JP7255211B2 - 軟便取込用多孔シート及び吸収性物品 - Google Patents

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Description

本発明は、軟便取込用多孔シート及びこれを備える吸収性物品に関する。
従来、紙おむつ、尿パッドや生理用ナプキンといった吸収性物品が知られている。吸収性物品には、肌面と接触し透水性をもつトップシートと、パルプやレーヨンなどの繊維材料及び高吸収性ポリマーを有する吸収体とが設けられている。着用者から排泄される尿や経血といった液体の水分(以降、「排泄水分」という)は、トップシートを透過して、吸収体によって吸収されて保持される。
一方、軟便、泥状便、水様便といった、液体成分と固形成分を含む便(以降、これらを総称して「軟便」と称する。)は、固形成分がトップシートを通過せず、またトップシートに吸収されにくい。このため、軟便は、トップシート上に広がり、吸収体によって吸収されずに吸収性物品の端部から外部に漏れ出してしまうことがある。この場合、衣服の汚れや臭気の発生等が生じることがあった。このような事態は「横漏れ」と称されることがある。また、軟便が着用者の肌とトップシートとの間に残存して肌に付着することで、着用者に不快感を与え、また肌のかぶれ等のトラブルや、ふき取り等の作業を要することがあった。これに対して、肌に対向する表面シート(トップシート)に、軟便を透過させるための孔が複数形成された吸収性物品が提案されている(特許文献1参照)。
特開2007-97643号公報
本件は、内部に軟便を取り込むとともに、軟便を保持することのできる軟便取込用多孔シート及びこれを備える吸収性物品を提供することを目的の一つとする。
ここで、開示する軟便取込用多孔シートは、厚み方向に貫通する複数の貫通孔を有するシート本体を備えている。前記シート本体は、前記貫通孔を区画形成する隔壁を持つことを特徴する。
前記貫通孔は、孔径よりも深さの方が大きいことが好ましい(好適例1)。また、前記隔壁は、隣接する前記貫通孔に連通し、水分を透過可能な透過孔を有していることが好ましい(好適例2)。また、前記隔壁には、高吸収性ポリマーが付着していることが好ましい(好適例3)。
また、ここで開示する吸収性物品は、上述した軟便取込用多孔シートと、前記軟便取込用多孔シートの一方の面側に設けられ、高吸収性ポリマーを含む吸収体とを備えている。
また、ここで開示する吸収性物品は、上述した軟便取込用多孔シートと、前記軟便取込用多孔シートの一方の面側に設けられ、水分を吸収するサポートシートとを備えている。
本発明で示す軟便取込用多孔シート及びこれを備える吸収性物品によれば、内部に軟便を取り込むことができる。さらに、軟便取込用多孔シートの強度が向上していることで、より安定に軟便を保持することができる。好適例1では、より確実に軟便を取り込み、より一層安定に軟便を保持できる。また、好適例2では、さらに、透過孔を通じて軟便取込用多孔シートに取り込まれた水分を拡散させることで、内部に取り込まれた軟便を軟便取込用多孔シート内に留めることができる。また、好適例3では、さらに、軟便に含まれる液体成分を高吸収性ポリマーで保持することができる。
第一実施形態に関する紙おむつ(吸収性物品)の展開図である。 図1のII-II矢視断面図である。 第一実施形態に関し、ハニカムパターンの構造を有する軟便取込用多孔シートの一例を示す斜視図である。 第一実施形態に関し、ハニカムパターンの構造を有する軟便取込用多孔シートの一例を示す平面視の断面図である。 第一実施形態に関し、コルゲートパターンの構造を有する軟便取込用多孔シートの一例を示す斜視図である。 第一実施形態に関し、コルゲートパターンの構造を有する軟便取込用多孔シートの一例を示す平面視の断面図である。 第一実施形態に関し、軟便取込用多孔シートの変形例を示す斜視図である。 第一実施形態に関し、軟便取込用多孔シートの変形例を示す平面視の断面図である。 第二実施形態に関する紙おむつ(吸収性物品)の断面図である。 第二実施形態に関し、ハニカムパターンの構造を有する軟便取込用多孔シートの一例を示す斜視図である。 第二実施形態に関し、ハニカムパターンの構造を有する軟便取込用多孔シートの一例を示す平面視の断面図である。 第二実施形態に関し、コルゲートパターンの構造を有する軟便取込用多孔シートの一例を示す斜視図である。 第二実施形態に関し、コルゲートパターンの構造を有する軟便取込用多孔シートの一例を示す平面視の断面図である。 第三実施形態に関する紙おむつ(吸収性物品)の断面図である。 第三実施形態に関し、ハニカムパターンの構造を有する軟便取込用多孔シートの一例を示す斜視図である。 第三実施形態に関し、ハニカムパターンの構造を有する軟便取込用多孔シートの一例を示す平面視の断面図である。 第三実施形態に関し、コルゲートパターンの構造を有する軟便取込用多孔シートの一例を示す斜視図である。 第三実施形態に関し、コルゲートパターンの構造を有する軟便取込用多孔シートの一例を示す平面視の断面図である。 第三実施形態に関し、軟便取込用多孔シートの変形例を示す斜視図である。 第三実施形態に関し、軟便取込用多孔シートの変形例を示す平面視の断面図である。 軟便取込用多孔シートの変形例を示す展開図である。 軟便取込用多孔シートの別の変形例を示す展開図である。
以下、本件を実施するための形態を説明する。下記の実施形態はあくまでも例示に過ぎず、この実施形態で明示しない種々の変形や技術の適用を排除する意図はない。本実施形態の各構成は、その趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。また、必要に応じて取捨選択することができ、適宜組み合わせることもできる。
実施形態で述べる吸収性物品は、着用者に装着され、着用者から排泄される尿や経血といった液体の水分や、軟便等の排泄物を吸収し保持する衛生用品である。この吸収性物品には、テープ型やパンツ型の紙おむつ(いわゆる「使い捨ておむつ」)、トレーニングパンツといった吸収体を含む積層体を備えた吸収性物品のほか、尿パッド、生理用ナプキン、パンティーライナーといった吸収体を含む積層体のみを備えた吸収性物品なども含まれる。以下の実施形態では、吸収性物品としてパンツ型の紙おむつを例示する。
本実施形態では、紙おむつについて、着用者の腹部に対向して配置される前身頃と背部に対向して配置される後身頃とを結ぶ方向を長手方向とする。これらの前身頃と後身頃との間(長手方向の中央)には、着用者の股下に配置(股間に対向して配置)される股下部が位置する。また、紙おむつが着用者に装着された状態(以降、「装着状態」と略称する)において、着用者の肌に向かう側(内側)を肌対向面側とし、肌対向面側の反対側(外側)を肌非対向面側とする。さらに、肌対向面側と肌非対向面側とを結ぶ方向を厚み方向とし、長手方向と厚み方向の何れにも直交する方向を幅方向とする。また、厚み方向と直交する面の方向を面方向とする。その他、厚み方向から視ることを平面視とする。
紙おむつにおける各構成の向きについては、例えば長手方向に沿うと表現する場合に、長手方向と平行なことだけでなく、ほぼ長手方向と平行なことも含むものとする。具体的には、長手方向に対する傾斜角度が45°未満で延在することを長手方向に沿うものとする。同様に、幅方向や厚み方向といった各方向に沿うと表現する場合についても、各方向に対する傾斜角度が45°未満で延在することを意味する。なお、本明細書において、例えば「1~100」との数値範囲の表記は、その下限値「1」及び上限値「100」の双方を包含するものとする。また、他の数値範囲の表記も同様である。
[1.構成]
[第一実施形態]
図1~図6を参照して、第一実施形態に関する軟便取込用多孔シート100及び紙おむつ300の構成を説明する。なお、図2の断面図では、各構成を把握しやすくするため、各シート類の厚みを誇張して示している。
図1では、幅方向の中心線Aを基準として対称に紙おむつ300が形成されている。この紙おむつ300は、長手方向に沿って前身頃300A、股下部300B、及び後身頃300Cの三つの領域に大別される。股下部300Bは、紙おむつ300において着用時に着用者の股下に位置する領域である。
紙おむつ300は、股下部300Bに吸収性積層体(以降、「積層体」ともいう。)200を備えている。図2に示すように、積層体200は、軟便取込用多孔シート(以降、「多孔シート」ともいう。)100を備えている。また、積層体200は、多孔シート100の一方の主面である端面10b側に設けられる、吸収体40を備えている。また、積層体200は、多孔シート100の他方の主面である端面10a側に設けられる、トップシート51を備えている。さらに、積層体200は、吸収体40の多孔シート100が設けられる側の面と反対側の面に設けられる、バックシート55を備えている。すなわち、積層体200は、トップシート51、多孔シート100、吸収体40、及びバックシート55が少なくともこの順で積層された、マット状の積層構造体である。
ここで本明細書において、多孔シート100の面に設けられるとは、多孔シート100の表面に吸収体40又はトップシート51が直接載置された態様のみならず、多孔シート100との間に任意の層(例えば、接着層等)が介在した態様を包含する意味である。同様に、吸収体40の面に設けられるとは、吸収体40の表面に多孔シート100又はバックシート55が直接載置された態様のみならず、吸収体40との間に任意の層が介在した態様を包含する意味である。また、トップシート51、多孔シート100、吸収体40、及びバックシート55が少なくともこの順で積層された積層構造体とは、各層のみが直接積層した構造のみならず、各層間に任意の層をさらに設けた構造を包含する意味である。ただし、多孔シート100と、吸収体40及びトップシート51との間での固形成分又は液体成分の流通を容易にする観点からは、多孔シート100と、吸収体40及びトップシート51との間に他の層を備えないことが好ましい。または、多孔シート100と、吸収体40及びトップシート51との間に接着層を備える場合には、固形成分又は水分の流通を妨げないように、接着層の面積が層間の接着保持に必要な程度に抑えられていることが好ましい。なお、本明細書において固形成分とは、液体以外の成分を指し、例えば、消化又は未消化の食べ物のカス、小腸、大腸等の体内の細胞又はその死骸、大腸菌等の腸内細胞又はその死骸等が含まれる便のことをいう。また、固形成分とは、固体状の固形物のほか、固体と液体とを含み可塑性又は流動性を示す半固体状の物体も含む概念である。
以下、多孔シート100、積層体200、及び紙おむつ300の各構成要素について説明する。
〔多孔シート〕
多孔シート100は、その内部に軟便を取り込んで、軟便の横方向(面方向)への拡散を防止するシート状の部材である。多孔シート100は、主として軟便の取り込みの用途に用いられることから、軟便取込用多孔シートと位置づけることができる。
<多孔シートの基本構成>
図1,図2に示すように、多孔シート100は、シート本体10を備えている。シート本体10は、互いに対向する一方の端面10a(他方の面)から他方の端面10b(一方の面)まで厚み方向に貫通する複数の貫通孔21を有している。貫通孔21は、少なくともその一端が端面10aにおいて開口しており、他方の一端が端面10bにおいて開口しているものであればよい。例えば、貫通孔21は、厚み方向に対して斜めに延びていてもよく、シート本体10の内部で屈曲していてもよく、シート本体10の内部で分岐していてもよく、複数の貫通孔21が合流していてもよい。ただし、貫通孔21の内部に軟便を取り込んで、軟便に含まれる液体成分を速やかに流出させる観点からは、貫通孔21は直線状に形成されていることが好ましい。また、貫通孔21の端面10a側の開口部と端面10b側の開口部とを結ぶ貫通孔21の軸方向が、シート本体10の厚み方向と一致することが好ましい。このような貫通孔21は、後述する公知の製造方法により大量生産が可能な点からも好ましい。
シート本体10は、貫通孔21を区画形成する隔壁30を持っている。隔壁30は、シート本体10において、平面視で内部に複数の貫通孔21を構成するための構造部材である。つまり、各貫通孔21は隔壁30により隔てられ、区画されている。
本実施形態では、隔壁30は、シート本体10の厚み方向に延設される板状の部材であり、貫通孔21を取り囲む構造単位となるセル11a,11bを形成している(図3~図6参照)。そして、このセル11a,11bがシート本体10の面方向に複数集合することで、多孔シート100が形成されている。または、多孔シート100は、平板状又はブロック状のシート本体10を厚み方向に貫通する複数の貫通孔21が形成されて、残余の部分となる隔壁30によって貫通孔21が隔てられている多孔質体ということもできる。多孔シート100が貫通孔21及び隔壁30を備えることで、多孔シート100の内部に軟便を取込可能となり、且つ厚み方向に対する強度を維持することができる。なお、本明細書において、板状とは、部材の厚さによって限定されるものではなく、例えば、フィルム状、シート状、ブロック状等を含む概念である。また、隔壁30の厚みは均一であってもよく、均一でなく変化するものであってもよい。
多孔シート100の形状は、着用者によって排泄された軟便を取込可能なサイズ及び形状であれば特に限定されない。本実施形態では、多孔シート100が、後述する吸収体40と略同一形状の平面視で砂時計形状の場合を例示する。このように、多孔シート100が吸収体40と略同一形状であることにより、多孔シート100は、前身頃300A、股下部300B、及び後身頃300Cを含む領域をカバーすることができる。そして、多孔シート100は、これらの領域内に排泄される排泄物を受け止めることで、排泄物が紙おむつ300から漏れ出すことを防ぐことができる。また、多孔シート100は吸収体40の上に設けられることで、多孔シート100が貫通孔21の一方の端面10a側から軟便を取り込んだ場合に、他方の端面10b側に吸収体40が存在することになる。このため、吸収体40は端面10b側のストッパーとして働き、貫通孔21の内部に取り込まれた軟便が、貫通孔21を通じて端面10bからそのまま流出することで多孔シート100を通過することを防ぐことができる。そして、吸収体40は、貫通孔21の内部に軟便の固形成分を留めながら、貫通孔21の内部に取り込まれた軟便に含まれる液体成分を、端面10bを通じて吸収することができる。ただし、多孔シート100の平面視形状は、砂時計形状に限らず、例えば平面視で円形状、楕円形状、長円形状、矩形状等であってもよい。吸収体40が端面10b側のストッパーとして働き、端面10bを介して液体成分を吸収するためには、多孔シート100は、吸収体40よりも小さい形状であることが好ましい。また、多孔シート100は、少なくとも着用者の肛門部の位置に配置されることが好ましい。
多孔シート100は、後述するように、厚み方向に長尺の隔壁30を貫通孔21の深さが所望の長さとなるように切断することで製造することができる。このとき、シート本体10の端面10aに位置する隔壁30の端部は、平面又は丸面等の面取りがなされていることが好ましく、丸面の面取りがなされていることがより好ましい。隔壁30の端部が切断されたままで面取りがなされていないと、着用者の肌面に多孔シート100が接触した際に、着用者に不快感を与えるおそれがある。隔壁30の面取りがなされていることで、このような着用時に生じうる不快感を軽減又は解消することができる。隔壁30の面取りは、例えば、隔壁30の端部に対して、切削処理、研磨処理、加熱処理、火炎放射処理、超音波処理等を施すことによって行うことができる。なお、シート本体10の端面10aと端面10bとは視覚による判別が困難な場合があるため、判別の手間を省く観点からは、端面10aと端面10bとの両方側の端部に面取りがなされていてもよい。
<透過孔>
多孔シート100は、隔壁30の側面部に、隔壁30を貫通する透過孔(図示略)を有していてもよい。透過孔を有することで、多孔シート100の内部に取り込まれた軟便に含まれる液体成分が、透過孔を通じて隔壁30を透過することができる。これにより、軟便に含まれる液体成分が、隣接する貫通孔21に広がり、多孔シート100内で拡散する。そして、吸収体40が、拡散した液体成分を吸収することで、より広い領域で速やかに液体成分を吸収することができる。一方、多孔シート100の強度を高める観点からは、多孔シート100は、隔壁30に透過孔を有さないことが好ましい。すなわち、隔壁30は、端面10aから端面10bまで壁面が途切れることなく連続して延在されることが好ましい。この場合には、隔壁30に加えられた荷重に対して、隔壁30の壁面全体で支えることが可能となり、多孔シート100の強度を向上させることができる。
