JP7254917B2 - 感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物、パターン形成方法、電子デバイスの製造方法 - Google Patents

感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物、パターン形成方法、電子デバイスの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物、パターン形成方法、及び、電子デバイスの製造方法に関する。
IC(Integrated Circuit、集積回路)及びLSI(Large Scale Integrated circuit、大規模集積回路)等の半導体デバイスの製造プロセスにおいては、感光性組成物を用いたリソグラフィーによる微細加工が行われている。
リソグラフィーの方法として、感光性組成物によりレジスト膜を形成した後、得られた膜を露光して、その後、現像する方法が挙げられる。特に、近年、露光の際にEUV(Extreme ultraviolet)光を用いる検討がなされている(特許文献1)。
特開2016-85382号公報
近年、EUV光を用いて形成されるパターンの欠陥をより少なくできることが求められている。また、製造してから長期間(例えば180日)保存した後に、パターン形成に適用した場合でも、得られるパターンのLWR(line width roughness)性能が良好であることが求められている。
そこで本発明は、EUV光を用いて形成されるパターンにおける欠陥の発生が抑制され、長期間保存をした場合でもLWR性能に優れるパターンを得られる感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物を提供することを課題とする。
また、本発明は、上記感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物に関する、パターン形成方法、及び、電子デバイスの製造方法を提供することを課題とする。
本発明者らは、以下の構成により上記課題を解決できることを見出した。
〔1〕
酸分解性樹脂と、活性光線又は放射線の照射により酸を発生する化合物と、を含み、
上記酸分解性樹脂が、一般式(A1)で表される繰り返し単位a1を有する、感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物。
Figure 0007254917000001
一般式(A1)中、Rは水素原子又は有機基を表す。
〔2〕
上記繰り返し単位a1が、酸分解性基を有する繰り返し単位a2を含む、〔1〕に記載の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物。
〔3〕
上記繰り返し単位a2が、一般式(A2)で表される繰り返し単位a3を含む、〔2〕に記載の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物。
Figure 0007254917000002
一般式(A2)中、RQ1~RQ3は、それぞれ独立に、アルキル基を表す。
Q1~RQ3のうちの2つは互いに結合して環を形成してもよい。
〔4〕
上記繰り返し単位a1が、
が、水素原子、又は、
ラクトン基、スルトン基、カーボネート基、水酸基、スルホンアミド基、アミド基、カルボン酸基、及び、光酸発生基からなる群から選択される1以上の特定基を有する基であって脱離基ではない基Xを表す、繰り返し単位a4を含む、〔1〕~〔3〕のいずれかに記載の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物。
〔5〕
上記繰り返し単位a4が、フッ素原子を更に有する上記基Xを有する繰り返し単位a5を含む、〔4〕に記載の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物。
〔6〕
上記繰り返し単位a5が、ヘキサフルオロプロパノール基を有する上記基Xを有する繰り返し単位a6を含む、〔5〕に記載の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物。
〔7〕
上記酸分解性樹脂が、一般式(B1)で表される繰り返し単位b5を有する、〔1〕~〔6〕のいずれかに記載の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物。
Figure 0007254917000003
一般式(B1)中、Xは、水素原子、アルキル基、又は、フッ素原子以外のハロゲン原子を表す。
は、単結合又は-COO-を表す。
B1は、ラクトン基、スルトン基、カーボネート基、水酸基、スルホンアミド基、アミド基、カルボン酸基、及び、光酸発生基からなる群から選択される1以上の特定基、並びに、フッ素原子を有する基であって、脱離基ではない基Zを表す。
〔8〕
上記繰り返し単位b5が、ヘキサフルオロプロパノール基を有する上記基Zを有する繰り返し単位b6を含む、〔7〕に記載の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物。
〔9〕
上記活性光線又は放射線の照射により酸を発生する化合物が、一般式(PA-1)で表される化合物を含む、〔1〕~〔8〕のいずれかに記載の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物。
Figure 0007254917000004
一般式(PA-1)中、A及びAは、それぞれ独立に、-SO-R、又は、-CO-Rを表す。Rは、有機基を表す。
は、カチオンを表す。
〔10〕
上記活性光線又は放射線の照射により酸を発生する化合物が、一般式(PB)で表される化合物を含む、〔1〕~〔9〕のいずれかに記載の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物。
-L-B (PB)
一般式(PB)中、M 及びM は、それぞれ独立に、有機カチオンを表す。
Lは、2価の有機基を表す。
は、酸アニオン基を表す。
ただし、一般式(PB)で表される化合物のM 及びM がそれぞれ水素原子で置換されたHA-L-BHで表される化合物において、HAで表される基のpKaは、BHで表される基のpKaよりも低い。
は、一般式(B-1)~(B-4)のいずれかで表される基を表す。
Figure 0007254917000005
上記一般式(B-1)~(B-4)中、*は、結合位置を表す。
上記一般式(B-1)~(B-4)中、Rは、有機基を表す。
〔11〕
上記活性光線又は放射線の照射により酸を発生する化合物の含有量が、全固形分に対して15質量%以上である、〔1〕~〔10〕のいずれかに記載の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物。
〔12〕
〔1〕~〔11〕のいずれかに記載の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物を用いて、基板上にレジスト膜を形成する工程と、
上記レジスト膜を露光する工程と、
現像液を用いて、上記露光されたレジスト膜を現像し、パターンを形成する工程と、を有するパターン形成方法。
〔13〕
〔12〕に記載のパターン形成方法を含む、電子デバイスの製造方法。
本発明によれば、EUV光を用いて形成されるパターンにおける欠陥の発生が抑制され、長期間保存をした場合でもLWR性能に優れるパターンを得られる感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物を提供できる。
また、本発明によれば、上記感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物に関する、パターン形成方法、及び、電子デバイスの製造方法を提供できる。
以下に、本発明を実施するための形態の一例を説明する。
なお、本明細書において「~」を用いて表される数値範囲は、「~」の前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む範囲を意味する。
本明細書における基(原子団)の表記において、置換又は無置換を記していない表記は、置換基を有していない基と共に置換基を有する基をも含む。例えば、「アルキル基」とは、置換基を有さないアルキル基(無置換アルキル基)のみならず、置換基を有するアルキル基(置換アルキル基)をも含む。
置換基は、特に断らない限り、1価の置換基が好ましい。
本明細書中における「有機基」とは、少なくとも1個の炭素原子を含む基をいう。
本明細書において、ハロゲン原子としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、及び、ヨウ素原子が挙げられる。
本明細書において表記される2価の基の結合方向は、特に断らない限り制限されない。例えば、「X-Y-Z」なる一般式で表される化合物中の、Yが-COO-である場合、Yは、-CO-O-であってもよく、-O-CO-であってもよい。また、上記化合物は「X-CO-O-Z」であってもよく「X-O-CO-Z」であってもよい。
本明細書における、「(メタ)アクリル」とは、アクリル及びメタクリルを含む総称であり、「アクリル及びメタクリルの少なくとも1種」を意味する。同様に「(メタ)アクリル酸」とは、「アクリル酸及びメタクリル酸の少なくとも1種」を意味する。
本明細書中における「活性光線」又は「放射線」とは、例えば、水銀灯の輝線スペクトル、エキシマレーザーに代表される遠紫外線、極紫外線(EUV光: Extreme Ultraviolet)、X線、及び電子線(EB:Electron Beam)等を意味する。本明細書中における「光」とは、活性光線又は放射線を意味する。
本明細書中における「露光」とは、特に断らない限り、水銀灯の輝線スペクトル、エキシマレーザーに代表される遠紫外線、極紫外線、X線、及びEUV光等による露光のみならず、電子線、及びイオンビーム等の粒子線による描画も含む。
本明細書において、樹脂の重量平均分子量(Mw)、数平均分子量(Mn)、及び分散度(分子量分布ともいう)(Mw/Mn)は、GPC(Gel Permeation Chromatography)装置(東ソー社製HLC-8120GPC)によるGPC測定(溶媒:テトラヒドロフラン、流量(サンプル注入量):10μL、カラム:東ソー社製TSK gel Multipore HXL-M、カラム温度:40℃、流速:1.0mL/分、検出器:示差屈折率検出器(Refractive Index Detector))によるポリスチレン換算値として定義される。
1Åは1×10-10mである。
本明細書において酸解離定数(pKa)とは、水溶液中でのpKaを表し、具体的には、下記ソフトウェアパッケージ1を用いて、ハメットの置換基定数及び公知文献値のデータベースに基づいた値を、計算により求められる値である。本明細書中に記載したpKaの値は、全て、このソフトウェアパッケージを用いて計算により求めた値を示す。
ソフトウェアパッケージ1: Advanced Chemistry Development (ACD/Labs) Software V8.14 for Solaris (1994-2007 ACD/Labs)。
一方で、pKaは、分子軌道計算法によっても求められる。この具体的な方法としては、熱力学サイクルに基づいて、溶媒中におけるH解離自由エネルギーを計算して算出する手法が挙げられる。(なお、本明細書において、上記溶媒としては、通常は水を使用し、水ではpKaを求められない場合にはDMSO(ジメチルスルホキシド)を使用する。)
解離自由エネルギーの計算方法については、例えばDFT(密度汎関数法)により計算できるが、他にも様々な手法が文献等で報告されており、これに制限されるものではない。なお、DFTを実施できるソフトウェアは複数存在するが、例えば、Gaussian16が挙げられる。
本明細書中のpKaとは、上述した通り、ソフトウェアパッケージ1を用いて、ハメットの置換基定数及び公知文献値のデータベースに基づいた値を計算により求められる値を指すが、この手法によりpKaが算出できない場合には、DFT(密度汎関数法)に基づいてGaussian16により得られる値を採用するものとする。
[感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物]
本発明の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物(以下、「レジスト組成物」とも言う)について説明する。
本発明のレジスト組成物は、ポジ型のレジスト組成物であっても、ネガ型のレジスト組成物であってもよい。また、アルカリ現像用のレジスト組成物であっても、有機溶剤現像用のレジスト組成物であってもよい。
本発明の組成物は、典型的には、化学増幅型のレジスト組成物である。
本発明のレジスト組成物は、酸分解性樹脂と、活性光線又は放射線の照射により酸を発生する化合物と、を含み、上記酸分解性樹脂が、後述する一般式(A1)で表される繰り返し単位である、繰り返し単位a1を有する。
このような構成で本発明の課題が解決されるメカニズムは必ずしも明らかではないが、本発明者らは以下のように考えている。
EUV光は波長13.5nmであり、ArF(波長193nm)光等に比べて、より短波長であるため、同じ感度で露光された際の入射フォトン数が少ない。そのため、確率的にフォトンの数がばらつく“フォトンショットノイズ”の影響が大きく、得られるパターンにおける欠陥の増加及びLWR性能の悪化を招く。
そこで本発明では、レジスト組成物に含まれる酸分解性樹脂が、α位にフッ素原子を有するアクリル系繰り返し単位(α-フルオロアクリル系繰り返し単位)である繰り返し単位a1を含んでいる。このような繰り返し単位のα位におけるフッ素原子の存在が、EUV光の吸収効率を向上させつつも、樹脂の現像液に対する相溶性を適切な範囲に調整し、形成されるパターンにおける欠陥の発生及びLWR性能の悪化を抑制していると考えられる。
また、上記α位におけるフッ素原子は、酸分解性樹脂の安定性に対する悪影響が小さく、レジスト組成物を長期間保存した場合でも、形成されるパターンのLWR性能の劣化が抑制されたと考えられる。
以下、本明細書において、形成されるパターンにおける欠陥の発生が抑制されるレジスト組成物の特性を、レジスト組成物が欠陥抑制性に優れるとも言う。また、レジスト組成物を長期間保存した後に形成されるパターンのLWR性能が優れることを、レジスト組成物の経時後LWR性能が優れるとも言う。
レジスト組成物の、欠陥抑制性及び経時後LWR性能の少なくとも一方が優れることを、本発明の効果が優れるとも言う。
〔レジスト組成物の成分〕
以下、レジスト組成物が含み得る成分について詳述する。
<(A)酸分解性樹脂>
レジスト組成物は、酸分解性樹脂(以下、「樹脂(A)」ともいう)を含む。
樹脂(A)は、典型的には、酸の作用により極性が増大してアルカリ現像液に対する溶解度が増大し、有機溶剤に対する溶解度が減少する樹脂である。
樹脂(A)は、酸の作用により分解して極性基を生じる基(言い換えると、酸の作用により脱離する脱離基で極性基が保護された構造)を有する。このような基(構造)を酸分解性基とも言う。酸分解性基を有する樹脂(つまり、酸分解性基を有する繰り返し単位を有する樹脂)は、酸の作用により極性が増大してアルカリ現像液に対する溶解度が増大し、有機溶剤に対する溶解度が減少する。
なお、後述するように、樹脂(A)は、光酸発生基を有する繰り返し単位を有していてもよい。
中でも、樹脂(A)は、酸解離定数(pKa)が13以下の酸基を有するのが好ましい。上記酸基の酸解離定数は、上記のように、13以下が好ましく、3~13がより好ましく、5~10が更に好ましい。
上記所定のpKaの酸基を有する場合、レジスト組成物の保存安定性が優れ、現像がより良好に進行する。
酸解離定数(pKa)が13以下の酸基としては、例えば、カルボン酸基、フェノール性水酸基、フッ素化アルコール基(好ましくはヘキサフルオロイソプロパノール基)、スルホン酸基、又は、スルホンアミド基等が挙げられる。
(繰り返し単位a1)
樹脂(A)は、繰り返し単位a1を有する。
繰り返し単位a1は、一般式(A1)で表される繰り返し単位である。
Figure 0007254917000006
一般式(A1)中、Rは水素原子又は有機基を表す。
で表される有機基に制限はなく、例えば、-COO-R全体として酸分解性基を形成する基(この場合Rは脱離基である)であってもよいし、そうでなくてもよい。
の一部分又は全体が酸分解性基である基であってもよいし、そうでなくてもよい。
は、極性基であってもよいし、極性を有さない基であってもよい。
は、ラクトン基、スルトン基、カーボネート基、水酸基(非芳香族性水酸基でも芳香族性水酸基でもよい)、スルホンアミド基、アミド基、カルボン酸基、及び、光酸発生基からなる群から選択される1以上の特定基を有する基であってもよいし、そうでなくてもよい。
は、フッ素原子を有していてもよく、有していなくてもよい。
樹脂(A)中、一般式(A1)で表される繰り返し単位の含有量は、樹脂(A)の全繰り返し単位に対して、5~100モル%が好ましく、10~100モル%がより好ましく、20~100モル%が更に好ましい。
一般式(A1)で表される繰り返し単位は、2種以上を使用してもよい。
・繰り返し単位a2
繰り返し単位a1が、酸分解性基を有する繰り返し単位a2を含むのも好ましい。
つまり、樹脂(A)は、繰り返し単位a2を有するのも好ましい。
より詳細には、繰り返し単位a2は、一般式(A1)で表される繰り返し単位であって、酸分解性基を有する繰り返し単位(酸の作用により脱離する脱離基で極性基が保護された構造を有する繰り返し単位)である。
言い換えると、繰り返し単位a2は、繰り返し単位a1の一形態である。
酸の作用により脱離する脱離基で極性基が保護された構造(酸分解性基)を有する繰り返し単位における極性基は、アルカリ可溶性基が好ましく、例えば、カルボン酸基、フェノール性水酸基、フッ素化アルコール基、スルホン酸基、スルホンアミド基、スルホニルイミド基、(アルキルスルホニル)(アルキルカルボニル)メチレン基、(アルキルスルホニル)(アルキルカルボニル)イミド基、ビス(アルキルカルボニル)メチレン基、ビス(アルキルカルボニル)イミド基、ビス(アルキルスルホニル)メチレン基、ビス(アルキルスルホニル)イミド基、トリス(アルキルカルボニル)メチレン基、及び、トリス(アルキルスルホニル)メチレン基等の酸性基、並びに、アルコール性水酸基等が挙げられる。
中でも、極性基は、カルボン酸基、フェノール性水酸基、フッ素化アルコール基(好ましくはヘキサフルオロイソプロパノール基)、又は、スルホン酸基が好ましい。
極性基がカルボン酸基である場合、一般式(A1)におけるRが脱離基そのものであってもよい。つまりこの場合、脱離基(R)で極性基(カルボン酸基)が保護された構造(酸分解性基)が形成され、一般式(A1)における-COO-Rが全体として酸分解性基を構成している。
また、一般式(A1)におけるRの一部に酸分解性基が含まれていてもよいし、Rが全体として酸分解性基を構成していてもよい。
酸の作用により脱離する脱離基としては、例えば、式(Y1)~(Y4)で表される基が挙げられる。
式(Y1):-C(Rx)(Rx)(Rx
式(Y2):-C(=O)OC(Rx)(Rx)(Rx
式(Y3):-C(R36)(R37)(OR38
式(Y4):-C(Rn)(H)(Ar)
式(Y1)及び式(Y2)中、Rx~Rxは、それぞれ独立に、アルキル基(直鎖状若しくは分岐鎖状)、シクロアルキル基(単環若しくは多環)、アルケニル基(直鎖状若しくは分岐鎖状)、又は、アリール基(単環若しくは多環)を表す。なお、Rx~Rxの全てがアルキル基(直鎖状若しくは分岐鎖状)である場合、Rx~Rxのうち少なくとも2つはメチル基であるのが好ましい。
中でも、Rx~Rxは、それぞれ独立に、直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基を表すのが好ましい。
Rx~Rxの2つが結合して、単環又は多環を形成してもよい。
Rx~Rxのアルキル基は、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、及び、t-ブチル基等の炭素数1~5のアルキル基が好ましい。上記アルキル基が有してもよい置換基は、水酸基又はハロゲン原子が好ましい。上記アルキル基は、無置換のアルキル基、又は、置換基として、水酸基及びハロゲン原子からなる群から選択されるのみを有するアルキル基が好ましい。
Rx~Rxのシクロアルキル基は、シクロペンチル基、若しくは、シクロヘキシル基等の単環のシクロアルキル基、又は、ノルボルニル基、テトラシクロデカニル基、テトラシクロドデカニル基、若しくは、アダマンチル基等の多環のシクロアルキル基が好ましい。
Rx~Rxのアリール基は、炭素数6~10のアリール基が好ましく、例えば、フェニル基、ナフチル基、及びアントリル基等が挙げられる。
Rx~Rxのアルケニル基は、ビニル基が好ましい。
Rx~Rxの2つが結合して形成される環は、シクロアルキル基が好ましい。Rx~Rxの2つが結合して形成されるシクロアルキル基は、シクロペンチル基、若しくは、シクロヘキシル基等の単環のシクロアルキル基、又は、ノルボルニル基、テトラシクロデカニル基、テトラシクロドデカニル基、若しくは、アダマンチル基等の多環のシクロアルキル基が好ましい。
Rx~Rxの2つが結合して形成されるシクロアルキル基は、例えば、環を構成するメチレン基の1つが、酸素原子等のヘテロ原子、カルボニル基等のヘテロ原子を有する基、又はビニリデン基で置き換わっていてもよい。また、これらのシクロアルキル基は、シクロアルカン環を構成するエチレン基の1つ以上が、ビニレン基で置き換わっていてもよい。
Rx~Rxの2つが結合して形成される環が有してもよい置換基は、パーハロゲン化アルキル基(直鎖状でも分岐鎖状でもよい。好ましくはパーフルオロアルキル基、好ましくは炭素数1~3)、水酸基、又は、ハロゲン原子が好ましい。上記環は、無置換の環、又は、置換基として、パーハロゲン化アルキル基、水酸基、及び、ハロゲン原子からなる群から選択される置換基のみを有する環が好ましい。
式(Y1)又は式(Y2)で表される基は、例えば、Rxがメチル基又はエチル基であり、RxとRxとが結合して上述のシクロアルキル基を形成している態様が好ましい。
式(Y3)中、R36~R38は、それぞれ独立に、水素原子又は1価の有機基を表す。R37とR38とは、互いに結合して環を形成してもよい。1価の有機基としては、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基、及び、アルケニル基等が挙げられる。R36は水素原子であるのも好ましい。
