JP7259642B2 - トレンチゲート型のスイッチング素子の製造方法 - Google Patents

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本明細書に開示の技術は、トレンチゲート型のスイッチング素子の製造方法に関する。
特許文献1には、トレンチゲート型のスイッチング素子の製造方法が開示されている。この製造方法では、SiC(炭化ケイ素)により構成された基板を用いてスイッチング素子を製造する。この製造方法では、SiC基板にトレンチを形成し、トレンチ内にゲート電極を形成する。その後、SiC基板の上面とゲート電極の上面を覆う層間絶縁膜を形成する。次に、フォトリソグラフィによって、SiC基板の上面を覆う部分の層間絶縁膜にコンタクトホールを形成する。次に、コンタクトホール内に、SiC基板に接するソース電極を形成する。
特開2018-061023号公報
特許文献1の製造方法では、製造誤差によって、コンタクトホールがトレンチに対して位置ずれする。このため、コンタクトホールとトレンチの間に一定の間隔を設ける必要がある。したがって、スイッチング素子の微細化に限界がある。
ソース電極を自己整合的に形成することもできる。この製造方法では、まず、図15に示すように、トレンチ140内にゲート電極144、ゲート絶縁膜142を形成する。このとき、ゲート電極144の上面がトレンチ140内に位置するように、ゲート電極144を形成する。次に、図16に示すように、ゲート電極144の上面を覆うように、層間絶縁膜146を形成する。ここでは、層間絶縁膜146の上面がトレンチ140内に位置するように、層間絶縁膜146を形成する。層間絶縁膜146よりも上側では、トレンチ140の側面140aを露出させる。次に、図17に示すように、SiC基板112の上面112aとトレンチ140の側面140aに接するように、ニッケルを含有するニッケル含有層160を形成する。次に、SiC基板112を加熱して、ニッケル含有層160とSiC基板112を反応させる。その結果、図18に示すように、ニッケル含有層160とSiC基板112の界面に、ニッケルシリサイド層162(ニッケルとシリコンの合金層)が形成される。その後、シリサイド化しなかったニッケル含有層160を除去すると、図19に示す構成が得られる。残存するニッケルシリサイド層162が、SiC基板112に接するソース電極となる。この製造方法によれば、トレンチ140内のゲート電極144から絶縁されているとともにSiC基板112に接するニッケルシリサイド層162(ソース電極)を得ることができる。また、この製造方法によれば、トレンチ140に隣接する範囲に自己整合的にニッケルシリサイド層162が形成される。トレンチ140とニッケルシリサイド層162の間に間隔が形成されないので、スイッチング素子を微細化することができる。
しかしながら、この製造方法では、図18、19に示すように、トレンチ140の上端の角部140bに結晶欠陥150が形成され易い。すなわち、この製造方法では、ニッケルシリサイド層162を形成するときに、SiC基板112の上面112aとトレンチ140の側面140aの両方でシリサイド化反応が生じる。このため、角部140bでは上面112aと側面140aの両方からシリサイド化反応が起こり、角部140bに応力が集中する。その結果、角部140bに結晶欠陥150が形成され易い。角部140bに結晶欠陥150が形成されると、スイッチング素子の使用時にリーク電流が生じる等の問題が生じる。本明細書では、ソース電極を自己整合的に形成することができるとともに、トレンチの上端の角部における結晶欠陥の発生を抑制できる技術を提案する。
本明細書が開示する第1の発明は、トレンチゲート型のスイッチング素子の製造方法である。この製造方法は、第1~第6工程を有する。前記第1工程では、SiC基板の上面にトレンチを形成する。前記第2工程では、前記トレンチ内に、ゲート絶縁膜と、前記ゲート絶縁膜によって前記SiC基板から絶縁されたゲート電極と、前記ゲート電極の上面を覆う層間絶縁膜を形成する。前記第2工程では、前記層間絶縁膜の上面が前記トレンチの内部に位置するように前記層間絶縁膜を形成する。前記第3工程では、前記SiC基板を酸化することによって、前記SiC基板の前記上面を覆う上面酸化膜と、前記層間絶縁膜の前記上面よりも上側の前記トレンチの側面を覆うとともに前記上面酸化膜よりも厚い側面酸化膜を形成する。前記第4工程では、エッチングによって、前記上面酸化膜を除去するとともに前記側面酸化膜を残存させる。前記第5工程では、前記SiC基板の前記上面と前記側面酸化膜に接するニッケル含有層を形成する。前記第6工程では、前記SiC基板を加熱することによって、前記ニッケル含有層と前記SiC基板の界面にニッケルシリサイド層を形成する。
