JP7256344B2 - 薬剤注入器具 - Google Patents

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Description

本発明は、薬剤注入器具、特に、流動性薬剤を体内に注入する薬剤注入器具に関する。
最近、様々な目的で人体内に多様な流動性薬剤を注入することが多い。たとえば、女性の性器を洗浄するための洗浄液を性器内に投与したり、避妊のための避妊薬液、痔疾・性病などの治療のための薬液を投与したりするなど、その活用態様は非常に多岐にわたる。
人体の性器および肛門などの内側は粘膜が露出する部分であることから、外部の刺激に非常に敏感であるので、粘膜が損傷あるいは汚染しやすい。よって、上記のような様々な流動性薬剤を投与するためには、細心の注意を払う必要がある。
従来、上記のような流動性薬剤を手作業で直接投与する不便を改善するために、人体内に流動性薬剤を投与可能な薬剤注入器具が考案されている。このような薬剤注入器具としては、例えば、特許文献1に開示されているように、先端に薬剤吐出孔が形成されたプラスチックシリンダーを備えると共に当該シリンダー内に設けた押し込み棒(ピストン)を、シリンダー先端に向かって押し込む形式を採用しており、シリンダーの先端に設けられた薬剤吐出孔から、流動性薬剤を流出させるようにしたものである。
特開2014-004309号公報
上述のように、従来から知られている薬剤注入器具は、シリンダーの内部に流動性薬剤が貯留されるものであるため、例えば、市場での流通過程において、或いは、使用者が自宅等で保管している際に、内部に貯留される流動性薬剤が漏れ出てしまうことが懸念される。
本発明は、かかる問題を解決すべくなされたものであって、内部に貯留される流動性薬剤が外部に漏出することを効果的に防止することができる薬剤注入器具を提供することを目的とする。
本発明の上記目的は、体内に流動性薬剤を注入する薬剤注入器具であって、先端部側から体内に挿入される長尺状の挿入部と、前記挿入部の内部に形成され、流動性薬剤が貯留される貯留部と、前記挿入部の他方端部に形成され前記貯留部と連通する開口部と、前記開口部を介して前記貯留部内に挿入され、流動性薬剤を前記挿入部の先端部側に押し出すピストンとを備えており、前記挿入部は、前記貯留部を内部に備える長尺状の貯留容器と、前記貯留容器の先端部及び該先端部に連なる側面部領域を被覆する長尺状のアウター部材とを備えており、前記貯留容器の先端部には、前記貯留部内に貯留される流動性薬剤が流出可能な流出孔が形成されており、前記貯留容器と前記アウター部材との間には、前記流出孔から流出した流動性薬剤が前記挿入部の他方端部側に向けて流入可能な所定間隔の空隙部が形成され、前記貯留容器と前記アウター部材とは、前記挿入部の長手方向に沿って相対移動可能に構成されており、前記アウター部材は、前記空隙部と外部とを連通し、前記空隙部内を前記挿入部の他方端部側に向けて流動する流動性薬剤を外部に吐出する薬剤吐出孔と、薬剤漏出防止部とを備えており、前記貯留容器の先端部と前記アウター部材の先端部とが近接した第1状態において、前記薬剤漏出防止部が、前記貯留容器の先端部に設けられる流出孔を閉塞することを特徴とする薬剤注入器具により達成される。
この薬剤注入器具において、前記薬剤漏出防止部は、前記アウター部材の先端部内面に設けられるように構成することができる。
また、前記薬剤漏出防止部は、前記貯留容器の先端部側に向けて突出する突出端部を備えており、前記第1状態において、前記突出端部が、前記流出孔の開口内に挿入されることにより、前記流出孔が閉塞されるように構成してもよい。
また、前記貯留容器の外周面には、雄ネジ部が形成されており、前記アウター部材の内周面には、前記雄ネジ部に螺合する雌ネジ部が形成されており、前記貯留容器に対して前記アウター部材を回転させることにより、前記貯留容器と前記アウター部材とは、前記挿入部の長手方向に沿って相対移動するように構成してもよい。
また、前記挿入部の長手方向に沿った前記貯留容器と前記アウター部材との相対移動によって、前記薬剤漏出防止部による前記流出孔に対する閉塞が解除された第2状態において、前記貯留容器に対する前記アウター部材の相対移動を規制する規制手段を備えるように構成してもよい。