<多孔シートの材料>
多孔シート100を構成する材料としては、例えば、紙、合成紙、合成樹脂、不織布等が挙げられる。これらの中でも、強度及び軟便の透過を妨げる観点から、紙、合成紙、合成樹脂が好ましく、耐水性の観点から、合成紙、合成樹脂がより好ましく、コスト、生産性の観点から、合成樹脂がさらに好ましい。ただし、紙の場合の耐水性は、紙に樹脂を付着又は含浸させることによって改善することができる。
紙としては、主成分としてパルプを含むものが用いられる。パルプの原料としては、特に限定されないが、例えば、針葉樹、広葉樹等の木材パルプ;ケナフ、麻、竹、藁等の非木材パルプ;古紙パルプ等の原料パルプから得られた物が挙げられる。また、パルプの製法も特に限定されず、例えば、クラフトパルプ(KP)、サルファイドパルプ(SP)等の化学パルプ;砕木パルプ(GP)、リファイナーグラウンドパルプ(RGP)、サーモメカニカルパルプ(TMP)等の機械パルプ等を用いることができる。これらのパルプは1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。また、紙としては、所望の強度を得る観点から、坪量が、通常50g/m以上、好ましくは100g/m以上、より好ましくは150g/m以上であり、また、通常400g/m以下、好ましくは300g/m以下、より好ましくは200g/m以下の紙が用いられる。
合成樹脂としては、特に限定されないが、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂;ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂;ナイロン-6、ナイロン-6,6等のポリアミド系樹脂等の熱可塑性樹脂を用いることができる。これらの熱可塑性樹脂は1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
合成紙としては、上述した合成樹脂を原料として、例えば、内部紙化法、表面塗工法、表面処理法等によって製造されたものを用いることができる。
不織布としては、上述した合成樹脂を原料として、サーマルボンド法、スパンボンド法、ニードルパンチ法、スパンレース法、エアースルー法、メルトブローン法等によって製造されたものを用いることができる。不織布からなる隔壁30の繊維の間隙に軟便が侵入して透過することを妨げる観点から、不織布の目付量は、好ましくは50g/m以上、より好ましくは100g/m以上、さらに好ましくは150g/m以上である。目付量の上限は特に限定されないが、目付量が多すぎると隔壁の厚みが増して、貫通孔21の容積が減少する傾向にあるため、1000g/m以下であることが好ましい。
紙、不織布は、強度、耐水性、及び軟便の透過を妨げる難透化性を向上させる観点からは、樹脂を付着又は含浸させたものを用いてもよい。このとき、付着又は含浸させる樹脂としては特に限定されないが、例えば上述した熱可塑性樹脂を用いることができる。または、熱硬化性樹脂を用いてもよい。なお、不織布に樹脂を付着又は含浸させる場合には、軟便の難透過性が向上するため、目付量が50g/mよりも低い不織布を用いてもよい。この場合の不織布の目付量は、好ましくは20g/m以上、より好ましくは30g/m以上、さらに好ましくは40g/m以上である。
<孔径に対する深さの比>
貫通孔21は、孔径よりも深さの方が大きいものである。すなわち、貫通孔21は、孔径に対する深さの比(アスペクト比)が1より大きい。貫通孔21の孔径に対する深さの比は、通常1より大きく、好ましくは1.3以上、より好ましくは1.6以上、さらに好ましくは2以上、特に好ましくは2.5以上であり、また、通常8以下、好ましくは6以下、より好ましくは5以下、さらに好ましくは4以下である。孔径に対する深さの比が上記下限値以上であると、厚み方向の長さが増す傾向にあり、貫通孔21の内部に軟便を収納するための容積を確保しやすい。なお、孔径に対する深さの比が上記下限値を下回る場合には、深さに対して孔径が大きくなることで毛細管現象による作用が弱くなり、軟便が貫通孔21から脱落しやすくなることがある。孔径に対する深さの比が上記上限値以下であると、多孔シート100に荷重が加わった際に途中で折れるようにして変形することを防ぎやすい。また、比較的に孔径が大きくなる傾向にあり、貫通孔21の内部に軟便を速やかに取り込みやすい。
<厚み>
隔壁30の厚みは特に限定されないが、通常50μm以上、好ましくは100μm以上、より好ましくは150μm以上であり、また、通常400μm以下、好ましくは300μm以下、より好ましくは200μm以下である。隔壁30の厚みが上記下限値以上であると、多孔シート100の強度を向上させやすい。隔壁30の厚みが上記上限値以下であると、多孔シート100の重量の増加を抑えて、貫通孔21の容積を確保しやすい。
<高さ>
隔壁30の高さは、特に限定されないが、通常2mm以上、好ましくは5mm以上、より好ましくは10mm以上、さらに好ましくは15mm以上であり、また通常40mm以下、好ましくは30mm以下、より好ましくは25mm以下、さらに好ましくは20mm以下である。隔壁30の高さが上記下限値以上であると、多孔シート100の内部に軟便を収納する容積を確保しやすい。隔壁30の高さが上記上限値以下であると、外部から荷重が加わった際に、貫通孔21が途中から折れるようにして隔壁30が変形することを防ぎやすい。また、比較的に多孔シート100全体での厚み方向への折れ曲がりやすさが向上して、加工成形性や着用時のフィット感が良好になりやすい。
なお、隔壁30の高さは、通常、多孔シート100の厚み方向の高さ、すなわち多孔シート100の厚みと略等しい。また、隔壁30の高さは、通常、貫通孔21の深さと略等しい。すなわち、多孔シート100の厚みは、特に限定されないが、通常2mm以上、好ましくは5mm以上、より好ましくは10mm以上、さらに好ましくは15mm以上であり、また通常40mm以下、好ましくは30mm以下、より好ましくは25mm以下、さらに好ましくは20mm以下である。また、貫通孔21の深さは、特に限定されないが、通常2mm以上、好ましくは5mm以上、より好ましくは10mm以上、さらに好ましくは15mm以上であり、また通常40mm以下、好ましくは30mm以下、より好ましくは25mm以下、さらに好ましくは20mm以下である。
<孔径>
貫通孔21の孔径は、特に限定されないが、通常0.5mm以上、好ましくは1mm以上、より好ましくは1.5mm以上、さらに好ましくは2mm以上であり、また通常10mm以下、好ましくは8mm以下、より好ましくは6mm以下、さらに好ましくは5mm以下、特に好ましくは4mm以下である。貫通孔21の孔径が上記下限値以上であると、多孔シート100の内部に軟便を収納する容積を確保しやすい。また、貫通孔21の内部に軟便を速やかに取り込みやすい。貫通孔21の孔径が上記上限値以下であると、多孔シート100の強度の低下を抑えて、外部から力が加わった際に変形を防ぎやすい。また、毛細管現象による作用が働くことで、軟便を貫通孔21内に保持しやすい。
<圧縮強度>
多孔シート100は、着用者によって加えられる力による変形を防ぐために、圧縮に対する強度(圧縮強度)が高いことが好ましい。例えば、多孔シート100を備える吸収性物品300を装着した着用者が、多孔シート100を臀部の下部に敷くようにして着座したり、仰向けの姿勢になったりする等の使用時には、多孔シート100の厚み方向に対して着用者から加わる荷重が大きくなることがある。このため、本明細書では、多孔シート100の圧縮に対する強度といった場合、厚み方向に対する圧縮強度をいうものとする。圧縮強度は、多孔シート100の厚み方向に与えられる圧縮荷重に対して、多孔シート100に座屈変形が生じるか、又は多孔シート100が破壊される時の最大応力をいう。圧縮強度は、多孔シート100の試験片に与えられた最大の圧縮荷重を、試験片の断面積で割った値で表される。具体的に本明細書において圧縮強度は、後述する実施例に記載した条件下で測定した値とする。多孔シート100の圧縮強度は、好ましくは10kPa以上、より好ましくは20kPa以上、さらに好ましくは30kPa以上であり、また、好ましくは2000kPa以下、より好ましくは1000kPa以下、さらに好ましくは800kPa以下である。圧縮強度が上記下限値以上であると、厚み方向に対する圧縮に対する強度が高いことで、荷重を受けた場合に変形を受け難く、内部に軟便を保持しやすい。圧縮強度が上記上限値以下であると、コストの面から好ましい。
さらに、多孔シート100の圧縮に対する強度は、その密度あたりの圧縮強度によっても評価することができる。密度あたりの圧縮強度は、上述した多孔シート100の試験片の圧縮強度を、試験片の密度で割った値で表される。具体的に本明細書において密度あたりの圧縮強度は、後述する実施例に記載した条件下で測定した値とする。多孔シート100の密度あたりの圧縮強度は、好ましくは0.5kPa/(kg/m)以上、より好ましくは2kPa/(kg/m)以上、さらに好ましくは5kPa/(kg/m)以上であり、また、好ましくは100kPa/(kg/m)以下、より好ましくは80kPa/(kg/m)以下、さらに好ましくは50kPa/(kg/m)以下である。密度あたりの圧縮強度が上記下限値以上であると、軽量でありながら圧縮に対する強度が高くなりやすい。また、この場合、多孔シート100に占められる空隙率が高くなる傾向にあり、多孔シート100の重量を抑えることで多孔シート100の取扱性を向上させながら、内部に取り込む軟便の量を増やしやすい。密度あたりの圧縮強度が上記上限値以下であると、コストの面から好ましい。
<空隙率>
多孔シート100は、貫通孔21内に軟便を取り込みやすくするととともに、密度あたりの圧縮強度を高める観点から、空隙率が高いことが好ましい。多孔シート100の空隙率は、多孔シート100の平面視において、多孔シート100の面積に対する、貫通孔21の開口面積を合計した面積の割合によって表すことができる。具体的に本明細書において空隙率は、後述する実施例に記載した条件下で測定した値とする。多孔シート100の空隙率は、好ましくは30%以上、より好ましくは50%以上、さらに好ましくは75%以上、特に好ましくは90%以上であり、また、好ましくは99%以下、より好ましくは98%以下、さらに好ましくは97%以下、特に好ましくは95%以下である。多孔シート100の空隙率が上記下限値以上であると、貫通孔21の占める割合が増加することで、貫通孔21内に軟便を取り込むための内部容積を増加させやすい。また、密度あたりの圧縮強度が高まりやすい。多孔シート100の空隙率が上記上限値以下であると、隔壁30の強度の低下を抑えやすい。
多孔シート100の貫通孔21及び隔壁30の形状は特に限定されない。強度や製造のしやすさの観点から、多孔シート100は、平面視で貫通孔21と隔壁30とからなるセル11a,11bが周期的に現れる繰り返し構造を有することが好ましい。具体的には、貫通孔21を取り囲む隔壁30が円形状又は多角形状の繰り返し構造を構成することが好ましく、隔壁30が平面視において多角形状のハニカムパターンの構造を構成することがより好ましい(図3,図4参照)。または、隔壁30が平面視においてコルゲートパターンの構造を構成することが好ましい(図5,図6参照)。これらの構造を順に説明する。なお、図3~図6及び後述する図7,8は、多孔シート100(シート本体10)の斜視図、及び隔壁30の断面図を示すものであるが、多孔シート100及び隔壁30が有する繰り返し構造のうち、一部のみを抽出して示している。
<ハニカムパターンの構造>
図3,図4に示すように、多孔シート100において、隔壁30は、多角形状の貫通孔21aを内部に有する多角形状のセル11aを複数集合させたハニカムパターンの構造を構成することが好ましい。つまり、各隔壁30が断面構造において多角形状のセル11aを構成するハニカムパターンの構造を形成する。セル11aは、貫通孔21a、及び、貫通孔21aを取り囲む板状のセル壁31によって構成されている。そして、複数のセル11aが隣接して、隣接するセル11aと互いのセル壁31を接触させるように集合することで、多孔シート100が形成されている。なお、図4では、セル11aの一つを二点鎖線で囲って示している。
セル11aの断面視の形状は特に限定されないが、例えば、三角形状、四角形状、五角形状、六角形状等が挙げられる。中でも、正三角形状、正方形状、正六角形状が好ましく、正六角形状がより好ましい。セル11a内部の貫通孔21aの断面視の形状は、セル11aの断面視の形状にあわせて、セル11aの形状と同様に形成されている。例えば、セル11aの形状が正六角形状の場合、貫通孔21aの形状も正六角形状となる。セル11a及び貫通孔21aの形状が正六角形状の場合、面方向に加わった力を分散することで隔壁30の強度が向上し、外力が加わった場合に変形を受けにくい。本実施形態では、セル11a及び貫通孔21aが、断面視で正六角形状の形状を有する場合を例示する。
隔壁30は、基材部32が複数積層されることで形成されている。基材部32は、面方向に凹凸構造を有し、この凹凸構造が厚み方向に延設されているものである。隣接する基材部32は、互いの凸部を対向させる位置関係で接しており、この面が接着されることで接着部33が形成されている。接着は、例えば、澱粉、ホットメルト型、合成樹脂エマルジョン型、樹脂溶液型等の公知の接着剤を使用して行うことができる。
隔壁30がハニカムパターンの構造を構成する場合、貫通孔21aの孔径は、セル11aに内接して径が最大となる円の直径によって表すことができる。つまり、貫通孔21aの孔径とは、平面視において貫通孔21aの断面における内接円の直径をいう。図4に示すように、セル11aが正六角形状の場合、貫通孔21aの孔径は、セル11aの対向する辺の間の間隔L11によって表される。この場合、対向する辺の間の間隔L11は、通常0.1mm以上、好ましくは0.5mm以上、より好ましくは1mm以上、さらに好ましくは1.5mm以上、特に好ましくは2mm以上であり、また、通常10mm以下、好ましくは6mm以下、より好ましくは5mm以下、さらに好ましくは4mm以下である。なお、ハニカムパターンの構造の場合の貫通孔21aの深さD11は、上述した隔壁30の高さと同様の数値範囲をとることができる。また、セル11aの対向する辺の間の間隔L11に対する深さD11の比は、上述した貫通孔21の孔径に対する深さの比と同様の数値範囲をとることができる。
<ハニカムパターンの構造を有する場合の製造方法>
隔壁30が上述したハニカムパターンの構造を構成する場合、多孔シート100の製造方法は特に限定されず、公知のハニカムパターンの構造の製造方法を利用することができる。例えば、第一の製造方法として、まず、隔壁30を形成する平面シート状の基材を、六角形状の壁面をなすよう凹凸状に成形して基材部32を得る。次に、この基材部32に設けられた凸部の突出している外側に接着剤を塗布する。さらに、複数の基材部32を互いの凸部の位置が対応する位置関係となるようにして貼り合わせる。続いて、貼り合せた基材部32を、貫通孔21aの深さD11が所望の長さとなるよう、面方向に切断することで製造することができる。
また、第二の製造方法として、まず、隔壁30を形成する平面シート状の基材において、接着部33にあたる位置に周期的に接着剤を塗布する。次に、接着剤を塗布した複数の基材を重ね合わせて互いに接着することで、基材を積層した積層物を得る。続いて、この状態で、貫通孔21aの深さD11が所望の長さとなるよう、積層物を切断する。さらに、基材どうしの間を広げるとともに、基材が接着部33で接着されることで基材部32の凹凸形状が形成されるようにして、積層物を展張することで製造することができる。
なお、これらの製造方法は組み合わせて行ってもよい。例えば、第二の製造方法で製造した複数の多孔シート100を、互いの凸部の位置が対応する位置関係となるように貼り合せてもよい。
<コルゲートパターンの構造>
図5,図6に示すように、多孔シート100において、隔壁30は、波形状のフルート部35と平板状のライナー部36との繰り返しからなるコルゲートパターンの構造を構成することが好ましい。セル11bは、貫通孔21b、及び、フルート部35と接着部37においてフルート部35に接するライナー部36とからなり貫通孔21bを取り囲む板状のセル壁34によって構成されている。そして、複数のセル11bが互いに隣接して集合することで、多孔シート100が形成されている。なお、図6では、セル11bの一つを二点鎖線で囲って示している。
