JP7251399B2 - オイル用増粘剤およびそれを含んでなる化粧用オイル組成物 - Google Patents
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Description
また、本発明の課題は、このような増粘剤を利用することで、増粘効果があって垂れにくい上に、手で塗布した際には粘度が容易に低下することで、抵抗を感じず、使用感が優れた化粧用オイルを提供することである。
(1) 下記式(1)で示されるモノマー(i)、およびドデシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレートおよびベヘニル(メタ)アクリレートからなる群より選ばれるモノマー(ii)をモル比((i)/(ii))として10/90~30/70で含有する共重合体であって、重量平均分子量が10,000~1,000,000である共重合体からなることを特徴とする、オイル用増粘剤。
(式(1)において、
XおよびYはそれぞれ独立してNH又はOであって、少なくとも一方がNHであり、
R1は水素原子またはメチル基であり、
R2は水素原子、メチル基またはエチル基であり、
R3は炭素数2~22のアルキル基である。)
前記オイル用増粘剤(A)と前記化粧用オイル(B)との質量比((A)/(B))が5/95~30/70であることを特徴とする、化粧用オイル組成物。
モノマー(ii)としては、モノマー(i)と共重合可能なビニル系モノマーであり、ドデシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレートおよびベヘニル(メタ)アクリレートからなる群より選ばれるモノマーである。
本発明のオイル用増粘剤の重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用いてポリスチレン換算で求めることができ、10,000~1,000,000であり、好ましくは10,000~800,000、より好ましくは30,000~300,000である。重合体の重量平均分子量が低すぎると、ポリマーの強度や粘度が不足し、重量平均分子量が高すぎると、オイルへの溶解性の低下が生じるおそれがある。
本発明のモノマー(i)は、ウレア結合もしくはウレタン結合を有するモノマーである。上記モノマー(i)は例えば、イソシアネート基含有モノマーとアミン化合物もしくはアルコール化合物の反応や、ヒドロキシ基含有モノマーとアルキルイソシアネートの反応によって得ることができる。
種以上組み合わせて使用することができる。なかでも、粘度特性の観点から、n-ブチルアミン、n-ペンチルアミンn-ヘキシルアミンn-オクチルアミン、2-エチルヘキシルアミン、デシルアミン、ドデシルアミンが好ましく、n-ブチルアミンがさらに好ましい。
ジn-オクチルアミン、ジ-2-エチルヘキシルアミ、ピペリジン、モルホリン等が挙げられ、これらは単独で又は2 種以上組み合わせて使用することができる。
、好ましくは20~80℃ の温度で行うことが望ましい。また、上記反応は溶剤を使用してもよく、例えば、アセトン、メチルイソブチルケトン、酢酸エチル、酢酸ブチル、トルエン、キシレン、テトラヒドロフラン等の存在下で行うことができる。
次に、本発明のオイル用増粘剤を製造する方法について説明する。
本発明におけるオイル用増粘剤は、モノマー(i)を少なくとも含有するモノマー混合物をラジカル重合させることにより得ることができる。重合は公知の方法で行うことができる。例えば、溶液重合、懸濁重合、乳化重合などが挙げられるが、オイル用増粘剤の重量平均分子量を上記範囲内に調整しやすいという面で、溶液重合や懸濁重合が好ましい。
’-アゾビスイソブチロニトリルなどのアゾ系重合開始剤などを挙げることができる。これらの重合開始剤は1 種類のみを用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
である。モノマー混合物の濃度が低すぎると、モノマーが残存しやすく、得られるオイル用増粘剤の分子量が低下するおそれがあり、モノマーの濃度が高すぎると、発熱を制御し難くなるおそれがある。
重合温度は、重合溶媒の種類などに依存し、例えば、50℃~110℃である。重合時間は、重合開始剤の種類と重合温度に依存し、例えば、重合開始剤としてt-ブチルパーオキシネオデカノエートを使用した場合、重合温度を70℃
として重合すると、重合時間は6時間程度が適している。
本発明の化粧用オイル(B)としては、イソドデカンおよび流動パラフィンからなる群より選ばれたオイルである。オイルは1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
本発明の化粧用オイル組成物は、上記オイル用増粘剤(A)とオイル(B)を含有する化粧用オイル組成物を含む。
、せん断速度1(1/s)における]は、例えば1,000~200,000mPa・s
の範囲内において適宜選択することができる。粘度が上記範囲であれば、ハンドリング性とチキソトロピー性がともに十分に得られやすい。
