JP7255661B2 - 吸収体および吸収体を備えた吸収性物品ならびに吸収性物品の製造方法 - Google Patents
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Description
記吸収体に前記インジケータが付設される領域であって前記成形工程で前記吸収体に前記凹部が成形される領域の所定領域に含有水分率が10%以下の前記高吸水性樹脂を用いる
[1.構成]
[1-1.基本構成]
まず、図1および図2を参照して、紙おむつ1の基本的な構成を説明する。
ここでは、幅方向の中心線Cを基準として対称に紙おむつ1が形成されている。この紙おむつ1は、長手方向に沿って前身頃1A、股下部1Bおよび後身頃1Cの三つの領域に大別される。
はじめに、紙おむつ1のシート類について述べる。
図1に示すように、紙おむつ1には、前身頃1A、股下部1Bおよび後身頃1Cに亘って長手方向に延びる吸収体10(太破線で示す)が内蔵されている。
ここでは、前身頃1Aおよび後身頃1Cよりも股下部1Bのほうが幅方向寸法の小さい砂時計形状の吸収体10を例示する。ただし、吸収体10の平面視形状は、上記したような砂時計形状に限らず、平面視で矩形(すなわち幅方向寸法が一定)であってもよいし、それぞれ円形の前身頃1Aおよび後身頃1Cを結ぶダンベル形状であってもよい。
この吸収体10では、粉砕あるいは解繊されたパルプ(いわゆる「フラッフパルプ」)に高吸水性樹脂(いわゆる「SAP〈Superabsorbent polymer〉」,「高吸水性高分子」あるいは「高吸水性ポリマー」とも称される)が混合されたコアがラップシートで被包(ラップ)されている。
吸収体10に対して、肌面側にはセンターシート11が積層され、非肌面側にはバックシート12が積層されている。これらのシート11,12の幅方向側方にはサイドシート13が配置されている。
バックシート12の非肌面側には、カバーシート14が積層される。ここでは、バックシート12の幅方向側部において、サイドシート13を介してカバーシート14が重ねられる。
また、センターシート11は、紙おむつ1において最も肌面側に配置される(このことから「トップシート」とも称される)。このセンターシート11は、吸収体10よりも幅方向寸法が大きく、肌面側から吸収体10を被覆する。
また、サイドシート13の一部は、紙おむつ1において最も肌面側に配置される(このことからセンターシート11と同様に「トップシート」とも称される)。このように着用者に対して接触しうるサイドシート13としては、SMS(Spunbound Meltblown Spunbound)不織布やSMMS(Spunbound Meltblown Meltblown Spunbound)不織布のようにメルトブローン層を含ませることにより、柔軟性を高めたスパンボンド不織布を用いることが好ましい。あるいは、スパンボンド不織布をなす繊維の繊度や目付量が抑えられること
により、柔軟性を向上させたスパンボンド不織布を用いることが好ましい。
また、「目付量」とは、シートの厚みあるいは積層度合いに対応するパラメータであり、単位面積あたりの重量で表される。たとえば、一平米あたりのグラム数が「目付量」として用いられる。
第一カバーシート141は、バックシート12を介して吸収体10を非肌面側から被覆する(このことから「パッドカバーシート」とも称される)。
そのほか、上述したバックシート12およびカバーシート14には、シート12,14に対して肌面側のものが透視可能な程度の半透明性材料が用いられている。
つぎに、図1および図2を参照して、紙おむつ1のギャザー15について述べる。
ギャザー15は、ゴムやポリウレタン,伸縮フィルムといった伸縮性をもつ部材(伸縮性部材)によって伸縮性をもたせたシート複合体から構成される。ここでは、伸縮性部材として糸状のゴム部材(以下「糸ゴム」と略称する)20を例示する。
立体ギャザー16は、サイドシート13のシート部13a,13b(図2参照)に対して第一糸ゴム21が伸張状態で一体化されたものである。また、タミーギャザー17では、第二カバーシート142および第三カバーシート143に対して第二糸ゴム22が伸張状態で一体化されたものである。
