JP7254684B2 - 樹脂部材およびその製造方法ならびにワイヤーハーネス用外装体および外装体付きワイヤーハーネス - Google Patents

樹脂部材およびその製造方法ならびにワイヤーハーネス用外装体および外装体付きワイヤーハーネス Download PDF

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Description

本発明は、樹脂部材およびその製造方法ならびにワイヤーハーネス用外装体および外装体付きワイヤーハーネスに関する。
外装体は、例えば特許文献1で提案されているように車両等に配索されるワイヤーハーネスの保護に用いられる。このような外装体は、保護対象物の重量や振動などによって変形したり、内部の保護対象物が露呈したりすることは好ましくなく、適度な強度が望まれる。特許文献1に記載の外装体は、ワイヤーハーネスの外周に装着され、その断面は四方が閉じた矩形となっている。外装体の断面はこれ以外にも、例えば一方が開放されたU字形のものやL字形のものもある。外装体は、例えば発泡プレートを折り曲げ加工することによって構成されている。外装体の発泡プレートは、適度な厚みと適度な剛性とをもたせることにより保護対象物を適切に保護することができる。
特開2019-13106号公報
対象物を一層確実に保護するべく外装体を高強度にするためには、外装体を構成する板の厚みと剛性とをさらに大きくすることが望ましい。しかしながら、板の厚みを増すと曲げ加工が困難になるとともに、屈曲部に過大な曲げ応力が発生してクラックが発生する懸念がある。また、板の厚みを増すと、屈曲部の折曲角度を所定の角度になるように折り曲げたとしても、復元力によって折り曲げる前の状態に戻ろうとして、屈曲部の折曲角度を所定の角度で維持することが困難になる。特にU字形やL字形のように、折り曲げられた板の両端部同士が重ならずに分離した位置関係にある断面形状を有する外装体では、屈曲部の折曲角度を維持(固定)することが難しい。
本発明は、以上のような実情に鑑みてなされたものであり、形状の形成および維持が容易であり、しかも高強度である樹脂部材およびその製造方法、その樹脂部材を用いたワイヤーハーネス用外装体ならびに外装体付きワイヤーハーネスを提供することを目的とする。
本発明者らは、上述した課題を解決するために鋭意検討を重ねた。その結果、樹脂部材が、塑性変形可能な樹脂材料からなる1枚の板材で構成され、1つ以上の屈曲部を備え、屈曲部は、塑性変形させた屈曲状態で溶融または溶解と固化とにより、形状凍結する固化改質部分を有することにより、形状の形成および維持が容易であり、しかも高強度の樹脂部材が得られ、そのような樹脂部材は、例えばワイヤーハーネス用外装体として好適に用いられることを見出し、本発明を完成するに至った。具体的に、本発明は以下のものを提供する。
(1)塑性変形可能な樹脂材料からなる1枚の板材で構成され、1つ以上の屈曲部を備え、
前記屈曲部は、塑性変形させた屈曲状態で溶融または溶解と固化とにより、形状凍結する固化改質部分を有することを特徴とする樹脂部材。
(2)前記樹脂材料が発泡樹脂である上記(1)に記載の樹脂部材。
(3)前記板材の表面は、前記屈曲部を形成する屈曲位置に切込み溝が形成されている上記(1)または(2)に記載の樹脂部材。
(4)前記板材の厚さが0.5~5.0mmである上記(1)、(2)または(3)に記載の樹脂部材。
(5)屈曲された前記板材は、前記屈曲部と、前記屈曲部を挟んで位置する2つの分割板材部分とを有し、前記固化改質部分は、前記屈曲部の外面部分である凸側外面部分に部分的または全体にわたって形成されている上記(1)~(4)のいずれかに記載の樹脂部材。
