JP7258691B2 - 音響装置 - Google Patents

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Description

本発明は、本体ケースと、スピーカユニットと、を有する音響装置に関する。
一般に、車に搭載される警告音発生用スピーカや浴室用スピーカなどの音響機器は、水が、音響機器の内部構造に浸入することを防止する必要があるため、本体ケースに水密性が要求される。しかしながら、この種の音響機器は、常温の水ではなく、低温や高温の水に浸水することがあり、本体ケース内の空気に急激な温度変化が生じる。この急激な温度変化により、本体ケース内の空気が熱膨張しあるいは熱収縮し、振動板が内部に引き込まれる、もしくは、逆に振動板が外部に押し出され、振動板の変形や破損が生じてしまうおそれがある。
そこで、以下の特許文献1に記載された音響機器は、機器内部に内部空間が区画され、機器内部の境界部にスピーカが備えられ、この内部空間を密閉するダイヤフラム状部材が設けられている。また、ダイヤフラム状部材を覆うダイヤフラムカバーに外部空間と連通する通気孔が形成されている。温度変化により内部空間の圧力が変化したときに、ダイヤフラム状部材が動作することで、スピーカのコーン紙部の変形や破損が防止されるというものである。
特開2002-34569号公報
特許文献1に記載された発明では、リモコンケースとダイヤフラム状部材とで区画された内部空間にスピーカが設けられ、この内部空間は密閉されており外部空間と通じていない。そのため、内部空間と外部空間との圧力差を完全に解消することが難しい。また、内部空間の圧力が変化した後に、環境温度が安定したとしても、内部空間の圧力と外部空間の圧力とを同化させる手段を有していないので、内部空間の圧力変化が残存しやすい。そのため、スピーカのコーン紙部が圧力で変位したままの状態が継続されやすい。
よって、スピーカのコーン紙部が、本体ケース内に引き込まれたり押し出されたりし、正常の中立位置からずれた位置で保持されることがある。また、内部空間と外部空間との圧力差が残ると、ダイヤフラム状部材が変位し、本体ケース内部の容量が正常値から変化した状態で保持される。その状態で発音動作を行うと、発音周波数帯域の音響特性が変わってしまい、通常より音響特性が劣化するおそれがあるという問題があった。
さらに、ダイヤフラム状部材は質量が小さく、しかも温度が安定しているときに中立位置へ復帰できるようにするために縦弾性係数が比較的大きい。そのため、ダイヤフラム状部材の固有振動数が比較的高い周波数帯域に位置することになる。この固有振動数が、スピーカによる発音周波数帯域に存在すると、スピーカの発音にノイズが重畳し、発音音質に影響を与える問題がある。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであって、内部空間と外部空間との圧力差を常に修正でき、また、急激な温度変化などによる内部空間の圧力変化の影響を低減でき、さらに、弾性部材の固有振動数がスピーカの発音周波数帯域にノイズとして影響を与えるのを制限できることにより、急激な温度変化が生じても、振動体の変形や破壊を防止でき、また、迅速に通常の発音動作を行うことが可能な状態に復元できる構造の音響装置を提供することを目的としている。
本発明は、本体ケースと、前記本体ケース内に固定されるスピーカユニットと、が設けられ、
前記スピーカユニットは、磁石を含む磁気回路部と、前記磁気回路部で発生する磁界が作用するコイルと、前記コイルとともに振動する振動体と、を有している音響装置において、
前記振動体を境界として、前記本体ケースの内部空間と、外部空間と、が区画され、
前記本体ケースに設けられる弾性部材と、前記内部空間と前記外部空間とを連通する連通孔と、前記連通孔を覆って設けられて、空気の通過を許容し、流体の通過を遮断する通気部材と、が設けられ、
前記弾性部材と対向する遮蔽部が配置され、前記弾性部材と前記遮蔽部とを境界として、中間空間が区画され、
一方の面が前記内部空間と接し、他方の面が前記中間空間と接する前記弾性部材は、その周縁に前記本体ケースと固定される固定部が、前記固定部に囲まれた領域に両面に圧力の差が生じたときに変形する変形許容部が形成されており、
