凹凸間差の最大値(PV値)は1μm以下であることが好ましい。PV値が1μm以下であれば、凹凸に関係なく、半導体膜の成長が促進される。PV値は0.7μm以下であることが好ましく、さらに、0.5μm以下であることが好ましい。なお、PV値は0nmであることが理想的であるが、通常、10nm以上となる。
本願においてPV値は、触針式凹凸計で、任意に選択される2mmの範囲を掃引した値とする。
本発明の一実施形態では、多結晶アルミナ基板は導電性微粒子を含んでもよい。導電性微粒子としては、例えば、ITO、ATO、AZOが挙げられる。
多結晶アルミナ基板を製造する際に、導電性微粒子を添加してアルミナを焼結すると、多結晶アルミナの粒界に存在する導電性微粒子がネットワークを形成し、多結晶アルミナ基板に導電性を付与することができる。この基板上に半導体膜を成長させると、例えば、発光層への電流注入が分散されるため、発熱が低減し、かつ、電流ドループ現象を緩和できる。また、面発光化を実現することができる。
また、本発明の一実施形態では、多結晶アルミナ基板は蛍光微粒子を含んでもよい。これにより、基板自体を発光させることができるため、従来のような砲弾型やカップ型の立体形状ではなく、面発光化することができる。
蛍光微粒子としては、例えば、YAG、TAG、αサイアロン、βサイアロン、カズン、LSNが挙げられる。蛍光微粒子については、使用する光源の波長によって適宜最適なものが選定できる。
多結晶アルミナ基板を製造する際に、蛍光微粒子を添加すると、多結晶アルミナの粒界に均一分散することができる。例えば、基板上に窒化物半導体膜等を成長させて、LEDや蛍光体として用いると、窒化物半導体の発光により、基板中の蛍光体が励起される。従来のように、樹脂やガラスに蛍光体粒子を分散させると、比重の違いにより均一分散させることが困難であったが、基板自体に蛍光体を添加して焼結することで、新たな層を設けることなく、発光波長を所望の波長に変換できる。従って、照明やディスプレイのバックライトを簡便な構成で実現することができる。
本発明の多結晶アルミナ基板は、例えば、以下の工程1~3を有する本発明の一実施形態である製造方法で製造できる。
工程1:板状アルミナ粒子及び溶媒を含む原料混合物のスラリーを調製する。
工程2:スラリーを成形して成形体を得る。
工程3:成形体を加熱処理して焼結体を得る。
工程1では、板状アルミナ粒子及び溶媒と、必要に応じて、助剤、添加剤、バインダー等を添加し、ボールミル等で分散させてスラリーとする。
溶媒としては特に制限はなく、水、アルコール等が使用できる。
本実施形態では、アルミナ粉末として板状アルミナ粒子を使用する。
図1に板状アルミナ粒子の概略模式図を示す。板状アルミナ粒子は、粒子の最長辺の長さ(平均粒径)をxとし、厚さをzとしたとき、粒子の配向を促進するうえで、x/zは、5以上であることが好ましく、10以上であることがさらに好ましい。また、20以下であることが好ましい。
板状アルミナ粒子の平均粒径(D50)は0.3~20μmが好ましく、0.5~9μmがより好ましく、2~8μmがさらに好ましい。平均粒径が0.3~20μmであると、窒化物半導体の結晶成長に必要な、c面に平行な面が存在し、また、焼き締まりが可能で、焼結体に加工した場合に強度を確保できる。
アルミナ粉末としては、板状アルミナ粒子に加えて、粒状アルミナを使用することができる。粒状アルミナは、特に限定されず、一般に入手可能なものを使用することができる。焼結を進行させるには、平均粒径は1μm以下で、易焼結性のアルミナが好ましい。
助剤としては、ポリビニルアルコール、メチルセルロース、ポリワックス、オレイン酸等が挙げられる。
添加剤としては、特に限定されないが、例えば、ポリカルボン酸アンモニウム、メチルセルロース等の分散剤、界面活性剤が挙げられる。
多結晶アルミナ基板に導電性を付与する場合、上述のITO等の導電性微粒子を添加できる。また、基板を蛍光体とする場合、上述した、YAG等の蛍光微粒子を添加できる。