(6)屈曲された前記板材は、前記屈曲部と、前記屈曲部を挟んで位置する2つの分割板材部分とを有し、前記固化改質部分は、前記屈曲部の内面部分である凹側内面部分に部分的または全体にわたって形成されている上記(1)~(4)のいずれかに記載の樹脂部材。
(7)屈曲された前記板材は、前記屈曲部と、前記屈曲部を挟んで位置する2つの分割板材部分とを有し、前記固化改質部分は、前記屈曲部の外面部分である凸側外面部分および前記屈曲部の内面部分である凹側内面部分に部分的または全体にわたって形成されている上記(1)~(4)のいずれかに記載の樹脂部材。
(8)上記(1)~(7)のいずれかに記載の樹脂部材を用いたワイヤーハーネス用外装体。
(9)ワイヤーハーネスと、上記(8)に記載のワイヤーハーネス用外装体と、を備え、前記ワイヤーハーネス用外装体は、前記ワイヤーハーネスの全部または一部を外側から包囲して保護する外装体付きワイヤーハーネス。
(10)塑性変形可能な樹脂材料からなる1枚の板材を折り曲げて、線状に延在する1つ以上の屈曲部と、各屈曲部を挟んで位置する2つの分割板材部分とを形成する工程と、前記屈曲部の一部または全部を、塑性変形させた屈曲状態で、加熱して溶融した後に、または溶剤により溶解した後に固化して、形状凍結する固化改質部分を形成する工程と、
を備えることを特徴とする樹脂部材の製造方法。
本発明によれば、形状の形成および維持(固定)が容易であり、しかも高強度である樹脂部材およびワイヤーハーネス用外装体を得ることができる。
本発明の一の実施形態の樹脂部材1の概略斜視図である。 (a)は等間隔に固化改質部分を設けた樹脂部材1-1の凸側外面部分の概略上面図である。(b)は不等間隔に固化改質部分を設けた樹脂部材1-2の凸側外面部分の概略上面図である。 本発明の他の実施形態の樹脂部材1Aの概略斜視図である。 本発明の実施形態の各樹脂部材の線状に延在する屈曲部に垂直な断面の概略断面図である。(a)は、図3に示す樹脂部材1Aの断面図であって、固化改質部分4aが、屈曲部の凸側外面部分に形成されている例である。(b)は、固化改質部分4bが、屈曲部の両面である凸側外面部分および凹側内面部分に形成されている例である。(c)は、固化改質部分4cが、屈曲部3cの凹側内面部分の両側に形成されている例である。 本発明の他の実施形態の樹脂部材1Dの概略斜視図である。 1つ以上の屈曲部を有する種々の態様の樹脂部材を示す概略断面図であって、(a)は矩形断面、(b)は屈曲部の折曲角度を直角としたときのU字形断面、(c)は菱形断面、(d)は屈曲部の折曲角度を鈍角としたときのV字形断面、(e)は屈曲部を鈍角にしたときのU字形断面である。 (a)は、アーチ状の屈曲部3eを有する樹脂部材1Eの概略斜視図であり、(b)は、樹脂部材1Eを形成するのに用いる、折り曲げ前の板材2e’の概略平面図である。 (a)は、らせん状構造を有する本発明の樹脂部材1Fの概略斜視図である。(b)は、樹脂部材1Fを形成するのに用いる、折り曲げ前の板材2f’の概略平面図である。 鋭角の屈曲部3gを有する本発明の樹脂部材1Gの概略斜視図である。 鋭角の屈曲部3hを有する本発明の樹脂部材1Hの概略斜視図である。 本発明に従う一の実施形態の樹脂部材の製造方法のフロー図である。
以下、本発明の好ましい実施形態について詳細に説明するが、本発明は以下の実施形態に限定されない。
1.樹脂部材
本発明の樹脂部材は、塑性変形可能な樹脂材料からなる1枚の板材で構成され、1つ以上の屈曲部を備え、屈曲部は、塑性変形させた屈曲状態で溶融または溶解と固化とにより、形状凍結する固化改質部分を有することを特徴とするものである。
以下、図を用いて具体的に説明する。図1は、本発明の一の実施形態の樹脂部材1の概略斜視図である。樹脂部材1は、塑性変形可能な樹脂材料からなる1枚の板材2で構成され、1つ以上の屈曲部3を備える。屈曲部3は、塑性変形させた屈曲状態で溶融または溶解と固化とにより、形状凍結する固化改質部分4を有する。