隔壁30は、フルート部35とライナー部36とが交互に複数積層されることで形成されている。このとき、フルート部35の波形の頂部が、フルート部35の一方の側に対向して設けられるライナー部36と接している。また、フルート部35の波形の底部が、フルート部35の他方の側に対向して設けられるライナー部36と接している。そして、フルート部35の頂部と底部とが、それぞれ対向するライナー部36と接着されることで、接着部37が形成されている。接着は、ハニカムパターンの構造の場合と同様に、公知の接着剤を使用して行うことができる。
隔壁30がコルゲートパターンの構造を構成する場合、多孔シート100の屈曲のしやすさは、ライナー部36の延設方向に応じて異方性を示す。すなわち、ライナー部36の壁面と平行な方向(図6中の左右方向)に沿うよりも、ライナー部36の壁面と直交する方向(図6中の上下方向)に沿って曲がり易い特性を示す。このため、多孔シート100は、紙おむつ300の長手方向とライナー部36の延設方向とが直交するようにして配置されてもよい。この場合には、紙おむつ300が股下部300Bを底部として、前身頃300A及び後身頃300Cの少なくとも一方が立ち上がるように全体が変形する際に、多孔シート100は紙おむつ300の長手方向の変形に併せて屈曲しやすい。したがって、例えば着用者が紙おむつ300を着用する際に、着用者の前身頃と、股下と、背部との形状に沿って多孔シート100が長手方向に容易に屈曲変形する。これにより、フィット感が良好となり、また、紙おむつ300の長手方向において、着用者の肌面に追従して軟便を取込みやすくなる。また、多孔シート100は、紙おむつ300の長手方向とライナー部36の延設方向とが平行になるようにして配置されてもよい。この場合には、多孔シート100は、紙おむつ300の幅方向の変形に合わせて屈曲しやすい。したがって、例えば着用者が紙おむつ300を着用する際に、着用者の股間や臀裂の形状に沿って多孔シート100が幅方向に容易に屈曲変形する。これにより、フィット感が良好となり、また、紙おむつ300の幅方向において、着用者の肌面に追従して軟便を取込みやすくなる。
隔壁30がコルゲートパターンの構造を構成する場合、図6に示すように、貫通孔21bの孔径は、ライナー部36の間隔L21によって表すことができる。この場合、ライナー部36の間隔L21は、通常0.5mm以上、好ましくは1mm以上、より好ましくは1.5mm以上、さらに好ましくは2mm以上であり、また、通常10mm以下、好ましくは6mm以下、より好ましくは5mm以下、さらに好ましくは4mm以下である。隔壁30に含まれる複数のライナー部36の間隔L21は、同一であってもよく、異なっていてもよい。一方、フルート部35の波形のピッチL22は、通常0.5mm以上、好ましくは1.5mm以上、より好ましくは2mm以上、さらに好ましくは3mm以上であり、また、通常20mm以下、好ましくは15mm以下、より好ましくは10mm以下、さらに好ましくは8mm以下、特に好ましくは6mm以下である。なお、コルゲートパターンの構造の場合の貫通孔21bの深さD21は、上述した隔壁30の高さと同様の数値範囲をとることができる。また、ライナー部36の間隔L21に対する深さD21の比は、上述した貫通孔21の孔径に対する深さの比と同様の数値範囲をとることができる。
<コルゲートパターンの構造を有する場合の製造方法>
隔壁30が上述したコルゲートパターンの構造を構成する場合、多孔シート100の製造方法は特に限定されず、公知のコルゲートパターンの構造の製造方法を利用することができる。例えば、第三の製造方法として、まず、隔壁30を形成する平面シート状の基材を波形状に成形してフルート部35を得る。次に、フルート部35の波形の頂部において外側に接着剤を塗布する。さらに、複数のフルート部35と複数のライナー部36と交互に張り合わせる。続いて、張り合わせたフルート部35とライナー部36とを、貫通孔21bの深さD21が所望の長さとなるよう、面方向に切断することで製造することができる。
なお、本実施形態では、複数のフルート部35は、波形の周期が平面視で一致して、波形の頂部が同じ位置に現れる位置関係となるように積層されている場合を例示したが、フルート部35の位置関係はこれに限定されない。複数のフルート部35は、波形の位置が周期的にずれていてもよく、ランダムにずれていてもよい。例えば、ライナー部36を挟んで隣接するフルート部35の波形が半周期分ずれて、それぞれの波形の頂部と底部とが対向する位置関係となるように積層されていてもよい。
〔吸収性コア〕
吸収性コア41は、液体を吸収して保持するマット状の部材である。図2に示すように、吸収性コア41は、高吸収性ポリマー(SAP(Superabsorbent polymer)、高吸水性高分子あるいは高吸水性樹脂とも称される。)42と、繊維材料43とを含んでいる。吸収性コア41は、繊維材料43に高吸収性ポリマー42が混合されることにより形成されている。繊維材料43は、親水性を有する極細の繊維が絡まり合って形成されている。高吸収性ポリマー42は、繊維材料43に混合されることにより、通常、繊維材料43に埋没保持されている。高吸収性ポリマー42は、繊維材料43によって拡散された液体を吸収し保持することができる。
<高吸収性ポリマー>
高吸収性ポリマー42としては、使い捨ておむつや尿パッドのような吸収性物品における吸収体の材料として用いられている各種公知のものを用いることができる。高吸収性ポリマー42としては、例えば、デンプン-アクリル酸(塩)グラフト共重合体、デンプン-アクリロニトリル共重合体のケン化物、デンプン-アクリル酸エチルグラフト共重合体のケン化物等のデンプン系;ナトリウムカルボキシメチルセルロースの架橋物等のセルロース系;アクリル酸(塩)重合体、ポリビニルアルコール-無水マレイン酸反応物の架橋物等の合成ポリマー系の物を用いることができる。これらは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。高吸収性ポリマー42の形状は特に限定されないが、例えば、粒状、粉体状、ペレット状、ゾル状、フィルム状、繊維状等のものを用いることができる。
<繊維材料>
繊維材料43としては、例えば,パルプ繊維、レーヨン繊維、コットン繊維等のセルロース系の繊維や;ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート等の合成繊維に親水化処理を施したものが挙げられる。これらは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
〔吸収体〕
吸収体40は、着用者から排泄される尿や経血といった排泄水分を吸収して保持する吸液性をもつマット状(あるいはパッド状)の部材である。中でも、本実施形態の吸収体40は、多孔シート100に取り込まれた軟便のうち、多孔シート100から流出する液体成分を吸収することができる。図1に示すように、紙おむつ300には、前身頃300A、股下部300B、及び後身頃300Cに亘って長手方向に延びる吸収体40が内蔵されている。ここでは、前身頃300A及び後身頃300Cよりも股下部300Bのほうが幅方向寸法の小さい、砂時計形状の吸収体40を例示する。ただし、吸収体40の平面視形状は、上記したような砂時計形状に限らず、平面視で矩形(すなわち幅方向寸法が一定)であってもよいし、それぞれ円形の前身頃300A及び後身頃300Cを結ぶダンベル形状であってもよい。
吸収体40は、吸収性コア41とラップシート44とを有している。吸収体40は、吸収性コア41がラップシート44によって被包(ラップ)されることで形成されている。ラップシート44は、吸収性コア41の肌対向面側(図2中の上面側)と、肌非対向面側(図2中の下面側)とを含めて、吸収性コア41の全体を被覆している。
<ラップシート>
ラップシート44は、吸収性コア41を被覆するシート状の部材である。ラップシート44によって吸収性コア41が被包されることで、吸収性コア41の定形性が確保される。
ラップシート44は、吸収性物品に用いられている公知の材料で形成することができる。例えばティッシュペーパーのような紙;スパンボンド不織布、ニードルパンチ不織布、スパンレース不織布、エアースルー不織布、SMS(Spunbound Meltblown Spunbound)不織布等を用いることができる。
〔積層体〕
積層体200は、多孔シート100の両主面側にトップシート51と吸収体40とがそれぞれ配置されるとともに、吸収体40の多孔シート100が設けられる面とは反対側の面に、バックシート55が設けられる積層構造体である。中でも、トップシート51は、多孔シート100の肌対向面側の表面に配置される。また、吸収体40及びバックシート55は、多孔シート100の肌非対向面側の表面に配置される。トップシート51と多孔シート100、多孔シート100と吸収体40、吸収体40とバックシート55とは、それぞれホットメルト接着剤等の公知の接着剤によって固定することができる。
<トップシート>
トップシート51は、積層体200において最も肌対向面側に配置されるシート状の部材である。トップシート51は、着用者の肌面と多孔シート100との間に設けられるスペーサーとして機能する。このトップシート51は、多孔シート100及び吸収体40よりも幅方向寸法が大きく、肌対向面側から多孔シート100及び吸収体40を被覆する。また、トップシート51は、紙おむつ300が装着された状態において、着用者の肌に接触して、排泄水分を透過させて吸収体40に吸収させる。このため、トップシート51は、少なくとも一部または全部が透水性をもつ材料で構成される。また、トップシート51は、着用時のフィット性のため、柔軟性が高い材料で構成されることが好ましい。また、装着状態での蒸れを抑えるため、通気性を併せもつ材料で構成されることが好ましい。
さらに、図1,図2に示すように、トップシート51は、通過部52を有している。通過部52は、トップシート51に排泄物を通過させるものである。排泄物の中でも、通過部52は、少なくとも固形成分を通過させるものである。具体的には、軟便中の固形成分である便の成分を通過させることができる。もちろん、通過部52は、軟便に含まれる固形成分とともに液体成分を通過させるものであってもよい。すなわち、便と水分とをともに通過させるものであってもよい。
通過部52は、トップシート51に設けられた孔、スリット等によって形成される。これらの中でも、軟便の通過させやすさの観点からは孔を設けることが好ましく、多孔シート100の露出を減らして、着用者の肌との接触を抑える観点からは、スリットを設けることが好ましい。本実施形態では、通過部52として、孔を設けた場合を例示する。
トップシート51に設けられる孔は、トップシート51を切り抜き又は打ち抜くことで設けられる、厚み方向に貫通している開口部である。通過部52の孔の形状は特に限定されないが、例えば、円形状、楕円形状、長円形状、半円形状、多角形状、不定形状等が挙げられる。
トップシート51に設けられるスリットは、トップシート51を切断することで設けられる切れ込みである。スリットの方向は、トップシート51の長手方向であっても、長手方向と直交する方向であっても、長手方向に対して傾いた方向であってもよい。また、スリットの形状は特に限定されず、直線状であってもよく、ジグザグ状であってもよく、曲線状であってもよい。紙おむつ300の非装着時にはスリットは閉じているが、着用者が紙おむつ300を装着することで、トップシート51が面方向に引っ張られるように変形することで、スリットが展開して、固形成分を通過させるための空間が形成される。
通過部52として設けられる孔やスリットの大きさは特に限定されないが、通常0.5cm以上、好ましくは1cm以上、より好ましくは1.5cm以上であり、また、通常5cm以下、好ましくは3cm以下、より好ましくは2cm以下である。通過部52に設けられる孔やスリットの大きさが上記下限値以上であると、排泄物に含まれる固形成分を通過させやすい。通過部52に設けられる孔やスリットの大きさが上記上限値以下であると、トップシート51の強度の低下を抑えやすく、通過部52を介して着用者の肌と多孔シート100とが接触することによる肌触りの低下を抑えやすい。
本実施形態では、トップシート51の全体にわたって通過部52が配置されている。通過部52は、トップシート51において、少なくとも着用者の肛門部又はその周辺の位置に配置されることが好ましい。これにより、肛門から排泄された軟便がトップシート51を通過しやすくなる。また、通過部52は、トップシート51の外周付近となる周辺部を避けて設けられることが好ましい。言い換えれば、通過部52は、トップシート51の中央部又は中央部周辺に設けられることが好ましい。これにより、トップシート51を通過した便が、多孔シート100に取り込まれずに、多孔シート100の外縁部から漏れ出すことを避けることができる。
トップシート51を構成する材料としては、例えば、織布、不織布、多孔性フィルム等を用いることができる。または、トップシート51としては、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエステル、ナイロン等の熱可塑性樹脂の繊維に親水化処理を施して,不織布にしたものを用いてもよい。トップシート51を構成する不織布としては、スパンボンド不織布、ニードルパンチ不織布、スパンレース不織布、エアースルー不織布、メルトブローン不織布、SMS不織布等を用いることができる。
<バックシート>
バックシート55は、積層体200で最も肌非対向面側に配置されるシート状の部材である。バックシート55は、吸収体40に対して肌非対向面側に配置されて、吸収体40から肌非対向面側に排泄物が漏れるのを防ぐ。このため、バックシート55は、非透水性をもつ材料で構成される。また、バックシート55は、装着状態での蒸れを抑えるため、透湿性を併せもつ材料で構成されることが好ましい。
バックシート55を構成する材料としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等の熱可塑性樹脂シートを用いることができる。中でも、バックシート55としては、0.1~0.4μmの微細な孔が複数形成された微多孔性の熱可塑性樹脂シートを用いることが好ましい。このようなシートとしては、例えば、熱可塑性樹樹脂中に無機充填剤を混練してシートを成形した後に、延伸することにより得られるシートを用いることができる。
〔サイドシート、カバーシート〕
おむつ100は、積層体200に対して積層されるサイドシート61及びカバーシート62をさらに備えている。サイドシート61は、積層体200の幅方向側方に配置される。また、カバーシート62は、積層体200の肌非対向面側に配置される。サイドシート61及びカバーシート62と積層体200とは、ホットメルト接着剤等の公知の接着剤によって固定することができる。
<サイドシート>
サイドシート61は、積層体200の両側部に立体ギャザー71を形成するための部材である。サイドシート61は、シート51,55の幅方向側方のそれぞれに設けられている。サイドシート61は、トップシート51の幅方向側部において肌対向面側に積層されるとともに、バックシート55の幅方向側部において肌対向面側に積層される。
サイドシート61は、幅方向側方への液漏れを防ぐため、非透水性をもつ材料で構成されることが好ましい。サイドシート61としては、スパンボンド不織布を用いることができる。また、サイドシート61の一部は、紙おむつ300において最も肌対向面側に配置される(このことから、サイドシート61はトップシート51と同様に「トップシート」とも称される)。このように着用者に対して接触しうるサイドシート61としては、SMS不織布やSMMS(Spunbound Meltblown Meltblown Spunbound)不織布のようにメルトブローン層を含ませることにより、柔軟性を高めたスパンボンド不織布を用いることが好ましい。あるいは、スパンボンド不織布をなす繊維の繊度や目付量が抑えられることにより、柔軟性を向上させたスパンボンド不織布を用いることが好ましい。
なお、「繊度」とは、繊維の繊維径(太さ)や断面積に対応するパラメータであり、所定の長さあたりの重量で表される。例えば、一本の繊維について9000mあたりのグラム数(デニール)が「繊度」として用いられる。
