JP2018127388A - 多結晶導電体及びその製造方法 - Google Patents

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重和 笘井
Shigekazu Tomai
重和 笘井
井上 一吉
Kazuyoshi Inoue
一吉 井上
雅敏 柴田
Masatoshi Shibata
雅敏 柴田
太 宇都野
Futoshi Utsuno
太 宇都野
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【課題】リフトオフ等のプロセスを用いることなくGaNLEDに使用できる新規な導電性材料の提供。
【解決手段】酸化アルミニウム(Al)を主成分とし、下記式(1)で表される垂直配向度が30%以上である多結晶導電体。板状アルミナ、導電性微粒子、及び水を含む原料混合物のスラリーを調製し、前記スラリーを成形して成形体を得て、前記成形体を加熱処理して焼結体を得ることにより製造する、多結晶導電体。垂直配向度=I1010 /(I1010 +I110)(1)(I1010 はX線回折により測定した(1010)面のピーク強度;I110は、X線回折により測定した(110)面のピーク強度)
【選択図】図1

Description

本発明は、多結晶導電体及びその製造方法に関する。
発光ダイオード(LED)は、電流を光に変換する半導体デバイスである。LEDに使用する材料として、特に窒化ガリウム(GaN)は、インジウムと組み合わせてInGaN/GaN半導体層とすることにより、これまで困難だった青色〜緑色及び白色の可視光の放射を可能とするため、近年非常に注目されてきた。
サファイアは、そのコストの低さと格子定数の近さから、標準的なGaNの成長用基板として広く用いられている。サファイアは良質の絶縁体であり、電極はp型GaNとn型GaNに接触して表面のそれぞれ隣同士に配置されたラテラル構造が一般的である。
ところが、電極が同一表面にあると、正極と負極の静電気放電(ESD)や、有効発光領域の制約等が問題になる。また、横方向の配線抵抗が消費電力の増大を招く。従って、基板を導電性にして正極と負極を表裏に配置できれば、正負極のESDの改善と有効発光領域の増大が可能になるうえ、電流路を短くすることができる。
GaNの成長基板としてSiC基板やGaN基板は好適だが、量産性や価格面の課題は今尚解決できておらず、用途が限られ、普及の目途が立っていない。安価な基板としてSiが検討されているが、GaNとの格子ミスマッチが大きいため、バッファ層を挟んでも欠陥密度は単位面積あたり10個以上と多く、高輝度実現には限界がある。
そのため現状の縦型GaNLEDは、サファイア基板上にGaNをエピタキシャル成長した後、レーザーリフトオフ法によりサファイア基板を除去する方法が採用されている(例えば、特許文献1、非特許文献1を参照)。ところが、レーザーリフトオフ法はレーザー光源のメンテナンスやスループットの点で課題がある。
以上のように、GaNLEDを縦型で使用するにあたり、高品質な結晶をリフトオフ等のプロセスを用いず、低コストで実現できる導電性材料の提案が切望されている。
国際公開第2006/076210号
Chen-Fu Chu, et al., "Study of GaN light-emitting diodes fabricated by laser lift-off technique," Journal of Applied Physics 95, No 8, p. 3916−3922(2004)
本発明の目的は、リフトオフ等のプロセスを用いることなくGaNLEDに使用できる新規な導電性材料を提供することである。
本発明によれば、以下の多結晶導電体等が提供される。
1.酸化アルミニウム(Al)を主成分とし、下記式(1)で表される垂直配向度が30%以上である多結晶導電体。
垂直配向度=I1010 /(I1010 +I110) (1)
(式(1)中、I1010 は、X線回折により測定した(1010)面のピーク強度を示し、I110は、X線回折により測定した(110)面のピーク強度を示す。)
2.前記垂直配向度が50%以上である、1に記載の多結晶導電体。