なお、上記アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、及び、アラルキル基には、酸素原子等のヘテロ原子及び/又はカルボニル基等のヘテロ原子を有する基が含まれていてもよい。例えば、上記アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、及び、アラルキル基は、例えば、メチレン基の1つ以上が、酸素原子等のヘテロ原子及び/又はカルボニル基等のヘテロ原子を有する基で置き換わっていてもよい。
式(Y3)は、下記式(Y3-1)で表される基が好ましい。
Figure 0007254917000007
ここで、L及びLは、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、又は、これらを組み合わせた基(例えば、アルキル基とアリール基とを組み合わせた基)を表す。
Mは、単結合又は2価の連結基を表す。
Qは、ヘテロ原子を含んでいてもよいアルキル基、ヘテロ原子を含んでいてもよいシクロアルキル基、ヘテロ原子を含んでいてもよいアリール基、アミノ基、アンモニウム基、メルカプト基、シアノ基、アルデヒド基、又は、これらを組み合わせた基(例えば、アルキル基とシクロアルキル基とを組み合わせた基)を表す。
アルキル基及びシクロアルキル基は、例えば、メチレン基の1つが、酸素原子等のヘテロ原子、又は、カルボニル基等のヘテロ原子を有する基で置き換わっていてもよい。
アルキル基は、例えば、水素原子の1つ以上が、フッ素原子で置換されてフルオロアルキル基(例えば、炭素数1~5のフルオロアルキル基)となっているのも好ましい。
なお、L及びLのうち一方は水素原子であり、他方はアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、又は、アルキレン基とアリール基とを組み合わせた基であるのが好ましい。
Q、M、及び、Lの少なくとも2つが結合して環(好ましくは、5員若しくは6員環)を形成してもよい。
パターンの微細化の点では、Lは2級又は3級アルキル基が好ましく、3級アルキル基がより好ましい。2級アルキル基としては、例えば、イソプロピル基、シクロヘキシル基、及び、ノルボルニル基が挙げられ、3級アルキル基としては、例えば、tert-ブチル基及びアダマンチル基が挙げられる。これらの態様では、Tg(ガラス転移温度)及び活性化エネルギーが高くなるため、膜強度の担保に加え、かぶりの抑制ができる。
式(Y4)中、Arは、芳香環基を表す。Rnは、アルキル基、シクロアルキル基、又は、アリール基を表す。RnとArとは互いに結合して非芳香族環を形成してもよい。Arはアリール基が好ましい。
繰り返し単位の酸分解性が優れる点から、極性基を保護する脱離基において、極性基(又はその残基)に非芳香族環が直接結合している場合、上記非芳香族環中の、上記極性基(又はその残基)と直接結合している環員原子に隣接する環員原子は、置換基としてフッ素原子等のハロゲン原子を有さないのも好ましい。
酸の作用により脱離する脱離基は、他にも、3-メチル-2-シクロペンテニル基のような置換基(アルキル基等)を有する2-シクロペンテニル基、及び、1,1,4,4-テトラメチルシクロヘキシル基のような置換基(アルキル基等)を有するシクロヘキシル基でもよい。
・・繰り返し単位a3
繰り返し単位a2が、一般式(A2)で表される繰り返し単位a3を含むのも好ましい。
つまり、樹脂(A)は、繰り返し単位a3を有するのも好ましい。
言い換えると、繰り返し単位a3は、一般式(A2)で表される繰り返し単位であり、繰り返し単位a2の一形態である。
Figure 0007254917000008
一般式(A2)中、RQ1~RQ3は、それぞれ独立に、アルキル基(直鎖状又は分岐鎖状)を表す。
Q1~RQ3のアルキル基は、それぞれ独立に、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、及び、t-ブチル基等の炭素数1~5のアルキル基が好ましい。上記アルキル基が有してもよい置換基は、水酸基又はハロゲン原子が好ましい。上記アルキル基は、無置換のアルキル基、又は、置換基として、水酸基及びハロゲン原子からなる群から選択されるのみを有するアルキル基が好ましい。
Q1~RQ3のうちの2つは互いに結合して環を形成してもよい。
Q1~RQ3のうちの2つが結合して形成される環は、シクロアルキル基が好ましい。
Q1~RQ3のうちの2つが結合して形成されるシクロアルキル基は、シクロペンチル基、若しくは、シクロヘキシル基等の単環のシクロアルキル基、又は、ノルボルニル基、テトラシクロデカニル基、テトラシクロドデカニル基、若しくは、アダマンチル基等の多環のシクロアルキル基が好ましい。
Q1~RQ3のうちの2つが結合して形成されるシクロアルキル基は、環を構成するメチレン基の1つが、酸素原子等のヘテロ原子、カルボニル基等のヘテロ原子を有する基、又はビニリデン基で置き換わっていてもよい。また、これらのシクロアルキル基は、シクロアルカン環を構成するエチレン基の1つ以上が、ビニレン基で置き換わっていてもよい。
Q1~RQ3のうちの2つが結合して形成される環が有してもよい置換基は、パーハロゲン化アルキル基(直鎖状でも分岐鎖状でもよい。好ましくはパーフルオロアルキル基、好ましくは炭素数1~3)、水酸基、又は、ハロゲン原子が好ましい。上記環は、無置換の環、又は、置換基として、パーハロゲン化アルキル基、水酸基、及び、ハロゲン原子からなる群から選択される置換基のみを有する環が好ましい。
樹脂(A)が繰り返し単位a2(好ましくは繰り返し単位a3)を有する場合、その含有量は、樹脂(A)の全繰り返し単位に対して、5~90モル%が好ましく、10~85モル%がより好ましく、20~70モル%が更に好ましい。
繰り返し単位a2(好ましくは繰り返し単位a3)は、1種単独で使用してもよく、2種以上を使用してもよい。
・繰り返し単位a4(繰り返し単位a5、繰り返し単位a6)
繰り返し単位a1が、繰り返し単位a4を含むのも好ましい。
つまり、樹脂(A)は、繰り返し単位a4を有するのも好ましい。
繰り返し単位a4は、一般式(A1)で表される繰り返し単位(繰り返し単位a1)における、Rが、水素原子、又は、基Xを表す、繰り返し単位である。
基Xは、ラクトン基、スルトン基、カーボネート基、水酸基(非芳香族性水酸基でも芳香族性水酸基でもよい)、スルホンアミド基、アミド基、カルボン酸基、及び、光酸発生基からなる群から選択される1以上の特定基を有する基であって脱離基ではない基である。
繰り返し単位a4は、繰り返し単位a1の一形態である。
繰り返し単位a4において、Rの選択肢である基Xは、特定基を有する基であって、かつ、脱離基ではない基である。
「脱離基ではない基」とは、繰り返し単位a2に関して説明した「酸の作用により脱離する脱離基」ではない基を意味する。具体的には、「脱離基ではない基」は、上述の式(Y1)~(Y4)で表される基には該当しない。
繰り返し単位a4は、繰り返し単位a2及び/又は繰り返し単位a3とは異なるのが好ましい。
が、基Xである場合、Rが特定基そのものであってもよく、Rの一部分に特定基が含まれていてもよい。
樹脂(A)が繰り返し単位a4を有する場合、その含有量は、樹脂(A)の全繰り返し単位に対して、1~70モル%が好ましく、2~60モル%がより好ましく、3~50モル%が更に好ましい。
繰り返し単位a4は1種単独で使用してもよく、2種以上を使用してもよい。
繰り返し単位a4が、フッ素原子を更に有する基Xを有する繰り返し単位a5を含むのも好ましい。
つまり、樹脂(A)は、繰り返し単位a5を有するのも好ましい。
より詳細には、繰り返し単位a5は、一般式(A1)で表される繰り返し単位において、Rが、上述の基Xであり、かつ、上記基Xがフッ素原子を有する基である態様の繰り返し単位である。
つまり、繰り返し単位a5は、繰り返し単位a4の一形態である。
中でも、繰り返し単位a5が、ヘキサフルオロプロパノール基(「-C(CFOH」で表される基)を有する基Xを有する繰り返し単位a6を含むのも好ましい。
つまり、樹脂(A)は、繰り返し単位a6を有するのも好ましい。
より詳細には、繰り返し単位6は、一般式(A1)で表される繰り返し単位において、Rが、上述の基Xであり、かつ、上記基Xがヘキサフルオロイソプロパノール基を有する基である態様の繰り返し単位である。
つまり、繰り返し単位a6は、繰り返し単位a4及び繰り返し単位a5の一形態でもある。
・・繰り返し単位a4-0
一般式(A1)で表される繰り返し単位のRが水素原子である場合、このような繰り返し単位を、繰り返し単位a4-0とも言う。
樹脂(A)が繰り返し単位a4-0を有する場合、その含有量は、樹脂(A)の全繰り返し単位に対して、1~30モル%が好ましく、2~20モル%がより好ましく、3~15モル%が更に好ましい。
・・繰り返し単位a4-1
繰り返し単位a4において、Rが、特定基として、ラクトン基、スルトン基、及び、カーボネート基からなる群から選択される少なくとも1種を有する基Xである場合、このような繰り返し単位a4を、繰り返し単位a4-1とも言う。
上記ラクトン基、上記スルトン基、及び、上記カーボネート基は、置換基としてフッ素原子を有するのも好ましい。つまり、繰り返し単位a4-1が、繰り返し単位a5であるのも好ましい。
繰り返し単位a4-1のラクトン基又はスルトン基は、ラクトン構造又はスルトン構造を有していればよい。ラクトン構造又はスルトン構造は、5~7員環ラクトン構造又は5~7員環スルトン構造が好ましい。中でも、ラクトン構造は、ビシクロ構造若しくはスピロ構造を形成する形で5~7員環ラクトン構造に他の環構造が縮環している構造が好ましい。スルトン構造は、ビシクロ構造若しくはスピロ構造を形成する形で5~7員環スルトン構造に他の環構造が縮環しているもの、がより好ましい。
ラクトン基は、下記一般式(LC1-1)~(LC1-22)のいずれかで表されるラクトン構造の環員原子から、水素原子を1つ以上引き抜いてなるラクトン基が好ましい。スルトン基は、下記一般式(SL1-1)~(SL1-3)のいずれかで表されるスルトン構造の環員原子から、水素原子を1つ以上引き抜いてなるスルトン基が好ましい。
Figure 0007254917000009
Figure 0007254917000010
上記ラクトン構造又はスルトン構造部分は、置換基(Rb)を有していてもよい。好ましい置換基(Rb)としては、例えば、炭素数1~8のアルキル基、炭素数4~7のシクロアルキル基、炭素数1~8のアルコキシ基、炭素数1~8のアルコキシカルボニル基、カルボン酸基、ハロゲン原子(好ましくはフッ素原子)、水酸基、及び、シアノ基等が挙げられる。n2は、0~4の整数を表す。n2が2以上の時、複数存在するRbは、異なっていてもよく、また、複数存在するRb同士が結合して環を形成してもよい。
一般式(LC1-1)~(LC1-22)のいずれかで表されるラクトン構造の環員原子から、水素原子を1つ以上引き抜いてなるラクトン基を有する繰り返し単位a4-1、及び、一般式(SL1-1)~(SL1-3)のいずれかで表されるスルトン構造の環員原子から、水素原子を1つ以上引き抜いてなるスルトン基を有する繰り返し単位a4-1は、一般式(A3)で表される繰り返し単位が好ましい。
Figure 0007254917000011
一般式(A3)中、Abは、単結合、アルキレン基、単環又は多環の脂環炭化水素構造を有する2価の連結基、エーテル基、エステル基、カルボニル基、カルボン酸基、又は、これらを組み合わせた2価の基を表す。
中でも、単結合、又は-Ab-COO-で表される連結基が好ましい。
Abは、単結合又は2価の連結基であり、直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキレン基、又は単環若しくは多環のシクロアルキレン基であり、メチレン基、エチレン基、シクロヘキシレン基、アダマンチレン基、又は、ノルボルニレン基が好ましい。
Vは、一般式(LC1-1)~(LC1-22)のいずれかで表されるラクトン構造の環員原子から水素原子を1つ引き抜いてなる基、又は一般式(SL1-1)~(SL1-3)のいずれかで表されるスルトン構造の環員原子から水素原子を1つ引き抜いてなる基を表す。
ラクトン基又はスルトン基を有する繰り返し単位a4-1に、光学異性体が存在する場合、いずれの光学異性体を用いてもよい。また、1種の光学異性体を単独で用いても、複数の光学異性体を混合して用いてもよい。1種の光学異性体を主に用いる場合、その光学純度(ee)は90以上が好ましく、95以上がより好ましい。
カーボネート基を有する繰り返し単位a4-1におけるカーボネート基は、環状炭酸エステル基に含まれているのが好ましい。
カーボネート基を有する繰り返し単位a4-1は、一般式(A4)で表される繰り返し単位が好ましい。
Figure 0007254917000012
一般式(A4)中、nは、0以上(好ましくは0~3)の整数を表す。
は、置換基を表す。nが2以上の場合、複数存在するR は、それぞれ同一でも異なっていてもよい。
Aは、単結合又は2価の連結基を表す。上記2価の連結基は、アルキレン基(好ましくは炭素数1~4)、単環又は多環の脂環炭化水素構造を有する2価の連結基、エーテル基、エステル基、カルボニル基、カルボン酸基、又はこれらを組み合わせた2価の基が好ましい。
Zは、式中の-O-CO-O-で表される基と共に単環又は多環を形成する原子団を表す。
Zが式中の-O-CO-O-で表される基と共に形成する単環又は多環は、5員環の環状炭酸エステル基が好ましく、下記一般式(CC1-1)で表される環状炭酸エステル構造がより好ましい。
つまり、一般式(A4)中のAは、下記一般式(CC1-1)で表される環状炭酸エステル構造の環員原子から水素原子を1つ引き抜いてなる基と結合しているのが好ましい。
Figure 0007254917000013
一般式(CC1-1)における環状炭酸エステル構造部分は、置換基(Rb)を有していてもよい。好ましい置換基(Rb)としては、例えば、炭素数1~8のアルキル基、炭素数4~7のシクロアルキル基、炭素数1~8のアルコキシ基、炭素数1~8のアルコキシカルボニル基、カルボン酸基、ハロゲン原子(好ましくはフッ素原子)、水酸基、及び、シアノ基等が挙げられる。n3は、0又は1の整数を表す。
樹脂(A)が繰り返し単位a4-1を有する場合、その含有量は、樹脂(A)の全繰り返し単位に対して、3~60モル%が好ましく、5~50モル%がより好ましく、7~45モル%が更に好ましい。
繰り返し単位a4-1は1種単独で使用してもよく、2種以上を使用してもよい。
・・繰り返し単位a4-2
繰り返し単位a4において、Rが、特定基として非芳香族性水酸基を有する基Xであり、上記非芳香族性水酸基が、フッ素化アルコール基に含まれる水酸基以外の水酸基である場合、このような繰り返し単位a4を、繰り返し単位a4-2とも言う。
非芳香族性水酸基とは、芳香族性水酸基以外の水酸基であり、例えば、芳香族環に直接結合する水酸基以外の水酸基を意図する。非芳香族性水酸基は、例えば、アルコール性水酸基が挙げられる。
フッ素化アルコール基に含まれる水酸基以外の水酸基とは、例えば、水酸基が炭素原子に結合しており、上記水酸基が結合する炭素原子(α炭素)に、フッ素原子及び-CFR(2つのRはそれぞれ独立に水素原子又は置換基を表す。-CFRとしては-CF等が挙げられる)のいずれも結合していない場合における上記水酸基である。
繰り返し単位a4-2は、繰り返し単位a4-1とは異なるのが好ましい。
繰り返し単位a4-2は、フッ素化アルコール基を有さないのが好ましい。
繰り返し単位a4-2は、一般式(A5)で表される繰り返し単位であるのが好ましい。
Figure 0007254917000014
一般式(A5)中、RQ5は、アルキル基(直鎖状若しくは分岐鎖状。好ましくは炭素数1~5)、又は、非芳香族性環基を表す。
上記非芳香族性環基としては、例えば、単環式炭化水素環基及び多環式炭化水素環基が挙げられる。
単環式炭化水素環基としては、例えば、炭素数3~12(好ましくは炭素数3~7)のシクロアルカン環基、及び、炭素数3~12のシクロアルケン環基が挙げられる。
多環式炭化水素環基としては、例えば、環集合炭化水素環基及び架橋環式炭化水素環基が挙げられる。
架橋環式炭化水素環としては、例えば、2環式炭化水素環、3環式炭化水素環、及び、4環式炭化水素環等が挙げられる。また、架橋環式炭化水素環は、5~8員シクロアルカン環が複数個縮合した縮合環でもよい。
架橋環式炭化水素環基は、ノルボルナン環基、アダマンタン環基、ビシクロオクタン環基、又は、トリシクロ[5、2、1、02,6]デカン環基が好ましい。
上記アルキル基及び上記非芳香族性環基は、-(OH)q5以外の置換基を有さないのも好ましい。
一般式(A5)中、q5は、1~5の整数を表す。
樹脂(A)が繰り返し単位a4-2を有する場合、その含有量は、樹脂(A)の全繰り返し単位に対して、3~60モル%が好ましく、5~50モル%がより好ましく、10~45モル%が更に好ましい。
繰り返し単位a4-2は1種単独で使用してもよく、2種以上を使用してもよい。
・・繰り返し単位a4-3
繰り返し単位a4において、Rが、特定基として非芳香族性水酸基を有する基Xであり、上記非芳香族性水酸基が、フッ素化アルコール基に含まれる水酸基である場合、このような繰り返し単位a4を、繰り返し単位a4-3とも言う。
フッ素化アルコール基に含まれる水酸基とは、例えば、水酸基が炭素原子に結合しており、上記水酸基が結合する炭素原子(α炭素)に、フッ素原子及び-CFR(2つのRはそれぞれ独立に水素原子又は置換基を表す。-CFRとしては-CF等が挙げられる)の少なくとも一方が結合している場合の上記水酸基である。
つまり、繰り返し単位a4-3は、繰り返し単位a5に該当する。
繰り返し単位a4-3は、繰り返し単位a4-1及び/又は繰り返し単位a4-2とは異なるのが好ましい。
フッ素化アルコール基に含まれる水酸基は、ヘキサフルオロイソプロパノール基(「-C(CFOH」で表される基)に含まれる水酸基であるのが好ましい。
つまり、繰り返し単位a4-3は、繰り返し単位a6に該当するのが好ましい。
繰り返し単位a4-3は、一般式(A6)で表される繰り返し単位であるのが好ましい。
Figure 0007254917000015
一般式(A6)中、RQ6は、アルキル基(直鎖状若しくは分岐鎖状。好ましくは炭素数1~5)、非芳香族性環基、又は、芳香環基を表す。
上記非芳香族性環基としては、例えば、単環式炭化水素環基及び多環式炭化水素環基が挙げられる。
単環式炭化水素環基としては、例えば、炭素数3~12(好ましくは炭素数3~7)のシクロアルカン環基、及び、炭素数3~12のシクロアルケン環基が挙げられる。
多環式炭化水素環基としては、例えば、環集合炭化水素環基及び架橋環式炭化水素環基が挙げられる。
架橋環式炭化水素環としては、例えば、2環式炭化水素環、3環式炭化水素環、及び、4環式炭化水素環等が挙げられる。また、架橋環式炭化水素環は、5~8員シクロアルカン環が複数個縮合した縮合環でもよい。
架橋環式炭化水素環基は、ノルボルナン環基、アダマンタン環基、ビシクロオクタン環基、又は、トリシクロ[5、2、1、02,6]デカン環基が好ましい。
上記芳香環基は、炭素数6~18の芳香環基が好ましく、ベンゼン環基、ナフタレン環基、アントラセン環基、又は、ビフェニレン環基がより好ましい。
上記アルキル基、上記非芳香族性環基、及び、上記芳香環基は、-(-C(CFOH)q6以外の置換基を有さないのも好ましい。
一般式(A6)中、q6は、1~5の整数を表す。
樹脂(A)が繰り返し単位a4-3を有する場合、その含有量は、樹脂(A)の全繰り返し単位に対して、3~50モル%が好ましく、5~40モル%がより好ましく、10~35モル%が更に好ましい。
繰り返し単位a4-3は1種単独で使用してもよく、2種以上を使用してもよい。
・・繰り返し単位a4-4
繰り返し単位a4において、Rが、特定基として光酸発生基を有する基Xである場合、このような繰り返し単位a4を、繰り返し単位a4-4とも言う。
繰り返し単位a4-4において、Rがフッ素原子を有しているのも好ましい。つまり繰り返し単位a4-4は、繰り返し単位a5に該当するのが好ましい。
繰り返し単位a4-4は、繰り返し単位a4-1、繰り返し単位a4-2、及び/又は、繰り返し単位a4-3とは異なるのが好ましい。
繰り返し単位a4-4は、一般式(A7)で表される繰り返し単位であるのが好ましい。
Figure 0007254917000016
一般式(A7)中、2つのXfは、それぞれ独立に、水素原子、フッ素原子、又は、少なくとも1つのフッ素原子で置換されたアルキル基(好ましくはCF)を表す。
2つのXfのうち、少なくとも一方は水素原子以外が好ましい。
上記アルキル基は、直鎖状でも分岐鎖状でもよい。上記アルキル基の炭素数は1~10が好ましい。上記アルキル基は、置換基としてフッ素原子のみを有するのが好ましい。
一般式(A7)中、R及びRは、それぞれ独立に、水素原子、フッ素原子、又は、アルキル基を表し、複数存在する場合のR及びRは、それぞれ同一でも異なっていてもよい。
上記アルキル基は、直鎖状でも分岐鎖状でもよい。上記アルキル基の炭素数は1~10が好ましい。上記アルキル基の置換基はフッ素原子が好ましい。上記アルキル基が置換基を有する場合、置換基としてフッ素原子のみを有するのが好ましい。
一般式(A7)中、Lは、2価の連結基を表し、複数存在する場合のLは同一でも異なっていてもよい。
Lの2価の連結基は、-COO-、-CO-、-O-、-S-、-SO-、-SO-、アルキレン基、シクロアルキレン基、アルケニレン基、及び、これらの複数が連結した連結基等が挙げられ、総炭素数12以下の連結基が好ましい。
一般式(A7)中、xは1~20の整数を表し、yは0~10の整数を表し、zは0~10の整数を表す。
一般式(A7)中、Mはカチオンを表す。Mの詳細は、例えば、後述する一般式(PA-1)におけるMと同様のカチオンを使用できる。
樹脂(A)が繰り返し単位a4-4を有する場合、その含有量は、樹脂(A)の全繰り返し単位に対して、3~40モル%が好ましく、5~25モル%がより好ましく、7~20モル%が更に好ましい。
繰り返し単位a4-4は1種単独で使用してもよく、2種以上を使用してもよい。
・繰り返し単位a1-2
繰り返し単位a1は、繰り返し単位a2、繰り返し単位a3、繰り返し単位a4のいずれにも該当しない繰り返し単位を含んでもよい。
つまり、樹脂(A)は、繰り返し単位a2、繰り返し単位a3、繰り返し単位a4のいずれにも該当しない繰り返し単位a1を有してもよい。このような繰り返し単位a1を、繰り返し単位a1-2とも言う。
