JP7253808B2 - 弾球遊技機 - Google Patents
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Description
この種の弾球遊技機として、所定条件が成立すると所定の特典が付与されるものが存在する。例えば、大当りを発生すると、大当り遊技実行後の遊技状態を「普通電動役物が開放状態となる時間(開放時間)を延長させる時短状態に移行させるという、特典」が付与される弾球遊技機が広く知られている。
更に、一般に弾球遊技機では、当否判定の結果を報知するための手段として、特別図柄の変動表示及び確定表示を行う特別図柄表示装置の他に、演出手段(演出図柄表示装置等)を備え、当該演出手段によって、「特別図柄の変動表示に対応する遊技演出」が実行される。そして、前述の「取得した数値値データ」に関し、当否判定を実行する前に事前判定を行い、当該事前判定の結果に基づき、演出手段を用いて所謂「先読み演出」を実行する弾球遊技機(例えば、特許文献2)が広く知られている。
つまり、「到達型特典付与機能」が発動するタイミング(特典付与タイミング)とは関係無く、先読み演出を行うため、遊技演出としての面白みを欠いていた。このため、「到達型特典付与機能」を備える弾球遊技機が実行する先読み演出に工夫を凝らし、遊技興趣を更に向上させることが期待される。
作動検出部が遊技球を検出することに基づいて普通図柄に関する当否判定を行う普通図柄当否判定手段と、
常時、遊技球が入球可能な特1始動口と、
前記普通図柄に関する当否判定の結果が当りになることに基づき、遊技球が入球不能若しくは入球困難な閉鎖状態から、該閉鎖状態よりも遊技球が入球容易な開放状態に所定の開放時間に亘って変化可能な普通電動役物に設けられた特2始動口と、
前記特1始動口若しくは前記特2始動口に遊技球が入球することに起因して抽出される数値データを記憶する数値データ記憶手段と、
前記数値データ記憶手段に記憶された数値データに基づいて、特別図柄に関する当否判定を行う特別図柄当否判定手段と、
前記特別図柄に関する当否判定において、前記数値データに当選値データが含まれると判定することに基づいて、大当り遊技を実行する大当り遊技実行手段と、
前記数値データ記憶手段に記憶された数値データに基づいて、前記特別図柄に関する当否判定を行う前に事前判定を実行する先読み実行手段と、
該事前判定の結果に基づいて、先読み演出を実行する先読み演出実行手段と、
前記大当り遊技を実行した後、遊技状態を前記普通電動役物の開放時間が通常の通常状態から該通常状態よりも該開放時間が延長される開放延長機能が作動する時短状態に移行させる第1時短状態移行手段と、
前記通常状態にて、前記大当り遊技を実行することなく連続して実行される前記特別図柄に関する当否判定の回数を計数する計数手段と、
前記計数手段が計数する計数値が作動回数を示す値になると作動条件が成立し、前記大当り遊技を実行することなく、遊技状態を前記通常状態から前記時短状態に移行させる第2時短状態移行手段と、
を具備してなる弾球遊技機であって、
前記先読み演出として、前記事前判定によって前記数値データに当選値データが含まれると判定されるか否かに係わらず出現可能な共通先読み演出であり、各々異なる当選信頼度を示唆すると共に何れかを選択して出現可能とされる複数種類のものを備え、
前記先読み演出実行手段は、
前記作動条件が成立する前であって、前記事前判定によって前記数値データに当選値データが含まれないと判定される場合において、前記計数手段が計数する計数値が前記作動回数を示す値よりも予め定めた回数だけ少ない所定回数を示す値に到達した場合には、該所定回数を示す値に到達していない場合に比べて低い出現率で、前記複数種類の共通先読み演出から選択される何れかを出現可能とする
ことを特徴(以下、第1特徴という)とする。
従って、本発明によれば、「到達型特典付与機能」が発動するまでの残り変動回数(当否判定の回数)の多少によって先読み演出の実行態様を選択出来るため、遊技者の心理に応じて異なる先読み演出を実行することが出来る。
また、本発明において「到達型特典付与機能」の作動時期に到達することで発動する機能は、少なくとも普通電動役物の開放時間が延長される開放延長機能が含まれれば良く、併せて特別図柄の変動時間を短縮する短縮機能を含んでいても良い。
前記所定回数を示す値に到達していない場合には前記数値データに大当り値データが含まれることの先読み演出を実行し、到達した場合には前記数値データに大当り値データが含まれていないことの先読み演出を実行する
ことを特徴(以下、第2特徴という)として備えてもよい。
つまり、遊技者には、「到達型特典の付与時期へ到達することにより時短状態に移行するタイミング」が迫ってきた場合、寧ろこのまま大当りせずに(当否判定の結果が大当りとなることなく)、付与時期への到達で時短状態を獲得したいという心理が働き易い。つまり、到達型特典の付与時期に到達し、時短状態を獲得した上で、更に大当り獲得を目指す方が遊技者にとっては得であって、ここまできて目前の時短状態を獲得せずに大当りとなるのは、遊技者にとってあまり喜ばしいことではない、という心理が働き易い。よって、所定回数に到達した後は、先読み演出の内容を「大当りとなることに関する先読み演出」から「大当りとならないこと(外れであること)に関する先読み演出」に変更することで、より遊技者心理に即し、遊技者に不安感を与え難い先読み演出を提供することが出来る。
所定の発射手段によって発射された遊技球が流下可能な遊技領域が設けられた遊技盤を備え、該遊技領域が前記発射手段で発射された遊技球の発射威力が所定力未満であると流下する可能性が高い第1遊技領域部と、前記所定力以上であると流下する可能性が高い第2遊技領域部とを具備し、
前記作動検出部は前記第1遊技領域部及び前記第2遊技領域部のうちの少なくとも前記第2遊技領域部に設けられ、前記特1始動口は前記第1遊技領域部を流下する遊技球が入球可能に設けられ、前記特2始動口は前記第2遊技領域部に設けられると共に、
前記当否判定によって前記第2始動口に入球することに基づいて検出される数値データに前記大当り値データが含まれると判定される場合の方が、前記第1始動口に入球することに基づいて検出される数値データに前記大当り値データが含まれると判定される場合よりも、遊技者に供与される利得が大きく設定された
ことを特徴(以下、第3特徴という)として備えてもよい。
つまり、遊技者が所謂「左打ち(第1遊技領域部を狙って遊技球を発射すること)」を行い、所謂「ハマリ」を生じ(大当りを発生させられない状態を生じ)、「到達型特典の付与時期への到達」を目前に控えた状態となると、当該遊技者には次のような心理が働く。
つまり、特1始動口に遊技球を入球させ、利得が少ない大当りを発生すること(当否判定の結果が大当りとなること)より、このまま大当りせずに「到達型特典の付与時期」を迎えて、時短状態(開放延長状態)となり、所謂「右打ち(第2遊技領域部を狙って遊技球を発射すること)」を行い、時短状態に因る利得を得つつ、利得が大きい大当り(特2始動口への入球に基づく大当り)を発生させた方が遊技者にとっては有利である。
但し、この利得としては、(1)及び(2)に示す利得の他に、若しくは、(1)及び(2)に示す利得とともに演出的な利得(例えば、特定のキャラクタに遭遇し易くなる利得)を例示することもできる。
なお、第1特徴を備えることを基本とする本発明は、第2特徴及び第3特徴を同時に備えてもよい。
図1に示すように、遊技機の一種であるパチンコ機50は、縦長の固定外郭保持枠をなす外枠51にて構成の各部を保持する構造である。外枠51の左側上下には、ヒンジ53が設けられており、該ヒンジ53の他方側には図3に記載する内枠70が取り付けられており、内枠70は外枠51に対して開閉可能な構成になっている。前枠52には、板ガラス61が取り外し自在に設けられており、板ガラス61の奥には図2に記載する遊技盤1が内枠70に取り付けられている。
また、前枠52は、左側上下のヒンジ(図示を省略)を支点に内枠70に対して開閉可能に構成されている。そして、外枠51に対して内枠70を閉鎖し、前枠52が内枠70に対して閉鎖した状態となると、遊技を実行可能な状態となる。また、前枠52を左側上下のヒンジ(図示を省略)を支点に内枠70に対して開放すると、遊技盤1の前面1aが開放され、パチンコホールの店員等が、当該前面1aに対して発生した不具合を解消する作業(遊技盤1における球詰まりの解消作業等)を施すことができる。なお、以下の説明において、前枠52をガラス枠と称することもある。