3.前記垂直配向度が80%以上である、1又は2に記載の多結晶導電体。
4.体積抵抗率が1×10−4Ωcm〜1×10Ωcmである、1〜3のいずれかに記載の多結晶導電体。
5.下記群Aの一種以上の元素の酸化物、窒化物、酸窒化物、及び炭化物からなる群より選択される少なくとも一種を含む、1〜4のいずれかに記載の多結晶導電体。
群A:インジウム、スズ、チタン、モリブデン、亜鉛
6.1〜5のいずれかに記載の多結晶導電体からなる基板。
7.6に記載の基板と、
バッファ層とを有し、
前記基板と前記バッファ層とが接触している積層体。
8.前記バッファ層が窒化物を含む、7に記載の積層体。
9.7又は8に記載の積層体を用いた素子。
10.発光素子又はパワー半導体素子である、9に記載の素子。
11.7又は8に記載の積層体を用いた金属酸化物半導体電界効果トランジスタ。
12.7又は8に記載の積層体、9又は10に記載の素子、又は、11に記載の金属酸化物半導体電界トランジスタを用いたディスプレイ。
13.板状アルミナ、導電性微粒子、及び水を含む原料混合物のスラリーを調製し、
前記スラリーを成形して成形体を得て、
前記成形体を加熱処理して焼結体を得ることを含む、多結晶導電体の製造方法であって、
前記多結晶導電体は、酸化アルミニウム(Al)を主成分とし、下記式(1)で表される垂直配向度が30%以上である、前記製造方法。
垂直配向度=I1010 /(I1010 +I110) (1)
(式(1)中、I1010 は、X線回折により測定した(1010)面のピーク強度を示し、I110は、X線回折により測定した(110)面のピーク強度を示す。)
本発明によれば、リフトオフ等のプロセスを用いることなくGaNLEDに使用できる新規な導電性材料を提供できる。
図1は、実施例1で作製した焼結体のX線回折チャートである。 図2は、比較例1で作製した焼結体のX線回折チャートである。 図3は、板状アルミナ粒子の概略模式図である。
[多結晶導電体]
本発明の多結晶導電体は、酸化アルミニウム(Al)を主成分とし、下記式(1)で表される垂直配向度が30%以上であることを特徴とするものである。
垂直配向度=I1010 /(I1010 +I110) (1)
(式(1)中、I1010 は、X線回折により測定した(1010)面のピーク強度を示し、I110は、X線回折により測定した(110)面のピーク強度を示す。)
本発明の多結晶導電体において、(1010)面は、c軸に略平行な面として最も大きなピーク強度を示し、(110)面は、a軸又はb軸に平行な面として最も大きなピーク強度を示す。
本発明者らは、従来のGaNLEDにおいて基板として使用されてきたサファイアの代わりに、略垂直配向した酸化アルミニウム(Al、α−アルミナ)(以下、「アルミナ」とも言う。)を母体としこれに導電性を付与した導電体を使用すれば、サファイア上に結晶成長させた場合と同程度の欠陥密度のGaNを得ることができ、縦型デバイスとして使用できることを見出した。
従って、本発明の多結晶導電体は、エピタキシャル膜を形成するための下地として使用することができ、具体的には、GaN成長用テンプレート基板、LED、LD、ショットキーダイオード、MOSFET等に使用することができる。
本発明において、酸化アルミニウム(Al)を主成分とするとは、本発明の多結晶導電体を構成する材料のうち、酸化アルミニウムを最も多く含むことを意味する。本発明の多結晶導電体において、酸化アルミニウムは、例えば、20〜100重量%であり、好ましくは、45〜100重量%であり、より好ましくは、65〜100重量%である。金属原子比換算では、例えば、40〜100原子%であり、69〜100原子%であり、83〜100原子%である。
また、本発明の多結晶導電体は、略垂直配向多結晶導電体と表現することができる。本発明において、略垂直配向とは、c面が配向した面のX線パターンのピーク強度によって定義される。略配向面の指標として(1010)を適用したのは、完全に平行な(0006)面よりも僅かに傾いていることで、オフ角を設けたことと同様の効果が得られ、平坦性にすぐれたエピタキシャル成長層を得ることができるからである。
本発明の一態様において、垂直配向度は、好ましくは、50%以上であり、より好ましくは、80%以上である。
