JP7251785B2 - コンクリート原料収納袋用カバー - Google Patents

Description

本発明は現場で容易に生コンクリートを製造できるように、コンクリート原料を収納した輸送袋に使用できるコンクリート原料輸送袋用カバーに関する。

従来、コンクリート原料を収納した輸送袋としては、「上部に開口部が形成され、底面中央部に排出口が形成されたコンクリート骨材収納袋と、このコンクリート骨材収納袋の排出口を開閉することができる開閉手段と、前記コンクリート骨材収納袋の排出口を下部に位置させた状態で、かつ該排出口を塞ぐことなく吊り上げられるように、該コンクリート骨材収納袋に取付けられた吊りロープと、前記コンクリート骨材収納袋に収納された所定量のコンクリート骨材と、このコンクリート骨材が収納された前記コンクリート骨材収納袋内に、前記排出口より排出できる大きさで、水によって溶解する水溶解袋に収納された所定量のセメントとからなることを特徴とするコンクリート原料」が本願発明者によって発明されている（特許文献１）。

しかしながら、このような輸送袋は、通常カバー等がされておらず、現場等にコンクリート原料輸送袋を載置して保管する場合には、輸送袋が濡れないようにパレットや角材を地面に敷いて養生し、その上に輸送袋を載置していた。

このように地面を養生した上でコンクリート原料輸送袋等を載置する必要があり、養生作業を行う必要や現場側で養生部材を用意しなければならず、このような作業を行わずにコンクリート原料輸送袋等を載置すると、地面等の水分がコンクリート原料輸送袋内部のセメントと化学反応を起こしてしまうという欠点があった。

特開２０１５－９８１２１号公報

本発明は以上のような従来の欠点に鑑み、現場で使用可能な状態で輸送でき、現場を養生しなくても現場等に保管可能なコンクリート原料輸送袋用カバーを提供することを目的としている。

本発明の前記ならびにそのほかの目的と新規な特徴は次の説明を添付図面と照らし合わせて読むと、より完全に明らかになるであろう。
ただし、図面はもっぱら解説のためのものであって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。

上記目的を達成するために、本発明の請求項１に記載のコンクリート原料収納袋用カバーは、上部に開口部が形成され、底面に排出口が形成され、かつ、前記排出口を下部に位置させた状態で、前記排出口を塞ぐことなく吊り上げられる吊りロープを有し、内部にコンクリート原料を収納するコンクリート原料収納袋に用いられるコンクリート原料収納袋用カバーであって、前記コンクリート原料収納袋の下方を覆う袋状の下部カバーと、前記下部カバーに設けられ、前記下部カバーを前記コンクリート原料収納袋に、その下方を覆った状態で取り付け可能な取付手段と、前記コンクリート原料収納袋の上方を覆い、かつ、前記下部カバーの少なくとも上端部付近を外側から覆うように取り付けることができる袋状の上部カバーと、前記上部カバーを取り付けた状態で、前記下部カバーと前記上部カバーとを接続する接続手段とで構成され、前記上部カバー及び前記下部カバーは防水性材料で形成されていることを特徴とする。

請求項２に記載のコンクリート原料収納袋用カバーの前記上部カバー及び前記下部カバーは、紫外線を透過しない材料で形成されていることを特徴とする。

請求項３に記載のコンクリート原料収納袋用カバーの前記取付手段は、前記吊りロープに取付けるものであることを特徴とする。

以上の説明から明らかなように、本発明にあっては次に列挙する効果が得られる。
（１）請求項１に記載の発明においては、コンクリート原料収納袋の下方を覆い、取付手段を有する袋状の下部カバーを用いているので、コンクリート原料収納袋に下部カバー単体で取り付けることができる。
したがって、下部カバー単体で取り付けた状態でクレーン等で吊り上げることができる。
それ故に、現場の地面や床面等を防水シートで養生しなくてもコンクリート原料収納袋を載置することができる。
（２）さらにこの状態で上部カバーを下部カバーと接続し、取り付けることにより、雨等が降った場合でも、水分がコンクリート原料収納袋に侵入することを確実に防止することができる。
また、風で上部カバーがめくれたり、飛んでしまうことも防止できる。
（３）請求項２に記載の発明も前記（１）～（２）と同様な効果が得られるとともに、紫外線による原料の劣化を防止することができる。
（４）請求項３に記載の発明も前記（１）～（３）と同様な効果が得られるとともに、容易に取付けることができる。

