JP7256540B2 - 血中尿毒症物質の低減剤 - Google Patents

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Description

本発明は、血中に存在する尿毒症物質量(換言すると、血中の尿毒症物質の濃度)を低減するための剤;尿毒症を予防又は改善するための剤;及び腎機能障害を予防又は改善するための剤;に関する。
腎臓は、体内の恒常性(バランス)を調節する臓器である。腎機能の1つとして、血液中の老廃物や毒素(尿毒症物質)を取り込み、尿中に送り出して体外に排泄する作用がある。かかる腎機能が低下すると、本来腎臓で排泄されるべき尿毒症物質は、体内に蓄積されやすくなり、吐き気や食欲低下等の症状の他、腎臓における細胞が傷害され腎機能のさらなる低下を引き起こす。また、腎機能が低下した者は、健常者と較べ、脳卒中や心筋梗塞に罹患するリスクが高いことも知られている。したがって、このような尿毒症物質の蓄積により引き起こされる症状や疾患(尿毒症)を予防又は治療することは、吐き気や食欲低下等の症状や、腎障害の悪化を治療するだけでなく、脳卒中や心臓病を予防する観点からも必要となる。
透析は、尿毒症の最も有効な治療法とされている。実際、透析療法で尿毒症物質を体外に排出すれば、仮に腎機能が廃絶したとしても、尿毒症物質による患者の死は避けられる。しかしながら、長期透析により、貧血、腎性骨異栄養症、腎ガン、心外膜炎、アルミニウム骨症、アミロイド症、結晶性関節炎、多発性嚢胞腎などの合併症が新たな問題となっている。さらに、透析施設に頻回に通う患者の社会生活面でのQOL(quality of life)の低下や高額費用の発生など、医療経済上の問題も生じている。
本発明者は、クロライドチャネルアクチベーターであるルビプロストン(商品名:アミティーザ[登録商標])が、腎機能障害の予防又は改善効果を有することを報告している(特許文献1)。また、本発明者は、グアニル酸シクラーゼC受容体アゴニストであるリナクロチド(商品名:リンゼス[登録商標])が、尿毒症の予防又は治療効果を有することを報告している(特許文献2)。しかしながら、胆汁酸トランスポーター阻害剤であるエロビキシバット(Elobixibat)水和物(商品名:グーフィス[登録商標])が、血中尿毒症物質の低減作用や、尿毒症又は腎機能障害の改善作用を有することについては、これまで知られていなかった。
国際公開第2015/049876号パンフレット 特開2018-127435号公報
本発明の課題は、血中に存在する尿毒症物質量を効果的に低減(減少)させる作用;尿毒症を効果的に予防又は改善する作用;及び腎機能障害を効果的に予防又は改善する作用;を有する物質を提供することにある。
本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意研究を続けている。その過程において、以下に示す本件化合物群が、上昇した血中尿毒症物質の濃度を効果的に低減する作用と、低下した腎機能を効果的に改善する作用を有することを見いだし、本発明を完成するに至った。
Figure 0007256540000001
[式中、
及びRは、同一でも異なっていてもよく、それぞれ、水素原子;置換された若しくは置換されていない炭素数1~10の直鎖又は分枝鎖のアルキル基;置換された若しくは置換されていない炭素数1~10の直鎖又は分枝鎖のアルコキシ基;置換された若しくは置換されていない炭素数1~10の直鎖又は分枝鎖のアルキルカルボニル基;置換された若しくは置換されていない環の炭素数3~10のシクロアルキル基;置換された若しくは置換されていない炭素数3~10のシクロアルキルオキシ基;置換された若しくは置換されていない炭素数2~10の直鎖又は分枝鎖のアルケニル基;置換された若しくは置換されていない炭素数2~10の直鎖又は分枝鎖のアルケニルオキシ基;置換された若しくは置換されていない炭素数6~14のアリール基;あるいは、置換された若しくは置換されていない炭素数7~18のアラルキル基;であり、
は、置換された若しくは置換されていない炭素数1~10の直鎖又は分枝鎖のアルキル基;置換された若しくは置換されていない炭素数1~10の直鎖又は分枝鎖のアルコキシ基;置換された若しくは置換されていない炭素数1~10の直鎖又は分枝鎖のアルキルカルボニル基;置換された若しくは置換されていない環の炭素数3~10のシクロアルキル基;置換された若しくは置換されていない炭素数3~10のシクロアルキルオキシ基;置換された若しくは置換されていない炭素数2~10の直鎖又は分枝鎖のアルケニル基;置換された若しくは置換されていない炭素数2~10の直鎖又は分枝鎖のアルケニルオキシ基;置換された若しくは置換されていない炭素数6~14のアリール基;あるいは、置換された若しくは置換されていない炭素数7~18のアラルキル基;であり、
は、水素原子;置換された若しくは置換されていない炭素数1~10の直鎖又は分枝鎖の低級アルキル基;置換された若しくは置換されていない炭素数1~10の直鎖又は分枝鎖のアルキルカルボニル基;置換された若しくは置換されていない炭素数3~10のシクロアルキル基;置換された若しくは置換されていない炭素数2~10の直鎖又は分枝鎖の低級アルケニル基;置換された若しくは置換されていない炭素数6~14のアリール基;あるいは、置換された若しくは置換されていない炭素数7~18のアラルキル基;であり、
は、水素原子;置換された若しくは置換されていない炭素数1~10の直鎖又は分枝鎖の低級アルキル基;置換された若しくは置換されていない炭素数1~10の直鎖又は分枝鎖のアルコキシ基;置換された若しくは置換されていない炭素数1~10の直鎖又は分枝鎖のアルキルカルボニル基;置換された若しくは置換されていない環の炭素数3~10のシクロアルキル基;置換された若しくは置換されていない炭素数3~10のシクロアルキルオキシ基;置換された若しくは置換されていない炭素数2~10の直鎖又は分枝鎖の低級アルケニル基;置換された若しくは置換されていない炭素数2~10の直鎖又は分枝鎖のアルケニルオキシ基;置換された若しくは置換されていない炭素数6~14のアリール基;あるいは、置換された若しくは置換されていない炭素数7~18のアラルキル基;であり、
Xは、S、SO、又はSOであり、
Yは、O又はSであり、
Zは、O、S、SO、又はSOである]で示される化合物、医薬的に許容される前記化合物の塩、医薬的に許容される前記化合物のエステル、及び前記化合物の水和物からなる群(以下、これらを総称して「本件化合物群」ということがある)。
すなわち、本発明は、以下のとおりである。
〔1〕以下の式(I);
Figure 0007256540000002
[式中、
及びRは、同一でも異なっていてもよく、それぞれ、水素原子;置換された若しくは置換されていない炭素数1~10の直鎖又は分枝鎖のアルキル基;置換された若しくは置換されていない炭素数1~10の直鎖又は分枝鎖のアルコキシ基;置換された若しくは置換されていない炭素数1~10の直鎖又は分枝鎖のアルキルカルボニル基;置換された若しくは置換されていない環の炭素数3~10のシクロアルキル基;置換された若しくは置換されていない炭素数3~10のシクロアルキルオキシ基;置換された若しくは置換されていない炭素数2~10の直鎖又は分枝鎖のアルケニル基;置換された若しくは置換されていない炭素数2~10の直鎖又は分枝鎖のアルケニルオキシ基;置換された若しくは置換されていない炭素数6~14のアリール基;あるいは、置換された若しくは置換されていない炭素数7~18のアラルキル基;であり、
は、置換された若しくは置換されていない炭素数1~10の直鎖又は分枝鎖のアルキル基;置換された若しくは置換されていない炭素数1~10の直鎖又は分枝鎖のアルコキシ基;置換された若しくは置換されていない炭素数1~10の直鎖又は分枝鎖のアルキルカルボニル基;置換された若しくは置換されていない環の炭素数3~10のシクロアルキル基;置換された若しくは置換されていない炭素数3~10のシクロアルキルオキシ基;置換された若しくは置換されていない炭素数2~10の直鎖又は分枝鎖のアルケニル基;置換された若しくは置換されていない炭素数2~10の直鎖又は分枝鎖のアルケニルオキシ基;置換された若しくは置換されていない炭素数6~14のアリール基;あるいは、置換された若しくは置換されていない炭素数7~18のアラルキル基;であり、
は、水素原子;置換された若しくは置換されていない炭素数1~10の直鎖又は分枝鎖の低級アルキル基;置換された若しくは置換されていない炭素数1~10の直鎖又は分枝鎖のアルキルカルボニル基;置換された若しくは置換されていない炭素数3~10のシクロアルキル基;置換された若しくは置換されていない炭素数2~10の直鎖又は分枝鎖の低級アルケニル基;置換された若しくは置換されていない炭素数6~14のアリール基;あるいは、置換された若しくは置換されていない炭素数7~18のアラルキル基;であり、
は、水素原子;置換された若しくは置換されていない炭素数1~10の直鎖又は分枝鎖の低級アルキル基;置換された若しくは置換されていない炭素数1~10の直鎖又は分枝鎖のアルコキシ基;置換された若しくは置換されていない炭素数1~10の直鎖又は分枝鎖のアルキルカルボニル基;置換された若しくは置換されていない環の炭素数3~10のシクロアルキル基;置換された若しくは置換されていない炭素数3~10のシクロアルキルオキシ基;置換された若しくは置換されていない炭素数2~10の直鎖又は分枝鎖の低級アルケニル基;置換された若しくは置換されていない炭素数2~10の直鎖又は分枝鎖のアルケニルオキシ基;置換された若しくは置換されていない炭素数6~14のアリール基;あるいは、置換された若しくは置換されていない炭素数7~18のアラルキル基;であり、
Xは、S、SO、又はSOであり、
Yは、O又はSであり、
Zは、O、S、SO、又はSOである]で示される化合物、医薬的に許容される前記化合物の塩、医薬的に許容される前記化合物のエステル、及び前記化合物の水和物からなる群から選択される1種又は2種以上の化合物を有効成分として含有することを特徴とする血中尿毒症物質の低減剤。
〔2〕経口投与することを特徴とする上記〔1〕に記載の低減剤。
〔3〕化合物が、以下の式で示される化合物であることを特徴とする上記〔1〕又は〔2〕に記載の低減剤。
Figure 0007256540000003
Figure 0007256540000004
Figure 0007256540000005
Figure 0007256540000006
Figure 0007256540000007
Figure 0007256540000008
Figure 0007256540000009
Figure 0007256540000010
Figure 0007256540000011
Figure 0007256540000012
Figure 0007256540000013
Figure 0007256540000014
Figure 0007256540000015
Figure 0007256540000016
Figure 0007256540000017
Figure 0007256540000018
Figure 0007256540000019
Figure 0007256540000020
Figure 0007256540000021
