JP7251179B2 - ソレノイド装置 - Google Patents
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Description
また、コイルボビンの内側で、固定コアとヨークとが筒状の樹脂製連結部材を介して連結されている構成もある。この構成の場合、例えば成形時の温度変化によって、樹脂製連結部材に過剰な応力が作用して、亀裂等の破損が生じることがあった。
図1~図7を参照して本発明のソレノイド装置の実施形態について説明する。なお、以下では、説明の便宜上、互いに直交する3軸をX軸、Y軸およびZ軸を設定している。X軸とY軸を含むXY平面が水平となっており、Z軸が鉛直となっている。X軸と平行な方向を「軸方向(軸O2方向)」と言い、この軸を中心とする径方向を単に「径方向」と言い、前記軸を中心とする周方向を単に「周方向」と言うことがある。また、X軸方向正側を「軸方向一端側」または単に「一端側」と言い、X軸方向負側を「軸方向他端側」または単に「他端側」と言うことがある。本明細書中において、上下方向、水平方向、上側および下側とは、単に各部の相対位置関係を説明するための名称であり、実際の配置関係等は、これらの名称で示される配置関係等以外の配置関係等であってもよい。
ケース7は、有底筒状である。すなわち、ケース7は、一端側(軸方向一端側)が開口する開口部71と、他端側(軸方向他端側)を閉塞させる壁部74とを有する筒状の部材である。ケース7は、鉄等のような磁性を有する金属材料で構成されている。
また、ボビン2は、軸O2方向に沿って貫通した貫通孔22を有する。この貫通孔22の内径は、軸O2方向に沿って一定である。
ボビン2は、ケース7と同様に、磁性を有する金属材料で構成されている。
図4に示すように、コア4は、全体として円筒状であり、その軸O4がX軸方向と平行に配置されている。コア4の軸O4は、ボビン2の軸O2と重なる。
コア4およびヨーク5と同様に、樹脂部材6も、全体として円筒状であり、その軸O6がX軸方向と平行に配置されている。樹脂部材6の軸O6もボビン2の軸O2と重なる。
なお、コア4、ヨーク5および樹脂部材6は、それぞれ、本実施形態では円筒状であるが、これに限定されず、例えば、角筒状であってもよい。
また、図1~図3に示すように、コア4とヨーク5とは、軸O2方向に隣り合ってはいるものの、互いに離間している。これにより、コア4とヨーク5とは、磁性的に連続しない状態(以下「磁気的不連続状態」と言う)となっている。ここで、「磁気的不連続状態」とは、磁気回路的に直接つながっていない状態のことを言う。なお、磁気的不連続状態とするには、コア4とヨーク5とを離間させることの他に、例えば、コア4とヨーク5とが接しているが、コア4およびヨーク5のうちの少なくとも一方の表面に非磁性のコーティングを施すこと等が挙げられる。
このような構成のコア・ヨークユニット10の内側には、磁性材からなるプランジャ13が軸O2方向に沿って往復
動可能に支持されている。また、コア・ヨークユニット10の内側には、プランジャ13の一端側にプランジャピン14が配置されている。そして、プランジャ13が往復動することにより、その力がプランジャピン14を介して、前記油圧回路を切り替えるバルブ(図示せず)に伝達される。これにより、当該バルブを作動させることができる。
また、コア4は、縮径部44の他端側に隣り合い、縮径部44よりも外径φd4Aが大きい大経部45とを有する。この大経部45には、リング部材8が接する。これにより、リング部材8の軸O2方向の位置を規制ことができる。
前述したように、コア・ヨークユニット10は、軸O2方向の一端側に配置されたコア4と、軸O2方向の他端側に配置されたヨーク5と、コア4とヨーク5とにまたがって配置された樹脂部材6とを有する。