前記規制手段は、前記アウター部材に形成されたアウター係合部と、前記貯留容器の外表面に設けられる容器嵌合部とにより構成することができる。
本発明によれば、内部に貯留される流動性薬剤が外部に漏出することを効果的に防止することができる薬剤注入器具を提供することができる。
本発明に係る薬剤注入器具の概略斜視図である。 本発明に係る薬剤注入器具の長手軸に沿った断面を示す概略構成断面図である。 図2の矢視A方向から見た薬剤注入器具の側面図である。 本発明に係る薬剤注入器具の底面図である。 (a)(b)共に、本発明に係る薬剤注入器具の作用を説明するための要部拡大断面図である。 (a)は、本発明に係る薬剤注入器具が備える貯留容器の要部拡大側面図であり、(b)は、アウター部材の要部拡大断面図である。 本発明に係る薬剤注入器具の作用を説明するための要部拡大断面図である。
以下、本発明に係る薬剤注入器具について添付図面を参照して説明する。図1は、本発明に係る薬剤注入器具100の概略構成斜視図であり、図2は、薬剤注入器具100の長手軸に沿った断面を示す概略構成断面図である。図3は、図2の矢視A方向から見た側面図である。なお、各図は、構成の理解を容易ならしめるために部分的に拡大・縮小している。
本発明に係る薬剤注入器具100は、例えば、膣や肛門等の体腔内(体内)に流動性薬剤を注入するための器具である。流動性薬剤としては、多種多様な薬剤を用いることができるが、例えば、洗浄剤、避妊剤、麻酔剤、浣腸剤、解熱剤、潤滑剤等を挙げることができる。また、流動性薬剤の形態としては、ローション状、ジェル状、ゼリー状等種々の形態を採用することができる。
この薬剤注入器具100は、図1や図2に示すように、挿入部1と、ピストン2とを備えるシリンジタイプの注入器具として構成されている。挿入部1は、その先端部側1aから人体の膣や肛門といった体腔内(体内)に挿入されるものであり、体内への挿入方向に沿って伸びる長尺状に形成されている。この挿入部1は、貯留容器3と、アウター部材4とを備える二重構造を有している。ここで、挿入部1を構成する貯留容器3及びアウター部材4、並びに、ピストン2は、プラスチック樹脂原料から形成されることが好ましい。
貯留容器3は、流動性薬剤が貯留される貯留部5を内部に有する長尺状の容器であり、断面視円形の筒状の長尺な胴部6と、指掛け部7とを備えている。当該貯留容器3(胴部6)の先端部には、貯留部5内に貯留される流動性薬剤が流出可能な流出孔8が形成されている。また、貯留容器3は、内部に形成される貯留部5と連通する開口部9を基端部側(指掛け部7が設けられる側)に備えている。なお、貯留容器3の基端部側とは、体内に挿入される挿入部1(貯留容器3)の先端部側1aとは反対側の端部側を意味し、開口部9は、挿入部1の他方端部1bに形成されている。この貯留容器3には、開口部9を介して貯留部5内に挿入されるピストン2が接続される。このピストン2を挿入部1の他方端側1bから先端部側1aに押し込むことにより、貯留部5に貯留されている流動性薬剤を流出孔8側(挿入部1の先端部側1a)に押し出すことが可能となる。
また、貯留容器3が有する指掛け部7は、貯留容器3の基端部側において、先端部側から基端部側に向かうに従い、拡径するテーパ状に形成されている。なお、このテーパ状の指掛け部7は、貯留容器3(挿入部1)の長手方向に対して垂直な断面形状が楕円形となるように形成されている。また、テーパ部の端面(貯留容器3の基端部端面)には、凹部10が形成されており、当該凹部10にピストン2の後端部11が収納できるように構成されている。凹部10の深さは、ピストン2の後端部11が完全に収納できる程度の深さに形成することが好ましい。また、この凹部10の開口縁の形状は、図4の底面図に示すように、楕円形を有している。
