JP7254743B2 - 非水二次電池用極板、非水二次電池、及び極板製造方法 - Google Patents

非水二次電池用極板、非水二次電池、及び極板製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、非水二次電池用極板、非水二次電池、及び極板製造方法に関する。
近年、リチウムイオン二次電池は、電気自動車やハイブリッド自動車などの電源として広く利用されてきている。リチウムイオン二次電池は、リチウムイオンを吸蔵・放出する正極及び負極の間を、電解液中のリチウムイオンが移動することで充放電可能な非水二次電池である。
一般的に、リチウムイオン二次電池は正極と負極とをセパレータを介して積層することで構成され、各々の電極(正極及び負極)は活物質を少なくとも含む合材層を集電体の表面に塗工することで構成されている。
特許文献1には、導電体で形成されている集電層と、活物質層と、集電層と活物質層とを接着する接着層と、を備える電極が記載されている。ここで、活物質層は、電荷を蓄える活物質粒子、活物質粒子に蓄えられた電荷を集電層へ伝達する導電助剤、及び活物質粒子と導電助剤とを結着する結着剤を有し、集電層と反対側に凹凸を形成している。この凹凸は、活物質層の一方の端面に圧延工程によるプレスを施すことで形成している。それにより、特許文献1に記載の電極では、活物質層に含まれる活物質粒子の総量を変えずに(活物質層のエネルギー密度を変えずに)、凹部のように集電層までの距離が小さい部分において電気的な内部抵抗を減少させている。
特開2013-187468号公報
しかしながら、特許文献1に記載の技術は、活物質層のエネルギー密度を維持しながら(つまり活物質を除去せずに)、電気的な内部抵抗を減少させるものであるため、凹部近傍の活物質層が高密度化する懸念がある。そして、このような凹部近傍での活物質層の高密度化により、凹部付近に電流が集中するような電極が形成されてしまうことになる。
また、リチウムイオン二次電池における負極の場合で説明すると、このような凹部近傍での活物質層の高密度化により、凹部近傍において電解液の拡散経路が減少して、結果的に凹部の表層での電流密度が上がり、リチウム析出耐性が悪化する。なお、このような問題は、リチウムイオン電池以外の非水二次電池についても生じ得る。
本発明は、このような課題を解決するためになされたもので、活物質を含む合材層の表面に設けた凹部近傍での電流集中を抑えることが可能な非水二次電池用極板、その極板を備えた非水二次電池、及びその極板を製造する極板製造方法を提供することを、その目的とする。
本発明の一態様に係る非水二次電池用極板は、集電体と、前記集電体の表面に設けられた、活物質を少なくとも含む合材層と、を備え、前記合材層の表層に凹部及び凸部を有し、前記凸部は前記凹部の開口部の周囲に位置し、前記凹部の少なくとも一部分における前記活物質の密度は、前記凹部及び前記凸部が設けられていない部分の前記合材層の内部における前記活物質の密度より小さいものである。
この態様に係る非水二次電池用極板は、上述のような密度差をもつように活物質を含む合材層が形成されているため、合材層の表面に設けた凹部近傍での電流集中を抑えることが可能になる。
また、前記凹部及び前記凸部のうちの前記開口部の近傍での表層における前記活物質の密度は、前記凹部及び前記凸部が設けられていない部分の前記合材層の内部における前記活物質の密度より小さいことが好ましい。これにより、開口部付近での電流集中を抑えることができる。
また、前記凹部の表層における前記活物質の密度は、前記凹部及び前記凸部が設けられていない部分の前記合材層の内部における前記活物質の密度より小さいことが好ましい。これにより、凹部の全体について凹部での電流集中を抑えることができる。
また、前記非水二次電池用極板は負極用の極板とすることができる。これにより、負極における成分析出耐性を向上させることができる。
本発明の他の態様に係る非水二次電池は、前記非水二次電池用極板を負極として用いたものである。これにより、非水二次電池において、負極における成分析出耐性を向上させることができる。