また、「目付量」とは、シートの厚みあるいは積層度合いに対応するパラメータであり、単位面積あたりの重量で表される。例えば、一平米あたりのグラム数が「目付量」として用いられる。
<カバーシート>
カバーシート62は、積層体200を肌非対向面側から被覆するシート状の部材である。カバーシート62は、紙おむつ300で最も肌非対向面側に配置されることで、バックシート55を補強し、バックシート55の手触り(触感)を良好なものとするために用いられる。ここでは、バックシート55の幅方向側部において、サイドシート61を介してカバーシート62が重ねられる。カバーシート62として、肌対向面側から肌非対向面側に向けて第一カバーシート63、第二カバーシート64、第三カバーシート65の三つがこの順に積層されている。
第一カバーシート63は、バックシート55を介して吸収体40を肌非対向面側から被覆する(このことから、第一カバーシート63は「パッドカバーシート」とも称される)。
第二カバーシート64及び第三カバーシート65は、前身頃300A及び後身頃300C(図1参照)で第一カバーシート63よりも幅方向寸法が大きく設定され、装着状態で着用者の臀部や腰、腹などのまわりに配置される。第三カバーシート65は、紙おむつ300において最も肌非対向面側に配置される(このことから、第三カバーシート65は「アウターカバーシート」とも称され、第二カバーシート64は「インナーカバーシート」とも称される)。
カバーシート62を構成する材料としては、例えば、織布、不織布等を挙げることができる。中でも、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル等の熱可塑性樹脂からなる不織布、湿式不織布を用いることが好ましい。特には、触感(手触り)を確保するために柔軟性の観点から、カバーシート62としては、スパンボンド不織布を好適に用いることができる。
図1に示すように、前身頃300Aにおけるカバーシート62と後身頃300Cにおけるカバーシート62とは、それぞれの幅方向端縁部62aどうしが互いに貼り付けられる(いわゆる「サイドシール」)。このようにして、前身頃300A及び後身頃300Cの各カバーシート62が連設され、パンツ型の紙おむつ300が形成される。
〔ギャザー〕
次に、図1及び図2を参照して、紙おむつ300のギャザー70について述べる。
ギャザー70は、ゴムやポリウレタン、伸縮フィルムといった伸縮性をもつ部材(伸縮性部材)を伸張状態で不織布などのシートの間に挟んでホットメルトなどで固定することによって伸縮性をもたせたシート複合体から構成される。このシート複合体は、伸縮性部材が伸張状態からもと(自然長の状態)に戻ろうとする力(復元力、弾性力)で不織布などのシートに細かな皺が寄った状態となる。ここでは、伸縮性部材として糸状のゴム部材(以降「糸ゴム」と略称する)80を例示する。
この紙おむつ300には、糸ゴム80で形成されるギャザー70として、三種の糸ゴム81,82,83で伸縮性が付与された三種のギャザー71,72,73を例示する。一つは、サイドシート61の肌対向面側端縁部が第一糸ゴム81で皺寄せられた立体ギャザー71(「サイドギャザー」とも称される)である。もう一つは、第二カバーシート64及び第三カバーシート65(図2参照)が第二糸ゴム82(一箇所のみに符号を付す)で皺寄せられたタミーギャザー72である。更にもう一つは、サイドシート61の肌非対向面側において幅方向端縁部が第三糸ゴム83(図1では図示省略)で皺寄せられたセカンド立体ギャザー73(図1では図示省略)である。
立体ギャザー71は、排泄箇所の周縁で着用者に対する追従性を高めることにより、排泄物の幅方向側方への漏れを防ぐために設けられる。詳細に言えば、図2に示すように、立体ギャザー71では、サイドシート61の肌対向面側における幅方向内側の端縁部に位置するシート部61a,61bが折り曲げられて重ねられる。これらのシート部61a,61bによって、長手方向に延在する第一糸ゴム81が囲まれている。
タミーギャザー72は、着用者の臀部や下腹部に対する追従性を高めるために設けられる。詳細に言えば、タミーギャザー72では、平織物における縦糸または経糸のように、幅方向に延びる複数の第二糸ゴム82が、第二カバーシート64及び第三カバーシート65(図2参照)の間に介装されている。
セカンド立体ギャザー73は、股下部300Bで追従性を高めるために設けられる。詳細に言えば、セカンド立体ギャザー73では、サイドシート61の肌非対向面側における幅方向外側の端縁部に第三糸ゴム83が設けられる。
その他、上述したギャザー71,72,73に加えてまたは替えて、着用者の脚部の付け根に対する追従を高めるためのレッグギャザーを設けてもよい。
〔多孔シートの変形例について〕
上記説明では、多孔シート100が、ハニカムパターンの構造を構成する板状の隔壁30を有し、この隔壁30に囲まれる貫通孔21aが形成されるシート本体10を備える場合を例に挙げて説明した。さらに、このハニカムパターンの構造が、貫通孔21a、及び、貫通孔21aを取り囲む板状のセル壁31によって構成されるセル11aが複数集合してなることを説明した(図3,図4参照)。また、多孔シート100が、コルゲートパターンの構造を構成する隔壁30を有する場合を例に挙げて説明した。多孔シート100の構成はこれに限定されず、貫通孔21を区画形成する隔壁30を有するものであれば適宜変更してもよい。例えば、多孔シート100の隔壁30は、円柱状の繰り返し構造を有するフルート部が複数積層されたロールコアパターンの構造を構成していてもよい。または、図7,8に示すように、多孔シート100の隔壁30が、貫通孔21c、及び貫通孔21cを取り囲み、上述した板状のセル壁31よりも厚みを有するセル壁38によって構成されるセル11cが複数集合してなる構造を構成していてもよい。なお、図7,図8では、セル11cの一つを二点鎖線で囲って示している。以下、この構造について説明する。
この変形例の多孔シート100におけるセル11cの形状は特に限定されないが、例えば、三角形状、四角形状、五角形状、六角形状等の多角形状が挙げられる。中でも、正三角形状、正方形状、正六角形状が好ましく、正方形状、正六角形状がより好ましく、正六角形状がさらに好ましい。セル11cの形状が多角形状の場合には、実施形態で説明したハニカムパターンと同様のパターン構造を形成することになる。なお、セル11cの形状は不定形状であってもよい。この場合、貫通孔21cは、ランダムな大きさ、位置に設けることができる。
セル11c内部の貫通孔21cの断面視の形状は、特に限定されないが、例えば、円形状、楕円形状、長円形状や、三角形状、四角形状、五角形状、六角形状等の多角形状等が挙げられる。中でも、円形状、正方形状、正六角形状が好ましい。多孔シート100の空隙率を高めて、貫通孔21cの容積を大きくする観点からは、貫通孔21cの断面視の形状は、セル11cの断面視の形状にあわせて形成されていることが好ましい。例えば、セル11cの形状が正六角形状の場合、貫通孔21cの形状も正六角形状となることが好ましい。または、セル11cの形状が正方形状の場合、貫通孔21cの形状も正方形状となることが好ましい。一方、隔壁30の厚みを増すことで、多孔シート100の強度を高める観点からは、貫通孔21cの断面視の形状は円形状であってもよい。本変形例では、セル11cが断面視で正六角形状の形状を有し、貫通孔21cが断面視で円形状の形状を有する場合を例示する。
<空隙率>
変形例の多孔シート100の空隙率は、好ましくは50%以上、より好ましくは60%以上、さらに好ましくは70%以上、特に好ましくは75%以上であり、また好ましくは95%以下、より好ましくは90%以下、さらに好ましくは85%以下、特に好ましくは80%以下である。多孔シート100の空隙率が上記下限値以上であると、貫通孔21c内に軟便を取り込むための内部容積を確保させやすい。また、多孔シート100を屈曲変形させやすい。多孔シート100の空隙率が上記上限値以下であると、隔壁30の剛性が増して、歪みや変形に対する強度が増加しやすい。
変形例の多孔シート100は、実施形態で説明した板状のセル壁31によって構成されるセル11aが複数集合してなる態様よりも、セル壁38の厚みが比較的に増していることで、外力に対する強度が高い観点から好ましい。一方、多孔シート100の軽量化、貫通孔21の容積の増加、厚み方向への折れ曲がりの容易さによる加工性やフィット感の向上の観点からは、板状のセル壁31によって構成されるセル11aが複数集合してなる態様が好ましい。なお、密度あたりの圧縮強度を高める観点からも、板状のセル壁31によって構成されるセル11aが複数集合してなる場合の方が好ましい。
<製造方法>
隔壁30が上述した構造を構成する場合、変形例の多孔シート100の製造方法は特に限定されず、公知の製造方法を利用することができる。例えば、第四の製造方法として、貫通孔21cの深さD31に対応する厚みを有するブロック状の部材に対して、ドリル等を用いて切削して貫通孔21cを設けるか、パンチング又はレーザー等を用いて穿孔して貫通孔21cを設けることで製造することができる。
また、第五の製造方法として、まず、隔壁30を構成する紙、合成紙、合成樹脂、布等の原料である、パルプ、熱可塑性樹脂、繊維等を、貫通孔21cの形状に対応する柱状の突出部を内部に多数有する型枠容器内に供給する。次に、型枠容器の加熱処理、乾燥処理等によって、型枠容器内の原料を成形した集合物を得る。さらに、成形した集合物を型枠容器から取り出して、貫通孔21c深さD31が所望の長さとなるように切断することで製造することができる。
[第二実施形態]
次に、図9~図13を参照して、第二実施形態に関する軟便取込用多孔シート100及び紙おむつ300の構成を説明する。第二実施形態に関する紙おむつ300の構成は、多孔シート100の構成を除いて、第一実施形態に関する紙おむつ300と同様である。そこで、以下の第二実施形態に関する説明では、第二実施形態に関する多孔シート100と第一実施形態に関する多孔シート100との異なる構成に専ら着目し、図1~図8を参照して既に説明した要素については、図1~図8と同じ符号を付与してその説明を適宜省略する。
〔多孔シート〕
第二実施形態に関する多孔シート100は、第一実施形態と同様に、その内部に軟便を取り込んで、軟便の横方向(面方向)への拡散を防止するシート状の部材であり、軟便取込用多孔シートと位置づけることができる。第二実施形態に関する多孔シート100の構成は、主には、後述の透過孔22を有する点で第一実施形態と異なるが、その他の基本構成については、第一実施形態と同様であり、第一実施形態に関する<多孔シートの基本構成>の説明を援用してその詳述を省略する。
<透過孔>
図9は、第二実施形態に関する紙おむつ300の断面図であって、図1のII-II矢視断面から見た図である。図9に示すように、多孔シート100は、隔壁30の側面部に、透過孔22を有している。透過孔22は、隔壁30を貫通して隣接する貫通孔21を連通させるとともに、隣接する貫通孔21の間で水分を透過させるものである。ここでいう水分には、例えば、尿や軟便に含まれる液体成分等が含まれる。透過孔22は、少なくとも液体状の水分を透過させることが好ましい。また、透過孔22は、液体状の水分に加えて、気体状の水分(水蒸気)を透過させるものであってもよい。透過孔22を有することで、多孔シート100の内部に取り込まれた水分が、透過孔22を通じて隔壁30を透過することができる。これにより、隣接する貫通孔21に水分が広がり、多孔シート100内で拡散する。なお、透過孔22は、水分に加えて、軟便に含まれる固体成分を透過させるものであってもよい。しかしながら、このような透過孔22は、比較的にサイズが大きくなり、隔壁30に占める面積が大きくなる傾向にある。この場合、隔壁30の強度が低下することがある。このため、通常、透過孔22は、少なくとも水分を透過させるものであればよい。
透過孔22の設けられる位置は特に限定されないが、シート本体10の最外壁に位置する隔壁30には設けられずに、シート本体10の内部に位置する隔壁30に設けられることが好ましい。これにより、シート本体10の内部に設けられた透過孔22を水分が通過することで、シート本体10内部において隣接する貫通孔21の間で水分を広げることができる。また、シート本体10の側面に設けられた透過孔22を水分が通過して、多孔シート100の側面から水分が流出することを防ぐことができる。したがって、多孔シート100の端面10aから流入して、多孔シート100内で拡散した水分を、多孔シート100の端面10b側から流出させることができる。さらには、多孔シート100の肌非対向面側に設けられた吸収体40によって、多孔シート100から流出した水分を、端面10bを通じて直に吸収することができる。
透過孔22の形状は特に限定されず、例えば、円形状、楕円形状、長円形状、半円形状、多角形状、不定形状等が挙げられる。または、隔壁30が、内部に隔壁30を連通する空隙を多数有する多孔質構造を有し、この空隙が透過孔22として機能するものであってもよい。また、隔壁30に設けられる透過孔22の数は特に限定されず、後述する透過孔率を満たすものであれば適宜変更してもよい。
透過孔22の径は特に限定されないが、好ましくは0.1mm以上、より好ましくは0.5mm以上であり、好ましくは3mm以下、より好ましくは1mm以下である。透過孔22の径が上記下限値以上であると、透過孔22を通じて隔壁30に水分を透過させやすい。透過孔22の径が上記上限値以下であると、隔壁30の強度の低下を防ぎやすい。なお、透過孔22の径とは、透過孔22に内接する円(内接円)の直径をいう。
隔壁30に設けられる透過孔22の度合いは、隔壁30の面積に対する透過孔22の開口面積を合計した面積の割合(透過孔率)によって表すことができる。多孔シート100の透過孔率は、好ましくは10%以上、より好ましくは20%以上であり、好ましくは50%以下、より好ましくは30%以下である。透過孔率が上記下限値以上であると、透過孔22を通じて隔壁30に水分を透過させやすい。透過孔率が上記上限値以下であると、隔壁30の強度の低下を防ぎやすい。
<多孔シートの材料>
多孔シート100を構成する材料としては、第一実施形態と同様に、例えば、紙、合成紙、合成樹脂、不織布等が挙げられる。これら材料の好ましい主成分,原料,製法,坪量,目付量などに関しては、第一実施形態に関する<多孔シートの材料>の説明を援用してその詳述を省略する。
<孔径に対する深さの比>
第二実施形態に関する多孔シート100において、貫通孔21は、孔径よりも深さの方が大きいことが好ましい。すなわち、貫通孔21は、孔径に対する深さの比(アスペクト比)が1より大きいことが好ましい。貫通孔21の孔径に対する深さの比として好ましい数値範囲に関しては、第一実施形態に関する<孔径に対する深さの比>の説明を援用してその詳述を省略する。
<厚み、高さ、孔径>
隔壁30の厚みと、隔壁30の高さと、貫通孔21の孔径とは特に限定されず、それらの好ましい数値範囲に関しては、第一実施形態に関する<厚み>の説明と<高さ>の説明と<孔径>の説明とを援用してその詳述を省略する。
<圧縮強度>
多孔シート100は、第一実施形態と同様に、着用者によって加えられる力による変形を防ぐために、圧縮に対する強度(圧縮強度)が高いことが好ましい。多孔シート100の圧縮強度と、その密度あたりの圧縮強度との好ましい数値範囲に関しては、第一実施形態に関する<圧縮強度>の説明を援用してその詳述を省略する。
<空隙率>
多孔シート100は、第一実施形態と同様に、貫通孔21内に軟便を取り込みやすくするととともに、密度あたりの圧縮強度を高める観点から、空隙率が高いことが好ましい。多孔シート100の空隙率の好ましい数値範囲に関しては、第一実施形態に関する<空隙率>の説明を援用してその詳述を省略する。
多孔シート100は、第一実施形態と同様に強度や製造のしやすさの観点から、平面視で貫通孔21と隔壁30とからなるセル11a,11bが周期的に現れる繰り返し構造を有することが好ましい。具体的には、貫通孔21を取り囲む隔壁30が円形状又は多角形状の繰り返し構造を構成することが好ましく、第一実施形態の図3,図4と同様な、ハニカムパターンの構造を構成することがより好ましい(図10,図11参照)。または、貫通孔21を取り囲む隔壁30が、第一実施形態の図5,図6と同様な、コルゲートパターンの構造を構成することが好ましい(図12,図13参照)。これらの構造を順に説明する。なお、図10~図13は、多孔シート100(シート本体10)の斜視図、及び隔壁30の断面図を示すものであるが、多孔シート100及び隔壁30が有する繰り返し構造のうち、一部のみを抽出して示している。