前記遮蔽部には、前記中間空間と前記外部空間とを連通する少なくとも一つの空気抵抗通路が形成されていることを特徴とするものである。
前記空気抵抗通路は、前記変形許容部に対向する位置に形成されていることが好ましい。
前記空気抵抗通路が、前記弾性部材の重心位置を中心として互いに交差する2つの方向で対称に配置されていることが好ましい。
前記変形許容部が、前記弾性部材の重心位置を中心として互いに交差する2つの方向で対称に形成されていることが好ましい。
前記遮蔽部は、前記本体ケースの一部であることが好ましい。
前記変形許容部には、前記固定部の周縁に沿って、前記内部空間と前記中間空間の少なくとも一方に向けて隆起する変形可能な隆起部が設けられていることが好ましい。
前記弾性部材はゴムで形成されていることが好ましい。
前記振動体と前記弾性部材に作用する前記内部空間に向かう同じ圧力に対して、前記振動体の最大変位量よりも、前記弾性部材の最大変位量の方が大きいことが好ましい。
各々の前記空気抵抗通路は最小径が3mm以下であることが好ましい。
前記弾性部材は少なくとも2か所に設けられていることが好ましい。
本発明の音響装置は、内部空間と外部空間とを連通する連通孔が設けられて、通常の環境の温度変化による内部空間の圧力の変動を常に解消できる。よって、常に温度変化による音質の影響、例えば発音周波数帯域の音響特性の変動などを防止できる。さらに、内部空間と外部空間を仕切る弾性部材が設けられているため、連通孔の通気のみで解消できない急激な温度変化で内部空間の圧力が急激に変化したときには、弾性部材が変形し、急激な内部圧力の変化に追従でき、スピーカの振動板の破損を防止でき、音質の変化も解消できる。また、連通孔の通気作用で、弾性部材を中立位置へ確実に復帰させることができる。そのため、急激な温度変化が生じ、内部空間の圧力が急激に変化したとしても、振動体の変形や破損を防止でき、また、迅速に通常の発音動作を行うことが可能な状態に復元することが可能である。
さらに、弾性部材と空気抵抗通路が設けられ、弾性部材の弾性係数および空気抵抗通路の通気抵抗による弾性係数と、弾性部材の質量とによって決められる振動系の固有振動数を、空気抵抗通路の穴径と数とで調整することが可能である。そのため、前記固有振動数をスピーカユニットの再生周波数帯域より低い帯域へ移動させることができ、スピーカユニットの再生周波数帯域の音響特性に悪影響を与えることを防止できる。
本発明の実施形態における音響装置を発音方向から見た斜視図。 図1に示す音響装置の分解斜視図。 図1のA-A線に沿う断面図。 図3の拡大断面図。 本発明の実施形態における音響装置の空気抵抗通路をみた側面図。 比較例の音響装置が有する課題を説明するための断面図。
本発明の実施形態に係る音響装置1について、図1~図6を参照して説明する。以下の説明において、発音方向を前方(Y1方向)、発音方向と逆向きの方向を後方(Y2方向)として説明する。図1~図6には、発音方向に延びる中心線Oが示されている。
音響装置1は、車載用であり、車が浸水した場合にも破壊しないことが求められている。
図2に示すように、音響装置1は、本体ケース2、スピーカユニット6、回路基板8、弾性部材21及び通気部材22を備える。
図3に示すように、音響装置1は、内部空間Aと、外部空間Bと、中間空間Cとに区画される。
図1に示すように、本体ケース2は前方ケース3と後方ケース4とに分離されている。前方ケース3の後端部と後方ケース4の前端部とが嵌め合わされており、複数か所に設けられた凹凸嵌合部5によって、前方ケース3と後方ケース4とが互いに固定されている。前方ケース3と後方ケース4は、合成樹脂材料を用いた樹脂成型、あるいは軽金属材料を用いたダイキャスト成型により形成されている。前方ケース3の前方に向く前壁部31には、複数の長角孔3aとそれぞれの長角孔3aを仕切る仕切部3bとが形成されている。図3に示すように、後方ケース4の後方(Y2方向)に向く後面部には、内部空間Aと外部空間Bとを連通する連通孔4aが形成されている。
前方ケース3には、前後方向(Y1-Y2方向)に沿う4側面に、側壁部32が設けられている。少なくとも1つの側壁部32に複数の空気抵抗通路3dが形成されている。図3に示すように、実施形態の音響装置1では、対向する2つの側壁部32に空気抵抗通路3dが形成されている。図4の断面図には、一方の側壁部32ならびに空気抵抗通路3dの詳細が示されている。