本発明の他の態様に係る非水二次電池は、前記非水二次電池用極板を、負極及び正極の少なくとも一方の極板として用いたものである。これにより、非水二次電池において、合材層の凹部近傍での電気抵抗の集中を抑えることができ、電気化学反応の均一化を図ることができる。
本発明の他の態様に係る極板製造方法は、非水二次電池用極板を製造する極板製造方法であって、活物質を少なくとも含む合材層を集電体の表面に形成する形成工程と、凸部及び凹部を有する金型を用いて、前記合材層の表面を押圧することで、前記合材層の表層に凹部及び凸部を形成する押圧工程と、前記金型を前記合材層から取り外す取外し工程と、を備える。ここで、前記金型の凹部は、前記金型の凸部の周囲に位置し、前記金型の凸部は、前記押圧工程時における前記合材層に対する方向の摩擦係数が前記取外し工程時における前記合材層に対する方向の摩擦係数より小さくなる形状を有するものである。
この態様に係る極板製造方法は、上述のような密度差をもつように活物質を含む合材層を形成することができるため、合材層の表面に設けた凹部近傍での電流集中を抑えることが可能な非水二次電池用極板を製造することができる。
本発明により、活物質を含む合材層の表面に設けた凹部近傍での電流集中を抑えることが可能な非水二次電池用極板、その極板を備えた非水二次電池、及びその極板を製造する極板製造方法を提供することを提供することができる。
実施形態1に係る非水二次電池用極板の一例を部分的に示す概略断面図である。 図1の非水二次電池用極板の概略上面図である。 比較例に係る非水二次電池用極板の一例を部分的に示す概略断面図である。 図1の非水二次電池用極板を製造する極板製造方法の一例を説明するためのフロー図である。 図4の押圧工程で用いる金型の一例及びその金型により押圧された合材層を部分的に示す概略断面図である。 図5の金型の一部分を拡大した図である。 図4の製造方法により製造された非水二次電池用極板における合材層の内部と凹部周辺での活物質の密度差の試験例を示す図である。 図4の製造方法により製造された非水二次電池用極板における合材層の内部と凹部周辺との拡散抵抗比の試験例を示す図である。
以下、本発明を適用した具体的な実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。但し、本発明が以下の実施形態に限定される訳ではない。また、説明を明確にするため、以下の記載及び図面は、適宜、簡略化されている。また、実施形態において、同一又は同等の要素には、同一の符号を付すことがあり、重複する説明は適宜省略される。
(実施形態1)
実施形態1について、図1及び図2を参照しながら説明する。図1は実施形態1に係る非水二次電池用極板の一例を部分的に示す概略断面図で、図2は図1の非水二次電池用極板の概略上面図である。
図1に示すように、本実施形態に係る非水二次電池用極板1は、集電体11と、集電体11の表面に設けられた、活物質を少なくとも含む合材層(合剤層)12と、を備える。そして、合材層12の表層に凹部13及び凸部14を有する。図1に示すように、凹部13は、合材層12の表面から厚さ方向に伸びるように形成されることができる。
なお、図1及び図2では、凹部13の形状が円錐形状である例を挙げているが、例示したものに限ったものではない。また、凸部14の形状が上面から見てドーナツ形状で断面が山なりの形状(円環体をその円周方向に沿って2つに分割した一方の部分)である例を挙げているが、例示したものに限ったものではない。
凸部14は凹部13の開口部の周囲に位置する。そして、凹部13の少なくとも一部分における活物質の密度は、凹部13及び凸部14が設けられていない部分の合材層12の内部における活物質の密度より小さい。換言すれば、凹部13の少なくとも一部分における活物質の密度は、凹凸を付ける前の合材層12における活物質の密度より小さい。図1では、凹部13の上記少なくとも一部分を含むような部分において低密度となった低密度層15を図示している。
上述の極板1は、上述のような密度差をもつように合材層12が形成されているため、活物質を含む合材層12の表面に設けた凹部13の近傍での電流集中を抑えることが可能になる。