<ハニカムパターンの構造>
図10,図11に示すように、多孔シート100において、隔壁30は、多角形状の貫通孔21aを内部に有する多角形状のセル11aを複数集合させたハニカムパターンの構造を構成することが好ましい。図10,図11に示すハニカムパターンの構造の構成要素とセル11aの好ましい形状とに関しては、第一実施形態に関する<ハニカムパターンの構造>の説明を援用してその詳述を省略する。
図10,図11に示すように、隔壁30は、基材部32が複数積層されることで形成されている。第二実施形態において、基材部32は、面方向に、第一平行部32a、第一斜面部32b、第二平行部32c、及び第二斜面部32dがこの順で連続する凹凸構造を繰り返し有する。第一平行部32a、第一斜面部32b、第二平行部32c、及び第二斜面部32dは、いずれも略同じ長さを有している。第一平行部32aと第二平行部32cとは互いに平行であって、且つ基材部32の延在する方向とも平行となっている。第一斜面部32b、第二平行部32c、及び第二斜面部32dはこの順で、底辺の内角がともに60度である等脚台形の底辺以外の辺の形状をなしている。また、第二斜面部32d、第一平行部32a、及び第一斜面部32bはこの順で、底辺の内角がともに60度である等脚台形の底辺以外の辺の形状をなしている。そして、これらの形状が交互に繰り返されることで、凹凸構造が形成されている。基材部32は、上述した凹凸構造が厚み方向に延設されているものである。さらに、隣接する基材部32は、凸部となる第一平行部32a又は第二平行部32cどうしを互いに対向させる位置関係で接しており、この面が接着されることで接着部33が形成されている。接着は、例えば、澱粉、ホットメルト型、合成樹脂エマルジョン型、樹脂溶液型等の公知の接着剤を使用して行うことができる。
隔壁30がハニカムパターンの構造を構成し、セル11aが正六角形状の場合、貫通孔21aの孔径は、セル11aの対向する辺の間の間隔L11によって表される。セル11aの対向する辺の間の間隔L11として好ましい数値範囲と、貫通孔21aの深さD11と、セル11aの対向する辺の間の間隔L11に対する深さD11の比とは、第一実施形態に関するそれらと同様であり、既述の説明を援用してその詳述を省略する。
第二実施形態では、セル11aの第一平行部32a及び第二平行部32cからなる対向する二つの辺に、透過孔22aがそれぞれ設けられている。また、セル11aの第一斜面部32bと第二斜面部32dとからなる対向する二組の辺に、それぞれ透過孔22b,22cが設けられている。これにより、透過孔22a~22cを通じて、隣接するセル11aの貫通孔21aと、貫通孔21a内の水分を流通させることができる。この場合、図11中において、上下方向に隣接するセル11a、及び左右斜め方向に隣接するセル11aの間で、透過孔22a~22cを通じて水分を流通させることができる。この場合には、多孔シート100は、貫通孔21a内の水分を多孔シート100全体にバランスよく分散させることができる。
透過孔22は、図10,図11を参照して説明した透過孔22a~22cを設ける態様に限定されず、適宜変更してもよい。例えば、透過孔22a~22cのうち、対向するいずれか1組の透過孔22のみ設けて、他の2組は設けないようにしてもよい。一例として、透過孔22aのみを設けて、透過孔22b,22cを設けないようにしてもよい。この場合、図11中において、上下方向に隣接するセル11aの間で、透過孔22aを通じて水分を流通させることができる。このように、隣接するセル11aの間で、対向する一辺の隔壁30にのみ透過孔22を設けることで、水分の透過に方向性を持たせることができる。このとき、例えば、透過孔22aのみを設けた多孔シート100は、この多孔シート100の図11中の上下方向と紙おむつ300の長手方向とが平行になるように配置されてもよい。この場合には、多孔シート100は、貫通孔21a内の水分を紙おむつ300の長手方向に誘導することができる。これにより、例えば、股下部300B付近で多孔シート100に取り込まれた水分を、前身頃300A又は後身頃300Cの長手方向に向けて拡散することができる。
<ハニカムパターンの構造を有する場合の製造方法>
隔壁30が上述したハニカムパターンの構造を構成する場合、多孔シート100の製造方法としては、第一実施形態に関して説明した第一の製造方法又は第二の製造方法が適用されてよい。第一の製造方法が適用される場合、凹凸状に成形された基材部32を得たとき、例えば、パンチング又はレーザー等を用いて基材部32を穿孔することで、透過孔22a~22cを設けることができる。第二の製造方法が適用される場合、基材を積層した積層物を得たとき、例えば、ドリル等を用いて基材部32を切削するか、パンチング又はレーザー等を用いて基材部32を穿孔することで、透過孔22a~22cを設けることができる。
<コルゲートパターンの構造>
図12,図13に示すように、多孔シート100において、隔壁30は、波形状のフルート部35と平板状のライナー部36との繰り返しからなるコルゲートパターンの構造を構成することが好ましい。セル11bは、貫通孔21b、及び、フルート部35と接着部37においてフルート部35に接するライナー部36とからなり貫通孔21bを取り囲む板状のセル壁34によって構成されている。そして、複数のセル11bが互いに隣接して集合することで、多孔シート100が形成されている。なお、図13では、セル11bの一つを二点鎖線で囲って示している。
(P170106〔0051〕)
隔壁30は、フルート部35とライナー部36とが交互に複数積層されることで形成されている。フルート部35は、面方向に、頂部35a、第一中間部35b、底部35c、第二中間部35dがこの順で連続する波形構造を繰り返し有する。フルート部35は、この波形構造が厚み方向に延設されているものである。ライナー部36は、平板状の板状部材である。このとき、フルート部35の波形の頂部35aが、フルート部35の一方の側に対向して設けられるライナー部36と接している。また、フルート部35の波形の底部35cが、フルート部35の他方の側に対向して設けられるライナー部36と接している。そして、フルート部35の頂部35aと底部35cとが、それぞれ対向するライナー部36と接着されることで、接着部37が形成されている。接着は、ハニカムパターンの構造の場合と同様に、公知の接着剤を使用して行うことができる。
隔壁30がコルゲートパターンの構造を構成する場合、多孔シート100の屈曲のしやすさは、ライナー部36の延設方向に応じて異方性を示す。多孔シート100の屈曲のしやすさと、ライナー部36の延設方向との関係については、第一実施形態に関するそれらの関係と同様であり、既述の説明を援用してその詳述を省略する。
隔壁30がコルゲートパターンの構造を構成する場合、図13に示すように、貫通孔21bの孔径は、ライナー部36の間隔L21によって表すことができる。この場合、ライナー部36の間隔L21として好ましい数値範囲と、フルート部35の波形のピッチL22と、貫通孔21bの深さD21と、ライナー部36の間隔L21に対する深さD21の比とは、第一実施形態に関するそれらと同様であり、既述の説明を援用してその詳述を省略する。
第二実施形態では、セル11bのフルート部35において、第一中間部35bに透過孔22dが設けられ、第二中間部35dに透過孔22eが設けられている。また、セル11bのライナー部36において、透過孔22fが設けられている。これにより、透過孔22d~fを通じて、隣接するセル11bの貫通孔21bと、貫通孔21b内の水分を流通させることができる。この場合、図13中において、上下斜め方向に隣接するセル11b、及び左右方向に隣接するセル11bの間で、透過孔22d~22fを通じて水分を流通させることができる。この場合には、多孔シート100は、貫通孔21b内の水分を多孔シート100全体にバランスよく分散させることができる。
透過孔22は、図12,図13を参照して説明した透過孔22d~22fを設ける態様に限定されず、適宜変更してもよい。例えば、透過孔22d~22fのうち、フルート部35に透過孔22d,22eのみを設けて、ライナー部36に透過孔22fを設けないようにしてもよい。この場合、図13中において、左右方向に隣接するセル11bの間で、透過孔22d,22eを通じて水分を流通させることができる。このように、隣接するセル11bの間で、フルート部35を構成する隔壁30にのみ透過孔22d,22eを設けることで、水分の透過に方向性を持たせることができる。このとき、例えば、透過孔22d,22eのみを設けた多孔シート100は、この多孔シート100の図13中の左右方向と紙おむつ300の長手方向とが平行になるように配置されてもよい。この場合には、多孔シート100は、貫通孔21b内の水分を紙おむつ300の長手方向に誘導することができる。これにより、例えば、股下部300B付近で多孔シート100に取り込まれた水分を、前身頃300A又は後身頃300Cの長手方向に向けて拡散することができる。
<コルゲートパターンの構造を有する場合の製造方法>
隔壁30が上述したコルゲートパターンの構造を構成する場合、多孔シート100の製造方法としては、第一実施形態に関して説明した第三の製造方法が適用されてよい。第三の製造方法が適用される場合、隔壁30を形成する平面シート状の基材を波形状に成形してフルート部35を得たとき、例えば、パンチング又はレーザー等を用いてフルート部35を穿孔することで、透過孔22d~22fを設けることができる。
なお、本実施形態では、複数のフルート部35は、波形の周期が平面視で一致して、波形の頂部が同じ位置に現れる位置関係となるように積層されている場合を例示したが、フルート部35の位置関係はこれに限定されない。複数のフルート部35は、波形の位置が周期的にずれていてもよく、ランダムにずれていてもよい。例えば、ライナー部36を挟んで隣接するフルート部35の波形が半周期分ずれて、それぞれの波形の頂部と底部とが対向する位置関係となるように積層されていてもよい。
第二実施形態において、吸収性コア41と、高吸収性ポリマー42と、繊維材料43と、吸収体40と、ラップシート44と、積層体200と、トップシート51と、通過部52と、バックシート55と、サイドシート61と、カバーシート62と、ギャザー70との各構成要素は、第一実施形態で説明した対応する要素と同様に構成されてよく、既述の説明を援用してその詳述を省略する。
〔透過孔の孔径及び配置について〕
上説明では、同一の孔径の透過孔22が配置されている場合を例に挙げて説明した。透過孔22の孔径はこれに限られず、一つの多孔シート100に含まれる透過孔22の孔径が互いに異なっていてもよく、多孔シート100中の位置に応じて孔径を変更してもよい。また、透過孔22の配置は、不均一であってもよく、多孔シート100中の位置に応じて透過孔22の分布を変えてもよい。例えば、一部の領域に含まれる透過孔率を上げてもよく、一部の領域に含まれる透過孔率を下げてもよい。
〔多孔シートの変形例について〕
上記説明では、多孔シート100が、ハニカムパターンの構造を構成する板状の隔壁30を有する場合を例に挙げて説明した。また、多孔シート100が、コルゲートパターンの構造を構成する隔壁30を有する場合を例に挙げて説明した。多孔シート100の構成はこれに限定されず、貫通孔21を区画形成する隔壁30を有するものであれば適宜変更してもよい。例えば、多孔シート100の隔壁30は、円柱状の繰り返し構造を有するフルート部が複数積層されたロールコアパターンの構造を有していてもよい。
[第三実施形態]
次に、図14~図20を参照して、第三実施形態に関する軟便取込用多孔シート100及び紙おむつ300の構成を説明する。前述した第一実施形態に関する紙おむつ300において積層体200が、多孔シート100の他方の主面である端面10b側に設けられる、吸収体40(図1参照)を備えていたところ、第三実施形態に関する紙おむつ300においては、積層体200は、吸収体40(図1参照)に替えて、多孔シート100の他方の主面である端面10b側に設けられる、サポートシート54を備えているその他の構成要素に関しては、第三実施形態に関する紙おむつ300の構成は、多孔シート100の構成を除いて、第一実施形態に関する紙おむつ300と同様であるため、図1~図8を参照して既に説明した要素については、図1~図8と同じ符号を付与してその説明を適宜省略する。
〔多孔シート〕
第三実施形態に関する多孔シート100は、第一実施形態と同様に、その内部に軟便を取り込んで、軟便の横方向(面方向)への拡散を防止するシート状の部材であり、軟便取込用多孔シートと位置づけることができる。さらに、第三実施形態においては、多孔シート100は、着用者から排泄される尿や経血といった排泄水分を吸収して保持する吸液性をもつ部材である。第三実施形態の多孔シート100の構成は、主には、隔壁30が高吸収性ポリマー42を有する点で第一実施形態と異なるが、その他の基本構成については、第一実施形態と同様であり、第一実施形態に関する<多孔シートの基本構成>の説明を援用してその詳述を省略する。
図15~図18に示すように、隔壁30は、後述する高吸収性ポリマー42(SAP(Superabsorbent polymer)、高吸水性高分子あるいは高吸水性樹脂とも称される)を含有(付着)している。高吸収性ポリマー42は、多孔シート100に取り込まれた液体を吸収し保持することができる。
隔壁30における高吸収性ポリマー42の含有量は、隔壁30の総質量に対する固形分換算で、通常1質量%以上、好ましくは5質量%以上、より好ましくは10質量%以上、さらに好ましくは15質量%以上であり、通常50質量%以下、好ましくは40質量%以下、より好ましくは30質量%以下、さらに好ましくは20質量%以下である。高吸収性ポリマー42の含有量が上記下限以上であると、多孔シート100に取り込まれた液体を吸収して保持することで、多孔シート100の外部に漏れだすことを抑制しやすい。高吸収性ポリマー42の含有量が上記上限以下であると、過度の高吸収性ポリマー42によって吸水時に貫通孔21が狭まったり、閉ざされたりすることを抑えやすい。また、隔壁30の強度の低下を抑えやすい。
隔壁30は、後述する繊維材料(図示略)をさらに含有していてもよい。繊維材料は、親水性を有する極細の繊維が絡まり合って形成されている。隔壁30が繊維材料を含有する場合、高吸収性ポリマー42は、繊維材料に混合されることにより、繊維材料に埋没保持される。通常、繊維材料は高吸収性ポリマー42よりも吸収スピードに優れている。一方、高吸収性ポリマー42は繊維材料よりも吸収力、すなわち液体の吸収量に優れている。このため、隔壁30が繊維材料を含むことで、まず繊維材料によって隔壁30に液体を一時的に吸収することができる。さらに、高吸収性ポリマー42は、繊維材料によって吸収された液体を徐々に吸収して、保持することができる。
隔壁30における繊維材料の含有量は、隔壁30の総質量に対する固形分換算で、通常5質量%以上、好ましくは10質量%以上、より好ましくは15質量%以上、さらに好ましくは20質量%以上であり、通常60質量%以下、好ましくは50質量%以下、より好ましくは40質量%以下、さらに好ましくは30質量%以下である。繊維材料の含有量が上記下限以上であると、多孔シート100に取り込まれた液体を速やかに吸収しやすい。繊維材料の含有量が上記上限以下であると、過度の繊維材料によって貫通孔21が狭まったり、閉ざされたりすることを抑えやすい。また、隔壁30の強度の低下を抑えやすい。
多孔シート100が、隔壁30に高吸収性ポリマー42及び/又は繊維材料を含有する態様は特に限定されず、例えば、図15~図18に示すように、隔壁30の表面に高吸収性ポリマー42や繊維材料が付着していてもよく、隔壁30の内部に高吸収性ポリマー42や繊維材料が存在していてもよく、両者の態様を組み合わせてもよい。後者の場合には、隔壁の表面に、高吸収性ポリマー42や繊維材料がその一部を露出した状態で存在していることが好ましい。前者の場合には、例えば、シート本体10を形成した後に、シート本体10に接着剤を塗布して、この接着剤によって高吸収性ポリマー42や繊維材料をシート本体10に貼り付けることで固定することができる。また、後者の場合には、例えば、シート本体10を形成する際に、予めシート本体の材料に高吸収性ポリマー42や繊維材料を配合させて、シート本体10を形成することで固定することができる。高吸収性ポリマー42や繊維材料の固定に用いられる接着剤としては、特に限定されず、例えば、澱粉、ホットメルト型、合成樹脂エマルジョン型、樹脂溶液型等の公知の接着剤を用いることができる。中でも、親水性の接着剤成分が水に溶解又は分散した水系の接着剤が好ましい。このような接着剤成分としては、例えば、ポリビニルアルコール系樹脂が挙げられる。