繰り返し単位a1-2は、一般式(A1-2)で表される繰り返し単位であるのが好ましい。
Figure 0007254917000017
一般式(A1-2)中、RQ12は、アルキル基(直鎖状若しくは分岐鎖状。好ましくは炭素数1~5)、非芳香族性環基、又は、芳香環基を表す。
ただし、RQ12は、脱離基ではない。
上記非芳香族性環基としては、例えば、単環式炭化水素環基及び多環式炭化水素環基が挙げられる。
単環式炭化水素環基としては、例えば、炭素数3~12(好ましくは炭素数3~7)のシクロアルカン環基、及び、炭素数3~12のシクロアルケン環基が挙げられる。
多環式炭化水素環基としては、例えば、環集合炭化水素環基及び架橋環式炭化水素環基が挙げられる。
架橋環式炭化水素環としては、例えば、2環式炭化水素環、3環式炭化水素環、及び、4環式炭化水素環等が挙げられる。また、架橋環式炭化水素環は、5~8員シクロアルカン環が複数個縮合した縮合環でもよい。
架橋環式炭化水素環基は、ノルボルナン環基、アダマンタン環基、ビシクロオクタン環基、又は、トリシクロ[5、2、1、02,6]デカン環基が好ましい。
上記芳香環基は、炭素数6~18の芳香環基が好ましく、ベンゼン環基、ナフタレン環基、アントラセン環基、及び、ビフェニレン環基が好ましい。
上記アルキル基、上記非芳香族性環基、及び、上記芳香環基は、置換基として、繰り返し単位a4に関して説明した特定基及び一部分に特定基を含む基を有さない。上記アルキル基、上記非芳香族性環基、及び、上記芳香環基は、無置換が好ましい。
樹脂(A)が繰り返し単位a1-2を有する場合、その含有量は、樹脂(A)の全繰り返し単位に対して、1~30モル%が好ましく、3~25モル%がより好ましく、5~20モル%が更に好ましい。
繰り返し単位a1-2は1種単独で使用してもよく、2種以上を使用してもよい。
(繰り返し単位b1)
樹脂(A)は、繰り返し単位a1に該当しない繰り返し単位(つまり一般式(A1)で表される繰り返し単位に該当しない繰り返し単位)を有してもよい。
このような繰り返し単位a1に該当しない繰り返し単位を、繰り返し単位b1ともいう。
繰り返し単位b1としては、例えば、一般式(A1-b)で表される繰り返し単位が挙げられる。
Figure 0007254917000018
一般式(A1-b)中、Xは、水素原子、アルキル基、又は、フッ素原子以外のハロゲン原子を表す。
上記アルキル基は、直鎖状でも分岐鎖状でもよい。上記アルキル基の炭素数は1~10が好ましい。上記アルキル基の置換基は水酸基又はハロゲン原子が好ましい。上記アルキル基が置換基を有する場合、置換基として水酸基及び/又はハロゲン原子のみを有するのが好ましい。上記アルキル基は-CHが好ましい。
上記フッ素原子以外のハロゲン原子は、塩素原子、臭素原子、又は、ヨウ素原子が好ましい。
一般式(A1-b)中、Lは、単結合又は-COO-を表す。-COO-におけるカルボニル炭素は、繰り返し単位の主鎖に直接結合しているのが好ましい。
一般式(A1-b)中のRは、一般式(A1)中のRと同様である。
樹脂(A)中、繰り返し単位b1(一般式(A1-b)で表される繰り返し単位等)の含有量は、樹脂(A)の全繰り返し単位に対して、0~95モル%が好ましく、9~90モル%がより好ましく、0~80モル%が更に好ましい。
一般式(A1)で表される繰り返し単位は、2種以上を使用してもよい。
・繰り返し単位b2
繰り返し単位b1が、繰り返し単位b2を含むのも好ましい。
つまり、樹脂(A)は、繰り返し単位b2を有するのも好ましい。
繰り返し単位b2は、繰り返し単位a1以外の繰り返し単位であって、酸分解性基を有する繰り返し単位(酸の作用により脱離する脱離基で極性基が保護された構造を有する繰り返し単位)である。
酸分解性基、脱離基、極性基についての説明は上述の通りである。
・・繰り返し単位b3
繰り返し単位b2が、繰り返し単位b3を含むのも好ましい。
樹脂(A)は、繰り返し単位b3を有するのも好ましい。
繰り返し単位b3は、繰り返し単位b2の一形態である。
繰り返し単位b3は、一般式(A2-b)で表される繰り返し単位である。
Figure 0007254917000019
一般式(A2-b)中のXは、水素原子、アルキル基、又は、フッ素原子以外のハロゲン原子を表し、一般式(A1-b)中のXと同様である。
一般式(A2-b)中のRQ1~RQ3は、一般式(A2)中のRQ1~RQ3と同様である。
樹脂(A)が繰り返し単位b2(好ましくは繰り返し単位b3)を有する場合、その含有量は、樹脂(A)の全繰り返し単位に対して、5~90モル%が好ましく、10~85モル%がより好ましく、20~70モル%が更に好ましい。
繰り返し単位a2(好ましくは繰り返し単位a3)は、1種単独で使用してもよく、2種以上を使用してもよい。
樹脂(A)における繰り返し単位a2(好ましくは繰り返し単位a3)と繰り返し単位b2(好ましくは繰り返し単位b3)との合計含有量は、樹脂(A)の全繰り返し単位に対して、15~98モル%が好ましく、25~85モル%がより好ましく、35~80モル%が更に好ましい。
・繰り返し単位b4(繰り返し単位b5、繰り返し単位b6)
繰り返し単位b1が、繰り返し単位b4を含むのも好ましい。
つまり、樹脂(A)は、繰り返し単位b4を有するのも好ましい。
繰り返し単位b4は、繰り返し単位a1以外の繰り返し単位であって、ラクトン基、スルトン基、カーボネート基、水酸基(非芳香族性水酸基でも芳香族性水酸基でもよい)、スルホンアミド基、アミド基、カルボン酸基、及び、光酸発生基からなる群から選択される1以上の特定基を有する基を有する繰り返し単位である。
上記特定基を有する基は、上記「特定基を有する基」が特定基そのものであってもよく上記「特定基を有する基」の一部分に特定基が含まれていてもよい。
繰り返し単位b4は、繰り返し単位b2及び/又は繰り返し単位b3とは異なるのが好ましい。
繰り返し単位b4は、一般式(B0)で表される繰り返し単位が好ましい。
Figure 0007254917000020
一般式(B0)中、Xは、水素原子、アルキル基、又は、フッ素原子以外のハロゲン原子を表す。
上記アルキル基は、直鎖状でも分岐鎖状でもよい。上記アルキル基の炭素数は1~10が好ましい。上記アルキル基の置換基は水酸基又はハロゲン原子が好ましい。上記アルキル基が置換基を有する場合、置換基として水酸基及び/又はハロゲン原子のみを有するのが好ましい。上記アルキル基は-CHが好ましい。
一般式(B0)中、Lは、単結合又は-COO-を表す。-COO-におけるカルボニル炭素は、繰り返し単位の主鎖に直接結合しているのが好ましい。
一般式(B0)中、RB0は、水素原子又は基Yを表す。
ただし、RB0は、水素原子を表す場合、Lは-COO-を表し、-L-RB0の全体が-COOHを表す。
基Yは、ラクトン基、スルトン基、カーボネート基、水酸基(非芳香族性水酸基でも芳香族性水酸基でもよい)、スルホンアミド基、アミド基、カルボン酸基、及び、光酸発生基からなる群から選択される1以上の特定基を有する基であって、脱離基ではない基である。
また、基Yが「脱離基ではない」とは、具体的には、Lが-COO-である場合、-COO-RB0において、RB0(基Y)は、極性基(カルボン酸基)を保護する脱離基ではない基であることを意図する。
「脱離基ではない基」とは、繰り返し単位a2に関して説明した「酸の作用により脱離する脱離基」ではない基を意味する。具体的には、「脱離基ではない基」は、上述の式(Y1)~(Y4)で表される基には該当しない。
一般式(B0)中のRB0は、例えば、繰り返し単位a4におけるRと同様である。
中でも、繰り返し単位b4は、繰り返し単位b5を含むのが好ましい。
つまり、樹脂(A)は、繰り返し単位b5を有するのも好ましい。
繰り返し単位b5は、一般式(B1)で表される繰り返し単位である。
Figure 0007254917000021
一般式(B1)中のXは、水素原子、アルキル基、又は、フッ素原子以外のハロゲン原子を表し、一般式(B0)中のXと同様である。
一般式(B1)中、Lは、単結合又は-COO-を表す。-COO-におけるカルボニル炭素は、繰り返し単位の主鎖に直接結合しているのが好ましい。
一般式(B1)中、RB1は、基Zを表す。
基Zは、ラクトン基、スルトン基、カーボネート基、水酸基(非芳香族性水酸基でも芳香族性水酸基でもよい)、スルホンアミド基、アミド基、カルボン酸基、及び、光酸発生基からなる群から選択される1以上の特定基、並びに、フッ素原子を有する基であって、脱離基ではない基である。
また、基Zが「脱離基ではない」とは、具体的には、Lが-COO-である場合、-COO-RB1において、RB1(基Z)は、極性基(カルボン酸基)を保護する脱離基ではない基であることを意図する。
「脱離基ではない基」とは、繰り返し単位a2に関して説明した「酸の作用により脱離する脱離基」ではない基を意味する。具体的には、「脱離基ではない基」は、上述の式(Y1)~(Y4)で表される基には該当しない。
一般式(B1)中のRB1(基Z)は、例えば、繰り返し単位a5におけるRと同様である。
中でも、繰り返し単位b5が、ヘキサフルオロプロパノール基(「-C(CFOH」で表される基)を有する基Zを有する繰り返し単位b6を含むのも好ましい。
つまり、樹脂(A)は、繰り返し単位b6を有するのも好ましい。
より詳細には、繰り返し単位b6は、一般式(B1)で表される繰り返し単位において、RB1がヘキサフルオロプロパノール基を有する基Zである繰り返し単位である。
繰り返し単位b6は、繰り返し単位b4及び繰り返し単位b5の一形態でもある。
樹脂(A)が繰り返し単位b4(好ましくは繰り返し単位b5、より好ましくは繰り返し単位b6)を有する場合、その含有量は、樹脂(A)の全繰り返し単位に対して、1~80モル%が好ましく、3~70モル%がより好ましく、5~65モル%が更に好ましい。
繰り返し単位a4は1種単独で使用してもよく、2種以上を使用してもよい。
また、樹脂(A)における繰り返し単位a4と繰り返し単位b4との合計含有量は、樹脂(A)の全繰り返し単位に対して、1~80モル%が好ましく、3~70モル%がより好ましく、5~65モル%が更に好ましい。
・・繰り返し単位b4-0
繰り返し単位b4は、特定基としてカルボン酸基を有する繰り返し単位b4-0であってもよい。
このような繰り返し単位b4-0の一形態として、繰り返し単位a4-0における繰り返し単位の主鎖に直接結合するフッ素原子が、一般式(B0)中のXに置き換わった繰り返し単位が挙げられる。
繰り返し単位b4-0の好ましい含有量は、繰り返し単位a4-0と同様である。
また、樹脂(A)における繰り返し単位a4-0と繰り返し単位b4-0との合計含有量は、樹脂(A)の全繰り返し単位に対して、1~30モル%が好ましく、2~20モル%がより好ましく、3~15モル%が更に好ましい。
・・繰り返し単位b4-1
繰り返し単位b4が、特定基として(好ましくは、上述の基Y又は基Zの特定基として)、ラクトン基、スルトン基、及び、カーボネート基からなる群から選択される少なくとも1種を有する繰り返し単位である場合、このような繰り返し単位b4を、繰り返し単位b4-1とも言う。
ラクトン基を有する繰り返し単位b4-1において、ラクトン基は、上述の一般式(LC1-1)~(LC1-22)のいずれかで表されるラクトン構造の環員原子から、水素原子を1つ以上引き抜いてなるラクトン基が好ましい。また、上記ラクトン構造の環員原子の1つが繰り返し単位の主鎖となっていてもよいし、なっていなくてもよい。上記ラクトン構造の2つの環員原子が繰り返し単位の主鎖となっていてもよいし、なっていなくてもよい。
スルトン基を有する繰り返し単位b4-1において、スルトン基は、上述の一般式(SL1-1)~(SL1-3)のいずれかで表されるスルトン構造の環員原子から、水素原子を1つ以上引き抜いてなるスルトン基が好ましい。また、上記スルトン構造の1つの環員原子が繰り返し単位の主鎖となっていてもよいし、なっていなくてもよい。上記スルトン構造の2つの環員原子が繰り返し単位の主鎖となっていてもよいし、なっていなくてもよい。
カーボネート基を有する繰り返し単位b4-1において、カーボネート基は、上述の一般式(CC-1)のいずれかで表される環状炭酸エステル構造の環員原子から、水素原子を1つ以上引き抜いてなるスルトン基が好ましい。また、上記環状炭酸エステル構造の1つの環員原子が繰り返し単位の主鎖となっていてもよいし、なっていなくてもよい。上記環状炭酸エステル構造の2つの環員原子が繰り返し単位の主鎖となっていてもよいし、なっていなくてもよい。
繰り返し単位b4-1の一形態として、繰り返し単位a4-1(一般式(A3)で表される繰り返し単位、又は、一般式(A4)で表される繰り返し単位等)における繰り返し単位の主鎖に直接結合するフッ素原子が、一般式(B0)中のXに置き換わった繰り返し単位が挙げられる。
繰り返し単位b4-1は、繰り返し単位b4-0とは異なるのが好ましい。
繰り返し単位b4-1の好ましい含有量は、繰り返し単位a4-1と同様である。
また、樹脂(A)における繰り返し単位a4-1と繰り返し単位b4-1との合計含有量は、樹脂(A)の全繰り返し単位に対して、3~60モル%が好ましく、5~50モル%がより好ましく、7~45モル%が更に好ましい。
・・繰り返し単位b4-2
繰り返し単位b4が、特定基として(好ましくは上述の基Y又は基Zの特定基として)非芳香族性水酸基を有する繰り返し単位であり、上記非芳香族性水酸基が、フッ素化アルコール基に含まれる水酸基以外の水酸基である場合、このような繰り返し単位b4を、繰り返し単位b4-2とも言う。
繰り返し単位b4-2は、繰り返し単位b4-0、及び/又は、繰り返し単位b4-1とは異なるのが好ましい。
このような繰り返し単位b4-2の一形態として、繰り返し単位a4-2(一般式(A5)で表される繰り返し単位等)において、主鎖に直接結合するフッ素原子が、一般式(B0)中のXに置き換わり、主鎖に直接結合する-COO-が、一般式(B0)中のLに置き換わった繰り返し単位が挙げられる。
繰り返し単位b4-2の好ましい含有量は、繰り返し単位a4-2と同様である。
また、樹脂(A)における繰り返し単位a4-2と繰り返し単位b4-2との合計含有量は、樹脂(A)の全繰り返し単位に対して、3~60モル%が好ましく、5~50モル%がより好ましく、10~45モル%が更に好ましい。
・・繰り返し単位b4-3
繰り返し単位b4が、特定基として(好ましくは上述の基Y又は基Zの特定基として)非芳香族性水酸基を有する繰り返し単位であり、上記非芳香族性水酸基が、フッ素化アルコール基に含まれる水酸基である場合、このような繰り返し単位b4を、繰り返し単位b4-3とも言う。
繰り返し単位b4-3は、繰り返し単位b4-0、繰り返し単位b4-1、及び/又は、繰り返し単位b4-2とは異なるのが好ましい。
繰り返し単位b4-3は、繰り返し単位b6に該当するのが好ましい。
このような繰り返し単位b4-3の一形態として、繰り返し単位a4-3(一般式(A6)で表される繰り返し単位等)において、主鎖に直接結合するフッ素原子が、一般式(B0)中のXに置き換わり、主鎖に直接結合する-COO-が、一般式(B0)のLに置き換わった繰り返し単位が挙げられる。
繰り返し単位b4-3の好ましい含有量は、繰り返し単位a4-3と同様である。
また、樹脂(A)における繰り返し単位a4-3と繰り返し単位b4-3との合計含有量は、樹脂(A)の全繰り返し単位に対して、3~50モル%が好ましく、5~40モル%がより好ましく、10~35モル%が更に好ましい。
・・繰り返し単位b4-4
繰り返し単位b4が、特定基として(好ましくは上述の基Y又は基Zの特定基として)光酸発生基を有する繰り返し単位である場合、このような繰り返し単位b4を、繰り返し単位b4-4とも言う。
繰り返し単位b4-4は、繰り返し単位b5に該当するのが好ましい。
繰り返し単位b4-4は、繰り返し単位b4-0、繰り返し単位b4-1、繰り返し単位b4-2、及び/又は、繰り返し単位b4-3とは異なるのが好ましい。
このような繰り返し単位b4-4の一形態として、繰り返し単位a4-4(一般式(A7)で表される繰り返し単位等)において、主鎖に直接結合するフッ素原子が、一般式(B0)中のXに置き換わり、主鎖に直接結合する-COO-が、一般式(B0)中のLに置き換わった繰り返し単位が挙げられる。
繰り返し単位b4-4の好ましい含有量は、繰り返し単位a4-4と同様である。
また、樹脂(A)における繰り返し単位a4-4と繰り返し単位b4-4との合計含有量は、樹脂(A)の全繰り返し単位に対して、3~40モル%が好ましく、5~25モル%がより好ましく、7~20モル%が更に好ましい。
・・繰り返し単位b4-5
繰り返し単位b4が、特定基として(好ましくは上述の基Y又は基Zの特定基として)芳香族性水酸基を有する基を有する繰り返し単位である場合、このような繰り返し単位b4を、繰り返し単位b4-5とも言う。
繰り返し単位b4-5は、繰り返し単位b4-0、繰り返し単位b4-1、繰り返し単位b4-2、繰り返し単位b4-3、及び/又は、繰り返し単位b4-4とは異なるのが好ましい。
繰り返し単位b4-5は、一般式(B2)で表される切り返し単位が好ましい。
Figure 0007254917000022
一般式(B2)中、Xは、水素原子、アルキル基、又は、フッ素原子以外のハロゲン原子を表し、一般式(B0)中のXと同様である。
一般式(B2)中、Xは、単結合、-COO-、又は-CONR64-を表し、R64は、水素原子又はアルキル基(直鎖状でも分岐鎖状でもよい。好ましくは炭素数1~5)を表す。-COO-におけるカルボニル炭素は、繰り返し単位の主鎖に直接結合しているのが好ましい。
一般式(B2)中、Lは、単結合又はアルキレン基(直鎖状でも分岐鎖状でもよい。好ましくは炭素数1~20)を表す。
一般式(B2)中、Arは、(n+1)価の芳香環基を表す。
上記芳香環基は、ベンゼン環基、ナフタレン環基、及び、アントラセン環基等の炭素数6~18のアリーレン基、又は、チオフェン環基、フラン環基、ピロール環基、ベンゾチオフェン環基、ベンゾフラン環基、ベンゾピロール環基、トリアジン環基、イミダゾール環基、ベンゾイミダゾール環基、トリアゾール環基、チアジアゾール環基、及び、チアゾール環基等のヘテロ環を含む芳香環基が好ましく、ベンゼン環基がより好ましい。
一般式(B2)中、nは、1~5の整数を表す。
(n+1)価の芳香環基は、更に置換基を有していてもよい。
上述したR64のアルキル基、Lのアルキレン基、及び、Arの(n+1)価の芳香環基が有し得る置換基としては、例えば、ハロゲン原子(好ましくはフッ素原子)、メトキシ基、エトキシ基、ヒドロキシエトキシ基、プロポキシ基、ヒドロキシプロポキシ基、及び、ブトキシ基等のアルコキシ基;フェニル基等のアリール基;等が挙げられる。また、Arの(n+1)価の芳香環基が有し得る置換基としては、例えば、アルキル基(直鎖状でも分岐鎖状でもよい。好ましくは炭素数1~20)も挙げられる。
以下、繰り返し単位b4-5の具体例を示すが、本発明は、これに限定されるものではない。式中、aは1又は2を表す。
Figure 0007254917000023
Figure 0007254917000024
Figure 0007254917000025
なお、上記繰り返し単位の中でも、以下に具体的に記載する繰り返し単位が好ましい。式中、Rは水素原子又はメチル基を表し、aは1~3の整数を表す。
Figure 0007254917000026
樹脂(A)が繰り返し単位b4-5を有する場合、その含有量は、樹脂(A)の全繰り返し単位に対して、3~70モル%が好ましく、10~65モル%がより好ましく、7~60モル%が更に好ましい。
繰り返し単位b4-5は1種単独で使用してもよく、2種以上を使用してもよい。
樹脂(A)は、常法に従って(例えばラジカル重合)合成できる。
GPC法によりポリスチレン換算値として、樹脂(A)の重量平均分子量は、1,000~200,000が好ましく、3,000~20,000がより好ましく、4,500~15,000が更に好ましい。樹脂(A)の重量平均分子量を、1,000~200,000とすれば、耐熱性及びドライエッチング耐性の劣化を防ぐことができ、更に、現像性の劣化、及び、粘度が高くなって製膜性が劣化することを防げる。
樹脂(A)の分散度(分子量分布)は、通常1~5であり、1~3が好ましく、1.2~3.0がより好ましく、1.2~2.0が更に好ましい。分散度が小さいものほど、解像度、及び、レジスト形状が優れ、更に、レジストパターンの側壁がスムーズであり、ラフネス性に優れる。
樹脂(A)は、発生酸の過剰な拡散及び/又は現像時のパターン崩壊を抑制できる点から、ガラス転移温度(Tg)が高い方が好ましい。Tgは、90℃超が好ましく、100℃超がより好ましく、110℃超が更に好ましく、125℃超が特に好ましい。なお、過度な高Tg化は現像液への溶解速度低下を招くため、Tgは400℃以下が好ましく、350℃以下がより好ましい。
なお、本明細書において、樹脂(A)等のポリマーのガラス転移温度(Tg)は、以下の方法で算出する。まず、ポリマー中に含まれる各繰り返し単位のみからなるホモポリマーのTgを、Bicerano法によりそれぞれ算出する。以後、算出されたTgを、「繰り返し単位のTg」という。次に、ポリマー中の全繰り返し単位に対する、各繰り返し単位の質量割合(%)を算出する。次に、Foxの式(Materials Letters 62(2008)3152等に記載)を用いて各質量割合におけるTgを算出して、それらを総和して、ポリマーのTg(℃)とする。
Bicerano法はPrediction of polymer properties, Marcel Dekker Inc, New York(1993)等に記載されている。またBicerano法によるTgの算出は、ポリマーの物性概算ソフトウェアMDL Polymer(MDL Information Systems, Inc.)を用いて行える。
樹脂(A)のTgを90℃より大きくするには、樹脂(A)の主鎖の運動性を低下させるのが好ましい。樹脂(A)の主鎖の運動性を低下させる方法は、以下の(a)~(e)の方法が挙げられる。
(a)主鎖への嵩高い置換基の導入
(b)主鎖への複数の置換基の導入
(c)主鎖近傍への樹脂(A)間の相互作用を誘発する置換基の導入
(d)環状構造での主鎖形成
(e)主鎖への環状構造の連結
なお、樹脂(A)は、ホモポリマーのTgが130℃以上を示す繰り返し単位を有するのが好ましい。
なお、ホモポリマーのTgが130℃以上を示す繰り返し単位の種類は特に制限されず、Bicerano法により算出されるホモポリマーのTgが130℃以上である繰り返し単位であればよい。なお、後述する式(A)~式(E)で表される繰り返し単位中の官能基の種類によっては、ホモポリマーのTgが130℃以上を示す繰り返し単位に該当する。