詳細に言えば、図2に示すように、立体ギャザー16では、サイドシート13の肌面側における幅方向内側の端縁部に位置するシート部13a,13bが折り曲げられて重ねられる。これらのシート部13a,13bによって、長手方向に延在する第一糸ゴム21が囲まれている。
このようにサイドシート13のシート部13a,13bが折り曲げられて重ねられた箇所に第一糸ゴム21が内蔵されることで、肌面側に立設されるとともに伸縮性をもつ立体ギャザー16が形成される。
なお、図1および図2には、二本の第一糸ゴム21が設けられた立体ギャザー16を例示する。ただし、立体ギャザー16における第一糸ゴム21の本数は、一本であってもよいし、三本以上であってもよい。
このようにカバーシート142,143の間に第二糸ゴム22が内蔵されることで、臀部や下腹部まわりに沿う伸縮性をもつタミーギャザー17が形成される。
そのほか、上述したギャザー16,17に加えてまたは替えて、着用者の脚部の付け根に対する追従を高めるためのレッグギャザーを設けてもよい。
さらに、紙おむつ1には、排尿(排泄)の有無を外部に示すインジケータ19(このことから「お知らせサイン」とも称される)が設けられている。
インジケータ19は、紙おむつ1の外部から視認可能(外観可能)に吸収体10に対して付設されている。また、インジケータ19は、濡れると変色する層状の部位である。ここでは、吸収体10とバックシート12との間にインジケータ19が介装されている。
バックシート12およびカバーシート14が上述したような半透明性をもつことから、排泄水分によってインジケータ19が変色すると、変色したインジケータ19を紙おむつ1の外部から視認可能であり、外部から排泄の有無を認識することができる。
なお、図1には、幅方向中央で長手方向に延びる二本のインジケータ19を例示する。ただし、インジケータ19の本数は、一本であってもよいし三本以上であってもよい。また、インジケータ19の延在方向は、長手方向に限られない。
上記したインジケータ19が吸収体10の非肌面側に付設された後に、つぎに説明する圧搾部40が吸収体10に成形される。
つぎに、図1~図3を参照して、紙おむつ1の詳細な構成を述べる。
〈圧搾部〉
まず、長手方向および幅方向の双方に交差して圧搾された溝状の圧搾部40(凹部,圧搾溝)を説明する。具体的には、少なくとも吸収体10において、長手方向および幅方向の双方に交差する領域が圧搾されて形成された溝状の圧搾部40を述べる。
ここでの圧搾部40には、長手方向に対して、幅方向一方に傾斜して交差する複数の第一傾斜部41(図1には一箇所だけ符号を付す)と、幅方向他方に傾斜して交差する複数の第二傾斜部42(図1には一箇所だけ符号を付す)とが設けられている。すなわち、これらの傾斜部41,42は、平面視で格子形状(格子状,グリッドパターン)をなす。
このようにインジケータ19および圧搾部40が対向して配置される箇所では、吸収体10の一部が圧縮されて圧搾部40が成形されると、吸収体10においてインジケータ19および圧搾部40に対応する所定領域の含有水分率によっては、水分が圧搾されるおそれがある。吸収体10を圧縮せずに圧搾部40と同形状の部位を成形したとしても、この部位で折れ曲がりやすいことから、この折り曲げによって圧縮された箇所の含有水分率によっては、含有水分が圧搾されるおそれがある。そして、上記した圧搾水分が滲み出し、インジケータ19を濡らして変色させうる。
そこで、本実施形態の紙おむつ1では、圧搾部40が成形される前の吸収体10のうち、図3に示す所定領域RPにおいて高吸水性樹脂10bに含有される水分量が調整されて
いる。すなわち、吸収体10に圧搾部40が成形される前の半製品(中間体)のうち、少なくとも所定領域RPにおいて高吸水性樹脂10bの含有水分率が調整されている。
なお、図3には、後に成形される圧搾部40を仮想線(二点鎖線)で示し、バックシート12の非肌面側に積層される三つのカバーシート141,142,143を一つのカバーシートにまとめて示し、図中の左右方向に区分された各領域RP,R0を例示する。
9に対応する領域である。詳細に言えば、所定領域RPは、吸収体10において圧搾部4
0が成形される領域とインジケータ19が積層される領域とが平面視で重複する領域を少なくとも含んでおり、この重複領域に加えてその周辺領域を含んでもよい。ここでは、吸収体10のうち圧搾部40が成形される領域を所定領域RPとして例示する。