また、第三実施形態に関する多孔シート100の形状は、第一実施形態と同様に、着用者によって排泄された軟便を取込可能なサイズ及び形状であれば特に限定されない。第三実施形態においては、多孔シート100は、前身頃300A、股下部300B、及び後身頃300Cに亘って長手方向に延びている。ここでは、前身頃300A及び後身頃300Cよりも股下部300Bのほうが幅方向寸法の小さい、砂時計形状の多孔シート100を例示する。第三実施形態では、多孔シート100が、後述するサポートシート54と略同一形状となっている。このように、多孔シート100がサポートシート54と略同一形状の砂時計形状であることにより、多孔シート100は、前身頃300A、股下部300B、及び後身頃300Cを含む領域をカバーすることができる。そして、多孔シート100は、これらの領域内に排泄される排泄物を受け止めることで、排泄物が紙おむつ300から漏れ出すことを防ぐことができる。また、多孔シート100はサポートシート54の上に設けられることで、多孔シート100が貫通孔21の一方の端面10a側から軟便を取り込んだ場合に、他方の端面10b側にサポートシート54が存在することになる。このため、サポートシート54は端面10b側のストッパーとして働き、貫通孔21の内部に取り込まれた軟便が、貫通孔21を通じて端面10bからそのまま流出することで多孔シート100を通過することを防ぐことができる。そして、サポートシート54は、貫通孔21の内部に軟便の固形成分を留めながら、貫通孔21の内部に取り込まれた軟便に含まれる液体成分を、端面10bを通じて吸収することができる。ただし、多孔シート100の平面視形状は、砂時計形状に限らず、例えば平面視で円形状、楕円形状、長円形状、矩形状(すなわち幅方向寸法が一定)、円形の前身頃300A及び後身頃300Cを結ぶダンベル形状等であってもよい。サポートシート54が端面10b側のストッパーとして働き、端面10bを介して液体成分を吸収するためには、多孔シート100は、サポートシート54よりも小さい形状であることが好ましい。また、多孔シート100は、少なくとも着用者の肛門部の位置に配置されることが好ましい。
<透過孔>
多孔シート100は、第一実施形態と同様に、隔壁30の側面部に、隔壁30を貫通する透過孔(図示略)を有していてもよい。第三実施形態においては、隔壁30に含まれる高吸収性ポリマー42、ここでは、図15~図18に示すように隔壁30に付着(又は接着)した高吸収性ポリマー42が、拡散した液体成分を吸収することで、より広い領域で速やかに液体成分を吸収することができる。
<多孔シートの材料>
多孔シート100を構成する材料としては、例えば、紙、合成紙、合成樹脂、不織布等が挙げられる。これら材料の好ましい主成分,原料,製法,坪量,目付量などに関しては、第一実施形態に関する<多孔シートの材料>の説明を援用してその詳述を省略する。
<高吸収性ポリマー>
高吸収性ポリマー42としては、使い捨ておむつや尿パッドのような吸収性物品における吸収体の材料として用いられている各種公知のものを用いることができる。高吸収性ポリマー42としては、例えば、デンプン-アクリル酸(塩)グラフト共重合体、デンプン-アクリロニトリル共重合体のケン化物、デンプン-アクリル酸エチルグラフト共重合体のケン化物等のデンプン系;ナトリウムカルボキシメチルセルロースの架橋物等のセルロース系;アクリル酸(塩)重合体、ポリビニルアルコール-無水マレイン酸反応物の架橋物等の合成ポリマー系の物を用いることができる。これらは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。高吸収性ポリマー42の形状は特に限定されないが、例えば、粒状、粉体状、ペレット状、ゾル状、フィルム状、繊維状等のものを用いることができる。
<繊維材料>
繊維材料としては、例えば,パルプ繊維、レーヨン繊維、コットン繊維等のセルロース系の繊維や;ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート等の合成繊維に親水化処理を施したものが挙げられる。これらは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
<孔径に対する深さの比>
第三実施形態に関する多孔シート100において、貫通孔21は、孔径よりも深さの方が大きいことが好ましい。すなわち、貫通孔21は、孔径に対する深さの比(アスペクト比)が1より大きいことが好ましい。貫通孔21の孔径に対する深さの比として好ましい数値範囲に関しては、第一実施形態に関する<孔径に対する深さの比>の説明を援用してその詳述を省略する。
<厚み、高さ、孔径>
隔壁30の厚みと、隔壁30の高さと、貫通孔21の孔径とは特に限定されず、それらの好ましい数値範囲に関しては、第一実施形態に関する<厚み>の説明と<高さ>の説明と<孔径>の説明とを援用してその詳述を省略する。
<圧縮強度>
第三実施形態に関する多孔シート100は、第一実施形態と同様に、着用者によって加えられる力による変形を防ぐために、圧縮に対する強度(圧縮強度)が高いことが好ましい。多孔シート100の圧縮強度と、その密度あたりの圧縮強度との好ましい数値範囲に関しては、第一実施形態に関する<圧縮強度>の説明を援用してその詳述を省略する。
<空隙率>
第三実施形態に関する多孔シート100は、第一実施形態と同様に、貫通孔21内に軟便を取り込みやすくするととともに、密度あたりの圧縮強度を高める観点から、空隙率が高いことが好ましい。多孔シート100の空隙率の好ましい数値範囲に関しては、第一実施形態に関する<空隙率>の説明を援用してその詳述を省略する。
多孔シート100は、第一実施形態と同様に強度や製造のしやすさの観点から、平面視で貫通孔21と隔壁30とからなるセル11a,11bが周期的に現れる繰り返し構造を有することが好ましい。具体的には、貫通孔21を取り囲む隔壁30が円形状又は多角形状の繰り返し構造を構成することが好ましく、第一実施形態の図3,図4と同様な、ハニカムパターンの構造を構成することがより好ましい(図15,図16参照)。または、貫通孔21を取り囲む隔壁30が、第一実施形態の図5,図6と同様な、コルゲートパターンの構造を構成することが好ましい(図17,図18参照)。これらの構造を順に説明する。なお、図15~図18は、多孔シート100(シート本体10)の斜視図、及び隔壁30の断面図を示すものであるが、多孔シート100及び隔壁30が有する繰り返し構造のうち、一部のみを抽出して示している。第三実施形態においては、隔壁30の表面に高吸収性ポリマー42が付着している場合を例示する。
<ハニカムパターンの構造>
図15,図16に示すように、多孔シート100において、隔壁30は、多角形状の貫通孔21aを内部に有する多角形状のセル11aを複数集合させたハニカムパターンの構造を構成することが好ましい。図15,図16に示すハニカムパターンの構造の構成要素とセル11aの好ましい形状とに関しては、第一実施形態に関する<ハニカムパターンの構造>の説明を援用してその詳述を省略する。また、セル11aの対向する辺の間の間隔L11として好ましい数値範囲と、貫通孔21aの深さD11と、セル11aの対向する辺の間の間隔L11に対する深さD11の比とは、第一実施形態に関するそれらと同様であり、既述の説明を援用してその詳述を省略する。
<ハニカムパターンの構造を有する場合の製造方法>
隔壁30が上述したハニカムパターンの構造を構成する場合、多孔シート100の製造方法としては、第一実施形態に関して説明した第一の製造方法又は第二の製造方法が適用されてよい。第一の製造方法が適用される場合、複数の基材部32を互いの凸部の位置が対応する位置関係となるようにして貼り合わせるとき、例えば、基材部32に接着材を塗布し、又は基材部32を接着剤に浸漬させることによって、基材部32の表面に高吸収性ポリマー42を付着させることができる。また、第二の製造方法が適用される場合、基材を積層した積層物を得たとき、例えば、積層した基材に接着材を塗布し、又は積層物を接着剤に浸漬させることによって、基材の表面に高吸収性ポリマー42を付着させることができる。
<コルゲートパターンの構造>
図17,図18に示すように、多孔シート100において、隔壁30は、波形状のフルート部35と平板状のライナー部36との繰り返しからなるコルゲートパターンの構造を構成することが好ましい。第三実施形態においては、フルート部35及びライナー部36の表面に、高吸収性ポリマー42が付着している。図17,図18に示すコルゲートパターンの構造におけるその他の構成要素とセル11aの好ましい形状に関しては、第一実施形態に関する<コルゲートパターンの構造>の説明を援用してその詳述を省略する。また、ライナー部36の間隔L21として好ましい数値範囲と、フルート部35の波形のピッチL22と、貫通孔21bの深さD21と、ライナー部36の間隔L21に対する深さD21の比とは、第一実施形態に関するそれらと同様であり、既述の説明を援用してその詳述を省略する。
<コルゲートパターンの構造を有する場合の製造方法>
隔壁30が上述したコルゲートパターンの構造を構成する場合、多孔シート100の製造方法としては、第一実施形態に関して説明した第三の製造方法が適用されてよい。第三の製造方法が適用される場合、複数のフルート部35と複数のライナー部36と交互に張り合わせるとき、例えば、フルート部35とライナー部36に接着材を塗布し、又はフルート部35とライナー部36とを接着剤に浸漬させることによって、基材の表面に高吸収性ポリマー42を付着させることができる。
〔積層体〕
第三実施形態において、積層体200は、多孔シート100の両主面側にトップシート51とサポートシート54とがそれぞれ配置されるとともに、サポートシート54の多孔シート100が設けられる面とは反対側の面に、バックシート55が設けられる積層構造体である。すなわち、積層体200は、第一実施形態における吸収体40に替えてとサポートシート54を有している他は、第一実施形態と同様の構成であり、既述の説明を援用してその詳述を省略する。
<トップシート>
第三実施形態のトップシート51は、多孔シート100及びサポートシート54よりも幅方向寸法が大きく、肌対向面側から多孔シート100及びサポートシート54を被覆し、紙おむつ300が装着された状態において、着用者の肌に接触して、排泄水分を透過させて多孔シート100に吸収させる構造に構成される。この他の構成については、第一実施形態の<トップシート>の説明を援用してその詳述を省略する。
<サポートシート>
サポートシート54は、積層体200において多孔シート100の肌非対向面側に配置されるシート状の部材である。サポートシート54は、尿や軟便に含まれる液体成分等の水分を吸収して、逆戻りを防ぐ。このため、サポートシート54は、吸水性に優れる繊維材料で構成される。
サポートシート54を構成する繊維材料としては、例えば,パルプ繊維、レーヨン繊維、コットン繊維等のセルロース系の繊維や;ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート等の合成繊維に親水化処理を施したものが挙げられる。これらは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
<バックシート>
バックシート55は、多孔シート100及びサポートシート54に対して肌非対向面側に配置されて、多孔シート100及びサポートシート54から肌非対向面側に排泄物が漏れるのを防ぐ。この他の構成については、第一実施形態の<バックシート>の説明を援用してその詳述を省略する。
第三実施形態において、サイドシート61と、カバーシート62と、ギャザー70との各構成要素は、第一実施形態で説明した対応する要素と同様に構成されてよく、既述の説明を援用してその詳述を省略する。なお、これらのうち、カバーシート62においては、第三実施形態の紙おむつ300が吸収体40に替えてとサポートシート54を有していることから、第一カバーシート63が、バックシート55を介して多孔シート100及びサポートシート54を肌非対向面側から被覆する。
〔多孔シートの変形例について〕
上記説明では、第三実施形態に関する多孔シート100が、ハニカムパターンの構造を構成する板状の隔壁30を有し、この隔壁30に囲まれる貫通孔21aが形成されるシート本体10を備える場合を例に挙げて説明した。さらに、このハニカムパターンの構造が、貫通孔21a、及び、貫通孔21aを取り囲む板状のセル壁31によって構成されるセル11aが複数集合してなる場合(図15,図16参照)、あるいは、多孔シート100が、コルゲートパターンの構造を構成する隔壁30を有する場合(図17,図18参照)を例に挙げて説明した。多孔シート100の構成はこれに限定されず、貫通孔21を区画形成する隔壁30を有するものであれば適宜変更してもよい。例えば、多孔シート100の隔壁30は、円柱状の繰り返し構造を有するフルート部が複数積層されたロールコアパターンの構造を構成していてもよい。または、図19,図20に示すように、第一実施例に関して図7,図8を参照して説明した変形例と同様に、多孔シート100の隔壁30が、貫通孔21c、及び貫通孔21cを取り囲み、上述した板状のセル壁31よりも厚みを有するセル壁38によって構成されるセル11cが複数集合してなる構造を構成していてもよい。なお、図19,図20では、セル11cの一つを二点鎖線で囲って示している。この変形例の構造においては、隔壁30の表面に、高吸収性ポリマー42が付着している。なお、セル11cの好ましい形状や空隙率など、その他の事項については、第一実施形態に関するそれらと同様であり、既述の説明を援用してその詳述を省略する。
また、隔壁30が上述した構造を構成する場合、変形例の多孔シート100の製造方法としては、第一実施形態に関して説明した第四の製造方法又は第五の製造方法が適用されてよい。第四の製造方法が適用される場合、例えば、貫通孔21cを設けた部材に接着材を塗布し、又は貫通孔21cを設けた部材を接着剤に浸漬させることによって、部材の表面に高吸収性ポリマー42を付着させることで製造することができる。また、第五の製造方法が適用される場合、成形した集合物を型枠容器から取り出すとき、例えば、成形した集合物に接着材を塗布し、又は成形した集合物を接着剤に浸漬させることによって、集合物の表面に高吸収性ポリマー42を付着させることができる。
[2.作用及び効果]
本実施形態の多孔シート100及び紙おむつ300は、上述したように構成されるため、下記のような作用及び効果を得ることができる。
(1)従来、紙おむつの使用時に、軟便の固形成分がトップシートを通過しにくく、また吸収体に吸収されにくいことから、紙おむつの外部に漏れ出すことが問題となっていた。そこで、軟便漏れを防ぐために、不織布からなるトップシートに厚みを持たせるとともに孔を複数個形成して、この孔によって軟便を保持する吸収性物品が知られている。また、トップシートの上面に、繊維が配向した連続繊維、又は繊維の束からなる結束体を設けることで、これらの連続繊維や結束体によって軟便を捕捉する吸収性物品が知られている。また、トップシートと吸収体の間に空間を形成して、この空間に軟便を収容する吸収性物品が知られている。これらの吸収性物品では、それぞれ設けられた取込手段によってその内部に軟便を取り込むことができる。しかしながら、いずれも柔らかく変形を受けやすい取込手段に軟便が保持されるものとなっていた。このため、着用者が紙おむつを装着した状態で、例えば、座ったり、寝返りを打ったり等の動作を行った場合には、軟便を取り込んだ取込手段が変形を受けて、この取込手段から軟便が漏れ出して、着用者の肌に付着したり、紙おむつから漏れ出したりすることがあった。また、吸収体自体に貫通孔を有する吸収性物品も知られているが、通気性の向上を目的とするものであり、軟便が漏れ出すことへの対策としては十分とはいえなかった。