この遊技盤1には、公知のガイドレール2a、2bによって囲まれた略円形の遊技領域3が、ほぼ中央部に配置されたセンターケース5を境に第1遊技領域部3Lと第2遊技領域部3Rとに分けられている。
センターケース5の左側が第1遊技領域部(以下、左打ち領域という)3L、右側が第2遊技領域部(以下、右打ち領域という)3Rとなり、遊技球の発射威力を所定力以上で図に示したA部まで到達した遊技球は誘導路3pを転動し、右打ち領域3Rに至り、右打ち領域3Rを流下する。一方、遊技球の発射威力を所定未満で、A部に到達しない遊技球が左打ち領域3L(センターケース5の左側)を流下することになる。なお、遊技領域3(左打ち領域3L、右打ち領域3R)には多数の遊技釘が植設されている(図示を省略)。
センターケース5の右側の右打ち領域3Rには、普通図柄作動ゲート17が配置されている。
そして、右打ち領域3Rにおいて普通図柄作動ゲート17の下には普通電動役物12Aが配置されている。また、普通電動役物12Aの内部には特図2始動口(以下、第2始動口という)12が設けられ、普通電動役物12Aの内部に入球した遊技球が第2始動口12に入球可能とさせている。
そして、普通電動役物12Aが閉鎖状態となると、一対の翼片12tの上端部間には、ほぼ1球の遊技球の通過を許容する間隔が形成されるが、当該上端部で構成される隙間の真上には、遊技球の通過を禁止する障害部材12aが設けられている。このため、普通電動役物12Aが開放状態であると、右打ち領域3Rを流下した遊技球は普通電動役物12Aに入球し、第2始動口12に入球する可能性があるが、普通電動役物12Aが閉鎖状態であると、普通電動役物12A(第2始動口12)に遊技球が入球することが不可能となっている。但し、一対の翼片12tの上部から障害部材12aを排除等し、普通電動役物12Aが閉鎖状態であっても普通電動役物12A(第2始動口12)に遊技球が入球可能であってもよい。
第1始動口11は、植設された遊技釘(図示を省略)及び遊技領域3の略中央部に大型サイズで配置されたセンターケース5により、右打ち領域3Rを流下した遊技球が入球困難な構成となっている。これにより、第1始動口11には、専ら左打ち領域3Lを流下した遊技球が入球可能となっている。換言すると、第1始動口11には、右打ち領域3Rを流下した遊技球が入球する可能性が低くなっている。
但し、本実施例と異なり、第1始動口11と第2始動口12への入球順に第1特別図柄と第2特別図柄を変動させたり、第1特別図柄と第2特別図柄を同時に変動させたりしてもよい。
つまり、大入賞口14の下端側には扉部材(開閉部材)14tが傾動可能に支持されており、非特別遊技状態(大当り遊技や後述する小当り遊技が実行されないとき)には、大入賞口14は扉部材14tによって閉鎖された状態となり、遊技球を入球させることができない。一方、特別遊技状態(大当り遊技等)には、扉部材14tが傾動し(遊技盤1と対面する遊技者方向に傾動し)、大入賞口14が開放された状態となり、遊技球を入球させることができる。
パチンコ機50の裏面は図3に示すとおり、前述した遊技盤1脱着可能に取り付ける内枠70が前述した外枠51に収納されている。この内枠70には、上方から、球タンク71、タンクレール72及び払出装置73が設けられている。この構成により、遊技盤1上の入賞口に遊技球の入賞があれば球タンク71からタンクレール72を介して所定個数の遊技球を払出装置73により前述した上皿55に排出することができる。また、パチンコ機50の裏側には、主制御装置80、払出制御装置81、演出図柄制御装置82、サブ統合制御装置83、発射制御装置84、電源基板85が設けられている。なお、演出図柄制御装置82、サブ統合制御装置83がサブ制御装置に該当する。
RAMクリアスイッチ46は、該RAMクリアスイッチ46を押下しつつ、電源スイッチ86をONして電源投入することで、RAMクリアを実行するためのスイッチである。また、RAMクリアスイッチ46は、設定変更において、段階設定値を任意の値に変更するための操作手段としての機能も備えている。
ここで、設定値1~6の6種類(種別)が予め設定され、各設定値1~6に対応して異なる大当り判定確率が段階的に設けられている。そして、設定値1に対応する大当り当選確率(1/300)、設定値2(1/290)、設定値3(1/280)、設定値4(1/270)、設定値5(1/260)、設定値6(1/250)の順に高くなっている。
この設定変更モードで、管理者(パチンコホールの店員等)が、RAMクリアスイッチ46(設定変更ボタン)を押圧操作することで、設定値を変更することができる。つまり、RAMクリアスイッチ46(設定変更ボタン)を押圧操作する毎に、設定値が設定値1~設定値6、更に、設定値1…の順に変更される。
その際、性能表示装置48に設定値の変更に伴い、その時点の設定値を示す数値が表示される。
また、本実施例では発射制御装置84にはCPU、ROM、RAMは設けられていない。しかし、これに限るわけではなく、発射制御装置84にCPU、ROM、RAM等を設けてもよい。
また、主制御装置80は、図柄表示装置中継端子板90を介して接続されている第1特別図柄表示装置9及び第2特別図柄表示装置10の表示、第1特別図柄保留数表示装置18、第2特別図柄保留数表示装置19、普通図柄表示装置7、普通図柄保留表示装置8の点灯を制御する。
主制御装置80からの出力信号は試験信号端子にも出力される他、図柄変動や大当り(特別遊技ともいう)等の管理用の信号が外部接続端子78に出力されてホールメインコンピュータ87に送られる。主制御装置80と払出制御装置81とは双方向通信が可能である。
なお、本実施例では遊技球を払い出す構成であるが、入賞等に応じて発生した遊技球を払い出さずに記憶する封入式の構成にしても良い。
回動量信号は、遊技者が発射ハンドル64を操作することで出力され、タッチ信号は遊技者が発射ハンドル64を触ることで出力され、発射停止スイッチ信号は、遊技者が発射停止スイッチ29を押すことで出力される。なお、タッチ信号が発射制御装置84に入力されていなければ、遊技球は発射できないほか、発射停止スイッチ信号が入力されているときには、遊技者が発射ハンドル64を触っていても遊技球は発射できないようになっている。
また、本実施例では、段階設定値(所謂、設定1~設定6を示す値)に関しても、RAMクリアによって消去されないよう構成されている。具体的には、RAMクリア処理は、RAMクリアによって消去されるRAM領域の内、段階設定値に関する領域は消去の対象としないよう構成されている。
前述のように、パチンコ機50は、主制御装置80に、RAMに記憶された情報を消去するためにRAMクリアSW46が設けられている。RAMクリアSW46は払出制御装置81や電源基板85に設ける構成としてもよい。また、性能表示装置48は主制御装置80に設けられ、主制御装置80によって制御される。また、本実施例では、主制御装置80に、上述したように設定変更や設定確認の際に用いる、設定キーSW47を備える。
そして、音声制御装置としての機能部(図4において音声制御部83aと表記)は、音声制御用のデータに基づいて音LSIを作動させることによってスピーカ66からの音声出力を制御、つまり、音量の制御や、音声の種類(例えば、報知音の種類等、設定示唆音の制御)等を行う。また、ランプ制御装置としての機能部(図4においてランプ制御部83bと表記)は、ランプ制御用のデータに基づいてランプドライバを作動させることによって各種LED、ランプ26を制御する。
サブ統合制御装置83と演出図柄制御装置82とは双方向通信が可能である。
演出図柄制御装置82は、サブ統合制御装置83から受信したデータ及びコマンド(共に主制御装置80から送信されてきたものとサブ統合制御装置83が生成したものとがある)に基づいて演出図柄表示装置6を制御して、演出図柄等の演出画像を演出図柄表示装置6の画面6aに表示させる。
なお、本実施例では、サブ統合制御装置83及び演出図柄制御装置82は別々の装置に分かれているが、1つの装置にまとめる構成にしてもよい。