図2に示すように、前方ケース3の前壁部31の後方であり、本体ケース2の内部にスピーカユニット6が設けられている。スピーカユニット6は非磁性または磁性の金属板で形成されたブラケット7を備えており、ブラケット7の外径側に形成されたブラケット曲げ面部7aが、前方ケース3の内面に、スピーカ固定用ねじ9で固定されている。図3に示すように、ブラケット7の後端部に、中心線Oと垂直なブラケット内底部7bとブラケット外底部7cとが形成され、ブラケット外底部7cはブラケット内底部7bより、前方(Y1方向)に位置している。
図3に示すように、ブラケット内底部7bの後方(Y2方向)に向く後面に磁気回路部10が固定されている。磁気回路部10は、磁石11と磁石11の後方(Y2方向)に向く後面が接合されるヨーク12と、磁石11の前方(Y1方向)に向く前面が接合されるプレート13とから構成されている。プレート13の前方(Y1方向)に向く前面が、ブラケット7のブラケット内底部7bの後方(Y2方向)に向く後面に接着されて固定されている。ヨーク12とプレート13は、磁性材料で形成されている。ヨーク12の中心部には、前方(Y1方向)に突出するセンターポール部12aが一体に形成されている。磁石11とプレート13は、中空の円筒状をなしている。センターポール部12aの外周面とプレート13の内周面との間に磁気ギャップGが形成されている。
図3に示すように、磁気回路部10より前方(Y1方向)に振動体15が設けられている。振動体15は、振動板部16とエッジ部17とで構成されている。エッジ部17は、中心線Oと垂直な平面に向く全ての仮想軸の軸方向を曲率方向とする曲げ剛性が、振動板部16の同じ方向での曲げ剛性よりも低い。エッジ部17は、ウレタンにより形成されている。前記曲げ剛性は、縦弾性係数Eと断面二次モーメントIとの積である。振動板部16の外周部16aは、エッジ部17と接着されている。エッジ部17の外端部17aはブラケット7に接着されて固定され、接合部(a)が形成されている。エッジ部17は振動板部16に接着されて固定され、接合部(b)が形成されている。振動板部16の内周部16bには、ボビン18の外周面が接着されて固定され、接合部(c)が形成されている。振動体15の振動板部16はコーン形状であり、中心線Oに向かうにしたがって後方(Y2方向)に向けて傾斜するテーパ形状である。
図3に示すように、ボビン18の外周面とブラケット7のブラケット外底部7cとの間には、断面がコルゲート形状のダンパー19が設けられている。エッジ部17とダンパー19の弾性変形によって、コーン形状の振動板部16が前後方向(Y1-Y2方向)に振動可能である。ボビン18の後方に向く後端部にコイル20が巻かれており、コイル20が磁気ギャップG内に位置している。
本体ケース2の少なくとも1つの側壁部32の内側に弾性部材21が設けられている。本実施形態では、図2において左右に対向する2つの側壁部32のそれぞれに弾性部材21が設けられている。図4に、一方の弾性部材21の取付け部の構造が詳しく示されている。
各々の弾性部材21は、一方の面が内部空間Aと接し、他方の面が中間空間Cと接している。弾性部材21は、ゴム弾性を有する弾性材料、すなわち天然ゴムや合成ゴム材料で形成されている。弾性部材21は、周縁に固定部21aを有し、固定部21aが前方ケース3の側壁部32の内面に接着されて固定される。弾性部材21は、固定部21aに囲まれた領域に、両面に圧力の差が生じたときに変形する変形許容部21bが設けられている。変形許容部21bには、固定部21aの周縁に沿って、内部空間Aと中間空間Cとに向けて隆起する変形可能な隆起部21cが設けられている。図5には、弾性部材21の重心位置gを通過して、側壁面に沿って延びる互いに直交する交差中心線OXとOYが示されている。弾性部材21の固定部21aおよび変形許容部21bは、交差中心線OXに対して線対称で、且つ交差中心線OYに対しても線対称の形状である。
図4に示されるように、弾性部材21の固定部21aは側壁部32に固定されており、側壁部32と弾性部材21の変形許容部21bとの間に、前記中間空間Cが形成されている。側壁部32のうちの中間空間Cに面している部分が遮蔽部3cである。遮蔽部3cに複数の空気抵抗通路3dが形成されている。なお、遮蔽部3cは本体ケース2と一体ではなくてもよい。例えば側壁部32に、弾性部材21が露出する開口部が形成され、この開口部を閉じる別体の遮蔽部3cが設けられていてもよい。
