JP7260869B2 - 多結晶アルミナ基板及び積層体 - Google Patents
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Description
1.酸化アルミニウム(Al2O3)を主成分とし、下記式(1)及び(2)を満たす多結晶アルミナ基板。
0.001<I006/ΣIhkl<0.130 (1)
0.05<I1010 /ΣIhkl<0.60 (2)
(式中、I006は、X線回折により測定した酸化アルミニウムの(006)面の回折ピーク強度を示し、I1010 は、X線回折により測定した酸化アルミニウムの(1010)面の回折ピーク強度を示し、ΣIhklはX線回折法により測定した酸化アルミニウムの全ての結晶面の回折ピーク強度の総和を示す。)
2.表面の凹凸間差の最大値が1μm以下である、1に記載の多結晶アルミナ基板。
3.導電性微粒子を含む、1又は2に記載の多結晶アルミナ基板。
4.蛍光微粒子を含む、1~3のいずれかに記載の多結晶アルミナ基板。
5.1~4のいずれかに記載の多結晶アルミナ基板と、
窒化物半導体膜と、を含む、積層体。
6.蛍光体である、5に記載の積層体。
7.5又は6に記載の積層体含む、発光ダイオード。
8.1~4のいずれかに記載の多結晶アルミナ基板の製造方法であって、
板状アルミナ粒子及び溶媒を含む原料混合物のスラリーを調製し、
前記スラリーを成形して成形体を得て、
前記成形体を加熱処理して焼結体を得ることを含む、製造方法。
本発明の一実施形態に係る多結晶アルミナ基板は、酸化アルミニウム(Al2O3、α-アルミナ、以下、「アルミナ」という。)を主成分とし、下記式(1)及び(2)を満たす。
0.001<I006/ΣIhkl<0.130 (1)
0.05<I1010 /ΣIhkl<0.60 (2)
(式中、I006は、X線回折により測定した酸化アルミニウムの(006)面の回折ピーク強度を示し、I1010 は、X線回折により測定した酸化アルミニウムの(1010)面の回折ピーク強度を示し、ΣIhklはX線回折法により測定した酸化アルミニウムの全ての結晶面の回折ピーク強度の総和を示す。)
また、本実施形態の基板を用いることで、基板の光散乱効果によりサファイア基板を使用した場合よりも輝度が増強される。
なお、アルミナ結晶の(006)面とc面とのなす角は0°であり、(1010)面とc面のなす角は17.5°である。例えば、完全にc軸配向した単結晶アルミナ(サファイア)であれば、I006/ΣIhkl=1、I1010 /ΣIhkl=0である。
上記式(1)のI006/ΣIhklは0.004以上であることがより好ましく、0.008以上であることがさらに好ましい。また、上記式(2)のI1010 /ΣIhklは、0.06以上であることがより好ましく、0.10以上であることがさらに好ましい。
本願においてPV値は、触針式凹凸計で、任意に選択される2mmの範囲を掃引した値とする。
多結晶アルミナ基板を製造する際に、導電性微粒子を添加してアルミナを焼結すると、多結晶アルミナの粒界に存在する導電性微粒子がネットワークを形成し、多結晶アルミナ基板に導電性を付与することができる。この基板上に半導体膜を成長させると、例えば、発光層への電流注入が分散されるため、発熱が低減し、かつ、電流ドループ現象を緩和できる。また、面発光化を実現することができる。
蛍光微粒子としては、例えば、YAG、TAG、αサイアロン、βサイアロン、カズン、LSNが挙げられる。蛍光微粒子については、使用する光源の波長によって適宜最適なものが選定できる。
工程1:板状アルミナ粒子及び溶媒を含む原料混合物のスラリーを調製する。
工程2:スラリーを成形して成形体を得る。
工程3:成形体を加熱処理して焼結体を得る。
溶媒としては特に制限はなく、水、アルコール等が使用できる。
本実施形態では、アルミナ粉末として板状アルミナ粒子を使用する。
図1に板状アルミナ粒子の概略模式図を示す。板状アルミナ粒子は、粒子の最長辺の長さ(平均粒径)をxとし、厚さをzとしたとき、粒子の配向を促進するうえで、x/zは、5以上であることが好ましく、10以上であることがさらに好ましい。また、20以下であることが好ましい。
板状アルミナ粒子の平均粒径(D50)は0.3~20μmが好ましく、0.5~9μmがより好ましく、2~8μmがさらに好ましい。平均粒径が0.3~20μmであると、窒化物半導体の結晶成長に必要な、c面に平行な面が存在し、また、焼き締まりが可能で、焼結体に加工した場合に強度を確保できる。
添加剤としては、特に限定されないが、例えば、ポリカルボン酸アンモニウム、メチルセルロース等の分散剤、界面活性剤が挙げられる。
多結晶アルミナ基板に導電性を付与する場合、上述のITO等の導電性微粒子を添加できる。また、基板を蛍光体とする場合、上述した、YAG等の蛍光微粒子を添加できる。
導電性微粒子及び蛍光微粒子の粒径は、例えば、0.1μm~10μmであり、好ましくは、0.2μm~5μmであり、より好ましくは0.3μm~3μmである。
バインダーとしては、ポリビニルアルコール、酢酸ビニル、アクリル樹脂等が挙げられる。
テープ成形の場合もスラリーを用い、ドクターブレードによりテープ状に成形する。テープ成形では成形体の厚みを比較的容易に1mm以下にすることができる。MgO等、従来公知の酸化物を適量混合して、透光性を付与してもよい。