Figure 0007256540000022
〔4〕尿毒症物質が、硫酸フェニル、クレアチニン、1-メチルアデノシン、尿素窒素、トリメチルアミン-N-オキシド、インドキシル硫酸、フェノール、及びインドールから選択される1又は2種以上の物質であることを特徴とする上記〔1〕~〔3〕のいずれかに記載の低減剤。
〔5〕以下の式(I);
Figure 0007256540000023
[式中、
及びRは、同一でも異なっていてもよく、それぞれ、水素原子;置換された若しくは置換されていない炭素数1~10の直鎖又は分枝鎖のアルキル基;置換された若しくは置換されていない炭素数1~10の直鎖又は分枝鎖のアルコキシ基;置換された若しくは置換されていない炭素数1~10の直鎖又は分枝鎖のアルキルカルボニル基;置換された若しくは置換されていない環の炭素数3~10のシクロアルキル基;置換された若しくは置換されていない炭素数3~10のシクロアルキルオキシ基;置換された若しくは置換されていない炭素数2~10の直鎖又は分枝鎖のアルケニル基;置換された若しくは置換されていない炭素数2~10の直鎖又は分枝鎖のアルケニルオキシ基;置換された若しくは置換されていない炭素数6~14のアリール基;あるいは、置換された若しくは置換されていない炭素数7~18のアラルキル基;であり、
は、置換された若しくは置換されていない炭素数1~10の直鎖又は分枝鎖のアルキル基;置換された若しくは置換されていない炭素数1~10の直鎖又は分枝鎖のアルコキシ基;置換された若しくは置換されていない炭素数1~10の直鎖又は分枝鎖のアルキルカルボニル基;置換された若しくは置換されていない環の炭素数3~10のシクロアルキル基;置換された若しくは置換されていない炭素数3~10のシクロアルキルオキシ基;置換された若しくは置換されていない炭素数2~10の直鎖又は分枝鎖のアルケニル基;置換された若しくは置換されていない炭素数2~10の直鎖又は分枝鎖のアルケニルオキシ基;置換された若しくは置換されていない炭素数6~14のアリール基;あるいは、置換された若しくは置換されていない炭素数7~18のアラルキル基;であり、
は、水素原子;置換された若しくは置換されていない炭素数1~10の直鎖又は分枝鎖の低級アルキル基;置換された若しくは置換されていない炭素数1~10の直鎖又は分枝鎖のアルキルカルボニル基;置換された若しくは置換されていない炭素数3~10のシクロアルキル基;置換された若しくは置換されていない炭素数2~10の直鎖又は分枝鎖の低級アルケニル基;置換された若しくは置換されていない炭素数6~14のアリール基;あるいは、置換された若しくは置換されていない炭素数7~18のアラルキル基;であり、
は、水素原子;置換された若しくは置換されていない炭素数1~10の直鎖又は分枝鎖の低級アルキル基;置換された若しくは置換されていない炭素数1~10の直鎖又は分枝鎖のアルコキシ基;置換された若しくは置換されていない炭素数1~10の直鎖又は分枝鎖のアルキルカルボニル基;置換された若しくは置換されていない環の炭素数3~10のシクロアルキル基;置換された若しくは置換されていない炭素数3~10のシクロアルキルオキシ基;置換された若しくは置換されていない炭素数2~10の直鎖又は分枝鎖の低級アルケニル基;置換された若しくは置換されていない炭素数2~10の直鎖又は分枝鎖のアルケニルオキシ基;置換された若しくは置換されていない炭素数6~14のアリール基;あるいは、置換された若しくは置換されていない炭素数7~18のアラルキル基;であり、
Xは、S、SO、又はSOであり、
Yは、O又はSであり、
Zは、O、S、SO、又はSOである]で示される化合物、医薬的に許容される前記化合物の塩、医薬的に許容される前記化合物のエステル、及び前記化合物の水和物からなる群から選択される1種又は2種以上の化合物を有効成分として含有することを特徴とする尿毒症の予防又は改善剤。
〔6〕経口投与することを特徴とする上記〔5〕に記載の予防又は改善剤。
〔7〕尿毒症が、糖尿病性腎症、ネフローゼ症候群、又は慢性腎炎症候群であることを特徴とする上記〔5〕又は〔6〕に記載の予防又は改善剤。
〔8〕化合物が、以下の式で示される化合物であることを特徴とする上記〔5〕~〔7〕のいずれかに記載の予防又は改善剤。
Figure 0007256540000024
Figure 0007256540000025
Figure 0007256540000026
Figure 0007256540000027
Figure 0007256540000028
Figure 0007256540000029
Figure 0007256540000030
Figure 0007256540000031
Figure 0007256540000032
Figure 0007256540000033
Figure 0007256540000034
Figure 0007256540000035
Figure 0007256540000036
Figure 0007256540000037
Figure 0007256540000038
Figure 0007256540000039
Figure 0007256540000040
Figure 0007256540000041
Figure 0007256540000042
Figure 0007256540000043
〔9〕以下の式(I);
Figure 0007256540000044
[式中、
及びRは、同一でも異なっていてもよく、それぞれ、水素原子;置換された若しくは置換されていない炭素数1~10の直鎖又は分枝鎖のアルキル基;置換された若しくは置換されていない炭素数1~10の直鎖又は分枝鎖のアルコキシ基;置換された若しくは置換されていない炭素数1~10の直鎖又は分枝鎖のアルキルカルボニル基;置換された若しくは置換されていない環の炭素数3~10のシクロアルキル基;置換された若しくは置換されていない炭素数3~10のシクロアルキルオキシ基;置換された若しくは置換されていない炭素数2~10の直鎖又は分枝鎖のアルケニル基;置換された若しくは置換されていない炭素数2~10の直鎖又は分枝鎖のアルケニルオキシ基;置換された若しくは置換されていない炭素数6~14のアリール基;あるいは、置換された若しくは置換されていない炭素数7~18のアラルキル基;であり、
は、置換された若しくは置換されていない炭素数1~10の直鎖又は分枝鎖のアルキル基;置換された若しくは置換されていない炭素数1~10の直鎖又は分枝鎖のアルコキシ基;置換された若しくは置換されていない炭素数1~10の直鎖又は分枝鎖のアルキルカルボニル基;置換された若しくは置換されていない環の炭素数3~10のシクロアルキル基;置換された若しくは置換されていない炭素数3~10のシクロアルキルオキシ基;置換された若しくは置換されていない炭素数2~10の直鎖又は分枝鎖のアルケニル基;置換された若しくは置換されていない炭素数2~10の直鎖又は分枝鎖のアルケニルオキシ基;置換された若しくは置換されていない炭素数6~14のアリール基;あるいは、置換された若しくは置換されていない炭素数7~18のアラルキル基;であり、
は、水素原子;置換された若しくは置換されていない炭素数1~10の直鎖又は分枝鎖の低級アルキル基;置換された若しくは置換されていない炭素数1~10の直鎖又は分枝鎖のアルキルカルボニル基;置換された若しくは置換されていない炭素数3~10のシクロアルキル基;置換された若しくは置換されていない炭素数2~10の直鎖又は分枝鎖の低級アルケニル基;置換された若しくは置換されていない炭素数6~14のアリール基;あるいは、置換された若しくは置換されていない炭素数7~18のアラルキル基;であり、
は、水素原子;置換された若しくは置換されていない炭素数1~10の直鎖又は分枝鎖の低級アルキル基;置換された若しくは置換されていない炭素数1~10の直鎖又は分枝鎖のアルコキシ基;置換された若しくは置換されていない炭素数1~10の直鎖又は分枝鎖のアルキルカルボニル基;置換された若しくは置換されていない環の炭素数3~10のシクロアルキル基;置換された若しくは置換されていない炭素数3~10のシクロアルキルオキシ基;置換された若しくは置換されていない炭素数2~10の直鎖又は分枝鎖の低級アルケニル基;置換された若しくは置換されていない炭素数2~10の直鎖又は分枝鎖のアルケニルオキシ基;置換された若しくは置換されていない炭素数6~14のアリール基;あるいは、置換された若しくは置換されていない炭素数7~18のアラルキル基;であり、
Xは、S、SO、又はSOであり、
Yは、O又はSであり、
Zは、O、S、SO、又はSOである]で示される化合物、医薬的に許容される前記化合物の塩、医薬的に許容される前記化合物のエステル、及び前記化合物の水和物からなる群から選択される1種又は2種以上の化合物を有効成分として含有することを特徴とする腎機能障害の予防又は改善剤。
〔10〕経口投与することを特徴とする上記〔9〕に記載の予防又は改善剤。
〔11〕化合物が、以下の式で示される化合物であることを特徴とする上記〔9〕又は〔10〕に記載の予防又は改善剤。
Figure 0007256540000045
Figure 0007256540000046
Figure 0007256540000047
Figure 0007256540000048
Figure 0007256540000049
Figure 0007256540000050
Figure 0007256540000051
Figure 0007256540000052
Figure 0007256540000053
Figure 0007256540000054
Figure 0007256540000055
Figure 0007256540000056
Figure 0007256540000057
Figure 0007256540000058
Figure 0007256540000059
Figure 0007256540000060
Figure 0007256540000061
Figure 0007256540000062
Figure 0007256540000063
Figure 0007256540000064
〔12〕腎機能障害が腎不全であることを特徴とする上記〔9〕~〔11〕のいずれかに記載の予防又は改善剤。
また本発明の実施の他の形態として、本件化合物群から選択される1種又は2種以上の化合物を、血中尿毒症物質の低減を必要とする患者に投与することにより、血中尿毒症物質を低減する方法や、血中尿毒症物質の低減剤として使用するための、本件化合物群から選択される1種又は2種以上の化合物や、血中尿毒症物質の低減における使用のための、本件化合物群から選択される1種又は2種以上の化合物や、血中尿毒症物質の低減剤を製造するための、本件化合物群から選択される1種又は2種以上の化合物の使用を挙げることができる。
また本発明の実施の他の形態として、本件化合物群から選択される1種又は2種以上の化合物を、尿毒症の予防又は改善(治療)を必要とする患者に投与することにより、尿毒症を予防又は改善(治療)する方法や、尿毒症の予防又は改善(治療)剤として使用するための、本件化合物群から選択される1種又は2種以上の化合物や、尿毒症の予防又は改善(治療)における使用のための、本件化合物群から選択される1種又は2種以上の化合物や、尿毒症の予防又は改善(治療)剤を製造するための、本件化合物群から選択される1種又は2種以上の化合物の使用を挙げることができる。