この含有水分率は、所定領域RPの圧縮による水分の滲み出しを確実に抑える観点から、
好ましくは9.0%以下とされ、更に好ましくは8.5%以下とされる。
このように設定される含有水分率(10%以下)は、圧搾部40の成形時に所定領域RPからの含有水分の滲み出しが抑えられる水分量として実験的または経験的に予め設定さ
れる。なお、吸水性を高める観点から、所定領域RPにおける高吸水性樹脂10bの含有
水分率の下限を設定してもよい。
るとともに高吸水性樹脂10bに含有される水分の重量を「WW」とした場合に次式「WW/(WSAP+WW)」で示される百分率「u[%](=WW/〈WSAP+WW〉)」を含有水
分率としている。
(以下「他の領域」という)R0とのそれぞれで高吸水性樹脂10bの含有水分率が加減
されている。具体的には、他の領域R0の含有水分率よりも所定領域RPの含有水分率のほうが抑えられている。たとえば、含有水分率の抑えられた高吸水性樹脂10bが所定領域RPに用いられ、このような水分量の抑制処理を必要としない高吸水性樹脂10bが他の
領域R0に用いられる。
とにより、圧搾部40が成形された後の吸収体10においても、所定領域RPに対応する
領域(以下、この領域についても単に「所定領域RP」という)に含まれる高吸水性樹脂
10bの含有水分率が10%以下に調整された紙おむつ1が製造される。
れている。この吸収体10では、所定領域RPの吸水性が他の領域ROの吸水性よりも抑えられている。すなわち、所定領域RPのほうが他の領域ROよりも吸水性が低い。ここでは、他の領域ROにおける高吸水性樹脂10bの含有度合いよりも、所定領域RPにおける高吸水性樹脂10bの含有度合いが抑えられている。たとえば、所定領域RPにおける高吸
水性樹脂10bの密度を他の領域R0における高吸水性樹脂10bの密度よりも低くして
、所定領域RPの吸水性が抑制される。
つぎに、図4のフローチャートを参照して、紙おむつ1の製造方法を説明する。
紙おむつ1の製造では、各部材の形成,積層,被包,貼合,成形,プレス(圧縮),切断といったさまざまな工程が実施されるが、ここでは、インジケータ19の付設された吸収体10に圧搾部40を成形する手順に着目して説明する。
形成工程では、含有水分率の上昇を抑えた高吸水性樹脂10bを用いる抑制工程(ステップS12)が実施される。この抑制工程では、高吸水性樹脂10bの含有水分率を低下
させる除湿工程(ステップS14),低湿度雰囲気下で高吸水性樹脂10bを保存する保存工程(ステップS16)が実施される。
また、成形工程では、吸収体10をプレスして圧搾部40を成形するプレス工程(ステップS32)が実施される。
はじめに、ステップS10の形成工程では、供給されるパルプ10aや高吸水性樹脂10bを積層して吸収体10を形成する。この形成工程では、含有水分率が抑えられた高吸水性樹脂10bが用いられる。具体的に言えば、形成工程では、含有水分率が10%以下の高吸水性樹脂10bが供給されてパルプ10aとともに積層される。
抑制工程では、高吸水性樹脂10bの含有水分率が上昇するのを抑える。
具体的には、ステップS14の除湿工程において、たとえば加熱して高吸水性樹脂10bを除湿して含有水分率を低下させる。
このようにして含有水分率の上昇が抑制された高吸水性樹脂10bは、吸収体10を積層して形成するために供給される。
ここでは、抑制工程で含有水分率の上昇が抑えられていない高吸水性樹脂10bが他の領域R0に供給され、抑制工程で含有水分率の上昇が抑えられた高吸水性樹脂10bが所定領域RPに供給される。すなわち、他の領域R0よりも所定領域RPに含有水分率が抑えられた高吸水性樹脂10bが供給されて吸収体10が形成される工程(第一形成工程)が実施される。
さらに、所定領域RPのほうが他の領域R0よりも少ない高吸水性樹脂10bが供給される。すなわち、他の領域R0よりも所定領域RPに含有される高吸水性樹脂10bの度合いが小さくなるように、領域RP,R0ごとに高吸水性樹脂10bが供給されて吸収体10が形成される工程(第二形成工程)が実施される。
なお、肌面側にインジケータ19の設けられたバックシート12に対して、パルプ10aや高吸水性樹脂10bを積層して吸収体10を形成してもよい。すなわち、吸収体10を形成してからバックシート12およびインジケータ19を追加する手順に限らず、バックシート12にインジケータ19を設けてから吸収体10を形成してもよい。何れにしても、圧搾部40の成形前にインジケータ19が吸収体10に付設されていればよい。
