JP7260238B2 - レーザ加工装置及びレーザ加工方法 - Google Patents
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Description
このようなレーザ加工装置においてプリント基板に穴あけを行うと、レーザ発振器からのレーザパルスが正常なエネルギーでなかった場合、その時加工される穴径が小さい等の加工品質が悪くなる問題がある。
AOMでスイッチングを行う場合、通常はレーザ発振器からのレーザパルスの特定の期間だけ切出しを行うが、特許文献1の技術はAOMで切出された光の強度を検出する方式であるので、光強度を検出したレーザパルスそれ自身のエネルギーをもはや制御することはできず、正常でないエネルギーのレーザパルスが被加工物に照射され、加工品質が悪くなる欠点がある。
しかしながら、レーザパルスの最初の部分のエネルギーが設定範囲にあったとしても、残りの部分のエネルギーは一定であるとは限らず、加工品質が一定でなくなる欠点がある。
また、特許文献2の技術ではレーザパルスの最初の部分のエネルギーが大き過ぎたりする場合は、そのレーザパルスはダンパに照射され加工に用いられない。従ってレーザパルスの利用率が低下する欠点がある。
図2は、本発明の一実施例となるレーザ加工装置のブロック図である。図2において、1はレーザパルスを発生する例えば炭酸ガスレーザタイプのレーザ発振器である。2はレーザ発振器1からのレーザパルスを反射するビームスプリッタ、3はビームスプリッタで反射されたレーザパルスに対し分岐方向の制御を行うことにより加工に使用するかどうか(オン・オフ)のスイッチングを行うAOM、4はAOM3がオンとなって加工方向に分岐したレーザパルスL2を加工データに従って2次元方向に走査するガルバノスキャナ、5はガルバノスキャナ5からのレーザパルスをプリント基板7の穴あけ位置に照射する集光(Fθ)レンズ、6はAOM3において加工方向へ分岐されず透過したレーザパルスL3を吸収するダンパである。
AOM制御部12から出力されるAOM駆動信号Dは特定周波数のRF信号から成り、このRF信号を与えるか否かによってAOM3のオン、オフを制御し、またこのRF信号の振幅を変化させることによりAOM3から加工方向に分岐したレーザパルスL2の出射エネルギーを制御する。
図2において、全体制御部10の制御の下で、ガルバノ動作制御信号Gがオンとなってガルバノスキャナ4が回転し、目標の位置まで回転して位置決め動作が完了するとガルバノ動作制御信号Gがオフになり、時間T1の後にレーザ発振制御部11からのレーザ発振指令信号Sが所定時間オンとなってレーザパルスL1の発振がレーザ発振器1に指令される。
なお、Pは出射され始めた直後に表れるスパイクであり、このスパイクは必ず発生するとは限らないものである。
AOM3により切出されたレーザパルスL2はガルバノスキャナ4を経由してプリント基板7に照射される。この後、レーザ発振指令信号Sのオフから所定の時間の後にガルバノ動作制御信号Gがオンとなり、次の穴位置への照射のためにガルバノスキャナ4が回転し、以後、同様に繰り返す。
ここで、時間T1~T3は、それぞれ関連機能要素における処理・応答時間や機能要素間の信号伝搬時間が含まれるものである。
図2において、14はビームスプリッタ2を透過したレーザパルスL1のエネルギーを光強度で検出する光強度検出器であり、フォトディテクタ等を使って実現されるものである。この光強度検出器14は、全体制御部10内に設けられた光強度検出制御部15からの検出指示信号Eを2回受け、その時のレーザパルスL1の光強度を示す光強度信号Fが光強度傾き計算部16に出力される。光強度傾き計算部16では、検出された光強度の2点間の傾きが求められる。
時間Ta、Tbは予め実験的に求めておくものとするが、特にTaが短すぎるとレーザパルスL1の光強度がまだ小さすぎるので、傾きαは異常に大きくなってしまう。そのようなことがないように、TaはレーザパルスL1がある程度立上がった時間にする必要がある。