また、アウター部材4は、長尺状の貯留容器3の先端部及び該先端部に連なる側面部領域を被覆する長尺状の筒状部材である。このアウター部材4の長さとしては、例えば、本薬剤注入器具100を膣内の洗浄用として構成する場合には、50mm~100mmの範囲に設定することが好ましい。アウター部材4の先端部は、体内への挿入時に使用者に痛みを感じさせないように、滑らかな曲面を有するドーム状に形成されている。なお、ドーム状のアウター部材4の先端部により、筒状部材の一方端は閉塞されている。貯留容器3の外周面とアウター部材4の内周面との間には、流出孔8から流出した流動性薬剤が流入可能な所定間隔の空隙部12が形成されている。この空隙部12は、貯留容器3の先端部に形成された流出孔8を介して貯留部5から押し出された流動性薬剤が導かれる薬剤流路部を構成する。この空隙部12(薬剤流路部)は、挿入部1の内部において、該挿入部1の長手方向に沿って、貯留容器3の周面の一部分を囲繞するようにして形成されている。本実施形態においては、図2にてSで示す領域、つまり、挿入部1の長手方向にみて、当該挿入部1の先端部から中央部分までの領域に空隙部12が形成されるように構成されている。より具体的には、例えば、本薬剤注入器具100を膣内の洗浄用として構成する場合には、挿入部1の長手方向に沿って、その先端部からの寸法が、30mm~60mm程度の範囲までの領域に空隙部12(薬剤流路部)を形成することが好ましい。
また、アウター部材4は、空隙部12(薬剤流路部)と外部とを連通する薬剤吐出孔13を複数備えている。つまり、挿入部1の側面部が、薬剤流路部に連通する複数の薬剤吐出孔13を備えるように構成されている。このような薬剤吐出孔13を備えることにより、ピストン2の押し込み動作に伴って、貯留部5に貯留されている流動性薬剤が、流出孔8、空隙部12(薬剤流路部)、薬剤吐出孔13を介して、挿入部1の外側に導かれることとなる。なお、薬剤吐出孔13が配置される範囲は、挿入部1の長手方向にみて、当該アウター部材4の先端部から中央部分までの領域に設定することが好ましい。より具体的には、例えば、本薬剤注入器具100を膣内の洗浄用として構成する場合には、挿入部1の長手方向に沿って、アウター部材4の先端部からの寸法が、30mm~60mm程度の範囲までの領域に複数の薬剤吐出孔13を形成することが好ましい。
各薬剤吐出孔13は、前記挿入部1の長手方向に沿って、所定間隔あけて配置されている。このように、挿入部1の側面部に薬剤吐出孔13を複数設けることにより、膣や肛門といった体腔の内側の広い範囲に薬剤を迅速に塗布することが可能となる。また、体内への流動性薬剤の注入を完了し、挿入部1を体内から抜き出す際に、この抜き出される挿入部1の表面によって、体内に吐出された流動性薬剤をぬり拡げることが可能となり、膣や肛門といった体腔の内側のより広い範囲に薬剤を迅速に塗布することが可能となる。また、抜き出される挿入部1の表面は、流動性薬剤が付着して湿潤な状態となるため、挿入部1を体内から抜き出す際の使用者に与える痛みを緩和させることができる。
また、本実施形態においては、複数の薬剤吐出孔13は、挿入部1の表面において想定される該挿入部1の長手方向に沿う第1仮想ライン上に所定間隔をあけて配置される複数の薬剤吐出孔13からなる第1吐出孔群14と、第1仮想ラインとは異なり、挿入部1の表面において想定される挿入部1の長手方向に沿う第2仮想ライン上に所定間隔をあけて配置される複数の薬剤吐出孔13からなる第2吐出孔群15とを備えるように構成されている。このような薬剤吐出孔13の位置関係を構成することにより、膣や肛門といった体腔の内側の広い範囲に効果的にかつ迅速に薬剤を塗布することが可能となる。
また、第1吐出孔群14における各薬剤吐出孔13と、第2吐出孔群15における各薬剤吐出孔13とは、貯留部5を挟んだ両側にそれぞれ形成されることが好ましい。ここで、本実施形態においては、空隙部12(薬剤流路部)は、貯留部5の周囲を囲繞して設けられるものであることから、第1吐出孔群14における各薬剤吐出孔13と、第2吐出孔群15における各薬剤吐出孔13とは、空隙部12(薬剤流路部)を挟んだ両側にそれぞれ形成されることになる。このような構成を採用することにより、より一層広い範囲で薬剤を膣や肛門といった体腔の内側に塗布することが可能となる。
また、図2に示すように、第1吐出孔群14における各薬剤吐出孔13と、第2吐出孔群15における各薬剤吐出孔13とは、挿入部1の長手方向に沿って互い違いの位置関係となるように配置されていることが好ましい。このような構成も、膣や肛門といった体腔の内側のより一層広い範囲での薬剤の塗布に寄与する。