なお、第1傾斜面41よりも一端側には、前述した縮径部44が位置しており、第1傾斜面41と縮径部44との間には、前述した大経部45が位置している。
図4に示すように、コア4の第1傾斜面41と第1周方向溝42との間の部分は、第1軸方向溝48により、周方向に沿って複数の凸部46に分けられる。
また、深さdp42は、幅W42よりも小さく、深さdp52は、幅W52よりも小さい。これにより、深さdp42および深さdp52をそれぞれ比較的浅く設定することができ、磁気回路にとって好ましくなる。
図4に示すように、ヨーク5の第2傾斜面51と第2周方向溝52との間の部分は、第2軸方向溝58により、周方向に沿って複数の凸部56に分けられる。
また、第1軸方向溝48の深さdp48は、第1周方向溝42の深さdp42よりも深いのが好ましい。一方、第2周方向溝52の深さdp52も、第2周方向溝52の深さdp52よりも深いのが好ましい。
第2部分65は、第1周方向溝42内の全体を満たしており、第1周方向溝42の内面に密着する。
第3部分66は、第2周方向溝52内の全体を満たしており、第2周方向溝52の内面に密着する。
第4部分60は、第1軸方向溝48内の全体を満たしており、第1軸方向溝48の内面に密着する。
第5部分67は、第2軸方向溝58内の全体を満たしており、第2軸方向溝58の内面に密着する。
また、前述したように、コア4とヨーク5とは、プランジャ13を駆動させる際の磁気回路を構成する。そして、コア4とヨーク5との位置ズレが防止されることにより、プランジャ13を迅速に駆動させる程度の磁気回路を十分に生じさせることができる。
複数の第1貫通孔61は、樹脂部材6の周方向に沿って等間隔に配置されている。そして、各第1貫通孔61には、コア4の第1傾斜面41と第1周方向溝42との間にある凸部46が樹脂部材6の内側から入り込んで外方に向かって突出する。これにより、コア4が樹脂部材6に引っ掛かった状態となる。
なお、第1貫通孔61および第2貫通孔62の配置数は、複数に限定されず、1つであってもよい。また、第1貫通孔61の配置数と、第2貫通孔62の配置数とは、同じであってもよいし、異なっていてもよい。
次に、コア・ヨークユニット10を製造する方法について、図5~図7を参照して説明する。
次いで、母材を焼鈍する。
次いで、母材に対してメッキ加工を施す。
次いで、母材の内側に切削加工を施すことにより、薄肉部16を除去するとともに、内側溝63を設ける。これにより、コア4とヨーク5とを離間させることができ、よって、図7に示すコア・ヨークユニット10が得られる。
また、ヨークは、第2傾斜面、第2周方向溝および第2軸方向溝が省略されていてもよい。この場合、コアにおける第1周方向溝および第1軸方向溝は、必須要件となる。
Claims (12)
- 軸方向に沿って貫通した貫通孔を有する筒状のボビンと、
前記ボビンの外周部に巻回されたコイルと、
磁性材からなり、前記貫通孔の軸方向の一端側に配置された筒状のコアと、
磁性材からなり、前記貫通孔の軸方向の他端側に配置され、前記コアに対し磁性的に連続しないで隣り合う筒状のヨークと、
前記コアと前記ヨークとを磁気的に不連続な状態で保持する筒状の樹脂部材とを備え、
前記コアは、軸方向の端部に、外径が軸方向他端側に向かって漸減するテーパ状部で構成され、前記ヨークとの境界部に境界溝を構成する第1傾斜面と、該第1傾斜面よりも軸方向一端側に位置し、周方向に沿ったリング状の第1周方向溝と、前記第1傾斜面から前記第1周方向溝に至り、前記ボビンの軸方向に沿った複数の第1軸方向溝とを有し、
前記樹脂部材は、前記境界溝、前記第1周方向溝および前記第1軸方向溝内に配置され、前記第1傾斜面に密着し、