また本発明の実施の他の形態として、本件化合物群から選択される1種又は2種以上の化合物を、腎機能障害の予防又は改善(治療)を必要とする患者に投与することにより、腎機能障害を予防又は改善(治療)する方法や、腎機能障害の予防又は改善(治療)剤として使用するための、本件化合物群から選択される1種又は2種以上の化合物や、腎機能障害の予防又は改善(治療)における使用のための、本件化合物群から選択される1種又は2種以上の化合物や、腎機能障害の予防又は改善(治療)剤を製造するための、本件化合物群から選択される1種又は2種以上の化合物の使用を挙げることができる。
本件化合物群は、上昇した、血中尿毒症物質の濃度を低減する作用を有するため、血中の尿毒症物質濃度を正常値に調節することができ、尿毒症の予防又は改善に有用である。また、本件化合物群は、尿細管の減少等の腎機能障害を改善する作用を有するため、腎機能障害の予防又は改善にも有用である。
実施例1において、3種類の群(通常飼育群、プラセボ群、及びエロビキシバット群)における血液中の3種類の尿毒症物質(硫酸フェニル、クレアチニン、及び1-メチルアデノシン)の濃度を測定した結果(平均値±標準偏差)を示す図である。図中の「#」及び「###」は、プラセボ群との間で、それぞれDunnett's testにより統計学的に有意差(P<0.05、及びP<0.001)があることを示す。 実施例1において、3種類の群(通常飼育群、プラセボ群[図中の「P群」]、及びエロビキシバット群[図中の「E群」])における腎組織を解析した結果を示す図である。図2Aは、腎皮質における尿細管の割合(%)を解析した結果(平均値±標準偏差)を示し、図2Bは、その解析に用いた腎組織の組織画像である。図中の「***」は、プラセボ群(P群)との間で、Dunnett's testにより統計学的に有意差(P<0.001)があることを示す。 実施例2において、3種類の群(通常飼育群、プラセボ群[図中の「P群」]、及びエロビキシバット群[図中の「E群」])における血液中の2種類の尿毒症物質(尿素窒素[BUN]及びクレアチニン)の濃度を測定した結果(平均値±標準偏差)を示す図である。図中の「**」及び「***」は、それぞれDunnett's testにより統計学的に有意差(P<0.01及びP<0.001)があることを示す。 実施例2において、3種類の群(通常飼育群、プラセボ群[図中の「P群」]、及びエロビキシバット群[図中の「E群」])における血液中の4種類の尿毒症物質(硫酸フェニル、クレアチニン、トリメチルアミン-N-オキシド[TMAO]、及びインドキシル硫酸)の濃度を測定した結果(平均値±標準偏差)を示す図である。図中の「#」及び「###」は、プラセボ群(P群)との間で、それぞれDunnett's testにより統計学的に有意差(P<0.05、及びP<0.001)があることを示す。 図5Aは、実施例3において、db/dbマウスの2群(通常飼育群[図中の「C群」]、及び硫酸フェニル群[図中の「PS群」])における血液中の硫酸フェニルの濃度を測定した結果を示す図であり、図5Bは、かかる2種類の群における腎組織を解析した結果を示す図である。図5BのPAS画像中のサイズバーは80μmを示し、電子顕微鏡画像中のサイズバーは1μmを示す。図5Cは、実施例3において、高脂肪飼料[HFD]で飼育したKKAYマウス(HFD-KKAYマウス)の2群(通常飼育群[図中の「C群」]、及び硫酸フェニル群[図中の「PS群」])における血液中の硫酸フェニルの濃度を測定した結果を示す図であり、図5Dは、かかる2種類の群における腎組織を解析した結果を示す図である。図5DのPAS画像中のサイズバーは200μmを示し、電子顕微鏡画像中のサイズバーは1μmを示し、Elastica Masson画像及びF4/80画像中のサイズバーは、それぞれ80μmを示す。図5A及びCの「*」は、Student's testにより統計学的に有意差(P<0.05)があることを示す。
本発明の血中尿毒症物質の低減剤は、「血中の尿毒症物質(より具体的には、血中に存在する尿毒症物質量)を低減するため」という用途に特定された、本件化合物群から選択される1種又は2種以上の化合物を含有する剤(以下、「本件低減剤」ということがある)であり、また、本発明の尿毒症の予防又は改善剤は、「尿毒症を予防又は改善するため」という用途に特定された、本件化合物群から選択される1種又は2種以上の化合物を含有する剤(以下、「本件尿毒症予防/改善剤」ということがある)であり、また、本発明の腎機能障害の予防又は改善剤は、「腎機能障害を予防又は改善するため」という用途に特定された、本件化合物群から選択される1種又は2種以上の化合物を含有する剤(以下、「本件腎機能障害予防/改善剤」ということがある)である(これら剤を総称して、「本件剤」ということがある)。本件剤は、有効成分である本件化合物群を、単独で飲食品又は医薬品(製剤)として使用してもよいし、さらに添加剤を混合し、組成物の形態(飲食品組成物又は医薬組成物)として使用してもよい。かかる飲食品としては、例えば、健康食品(機能性食品、栄養補助食品、健康補助食品、栄養強化食品、栄養調整食品、サプリメント等)、保健機能食品(特定保健用食品、栄養機能食品、機能性表示食品等)を挙げることができる。
本明細書において、「尿毒症物質(「尿毒症性毒素」ともいう)」とは、正常な腎により排泄される物質(老廃物や毒素等)であって、腎機能低下等の何らかの原因により排泄機能が低下したときに、血中に増加(蓄積)して尿毒症の症状又は疾患を引き起こす物質を意味する。「尿毒症物質」は、通常、水溶性低分子型物質(500ダルトン以下)、中分子型物質(500ダルトン超)、及び蛋白結合型物質の3つに分類される(文献「Vanholder, R., et al: Kidney Int., 63 (5): 1934-1943, 2003」)。
上記水溶性低分子型物質としては、具体的に、1-メチルアデノシン(1-methyladenosine)、1-メチルグアノシン(1-methylguanosine)、1-メチルイノシン(1-methylinosine)、ADMA(Asymmetric dimethylarginine)、α-ケト-δ-グアニジノ吉草酸(α-keto-δ-guanidinovaleric acid)、α-N-アセチルアルギニン(α-N-acetylarginine)、アラビトール(Arabitol)、アルギニン酸(Argininic acid)、ベンジルアルコール(Benzylalcohol)、β-グアニジノプロピオン酸(β-guanidinopropionic acid)、β-リポトロピン(β-lipotropin)、クレアチン(Creatine)、クレアチニン(Creatinine)、シチジン(Cytidine)、ジメチルグリシン(Dimethylglycine)、エリスリトール(Erythritol)、γ-グアニジノ酪酸(γ-guanidinobutyric acid)、グアニジン(Guanidine)、グアニジノ酢酸(Guanidinoacetic acid)、グアニジノコハク酸(Guanidonosuccinic acid)、ヒポキサンチン(Hypoxanthine)、マロンジアルデヒド(Malondialdehyde)、マンニトール(Mannitol)、メチルグアニジン(Methylguanidine)、ミオイノシトール(Myoinositol)、N,N-ジメチルグアノシン(N2,N2-dimethylguanosine)、N-アセチルシチジン(N4-acetylcytidine)、N-メチルアデノシン(N6-methyladenosine)、N-スレオニルカルバモイルアデノシン(N6-threonylcarbamoyladenosine)、オロト酸(Orotic acid)、オロチジン(Orotidine)、シュウ酸塩(Oxalate)、フェニルアセチルグルタミン(Phenylacetylglutamine)、プソイドウリジン(Pseudouridine)、SDMA(Symmetric dimethylarginine)、ソルビトール(Sorbitol)、タウロシアミン(Taurocyamine)、トレイトール(Threitol)、チミン(Thymine)、ウラシル(Uracil)、尿素(Urea)、尿酸(Uric acid)、ウリジン(Uridine)、キサンチン(Xanthine)、キサントシン(Xanthosine)、トリメチルアミン-N-オキシド(TMAO;trimethylamine-N-oxide)等を挙げることができる。
上記中分子型物質としては、具体的に、アドレノメジュリン(Adrenomedullin)、心房性ナトリウム利尿ペプチド(Atrial Natriuretic Peptide;ANP)、β-マイクログロブリン(β2-microglobulin)、β-エンドルフィン(β-endorphin)、コレシストキニン(Cholecystokinin)、CC16(Clara cell protein)、補体D因子(Complement factor D)、システチンC(Cystatin C)、脱顆粒抑制タンパク質1(Degranulation inhibiting protein 1)、デルタ睡眠誘発ペプチド(Delta-sleep inducing peptide)、エンドセリン(Endothelin)、ヒアルロン酸(Hyaluronic acid)、インターロイキン-1β(Interleukin-1β)、インターロイキン-6(Interleukin-6)、κ-Ig軽鎖(κ-Ig light chain)、λ-Ig軽鎖(λ-Ig light chain)、レプチン(Leptin)、メチオニン-エンケファリン(Methionine-enkephalin)、神経ペプチド(Neuropeptide)、副甲状腺ホルモン(Parathyroid hormone)、レチノール結合タンパク質(Retinol-binding protein)、腫瘍壊死因子(TNF)-α(Tumor necrosis factor-α)等を挙げることができる。
上記蛋白結合型物質としては、具体的に、2-メトキシレゾルシノール(2-methoxyresorcinol)、3-デオキシグルコソン(3-deoxyglucosone)、CMPF(3-Carboxy-4-methyl-5-propyl-2-furanpropionate)、フルクトースリジン(Fructoselysine)、グリオキサール(Glyoxal)、馬尿酸(Hippuric acid)、ホモシステイン(Homocysteine)、ヒドロキノン(Hydroquinone)、インドール-3-酢酸(Indole-3-acetic acid)、インドキシル硫酸(Indoxyl sulfate)又はその前駆体(インドール[Indole])、キヌレニン(Kinurenine)、キヌレン酸(Kynurenic acid)、レプチン(Leptin)、メラトニン(Melatonin)、メチルグリオキサール(Methylglyoxal)、N-カルボキシメチルリジン(N-(carboxymethyl)lysine)、p-クレシル硫酸(p-Cresyl sulfate)又はその前駆体(p-クレゾール[p-Cresol])、ペントシジン(Pentosidine)、硫酸フェニル(Phenyl sulfate)又はその前駆体(フェノール[Phenol])、P-OH-馬尿酸(P-OHhippuric axid)、プトレシン(Putrescine)、キノリン酸(Quinolinic acid)、レチノール結合タンパク質(Retinol-binding protein)、スペルミジン(Spermidine)、スペルミン(Spermine)等を挙げることができる。