また、本実施形態においては、各薬剤吐出孔13の孔径が同一寸法となるように構成しているが、例えば、空隙部12(薬剤流路部)を流通する流動性薬剤の流下方向に向かうに従い、各薬剤吐出孔13の孔径が段階的に大きくなるように構成してもよい。このような構成を採用する場合、本実施形態においては、挿入部1の先端部側から他方端側に向かって流動性薬剤が空隙部12(薬剤流路部)を流下しつつ、各薬剤吐出孔13から吐出される構成であるため、薬剤吐出孔13a、薬剤吐出孔13b、薬剤吐出孔13c、薬剤吐出孔13dの順に、その孔径が徐々に大きくなるように構成する。全ての薬剤吐出孔13の孔径を同一に構成した場合、圧力損失の影響により、空隙部12(薬剤流路部)の下流側に配置される薬剤吐出孔13dから流動性薬剤が吐出されにくくなるおそれがあるが、上述のように、空隙部12(薬剤流路部)を流通する流動性薬剤の流下方向に向かうに従い、各薬剤吐出孔13の孔径が段階的に大きくなるように構成することにより、各薬剤吐出孔13から吐出される流動性薬剤の量を均等に維持させることが可能となり、膣や肛門といった体腔の内側の広い範囲に亘って、流動性薬剤を均等に塗布することが可能となる。
ここで、貯留容器3とアウター部材4とは、図5の要部拡大断面図に示すように、挿入部1の長手方向に沿って相対移動可能に構成されており、貯留容器3の先端部とアウター部材4の先端部とが近接した第1状態から、貯留容器3の先端部とアウター部材4の先端部とが互いに離間した第2状態に移行できるように構成されている。図5(a)は第1状態を示しており、図5(b)は第2状態を示している。なお、上述の図2は、第1状態を示している。また、アウター部材4は、貯留容器3の先端部とアウター部材4の先端部とが近接した第1状態において、貯留容器3の先端部に設けられる流出孔8を閉塞する薬剤漏出防止部16を備えるように構成されている。この薬剤漏出防止部16は、上記第2状態、すなわち、貯留容器3の先端部とアウター部材4の先端部とが互いに所定間隔離間した状態において、貯留容器3の先端部に設けられる流出孔8に対する閉塞状態を解除するように構成されている。この流出孔8に対する閉塞状態の解除により、貯留部5と空隙部12(薬剤流路部)とは、流出孔8を介して連通する状態となる。
薬剤漏出防止部16は、アウター部材4の先端部内面に設けられている。本実施形態においては、薬剤漏出防止部16は、貯留容器3の先端部側に向けて突出する突出端部17を備えており、上記第1状態において、突出端部17が、流出孔8の開口内に挿入されることにより、流出孔8が閉塞されるように構成されている。突出端部17の外周面は、流出孔8の内周面に摺接するように構成されている。通常、流出孔8の開口縁は、円形状に形成されるので、突出端部17は、その外周面が流出孔8の開口縁に密接する断面視円形の中実棒状体、或いは、筒状体として構成することが好ましい。本実施形態においては、筒状体として突出端部17を形成し、ピストン2の先端部を内側に収容可能に構成されている。
このような薬剤漏出防止部16を設けることにより、例えば、薬剤注入器具100を市場に流通させる段階において貯留容器3とアウター部材4との位置関係を第1状態とすることで、流通過程において、貯留部5内の流動性薬剤が挿入部1の外に漏れ出ることを効果的に防止することができる。一方、薬剤注入器具100が使用者の手に渡り、当該使用者が実際に使用する段階で、使用者の操作によって、貯留容器3とアウター部材4との位置関係を第2状態に変位させることができ、これにより、使用者は、薬剤注入器具100が未使用なものであり、また、流動性薬剤が外気に接触していない清浄なものであると認識することができ、使用に際しての安心感を得ることが可能となる。
また、挿入部1の長手方向に沿って、貯留容器3とアウター部材4との相対移動を可能にする具体的構造としては、例えば、図6(a)の貯留容器3の要部拡大側面図、及び、図6(b)のアウター部材4の要部拡大断面図に示すように、貯留容器3の外周面に雄ネジ部18を形成すると共に、アウター部材4の内周面に当該雄ネジ部18に螺合する雌ネジ部19を形成することにより可能となる。なお、図6(a)(b)は、図2においてTで示す領域部分に対応する。このような構造により、貯留容器3に対してアウター部材4を、例えば、180度回転させることにより、貯留容器3とアウター部材4とは、挿入部1の長手方向に沿って相対移動し、上述の第1状態、及び、第2状態となるように、貯留容器3とアウター部材4との位置関係を変更することが可能となる。