空気抵抗通路3dは、砂利などの異物が本体ケース2の内部に侵入することを防ぐため、最小穴径が3mm以下であることが好ましい。図5に示すように、空気抵抗通路3dは、弾性部材21の変形許容部21bと対向するとともに、遮蔽部3cと平行な面上で互いに交差する2つの交差中心線OXとOYのそれぞれを中心として線対称に配置されている。
振動体15と弾性部材21に作用する、内部空間Aに向かう同じ圧力に対して、弾性部材21の前方(Y1方向)に変形する最大変位量は、振動体15の振動板部16が後方(Y2方向)に変位する最大変位量より大きくなるように構成されている。
図3に示すように、本体ケース2の内部は振動体15を境界として区切られており、内部空間Aは、振動体15の後方(Y2方向)に向く後面と本体ケース2とで区画された空間である。外部空間Bは、振動体15の前方(Y1方向)に向く前面と本体ケース2の前壁部31との間に位置する前方空間及びこの前方空間に通じている本体ケース2の外部の空間の総称である。中間空間Cは、弾性部材21と遮蔽部3cとで区画された空間である。
図3に示すように、後方ケース4の後方(Y2方向)に向く後面部には、連通孔4aが形成されている。内部空間Aは、実質的に連通孔4aのみによって、外部空間Bに通じている。内部空間Aと外部空間Bとを連通する連通孔4aは、通気部材22で塞がれている。通気部材22は、空気は通すものの水は通さない防水透湿性素材で形成される。通気部材22は前後方向(Y1-Y2方向)を厚み方向とする円板状をなしている。
図2に示すように、電子部品が実装された回路基板8が、回路基板固定用ねじ14を用いて、後方ケース4の内部に固定される。
次に、音響装置1の発音動作を説明する。
コイル20に電流が与えられると、磁気回路部10においてコイル20に作用する磁界と電流とで励起される電磁力によって、振動体15が前後方向(Y1-Y2方向)に振動し、音圧が発音方向の前方(Y1方向)へ与えられる。
通常使用時において、音響装置1は、連通孔4aおよび通気部材22を通じて内部空間Aの空気と外部空間Bの空気とがお互いの空間を自由に移動することが可能なため、内部空間Aの空気の圧力と外部空間Bの空気の圧力とを同じにすることが可能である。
ただし、音響装置1は車に搭載されるため、高温の空気環境に置かれた後、低温の水に浸水するなどして、温度が急激に低下することがある。そのとき、音響装置1の内部空間Aの圧力が低下し、内部空間Aの空気が収縮しようとする。
内部空間Aの内部圧力が急激に低下すると、弾性部材21が、中立状態(v)から内部空間Aの内部に向けて変形し、図4において破線で示す引き込み状態(vi)となる。弾性部材21には、固定部21aの周縁に沿って、前記内部空間Aと前記外部空間Bとのそれぞれに向けて隆起する変形可能な隆起部21cが設けられているために、弾性部材21が変形しやすい。また、弾性部材21は、スピーカユニット6の振動体15が後方(Y2方向)に変位するよりも大きく変形する。弾性部材21が引き込み状態(vi)となることで、内部空間Aの容積を減少させ、内部空間Aの圧力の低下が抑制される。
したがって、内部空間Aの圧力が急激に低下したとしても、振動体15の振動板部16が中立状態(vii)から引き込み状態(viii)まで後方(Y2方向)に移動する移動量が小さくなり、エッジ部17の外端部17aとブラケット7との接合部(a)の剥がれや、振動板部16とエッジ部17との接合部(b)の剥がれ及び振動板部16とボビン18との接合部(c)の剥がれが生じにくくなる。また、振動板部16とエッジ部17の破壊も生じにくくなる。
また、例えば、音響装置1への浸水が解除されて、周囲温度が上昇し始めたとしても、音響装置1の内部空間Aの空気の温度の上昇が遅れ、内部空間Aと外部空間Bとの圧力差がすぐに解消されないことがある。このような場合でも、連通孔4aおよび通気部材22を介して、内部空間Aと外部空間Bとの間で空気が流通できるため、弾性部材21が引き込み状態(vi)から中立状態(v)に迅速に引き戻されるとともに、振動体15の振動板部16も、引き込み状態(viii)から中立状態(vii)に迅速に引き戻され、内部空間Aの減少された容積が元の容積に戻る。したがって、振動体15の振動板部16が中立状態(vii)からずれた位置で保持されてしまうこと及び内部空間Aの容積が正常状態より減少してしまうことによる音響性能の劣化から、迅速に回復し、通常の発音動作を行うことが可能となる。
