JP7259196B2 - 電池用非水電解液及びリチウム二次電池 - Google Patents
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Description
例えば、特許文献1には、フッ素化カーボネートと、環状カーボネートと、鎖状カーボネートとを含み、(i)環状カーボネートの含有量が2~63モル%であり、(ii)鎖状カーボネートの含有量が2~63モル%であり、(iii)フッ素化カーボネートの含有量が60~96モル%である非水溶媒と、電解質とからなることを特徴とする非水電解液が開示されている。
本開示の一態様の目的は、電池性能を維持しつつ、低温保存後のヘキサフルオロリン酸リチウムの析出を抑制する電池用非水電解液を提供することである。
本開示の別の一態様の目的は、電池性能を維持しつつ、低温保存後のヘキサフルオロリン酸リチウムの析出を抑制するリチウム二次電池を提供することである。
<1>
エチレンカーボネートと、ジメチルカーボネート及びジエチルカーボネートの少なくとも一方と、エチルメチルカーボネートと、2,2,2-トリフルオロエチルメチルカーボネートと、を含む非水溶媒と、ヘキサフルオロリン酸リチウムを含む電解質と、を含有する電池用非水電解液。
<2>
前記2,2,2-トリフルオロエチルメチルカーボネートの含有量が、前記非水溶媒の全量に対し、5体積%~40体積%である前記<1>に記載の電池用非水電解液。
<3>
前記エチレンカーボネートの含有量が、前記非水溶媒の全量に対し、15体積%~35体積%である前記<1>又は<2>に記載の電池用非水電解液。
<4>
前記ヘキサフルオロリン酸リチウムの濃度が0.1mol/L~3mol/Lである前記<1>~<3>のいずれか1つに記載の電池用非水電解液。
<5>
正極と、黒鉛材料を含む負極活物質を含む負極と、前記<1>~<4>のいずれか1つに記載の電池用非水電解液と、を含むリチウム二次電池。
<6>
前記負極活物質が、更に、下記組成式(1)で表される酸化ケイ素を含む<5>に記載のリチウム二次電池。 SiOX … 組成式(1)〔組成式(1)中、Xは、0.5以上1.6未満を表す。〕
<7>
前記<5>又は前記<6>に記載のリチウム二次電池を充放電させて得られたリチウム二次電池。
本開示の別の一態様によれば、電池性能を維持しつつ、低温保存後のヘキサフルオロリン酸リチウムの析出を抑制するリチウム二次電池が提供される。
本明細書において、組成物中の各成分の量は、組成物中に各成分に該当する物質が複数存在する場合は、特に断らない限り、組成物中に存在する当該複数の物質の合計量を意味する。
本開示の電池用非水電解液(以下、単に「非水電解液」ともいう)は、
エチレンカーボネートと、ジメチルカーボネート及びジエチルカーボネートの少なくとも一方と、エチルメチルカーボネートと、2,2,2-トリフルオロエチルメチルカーボネートと、を含む非水溶媒と、
ヘキサフルオロリン酸リチウムを含む電解質と、
を含有する。
本開示の非水電解液は、非水溶媒を含有する。
非水溶媒は、エチレンカーボネート(以下、「EC」ともいう。)と、ジメチルカーボネート(以下、「DMC」ともいう。)及びジエチルカーボネート(以下、「DEC」ともいう。)の少なくとも一方と、エチルメチルカーボネート(以下、「EMC」ともいう。)と、2,2,2-トリフルオロエチルメチルカーボネート(以下、「MFEC」ともいう。)と、を含む。
MFECの含有量が5体積%以上であると、低温保存後のヘキサフルオロリン酸リチウムの析出がより抑制され、40体積%以下であると、電池性能がより維持される。
なお、DMC及びDECの含有量の合計とは、DMCを含み、かつDECを含まない場合は、DMCの含有量のことを示し、また、DMCを含まず、かつDECを含む場合は、DECの含有量のことを示すことは言うまでもない。
その他の溶剤種としては、種々公知のものを適宜選択することができる。
その他の溶剤種としては、例えば、特開2017-45723号公報の段落0069~0087に記載の溶媒種を用いることができる。
本開示の非水電解液は、ヘキサフルオロリン酸リチウム(以下、「LiPF6」ともいう。)を含む電解質を含有する。
この場合、電解質中に占めるLiPF6の比率は、好ましくは1質量%~100質量%、より好ましくは10質量%~100質量%、さらに好ましくは50質量%~100質量%である。