上述したように紙おむつ1が構成されるため、下記のような作用および効果を得ることができる。
以下、圧搾部40に関する作用および効果を述べてから、吸収体10に関する作用および効果を述べる。その後に、紙おむつ1の製造方法に関する作用および効果を述べる。
(1)圧搾部40の延在箇所において、吸収体10やこれに加えてセンターシート11、延いては紙おむつ1が折り曲がりやすくなり、着用者に対する紙おむつ1のフィット性を高めることができる。
また、吸収体10およびセンターシート11のうち溝状の圧搾部40が成形された部分を着用者の肌面に対して非接触とすることができる。そのため、装着状態における通気性を高め、紙おむつ1内部の蒸れを抑えることができる。さらに、着用者の肌面に対してセンターシート11の一部を圧搾部40によって非接触とすることで、肌触り(触感)を高めることもできる。
また、傾斜部41,42によって圧搾部40が二方向に沿うことから、紙おむつ1内部で二方向に通気させることで装着状態における通気性を更に高め、紙おむつ1内部の蒸れを確実に抑えることができる。
つぎに、吸収体10に関する作用および効果を述べる。
〈含有水分率〉
まず、吸収体10における含有水分率調整による作用および効果を述べる。
(2)さらに、吸収体10においては、他の領域R0の含有水分率よりも所定領域RPの含有水分率のほうが抑えられることから、所定領域RPからの水分の滲み出しを抑えたうえで、他の領域R0での吸水性を高めることができる。
つぎに、吸収体10における所定領域RPの吸水性調整による作用および効果を述べる。
(1)吸収体10においては、インジケータ19と対応する所定領域RPの吸水性が他の領域ROの吸水性よりも抑えられることから、所定領域RPの含有水分によるインジケータ19の変色を抑えることができる。言い換えれば、着用者の排泄水分だけにインジケータ19を感応させることができる。よって、インジケータ19の機能を保全することができる。延いては、着用者による排泄の有無を外部から適切に認識させることができる。
つぎに、紙おむつ1の製造方法において、吸収体10の形成に含有水分率の抑えられた高吸水性樹脂10bを用いることによる作用および効果を述べる。
(1)紙おむつ1の製造方法においては、含有水分率が10%以下の高吸水性樹脂10bを用いて吸収体10を形成する形成工程が実施される。このことから、成形工程における圧搾部40の成形時にプレスされる所定領域RPからの含有水分の滲み出しを抑えるこ
とができる。そのため、紙おむつ1の製造中におけるインジケータ19の感応(変色)を防ぐことができる。よって、インジケータ19の機能が保全された紙おむつ1を製造することができる。
そのうえ、形成工程(第一形成工程)では、抑制工程で含有水分率の上昇が抑えられていない高吸水性樹脂10bが他の領域R0に供給され、抑制工程で含有水分率の上昇が抑えられた高吸水性樹脂10bが所定領域RPに供給される。このことから、領域RP,R0ごとに高吸水性樹脂10bの含有水分率を調整して吸収体10を形成することができる。
また、形成工程(第二形成工程)では、所定領域RPのほうが他の領域R0よりも少ない高吸水性樹脂10bが供給されることから、領域RP,R0ごとに吸水性を調整して吸収体10を形成することができる。
(4)また、抑制工程では、低湿度雰囲気下で高吸水性樹脂10bを保存する保存工程が実施されることから、高吸水性樹脂10bにおいて低下させられた含有水分率を保つことができる。
以下、本件の実施例を述べる。
なお、下記の実施例に示す材料,使用量,割合,処理内容,処理手順などは、本件の趣旨を逸脱しない限り適宜変更することができる。したがって、本件の範囲は、以下に示す具体例によって限定的に解釈されるべきものではない。
吸収体については、材料にパルプ(王子製紙株式会社製)および高吸水性樹脂(SA50SXD,住友精化株式会社製)を用いる。これらの質量混合比(パルプ:高吸水性樹脂)は「45:55」である。
吸収体の圧搾溝については、深さが0.5[mm]であり、幅が2.2[mm]である。