比較例として、図6に、弾性部材21、連通孔4a及び通気部材22がない音響装置1が示されている。この比較例では、内部空間Aの空気に急激な圧力低下が生じたときに、剛性の低いエッジ部17が中立状態(i)から後方(Y2方向)へ吸引されて、内部空間Aに向けて反転状態(ii)になる。エッジ部17の反転に追従して、振動板部16が内部空間Aに向けて折り曲げられた変形状態(iii)となる。折り曲げられた変形状態(iii)でさらに内圧の低下で後方へ強く引かれると、エッジ部17の外端部17aがブラケット7から剥がれるおそれがある。または、振動板部16とエッジ部17との接合部や、振動板部16とボビン18との接合部の剥がれも生じやすい。
図4に示す実施形態では、内部空間Aの空気に急激な圧力低下が生じたときに、弾性部材21が中心線Oの方向に引き込まれ、中立状態(v)から引き込み状態(vi)になることで、図6に示したように振動板部16が折り曲げられた変形状態(i)となるのを防止でき、エッジ部17の外端部17aとブラケット7との接合部(a)、振動板部16とエッジ部17との接合部(b)及び振動板部16とボビン18との接合部(c)の剥がれを防止しやすくなり、振動板部16とエッジ部17の破壊を防止できる。また、連通孔4aに設けられた通気部材22を介して、外部空間Bから内部空間Aに空気を吸い込むことで、弾性部材21が引き込み状態(vi)から中立状態(v)に戻され、振動板部16が引き込み状態(viii)から中立状態(vii)に戻され、内部空間Aの容積が通常に戻され、迅速に通常の発音動作を行うことが可能な状態に復元することが可能となる。
図5に示すように、空気抵抗通路3dが、弾性部材21の重心位置gを中心として、遮蔽部3cと平行な面上で互いに交差する2つの交差中心線OXとOYのそれぞれを中心として線対称に配置されており、変形許容部21bが、弾性部材21の重心位置gを中心として、交差中心線OXとOYのそれぞれを中心として線対称に形成されている。これにより、内部空間Aの空気の圧力低下が生じたとき、弾性部材21が中立状態(v)からの引き込み状態(vi)へ変形していくときの変形形状が対称となりやすい。また、引き込み状態(vi)から中立状態(v)へも対称に復元していきやすくなり、より迅速に、通常の発音動作を行うことが可能な状態に復元することが可能となる。
また、音響装置1において、スピーカユニット6から、本体ケース2の前方(Y1方向)に向かって、外部空間Bに音波が放射されるのと同時に、内部空間Aに音波が放射され、前記音波は弾性部材21の変形許容部21bに作用して、変形許容部21bを振動させるとともに、変形許容部21bに対向する位置に形成される空気抵抗通路3dを経て、中間空間Cから外部空間Bへ導かれる。
このとき、空気抵抗通路3dと弾性部材21によって構成される振動系の固有振動数f1と、スピーカユニット6の再生周波数帯域とが重なると、スピーカユニット6の音響特性に悪影響を与えるおそれがある。ただし、本実施形態の音響装置1では、空気抵抗通路3dの穴径と数を調整することで、空気が空気抵抗通路3dを通過することにより前記振動系に与える質量の変化と、弾性部材21そのものの弾性係数と、さらに弾性部材21の質量によって決められる前記振動系の固有振動数f1を調整することが可能である。すなわち、中間空間Cが空気抵抗通路3dを介してのみ外部空間Bと通じているため、弾性部材21が挙動したときの空気抵抗通路3dの空気通過抵抗により、弾性部材21が挙動するときの質量が等価的に増大する。そのため、前記固有振動数f1をスピーカユニット6の再生周波数帯域より低い帯域に移動させることが可能となり、スピーカユニット6の再生周波数帯域に、固有振動数f1が重畳することによりノイズの発生を抑制でき、音響特性に悪影響を与えないものとすることができる。