本実施例のパチンコ機50は、所謂「時短機」であり、特別図柄の当否判定で大当りと判定する確率を通常よりも高確率とする高確率状態を備えていない。つまり、特別図柄の当否判定で大当りと判定する確率が変動することはなく、常時、通常の確率で行う。但し、本実施例のパチンコ機50が当該高確率状態を備えていてもよい。
パチンコ機50は、第1始動口11への入球に起因して第1特別図柄の当否判定(以下、第1当否判定という)が実行される。また、第2始動口12への入球に起因して第2特別図柄の当否判定(以下、第2当否判定という)が実行される。
また、図5(b)に示すように、第2当否判定の結果が大当りとなる場合、「特図2_大当り図柄1(6R通常大当り図柄)」とされる場合を「20%」の割合で生じ、「特図2_大当り図柄2(10R通常大当り図柄)」とされる場合を「80%」の割合で生ずる。
つまり、停止表示(確定表示)されると通常大当りを発生し、対応する大当り遊技(2R大当り遊技、3R大当り遊技、6R大当り遊技若しくは10R大当り遊技)を実行した後、パチンコ機50の遊技状態が、通常確率状態且つ開放延長状態(時短状態)に移行する(図7(a)参照)。
なお、この通常確率・開放延長状態を第1開放延長状態と称することがある。また、何れかの大当り図柄が停止表示(確定表示)されることに基づいて、通常確率状態且つ開放延長状態(時短状態)に移行しないこととしてもよい。例えば、第1当否判定の結果が大当りとなることに基づいて実行される大当り遊技終了後においては、通常確率状態且つ非開放延長状態(非時短状態)となってもよいし、第2当否判定の結果が大当りとなることに基づいて実行される大当り遊技終了後に比べ、通常確率状態且つ開放延長状態(時短状態)に移行する割合を低くしてもよい。
なお、以下の説明において当否判定の結果が大当りとなり、大当り遊技を実行した後に移行する時短状態を「大当り時短」と称することがある。
ここで、規定到達回数は、主制御装置80のラムを初期化する「ラムクリアの処理」若しくは「大当り発生後(大当り遊技実行後)」から起算した特別図柄の変動回数、つまり、通常状態で当否判定の結果が大当りを発生することなく実行した「特別図柄に関する当否判定」の回数である。
更に、大入賞口14への入球による賞球数は10個となっている。更に、大入賞口14への規定入賞数は10個、普通電動役物(第2始動口12)への規定入賞数は9個となっている。
図5(a)に示すように、第1当否判定の結果が大当りとなり、「特図1_大当り図柄1(2R通常大当り図柄)」が確定表示されると、2R通常大当りが発生し、「2R大当り遊技」を実行する。また、第1当否判定の結果が大当りとなり、「特図1_大当り図柄2(3R通常大当り図柄)」が確定表示されると、3R通常大当りが発生し、「3R大当り遊技」を実行する。
図5(b)に示すように、第2当否判定の結果が大当りとなり、「特図2_大当り図柄1(6R通常大当り図柄)」が確定表示されると、6R通常大当りが発生し、「6R大当り遊技」を実行する。また、第2当否判定の結果が大当りとなり、「特図2_大当り図柄2(10R通常大当り図柄)」が確定表示されると、10R通常大当りが発生し、「10R大当り遊技」を実行する。
そして、通常、賞球量は、ラウンド遊技の回数に比例して多くなるため、本実施例のパチンコ機50では、第2当否判定の結果が大当りとなる場合の方が、第1当否判定の結果が大当りとなる場合よりも、多量の賞球を獲得できる可能性が高くなっている。
このように、本パチンコ機50では、賞球量及び大当り遊技後に付与される特典の点で、第2当否判定の結果が大当りとなる場合の方が、第1当否判定の結果が大当りとなる場合よりも高くなっており、遊技者に供与される利得が大きく設定されている。
但し、左打ちを予め定めた規定到達回数(本実施例では「800回」)行っても大当りを発生しない場合には、到達時短に移行し、普通電動役物12A(第2始動口12)の開放時間が延長される。
まず、パチンコ機50の主制御装置80が実行するメインルーチンについて、図9に記載のフローチャートを用いて説明する。なお、このメインルーチンは、約2ms毎のハード割り込みにより定期的に実行される。本実施例では、S10~S65までの1回だけ実行される処理を「本処理」と称し、この本処理を実行して余った時間内に時間の許す限り繰り返し実行されるS70の処理を「残余処理」と称する。「本処理」は上記割り込みにより定期的に実行されることになる。
正常割り込みでないと判断されると(S10:no)、初期設定(例えば前記メモリの所定領域への所定値を書き込み、特別図柄及び普通図柄を初期図柄とする等のメモリの作業領域への各初期値の書き込み等)が為され(S15)、残余処理(S70)に移行する。
大当り図柄決定用乱数更新処理(S30)は「0」~「99」の100個の整数を繰り返し作成するカウンタとして構成され、本処理毎に+1され最大値を超えると初めの値である「0」に戻る。
なお、当り決定用乱数更新処理は普通図柄の抽選に使用し、その他の初期値乱数、大当り決定用乱数、大当り図柄決定用乱数、リーチ判定用乱数、変動パターン決定用乱数は特別図柄の抽選に使用する。
S35に続くリーチ判定用乱数更新処理(S40)は、「0」~「228」の229個の整数を繰り返し作成するカウンタとして構成され、本処理毎で+1され最大値を超えると初めの値である「0」に戻る。なお、通常確率状態時で変動時間短縮機能未作動時にリーチとなる値の数は21で、値は「0」~「20」であり、通常確率状態時で変動時間短縮機能作動時にリーチとなる値の数は5で、値は「0」~「4」であり、高確率状態時にリーチとなる値の数は6で、値は「0」~「5」である。
外れ図柄決定用乱数更新処理(S46)は「0」~「3966」の3967個の整数を繰り返し作成するカウンタとして構成され、本処理毎に+1され最大値を超えると初めの値である「0」に戻る。
各始動口及び作動口への入賞(入球)確認処理(始動入賞処理)等については、後述する。
各出力処理(S60)では、遊技の進行に応じて主制御装置80は演出図柄制御装置82、払出制御装置81発射制御装置84、サブ統合制御装置83、大入賞口ソレノイド14b、等に対して各々出力処理を実行する。即ち、入賞確認処理(S50)により遊技盤1上の各入賞口に遊技球の入賞があることが検知されたときには賞球としての遊技球を払い出すべく払出制御装置81に賞球データを出力する処理を、遊技状態に対応したサウンドデータをサブ統合制御装置83に出力する処理を、パチンコ機50に異常があるときにはエラー中であることを報知すべく演出図柄制御装置82にエラー信号を出力する処理を各々実行する。
図10に示す普通図柄に関する始動入賞確認処理(普通図柄始動入賞確認処理)は、普通図柄作動ゲート17への入球があるか否かを判定し(S100)、入球があれば(S100:yes)、普通図柄の保留記憶が満杯であるか否かを判定する(S102)。否定判定の場合には(S102:no)、S104の処理で普通図柄の当り決定用乱数、当り図柄決定用乱数(普図決定用乱数)などの各種乱数を抽出し、抽出された各種乱数が保留記憶として主制御装置80のメモリ(内蔵RAMに設けられた普図用の保留記憶処理であって、図10では図示を省略)に記憶される(最大4つ)。そして、普通図柄保留数表示装置8の表示制御、演出図柄表示装置82やサブ統合制御装置83への普通図柄保留数コマンド送信処理を行い(S106)、本処理を終了(リターン)する。
普通図柄当否判定処理(普図当否判定処理)では、先ず、第2始動口12を開放させるための普通電動役物12Aが作動中であるか否かを判定する(S110)。普通電動役物12Aが作動中である場合には(S110:yes)、そのまま普通図柄遊技処理へ移行する。また、普通電動役物12Aが作動していない場合には(S110:no)、普通図柄が変動中であるか否かを判定する(S112)。変動中でなければ(S112:no)、確定図柄が表示されているかを判定する(S114)。
よって、時短フラグが「1」となったら無条件に普通図柄の当り確率が、通常確率から高確率に変動するものに限定せず、(1)役物連続作動装置が作動を停止していることと、(2)時短フラグが「1」となったこと、という2つの条件が成立した場合に普通図柄の当り確率が高確率に変動することとしてもよい。