図１乃至図８は本発明の第１の実施形態を示す説明図である。
図９及び図１０は本発明の第２の実施形態を示す説明図である。
第１の実施形態を示すコンクリート原料収納袋用カバーの説明図。 コンクリート原料収納袋にコンクリート原料収納袋用カバーを取り付けた状態の正面図。 コンクリート原料収納袋にコンクリート原料収納袋用カバーを取り付けた状態の縦断面図。 下部カバーの説明図。 コンクリート原料収納袋に下部カバーのみ取り付けた状態の説明図。 下部カバーのみを取り付けた状態でコンクリート原料収納袋を吊り上げた状態を示す説明図。 上部カバーの説明図。 生コンクリート製造装置へコンクリート原料を供給する状態の説明図。 第２の実施形態を示すコンクリート原料収納袋用カバーの説明図。 コンクリート原料収納袋にコンクリート原料収納袋用カバーを取り付けた状態の縦断面図。

以下、図面に示す本発明を実施するための形態により、本発明を詳細に説明する。
図１乃至図８に示す本発明を実施するための第１の形態において、１はコンクリート骨材工場から生コンクリートを使用する建設現場へトラック等で輸送される本発明のコンクリート原料収納袋２に用いられるコンクリート原料収納袋用カバーである。

このコンクリート原料収納袋用カバー１は、図１乃至図３に示すように、上部に開口部３が形成され、底面に排出口４が形成され、かつ、前記排出口４を下部に位置させた状態で、前記排出口４を塞ぐことなく吊り上げられる吊りロープ５を有し、内部にコンクリート原料６を収納するコンクリート原料収納袋２の下方を覆う袋状の下部カバー７と、前記下部カバー７に設けられ、前記下部カバー７を前記コンクリート原料収納袋２に、その下方を覆った状態で取り付け可能な少なくとも１対の取付手段８と、前記コンクリート原料収納袋２の上方を覆い、かつ、前記下部カバー７の少なくとも上端部付近を外側から覆うように取り付けることができる袋状の上部カバー９と、前記上部カバー９を取り付けた状態で、前記下部カバー７と前記上部カバー９とを接続する接続手段１０とで構成されている。

コンクリート原料収納袋２は、例えば、図３に示すように、内部が収納部１１となる袋状の部材で、コンクリート骨材やセメント等のコンクリート原料６を収納した状態で運搬できる程度の強度が得られる素材で形成されている。

このコンクリート原料収納袋２の底面の略中央部には排出口４が形成されており、この排出口４には、筒状の排出部１２が連通するように設けられている。この排出部１２は、その上端部がコンクリート原料収納袋２の底面の略中央部と連通するように逢着等によりコンクリート原料収納袋２に固定され、開放状態の他端部からコンクリート骨材やセメントが生コンクリート製造装置等に下端部の排出口４から排出する。

排出部１２は通常状態（コンクリート原料６を収納している状態）においては、折りたたまれた状態で前記開閉手段１３より閉状態を維持され、使用時には、開閉手段であるロープを解くことにより、折りたたみ状態が解除されコンクリート原料６を排出部１２から排出する。