板材2を構成する樹脂材料1は、塑性変形可能でかつ溶融または溶解と固化とにより形状凍結可能なものであれば特に限定されない。また、樹脂材料は、熱可塑性樹脂および熱硬化性樹脂のいずれから構成されてもよい。具体的に、樹脂材料は、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、AS樹脂、ABS樹脂、ポリエチレンテレフタレート、メタクリル樹脂、ポリビニルアルコール、塩化ビニリデン樹脂、 ポリカーボネート、ポリアミド、ポリイミド、アセタール樹脂、ポリブチレンテレフタレート、ふっ素樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ユリア樹脂、 ポリウレタン、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂などのうち1種以上を用いることができる。樹脂材料は、軽量性の観点から発泡樹脂であることが好ましい。
なお、樹脂部材1を構成する樹脂材料には、用途に応じて通常樹脂材料に添加される各種添加剤を添加、塗布してもよい。添加剤は、例えば充填剤、酸化防止剤、安定剤、金属不活性化剤、紫外線吸収剤、光安定剤、可塑剤、着色剤、難燃剤、核剤、相溶化剤、透明化剤、帯電防止剤、滑剤などのうち1種以上を特に制限なく用いることができる。
板材2の厚さは、特に限定されないが、例えば0.5~5.0mmであることが好ましく、0.5~3.0mmであることがより好ましい。
屈曲部3の折曲角度(屈曲部3を挟んで位置する板材2の2つの分割板材部分21,22がなす角度であって、低角度(劣角)側から測定したときの角度。)は、特に限定されず、0°よりも大きく、180°よりも小さい範囲である。
屈曲部3は、直線状であっても曲線状であってもよく、また、直線同士を組み合わせた線状や、曲線同士を組み合わせた線状、直線と曲線を組み合わせた線状であってもよい。
屈曲部3の数も、1以上であれば特に限定されず、製造する樹脂部材1の形状に応じて適宜設計することができる。
上述したとおり、屈曲部3は、塑性変形させた屈曲状態で溶融または溶解と固化とにより、形状凍結する固化改質部分を有する。ここで、「塑性変形させた屈曲状態」とは、板材2の2つの分割板材部分21,22が上述した範囲の所定の角度をなして屈曲している状態をいう。そして、固化改質部分4は、このような屈曲状態で溶融または溶解と固化とにより、形状凍結するものである。
具体的に、溶融と固化とにより形状凍結して固化改質部分4を形成する場合、樹脂材料の溶融方法は、樹脂材料が溶融して固化するのであれば特に限定されない。例えば、屈曲部3の少なくとも一部を、樹脂材料の融点以上分解温度未満で加熱して溶融し、その後冷却(自然放冷を含む)して固化する方法が挙げられる。加熱の方法としては、はんだごて、ホットプレート、超音波装置などによる加熱が挙げられる。
また、溶解と固化とにより形状凍結して固化改質部分4を形成する場合、樹脂材料の溶解方法は、樹脂材料が溶解して固化するのであれば特に限定されない。例えば、屈曲部3の少なくとも一部に、樹脂材料の良溶媒を塗布して溶解させ、その後、良溶媒を揮発して固化する方法が挙げられる。揮発に際して加熱や蒸発などを行ってもよい。
なお、樹脂部材1が1枚の板材で構成されることは、通常、樹脂の組成や配向を分析して特定することができる。具体的に、2つの分割板材部分21,22では、同一の化学組成を有しており、かつ屈曲を考慮して樹脂の配向が一致している。したがって、樹脂の組成と配向を分析することで、樹脂部材1が1枚の板材で構成されるか否かを特定することができる。なお、樹脂部材1が1枚の板材で構成されることを特定する手法はこれに限定されない。