非水二次電池用極板1(以下、極板1)は、非水二次電池の正極及び負極の少なくとも一方の極板(電極)として用いることができる。なお、非水二次電池において極板1をどのように配置するかは問わず、二次電池として機能させることができればよい。例えば、非水二次電池の電極体を、正極と負極とをセパレータを介して積層することで構成することができ、その場合、正極集電体及び負極集電体の端部には各々、正極用の引き出し電極及び負極用の引き出し電極が設けられる。或いは、非水二次電池の電極体を捲回電極体とすることができる。捲回電極体は、正極と負極とをセパレータを介して積層した後、当該積層体を捲回して扁平にすることで構成することができる。正極集電体及び負極集電体の各々には合材層が塗工されていない未塗工部が形成されており、未塗工部には正極用の引き出し電極及び負極用の引き出し電極がそれぞれ設けられる。
以下では、非水二次電池としてリチウムイオン二次電池を例に挙げて説明する。
極板1をリチウムイオン二次電池の正極に適用する場合には、次のように構成することができる。正極を構成する場合は、集電体11として、アルミニウム又はアルミニウムを主成分とする合金を用いることができる。合材層(正極合材層)12は、正極活物質、導電材、及びバインダーを用いて構成することができる。
正極活物質は、リチウムイオンを吸蔵・放出可能な材料であり、例えば、コバルト酸リチウム(LiCoO)、ニッケル酸リチウム(LiNiO)、アルミ酸リチウム(LiAlO)を任意の割合で混合したNCA系の材料を用いることができる。一例を挙げると、LiNi0.8Co0.15Al0.05を用いることができる。なお、正極活物質はこれらの材料に限定されることはなく、リチウムイオンを吸蔵・放出可能な材料であればどのような材料を用いてもよい。導電材には、例えばアセチレンブラック(AB)や黒鉛系の材料を用いることができる。また、導電材にカーボンナノチューブを用いてもよい。バインダーには、例えば、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、スチレンブタジエンラバー(SBR)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、カルボキシメチルセルロース(CMC)等を用いることができる。
正極を形成する際は、正極活物質に、導電材及びバインダーを混合し、これらの混合物をNMP(N-メチル-2-ピロリドン)等の溶媒に入れて混練する。そして、混練後の正極合剤を集電体(正極集電体)11上に塗布して乾燥し、更に圧延することで正極を形成することができる。
極板1をリチウムイオン二次電池の負極に適用する場合には、次のように構成することができる。負極を構成する場合は、集電体11として、銅やニッケルあるいはそれらの合金を用いることができる。合材層(負極合材層)12は、負極活物質、及びバインダーを用いて構成することができる。
負極活物質は、リチウムイオンを吸蔵・放出可能な材料であり、例えば、天然の黒鉛(グラファイト)等からなる粉末状の炭素材料を用いることができる。バインダーには、上述したバインダーを用いることができる。負極を形成する際は、負極活物質とバインダーと溶媒とを混練し、混練後の負極合剤を負極集電体上に塗布して乾燥し、更に圧延することで形成することができる。
以下では、極板1として負極に用いられる極板を例に挙げ、図3の比較例との比較により、本実施形態による効果について説明する。図3は、比較例に係る非水二次電池用極板(負極)の一例を部分的に示す概略断面図である。
比較例に係る極板100は、集電体111と、集電体111の表面に設けられた、活物質を少なくとも含む合材層112と、を備える。そして、合材層112の表層に凹部113を有し、この凹部113は凸部を有する金型で押圧することにより形成される。図3に示すように、凹部113は、合材層112の表面から厚さ方向に伸びるように形成される。但し、極板100では、極板1と異なり、凹部113の表層における活物質の密度が、凹部113が設けられていない部分の合材層112の内部における活物質の密度より大きくなっている。図3では、凹部113の表層において周囲より高密度となった高密度層115を図示している。