上記(a)の具体的な達成手段としては、例えば、樹脂(A)に式(A)で表される繰り返し単位を導入する方法が挙げられる。
Figure 0007254917000027
式(A)、Rは、多環構造を有する基を表す。Rは、水素原子、メチル基、又は、エチル基を表す。多環構造を有する基とは、複数の環構造を有する基であり、複数の環構造は縮合していても、縮合していなくてもよい。
式(A)で表される繰り返し単位としては、例えば、下記繰り返し単位が挙げられる。
Figure 0007254917000028
Figure 0007254917000029
上記式中、Rは、水素原子、メチル基、又は、エチル基を表す。
Raは、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基、アルケニル基、水酸基、アルコキシ基、アシロキシ基、シアノ基、ニトロ基、アミノ基、ハロゲン原子、エステル基(-OCOR’’’又は-COOR’’’:R’’’は炭素数1~20のアルキル基又はフッ素化アルキル基)、又は、カルボン酸基を表す。なお、上記アルキル基、上記シクロアルキル基、上記アリール基、上記アラルキル基、及び、上記アルケニル基は、それぞれ、置換基を有してもよい。また、Raで表される基中の炭素原子に結合している水素原子は、フッ素原子又はヨウ素原子で置換されていてもよい。
また、R’及びR’’は、それぞれ独立に、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基、アルケニル基、水酸基、アルコキシ基、アシロキシ基、シアノ基、ニトロ基、アミノ基、ハロゲン原子、エステル基(-OCOR’’’又は-COOR’’’:R’’’は炭素数1~20のアルキル基又はフッ素化アルキル基)、又は、カルボン酸基を表す。なお、上記アルキル基、上記シクロアルキル基、上記アリール基、上記アラルキル基、及び、上記アルケニル基は、それぞれ、置換基を有してもよい。また、R’及びR’’で表される基中の炭素原子に結合している水素原子は、フッ素原子又はヨウ素原子で置換されていてもよい。
Lは、単結合又は2価の連結基を表す。2価の連結基としては、例えば、-COO-、-CO-、-O-、-S-、-SO-、-SO-、アルキレン基、シクロアルキレン基、アルケニレン基、及び、これらの複数が連結した連結基等が挙げられる。
m及びnは、それぞれ独立に、0以上の整数を表す。m及びnの上限は特に制限されないが、2以下の場合が多く、1以下の場合がより多い。
上記(b)の具体的な達成手段としては、例えば、樹脂(A)に式(B)で表される繰り返し単位を導入する方法が挙げられる。
Figure 0007254917000030
式(B)中、Rb1~Rb4は、それぞれ独立に、水素原子又は有機基を表し、Rb1~Rb4のうち少なくとも2つ以上が有機基を表す。
また、有機基の少なくとも1つが、繰り返し単位中の主鎖に直接環構造が連結している基である場合、他の有機基の種類は特に制限されない。
また、有機基のいずれも繰り返し単位中の主鎖に直接環構造が連結している基ではない場合、有機基の少なくとも2つ以上は、水素原子を除く構成原子の数が3つ以上である置換基である。
式(B)で表される繰り返し単位としては、例えば、下記繰り返し単位が挙げられる。
Figure 0007254917000031
上記式中、Rは、それぞれ独立に、水素原子又は有機基を表す。有機基としては、例えば、置換基を有してもよい、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基、及び、アルケニル基、等の有機基が挙げられる。
R’は、それぞれ独立に、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基、アルケニル基、水酸基、アルコキシ基、アシロキシ基、シアノ基、ニトロ基、アミノ基、ハロゲン原子、エステル基(-OCOR’’又は-COOR’’:R’’は炭素数1~20のアルキル基又はフッ素化アルキル基)、又は、カルボン酸基を表す。なお、上記アルキル基、上記シクロアルキル基、上記アリール基、上記アラルキル基、及び、上記アルケニル基は、それぞれ、置換基を有してもよい。また、R’で表される基中の炭素原子に結合している水素原子は、フッ素原子又はヨウ素原子で置換されていてもよい。
mは0以上の整数を表す。mの上限は特に制限されないが、2以下の場合が多く、1以下の場合がより多い。
上記(c)の具体的な達成手段としては、例えば、樹脂(A)に式(C)で表される繰り返し単位を導入する方法が挙げられる。
Figure 0007254917000032
式(C)中、Rc1~Rc4は、それぞれ独立に、水素原子又は有機基を表し、Rc1~Rc4のうち少なくとも1つが、主鎖炭素から原子数3以内に水素結合性の水素原子を有する基である。中でも、樹脂(A)の主鎖間の相互作用を誘発するうえで、原子数2以内(より主鎖近傍側)に水素結合性の水素原子を有するのが好ましい。
式(C)で表される繰り返し単位としては、例えば、下記繰り返し単位が挙げられる。
Figure 0007254917000033
上記式中、Rは有機基を表す。有機基としては、例えば、置換基を有してもよい、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基、アルケニル基、及び、エステル基(-OCOR又は-COOR:Rは炭素数1~20のアルキル基又はフッ素化アルキル基)等が挙げられる。
R’は、水素原子又は有機基を表す。有機基としては、例えば、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基、及び、アルケニル基、等の有機基が挙げられる。なお、有機基中の水素原子は、フッ素原子又はヨウ素原子で置換されていてもよい。
上記(d)の具体的な達成手段としては、例えば、樹脂(A)に式(D)で表される繰り返し単位を導入する方法が挙げられる。
樹脂(A)が式(D)で表される繰り返し単位を含む場合、その含有量は、樹脂(A)の全繰り返し単位に対して、1~50モル%が好ましく、3~40モル%がより好ましく、5~30モル%が更に好ましい。
Figure 0007254917000034
式(D)中、「cyclic」は、環状構造で主鎖を形成している基を表す。環の構成原子数は特に制限されない。
式(D)で表される繰り返し単位としては、例えば、下記繰り返し単位が挙げられる。
Figure 0007254917000035
上記式中、Rは、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基、アルケニル基、水酸基、アルコキシ基、アシロキシ基、シアノ基、ニトロ基、アミノ基、ハロゲン原子、エステル基(-OCOR’’又は-COOR’’:R’’は炭素数1~20のアルキル基又はフッ素化アルキル基)、又は、カルボン酸基を表す。なお、上記アルキル基、上記シクロアルキル基、上記アリール基、上記アラルキル基、及び、上記アルケニル基は、それぞれ、置換基を有してもよい。また、Rで表される基中の炭素原子に結合している水素原子は、フッ素原子又はヨウ素原子で置換されていてもよい。
上記式中、R’は、それぞれ独立に、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基、アルケニル基、水酸基、アルコキシ基、アシロキシ基、シアノ基、ニトロ基、アミノ基、ハロゲン原子、エステル基(-OCOR’’又は-COOR’’:R’’は炭素数1~20のアルキル基又はフッ素化アルキル基)、又は、カルボン酸基を表す。なお、上記アルキル基、上記シクロアルキル基、上記アリール基、上記アラルキル基、及び、上記アルケニル基は、それぞれ、置換基を有してもよい。また、R’で表される基中の炭素原子に結合している水素原子は、フッ素原子又はヨウ素原子で置換されていてもよい。
mは0以上の整数を表す。mの上限は特に制限されないが、2以下の場合が多く、1以下の場合がより多い。
上記(e)の具体的な達成手段としては、例えば、樹脂(A)に式(E)で表される繰り返し単位を導入する方法が挙げられる。
樹脂(A)が式(E)で表される繰り返し単位を含む場合、その含有量は、樹脂(A)の全繰り返し単位に対して、1~50モル%が好ましく、3~40モル%がより好ましく、5~30モル%が更に好ましい。
Figure 0007254917000036
式(E)中、Reは、それぞれ独立に、水素原子又は有機基を表す。有機基としては、例えば、置換基を有してもよい、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基、及び、アルケニル基等が挙げられる。
「cyclic」は、主鎖の炭素原子を含む環状基である。環状基に含まれる原子数は特に制限されない。
式(E)で表される繰り返し単位としては、例えば、下記繰り返し単位が挙げられる。
Figure 0007254917000037
上記式中、Rは、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基、及び、アルケニル基、水酸基、アルコキシ基、アシロキシ基、シアノ基、ニトロ基、アミノ基、ハロゲン原子、エステル基(-OCOR’’又は-COOR’’:R’’は炭素数1~20のアルキル基又はフッ素化アルキル基)、又は、カルボン酸基を表す。なお、上記アルキル基、上記シクロアルキル基、上記アリール基、上記アラルキル基、及び、上記アルケニル基は、それぞれ、置換基を有してもよい。また、Rで表される基中の炭素原子に結合している水素原子は、フッ素原子又はヨウ素原子で置換されていてもよい。
R’は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基、及び、アルケニル基、水酸基、アルコキシ基、アシロキシ基、シアノ基、ニトロ基、アミノ基、ハロゲン原子、エステル基(-OCOR’’又は-COOR’’:R’’は炭素数1~20のアルキル基又はフッ素化アルキル基)、又は、カルボン酸基を表す。なお、上記アルキル基、上記シクロアルキル基、上記アリール基、上記アラルキル基、及び、上記アルケニル基は、それぞれ、置換基を有してもよい。また、R’で表される基中の炭素原子に結合している水素原子は、フッ素原子又はヨウ素原子で置換されていてもよい。
mは0以上の整数を表す。mの上限は特に制限されないが、2以下の場合が多く、1以下の場合がより多い。
また、式(E-2)、式(E-4)、式(E-6)、及び、式(E-8)中、2つRは互いに結合して環を形成していてもよい。
レジスト組成物において、樹脂(A)の含有量は、全固形分中、50~99.9質量%が好ましく、60~99.0質量%がより好ましい。
また、樹脂(A)は、1種で使用してもよいし、2種以上使用してもよい。
<(B)活性光線又は放射線の照射により酸を発生する化合物>
レジスト組成物は、活性光線又は放射線の照射により酸を発生する化合物(光酸発生剤)を含んでいてもよい。光酸発生剤は、露光(好ましくはEUV光の露光)により酸を発生する化合物である。
光酸発生剤は、低分子化合物の形態であってもよく、重合体の一部に組み込まれた形態であってもよい。また、低分子化合物の形態と重合体の一部に組み込まれた形態を併用してもよい。
光酸発生剤が、低分子化合物の形態である場合、分子量は3000以下が好ましく、2000以下がより好ましく、1000以下が更に好ましい。
光酸発生剤が、重合体の一部に組み込まれた形態である場合、樹脂(A)の一部に組み込まれてもよく、樹脂(A)とは異なる樹脂に組み込まれてもよい。
本発明において、光酸発生剤が、低分子化合物の形態であるのが好ましい。
光酸発生剤は特に限定されず、中でも、EUV光の照射により、有機酸を発生する化合物が好ましく、分子中にフッ素原子又はヨウ素原子を有する光酸発生剤がより好ましい。
上記有機酸として、例えば、スルホン酸(脂肪族スルホン酸、芳香族スルホン酸、及び、カンファースルホン酸等)、カルボン酸(脂肪族カルボン酸、芳香族カルボン酸、及び、アラルキルカルボン酸等)、カルボニルスルホニルイミド酸、ビス(アルキルスルホニル)イミド酸、及び、トリス(アルキルスルホニル)メチド酸等が挙げられる。
光酸発生剤より発生する酸の体積は特に制限されないが、露光で発生した酸の非露光部への拡散を抑制し、解像性を良好にする点から、240Å以上が好ましく、305Å以上がより好ましく、350Å以上が更に好ましく、400Å以上が特に好ましい。
なお、感度又は塗布溶剤への溶解性の点から、光酸発生剤より発生する酸の体積は、1500Å以下が好ましく、1000Å以下がより好ましく、700Å以下が更に好ましい。
上記体積の値は、富士通株式会社製の「WinMOPAC」を用いて求める。上記体積の値の計算にあたっては、まず、各例に係る酸の化学構造を入力し、次に、この構造を初期構造としてMM(Molecular Mechanics)3法を用いた分子力場計算により、各酸の最安定立体配座を決定し、その後、これら最安定立体配座についてPM(Parameterized Model number)3法を用いた分子軌道計算を行って、各酸の「accessible volume」を計算できる。
光酸発生剤より発生する酸の構造は特に制限されないが、酸の拡散を抑制し、解像性を良好にする点で、光酸発生剤より発生する酸と樹脂(A)との間の相互作用が強いのが好ましい。この点から、光酸発生剤より発生する酸が有機酸である場合、例えば、スルホン酸基、カルボン酸基、カルボニルスルホニルイミド酸基、ビススルホニルイミド酸基、及び、トリススルホニルメチド酸基等の有機酸基、以外に、更に極性基を有するのが好ましい。
極性基としては、例えば、エーテル基、エステル基、アミド基、アシル基、スルホ基、スルホニルオキシ基、スルホンアミド基、チオエーテル基、チオエステル基、ウレア基、カーボネート基、カーバメート基、水酸基、及び、メルカプト基が挙げられる。
発生する酸が有する極性基の数は特に制限されず、1個以上であるのが好ましく、2個以上であるのがより好ましい。ただし、過剰な現像を抑制する点から、極性基の数は、6個未満であるのが好ましく、4個未満であるのがより好ましい。
光酸発生剤は、以下に例示する酸を発生する光酸発生剤が好ましい。なお、例の一部には、体積の計算値を付記している(単位Å)。
Figure 0007254917000038
Figure 0007254917000039
Figure 0007254917000040
本発明の効果がより優れる点で、光酸発生剤は、アニオン及びカチオンを有する光酸発生剤であるのが好ましい。
(一般式(PA-1)で表される化合物)
光酸発生剤は、一般式(PA-1)で表される化合物を含むのが好ましい。
Figure 0007254917000041
一般式(PA-1)中、A及びAは、それぞれ独立に、-SO-R、又は、-CO-Rを表す。Rは、有機基を表す。
一般式(PA-1)中に2つ存在するRは同一でも異なっていてもよい。
一般式(PA-1)中に2つ存在するRの炭素数は、それぞれ独立に、1~25が好ましく、1~15がより好ましい。
一般式(PA-1)中に2つ存在するRの水素原子を除く原子の数は、それぞれ独立に、2~30が好ましく、4~20がより好ましい。
は、一般式(RF)で表される基が好ましい。
-LRF-RRF (RF)
一般式(RF)中、LRFは、単結合又は2価の連結基を表す。
上記2価の連結基としては、例えば、-COO-、-CONH-、-CO-、-O-、-S-、-SO-、-SO-、アルキレン基(直鎖状でも分岐鎖状でもよい。好ましくは炭素数1~6)、シクロアルキレン基(好ましくは炭素数3~15)、アルケニレン基(直鎖状でも分岐鎖状でもよい。好ましくは炭素数2~6)、及び、これらの複数を組み合わせた2価の連結基等が挙げられる。
またこれらの2価の連結基が可能な場合に有し得る置換基は、ハロゲン原子が好ましく、フッ素原子がより好ましい。例えば、上記アルキレン基(複数を組み合わせた2価の連結基に含まれ得るアルキレン基も含む)がパーフルオロアルキレン基になっているのも好ましい。
上記2価の連結基は、-アルキレン基-COO-又は-アルキレン基-SO-が好ましい。-アルキレン基-COO-及び-アルキレン基-SO-は、アルキレン基がN側に存在するのが好ましい。
一般式(RF)中、RRFは、シクロアルキル基又はアルキル基を表す。
RFがシクロアルキル基である場合、上記シクロアルキル基は単環でも多環でもよい。
上記シクロアルキル基の炭素数は、3~15が好ましく、5~10がより好ましい。
上記シクロアルキル基としては、例えば、ノルボルニル基、及び、デカリニル基、アダマンチル基が挙げられる。
上記シクロアルキル基が有してもよい置換基は、アルキル基(直鎖状でも分岐鎖状でもよい。好ましくは炭素数1~5)が好ましい。上記シクロアルキル基はこれ以外の置換基を有さないのも好ましい。
上記シクロアルキル基の環員原子である炭素原子のうちの1個以上が、カルボニル炭素原子及び/又はヘテロ原子で置き換わっていてもよい。例えば、シクロアルキル基中の、LRFと結合する炭素原子(-CH<)が窒素原子(-N<)で置き換わってもよい。
RFがアルキル基である場合、上記アルキル基は、直鎖状でも分岐鎖状でもよい。
上記アルキル基の炭素数は1~10が好ましく、1~5がより好ましい。
上記アルキル基が有してもよい置換基は、シクロアルキル基、フッ素原子、又はシアノ基が好ましい。上記アルキル基はこれら以外の置換基を有さないのも好ましい。
上記置換基としてのシクロアルキル基の例としては、例えば、RRFがシクロアルキル基である場合において説明したシクロアルキル基が同様に挙げられる。
上記アルキル基が、上記置換基としてのフッ素原子を有する場合、上記アルキル基は、パーフルオロアルキル基となっていてもよいし、ならなくてもよい。上記アルキル基が、上記置換基としてのフッ素原子を有する場合、上記アルキル基の一部又は全部がパーフルオロメチル基であるのも好ましい。
一般式(PA-1)中、「A-N-A」に含まれる二つのRが互いに結合して環を形成してもよい。
一般式(PA-1)中、Mは、カチオンを表す。
のカチオンは、有機カチオンが好ましい。
上記有機カチオンは、それぞれ独立に、一般式(ZaI)で表されるカチオン(カチオン(ZaI))又は一般式(ZaII)で表されるカチオン(カチオン(ZaII))が好ましい。
Figure 0007254917000042
上記一般式(ZaI)において、
201、R202、及びR203は、それぞれ独立に、有機基を表す。
201、R202、及びR203としての有機基の炭素数は、通常1~30であり、1~20が好ましい。また、R201~R203のうち2つが結合して環構造を形成してもよく、環内に酸素原子、硫黄原子、エステル基、アミド基、又は、カルボニル基を含んでいてもよい。R201~R203の内の2つが結合して形成する基としては、例えば、アルキレン基(例えば、ブチレン基、ペンチレン基)、及び、-CH-CH-O-CH-CH-が挙げられる。
一般式(ZaI)におけるカチオンとしては、例えば、後述する、カチオン(ZaI-1)、カチオン(ZaI-2)、一般式(ZaI-3b)で表されるカチオン(カチオン(ZaI-3b))、及び、一般式(ZaI-4b)で表されるカチオン(カチオン(ZaI-4b))が挙げられる。
まず、カチオン(ZaI-1)について説明する。
カチオン(ZaI-1)は、上記一般式(ZaI)のR201~R203の少なくとも1つがアリール基である、アリールスルホニウムカチオンである。
アリールスルホニウムカチオンは、R201~R203の全てがアリール基でもよいし、R201~R203の一部がアリール基であり、残りがアルキル基又はシクロアルキル基であってもよい。
また、R201~R203のうちの1つがアリール基であり、R201~R203のうちの残りの2つが結合して環構造を形成してもよく、環内に酸素原子、硫黄原子、エステル基、アミド基、又は、カルボニル基を含んでいてもよい。R201~R203のうちの2つが結合して形成する基としては、例えば、1つ以上のメチレン基が酸素原子、硫黄原子、エステル基、アミド基、及び/又はカルボニル基で置換されていてもよいアルキレン基(例えば、ブチレン基、ペンチレン基、又は-CH-CH-O-CH-CH-)が挙げられる。
アリールスルホニウムカチオンとしては、例えば、トリアリールスルホニウムカチオン、ジアリールアルキルスルホニウムカチオン、アリールジアルキルスルホニウムカチオン、ジアリールシクロアルキルスルホニウムカチオン、及び、アリールジシクロアルキルスルホニウムカチオンが挙げられる。
アリールスルホニウムカチオンに含まれるアリール基は、フェニル基又はナフチル基が好ましく、フェニル基がより好ましい。アリール基は、酸素原子、窒素原子、又は硫黄原子等を有するヘテロ環構造を有するアリール基であってもよい。ヘテロ環構造としては、例えば、ピロール残基、フラン残基、チオフェン残基、インドール残基、ベンゾフラン残基、及び、ベンゾチオフェン残基等が挙げられる。アリールスルホニウムカチオンが2つ以上のアリール基を有する場合に、2つ以上あるアリール基は同一であっても異なっていてもよい。
アリールスルホニウムカチオンが必要に応じて有しているアルキル基又はシクロアルキル基は、炭素数1~15の直鎖状アルキル基、炭素数3~15の分岐鎖状アルキル基、又は、炭素数3~15のシクロアルキル基が好ましく、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、n-ブチル基、sec-ブチル基、t-ブチル基、シクロプロピル基、シクロブチル基、及び、シクロヘキシル基等が挙げられる。
201~R203のアリール基、アルキル基、及び、シクロアルキル基が有していてもよい置換基は、それぞれ独立に、アルキル基(例えば炭素数1~15)、シクロアルキル基(例えば炭素数3~15)、アリール基(例えば炭素数6~14)、アルコキシ基(例えば炭素数1~15)、シクロアルキルアルコキシ基(例えば炭素数1~15)、ハロゲン原子、水酸基、又は、フェニルチオ基が好ましい。
上記置換基は可能な場合は更に置換基を有していてもよく、例えば、上記アルキル基が置換基としてハロゲン原子を有して、トリフルオロメチル基等のハロゲン化アルキル基となっていてもよい。
次に、カチオン(ZaI-2)について説明する。
カチオン(ZaI-2)は、式(ZaI)におけるR201~R203が、それぞれ独立に、芳香環を有さない有機基を表すカチオンである。ここで芳香環とは、ヘテロ原子を含む芳香族環も包含する。
201~R203としての芳香環を有さない有機基は、一般的に炭素数1~30であり、炭素数1~20が好ましい。