垂直配向度が高いほど、本発明の多結晶導電体を基板として用いてエピタキシャル成長させた場合に、平坦性にすぐれた成長層を得ることができる。
垂直配向度は、X線回折測定を行って、I1010 及びI110を求めることにより、上記式(1)から計算できる。X線回折測定は、市販のX線回折装置を用いて行うことができる。
本発明の一態様において、多結晶導電体の体積抵抗率は、好ましくは、1×10−4Ωcm〜1×10Ωcmであり、より好ましくは、5×10−4Ωcm〜1×10−1Ωcmである。
多結晶導電体の体積抵抗率が1×10−4Ωcm〜1×10Ωcmであると、縦型素子の基板として使用した場合に、オーム損によるジュール熱の発生を抑制することができる。
体積抵抗率は、市販の抵抗率計を用いて測定できる。
本発明の一態様において、多結晶導電体は、下記群Aの一種以上の元素の酸化物、窒化物、酸窒化物、及び炭化物からなる群より選択される少なくとも一種を含んでもよい。これにより、所望の導電性を付与することができる。
群A:インジウム、スズ、チタン、モリブデン、亜鉛
本発明の多結晶導電体が含み得る酸化物、窒化物、酸窒化物、炭化物としては、特に限定されないが、例えば、ZrO、AlN、AlON、SiC、Si、BN等が挙げられる。
[積層体]
本発明の積層体は、上記説明した本発明の多結晶導電体からなる基板と、バッファ層とを有し、前記基板と前記バッファ層とが接触していることを特徴とするものである。
本発明において、バッファ層とは、アルミナとGaNの格子定数の違いを吸収するため、意図的に多結晶化させた中間層を示す。
バッファ層の材料は、特に限定されないが、例えば、低温成長GaN、低温成長AlN、低温成長InGaN、低温成長AlGaN、TiN、HfN、ZrN、ScN等の多結晶窒化物、MnS等の硫化物、コランダムGa、コランダムITO、コランダムITZO、コランダムIZO、LaNiO等の酸化物を使用することができる。
本発明の積層体の一態様において、バッファ層は窒化物を含むことが好ましい。
バッファ層に含まれる窒化物としては、例えば、低温成長GaN、低温成長AlN、低温成長InGaN、低温成長AlGaN等が挙げられる。
本発明の積層体の一態様において、さらにエピタキシャル膜を含むことが好ましい。エピタキシャル膜は、バッファ層の上に存在することができる。エピタキシャル膜とは、エピタキシャル成長により得られた膜であり、エピタキシャル膜の材質としては、GaN、InGaN、AlGaNの他、これらの混晶を用いることができ、pn制御するためのドーピングも従来公知の方法でこれらの材料に対して適用可能である。
[素子、金属酸化物半導体電界トランジスタ、ディスプレイ]
本発明の素子は、上記説明した本発明の積層体を用いたものである。これにより、従来のアルミナ単結晶(サファイア)を基板に用いなくても、欠陥の少ない高品質の窒化物半導体を得ることができる。また、本発明の素子は基板を導体化できるので、従来同一平面に具備した電極を、導体基板を挟んで設置することができる。これにより、電極間のESDの懸念が払拭し、有効発光領域の増大が可能になるうえ、電流路を短くすることができる。
本発明の素子は、発光素子、又はパワー半導体素子とすることができる。
また、本発明の素子を用いた適用例としては、昇圧・降圧チョッパ回路、インバータ・コンバータ回路、電源回路、スイッチングレギュレータ等が挙げられ、電器機器としては、携帯電話、パソコン、エアコン、冷蔵庫、受像機、照明器具、電磁調理器等が挙げられ、車両としては、自転車、自動車、鉄道車両等が挙げられる。
本発明の金属酸化物半導体電界効果トランジスタは、上記説明した本発明の積層体を用いたものである。
本発明のディスプレイは、上記説明した本発明の積層体、素子、又は金属酸化物半導体電界トランジスタを用いたものである。本発明のディスプレイとしては、掲示板、民生用モニタ、業務用モニタ、スマートホン、携帯電話等が挙げられる。
[多結晶導電体の製造方法]
本発明の多結晶導電体の製造方法は、板状アルミナ、導電性微粒子、及び水を含む原料混合物のスラリーを調製し、前記スラリーを成形して成形体を得て、前記成形体を加熱処理して焼結体を得ることを含むものである。本発明の製造方法により製造される多結晶導電体は、酸化アルミニウム(Al)を主成分とし、下記式(1)で表される垂直配向度が30%以上である。