押出成形の場合は、アルミナの配向を促進するために混練物を複数回スリットに通してもよい。
本発明の一実施形態に係る積層体は、上述した本発明の多結晶アルミナ基板と、窒化物半導体膜と、を含む。
窒化物半導体としては、例えば、GaN、AlGaN、InGaNが挙げられる。
多結晶アルミナ基板上に窒化物半導体を成膜する際の成膜方法は、限定されない。例えば、有機金属気相成長法(MOCVD法)、Hydride Vaor Phase Epitaxy法(HVPE法)等のCVD成長方法,分子線、エピタキシー法(MBE法)、スパッタエピタキシー法が挙げられる。なかでもスパッタエピタキシー法は、積層体の大面積化を実現する成膜法として効果的である。
窒化物半導体の原料としては、窒化物半導体又はこれらの混晶、及び、pn制御をするためのドーピングも含めて、従来公知のものが適用できる。例えば、GaN膜を形成する場合、水素と窒素の混合ガス、トリメチルガリウム及びアンモニアを使用できる。
本実施形態においてバッファ層とは、アルミナと窒化物半導体の格子定数の違いを吸収するため、意図的に多結晶化させた中間層を意味する。
バッファ層には、特に限定されないが、例えば、低温成長(LT)-GaN、LT-AlN、TiN等の多結晶窒化物,MnS等の硫化物,コランダムGa2O3、コランダムITO、コランダムITZO、コランダムIZO、LaNiO3等の酸化物を使用することができる。
上記バッファ層の厚さは、目的に応じて適宜設定することができる。
本発明の一実施形態に係る多結晶アルミナ基板は、半導体膜形成用基板として従来から用いられてきたサファイアと同等の半導体膜を形成でき、かつ、容易に量産性よく大面積化することができる。また、大面積で均一な蛍光体を歩留まりよく製造できる。
本発明の積層体を含む半導体デバイスの応用例として、掲示板、民生用モニタ、業務用モニタ、スマートフォン、携帯電話等が挙げられる。
なお、評価方法を以下に示す。
レーザ回折法で測定した体積基準平均粒子径(D50)を平均粒径とした。
触針式凹凸計(サーフコーダ)を用いて、多結晶アルミナ基板表面上の任意の箇所を2mm掃引することにより、凹凸間差の最大値を求めた。
(1)多結晶アルミナ基板の作製
下記表1に記載の材料を使用した。
加熱後の焼結体(シート)を研磨機にかけ、表面研磨加工を実施して、多結晶アルミナ基板を作製した。なお、加工条件は以下のとおりである。
・平面研削盤加工 ダイヤモンド砥石♯400、切れ込み量3μm
・粗用ラッピング加工 ダイヤモンドスラリー6μm
・仕上げ用ラッピング加工 ダイヤモンドスラリー0.5μm
図2に、実施例及び比較例で作製した多結晶アルミナ基板のXRDチャートを示す。また、多結晶アルミナ基板の各面方位に対応するピーク強度及び式(1)及び(2)の値を表2に示す。また、触針式凹凸計による測定結果を図3に示す。PV値は240nmであった。
多結晶アルミナ基板をMOCVD装置にセットし、基板温度を600℃に設定し、水素と窒素の混合ガス、トリメチルガリウム、アンモニアを導入して6分間成膜してバッファ層を得た。続いて、基板温度を1250℃に設定して、GaNを成膜し、積層体を得た。
原料粉体をキンセイマテック株式会社製「セラフ020010」(平均粒径2.0μm、平均厚さ0.1μm)に変更し、原料の組成を表3のとおりにした他は、実施例1と同様にして、多結晶アルミナ基板及び積層体を作製し評価した。結果を表2及び図2に示す。触針式凹凸計による測定結果を図5に示す。PV値は240nmであった。
原料粉体をキンセイマテック株式会社製「セラフYFA10030」(平均粒径10μm、平均厚さ0.4μm)に変更し、原料の組成を表4のとおりにした他は、実施例1と同様にして多結晶アルミナ基板を作製し評価した。結果を表2及び図2に示す。触針式凹凸計による測定結果を図6に示す。PV値は11μmであった。
本発明の積層体及び蛍光体は、発光ダイオード等の半導体デバイスの構成部材に使用できる。
Claims (7)
- 酸化アルミニウム(Al2O3)を主成分とし、下記式(1)及び(2)を満たす、半導体膜を形成するための成長基板である、多結晶アルミナ基板。
0.001<I006/ΣIhkl<0.130 (1)
0.05<I1010 /ΣIhkl<0.60 (2)
(式中、I006は、X線回折により測定した酸化アルミニウムの(006)面の回折ピーク強度を示し、I1010 は、X線回折により測定した酸化アルミニウムの(1010)面の回折ピーク強度を示し、ΣIhklはX線回折法により測定した酸化アルミニウムの全ての結晶面の回折ピーク強度の総和を示す。) - 表面の凹凸間差の最大値が1μm以下である、請求項1に記載の多結晶アルミナ基板。
- 導電性微粒子を含む、請求項1又は2に記載の多結晶アルミナ基板。
- 蛍光微粒子を含む、請求項1~3のいずれかに記載の多結晶アルミナ基板。
- 請求項1~4のいずれかに記載の多結晶アルミナ基板と、
窒化物半導体膜と、を含む、積層体。 - 蛍光体である、請求項5に記載の積層体。
- 請求項5又は6に記載の積層体含む、発光ダイオード。
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