なお、本実施例のパチンコ機50では普通図柄の変動時間(S134若しくはS138で決定される変動パターンが特定する変動時間)は、普通図柄当否判定の結果が当りであるか、外れであるかに関係なく、しかも、当り図柄に関係なく、パチンコ機50の遊技状態が通常遊技状態(非開放延長状態)であれば常に5.0秒であり、パチンコ機50の遊技状態が開放延長状態であれば常に1.0秒である。
図11のS112において、普通図柄が変動中の場合には(S112:yes)、図13(a)に示すS146に移行する。S146では、普通図柄の変動時間を経過したか否かを判定する。肯定判定の場合には(S146:yes)、対応した普通図柄の確定図柄表示処理を行い(S148)、普通図柄遊技処理に移行する。確定図柄表示処理では、確定図柄を表示する旨のコマンド(図柄確定コマンド)をサブ統合制御装置83に出力するとともに、普通図柄表示装置7にコマンドを出力して確定図柄にて停止させる。なお、図柄変動時間を経過していない場合には(S146:no)、そのまま普通図柄遊技処理へと移行する。
図14に示すように、普通図柄遊技処理が開始されると、先ず、普通電動役物12Aが作動中であるか否かを判定する(S160)。普通電動役物12Aが作動中の場合には(S160:yes)、普通電動役物12Aが開放中か判定する(S162)。一方、普通電動役物12Aが作動中ではない場合には(S160:no)、そのまま本処理が終了(リターン)となる。
本実施例の普通電動役物開放処理(S168)は、上述したS136で設定した普通電動役物12Aの開放パターンに基づいて普通電動役物12A(第2始動口12)を開放する(閉鎖状態から開放状態とする)。
特別図柄入賞確認処理が起動すると、主制御装置80は、第1始動口スイッチ11aの検出信号に基づいて、第1始動口11に遊技球が入球したか否かを判断する(S200)。そして、肯定判断なら(S200:yes)、大当り決定用乱数、大当り図柄決定用乱数、リーチ判定用乱数、変動パターン決定用乱数、外れ図柄決定用乱数等を該当の各カウンタから読み込んで、第1保留記憶が満杯(本実施例では4個)か否かを判断する(S202)。また、第1始動口11に遊技球が入球したと判断された場合には(S200:yes)、主制御装置80から払出制御装置81に対して賞球(3個)の払い出しを指示する信号を出力する構成となっている。
一方、S202で、4個の第1保留記憶が記憶されていると判定する場合(S202:yes)は、保留記憶(第1保留記憶)を記憶せず、第1保留記憶の数を示すカウンタや第1特別図柄保留数表示装置18の点灯数を増やすこともなくS210へ移行する。
そして、肯定判断(S210:yes)なら、大当り決定用乱数、大当り図柄決定用乱数、リーチ判定用乱数、変動パターン決定用乱数、外れ図柄決定用乱数等を該当の各カウンタから読み込んで、第2保留記憶が満杯(本実施例では4個)か否かを判断する(S212)。また、第2始動口12に遊技球が入球したと判断された場合には(S210:yes)、主制御装置80から払出制御装置81に対して賞球(3個)の払い出しを指示する信号を出力する構成となっている。
一方、S212において4個の第2保留記憶があれば(S212:yes)、保留記憶(第2保留記憶)を記憶せず、第2保留記憶の数を示すカウンタや第2特別図柄保留数表示装置18の点灯数を増やすこともなく本処理を終了(リターン)する。また、第2始動口12に遊技球が入球していない場合(S210:no)も、本処理を終了する。
ここで、S222において、主制御装置80は、新たに発生した保留記憶(第1保留記憶、第2保留記憶)に係る大当り決定用乱数が、特定値(大当りとなる大当り値)であることを示す先読みコマンド1を生成し、サブ統合制御装置83に送信し、本処理をリターンする。
ここで、S226において、主制御装置80は、新たに発生した保留記憶(第1保留記憶、第2保留記憶)が所定値(リーチを行う旨の値)であることを示す先読みコマンド2を生成し、サブ統合制御装置83に送信し、本処理をリターンする。
また、サブ統合制御装置83は第1保留数コマンド、若しくは、第2保留数コマンド(第2保留記憶数指示コマンド)を受信すると、受信したコマンドが示す保留記憶数に応じて演出図柄表示装置6上で表示する各保留記憶数を変化させる指示信号を演出図柄制御装置82に送信する。
図18に示すように、特別図柄当否判定処理を起動すると、主制御装置80は、特別電動役物が作動中か否かを大当りフラグに基づいて判断する(S320)。特別電動役物が作動中である場合には(S320:yes)、大当り遊技処理へ移行する。また、S320の判定が否定判定であり(S320:no)、特別図柄が変動中でなく(S322:no)、確定図柄の表示中でもなければ(S324:no)、図19のS330に移行し、第2保留記憶(上記、図16のS214による保留記憶)があるか否かを判定する(S330)。
一方、第2保留記憶がなければ(S330:no)、第1保留記憶(上記、図16のS204による保留記憶)があるか否かを判断する(S334)。そして、第1保留記憶があれば(S334:yes)、第1保留記憶数をデクリメントし(S336)、S338に進む。
また、本パチンコ機50では、このように、第1保留記憶及び第2保留記憶が何れも「ゼロ」でない場合には、第2保留記憶を優先的に処理する。
S338の処理で肯定判断であれば(S338:yes)、S204若しくはS214で読み込んだ大当り決定用乱数を確変テーブルに記録されている当り値と照合する(S340)。
一方、S338の処理で否定判断であれば(S338:no)、S204若しくはS214で読み込んだ大当り決定用乱数を通常テーブルに記録されている当り値と照合する(S344)。
そして、S340またはS344の判定に基づき、大当りか否かを判定する(S350)。
また、実施例1のパチンコ機50は、特別図柄に関する当否判定の大当り確率を段階的に設定可能な機能を備えていないが、当該設定機能を備えるパチンコ機50では、S350においてその時点の設定値に応じて段階的に異なる確率で大当りと判定(大当り判定)される。
そして、「第1当否判定」の結果が大当りである場合には、第1保留記憶をデクリメントして読み込んだ大当り図柄決定用乱数を用いた乱数抽選によって大当り図柄を決定する(S352)。
ここで、主制御装置80が、第1保留記憶をデクリメントして読み込んだ大当り決定用乱数を当り値と照合し、大当りか否かを判定することが「第1当否判定」に相当する。また、第2保留記憶をデクリメントして読み込んだ大当り決定用乱数を当り値と照合し、大当りか否かを判定することが「第2当否判定」に相当する。
この変動パターン決定処理(S354)では、変動パターン決定用乱数によって大当り変動パターンを決定する。ここで、変動パターンによって、大当り図柄を停止表示されるまでの変動時間(特別図柄の変動時間)が特定されるが、当否判定の結果が大当りの場合に実行される変動(以下、大当り変動という)に対応する演出表示(演出図柄の変動表示)では、一律にリーチ(リーチ表示とそれに続くリーチ演出)を行う。このため、パチンコ機50の遊技状態(開放延長状態、非開放延長状態)が何れであっても、長目(当否判定の結果が外れとなる場合に比べて長目)の変動時間が決定される可能性が高くなっている。
ここで、大当り設定処理とは決定した大当り図柄(図5(a)及び(b)を参照)によって、大当り遊技実行後の遊技状態(実施例1及び2では時短状態となるか、確変機能を備えるパチンコ機50では高確率状態となるか、時短状態となるか等)や大当り遊技にかかる情報(大当りのオープニング時間、開放パターン、大当りのエンディング時間、ラウンド数等)を取得する処理である。
一方、S350において外れと判定された場合は(S350:no)、外れ図柄を決定する(S358)。そして、外れ図柄を決定すると、リーチ判定用乱数、変動パターン決定用乱数に基づいて変動パターンを決定する(S360)。こうして、変動パターンが設定されると、外れ設定処理を行った後(S362)、S364の処理に移行する。
外れ設定処理を開始すると、S362aで時短フラグの値が「1」であるか否かを判定する(S362a)。
S362aで肯定判定されると(S362a:yes)、S362bに移行し、S362aで否定判定されると(S362a:no)、S362cに移行する。