垂直配向度=I1010 /(I1010 +I110) (1)
(式(1)中、I1010 は、X線回折により測定した(1010)面のピーク強度を示し、I110は、X線回折により測定した(110)面のピーク強度を示す。)
本発明の多結晶導電体の製造方法では、まず、板状アルミナ、導電性微粒子、及び水を含む原料混合物のスラリーを調製する。原料混合物は、適切な助剤や添加剤、バインダー等を含んでもよい。原料混合物をボールミル等で分散させることによりスラリーを得ることができる。
図3に板状アルミナ粒子の概略模式図を示す。板状アルミナは、粒子の最長辺の長さをxとし、厚さをzとしたとき、粒子の配向を促進するうえで、x/zは、5以上であることが好ましく、10以上であることがさらに好ましい。
板状アルミナの長辺の長さxは1〜20μmが好ましい。長辺の長さxが0.3μm以下の場合、垂直配向度30%以上を得ることが困難になる。また、長辺の長さxが20μmを超えると、焼締まりが困難になり、焼結体としての強度が低下する。長辺の長さxは、より好ましくは、0.5μm以上15μm以下であり、さらに好ましくは、2μm以上12μm以下である。
酸化アルミニウムの原料としては、板状アルミナに加えて、粒状アルミナを使用することができる。粒状アルミナは、特に限定されず、一般に入手可能なものを使用することができる。焼結を進行させるには、粒径は1μm以下で、易焼結性のアルミナが好ましい。
導電性微粒子としては、酸化インジウム(In)や酸化インジウムスズ(ITO)等の従来公知の導電性を有する酸化物を使用することができる。導電性微粒子の粒径は、例えば、0.1μm〜10μmであり、好ましくは、0.2μm〜5μmであり、より好ましくは0.3μm〜3μmである。
助剤としては、ポリビニルアルコール、メチルセルロース、ポリワックス、オレイン酸等が挙げられる。
添加剤としては、特に限定されないが、例えば、ポリカルボン酸アンモニウム、メチルセルロース等の分散剤、界面活性剤等が挙げられる。
バインダーとしては、ポリビニルアルコール、酢酸ビニル、アクリル樹脂等が挙げられる。
本発明の多結晶導電体の製造方法では、次いで、得られたスラリーを成形して成形体を得る。成形するためには、鋳込み成形、テープ成形、押出し成形、ドクターブレード、射出成型、ゲルキャスティング等、従来公知の方法を用いることができる。
鋳込成形は、スラリー中の分散媒を石膏型に吸収させて着肉、乾燥させる方法であり、石膏面に沿う形でアルミナが配向する。
テープ成形の場合もスラリーを用い、ドクターブレードによりテープ状に成型し、焼結する。テープ成形では成形体の厚みを比較的容易に1mm以下にすることができ、MgO等従来公知の酸化物を適量混ぜ、透光性を持たせてもよい。
スラリーよりも水分濃度を小さくして押出し成形を行う場合は、アルミナ粒子の配向を促進するために混練物を複数回スリットに通してもよい。
本発明の多結晶導電体の製造方法では、次いで、成形体を加熱処理して焼結体を得る。具体的には、得られた成形体を場合によりスライスした後、脱脂又は仮焼し、焼成することにより焼結体を得る。
脱脂又は仮焼時の条件は特に限定されない。
焼成により成形体表面領域の助剤の蒸発を促進することによって、アルミナ粒子の粒成長を促進し、特に基板の表面領域において、単結晶部分の面積を増大させることができる。焼成温度は特に限定されないが、通常は1300℃〜1800℃である。
得られた焼結体の表面は、窒化物半導体又は窒化物半導体のバッファ層を積層するために、表面粗さは50nm以下が好ましい。焼結体の表面粗さは、より好ましくは、20nm以下であり、さらに好ましくは5nm以下である。表面粗さは平均値Raで定義され、原子間力顕微鏡(AFM)で評価することができる。
[積層体の製造方法]
本発明の積層体の製造方法は、上記説明した本発明の多結晶導電体の製造方法に続いて、焼結体の上にバッファ層を形成することを含むものである。これにより、上記説明した本発明の積層体を製造することができる。