また、本実施形態においては、挿入部1の長手方向に沿った貯留容器3とアウター部材4との相対移動によって、薬剤漏出防止部16による流出孔8に対する閉塞が解除された第2状態において、貯留容器3に対するアウター部材4の相対移動を規制する規制手段20を備えるように構成されている。このような規制手段20を備えることにより、アウター部材4が貯留容器3から離脱することを効果的に防止することができる。また、貯留容器3とアウター部材4との位置関係を、使用可能状態である第2状態から第1状態(使用不可能な状態)に戻ることを効果的に防止することも可能となり、使用者が、誤って使用済みの薬剤注入器具100を再使用・再利用してしまうことを効果的に防止することができる。
この規制手段20としては、種々の構成を採用することができるが、例えば、アウター部材4に形成されたアウター係合部と、貯留容器3の外表面に設けられる容器嵌合部とを備えるように構成されている。より具体的には、本実施形態においては、アウター係合部は、アウター部材4に形成された貫通孔として構成されており、容器嵌合部は、貯留容器3の外表面から突出する突起体として構成されている。貯留容器3とアウター部材4との位置関係が第1状態にあるときは、突起体として構成される容器嵌合部は、アウター部材4の内周面に当接した状態であるが、第2状態となった際に、突起状の容器嵌合部が、アウター部材4の形成される貫通孔としてのアウター係合部に嵌合し、アウター部材4の貯留容器3に対する回転(相対移動)が規制される。なお、アウター部材4や貯留容器3は、比較的硬質なプラスチック材料によって形成されているが、両者とも筒状体として構成されることから、僅かに弾性変形するものであるため、第1状態から第2状態に推移するまでの間、上記突起体として構成される容器嵌合部が、アウター部材4の貯留容器3に対する回転の妨げにはならない。また、貯留容器3の表面に凹所を形成すると共に、この凹所の縁に連接される板バネ構造体を備えると共に、この板バネ構造体に突起体を形成することにより、アウター部材4の内周面に突起体が接する状態(第1状態)において当該突起体が凹所内に収容されるような構造として規制手段20を構成してもよい。
なお、上記例においては、アウター係合部を、アウター部材4の形成された貫通孔として構成しているが、必ずしも貫通する必要はなく、アウター係合部を、アウター部材4の内周面に形成される窪み部として構成してもよい。また、上記実施形態においては、アウター係合部を、アウター部材4の形成された貫通孔として構成し、容器嵌合部を、貯留容器3の外表面から突出する突起体として構成しているが、このような構成に特に限定されず、例えば、アウター係合部を、アウター部材4の内周面から突出する突起体として構成し、容器嵌合部を、貯留容器3の外表面に形成される窪み部として構成し、突起体であるアウター係合部を、窪み部である容器嵌合部に嵌り込ませることにより、第2状態に移行した際に、貯留容器3に対するアウター部材4の相対移動を規制するように構成してもよい。
また、本実施形態においては、ピストン2の後端部11は、挿入部1の他方端部に形成される凹部10内(貯留容器3の基端部端面に形成される凹部10内)に不可逆的に収納可能に形成されている。このような構成により、図7の要部拡大断面図に示すように、ピストン2の後端部11が凹部10内に収納され、薬剤注入器具100に貯留される流動性薬剤の吐出を完了した後は、ピストン2を抜き出すことを困難な状態とすることができる。これにより、薬剤注入器具100の再使用や再利用を効果的に防止することが可能となる。また、ピストン2の戻り(押出方向とは逆向きの移動)を防止することができるため、ピストン2の戻りによって貯留部5内が負圧になり体内に注入された流動性薬剤が、薬剤吐出孔13を介して挿入部1内部に逆流することを効果的に防止することが可能となる。