201~R203は、それぞれ独立に、アルキル基、シクロアルキル基、アリル基、又はビニル基が好ましく、直鎖状又は分岐鎖状の2-オキソアルキル基、2-オキソシクロアルキル基、又は、アルコキシカルボニルメチル基がより好ましく、直鎖状又は分岐鎖状の2-オキソアルキル基が更に好ましい。
201~R203のアルキル基及びシクロアルキル基としては、例えば、炭素数1~10の直鎖状アルキル基又は炭素数3~10の分岐鎖状アルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、及び、ペンチル基)、並びに、炭素数3~10のシクロアルキル基(例えば、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、及び、ノルボルニル基)が挙げられる。
201~R203は、ハロゲン原子、アルコキシ基(例えば炭素数1~5)、水酸基、シアノ基、又は、ニトロ基によって更に置換されていてもよい。
次に、カチオン(ZaI-3b)について説明する。
カチオン(ZaI-3b)は、下記一般式(ZaI-3b)で表されるカチオンである。
Figure 0007254917000043
一般式(ZaI-3b)中、
1c~R5cは、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルコキシカルボニル基、アルキルカルボニルオキシ基、シクロアルキルカルボニルオキシ基、ハロゲン原子、水酸基、ニトロ基、アルキルチオ基、又は、アリールチオ基を表す。
6c及びR7cは、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基(t-ブチル基等)、シクロアルキル基、ハロゲン原子、シアノ基、又は、アリール基を表す。
及びRは、それぞれ独立に、アルキル基、シクロアルキル基、2-オキソアルキル基、2-オキソシクロアルキル基、アルコキシカルボニルアルキル基、アリル基、又は、ビニル基を表す。
1c~R5c中のいずれか2つ以上、R5cとR6c、R6cとR7c、R5cとR、及びRとRは、それぞれ結合して環を形成してもよく、この環は、それぞれ独立に酸素原子、硫黄原子、ケトン基、エステル結合、又は、アミド結合を含んでいてもよい。
上記環としては、例えば、芳香族又は非芳香族の炭化水素環、芳香族又は非芳香族のヘテロ環、及びこれらの環が2つ以上組み合わされてなる多環縮合環が挙げられる。環は、3~10員環が挙げられ、4~8員環が好ましく、5又は6員環がより好ましい。
1c~R5c中のいずれか2つ以上、R6cとR7c、及び、RとRが結合して形成する基としては、例えば、ブチレン基及びペンチレン基等のアルキレン基が挙げられる。このアルキレン基中のメチレン基が酸素原子等のヘテロ原子で置換されていてもよい。
5cとR6c、及び、R5cとRが結合して形成する基は、単結合又はアルキレン基が好ましい。アルキレン基としては、例えば、メチレン基及びエチレン基等が挙げられる。
次に、カチオン(ZaI-4b)について説明する。
カチオン(ZaI-4b)は、下記一般式(ZaI-4b)で表されるカチオンである。
Figure 0007254917000044
一般式(ZaI-4b)中、
lは0~2の整数を表す。
rは0~8の整数を表す。
13は、水素原子、フッ素原子、水酸基、アルキル基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、又は、シクロアルキル基を有する基(シクロアルキル基そのものであってもよく、シクロアルキル基を一部に含む基であってもよい)を表す。これらの基は置換基を有してもよい。
14は、水酸基、アルキル基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アルキルカルボニル基、アルキルスルホニル基、シクロアルキルスルホニル基、又は、シクロアルキル基を有する基(シクロアルキル基そのものであってもよく、シクロアルキル基を一部に含む基であってもよい)を表す。これらの基は置換基を有してもよい。R14は、複数存在する場合はそれぞれ独立して、水酸基等の上記基を表す。
15は、それぞれ独立して、アルキル基、シクロアルキル基、又は、ナフチル基を表す。これらの基は置換基を有してもよい。2つのR15が互いに結合して環を形成してもよい。2つのR15が互いに結合して環を形成するとき、環骨格内に、酸素原子、又は、窒素原子等のヘテロ原子を含んでもよい。一態様において、2つのR15がアルキレン基であり、互いに結合して環構造を形成するのが好ましい。
一般式(ZaI-4b)において、R13、R14、及び、R15のアルキル基は、直鎖状又は分岐鎖状である。アルキル基の炭素数は、1~10が好ましい。アルキル基は、メチル基、エチル基、n-ブチル基、又は、t-ブチル基等がより好ましい。
次に、一般式(ZaII)について説明する。
一般式(ZaII)中、R204及びR205は、それぞれ独立に、アリール基、アルキル基、又は、シクロアルキル基を表す。
204及びR205のアリール基は、フェニル基、又は、ナフチル基が好ましく、フェニル基がより好ましい。R204及びR205のアリール基は、酸素原子、窒素原子、又は、硫黄原子等を有するヘテロ環を有するアリール基であってもよい。ヘテロ環を有するアリール基の骨格としては、例えば、ピロール、フラン、チオフェン、インドール、ベンゾフラン、及び、ベンゾチオフェン等が挙げられる。
204及びR205のアルキル基及びシクロアルキル基は、炭素数1~10の直鎖状アルキル基又は炭素数3~10の分岐鎖状アルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、又はペンチル基)、又は、炭素数3~10のシクロアルキル基(例えばシクロペンチル基、シクロヘキシル基、又はノルボルニル基)が好ましい。
204及びR205のアリール基、アルキル基、及び、シクロアルキル基は、それぞれ独立に、置換基を有していてもよい。R204及びR205のアリール基、アルキル基、及び、シクロアルキル基が有していてもよい置換基としては、例えば、アルキル基(例えば炭素数1~15)、シクロアルキル基(例えば炭素数3~15)、アリール基(例えば炭素数6~15)、アルコキシ基(例えば炭素数1~15)、ハロゲン原子、水酸基、及び、フェニルチオ基等が挙げられる。
(一般式(PB)で表される化合物)
光酸発生剤は、一般式(PB)で表される化合物を含むのも好ましい。
-L-B (PB)
一般式(PB)で表される化合物は、通常の光酸発生剤に相当する機能を有する構造(「M -」に相当する部分)と、酸拡散制御剤に相当する機能を有する構造(「-B 」に相当する部分)との両方を一分子中に含むため、レジスト膜中で、上記構造のそれぞれの存在比率を一定にできる。
そのため、レジスト膜が露光された際にも、レジスト膜中で生じる酸の量及び拡散が均一になりやすく、現像後に得られるパターンの幅が安定する、と本発明者らは推測している。
一般式(PB)中、M 及びM は、それぞれ独立に、有機カチオンを表す。
及びM の有機カチオンは、それぞれ独立に、一般式(PA-1)のMについての説明の中で挙げた有機カチオンが同様に使用できる。
一般式(PB)中、Lは、2価の有機基を表す。
上記2価の有機基としては、例えば、-COO-、-CONH-、-CO-、アルキレン基(好ましくは炭素数1~6。直鎖状でも分岐鎖状でもよい)、シクロアルキレン基(好ましくは炭素数3~15)、アルケニレン基(好ましくは炭素数2~6)、及び、これらの複数を組み合わせた2価の連結基等が挙げられる。
上記シクロアルキレン基のシクロアルカン環を構成するメチレン基の1個以上が、カルボニル炭素及び/又はヘテロ原子(酸素原子等)で置き換わっていてもよい。
これらの2価の連結基は、更に、-O-、-S-、-SO-、及び、-SO-からなる群から選択される基を有するのも好ましい。
中でも、Lは、下記一般式(L)で表される基であるのが好ましい。
*A-LA-LB-LC-LD-LE-*B (L)
一般式(L)中、*Aは、一般式(PB)におけるAとの結合位置を表す。
一般式(L)中、*Bは、一般式(PB)におけるBとの結合位置を表す。
一般式(L)中、LAは、-(C(RLA1)(RLA2))XA-を表す。
上記XAは、1以上の整数を表し、1~10が好ましく、1~3がより好ましい。
LA1及びRLA2は、それぞれ独立に、水素原子又は置換基を表す。
LA1及びRLA2の置換基は、それぞれ独立に、フッ素原子又はフルオロアルキル基が好ましく、フッ素原子又はパーフルオロアルキル基がより好ましく、フッ素原子又はパーフルオロメチル基が更に好ましい。
XAが2以上の場合、XA個存在するRLA1は、それぞれ同一でも異なっていてもよい。
XAが2以上の場合、XA個存在するRLA2は、それぞれ同一でも異なっていてもよい。
-(C(RLA1)(RLA2))-は、-CH-、-CHF-、-CH(CF)-、又は、-CF-が好ましい。
中でも、一般式(PB)中のAと直接結合する-(C(RLA1)(RLA2))-は、-CH-、-CHF-、-CH(CF)-、又は、-CF-が好ましい。
一般式(PB)中のAと直接結合する-(C(RLA1)(RLA2))-以外の-(C(RLA1)(RLA2))-は、それぞれ独立に、-CH-、-CHF-、又は、-CF-が好ましい。
一般式(L)中、LBは、単結合、エステル基(-COO-)、又は、スルホニル基(-SO-)を表す。
一般式(L)中、LCは、単結合、アルキレン基、シクロアルキレン基、又は、これらを組み合わせてなる基(「-アルキレン基-シクロアルキレン基-」等)を表す。
上記アルキレン基は、直鎖状でも分岐鎖状でもよい。
上記アルキレン基の炭素数は、1~5が好ましく、1~2がより好ましく、1が更に好ましい。
上記シクロアルキレン基の炭素数は、3~15が好ましく、5~10がより好ましい。
上記シクロアルキレン基は単環でも多環でもよい。
上記シクロアルキレン基としては、例えば、ノルボルナンジイル基、及びアダマンタンジイル基が挙げられる。
上記シクロアルキレン基が有してもよい置換基は、アルキル基(直鎖状でも分岐鎖状でもよい。好ましくは炭素数1~5)が好ましい。
上記シクロアルキレン基のシクロアルカン環を構成するメチレン基の1個以上が、カルボニル炭素及び/又はヘテロ原子(酸素原子等)で置き換わっていてもよい。
LCが、「-アルキレン基-シクロアルキレン基-」の場合、アルキレン基部分は、LB側に存在するのが好ましい。
LBが単結合の場合、LCは、単結合又はシクロアルキレン基が好ましい。
一般式(L)中、LDは、単結合、エーテル基(-O-)、カルボニル基(-CO-)、又はエステル基(-COO-)を表す。
一般式(L)中、LEは、単結合又は-(C(RLE1)(RLE2))XE-を表す。
上記-(C(RLE1)(RLE2))XE-におけるXEは、1以上の整数を表し、1~10が好ましく、1~3がより好ましい。
LE1及びRLE2は、それぞれ独立に、水素原子又は置換基を表す。
XEが2以上の場合、XE個存在するRLE1は、それぞれ同一でも異なっていてもよい。
XEが2以上の場合、XE個存在するRLE2は、それぞれ同一でも異なっていてもよい。
中でも、-(C(RLE1)(RLE2))-は、-CH-が好ましい。
一般式(L)中、LB、LC、及びLDが単結合の場合、LEも単結合であるのが好ましい。
一般式(PB)中、Aは、酸アニオン基を表す。
酸アニオン基は、アニオン原子を有する基である。
A-は、具体的には、一般式(A-1)~(A-2)のいずれかで表される基であるのが好ましい。
Figure 0007254917000045
一般式(A-1)~(A-2)中、*は、結合位置を表す。
一般式(A-2)中、Rは、有機基を表す。
は、アルキル基が好ましい。
上記アルキル基は、直鎖状でも分岐鎖状でもよい。
上記アルキル基の炭素数は1~10が好ましく、1~5がより好ましい。
上記アルキル基が有してもよい置換基は、フッ素原子が好ましい。
置換基としてフッ素原子を有する上記アルキル基は、パーフルオロアルキル基となっていてもよいし、ならなくてもよい。
一般式(PB)中、Bは、一般式(B-1)~(B-4)のいずれかで表される基を表す。
は、一般式(B-1)~(B-3)のいずれかで表される基が好ましく、一般式(B-1)~(B-2)のいずれかで表される基がより好ましい。
Figure 0007254917000046
一般式(B-1)~(B-4)中、*は、結合位置を表す。
一般式(B-1)~(B-4)中、Rは、有機基を表す。
は、シクロアルキル基又はアルキル基が好ましい。
がシクロアルキル基である場合、上記シクロアルキル基の炭素数は、3~15が好ましく、5~10がより好ましい。
上記シクロアルキル基は単環でも多環でもよい。
上記シクロアルキル基としては、例えば、ノルボルニル基、及び、アダマンチル基が挙げられる。
上記シクロアルキル基が有してもよい置換基は、アルキル基(直鎖状でも分岐鎖状でもよい。好ましくは炭素数1~5)が好ましい。
上記シクロアルキル基の環員原子である炭素原子のうちの1個以上が、カルボニル炭素原子で置き換わっていてもよい。
がアルキル基である場合、上記アルキル基は、直鎖状でも分岐鎖状でもよい。
上記アルキル基の炭素数は1~10が好ましく、1~5がより好ましい。
上記アルキル基が有してもよい置換基は、シクロアルキル基、フッ素原子、又は、シアノ基が好ましい。
上記置換基としてのシクロアルキル基の例としては、Rがシクロアルキル基である場合において説明したシクロアルキル基が同様に挙げられる。
上記アルキル基が、上記置換基としてのフッ素原子を有する場合、上記アルキル基は、パーフルオロアルキル基となっていてもよいし、ならなくてもよい。上記アルキル基が、上記置換基としてのフッ素原子を有する場合、上記アルキル基の一部又は全部がパーフルオロメチル基であるのも好ましい。
一般式(PB)で表される化合物のM 及びM がそれぞれ水素原子で置換されたHA-L-BHで表される化合物において、HAで表される基のpKaは、BHで表される基のpKaよりも低い。
より具体的には、HA-L-BHで表される化合物について酸解離定数を求めた場合において、「HA-L-BH」が「A-L-BH」となる際のpKaを「HAで表される基のpKa」とし、更に、「A-L-BH」が「A-L-B」となる際のpKaを「BHで表される基のpKa」とする。
「HAで表される基のpKa」及び「BHで表される基のpKa」は、それぞれ、「ソフトウェアパッケージ1」又は「Gaussian16」を用いて求める。
中でも、HAで表される基のpKaは、-12.00~1.00が好ましく、-7.00~0.50がより好ましく、-5.00~0.00が更に好ましい。
HBで表される基のpKaは、-4.00~14.00が好ましく、-2.00~12.00がより好ましく、-1.00~5.00が更に好ましい。
HBで表される基のpKaとHAで表される基のpKaとの差(「HBで表される基のpKa」-「HAで表される基のpKa」)は、0.10~20.00が好ましく、0.50~17.00がより好ましく、2.00~15.00が更に好ましい。
(その他の光酸発生剤)
レジスト組成物は、上述した以外のその他の光酸発生剤を使用してもよい。
その他の光酸発生剤としては、例えば、「M(Mはカチオンを表しZはアニオンを表す)」で表される化合物(オニウム塩)が挙げられる。
「M」で表される化合物において、Mは、カチオンを表し、一般式(PA-1)におけるカチオンと同様のカチオンが挙げられる。
「M」で表される化合物において、Zは、アニオンを表し、求核反応を起こす能力が著しく低いアニオンが好ましい。
上記アニオンとしては、例えば、スルホン酸アニオン(フルオロアルキルスルホン酸アニオン等の脂肪族スルホン酸アニオン、芳香族スルホン酸アニオン、及び、カンファースルホン酸アニオン等)、カルボン酸アニオン(脂肪族カルボン酸アニオン、芳香族カルボン酸アニオン、及び、アラルキルカルボン酸アニオン等)、及び、トリス(アルキルスルホニル)メチドアニオンが挙げられる。
脂肪族スルホン酸アニオン及び脂肪族カルボン酸アニオンにおける脂肪族部位は、アルキル基であってもシクロアルキル基であってもよく、炭素数1~30の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基、及び、炭素数3~30のシクロアルキル基が好ましい。
芳香族スルホン酸アニオン及び芳香族カルボン酸アニオンにおける芳香環基は、炭素数6~14のアリール基が好ましく、例えば、フェニル基、トリル基、及び、ナフチル基が挙げられる。
上記で挙げたアルキル基、シクロアルキル基、及び、アリール基が有し得る置換基としては、例えば、ニトロ基、フッ素原子等のハロゲン原子、カルボン酸基、水酸基、アミノ基、シアノ基、アルコキシ基(好ましくは炭素数1~15)、シクロアルキル基(好ましくは炭素数3~15)、アリール基(好ましくは炭素数6~14)、アルコキシカルボニル基(好ましくは炭素数2~7)、アシル基(好ましくは炭素数2~12)、アルコキシカルボニルオキシ基(好ましくは炭素数2~7)、アルキルチオ基(好ましくは炭素数1~15)、アルキルスルホニル基(好ましくは炭素数1~15)、アルキルイミノスルホニル基(好ましくは炭素数1~15)、アリールオキシスルホニル基(好ましくは炭素数6~20)、アルキルアリールオキシスルホニル基(好ましくは炭素数7~20)、シクロアルキルアリールオキシスルホニル基(好ましくは炭素数10~20)、アルキルオキシアルキルオキシ基(好ましくは炭素数5~20)、及び、シクロアルキルアルキルオキシアルキルオキシ基(好ましくは炭素数8~20)が挙げられる。
アラルキルカルボン酸アニオンにおけるアラルキル基は、炭素数7~12のアラルキル基が好ましく、例えば、ベンジル基、フェネチル基、ナフチルメチル基、ナフチルエチル基、及び、ナフチルブチル基が挙げられる。
トリス(アルキルスルホニル)メチドアニオンにおけるアルキル基は、炭素数1~5のアルキル基が好ましい。これらのアルキル基の置換基としては、例えば、ハロゲン原子、ハロゲン原子で置換されたアルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アルキルオキシスルホニル基、アリールオキシスルホニル基、及び、シクロアルキルアリールオキシスルホニル基が挙げられ、フッ素原子又はフッ素原子で置換されたアルキル基が好ましい。
その他の非求核性アニオンとしては、例えば、フッ素化燐(例えば、PF )、フッ素化ホウ素(例えば、BF )、及び、フッ素化アンチモン(例えば、SbF )が挙げられる。
非求核性アニオンは、スルホン酸の少なくともα位がフッ素原子で置換された脂肪族スルホン酸アニオン、フッ素原子若しくはフッ素原子を有する基で置換された芳香族スルホン酸アニオン、又は、アルキル基がフッ素原子で置換されたトリス(アルキルスルホニル)メチドアニオンが好ましい。中でも、パーフロロ脂肪族スルホン酸アニオン(好ましくは炭素数4~8)、又は、フッ素原子を有するベンゼンスルホン酸アニオンがより好ましく、ノナフロロブタンスルホン酸アニオン、パーフロロオクタンスルホン酸アニオン、ペンタフロロベンゼンスルホン酸アニオン、又は、3,5-ビス(トリフロロメチル)ベンゼンスルホン酸アニオンが更に好ましい。
酸強度の点からは、発生酸のpKaが-1以下であるのが、感度向上のために好ましい。
また、非求核性アニオンは、以下の一般式(AN1)で表されるアニオンも好ましい。
Figure 0007254917000047
式中、
Xfは、それぞれ独立に、フッ素原子、又は、少なくとも1つのフッ素原子で置換されたアルキル基を表す。
及びRは、それぞれ独立に、水素原子、フッ素原子、又は、アルキル基を表し、複数存在する場合のR及びRは、それぞれ同一でも異なっていてもよい。
Lは、2価の連結基を表し、複数存在する場合のLは同一でも異なっていてもよい。
Aは、環状の有機基を表す。
xは1~20の整数を表し、yは0~10の整数を表し、zは0~10の整数を表す。
一般式(AN1)について、更に詳細に説明する。
Xfのフッ素原子で置換されたアルキル基におけるアルキル基の炭素数は、1~10が好ましく、1~4がより好ましい。また、Xfのフッ素原子で置換されたアルキル基は、パーフルオロアルキル基が好ましい。
Xfは、フッ素原子又は炭素数1~4のパーフルオロアルキル基が好ましい。Xfは、例えば、フッ素原子、CF、C、C、C、CHCF、CHCHCF、CH、CHCH、CH、CHCH、CH、及び、CHCH等が挙げられ、中でも、フッ素原子、又は、CFが好ましい。特に、双方のXfがフッ素原子であるのが好ましい。
及びRのアルキル基は、置換基(好ましくはフッ素原子)を有していてもよく、置換基中の炭素数は1~4が好ましい。置換基は、炭素数1~4のパーフルオロアルキル基が好ましい。R及びRの置換基を有するアルキル基は、例えば、CF、C、C、C、C11、C13、C15、C17、CHCF、CHCHCF、CH、CHCH、CH、CHCH、CH、及び、CHCH等が挙げられ、中でも、CFが好ましい。
及びRは、フッ素原子又はCFが好ましい。
xは1~10の整数が好ましく、1~5がより好ましい。
yは0~4の整数が好ましく、0がより好ましい。
zは0~5の整数が好ましく、0~3の整数がより好ましい。
Lの2価の連結基としては、例えば、-COO-、-CO-、-O-、-S-、-SO-、-SO-、アルキレン基、シクロアルキレン基、アルケニレン基、及び、これらの複数が連結した連結基等が挙げられ、総炭素数12以下の連結基が好ましい。中でも、-COO-、-CO-、又は、-O-が好ましく、-COO-がより好ましい。
Aの環状の有機基は、環状構造を有するものであれば特に限定されず、脂環基、芳香環基、及び、複素環基(芳香族性を有するものだけでなく、芳香族性を有さないものも含む)等が挙げられる。
脂環基は、単環でも多環でもよく、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、及び、シクロオクチル基等の単環のシクロアルキル基が好ましく、その他にも、ノルボルニル基、トリシクロデカニル基、テトラシクロデカニル基、テトラシクロドデカニル基、及び、アダマンチル基等の多環のシクロアルキル基が好ましい。中でも、ノルボルニル基、トリシクロデカニル基、テトラシクロデカニル基、テトラシクロドデカニル基、及び、アダマンチル基等の炭素数7以上のかさ高い構造を有する脂環基が、露光後加熱工程での膜中拡散性を抑制でき、MEEF(Mask Error Enhancement Factor)向上の点から好ましい。
芳香環基としては、例えば、ベンゼン環、ナフタレン環、フェナンスレン環、及び、アントラセン環等が挙げられる。