この製造方法では、層間絶縁膜を形成した後に、第3工程で、SiC基板の上面を覆う上面酸化膜と層間絶縁膜の上面よりも上側のトレンチの側面を覆うとともに上面酸化膜よりも厚い側面酸化膜を形成する。さらに、第4工程で、エッチングによって、上面酸化膜を除去するとともに側面酸化膜を残存させる。エッチング前において側面酸化膜が上面酸化膜よりも厚いので、エッチング後に側面酸化膜を残存させることができる。その後、第5工程でニッケル含有層を形成し、第6工程でニッケルシリサイド層を形成する。第6工程では、層間絶縁膜よりも上側のトレンチの側面が側面酸化膜に覆われているので、この側面ではシリサイド化反応が生じない。他方、SiC基板の上面では、シリサイド化反応が生じる。したがって、SiC基板の上面のトレンチに隣接する範囲に自己整合的にニッケルシリサイド層(ソース電極)が形成される。トレンチの上端の角部では、トレンチの側面からはシリサイド化反応が生じず、SiC基板の上面からシリサイド化反応が生じる。このため、角部に加わる応力が低減され、角部での結晶欠陥の発生が抑制される。
また、本明細書では、第2の発明として、スイッチング素子のオン抵抗を低減する技術を提案する。
特開2007-134500号公報には、トレンチゲート型のスイッチング素子が開示されている。このスイッチング素子では、半導体基板の上面を平面視したときに、トレンチゲートが矩形波状に折れ曲がって伸びている。このようにトレンチゲートを折れ曲がった形状とすることで、チャネル密度を増大させ、スイッチング素子のオン抵抗を低減することができる。
本明細書では、第2の発明として、特開2007-134500号公報とは異なる構成によってチャネル密度を増大させ、スイッチング素子のオン抵抗を低減する技術を提案する。
本明細書が開示する第2の発明は、トレンチゲート型スイッチング素子の製造方法である。この製造方法は、第1~第5工程を有する。前記第1工程では、SiC基板の表面にマスクを形成する。前記第1工程は、前記SiC基板の前記表面が前記SiC基板の(000-1)面に対する角度が10°未満の面により構成されており、前記マスクが前記SiC基板の[1-100]方向に対する角度が30°未満の方向に沿って直線状に伸びる開口部を有しており、前記開口部の側面が凹凸を有することを特徴とする。前記第2工程では、前記開口部内で前記SiC基板をエッチングすることによって前記SiC基板の前記表面にトレンチを形成する。前記第2工程は、前記トレンチの側面に前記トレンチの深さ方向に沿って伸びる複数の凹部が形成されることを特徴とする。前記第3工程では、前記トレンチの前記側面を等方性エッチングすることによって、前記トレンチの前記側面の前記各凹部の表面に、前記[1-100]方向に対して60°傾斜する表面と前記[1-100]方向に対して120°傾斜する表面を露出させる。前記第4工程では、前記トレンチの前記側面を覆うゲート絶縁膜を形成する。前記第5工程では、前記トレンチ内に、前記ゲート絶縁膜によって前記SiC基板から絶縁されたゲート電極を形成する。
この製造方法では、マスクの開口部がSiC基板の[1-100]方向に対する角度が30°未満の方向に沿って直線状に伸びている。開口部の側面は凹凸を有する。したがって、開口部内のSiC基板をエッチングしてトレンチを形成すると、開口部の側面の凹凸に倣って、トレンチの深さ方向に沿って伸びる複数の凹部が形成される。その後、トレンチの側面を等方性エッチングすることによって、トレンチの側面の各凹部の表面に、[1-100]方向に対して60°傾斜する表面と[1-100]方向に対して120°傾斜する表面を露出させる。このようにトレンチの側面を加工した後に、ゲート絶縁膜とゲート電極が形成される。したがって、スイッチング素子のチャネルは、複数の凹部を備えるトレンチの側面に沿って形成されることになる。このため、チャネル密度が高くなる。また、チャネルは、複数の凹部の表面(すなわち、[1-100]方向に対して60°傾斜する表面と[1-100]方向に対して120°傾斜する表面)に沿って形成される。[1-100]方向に対して60°傾斜する表面と[1-100]方向に対して120°傾斜する表面では、チャネル移動度が高い。このように、この製造方法によれば、チャネル密度が高いとともにチャネル移動度が高いスイッチング素子を製造することができる。したがって、この製造方法によれば、オン抵抗が低いスイッチング素子を製造することができる。