また、上記尿毒症物質には、本明細書の実施例において、具体的に低減効果が確認された尿素窒素(BUN)も含まれる。
本発明における尿毒症物質としては、硫酸フェニル、クレアチニン、1-メチルアデノシン、尿素窒素、TMAO、インドキシル硫酸、及びこれらの前駆体(例えば、フェノール、インドール)から選択される1又は2種以上の物質が好ましい。
本明細書において、「血中尿毒症物質の低減」とは、尿毒症物質又はその前駆体の産生(生成)抑制や、尿毒症物質又はその前駆体の体外への排出促進等の作用により、血液中に含まれる尿毒症物質の濃度が低減(減少)することを意味する。
本件尿毒症予防/改善剤の予防又は改善対象としては、尿毒症、すなわち、上記尿毒症物質(好ましくは、硫酸フェニル、クレアチニン、1-メチルアデノシン、尿素窒素、TMAO、インドキシル硫酸、及びこれらの前駆体[例えば、フェノール、インドール])から選択される1又は2種以上の物質)に起因する症状又は疾患であれば特に制限されず、かかる症状又は疾患としては、例えば、食欲不振、悪心、嘔吐、口臭、口内炎、腸炎等の消化器系異常;無欲、無関心、記銘力低下、うつ状態、傾眠、昏睡、多発神経炎、(発達性)協調運動障害、食思不振等の神経系異常;動脈硬化、貧血、赤血球造血障害、高血圧、虚血性心疾患、心膜炎、心筋炎、(血液)凝固異常、心不全、心血管障害等の循環器系異常;色素沈着、掻痒(感)、皮下出血、皮膚萎縮、感染、アトピー、脱毛等の皮膚異常(疾患);アルブミン尿、急性腎不全、急性尿細管壊死、腎性貧血、慢性腎不全、尿細管間質障害、急性腎炎、慢性腎炎、急性腎炎症候群、慢性腎炎症候群、ネフローゼ症候群、糖尿病性腎症、動脈硬化性腎症、腎性骨異常症(例えば、腎性骨異栄養症)、溢水等の腎機能障害;脳卒中;心筋梗塞;癌;自閉症;免疫不全;骨異常症;副甲状腺亢進症;インスリン抵抗性;栄養不良;炎症;震戦;などを挙げることができ、これらの中でも糖尿病性腎症、ネフローゼ症候群、慢性腎炎症候群を好適に例示することができる。また、上記尿毒症には、IgA腎症、嚢胞腎、肝機能障害(例えば、劇症肝炎、脂肪肝、NASH、NAFLD)、がん(例えば、胆汁発がん、肝がん)等のLPS(Lipopolysaccharide)が関与する症状又は疾患;潰瘍性大腸炎、クローン病等の炎症性腸疾患;動脈硬化関連疾患;ループス、強皮症、リウマチ等の自己免疫疾患;肥満;メタボリックシンドローム;糖尿病;自閉症;パーキンソン病;アルツハイマー病;サルコペニアも含まれる。
本件腎機能障害予防/改善剤の予防又は改善対象としては、腎機能障害、すなわち、腎臓に疾患、外傷などで何らかの異常が生じ、腎臓機能に障害が生じた状態であれば特に制限されず、例えば、急性糸球体腎炎、微小変化型腎炎、慢性糸球体腎炎、腎硬化症、膜性増殖性腎炎、メサンギウム増殖性糸球体腎炎、膜性増殖性糸球体腎炎、半月体形成性腎炎、急速進行性糸球体腎炎、膜性糸球体腎炎、尿細管間質性腎炎、急性腎盂腎炎、慢性腎盂腎炎、管内増殖性腎炎、ループス腎炎、急性腎炎、慢性腎炎、急性腎炎症候群、慢性腎炎症候群等の腎炎;急性腎不全、慢性腎不全等の腎不全;アミロイド腎;膜性腎症;巣状糸球体硬化症;IgA腎症;急性尿細管壊死;ネフローゼ症候群;糖尿病性腎症;痛風腎;腎性浮腫;腎腫瘍;腎臓虚血障害;腎臓虚血再灌流障害;などを挙げることができ、これらの中でも、腎不全を好適に例示することができる。
本発明において、本件化合物群から選択される化合物とは、以下の式(I)で表される化合物、医薬的に許容される前記化合物の塩、医薬的に許容される前記化合物のエステル、及び前記化合物の水和物を意味する。
Figure 0007256540000065
式中、
及びRは、同一でも異なっていてもよく、それぞれ、水素原子;置換された若しくは置換されていない炭素数1~10の直鎖又は分枝鎖のアルキル基;置換された若しくは置換されていない炭素数1~10の直鎖又は分枝鎖のアルコキシ基;置換された若しくは置換されていない炭素数1~10の直鎖又は分枝鎖のアルキルカルボニル基;置換された若しくは置換されていない環の炭素数3~10のシクロアルキル基;置換された若しくは置換されていない炭素数3~10のシクロアルキルオキシ基;置換された若しくは置換されていない炭素数2~10の直鎖又は分枝鎖のアルケニル基;置換された若しくは置換されていない炭素数2~10の直鎖又は分枝鎖のアルケニルオキシ基;置換された若しくは置換されていない炭素数6~14のアリール基;あるいは、置換された若しくは置換されていない炭素数7~18のアラルキル基;であり、
は、置換された若しくは置換されていない炭素数1~10の直鎖又は分枝鎖のアルキル基;置換された若しくは置換されていない炭素数1~10の直鎖又は分枝鎖のアルコキシ基;置換された若しくは置換されていない炭素数1~10の直鎖又は分枝鎖のアルキルカルボニル基;置換された若しくは置換されていない環の炭素数3~10のシクロアルキル基;置換された若しくは置換されていない炭素数3~10のシクロアルキルオキシ基;置換された若しくは置換されていない炭素数2~10の直鎖又は分枝鎖のアルケニル基;置換された若しくは置換されていない炭素数2~10の直鎖又は分枝鎖のアルケニルオキシ基;置換された若しくは置換されていない炭素数6~14のアリール基;あるいは、置換された若しくは置換されていない炭素数7~18のアラルキル基;であり、
は、水素原子;置換された若しくは置換されていない炭素数1~10の直鎖又は分枝鎖の低級アルキル基;置換された若しくは置換されていない炭素数1~10の直鎖又は分枝鎖のアルキルカルボニル基;置換された若しくは置換されていない炭素数3~10のシクロアルキル基;置換された若しくは置換されていない炭素数2~10の直鎖又は分枝鎖の低級アルケニル基;置換された若しくは置換されていない炭素数6~14のアリール基;あるいは、置換された若しくは置換されていない炭素数7~18のアラルキル基;であり、
は、水素原子;置換された若しくは置換されていない炭素数1~10の直鎖又は分枝鎖の低級アルキル基;置換された若しくは置換されていない炭素数1~10の直鎖又は分枝鎖のアルコキシ基;置換された若しくは置換されていない炭素数1~10の直鎖又は分枝鎖のアルキルカルボニル基;置換された若しくは置換されていない環の炭素数3~10のシクロアルキル基;置換された若しくは置換されていない炭素数3~10のシクロアルキルオキシ基;置換された若しくは置換されていない炭素数2~10の直鎖又は分枝鎖の低級アルケニル基;置換された若しくは置換されていない炭素数2~10の直鎖又は分枝鎖のアルケニルオキシ基;置換された若しくは置換されていない炭素数6~14のアリール基;あるいは、置換された若しくは置換されていない炭素数7~18のアラルキル基;であり、
Xは、S、SO、又はSOであり、
Yは、O又はSであり、
Zは、O、S、SO、又はSOである。
本明細書中で用いられる「アルキル基」という用語は、一般式C2n+2(nは正の整数)で表されるアルカン(脂肪族飽和炭化水素)の任意の炭素原子から水素原子1個を除いた残りの炭化水素基を意味する。本発明におけるアルキル基の炭素数は1~10である。本発明の一態様において、アルキル基の炭素数は1~10である。本発明の一態様において、アルキル基は、炭素数1~10のアルキル基である。本発明の一態様において、アルキル基は、炭素数1~8のアルキル基である。本発明の一態様において、アルキル基は、炭素数1~6のアルキル基である。本発明の一態様において、アルキル基は、炭素数1~4のアルキル基である。
上記「アルキル基」の例として、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、n-ペンチル基、1-メチルブチル基、2-メチルブチル基、3-メチルブチル基、1-エチルプロピル基、1,1-ジメチルプロピル基、1,2-ジメチルプロピル基、n-ヘキシル基、1-メチルペンチル基、2-メチルペンチル基、3-メチルペンチル基、4-メチルペンチル基、1,1-ジメチルブチル基、1,2-ジメチルブチル基、1,3-ジメチルブチル基、2,2-ジメチルブチル基、2,3-ジメチルブチル基、3,3-ジメチルブチル基、1,1,2-トリメチルプロピル基、1-エチルブチル基、2-エチルブチル基、1-エチル-1-メチルプロピル基、1-エチル-2-メチルプロピル基、n-ヘキシル基、1-メチルペンチル基、2-メチルペンチル基、3-メチルペンチル基、4-メチルペンチル基、1,1-ジメチルブチル基、1,2-ジメチルブチル基、1,3-ジメチルブチル基、2,2-ジメチルブチル基、2,3-ジメチルブチル基、3,3-ジメチルブチル基、1,1,2-トリメチルプロピル基、1-エチルブチル基、2-エチルブチル基、1-エチル-1-メチルプロピル基、1-エチル-2-メチルプロピル基、n-ヘプチル基、1-メチルヘキシル基、2-メチルヘキシル基、3-メチルヘキシル基、4-メチルヘキシル基、5-メチルヘキシル基、1-エチルペンチル基、2-エチルペンチル基、3-エチルペンチル基、4,4-ジメチルペンチル基、1-プロピルブチル基、n-オクチル基等を挙げることができる。
本明細書中で用いられる「アルコキシ基」という用語は、「-O-アルキル基」で表される基を意味する。「アルキル基」は前記で定義したとおりである。本明細書中で用いられる「置換された若しくは置換されていない直鎖若しくは分枝鎖のアルコキシ基」という用語は、「-O-置換された若しくは置換されていない直鎖若しくは分枝鎖のアルキル基」を意味する。本発明におけるアルコキシ基のアルキル基の炭素数は1~10である。本発明の一態様において、アルコキシ基のアルキル基は、炭素数1~10のアルキル基である。本発明の一態様において、アルコキシ基のアルキル基は、炭素数1~8のアルキル基である。本発明の一態様において、アルコキシ基のアルキル基は、炭素数1~6のアルキル基である。本発明の一態様において、アルコキシ基のアルキル基は、炭素数1~4のアルキル基である。
上記「アルコキシ基」の例として、メトキシ基、エトキシ基、n-プロポキシ基、イソプロポキシ基、n-ブトキシ基、イソブトキシ基、sec-ブトキシ基、tert-ブトキシ基、n-ペントキシ基、1-メチルブトキシ基、2-メチルブトキシ基、3-メチルブトキシ基、1-エチルプロポキシ基、1,1-ジメチルプロポキシ基、1,2-ジメチルプロポキシ基、2,2-ジメチルプロポキシル基、n-ヘキシルオキシ基、1-メチルペンチルオキシ基、2-メチルペンチルオキシ基、3-メチルペンチルオキシ基、4-メチルペンチルオキシ基、1,1-ジメチルブトキシ基、1,2-ジメチルブトキシ基、1,3-ジメチルブトキシ基、2,2-ジメチルブトキシ基、2,3-ジメチルブトキシ基、3,3-ジメチルブトキシ基、1,1,2-トリメチルプロポキシ基、1-エチルブトキシ基、2-エチルブトキシ基、1-エチル-1-メチルプロポキシ基、1-エチル-2-メチルプロポキシ基、n-ヘプチルオキシ基、1-メチルヘキシルオキシ基、2-メチルヘキシルオキシ基、3-メチルヘキシルオキシ基、4-メチルヘキシルオキシ基、5-メチルヘキシルオキシ基、1-エチルペンチルオキシ基、2-エチルペンチルオキシ基、3-エチルペンチルオキシ基、4,4-ジメルペンチルオキシ基、1-プロピルブトキシ基、n-オクチルオキシ基等を挙げることができる。