空気抵抗通路3dが弾性部材21の変形許容部21bに対向する位置に形成されていることで、空気抵抗通路3dの振動系と弾性部材21の振動系が別ではなく、空気抵抗通路3dと弾性部材21によって構成される1つの振動系となる。これにより、弾性部材21の質量や弾性係数を調整するだけでなく、空気抵抗通路3dの穴径や数で質量を調整することができ、空気抵抗通路3dと弾性部材21によって構成される振動系の固有振動数f1を容易に最適なものとすることができる。
空気抵抗通路3dの穴径を、例えば3mm以下とすることで、砂利などの異物が本体ケース2の内部に侵入する事を防止できる。また、弾性部材21が遮蔽部3cで遮蔽され、遮蔽部3cには小径の空気抵抗通路3dが形成されているだけであるため、砂利などの異物が弾性部材21に直接に当たるのを防止でき、弾性部材21を保護できるようになる。
1 音響装置
2 本体ケース
3 前方ケース
3a 長角孔
3b 仕切部
3c 遮蔽部
3d 空気抵抗通路
4 後方ケース
4a 連通孔
5 凹凸嵌合部
6 スピーカユニット
7 ブラケット
7a ブラケット曲げ面部
7b ブラケット内底部
7c ブラケット外底部
9 スピーカ固定用ねじ
10 磁気回路部
11 磁石
12 ヨーク
13 プレート
14 回路基板固定用ねじ
15 振動体
16 振動板部
17 エッジ部
18 ボビン
19 ダンパー
20 コイル
21 弾性部材
21a 固定部
21b 変形許容部
21c 隆起部
22 通気部材
31 前壁部
32 側壁部
A 内部空間
B 外部空間
C 中間空間
G 磁気ギャップ
O 中心線

Claims (10)

  1. 本体ケースと、前記本体ケース内に固定されるスピーカユニットと、が設けられ、
    前記スピーカユニットは、磁石を含む磁気回路部と、前記磁気回路部で発生する磁界が作用するコイルと、前記コイルとともに振動する振動体と、を有している音響装置において、
    前記振動体を境界として、前記本体ケースの内部空間と、外部空間と、が区画され、
    前記本体ケースに設けられる弾性部材と、前記内部空間と前記外部空間とを連通する連通孔と、前記連通孔を覆って設けられて、空気の通過を許容し、流体の通過を遮断する通気部材と、が設けられ、
    前記弾性部材と対向する遮蔽部が配置され、前記弾性部材と前記遮蔽部とを境界として、中間空間が区画され、
    一方の面が前記内部空間と接し、他方の面が前記中間空間と接する前記弾性部材は、その周縁に前記本体ケースと固定される固定部が、前記固定部に囲まれた領域に両面に圧力の差が生じたときに変形する変形許容部が形成されており、
    前記遮蔽部には、前記中間空間と前記外部空間とを連通する少なくとも一つの空気抵抗通路が形成されていることを特徴とする音響装置。
  2. 前記空気抵抗通路は、前記変形許容部に対向する位置に形成されていることを特徴とする請求項1記載の音響装置。
  3. 前記空気抵抗通路が、前記弾性部材の重心位置を中心として互いに交差する2つの方向で対称に配置されていることを特徴とする請求項2に記載の音響装置。
  4. 前記変形許容部が、前記弾性部材の重心位置を中心として互いに交差する2つの方向で対称に形成されていることを特徴とする請求項3記載の音響装置。
  5. 前記遮蔽部は、前記本体ケースの一部である請求項1ないし4のいずれか記載の音響装置。
  6. 前記変形許容部には、前記固定部の周縁に沿って、前記内部空間と前記中間空間の少なくとも一方に向けて隆起する変形可能な隆起部が設けられている請求項1ないし5のいずれかに記載の音響装置。
  7. 前記弾性部材はゴムで形成されていることを特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載の音響装置。
  8. 前記振動体と前記弾性部材に作用する前記内部空間に向かう同じ圧力に対して、前記振動体の最大変位量よりも、前記弾性部材の最大変位量の方が大きいことを特徴とする請求項1ないし7のいずれかに記載の音響装置。
  9. 各々の前記空気抵抗通路は最小径が3mm以下であることを特徴とする請求項1ないし8のいずれかに記載の音響装置。
  10. 前記弾性部材は少なくとも2か所に設けられている請求項1ないし9のいずれかに記載の音響装置。
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