実施例1の製造方法の説明図。 実施例1の製造方法の説明図。 実施例1の製造方法の説明図。 実施例1の製造方法の説明図。 実施例1の製造方法の説明図。 実施例1の製造方法の説明図。 実施例1の製造方法の説明図。 実施例1の製造方法の説明図。 実施例1の製造方法の説明図。 実施例1の製造方法の説明図。 実施例1の製造方法の説明図。 実施例1の製造方法の説明図。 実施例1の製造方法の説明図。 実施例1の製造方法の説明図。 比較例の製造方法の説明図。 比較例の製造方法の説明図。 比較例の製造方法の説明図。 比較例の製造方法の説明図。 比較例の製造方法の説明図。 実施例2のスイッチング素子の製造方法の説明図。 実施例2のスイッチング素子の製造方法の説明図。 実施例2のスイッチング素子の製造方法の説明図。 実施例2のスイッチング素子の製造方法の説明図。 実施例2のスイッチング素子の製造方法の説明図。 トレンチの側面を水平方向に切断した断面図。 CDE後のトレンチの側面を水平方向に切断した断面図。 実施例2のスイッチング素子の製造方法の説明図。 SiC基板中のチャネル移動度を面毎に示したグラフ。
実施例1として、第1の発明の実施例について説明する。実施例1のスイッチング素子の製造方法について説明する。まず、図1に示すSiC基板12を準備する。SiC基板12の上面12aは、Si面と略平行な平面である。より詳細には、上面12aとSi面との間の角度は10度以下である。SiC基板12は、ソース領域20、ボディ領域24、ドリフト領域26、及び、ドレイン領域28を有している。ソース領域20は、n型であり、SiC基板12の上面12aに露出する範囲に配置されている。ボディ領域24は、p型であり、ソース領域20の周囲に配置されている。ボディ領域24は、ソース領域20に隣接する範囲で上面12aに露出している。ドリフト領域26は、n型であり、ボディ領域24の下側に配置されている。ドリフト領域26は、ボディ領域24によってソース領域20から分離されている。ドレイン領域28は、n型であり、ドリフト領域26よりも高いn型不純物濃度を有している。ドレイン領域28は、ドリフト領域26の下側に配置されている。ソース領域20、ボディ領域24、ドリフト領域26、及び、ドレイン領域28は、イオン注入、エピタキシャル成長等により形成することができる。
まず、図2に示すように、SiC基板12の上面12aに、トレンチ40を形成する。ここでは、ソース領域20とボディ領域24を貫通してドリフト領域26に達するトレンチ40を形成する。また、トレンチ40の各側面がm面と略平行となるようにトレンチ40は形成される。より詳細には、トレンチ40の各側面とm面との間の角度は10度以下である。
次に、図3に示すように、トレンチ40の内面を覆うゲート絶縁膜42を形成する。ゲート絶縁膜42は、上面12aにも形成される。
次に、図4に示すように、トレンチ40の内部とSiC基板12の上面12aの上部(より詳細には、上面12aを覆うゲート絶縁膜42の上部)に、ポリシリコン層45を形成する。
次に、図5に示すように、ポリシリコン層45をエッチングする。これによって、上面12a上のポリシリコン層45を除去する。また、トレンチ40内にポリシリコン層45を残存させる。ここでは、ポリシリコン層45の上面がトレンチ40内であってソース領域20の下端よりも上側に位置するように、ポリシリコン層45を残存させる。トレンチ40内に残存したポリシリコン層45は、ゲート電極44である。
次に、図6に示すように、トレンチ40の内部とSiC基板12の上面12aの上部(より詳細には、上面12aを覆うゲート絶縁膜42の上部)に、層間絶縁膜46を形成する。
次に、図7に示すように、層間絶縁膜46とゲート絶縁膜42をエッチングする。これによって、上面12a上の層間絶縁膜46とゲート絶縁膜42を除去する。ゲート絶縁膜42は、ゲート電極44の側方と下側に残存させる。層間絶縁膜46は、トレンチ40の内部に残存させる。このとき、層間絶縁膜46の上面がトレンチ40内に位置するように層間絶縁膜46を残存させる。層間絶縁膜46よりも上側では、トレンチ40の側面40aが露出する。