また、吸収体に圧搾溝を成形するときの圧力は0.14[MPa]である。さらに、圧搾溝を成形するときの温度は60[℃]である。
なお、上述した通り、吸収体の厚み方向に圧搾溝とインジケータとが対向して配置されている。このインジケータには、H9598(ボスティック・ニッタ製)を用いる。
実施例1の含有水分率は8.6[%]であり、実施例2の含有水分率は9.2[%]であり、実施例3の含有水分率は9.7[%]である。また、比較例1の含有水分率は12.5[%]であり、比較例2の含有水分率は14.7[%]である。
実施例1~3では、インジケータの付設された吸収体に圧搾溝を成形した場合に、インジケータの変色が認められなかった。
これに対し、比較例1,2では、インジケータに付設された吸収体に圧搾溝を成形した場合に、インジケータの変色が認められた。
実施例1~3の含有水分率が比較例1,2の含有水分率も抑えられていることから、圧搾溝が成形(吸収体が圧縮)されたとしても、高吸水性樹脂からの水分の圧搾が抑えられ、吸収体からインジケータへの水分の滲み出しが抑えられたからであると考えられる。
最後に、その他の変形例について述べる。
〈紙おむつの構造〉
まず、紙おむつの構造に関する変形例を述べる。
たとえば、圧搾部は、少なくとも吸収体に設けられていればよく、センターシートに設けられていなくてもよい。この場合には、センターシートが積層される前に吸収体の一部が肌面側から圧搾されて、圧搾部が成形される。
このように含有水分率や吸水性がインジケータに近接するほど低下することで、所定領域のうちインジケータに近い領域における含有水分の圧搾を抑えることができ、インジケータの機能保全と所定領域の吸水性の確保とを両立させることができる。
このようにプレス成形されていない凹部が吸収体に設けられる場合には、凹部の成形時に吸収体の圧搾が抑えられ、紙おむつの製造時におけるインジケータの変色が確実に抑えられる。なお、吸収体のうち凹部に対応する箇所で折り曲げられたとしても、凹部に対してインジケータが相対的にずれた配置により、インジケータの無用な変色が抑えられる。
つぎに、紙おむつの製造方法に関する変形例を述べる。
たとえば、抑制工程では、除湿工程および保存工程の何れか一方のみが実施されてもよい。更に言えば、抑制工程を形成工程から省略してもよい。これらの場合には、高吸水性樹脂における含有水分率の上昇が抑えられにくくなりうるものの、製造工程を簡素化することができる。
また、上述したように吸収体がプレスされずに成形される凹部を用いる場合には、この凹部を成形する工程がプレス工程に替えて実施される。たとえば、凹部に対応する形状をもつ雌型に吸収体を積層して凹部を成形する工程(第一成形工程)や、凹部に対応する領域の目付量を抑えることによって凹部を成形する工程(第二成形工程)が実施される。
1A 前身頃
1B 股下部
1C 後身頃
10 吸収体
10a パルプ
10b 高吸水性樹脂
11 センターシート
12 バックシート
13 サイドシート
14 カバーシート
15 ギャザー
16 立体ギャザー
17 タミーギャザー
19 インジケータ
20 糸ゴム(伸縮性部材)
21 第一糸ゴム
22 第二糸ゴム
40 圧搾部
41 第一傾斜部
42 第二傾斜部
C 中心線
RP 所定領域
RO 他の領域
Claims (12)
- 厚み方向に凹設された凹部を有し、濡れると変色するインジケータが外観可能に付設され、高吸水性樹脂を含むマット状の吸収体であって、
前記インジケータおよび前記凹部に対応する所定領域における前記高吸水性樹脂の含有水分率が10%以下であり、前記所定領域の含有水分率が他の領域の含有水分率よりも抑えられ、且つ、前記所定領域において前記厚み方向で前記インジケータに近接するほど含有水分率が抑えられ、
前記凹部はプレス成形された
吸収体。 - 厚み方向に凹設された凹部を有し、高吸水性樹脂を含むマット状の吸収体と、
前記吸収体よりも着用者の肌面側とは反対側の非肌面側に対して外観可能に付設され、濡れると変色するインジケータとを備え、
前記吸収体は、前記インジケータおよび前記凹部に対応する所定領域における前記高吸水性樹脂の含有水分率が10%以下であり、前記所定領域の含有水分率が他の領域の含有水分率よりも抑えられ、且つ、前記所定領域において前記厚み方向で前記インジケータに近接するほど含有水分率が抑えられ、
前記凹部はプレス成形された