また、本開示の非水電解液におけるLiPF6の濃度は、0.1mol/L~3mol/Lが好ましく、0.5mol/L~2mol/Lがより好ましい。
LiPF6以外の化合物としては;
(C2H5)4NPF6、(C2H5)4NBF4、(C2H5)4NClO4、(C2H5)4NAsF6、(C2H5)4N2SiF6、(C2H5)4NOSO2CkF(2k+1)(k=1~8の整数)、(C2H5)4NPFn[CkF(2k+1)](6-n)(n=1~5、k=1~8の整数)などのテトラアルキルアンモニウム塩;
LiBF4、LiClO4、LiAsF6、Li2SiF6、LiOSO2CkF(2k+1)(k=1~8の整数)、LiPFn[CkF(2k+1)](6-n)(n=1~5、k=1~8の整数)、LiC(SO2R7)(SO2R8)(SO2R9)、LiN(SO2OR10)(SO2OR11)、LiN(SO2R12)(SO2R13)(ここでR7~R13は互いに同一でも異なっていてもよく、フッ素原子又は炭素数1~8のパーフルオロアルキル基である)等のリチウム塩(即ち、LiPF6以外のリチウム塩);
等が挙げられる。
添加剤の含有量は、非水電解液の全量に対し、0.001質量%~10質量%が好ましく、0.001質量%~5.0質量%がより好ましく、0.001質量%~3.0質量%が更に好ましく、0.01質量%~3.0質量%が更に好ましく、0.1~3.0質量%が更に好ましく、0.1~2.0質量%が更に好ましく、0.1~1.0質量%が更に好ましい。
本開示のリチウム二次電池は、正極と、負極と、本開示の非水電解液と、を備える。
負極は、黒鉛材料を含む負極活物質を含む。
黒鉛材料としては、天然黒鉛、人造黒鉛等が挙げられる。
負極活物質は、黒鉛材料を、1種類のみ含んでいてもよく、2種以上含んでいてもよい。
黒鉛材料は、天然黒鉛を含むことが好ましく、非晶質炭素によって被覆された天然黒鉛(以下、「アモルファスコート天然黒鉛」ともいう)を含むことがより好ましい。
黒鉛材料が天然黒鉛を含む場合、黒鉛材料中に占める天然黒鉛の割合は、好ましくは50質量%以上であり、より好ましくは60質量%以上であり、更に好ましくは80質量%以上である。
また、黒鉛材料の真密度は、1.70g/cm3以上であることが好ましい。
〔組成式(1)中、Xは、0.5以上1.6未満を表す。〕
負極活物質が黒鉛材料及びSiOXを含む場合、負極活物質全量に対する黒鉛材料の含有量は、80質量%~99質量%が好ましく、90質量%~99質量%がより好ましく、92質量%~98質量%が更に好ましい。
その他の成分としては、黒鉛材料以外の炭素材料(例えば、カーボンブラック、活性炭、非晶質炭素材料等);シリコン、シリコン合金、スズ、スズ合金等の金属又は合金;チタン酸リチウム;等が挙げられる。
非晶質炭素材料としては、ハードカーボン、コークス、1500℃以下に焼成したメソカーボンマイクロビーズ(MCMB)、メソフェーズピッチカーボンファイバー(MCF)などが挙げられる。
また、負極活物質としては、非晶質炭素材料で被覆された天然黒鉛;金、白金、銀、銅、スズなどの金属で被覆された天然黒鉛;等を用いてもよい。
負極における負極集電体の材質には特に制限はなく、公知のものを任意に用いることができる。
負極集電体の具体例としては、銅、ニッケル、ステンレス鋼、ニッケルメッキ鋼等の金属材料が挙げられる。中でも、加工しやすさの点から特に銅が好ましい。
正極は、正極活物質及び正極集電体を含んでもよい。
正極における正極活物質としては、MoS2、TiS2、MnO2、V2O5などの遷移金属酸化物又は遷移金属硫化物、LiCoO2、LiMnO2、LiMn2O4、LiNiO2、LiNiXCo(1-X)O2〔0<X<1〕、α-NaFeO2型結晶構造を有するLi1+αMe1-αO2(Meは、Mn、Ni及びCoを含む遷移金属元素、1.0≦(1+α)/(1-α)≦1.6)、LiNixCoyMnzO2〔x+y+z=1、0<x<1、0<y<1、0<z<1〕(例えば、LiNi0.33Co0.33Mn0.33O2、LiNi0.5Co0.2Mn0.3O2等)、LiFePO4、LiMnPO4などのリチウムと遷移金属とからなる複合酸化物、ポリアニリン、ポリチオフェン、ポリピロール、ポリアセチレン、ポリアセン、ジメルカプトチアジアゾール、ポリアニリン複合体などの導電性高分子材料等が挙げられる。これらの中でも、特にリチウムと遷移金属とからなる複合酸化物が好ましい。負極がリチウム金属又はリチウム合金である場合は、正極として炭素材料を用いることもできる。また、正極として、リチウムと遷移金属との複合酸化物と、炭素材料と、の混合物を用いることもできる。