複素環基としては、例えば、フラン環、チオフェン環、ベンゾフラン環、ベンゾチオフェン環、ジベンゾフラン環、ジベンゾチオフェン環、及び、ピリジン環等由来の基が挙げられる。中でも、フラン環、チオフェン環、又は、ピリジン環由来の基が好ましい。
また、環状の有機基としては、ラクトン構造も挙げられ、具体例としては、前述の一般式(LC1-1)~(LC1-22)で表されるラクトン構造が挙げられる。
上記環状の有機基は、置換基を有していてもよい。上記置換基は、アルキル基(直鎖状でも、分岐鎖状でもよく、環状構造を含んでいてもよい。好ましくは炭素数1~12)、シクロアルキル基(単環、及び、多環のいずれであってもよく、多環である場合スピロ環であってもよい。好ましくは炭素数は3~20)、アリール基(好ましくは炭素数6~14)、水酸基、アルコキシ基、エステル基、アミド基、ウレタン基、ウレイド基、チオエーテル基、スルホンアミド基、及び、スルホン酸エステル基等が挙げられる。なお、環状の有機基を構成する炭素(環形成に寄与する炭素)はカルボニル炭素であってもよい。
また、光酸発生剤はカチオン部とアニオン部を有し、両者が共有結合で連結した構造のベタイン化合物であってもよい。
光酸発生剤としては、特開2014-41328号公報の段落[0368]~[0377]、及び、特開2013-228681号公報の段落[0240]~[0262](対応する米国特許出願公開第2015/004533号明細書の[0339])が援用でき、これらの内容は本願明細書に組み込まれる。
また、好ましい具体例として以下の化合物が挙げられる。下記化合物において、可能な場合、アニオンとカチオンとは任意に交換できる。
Figure 0007254917000048
Figure 0007254917000049
Figure 0007254917000050
Figure 0007254917000051
Figure 0007254917000052
Figure 0007254917000053
レジスト組成物中の光酸発生剤の含有量は特に制限されないが、本発明の効果がより優れる点で、組成物の全固形分に対して、5質量%以上が好ましく、9質量%以上がより好ましく、15質量%以上が更に好ましい。また、上記含有量は、40質量%以下が好ましく、35質量%以下がより好ましく、30質量%以下が更に好ましい。
光酸発生剤は、1種単独で使用してもよく、2種以上を使用してもよい。
<(C)溶剤>
レジスト組成物は、溶剤を含んでいてもよい。
溶剤は、(M1)プロピレングリコールモノアルキルエーテルカルボキシレート、並びに、(M2)プロピレングリコールモノアルキルエーテル、乳酸エステル、酢酸エステル、アルコキシプロピオン酸エステル、鎖状ケトン、環状ケトン、ラクトン、及び、アルキレンカーボネートからなる群より選択される少なくとも1つの少なくとも一方を含んでいるのが好ましい。なお、この溶剤は、成分(M1)及び(M2)以外の成分を更に含んでいてもよい。
本発明者らは、このような溶剤と上述した樹脂とを組み合わせて用いると、組成物の塗布性が向上すると共に、現像欠陥数の少ないパターンが形成可能となることを見出している。その理由は必ずしも明らかではないが、これら溶剤は、上述した樹脂の溶解性、沸点及び粘度のバランスが良いため、組成物膜の膜厚のムラ及びスピンコート中の析出物の発生等を抑制できることに起因していると本発明者らは考えている。
成分(M1)は、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA:propylene glycol monomethylether acetate)、プロピレングリコールモノメチルエーテルプロピオネート、及び、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテートからなる群より選択される少なくとも1つが好ましく、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)がより好ましい。
成分(M2)は、以下の溶剤が好ましい。
プロピレングリコールモノアルキルエーテルは、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)、及び、プロピレングリコールモノエチルエーテル(PGEE)が好ましい。
乳酸エステルは、乳酸エチル、乳酸ブチル、又は、乳酸プロピルが好ましい。
酢酸エステルは、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、酢酸プロピル、酢酸イソアミル、蟻酸メチル、蟻酸エチル、蟻酸ブチル、蟻酸プロピル、又は、酢酸3-メトキシブチルが好ましい。
また、酪酸ブチルも好ましい。
アルコキシプロピオン酸エステルは、3-メトキシプロピオン酸メチル(MMP)、又は、3-エトキシプロピオン酸エチル(EEP)が好ましい。
鎖状ケトンは、1-オクタノン、2-オクタノン、1-ノナノン、2-ノナノン、アセトン、2-ヘプタノン、4-ヘプタノン、1-ヘキサノン、2-ヘキサノン、ジイソブチルケトン、フェニルアセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、アセチルアセトン、アセトニルアセトン、イオノン、ジアセトニルアルコール、アセチルカービノール、アセトフェノン、メチルナフチルケトン、又は、メチルアミルケトンが好ましい。
環状ケトンは、メチルシクロヘキサノン、イソホロン、シクロペンタノン、又は、シクロヘキサノンが好ましい。
ラクトンは、γ-ブチロラクトンが好ましい。
アルキレンカーボネートは、プロピレンカーボネートが好ましい。
成分(M2)は、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)、乳酸エチル、3-エトキシプロピオン酸エチル、メチルアミルケトン、シクロヘキサノン、酢酸ブチル、酢酸ペンチル、γ-ブチロラクトン、又は、プロピレンカーボネートがより好ましい。
上記成分の他、炭素数が7以上(7~14が好ましく、7~12がより好ましく、7~10が更に好ましい)、かつ、ヘテロ原子数が2以下のエステル系溶剤を用いるのが好ましい。
炭素数が7以上かつヘテロ原子数が2以下のエステル系溶剤としては、例えば、酢酸アミル、酢酸2-メチルブチル、酢酸1-メチルブチル、酢酸ヘキシル、プロピオン酸ペンチル、プロピオン酸ヘキシル、プロピオン酸ブチル、イソ酪酸イソブチル、プロピオン酸ヘプチル、及び、ブタン酸ブチル等が挙げられ、酢酸イソアミルが好ましい。
成分(M2)は、引火点(以下、fpともいう)が37℃以上である溶剤が好ましい。
このような成分(M2)は、プロピレングリコールモノメチルエーテル(fp:47℃)、乳酸エチル(fp:53℃)、3-エトキシプロピオン酸エチル(fp:49℃)、メチルアミルケトン(fp:42℃)、シクロヘキサノン(fp:44℃)、酢酸ペンチル(fp:45℃)、2-ヒドロキシイソ酪酸メチル(fp:45℃)、γ-ブチロラクトン(fp:101℃)、又は、プロピレンカーボネート(fp:132℃)が好ましい。これらのうち、プロピレングリコールモノエチルエーテル、乳酸エチル、酢酸ペンチル、又は、シクロヘキサノンがより好ましく、プロピレングリコールモノエチルエーテル、又は、乳酸エチルが更に好ましい。
なお、ここで「引火点」とは、東京化成工業株式会社又はシグマアルドリッチ社の試薬カタログに記載されている値を意味している。
溶剤は、成分(M1)を含んでいるのが好ましい。溶剤は、実質的に成分(M1)のみからなるか、又は、成分(M1)と他の成分との混合溶剤であるのがより好ましい。後者の場合、溶剤は、成分(M1)と成分(M2)との双方を含んでいるのが更に好ましい。
成分(M1)と成分(M2)との質量比(M1/M2)は、「100/0」~「0/10」が好ましく、「100/0」~「15/85」がより好ましく、「100/0」~「40/60」が更に好ましく、「100/0」~「60/40」が特に好ましい。つまり、溶剤は、成分(M1)と成分(M2)との双方を含む場合、成分(M2)に対する成分(M1)の質量比は、15/85以上が好ましく、40/60以上がより好ましく、60/40以上が更に好ましい。このような構成を採用すると、現像欠陥数を更に減少させられる。
なお、溶剤が成分(M1)と成分(M2)との双方を含んでいる場合、成分(M2)に対する成分(M1)の質量比は、例えば、99/1以下とする。
上述した通り、溶剤は、成分(M1)及び(M2)以外の成分を更に含んでいてもよい。この場合、成分(M1)及び(M2)以外の成分の含有量は、溶剤の全量に対して、5~30質量%が好ましい。
レジスト組成物中の溶剤の含有量は、固形分濃度が0.5~30質量%となるように定めるのが好ましく、1~20質量%となるように定めるのがより好ましい。こうすると、レジスト組成物の塗布性を更に向上させられる。
なお、固形分とは、溶剤以外の全ての成分を意味する。
<(D)酸拡散制御剤>
レジスト組成物は、酸拡散制御剤を更に含んでいてもよい。酸拡散制御剤は、光酸発生剤から生じた酸をトラップするクエンチャーとして作用し、レジスト膜中における酸の拡散現象を制御する役割を果たす。
酸拡散制御剤は、例えば、塩基性化合物であってもよい。
塩基性化合物は、下記一般式(A)~一般式(E)で示される構造を有する化合物が好ましい。
Figure 0007254917000054
一般式(A)及び一般式(E)中、R200、R201及びR202は、同一でも異なってもよく、水素原子、アルキル基(好ましくは炭素数1~20)、シクロアルキル基(好ましくは炭素数3~20)又は、アリール基(好ましくは炭素数6~20)を表し、ここで、R201とR202は、互いに結合して環を形成してもよい。
上記アルキル基について、置換基を有するアルキル基は、炭素数1~20のアミノアルキル基、炭素数1~20のヒドロキシアルキル基、又は、炭素数1~20のシアノアルキル基が好ましい。
203、R204、R205及びR206は、同一でも異なってもよく、炭素数1~20のアルキル基を表す。
これら一般式(A)及び一般式(E)中のアルキル基は、無置換であるのがより好ましい。
塩基性化合物として、グアニジン、アミノピロリジン、ピラゾール、ピラゾリン、ピペラジン、アミノモルホリン、アミノアルキルモルフォリン(アルキル基部分は直鎖状でも分岐鎖状でもよく、一部がエーテル基及び/又はエステル基で置き換えられていてもよい。アルキル基部分の水素原子以外の全原子の合計数の合計は1~17が好ましい)、又は、ピペリジン等が好まし。中でも、イミダゾール構造、ジアザビシクロ構造、オニウムヒドロキシド構造、オニウムカルボキシレート構造、トリアルキルアミン構造、アニリン構造、又は、ピリジン構造を有する化合物、水酸基及び/又はエーテル結合を有するアルキルアミン誘導体、又は、水酸基及び/又はエーテル結合を有するアニリン誘導体等がより好ましい。
イミダゾール構造を有する化合物としては、例えば、イミダゾール、2、4、5-トリフェニルイミダゾール、及び、ベンズイミダゾール等が挙げられる。ジアザビシクロ構造を有する化合物としては、例えば、1、4-ジアザビシクロ[2,2,2]オクタン、1、5-ジアザビシクロ[4,3,0]ノナ-5-エン、及び、1、8-ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデカ-7-エン等が挙げられる。オニウムヒドロキシド構造を有する化合物としては、例えば、トリアリールスルホニウムヒドロキシド、フェナシルスルホニウムヒドロキシド、及び、2-オキソアルキル基を有するスルホニウムヒドロキシド等が挙げられる。具体的にはトリフェニルスルホニウムヒドロキシド、トリス(t-ブチルフェニル)スルホニウムヒドロキシド、ビス(t-ブチルフェニル)ヨードニウムヒドロキシド、フェナシルチオフェニウムヒドロキシド、及び、2-オキソプロピルチオフェニウムヒドロキシド等が挙げられる。オニウムカルボキシレート構造を有する化合物としては、オニウムヒドロキシド構造を有する化合物のアニオン部がカルボキシレートになったものであり、例えば、アセテート、アダマンタン-1-カルボキシレート、及び、パーフロロアルキルカルボキシレート等が挙げられる。トリアルキルアミン構造を有する化合物としては、例えば、トリ(n-ブチル)アミン、及び、トリ(n-オクチル)アミン等が挙げられる。アニリン化合物としては、例えば、2,6-ジイソプロピルアニリン、N,N-ジメチルアニリン、N,N-ジブチルアニリン、及び、N,N-ジヘキシルアニリン等が挙げられる。水酸基及び/又はエーテル結合を有するアルキルアミン誘導体としては、例えば、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、トリス(メトキシエトキシエチル)アミン、及び、(HO-C-O-C2H4)N(-C-O-CH)等が挙げられる。水酸基及び/又はエーテル結合を有するアニリン誘導体としては、例えば、N,N-ビス(ヒドロキシエチル)アニリン等が挙げられる。
塩基性化合物として、フェノキシ基を有するアミン化合物、及び、フェノキシ基を有するアンモニウム塩化合物が好ましく挙げられる。
アミン化合物としては、例えば、1級、2級、及び、3級のアミン化合物を使用でき、少なくとも1つのアルキル基が窒素原子に結合しているアミン化合物が好ましい。アミン化合物は、3級アミン化合物であるのがより好ましい。アミン化合物は、少なくとも1つのアルキル基(好ましくは炭素数1~20)が窒素原子に結合していれば、アルキル基の他に、シクロアルキル基(好ましくは炭素数3~20)又はアリール基(好ましくは炭素数6~12)が窒素原子に結合していてもよい。
また、アミン化合物は、オキシアルキレン基を有するのが好ましい。オキシアルキレン基の数は、分子内に1以上が好ましく、3~9がより好ましく、4~6が更に好ましい。オキシアルキレン基の中でもオキシエチレン基(-CHCHO-)、又は、オキシプロピレン基(-CH(CH)CHO-若しくはCHCHCHO-)が好ましく、オキシエチレン基がより好ましい。
アンモニウム塩化合物としては、例えば、1級、2級、3級、及び、4級のアンモニウム塩化合物が挙げられ、少なくとも1つのアルキル基が窒素原子に結合しているアンモニウム塩化合物が好ましい。アンモニウム塩化合物は、少なくとも1つのアルキル基(好ましくは炭素数1~20)が窒素原子に結合していれば、アルキル基の他に、シクロアルキル基(好ましくは炭素数3~20)又はアリール基(好ましくは炭素数6~12)が窒素原子に結合していてもよい。
アンモニウム塩化合物は、オキシアルキレン基を有するのが好ましい。オキシアルキレン基の数は、分子内に1以上が好ましく、3~9がより好ましく、4~6が更に好ましい。オキシアルキレン基の中でもオキシエチレン基(-CHCHO-)、又は、オキシプロピレン基(-CH(CH)CHO-、又は、-CHCHCHO-)が好ましく、オキシエチレン基がより好ましい。
アンモニウム塩化合物のアニオンとしては、例えば、ハロゲン原子、スルホネート、ボレート、及び、フォスフェート等が挙げられ、中でも、ハロゲン原子、又は、スルホネートが好ましい。ハロゲン原子は、塩素原子、臭素原子、又は、ヨウ素原子が好ましい。スルホネートは、炭素数1~20の有機スルホネートが好ましい。有機スルホネートとしては、例えば、炭素数1~20のアルキルスルホネート、及び、アリールスルホネートが挙げられる。アルキルスルホネートのアルキル基は置換基を有していてもよく、置換基としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、アルコキシ基、アシル基、及び、芳香環基等が挙げられる。アルキルスルホネートとしては、例えば、メタンスルホネート、エタンスルホネート、ブタンスルホネート、ヘキサンスルホネート、オクタンスルホネート、ベンジルスルホネート、トリフルオロメタンスルホネート、ペンタフルオロエタンスルホネート、及び、ノナフルオロブタンスルホネート等が挙げられる。アリールスルホネートのアリール基としてはベンゼン環基、ナフタレン環基、及び、アントラセン環基が挙げられる。ベンゼン環基、ナフタレン環基、及び、アントラセン環基が有し得る置換基は、炭素数1~6の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基、又は、炭素数3~6のシクロアルキル基が好ましい。直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基、及び、シクロアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、i-ブチル基、t-ブチル基、n-ヘキシル基、及び、シクロヘキシル基等が挙げられる。他の置換基としては、例えば、炭素数1~6のアルコキシ基、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、アシル基、及び、アシルオキシ基等が挙げられる。
フェノキシ基を有するアミン化合物、及び、フェノキシ基を有するアンモニウム塩化合物とは、アミン化合物又はアンモニウム塩化合物のアルキル基の窒素原子と反対側の末端にフェノキシ基を有するものである。
フェノキシ基の置換基としては、例えば、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、カルボン酸基、カルボン酸エステル基、スルホン酸エステル基、アリール基、アラルキル基、アシルオキシ基、及び、アリールオキシ基等が挙げられる。置換基の置換位は、2~6位のいずれであってもよい。置換基の数は、1~5のいずれであってもよい。
フェノキシ基と窒素原子との間に、少なくとも1つのオキシアルキレン基を有するのが好ましい。オキシアルキレン基の数は、分子内に1以上が好ましく、3~9がより好ましく、4~6が更に好ましい。オキシアルキレン基の中でもオキシエチレン基(-CHCHO-)、又は、オキシプロピレン基(-CH(CH)CHO-又は-CHCHCHO-)が好ましく、オキシエチレン基がより好ましい。
フェノキシ基を有するアミン化合物は、フェノキシ基を有する1又は2級アミン及びハロアルキルエーテルを加熱して反応させた後、反応系に強塩基(例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、及び、テトラアルキルアンモニウム等)の水溶液を添加し、更に、有機溶剤(例えば、酢酸エチル及びクロロホルム等)で反応生成物を抽出して得られる。又は、1又は2級アミンと末端にフェノキシ基を有するハロアルキルエーテルを加熱して反応させた後、反応系に強塩基の水溶液を添加し、更に、有機溶剤で反応生成物を抽出して得られる。
(プロトンアクセプター性官能基を有し、かつ、活性光線又は放射線の照射により分解してプロトンアクセプター性が低下、消失、又はプロトンアクセプター性から酸性に変化した化合物を発生する化合物(PA))
レジスト組成物は、酸拡散制御剤として、プロトンアクセプター性官能基を有し、かつ、活性光線又は放射線の照射により分解してプロトンアクセプター性が低下若しくは消失、又はプロトンアクセプター性から酸性に変化した化合物を発生する化合物(以下、化合物(PA)ともいう)を含んでいてもよい。
プロトンアクセプター性官能基とは、プロトンと静電的に相互作用し得る基、又は、電子を有する官能基であって、例えば、環状ポリエーテル等のマクロサイクリック構造を有する官能基、又は、π共役に寄与しない非共有電子対をもった窒素原子を有する官能基を意味する。π共役に寄与しない非共有電子対を有する窒素原子とは、例えば、下記一般式に示す部分構造を有する窒素原子である。
Figure 0007254917000055
プロトンアクセプター性官能基の好ましい部分構造として、例えば、クラウンエーテル構造、アザクラウンエーテル構造、1~3級アミン構造、ピリジン構造、イミダゾール構造、及び、ピラジン構造等が挙げられる。
化合物(PA)は、活性光線又は放射線の照射により分解してプロトンアクセプター性が低下若しくは消失、又は、プロトンアクセプター性から酸性に変化した化合物を発生する。ここで、プロトンアクセプター性の低下若しくは消失、又は、プロトンアクセプター性から酸性への変化とは、プロトンアクセプター性官能基にプロトンが付加することに起因するプロトンアクセプター性の変化である。具体的には、プロトンアクセプター性官能基を有する化合物(PA)とプロトンからプロトン付加体が生成する時、その化学平衡に於ける平衡定数が減少することを意味する。
化合物(PA)としては、例えば、特開2014-41328号公報の段落[0421]~[0428]、特開2014-134686号公報の段落[0108]~[0116]に記載されたものを援用でき、これらの内容は本明細書に組み込まれる。
窒素原子を有し、酸の作用により脱離する基を有する低分子化合物も酸拡散制御剤として使用できる。上記低分子化合物は、酸の作用により脱離する基を窒素原子上に有するアミン誘導体が好ましい。
酸の作用により脱離する基は、アセタール基、カルボネート基、カルバメート基、3級エステル基、3級水酸基、又は、ヘミアミナールエーテル基が好ましく、カルバメート基、又は、ヘミアミナールエーテル基がより好ましい。
低分子化合物の分子量は、100~1000が好ましく、100~700がより好ましく、100~500が更に好ましい。
低分子化合物は、窒素原子上に保護基を有するカルバメート基を有してもよい。
下記に、酸拡散制御剤の具体例を示すが、本発明はこれに限定されるものではない。
Figure 0007254917000056
Figure 0007254917000057
Figure 0007254917000058
Figure 0007254917000059
レジスト組成物が酸拡散制御剤を含む場合、酸拡散制御剤の含有量は、レジスト組成物の全固形分に対して、0.001~15質量%が好ましく、0.01~8質量%がより好ましい。
酸拡散制御剤は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を使用してもよい。
また、レジスト組成物が光酸発生剤として一般式(PB)で表される化合物を含む場合、一般式(PB)で表される化合物に酸拡散制御剤に相当する機能を有する構造が含まれるため、レジスト組成物が酸拡散制御剤を実質的に含まないのも好ましい。ここで酸拡散制御剤を実質的に含まないとは、酸拡散制御剤の含有量が、一般式(PB)で表される化合物の含有量に対して5質量%以下であることを意図する。
光酸発生剤と酸拡散制御剤とのレジスト組成物中の使用割合は、光酸発生剤/酸拡散制御剤(モル比)=2.5~300であるのが好ましい。感度及び解像度の点からモル比は2.5以上が好ましく、露光後加熱処理までの経時でのレジストパターンの太りによる解像度の低下抑制の点からモル比は300以下が好ましい。光酸発生剤/酸拡散制御剤(モル比)は、5.0~200がより好ましく、7.0~150が更に好ましい。