ここで、本実施例では、大当り遊技の終了時に、時短回数が「10回」若しくは「100回」に設定され(図26のS546を参照)、通常状態で実行される当否判定の回数が「800回」に到達すると時短回数が「300回」に設定される(図23のS432を参照)。そして、S362bでは、特別図柄の変動表示が開始される度に、当該時短回数が「-1」され、当該時短回数がS362bを行うことで、「0」となる変動表示が停止される際に時短フラグの値が「1」から「0」とされる。但し、本実施例と異なり、時短フラグの値が「1」である場合、特別図柄の停止表示時に時短回数を「-1」する処理を行ってもよい。
なお、S362bにおいては、主制御装置80が備える時短カウンタから-1する処理を行う。この時短カウンタの初期値としては、大当り時短において「10」若しくは「100」がセットされ、到達時短において「300」がセットされる。
このように、本パチンコ機50においては、遊技状態が通常状態に移行すると、大当りを生ずることなく実行される「特別図柄に関する当否判定」の回数が計数(カウント)される。
そして、S362dを実行するとS362eに移行し、到達カウンタの値が規定到達回数になったか否かを判定する。ここで、通常状態で、大当りを発生することなく実行される当否判定の回数が、規定到達回数(本実施例では800を例示)になると、大当り遊技を介することなく遊技状態が時短状態に移行する。
なお、当否判定の結果が外れであり、リーチを行わない場合であって、遊技状態が非開放延長状態である場合、「ノーマル外れ且つ非開放延長用の変動パターンテーブル」を参照して変動パターンを決定し、遊技状態が開放延長状態である場合、「ノーマル外れ且つ開放延長用の変動パターンテーブル」を参照して変動パターンを決定する。
一般にノーマル外れ時(リーチ表示とそれに続くリーチ演出を伴わない場合)において「ノーマル外れ且つ非開放延長用の変動パターンテーブルを参照して決定する変動パターンは、リーチ外れ時(リーチ表示とそれに続くリーチ演出を伴う場合)において「リーチ外れ且つ非開放延長用の変動パターンテーブル」を参照して決定する変動パターンに比べて短い変動時間を特定する。
S364に続くS366では、上述の抽選結果(第1当否判定若しくは第2当否判定)を示すデータをサブ統合制御装置83に出力し(S366)、大当り遊技処理へ移行する。
また、この「変動開始コマンド(表示制御コマンド)」には、始動口11,12に遊技球が入球した際に取得した外れ図柄決定用乱数を特定するデータ(後述する変形例2においては、特定外れデータ、非特定外れデータ)も含まれる。
図18に戻り更に説明すると、図18のS322において特別図柄が変動中(S322:yes)と判定された場合には、図21のS370に移行し、図柄変動時間(S354、又はS360の変動パターンに基づく)を経過したか否かを判定する。そして、否定判定の場合には(S370:no)、そのまま大当り遊技処理に移行する。一方、肯定判定の場合には(S370:yes)、確定図柄表示処理(S372)を行ってから大当り遊技処理を行う。なお、確定図柄表示処理では、確定図柄を表示する旨のコマンド(図柄確定コマンド)をサブ統合制御装置83に出力するとともに、特別図柄表示装置9,10にコマンドを出力して確定図柄にて停止させる。
これに対し、S374において肯定判定(S374:yes)の場合は、確定図柄の表示を終了し(S376)、確定表示された特別図柄が大当りになる図柄か否かを判定する(S378)。
ここで、S380で時短フラグが1である場合、大当りになる図柄が確定表示されたときの開放延長状態が、第1開放延長状態(大当り時短)である場合と、第2開放延長状態(到達時短)である場合が存在する。そして、何れの場合も、大当り遊技を終了する際に第1開放延長状態(大当り時短)に移行する(図26を参照)。
S384に続いて、S386では条件装置作動開始処理により、大当りフラグをセットし、続くS388にて役物連続作動装置を作動させる。
S388を行うと、続くS390において大当り開始演出処理を行い、大当り遊技処理を行う。ここで、大当り開始演出処理を行うと、主制御装置80は、大当り遊技を開始することを示すコマンド及び大当り遊技に係る情報(大当りのオープニング時間、開放パターン、大当りのエンディング時間、ラウンド数等)をサブ統合制御装置83に送信する。
また、時短回数が「0」である場合には(S404;yes)、時短フラグの値を「0」とした後(S408)、S450に移行する。
これに対して、S430で肯定判定される場合には(S430:yes)、時短回数を設定する処理(S432)と、時短フラグを「1」に設定する処理(S434)と、到達フラグの値を「0」とする処理(S436)を行った後、S450に移行する。このS434において時短フラグを「1」に設定すると、開放延長状態(第2開放延長状態)に移行する。
ここで、S430で肯定判定される場合とは遊技状態が「到達時短」に移行するケースを示しており、その場合、S432において時短回数として「300回」が設定される。なお、「到達時短」に移行する場合、特別図柄の平均変動時間短縮、普通図柄の平均変動時間短縮、普通電動役物の開放時間を延長する開放延長機能がセットされる。
なお、本実施例の場合、特別図柄当否判定処理における主制御装置80からサブ統合制御装置83に状態指定コマンドを送信するタイミングは、特別図柄確定時間後となっているが、特別図柄変動開始時及び電源復旧時においても状態指定コマンドを送信する構成にしてもよい。
まず、図24に示すように、大当り遊技処理において、主制御装置80は、役物連続作動装置が作動中か否かを大当りフラグに基づいて判断する(S500)。役物連続作動装置が作動中で(S500:yes)、大入賞口14が開放中であるか否かを判定し(S502)、大入賞口14が閉鎖中であると判定された場合には(S502:no)、ラウンド遊技間のインターバル中により大入賞口14が閉鎖しているか否かを判断する(S506)。
なお、S500において、役物連続作動装置が作動していない場合には(S500:no)、大当り遊技処理を終了する。また、S510において、大当り開始演出時間を経過していない場合も(S510:no)、大当り遊技処理を終了する。
大入賞口14に10個入賞していない場合(S514:no)には、S516に進み、大入賞口14の開放時間が終了したか否かを判定する。開放時間が終了した場合(S516:yes)には、S518に移行する。また、大入賞口14の開放時間が終了していない場合には(S516:no)、そのまま大当り遊技処理を終了(リターン)する。
S514において、大入賞口14に遊技球が10個入賞した場合には(S514:yes)、大入賞口閉鎖処理(S518)を行い、大当りインターバル処理(S520)を行い、大当り遊技処理を終了(リターン)する。
一方、大当り終了演出時間が経過した場合には(S530:yes)、役物連続作動装置の作動を停止し(S532)、条件装置の作動を停止する(S534)。
本実施例では、S544で一律に肯定判定され、続いて、時短回数を設定する処理(S546)と、時短フラグを1に設定する処理(S548)とを行う。ここで、S548で時短フラグを1にする場合には、特別図柄の平均変動時間短縮、普通図柄の平均変動時間短縮、普通電動役物の開放時間を延長する開放延長機能をセットする。
つまり、本パチンコ機50においては、大当りを発生するか、主制御装置80にラムクリア処理が施されると、到達カウンタが初期化される。この場合、初期化されてから、通常状態で実行される当否判定(特別図柄に関する当否判定)の回数が、「800回」になると到達時短に移行する。
つまり、S556では、大当り遊技を介して移行する時短状態(大当り時短)になることを示すコマンドが、主制御装置80からサブ統合制御装置83に送信される。
つまり、本実施例において、第1当否判定の結果が大当りとなって実行された大当り遊技を終了後に設定される時短回数(10回)は、到達時短の時短回数に比べて遙かに少なくされている。このため、到達カウンタの値が規定到達回数を示す値に近づいているにもかかわらず(あと僅かで「800回」に到達するにもかかわらず)、第1当否判定の結果が大当りとなってしまうと、賞球面ばかりが、付与される時短回数の面でも、遊技者にとっては大きな損失となる。よって、遊技者は、かかる状況において当否判定(特に、第1当否判定)の結果が外れとなることを切望することになる。