吸収性物品。 - 厚み方向に凹設された凹部を有し、高吸水性樹脂を含むマット状の吸収体と、
前記吸収体よりも着用者の肌面側とは反対側の非肌面側に対して外観可能に付設され、濡れると変色するインジケータとを備え、
前記吸収体は、前記インジケータおよび前記凹部に対応する所定領域における前記高吸水性樹脂の含有水分率が10%以下であり、前記所定領域の吸水性が他の領域の吸水性よりも抑えられ、且つ、前記所定領域において前記厚み方向で前記インジケータに近接するほど吸水性が抑えられ、
前記凹部はプレス成形された
吸収性物品。 - 前記所定領域のほうが前記他の領域よりも前記高吸水性樹脂の含有度合いが抑えられた請求項2または3に記載された吸収性物品。
- 前記吸収体の吸水性は、前記高吸水性樹脂により付与されており、
前記吸収体がプレスされて前記凹部が成形されるときの前記所定領域における前記高吸水性樹脂からの含有水分の圧搾が抑制された
請求項2~4の何れか1項に記載された吸収性物品。 - 前記凹部は前記厚み方向から視て格子状をなし、交差する格子点が前記厚み方向から視て前記インジケータと重複する位置またはその近傍に設けられ、当該位置の前記含有水分率が前記所定領域以外の他の領域の含有水分率よりも抑えられた
請求項2~5の何れか1項に記載された吸収性物品。 - 前記吸収体よりも前記非肌面側に設けられたシートを備え、
前記インジケータは、前記吸収体と前記シートとの間に介装された
請求項2~6の何れか1項に記載された吸収性物品。 - 厚み方向に凹設された凹部を有し、高吸水性樹脂を含むマット状の吸収体と、
前記吸収体よりも着用者の肌面側とは反対側の非肌面側に対して外観可能に付設され、
濡れると変色するインジケータとを備え、
前記吸収体は、前記インジケータおよび前記凹部に対応する所定領域の前記高吸水性樹脂の含有水分率が他の領域の含有水分率よりも抑えられ、且つ、前記所定領域において前記厚み方向で前記インジケータに近接するほど含有水分率が抑えられ、
前記凹部はプレス成形された
吸収性物品。 - 高吸水性樹脂を用いてマット状の吸収体を形成する形成工程と、
前記形成工程で形成された前記吸収体に、濡れると変色するインジケータを付設する付設工程と、
前記付設工程で前記インジケータが付設された前記吸収体に凹部を成形する成形工程とを有し、
前記成形工程には、前記吸収体をプレスして前記凹部を成形するプレス工程が含まれ、
前記形成工程は、前記付設工程で前記吸収体に前記インジケータが付設される領域であって前記成形工程で前記吸収体に前記凹部が成形される領域の所定領域に含有水分率が10%以下の前記高吸水性樹脂を用い、前記所定領域に他の領域よりも含有水分率が抑えられた前記高吸水性樹脂が供給され、且つ、前記所定領域において前記吸収体の厚み方向で前記インジケータに近接するほど含有水分率が抑えられる
吸収性物品の製造方法。 - 前記形成工程には、含有水分率の上昇を抑えた前記高吸水性樹脂を用いる抑制工程が含まれる
請求項9に記載された吸収性物品の製造方法。 - 前記抑制工程には、前記高吸水性樹脂の含有水分率を低下させる除湿工程が含まれる
請求項10に記載された吸収性物品の製造方法。 - 前記抑制工程には、低湿度雰囲気下で前記高吸水性樹脂を保存する保存工程が含まれる請求項10または11に記載された吸収性物品の製造方法。
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WO2010107096A1 (ja) | 2009-03-19 | 2010-09-23 | ユニ・チャーム株式会社 | 吸収性物品 |
JP2011240050A (ja) | 2010-05-20 | 2011-12-01 | Kao Corp | 吸収性物品 |
JP2015110801A (ja) | 2015-02-24 | 2015-06-18 | 住友精化株式会社 | 吸水性樹脂、及びその製造方法 |
JP2016530961A (ja) | 2013-08-27 | 2016-10-06 | ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー | チャネルを有する吸収性物品 |
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