正極活物質は、1種類で使用してもよく、2種類以上を混合して使用してもよい。正極活物質は導電性が不充分である場合には、導電性助剤とともに使用して正極を構成することができる。導電性助剤としては、カーボンブラック、アモルファスウィスカー、グラファイトなどの炭素材料を例示することができる。
正極集電体の具体例としては、例えば、アルミニウム、アルミニウム合金、ステンレス鋼、ニッケル、チタン、タンタルなどの金属材料;カーボンクロス、カーボンペーパーなどの炭素材料;等が挙げられる。
本開示のリチウム二次電池は、負極と正極との間にセパレータを含むことが好ましい。
セパレータは、正極と負極とを電気的に絶縁し且つリチウムイオンを透過する膜であって、多孔性膜や高分子電解質が例示される。
多孔性膜としては微多孔性高分子フィルムが好適に使用され、材質としてポリオレフィン、ポリイミド、ポリフッ化ビニリデン、ポリエステル等が例示される。
特に、多孔性ポリオレフィンが好ましく、具体的には多孔性ポリエチレンフィルム、多孔性ポリプロピレンフィルム、又は多孔性のポリエチレンフィルムとポリプロピレンフィルムとの多層フィルムを例示することができる。多孔性ポリオレフィンフィルム上には、熱安定性に優れる他の樹脂がコーティングされてもよい。
高分子電解質としては、リチウム塩を溶解した高分子や、電解液で膨潤させた高分子等が挙げられる。
本開示の非水電解液は、高分子を膨潤させて高分子電解質を得る目的で使用してもよい。
本開示のリチウム二次電池は、種々公知の形状をとることができ、円筒型、コイン型、角型、ラミネート型、フィルム型その他任意の形状に形成することができる。しかし、電池の基本構造は、形状によらず同じであり、目的に応じて設計変更を施すことができる。
図1は、本開示のリチウム二次電池の一例であるラミネート型電池の一例を示す概略斜視図であり、図2は、図1に示すラミネート型電池に収容される積層型電極体の厚さ方向の概略断面図である。
図1に示すラミネート型電池は、内部に非水電解液(図1中では不図示)及び積層型電極体(図1中では不図示)が収納され、且つ、周縁部が封止されることにより内部が密閉されたラミネート外装体1を備える。ラミネート外装体1としては、例えばアルミニウム製のラミネート外装体が用いられる。
ラミネート外装体1に収容される積層型電極体は、図2に示されるように、正極板5と負極板6とがセパレータ7を介して交互に積層されてなる積層体と、この積層体の周囲を囲むセパレータ8と、を備える。正極板5、負極板6、セパレータ7、及びセパレータ8には、本開示の非水電解液が含浸されている。
上記積層型電極体における複数の正極板5は、いずれも正極タブを介して正極端子2と電気的に接続されており(不図示)、この正極端子2の一部が上記ラミネート外装体1の周端部から外側に突出している(図1)。ラミネート外装体1の周端部において正極端子2が突出する部分は、絶縁シール4によってシールされている。
同様に、上記積層型電極体における複数の負極板6は、いずれも負極タブを介して負極端子3と電気的に接続されており(不図示)、この負極端子3の一部が上記ラミネート外装体1の周端部から外側に突出している(図1)。ラミネート外装体1の周端部において負極端子3が突出する部分は、絶縁シール4によってシールされている。
なお、上記一例に係るラミネート型電池では、正極板5の数が5枚、負極板6の数が6枚となっており、正極板5と負極板6とがセパレータ7を介し、両側の最外層がいずれも負極板6となる配置で積層されている。しかし、ラミネート型電池における、正極板の数、負極板の数、及び配置については、この一例には限定されず、種々の変更がなされてもよいことは言うまでもない。
図3は、本開示のリチウム二次電池の別の一例であるコイン型電池の一例を示す概略斜視図である。