比較例に係る極板100では、高密度層115で示した凹部113近傍での活物質層の高密度化により、凹部113付近に電流が集中するような電極となってしまい、凹部113の近傍において電解液の拡散経路が減少し、凹部113の表層の電流密度が上がり、リチウム析出耐性が悪化する。
これに対し、本実施形態に係る極板1では、低密度層15が凹部13の近傍に形成されているため、比較例に比べて、凹部13の近傍での電解液の拡散経路が増えることから凹部13の近傍での電流の集中が生じ難く、リチウム析出耐性を向上させることができる。
このように、本実施形態に係る極板1を非水二次電池の正極及び負極の一方に用いることにより、より好ましくは双方に用いることにより、合材層12の凹部13の近傍での電気抵抗の集中を抑えることができ、電気化学反応の均一化を図ることができる。また、極板1を負極用の極板とすることで、負極における電解液成分の析出耐性を向上させることができる。つまり、そのような負極を採用した非水二次電池では、負極における成分析出耐性を向上させることができる。
次に、上述のような極板1の製造方法の一例について、図4~図6を参照しながら説明する。図4は、図1の極板1を製造する極板製造方法の一例を説明するためのフロー図である。図5は、図4の押圧工程で用いる金型の一例及びその金型により押圧された合材層を部分的に示す概略断面図で、図6は、図5の金型の一部分を拡大した図である。
この製造方法は、形成工程(ステップS1)、押圧工程(ステップS2)、及び取外し工程(ステップS3)を備える。まず、ステップS1では、活物質を少なくとも含む合材層12を集電体11の表面に形成する。例えば、活物質及びバインダー等を含む混合物を混練し、集電体11に塗布(塗工)することで、このような形成を実施することができる。
次いで、ステップS2では、図5で例示するような凸部23及び凹部24を有する金型2を用いて、合材層12の表面を押圧することで、合材層12の表層に凹部13及び凸部14を形成する。つまり、ステップS2では金型2を用いて合材層12が加工される。加工時には凸部23が合材層12に挿入されることになる。ここで、金型2は、凹部24が凸部23の周囲に位置するように形成されている。なお、金型2は、凸部23及び凹部24以外の部分において平面状となる平面部21を有することとなる。
ステップS2の処理後、ステップS3では、金型2を合材層12から取り外す(引き戻す)。ステップS3では、凸部23が合材層12から抜去されることになる。
特に、この製造方法の主たる特徴の一つとして、金型2の凸部23は、押圧工程時における合材層12に対する方向の摩擦係数(動摩擦係数)が取外し工程時における合材層12に対する方向の摩擦係数(動摩擦係数)より小さくなる形状を有する。つまり、金型2の凸部23は、押圧工程時における合材層12に対する摩擦力が取外し工程時における合材層12に対する摩擦力より小さくなる形状を有する。このような条件を満たすことで、ステップS3の取外し工程において、引き戻した金型2に活物質を含む合材層12が付着して、凹部13の部分から活物質を含む合材層12を掻き出すことができる。
このような形状の一例として、凸部23は、図6に示すように、取外し工程時において合材層12から離間させる方向に向けた突起部23bを有することができる。このような突起部23bが凸部23の表面に形成されていることは、凸部23の表面に凹部23cも形成されていることを意味する。凹部23cは、挿入時に合材層12と密着しない部分となる。この例では、突起部23b及び凹部23cでなる1セットの形状が凸部23の表面に複数配列されている。
凸部23の形状(表面形状も含む)は凹部13を掘り起こし易い形状であることが好ましい。但し、上述のような摩擦係数の関係を満たせば、このような形状に限ったものではない。なお、ステップS3の取外し工程において、集電体11から合材層12が剥がれない程度に金型2の凸部23等の大きさや配置間隔を調整しておくものとする。