酸拡散制御剤としては、例えば、特開2013-11833号公報の段落[0140]~[0144]に記載の化合物(アミン化合物、アミド基含有化合物、ウレア化合物、及び、含窒素複素環化合物等)も挙げられる。
<(E)疎水性樹脂>
レジスト組成物は、上記樹脂(A)とは別に、樹脂(A)とは異なる疎水性樹脂を含んでいてもよい。
疎水性樹脂はレジスト膜の表面に偏在するように設計されるのが好ましいが、界面活性剤とは異なり、必ずしも分子内に親水基を有する必要はなく、極性物質及び非極性物質の均一な混合に寄与しなくてもよい。
疎水性樹脂の添加による効果として、水に対するレジスト膜表面の静的及び動的な接触角の制御、並びに、アウトガスの抑制等が挙げられる。
疎水性樹脂は、膜表層への偏在化の点から、“フッ素原子”、“珪素原子”、及び、“樹脂の側鎖部分に含まれたCH部分構造”のいずれか1種以上を有するのが好ましく、2種以上を有するのがより好ましい。また、上記疎水性樹脂は、炭素数5以上の炭化水素基を有するのが好ましい。これらの基は樹脂の主鎖中に有していても、側鎖に置換していてもよい。
疎水性樹脂が、フッ素原子及び/又は珪素原子を含む場合、疎水性樹脂における上記フッ素原子及び/又は珪素原子は、樹脂の主鎖中に含まれていてもよく、側鎖中に含まれていてもよい。
疎水性樹脂がフッ素原子を含んでいる場合、フッ素原子を有する部分構造は、フッ素原子を有するアルキル基、フッ素原子を有するシクロアルキル基、又は、フッ素原子を有するアリール基が好ましい。
フッ素原子を有するアルキル基(好ましくは炭素数1~10、より好ましくは炭素数1~4)は、少なくとも1つの水素原子がフッ素原子で置換された直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基であり、更にフッ素原子以外の置換基を有していてもよい。
フッ素原子を有するシクロアルキル基は、少なくとも1つの水素原子がフッ素原子で置換された単環又は多環のシクロアルキル基であり、更にフッ素原子以外の置換基を有していてもよい。
フッ素原子を有するアリール基としては、例えば、フェニル基、及び、ナフチル基等のアリール基の少なくとも1つの水素原子がフッ素原子で置換されたものが挙げられ、更にフッ素原子以外の置換基を有していてもよい。
フッ素原子又は珪素原子を有する繰り返し単位としては、例えば、US2012/0251948A1の段落[0519]に例示された繰り返し単位が挙げられる。
また、上記したように、疎水性樹脂は、側鎖部分にCH部分構造を含むのも好ましい。
ここで、疎水性樹脂中の側鎖部分が有するCH部分構造は、エチル基、及び、プロピル基等が有するCH部分構造を含むものである。
一方、疎水性樹脂の主鎖に直接結合しているメチル基(例えば、メタクリル酸構造を有する繰り返し単位のα-メチル基)は、主鎖の影響により疎水性樹脂の表面偏在化への寄与が小さいため、本発明におけるCH部分構造には含めない。
疎水性樹脂に関しては、特開2014-010245号公報の段落[0348]~[0415]の記載を参酌でき、これらの内容は本願明細書に組み込まれる。
なお、疎水性樹脂はこの他にも特開2011-248019号公報、特開2010-175859号公報、特開2012-032544号公報記載の樹脂も好ましく使用できる。
レジスト組成物が疎水性樹脂を含む場合、疎水性樹脂の含有量は、レジスト組成物の全固形分に対して、0.01~20質量%が好ましく、0.1~15質量%がより好ましい。
<(F)界面活性剤>
レジスト組成物は、界面活性剤を含んでいてもよい。界面活性剤を含むと、密着性により優れ、現像欠陥のより少ないパターンを形成できる。
界面活性剤は、フッ素系及び/又はシリコン系界面活性剤が好ましい。
フッ素系及び/又はシリコン系界面活性剤としては、例えば、米国特許出願公開第2008/0248425号明細書の段落[0276]に記載の界面活性剤が挙げられる。また、エフトップEF301、又は、EF303(新秋田化成(株)製);フロラードFC430、431、及び、4430(住友スリーエム(株)製);メガファックF171、F173、F176、F189、F113、F110、F177、F120、及び、R08(DIC(株)製);サーフロンS-382、SC101、102、103、104、105又は106(旭硝子(株)製);トロイゾルS-366(トロイケミカル(株)製);GF-300又はGF-150(東亜合成化学(株)製)、サーフロンS-393(セイミケミカル(株)製);エフトップEF121、EF122A、EF122B、RF122C、EF125M、EF135M、EF351、EF352、EF801、EF802又はEF601((株)ジェムコ製);PF636、PF656、PF6320、及び、PF6520(OMNOVA社製);KH-20(旭化成(株)製);FTX-204G、208G、218G、230G、204D、208D、212D、218D、及び、222D((株)ネオス製)を用いてもよい。なお、ポリシロキサンポリマーKP-341(信越化学工業(株)製)も、シリコン系界面活性剤として使用できる。
また、界面活性剤は、上記に示すような公知の界面活性剤の他に、テロメリゼーション法(テロマー法ともいわれる)又はオリゴメリゼーション法(オリゴマー法ともいわれる)により製造されたフルオロ脂肪族化合物を用いて合成してもよい。具体的には、このフルオロ脂肪族化合物から導かれたフルオロ脂肪族基を備えた重合体を、界面活性剤として用いてもよい。このフルオロ脂肪族化合物は、例えば、特開2002-90991号公報に記載された方法によって合成できる。
また、米国特許出願公開第2008/0248425号明細書の段落[0280]に記載されているフッ素系及び/又はシリコン系以外の界面活性剤を使用してもよい。
これら界面活性剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を使用してもよい。
レジスト組成物が界面活性剤を含む場合、界面活性剤の含有量は、組成物の全固形分に対して、0.0001~2質量%が好ましく、0.0005~1質量%がより好ましい。
<(G)その他の添加剤>
レジスト組成物は、溶解阻止化合物、染料、可塑剤、光増感剤、光吸収剤、及び/又は、現像液に対する溶解性を促進させる化合物(例えば、分子量1000以下のフェノール化合物、又はカルボン酸基を含んだ脂環族若しくは脂肪族化合物)を更に含んでいてもよい。
レジスト組成物は、溶解阻止化合物を更に含んでいてもよい。ここで「溶解阻止化合物」とは、酸の作用により分解して有機系現像液中での溶解度が減少する、分子量3000以下の化合物である。
〔パターン形成方法〕
上記レジスト組成物を用いたパターン形成方法の手順は特に制限されないが、以下の工程を有するのが好ましい。
工程1:レジスト組成物を用いて、基板上にレジスト膜を形成する工程
工程2:レジスト膜を(好ましくはEUV光で)露光する工程
工程3:現像液を用いて、露光されたレジスト膜を現像し、パターンを形成する工程
以下、上記それぞれの工程の手順について詳述する。
<工程1:レジスト膜形成工程>
工程1は、レジスト組成物を用いて、基板上にレジスト膜を形成する工程である。
レジスト組成物の定義は、上述の通りである。
レジスト組成物を用いて基板上にレジスト膜を形成する方法としては、例えば、レジスト組成物を基板上に塗布する方法が挙げられる。
なお、塗布前にレジスト組成物を必要に応じてフィルター濾過するのが好ましい。フィルターのポアサイズは、0.1μm以下が好ましく、0.05μm以下がより好ましく、0.03μm以下が更に好ましい。また、フィルターは、ポリテトラフロロエチレン製、ポリエチレン製、又は、ナイロン製が好ましい。
レジスト組成物は、集積回路素子の製造に使用されるような基板(例:シリコン、二酸化シリコン被覆)上に、スピナー又はコーター等の適当な塗布方法により塗布できる。塗布方法は、スピナーを用いたスピン塗布が好ましい。スピナーを用いたスピン塗布をする際の回転数は、1000~3000rpmが好ましい。
レジスト組成物の塗布後、基板を乾燥し、レジスト膜を形成してもよい。なお、必要により、レジスト膜の下層に、各種下地膜(無機膜、有機膜、反射防止膜)を形成してもよい。
乾燥方法としては、例えば、加熱して乾燥する方法が挙げられる。加熱は通常の露光機、及び/又は、現像機に備わっている手段で実施でき、ホットプレート等を用いて実施してもよい。加熱温度は80~150℃が好ましく、80~140℃がより好ましく、80~130℃が更に好ましい。加熱時間は30~1000秒が好ましく、60~800秒がより好ましく、60~600秒が更に好ましい。
レジスト膜の膜厚は特に制限されないが、より高精度な微細パターンを形成できる点から、10~65nmが好ましく、15~50nmがより好ましい。
なお、レジスト膜の上層にトップコート組成物を用いてトップコートを形成してもよい。
トップコート組成物は、レジスト膜と混合せず、更にレジスト膜上層に均一に塗布できるのが好ましい。
また、トップコートの形成前にレジスト膜を乾燥させるのが好ましい。次いで、得られたレジスト膜上に、上記レジスト膜の形成方法と同様の手段によりトップコート組成物を塗布し、更に乾燥して、トップコートを形成できる。
トップコートの膜厚は、10~200nmが好ましく、20~100nmがより好ましく、40~80nmが更に好ましい。
トップコートについては、特に限定されず、従来公知のトップコートを、従来公知の方法によって形成でき、例えば、特開2014-059543号公報の段落[0072]~[0082]の記載に基づいてトップコートを形成できる。
例えば、特開2013-61648号公報に記載されたような塩基性化合物を含むトップコートを、レジスト膜上に形成するのが好ましい。トップコートが含み得る塩基性化合物の具体的な例は、後述するレジスト組成物が含んでいてもよい塩基性化合物が挙げられる。
また、トップコートは、エーテル結合、チオエーテル結合、水酸基、チオール基、カルボニル結合、及び、エステル結合からなる群より選択される基又は結合を少なくとも一つ含む化合物を含むのが好ましい。
<工程2:露光工程>
工程2は、レジスト膜を(好ましくはEUV光で)露光する工程である。
露光の方法としては、例えば、形成したレジスト膜に所定のマスクを通してEUV光を照射する方法が挙げられる。
露光後、現像を行う前にベーク(加熱)を行うのが好ましい。ベークにより露光部の反応が促進され、感度及びパターン形状がより良好となる。
加熱温度は80~150℃が好ましく、80~140℃がより好ましく、80~130℃が更に好ましい。
加熱時間は10~1000秒が好ましく、10~180秒がより好ましく、30~120秒が更に好ましい。
加熱は通常の露光機及び/又は現像機に備わっている手段で実施でき、ホットプレート等を用いて行ってもよい。
この工程は露光後ベークともいう。
<工程3:現像工程>
工程3は、現像液を用いて、露光されたレジスト膜を現像し、パターンを形成する工程である。
現像液は、アルカリ現像液であっても、有機溶剤を含有する現像液(以下、有機系現像液ともいう)であってもよい。
現像方法としては、例えば、現像液が満たされた槽中に基板を一定時間浸漬する方法(ディップ法)、基板表面に現像液を表面張力によって盛り上げて一定時間静置して現像する方法(パドル法)、基板表面に現像液を噴霧する方法(スプレー法)、及び、一定速度で回転している基板上に一定速度で現像液吐出ノズルをスキャンしながら現像液を吐出しつづける方法(ダイナミックディスペンス法)が挙げられる。
また、現像を行う工程の後に、他の溶剤に置換しながら、現像を停止する工程を実施してもよい。
現像時間は未露光部の樹脂が十分に溶解する時間であれば特に制限はなく、10~300秒が好ましく、20~120秒がより好ましい。
現像液の温度は0~50℃が好ましく、15~35℃がより好ましい。
アルカリ現像液は、アルカリを含むアルカリ水溶液を用いるのが好ましい。アルカリ水溶液の種類は特に制限されないが、例えば、テトラメチルアンモニウムヒドロキシドに代表される4級アンモニウム塩、無機アルカリ、1級アミン、2級アミン、3級アミン、アルコールアミン、又は、環状アミン等を含むアルカリ水溶液が挙げられる。中でも、アルカリ現像液は、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)に代表される4級アンモニウム塩の水溶液であるのが好ましい。アルカリ現像液には、アルコール類、界面活性剤等を適当量添加してもよい。アルカリ現像液のアルカリ濃度は、通常、0.1~20質量%である。また、アルカリ現像液のpHは、通常、10.0~15.0である。
有機系現像液は、ケトン系溶剤、エステル系溶剤、アルコール系溶剤、アミド系溶剤、エーテル系溶剤、及び炭化水素系溶剤からなる群より選択される少なくとも1種の有機溶剤を含有する現像液であるのが好ましい。
ケトン系溶剤としては、例えば、1-オクタノン、2-オクタノン、1-ノナノン、2-ノナノン、アセトン、2-ヘプタノン(メチルアミルケトン)、4-ヘプタノン、1-ヘキサノン、2-ヘキサノン、ジイソブチルケトン、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノン、フェニルアセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、アセチルアセトン、アセトニルアセトン、イオノン、ジアセトニルアルコール、アセチルカービノール、アセトフェノン、メチルナフチルケトン、イソホロン、及び、プロピレンカーボネート等を挙げられる。
エステル系溶剤としては、例えば、酢酸メチル、酢酸ブチル、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、酢酸ペンチル、酢酸イソペンチル、酢酸アミル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチルー3-エトキシプロピオネート、3-メトキシブチルアセテート、3-メチル-3-メトキシブチルアセテート、蟻酸メチル、蟻酸エチル、蟻酸ブチル、蟻酸プロピル、乳酸エチル、乳酸ブチル、乳酸プロピル、ブタン酸ブチル、2-ヒドロキシイソ酪酸メチル、酢酸イソアミル、イソ酪酸イソブチル、及び、プロピオン酸ブチル等を挙げられる。
アルコール系溶剤、アミド系溶剤、エーテル系溶剤、及び、炭化水素系溶剤としては、例えば、米国特許出願公開2016/0070167A1号明細書の段落[0715]~[0718]に開示された溶剤を使用できる。
上記の溶剤は、複数混合してもよいし、上記以外の溶剤又は水と混合してもよい。現像液全体としての含水率は、50質量%未満が好ましく、20質量%未満がより好ましく、10質量%未満が更に好ましく、実質的に水分を含有しないのが特に好ましい。
有機系現像液に対する有機溶剤の含有量は、現像液の全量に対して、50質量%以上100質量%以下が好ましく、80質量%以上100質量%以下がより好ましく、90質量%以上100質量%以下が更に好ましく、95質量%以上100質量%以下が特に好ましい。
<他の工程>
上記パターン形成方法は、工程3の後に、リンス液を用いて洗浄する工程を含むのが好ましい。
アルカリ現像液を用いて現像する工程の後のリンス工程に用いるリンス液としては、例えば、純水が挙げられる。なお、純水には、界面活性剤を適当量添加してもよい。
リンス液には、界面活性剤を適当量添加してもよい。
有機系現像液を用いた現像工程の後のリンス工程に用いるリンス液は、レジストパターンを溶解しないものであれば特に制限はなく、一般的な有機溶剤を含む溶液を使用できる。リンス液は、炭化水素系溶剤、ケトン系溶剤、エステル系溶剤、アルコール系溶剤、アミド系溶剤、及び、エーテル系溶剤からなる群より選択される少なくとも1種の有機溶剤を含有するリンス液を用いるのが好ましい。
炭化水素系溶剤、ケトン系溶剤、エステル系溶剤、アルコール系溶剤、アミド系溶剤、及びエーテル系溶剤の例としては、有機溶剤を含む現像液において説明したものと同様のものが挙げられる。
リンス工程の方法は特に限定されず、例えば、一定速度で回転している基板上にリンス液を吐出しつづける方法(回転塗布法)、リンス液が満たされた槽中に基板を一定時間浸漬する方法(ディップ法)、及び、基板表面にリンス液を噴霧する方法(スプレー法)等が挙げられる。
また、本発明のパターン形成方法は、リンス工程の後に加熱工程(Post Bake)を含んでいてもよい。本工程により、ベークによりパターン間及びパターン内部に残留した現像液及びリンス液が除去される。また、本工程により、レジストパターンがなまされ、パターンの表面荒れが改善される効果もある。リンス工程の後の加熱工程は、通常40~250℃(好ましくは90~200℃)で、通常10秒間~3分間(好ましくは30秒間~120秒間)行う。
また、形成されたパターンをマスクとして、基板のエッチング処理を実施してもよい。つまり、工程3にて形成されたパターンをマスクとして、基板(または、下層膜及び基板)を加工して、基板にパターンを形成してもよい。
基板(または、下層膜及び基板)の加工方法は特に限定されないが、工程3で形成されたパターンをマスクとして、基板(または、下層膜及び基板)に対してドライエッチングを行うことにより、基板にパターンを形成する方法が好ましい。
ドライエッチングは、1段のエッチングであっても、複数段からなるエッチングであってもよい。エッチングが複数段からなるエッチングである場合、各段のエッチングは同一の処理であっても異なる処理であってもよい。
エッチングは、公知の方法をいずれも使用でき、各種条件等は、基板の種類又は用途等に応じて、適宜、決定される。例えば、国際光工学会紀要(Proc.of SPIE)Vol.6924,692420(2008)、特開2009-267112号公報等に準じて、エッチングを実施できる。また、「半導体プロセス教本 第4版 2007年刊行 発行人:SEMIジャパン」の「第4章 エッチング」に記載の方法に準ずることもできる。
中でも、ドライエッチングは、酸素プラズマエッチングが好ましい。
レジスト組成物、及び、本発明のパターン形成方法において使用される各種材料(例えば、溶剤、現像液、リンス液、反射防止膜形成用組成物、トップコート形成用組成物等)は、金属等の不純物を含まないのが好ましい。これら材料に含まれる不純物の含有量は、1質量ppm以下が好ましく、10質量ppb以下がより好ましく、100質量ppt以下が更に好ましく、10質量ppt以下が特に好ましく、1質量ppt以下が最も好ましい。ここで、金属不純物としては、例えば、Na、K、Ca、Fe、Cu、Mg、Al、Li、Cr、Ni、Sn、Ag、As、Au、Ba、Cd、Co、Pb、Ti、V、W、及び、Zn等が挙げられる。
各種材料から金属等の不純物を除去する方法としては、例えば、フィルターを用いた濾過が挙げられる。フィルター孔径は、ポアサイズ100nm未満が好ましく、10nm以下がより好ましく、5nm以下が更に好ましい。フィルターは、ポリテトラフルオロエチレン製、ポリエチレン製、又は、ナイロン製のフィルターが好ましい。フィルターは、上記フィルター素材とイオン交換メディアとを組み合わせた複合材料で構成されていてもよい。フィルターは、有機溶剤であらかじめ洗浄したフィルターを用いてもよい。フィルター濾過工程では、複数種類のフィルターを直列又は並列に接続して用いてもよい。複数種類のフィルターを使用する場合は、孔径及び/又は材質が異なるフィルターを組み合わせて使用してもよい。また、各種材料を複数回濾過してもよく、複数回濾過する工程が循環濾過工程であってもよい。
レジスト組成物の製造においては、例えば、樹脂、及び、光酸発生剤等の各成分を溶剤に溶解させた後、素材が異なる複数のフィルターを用いて循環濾過を行うのが好ましい。例えば、孔径50nmのポリエチレン製フィルター、孔径10nmのナイロン製フィルター、孔径3nmのポリエチレン製フィルターを順列に接続し、10回以上循環濾過を行うのが好ましい。フィルター間の圧力差は小さい程好ましく、一般的には0.1MPa以下であり、0.05MPa以下が好ましく、0.01MPa以下がより好ましい。フィルターと充填ノズルの間の圧力差も小さい程好ましく、一般的には0.5MPa以下であり、0.2MPa以下が好ましく、0.1MPa以下がより好ましい。
レジスト組成物の製造装置の内部は、窒素等の不活性ガスによってガス置換を行うのが好ましい。これにより、酸素等の活性ガスのレジスト組成物中への溶解を抑制できる。
レジスト組成物はフィルターによって濾過された後、清浄な容器に充填される。容器に充填されたレジスト組成物は、冷蔵保存されるのが好ましい。これにより、経時による性能劣化が抑制される。組成物の容器への充填が完了してから、冷蔵保存を開始するまでの時間は短い程好ましく、一般的には24時間以内であり、16時間以内が好ましく、12時間以内がより好ましく、10時間以内が更に好ましい。保存温度は0~15℃が好ましく、0~10℃がより好ましく、0~5℃が更に好ましい。
また、各種材料に含まれる金属等の不純物を低減する方法としては、例えば、各種材料を構成する原料として金属含有量が少ない原料を選択する方法、各種材料を構成する原料に対してフィルター濾過を行う方法、及び、装置内をテフロン(登録商標)でライニングする等してコンタミネーションを可能な限り抑制した条件下で蒸留を行う方法等が挙げられる。
フィルター濾過の他、吸着材による不純物の除去を行ってもよく、フィルター濾過と吸着材とを組み合わせて使用してもよい。吸着材としては、公知の吸着材を使用でき、例えば、シリカゲル及びゼオライト等の無機系吸着材、並びに、活性炭等の有機系吸着材を使用できる。上記各種材料に含まれる金属等の不純物を低減するためには、製造工程における金属不純物の混入を防止する必要がある。製造装置から金属不純物が十分に除去されたかどうかは、製造装置の洗浄に使用された洗浄液中に含まれる金属成分の含有量を測定して確認できる。使用後の洗浄液に含まれる金属成分の含有量は、100質量ppt(parts per trillion)以下が好ましく、10質量ppt以下がより好ましく、1質量ppt以下が更に好ましい。
リンス液等の有機系処理液には、静電気の帯電、引き続き生じる静電気放電に伴う、薬液配管及び各種パーツ(フィルター、O-リング、チューブ等)の故障を防止する為、導電性の化合物を添加してもよい。導電性の化合物は特に制限されないが、例えば、メタノールが挙げられる。添加量は特に制限されないが、好ましい現像特性又はリンス特性を維持する点で、10質量%以下が好ましく、5質量%以下がより好ましい。