導電性微粒子及び蛍光微粒子の粒径は、例えば、0.1μm~10μmであり、好ましくは、0.2μm~5μmであり、より好ましくは0.3μm~3μmである。
バインダーとしては、ポリビニルアルコール、酢酸ビニル、アクリル樹脂等が挙げられる。
工程2では、工程1で調製したスラリーを成形して成形体とする。成形には、鋳込み成形、テープ成形、押出成形、ドクターブレード、射出成型、ゲルキャスティング等、従来公知の方法を用いることができる。
鋳込成形は、スラリー中の分散媒を石膏型に吸収させて着肉、乾燥させる方法であり、石膏面に沿う形でアルミナが配向する。
テープ成形の場合もスラリーを用い、ドクターブレードによりテープ状に成形する。テープ成形では成形体の厚みを比較的容易に1mm以下にすることができる。MgO等、従来公知の酸化物を適量混合して、透光性を付与してもよい。
押出成形の場合は、アルミナの配向を促進するために混練物を複数回スリットに通してもよい。
工程3では、工程2で得た成形体を加熱処理して焼結体である多結晶アルミナ基板を得る。具体的には、得られた成形体を、場合によりスライスし、脱脂又は仮焼し、加熱することにより焼結体を得る。脱脂又は仮焼時の条件は特に限定されない。
加熱により成形体の表面領域の助剤の蒸発を促進することによって、アルミナの粒成長を促進し、特に基板の表面領域において、単結晶部分の面積を増大させることができる。加熱温度は特に限定されないが、通常は1300℃~1800℃である。
得られた焼結体の面を研磨することにより平滑にすることが好ましい。多結晶アルミナ基板の表面には、窒化物半導体膜又はバッファ層を積層するため、その表面粗さは50nm以下が好ましく、より好ましくは20nm以下であり、さらに好ましくは5nm以下である。表面粗さは平均値Raで定義され、原子間力顕微鏡(AFM)で評価することができる。
[積層体]
本発明の一実施形態に係る積層体は、上述した本発明の多結晶アルミナ基板と、窒化物半導体膜と、を含む。
窒化物半導体としては、例えば、GaN、AlGaN、InGaNが挙げられる。
多結晶アルミナ基板上に窒化物半導体を成膜する際の成膜方法は、限定されない。例えば、有機金属気相成長法(MOCVD法)、Hydride Vaor Phase Epitaxy法(HVPE法)等のCVD成長方法,分子線、エピタキシー法(MBE法)、スパッタエピタキシー法が挙げられる。なかでもスパッタエピタキシー法は、積層体の大面積化を実現する成膜法として効果的である。
窒化物半導体の原料としては、窒化物半導体又はこれらの混晶、及び、pn制御をするためのドーピングも含めて、従来公知のものが適用できる。例えば、GaN膜を形成する場合、水素と窒素の混合ガス、トリメチルガリウム及びアンモニアを使用できる。
なお、サイアロンや希土類元素を混合して成膜すると、窒化物半導体の発光に可視領域の光を加えることができる。そのため、構造の単純な照明器具やディスプレイのバックライトを形成することができる。
本発明の多結晶アルミナ基板は、上記式(1)及び(2)を満たすことにより、大きな結晶を形成させるために設けられるバッファ層と同様な効果を有するが、必要な場合は、基板上にバッファ層を形成してもよい。
本実施形態においてバッファ層とは、アルミナと窒化物半導体の格子定数の違いを吸収するため、意図的に多結晶化させた中間層を意味する。
バッファ層には、特に限定されないが、例えば、低温成長(LT)-GaN、LT-AlN、TiN等の多結晶窒化物,MnS等の硫化物,コランダムGa、コランダムITO、コランダムITZO、コランダムIZO、LaNiO等の酸化物を使用することができる。
上記バッファ層の厚さは、目的に応じて適宜設定することができる。
バッファ層上に窒化物半導体膜を積層する場合は、有機金属気相成長法(MOCVD法)、Hydride Vapor Phase Epitaxy法(HVPE法)等のCVD成長法や分子線エピタキシー法(MBE法)、スパッタリング法が採用できる。