次に、図8に示すように、SiC基板12を加熱することによって、SiC基板12の上面12aとトレンチ40の側面40aに熱酸化膜90を形成する。以下では、上面12aを覆う熱酸化膜90を上面酸化膜91といい、側面40aを覆う熱酸化膜90を側面酸化膜92という。上述したように上面12aはSi面と略平行である一方で、側面40aはm面と略平行である。このように各面が構成されている場合は、側面40aに側面酸化膜92が成長する速度が、上面12aに上面酸化膜91が成長する速度よりも速い。側面酸化膜92は、上面酸化膜91の約4倍の速度で成長する。したがって、図8に示すように、側面酸化膜92は上面酸化膜91よりも厚くなる。
次に、DHF(希釈されたフッ酸)によって熱酸化膜90をエッチングする。これによって、図9に示すように、上面酸化膜91を除去する。また、側面酸化膜92を、側面40aに残存させる。エッチング前において側面酸化膜92が上面酸化膜91よりも厚いので、エッチング後に側面酸化膜92を残存させることができる。
次に、図10に示すように、スパッタリング等によって、SiC基板12の上面12a上に金属層60を形成する。金属層60は、ニッケルを含有する金属により構成されている。本実施例では、金属層60はニッケル単体により構成されている。金属層60は、層間絶縁膜46よりも上側のトレンチ40内に充填される。層間絶縁膜46よりも上側のトレンチ40の側面40aは側面酸化膜92に覆われているので、側面40aは金属層60に接触しない。
次に、SiC基板12を加熱して、SiC基板12中のシリコンと金属層60中のニッケルとを反応させる。これによって、図11に示すように、上面12a(すなわち、SiC基板12と金属層60の界面)にニッケルシリサイド層62を形成する。ニッケルシリサイド層62は、ソース領域20とボディ領域24にオーミック接触する。また、上述したように、トレンチ40の側面40aは金属層60に接していないので、側面40aにはニッケルシリサイド層62は成長しない。このため、トレンチ40の上端の角部40b(側面40aと上面12aの境界部)では、上面12aからシリサイド化反応が進行し、側面40aからはシリサイド化反応が進行しない。このため、ニッケルシリサイド層62が成長するときに、角部40bにそれほど高い応力は加わらない。したがって、角部40bに結晶欠陥が生じることが抑制される。
次に、図12に示すように、シリサイド化しなかった金属層60をエッチングにより除去する。
次に、図13に示すように、ニッケルシリサイド層62上にアルミニウムシリサイド層63を形成する。ニッケルシリサイド層62とアルミニウムシリサイド層63がソース電極64となる。
その後、図14に示すように、SiC基板12の下面12bにドレイン電極66を形成することで、スイッチング素子(より詳細には、nチャネル型のMOSFET(metal oxide semiconductor field effect transistor))が完成する。
以上に説明したように、実施例1の製造方法によれば、トレンチ40に隣接する位置でSiC基板12にコンタクトするように自己整合的にソース電極64が形成される。トレンチ40とソース電極64の間に間隔が生じないので、スイッチング素子を微細化することができる。また、この製造方法では、トレンチ40の角部40bに結晶欠陥が生じることを抑制できる。したがって、この製造方法によれば、リーク電流が生じ難く、高品質なスイッチング素子を製造することができる。
実施例2として、第2の発明の実施例を説明する。実施例2のスイッチング素子の製造方法について説明する。まず、図20に示すSiC(炭化ケイ素)基板212を準備する。SiC基板212の上面212aは、(000-1)面に対する角度が10°未満の面により構成されている。特に、実施例2では、上面212aは、(000-1)面により構成されている。SiC基板212は、ソース領域220、ボディ領域224、ドリフト領域226、及び、ドレイン領域228を有している。ソース領域220は、n型であり、SiC基板212の上面212aに露出する範囲に配置されている。ボディ領域224は、p型であり、ソース領域220の周囲に配置されている。ボディ領域224は、ソース領域220に隣接する範囲で上面212aに露出している。ドリフト領域226は、n型であり、ボディ領域224の下側に配置されている。ドリフト領域226は、ボディ領域224によってソース領域220から分離されている。ドレイン領域228は、n型であり、ドリフト領域226よりも高いn型不純物濃度を有している。ドレイン領域228は、ドリフト領域226の下側に配置されている。ソース領域220、ボディ領域224、ドリフト領域226、及び、ドレイン領域228は、イオン注入、エピタキシャル成長等により形成することができる。