なお、開口部３はコンクリート原料６を収納した後は、ロープ等によって閉じられる。
コンクリート原料６としては、所定量計量されたコンクリート骨材６ａ及びセメント６ｂが用いられ、必要に応じて混合された状態又はコンクリート骨材６ａとセメント６ｂが分離した状態で収納される。本実施形態においては、セメント６ｂを水によって溶解する水溶解袋等に収納し、コンクリート原料収納袋２内でセメント６ｂとコンクリート骨材６ａとが直接接触しないように収納される。

下部カバー７は、図４に示すように、防水性を有するシート状の材料を用いて上部が開口する袋状に形成されており、その内周面の上端部付近に略対向するように紐状の取付手段８が設けられている。この下部カバー７は、本実施形態においては、図５に示すように、コンクリート原料収納袋２の高さの２分の１乃至３分の２程度の高さに形成されており、コンクリート原料収納袋２を下方からすっぽり収納できるような大きさに形成されている。

また、この取付手段８とは別に、上部カバー９と下部カバー７を接続するための一方の接続部材１４が下部カバー７の外周面に設けられている。この一方の接続部材１４は、本実施形態においては、紐状に形成されている。この一方の接続部材１４と接続する他方の接続部材１５が上部カバー９の下端部付近に設けられており、この一方及び他方の接続部材１４、１５で接続手段１０が構成されている。

取付手段８は、本実施形態においては、紐が用いられており、この紐を吊りロープ５に結びつけて下部カバー７をコンクリート原料収納袋２の下方を覆った状態（コンクリート原料収納袋２を収納した状態）で取り付ける。この吊りロープ５は、下方の部位がコンクリート原料収納袋２の表面又は内周面に縫着されており、縫着された部位を除いた下端部付近に取付手段８が結び付けられる。

このようにコンクリート原料収納袋２に取り付けることにより、コンクリート原料収納袋２の下部のみ下部カバー７部材で覆われるため、例えば、図６に示すように、まず、クレーン等のフックを用いて吊りロープ５を牽引して吊り上げ、トラック等から現場等の所定の場所にコンクリート原料収納袋２を移動させることができる。その時、移動先の地面や床面が濡れていたとしても、コンクリート原料収納袋２の下部が下部カバー７部材で覆われているため、地面等を防水シート等で養生することなく、そのまま移動させることができる。このようにコンクリート原料収納袋２を移動させた後、上部カバー９でコンクリート原料収納袋２の上部を覆うとともに、下部カバー７と上部カバー９を接続手段１０により接続し、使用時まで現場等で保管する。

上部カバー９は、下部カバー７と同様の防水性材料で袋状に形成されており、図７に示すように、コンクリート原料収納袋２の上部及び下部カバー７の少なくとも上端部付近を覆うことができる大きさに形成されている。なお、本実施形態においては、コンクリート原料収納袋２の上部から３分の２程度を覆うことができる大きさに形成されている。

この上部カバー９と下部カバー７が重なり合った状態で互いに接続する接続手段１０が設けられており、この接続手段１０は、本実施形態においては、前述したように上部カバー９と下部カバー７にそれぞれ設けられた紐状の接続部材１４、１５で構成されている。

上部カバー９と下部カバー７にそれぞれ設けられた紐状の一方及び他方の接続部材１４、１５を結ぶことにより、上部カバー９と下部カバー７を接続する。

下部カバー７の接続部材１４は、本実施形態においては、下部カバー７の外周面に対向するように設けられており、上部カバー９の接続部材１５は、下部カバー７の接続部材１４に対応する位置に設けられている。

上部カバー９は下部カバー７の外側から、下部カバー７の上部付近と重なり合うように覆った状態で接続手段１０で接続することにより、下部カバー７がずり下がることを防止できるとともに、雨等により濡れた場合であっても、上部カバー９が外側に位置しているため、下部カバー７の内側に雨水等が入り込むことを防止でき、使用時以外にセメントとコンクリート骨材とが反応し凝固することを防止できる。
なお、上部カバー９と下部カバー７は防水性を有し、かつ、紫外線を透過しない材料で形成されることが望ましい。