ここで、ピストン2の後端部11が、挿入部1の他方端部側1bに形成される凹部10内に不可逆的に収納する具体的構成については、例えば、図7の要部拡大断面図に示すように、凹部10が、その内周面から凹部10内側に向けて突出する係合突起21を備えるように構成し、かつ、ピストン2の後端部11が、当該係合突起21と嵌合するピストン嵌合部22を備える構成を挙げることができる。本実施形態においては、係合突起21を、凹部10の開口縁近傍の内周面から凹部10内側に向けて隆起するドーム状に形成している。また、ピストン嵌合部22は、ピストン2の後端部11の周縁に形成されており、後端部11の外方に突出する爪部23を備えている。この爪部23は、ピストン2の後端部11の周縁全周に亘って形成されている。なお、ピストン2の後端部11が凹部10内に進入していく際、ピストン2の後端部11に形成されるピストン嵌合部22が、凹部10の開口縁26を僅かに拡径させる方向に指掛け部7を変形させながら、係合突起21を乗り越える。ピストン嵌合部22が係合突起21を乗り越えた後は、僅かに拡径変形した凹部10の開口縁26が弾性復元して元の形状に戻るため、ピストン嵌合部22は、係合突起21を逆向きに乗り越えることができなくなる。
このようにピストン嵌合部22と係合突起21との嵌合によって、ピストン2の後端部11が、挿入部1の他方端部に形成される凹部10内に不可逆的に収納するように構成することにより、上述の薬剤注入器具100の再使用防止や流動性薬剤の逆流防止の効果に加えて、使用者に、ピストン2の押し込み量の最終位置を明確に知らせることが可能になる。具体的に説明すると、ピストン嵌合部22と係合突起21との嵌合時に音が発生することにより、この音を頼りに、ピストン2の押し込み量に関し、これ以上は押し込まなくていいことを知らせることができる。また、ピストン嵌合部22と係合突起21との嵌合時の振動が直接的に手指に伝わるため、仮に、上記音が聞こえなかったとしても、この手指の振動を介して、ピストン2の押し込み量の最終位置を知らせることが可能になる。
また、上記ピストン嵌合部22は、図7に示すように、該ピストン嵌合部22に嵌合する係合突起21に対する案内を行う傾斜面24を備えるように構成することが好ましい。この傾斜面24は、ピストン嵌合部22の先端爪部23よりもピストン2の先端側に形成されている。このような傾斜面24を備えることにより、スムーズにピストン2の後端部11を凹部10内に進入させることが可能となる。
また、ピストン2の後端部11の後端面25と、凹部10の開口縁26とは面一となるようしてピストン2の後端部11が凹部10に収納可能に構成されることが好ましい。このような構成を採用することにより、使用者に、ピストン2の押し込み量の最終位置をより一層明確に知らせることが可能になる。つまり、ピストン2の後端部11を押圧して流動性薬剤の注入を進めていく際に、凹部10の開口縁26とピストン2の後端部11とが面一になった状態を手指の腹側の感覚で認知させることができ、使用者にこれ以上ピストン2を押圧する必要が無いことを知らせることが可能となる。また、ピストン2の後端部11の後端面25と凹部10の開口縁26とが面一となるようにして、ピストン2の後端部11が凹部10に収納できるように構成することにより、何らかの外力がピストン2の後端部11に作用し、ピストン2の後端部11と凹部10との嵌合状態が解除されることを効果的に防止することができ、薬剤注入器具100の再使用や再利用を効果的に抑制することができる。
また、上記係合突起21の設置位置は、図4の底面図を参照して、楕円形の凹部10の短軸に対応する位置とすることが好ましい。また、ピストン嵌合部22と係合突起21との嵌合構造の組み合わせ個数は特に限定されず、一組の組み合わせを備えるように構成してもよく、或いは、2組以上の組み合わせを備えるように構成してもよい。
また、上記実施形態においては、凹部10の開口縁26の形状は、図4の底面図に示すように、楕円形を有するように構成しているが、このような構成に特に限定されず、円形となるように構成してもよい。また、ピストン2の後端部11の輪郭についても、上記実施形態においては、図4に示すように、円形となるように構成しているが、このような構成に特に限定されず、凹部10の開口縁26の形状と同様な楕円形に形成してもよい。