スパッタリング法については、パルススパッタ等、プラズマによるイオン化率の高い手法が好ましい。ターゲット材料としては、Gaメタル、多結晶GaNを用いることができる。ターゲット材料中の酸素はできる限り低減することが好ましい。また、スパッタ前に十分排気し、酸素を混入させないことが、高品質の半導体膜を得るために重要である。
本実施形態の積層体において、例えば、半導体膜としてGaN膜を形成した場合、GaN膜は蛍光性を有するため蛍光体となる。具体的に、波長325nmのレーザ光を照射すると、波長370nmにピークを有する蛍光を発する。
本実施形態の積層体は、発光ダイオード、パワー半導体素子、レーザーダイオード等の半導体デバイスの構成部材に使用できる。
本発明の一実施形態に係る多結晶アルミナ基板は、半導体膜形成用基板として従来から用いられてきたサファイアと同等の半導体膜を形成でき、かつ、容易に量産性よく大面積化することができる。また、大面積で均一な蛍光体を歩留まりよく製造できる。
また、多結晶アルミナ基板に導電性微粒子を添加することにより、半導体素子を縦型にすることができる。その結果、発光ダイオードの場合には集積度を向上でき、電流経路の短絡による消費電力を低減できる。また、ソースとドレインが同一平面でなくなるために静電気放電(ESD)の懸念を払拭することができる。
また、多結晶アルミナ基板に蛍光体を添加することで、基板自体を発光させることができるため、従来のような砲弾型やカップ型の立体形状ではなく、面発光化することができる。
本発明の積層体を含む半導体デバイスの応用例として、掲示板、民生用モニタ、業務用モニタ、スマートフォン、携帯電話等が挙げられる。
なお、本実施形態では多結晶アルミナ基板上に窒化物半導体膜を形成した例を示したが、例えば、MoS、MoSe、MoTeのように、現在好適な成長基板がない半導体膜の形成にも使用できる可能性がある。
以下、本発明を実施例によりさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されない。
なお、評価方法を以下に示す。
(1)板状アルミナ粒子の平均粒径(長径)
レーザ回折法で測定した体積基準平均粒子径(D50)を平均粒径とした。
(2)表面の凹凸間差の最大値(PV値)
触針式凹凸計(サーフコーダ)を用いて、多結晶アルミナ基板表面上の任意の箇所を2mm掃引することにより、凹凸間差の最大値を求めた。
実施例1
(1)多結晶アルミナ基板の作製
下記表1に記載の材料を使用した。
Figure 0007260869000001
*ポリオキシアルキレン化合物(日油社製、商品名マリアリムSC-0505K)
最初に分散剤、原料粉体(板状アルミナ粒子、キンセイマテック株式会社製「セラフ00610」、平均粒径0.6μm、平均厚さ0.06μm)及び溶媒を混合し、ジルコニアボールとともにボールミルを用いて85rpmの回転速度で24時間混合した。続いて、バインダーと可塑剤と添加してさらに24時間混合して、スラリーを調製した。
ジルコニアボールを取り除き、真空デシケータ中で撹拌しながら真空ポンプで3分間脱泡した。続いて一定速度でキャリアフィルムを巻き取りながら、スラリーをドクターブレード装置のスラリー溜部に流し込み、ギャップ調整したブレード部にスラリーを通して所定の厚みのシートを成形した。その後、45℃で4時間乾燥した。
続いて、トムソン刃を用いて乾燥後のシートを直径2インチに型抜きし、多孔質アルミナ板で挟んで、電気炉にて500℃で10時間脱脂した後、1550℃で2時間加熱した。
加熱後の焼結体(シート)を研磨機にかけ、表面研磨加工を実施して、多結晶アルミナ基板を作製した。なお、加工条件は以下のとおりである。
・平面研削盤加工 ダイヤモンド砥石♯400、切れ込み量3μm
・粗用ラッピング加工 ダイヤモンドスラリー6μm