図3に示すコイン型電池では、円盤状負極12、非水電解液を注入したセパレータ15、円盤状正極11、必要に応じて、ステンレス、又はアルミニウムなどのスペーサー板17、18が、この順序に積層された状態で、正極缶13(以下、「電池缶」ともいう)と封口板14(以下、「電池缶蓋」ともいう)との間に収納される。正極缶13と封口板14とはガスケット16を介してかしめ密封する。
この一例では、セパレータ15に注入される非水電解液として、本開示の非水電解液を用いる。
即ち、本開示のリチウム二次電池は、まず、負極と、正極と、上記本開示の非水電解液と、を含む充放電前のリチウム二次電池を作製し、次いで、この充放電前のリチウム二次電池を1回以上充放電させることによって作製されたリチウム二次電池(充放電されたリチウム二次電池)であってもよい。
以下において、「添加量」は、最終的に得られる非水電解液の全量に対する含有量を意味し、「wt%」は、質量%を意味する。
以下の手順にて、リチウム二次電池であるコイン型電池(試験用電池)を作製した。
アモルファスコート天然黒鉛(92質量部)、SiO(即ち、組成式(1)におけるXが1である酸化ケイ素;大阪チタニウムテクノロジーズ社製)(5質量部)、カルボキシメチルセルロース(1質量部)及びSBRラテックス(2質量部)を水溶媒で混練してペースト状の負極合剤スラリーを調製した。
次に、この負極合剤スラリーを厚さ10μmの帯状銅箔製の負極集電体に塗布し乾燥した後に、ロールプレスで圧縮して負極集電体と負極活物質層からなるシート状の負極を得た。このときの負極活物質層の塗布密度は12mg/cm2であり、充填密度は1.5g/mLであった。
LiNi0.5Mn0.3Co0.2O2(90質量部)、アセチレンブラック(5質量部)及びポリフッ化ビニリデン(5質量部)を、N-メチルピロリジノンを溶媒として混練してペースト状の正極合剤スラリーを調製した。
次に、この正極合剤スラリーを厚さ20μmの帯状アルミ箔の正極集電体に塗布し乾燥した後に、ロールプレスで圧縮して正極集電体と正極活物質層とからなるシート状の正極を得た。このときの正極活物質層の塗布密度は22mg/cm2であり、充填密度は2.5g/mLであった。
非水溶媒として、エチレンカーボネート(EC)とジメチルカーボネート(DMC)とエチルメチルカーボネート(EMC)と2,2,2-トリフルオロエチルメチルカーボネート(MFEC)とを、それぞれ30:40:20:10(体積%)の割合で混合し、混合溶媒を得た。
得られた混合溶媒中に、電解質としてのLiPF6を、最終的に得られる非水電解液中におけるLiPF6の濃度が1.1mol/Lとなるように溶解させた。
上述の負極を直径14mmで、上述の正極を直径13mmで、それぞれ円盤状に打ち抜き、コイン状の負極及びコイン状の正極をそれぞれ得た。また、厚さ20μmの微多孔性ポリエチレンフィルムを直径17mmの円盤状に打ち抜き、セパレータを得た。
得られたコイン状の負極、セパレータ、及びコイン状の正極を、この順序でステンレス製の電池缶(2032サイズ)内に積層し、次いで、この電池缶内に非水電解液20μLを注入し、セパレータと正極と負極とに含漬させた。
次に、正極上にアルミニウム製の板(厚さ1.2mm、直径16mm)及びバネを乗せ、ポリプロピレン製のガスケットを介して、電池缶蓋をかしめることにより電池を密封した。
以上により、直径20mm、高さ3.2mmの図3で示す構成を有するコイン型電池(即ち、コイン型のリチウム二次電池)を得た。
なお、以下において、コイン型電池に対して行う「コンディショニング」との操作は、コイン型電池を、恒温槽内で25℃にて、2.75Vと4.2Vとの間で充放電を三回繰り返すことを指す。
得られた非水電解液に対し、以下の方法により極低温環境下におけるヘキサフルオロリン酸リチウムの析出試験を行った。
得られた非水電解液20mLをテフロンボトル(試料容器)に移し、この試料容器を断熱容器内の冷却液に浸した。断熱容器内に、アセトンとドライアイスを加えることにより温度条件を調整した。試料容器が特定の温度条件に到達してから1分後の試料容器内の様子を目視にて観察した。
析出試験は、-30℃、-40℃、-45℃、及び-50℃の温度条件の各々にて実施し、以下の評価基準により、評価した。結果を表1に示す。
A:ヘキサフルオロリン酸リチウムの析出無し
B:テフロンボトルの底部に僅かにヘキサフルオロリン酸リチウムの析出が観察される
C:テフロンボトル全体にわたりヘキサフルオロリン酸リチウムの析出が観察される