バッファ層を形成するための方法は、特に限定されないが、例えば、有機金属気相成長法(MOCVD法)、Hydride Vaor Phase Epitaxy法(HVPE法)等のCVD成長方法や、分子線、エピタキシー法(MBE法)、スパッタエピタキシー法等によって成膜できる。
バッファ層上にエピタキシャル膜を積層する場合は、有機金属気相成長法(MOCVD法)、Hydride Vapor Phase Epitaxy法(HVPE法)等のCVD成長方法や分子線エピタキシー法(MBE法)、スパッタリング法によって成膜できる。
スパッタリング法については、パルススパッタ等プラズマによるイオン化率の高い手法が好ましい。ターゲット材料としては、Gaメタル、多結晶GaNを用いることができる。ターゲット材料中の酸素はできる限り低減することが好ましい。また、スパッタ前に十分廃棄し、酸素を混入させないことが、高品質のGaN薄膜を得るうえで重要である。
以下、本発明を実施例によりさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されない。
実施例1
原料として、板状アルミナ(Al)(キンセイマテック(株)製、平均粒径10μm、平均厚み0.3μm)33.7g、粒状アルミナ(Al)(昭和電工(株)製、平均粒径0.4μm)33.7g、酸化スズ(SnO)32.6g、分散剤(ポリカルボン酸アンモニウム)0.9g、純水37.5gを混合し、ジルコニアボールとともにボールミルで48時間混合して、スラリーを調製した。このスラリーからジルコニアボールを取り除き、マグネチックスターラーで撹拌しながら真空引きを5分行って脱泡した。一旦、真空引きを停止して常圧に戻し、アクリル系エマルジョンタイプのバインダーを1.5g混合し、再度、マグネチックスターラーで撹拌しながら真空引きを5分行った。
このようにして得られたスラリーを石膏型に注ぎ込み、2時間静置した。スラリー中の水分を石膏に十分に吸わせ、スラリーが硬化しているのを確認した後、石膏型から離形し、5cm×5cm×5mmの成形体を得た。この成形体を48時間自然乾燥させ、電気炉にセットし、常圧にて、以下の条件で加熱処理して、焼結体を得た。
・室温〜1400℃まで 1℃/分で昇温
・1400℃ 1時間保持
・1400℃〜100℃以下 炉冷
この焼結体の結晶性について、以下の測定条件によりX線回折(XRD)測定を行った。結果を図1に示す。
・装置:Smartlab((株)リガク製)
・X線:Cu−Kα線(波長1.5418Å)
・2θ−θ反射法、連続スキャン(2.0°/分)
・サンプリング間隔:0.02°
・スリットDS(発散スリット)、SS(散乱スリット)、RS(受光スリット):1mm
焼結体の垂直配向度は、以下の式に従って求めた結果、88%であった。
垂直配向度(%)=I1010 /(I1010 +I110
この焼結体の導電性について、抵抗率計(三菱化学(株)製、ロレスタ)を使用して四探針法(JIS R 1637)に基づき体積抵抗率を測定した。この焼結体の表面を、ダイヤモンドディスク及び研磨バフを用いて鏡面研磨した。
実施例2
原料として、板状アルミナ(Al)(キンセイマテック(株)製、平均粒径10μm、平均厚み0.3μm)33.7g、粒状アルミナ(Al)(昭和電工(株)製、平均粒径0.4μm)33.7g、酸化インジウム粉末(In)((株)高純度化学研究所製)30.0g、酸化スズ(SnO)2.6g、分散剤(ポリカルボン酸アンモニウム)0.9g、純水37.5gを混合した他は、実施例1と同様にして焼結体を作製し、XRD評価による垂直配向度と導電性を評価した。結果を表1に示す。
実施例3〜5
原料として、表1に示す材料を混合した他は、実施例1と同様にして焼結体を作製し、XRD評価による垂直配向度と導電性を評価した。結果を表1に示す。
比較例1
原料として、粒状アルミナ(昭和電工(株)製、平均粒径0.4μm)100gのみを用いて、分散剤(ポリカルボン酸アンモニウム)0.5g、純水20gと混合した他は、実施例1と同様にして焼結体を作製し、XRDを評価した。結果を図2に示す。また、垂直配向度と導電性を評価した。結果を表1に示す。
Figure 2018127388
実施例6