上述したように、図1では、凹部13の上記少なくとも一部分を含むような部分において低密度となった低密度層15を図示している。図6においては、低密度層15の例として、凹部13の開口部の近傍の低密度層15aを示している。
低密度層15aで例示するように、凹部13及び凸部14のうちの上記開口部の近傍での表層における活物質の密度は、凹部13及び凸部14が設けられていない部分の合材層12の内部における活物質の密度より小さくすることが好ましい。特に、開口部付近に形成されている凸部14はその形状により電流が最も集中し易くなる部分であるが、このような低密度層15aを配置することで、そのような開口部付近での電流集中を抑えることができる。また、このような低密度層15bを配置した極板1をリチウムイオン二次電池の負極として用いることで、リチウムイオンの拡散を易化し、電流密度の上昇を抑制することができ、リチウム析出耐性を向上させることができる。
また、図6においては、低密度層15の例として、凹部13の表層(凹部13の表面側)の低密度層15bを示している。低密度層15bで例示するように、凹部13の表層における活物質の密度は、凹部13及び凸部14が設けられていない部分の合材層12の内部における活物質の密度より小さくすることが好ましい。これにより、凹部13の表層全体について電流集中を抑えることができる。また、このような低密度層15bを配置した極板1をリチウムイオン二次電池の負極として用いることで、リチウムイオンの拡散を易化し、電流密度の上昇を抑制することができ、リチウム析出耐性を向上させることができる。
なお、低密度層15a,15bの境界は特に規定しないが、低密度層15aと低密度層15bとで領域が重複すると言える部分(特に凹部13の開口部付近の表層)を有することができる。
また、ステップS2における加工速度(挿入速度)は、活物質を掻き出し易くするように活物質層をある程度破壊するため、大きいことが好ましい。これにより、低密度層15a,15bの更なる低密度化を図ることができるようになる。
また、ステップS2,S3の処理を2回以上繰り返すこともできる。なお、その際、徐々に押圧力を上げていくこともできる。これにより、凹部13を形成する際にしてその開口部周辺に掻き出された合材を、凸部14の材料として用いることができるようになる。
このように製造された極板1における活物質の密度及び拡散抵抗について試験した結果について、図7及び図8を参照しながら説明する。図7は、図4の製造方法により製造された極板1における合材層12の内部と凹部13の周辺での活物質の密度差の試験例を示す図である。図8は、図4の製造方法により製造された極板1における合材層12の内部と凹部13の周辺との拡散抵抗比の試験例を示す図である。
図7及び図8に示す試験結果は、極板1をリチウムイオン二次電池用の負極として製造した結果であり、活物質として黒鉛を用い、合材層12における合材の結着力を5N/m、加工前の活物質の密度を2.000g/ccで行った結果である。また、この結果は、ステップS2,S3を繰り返さず、1回のみ実施した結果である。
合材層12における凹部13及び凸部14を形成しない領域(及び形成する領域であってもその表層に該当しない領域)では、活物質(黒鉛)の密度は加工前と同じであり、2.000g/ccである。図7ではこれを内部の結果として示している。これに対し、加工により形成された低密度層15a,15bにおける活物質(黒鉛)の密度は、図7において凹部周辺の結果として示すように、1.875g/ccとなった。そして、このような低密度化により電解液の流路が多くなり、図8に示すように拡散抵抗の比(内部の拡散抵抗/凹部周辺の拡散抵抗)も74%程度となり、拡散抵抗が大きく下がった。拡散抵抗が下がったことは、電解液の拡散経路が増加したことを意味するため、本実施形態により凹部周辺での電流密度の集中が低減できたことを示している。
また、図7及び図8に示す試験結果は、合材層12における合材の結着力を5N/mより小さい値とし、加工前の密度を1g/cc以上且つ2g/ccより小さい範囲でも行ったが、同様の結果が得られた。また、この試験例では、黒鉛以外の活物質でも行ったが、黒鉛のように密度が小さい活物質でも同様の結果が得られた。