・仕上げ用ラッピング加工 ダイヤモンドスラリー0.5μm
得られた多結晶アルミナ基板をXRD装置((株)リガク製Ultima-III)を用い、グラファイトモノクロメータにて単色化したCu-Kα線を照射して2θ-θ反射法によって測定することにより、アルミナのXRDチャートを得た。
図2に、実施例及び比較例で作製した多結晶アルミナ基板のXRDチャートを示す。また、多結晶アルミナ基板の各面方位に対応するピーク強度及び式(1)及び(2)の値を表2に示す。また、触針式凹凸計による測定結果を図3に示す。PV値は240nmであった。
Figure 0007260869000002
(2)窒化物半導体(GaN)膜の形成
多結晶アルミナ基板をMOCVD装置にセットし、基板温度を600℃に設定し、水素と窒素の混合ガス、トリメチルガリウム、アンモニアを導入して6分間成膜してバッファ層を得た。続いて、基板温度を1250℃に設定して、GaNを成膜し、積層体を得た。
形成したGaN膜の結晶性をXRDで評価した結果、c軸に強く配向した回折が認められた。さらに、Hd-Cdレーザ(波長325nm)を照射すると、370nmをピークとする蛍光が得られた。積層体(GaN膜)に波長325nmのレーザを照射することで得られた蛍光の発光スペクトルを図4に示す。
実施例2
原料粉体をキンセイマテック株式会社製「セラフ020010」(平均粒径2.0μm、平均厚さ0.1μm)に変更し、原料の組成を表3のとおりにした他は、実施例1と同様にして、多結晶アルミナ基板及び積層体を作製し評価した。結果を表2及び図2に示す。触針式凹凸計による測定結果を図5に示す。PV値は240nmであった。
Figure 0007260869000003
*ディスパノール(日油株式会社製、品番「WI-115」)
実施例1と同様、GaN膜の結晶性をXRDで評価した結果、c軸に強く配向した回折が認められた。また、Hd-Cdレーザを照射すると、370nmをピークとする蛍光が得られた。
比較例1
原料粉体をキンセイマテック株式会社製「セラフYFA10030」(平均粒径10μm、平均厚さ0.4μm)に変更し、原料の組成を表4のとおりにした他は、実施例1と同様にして多結晶アルミナ基板を作製し評価した。結果を表2及び図2に示す。触針式凹凸計による測定結果を図6に示す。PV値は11μmであった。
Figure 0007260869000004
本発明の多結晶アルミナ基板は、エピタキシャル成長膜等の半導体膜を形成するための成長基板として好適に使用できる。
本発明の積層体及び蛍光体は、発光ダイオード等の半導体デバイスの構成部材に使用できる。

Claims (7)

  1. 酸化アルミニウム(Al)を主成分とし、下記式(1)及び(2)を満たす、半導体膜を形成するための成長基板である、多結晶アルミナ基板。
    0.001<I006/ΣIhkl<0.130 (1)
    0.05<I1010 /ΣIhkl<0.60 (2)
    (式中、I006は、X線回折により測定した酸化アルミニウムの(006)面の回折ピーク強度を示し、I1010 は、X線回折により測定した酸化アルミニウムの(1010)面の回折ピーク強度を示し、ΣIhklはX線回折法により測定した酸化アルミニウムの全ての結晶面の回折ピーク強度の総和を示す。)
  2. 表面の凹凸間差の最大値が1μm以下である、請求項1に記載の多結晶アルミナ基板。
  3. 導電性微粒子を含む、請求項1又は2に記載の多結晶アルミナ基板。
  4. 蛍光微粒子を含む、請求項1~3のいずれかに記載の多結晶アルミナ基板。
  5. 請求項1~4のいずれかに記載の多結晶アルミナ基板と、
    窒化物半導体膜と、を含む、積層体。
  6. 蛍光体である、請求項5に記載の積層体。
  7. 請求項5又は6に記載の積層体含む、発光ダイオード。
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