撹拌機、温度計、冷却器、滴下ロート及び空気導入管を取り付けた300mLフラスコに、2-メタクリロイルオキシエチルイソシアネート(昭和電工株式会社製「カレンズMOI」)51.2g、テトラヒドロフラン40g、メトキノン0.012gを仕込んだ。フラスコ内に空気を導入し、内温を40℃に保持しながら、n-ブチルアミン24.1gを1時間かけて滴下した。その後、40℃で2時間熟成させたのち、テトラヒドロフランを60℃
で減圧留去し、モノマーi-1を得た(収率92%)。
撹拌機、温度計、冷却器、滴下ロート及び窒素導入管を取り付けた1Lセパラブルフラスコに、イソプロパノール170g、ヘプタン75g、ステアリルメタクリレート(製品名:ブレンマーSMA (日油(株)製)175g(70mol%)とモノマーi-1 75g(30mol%)を仕込み、フラスコ内を窒素置換して、窒素雰囲気下にした。そこにイソプロパノール5gとt-ブチルパーオキシネオデカノエート(製品名:パーブチルND-100(日油(株)製)5gを混合した重合開始剤溶液をそれぞれ調製した。
ステアリルメタクリレートの使用量を200g(80mol%)、モノマーi-1(20mol%)の使用量を50gに変更したこと以外は重合例1と同様の手法でオイル用増粘剤2を得た。
ステアリルメタクリレートの使用量を225g(90mol%)、モノマーi-1の使用量を25g(10mol%)に変更したこと以外は重合例1と同様の手法でオイル用増粘剤3を得た。
ラウリルメタクリレートの使用量を200g(80mol%)、モノマーi-1の使用量を50g(20mol%)に変更したこと以外は重合例1と同様の手法でオイル用増粘剤4を得た。
ステアリルメタクリレートの使用量を250g(100mol%)、モノマーi-1の使用量を0gに変更したこと以外は重合例1と同様の手法でオイル用増粘剤5を得た。
ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用いて以下の条件により、オイル用増粘剤1~5の重量平均分子量を求めた。
装置: 東ソー(株)社製、HLC-8220
カラム: shodex社製、LF-804
標準物質: ポリスチレン
溶離液: THF(テトラヒドロフラン)
流量: 1.0ml/min
カラム温度: 40℃
検出器: RI(示差屈折率検出器)
重合例1で得られたオイル用増粘剤1を20重量部と、流動パラフィン80重量部を混合し、70℃で加熱撹拌してこれらを相溶させ、その後、25℃
まで冷却して化粧用オイル組成物(1)を得た。得られた化粧用オイル組成物(1)について下記方法により、手に取った時の垂れ落ちにくさ、チキソトロピー性の変化、粘度変化について評価を行った。
下記表に示す処方(単位:重量部)に変更した以外は実施例1と同様にして化粧用オイル組成物を得、それらについて実施例1と同様にして評価を行った。
専門パネル10名により、上記で調製した化粧用オイル組成物を片手に約1gとり、手を垂直に傾けた時の垂れ落ちの程度を下記評価基準で評価した。
(評価基準)
◎: 垂れ落ちない
〇: やや垂れ落ちる
×: 垂れ落ちる
上記で調製した化粧用オイル組成物を、レオメーターにて1s-1から1,000s-1の範囲で粘度のせん断速度依存性を測定した。TI値は各温度(25、40℃)における、せん断速度1s-1 と10s-1のときの粘度の比として算出した。その後、得られたTI値を用いてTI値変化比を算出し、下記評価基準で評価した。また、粘度はせん断速度1s-1における、温度25℃と40℃の時の値を測定した。その後、得られた粘度を用いて粘度変化比を算出し、下記評価基準で評価した。
Sigma Aldrich社)を用いた。
(評価基準)
(TI値変化比)
◎: 3.5以上、 ○: 1.5以上、3.5未満、 ×: 1.5未満
(粘度変化比)
◎: 50以上、○: 5以上、50未満、 ×: 5未満
比較例2では、本発明のモノマーを含有しないオイル用増粘剤を用いたが、前記増粘剤は加熱によるTI値変化比は実施例1~5よりも低かった。
Claims (2)
- 下記式(1)で示されるモノマー(i)、およびドデシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレートおよびベヘニル(メタ)アクリレートからなる群より選ばれるモノマー(ii)をモル比((i)/(ii))として10/90~30/70で含有する共重合体であって、重量平均分子量が10,000~1,000,000である共重合体からなることを特徴とする、オイル用増粘剤。
(式(1)において、
XおよびYはそれぞれ独立してNH又はOであって、少なくとも一方がNHであり、
R1は水素原子またはメチル基であり、
R2は水素原子、メチル基またはエチル基であり、
R3は炭素数2~22のアルキル基である。)
- 請求項1記載のオイル用増粘剤(A)、およびイソドデカンおよび流動パラフィンからなる群より選ばれた化粧用オイル(B)を含有する化粧用オイル組成物であって、
前記オイル用増粘剤(A)と前記化粧用オイル(B)との質量比((A)/(B))が5/95~30/70であることを特徴とする、化粧用オイル組成物。
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