本パチンコ機50においてサブ統合制御装置83は、主制御装置80から送信される各コマンドに基づいて、演出図柄制御装置82等を制御し、演出図柄表示装置6の画面6aで行う演出表示(表示演出)を制御したり、スピーカ66から発声される効果音を制御したり、電飾用のLED・ランプ26の発光態様を制御したりして遊技演出を実行する。その際、受信する先読み判定コマンドに基づいて、先読み予告演出(保留予告演出)の実行を制御する。
第1保留図柄表示領域6Dは、遊技球が第1始動口11に入球することに基づき取得した保留記憶(第1保留記憶)に対応する保留図柄(以下、第1保留図柄という)6dを、4個を限度に表示可能な領域である。また、第2保留図柄表示領域6Eは、遊技球が第2始動口12に入球することに基づき取得した保留記憶(第2保留記憶)に対応する保留図柄(以下、第2保留図柄という)6eを、4個を限度に表示可能な領域である。
そして、当該消化直前の保留記憶6d、6e(第1表示位置d1、e1の保留記憶6d、6e)が消化されると(当否判定が実行されると)、当該消化された保留記憶に対応する保留図柄6d、6eが消去される。
例えば、図27(b)に示すように、第1保留図柄表示領域6Dの第2表示位置d2及び第3表示位置d3にそれぞれ第1保留図柄6dが表示されていた場合には、第1の表示位置の第1保留図柄6dが消去されることに伴い、第2表示位置d2の第1保留図柄6dが第1表示位置d1にシフトして表示され、第3表示位置d3の第1保留図柄6dが第2表示位置d2にシフトして表示される。
同様に、図27(c)に示すように、第2表示位置e2~第4表示位置e4にそれぞれ第2保留図柄6eが表示されていた場合には、第1表示位置e1の第2保留図柄6eが消去されることに伴い、表示位置e2~e4に表示されていた第2保留図柄6eが、それぞれ、表示位置e1~e3にシフトして表示される。
同様に、第2始動口12に遊技球が入球することに基づいて(第2始動口12への入賞時に)、第2保留図柄表示領域6Eに第2保留記憶6eを追加表示するときも、先読み予告の実行の有無が考慮される。そして、先読み予告を実行しない場合は第2保留図柄6eとして通常保留図柄Eが表示され、先読み予告を実行する場合は第2保留図柄6eとして特定保留図柄(A~Dの何れか)が表示される。
また、本実施例では、第1保留記憶数表示領域6Dに表示される保留図柄6dと、第2保留記憶数表示領域6Eに表示される保留図柄6eが異なる色(例えば、一方が赤色で他方が青色)で表示され、両保留図柄6d、6eを一見して識別可能とされている。
このとき、サブ統合制御装置83は、図19のS364で主制御装置80から送信される保留情報コマンド(図19のS332若しくはS336においてデクリメントした保留記憶の数を示す保留数コマンド)を受信すると、第1保留図柄表示領域6Dの第1保留記憶の数、若しくは第2保留図柄表示領域6Eの第2保留記憶の数で保留図柄がデクリメントされた状態で表示される。
そして、演出図柄表示装置6においては、前述の変動パターンで特定される変動時間(特別図柄の変動時間)が経過すると、演出図柄が当否判定の結果を示す組み合わせで停止する。
本実施例のパチンコ機50では、パチンコ機50の遊技状態が通常状態である場合において、計数カウンタのカウント値が「1~790」であるときと、計数カウンタのカウント値が「791~800」であるときに、画面6aの表示態様(画面6aの色等)が異なる。なお、計数カウンタとは、通常状態で当否判定の結果が大当りとならない回数(外れ変動の回数)を計数するカウンタであり、その詳細に関しては後述する。
ここで、図28及び図29では、保留記憶数表示領域6D、6Eに表示される保留図柄として、通常保留図柄Eが表示される場合を示している(図30(a)を参照)。但し、本実施例では、保留予告演出を実行する場合には、カウント値に応じて異なる態様の保留予告図柄が表示される場合がある(図30(b)の保留図柄A~Dを参照)。以下、この点について説明する。
つまり、カウント値が「1~790」では、先読み結果が大当りであるか否かを示唆することを中心とする保留予告演出が実行され、カウント値が「791~799」では、先読み結果が大当りでないこと(外れであること)を示唆することを中心とする保留予告演出が実行される。
例えば、図28(b)では、カウント値が「791」となる変動が開始される場合を図示しており、残り回数(到達時短に移行するまでの残り回数)が、「到達直前です あと10回!」という文字情報6Kによって表示される。そして、カウント値がインクリメントされる度に残り回数が「1デクリメント」されて表示される。
図29(a)は、カウント値が「800」となる変動が終了した際であって、特別図柄に関する当否判定の結果が「外れ」であることを報知する変動が終了した状態(演出図柄が確定表示された状態)を示している。
このとき、画面6aの表示態様が変更され(例えば、地色が「赤色」とされ)、「よくガマンしました 電サポです」という文字情報(大はまりの遊技者をねぎらい、到達時短移行を祝福する文字情報)6Tが表示される。
また、図29(c)に示すように、遊技状態が大当り時短に移行すると、大当り時短移行という文字情報6Vが表示される。なお、カウント値が800に到達する前に大当りを発生すると、大当り時短に移行する。
本処理を開始すると、カウントコマンドを受信したか否か判定する(S1000)。ここで、カウントコマンドとは遊技状態が通常状態であるとき、特別図柄に関する当否判定が実行される度に、主制御装置80からサブ統合制御装置83に送信されるコマンドである(図20のS362dを参照)。そして、サブ統合制御装置83がカウントコマンドの受信回数を計数することで、遊技状態が通常状態で実行される「特別図柄に関する当否判定」に関する回数を計数することができる(図8も参照)。
S1005では計数フラグの値が「0」であるかを判定する(S1005)。そして、S1005で肯定判定される場合(S1005:yes)、計数フラグの値を「1」とする処理(S1010)を実行した後、S1015に移行して計数カウンタの値を「+1」する。また、S1005で否定判定される場合(S1005:no)、S1010をスキップして、S1015に移行し、計数カウンタの値を「+1」する。
つまり、本実施例では、通常状態で始めてカウントコマンドを受信すると、計数フラグの値が「1」とされ、計数値が到達時短になる回数になるか(S1040を参照)、大当り時短移行コマンド(図26のS556の状態指定コマンド(大当り時短に移行することを示すコマンド))を受信すると、計数フラグの値は「1」から「0」にされるとともに、計数カウンタの値が初期化される(図32を参照)。
なお、サブ統合制御装置83が主制御装置80と異なり、バックアップ電源を備えない場合は、本パチンコ機50の電源が0FFされることで、計数フラグの値が「0」とされると共に計数カウンタの値が初期化される。但し、サブ統合制御装置83がバックアップ電源を備え、しかもラムクリア装置を備える場合、サブ統合制御装置83に搭載されたラムをクリアすることによっても、計数フラグの値が「0」とされると共に計数カウンタの値が初期化される。
つまり、計数カウンタの値が所定回数(特定の回数:791回)になると、所定回数到達フラグの値が「1」とされ、計数カウンタの値が規定到達回数(800回)に到達すると、所定回数到達フラグの値が「0」とされる。
なお、所定回数到達フラグの値が「1」であるとき、大当り時短移行コマンドを受信すると、所定回数到達フラグの値が「0」とされる(図32を参照)。なお、サブ統合制御装置83が主制御装置80と異なり、バックアップ電源を備えない場合は、本パチンコ機50の電源が0FFされることで、所定回数到達フラグの値が「0」とされる。
これに対して、S1105で肯定判定される場合には(S1105;yes)、S1115では所定回数到達フラグの値が「1」であるか否かを判定する。そして、S1115で否定判定される場合には(S1115;no)、そのままS1125に移行し、S1115で肯定判定される場合には(S1115;yes)、S1220で所定回数到達フラグの値を「0」としてから、S1125に移行する。