本明細書中で用いられる「アルキルカルボニル基」という用語は、「-CO-アルキル基」で表される基を意味する。「アルキル基」は前記で定義したとおりである。本明細書中で用いられる「置換された若しくは置換されていない炭素数1~10の直鎖若しくは分枝鎖のアルキルカルボニル基」という用語は、「-CO-置換された若しくは置換されていない直鎖若しくは分枝鎖のアルキル基」を意味する。本発明におけるアルキルカルボニル基のアルキル基の炭素数は1~10である。したがって、「置換された若しくは置換されていない炭素数1~10の直鎖若しくは分枝鎖のアルキルカルボニル基」における「炭素数1~10」には、カルボニル基の炭素は含まれない。本発明の一態様において、アルキルカルボニル基のアルキル基は、炭素数1~10のアルキル基である。本発明の一態様において、アルキルカルボニル基のアルキル基は、炭素数1~8のアルキル基である。本発明の一態様において、アルキルカルボニル基のアルキル基は、炭素数1~6のアルキル基である。本発明の一態様において、アルキルカルボニル基のアルキル基は、炭素数1~4のアルキル基である。
上記「アルキルカルボニル基」の例として、アセチル基(エタノイル基)、n-プロピオニル基(n-プロパノイル基)、イソプロピオニル基(イソプロパノイル基)、n-ブチルカルボニル基、イソブチルカルボニル基、sec-ブチルカルボニル基、tert-ブチルカルボニル基、n-ペンチルカルボニル基、1-メチルブチルカルボニル基、2-メチルブチルカルボニル基、3-メチルブチルカルボニル基、1-エチルプロピルカルボニル基、1,1-ジメチルプロピルカルボニル基、1,2-ジメチルプロピルカルボニル基、2,2-ジメチルプロピルカルボニル基、n-ヘキシルカルボニル基、1-メチルペンチルカルボニル基、2-メチルペンチルカルボニル基、3-メチルペンチルカルボニル基、4-メチルペンチルカルボニル基、1,1-ジメチルブチルカルボニル基、1,2-ジメチルブチルカルボニル基、1,3-ジメチルブチルカルボニル基、2,2-ジメチルブチルカルボニル基、2,3-ジメチルブチルカルボニル基、3,3-ジメチルブチルカルボニル基、1,1,2-トリメチルプロピルカルボニル基、1-エチルブチルカルボニル基、2-エチルブチルカルボニル基、1-エチル-1-メチルプロピルカルボニル基、1-エチル-2-メチルプロピルカルボニル基、n-ヘプチルカルボニル基、1-メチルヘキシルカルボニル基、2-メチルヘキシルカルボニル基、3-メチルヘキシルカルボニル基、4-メチルヘキシルカルボニル基、5-メチルヘキシルカルボニル基、1-エチルペンチルカルボニル基、2-エチルペンチルカルボニル基、3-エチルペンチルカルボニル基、4,4-ジメルペンチルカルボニル基、1-プロピルブチルカルボニル基、n-オクチルカルボニル基等を挙げることができる。
本明細書中で用いられる「アルケニル基」という用語は、分子内に炭素間二重結合を1個だけ持ち、一般式C2n(nは2若しくは3以上の正の整数)で表されるアルケン(オレフィン系炭化水素)の任意の炭素原子から水素原子1個を除いた残りの炭化水素基を意味する。本発明におけるアルケニル基の炭素数は2~10である。本発明の一態様において、アルケニル基は、炭素数2~10のアルケニル基である。本発明の一態様において、アルケニル基は、炭素数2~8のアルケニル基である。本発明の一態様において、アルケニル基は、炭素数2~6のアルケニル基である。本発明の一態様において、アルケニル基は、炭素数2~4のアルケニル基である。
上記「アルケニル基」の例として、エテニル基(ビニル基)、1-プロペニル基、2-プロペニル基(アリル基)、1-ブテニル基、2-ブテニル基、3-ブテニル基、イソブテニル基、1-ペンテニル基、2-ペンテニル基、3-ペンテニル基、4-ペンテニル基、1-ヘキセニル基、2-ヘキセニル基、3-ヘキセニル基、1-オクテニル基、2-オクテニル基、3-オクテニル基、4-オクテニル基等を挙げることができる。
本明細書中で用いられる「アルケニルオキシ基」という用語は、「-O-アルケニル基」で表される基を意味する。「アルケニル基」は前記で定義したとおりである。本願で用いられる「置換された若しくは置換されていない直鎖若しくは分枝鎖のアルケニル基」という用語は、「-O-置換された若しくは置換されていない直鎖若しくは分枝鎖のアルケニル基」を意味する。本発明におけるアルケニルオキシ基のアルケニル基の炭素数は2~10である。本発明の一態様において、アルケニルオキシ基のアルケニル基は、炭素数2~10のアルケニル基である。本発明の一態様において、アルケニルオキシ基のアルケニル基は、炭素数2~8のアルケニル基である。本発明の一態様において、アルケニルオキシ基のアルケニル基は、炭素数2~6のアルケニル基である。本発明の一態様において、アルケニルオキシ基のアルケニル基は、炭素数2~4のアルケニル基である。
上記「アルケニルオキシ基」の例として、エテニルオキシ基(ビニルオキシ基)、1-プロペニルオキシ基、2-プロペニル基オキシ(アリルオキシ基)、1-ブテニルオキシ基、2-ブテニルオキシ基、3-ブテニルオキシ基、イソブテニルオキシ基、1-ペンテニルオキシ基、2-ペンテニルオキシ基、3-ペンテニルオキシ基、4-ペンテニルオキシ基、1-ヘキセニルオキシ基、2-ヘキセニルオキシ基、3-ヘキセニルオキシ基、1-オクテニルオキシ基、2-オクテニルオキシ基、3-オクテニルオキシ基、4-オクテニルオキシ基等を挙げることができる。
本明細書中で用いられる「シクロアルキル基」という用語は、一般式C2n(nは3以上の正の整数)で表されるシクロアルカン(環状飽和炭化水素)の任意の炭素原子から水素原子1個を除いた残りの炭化水素基を意味する。本発明の「シクロアルキル基」における炭素数は3~10である。本発明の一態様において、シクロアルキル基は、炭素数3~10のシクロアルキル基である。本発明の一態様において、シクロアルキル基は、炭素数3~8のシクロアルキル基である。本発明の一態様において、シクロアルキル基は、炭素数3~6のシクロアルキル基である。本発明の一態様において、シクロアルキル基は、炭素数3~4のシクロアルキル基である。
上記「シクロアルキル基」の例として、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロノニル基、シクロデシル基等を挙げることができる。
本明細書中で用いられる「シクロアルキルオキシ基」という用語は、「-O-シクロアルキル基」で表される基を意味する。「シクロアルキル基」は前記で定義したとおりである。本明細書中で用いられる「置換された若しくは置換されていないシクロアルキルオキシ基」という用語は、「-O-置換された若しくは置換されていないシクロアルキルオキシ基」を意味する。本発明の「シクロアルキルオキシ基」における炭素数は3~10である。本発明の一態様において、シクロアルキルオキシ基は、炭素数3~10のシクロアルキルオキシ基である。本発明の一態様において、シクロアルキルオキシ基は、炭素数3~8のシクロアルキルオキシ基である。本発明の一態様において、シクロアルキルオキシ基は、炭素数3~6のシクロアルキルオキシ基である。本発明の一態様において、シクロアルキルオキシ基は、炭素数3~4のシクロアルキルオキシ基である。
上記「シクロアルキルオキシ基」の例として、シクロプロピルオキシ基、シクロブチルオキシ基、シクロペンチルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基、シクロヘプチルオキシ基、シクロオクチルオキシ基、シクロノニルオキシ基、シクロデシルオキシ基等を挙げることができる。
本明細書中で用いられる「アリール基」という用語は、芳香族環を有する化合物、すなわち、芳香族炭化水素の芳香族環の環原子に結合している水素原子1個を除いた残りの炭化水素基を意味する。ここにおいて、「芳香族環」という用語は、炭化水素のみで単一若しくは複数の環を構成し、非局在化π電子軌道を有する環状構造若しくは当該環状構造を有する化合物を意味する。前記芳香族環が複数の環を構成する場合、当該芳香族環は縮合環であっても非縮合環(例えば、ビフェニル)であってもよい。本発明におけるアリール基の炭素数は6~14である。本発明の一態様において、アリール基は、環の炭素数6~14のアリール基である。本発明の一態様において、アリール基は、環の炭素数6~10のアリール基である。本発明の一態様において、アリール基は、環の炭素数6のアリール基(フェニル基)である。
上記「アリール基」の例として、フェニル基、o-トリル基、m-トリル基、p-トリル基、o-キシリル基、m-キシリル基、p-キシリル基、1-ナフチル基、2-ナフチル基等を挙げることができる。
本明細書中で用いられる「アラルキル基」という用語は、アルキル基(C2n+1)の水素原子の1つがアリール基で置換されているアルキル基を意味する。本発明の一態様において、アラルキル基は、炭素数7~18(うち、環の炭素数6~14)のアラルキル基である。本発明の一態様において、アラルキル基は、炭素数7~18(うち、環の炭素数6~14)のアラルキル基である。本発明の一態様において、アラルキル基は、炭素数7~15(うち、環の炭素数6~14)のアラルキル基である。本発明の一態様において、アラルキル基は、炭素数7~14(うち、環の炭素数6~10)のアラルキル基である。本発明の一態様において、アラルキル基は、環の炭素数7~12(うち、環の炭素数&~10)のアラルキル基である。本発明の一態様において、アラルキル基は、環の炭素数7~8(うち、環の炭素数6)のアラルキル基である。
上記「アラルキル基」の例として、ベンジル基(フェニルメチル基)、フェネチル基(フェニルエチル基)等を挙げることができる。
本明細書中で用いられる「置換された若しくは置換されていない」という用語において、「置換された」は、1若しくは2以上の置換基を有することを、「置換されていない」は、置換基を全く有さないことを意味する。置換基の例としては、ハロゲン原子(フッ素原子(フルオロ基)、塩素原子(クロロ基)、臭素原子(ブロモ基)、及びヨウ素原子(ヨード基))、素数1~4のアルキル基、素数1~4のアルコキシ基、ヒドロキシ基、アミノ基、モノ(C1-C4)アルキルアミノ基、ジ(C1-C4)アルキルアミノ基、アセチル基、カルボキシル基、ニトロ基、シアノ基、メトキシ基、エトキシ基、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基、フェニル基等が挙げられる。2以上の置換基を有する場合、各置換基は独立的に選択され、同一であっても異なっていてもよい。なお。「(C1-C4)」は炭素数1~4を意味する。
本明細書中で用いられる「直鎖」という用語は、水素原子以外の原子が枝分かれせずに直線状に連なっている構造を意味する。
本明細書中で用いられる「分枝鎖」という用語は、1若しくは2以上の任意の炭素原子に2以上の別の炭素原子が結合している構造を意味する。