薬液配管としては、例えば、SUS(ステンレス鋼)、又は、帯電防止処理の施されたポリエチレン、ポリプロピレン、若しくは、フッ素樹脂(ポリテトラフルオロエチレン、又は、パーフルオロアルコキシ樹脂等)で被膜された各種配管を使用できる。フィルター及びO-リングに関しても同様に、帯電防止処理の施されたポリエチレン、ポリプロピレン、又は、フッ素樹脂(ポリテトラフルオロエチレン、又は、パーフルオロアルコキシ樹脂等)を使用できる。
本発明の方法により形成されるパターンに対して、パターンの表面荒れを改善する方法を適用してもよい。パターンの表面荒れを改善する方法としては、例えば、国際公開第2014/002808号に開示された水素を含有するガスのプラズマによってパターンを処理する方法が挙げられる。その他にも、特開2004-235468号公報、米国特許出願公開第2010/0020297号明細書、特開2008-83384号公報、及び、Proc. of SPIE Vol.8328 83280N-1”EUV Resist Curing Technique for LWR Reduction and Etch Selectivity Enhancement”に記載されているような公知の方法が挙げられる。
形成されるパターンがライン状である場合、パターン高さをライン幅で割った値で求められるアスペクト比が、2.5以下が好ましく、2.1以下がより好ましく、1.7以下が更に好ましい。
形成されるパターンがトレンチ(溝)パターン状又はコンタクトホールパターン状である場合、パターン高さをトレンチ幅又はホール径で割った値で求められるアスペクト比が、4.0以下が好ましく、3.5以下がより好ましく、3.0以下が更に好ましい。
本発明のパターン形成方法は、DSA(Directed Self-Assembly)におけるガイドパターン形成(例えば、ACS Nano Vol.4 No.8 Page4815-4823参照)にも使用できる。
また、上記の方法によって形成されたパターンは、例えば、特開平3-270227号公報、及び、特開2013-164509号公報に開示されたスペーサープロセスの芯材(コア)として使用できる。
また、本発明は、上記したパターン形成方法を含む、電子デバイスの製造方法、及び、この製造方法により製造された電子デバイスにも関する。
本発明の電子デバイスは、電気電子機器(家電、OA(Office Automation)、メディア関連機器、光学用機器及び通信機器等)に、好適に、搭載されるものである。
以下に実施例に基づいて本発明を更に詳細に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、及び処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り適宜変更できる。したがって、本発明の範囲は以下に示す実施例により限定的に解釈されるべきではない。
[レジスト組成物(感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物)の成分]
〔樹脂〕
以下に、レジスト組成物の製造に使用した各樹脂(A-1~A-26、A’-1~A’-6)の、それぞれが有する繰り返し単位を示す。
なお、樹脂A-1~A-26、A’-1~A’-2、及び、A’-4~A’-6は酸分解性樹脂であり、樹脂A’-3は酸分解性樹脂以外の樹脂である。
Figure 0007254917000060
Figure 0007254917000061
Figure 0007254917000062
下記表に、各樹脂における、各繰り返し単位が占める含有量、重量平均分子量(Mw)、及び、分散度(Mw/Mn)を示す。
なお、表中における繰り返しのモル比率は、上段に示した各樹脂を構成する各繰り返し単位が占める含有量(モル比)を左から順に記載したものである。
また、各繰り返し単位が占める含有量は、13C-NMR(nuclear magnetic resonance)により測定した。
重量平均分子量、及び、分散度は、GPC(キャリア:テトラヒドロフラン(THF))により測定したポリスチレン換算量に基づく値である。
Figure 0007254917000063
<合成例1:樹脂A-1の合成>
シクロヘキサノン(226g)を窒素気流下にて80℃に加熱した。下記式M-1で表されるモノマー(21.5g)、下記式M-2で表されるモノマー(21.6g)、下記式M-3で表されるモノマー(58.3g)、シクロヘキサノン(420g)、及び、2,2’-アゾビスイソ酪酸ジメチル(V-601、和光純薬工業(株)製)(12.42g)の混合溶液を6時間かけて、上記シクロヘキサノンに撹拌しながら滴下し、反応液を得た。滴下終了後、反応液を80℃にて更に2時間攪拌した。得られた反応液を放冷後、多量のメタノール/水(質量比9:1)で再沈殿した後、ろ過し、得られた固体を真空乾燥して、樹脂A-1(89g)を得た。
Figure 0007254917000064
得られた樹脂A-1のGPC(キャリア:テトラヒドロフラン(THF))から求めた重量平均分子量(Mw:ポリスチレン換算)は6500であり、分散度(Mw/Mn)は1.52であった。13C-NMR(nuclear magnetic resonance)により測定した組成比は、M-1に基づく単位/M-2に基づく単位/M-3に基づく単位=20/30/50(モル比)であった。
その他の樹脂についても、同様に合成した。
〔光酸発生剤〕
以下に示す光酸発生剤を使用した。
光酸発生剤B-1~B-3は一般式(PB)で表される化合物であり、光酸発生剤C-1~C-12は、一般式(PB)で表される化合物以外の光酸発生剤である。
光酸発生剤C-9~C-12は一般式(PA-1)で表される化合物である。
Figure 0007254917000065
Figure 0007254917000066
Figure 0007254917000067
〔酸拡散制御剤〕
以下に示す酸拡散制御剤を使用した。
Figure 0007254917000068
〔界面活性剤〕
以下に示す界面活性剤を使用した。
H-1:メガファックF176(DIC(株)製、フッ素系界面活性剤)
H-2:メガファックR08(DIC(株)製、フッ素及びシリコン系界面活性剤)
H-3:PF656(OMNOVA社製、フッ素系界面活性剤)
〔溶剤〕
以下に示す溶剤を使用した。
F-1:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)
F-2:プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)
F-3:プロピレングリコールモノエチルエーテル(PGEE)
F-4:シクロヘキサノン
F-5:シクロペンタノン
F-6:2-ヘプタノン
F-7:乳酸エチル
F-8:γ-ブチロラクトン
F-9:プロピレンカーボネート
[レジスト組成物の調製]
表2に示す各成分を固形分濃度が2.0質量%になるように混合した。次いで、得られた混合液を、最初に孔径50nmのポリエチレン製フィルター、次に孔径10nmのナイロン製フィルター、最後に孔径5nmのポリエチレン製フィルターの順番で通液させて濾過して、レジスト組成物(Re-1~Re-50、Re’-1~Re’-6)を調製した。
なお、固形分とは、溶剤以外の全ての成分を意味する。得られたレジスト組成物を、実施例及び比較例で使用した。
また、表中、「量」欄は、各成分の、レジスト組成物中の全固形分に対する含有量(質量%)を示す。
Figure 0007254917000069
[パターン形成]
〔EUV露光、有機溶剤現像〕
直径12インチのシリコンウエハ上に下層膜形成用組成物AL412(Brewer Science社製)を塗布し、205℃で60秒間ベークして、膜厚20nmの下地膜を形成した。その上に、表3に示すレジスト組成物を塗布し、100℃で60秒間ベークして、膜厚30nmのレジスト膜を形成した。
EUV露光装置(Exitech社製、Micro Exposure Tool、NA0.3、Quadrupol、アウターシグマ0.68、インナーシグマ0.36)を用いて、得られたレジスト膜を有するシリコンウエハに対して、得られるパターンの平均ライン幅が20nmになるようにパターン照射を行った。なお、レチクルとしては、ラインサイズ=20nmであり、且つ、ライン:スペース=1:1であるマスクを用いた。
露光後のレジスト膜を90℃で60秒間ベークした後、酢酸n-ブチルで30秒間現像し、これをスピン乾燥してネガ型のパターンを得た。
〔評価〕
<欠陥評価(欠陥抑制性)>
上述の方法で得られたパターンを、UVision5(AMAT社製)及びSEMVisionG4(AMAT社製)を使用して、シリコンウエハ1枚当たりの欠陥数を数えて、以下の評価基準に従って、評価した。欠陥数が少ないほど欠陥抑制性が良好である。
なお、欠陥抑制性の評価においては、調製直後のレジスト組成物を用いてパターンを形成して評価に供した。
「A」:欠陥数が50個以下
「B」:欠陥数が50個超100個以下
「C」:欠陥数が100個超200個以下
「D」:欠陥数が200個超300個以下
「E」:欠陥数が300個超400個以下
「F」:欠陥数が400個超500個以下
「G」:欠陥数が500個超
<経時後のラインウィズスラフネス(経時後LWR性能、nm)>
上述の方法で得られたパターンを測長走査型電子顕微鏡(SEM((株)日立製作所S-9380II))を使用してパターン上部から観察した。パターンの線幅を100箇所で観測し、その測定ばらつきを3σで評価し、LWR(nm)とした。LWRの値が小さいほど経時後LWR性能が良好である。
なお、経時後LWR性能の評価においては、調製してから、室温(25℃)の暗室にて180日間保存した後のレジスト組成物を用いてパターンを形成して評価に供した。
また経時後LWR(nm)は、4.7nm以下、4.4nm以下、4.1nm以下、3.8nm以下、3.5nm、3.2nm以下の順で好ましい。
使用したレジスト組成物の特徴と、評価の結果を下記表3に示す。
表中「含量」欄は、実施例のレジスト組成物における、全固形分に対する光酸発生剤の含有量が、15質量%であるか否かを示す。本要件を満たす場合は「A」と記載し、満たさない場合は「B」と記載した。
「式PA1」欄は、実施例のレジスト組成物が、光酸発生剤として一般式(PA-1)で表される化合物を含むか否かを示す。本要件を満たす場合は「A」と記載し、満たさない場合は「B」と記載した。
「式PB」欄は、実施例のレジスト組成物が、光酸発生剤として一般式(PB)で表される化合物を含むか否かを示す。本要件を満たす場合は「A」と記載し、満たさない場合は「B」と記載した。
「a2」「a3」「a4」「a5」「a6」「b5」「b6」欄は、それぞれ、実施例のレジスト組成物に含まれる樹脂(酸分解性樹脂)が、繰り返し単位a2、繰り返し単位a3、繰り返し単位a4、繰り返し単位a5、繰り返し単位a6、繰り返し単位b5、繰り返し単位b6を有するか否かを示す。本要件を満たす場合は「A」と記載し、満たさない場合は「B」と記載した。
Figure 0007254917000070
上記表に示すように本発明のレジスト組成物は、有機溶剤現像でパターンを形成した場合に、欠陥抑制性及び経時後LWR性能に優れることが確認された。
一方で、比較例のレジスト組成物では、欠陥抑制性及び経時後LWR性能の少なくとも一方が不十分であった。
比較例1-1のレジスト組成物では、酸分解性樹脂において、α位にF原子を有する繰り返し単位(繰り返し単位a1)を使用せずに、α位にF原子を有さない繰り返し単位のみを使用しており、EUV光のショットノイズが大きいためと考えられる。
比較例1-2のレジスト組成物では、酸分解性樹脂において、α位にF原子を有する繰り返し単位を使用せずに、α位にCF基を有する樹脂を使用しており、有機溶剤現像液に対する溶解性が高すぎたためだと考えられる。
比較例1-3のレジスト組成物では、酸分解性樹脂を使用せずに、非酸分解性の樹脂のみを使用しており、本条件においてパターンを形成することができなかった。
比較例1-4のレジスト組成物では、酸分解性樹脂において、α位にF原子を有する繰り返し単位を使用せずに、α位にI原子を有する樹脂を使用しており、経時安定性が悪く、経時後LWR性能が不十分になったと考えられる。
比較例1-5のレジスト組成物では、酸分解性樹脂において、α位にF原子を有する繰り返し単位を使用せずに、α位にF原子を有さない樹脂のみを使用しており、EUV光のショットノイズが大きいためと考えられる。
比較例1-6のレジスト組成物では、酸分解性樹脂において、α位にF原子を有する繰り返し単位を使用せずに、α位にF原子を有さない樹脂のみを使用しており、EUV光のショットノイズが大きいためと考えられる。
また、本発明の効果がより優れる点から、レジスト組成物に含まれる樹脂は、繰り返し単位a2を有するのが好ましく、繰り返し単位a3を有するのがより好ましく、繰り返し単位a4を有するのが更に好ましく、繰り返し単位a5、又は、b5を有するのが特に好ましく、繰り返し単位a6、又は、b6を有するのが最も好ましいことが確認された(実施例1-1~1-26の結果等参照)。
本発明の効果がより優れる点から、レジスト組成物が、一般式(PA-1)で表される化合物を含むのが好ましいことが確認された(実施例1-1と1-27との比較、実施例1-5と1-28との比較、実施例1-9と1-29との比較、実施例1-11と1-30との比較、実施例1-19と1-31との比較、等参照)。
本発明の効果がより優れる点から、レジスト組成物が、一般式(PB)で表される化合物を含むのが好ましいことが確認された(実施例1-1と1-33との比較、実施例1-5と1-34との比較、実施例1-9と1-35との比較、実施例1-11と1-36との比較、実施例1-19と1-37と1-50との比較、実施例1-20と1-38と1-48との比較、実施例1-21と1-39と1-47との比較、実施例1-22と1-40と1-41と1-49との比較、等参照)。
本発明の効果がより優れる点から、レジスト組成物が、光酸発生剤を全固形分に対して15質量%以上含むのが好ましいことが確認された(実施例1-1と1-42との比較、実施例1-5と1-43との比較、実施例1-9と1-44との比較、実施例1-11と1-45との比較、実施例1-19と1-46との比較、実施例1-39と1-47との比較、実施例1-41と1-49との比較、等参照)。
〔EUV露光、アルカリ水溶液現像〕
直径12インチのシリコンウエハ上に下層膜形成用組成物AL412(Brewer Science社製)を塗布し、205℃で60秒間ベークして、膜厚20nmの下地膜を形成した。その上に、表4に示すレジスト組成物を塗布し、100℃で60秒間ベークして、膜厚30nmのレジスト膜を形成した。
EUV露光装置(Exitech社製、Micro Exposure Tool、NA0.3、Quadrupol、アウターシグマ0.68、インナーシグマ0.36)を用いて、得られたレジスト膜を有するシリコンウエハに対して、得られるパターンの平均ライン幅が20nmになるようにパターン照射を行った。なお、レチクルとしては、ラインサイズ=20nmであり、且つ、ライン:スペース=1:1であるマスクを用いた。
露光後のレジスト膜を90℃で60秒間ベークした後、テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド水溶液(2.38質量%)で30秒間現像し、次いで純水で30秒間リンスした。その後、これをスピン乾燥してポジ型のパターンを得た。
得られたポジ型のパターンを用いて、上述したのと同様に、欠陥抑制性及び経時後LWR性能の評価を行った。
評価結果を下記表に示す。
表4中の各欄の記載の意義は、表3中における相当する欄の記載と同様の意義である。
Figure 0007254917000071
上記表に示すように本発明のレジスト組成物は、アルカリ現像でパターンを形成する場合にも、欠陥抑制性及び経時後LWR性能に優れることが確認された。
一方で、比較例のレジスト組成物では、欠陥抑制性及び経時後LWR性能の少なくとも一方が不十分であった。
比較例2-1のレジスト組成物では、酸分解性樹脂において、α位にF原子を有する繰り返し単位(繰り返し単位a1)を使用せずに、α位にF原子を有さない繰り返し単位のみを使用しており、EUV光のショットノイズが大きいためと考えられる。
比較例2-2のレジスト組成物では、酸分解性樹脂において、α位にF原子を有する繰り返し単位を使用せずに、α位にCF基を有する樹脂を使用しており、アルカリ現像液に対する溶解性が低すぎたためだと考えられる。
比較例2-3のレジスト組成物では、酸分解性樹脂を使用せずに、非酸分解性の樹脂のみを使用しており、本条件においてパターンを形成できなかった。
比較例2-4のレジスト組成物では、酸分解性樹脂において、α位にF原子を有する繰り返し単位を使用せずに、α位にI原子を有する樹脂を使用しており、経時安定性が悪く、経時後LWR性能が不十分になったと考えられる。
比較例2-5のレジスト組成物では、酸分解性樹脂において、α位にF原子を有する繰り返し単位を使用せずに、α位にF原子を有さない樹脂のみを使用しており、EUV光のショットノイズが大きいためと考えられる。
比較例2-6のレジスト組成物では、酸分解性樹脂において、α位にF原子を有する繰り返し単位を使用せずに、α位にF原子を有さない樹脂のみを使用しており、EUV光のショットノイズが大きいためと考えられる。
また、実施例同士の比較においても、有機溶剤現像でパターンを形成した場合と同様の傾向が確認された。

Claims (10)

  1. 酸分解性樹脂と、
    活性光線又は放射線の照射により酸を発生する化合物と、
    を含み、
    前記酸分解性樹脂が、一般式(A1)で表される繰り返し単位a1を有し、
    前記繰り返し単位a1が、酸分解性基を有する繰り返し単位a2を含み、
    前記繰り返し単位a2が、一般式(A2)で表される繰り返し単位a3を含み、
    前記繰り返し単位a1が、R が、
    水素原子、又は、
    ラクトン基、スルトン基、カーボネート基、水酸基、スルホンアミド基、アミド基、カルボン酸基、及び、光酸発生基からなる群から選択される1以上の特定基を有する基であって脱離基ではない基Xを表す、
    繰り返し単位a4を含む、感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物。
    Figure 0007254917000072

    一般式(A1)中、Rは水素原子又は有機基を表す。
    Figure 0007254917000073

    一般式(A2)中、R Q1 ~R Q3 は、それぞれ独立に、アルキル基を表す。
    Q1 ~R Q3 のうちの2つは互いに結合して環を形成してもよい。
  2. 前記繰り返し単位a4が、フッ素原子を有する前記基Xを有する繰り返し単位a5を含む、請求項に記載の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物。
  3. 前記繰り返し単位a5が、ヘキサフルオロプロパノール基を有する前記基Xを有する繰り返し単位a6を含む、請求項に記載の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物。
  4. 前記酸分解性樹脂が、一般式(B1)で表される繰り返し単位b5を有する、請求項1~のいずれか1項に記載の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物。
    Figure 0007254917000074

    一般式(B1)中、Xは、水素原子、アルキル基、又は、フッ素原子以外のハロゲン原子を表す。
    は、単結合又は-COO-を表す。
    B1は、ラクトン基、スルトン基、カーボネート基、水酸基、スルホンアミド基、アミド基、カルボン酸基、及び、光酸発生基からなる群から選択される1以上の特定基、並びに、フッ素原子を有する基であって、脱離基ではない基Zを表す。
  5. 前記繰り返し単位b5が、ヘキサフルオロプロパノール基を有する前記基Zを有する繰り返し単位b6を含む、請求項に記載の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物。
  6. 前記活性光線又は放射線の照射により酸を発生する化合物が、一般式(PA-1)で表される化合物を含む、請求項1~のいずれか1項に記載の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物。
    Figure 0007254917000075

    一般式(PA-1)中、A及びAは、それぞれ独立に、-SO-R、又は、-CO-Rを表す。Rは、有機基を表す。
    は、カチオンを表す。
  7. 前記活性光線又は放射線の照射により酸を発生する化合物が、一般式(PB)で表される化合物を含む、請求項1~のいずれか1項に記載の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物。
    -L-B (PB)
    一般式(PB)中、M 及びM は、それぞれ独立に、有機カチオンを表す。
    Lは、2価の有機基を表す。
    は、酸アニオン基を表す。
    ただし、一般式(PB)で表される化合物のM 及びM がそれぞれ水素原子で置換されたHA-L-BHで表される化合物において、HAで表される基のpKaは、BHで表される基のpKaよりも低い。
    は、一般式(B-1)~(B-4)のいずれかで表される基を表す。
    Figure 0007254917000076

    前記一般式(B-1)~(B-4)中、*は、結合位置を表す。
    前記一般式(B-1)~(B-4)中、Rは、有機基を表す。
  8. 前記活性光線又は放射線の照射により酸を発生する化合物の含有量が、全固形分に対して15質量%以上である、請求項1~のいずれか1項に記載の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物。
  9. 請求項1~のいずれか1項に記載の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物を用いて、基板上にレジスト膜を形成する工程と、
    前記レジスト膜を露光する工程と、
    現像液を用いて、前記露光されたレジスト膜を現像し、パターンを形成する工程と、
    を有するパターン形成方法。
  10. 請求項に記載のパターン形成方法を含む、電子デバイスの製造方法。
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