S1125に移行すると、計数フラグの値を「0」にする処理と、計数カウンタを初期化する処理を行う。そして、計数フラグ解除処理をリターンする。
本処理を開始すると、保留数指示コマンドを受信したか否か判定する(S1200)。このS1200の処理で否定判定されると(S1200:no)、リターンし、肯定判定されると(S1200:yes)、S1205でサブ統合制御装置83が備える保留数カウンタに「+1」し、演出図柄制御装置82に保留数表示指示信号を送信する。そして、S1208で振分乱数1を抽出した後(S1208)、S1210に移行する。
なお、S1205で「+1」される保留数カウンタの値は、後述する保留数情報受信処理(図35(a)を参照)において、保留情報コマンドを受信する毎にデクリメントされる。これにより、絶えず主制御装置80が記憶する保留記憶の数と同一数が管理される。
そして、S1210で否定判定される場合には(S1210:no)、S1260に移行して、演出図柄制御装置82に対し、新たに発生した保留記憶に対応する先読み予告を伴わない保留図柄(通常保留図柄)を表示させる処理を行い、本処理をリターンする。
また、保留数指示コマンドと先読みコマンドが一体化されたコマンドである場合、S1210において、受信した保留数指示コマンドに先読みコマンドが含まれているか否かが判定される。
ここで、図30(c)を用いて、S1215の処理について説明する。図30(c)は、受信した先読みコマンドの種類と、先読み演出(保留先読み)の出現率の関係を示す図表である。
これによると、サブ統合制御装置83が先読みコマンド1(先読み結果が大当り)である場合には、「25/50」の割合で先読み演出(保留先読み)を実行すると決定される。また、先読みコマンド2(先読み結果がリーチ外れ)を受信した場合には、「10/50」の割合で先読み演出(保留先読み)を実行すると決定され、先読みコマンド3(ノーマル外れ)である場合には、「1/50」の割合で先読み演出を実行すると決定される。
また、S1215の実行抽選で保留先読みを実行すると決定される場合(S1220;yes)において、S1225で所定回数到達フラグの値が「1」であるか否かを判定する。
つまり、本実施例では、所定回数到達フラグの設定の有無によって、異なる先読み実行テーブルを参照して、保留図柄を設定する処理を行う(図8も参照)。
図34(a)に示すように、第1先読み実行テーブルとして、(1)先読み結果が大当りである場合に参照する大当り用・第1先読み実行テーブルと、(2)先読み結果がリーチ外れである場合に参照するリーチ外れ用・第1先読み実行テーブルと、(3)先読み結果がノーマル外れである場合に参照するノーマル外れ用・第1先読み実行テーブルが設けられている。
大当り用・第1先読み実行テーブルを参照すると、大当りの発生可能性が高いことを示唆する保留図柄A(大当り示唆予告保留図であって、星印を丸で囲んだ保留図柄)が「50%」の確率で選択され、「大当り示唆予告保留図に比べて大当りの発生可能性が低いことを示唆する保留図柄B(中程度大当り示唆予告保留図であって、菱形を丸で囲んだ保留図柄)」が「25%」の確率で選択され、 大当りの発生可能性が保留図柄Bが示唆する可能性に比べて更に低いことを示唆する保留図柄C(低程度大当り示唆予告保留図であって、三角を丸で囲んだ保留図柄)が「25%」の確率で選択される。
更に、ノーマル外れ用・第1先読み実行テーブルを参照すると、保留図柄Aが「0%」の確率で選択され、保留図柄Bが「25%」の確率で選択され、保留図柄Cが「75%」の確率で選択される。
また、リーチ外れ用・第2先読み実行テーブルを参照すると、保留図柄Eが「25%」の確率で選択され、保留図柄Bが「50%」の確率で選択され、保留図柄Cが「25%」の確率で選択される。
更に、ノーマル外れ用・第2先読み実行テーブルを参照すると、保留図柄Dが「50%」の確率で選択され、保留図柄Bが「30%」の確率で選択され、保留図柄Cが「20%」の確率で選択される。
本処理を開始すると、保留情報(保留情報コマンド)を受信したか否か判定する(S1300)。このS1300の処理で否定判定されると(S1300:no)、本処理をリターンする。
また、S1310の処理で演出図柄制御装置82に送信される保留数表示指示信号は、演出図柄表示装置6の画面6aから第1保留図柄6d若しくは第2保留図柄6eを1個減らす旨を指示する信号である。
演出開始処理を起動すると、サブ統合制御装置83が変動開始コマンドを受信したか否かを判定する(S1500)。ここで、変動開始コマンドは、特別図柄の変動を開始する際に主制御装置80から送信されるコマンドである(図19のS366の処理を参照)。そして、この変動開始コマンドには、特別図柄の当否判定の結果(大当り、外れ)を示すデータと、変動時間を指定する変動パターンを示すデータが含まれる。また、特別図柄の当否判定の結果が大当りの場合、変動開始コマンドには、大当り図柄を指定する図柄指定コマンド(大当り種類を示すデータ)も送信される。
つまり、S1500で受信した変動開始コマンドに含まれるデータ(特別図柄に関する当否判定の結果を示す情報)に基づいて、演出開始の契機となった特別図柄の当否判定の結果が、大当りであるかと判定される場合には、S1505の処理で抽出した振分乱数2と、大当り用演出パターンテーブルを用いて、開始する特別図柄の変動に対応する演出の演出パターンを決定する(S1510)。また、S1505で受信した変動開始コマンドに含まれるデータに基づいて、演出開始の契機となった特別図柄の当否判定の結果が、外れであると判定される場合には、S1505の処理で抽出した振分乱数2と、外れ用演出パターンテーブルを用いて、演出の演出パターンを決定する(S1510)。
演出停止処理が開始されると、サブ統合制御装置83が変動停止コマンドを受信したか否かを判定する(S1600)。ここで、変動停止コマンドは、特別図柄の変動を停止して確定図柄を表示する際に主制御装置80から送信されるコマンドである(図21のS372の処理を参照)。
そして、否定判定される場合には(S1600:no)、演出停止処理をそのまま終了し、肯定判定される場合には(S1600:yes)、S1605の処理に移行する。このS1605の処理では、演出図柄確定表示指示信号を演出図柄制御装置82に送信する処理を行い、演出停止処理を終了する。
具体的には、当否判定が繰り返される回数が、規定到達回数直前の所定回数(「791回」)になるまでは、先読み結果が大当りであるか否かの保留予告演出を実行し、規定到達回数直前の所定回数(791回)になってからは、先読み結果が外れであるか否かの保留予告演出を実行する。このため、本実施例のパチンコ機50によると、遊技状況(その時点の遊技者心理)に上手く適合して演出を行うことが出来る。
これに対して、本実施例によれば、「到達時短付与機能」が発動するまでの残り変動回数(当否判定の回数)によって先読み演出の実行態様を選択出来るため、遊技者の心理に応じて異なる先読み演出を実行することが出来る。
つまり、遊技者には、「到達時短の移行タイミング」が迫ってきた場合、寧ろこのまま大当りせずに、到達時期を迎え、到達時短を獲得したいという心理が働き易い。つまり、ここまできて目前の時短状態を獲得せずに大当りとなるのは、遊技者にとってあまり喜ばしいことではないという、心理が働き易い。よって、所定回数(791回)に到達した後は、先読み演出の内容を「大当りとなることに関する先読み演出」から「大当りとならないことに関する先読み演出」に変更することで、より遊技者心理に即した演出を提供することが出来る。
つまり、遊技者が所謂「左打ち(左打ち領域3Lを狙って遊技球を発射すること)」で、第1始動口11に遊技球を入球させ、所謂「ハマリ」を生じさせ、「到達時短付与時期への到達」を目前に控えた状態となると、当該遊技者には次のような心理が働く。
特に、本パチンコ機50では、到達時短によって付与される時短回数(300回)が、大当り時短によって付与される時短回数(100回若しくは10回)よりも遙かに多い回数とされるため、到達時短が付与される方が望ましいと考えることになる。
実施例2のパチンコ機50について、図37(a)を用いて簡単に説明する。