本明細書中で用いられる「薬学的に許容される塩」という用語は、妥当な医学的判断の範囲内で、ヒトや非ヒト哺乳動物の組織と接触して用いるのに、過度の毒性、刺激性、アレルギー応答、及び/又は、合併症を伴うことなく、適度な受益性/危険性比率に相応して適しているそれら化合物、物質、組成物、及び/又は、剤形を意味する。
本件化合物群における薬学的に許容される塩は、塩基塩が存在する。かかる塩基塩には、アンモニウム塩;ナトリウム塩、リチウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩;アルミニウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩等のアルカリ土類金属塩;ジシクロヘキシルアミン塩、N-メチル-D-グルカミン等の有機塩基との塩;アルギニン、リシン、オルニチン等のアミノ酸との塩;などが含まれる。
本件化合物群には、式(I)で表される本発明の化合物の種々の異性体(例えば、光学異性体、位置異性体、互変異性体等)、水和物等の溶媒和物、結晶多形、及びエステル体(例えば、式(I)で表される本発明の化合物とメタノール、エタノール、n-プロパノール、イソプロパノール、n-ブタノール、イソブタノール、sec-ブタノール、又はtert-ブタノールとのエステル、)が包含される。
また、式(I)で表される本発明の化合物を構成する1個若しくは2個以上の原子が同位体である化合物、該化合物の薬学的に許容される塩、該化合物の薬学的に許容されるエステル、及び該化合物の水和物、並びにこれらの光学異性体も本発明に含まれる。本件化合物群に含まれる同位体の例としては、水素、炭素、窒素、酸素、フッ素、臭素、及び塩素の同位体、例えば、H、H、11C、13C、14C、13N、15N、15O、17O、18O、18F、75Br、76Br、77Br、82Br、37Cl等を挙げることができる。
式(I)で表される本発明の化合物としては、以下に示す化合物No.1~20を好適に例示することができる。
Figure 0007256540000066
Figure 0007256540000067
Figure 0007256540000068
Figure 0007256540000069
Figure 0007256540000070
Figure 0007256540000071
表中の「COOH・HO」は、一水和物を意味する。
式(I)で示される本発明の化合物は、公知の反応を適宜組み合わせることによって合成することができる。原料は、市販品(例えば、EAファーマ社製のグーフィス[エロビキシバット水和物])を購入したり、市販品に一般的な保護基等を付与して合成することにより入手することができる。カルボニル基の還元やアルコール基のハロゲン化については、一般的な有機化学で使用する還元剤やハロゲン化試薬等により合成可能である。またいずれの工程も有機化学で汎用される保護・脱保護による精製等も適応可能である。
本件剤は、必要に応じて、薬学的に許容される通常の担体、結合剤、安定化剤、賦形剤、希釈剤、pH緩衝剤、崩壊剤、等張剤、添加剤、被覆剤、可溶化剤、潤滑剤、滑走剤、溶解補助剤、滑沢剤、風味剤、甘味剤、溶剤、ゲル化剤、栄養剤等の添加剤をさらに含むものであってもよい。かかる添加剤としては、具体的に、水、生理食塩水、動物性脂肪及び油、植物油、乳糖、デンプン、ゼラチン、結晶性セルロース、ガム、タルク、ステアリン酸マグネシウム、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリアルキレングリコール、ポリビニルアルコール、グリセリンを例示することができる。
本件剤の投与形態としては、粉末、顆粒、錠剤、カプセル剤、シロップ剤、懸濁液などの剤型で投与する経口投与や、溶液、乳剤、懸濁液などの剤型を注射、又はスプレー剤の型で鼻孔内投与する非経口投与を挙げることができ、経口投与が好ましい。
本件剤の投与量は、年齢、体重、性別、症状、薬剤への感受性等に応じて適宜決定され、例えば、0.1μg~200mg/kg(体重)/日の投与量の範囲である。後述する本実施例において、モデルマウスを用いた実験により、10~30mg/kg体重/日のエロビキシバット水和物の投与量が具体的に示されている。かかる投与量は、マウスにおけるヒト等価用量(HED)12.3(資料「Guidance for Industry Estimating the Maximum Safe Starting Dose in Initial Clinical Trials for Therapeutics in Adult Healthy Volunteers」参照)を基に、ヒトへの投与量に換算した場合、0.81~2.4mg/kg体重/日である。このため、本件剤の投与量としては、0.01~100mg/kg体重/日が好ましく、0.03~60mg/kg体重/日がより好ましく、0.06~30mg/kg体重/日がさらに好ましく、0.1~10mg/kg体重/日がさらにより好ましく、0.6~4.0mg/kg体重/日が最も好ましい。なお、本件剤は、一日あたり単回又は複数回(例えば、2~4回)に分けて投与してもよい。
本件低減剤の投与対象としては、特に制限されないが、通常、血中尿毒症物質の低減を必要とする者、具体的には、何らかの原因により、血中の尿毒症物質の濃度が増加(上昇)した者である。また、本件尿毒症予防/改善剤の投与対象としては、特に制限されないが、通常、尿毒症の予防又は改善(治療)を必要とする者、具体的には、何らかの原因により体内に尿毒症物質が蓄積し、尿毒症に罹患した者、若しくは尿毒症を発症した者、又は、尿毒症に罹患するおそれがある者、若しくは尿毒症を発症するおそれがある者である。また、本件腎機能障害予防/改善剤の投与対象としては、特に制限されないが、通常、腎機能障害の予防又は改善(治療)を必要とする者、具体的には、何らかの原因により腎機能が低下し、腎機能障害に罹患した者、若しくは腎機能障害を発症した者、又は、腎機能障害に罹患するおそれがある者、若しくは腎機能障害を発症するおそれがある者である。
本件低減剤としては、本件化合物群以外の、血中尿毒症物質の低減作用成分を含むものであってもよいが、本件化合物群単独でも、効果的に血中尿毒症物質を低減させることができるため、本件化合物群以外の、血中尿毒症物質の低減作用成分(例えば、タンパク質、DNA、RNA、植物由来の抽出物、ポリマー)を含まないものが好ましい。また、本件尿毒症予防/改善剤としては、本件化合物群以外の、尿毒症の予防又は改善成分を含むものであってもよいが、本件化合物群単独でも、効果的に尿毒症を予防又は改善することができるため、本件化合物群以外の、尿毒症の予防又は改善成分(例えば、タンパク質、DNA、RNA、植物由来の抽出物、ポリマー)を含まないものが好ましい。また、本件腎機能障害予防/改善剤としては、本件化合物群以外の、腎機能障害の予防又は改善成分を含むものであってもよいが、本件化合物群単独でも、効果的に腎機能障害を予防又は改善することができるため、本件化合物群以外の、腎機能障害の予防又は改善成分(例えば、タンパク質、DNA、RNA、植物由来の抽出物、ポリマー)を含まないものが好ましい。
以下、実施例により本発明をより具体的に説明するが、本発明の技術的範囲はこれらの例示に限定されるものではない。
1.腎不全モデルを用いた血中尿毒症物質の濃度の測定、及び腎組織の解析
本件化合物群が、腎機能障害の改善効果を有することを確認するために、アデニンを摂食させることにより慢性腎不全を発症させたモデルマウス(以下、「アデニン食腎不全モデルマウス」という)に、エロビキシバット水和物を投与し、血中尿毒症物質の濃度を解析した。なお、アデニン食腎不全モデルマウスは、摂食させたアデニンが尿細管で不溶性の2,8-ジヒドロキシアデニンとして結晶化することにより腎障害を生じるマウスである(Cozzolino, M. et al. Kidney Int. 64, 441-450 (2003)、Tamagaki, K. et al. Nephrol. Dial. Transplant 21, 651-659 (2006))。
1-1 方法
以下の手順〔1〕~〔6〕に従って、アデニン食腎不全モデルマウスを用いた解析を行った。
〔1〕オスのC57BL/6マウス(日本CLEA株式会社から購入)を、6週齢まで通常飼料(CE-2、日本CLEA社製)にて飼育した。
〔2〕7週齢時に、通常飼料にて飼育する通常飼育群(n=6)と、2%アデニン(Wako社製)を含む通常飼料にて飼育するアデニン食飼育群(n=12)とに分けた。
〔3〕6週間飼育した後、アデニン食飼育群を、蒸留水を摂取させるプラセボ群(n=6)と、10(mg/kg体重)のグーフィスを含む懸濁液を1日1回経口投与するエロビキシバット群(n=6)とに分けた。なお、グーフィスを含む懸濁液は、グーフィス(エロビキシバット水和物)(EAファーマ社製)を蒸留水に懸濁することにより調製した。
〔4〕1週間飼育した後、3種類の群(通常飼育群、プラセボ群、及びエロビキシバット群)からそれぞれ血液検体を採取し、定法にしたがって血漿を調製し、「1週間後血漿サンプル」を得た。
〔5〕プラセボ群及びエロビキシバット群を、それぞれ通常飼料に戻し、投与は継続しつつさらに1週間飼育した後、それぞれの群から血液検体を採取し、定法にしたがって血漿を調製し、「2週間後血漿サンプル」を得た。また、プラセボ群及びエロビキシバット群から腎組織を採取し、10%中性緩衝ホルマリンで固定し、パラフィン包埋を行った後、パラフィン包埋した腎組織をスライスし、腎組織切片を作製した。
〔6〕取得した上記血漿サンプルを用いて、液体クロマトグラフ-タンデム型質量分析計(LC-MS/MS)(島津製作所社製)を用いた質量分析法により、血液中の3種類の尿毒症物質(硫酸フェニル、クレアチニン、及び1-メチルアデノシン)の濃度を測定した(図1参照)。また、作製した上記腎組織切片を用いて、マッソン・トリクローム染色(MTS)法による解析を行った(図2参照)。
1-2 結果
血中の3種類の尿毒症物質(硫酸フェニル、クレアチニン、及び1-メチルアデノシン)の濃度は、通常飼育群と比べ、プラセボ群の方が上昇していることが示された(図1参照)。また、腎尿細管の割合は、通常飼育群と比べ、プラセボ群の方が低下していることが示された(図2参照)。これらの結果は、プラセボ群(すなわち、アデニン食腎不全モデルマウス)において、腎機能は低下するとともに、血中の尿毒症物質の濃度が上昇することを示している。
一方、エロビキシバット群における血中の3種類の尿毒症物質の濃度は、プラセボ群よりも低下していることが示された(図1参照)。また、エロビキシバット群における腎尿細管の割合は、プラセボ群よりも増加していることが示された(図2参照)。これらの結果は、アデニン食腎不全モデルマウスに本件化合物群(エロビキシバット水和物)を投与すると、低下した腎機能を改善でき、さらには、上昇した血中尿毒症物質の濃度を低下させることができることを示している。
2.腎不全モデルを用いた血中尿毒症物質の濃度の測定
アデニン食腎不全モデルマウスへ投与するエロビキシバット水和物の量を3倍増加し、実施例1と同様に、血中尿毒症物質の濃度を解析した。
2-1 方法
以下の手順〔1〕~〔6〕に従って、アデニン食腎不全モデルマウスを用いた解析を行った。