まず、図21に示すように、SiC基板212の上面212a上に酸化膜230を形成する。さらに、酸化膜230上に、レジスト層232を形成する。ここでは、分子量が大きいレジスト材を用いてレジスト層232を形成する。例えば、分子量が10000~500000のレジスト材を用いることができる。また、レジスト材の成分共重合体の分子量分布Mw/Mn(Mw:重量平均分子量、Mn:数平均分子量)が広分散である場合には、分子量分布が15以上であることが好ましい。次に、図22に示すように、レジスト層232をパターニングすることによって、開口部234を形成する。すなわち、レジスト層232の一部を酸化膜230が露出するまでエッチングして、開口部234を形成する。ここでは、上側から見たときに、開口部234が直線状に伸びるように開口部234を形成する。SiC基板212の[1-100]方向に対する角度が30°未満の方向に沿って開口部234が直線状に伸びることが好ましい。実施例2では、開口部234が[1-100]方向に沿って直線状に伸びるように形成される。上述したように、レジスト層232は、分子量が大きいレジスト材により構成されている。このようなレジスト層232をエッチングして開口部234を形成すると、開口部234の側面に凹凸234aが形成される。例えば、分子量が10000程度の場合にはレジスト材を構成する分子のサイズが3~4nmであるので、同程度のサイズの凹凸234aが形成される。
次に、図23に示すように、開口部234内で酸化膜230をエッチングすることによって、酸化膜230に開口部236を形成する。ここでは、異方性エッチングによって、開口部234内の酸化膜230を下方向(SiC基板212の厚さ方向)にエッチングする。開口部236を形成することで、開口部236の底部にSiC基板212の上面212aを露出させる。開口部234が[1-100]方向に沿って直線状に伸びているので、開口部236も[1-100]方向に沿って直線状に伸びる形状となる。レジスト層232をマスクとして酸化膜230を異方性エッチングすると、開口部234の側面の凹凸234aに倣って、開口部236の側面に凹凸236aが形成される。下方向に向かって酸化膜230の異方性エッチングが進行するので、凹凸236aは下方向に沿って筋状に伸びる形状となる。すなわち、上下方向(酸化膜230の厚さ方向)に沿って伸びる複数の微小な凹部が開口部236の側面に形成されることで、開口部236の側面に凹凸236aが形成される。開口部236を形成したら、レジスト層232を除去する。
次に、図24に示すように、開口部236内でSiC基板212をエッチングすることによって、SiC基板212にトレンチ240を形成する。ここでは、異方性エッチングによって、開口部236内でSiC基板212を下方向にエッチングする。ここでは、ソース領域220とボディ領域224を貫通してドリフト領域226に達するトレンチ240を形成する。開口部236が[1-100]方向に沿って直線状に伸びているので、トレンチ240も上面212aにおいて[1-100]方向に沿って直線状に伸びるように形成される。酸化膜230をマスクとしてSiC基板212を異方性エッチングすると、開口部236の側面の凹凸236aに倣って、トレンチ240の側面に凹凸240a(いわゆる、ストリエーション)が形成される。下方向(トレンチ240の深さ方向)に向かってSiC基板212の異方性エッチングが進行するので、凹凸240aはトレンチ240の深さ方向に沿って筋状に伸びる形状となる。すなわち、トレンチ240の深さ方向に沿って伸びる複数の微小な凹部がトレンチ240の側面に形成されることで、トレンチ240の側面に凹凸240aが形成される。ここでは、分子量が小さい希ガス(例えば、ヘリウム)を含むガスを用いて異方性エッチングを行うことで、トレンチ240の側面の平滑化を防ぎ、トレンチ240の側面に凹凸240aを形成する。
図25は、異方性エッチングによってトレンチ240を形成した直後のトレンチ240の側面(以下、側面240bという)を水平方向に切断した断面図を示している。トレンチ240の側面240bは、蛇行しながら[1-100]方向に沿って伸びている。また、側面240bには、多数の微小な凹部240c(上述したトレンチ240の深さ方向に沿って伸びる凹部)が形成されている。側面240bに多数の凹部240cが形成されていることで、側面240bに凹凸240aが形成されている。この段階では、凹凸240aの高さH1(すなわち、凹部240cの深さ)は50nmよりも高い。