また、樹脂部材1が溶融または溶解と固化とにより形状凍結されたことは、通常、樹脂の配向を分析して特定することができる。具体的には、固化改質部分4では、溶融または溶解によって、樹脂の配向が樹脂部材1の他の部分(2つの分割板材部分21,22)と部分的に相違するものとなっている。固化改質部分4以外では、樹脂が押出成型などによって一定の方位を有している一方、固化改質部分4では、溶融または溶解によって樹脂の方位が固化改質部分4に比べて乱れている。したがって、樹脂の配向を分析することで樹脂部材1が溶融または溶解と固化とにより形状凍結されたか否かを特定することができる。
固化改質部分4は、所定の間隔をもってスポット的に(断続的に)存在していればよい(図1参照)。所定の間隔とは、例えば、等間隔に複数の固化改質部分4を形成することを意味する。図2(a)は等間隔に固化改質部分を設けた樹脂部材1-1の凸側外面部分の概略上面図である。また、図2(b)は不等間隔に固化改質部分を設けた樹脂部材1-2の凸側外面部分の概略上面図である。このようにして、固化改質部分は、等間隔に配置してもよいし、不等間隔に配置してもよい。
ただし、固化改質部分4は、屈曲部3を形成する屈曲位置に沿って、その全長にわたって連続的に延在していてもよい。図3は、本発明の他の実施形態の樹脂部材1Aの概略斜視図である。図3に示す樹脂部材1Aは、塑性変形可能な樹脂材料からなる1枚の板材2aで構成され、1つ以上の屈曲部3aを備え、屈曲部3aは、塑性変形させた屈曲状態で溶融または溶解と固化とにより、形状凍結する固化改質部分4aを有する。この樹脂部材1Aは、屈曲部3aを形成する屈曲位置に沿って、その全長にわたって固化改質部分4aが連続的に延在している。
また、固化改質部分4は、屈曲部の凸側外面部分および凹側内面部分の一方または双方に形成されていてもよい。図4は、本発明の実施形態の各樹脂部材の線状に延在する屈曲部3に垂直な断面の概略断面図である。図4(a)は、図3に示す樹脂部材1Aの断面図であって、固化改質部分4aが、屈曲部の凸側外面部分41aに形成されている例である。図4(b)は、固化改質部分4bが、屈曲部の凸側外面部分41aおよび凹側内面部分42bの双方に形成されている例である。図4(c)は、固化改質部分4cが、屈曲部3cの凹側内面部分42cに形成されている例である。
樹脂部材1Aにおいて、図4(a)に示すように、屈曲された板材2aは、屈曲部3aと、屈曲部3aを挟んで位置する2つの分割板材部分21a,22aとを有する。そして、このような樹脂部材1Aにおいて、固化改質部分4aは、屈曲部3aの外面部分である凸側外面部分41aに全体にわたって形成されている。なお、このような樹脂部材1Aは、凸側外面部分41a側から加熱することで得られる。
樹脂部材1Bにおいて、図4(b)に示すように、屈曲された板材2bは、屈曲部3bと、屈曲部3bを挟んで位置する2つの分割板材部分21b,22bとを有する。そして、このような樹脂部材1Bにおいて、固化改質部分4bは、屈曲部3bの外面部分である凸側外面部分41bおよび屈曲部3bの内面部分である凹側内面部分42bの全体にわたって形成されている。なお、このような樹脂部材1Bは、凸側外面部分41b側から加熱することで得られる。この際、上述した樹脂部材1Aよりも加熱装置(例えば、はんだごてなど)を強く押し当てたり、長時間押し当てたりするなどして加熱する。
樹脂部材1Cにおいて、図4(c)に示すように、屈曲された板材2aは、屈曲部3cと、屈曲部3cを挟んで位置する2つの分割板材部分21c,22cとを有する。そして、このような樹脂部材1Cにおいて、固化改質部分4cは、屈曲部3cの内面部分である凹側内面部分42cに全体にわたって形成されている。なお、このような樹脂部材1Cは、凹側内面部分42c側から加熱することで得られる。