〔1〕オスのC57BL/6マウス(日本CLEA株式会社から購入)を、6週齢まで通常飼料(CE-2、日本CLEA社製)にて飼育した。
〔2〕7週齢時に、通常飼料にて飼育する通常飼育群(n=6)と、2%アデニン(Wako社製)を含む通常飼料にて飼育するアデニン食飼育群(n=12)とに分けた。
〔3〕6週間飼育した後、アデニン食飼育群を、蒸留水を摂取させるプラセボ群(n=6)と、30(mg/kg体重)のグーフィスを含む懸濁液を1日1回経口投与するエロビキシバット群(n=6)とに分けた。なお、グーフィスを含む懸濁液は、グーフィス(エロビキシバット水和物)(EAファーマ社製)を蒸留水に懸濁することにより調製した。
〔4〕1週間飼育した後、3種類の群(通常飼育群、プラセボ群、及びエロビキシバット群)からそれぞれ血液検体を採取し、定法にしたがって血漿を調製し、「1週間後血漿サンプル」を得た。
〔5〕プラセボ群及びエロビキシバット群を、それぞれ通常飼料に戻し、投与は継続しつつさらに1週間飼育した後、それぞれの群から血液検体を採取し、定法にしたがって血漿を調製し、「2週間後血漿サンプル」を得た。
〔6〕取得した「2週間後血漿サンプル」を用いて、血液アナライザー(i-STAT)(Abbott社製)により、血液中の2種類の尿毒症物質(BUN及びクレアチニン)の濃度を測定した(図3参照)。また、取得した「2週間後血漿サンプル」を用いて、LC-MS/MS(島津製作所社製)を用いた質量分析法により、血液中の4種類の尿毒症物質(硫酸フェニル、クレアチニン、TMAO、及びインドキシル硫酸)の濃度を測定した(図4参照)。
2-2 結果
アデニン食腎不全モデルマウスへ投与するエロビキシバット水和物の量を3倍増加した場合も同様に、上昇した血中尿毒症物質(硫酸フェニル、クレアチニン、BUN、TMAO、及びインドキシル硫酸)の濃度が低下することが示された(図3及び4参照)。これらの結果は、実施例1の結果を支持するとともに、実施例1の投与量とは異なる量のエロビキシバット水和物を投与した場合にも、同様の効果が得られることを示している。
3.硫酸フェニルを投与した糖尿病モデルにおける腎組織の解析
腎組織の糸球体足細胞(ポドサイト)が傷害を受けると、蛋白尿が生じ、その結果、糖尿病性腎症、ネフローゼ症候群、慢性腎炎症候群等が発症することが知られている(文献「Brinkkoetter PT, Ising C, Benzing T. Nature reviews Nephrology 9: 328-336, 2013」、文献「日本内科学会雑誌第101巻第4 号・平成24年4 月10日」参照)。そこで、尿毒症物質の1つである硫酸フェニルが、ポドサイトに与える影響を調べた。具体的には、以下の方法(1)及び方法(2)に従って解析を行った。
3-1 方法(1)
〔1〕普通飼料で飼育した11週齢の糖尿病モデルマウス(db/dbマウス;日本CLEA株式会社から購入)を、蒸留水を摂取させる通常飼育群(n=5)と、50(mg/kg体重)の硫酸フェニル(Sundia MediTech社製)を含む蒸留水を1日1回経口投与する硫酸フェニル群(n=6)とに分けた。
〔2〕6週間飼育した後、上記2種類の群(通常飼育群及び硫酸フェニル群)からそれぞれ血液検体を採取し、定法にしたがって血漿を調製し、LC-MS/MS(島津製作所社製)を用いた質量分析法により、血液中の硫酸フェニルの濃度を測定した(図5A参照)。また、腎組織を採取し、10%中性緩衝ホルマリンで固定し、パラフィン包埋を行った。パラフィン包埋した腎組織をスライスして腎組織切片を作製し、文献「Matsuhashi, T., et al: EBioMedicine 20: 27-38, 2017」に記載の方法に従って、電子顕微鏡を用いた解析と、過ヨウ素酸シッフ(PAS)染色法を用いた解析とを行った(図5B参照)。
3-2 方法(2)
〔1〕HFDで飼育した6週齢の糖尿病モデルマウス(KKAYマウス;日本CLEA株式会社から購入)を、蒸留水を摂取させる通常飼育群(n=3)と、50(mg/kg体重)の硫酸フェニル(Sundia MediTech社製)を含む蒸留水を1日1回経口投与する硫酸フェニル群(n=4)とに分けた。
〔2〕6週間飼育した後、上記2種類の群(通常飼育群及び硫酸フェニル群)からそれぞれ血液検体を採取し、定法にしたがって血漿を調製し、LC-MS/MS(島津製作所社製)を用いた質量分析法により、血液中の硫酸フェニルの濃度を測定した。また、腎組織を採取し、10%中性緩衝ホルマリンで固定し、パラフィン包埋を行った。パラフィン包埋した腎組織をスライスして腎組織切片を作製し、文献「Matsuhashi, T., et al: EBioMedicine 20: 27-38, 2017」に記載の方法に従って、電子顕微鏡を用いた解析と、エラスチカ・マッソン(Elastica Masson)染色法を用いた解析と、抗F4/80抗体を用いたDAB染色法による解析とを行った。
3-3 結果
2種類の糖尿病モデルマウス(db/dbマウス及びHFD-KKAYマウス)の硫酸フェニル群における血中硫酸フェニル濃度は、それぞれ27.3±9.17μM及び6.09±3.18μMであり、通常飼育群における血中硫酸フェニル濃度(それぞれ3.06±2.63μM及び1.48±0.85μM)と比べ、有意に増加することが確認された(図5A及び5C参照)。また、db/dbマウスの硫酸フェニル群における糸球体のメサンギウム領域は拡大し、さらに、糸球体足細胞(ポドサイト)の足突起の消失が増加し(図5Bの矢印参照)、糸球体基底膜(GBM)が肥厚した(図5Bの矢頭参照)。また、HFD-KKAYマウスについても同様に、硫酸フェニル群におけるポドサイトの足突起の消失が増加し(図5Dの電子顕微鏡画像における矢印参照)、GBMが肥厚した(図5Dの電子顕微鏡画像における矢頭参照)。さらに、HFD-KKAYマウス硫酸フェニル群におけるポドサイトには、血管周囲線維化領域が認められた(図5DのElastica Masson画像及びF4/80画像における矢頭参照)。
これらの結果は、糖尿病モデルマウスにおいて、硫酸フェニルが糸球体を構成するポドサイトに障害を与えることを示している。一方、前述のとおり、ポドサイトが傷害を受けると糖尿病性腎症、ネフローゼ症候群、慢性腎炎症候群等が発症することを考慮すると、糖尿病患者の血液中の硫酸フェニル濃度が上昇すると、糖尿病性腎症、ネフローゼ症候群、慢性腎炎症候群等が発症するリスクが高まることを示している。そして、実施例1及び2の内容も考慮すると、エロビキシバット水和物等の本件化合物群は、上昇した血中尿毒症物質(例えば、硫酸フェニル)の濃度を低下させ、糖尿病性腎症、ネフローゼ症候群、慢性腎炎症候群等の尿毒症の予防又は改善に有効であることを示している。



本発明は、尿毒症や腎機能障害の医療に資するものである。

Claims (12)

  1. 以下の式(I);
    Figure 0007256540000072
    [式中、
    及びRは、同一でも異なっていてもよく、それぞれ、水素原子;置換された若しくは置換されていない炭素数1~10の直鎖又は分枝鎖のアルキル基;置換された若しくは置換されていない炭素数1~10の直鎖又は分枝鎖のアルコキシ基;置換された若しくは置換されていない炭素数1~10の直鎖又は分枝鎖のアルキルカルボニル基;置換された若しくは置換されていない環の炭素数3~10のシクロアルキル基;置換された若しくは置換されていない炭素数3~10のシクロアルキルオキシ基;置換された若しくは置換されていない炭素数2~10の直鎖又は分枝鎖のアルケニル基;置換された若しくは置換されていない炭素数2~10の直鎖又は分枝鎖のアルケニルオキシ基;置換された若しくは置換されていない炭素数6~14のアリール基;あるいは、置換された若しくは置換されていない炭素数7~18のアラルキル基;であり、
    は、置換された若しくは置換されていない炭素数1~10の直鎖又は分枝鎖のアルキル基;置換された若しくは置換されていない炭素数1~10の直鎖又は分枝鎖のアルコキシ基;置換された若しくは置換されていない炭素数1~10の直鎖又は分枝鎖のアルキルカルボニル基;置換された若しくは置換されていない環の炭素数3~10のシクロアルキル基;置換された若しくは置換されていない炭素数3~10のシクロアルキルオキシ基;置換された若しくは置換されていない炭素数2~10の直鎖又は分枝鎖のアルケニル基;置換された若しくは置換されていない炭素数2~10の直鎖又は分枝鎖のアルケニルオキシ基;置換された若しくは置換されていない炭素数6~14のアリール基;あるいは、置換された若しくは置換されていない炭素数7~18のアラルキル基;であり、
    は、水素原子;置換された若しくは置換されていない炭素数1~10の直鎖又は分枝鎖の低級アルキル基;置換された若しくは置換されていない炭素数1~10の直鎖又は分枝鎖のアルキルカルボニル基;置換された若しくは置換されていない炭素数3~10のシクロアルキル基;置換された若しくは置換されていない炭素数2~10の直鎖又は分枝鎖の低級アルケニル基;置換された若しくは置換されていない炭素数6~14のアリール基;あるいは、置換された若しくは置換されていない炭素数7~18のアラルキル基;であり、
    は、水素原子;置換された若しくは置換されていない炭素数1~10の直鎖又は分枝鎖の低級アルキル基;置換された若しくは置換されていない炭素数1~10の直鎖又は分枝鎖のアルコキシ基;置換された若しくは置換されていない炭素数1~10の直鎖又は分枝鎖のアルキルカルボニル基;置換された若しくは置換されていない環の炭素数3~10のシクロアルキル基;置換された若しくは置換されていない炭素数3~10のシクロアルキルオキシ基;置換された若しくは置換されていない炭素数2~10の直鎖又は分枝鎖の低級アルケニル基;置換された若しくは置換されていない炭素数2~10の直鎖又は分枝鎖のアルケニルオキシ基;置換された若しくは置換されていない炭素数6~14のアリール基;あるいは、置換された若しくは置換されていない炭素数7~18のアラルキル基;であり、
    Xは、S、SO、又はSOであり、
    Yは、O又はSであり、
    Zは、O、S、SO、又はSOである]で示される化合物、医薬的に許容される前記化合物の塩、及び前記化合物の水和物からなる群から選択される1種又は2種以上の化合物を有効成分として含有することを特徴とする血中尿毒症物質の低減剤。
  2. 経口投与することを特徴とする請求項1に記載の低減剤。
  3. 化合物が、以下の式で示される化合物であることを特徴とする請求項1又は2に記載の低減剤。
    Figure 0007256540000073
    Figure 0007256540000074
    Figure 0007256540000075
    Figure 0007256540000076
    Figure 0007256540000077
    Figure 0007256540000078
    Figure 0007256540000079
    Figure 0007256540000080
    Figure 0007256540000081
    Figure 0007256540000082
    Figure 0007256540000083
    Figure 0007256540000084