多孔シート100では、シート本体10が貫通孔21を区画形成する隔壁30を持っている。このため、多孔シート100は、端面10aから軟便を取り込んで、貫通孔21の内部に軟便に含まれる固形成分を保持することができる。そして、第一実施形態においては、貫通孔21は、孔径よりも深さの方が大きいものとなっている。これにより、より確実に、貫通孔21の内部に軟便に含まれる固形成分を保持することができる。また、端面10bからは、軟便に含まれる液体成分を流出させることができる。このようにして、多孔シート100は、吸収体による吸収が困難であった軟便の固形成分をその内部に取り込んで、保持することができる。また、例えば、従来、トップシートを通過せずに軟便が面方向に拡散していた事態があったが、そのような軟便の面方向の拡散を防止して、多孔シート100の厚み方向に向けて軟便に含まれる成分を通過させることができる。さらに、多孔シート100では、貫通孔21を区画形成するとともにその周囲を取り囲む隔壁30によって貫通孔21が支えられることで、外力に対し比較的に高い強度を示す。したがって、多孔シート100は、外部から荷重が加えられた場合であっても、隔壁30及び貫通孔21の変形が抑えられて、潰れにくいものである。よって、多孔シート100は、貫通孔21の内部に、より安定に軟便を保持することができる。中でも、貫通孔21周囲の隔壁30が延在する厚み方向の力に対しては高い強度を示し、この方向が貫通孔21の端面10a側と端面10b側とのそれぞれ両端部を結ぶ軸方向に沿っている。このため、多孔シート100は軟便を取り込む端面10a又は端面10b側から加わる力に対する強度が優れており、軟便を安定に保持することができる。
(2)また、第二実施形態においては、隔壁30は、隣接する貫通孔21に連通し、水分を透過可能な透過孔22を有している。これにより、多孔シート100の内部に取り込まれた、尿や軟便に含まれる液体成分といった水分は、透過孔22を通じて隔壁30を透過することができる。したがって、多孔シート100内の水分は、隣接する貫通孔21に広がることにより、多孔シート100内で拡散することができる。よって、多孔シート100に軟便が取り込まれた場合に、軟便に含まれる固形成分は多孔シート100の軟便が取り込まれた部位付近の貫通孔21内で保持され、且つ軟便に含まれる液体成分は、軟便が取り込まれた部位付近からその周囲に向けて多孔シート100内に拡散される。また、多孔シート100に軟便が取り込まれている状態において、さらに尿が排泄された場合にも、軟便が取り込まれた部位を透過して多孔シート100内に尿が拡散される。このようにして、多孔シート100の一部に軟便や尿が取り込まれた場合に、透過孔22によって周囲に水分を拡散させることで、軟便が取り込まれた部位付近の貫通孔21内の軟便の固形成分及び液体成分、並びに尿が多孔シート100からあふれ出すことを防いで、多孔シート100内に留めることができる。また、多孔シート100から外力が加わることで隔壁30が変形した場合であっても、透過孔22によって貫通孔21内の水分が隣接する貫通孔21に広がることで、変形に伴う貫通孔21の容積減少分を吸収して、軟便及び尿があふれ出すことを防ぎ、多孔シート100内に留めることができる。
(3)また、第三実施形態においては、隔壁30には、高吸収性ポリマー42が付着している。多孔シート100は、高吸収性ポリマー42によって、尿や軟便に含まれる液体成分といった水分を吸収して、保持することができる。したがって、多孔シート100によれば、軟便に含まれる固形成分は多孔シート100の貫通孔21内で保持され、且つ軟便に含まれる液体成分は高吸収性ポリマー42に保持されることになる。よって、着用者から排泄された尿や軟便が、多孔シート100から漏れ出ることを防いで、多孔シート100内に留めることができる。また、多孔シート100では、多孔シート100内に軟便を保持して着用者の肌から遠ざけるため、着用者の肌面が清潔に保たれ、お尻のかぶれ等のスキントラブルや、便が接触することによる不快感を抑制又は解消することができる。また、上述の通り、多孔シート100は外力に対する高い強度を示すことから、多孔シート100内の高吸収性ポリマー42には、外力によって受ける影響が抑えられる。したがって、多孔シート100に外力が加わった場合であっても、高吸収性ポリマー42に吸収された液体成分が着用者の肌面側に逆戻りする現象(ウェットバック)が抑制されて、肌面への付着を防ぐことができる。
(4)また、多孔シート100では、隔壁30がハニカムパターンの構造を構成している。これにより、多孔シート100の平面視において隔壁30に対する貫通孔21の占める領域を増加させることで、多孔シート100を軽量化するとともに、内部に取り込むことのできる軟便の量を増やすことができる。これに加えて、多孔シート100は、厚み方向及び面方向に対する強度に優れている。また、隔壁30がハニカムパターンの構造を構成する多孔シート100は、面方向の強度に対する異方性が比較的に少なく、面方向の異なる向きから加わる荷重に対して同程度の強度を示す。また、隔壁30がハニカムパターンの構造を構成する多孔シート100は、屈曲に対する異方性が比較的に少なく、面方向の異なる向きに対して同程度に屈曲変形させることができる。したがって、隔壁30がハニカムパターンの構造を構成する多孔シート100は、設計及び配置の自由度に優れている。
(5)また、多孔シート100では、隔壁30がコルゲートパターンの構造を構成している。これにより、多孔シート100の平面視において隔壁30に対する貫通孔21の占める領域を増加させることで、多孔シート100を軽量化するとともに、内部に取り込むことのできる軟便の量を増やすことができる。これに加えて、多孔シート100は、厚み方向及び面方向に対する強度にも優れている。また、隔壁30がコルゲートパターンの構造を構成する多孔シート100は、面方向の強度に対する異方性を有し、ライナー部36の壁面と水平方向に加わる荷重に対する強度に優れている。また、隔壁30がコルゲートパターンの構造を構成する多孔シート100は、屈曲に対する異方性を有し、ライナー部36の壁面と平行方向に沿っては曲がり難く、これと直交する方向、すなわち、ライナー部36の壁面と垂直な方向に沿って曲がり易い特性を示す。したがって、隔壁30がコルゲートパターンの構造を構成する多孔シート100は、強度又は屈曲に対する異方性を利用して、求められる性能に応じて多孔シート100を配置し又は利用することができる。
(6)紙おむつ300は、第一実施形態及び第二実施形態では、多孔シート100と、多孔シート100の他方の端面10b側に設けられ、高吸収性ポリマー42を含む吸収体40とを備えている。これにより、多孔シート100に取り込まれた軟便に含まれる液体成分は、多孔シート100の端面10b側から流出して、吸収体40に吸収される。そして、液体成分は、吸収体40の内部で広がり、保持される。したがって、軟便に含まれる固形成分は多孔シート100の貫通孔21内で保持され、且つ軟便に含まれる液体成分は吸収体40に保持されることになる。よって、着用者から排泄された軟便が、紙おむつ300から漏れ出ることを防いで、紙おむつ300内に留めることができる。
また、第二実施形態では、隔壁30が透過孔22を有していることにより、多孔シート100内で水分が拡散される。そして、吸収体40は拡散した水分を吸収することができる。したがって、多孔シート100の一部に取り込まれた水分を、多孔シート100と吸収体40によって、より広い領域で且つ速やかに吸収して保持することができる。
また、第一実施形態及び第二実施形態において、紙おむつ300では、多孔シート100と吸収体40によって軟便を保持して着用者の肌から遠ざけるため、着用者の肌面が清潔に保たれ、お尻のかぶれ等のスキントラブルや、便が接触することによる不快感を抑制又は解消することができる。また、吸収体40は、多孔シート100に対して肌非対向面側に設けられることで、着用者の肌面と吸収体40との間に多孔シート100が位置することになる。したがって、吸収体40に吸収された液体成分が着用者の肌面側に逆戻りする現象(ウェットバック)が生じた場合であっても、肌面は多孔シート100によって吸収体40から隔てられていることで、肌面への付着を防ぐことができる。
また、第三実施形態では、紙おむつ300は、多孔シート100と、多孔シート100の他方の端面10b側に設けられ、水分を吸収するサポートシート54とを備えている。これにより、多孔シート100に取り込まれた尿や軟便に含まれる液体成分等の水分が、多孔シート100の端面10b側から流出した場合に、サポートシート54によって速やかに吸収して、逆戻りが防止される。さらには上述の通り、多孔シート100は外力に対する高い強度を示し、中でも端面10aと端面10bとを結ぶ厚み方向に対する強度に優れる。したがって、例えば多孔シート100が着用者の肛門部又はその周辺において端面10aを向けて配置されている場合において、着用者が排便をすると、端面10aから貫通孔21の内部に軟便を取り込むことができる。さらに着用者の着座や寝返りを打つ等の行動をすることで、着用者による荷重が端面10aから厚み方向に加わった場合であっても、貫通孔21及び隔壁30の変形を抑えて、貫通孔21の内部に軟便を保持した状態を保つことができる。
さらには、各実施形態では、上述の通り、多孔シート100は外力に対する高い強度を示し、中でも端面10aと端面10bとを結ぶ厚み方向に対する強度に優れる。したがって、例えば多孔シート100が着用者の肛門部又はその周辺において端面10aを向けて配置されている場合において、着用者が排便をすると、端面10aから貫通孔21の内部に軟便を取り込むことができる。さらに着用者の着座や寝返りを打つ等の行動をすることで、着用者による荷重が端面10aから厚み方向に加わった場合であっても、貫通孔21及び隔壁30の変形を抑えて、貫通孔21の内部に軟便を保持した状態を保つことができる。加えて、第二実施形態では、多孔シート100から外力が加わることで隔壁30が変形した場合であっても、透過孔22によって貫通孔21内の水分が隣接する貫通孔21に広がるとともに、広がった水分は吸収体40によって速やかに吸収、保持される。したがって、軟便の固形成分及び液体成分を、多孔シート100及び吸収体40内により確実に留めることができる。
(7)紙おむつ300は、多孔シート100の一方の端面10a側に設けられ、透水性を持つとともに、便を通過させる通過部52を有するトップシート51をさらに備える。これにより、多孔シート100を含む積層体200の最外面にトップシート51が配置されることで、着用者の肌面は、トップシート51と接することになる。したがって、着用者の肌が多孔シート100と直接に触れることによって生じうる不快感を軽減又は解消して、肌触りを改善することができる。また、トップシート51は、軟便に含まれる液体成分を透過させることができ、且つ軟便に含まれる固体成分を、通過部52を介して通過させることができる。そして、トップシート51を透過した液体成分は、第一実施形態及び第二実施形態では、多孔シート100を通過して、吸収体40に吸収され、第三実施形態では、隔壁30に含まれる高吸収性ポリマー42に吸収される。
また、トップシート51を透過した固体成分は、多孔シート100に取り込まれ、保持される。このようにして、紙おむつ300は、トップシート51を備えることによって、肌触りを改善しながら、尿のような液体成分や、軟便のような固体成分と液体成分とを含む排泄物を通過させて、横漏れを引き起こすことなくこれらを保持することができる。
[3.その他]
〔吸収性物品について〕
上記説明では、吸収性物品として、パンツ型の紙おむつ300の場合を例に挙げて説明した。吸収性物品はこれに限られず、多孔シート100又は積層体200を備える他の吸収性物品としても適宜利用することができる。このような吸収性物品としては、例えば、ベッドに用いられる敷きパッドが挙げられる。敷きパッドは、ベッドに載置されたマットレスの上に敷かれるマット状の寝具である。就寝者又は要介護者等の使用者は、マットレスの上に敷かれた敷きパッドの上で身体を横たえて就寝することができる。この吸収性物品(敷きパッド)は、積層体200を備えており、トップシート51を重力方向の上側に向けて、バックシート55を重力方向の下側、すなわちマットレス側に向けて設置される。このとき、敷きパッドは、ベッドの全体又は略全体を覆う大きさであってもよく、使用者がベッドの上で横になった際に、肛門部若しくはその周辺部に対応する位置、または腰部若しくはその周辺の部位をカバーする大きさであってもよい。また、敷きパッドは、バックシート55の下側の面に滑り止め加工がなされていてもよい。なお、敷きパッドは、排泄物の通過、取り込み、及び吸収を容易にする観点からは、その上にベッドシーツ等を敷かずに使用者が直接に接触するようにして使用することが好ましい。
このような敷きパッドによれば、使用者が敷きパッドを設置したベッドの上で排泄をした場合に、軟便がトップシート51を通過する。そして、軟便が多孔シート100の貫通孔21に取り込まれて、軟便に含まれる固形成分が貫通孔21に保持される。さらに、軟便に含まれる液体成分は、第一実施形態及び第二実施形態では、貫通孔21から流出して、吸収体40に吸収、保持され、また、第三実施形態では、隔壁30に含まれる高吸収性ポリマー42に吸収、保持される。また、尿もトップシート51と多孔シート100を通過して、第一実施形態及び第二実施形態では吸収体40に吸収、保持され、第三実施形態では高吸収性ポリマー42に吸収、保持される。このように、敷きパッドによって、使用者がおむつを着用していない場合であっても、排泄物を保持して、広がることを防ぐことができる。中でも、固形成分と液体成分とを含む軟便に対して有効である。また、おむつを着用した使用者が敷きパッドを設置したベッドの上で排泄をした場合に、おむつから漏れ出した軟便又は尿等の排泄物に対しても同様にして、保持して広がることを防ぐことができる。
〔多孔シート及び積層体について〕
上記説明では、多孔シート100及び積層体200が紙おむつ300に備えられる場合を例に挙げて説明した。多孔シート100及び積層体200は、これに限られず、紙おむつ以外にも適宜用いることができる。例えば、多孔シート100及び積層体200は、上述の通り敷きパッドとして用いることができる。また、多孔シート100及び積層体200は、それぞれ単独で敷きパッドとして用いてもよい。この場合、例えば、ベッドに載置されたマットレスの上に多孔シート100が設置される。このとき、多孔シート100は、ベッドの全体又は略全体を覆う大きさであってもよく、使用者がベッドの上で横になった際に、肛門部若しくはその周辺部に対応する位置、または腰部若しくはその周辺の部位をカバーする大きさであってもよい。なお、多孔シート100は、排泄物の通過、取り込み、及び吸収を容易にする観点からは、その上にベッドシーツ等を敷かずに使用者が直接に接触するようにして使用することが好ましい。このような多孔シート100によれば、使用者が多孔シート100を設置したベッドの上で排泄をした場合に、軟便を多孔シート100の貫通孔21に取り込んで、軟便に含まれる固形成分を貫通孔21に保持して、固形成分が横方向に広がることを防ぐことができる。第三実施形態ではさらに、尿や軟便に含まれる液体成分等の水分は、隔壁30に含まれる高吸収性ポリマー42によって吸収、保持することができる。また、おむつを着用した使用者が多孔シート100を設置したベッドの上で排泄をした場合に、おむつから漏れ出した軟便等の排泄物に対しても同様にして、保持して広がることを防ぐことができる。
また、多孔シート100及び積層体200は、吸収パッドとして用いることができる。吸収パッドは、下着や、吸収パッドの保持用に作られたホルダーパンツと呼ばれる布製のパンツ型外装体に取り付けられ、排泄物を吸収するものである。第一実施形態及び第二実施形態では、この多孔シート100によれば、紙おむつ300に備えられる場合と同様にして、軟便を貫通孔21に取り込んで、軟便に含まれる固形成分を貫通孔21に保持することで、固形成分が横方向に広がることを防ぐことができる。また、第一実施形態及び第二実施形態では、この例の積層体200によれば、紙おむつ300に備えられる場合と同様にして、軟便を貫通孔21に取り込んで、軟便に含まれる固形成分を貫通孔21に保持して広がることを防ぐとともに、軟便に含まれる液体成分を吸収体40で吸収して保持することができる。また、第三実施形態では、この多孔シート100及び積層体200によれば、紙おむつ300に備えられる場合と同様にして、軟便を貫通孔21に取り込んで、軟便に含まれる固形成分を貫通孔21に保持することで、固形成分が横方向に広がることを防ぐことができる。さらに、第三実施形態では、尿や軟便に含まれる液体成分等の水分は、隔壁30に含まれる高吸収性ポリマー42によって吸収、保持することができる。