ここで、「凸側」とは、2つの分割板材部分(例えば21aと22a)が、交わって形成される角度のうち180°よりも大きい角(優角)度を有する側をいう。また、「凹側」とは、2つの分割板材部分(例えば21aと22a)が、交わって形成される角度のうち180°よりも小さい角(劣角)度を有する側をいう。
図4(a)~図4(c)の実施形態では、固化改質部分4a~4cが、屈曲部3a~3cの全体にわたって形成されている例を説明したが、この例に限定されず、部分的に形成されていてもよい。なお、固化改質部分が部分的に形成される場合については、図2を用いて上述したとおりである。
また、固化改質部分4は、屈曲部3の両端側の部分に形成されていてもよい。図5は、本発明の他の実施形態の樹脂部材1Dの概略斜視図である。樹脂部材1Dは、1枚の板材2dを折り曲げて、線状に延在する1つ以上の屈曲部3dと、屈曲部3dを挟んで位置する2つの分割板材部分21d,22dとを有し、固化改質部分4dは、屈曲部3dの両端側の部分に形成されている。
板材2の表面の屈曲部3を形成する屈曲位置には、切込み溝5が形成されていてもよい。切込み溝は、屈曲部に沿って連続線状の切込み溝5(図1参照)であっても、断続線状の切込み溝5e’(図7(b)参照)であってもよい。切込み溝5が断続線状である場合、その切込み溝の形状は特に限定されず、例えば点線状、破線状、一点鎖線状、二点鎖線状などであってもよい。
切込み溝5は、屈曲部3の延在形状に沿った形状であればよく、直線状であっても曲線状であってもよく、また、直線同士を組み合わせた線状や、曲線同士を組み合わせた線状、直線と曲線を組み合わせた線状であってもよい。
また、切込み溝5は、屈曲部3一箇所あたりに少なくとも1本設ければよいが、平行に2本以上設けてもよい。この切込み溝5を設けることにより、折り曲げやすさや折り曲げる位置の精度を高めるものである。したがって、切込み溝5は必ずしも設ける必要はない。
固化改質部分が凸側外面部分および凹側内面部分いずれに形成される場合であっても、切込み溝5は、屈曲部の凸側外面部分に形成される。
切込み溝5の深さは、特に限定されないが、厚さ方向に、厚さに対して0%以上80%以下であることが好ましく、10%以上70%以下であることがより好ましく、25%以上75%以下であることがさらに好ましく、40%以上60%以下であることが特に好ましい。
切込み溝5を設ける場合、切込み溝5の内部に樹脂部材1を構成する樹脂材料やそれとは異なる材料(組成物も含む)を加えて、内部に埋めたり、樹脂部材1とともに溶融させたりしてもよい。このような材料は、例えば、各種金具などが挙げられる。
樹脂部材1の形状は特に限定されず、用途に応じて適宜設計することができる。以下、本発明の樹脂部材の変形例の一例について、具体例を示して詳細に説明する。
図6は、1つ以上の屈曲部を有する種々の態様の樹脂部材を示す概略断面図である。図6(a)は矩形断面、図6(b)は屈曲部の折曲角度を直角としたときのU字形断面、図6(c)は菱形断面、図6(d)は屈曲部の折曲角度を鈍角としたときのV字形断面、そして、図6(e)は屈曲部を鈍角にしたときのU字形断面をもつ樹脂部材を示す。このように、樹脂部材は、図1~図5のL字型断面以外に、用途や意匠性、配置される箇所などに応じて適宜断面形状を設計してもよい。
図7(a)は、アーチ状の屈曲部3eを有する樹脂部材1Eの概略斜視図である。また、図7(b)は、樹脂部材1Eを形成するのに用いる、折り曲げ前の板材2e’の概略平面図である。樹脂部材1Eは、板材2eの2つの分割板材部分21e,22eに挟まれた屈曲部3eがアーチ状に延在するものである。そして、このアーチ状の屈曲部3eの凹側内面部分に全体にわたって、固化改質部分4eが形成されている。図7(a)に示すようなアーチ状の屈曲部3eを有する樹脂部材1Eを形成するためには、図7(b)に示すように板材2eについて、アーチ状の切込み溝5e’を形成して折り曲げ前の分割板材部分21e’,22e’を分けておき、その箇所を屈曲位置として屈曲部3eを形成する。なお、図7(a)および(b)には、切込み溝5e’を断続的に設けているが、連続的に設けてもよい。