    Figure 0007256540000085
    Figure 0007256540000086
    Figure 0007256540000087
    Figure 0007256540000088
    Figure 0007256540000089
    Figure 0007256540000090
    Figure 0007256540000091
    Figure 0007256540000092
  4. 尿毒症物質が、硫酸フェニル、クレアチニン、1-メチルアデノシン、尿素窒素、トリメチルアミン-N-オキシド、インドキシル硫酸、フェノール、及びインドールから選択される1又は2種以上の物質であることを特徴とする請求項1~3のいずれかに記載の低減剤。
  5. 以下の式(I);
    Figure 0007256540000093
    [式中、
    及びRは、同一でも異なっていてもよく、それぞれ、水素原子;置換された若しくは置換されていない炭素数1~10の直鎖又は分枝鎖のアルキル基;置換された若しくは置換されていない炭素数1~10の直鎖又は分枝鎖のアルコキシ基;置換された若しくは置換されていない炭素数1~10の直鎖又は分枝鎖のアルキルカルボニル基;置換された若しくは置換されていない環の炭素数3~10のシクロアルキル基;置換された若しくは置換されていない炭素数3~10のシクロアルキルオキシ基;置換された若しくは置換されていない炭素数2~10の直鎖又は分枝鎖のアルケニル基;置換された若しくは置換されていない炭素数2~10の直鎖又は分枝鎖のアルケニルオキシ基;置換された若しくは置換されていない炭素数6~14のアリール基;あるいは、置換された若しくは置換されていない炭素数7~18のアラルキル基;であり、
    は、置換された若しくは置換されていない炭素数1~10の直鎖又は分枝鎖のアルキル基;置換された若しくは置換されていない炭素数1~10の直鎖又は分枝鎖のアルコキシ基;置換された若しくは置換されていない炭素数1~10の直鎖又は分枝鎖のアルキルカルボニル基;置換された若しくは置換されていない環の炭素数3~10のシクロアルキル基;置換された若しくは置換されていない炭素数3~10のシクロアルキルオキシ基;置換された若しくは置換されていない炭素数2~10の直鎖又は分枝鎖のアルケニル基;置換された若しくは置換されていない炭素数2~10の直鎖又は分枝鎖のアルケニルオキシ基;置換された若しくは置換されていない炭素数6~14のアリール基;あるいは、置換された若しくは置換されていない炭素数7~18のアラルキル基;であり、
    は、水素原子;置換された若しくは置換されていない炭素数1~10の直鎖又は分枝鎖の低級アルキル基;置換された若しくは置換されていない炭素数1~10の直鎖又は分枝鎖のアルキルカルボニル基;置換された若しくは置換されていない炭素数3~10のシクロアルキル基;置換された若しくは置換されていない炭素数2~10の直鎖又は分枝鎖の低級アルケニル基;置換された若しくは置換されていない炭素数6~14のアリール基;あるいは、置換された若しくは置換されていない炭素数7~18のアラルキル基;であり、
    は、水素原子;置換された若しくは置換されていない炭素数1~10の直鎖又は分枝鎖の低級アルキル基;置換された若しくは置換されていない炭素数1~10の直鎖又は分枝鎖のアルコキシ基;置換された若しくは置換されていない炭素数1~10の直鎖又は分枝鎖のアルキルカルボニル基;置換された若しくは置換されていない環の炭素数3~10のシクロアルキル基;置換された若しくは置換されていない炭素数3~10のシクロアルキルオキシ基;置換された若しくは置換されていない炭素数2~10の直鎖又は分枝鎖の低級アルケニル基;置換された若しくは置換されていない炭素数2~10の直鎖又は分枝鎖のアルケニルオキシ基;置換された若しくは置換されていない炭素数6~14のアリール基;あるいは、置換された若しくは置換されていない炭素数7~18のアラルキル基;であり、
    Xは、S、SO、又はSOであり、
    Yは、O又はSであり、
    Zは、O、S、SO、又はSOである]で示される化合物、医薬的に許容される前記化合物の塩、及び前記化合物の水和物からなる群から選択される1種又は2種以上の化合物を有効成分として含有することを特徴とする尿毒症の予防又は改善剤。
  6. 経口投与することを特徴とする請求項5に記載の予防又は改善剤。
  7. 尿毒症が、糖尿病性腎症、ネフローゼ症候群、又は慢性腎炎症候群であることを特徴とする請求項5又は6に記載の予防又は改善剤。
  8. 化合物が、以下の式で示される化合物であることを特徴とする請求項5~7のいずれかに記載の予防又は改善剤。
    Figure 0007256540000094
    Figure 0007256540000095
    Figure 0007256540000096
    Figure 0007256540000097
    Figure 0007256540000098
    Figure 0007256540000099
    Figure 0007256540000100
    Figure 0007256540000101
    Figure 0007256540000102
    Figure 0007256540000103
    Figure 0007256540000104
    Figure 0007256540000105
    Figure 0007256540000106
    Figure 0007256540000107
    Figure 0007256540000108
    Figure 0007256540000109
    Figure 0007256540000110
    Figure 0007256540000111
    Figure 0007256540000112
    Figure 0007256540000113
  9. 以下の式(I);
    Figure 0007256540000114
    [式中、
    及びRは、同一でも異なっていてもよく、それぞれ、水素原子;置換された若しくは置換されていない炭素数1~10の直鎖又は分枝鎖のアルキル基;置換された若しくは置換されていない炭素数1~10の直鎖又は分枝鎖のアルコキシ基;置換された若しくは置換されていない炭素数1~10の直鎖又は分枝鎖のアルキルカルボニル基;置換された若しくは置換されていない環の炭素数3~10のシクロアルキル基;置換された若しくは置換されていない炭素数3~10のシクロアルキルオキシ基;置換された若しくは置換されていない炭素数2~10の直鎖又は分枝鎖のアルケニル基;置換された若しくは置換されていない炭素数2~10の直鎖又は分枝鎖のアルケニルオキシ基;置換された若しくは置換されていない炭素数6~14のアリール基;あるいは、置換された若しくは置換されていない炭素数7~18のアラルキル基;であり、
    は、置換された若しくは置換されていない炭素数1~10の直鎖又は分枝鎖のアルキル基;置換された若しくは置換されていない炭素数1~10の直鎖又は分枝鎖のアルコキシ基;置換された若しくは置換されていない炭素数1~10の直鎖又は分枝鎖のアルキルカルボニル基;置換された若しくは置換されていない環の炭素数3~10のシクロアルキル基;置換された若しくは置換されていない炭素数3~10のシクロアルキルオキシ基;置換された若しくは置換されていない炭素数2~10の直鎖又は分枝鎖のアルケニル基;置換された若しくは置換されていない炭素数2~10の直鎖又は分枝鎖のアルケニルオキシ基;置換された若しくは置換されていない炭素数6~14のアリール基;あるいは、置換された若しくは置換されていない炭素数7~18のアラルキル基;であり、
    は、水素原子;置換された若しくは置換されていない炭素数1~10の直鎖又は分枝鎖の低級アルキル基;置換された若しくは置換されていない炭素数1~10の直鎖又は分枝鎖のアルキルカルボニル基;置換された若しくは置換されていない炭素数3~10のシクロアルキル基;置換された若しくは置換されていない炭素数2~10の直鎖又は分枝鎖の低級アルケニル基;置換された若しくは置換されていない炭素数6~14のアリール基;あるいは、置換された若しくは置換されていない炭素数7~18のアラルキル基;であり、
    は、水素原子;置換された若しくは置換されていない炭素数1~10の直鎖又は分枝鎖の低級アルキル基;置換された若しくは置換されていない炭素数1~10の直鎖又は分枝鎖のアルコキシ基;置換された若しくは置換されていない炭素数1~10の直鎖又は分枝鎖のアルキルカルボニル基;置換された若しくは置換されていない環の炭素数3~10のシクロアルキル基;置換された若しくは置換されていない炭素数3~10のシクロアルキルオキシ基;置換された若しくは置換されていない炭素数2~10の直鎖又は分枝鎖の低級アルケニル基;置換された若しくは置換されていない炭素数2~10の直鎖又は分枝鎖のアルケニルオキシ基;置換された若しくは置換されていない炭素数6~14のアリール基;あるいは、置換された若しくは置換されていない炭素数7~18のアラルキル基;であり、
    Xは、S、SO、又はSOであり、
    Yは、O又はSであり、
    Zは、O、S、SO、又はSOである]で示される化合物、医薬的に許容される前記化合物の塩、及び前記化合物の水和物からなる群から選択される1種又は2種以上の化合物を有効成分として含有することを特徴とする腎機能障害の予防又は改善剤。
  10. 経口投与することを特徴とする請求項9に記載の予防又は改善剤。
  11. 化合物が、以下の式で示される化合物であることを特徴とする請求項9又は10に記載の予防又は改善剤。
    Figure 0007256540000115
    Figure 0007256540000116
    Figure 0007256540000117
    Figure 0007256540000118
    Figure 0007256540000119
    Figure 0007256540000120
    Figure 0007256540000121
    Figure 0007256540000122
    Figure 0007256540000123
    Figure 0007256540000124
    Figure 0007256540000125
    Figure 0007256540000126
    Figure 0007256540000127
    Figure 0007256540000128
    Figure 0007256540000129
    Figure 0007256540000130
    Figure 0007256540000131
    Figure 0007256540000132
    Figure 0007256540000133
    Figure 0007256540000134
  12. 腎機能障害が腎不全であることを特徴とする請求項9~11のいずれかに記載の予防又は改善剤。
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