〔貫通孔の孔径及び配置について〕
上記説明では、同一の孔径の貫通孔21が配置されている場合を例に挙げて説明した。貫通孔21の孔径はこれに限られず、一つの多孔シート100に含まれる貫通孔21の孔径が互いに異なっていてもよく、多孔シート100中の位置に応じて孔径を変更してもよい。また、貫通孔21の配置は、不均一であってもよく、多孔シート100中の位置に応じて貫通孔21の分布を変えてもよい。例えば、一部の領域に含まれるセル11の密度を上げて貫通孔21の数を増やしてもよく、一部の領域に含まれるセル11の密度を下げて貫通孔21の数を減らしてもよい。
〔多孔シートの配置について〕
上記説明では、紙おむつ300の股下部300Bに、多孔シート100が1点備えられる場合を例に挙げて説明した。多孔シート100の配置はこれに限定されず、例えば以下に説明するように、多孔シート100を面方向に複数に分割して配置してもよい。
図21は、多孔シート100の変形例として、多孔シート100を面方向に複数に分割した場合を例に挙げて示す。図21では、図1に示す紙おむつ(吸収性物品)の展開図から、トップシート51と多孔シート100とを抽出して示している。図21に示す多孔シート100は、面方向に複数の多孔シート片110に分割されている。複数の多孔シート片110は、幅方向及び長手方向に連設さており、連設された複数の多孔シート片110が全体として一枚の多孔シート100を形成する。個々の多孔シート片110において、隔壁30は、上記の図3,4,10,11,15,16に示すハニカムパターンの構造、又は、上記の図5,6,12,13,17,18に示すコルゲートパターンの構造を構成する。この場合、多孔シート100は、多孔シート片110どうしの連設部分で折れ曲がり易くなる。したがって、隔壁30がハニカムパターンの構造を構成する場合、又は、コルゲートパターンの構造を構成する場合において、多孔シート100全体での厚み方向への折れ曲がりやすさが向上して、着用者の体に沿って紙おむつ300を折り曲げやすくなる。加工成形性や着用時のフィット感をより良好にできる。このことは漏れ防止性能を向上させる。
また、図21に示す複数の多孔シート片110を連設した構成においては、ハニカムパターンの構造を有する多孔シート片110と、コルゲートパターンの構造を有する多孔シート片110とを組み合わせて、一枚の多孔シート100を形成してもよい。この場合、ハニカムパターンの構造を有する多孔シート片110とコルゲートパターンの構造を有する多孔シート片110との配置位置と、コルゲートパターンの構造を有する多孔シート片110の延設方向の向きとを適切に設定することで、より一層、厚み方向及び面方向に対する強度に優れ、且つ、屈曲変形させ易い多孔シート100を得ることができる。これにより、より一層、フィット感が良好となり、また、紙おむつ300の長手方向において、着用者の肌面に追従して軟便を取込みやすくなる。
また、上記の各実施形態では、多孔シート100は、その全面に、ハニカムパターンの構造を構成する隔壁30、又は、コルゲートパターンの構造を構成する隔壁30を有していたが、この構成に限らず、多孔シート100の一部分にハニカムパターンの構造を構成する隔壁30、又は、コルゲートパターンの構造を構成する隔壁30を配置する構成であってもよい。図22では、多孔シート100のうち、紙おむつ300の装着状態において着用者の尿道部の位置120(図22において破線で示す)と、肛門部の位置125(図22において破線で示す)とにのみ、ハニカムパターンの構造を構成する隔壁、又は、コルゲートパターンの構造を構成する隔壁を配置した場合を例に挙げている。ハニカムパターンの構造を構成する隔壁、又は、コルゲートパターンの構造を配置する部分は、図22のように、尿や便の吸収及び保持を担う主要部位(尿道部の位置120と、肛門部の位置125と)が好適である。この場合、前述したハニカムパターンの構造、又は、コルゲートパターンの構造の利点を維持しつつ、多孔シート100全体での厚み方向への折れ曲がりやすさが向上して、加工成形性や着用時のフィット感をより良好にできる。
なお、上記第一実施形態及び第二実施形態では、多孔シート100の一方の主面である端面10b側に吸収体40を設けた積層体200の構造を例に挙げ、また、第三実施形態では、多孔シート100の他方の主面である端面10b側にサポートシート54を設けた積層体200の構造を例に挙げて示したが、各実施形態において、多孔シート100の端面10b側に吸収体40とサポートシート54との両方を設けた積層体200の構造が適用されてもよい。
また、上記第一実施形態及び第二実施形態において、多孔シート100の端面10b側にサポートシート54を設けた積層体200の構造が適用されてもよいし、第三実施形態において、多孔シート100の端面10b側に積層体200の構造が適用されてもよい。
また、上記第一実施形態、第二実施形態、及び、第三実施形態に開示された種々の構成を組み合わせてもよい。例えば、多孔シート100は、貫通孔21を区画形成する隔壁30を持ち、貫通孔21は孔径よりも深さの方が大きいものであり、且つ、隔壁30の側面部に、水分を透過させる透過孔22を有し、且つ、隔壁30には高吸収性ポリマー42が付着された構造を有していてもよい。
〔シート本体について〕
多孔シート100と同様に、他のシート(例えばトップシート)にも「シート本体」という概念が含まれることを念のために付言する。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明する。なお、以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り適宜変更することができる。したがって、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
〔評価手法〕
下記の実施例、比較例より得られた多孔シートについて、下記の評価手法及び評価基準に従って物性評価を行った。
<圧縮強度>
最大荷重の測定は、各実施例、比較例で得られた多孔シートを面方向で5cm角、厚さ方向に5mmの試験片を切り出し、万能試験機(インストロン社製5982型)に平面が平行になるように金属板を圧子としてセットし、速度を5mm/minにて圧縮荷重を測定し、最大荷重となる点を圧縮強度とした。
<密度あたりの圧縮強度の測定>
各実施例、比較例で得られた多孔シートを面方向で5cm角、厚さ方向に5mmの試験片を切り出し、密度測定用のサンプルを得た。
そして、精密天秤(メトラートレド社ML304T)により重量を測定し、密度を算出した。
次に、各試験片の圧縮強度を密度によって除算することで、密度あたりの圧縮強度を算出した。
<空隙率>
実施例、比較例で得られた多孔シートを、平面視でカメラ撮影して平面画像を得た。この平面画像を画像解析して、画像に含まれる貫通孔の合計面積と、画像全体の面積とを求めた。さらに、貫通孔の合計面積を全体の面積で除算したものの百分率を算出した。さらにこの手順をカメラによる撮影位置を変えて5回行い、5回の算出値の平均値を空隙率として得た。
<軟便の取込及び保持性能>
人工軟便組成 (重量)
ベントナイト 5.0%
マヨネーズ(市販品) 5.0%
残部は水(粘度が200cpsになるように調整)
により、軟便を模した疑似軟便(以下、「人工軟便」ともいう)を作製した。
各実施例、比較例で得られた多孔シートをバックシート上に設置した吸収体の上に配置して、流動距離及び逆戻り量評価用のサンプルを得た。
(軟便流動距離)
流動距離の測定方法は、30°の傾斜角の斜面上に評価用サンプルを配置する。評価サンプル上に10mlの人工軟便を10ml/secの速度でピペットにより滴下する。この際の人工軟便滴下位置と滴下30秒後に人工軟便が斜面に沿って到達した最先端位置との間の距離を軟便流動距離Lとする。
測定結果から、軟便の流動距離を下記の基準で判定した。
◎(優) :流動距離の値が、5cm以下
○(良) :流動距離の値が、5cm超、10cm以下
△(可) :流動距離の値が、10cm超、20cm以下
×(不可):流動距離の値が、20cm超
(逆戻り量試験)
水平に設置した平板上に、評価用サンプルを多孔シートが上となるように張り付けて固定し、ピペットを用いて、サンプルの吸収体中央部に、上方1cmの高さから、人工軟便を15cc滴下(滴下速度2cc/sec)した。滴下終了時から3分経過した時点で滴下場所にろ紙10枚を置き、その上に1kg錘(ろ紙接触面の面積100cm2)を載せて1分間放置する。その前後のろ紙の重量を測定し、試験後のろ紙重量から試験前のろ紙重量を差し引いて得られる重量を逆戻り量とする。測定結果から、軟便の逆戻り量を下記の基準で判定した。
◎(優) :逆戻り量の値が、1g以下
○(良) :逆戻り量の値が、1g超、5g以下
△(可) :逆戻り量の値が、5g超、10g以下
×(不可):逆戻り量の値が、10g超
〔実施例1〕
厚さ90μm、坪量64g/m2、見掛密度0.7g/cm3を有する紙シートからハニカムを形成する。紙シート表面に溶媒和接着剤のノードラインを幅3mmおよびピッチ12mmで塗布し、溶媒を除去する。
この接着剤ノードラインを有するシートを長さ500mmに切断する。複数枚のシートを、各シートがその塗布された接着剤ノードラインのピッチの半分だけ他に対してずれるように順に重ね合せる。このずれは、最終のスタックが均一に垂直になるように左右に交互に行われる。ノードラインの幅およびピッチのオフセット量は、展開時にセルサイズ(孔径)が5mmになるようなものである。次いで、その枚数の積層シートをプレート間で接着剤の軟化点で熱間圧縮し、接着剤ノードラインを流れさせる。いったん熱が取り除かれると接着剤が固化して、シートをノードラインで互いに接合させる。次いで、等辺断面を有するセルを形成するように、接合された紙シートを積層方向と反対の方向に展開する。シートのそれぞれは、シートがその接合したノードラインの縁部に沿って折り曲げられ、かつ接合していない部分が張力の方向に展開されてシートを互いに引き離すように、相互間で展開される。
最後に全体に耐水性を持たせるため蜜蝋を塗布又は含浸させることによって、実施例1の多孔シートを得た。
実施例1の多孔シートは、セルが正六角形状のハニカムパターンの構造を有するものである。
得られた多孔シートの評価を行った。評価結果を表1に示す。
〔実施例2〕
実施例1におけるノードラインの幅を2mm、ピッチを7mmに変更した以外は、実施例1と同様にして多孔シートを得た。
〔実施例3〕
実施例1におけるノードラインの幅を1mm、ピッチを3.5mmに変更した以外は、実施例1と同様にして多孔シートを得た。
〔実施例4〕
実施例1におけるノードラインの幅を0.5mm、ピッチを2mmに変更した以外は、実施例1と同様にして多孔シートを得た。
〔実施例5〕
実施例1におけるノードラインの幅を1mm、ピッチを3.5mmに変更した以外は、実施例1と同様にして多孔シートを得た。
〔実施例6〕
実施例1におけるノードラインの幅を3.5mm、ピッチを14mmに変更した以外は、実施例1と同様にして多孔シートを得た。
得られた多孔シートの評価を行った。評価結果を表1に示す。
〔実施例7〕
厚さ90μm、坪量64g/m2、見掛密度0.7g/cm3を有する紙シートから波長(波形のピッチ)12mm、波高(孔径)6mmにコルゲート加工した波形紙の頂部にホットメルト接着剤を塗布し、平面シートとコルゲート加工シートを交互に接着する。
最後に全体に耐水性を持たせるため蜜蝋を塗布又は含浸させることによって、実施例7の多孔シート(以下、「コルゲートシート」と記載することがある)を得た。
実施例7の多孔シートは、コルゲートパターンの構造を有するものである。
得られた多孔シートの評価を行った。評価結果を表1に示す。
〔実施例8〕
実施例7におけるコルゲートシートを波長7mm、波高3.5mmにコルゲート加工した以外は、実施例7と同様にして、実施例8の多孔シートを得た。
〔実施例9〕
実施例7におけるコルゲートシートを波長3.6mm、波高1.8mmにコルゲート加工した以外は、実施例7と同様にして、実施例9の多孔シートを得た。
〔実施例10〕
実施例7におけるコルゲートシートを波長2mm、波高0.9mmにコルゲート加工した以外は、実施例7と同様にして、実施例10の多孔シートを得た。
〔実施例11〕
実施例1におけるノードラインの幅を7mm、ピッチを28mmに変更した以外は、実施例1と同様にして、実施例11の多孔シートを得た。
得られた多孔シートの評価を行った。評価結果を表1に示す。
〔実施例12〕
実施例7におけるコルゲートシートを波長30mm、波高15mmにコルゲート加工した以外は、実施例7と同様にして、実施例12の多孔シートを得た。
得られた多孔シートの評価を行った。評価結果を表1に示す。
〔参考例1〕
親水化処理を施した目付量70gsmのポリプロピレン不織布を16枚積層したものにパンチングにより3mm径の孔を4mmピッチで三角格子状に形成することによって、参考例1(参考用の実施例)の多孔シートを得た。
得られた多孔シートの評価を行った。評価結果を表1に示す。
Figure 0007255211000001
〔検討〕
表1に示す通り、ハニカムパターンの構造を構成する隔壁を備える実施例1~6、11の多孔シート、及びコルゲートパターンの構造を有する実施例7~10,12の多孔シートでは、隔壁がハニカムパターンの構造及びコルゲートパターンの構造の何れの構造も有しておらずシート本体の厚み方向に延設される板状部材で構成されてもいない参考例1に比して圧縮強度が向上しており、荷重によって変形しにくかった。このため、荷重を受けた場合でも軟便を保持することができた。さらに、実施例11,12との対比から分かるように、実施例1~10の多孔シートは、孔径よりも深さの方が大きいため、貫通孔の内部に軟便を安定に保持することができた。
100 軟便取込用多孔シート(多孔シート)
200 吸収性積層体(積層体)
300 紙おむつ(吸収性物品)
10 シート本体
10a,10b端面
11 セル
21 貫通孔
22 透過孔
30 隔壁
31,34,38 セル壁
32 基材部
33,37 接着部
35 フルート部
36 ライナー部
40 吸収体
41 吸収性コア
42 高吸収性ポリマー
43 繊維材料
44 ラップシート
51 トップシート
52 通過部
54 サポートシート
55 バックシート
61 サイドシート
62 カバーシート
70 ギャザー
80 糸ゴム(伸縮性部材)
110 多孔シート片
120 尿道部の位置
125 肛門部の位置

Claims (7)

  1. 厚み方向に貫通する複数の貫通孔を有するシート本体を備え、前記シート本体が前記貫通孔を区画形成する隔壁を持つ軟便取込用多孔シートと、
    前記軟便取込用多孔シートの一方の面側に設けられ、高吸収性ポリマーを含む吸収体と、
    前記軟便取込用多孔シートの他方の面側に設けられ、透水性を持つとともに、便を通過させる通過部を有するトップシートと、を備え
    前記隔壁が、平面視において波形状のフルート部と平板状のライナー部との繰り返しからなるコルゲートパターンの構造を構成する、
    ことを特徴とする、吸収性物品。
  2. 前記貫通孔は、孔径よりも深さの方が大きい
    ことを特徴とする、請求項1に記載の吸収性物品。
  3. 前記隔壁は、隣接する前記貫通孔に連通し、水分を透過可能な透過孔を有する
    ことを特徴とする、請求項1又は2に記載の吸収性物品。
  4. 前記隔壁には、高吸収性ポリマーが付着している
    ことを特徴とする、請求項1~3の何れか1項に記載の吸収性物品
  5. 前記ライナー部の間隔が、0.5mm以上、10mm以下であり、
    前記フルート部の波形のピッチが、0.5mm以上、20mm以下である
    ことを特徴とする、求項1~4の何れか1項に記載の吸収性物品。
  6. 密度あたりの圧縮強度が、0.5kPa/(kg/m)以上である、
    ことを特徴とする、求項1~の何れか1項に記載の吸収性物品。
  7. さらに、前記軟便取込用多孔シートの一方の面側に設けられ、水分を吸収するサポートシートを備える
    ことを特徴とする請求項1~の何れか1項に記載の吸収性物品。
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