図8(a)は、らせん状構造を有する本発明の樹脂部材1Fの概略斜視図である。また、図8(b)は、樹脂部材1Fを形成するのに用いる、折り曲げ前の板材2f’の概略平面図である。図8(a)においては、説明の便宜上、固化改質部分および切込み溝は明示しないが、屈曲部3fに形成されているものとする。樹脂部材1Fは、1枚の板材2fに複数の切込み溝5f’が形成され、らせん構造を形成しているものである。
屈曲部(凹側内面部分)は鋭角にすることもできる。図9は、鋭角の屈曲部3gを有する本発明の樹脂部材1Gの概略斜視図である。図9においては、説明の便宜上、固化改質部分および切込み溝は明示しないが、屈曲部3gに形成されているものとする。樹脂部材1Gは、1枚の板材2gを折り曲げてV字断面形状を有しているものである。
以上のようにして鋭角にした屈曲部をフックとして用いることもできる。図10は、鋭角の屈曲部3hを有する本発明の樹脂部材1Hの概略斜視図である。樹脂部材1Hは、1枚の板材2hが鋭角をなして屈曲することにより屈曲部3hが形成されている。そして、屈曲部3hに、2箇所の固化改質部分4hが形成されている。このような形状の樹脂部材1Hによれば、屈曲部3hをフックとして、任意の箇所に引っ掛けることができる。
本実施形態にかかる樹脂部材は、各種プラスチック部品や製品に使用することができる。例えば、自動車、二輪車、自転車、日用品、電化製品、パーソナルコンピュータ、カメラ、玩具、各種外装体、各種容器などに用いることができる。特に本実施例にかかる樹脂部材は、自動車のワイヤーハーネス用外装体に用いることができる。すなわち、外装体付ワイヤーハーネスは、ワイヤーハーネスと、ワイヤーハーネス用外装体と、を備える。ワイヤーハーネス用外装体は、ワイヤーハーネスの全部または一部を外側から包囲して保護したり、ワイヤーハーネスの延伸する方向を規制したりするものである。
なお、ワイヤーハーネス用外装体にてワイヤーハーネスの一部を保護する場合には、ワイヤーハーネスの伸長方向の一部をワイヤーハーネス外装体で保護することができる(伸長方向の「一部」を保護する例である。)。この場合において、ワイヤーハーネスの断面形状は、開いた形状(例えば、図1、図6(b)、図6(d)、図6(e)など)、閉じた形状(例えば、図6(a)、図6(c)など)いずれであってもよい。また、例えば、図1、図6(b)、図6(d)、図6(e)などに示されるような開いた形状の断面形状を有するワイヤーハーネス外装体を用いて、ワイヤーハーネスの周方向の一部をワイヤーハーネス用外装体で保護することもできる(外周方向の「一部」を保護する例である。)。なお、ワイヤーハーネスの周方向の一部をワイヤーハーネス用外装体で保護する場合、保護されていない部分はワイヤーハーネス用外装体以外の部材や壁面に包囲されていてもよいし、包囲されていなくてもよい。ワイヤーハーネスの全部を保護する場合には、例えば、図6(a)、図6(c)などに示されるような閉じた形状の断面形状を有するワイヤーハーネス外装体を用いて保護すればよい。
以上のような樹脂部材は、形状の形成および維持が容易であり、しかも高強度である。また、以上のような樹脂部材は、従来のプラスチック製品の製造に必要であった金型が必要なく、1枚の板材を任意の形状に切断し、屈曲させて溶融または溶解と固化とにより形状凍結するのみで形成することができ、コスト面でも有用である。
2.樹脂部材の製造方法