実施例1では、規定到達回数直前の所定回数になると、予告の実行態様を決定する際に参照する先読み実行テーブルを別の先読み実行テーブルに切り替え、出現する予告の種類を変更した。つまり、通常状態で実行される当否判定の実行回数が、所定回数(791回)に満たない場合には、予告の実行態様を決定する際に第1先読みテーブル(図34(a))を参照し、通常、遊技者が遭遇したい大当り予告を実行した。一方、所定回数(791回)以上になると、予告の実行態様を決定する際に第2先読みテーブル(図34(b))を参照し、この時点に遊技者が遭遇したい外れ予告を行い、この時点の遊技者心理に適合させた。
つまり、実施例2では、予告の実行態様を決定する際に参照する先読み実行テーブルは、所定回数の到達前後で同一(何れも図34(a)の第1先読みテーブル)である。しかし、図37(a)に示すように、所定回数に到達した後は、当該所定回数の到達前に比べて、保留予告の出現率自体を低下(例えば、半減)させている。このため、所定回数に到達する前後で大当り予告が実行される可能性があるが、大当り予告の出現率が所定回数に到達した後は、所定回数の到達前に比べて低下している。
しかも、当否判定回数が所定回数に到達した後においては、先読みコマンド1(先読み判定結果が大当りである場合のコマンド)に対する予告演出の出現率ばかりか、先読みコマンド2(先読み判定結果がリーチ外れである場合のコマンド)に対する予告演出の出現率も低くされている。つまり、所定回数を越えた場合は、大当りに関する偽りの予告(ガセ予告)となる演出の実行頻度も低くするため、より一層、遊技者に不安感を与えることがない。
この変形例1は、実施例2とは逆に、所定回数に到達した後は、所定回数に到達する前に比べて、保留予告の出現率自体を高く(例えば、2倍)としている。つまり、この変形例では、所定回数に到達する前後で大当り予告が実行される可能性があるが、大当り予告の出現率が所定回数に到達した後は、所定回数に到達前に比べて高くされている。
但し、各実施例及び各変形例とは異なり、到達時短及び大当り時短の少なくとも一方の場合に、普通電動役物12Aの開放延長機能が発動するが、「特別図柄の変動時間に関する短縮機能」を発動させないこととしてもよい。
例えば、図6(a)及び(b)に示すように、普通電動役物12A(第2始動口12)の開放延長機能の作動時において大当り時短の方が到達時短よりも、普通電動役物12A(第2始動口12)の開放時間が長くされてもよいし、逆に短くてもよい。
つまり、特別図柄の変動表示において、大当り図柄以外の特定図柄が確定表示されることに基づいて、大当り遊技を介することなく移行する時短(以下、特定時短という)を備えてもよい(図7(b)を参照)。
ここで、特定図柄としては、例えば、「特定の外れ図柄」及び「小当り図柄」の少なくとも一方を例示できる。或いは、「特定の外れ図柄」及び「特定の小当り図柄」の少なくとも一方を例示できる。
なお、特定時短は、図38(a)に示すように、時短機能(開放延長機能)の未作動時(遊技状態が通常状態である場合)に限って移行させてもよいし(以下、ケース1という)、図38(b)に示すように、時短機能(開放延長機能)の作動時(遊技状態が時短状態である場合)においても移行させてもよい(以下、ケース2という)。
同様に、到達時短に関しても、大当り確率の確率変動機能を備えるパチンコ機50についても本発明を好適に適用できる。但し、図38(e)に示すように、到達時短(特定時短も同様)は、大当り確率の確率変動機能の未作動時に限定して移行することとしてもよいし、作動の有無を問わずに移行することとしてもよい。なお、到達時短に関しては、大当り確率の確率変動機能の作動時であっても、時短機能(開放延長機能)の未作動時(所謂「潜伏確変状態」)に限定して移行する。
但し、本実施例と異なり、到達時短機能発動によって発生した開放延長状態(第2開放状態)について、該開放延長状態が所定の「時短回数(電サポ回数)」だけ実行するものとして、この「時短回数(電サポ回数)」よりも予め定めた回数Aだけ前の所定変動回数Bに到達していない場合と、到達した場合とで、実行する先読み演出の実行態様を異ならせるようにする、構成を併せて備えても良い。これにより、到達時短機能発動により折角得た開放延長状態中においても、「特別図柄に関する当否判定」の結果が大当りとならずに終了する場合もあるので、終了となる状態が迫っているか否かで、状況の違いに応じた先読み演出の実行態様を異ならせ、違和感の無い演出を実行出来る。
更に、本発明の遊技機は、所謂「封入式の遊技機」であっても、「非封入式の遊技機」であってもよい。
次に、上記実施形態(実施例)の説明で用いた用語と、特許請求の範囲の記載に用いた用語との対応を示す。
「パチンコ機50」が、「弾球遊技機」の一例に相当する。
図1に示す発射ハンドル64と、図4等に示す発射制御装置84と、発射モータ30が、「発射手段」の一例に相当する。
「左打ち領域3L」が、第1遊技領域部の一例に相当し、「右打ち領域3R」が、第2遊技領域部の一例に相当する。
「普通図柄作動ゲート17」が、作動検出部の一例に相当する。
図11のS116から図12のS130に至る処理が、「普通図柄に関する当否判定」の一例に相当する。
第1始動口11が「特1始動口」の一例に相当し、第2始動口12が「特2始動口」の一例に相当する。
図16のS204、S214の処理が、「数値データ記憶手段」の一例に相当する。
図22のS374の肯定判定を経て、図24~図26に至る処理が、「大当り遊技実行手段」の一例に相当する。
図16のS206、S216の処理が、「先読み実行手段」の一例に相当する。
図26のS546、S548の処理が、「第1時短状態移行手段」の一例に相当する。
図31のS1015の処理が、「計数手段」の一例に相当する。
図23でS430の肯定判定を経て、S432、S434に至る処理が、「第2時短状態移行手段」の一例に相当する。
Claims (1)
- 作動検出部が遊技球を検出することに基づいて普通図柄に関する当否判定を行う普通図柄当否判定手段と、
常時、遊技球が入球可能な特1始動口と、
前記普通図柄に関する当否判定の結果が当りになることに基づき、遊技球が入球不能若しくは入球困難な閉鎖状態から、該閉鎖状態よりも遊技球が入球容易な開放状態に所定の開放時間に亘って変化可能な普通電動役物に設けられた特2始動口と、
前記特1始動口若しくは前記特2始動口に遊技球が入球することに起因して抽出される数値データを記憶する数値データ記憶手段と、
前記数値データ記憶手段に記憶された数値データに基づいて、特別図柄に関する当否判定を行う特別図柄当否判定手段と、
前記特別図柄に関する当否判定において、前記数値データに当選値データが含まれると判定することに基づいて、大当り遊技を実行する大当り遊技実行手段と、
前記数値データ記憶手段に記憶された数値データに基づいて、前記特別図柄に関する当否判定を行う前に事前判定を実行する先読み実行手段と、
該事前判定の結果に基づいて、先読み演出を実行する先読み演出実行手段と、
前記大当り遊技を実行した後、遊技状態を前記普通電動役物の開放時間が通常の通常状態から該通常状態よりも該開放時間が延長される開放延長機能が作動する時短状態に移行させる第1時短状態移行手段と、
前記通常状態にて、前記大当り遊技を実行することなく連続して実行される前記特別図柄に関する当否判定の回数を計数する計数手段と、
前記計数手段が計数する計数値が作動回数を示す値になると作動条件が成立し、前記大当り遊技を実行することなく、遊技状態を前記通常状態から前記時短状態に移行させる第2時短状態移行手段と、
を具備してなる弾球遊技機であって、
前記先読み演出として、前記事前判定によって前記数値データに当選値データが含まれると判定されるか否かに係わらず出現可能な共通先読み演出であり、各々異なる当選信頼度を示唆すると共に何れかを選択して出現可能とされる複数種類のものを備え、
前記先読み演出実行手段は、
前記作動条件が成立する前であって、前記事前判定によって前記数値データに当選値データが含まれないと判定される場合において、前記計数手段が計数する計数値が前記作動回数を示す値よりも予め定めた回数だけ少ない所定回数を示す値に到達した場合には、該所定回数を示す値に到達していない場合に比べて低い出現率で、前記複数種類の共通先読み演出から選択される何れかを出現可能とする
ことを特徴とする弾球遊技機。
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