このように、本実施形態に係る極板製造方法は、上述のような密度差をもつように活物質を含む合材層12を形成することができるため、合材層12の表面に設けた凹部13近傍での電流集中を抑えることが可能な極板1を製造することができる。また、このような極板1を正極及び負極の一方に用いて非水二次電池を製造することにより、合材層12の凹部13近傍での電気抵抗の集中を抑えることができ、電気化学反応の均一化を図る非水二次電池を製造することができる。
(他の実施形態等)
なお、本発明は上述した実施形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。例えば、実施形態で説明した各部材の形状、サイズ、材質(材料)など、或いは製造方法は、例示したものに限らず、非水二次電池用極板又は非水二次電池としての機能が果たせるもの、或いは非水二次電池用極板又は非水二次電池が製造できる方法であればよい。また、本発明は、実施形態における各例を適宜組み合わせて実施されてもよい。
1 非水二次電池用極板(極板)
2 金型
11 集電体
12 合材層
13 凹部
14 凸部
15 低密度層
15a 開口部近傍の低密度層
15b 凹部表層の低密度層
21 金型の平面部
23 金型の凸部
23b 金型の凸部表面の突起部
23c 金型の凸部表面の凹部
24 金型の凹部

Claims (7)

  1. 集電体と、
    前記集電体の表面に設けられた、活物質を少なくとも含む合材層と、
    を備え、
    前記合材層の表層に、平面部、前記平面部に対して凹んだ凹部及び前記平面部に対して凸んだ凸部を有し、
    前記凸部は前記凹部の開口部の周囲に位置し、
    前記凹部の少なくとも一部分における前記活物質の密度は、前記平面部の前記合材層の内部における前記活物質の密度より小さ
    前記凸部の前記開口部の近傍での表層における前記活物質の密度は、前記平面部の前記合材層の内部における前記活物質の密度より小さい、
    非水二次電池用極板。
  2. 前記凹部の表層における前記活物質の密度は、前記平面部の前記合材層の内部における前記活物質の密度より小さい、
    請求項に記載の非水二次電池用極板。
  3. 前記非水二次電池用極板は負極用の極板である、
    請求項1又は2に記載の非水二次電池用極板。
  4. 請求項に記載の非水二次電池用極板を、負極として用いた非水二次電池。
  5. 請求項1又は2に記載の非水二次電池用極板を、負極及び正極の少なくとも一方の極板として用いた非水二次電池。
  6. 非水二次電池用極板を製造する極板製造方法であって、
    活物質を少なくとも含む合材層を集電体の表面に形成する形成工程と、
    平面部、前記平面部に対して凸んだ凸部及び前記平面部に対して凹んだ凹部を有する金型を用いて、前記合材層の表面を押圧することで、前記合材層の表層に、平面をなす合材層平面部、前記合材層平面部に対して凹んだ部分である合材層凹部及び前記合材層平面部に対して凸んだ部分である合材層凸部を形成する押圧工程と、
    前記金型を前記合材層から取り外す取外し工程と、
    を備え、
    前記金型の凹部は、前記金型の凸部の周囲に位置し、
    前記金型の凸部は、前記押圧工程時における前記合材層に対する方向の摩擦係数が前記取外し工程時における前記合材層に対する方向の摩擦係数より小さくなる形状を有し、
    前記合材層凹部の少なくとも一部分における前記活物質の密度は、前記合材層平面部の前記合材層の内部における前記活物質の密度より小さく形成され、且つ、前記合材層凸部の、前記合材層凹部の開口部の近傍での表層における前記活物質の密度は、前記合材層平面部の前記合材層の内部における前記活物質の密度より小さく形成される、
    極板製造方法。
  7. 前記合材層凹部の表層における前記活物質の密度は、前記合材層平面部の前記合材層の内部における前記活物質の密度より小さく形成される、
    請求項6に記載の極板製造方法。
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