次に、トレンチ240の側面240bをCDE(chemical dry etching)によりエッチングする。CDEは、等方性エッチングである。ここでは、OとCF系ガス(例えば、CF)によって、側面240bをエッチングする。SiC基板212を等方性エッチングするときには、結晶方位によってエッチング速度が異なり、特定の結晶面が露出し易い。側面240bを等方性エッチングする場合には、[1-100]方向に対して60°傾斜する表面と[1-100]方向に対して120°傾斜する表面が露出し易い。したがって、図26に示すように、側面240bを等方性エッチングすると、凹部240cの表面に、[1-100]方向に対して60°傾斜する表面240dと、[1-100]方向に対して120°傾斜する表面240eが露出する。また、等方性エッチングによって、凹凸240aの高さH1が低くなる。ここでは、ゲートリークを防ぐために、高さH1が50nm以下(好ましくは、5~50nm)となるように、エッチングを行う。
次に、図27に示すように、トレンチ240の内面を覆うようにゲート絶縁膜242を形成する。次に、トレンチ240内にゲート電極244を形成する。ゲート電極244は、ゲート絶縁膜242によってSiC基板212から絶縁される。次に、ゲート電極244の上面を覆う層間絶縁膜246を形成する。次に、SiC基板212の上面212aを覆うソース電極264を形成する。ソース電極264は、層間絶縁膜246によってゲート電極244から絶縁される。次に、SiC基板212の下面212bを覆うドレイン電極266を形成する。以上の工程によって、図27に示すスイッチング素子210(より詳細には、nチャネル型のMOSFET)が完成する。
このように製造されたスイッチング素子210がオンするときには、トレンチ240の側面240bにチャネルが形成される。図26に示すように、側面240bには多数の凹部240cが形成されている。言い換えると、側面240bは、蛇行しながら[1-100]方向に伸びている。このため、水平方向における側面240bの延面距離が長くなっており、側面240bには高密度にチャネルが形成される。さらに、側面240bは、[1-100]方向に対して60°傾斜する表面240dと、[1-100]方向に対して120°傾斜する表面240eを有する。図28は、SiC基板212中に形成されたチャネルの移動度をチャネルが形成される面の角度毎に示したグラフである。図28の横軸は、チャネルが形成される面の[1-100]方向に対する角度を示している。図28に示すように、[1-100]方向に対して60°傾斜する面(すなわち、表面240d)と、[1-100]方向に対して120°傾斜する面(すなわち、表面240e)ではチャネル移動度が高い。スイッチング素子210では、チャネル移動度が高い表面240d、240eに沿ってチャネルが形成される。このように、スイッチング素子210では、トレンチ240の側面240bに複数の凹部240cが存在することでチャネル密度が高くなっており、かつ、凹部240cに表面240d、240eが露出していることでチャネル移動度が高くなっている。したがって、スイッチング素子210は、低いオン抵抗を有する。
次に、特開2007-134500号公報の技術に対する実施例2の利点について、以下に説明する。上述したように、特開2007-134500号公報のスイッチング素子では、トレンチゲートが矩形波状に折れ曲がっている。
特開2007-134500号公報のスイッチング素子では、トレンチゲートが折れ曲がった部分ではトレンチの実質的な幅が広くなる。このようなトレンチをエッチングにより形成する場合には、トレンチが折れ曲がった部分(実質的な幅が広い部分)でエッチングレートが速くなり、トレンチが折れ曲がった部分で局所的にトレンチが深くなる。このため、トレンチが深い位置で電界が集中し易く、スイッチング素子の耐圧が低下する。これに対し、実施例2のスイッチング素子210では、トレンチ240の側面240bに形成される凹凸240aの高さH1が極めて低いので、トレンチ240を形成するときのエッチングレートに対する影響はない。したがって、トレンチ240が局所的に深くなることがなく、電界集中が抑制される。