前記複数の第1軸方向溝は、前記第1周方向溝の軸方向他端側から前記第1周方向溝を超えて、軸方向に延びることを特徴とするソレノイド装置。 - 前記複数の第1軸方向溝は、前記ボビンの軸回りに等間隔に配置されている請求項1に記載のソレノイド装置。
- 前記ヨークは、軸方向の端部に、外径が軸方向一端側に向かって漸減するテーパ状部で構成され、前記第1傾斜面とともに前記境界溝を構成する第2傾斜面と、該第2傾斜面よりも軸方向他端側に位置し、周方向に沿った少なくとも1つのリング状の第2周方向溝と、前記第2傾斜面から前記第2周方向溝に至り、前記ボビンの軸方向に沿った複数の第2軸方向溝とを有し、
前記樹脂部材は、前記第2周方向溝および前記第2軸方向溝内に配置され、前記第2傾斜面に密着する請求項1から2のいずれか1項に記載のソレノイド装置。 - 前記複数の第2軸方向溝は、前記ボビンの軸回りに等間隔に配置されている請求項3に記載のソレノイド装置。
- 前記複数の第2軸方向溝は、前記第2周方向溝の軸方向一端側から前記第2周方向溝を超えて、軸方向に延びる請求項3または4に記載のソレノイド装置。
- 前記ボビンの軸方向に沿った前記第1傾斜面と前記第1周方向溝との距離は、前記ボビンの軸方向に沿った前記第2傾斜面と前記第2周方向溝との距離よりも長い請求項3から5のいずれか1項に記載のソレノイド装置。
- 前記樹脂部材は、前記コアの前記第1傾斜面と前記第1周方向溝との間の部分が一部突出する少なくとも1つの第1貫通孔と、前記ヨークの前記第2傾斜面と前記第2周方向溝との間の部分が一部突出する少なくとも1つの第2貫通孔とを有する請求項3から6のいずれか1項に記載のソレノイド装置。
- 前記樹脂部材は、前記第2周方向溝および前記第2軸方向溝内を満たす請求項3から7のいずれか1項に記載のソレノイド装置。
- 前記樹脂部材は、前記境界溝、前記第1周方向溝および前記第1軸方向溝内を満たす請求項1から8のいずれか1項に記載のソレノイド装置。
- 前記樹脂部材は、前記境界溝に位置する部分の内周部に、前記コアの内側の空間と、前記ヨークの内側の空間とに繋がる内側溝を有する請求項1から9のいずれか1項に記載のソレノイド装置。
- 軸方向に沿って貫通した貫通孔を有する筒状のボビンと、
前記ボビンの外周部に巻回されたコイルと、
磁性材からなり、前記貫通孔の軸方向の一端側に配置された筒状のコアと、
磁性材からなり、前記貫通孔の軸方向の他端側に配置され、前記コアに対し磁性的に連続しないで隣り合う筒状のヨークと、
前記コアと前記ヨークとを磁気的に不連続な状態で保持する筒状の樹脂部材とを備え、
前記コアは、軸方向の端部に、外径が軸方向他端側に向かって漸減することでテーパ状に形成され、前記ヨークとの境界部に境界溝を構成する第1傾斜面を有し、
前記ヨークは、軸方向の端部に、外径が軸方向一端側に向かって漸減するテーパ状部で構成され、前記第1傾斜面とともに前記境界溝を構成する第2傾斜面と、該第2傾斜面よりも軸方向他端側に位置し、周方向に沿った少なくとも1つのリング状の第2周方向溝と、前記第2傾斜面から前記第2周方向溝に至り、前記ボビンの軸方向に沿った複数の第2軸方向溝とを有し、
前記樹脂部材は、前記境界溝、前記第2周方向溝および前記第2軸方向溝内に配置され、前記第1傾斜面および前記第2傾斜面に密着し、前記境界溝に位置する部分の内周部に、前記コアの内側の空間と、前記ヨークの内側の空間とに繋がる内側溝を有することを特徴とするソレノイド装置。 - 前記コア、前記ヨークおよび前記樹脂部材は、それぞれ、円筒状である請求項1から11のいずれか1項に記載のソレノイド装置。
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