また、上記実施形態においては、貯留容器3及びアウター部材4共に、それらの長手方向に亘って、断面視円形の筒状部分を備えるように構成されているが、このような構成に特に限定されず、例えば、長手方向に亘って、断面視楕円形の筒状部分を備えるように構成してもよい。
100 薬剤注入器具
1 挿入部
2 ピストン
3 貯留容器
4 アウター部材
5 貯留部
6 胴部
7 指掛け部
8 流出孔
9 開口部
10 凹部
11 ピストンの後端部
12 空隙部(薬剤流路部)
13 薬剤吐出孔
14 第1吐出孔群
15 第2吐出孔群
16 薬剤漏出防止部
17 突出端部
18 貯留容器の外周面に形成される雄ネジ部
19 アウター部材の内周面に形成される雌ネジ部
20 規制手段
21 係合突起
22 ピストン嵌合部
23 爪部
24 傾斜面
25 ピストン後端部の後端面
26 凹部の開口縁

Claims (6)

  1. 体内に流動性薬剤を注入する薬剤注入器具であって、
    先端部側から体内に挿入される長尺状の挿入部と、
    前記挿入部の内部に形成され、流動性薬剤が貯留される貯留部と、
    前記挿入部の他方端部に形成され前記貯留部と連通する開口部と、
    前記開口部を介して前記貯留部内に挿入され、流動性薬剤を前記挿入部の先端部側に押し出すピストンとを備えており、
    前記挿入部は、前記貯留部を内部に備える長尺状の貯留容器と、前記貯留容器の先端部及び該先端部に連なる側面部領域を被覆する長尺状のアウター部材とを備えており、
    前記貯留容器の先端部には、前記貯留部内に貯留される流動性薬剤が流出可能な流出孔が形成されており、
    前記貯留容器と前記アウター部材との間には、前記流出孔から流出した流動性薬剤が前記挿入部の他方端部側に向けて流入可能な所定間隔の空隙部が形成され、前記貯留容器と前記アウター部材とは、前記挿入部の長手方向に沿って相対移動可能に構成されており、
    前記アウター部材は、前記空隙部と外部とを連通し、前記空隙部内を前記挿入部の他方端部側に向けて流動する流動性薬剤を外部に吐出する薬剤吐出孔と、薬剤漏出防止部とを備えており、
    前記貯留容器の先端部と前記アウター部材の先端部とが近接した第1状態において、前記薬剤漏出防止部が、前記貯留容器の先端部に設けられる流出孔を閉塞することを特徴とする薬剤注入器具。
  2. 前記薬剤漏出防止部は、前記アウター部材の先端部内面に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の薬剤注入器具。
  3. 前記薬剤漏出防止部は、前記貯留容器の先端部側に向けて突出する突出端部を備えており、
    前記第1状態において、前記突出端部が、前記流出孔の開口内に挿入されることにより、前記流出孔が閉塞されることを特徴とする請求項1又は2に記載の薬剤注入器具。
  4. 前記貯留容器の外周面には、雄ネジ部が形成されており、前記アウター部材の内周面には、前記雄ネジ部に螺合する雌ネジ部が形成されており、前記貯留容器に対して前記アウター部材を回転させることにより、前記貯留容器と前記アウター部材とは、前記挿入部の長手方向に沿って相対移動することを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の薬剤注入器具。
  5. 前記挿入部の長手方向に沿った前記貯留容器と前記アウター部材との相対移動によって、前記薬剤漏出防止部による前記流出孔に対する閉塞が解除された第2状態において、前記貯留容器に対する前記アウター部材の相対移動を規制する規制手段を備えることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の薬剤注入器具。
  6. 前記規制手段は、前記アウター部材に形成されたアウター係合部と、前記貯留容器の外表面に設けられる容器嵌合部とにより構成されることを特徴とする請求項5に記載の薬剤注入器具。
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