特開2007-134500号公報のスイッチング素子では、トレンチゲートが折れ曲がっているので、半導体基板の表面においてトレンチゲートが占める面積が広い。このため、ソース電極が半導体基板にコンタクトする部分の面積が狭い。これに対し、実施例2のスイッチング素子210では、トレンチ240の側面240bに形成される凹凸240aの高さH1が極めて低いので、SiC基板212の上面212aにおいてトレンチ240が占める面積が狭い。このため、ソース電極264がSiC基板212にコンタクトする面積を広く確保することができる。これによって、スイッチング素子210のオン抵抗をより低減することができる。
特開2007-134500号公報のスイッチング素子では、トレンチゲートが約90°に折れ曲がっている。図28に示すように、[1-100]方向に対して90°傾斜する面では、チャネル移動度が低い。これに対し、実施例2のスイッチング素子210では、トレンチ240の側面240bが[1-100]方向に対して90°の向きとなる部分がない。側面240bの大部分が、チャネル抵抗が低い表面240d、240eにより構成されている。これによって、スイッチング素子210のオン抵抗をより低減することができる。
なお、実施例2では、レジスト層232として分子量が10000以上のレジスト材を用いることで、開口部234の側面に凹凸234aを形成した。しかしながら、開口部234を形成した後に、CDEによって開口部234の側面を荒らすことで、開口部234の側面に凹凸234aを形成してもよい。この場合、レジスト層232として分子量が10000未満のレジスト材を用いてもよい。レジスト材の分子量が大きすぎるとパターニング精度が悪くなる場合があるので、この問題を回避するために、分子量が小さいレジスト材を用いるとともに開口部234の側面にCDEを行ってもよい。
以上、実施形態について詳細に説明したが、これらは例示にすぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例をさまざまに変形、変更したものが含まれる。本明細書または図面に説明した技術要素は、単独あるいは各種の組み合わせによって技術有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組み合わせに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成するものであり、そのうちの1つの目的を達成すること自体で技術有用性を持つものである。
12 :SiC基板
20 :ソース領域
24 :ボディ領域
26 :ドリフト領域
28 :ドレイン領域
40 :トレンチ
40a :側面
40b :角部
42 :ゲート絶縁膜
44 :ゲート電極
46 :層間絶縁膜
60 :金属層
62 :ニッケルシリサイド層
63 :アルミニウムシリサイド層
64 :ソース電極
66 :ドレイン電極
90 :熱酸化膜
91 :上面酸化膜
92 :側面酸化膜
210 :スイッチング素子
212 :SiC基板
220 :ソース領域
224 :ボディ領域
226 :ドリフト領域
228 :ドレイン領域
230 :酸化膜
232 :レジスト層
234 :開口部
234a :凹凸
236 :開口部
236a :凹凸
240 :トレンチ
240a :凹凸
240b :側面
240c :凹部
240d :表面
240e :表面
242 :ゲート絶縁膜
244 :ゲート電極
246 :層間絶縁膜
264 :ソース電極
266 :ドレイン電極

Claims (1)

  1. トレンチゲート型のスイッチング素子の製造方法であって、
    SiC基板の上面にトレンチを形成する工程と、
    前記トレンチ内に、ゲート絶縁膜と、前記ゲート絶縁膜によって前記SiC基板から絶縁されたゲート電極と、前記ゲート電極の上面を覆う層間絶縁膜を形成する工程であって、前記層間絶縁膜の上面が前記トレンチの内部に位置するように前記層間絶縁膜を形成する工程と、
    前記SiC基板を酸化することによって、前記SiC基板の前記上面を覆う上面酸化膜と、前記層間絶縁膜の前記上面よりも上側の前記トレンチの側面を覆うとともに前記上面酸化膜よりも厚い側面酸化膜を形成する工程と、
    エッチングによって、前記上面酸化膜を除去するとともに前記側面酸化膜を残存させる工程と、
    前記SiC基板の前記上面と前記側面酸化膜に接するニッケル含有層を形成する工程と、
    前記SiC基板を加熱することによって、前記ニッケル含有層と前記SiC基板の界面にニッケルシリサイド層を形成する工程、
    を有する製造方法。
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