次に、例えば図８に示すように、コンクリート原料収納袋２に収納されたコンクリート原料６を用いてコンクリートを製造する際には、上部カバー９と下部カバー７を接続している接続手段１０の接続状態を解除して上部カバー除去し、露出した吊りロープ５にクレーン等のフックを係止し、コンクリート原料収納袋２を吊り上げる。その後、下部カバー７を除去し、生コンクリート製造装置等の投入口の上部までコンクリート原料収納袋２を移動させ、開閉手段を操作して排出口４を開状態とすることで、コンクリート原料６を生コンクリート製造装置１６に投入し、生コンクリートを製造する。

［発明を実施するための異なる形態］
次に、図９及び図１０に示す本発明を実施するための異なる形態につき説明する。なお、これらの本発明を実施するための異なる形態の説明に当って、前記本発明を実施するための第１の形態と同一構成部分には同一符号を付して重複する説明を省略する。
図９及び図１０に示す本発明を実施するための第２の形態において、前記本発明を実施するための第１の形態と主に異なる点は、下部カバー７の外周面に設けられた一方の面ファスナー１７と、この一方の面ファスナー１７に対応する位置に設けられ、かつ、前記一方の面ファスナー１７と係着する他方の面ファスナー１８とで構成した接続手段１０Ａを用いた点で、このようなコンクリート原料収納袋用カバー１Ａにしても、前記本発明を実施するための第１の形態と同様な作用効果を得ることができる。

なお、取付手段として紐を用いるものについて説明したが、例えばスナップフック等を用いてもよく、コンクリート原料収納袋に被係合部を形成し、この被係合部に係合する係合片等を上部カバーに設けて係合状態で取り付けてもよい。
また、実施形態においては取付手段と接続手段とを別個に設けたが、例えば長い紐状部材の中央部付近を下部カバーの外周面に縫着し、一端部側を取付手段、他端部側を接続手段（一方の接続部材）として用いてもよい。

本発明はコンクリート原料を製造、輸送、使用する産業等で利用される。

１、１Ａ：コンクリート原料収納袋用カバー、
２：コンクリート原料収納袋、
３：開口部、 ４：排出口、
５：吊りロープ、 ６：コンクリート原料、
７：下部カバー、 ８：取付手段、
９：上部カバー、 １０、１０Ａ：接続手段、
１１：収納部、 １２：排出部、
１３：開閉手段、 １４：一方の接続部材、
１５：他方の接続部材、 １６：生コンクリート製造装置、
１７：一方の面ファスナー、 １８：他方の面ファスナー。

Claims (3)

1. 上部に開口部が形成され、底面に排出口が形成され、かつ、前記排出口を下部に位置させた状態で、前記排出口を塞ぐことなく吊り上げられる吊りロープを有し、内部にコンクリート原料を収納するコンクリート原料収納袋に用いられるコンクリート原料収納袋用カバーであって、
   前記コンクリート原料収納袋の下方を覆う袋状の下部カバーと、前記下部カバーに設けられ、前記下部カバーを前記コンクリート原料収納袋に、その下方を覆った状態で取り付け可能な取付手段と、前記コンクリート原料収納袋の上方を覆い、かつ、前記下部カバーの少なくとも上端部付近を外側から覆うように取り付けることができる袋状の上部カバーと、前記上部カバーを取り付けた状態で、前記下部カバーと前記上部カバーとを接続する接続手段とで構成され、前記上部カバー及び前記下部カバーは防水性材料で形成されているコンクリート原料収納袋用カバー。
2. 前記上部カバー及び前記下部カバーは、紫外線を透過しない材料で形成されていることを特徴とする請求項１に記載のコンクリート原料収納袋用カバー。
3. 前記取付手段は、前記吊りロープに取付けるものであることを特徴とする請求項１又は請求項２のいずれかに記載のコンクリート原料収納袋用カバー。

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