AOM制御部12は、レーザ発振器1からレーザパルスL1が発振されると、光強度傾き計算部16で求められた傾きαに対応する振幅Vを制御テーブル17から選択し、当該振幅のAOM駆動信号DをAOM3に与える。
また、レーザパルスの傾きαが所定値αn+1より小さい場合は、照射エネルギーが小さ過ぎて加工に適さないと判断し、これについてもAOM制御部12はAOM駆動信号Dの振幅Vをゼロとすることにより、加工方向へのレーザパルスL2を無くし全てダンパ4の方向に分岐させる。
そして次のレーザ発振のタイミングでレーザ発振指令信号Sをオンとし、ここで発振されるレーザパルスL1が上記の如き判定に基づき加工に適するものであれば、それを使用して当初の穴位置への加工が行なわれるようにする。
このようにすると、一時的にレーザ発振器1から加工に適さないレーザパルスL1が出射されても、装置としてはそのまま加工動作を継続することができる。
従って、発振周期等によりレーザパルスのエネルギーが変化しても、AOM3による切出し部分であるレーザパルスL2のエネルギーを一定に制御できるので、加工品質を向上させることができる。
さらには、レーザパルスの最初の部分のエネルギーが大き過ぎて、従来においてはダンパ6の方向に分岐させられていたレーザパルスであっても、AOM3によってエネルギーを加工に適したものにすることができるので、レーザパルスの利用率を向上することができる。
例えば、図1において時刻Ta~Tbの積分値を求めることによりAOM3による切出し部分であるレーザパルスL2のエネルギーを判定してもよく、AOM3による切出し部分であるレーザパルスL2のエネルギーを判定する方法は種々考えられる。
11:レーザ発振制御部、12:AOM制御部、13:ガルバノ制御部、
15:光強度検出器、16:光強度傾き計算部、17:制御テーブル、
Claims (6)
- レーザパルスを発振させるレーザ発振器と、当該レーザ発振器から入射されたレーザパルスを二つの方向のうちのいずれか一方に分岐させる光分岐部と、当該光分岐部での前記分岐方向を制御する光分岐制御部とを備え、前記光分岐部から出射された前記レーザパルスの第一の部分を被加工物に与えることにより当該被加工物を加工するようにしたレーザ加工装置において、前記第一の部分よりも先行する前記レーザパルスの第二の部分での二つ時点での光強度を検出する光強度検出部を備え、前記光分岐制御部は前記光強度検出部での検出結果に基づいて前記第一の部分のエネルギーが一定になるように前記光分岐部を制御することを特徴とするレーザ加工装置。
- 請求項1に記載のレーザ加工装置において、前記光分岐部は前記光分岐制御部からRF信号が与えられるか否かにより分岐方向が定まるとともに、与えられるRF信号の振幅により前記第一の部分のエネルギーが制御されることを特徴とするレーザ加工装置。
- 請求項1あるいは2に記載のレーザ加工装置において、前記光分岐部は、前記光強度検出部での検出結果が所定の範囲にある場合だけ前記第一の部分のエネルギーが一定になるように制御することを特徴とするレーザ加工装置。
- レーザ発振器から入射されたレーザパルスを二つの方向のうちのいずれか一方に分岐させる光分岐部に入射し、前記光分岐部から出射された前記レーザパルスの第一の部分を被加工物に与えることにより当該被加工物を加工するようにしたレーザ加工方法において、前記第一の部分よりも先行する前記レーザパルスの第二の部分での二つ時点での光強度を検出し、当該検出結果に基づいて前記第一の部分のエネルギーが一定になるように前記光分岐部を制御することを特徴とするレーザ加工方法。
- 請求項4に記載のレーザ加工方法において、前記光分岐部は前記光分岐制御部からRF信号が与えられるか否かにより分岐方向が定まるとともに、与えられるRF信号の振幅により前記第一の部分のエネルギーが制御されることを特徴とするレーザ加工方法。
- 請求項4あるいは5に記載のレーザ加工方法において、前記光分岐部は、前記第一の部分の光強度の検出結果が所定の範囲にある場合だけ前記第一の部分のエネルギーが一定になるように制御することを特徴とするレーザ加工方法。
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