得られた非水電解液に対し、電気伝導度測定器「CM-20J型(東亜ディーケーケー株式会社製)」を使用し、測定セルは「C-50101B(東亜ディーケーケー株式会社製)」を使用して、非水電解液の電気伝導度(以下、「伝導度」ともいう。)を測定した。
伝導度は、25℃、0℃、-20℃、及び-30℃の温度条件の各々にて測定した。
結果を表1に示す。
非水溶媒の溶媒組成を、表1に示すように変更したこと以外は実施例1と同様の操作を行った。
以下、電池抵抗は、-20℃の温度条件の各々にて測定した。
得られたコイン型電池について、電池抵抗の評価を行った。
コンディショニング後のコイン型電池のSOC(State of Charge)を80%に調整し、次いで、以下の方法により、コイン型電池のサイクル前の電池抵抗(直流抵抗)を測定した。
上述のSOC80%に調整されたコイン型電池を用い、放電レート0.2CでのCC10s放電、300秒間の休止、放電レート1CでのCC10s放電、300秒間の休止、放電レート2CでのCC10s放電、300秒間の休止、及び、放電レート5CでのCC10s放電をこの順に行った。
なお、CC10s放電とは、定電流(Constant Current)にて10秒間放電することを意味する。
各放電レートと、各放電レートでの放電開始後10秒目の電圧と、の関係に基づき直流抵抗を求め、得られた直流抵抗(Ω)を、コイン型電池のサイクル前の電池抵抗(Ω)とした。
結果を表2に示す。
コンディショニング後のコイン型電池を充電レート0.2Cにて電圧4.2Vまで充電させた後、25℃にて、放電レート0.2Cで放電させるサイクルを40サイクル行う操作を行った。
40サイクル後のコイン型電池のSOCを80%に調整し、次いで、サイクル前の電池抵抗の測定と同様の方法により、コイン型電池のサイクル後の電池抵抗(Ω)を測定した。
結果を表2に示す。
図4は、実施例1~2及び比較例1のコイン型電池の容量維持率の測定結果を示すグラフである。コイン型電池の容量維持率の測定は以下の方法で行った。
コンディショニング後のコイン型電池を充電レート0.2CにてSOC100%まで充電させた後、25℃にて、放電レート0.2Cで放電させるサイクルを40サイクル行う操作を行った。
サイクル終了毎に放電容量(0.2C)を測定し、その測定結果から容量維持率を求めた。40サイクル終了後までの容量維持率について、1サイクル毎に求めた結果を図4に示す。
なお、下記式により容量維持率を求めた。
各サイクルの容量維持率(0.2C)(%) = 〔各サイクル終了後の回復放電容量(0.2C)/1サイクル目終了後の放電容量(0.2C)〕×100
2 正極端子
3 負極端子
4 絶縁シール
5 正極板
6 負極板
7、8 セパレータ
11 正極
12 負極
13 正極缶
14 封口板
15 セパレータ
16 ガスケット
17、18 スペーサー板
Claims (5)
- エチレンカーボネートと、ジメチルカーボネート及びジエチルカーボネートの少なくとも一方と、エチルメチルカーボネートと、2,2,2-トリフルオロエチルメチルカーボネートと、を含む非水溶媒と、
ヘキサフルオロリン酸リチウムを含む電解質と、
を含有し、
前記エチルメチルカーボネートの含有量が、前記非水溶媒の全量に対し、5体積%~25体積%であり、
前記2,2,2-トリフルオロエチルメチルカーボネートの含有量が、前記非水溶媒の全量に対し、5体積%~40体積%であり、
プロピレンカーボネートを含有しない、
電池用非水電解液。 - 前記エチレンカーボネートの含有量が、前記非水溶媒の全量に対し、15体積%~35体積%である請求項1に記載の電池用非水電解液。
- 前記ヘキサフルオロリン酸リチウムの濃度が0.1mol/L~3mol/Lである請求項1又は請求項2に記載の電池用非水電解液。
- 正極と、
黒鉛材料を含む負極活物質を含む負極と、
請求項1~請求項3のいずれか1項に記載の電池用非水電解液と、
を含むリチウム二次電池。 - 前記負極活物質が、更に、下記組成式(1)で表される酸化ケイ素を含む請求項4に記載のリチウム二次電池。
SiOX … 組成式(1)
〔組成式(1)中、Xは、0.5以上1.6未満を表す。〕
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