実施例2で得た焼結体を基板として、多結晶のGaN(フルウチ化学(株)製)がカソードに装填されたスパッタリング装置にセットし、10−5Pa台まで真空排気を行った。基板温度を600℃にセットし、スパッタガスにNeを用い、全圧1.0PaでRFスパッタを行い、膜厚2000nmのGaN膜を得た。
このようにして得られた積層体を再度XRD装置にセットし、結晶性を評価した。その結果、垂直配向度90%の酸化物焼結体の上にc軸配向したGaNの成長を認めることができた。
実施例7
実施例6で得た積層体を基板として、有機金属化合物化学気相成長装置(大陽日酸株式会社製)に置いて、800℃の水素雰囲気中で20分間の高温清浄処理を行った。次いで、温度を900℃に設定し、積層体のGaN膜の上に厚み3μmのn型GaN層をエピタキシャル成長させて、Siドーピング濃度を1×1017cm−3〜3×1020cm−3とした。続いて、温度を650℃まで下げて、30リサイクルのInGaN/GaN多重量子井戸発光層をエピタキシャル成長させた。次いで、温度を800℃まで上げて、厚み100nmのP型GaN層を成長させて、Siドーピング濃度を3×1020cm−3とした。次いで、温度を800℃に保持して、50nmの高濃度ドープP型GaN電極コンタクト層をエピタキシャル成長させて、Mgドーピング濃度を5×1020cm−3とし、装置の温度を室温まで下げた。次いで、元の積層体のGaN膜側ではなく裏面の酸化物の側にn型電極としてアルミを蒸着して、GaN系LEDエピタキシャル構造体を得た。
本発明の略垂直配向多結晶導電体は、エピタキシャル膜を形成するための下地として使用することができ、具体的には、GaN成長用テンプレート基板、LED、LD、ショットキーダイオード、MOSFET等に好適に使用することができる。

Claims (13)

  1. 酸化アルミニウム(Al)を主成分とし、下記式(1)で表される垂直配向度が30%以上である多結晶導電体。
    垂直配向度=I1010 /(I1010 +I110) (1)
    (式(1)中、I1010 は、X線回折により測定した(1010)面のピーク強度を示し、I110は、X線回折により測定した(110)面のピーク強度を示す。)
  2. 前記垂直配向度が50%以上である、請求項1に記載の多結晶導電体。
  3. 前記垂直配向度が80%以上である、請求項1又は2に記載の多結晶導電体。
  4. 体積抵抗率が1×10−4Ωcm〜1×10Ωcmである、請求項1〜3のいずれかに記載の多結晶導電体。
  5. 下記群Aの一種以上の元素の酸化物、窒化物、酸窒化物、及び炭化物からなる群より選択される少なくとも一種を含む、請求項1〜4のいずれかに記載の多結晶導電体。
    群A:インジウム、スズ、チタン、モリブデン、亜鉛
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の多結晶導電体からなる基板。
  7. 請求項6に記載の基板と、
    バッファ層とを有し、
    前記基板と前記バッファ層とが接触している積層体。
  8. 前記バッファ層が窒化物を含む、請求項7に記載の積層体。
  9. 請求項7又は8に記載の積層体を用いた素子。
  10. 発光素子又はパワー半導体素子である、請求項9に記載の素子。
  11. 請求項7又は8に記載の積層体を用いた金属酸化物半導体電界効果トランジスタ。
  12. 請求項7又は8に記載の積層体、請求項9又は10に記載の素子、又は、請求項11に記載の金属酸化物半導体電界トランジスタを用いたディスプレイ。
  13. 板状アルミナ、導電性微粒子、及び水を含む原料混合物のスラリーを調製し、
    前記スラリーを成形して成形体を得て、
    前記成形体を加熱処理して焼結体を得ることを含む、多結晶導電体の製造方法であって、
    前記多結晶導電体は、酸化アルミニウム(Al)を主成分とし、下記式(1)で表される垂直配向度が30%以上である、前記製造方法。
    垂直配向度=I1010 /(I1010 +I110) (1)
    (式(1)中、I1010 は、X線回折により測定した(1010)面のピーク強度を示し、I110は、X線回折により測定した(110)面のピーク強度を示す。)
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