本発明の樹脂部材の製造方法は、塑性変形可能な樹脂材料からなる1枚の板材を折り曲げて、線状に延在する1つ以上の屈曲部と、各屈曲部を挟んで位置する2つの分割板材部分とを形成する工程S1と、屈曲部の一部または全部を、塑性変形させた屈曲状態で加熱して溶融した後に、または溶剤により溶解した後に固化して、形状凍結する固化改質部分を形成する工程S2と、を備える。図11は、本発明に従う一の実施形態の樹脂部材の製造方法のフローである。
このような樹脂部材の製造方法によれば、上述した樹脂部材を製造することができる。そして、このようにして得られる樹脂部材は、形状の形成および維持が容易であり、しかも高強度である。
1,1-1,1-2,1A,1B,1C,1D,1E,1F,1G,1H 樹脂部材
2,2a,2b,2c,2d,2e,2f,2g,2h 板材
2e’ 折り曲げ前の板材
21,21a,21b,21c,21d,21e 分割板材部分
22,22a,22b,22c,22d,22e 分割板材部分
21e’,22e’ 折り曲げ前の分割板材部分
3,3a,3b,3c,3d,3e,3f,3g,3h 屈曲部
4,4-1,4-2,4a,4b,4c,4d,4e,4h 固化改質部分
41a,41b 凸側外面部分
42b,42c 凹側内面部分
5,5e’ 切込み溝

Claims (10)

  1. 塑性変形可能な樹脂材料からなる1枚の板材で構成され、1つ以上の屈曲部を備え、
    前記屈曲部は、塑性変形させた屈曲状態で溶融または溶解と固化とにより、形状凍結する固化改質部分を有することを特徴とする樹脂部材。
  2. 前記樹脂材料が発泡樹脂である請求項1に記載の樹脂部材。
  3. 前記板材の表面は、前記屈曲部を形成する屈曲位置に切込み溝が形成されている請求項1または2に記載の樹脂部材。
  4. 前記板材の厚さが0.5~5.0mmであることを特徴とする請求項1、2または3に記載の樹脂部材。
  5. 屈曲された前記板材は、前記屈曲部と、前記屈曲部を挟んで位置する2つの分割板材部分とを有し、
    前記固化改質部分は、前記屈曲部の外面部分である凸側外面部分に部分的または全体にわたって形成されている請求項1~4のいずれか1項に記載の樹脂部材。
  6. 屈曲された前記板材は、前記屈曲部と、前記屈曲部を挟んで位置する2つの分割板材部分とを有し、
    前記固化改質部分は、前記屈曲部の内面部分である凹側内面部分に部分的または全体にわたって形成されている請求項1~4のいずれか1項に記載の樹脂部材。
  7. 屈曲された前記板材は、前記屈曲部と、前記屈曲部を挟んで位置する2つの分割板材部分とを有し、
    前記固化改質部分は、前記屈曲部の外面部分である凸側外面部分および前記屈曲部の内面部分である凹側内面部分に部分的または全体にわたって形成されている請求項1~4のいずれか1項に記載の樹脂部材。
  8. 請求項1~7のいずれか1項に記載の樹脂部材を用いたワイヤーハーネス用外装体。
  9. ワイヤーハーネスと、
    請求項8に記載のワイヤーハーネス用外装体と、
    を備え、
    前記ワイヤーハーネス用外装体は、前記ワイヤーハーネスの全部または一部を外側から包囲して保護する外装体付きワイヤーハーネス。
  10. 塑性変形可能な樹脂材料からなる1枚の板材を折り曲げて、線状に延在する1つ以上の屈曲部と、各屈曲部を挟んで位置する2つの分割板材部分とを形成する工程と、
    前記屈曲部の一部または全部を、塑性変形させた屈曲状態で加熱して溶融した後に、または溶剤により溶解した後に固化して、形状凍結する固化改質部分を形成する工程と、
    を備えることを特徴とする樹脂部材の製造方法。
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